JP2001263400A - 油圧緩衝器 - Google Patents

油圧緩衝器

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JP2001263400A
JP2001263400A JP2000073019A JP2000073019A JP2001263400A JP 2001263400 A JP2001263400 A JP 2001263400A JP 2000073019 A JP2000073019 A JP 2000073019A JP 2000073019 A JP2000073019 A JP 2000073019A JP 2001263400 A JP2001263400 A JP 2001263400A
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rod
side oil
oil chamber
hole
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Hiroshi Goto
博志 後藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧側減衰力に位置依存性を具備せしめた油圧
緩衝器において、圧縮行程から伸長行程に反転した際の
異音発生を防止すること。 【解決手段】 油圧緩衝器10において、隔壁部材70
A(71、72)にピストン側油室48Aとリザーバ室
73を連通する連通路90を設け、ピストンロッド12
を一定ストローク圧縮した後に上記連通路90に嵌合す
るコントロールロッド91をピストンロッド12に設
け、コントロールロッド91の内部に中空部93を設
け、該コントロールロッド91の軸方向の2位置に該中
空部93に連絡する第1の孔94Aと第2の孔94Bを
設け、該コントロールロッド91が連通路90に嵌合し
たとき、第1の孔94Aは微小通路を介してリザーバ室
73に連絡し、第2の孔94Bはピストン側油室48A
に連絡するもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧縮時にピストン
ロッドの位置により減衰力の大きさが切換わる(圧側減
衰力の位置依存性)油圧緩衝器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、油圧緩衝器として、特開平6-1017
35号公報に記載の如く、シリンダにピストンロッドを挿
入し、ピストンロッドの端部にピストンを固定し、シリ
ンダの内部をピストンロッドが収容されないピストン側
油室と、ピストンロッドが収容されるロッド側油室とに
区画し、ピストンに設けたピストン側油室とロッド側油
室を連絡する油路に伸側減衰力発生装置を備えたものが
ある。
【0003】この従来技術では、圧側減衰力に位置依存
性を具備せしめるため、ピストン側油室とリザーバ室を
連通する連通路を設けたコントロールロッドを隔壁部材
に立設し、ピストンロッドが一定ストローク圧縮した後
に上記コントロールロッドの連通路の開口部をピストン
ロッドの挿入孔に嵌合可能としている。コントロールロ
ッドの連通路の開口部がピストンロッドの挿入孔に嵌合
すると、コントロールロッドの連通路が遮断され、隔壁
部材に設けた圧側減衰力発生装置が減衰力を発生するも
のとなり、減衰力が大きくなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来技術には以下の問
題点がある。 コントロールロッドの連通路の開口部がピストンロッ
ドの挿入孔に嵌合した状態から、ピストンロッドが伸長
行程に反転し、コントロールロッドが挿入孔を抜け方向
に移動するとき、リザーザ室は負圧状態となり、コント
ロールロッドが挿入孔から抜け出るに際して抜け音(異
音)を発する。
【0005】コントロールロッドを隔壁部材に立設
し、ピストンロッドにコントロールロッドのための挿入
孔を設けた。従って、ピストンロッドの内部に油路を設
け、且つこの油路の通路面積を調整する調整ロッドを備
えた減衰力調整装置を装備できない。
【0006】本発明の課題は、圧側減衰力に位置依存性
を具備せしめた油圧緩衝器において、圧縮行程から伸長
行程に反転した際の異音発生を防止することにある。
【0007】また、本発明の課題は、ピストンロッドの
内部に減衰力調整装置を容易に装備できることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、シリンダにピストンロッドを挿入し、ピストンロッ
ドの端部にピストンを固定し、シリンダの内部をピスト
ンロッドが収容されないピストン側油室と、ピストンロ
ッドが収容されるロッド側油室とに区画し、ピストンに
設けたピストン側油室とロッド側油室を連絡する油路に
伸側減衰力発生装置を備え、ピストン側油室と隔壁部材
により区画されるリザーバ室を設け、隔壁部材に設けた
ピストン側油室とリザーバ室を連絡する油路に圧側減衰
力発生装置を備えた油圧緩衝器において、隔壁部材にピ
ストン側油室とリザーバ室を連通する連通路を設け、ピ
ストンロッドを一定ストローク圧縮した後に上記連通路
に嵌合するコントロールロッドをピストンロッドに設
け、コントロールロッドの内部に中空部を設け、該コン
トロールロッドの外面の軸方向の2位置に該中空部に連
絡する第1の孔と第2の孔を設け、該コントロールロッ
ドが前記連通路に嵌合したとき、第1の孔は微小通路を
介してリザーバ室に連絡し、第2の孔はピストン側油室
に連絡するようにしたものである。
【0009】請求項2に記載の本発明は、請求項1に記
載の本発明において更に、前記ピストンロッドに、前記
ピストンに設けた油路をバイパスするバイパス油路を設
け、且つこのバイパス油路の通路面積を調整する調整ロ
ッドを設けたものである。
【0010】請求項3に記載の本発明は、請求項2に記
載の本発明において更に、前記ピストンロッドに設けた
バイパス油路が、前記コントロールロッドに設けた第1
の孔と第2の孔を介してピストン側油室に連絡するよう
にしたものである。
【0011】
【作用】請求項1の発明によれば下記の作用がある。 コントロールロッドが隔壁部材の連通路に嵌合した状
態から、ピストンロッドが伸長行程に反転し、コントロ
ールロッドが連通路を抜け方向に移動するとき、リザー
バ室に生ずることとなる負圧状態は、ピストン側油室の
油がコントロールロッドの第2の孔、中空部、第1の孔
を経てコントロールロッドと連通路の微小隙間からリザ
ーバ室に迅速に補給されることによって直ちに解消され
る。従って、コントロールロッドは連通路から抜け易く
なり、抜け出るときの抜け音(異音)の発生が抑制され
る。
【0012】請求項2の発明によれば下記の作用があ
る。 コントロールロッドをピストンロッドに設けたから、
このピストンロッドの内部に油路を設け、且つこの油路
の通路面積を調整する調整ロッドを備えた減衰力調整装
置を容易に装備できる。
【0013】請求項3の発明によれば下記の作用があ
る。 コントロールロッドに設けた前述の第1の孔と第2
の孔を、ピストンロッドの内部に装備した上述の減衰
力調整装置のバイパス油路をピストン側油室に連絡する
通路としても利用でき、構成の簡素を図ることができ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は油圧緩衝器の伸長状態を示
す断面図、図2は油圧緩衝器の圧縮状態を示す断面図、
図3は図1の平面図、図4はピストンバルブ装置とベー
スバルブ装置を示す拡大断面図、図5は減衰力調整装置
を示す拡大断面図である。
【0015】油圧緩衝器10は、図1、図2に示す如
く、シリンダ11に中空ピストンロッド12を挿入し、
シリンダ11とピストンロッド12の外側部に懸架スプ
リング13を介装している。
【0016】シリンダ11は車体側取付部材14を備
え、ピストンロッド12に車輪側取付部材15を備え
る。シリンダ11の外周部にはばね受け調整ジャッキ1
6とばね受け17が螺着され、ピストンロッド12には
座金18を介してばね受け19が固定されており、ばね
受け17とばね受け19の間に懸架スプリング13を介
装し、ばね受け調整ジャッキ16により懸架スプリング
13の設定長さを調整可能としている。懸架スプリング
13の弾発力が、車両が路面から受ける衝撃力を吸収す
る。
【0017】尚、ばね受調整ジャッキ16は、図1〜図
3に示す如く、シリンダ11の外周に嵌合されるスリー
ブ21と、このスリーブ21にOリング22を介して挿
着され、ストッパリング23で軸方向に支持されるハウ
ジング24と、スリーブ21とハウジング24の間のジ
ャッキ室内でOリング25A、25Bを介して摺動可能
とされるプランジャ25を有し、このプランジャ25に
ばね受け17を備えたものをユニット化して構成されて
いる。このとき、ばね受け調整ジャッキ16は、ハウジ
ング24に手動ポンプ26を一体に備え、手動ポンプ2
6の加圧操作ノブ27を螺動操作することによりポンプ
室28の油を加圧し、ポンプ室28に連なるジャッキ室
内のプランジャ25及びばね受け17を上下動し、ひい
ては懸架スプリング13の設定長さを調整する。尚、ば
ね受け調整ジャッキ16は、スリーブ21をシリンダ1
1の外周のストッパリング21Aに係止し、ハウジング
24に設けた取付部24Aを止ねじ24Bでシリンダ1
1に固定することにて該シリンダ11に組付けられる。
【0018】シリンダ11はピストンロッド12が貫通
するロッドガイド31を備える。ロッドガイド31は、
図1、図2に示す如く、Oリング32を介してシリンダ
11に液密に装着されるとともに、オイルシール33、
ブッシュ34、ダストシール35を備える内径部にピス
トンロッド12を液密に摺動自在としている。尚、シリ
ンダ11は、ロッドガイド31の外側にバンプストッパ
キャップ36を備え、最圧縮時に、ピストンロッド12
が備えるバンプラバー37にこのバンプストッパッキャ
ップ36を衝合して最圧縮ストロークを規制可能として
いる。また、シリンダ11は、ロッドガイド31の内側
にワッシャ38A、リバウンドラバー38を備えてい
る。
【0019】油圧緩衝器10は、ピストンバルブ装置
(圧側及び伸側減衰力発生装置)40を有している。油
圧緩衝器10は、ピストンバルブ装置40が発生する減
衰力により、懸架スプリング13による衝撃力の吸収に
伴うシリンダ11とピストンロッド12の伸縮振動を抑
制する。
【0020】ピストンバルブ装置40は、図1、図2、
図4に示す如く、シリンダ11に挿入されたピストンロ
ッド12の端部にバルブストッパ41、圧側バルブ4
2、ピストン43、伸側バルブ44、バルブストッパ4
5を装着し、これらをナット46で固定してある。
【0021】ピストン43は、外周部に備えたOリング
47A、ピストンリング47Bを介してシリンダ11の
内部を液密に摺接し、シリンダ11の内部をピストンロ
ッド12が収容されないピストン側油室48Aと、ピス
トンロッド12が収容されるロッド側油室48Bとに区
画する。ピストン43は、ディスク状圧側バルブ42
(減衰バルブ)を備えてピストン側油室48Aとロッド
側油室48Bとを連通可能とする圧側油路49と、ディ
スク状伸側バルブ44(減衰バルブ)を備えてピストン
側油室48Aとロッド側油室48Bとを連通可能とする
伸側油路50とを備える。
【0022】尚、ピストン43は、伸側バルブ44をバ
イパスしてピストン側油室48Aを伸側油路50に通
じ、ピストン側油室48Aとロッド側油室48Bを常に
連絡するオリフィス50Aを備える。
【0023】また、ピストンバルブ装置40は、図1、
図2、図5に示す減衰力調整装置51を有している。
【0024】減衰力調整装置51は、ピストンロッド1
2に圧入したスリーブ51Aによりピストン側油室48
Aとロッド側油室48Bを連通可能とするバイパス油路
52を形成し、このバイパス油路52をピストン側油室
48Aに開口する縦孔52Aとロッド側油室48Bに開
口する横孔52Bにより構成している。減衰力調整装置
51は、ピストンロッド12の中空部に調整ロッド53
を軸方向に進退自在に、且つOリング54を介して液密
に挿入され、先端のニードル弁53Aによりバイパス油
路52の縦孔52Aの基端にてスリーブ51Aの端面が
形成するバルブシート52Cの開口面積を調整する。こ
のとき、調整ロッド53は、その基端部をピストンロッ
ド12から取付部材15の側に延在し、その基端部の端
面に当接部55を設けている。そして、調整ロッド53
は、ピストン側油室48Aの油圧に基づくスラスト力に
より、その当接部55を後述するアジャスタ61に衝合
する方向に突出せしめられている。
【0025】アジャスタ61は、ピストンロッド12の
外端部に固定されている取付部材15に設けられ、調整
ロッド53の軸方向に交差する、車幅方向に穿設された
装着孔62に支持され、調整ロッド45の当接部55に
直接当接し、調整ロッド53を軸方向に進退させ、調整
ロッド53のニードル弁53Aによりバイパス流路52
のバルブシート52Cの開口面積を調整し、伸側減衰力
を調整可能とする。具体的には、アジャスタ61は、装
着孔62のねじ孔62Aから挿入され、先端の溝付操作
部61Bを装着孔62の支持孔62BにOリング63を
介して液密に枢支され、基端のねじ部61Aを装着孔6
2のねじ孔62Aに螺着され、中間のテーパ状カム面6
1Cを調整ロッド53の当接部55に当接せしめてい
る。これにより、アジャスタ61は、溝付操作部61B
の溝に係入せしめられる回転操作工具により回転されて
螺動され、カム面61Cの変位により調整ロッド53を
軸方向に進退可能とする。尚、装着孔62のねじ孔62
Aはプラグ64により封止される。
【0026】このとき、プラグ64は、アジャスタ61
が調整ロッド53のニードル弁53Aによりバルブシー
ト52Cを全閉にするときに、アジャスタ61のねじ部
61Aの基端面が衝合する位置に設定されて用いられ
る。これにより、アジャスタ61はプラグ64に衝合す
るバルブシート52Cの全閉位置を調整基準位置とし、
この基準位置から1回転、2回転…の如くに戻し方向に
螺動してバルブシート52Cの開度を調整でき、その調
整を容易化できる。
【0027】油圧緩衝器10は、ベースバルブ装置(圧
側減衰力発生装置)70を有している。ベースバルブ装
置70は、図1、図2、図4に示す如く、シリンダ11
の内部に隔壁部材70Aを設け、この隔壁部材70Aに
よってピストン側油室48Aと区画されるリザーバ室7
3を設け、隔壁部材70A(第1の隔壁部材71)に設
けた油路(圧側油路83)に圧側減衰力発生装置(圧側
バルブ79)を備える。
【0028】本実施形態では、ベースバルブ装置70の
隔壁部材70Aを、図4に示す如く、軸方向で分割した
第1の隔壁部材71と第2の隔壁部材72にて構成し、
第2の隔壁部材72(例えば鋼板又はエンジニアリング
プラスチック)を第1の隔壁部材71(例えば燒結金属
等の燒結材料)より伸び率の大きい材料にて構成してい
る。そして、第1の隔壁部材71と第2の隔壁部材72
を連結部材74により連結し、第1の隔壁部材71の外
周をゴム袋状プラダ(ダイヤフラム)75の基端シール
部75Aを介してシリンダ11の内周に密着状に嵌合
し、第2の隔壁部材72の外周をシリンダ11の外側か
ら施される加締部76(例えば周方向6点のポンチ加締
部又は周方向連続のボール加締部)によりシリンダ11
の内周に加締固定してある。プラダ75は、リザーバ室
73に対しガス室73Aを画成する。
【0029】連結部材74は中空ロッド状をなし、一端
フランジ部74Aの上に第2の隔壁部材72、ワッシャ
77、ディスク状伸側バルブ78(チェックバルブ)、
第1の隔壁部材71、ディスク状圧側バルブ79(減衰
バルブ)、バルブストッパ80を装着し、これらをナッ
ト81で固定してある。このとき、第2の隔壁部材72
が伸側バルブ78のためのバルブストッパを兼ねる。第
1の隔壁部材71は、伸側バルブ78を備えてピストン
側油室48Aとリザーバ室73を連絡可能とする伸側油
路82と、圧側バルブ79を備えてピストン側油室48
Aとリザーバ室73を連絡可能とする圧側油路83とを
備える。また、第2の隔壁部材72は、ピストン側油室
48Aを上述の第1の隔壁部材71の伸側油路82、圧
側油路83を介してリザーバ室73に連絡可能とする油
路84を備える。
【0030】即ち、ベースバルブ装置70にあっては、
ピストンロッド12に後述する如くに取着されるコント
ロールロッド91が連結部材74の後述する連通路90
に嵌合する前の段階で、油圧緩衝器10の圧縮時には、
シリンダ11に進入するピストンロッド12の進入容積
分の油をピストン側室48Aから連通路90経由でリザ
ーバ室73に押し出して補償し、油圧緩衝器10の伸長
時にはシリンダ11から退出するピストンロッド12の
退出容積分の油をリザーバ室73から連通路90経由で
ピストン側油室48Aに戻して補償する。そして、コン
トロールロッド91が連通路90に嵌合する後の段階で
は、連通路90がコントロールロッド91により遮断さ
れる結果、油圧緩衝器10の圧縮時には、シリンダ11
に進入するピストンロッド12の進入容積分の油がピス
トン側油室48Aから圧側バルブ79を備える圧側油路
83経由でリザーバ室73に押し出されて補償され、油
圧緩衝器10の伸長時には、シリンダ11から退出する
ピストンロッド12の退出容積分の油がリザーバ室73
から伸側バルブ78を備える伸側油路82経由でピスト
ン側油室48Aに戻されて補償される。
【0031】然るに、油圧緩衝器10では、ベースバル
ブ装置70の圧側バルブ79による圧側減衰力に位置依
存性を具備せしめるため、以下の構成を備える。
【0032】即ち、図4に示す如く、第1の隔壁部材7
1と第2の隔壁部材72の連結部材74にピストン側油
室48Aとリザーバ室73を連通する連通路90を設
け、ピストンロッド12を一定ストローク圧縮した後に
上記連通路90に嵌合するコントロールロッド91をピ
ストンロッド12に設けた。このとき、コントロールロ
ッド91の基端部には拡径部91Aを、先端部には先細
り状テーパ部91Bを形成し、ピストンロッド12の先
端部に螺合した前述のピストン43固定のためのナット
46の抱持部46Aにより該拡径部91Aを保持し、コ
ントロールロッド91をナット46の内面と拡径部91
Aとの間に介装したOリング92(弾性部材)により径
方向移動可能に支持してある。Oリング92はコントロ
ールロッド91の拡径部91Aに設けたリング溝に嵌着
されている。コントロールロッド91は、拡径部91A
を径方向移動可能に支持され、且つ先細り状テーパ部9
1Bを備えることにより、連結部材74の連通路90に
スムースに挿入できる。
【0033】また、コントロールロッド91は基端側に
開口してピストンロッド12の側のバイパス油路52に
連通する中空部93を備え、該コントロールロッド91
の外面の軸方向の2位置に該中空部93に連絡する第1
の孔94Aと第2の孔94Bを設け、該コントロールロ
ッド91が連通路90に嵌合したとき(図4)、第1の
孔94Aは該コントロールロッド91と該連通路90の
間の微小隙間を介してリザーバ室73に連絡し、第2の
孔94Bはピストン側油室48Aに連絡するように設定
してある。尚、ピストンロッド12に設けたバイパス油
路52は、コントロールロッド91の第1の孔94A、
第2の孔94Bを介してピストン側油室48Aに連絡す
る。
【0034】従って、油圧緩衝器10の減衰動作は以下
の通りになる。 (圧縮時) (a) ピストンロッド12の移動速度が低速のとき、ピス
トン側油室48Aの油がコントロールロッド91の第1
の孔94A、第2の孔94Bからピストンロッド12の
バイパス油路52経由でロッド側油室48Bに移動し、
この間のニードル弁53Aによる絞り抵抗により圧側減
衰力を得る。同時に、ピストン側油室48Aの油がピス
トン43のオリフィス50Aを通って、ロッド側油室4
8Bに移動し、この間のオリフィス50Aによる絞り抵
抗により圧側減衰力を得る。
【0035】(b) ピストンロッド12の移動速度が中高
速のとき、コントロールロッド11が連結部材74の連
通路90に未だ嵌合しない小ストローク段階では、上述
(a)の減衰力に加え、ピストン側油室48Aの油がピス
トン43の圧側油路49を通ってロッド側油室48Bに
移動し、この間の圧側バルブ42の撓み変形による圧側
減衰力を得る。
【0036】(c) ピストンロッド12の移動速度が中高
速のとき、コントロールロッド91が連結部材74の連
通路90に嵌合した大ストローク段階では、上述(a)、
(b)の減衰力に加え、ピストン側油室48Aの油が第1
の隔壁部材71の圧側油路83を通ってリザーバ室73
に移動し、この間の圧側バルブ79の撓み変形による圧
側減衰力を得る。
【0037】尚、上述(a)〜(c)において、シリンダ11
に進入したピストンロッド12の進入容積分の油が、ピ
ストン側油室48Aから、連結部材74の連通路90又
は第1と第2の隔壁部材71、72の油路83、84を
通ってリザーバ室73に押し出されて補償される。
【0038】(伸長時) (a) ピストンロッド12の移動速度が低速のとき、ロッ
ド側油室48Bの油がピストンロッド12のバイパス油
路52からコントロールロッド91の孔94A、94B
経由でピストン側油室48Aに移動し、この間のニード
ル弁53Aによる絞り抵抗により伸側減衰力を得る。同
時に、ロッド側油室48Bの油がピストン43のオリフ
ィス50Aを通ってピストン側油室48Aに移動し、こ
の間のオリフィス50Aによる絞り抵抗により伸側減衰
力を得る。
【0039】(b) ピストンロッド12の移動速度が中高
速のとき、上述(a) の減衰力に加え、ロッド側油室48
Bの油がピストン43の伸側油路50を通ってピストン
側油室48Aに移動し、この間の伸側バルブ44の撓み
変形による伸側減衰力を得る。
【0040】尚、上述(a) 、(b) において、シリンダ1
1から退出するピストンロッド12の退出容積分の油
が、リザーバ室73から、第1と第2の隔壁部材71、
72の油路82(伸側チェックバルブ78)、84又は
連結部材74の連通路90を通ってピストン側油室48
Aに戻されて補償される。
【0041】従って、本実施形態によれば、以下の作用
がある。 (1) ピトンロッド12に設けたコントロールロッド91
が隔壁部材70A(第1の隔壁部材71と第2の隔壁部
材72)の連結部材74の連通路90に嵌合すると、ピ
ストン側油室48Aとリザーバ室73との連通路90に
よる連通が遮断され、第1の隔壁部材71に設けた圧側
減衰力発生装置(ベースバルブ装置70の圧側バルブ7
9)が減衰力を発生するものとなり、減衰力が大きくな
る(圧側減衰力の位置依存性)。
【0042】(2) コントロールロッド91がピストンロ
ッド12に弾性部材(Oリング92)を介して径方向移
動可能に取着される。これにより、コントロールロッド
91と隔壁部材70Aの連通路90の同芯度にずれがあ
っても、このずれをコントロールロッド91の径方向移
動により簡易に吸収できる。従って、高い加工精度、組
付精度を必要とすることなく、安定動作でき、コスト低
減できる。
【0043】(3) ナット46は、ピストン43(バルブ
42、44、バルブストッパ41、45を含む)をピス
トンロッド12に固定するとともに、コントロールロッ
ド91の保持も兼ねるので、ナット46以外のコントロ
ールロッド91のための保持部材を必要とせず、構成簡
素とし、組付性も向上する。
【0044】(4) コントロールロッド91が隔壁部材7
0Aの連通路90に嵌合した状態から、ピストンロッド
12が伸長行程に反転し、コントロールロッド91が連
通路90を抜け方向に移動するとき、リザーバ室73に
生ずることとなる負圧状態は、ピストン側油室48Aの
油がコントロールロッド91の第2の孔94B、中空部
93、第1の孔94Aを経てコントロールロッド91と
連通路90の微小隙間からリザーバ室73に迅速に補給
されることによって直ちに解消される。従って、コント
ロールロッド91は連通路90から抜け易くなり、抜け
出るときの抜け音(異音)の発生が抑制される。
【0045】(5) コントロールロッド91をピストンロ
ッド12に設けたから、このピストンロッド12の内部
にバイパス油路52を設け、且つこのバイパス油路52
の通路面積を調整する調整ロッド53を備えた減衰力調
整装置51を容易に装備できる。
【0046】(6) コントロールロッド91に設けた前述
(4) の第1の孔94Aと第2の孔94Bを、ピストンロ
ッド12の内部に装備した上述(5) の減衰力調整装置5
1のバイパス油路52をピストン側油室48Aに連絡す
る通路としても利用でき、構成の簡素を図ることができ
る。
【0047】(7) 第1の隔壁部材71と第2の隔壁部材
72は連結部材74により連結され、第2の隔壁部材7
2をシリンダ11に加締固定される状態でシリンダ11
の内部に設置される。このとき、第2の隔壁部材72は
伸び率の大きい材料(例えば鋼板)により構成されるか
ら、加締加工による機械的衝撃を受けても割れを生じな
い。他方、第1の隔壁部材71は、加締加工されないか
ら割れの虞れなく、硬い材料(例えば燒結金属)を採用
でき、減衰力発生装置(ベースバルブ装置70)を構成
するバルブ78、79のためのシート面を形成できる。
【0048】(8) 第1の隔壁部材71を重い材料で構成
する必要があるとき、シリンダ11への固定部分を第2
の隔壁部材72に割当てることにて、該第1の隔壁部材
71の軸方向長さを短くでき、油圧緩衝器10の軽量化
を図ることができる。
【0049】(9) 上述(7) 、(8) は、第1の隔壁部材7
1の構成材料として燒結材料を採用するときに特に有効
である。燒結材料は成形性が良く然も硬いから、複数の
油路82、83を備えて形状複雑となる隔壁部材、且つ
バルブ78、79のための硬いシート面を形成する必要
のある隔壁部材に用いて好適である。
【0050】(10)前述(1) において、コントロールロッ
ド91が連結部材74の連通路90に嵌合するとき、第
1の隔壁部材71と第2の隔壁部材72の両者がシリン
ダ11の軸方向での2点支持(第1の隔壁部材71はプ
ラダ75のシール部75Aを介して、第2の隔壁部材7
2は加締部76で支持される)により安定支持され、コ
ントロールロッド91の嵌合のスムースと安定性を確保
できる。
【0051】(11)ピストン43に設けた伸側バルブ44
により伸側減衰力発生装置を構成するとともに、圧側バ
ルブ42により圧側減衰力発生装置も構成できる。
【0052】(12)第1の隔壁部材71に設けた圧側バル
ブ79により圧側減衰力発生装置を構成するとともに、
伸側バルブにより伸側減衰力発生装置を構成できる。
【0053】(13)上述(12)において、伸側チェックバル
ブ78のための第2の隔壁部材72が伸側バルブのため
のバルブストッパを兼ねるから、部品点数を削減し、組
付性を向上できる。
【0054】以上、本発明の実施の形態を図面により詳
述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限
られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の
設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、以
下の変形を採用できる。
【0055】(a) コントロールロッドをピストンロッド
に径方向移動可能に支持する弾性部材は、Oリングに限
らず、コイルばね、板ばね等のスプリング等であっても
良い。
【0056】(b) コントロールロッドが連通路に嵌合し
たとき、リザーバ室に連通する第1の孔は、微小通路を
介するものであれば、コントロールロッドと連通路の間
の微小隙間を介するものに限らない。第1の孔はオリフ
ィスでも良く、或いはピストン側油室の側からリザーバ
室の側への油の流れのみを許容するチェック弁を介する
ものであっも良い。
【0057】(c) 隔壁部材を分割してなる第1の隔壁部
材の外周をシリンダの内周に嵌合する際に用いるシール
部材は、プラダの基端シール部材に限らず、Oリングで
も良く、その場合には、プラダはフリーピストンに変更
される。
【0058】尚、本発明のリザーバ室は、上記実施形態
の如く、シリンダ内部に設けるものに限らず、シリンダ
を外管と内管からなる2重管構造とし、その外管と内管
の間に設けても良く、或いは、シリンダの外部に該シリ
ンダ内と連通させたリザーバタンクを形成し、そのリザ
ーバタンク内に設けても良い。
【0059】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、圧側減衰
力に位置依存性を具備せしめた油圧緩衝器において、圧
縮行程から伸長行程に反転した際の異音発生を防止する
ことができる。
【0060】また、本発明によれば、ピストンロッドの
内部に減衰力調整装置を容易に装備できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は油圧緩衝器の伸長状態を示す断面図であ
る。
【図2】図2は油圧緩衝器の圧縮状態を示す断面図であ
る。
【図3】図3は図1の平面図である。
【図4】図4はピストンバルブ装置とベースバルブ装置
を示す拡大断面図である。
【図5】図5は減衰力調整装置を示す拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
10 油圧緩衝器 11 シリンダ 12 ピストンロッド 43 ピストン 48 伸側バルブ(伸側減衰力発生装置) 48A ピストン側油室 48B ロッド側油室 50 伸側油路 51 減衰力調整装置 52 バイパス油路 53 調整ロッド 70A 隔壁部材 71 第1の隔壁部材 72 第2の隔壁部材 73 リザーバ室 79 圧側バルブ(圧側減衰力発生装置) 83 圧側油路 90 連通路 91 コントロールロッド 93 中空部 94A 第1の孔 94B 第2の孔

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダにピストンロッドを挿入し、ピ
    ストンロッドの端部にピストンを固定し、シリンダの内
    部をピストンロッドが収容されないピストン側油室と、
    ピストンロッドが収容されるロッド側油室とに区画し、
    ピストンに設けたピストン側油室とロッド側油室を連絡
    する油路に伸側減衰力発生装置を備え、 ピストン側油室と隔壁部材により区画されるリザーバ室
    を設け、隔壁部材に設けたピストン側油室とリザーバ室
    を連絡する油路に圧側減衰力発生装置を備えた油圧緩衝
    器において、 隔壁部材にピストン側油室とリザーバ室を連通する連通
    路を設け、 ピストンロッドを一定ストローク圧縮した後に上記連通
    路に嵌合するコントロールロッドをピストンロッドに設
    け、 コントロールロッドの内部に中空部を設け、該コントロ
    ールロッドの外面の軸方向の2位置に該中空部に連絡す
    る第1の孔と第2の孔を設け、該コントロールロッドが
    前記連通路に嵌合したとき、第1の孔は微小通路を介し
    てリザーバ室に連絡し、第2の孔はピストン側油室に連
    絡することを特徴とする油圧緩衝器。
  2. 【請求項2】 前記ピストンロッドに、前記ピストンに
    設けた油路をバイパスするバイパス油路を設け、且つこ
    のバイパス油路の通路面積を調整する調整ロッドを設け
    た請求項1記載の油圧緩衝器。
  3. 【請求項3】 前記ピストンロッドに設けたバイパス油
    路が、前記コントロールロッドに設けた第1の孔と第2
    の孔を介してピストン側油室に連絡する請求項2記載の
    油圧緩衝器。
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