JPH1165115A - 感光性樹脂組成物および印刷版材 - Google Patents

感光性樹脂組成物および印刷版材

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JPH1165115A
JPH1165115A JP9229866A JP22986697A JPH1165115A JP H1165115 A JPH1165115 A JP H1165115A JP 9229866 A JP9229866 A JP 9229866A JP 22986697 A JP22986697 A JP 22986697A JP H1165115 A JPH1165115 A JP H1165115A
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meth
saponified polyvinyl
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眞二 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】画像再現性に優れ、また耐刷力が向上し、現像
液中に発生する沈降物が抑止される印刷版を提供する感
光性樹脂組成物の提供。 【解決手段】反応性基を有する部分鹸化ポリ酢酸ビニ
ル、塩基性窒素を有するポリアミド、反応性基を有する
化合物、光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感光性樹脂組成物お
よびそれを用いた印刷版材に関するものであり、特に耐
刷力が向上し印刷品質の向上した感光性樹脂凸版材を提
供する印刷版用感光性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】感光性樹脂組成物を印刷用版材として使
用することは一般的に行われ、凸版、平版、凹版印刷の
各分野において主流となっている。
【0003】このような印刷版材は、ネガティブ、ポジ
ティブの原画フィルムを感光性樹脂層に密着させ、活性
光線を原画フィルムを通して照射することにより、感光
性樹脂層中に溶剤に溶解する部分と溶解しない部分を形
成することでレリーフ像を形成し、印刷版材として使用
するものである。
【0004】このような方法を利用した感光性樹脂凸版
材は、一般にポリマ、ラジカル重合性モノマ、光重合開
始剤から構成されている。現在主に使用されている感光
性樹脂凸版材は、水現像できるものがほとんどであり、
そのことからポリマに水溶解性または水膨潤性ポリマが
用いられている。
【0005】水溶解性ポリマとして主に用いられている
のが部分鹸化ポリ酢酸ビニル重合体であり、例えば特公
昭52−27561号公報、特公昭53−37213号
公報、特開昭50−27602号公報などが挙げられ
る。
【0006】しかし、部分鹸化ポリ酢酸ビニルは水に対
して溶解性を持つが為に水現像時にレリーフが欠けたり
する問題や、このような重合体の結晶化度が高いために
印刷中の衝撃力に対して脆く印刷中にレリーフが欠ける
などの問題が発生している。
【0007】解決する方法として、特開平3−2745
58号公報や特開平4−283749号公報にあるよう
に部分鹸化ポリ酢酸ビニルに感光性基を導入することで
上記問題を解決することが提案されている。しかしなが
ら、この方法においても印刷中の衝撃に対するレリーフ
欠けに対しては、例えば、印刷枚数が非常に多い場合や
印刷圧力が高い場合には、満足できるレベルにはなく、
さらに改良されることが望まれている。また、このよう
な変性した完全鹸化または部分鹸化ポリ酢酸ビニルを含
有する組成物を水現像した場合、変性しているが為にポ
リマの水への溶解性が低下し現像液中にポリマの沈降物
が堆積する。これによって、堆積物がレリーフを形成し
た版の表面に付着し、印刷時に印刷物の欠点となる問題
が発生している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題を
鑑みて、反応性基が付与された部分鹸化ポリ酢酸ビニル
が配合された印刷版材の現像時および印刷時のレリーフ
強靱性を高め、さらに現像廃液中の堆積物が少なく、画
像再現性に優れた感光性樹脂組成物および樹脂凸版を提
案することを課題をする。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は (A)反応性基を側鎖に有する変性部分鹸化ポリ酢酸ビ
ニル (B)塩基性窒素を有するポリアミド (C)反応性基を有する化合物 (D)光重合開始剤 を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物、および
それからなる感光層を基材上に塗設してなる印刷版材を
提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0011】感光性樹脂組成物を構成する(A)成分で
ある反応性基を側鎖に有する変性部分鹸化ポリ酢酸ビニ
ルにおける反応性基とは、ラジカル反応により架橋する
ことができる官能基のことである。一般に、このような
官能基としては、通常は非芳香族の不飽和炭素−炭素結
合、すなわち炭素−炭素二重結合または炭素−炭素三重
結合が通常使用され、ビニル基、(メタ)アクリロイル
基が挙げられる。
【0012】このような反応性基を部分鹸化ポリ酢酸ビ
ニルの側鎖に導入する方法として、特開平3−2745
58号公報や特開平4−283749号公報にある方法
により得ることができる。
【0013】すなわち、部分鹸化ポリ酢酸ビニルと酸無
水物とを反応させ、部分鹸化ポリ酢酸ビニルの水酸基を
起点としてカルボキシル基をポリマ側鎖に導入し、その
カルボキシル基に不飽和エポキシ化合物を反応させるこ
とにより反応性基を導入したり、酢酸ビニルと不飽和カ
ルボン酸を共重合させ得られたポリマを部分鹸化し、こ
のポリマの持つカルボキシル基と不飽和エポキシ化合物
を反応させることにより反応基を導入する方法がある。
なかでも前者の方法で得られた部分鹸化ポリ酢酸ビニル
が本発明の効果が顕著に現れることから好ましく使用さ
れる。
【0014】このような反応性基は、化合物(A)中、
0.08〜0.72モル/kgが好ましく、さらに好ま
しくは0.12〜0.36モル/kgである。0.72
モル/kgより大きいと、水溶解性が悪くなり、水現像
性が満足するレベルを得られないことが多い。0.08
モル/kgより小さいと、反応性基が反応することで改
善される現像時のレリーフ欠けなどの効果が発現しなく
なることが多い。
【0015】このようにして得られた反応性基を有する
部分鹸化ポリ酢酸ビニル(A)は、少なくとも次の
(I)、(II)、(III )の構造単位を有する。
【化1】
【0016】反応性基を有する部分鹸化ポリ酢酸ビニル
(A)に水現像性が必要なことから、構造(I)の単位
が60〜99モル%が好ましく、さらに好ましくは70
〜95モル%である。(I)の構造単位が60モル%未
満であると水溶解性が低下し十分な水現像性を得ること
ができず、99モル%より大きいと常温水に対する溶解
性が低下して十分な水現像性を得ることができない。
【0017】また、(A)成分であるポリマの平均重合
度は300〜2000の範囲が好ましく、500〜10
00がより好ましい。平均重合度が300未満であると
ポリマの耐水性が低下し、十分な耐水性を得ることがで
きない。平均重合度が2000を越えるとポリマの水溶
解性が著しく低下し、十分な水現像性が得られない。
【0018】本発明の(B)成分は、(A)成分の現像
液中での溶解性や分散性を高め、現像液中に堆積物を発
生させない働きを持つものである。さらに(A)成分の
配合によって生じることの多かった現像時のレリーフ欠
けや印刷時のレリーフ欠けの問題を改良できるものであ
る。
【0019】そこで(B)成分として塩基性窒素を有す
るポリアミドが使用される。ポリアミド中にある塩基性
窒素が、(A)成分にある水酸基やカルボキシル基と安
定なコンプレックスを形成することで、現像液中に
(A)成分が安定に存在することができると考えられ
る。
【0020】塩基性窒素を有するポリアミドは、主鎖ま
たは側鎖の一部分に塩基性窒素を含有する重合体であ
る。塩基性窒素とは、アミド基でないアミノ基を構成す
る窒素原子である。そのようなポリアミドとしては、3
級アミノ基を主鎖中に有するポリアミドを挙げることが
できる。
【0021】塩基性窒素を有するポリアミドは、塩基性
窒素を有する単量体を単独もしくは他の単量体とを用い
て縮重合、重付加反応などを行いポリアミドを得ること
ができる。
【0022】塩基性窒素としては、ピペラジンやN,N
−ジアルキルアミノ基が好ましく、より好ましくはピペ
ラジンである。
【0023】本発明で要されるポリアミドを提供するた
めの塩基性窒素を有する単量体とは具体的に挙げると
N,N’−ビス(アミノメチル)−ピペラジン、N,
N’−ビス(β−アミノエチル)−ピペラジン、N,
N’−ビス(γ−アミノベンジル)−ピペラジン、N−
(β−アミノエチル)ピペラジン、N−(β−アミノプ
ロピル)ピペラジン、N−(ω−アミノヘキシル)ピペ
ラジン、N−(β−アミノエチル)−2,5−ジメチル
ピペラジン、N,N−ビス(β−アミノエチル)−ベン
ジルアミン、N,N−ビス(γ−アミノプロピル)−ア
ミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ビス(γ−アミ
ノプロピル)−エチレンジアミン、N,N’−ジメチル
−N,N’−ビス(γ−アミノプロピル)−テトラメチ
レンジアミンなどのジアミン類、N,N’−ビス(カル
ボキシメチル)−ピペラジン、N,N’−ビス(カルボ
キシメチル)−メチルピペラジン、N,N’−ビス(カ
ルボキシメチル)−2,6−ジメチルピペラジン、N,
N’−ビス(β−カルボキシエチル)−ピペラジン、
N,N−ビス(カルボキシメチル)−メチルアミン、
N,N−ビス(β−カルボキシエチル)−エチルアミ
ン、N,N−ビス(β−カルボキシエチル)−メチルア
ミン、N,N−ジ(β−カルボキシエチル)−イソプロ
ピルアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ビス−
(カルボキシメチル)−エチレンジアミン、N,N’−
ジメチル−N,N’−ビス−(β−カルボキシエチル)
−エチレンジアミンなどのジカルボン酸類あるいはこれ
らの低級アルキルエステル、酸ハロゲン化物、N−(ア
ミノメチル)−N’−(カルボキシメチル)−ピペラジ
ン、N−(アミノメチル)−N’−(β−カルボキシエ
チル)−ピペラジン、N−(β−アミノエチル)−N’
−(β−カルボキシエチル)−ピペラジン、N−カルボ
キシメチルピペラジン、N−(β−カルボキシエチル)
ピペラジン、N−(γ−カルボキシヘキシル)ピペラジ
ン、N−(ω−カルボキシヘキシル)ピペラジン、N−
(アミノメチル)−N−(カルボキシメチル)−メチル
アミン、N−(β−アミノエチル)−N−(β−カルボ
キシエチル)−メチルアミン、N−(アミノメチル)−
N−(β−カルボキシエチル)−イソプロピルアミン、
N,N’−ジメチル−N−(アミノメチル)−N’−
(カルボキシメチル)−エチレンジアミンなどのω−ア
ミノ酸などがある。またこれらの単量体のほかにジアミ
ン、ジカルボン酸、ω−アミノ酸、ラクタムなどと併用
して重合することによって本発明のポリアミドができ
る。
【0024】これら塩基性窒素を含有する単量体成分は
全ポリアミド構成成分、すなわちアミノカルボン酸単位
(原料としてラクタムの場合を含む)、ジカルボン酸単
位およびジアミン構造単位の和に対して、10〜100
モル%、さらに10〜80モル%であることが好まし
い。10モル%未満であると水溶性が低く(A)成分と
の相溶性が低下することが多い。
【0025】本発明の(C)成分である反応性基を有す
る化合物は、(A)成分、(B)成分との相溶性が良好
なものであれば特に限定されるものではない。
【0026】反応性基を有する化合物は、ラジカル重合
により重合可能な化合物である。
【0027】一般的に使用される反応性基を有する化合
物としては、従来公知の化合物が全て含まれる。具体例
としては、次のようなものが挙げられるが、これに限定
されるものではない。
【0028】2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−クロロ
−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、β−
ヒドロキシ−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル
フタレートなどの水酸基を有する(メタ)アクリレー
ト、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、プロピル(メタ)アクリレート、、ブチル
(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリ
ル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレ
ート等のアルキル(メタ)アクリレート、シクロヘキシ
ル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)ア
クリレート、クロロエチル(メタ)アクリレート、クロ
ロプロピル(メタ)アクリレート等のハロゲン化アルキ
ル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アク
リレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブト
キシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキ
ル(メタ)アクリレート、フェノキシエチルアクリレー
ト、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレートなど
のフェノキシアルキル(メタ)アクリレート、エトキシ
ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ
トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキ
シジプロピレングレコール(メタ)アクリレートなどの
アルコキシアルキレングリコール(メタ)アクリレー
ト、(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アク
リルアミド、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリル
アミドのような(メタ)アクリルアミド類、2、2−ジ
メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2,2−ジ
エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジ
メチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−
ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、2ーヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、3ークロロー2ーヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、などのエチレ
ン性不飽和結合を1個だけ有する化合物、ジエチレング
リコールジ(メタ)アクリレートのようなポリエチレン
グリコールのジ(メタ)アクリレート、ジプロピレング
リコールジ(メタ)アクリレートのようなポリプロピレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメリロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール
テトラ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メ
タ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエ
ーテルに不飽和カルボン酸や不飽和アルコールなどのエ
チレン性不飽和結合と活性水素を持つ化合物を付加反応
させて得られる多価(メタ)アクリレート、グリシジル
(メタ)アクリレートなどの不飽和エポキシ化合物とカ
ルボン酸やアミンのような活性水素を有する化合物を付
加反応させて得られる多価(メタ)アクリレート、メチ
レンビス(メタ)アクリルアミドなどの多価(メタ)ア
クリルアミド、ジビニルベンゼンなどの多価ビニル化合
物、などの2つ以上のエチレン性不飽和結合を有する化
合物、などが挙げられる。
【0029】これら(C)成分の含有量は(A)成分1
00重量部に対して10〜200重量部であることが好
ましい。10重量部より少ないと画像再現性が不足する
ことが多い。200重量部より多いとできたレリーフが
脆いものになりやすい。
【0030】また、感光性樹脂組成物中に(D)成分で
ある光重合開始剤を加えるのが一般的である。光重合開
始剤としては、光によって重合性の炭素−炭素不飽和基
を重合させることができるものであれば全て使用でき
る。なかでも、光吸収によって、自己分解や水素引き抜
きによってラジカルを生成する機能を有するものが好ま
しく用いられる。例えば、ベンゾインアルキルエーテル
類、ベンゾフェノン類、アントラキノン類、ベンジル
類、アセトフェノン類、ジアセチル類などある。光重合
開始剤の配合量としては、(A)成分100重量部に対
して0.1〜20重量部の範囲が好ましい。
【0031】本発明の感光性樹脂組成物に相溶性、柔軟
性を高めるための相溶助剤としてエチレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリ
セリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタ
ンなどの多価アルコール類を添加することも可能であ
る。これらの多価アルコールは、感光性樹脂組成物全体
に対して、30重量%以下であることか好ましい。
【0032】本発明の感光性樹脂組成物の熱安定性を上
げる為に、従来公知の重合禁止剤を添加することができ
る。好ましい重合禁止剤としては、フェノール類、ハイ
ドロキノン類、カテコール類などが挙げられる。これら
の配合量は、全感光性樹脂組成物に対して、0.001
〜5重量%の範囲で使用することが一般的である。
【0033】また、他の成分として、染料、顔料、界面
活性剤、消泡剤、紫外線吸収剤、香料などを添加するこ
とができる。
【0034】本発明の感光性樹脂組成物を製造する方法
としては、(A)成分の反応性基を持つ部分鹸化ポリ酢
酸ビニルと(B)成分であるポリアミドを水/アルコー
ルの混合溶媒に加熱溶解した後に、(C)成分である反
応性基を有する化合物、(D)成分である光重合開始剤
やその他の成分を添加し、十分攪拌することで感光性樹
脂組成物溶液を得ることができる。この溶液から溶剤を
蒸留除去した後、接着剤を塗布した基板上に、溶融押し
出しし、粘着防止層を塗布したカバーフィルムを感光層
上に密着させることで印刷版用感光性樹脂版を得ること
ができる。また、乾式製膜により感光性樹脂シートを作
成し、基板とカバーフィルムを感光性樹脂シートに挟み
込み印刷版用感光性樹脂版を得ることができる。基板と
してはスチール、ステンレス、アルミニウムなどの金属
やポリエステルなどのプラスチックシート、スチレン−
ブタジエンゴムなどの合成ゴムシートが使用される。感
光層の厚みは0.01〜10mmの厚さに形成することが
好ましい。
【0035】このようにして得られた感光性樹脂版に印
刷用のレリーフ像を形成するためには、まず、カバーフ
ィルムを剥離した感光層上にネガティブまたはポジティ
ブの原画フィルムを密着させ通常300〜400nmの
波長を照射できる高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハ
ライドランプ、キセノン灯、カーボンアーク灯、ケミカ
ル灯により紫外線照射し、光重合によって光硬化を行わ
せる。
【0036】次に、未重合部分を中性水使用のスプレー
式現像装置やブラシ式洗い出し機により溶出させること
により基板上にレリーフ像を形成することができる。こ
れを必要であれば、乾燥後大気中、ないし真空中で活性
光線処理して印刷版材を得ることができる。
【0037】本発明の感光性樹脂組成物は、凸版印刷用
に用いることが最も適しているが、平版印刷用、凹版印
刷用、孔版印刷用、フォトレジストとして使用すること
も可能である。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例で詳細に説明する。
【0039】反応性基を有する部分鹸化ポリ酢酸ビニル
を次のようにして合成した。
【0040】(合成例1)重合度650、鹸化度75モ
ル%の部分鹸化ポリ酢酸ビニルをN,N−ジメチルホル
ムアミド(以下DMFと略)中に膨潤させ無水コハク酸
1モル%を添加し反応させカルボキシル基を付加させ
た。このポリマを精製し未反応の無水コハク酸を除去
し、酸価を測定したところ酸価は7であった。このポリ
マ100重量部をエタノール/水=30/70(重量
比)の混合溶媒200重量部に80℃で溶解した。ここ
にグリシジルメタクリレートを6重量部添加して部分鹸
化ポリ酢酸ビニル中に反応性基を導入した。電位差滴定
法による分析結果からポリマ中のカルボキシル基がグリ
シジルメタクリレートのエポキシ基と反応しポリマ側鎖
中にメタクロイル基が導入されたこを確認した。
【0041】よって、反応性基はカルボキシル基変性の
部分鹸化ポリ酢酸ビニルの酸価の値から0.13モル/
kgであることがわかった。
【0042】(合成例2)重合度650、鹸化度80モ
ル%の部分鹸化ポリ酢酸ビニルをDMF中に膨潤させ無
水フタル酸1.5モル%を添加し反応させカルボキシル
基を付加させた。このポリマを精製し未反応の無水フタ
ル酸を除去し、酸価を測定したところ酸価は12であっ
た。このポリマ100重量部をエタノール/水=30/
70(重量比)の混合溶媒200重量部に80℃で溶解
した。ここにグリシジルメタクリレートを6重量部添加
して部分鹸化ポリ酢酸ビニル中に反応性基を導入した。
電位差滴定法による分析結果からポリマ中のカルボキシ
ル基がグリシジルメタクリレートのエポキシ基と反応し
ポリマ側鎖中にメタクロイル基が導入されたこを確認し
た。
【0043】よって、反応性基はカルボキシル基変性の
部分鹸化ポリ酢酸ビニルの酸価の値から0.21モル/
kgであることがわかった。
【0044】(合成例3)重合度1000、鹸化度80
モル%の部分鹸化ポリ酢酸ビニルをアセトン中に膨潤さ
せ無水マレイン酸1.5モル%を添加し反応させカルボ
キシル基を付加させた。このポリマを精製し未反応の無
水マレイン酸を除去し、酸価を測定したところ酸価は1
1であった。このポリマ100重量部をエタノール/水
=30/70(重量比)の混合溶媒200重量部に80
℃で溶解した。ここにグリシジルメタクリレートを6重
量部添加して部分鹸化ポリ酢酸ビニル中に反応性基を導
入した。電位差滴定法による分析結果からポリマ中のカ
ルボキシル基がグリシジルメタクリレートのエポキシ基
と反応しポリマ側鎖中にメタクロイル基が導入されたこ
を確認した。
【0045】よって、反応性基はカルボキシル基変性の
部分鹸化ポリ酢酸ビニルの酸価の値から0.20モル/
kgであることがわかった。
【0046】ポリアミドとして表1のものを使用した。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】実施例1 合成例1のポリマ100重量部をエタノール/水=30
/70(重量比)の混合溶媒200重量部に80℃で溶
解した。この溶液中に表1のポリアミド1を10部添加
し溶解した。その後、反応性基を有する化合物としてプ
ロピレングリコールジグリシジルエーテル1モルとアク
リル酸2モルの付加反応によって得られた不飽和エポキ
シエステル化合物20部、グリシジルメタクリレート1
モルとアクリル酸の付加反応物30部を添加し、さらに
グリセリン25部を添加し、光重合開始剤としてジメチ
ルベンジルケタール3.0部、熱重合禁止剤としてハイ
ドロキノンモノメチルエーテル0.05部を加え十分攪
拌した。感光性樹脂溶液の状況を目視で観察したところ
透明な原液となっていることを確認した。
【0050】このようにして得られた感光性樹脂溶液を
あらかじめポリエステル系接着剤を塗布してある厚さ2
00μmのポリエステルフィルム上に乾燥後の膜厚が9
50μmとなるように流延し、60℃の熱風オーブンに
5時間入れて溶剤を除去した。
【0051】このようにして得られた感光性樹脂シート
の感光層上に、水/エタノール=50/50の溶液を薄
く塗布し、マット化された100μmのポリエステルフ
ィルム上にポリビニルアルコール系ポリマの粘着防止層
を持つカバーフィルムを圧着してカバーフィルムを付け
た。
【0052】この印刷版用感光性樹脂版を10日間暗所
に保管した後、カバーフィルムを剥離し、感度測定用グ
レースケールネガフィルムおよび画像再現性評価用ネガ
フィルム(133線の3%網点、200μmの独立点を
持つ)を真空密着させ、ケミカル灯露光機で2分間露光
した。次いで30℃の中性水を入れたブラシ式現像装置
を使用して現像したところ4分間で未露光部分が水中に
溶出し、レリーフ像を得ることができた。現像装置中に
ある現像液を目視で観察した結果、現像液中に浮遊物や
沈澱物のないことを確認した。得られたレリーフ像を評
価した結果、グレースケールは17ステップであり、画
線部の3%網点、200μm独立点が再現していること
がわかった。
【0053】このようにして得られた印刷版材で印刷テ
ストをしたところ画線の太りがなくシャープな仕上がり
の印刷物が得られた。また、50万枚の印刷を行ったが
レリーフ剥がれや欠けの問題など発生しなかった。
【0054】実施例2〜4、比較例1、2 表3の組成により、実施例1と同様の方法で感光性樹脂
組成物溶液、印刷版用感光性樹脂版および印刷版材を得
た。感光性樹脂組成物溶液(原液)の状態、グレースケ
ール17ステップ時の画像再現性、現像液の沈澱物の状
況、50万枚印刷テスト結果を表4にまとめる。
【0055】この結果から、塩基性窒素を有するポリア
ミドを、反応性基を側鎖に有する部分ケン化ポリ酢酸ビ
ニルを含有する組成物中に配合することで、現像廃液中
の沈澱物が減少し、耐刷力の向上した印刷版材となるこ
とがわかる。
【0056】
【表3】
【0057】
【表4】
【0058】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明の構成、特
に反応性基を含有する部分鹸化ポリ酢酸ビニルと塩基性
窒素を有するポリアミドとを組み合わせた感光性樹脂組
成物とすることで、それから得られる印刷版は画像再現
性に優れ、また耐刷力が向上し、現像液中に発生する沈
降物を押さえることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03F 7/00 502 G03F 7/00 502 7/027 502 7/027 502 7/031 7/031 7/037 7/037

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)反応性基を側鎖に有する変性部分鹸
    化ポリ酢酸ビニル (B)塩基性窒素を有するポリアミド (C)反応性基を有する化合物 (D)光重合開始剤 を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物
  2. 【請求項2】(B)成分である塩基性窒素を有するポリ
    アミドがピペラジン環を持つことを特徴とする請求項1
    記載の感光性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】(A)成分が部分鹸化ポリ酢酸ビニルと酸
    無水物とを反応させ、部分鹸化ポリ酢酸ビニルの水酸基
    を起点としてカルボキシル基をポリマ側鎖に導入し、そ
    のカルボキシル基に不飽和エポキシ化合物を反応させる
    ことにより反応性基を導入した変性部分鹸化ポリ酢酸ビ
    ニルである請求項1又は2記載の感光性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】(A)成分100重量部に対して、(B)
    成分が0.5〜100重量部、(C)成分が10〜20
    0重量部、(D)成分が0.1〜20重量部である請求
    項1〜3いずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】支持体上に、請求項1〜4いずれかの感光
    性樹脂組成物からなる感光層を塗設して構成される印刷
    版材。
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