JP4320102B2 - 油圧緩衝器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は油圧緩衝器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、油圧緩衝器として、実公平5-6428号公報に記載の如く、シリンダにピストンロッドを挿入し、ピストンロッドの端部にピストンを固定し、シリンダの内部をピストンロッドが収容されないピストン側油室と、ピストンロッドが収容されるロッド側油室とに区画し、ピストンに設けたピストン側油室とロッド側油室を連絡する油路に減衰力発生装置を備え、ピストン側油室と隔壁部材により区画されるリザーバ室を設け、隔壁部材に設けたピストン側油室とリザーバ室を連絡する油路に減衰力発生装置を備えたものがある。
【0003】
この従来技術では、シリンダを外周から加締めてその内周に隔壁部材を固定している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
然しながら、従来技術では、隔壁部材をシリンダに加締固定するに際し、隔壁部材を損傷し易く、組付性が悪い。即ち、隔壁部材は、油路に備えた減衰力発生装置を構成するバルブのためのシート面を形成するものであって、硬さを必要とし、伸び率の大きい材料を採用しにくいから、加締加工により機械的衝撃を加えると割れを生じ易い。
【0005】
本発明の課題は、油圧緩衝器において、シリンダに固定される隔壁部材の組付性を向上することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、シリンダにピストンロッドを挿入し、ピストンロッドの端部にピストンを固定し、シリンダの内部をピストンロッドが収容されないピストン側油室と、ピストンロッドが収容されるロッド側油室とに区画し、ピストンに設けたピストン側油室とロッド側油室を連絡する油路に減衰力発生装置を備え、ピストン側油室と隔壁部材により区画されるリザーバ室を設け、隔壁部材に設けたピストン側油室とリザーバ室を連絡する油路に減衰力発生装置を備えた油圧緩衝器において、前記隔壁部材を軸方向で分割した第1の隔壁部材と第2の隔壁部材にて構成し、第2の隔壁部材を第1の隔壁部材より伸び率の大きい材料にて構成し、第1の隔壁部材と第2の隔壁部材を連結部材により連結し、第1の隔壁部材の外周をシール部材を介してシリンダの内周に嵌合し、第2の隔壁部材の外周をシリンダの内周に加締固定し、第1の隔壁部材と第2の隔壁部材のそれぞれにピストン側油室とリザーバ室を連絡する油路を設け、第1の隔壁部材の油路に圧側減衰力発生装置を備えてなるようにしたものである。
【0007】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の本発明において更に、前記第1の隔壁部材と第2の隔壁部材の連結部材にピストン側油室とリザーバ室を連通する連通路を設け、ピストンロッドを一定ストローク圧縮した後に上記連通路に嵌合するコントロールロッドをピストンロッドに設けたものである。
【0008】
請求項3に記載の本発明は、請求項1又は2に記載の本発明において更に、前記第1の隔壁部材に、それぞれピストン側油室とロッド側油室を連絡する圧側油路と伸側油路を設け、圧側油路に圧側バルブを、伸側油路に伸側チェックバルブを設けたものである。
【0009】
請求項4に記載の本発明は、請求項3に記載の本発明において更に、前記第2の隔壁部材が伸側チェックバルブのためのバルブストッパを兼ねるようにしたものである。
【0010】
【作用】
請求項1の発明によれば下記▲1▼〜▲3▼の作用がある。
▲1▼第1の隔壁部材と第2の隔壁部材は連結部材により連結され、第2の隔壁部材をシリンダに加締固定される状態でシリンダの内部に設置される。このとき、第2の隔壁部材は伸び率の大きい材料(例えば鋼板)により構成されるから、加締加工による機械的衝撃を受けても割れを生じない。他方、第1の隔壁部材は、加締加工されないから割れの虞なく、硬い材料(例えば燒結金属)を採用でき、減衰力発生装置を構成するバルブのためのシート面を形成できる。
【0011】
▲2▼第1の隔壁部材を重い材料で構成する必要があるとき、シリンダへの固定部分を第2の隔壁部材に割当てることにて、該第1の隔壁部材の軸方向長さを短くでき、油圧緩衝器の軽量化を図ることができる。
【0012】
▲3▼上述▲1▼、▲2▼は、第1の隔壁部材の構成材料として燒結材料を採用するときに特に有効である。燒結材料は成形性が良く然も硬いから、複数の油路を備えて形状複雑となる隔壁部材、且つバルブのための硬いシート面を形成する必要のある隔壁部材に用いて好適である。
【0013】
請求項2の発明によれば下記▲4▼、▲5▼の作用がある。
▲4▼ピストンロッドに設けたコントロールロッドが第1の隔壁部材と第2の隔壁部材の連結部材の連通路に嵌合すると、ピストン側油室とリザーバ室との連通路による連通が遮断され、第1の隔壁部材に設けた圧側減衰力発生装置が減衰力を発生するものとなり、減衰力が大きくなる(圧側減衰力の位置依存性)。
【0014】
▲5▼上述▲4▼において、コントロールロッドが連結部材の連通路に嵌合するとき、第1の隔壁部材と第2の隔壁部材の両者がシリンダの軸方向での2点支持(第1の隔壁部材はシール部材を介して、第2の隔壁部材は加締固定部で支持される)により安定支持され、コントロールロッドの嵌合のスムースと安定性を確保できる。
【0015】
請求項3の発明によれば下記▲6▼の作用がある。
▲6▼第1の隔壁部材に設けた圧側バルブにより圧側減衰力発生装置を構成するとともに、伸側バルブにより伸側減衰力発生装置を構成できる。
【0016】
請求項4の発明によれば下記▲7▼の作用がある。
▲7▼上述▲6▼において、第2の隔壁部材が伸側バルブのためのバルブストッパを兼ねるから、部品点数を削減し、組付性を向上できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は油圧緩衝器の伸長状態を示す断面図、図2は油圧緩衝器の圧縮状態を示す断面図、図3は図1の平面図、図4はピストンバルブ装置とベースバルブ装置を示す拡大断面図、図5は減衰力調整装置を示す拡大断面図である。
【0018】
油圧緩衝器10は、図1、図2に示す如く、シリンダ11に中空ピストンロッド12を挿入し、シリンダ11とピストンロッド12の外側部に懸架スプリング13を介装している。
【0019】
シリンダ11は車体側取付部材14を備え、ピストンロッド12に車輪側取付部材15を備える。シリンダ11の外周部にはばね受け調整ジャッキ16とばね受け17が螺着され、ピストンロッド12には座金18を介してばね受け19が固定されており、ばね受け17とばね受け19の間に懸架スプリング13を介装し、ばね受け調整ジャッキ16により懸架スプリング13の設定長さを調整可能としている。懸架スプリング13の弾発力が、車両が路面から受ける衝撃力を吸収する。
【0020】
尚、ばね受調整ジャッキ16は、図1〜図3に示す如く、シリンダ11の外周に嵌合されるスリーブ21と、このスリーブ21にOリング22を介して挿着され、ストッパリング23で軸方向に支持されるハウジング24と、スリーブ21とハウジング24の間のジャッキ室内でOリング25A、25Bを介して摺動可能とされるプランジャ25を有し、このプランジャ25にばね受け17を備えたものをユニット化して構成されている。このとき、ばね受け調整ジャッキ16は、ハウジング24に手動ポンプ26を一体に備え、手動ポンプ26の加圧操作ノブ27を螺動操作することによりポンプ室28の油を加圧し、ポンプ室28に連なるジャッキ室内のプランジャ25及びばね受け17を上下動し、ひいては懸架スプリング13の設定長さを調整する。尚、ばね受け調整ジャッキ16は、スリーブ21をシリンダ11の外周のストッパリング21Aに係止し、ハウジング24に設けた取付部24Aを止ねじ24Bでシリンダ11に固定することにて該シリンダ11に組付けられる。
【0021】
シリンダ11はピストンロッド12が貫通するロッドガイド31を備える。ロッドガイド31は、図1、図2に示す如く、Oリング32を介してシリンダ11に液密に装着されるとともに、オイルシール33、ブッシュ34、ダストシール35を備える内径部にピストンロッド12を液密に摺動自在としている。尚、シリンダ11は、ロッドガイド31の外側にバンプストッパキャップ36を備え、最圧縮時に、ピストンロッド12が備えるバンプラバー37にこのバンプストッパッキャップ36を衝合して最圧縮ストロークを規制可能としている。また、シリンダ11は、ロッドガイド31の内側にワッシャ38A、リバウンドラバー38を備えている。
【0022】
油圧緩衝器10は、ピストンバルブ装置(圧側及び伸側減衰力発生装置)40を有している。油圧緩衝器10は、ピストンバルブ装置40が発生する減衰力により、懸架スプリング13による衝撃力の吸収に伴うシリンダ11とピストンロッド12の伸縮振動を抑制する。
【0023】
ピストンバルブ装置40は、図1、図2、図4に示す如く、シリンダ11に挿入されたピストンロッド12の端部にバルブストッパ41、圧側バルブ42、ピストン43、伸側バルブ44、バルブストッパ45を装着し、これらをナット46で固定してある。
【0024】
ピストン43は、外周部に備えたOリング47A、ピストンリング47Bを介してシリンダ11の内部を液密に摺接し、シリンダ11の内部をピストンロッド12が収容されないピストン側油室48Aと、ピストンロッド12が収容されるロッド側油室48Bとに区画する。ピストン43は、ディスク状圧側バルブ42(減衰バルブ)を備えてピストン側油室48Aとロッド側油室48Bとを連通可能とする圧側油路49と、ディスク状伸側バルブ44(減衰バルブ)を備えてピストン側油室48Aとロッド側油室48Bとを連通可能とする伸側油路50とを備える。
【0025】
尚、ピストン43は、伸側バルブ44をバイパスしてピストン側油室48Aを伸側油路50に通じ、ピストン側油室48Aとロッド側油室48Bを常に連絡するオリフィス50Aを備える。
【0026】
また、ピストンバルブ装置40は、図1、図2、図5に示す減衰力調整装置51を有している。
【0027】
減衰力調整装置51は、ピストンロッド12に圧入したスリーブ51Aによりピストン側油室48Aとロッド側油室48Bを連通可能とするバイパス油路52を形成し、このバイパス油路52をピストン側油室48Aに開口する縦孔52Aとロッド側油室48Bに開口する横孔52Bにより構成している。減衰力調整装置51は、ピストンロッド12の中空部に調整ロッド53を軸方向に進退自在に、且つOリング54を介して液密に挿入され、先端のニードル弁53Aによりバイパス油路52の縦孔52Aの基端にてスリーブ51Aの端面が形成するバルブシート52Cの開口面積を調整する。このとき、調整ロッド53は、その基端部をピストンロッド12から取付部材15の側に延在し、その基端部の端面に当接部55を設けている。そして、調整ロッド53は、ピストン側油室48Aの油圧に基づくスラスト力により、その当接部55を後述するアジャスタ61に衝合する方向に突出せしめられている。
【0028】
アジャスタ61は、ピストンロッド12の外端部に固定されている取付部材15に設けられ、調整ロッド53の軸方向に交差する、車幅方向に穿設された装着孔62に支持され、調整ロッド45の当接部55に直接当接し、調整ロッド53を軸方向に進退させ、調整ロッド53のニードル弁53Aによりバイパス流路52のバルブシート52Cの開口面積を調整し、伸側減衰力を調整可能とする。具体的には、アジャスタ61は、装着孔62のねじ孔62Aから挿入され、先端の溝付操作部61Bを装着孔62の支持孔62BにOリング63を介して液密に枢支され、基端のねじ部61Aを装着孔62のねじ孔62Aに螺着され、中間のテーパ状カム面61Cを調整ロッド53の当接部55に当接せしめている。これにより、アジャスタ61は、溝付操作部61Bの溝に係入せしめられる回転操作工具により回転されて螺動され、カム面61Cの変位により調整ロッド53を軸方向に進退可能とする。尚、装着孔62のねじ孔62Aはプラグ64により封止される。
【0029】
このとき、プラグ64は、アジャスタ61が調整ロッド53のニードル弁53Aによりバルブシート52Cを全閉にするときに、アジャスタ61のねじ部61Aの基端面が衝合する位置に設定されて用いられる。これにより、アジャスタ61はプラグ64に衝合するバルブシート52Cの全閉位置を調整基準位置とし、この基準位置から1回転、2回転…の如くに戻し方向に螺動してバルブシート52Cの開度を調整でき、その調整を容易化できる。
【0030】
油圧緩衝器10は、ベースバルブ装置(圧側減衰力発生装置)70を有している。ベースバルブ装置70は、図1、図2、図4に示す如く、シリンダ11の内部に隔壁部材70Aを設け、この隔壁部材70Aによってピストン側油室48Aと区画されるリザーバ室73を設け、隔壁部材70A(第1の隔壁部材71)に設けた油路(圧側油路83)に圧側減衰力発生装置(圧側バルブ79)を備える。
【0031】
本実施形態では、ベースバルブ装置70の隔壁部材70Aを、図4に示す如く、軸方向で分割した第1の隔壁部材71と第2の隔壁部材72にて構成し、第2の隔壁部材72(例えば鋼板又はエンジニアリングプラスチック)を第1の隔壁部材71(例えば燒結金属等の燒結材料)より伸び率の大きい材料にて構成している。そして、第1の隔壁部材71と第2の隔壁部材72を連結部材74により連結し、第1の隔壁部材71の外周をゴム袋状プラダ(ダイヤフラム)75の基端シール部75Aを介してシリンダ11の内周に密着状に嵌合し、第2の隔壁部材72の外周をシリンダ11の外側から施される加締部76(例えば周方向6点のポンチ加締部又は周方向連続のボール加締部)によりシリンダ11の内周に加締固定してある。プラダ75は、リザーバ室73に対しガス室73Aを画成する。
【0032】
連結部材74は中空ロッド状をなし、一端フランジ部74Aの上に第2の隔壁部材72、ワッシャ77、ディスク状伸側バルブ78(チェックバルブ)、第1の隔壁部材71、ディスク状圧側バルブ79(減衰バルブ)、バルブストッパ80を装着し、これらをナット81で固定してある。このとき、第2の隔壁部材72が伸側バルブ78のためのバルブストッパを兼ねる。第1の隔壁部材71は、伸側バルブ78を備えてピストン側油室48Aとリザーバ室73を連絡可能とする伸側油路82と、圧側バルブ79を備えてピストン側油室48Aとリザーバ室73を連絡可能とする圧側油路83とを備える。また、第2の隔壁部材72は、ピストン側油室48Aを上述の第1の隔壁部材71の伸側油路82、圧側油路83を介してリザーバ室73に連絡可能とする油路84を備える。
【0033】
即ち、ベースバルブ装置70にあっては、ピストンロッド12に後述する如くに取着されるコントロールロッド91が連結部材74の後述する連通路90に嵌合する前の段階で、油圧緩衝器10の圧縮時には、シリンダ11に進入するピストンロッド12の進入容積分の油をピストン側室48Aから連通路90経由でリザーバ室73に押し出して補償し、油圧緩衝器10の伸長時にはシリンダ11から退出するピストンロッド12の退出容積分の油をリザーバ室73から連通路90経由でピストン側油室48Aに戻して補償する。そして、コントロールロッド91が連通路90に嵌合する後の段階では、連通路90がコントロールロッド91により遮断される結果、油圧緩衝器10の圧縮時には、シリンダ11に進入するピストンロッド12の進入容積分の油がピストン側油室48Aから圧側バルブ79を備える圧側油路83経由でリザーバ室73に押し出されて補償され、油圧緩衝器10の伸長時には、シリンダ11から退出するピストンロッド12の退出容積分の油がリザーバ室73から伸側バルブ78を備える伸側油路82経由でピストン側油室48Aに戻されて補償される。
【0034】
然るに、油圧緩衝器10では、ベースバルブ装置70の圧側バルブ79による圧側減衰力に位置依存性を具備せしめるため、以下の構成を備える。
【0035】
即ち、図4に示す如く、第1の隔壁部材71と第2の隔壁部材72の連結部材74にピストン側油室48Aとリザーバ室73を連通する連通路90を設け、ピストンロッド12を一定ストローク圧縮した後に上記連通路90に嵌合するコントロールロッド91をピストンロッド12に設けた。このとき、コントロールロッド91の基端部には拡径部91Aを、先端部には先細り状テーパ部91Bを形成し、ピストンロッド12の先端部に螺合した前述のピストン43固定のためのナット46の抱持部46Aにより該拡径部91Aを保持し、コントロールロッド91をナット46の内面と拡径部91Aとの間に介装したOリング92(弾性部材)により径方向移動可能に支持してある。Oリング92はコントロールロッド91の拡径部91Aに設けたリング溝に嵌着されている。コントロールロッド91は、拡径部91Aを径方向移動可能に支持され、且つ先細り状テーパ部91Bを備えることにより、連結部材74の連通路90にスムースに挿入できる。
【0036】
また、コントロールロッド91は基端側に開口してピストンロッド12の側のバイパス油路52に連通する中空部93を備え、該コントロールロッド91の外面の軸方向の2位置に該中空部93に連絡する第1の孔94Aと第2の孔94Bを設け、該コントロールロッド91が連通路90に嵌合したとき(図4)、第1の孔94Aは該コントロールロッド91と該連通路90の間の微小隙間を介してリザーバ室73に連絡し、第2の孔94Bはピストン側油室48Aに連絡するように設定してある。尚、ピストンロッド12に設けたバイパス油路52は、コントロールロッド91の第1の孔94A、第2の孔94Bを介してピストン側油室48Aに連絡する。
【0037】
従って、油圧緩衝器10の減衰動作は以下の通りになる。
(圧縮時)
(a) ピストンロッド12の移動速度が低速のとき、ピストン側油室48Aの油がコントロールロッド91の第1の孔94A、第2の孔94Bからピストンロッド12のバイパス油路52経由でロッド側油室48Bに移動し、この間のニードル弁53Aによる絞り抵抗により圧側減衰力を得る。同時に、ピストン側油室48Aの油がピストン43のオリフィス50Aを通って、ロッド側油室48Bに移動し、この間のオリフィス50Aによる絞り抵抗により圧側減衰力を得る。
【0038】
(b) ピストンロッド12の移動速度が中高速のとき、コントロールロッド11が連結部材74の連通路90に未だ嵌合しない小ストローク段階では、上述(a) の減衰力に加え、ピストン側油室48Aの油がピストン43の圧側油路49を通ってロッド側油室48Bに移動し、この間の圧側バルブ42の撓み変形による圧側減衰力を得る。
【0039】
(c) ピストンロッド12の移動速度が中高速のとき、コントロールロッド91が連結部材74の連通路90に嵌合した大ストローク段階では、上述(a)、(b)の減衰力に加え、ピストン側油室48Aの油が第1の隔壁部材71の圧側油路83を通ってリザーバ室73に移動し、この間の圧側バルブ79の撓み変形による圧側減衰力を得る。
【0040】
尚、上述(a)〜(c)において、シリンダ11に進入したピストンロッド12の進入容積分の油が、ピストン側油室48Aから、連結部材74の連通路90又は第1と第2の隔壁部材71、72の油路83、84を通ってリザーバ室73に押し出されて補償される。
【0041】
(伸長時)
(a) ピストンロッド12の移動速度が低速のとき、ロッド側油室48Bの油がピストンロッド12のバイパス油路52からコントロールロッド91の孔94A、94B経由でピストン側油室48Aに移動し、この間のニードル弁53Aによる絞り抵抗により伸側減衰力を得る。同時に、ロッド側油室48Bの油がピストン43のオリフィス50Aを通ってピストン側油室48Aに移動し、この間のオリフィス50Aによる絞り抵抗により伸側減衰力を得る。
【0042】
(b) ピストンロッド12の移動速度が中高速のとき、上述(a) の減衰力に加え、ロッド側油室48Bの油がピストン43の伸側油路50を通ってピストン側油室48Aに移動し、この間の伸側バルブ44の撓み変形による伸側減衰力を得る。
【0043】
尚、上述(a) 、(b) において、シリンダ11から退出するピストンロッド12の退出容積分の油が、リザーバ室73から、第1と第2の隔壁部材71、72の油路82(伸側チェックバルブ78)、84又は連結部材74の連通路90を通ってピストン側油室48Aに戻されて補償される。
【0044】
従って、本実施形態によれば、以下の作用がある。
(1) ピトンロッド12に設けたコントロールロッド91が隔壁部材70A(第1の隔壁部材71と第2の隔壁部材72)の連結部材74の連通路90に嵌合すると、ピストン側油室48Aとリザーバ室73との連通路90による連通が遮断され、第1の隔壁部材71に設けた圧側減衰力発生装置(ベースバルブ装置70の圧側バルブ79)が減衰力を発生するものとなり、減衰力が大きくなる(圧側減衰力の位置依存性)。
【0045】
(2) コントロールロッド91がピストンロッド12に弾性部材(Oリング92)を介して径方向移動可能に取着される。これにより、コントロールロッド91と隔壁部材70Aの連通路90の同芯度にずれがあっても、このずれをコントロールロッド91の径方向移動により簡易に吸収できる。従って、高い加工精度、組付精度を必要とすることなく、安定動作でき、コスト低減できる。
【0046】
(3) ナット46は、ピストン43(バルブ42、44、バルブストッパ41、45を含む)をピストンロッド12に固定するとともに、コントロールロッド91の保持も兼ねるので、ナット46以外のコントロールロッド91のための保持部材を必要とせず、構成簡素とし、組付性も向上する。
【0047】
(4) コントロールロッド91が隔壁部材70Aの連通路90に嵌合した状態から、ピストンロッド12が伸長行程に反転し、コントロールロッド91が連通路90を抜け方向に移動するとき、リザーバ室73に生ずることとなる負圧状態は、ピストン側油室48Aの油がコントロールロッド91の第2の孔94B、中空部93、第1の孔94Aを経てコントロールロッド91と連通路90の微小隙間からリザーバ室73に迅速に補給されることによって直ちに解消される。従って、コントロールロッド91は連通路90から抜け易くなり、抜け出るときの抜け音(異音)の発生が抑制される。
【0048】
(5) コントロールロッド91をピストンロッド12に設けたから、このピストンロッド12の内部にバイパス油路52を設け、且つこのバイパス油路52の通路面積を調整する調整ロッド53を備えた減衰力調整装置51を容易に装備できる。
【0049】
(6) コントロールロッド91に設けた前述(4) の第1の孔94Aと第2の孔94Bを、ピストンロッド12の内部に装備した上述(5) の減衰力調整装置51のバイパス油路52をピストン側油室48Aに連絡する通路としても利用でき、構成の簡素を図ることができる。
【0050】
(7) 第1の隔壁部材71と第2の隔壁部材72は連結部材74により連結され、第2の隔壁部材72をシリンダ11に加締固定される状態でシリンダ11の内部に設置される。このとき、第2の隔壁部材72は伸び率の大きい材料(例えば鋼板)により構成されるから、加締加工による機械的衝撃を受けても割れを生じない。他方、第1の隔壁部材71は、加締加工されないから割れの虞れなく、硬い材料(例えば燒結金属)を採用でき、減衰力発生装置(ベースバルブ装置70)を構成するバルブ78、79のためのシート面を形成できる。
【0051】
(8) 第1の隔壁部材71を重い材料で構成する必要があるとき、シリンダ11への固定部分を第2の隔壁部材72に割当てることにて、該第1の隔壁部材71の軸方向長さを短くでき、油圧緩衝器10の軽量化を図ることができる。
【0052】
(9) 上述(7) 、(8) は、第1の隔壁部材71の構成材料として燒結材料を採用するときに特に有効である。燒結材料は成形性が良く然も硬いから、複数の油路82、83を備えて形状複雑となる隔壁部材、且つバルブ78、79のための硬いシート面を形成する必要のある隔壁部材に用いて好適である。
【0053】
(10)前述(1) において、コントロールロッド91が連結部材74の連通路90に嵌合するとき、第1の隔壁部材71と第2の隔壁部材72の両者がシリンダ11の軸方向での2点支持(第1の隔壁部材71はプラダ75のシール部75Aを介して、第2の隔壁部材72は加締部76で支持される)により安定支持され、コントロールロッド91の嵌合のスムースと安定性を確保できる。
【0054】
(11)ピストン43に設けた伸側バルブ44により伸側減衰力発生装置を構成するとともに、圧側バルブ42により圧側減衰力発生装置も構成できる。
【0055】
(12)第1の隔壁部材71に設けた圧側バルブ79により圧側減衰力発生装置を構成するとともに、伸側バルブにより伸側減衰力発生装置を構成できる。
【0056】
(13)上述(12)において、伸側チェックバルブ78のための第2の隔壁部材72が伸側バルブのためのバルブストッパを兼ねるから、部品点数を削減し、組付性を向上できる。
【0057】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、以下の変形を採用できる。
【0058】
(a) コントロールロッドをピストンロッドに径方向移動可能に支持する弾性部材は、Oリングに限らず、コイルばね、板ばね等のスプリング等であっても良い。
【0059】
(b) コントロールロッドが連通路に嵌合したとき、リザーバ室に連通する第1の孔は、微小通路を介するものであれば、コントロールロッドと連通路の間の微小隙間を介するものに限らない。第1の孔はオリフィスでも良く、或いはピストン側油室の側からリザーバ室の側への油の流れのみを許容するチェック弁を介するものであっも良い。
【0060】
(c) 隔壁部材を分割してなる第1の隔壁部材の外周をシリンダの内周に嵌合する際に用いるシール部材は、プラダの基端シール部材に限らず、Oリングでも良く、その場合には、プラダはフリーピストンに変更される。
【0061】
尚、本発明のリザーバ室は、上記実施形態の如く、シリンダ内部に設けるものに限らず、シリンダを外管と内管からなる2重管構造とし、その外管と内管の間に設けても良く、或いは、シリンダの外部に該シリンダ内と連通させたリザーバタンクを形成し、そのリザーバタンク内に設けても良い。
【0062】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、油圧緩衝器において、シリンダに固定される隔壁部材の組付性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は油圧緩衝器の伸長状態を示す断面図である。
【図2】図2は油圧緩衝器の圧縮状態を示す断面図である。
【図3】図3は図1の平面図である。
【図4】図4はピストンバルブ装置とベースバルブ装置を示す拡大断面図である。
【図5】図5は減衰力調整装置を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
10 油圧緩衝器
11 シリンダ
12 ピストンロッド
42 圧側バルブ(減衰力発生装置)
43 ピストン
48A ピストン側油室
48B ロッド側油室
44 伸側バルブ(減衰力発生装置)
49 圧側油路
50 伸側油路
70A 隔壁部材
71 第1の隔壁部材
72 第2の隔壁部材
73 リザーバ室
74 連結部材
75A シール部(シール部材)
76 加締部
78 伸側チェックバルブ
79 圧側バルブ(圧側減衰力発生装置)
82 伸側油路
83 圧側油路
90 連通路
91 コントロールロッド

Claims (4)

  1. シリンダにピストンロッドを挿入し、ピストンロッドの端部にピストンを固定し、シリンダの内部をピストンロッドが収容されないピストン側油室と、ピストンロッドが収容されるロッド側油室とに区画し、ピストンに設けたピストン側油室とロッド側油室を連絡する油路に減衰力発生装置を備え、
    ピストン側油室と隔壁部材により区画されるリザーバ室を設け、隔壁部材に設けたピストン側油室とリザーバ室を連絡する油路に減衰力発生装置を備えた油圧緩衝器において、
    前記隔壁部材を軸方向で分割した第1の隔壁部材と第2の隔壁部材にて構成し、第2の隔壁部材を第1の隔壁部材より伸び率の大きい材料にて構成し、
    第1の隔壁部材と第2の隔壁部材を連結部材により連結し、第1の隔壁部材の外周をシール部材を介してシリンダの内周に嵌合し、第2の隔壁部材の外周をシリンダの内周に加締固定し、
    第1の隔壁部材と第2の隔壁部材のそれぞれにピストン側油室とリザーバ室を連絡する油路を設け、第1の隔壁部材の油路に圧側減衰力発生装置を備えてなることを特徴とする油圧緩衝器。
  2. 前記第1の隔壁部材と第2の隔壁部材の連結部材にピストン側油室とリザーバ室を連通する連通路を設け、
    ピストンロッドを一定ストローク圧縮した後に上記連通路に嵌合するコントロールロッドをピストンロッドに設けた請求項1記載の油圧緩衝器。
  3. 前記第1の隔壁部材に、それぞれピストン側油室とロッド側油室を連絡する圧側油路と伸側油路を設け、圧側油路に圧側バルブを、伸側油路に伸側チェックバルブを設けた請求項1又は2記載の油圧緩衝器。
  4. 前記第2の隔壁部材が伸側チェックバルブのためのバルブストッパを兼ねる請求項3記載の油圧緩衝器。
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