JP2697235B2 - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

感光性樹脂組成物

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JP2697235B2 JP2077638A JP7763890A JP2697235B2 JP 2697235 B2 JP2697235 B2 JP 2697235B2 JP 2077638 A JP2077638 A JP 2077638A JP 7763890 A JP7763890 A JP 7763890A JP 2697235 B2 JP2697235 B2 JP 2697235B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、高度の画像再現性および印刷適性と良好な
水現像性を有する印刷用版材の製造材料として好適な感
光性樹脂組成物に関するものである。さらに詳しくいえ
ば、完全鹸化、または部分鹸化ポリ酢酸ビニルに不飽和
基を導入することによって得られるところの強靭性、ゴ
ム弾性、画像再現性を付帯する感光性樹脂組成物に関す
るものである。
[従来技術] 金属またはプラスチックの基材上に光重合性の感光性
樹脂組成層を設けた構造をもつ凸版、平版および凹版印
刷用の感光性樹脂版材が従来の金属版に変わって印刷分
野での主流を成している。これらの版材は、透明部分を
持つネガティブ、またはポジティブの原図フィルムを感
光性樹脂層に密着させた後に、活性光線を照射して原図
フィルムの透明部分に対応する感光性樹脂層に光重合を
起こし、ついで未重合部分を適切な溶剤に溶出すること
によって基材上にレリーフを形成するものである。
このように光重合反応を利用した感光性樹脂組成物は
印刷版を初めとして各種の用途に用いられている。なか
でも中性水で未重合部分を溶出させて現像できるポリマ
ーとして完全鹸化、または部分鹸化ポリ酢酸ビニルを基
体樹脂として使用する系が提案されている。この既知例
は大別して2つの系統に区別することができる。第1の
系統は、完全鹸化又は部分鹸化ポリ酢酸ビニルにエチレ
ン性不飽和結合を有する光重合性モノマーを配合するこ
とによって、感光性を付与するものである。このような
既知例としては、特公昭46−39401、特公昭50−30903、
特開昭50−27602、特開昭48−87903、特開昭57−12473
0、特開昭57−212217、特開昭59−172644、特開昭60−5
1833の各号公報が挙げられる。第2の系統は、完全鹸化
または部分鹸化ポリ酢酸ビニルの持つ水酸基に不飽和基
を有する化合物を付加することである。このような既知
例としては、特公昭48−66151、特開昭48−66151、特開
昭50−45087、特開昭54−13890、特開昭58−21736、特
開昭59−176303、特開昭59−185332、特開平1−60133
の各号公報があげられる。これらの既知例のうち、第2
の系統の完全鹸化または部分鹸化ポリ酢酸ビニル自体に
不飽和基を導入する場合には、水溶性を付与している水
酸基が不飽和基導入反応で多量に消費されるために水現
像性が低下するこの問題がある。これに対して第1の系
統は水現像性の良好な感光性樹脂版材を得ることが可能
である。しかしながら、第1の配合の光重合性モノマー
配合系においても良好な水現像性を得るためには、使用
する完全鹸化または部分鹸化ポリ酢酸ビニルとしては平
均重合度1000以下の比較的低分子量のポリマーを使用し
なければならない。重合度が高くなると、水溶性が低下
するので現像に要する時間が長くなる。
一方、このように低分子の基体ポリマーを使用してい
るために光重合反応によって得られたレリーフは脆く、
水現像中にレリーフが欠けたり、印刷中にクラックが入
るなどの問題発生することが多い。時に版材を柔軟化し
た場合においては、使用できる架橋性モノマーの光反応
後における硬さに柔軟性がより要求されるために、使用
するモノマーは不飽和基数の少ないものや、分子量の大
きいものにならざるを得ない。したがって版材の画像現
像性を低下せしめ、得られ版材も架橋密度が小さいため
耐溶剤性が低下して水現像時および印刷中においてクラ
ックが発生しやすくなる。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は高度の画像再現性および印刷適性と良好な水
現像性を有する変成された完全鹸化または部分変化ポリ
酢酸ビニルを基体樹脂とする感光性樹脂組成物に関する
ものであり、本発明の目的は水現像可能な凸版、凹版お
よび平版に有用な感光性樹脂組成物を提供することにあ
る。
[課題を解決するための手段] すなわち本発明の構成は、次のA、BおよびC成分か
ら成ることを特徴とする中性水で現像可能な印刷版用感
光性樹脂組成物、A、BおよびC成分を混合することを
特徴とする中性水で現像可能な印刷版用感光性樹脂組成
物の製造方法、ならびに前記感光性樹脂組成物を支持体
上に形成し、印刷版とする工程、さらに印刷版を露光、
中性水で現像する工程からなる印刷材の製造方法からな
る。。
A.酢酸ビニルと不飽和カルボン酸もしくはその塩、また
は不飽和カルボン酸エステルとの共重合物を鹸化して得
られる鹸化度60〜99モル%、かつ不飽和カルボン酸およ
び不飽和カルボン酸エステルに由来する構造単位が5モ
ル%以下であるのアニオン変性ポリビニルアルコールの
カルボキシル基に不飽和エポキシ化合物を付加させてな
る基体樹脂 100重量部 B.分子中にエチレン性二重結合を有するA成分以外の光
重合性不飽和化合物 20〜200重量部 C.光開始剤 0.1〜10重量部 本発明のA成分における酢酸ビニルと共重合する不飽
和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マ
レイン酸、フマール酸、シタラコン酸、メサコン酸、イ
タコン酸、グルタコン酸、ムコン酸およびアコニック酸
などがあり、不飽和カルボン酸塩としては、アクリル酸
ナトリウム、アクリル酸カルシウム、メタクリル酸ナト
リウムおよびメタクリル酸カルシウムなどが挙げられ
る。また、不飽和カルボン酸エステルとしては、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、メ
タクリル酸メチルおよびメタクリル酸エチル、メタクリ
ル酸ブチルなどが使用できる。
本発明の目的に対して、前述の不飽和カルボン酸また
は不飽和カルボン酸塩、あるいは不飽和カルボン酸エス
テルの含有量は0.1〜5モル%の範囲で使用するのが好
ましい。含有量が0.1モル%未満では画像再現性や耐水
性、印刷時の耐久性などの改善効果が未変性の完全鹸化
または部分鹸化ポリ酢酸ビニルを使用した場合と比べて
大きくなり、一方5モル%を越えるとポリマーの水溶解
性が低下する。
得られた共重合物の平均重合度は、200〜2000の範囲
が好ましい。平均重合度が200未満の場合には、ポリマ
ーの耐水性が低下し、後にポリマー末端に二重結合を導
入して感光性樹脂組成物の反応性を高めても十分な耐水
性を得ることはできない場合がある。また、平均集合度
が2000を越えるとポリマーの水溶解性が低下する。さら
に好ましい平均重合度は400〜1000である。
得られた共重合体の鹸化度は、60〜99モル%の範囲が
好ましい。鹸化度が60モル%未満であると水溶性が著し
く低下して良好な水現像性を得ることができない。逆に
鹸化度が99モル%を越えると常温水に対する溶解性が低
下し、良好な水現像性を付与することができない。不飽
和カルボン酸エステル共重合体は、この鹸化の段階で加
水分解が起こりカルボキシルアニオンを生成する。
アニオン変性ポリビニルアルコールに二重結合を導入
するために使用され不飽和エポキシ化合物としては、分
子内に1個以上のエポキシ基と1個以上のアクリル基ま
たはビニル基を有する化合物が挙げられ、グリシジルア
クリレート、グリシジルメタクリレート、3,4−エポキ
シシクロヘキシルアクリレートおよび3,4−エポキシシ
クロヘキシルメタクリレートなどが代表的な化合物であ
るが、分子内に1個以上の活性水素を有する不飽和化合
物と分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物を付
加反応させて得られるごとき不飽和エポキシ化合物も使
用できる。
本発明においては、酢酸ビニルと不飽和カルボン酸ま
たはその塩、あるいは不飽和カルボン酸エステルとの共
重合物を60〜99モル%に鹸化して得られるアニオン変性
ポリビニルアルコールを感光性樹脂組成物の基体樹脂と
して使用し、感光性樹脂組成物を調製する工程におい
て、ポリマー中のカルボキシル基に不飽和エポキシ化合
物を付加反応によって導入することも可能である。
本発明のB成分として使用される光重合性不飽和化合
物としては、A成分と一定程度以上の相溶性のあるもの
は全て使用可能である。具体的には、次のようなものが
挙げることができるがこれらに限定されない。2−ヒド
ロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2
−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ
ブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレ
ート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロルアクリレー
ト、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレー
トなどの水酸基を有するモノアクリレートまたはモノメ
タクリレート。エチレングリコールなどの多価アルコー
ルとアクリル酸またはメタクリル酸などの不飽和カルボ
ン酸の反応によって得られる多価アクリレートまたは多
価メタクリレート。エチレングリコールジグリシジルエ
ーテルなどの多価グリシジルエーテルとアクリル酸、メ
タクリル酸などの不飽和カルボン酸の反応によって合成
されるところの水酸基を有する多価アクリレートまたは
多価メタクリレート。グリシジルメタクリレートなどの
不飽和エポキシ化合物とアクリル酸またはメタクリル酸
などの不飽和カルボン酸の反応によって合成されるとこ
ろの水酸基を有する多価アクリレートまたは多価メタク
リレート。アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メ
チロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルア
ミド、ダイアセトンアクリルアミド、メチレンビスアク
リルアミド、N−メチロールアクリルアミドまたはN−
メチロールメタクリルアミドと多価アルコールの縮合反
応によって得られる多価アクリルアミドまたは多価メタ
クリルアミドなどアクリルアミド系の光重合性モノマー
などであり、好ましくは水酸基を有するアクリルまたは
メタクリル酸エステル類およびアクリルまたはメタクリ
ルアミド類である。
B成分の使用量がA成分の不飽和エポキシ化合物を付
加した変性ポリビニルアルコールからなる基体樹脂100
重量部に対して20重量部未満であると、光重合によって
生成する架橋構造の密度が不足するために十分な画像再
現性が得られない。また高品質な画像再現性を得るため
に架橋性のより高いモノマーを使用すると印刷版材の刷
版硬度が高くなり印刷用途によってはインキ着肉性が低
下し良好な印刷物ができなくなる。逆にB成分の使用量
が200重量部を越えると光重合によって生成する架橋構
造の密度が過剰となるために、製版されたレリーフが非
常に脆くなり、そのため印刷中にレリーフにクラックが
入るなどの問題が発生する。以上の理由から、B成分の
光重合性モノマーの使用量はA成分の不飽和エポキシ化
合物を付加せしめた変性ポリビニルアルコール100重量
部に対して20〜200重量部の範囲にあることが必要であ
り、好ましくは50〜150重量部である。
本発明におけるC成分としては、従来公知の光開始剤
が全て使用できる。例えば、ベンゾインアルキルエーテ
ル類、ベンゾフェノン類、アントラキノン類、ベンジル
類、アセトフェノン類およびジアセチル類などがある。
これらの光開始剤は変性ポリビニルアルコール100重量
部に対して0.01〜10重量部の範囲で使用できる。
本発明の感光性組成物にA成分の酢酸ビニルと不飽和
カルボン酸との共重合物を鹸化させて得られるところの
アニオン変性ポリビニルアルコールに不飽和エポキシ化
合物を付加した基体樹脂とB成分の光重合性モノマーと
の相溶助剤としてエチレングリコール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、グリセリン、トリメ
チロールプロパンおよびトリメチロールエタンなどの多
価アルコール類を添加することも可能である。これらの
多価アルコール類は、光重合部分の柔軟性を高めてレリ
ーフクラックの発生を防止する効果が認められる。この
ような多価アルコールは、全組成物に対して30重量%以
下の範囲で使用できる。
本発明の感光性樹脂組成物の熱安定性を増すために従
来公知の重合禁止剤は全て使用することができる。好ま
しい熱重合禁止剤としては、フェノール類、ハイドロキ
ノン類およびカテコール類などが挙げられる。これらの
熱重合禁止剤は組成物全量に対して0.001〜5重量%の
範囲で使用することができる。また、染料、顔料、界面
活性剤、消泡剤、紫外線吸収剤、香料などを添加するこ
とができる。
本発明の組成物を製造する方法としては、A成分のア
ニオン変性ポリビニルアルコールに不飽和エポキシ化合
物を付加させた基体樹脂を水/アルコールの混合溶媒に
加熱溶解した後に、B成分の光重合性モノマー、C成分
の光開始剤および必要に応じて熱安定剤を添加し撹拌し
て十分に混合することが一般的である。このようにして
感光性樹脂溶液が得られる。
上記の混合溶液から感光層を形成せしめるには、たと
えば溶剤の大部分を留出した後に加熱して溶融状態にし
て支持体上に押し出して成形することができる。また、
乾式成膜法で感光性シートを作り、このシートを支持体
上に接着して感光層を形成することも可能である。さら
に、支持体上に直接に乾式製膜して感光層を得ることも
できる。支持体としては、スチール、ステンレス、アル
ミニュームおよび銅などの金属板、ポリエステルフイル
ムなどのプラスチックシート、スチレン−ブタジエン共
重合体などの合成ゴムシートが使用される。感光層は、
0.01〜10mmの厚さに形成することが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物を用いて印刷用レリーフ像
を形成するには、上記のようにして作成した感光層上に
ネガティブまたはポジティブの原図フイルムを密着し通
常300〜400mμの波長を中心とする高圧水銀灯、超高圧
水銀灯、メタルハライドランプ、キセノン灯、カーボン
アーク灯およびケミカル灯などからの紫外線を照射し、
光重合によって不溶化を行わせる。次いで未重合部分を
中性水使用のスプレー式現像装置またはブラシ式現像装
置で水中に溶出させることによりレリーフが支持体上に
形成される。
本発明の感光性樹脂組成物は、良好な水現像性を有し
高度の画像再現性と印刷時の耐久性を持ち、版綿粘着の
ない印刷版材を与える。これは、A成分の酢酸ビニルと
不飽和カルボン酸またはその塩、あるいは不飽和カルボ
ン酸エステルとの共重合物を60〜99モル%に鹸化して得
られるところのアニオン変性ポリビニルアルコール中の
カルボキシル基に不飽和エポキシ化合物を付加すること
によって、ポリマー自体に光重合性を持たしたために従
来の完全鹸化または部分鹸化ポリ酢酸ビニルに存在する
水酸基を損なわずにポリマー構造が形成され水酸基を有
効に活用でき良好な水現像性を有することができる。ま
た、ポリマー自体に反応性があるためにB成分との光重
合反応によって作られるレリーフの網目構造がより高密
度に形成され、得られるレリーフは良好な耐水性を有し
高度の画像再現性を保持することができ、且レリーフが
強靭であるために印刷中にクラック発生などの問題を防
止することができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、凸版印刷版材として用
いられるときに最もその効果を発揮するが平版印刷材、
凹版印刷材、孔版印刷材として使用することも可能であ
る。
以下に実施例で本発明をさらに詳しく説明する。
実施例1 酢酸ビニルにメタクリル酸を共重合単位として1モル
%含有させ、平均重合度650、鹸化度75モル%にしたア
ニオン変性ポリビニルアルコールにグリシジルメタクリ
レートを付加させた。この時のポリマーに対する不飽和
エポキシ化合物の付加量は0.075meq/gであった。このよ
うにして得られた基体樹脂100重量部をエタノール/水
=30/70(重量比)の混合溶媒200重量部と80℃に加温し
て溶解した。次いで、光重合性不飽和化合物としてプロ
ピレングリコールジグリシジルエーテル1モルとアクリ
ル酸2モルの付加反応によって得られた不飽和エポキシ
エステル化合物35重量部と2−ヒドロキシブチルメタク
リレート35重量部を添加して十分に撹拌した。さらにグ
リセリン10重量部、光開始剤としてジメチルベンジルケ
タール3重量部、熱安定剤にハイドロキシモノメチルエ
ーテル0.1重量部を加え十分に撹拌混合した。この様に
して得られた感光性樹脂溶液をあらかじめポリエステル
系接着剤を塗布してある厚さ200μのポリエステルフイ
ルム上に乾燥後の厚さが950μとなるように流延し、60
℃の熱風オーブンに5時間入れて溶媒を完全に除去し
た。この様にして得られた感光層の表面にエタノール/
水=50/50(重量比)の溶媒を薄く塗布した後に、ケミ
カルエッチングでマット化された厚さ100μのポリエス
テルフイルムを圧着してカバーフイルムを装着した。こ
の版材を10日間暗所に保管した。版材のカバーフイルム
を剥離し、感度測定用グレイスケールネガフイルムおよ
び画像再現性評価ネガフイルム(133線、3%、5%、1
0%網点、直径200μおよび300μの独立点、幅50μおよ
び70μの細線あり)を真空密着させ、高圧水銀灯で2分
間露光した。次いで30℃の中和水を入れたスプレー式現
像装置を使用して、水圧3kg/cm2の条件で現像を行った
ところ4分間で非画線部が完全に水中に溶出してレリー
フ像を得ることができた。得られたレリーフを評価した
結果、グレイスケールは17ステップまで残っており非常
に高感度であることがわかった。画線部は3%網点、20
0μ独立点、50μ細線などの微細な部分までシャープに
再現していることが確認された。
この様にして得られた版材で印刷テストを行ったとこ
ろ画線の太りもなくシャープな刷り上がりの印刷物が得
られた。また、30万通しまで印刷を行ったがレリーフ剥
がれ、クラック発生などの問題はまったく発生しなかっ
た。
比較例1 実施例1において使用した基体樹脂を鹸化度75モル%
の部分鹸化ポリ酢酸ビニルに置き換え、その他は全く同
一の手法で感光性樹脂版材を作成した。得られた版材を
実施例1と同じ条件で露光、現像した。現像時間は4分
間を要し実施例1と同じ時間で現像できた。しかしなが
ら、レリーフの耐水性の不十分なため現像中に幅50μの
細線部分が現像水で膨潤して著しい歪みを生じた。また
グレイスケールは15ステップまでしか残らず、実施例1
よりも低感度化していることが明らかになった。
実施例2 酢酸ビニルにフマール酸を共重合単位として0.5モル
%含有し、重合度500、鹸化度90モル%にしたアニオン
変成ポリビニルアルコールにグリシジルメタクリレート
を付加反応させた。この時のポリマーに対する不飽和エ
ポキシ化合物の付加量は0.04meq/gであった。得られた
基体樹脂100重量部をエタノール/水=50/50(重量比)
の混合溶媒200重量部と80℃に加温して溶解した。次い
で光重合性不飽和化合物として、2−アクリロイルオキ
シエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸50重量部とフ
ェノキシポリエチレングリコールアクリレート20重量部
を添加して十分に撹拌混合した。さらにジエチレングリ
コール10重量部、光開始剤としてベンゾインメチルエー
テル1.5重量部、熱安定剤としてハイドロキノン0.01重
量部を加え十分に撹拌混合した。この様にして得られた
感光性樹脂溶液をあらかじめ、エポキシ系接着剤を塗布
してある厚さ250μのスチール板上に乾燥後の厚さが130
0μとなるように流延し60℃の熱風オーブンに6時間入
れて溶媒を完全に除去した。この様にして得られた感光
層の表面にエタノール/水=50/50(重量比)の溶媒を
薄く塗布した後に、ケミカルエッチングでマット化され
た厚さ100μのポリエステルフイルムを圧着してカバー
フイルムを装着した。
この様にして得られた版材を実施例1で使用した感度
測定用グレイスケールネガフイルムおよび画像再現性評
価用ネガフイルムを真空密着させ超高圧水銀灯で1分間
露光した。次いで25℃の中性水を入れたブラシ式現像装
置を用いて現像を行ったところ2分間で非画線部が完全
に水中に溶出してレリーフ像を得ることができた。得ら
れたレリーフを評価した結果、グレイスケールは16ステ
ップまで残っており、高感度化されていることがわかっ
た。画線部は3%網点、200μ独立点、50μ細線などの
微細部分までシャープに再現していることが確認され
た。
この様にして得られた版材で印刷テストを行ったとこ
ろ、画線の太りもなくシャープな刷り上がりの印刷物が
得られた。また30万通しまで印刷を行ったが、レリーフ
欠け、クラック発生などの問題は全く発生しなかった。
比較例2 実施例2において使用した基体樹脂を鹸化度90モル%
の部分鹸化ポリ酢酸ビニルに置き換え、その他は全く同
一組成、同一手法で感光性樹脂版材を試作した。得られ
た版材を実施例2と同じ条件で露光、現像した。現像時
間は2.5分間を要し実施例2と比較してやや遅くなっ
た。画像再現性は版材の架橋性が低いことや、レリーフ
の耐水性が十分でないことが起因して3%網点、50μ細
線にレリーフ欠けが発生した。またグレイスケールは15
ステップまでしか上がらず実施例2よりもやや低感度で
あった。
実施例3 酢酸ビニルにアクリル酸エチルとの共重合物単位とし
て5モル%含有し、80モル%に鹸化したアニオン変成ポ
リビニルアルコール(平均重合度700)100重量部をエタ
ノール/水=30/70(重量比)の混合溶媒200重量部に80
℃で加温溶解した。次いでグリシジルメタクリレートを
2重量部添加して、80℃で1時間反応させた。電位差滴
定法による分析結果から変性ポリビニルアルコール末端
のカルボキシル基が消失し、グリシジルアクリレートの
エポキシ基と反応してポリマー末端に不飽和結合が導入
されたことがわかった。次いで光重合性モノマーとし
て、ポリエチレングリコールジアクリレート30重量部、
グリシジルメタクリレートとアクリル酸の付加反応でえ
られる不飽和化合物40重量部添加し、相溶助剤としてト
リメチロールプロパン10重量部、光開始剤としてベンジ
ルジメチルケタール3重量部、熱安定剤としてt−ブチ
ルカテコール0.1重量部を加えて十分に撹拌混合した。
このようにして得られた感光性樹脂溶液を、あらかじ
めポリエステル系接着剤を塗布し、光または熱で硬化し
た185μのポリエステルフイルム基板上に乾燥後の厚さ
(基板を含む)が950μとなるように流延した。これを6
0℃の熱風オーブンに4時間入れて溶媒を完全に除去し
た。この様に得られた版材を実施例1と同じネガフイル
ムを使用し、ケミカル灯で4分間露光した後に水温30℃
の中性水スプレー式現像装置で水圧3kg/cm2の条件で現
像した。現像時間は4分間を要した。また得られるレリ
ーフを調べたところ、グレイスケールは16ステップまで
残っており高感度であることが確認され、50μ細線も問
題なく再現されていることがわかった。
実施例4 酢酸ビニルとアクリル酸(1モル%)との平均重合度
1000の共重合物を鹸化度75モル%に調整したアニオン変
性ポリビニルアルコール100重量部をエタノール/水=2
0/80(重量比)の混合溶媒300重量部を80℃で加温溶解
し、次いでグリシジルメタクリレートを5部添加しポリ
マー末端に不飽和基を導入するために80℃、0.5時間の
反応を行った。この溶媒に光重合性不飽和化合物とし
て、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート50重量部、
N−メチロールアクリルアミド10重量部、エチレングリ
コールジアクリレート40重量部添加した。さらにジメチ
ルアミノエチルメタクリレートと2−ヒドロキシエチル
メタクリレート=2/1共重合物を10重量部添加した。次
いで光開始剤としてベンゾフェノン3重量部、熱安定剤
としてフェノチアジンを0.01重量部添加し十分に撹拌混
合した。この様にして得られた感光性樹脂溶液をエポキ
シ系接着剤を塗布したアルミニューム基板上に乾燥後の
厚さが750μになるように流延し、60℃の熱風オーブン
に1時間入れて溶媒を除去した。
得られた版材を実施例1と同じ条件で露光、乾燥し
た。現像はブラシ式現像装置を使用し約45秒で未露光部
分が完全に除去された。得られたレリーフを調べたとこ
ろ、グレイスケールは17ステップまで残っており高感度
を保持していた。またレリーフはシャープであり3%網
点、200μ独立点、50μ細線とも完全に再現し、印刷テ
ストにおいても50万通しでレリーフ剥がれ、クラック発
生などの問題はなかった。
[発明の効果] 本発明は上述のごとく構成したので、水現像性と画像
再現性に優れ、且強靭なレリーフを有し印刷耐性の良好
な印刷版材を与えることを可能ならしめた。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記A、BおよびC成分を含んでなること
    を特徴とする中性水で現像可能な印刷版用感光性樹脂組
    成物。 A.酢酸ビニルと不飽和カルボン酸もしくはその塩、また
    は不飽和カルボン酸エステルとの共重合物を鹸化して得
    られる鹸化度60〜99モル%、かつ不飽和カルボン酸およ
    び不飽和カルボン酸エステルに由来する構造単位が5モ
    ル%以下であるアニオン変性アニオン変性ポリビニルア
    ルコールのカルボキシル基に不飽和エポキシ化合物を付
    加させて成る基体樹脂 100重量部 B.分子中にエチレン性二重結合を有するA成分以外の光
    重合性不飽和化合物 20〜200重量部 C.光開始剤 0.1〜10重量部
  2. 【請求項2】下記A、BおよびC成分を混合することを
    特徴とする中性水で現像可能な印刷版用感光性樹脂組成
    物の製造方法。 A.酢酸ビニルと不飽和カルボン酸もしくはその塩、また
    は不飽和カルボン酸エステルとの共重合物を鹸化して得
    られる鹸化度60〜99モル%、かつ不飽和カルボン酸およ
    び不飽和カルボン酸エステルに由来する構造単位が5モ
    ル%以下であるアニオン変性アニオン変性ポリビニルア
    ルコールのカルボキシル基に不飽和エポキシ化合物を付
    加させて成る基体樹脂 100重量部 B.分子中にエチレン性二重結合を有するA成分以外の光
    重合性不飽和化合物 20〜200重量部 C.光開始剤 0.1〜10重量部
  3. 【請求項3】請求項1記載の感光性樹脂組成物を支持体
    上に形成し、印刷版とする工程、さらに印刷版を露光、
    中性水で現像する工程からなる印刷材の製造方法。
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