JPH116111A - 振動ローラにおける起振軸の給油構造 - Google Patents

振動ローラにおける起振軸の給油構造

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JPH116111A
JPH116111A JP16093297A JP16093297A JPH116111A JP H116111 A JPH116111 A JP H116111A JP 16093297 A JP16093297 A JP 16093297A JP 16093297 A JP16093297 A JP 16093297A JP H116111 A JPH116111 A JP H116111A
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秀樹 岩隈
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単な構造であって、傾斜面の転圧時において
起振軸の給油不良からくる軸受の損傷を防止でき、ま
た、効率的な給油が可能となる、振動ローラにおける起
振軸の給油構造を提供する。 【解決手段】起振機ケース2の側端を閉塞するととも
に、起振軸7を軸承する軸受8が嵌装されるアクスルシ
ャフト5、5′に凹部12が形成され、起振機ケース2
の底部に収容される潤滑油を、前記凹部12から、給油
孔18を介して起振軸の軸受に給油する給油構造におい
て、起振機ケース2に、回転に伴い、潤滑油を掻き寄せ
て凹部12へと潤滑油を誘導する油掻き寄せ手段26を
設けた。また、凹部12に、回転方向に開口面を有し、
且つ、アクスルシャフトの給油孔18の入口に向かって
漸次狭くなる樋部13を設けた。更に、滴油空間20に
おける給油孔口18aを、軸受8の受座10の面よりも
アクスルシャフトの軸心側寄りに位置させ、潤滑油を溜
める油溜め空間23を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、転動輪を起振軸の
回転により振動させて、路面の転圧を行う振動ローラ式
の締固め機に関するものであり、具体的には、振動ロー
ラにおける起振軸の給油構造に関する。
【0002】
【従来の技術】図6(a)に、振動ローラにおける起振
軸の給油構造の一従来例を示す。振動ローラ31におい
て、円筒状の起振機ケース32が、転動輪33の内部に
対向して取り付けられた鏡板34に挟持される形で固設
されており、起振機ケース32の開口両側端にはアクス
ルシャフト35が装着され、鏡板34にボルト締めされ
る。起振機ケース32の内部では、偏心錘36を取り付
けた起振軸37が、前記アクスルシャフト35内に設け
られた軸受38によって軸承され、起振用油圧モータ
(図示せず)によって高速回転する。起振機ケース32
の底部には、起振軸37の高速回転による軸受38の発
熱、焼付けを防止するための潤滑油が収容され、転動輪
33がアクスルシャフト35を介して走行用油圧モータ
(図示せず)により回転するのに伴い、リブ39により
複数に区切られて形成されるアクスルシャフト35の凹
部40で潤滑油をすくい上げ、該凹部40に穿設された
給油孔41及び滴油空間42を介して軸受38に給油す
る。
【0003】しかしながら、従来の起振軸の給油構造に
は以下に述べる問題点があった。図6(b)に示すよう
に、前記振動ローラ31を傾斜した路面の転圧に使用し
た場合、起振機ケース32の底部に溜まった潤滑油が谷
側に偏って、山側のアクスルシャフト35の凹部40ま
で行き渡らなくなり、この状態のまま稼働を続けると、
山側の軸受38に焼付けが生じてしまう。高速で回転す
る起振軸37に取り付けられる偏心錘36が潤滑油面と
接触すると、油面の抵抗により高熱が発生することか
ら、起振機ケース32に収容される潤滑油量は、振動ロ
ーラ31が最大許容傾斜角度の状態にあっても、図6
(b)に示すように、偏心錘36と接触しない程度の液
面レベルであることが条件であり、したがって、この限
られた潤滑油量のもとで、潤滑油を山側の軸受へ強制的
に供給する構造が必要となる。
【0004】その傾斜面転圧に対応した給油構造の一従
来例を図7に示す。振動ローラ51は、起振機ケース5
2の内周面にパイプ53を螺旋状に固設して、その両端
口を左右のアクスルシャフト54の凹部55近傍に位置
させている。この給油構造によれば、谷側に集中した潤
滑油は、パイプ53の谷側の端口から流れ込み、パイプ
53の回転に伴って山側へとパイプ53内を送油されて
いき、やがて山側の端口から吐出された潤滑油は、凹部
55、給油孔56を介して山側の軸受に供給されること
になる。この螺旋状のパイプ53は、回転における送油
の向きが限定される、つまり逆回転した場合には送油で
きないため、振動ローラの前後進駆動に対応するために
は、もう一本のパイプを起振機ケース52の内周面に、
いわゆる”たすき掛け”状に配設する必要がある。しか
しながら、この配設構造は、2本のパイプの交差する部
位が非常に複雑なものとなり、部材の加工、組立に手間
がかかって、装置全体のコスト高を招くという問題があ
った。
【0005】さて、前記振動ローラ31及び51が、起
振機ケース全体をオイルバスとしていたのに対し、図8
に示す振動ローラ61は、左右のアクスルシャフト内部
を密閉してそれぞれにオイルバスを形成したタイプであ
り、起振機ケース62の開口側端に嵌装されるアクスル
シャフトを、本体部63と蓋部64とに分割構成し、そ
れぞれに形成された凹部65及び66で、アクスルシャ
フト内に収容された潤滑油をすくい上げて給油孔67、
68から軸受に給油するものである。このように、オイ
ルバスを左右に独立させる構造にすれば、傾斜状態にあ
る山側の軸受部にも確実に給油されることになる。しか
しながら、アクスルシャフトが本体部と蓋部とに分割さ
れる方式になるので構造が複雑となり、また、潤滑油の
漏れを防止するシール材69を設けたり、本体部と蓋部
にそれぞれ軸受が必要となる等、部材点数が多くなり、
やはり装置全体のコスト高を招くという問題があった。
また、起振機ケース全体をオイルバスとするタイプに比
べると、絶対的な収容油量が少なくなるので、軸受の冷
却効果においても不利であり、また油温が上昇しやすく
なるので、潤滑油自体も早期劣化をきたすという問題が
あった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、基本構造とな
る、図6に示した起振軸の給油構造で、軸受への確実な
給油を行い得るものが望まれるが、図6のアクスルシャ
フト部における給油構造の問題点について更に詳しく説
明する。図9は、図6におけるアクスルシャフト部の拡
大図であるが、前記したように、アクスルシャフト35
が回転すると、リブ39により複数に区切られた凹部4
0が潤滑油をすくい上げ、該凹部40が次第に上部へ回
転移動していくと、潤滑油が凹部40に穿設された給油
孔41へと流れ落ちる。したがって、凹部40が上部に
位置している間に、すくい上げられた潤滑油が全て給油
孔41に流れ落ちることが望ましいのであるが、振動ロ
ーラを高速回転駆動したとき、すなわちアクスルシャフ
ト35が高回転となったときには、給油孔41への潤滑
油の落ち込みが油の粘性により追いつかず、一部の潤滑
油はそのまま凹部40内に残ってしまうという問題があ
った。図9に示すように、すくい上げた潤滑油がこぼれ
ないように、縁部43を設けた凹部構造もあるが、それ
でもすくい上げた潤滑油を効率良く給油孔に流し込むこ
とは不可能である。
【0007】また、給油孔41に流れ込んだ潤滑油は、
アクスルシャフト35の内部に形成された滴油空間42
に滴下し、この滴油空間42にて軸受38に給油するよ
うになっている。しかしながら、滴油空間42に望む給
油孔口41aは、軸受38を嵌装する受座44の面とほ
ぼ同じ高さに位置するため、上部の給油孔口41aから
滴下した潤滑油が滴油空間42内にとどまらずに、その
まま下部の給油孔口41bから、或いは、回転が進んで
給油孔口41a自身が下方に位置したときに、この給油
孔口41aから流れ落ちてしまうという問題があり、軸
受への十分な潤滑油量を確保することは困難である。
【0008】本発明は、このような問題点を解決するた
めに創作されたものであり、簡単な構造であって、傾斜
面の転圧時において起振軸の給油不良からくる軸受の損
傷を防止でき、また、効率的な給油が可能となる、振動
ローラにおける起振軸の給油構造を提供することを目的
としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の目的を
達成するために以下の手段を用いた。起振機ケースの側
端を閉塞するとともに、起振軸を軸承する軸受が嵌装さ
れるアクスルシャフトの内側壁面に凹部が形成され、起
振機ケース底部に収容される潤滑油を、前記アクスルシ
ャフトの凹部から、給油孔を介して起振軸の軸受に給油
する給油構造であって、起振機ケースに、回転に伴い、
潤滑油を掻き寄せてアクスルシャフトの凹部へと潤滑油
を誘導する油掻き寄せ手段を設けた。そして、前記油掻
き寄せ手段を、起振機ケースの内周面に突設される板部
材から構成した。さらに、前記板部材を、一端側がアク
スルシャフトの凹部に位置し、他端側が回転方向寄りに
位置するように傾斜状に配設する構成とした。
【0010】次に、起振機ケースの側端を閉塞するとと
もに、起振軸を軸承する軸受が嵌装されるアクスルシャ
フトの内側壁面に凹部が形成され、起振機ケース底部に
収容される潤滑油を、前記アクスルシャフトの凹部か
ら、給油孔を介して起振軸の軸受に給油する給油構造で
あって、アクスルシャフトの凹部に、回転方向に開口面
を有し、且つ、アクスルシャフトの給油孔の入口に向か
って漸次狭くなる樋部を設ける構造とした。
【0011】次に、起振機ケースの側端を閉塞するとと
もに、起振軸を軸承する軸受が嵌装されるアクスルシャ
フトの内側壁面に凹部が形成され、起振機ケース底部に
収容される潤滑油を、前記アクスルシャフトの凹部か
ら、給油孔、及び軸受に隣接する滴油空間を介して起振
軸の軸受に給油する給油構造であって、滴油空間の給油
孔口を、軸受の受座の面よりもアクスルシャフトの軸心
側寄りに位置させ、給油孔口の面と前記受座の面との間
に、潤滑油を溜める油溜め空間を設ける構造とした。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に係る振動ローラにおける
起振軸の給油構造についての実施形態を、図面に基づき
ながら説明する。図1は振動ローラの一部断面図、図2
は給油構造を示す要部分解斜視図、図3は給油構造を示
す要部斜視図、図4は図3におけるA−A断面図、図5
は給油状態を示す作用説明図である。
【0013】図1において、符号1は振動ローラを示
し、円筒状の起振機ケース2が、転動輪3の内部に対向
して取り付けられた鏡板4に挟持されるように、転動輪
3と同心状に固設されており、起振機ケース2の開口両
側端には、アクスルシャフト5、5′が起振機ケース2
を閉塞するように嵌装され、フランジ部5aにてボルト
25により鏡板4に固定される。転動輪3は、一方のア
クスルシャフト5に取り付けられた走行用油圧モータ2
7により、起振機ケース2と一体に回転する。起振機ケ
ース2の内部において、適宜間隔で偏心錘6を取り付け
た起振軸7が、前記アクスルシャフト5、5′内に嵌装
された軸受8によって軸承され、起振用油圧モータ(図
示せず)によって高速回転する。起振機ケース2の底部
には、この起振軸7の高速回転による軸受8の発熱及び
焼付けを防止するために潤滑油が適宜量、収容されてい
る。
【0014】次に、アクスルシャフト5、5′について
具体的に説明する。アクスルシャフト5、5′の主な違
いは、後述する滴油空間20、20′の形状だけなの
で、同一の形状部については同一符号を付し、或いは省
略して、以後の説明はアクスルシャフト5について行う
ものとする。アクスルシャフト5において、起振機ケー
ス2の内部に対向する内側壁面9の中央部には、軸受8
を嵌装保持するための受座10が開口形成されている。
また、内側壁面9には、図2に示すように凹部12が、
複数の補強用リブ、本実施形態では、90°間隔で配置
したリブ11によって複数に区切られて形成されてお
り、したがって、各凹部12は受座10を中心に環状に
配置されている。
【0015】アクスルシャフト5の回転に伴い、この凹
部12で、起振機ケース2の底部に収容された潤滑油を
すくい上げ、給油孔を介して軸受部へと給油することも
可能であるが、すくい上げた潤滑油をより確実に漏らさ
ないように給油するため、凹部12には、起振機ケース
2の回転方向、すなわちアクスルシャフト5の回転方向
に開口面を有した樋部13が設けられる。本実施形態で
は、前記リブ11を樋部13の一部として利用し、図1
及び図2に示すように、樋部13を、凹部12によって
露呈した側壁14、外縁部15、内縁部16、外縁部1
5から内縁部16に掛け渡した樋壁17、及びリブ11
によって構成している。また、樋部13は、アクスルシ
ャフト5の給油孔の入口に向かって漸次狭くなるように
構成されており、樋壁17が、外縁部15から内縁部1
6に向かうに従い、側壁14に近づくように傾斜状に形
成される。このように、樋部13をアクスルシャフト5
の給油孔18の入口に向かって漸次狭くなるように形成
すれば、アクスルシャフト5が回転し、樋部13が上部
に位置していくに従い、樋部13内の潤滑油は、アクス
ルシャフト5の軸心方向、つまり給油孔18の入口に向
かって集中的に流れ込むことになる。したがって、アク
スルシャフト5が高回転になったとき、すなわち樋部1
3の上部に位置する時間が短い場合であっても、すくい
上げた潤滑油を全て、アクスルシャフト5の軸心側に位
置させた給油孔18に流し込むことが可能であり、効率
的な給油が行えることになる。
【0016】なお、振動ローラ1の前後進駆動に対応す
るため、すなわち、アクスルシャフト5がどちらの方向
に回転しても給油可能とするため、アクスルシャフト5
には、回転方向に対応した樋部13が設けてある。本実
施形態では、180°反対に位置し合うリブ11にそれ
ぞれの樋部13を設けてあり、図3に示すように、下側
に位置する樋部13は矢印P方向回転時に、上側に位置
する樋部13は矢印Q方向回転時に、それぞれ潤滑油を
すくい上げるようになっている。
【0017】次に、前記した給油孔18は、図1に示す
ように、前記樋部13と滴油空間20を連絡して、軸受
8へと潤滑油を供給するための孔であり、樋部13の部
位における給油孔の入口は、側壁14と内縁部16との
コーナー部に位置している。また、本実施形態では、ア
クスルシャフト5の奥行き(軸心方向)寸法をコンパク
トにするため、図1に示すように、軸心方向において湾
曲するように穿設している。
【0018】滴油空間20は、給油孔18から滴下する
潤滑油を軸受8に供給するための空間であり、アクスル
シャフト5の外側壁面19の中央部に、受座10に嵌装
された軸受8と隣接するように開口形成されている。そ
して、滴油空間20に面した給油孔18の口(給油孔口
18a、18b)を、受座10の周面よりもアクスルシ
ャフト5の軸心側寄りに位置させている。本実施形態で
は、滴油空間20を、図2に示すように、周面部21に
より略円柱状を呈する空間としてあり、上下の給油孔口
18a、18bの部位を平面状に形成することにより
(平面部22)、受座10の周面よりもアクスルシャフ
ト5の軸心側寄りに位置させる構造としてある。そし
て、この給油孔口18a、18bが覗く面、すなわち平
面部22と受座10の周面との段差間には、上部に位置
した給油孔口18aから滴下する潤滑油が、下部の給油
孔口18bから、或いは回転が進んで下方へと位置した
給油孔口18a自身から容易に流れ落ちないように、潤
滑油を溜めておくための油溜め空間23が設けられてい
る。このような構造にすれば、上部の給油孔口18aか
ら滴下した潤滑油は、対向した下部の平面部22へ達
し、一部は給油孔口18bにそのまま流れるが、ほとん
どの潤滑油は、油溜め空間23へと流れ込むので、軸受
8はこの油溜め空間23から常時潤滑油の供給を受ける
ことができる。
【0019】なお、この油溜め空間を形成するための滴
油空間は、前記した形状に限られることはなく、例え
ば、図1に示す右側のアクスルシャフト5′のように、
軸受8側に向けて拡開形成して略円錐状の空間としたも
のでも良く、本滴油空間20′においても、給油孔口1
8a、18bを受座10の周面よりもアクスルシャフト
5の軸心側寄りに位置させれば、上部の給油孔口18a
から滴下した潤滑油は、滴油空間20′の円錐面上を流
れ伝って、油溜め空間23へと流れ込むことになる。
【0020】さて、振動ローラ1には、図1及び図3に
示すように、回転に伴い、潤滑油を掻き寄せてアクスル
シャフト5の凹部12へ、本実施形態では樋部13へと
潤滑油を誘導する油掻き寄せ手段26が設けられてい
る。この油掻き寄せ手段26は、振動ローラ1の傾斜面
転圧時において、山側に位置した軸受への給油を可能と
する手段であるが、積極的に潤滑油を樋部13に流し込
む、すなわち、多量の潤滑油を軸受に供給できる構造で
あるところから、平坦面の転圧時においても有効であ
り、効率的な給油を行い得る手段となっている。
【0021】本実施形態では、この油掻き寄せ手段26
として、起振機ケース2の内周面に、略矩形状の板部材
24を突設させた構成としており、さらに効率良く潤滑
油を樋部13へと誘導させるために、図4に示すよう
に、板部材24の一端側を樋部13の開口面に位置さ
せ、他端側を回転方向寄りに位置させて、内周面上にお
ける起振機ケース2の軸方向に対して板部材24が傾斜
するように配設してあり、本実施形態では、図4に示す
ように、起振機ケース2の軸方向に対する傾斜角度θが
約30°となるように配設してある。また、起振機ケー
ス2の内周面に接する接触辺部24a(図1及び図3に
示す)は、その内周面に合わせて円弧形成されており、
溶接等により周面に密着するようにして固着される。な
お、振動ローラの前後進駆動に対応するため、図1に示
すように、板部材24、すなわち油掻き寄せ手段26
は、回転方向に対応した樋部13にそれぞれ取り付けら
れる。
【0022】この油掻き寄せ手段26の作用について説
明する。今、振動ローラが傾斜状態にあり、図4に示す
ように、潤滑油が右側(谷側)に寄っているとする(図
5(a)の状態)。起振機ケース2及びアクスルシャフ
ト5がP方向に回転を始めると、板部材24は、図4に
示す格子線領域にある潤滑油を回転方向に移動させなが
ら掻き寄せていく。掻き寄せられる潤滑油の流れは、傾
斜して配設された板部材24によって樋部13側へと効
率良く誘導されて、やがて樋部13に流れ込み(図5
(b)の状態)、さらに回転が進むと、潤滑油は樋部1
3から給油孔18に流れ落ち(図5(c))、給油孔口
18aから軸受部に給油がなされる。
【0023】以上、本発明に係る振動ローラにおける起
振軸の給油構造についての好適な実施形態を説明した
が、本発明の主な特徴は、1)強制的に潤滑油を掻き寄
せてアクスルシャフトの凹部へと潤滑油を誘導する油掻
き寄せ手段を設けたこと、2)アクスルシャフトの凹部
に、回転方向に開口面を有し、且つ、アクスルシャフト
の給油孔の入口に向かって漸次狭くなる樋部を設け、こ
の樋部で潤滑油をすくい上げる構造としたこと、3)潤
滑油を軸受に供給するための滴油空間に、油を溜めてお
くための油溜め空間を設けたことであり、勿論これらの
発明は独立に実施しても各々所定の効果をあげることが
できる。また、その実施範囲は、既述した形態に限られ
ることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各構成
部材の形状、取付け位置など適宜設計変更することによ
り、様々な応用が可能である。
【0024】
【発明の効果】本発明に係る、振動ローラにおける起振
軸の給油構造によれば、次のような効果を奏する。 (1)回転に伴い、潤滑油を掻き寄せてアクスルシャフ
トの凹部へと潤滑油を誘導する油掻き寄せ手段を設ける
ことにより、振動ローラの傾斜面転圧時における、山側
に位置した軸受への給油が可能となり、給油不良による
発熱、焼付け等の軸受の損傷を防止することができる。
また、潤滑油をアクスルシャフトの凹部へ大量に流し込
むことが可能となるので、軸受部の冷却効果に優れ、潤
滑油自体も温度上昇による早期劣化が抑止される。 (2)前記油掻き寄せ手段として、起振機ケースの内周
面に板部材を突設させる構成とすれば、簡単な構造で済
むので、組立が容易となり、装置製作のコストの低減が
実現できる。 (3)また、前記板部材を、一端側がアクスルシャフト
の凹部に位置し、他端側が回転方向寄りに位置するよう
に傾斜状に配設する構成とすれば、より効率的に潤滑油
を凹部へ流し込むことができる。 (4)アクスルシャフトの凹部に、回転方向に開口面を
有し、且つ、アクスルシャフトの給油孔の入口に向かっ
て漸次狭くなる樋部を設けることにより、潤滑油を集中
させながら効率良く給油孔に流し込むことが可能となる
ので、アクスルシャフトが高回転になったとき、すなわ
ち樋部の上部に位置する時間が短い場合であっても、樋
部内の潤滑油を全て給油孔に流し込むことができ、常時
効率の良い給油が行える。 (5)潤滑油を軸受に供給するための滴油空間に、油を
溜めておくための油溜め空間を設けることにより、常時
軸受は良好な給油状態におかれることになり、発熱、焼
付け等が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】振動ローラの一部断面図である。
【図2】給油構造を示す要部分解斜視図である。
【図3】給油構造を示す要部斜視図である。
【図4】図3におけるA−A断面図である。
【図5】給油状態を示す作用説明図である。
【図6】従来例を示す説明図である。
【図7】従来例を示す説明図である。
【図8】従来例を示す説明図である。
【図9】従来例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 振動ローラ 2 起振機ケース 3 転動輪 4 鏡板 5、5′ アクスルシャフト 6 偏心錘 7 起振軸 8 軸受 9 内側壁面 10 受座 11 リブ 12 凹部 13 樋部 14 側壁 15 外縁部 16 内縁部 17 樋壁 18 給油孔 18a 給油孔口 19 外側壁面 20、20′ 滴油空間 21 周面部 22 平面部 23 油溜め空間 24 板部材 25 ボルト 26 油掻き寄せ手段 27 走行用油圧モータ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 起振機ケースの側端を閉塞するととも
    に、起振軸を軸承する軸受が嵌装されるアクスルシャフ
    トの内側壁面に凹部が形成され、起振機ケース底部に収
    容される潤滑油を、前記アクスルシャフトの凹部から、
    給油孔を介して起振軸の軸受に給油する給油構造であっ
    て、 前記起振機ケースは、回転に伴い、潤滑油を掻き寄せて
    前記アクスルシャフトの凹部へと潤滑油を誘導する油掻
    き寄せ手段を有する構成としたことを特徴とする振動ロ
    ーラにおける起振軸の給油構造。
  2. 【請求項2】 前記油掻き寄せ手段は、前記起振機ケー
    スの内周面に突設される板部材からなることを特徴とす
    る請求項1に記載の振動ローラにおける起振軸の給油構
    造。
  3. 【請求項3】 前記板部材は、一端側が前記アクスルシ
    ャフトの凹部に位置し、他端側が回転方向寄りに位置す
    るように傾斜状に配設されることを特徴とする請求項2
    に記載の振動ローラにおける起振軸の給油構造。
  4. 【請求項4】 起振機ケースの側端を閉塞するととも
    に、起振軸を軸承する軸受が嵌装されるアクスルシャフ
    トの内側壁面に凹部が形成され、起振機ケース底部に収
    容される潤滑油を、前記アクスルシャフトの凹部から、
    給油孔を介して起振軸の軸受に給油する給油構造であっ
    て、 前記アクスルシャフトの凹部に、回転方向に開口面を有
    し、且つ、前記アクスルシャフトの給油孔の入口に向か
    って漸次狭くなる樋部を設けたことを特徴とする振動ロ
    ーラにおける起振軸の給油構造。
  5. 【請求項5】 起振機ケースの側端を閉塞するととも
    に、起振軸を軸承する軸受が嵌装されるアクスルシャフ
    トの内側壁面に凹部が形成され、起振機ケース底部に収
    容される潤滑油を、前記アクスルシャフトの凹部から、
    給油孔、及び軸受に隣接する滴油空間を介して起振軸の
    軸受に給油する給油構造であって、 前記滴油空間の給油孔口を、前記軸受の受座の面よりも
    前記アクスルシャフトの軸心側寄りに位置させ、前記給
    油孔口の面と前記受座の面との間に、潤滑油を溜める油
    溜め空間を設けたことを特徴とする振動ローラにおける
    起振軸の給油構造。
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