JP3854370B2 - 振動ローラにおける起振軸の給油構造 - Google Patents

振動ローラにおける起振軸の給油構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、転動輪を起振軸の回転により振動させて、路面の転圧を行う振動ローラ式の締固め機に関するものであり、具体的には、振動ローラにおける起振軸の給油構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6(a)に、振動ローラにおける起振軸の給油構造の一従来例を示す。
振動ローラ31において、円筒状の起振機ケース32が、転動輪33の内部に対向して取り付けられた鏡板34に挟持される形で固設されており、起振機ケース32の開口両側端にはアクスルシャフト35が装着され、鏡板34にボルト締めされる。起振機ケース32の内部では、偏心錘36を取り付けた起振軸37が、前記アクスルシャフト35内に設けられた軸受38によって軸承され、起振用油圧モータ(図示せず)によって高速回転する。起振機ケース32の底部には、起振軸37の高速回転による軸受38の発熱、焼付けを防止するための潤滑油が収容され、転動輪33がアクスルシャフト35を介して走行用油圧モータ(図示せず)により回転するのに伴い、リブ39により複数に区切られて形成されるアクスルシャフト35の凹部40で潤滑油をすくい上げ、該凹部40に穿設された給油孔41及び滴油空間42を介して軸受38に給油する。
【0003】
しかしながら、従来の起振軸の給油構造には以下に述べる問題点があった。
図6(b)に示すように、前記振動ローラ31を傾斜した路面の転圧に使用した場合、起振機ケース32の底部に溜まった潤滑油が谷側に偏って、山側のアクスルシャフト35の凹部40まで行き渡らなくなり、この状態のまま稼働を続けると、山側の軸受38に焼付けが生じてしまう。高速で回転する起振軸37に取り付けられる偏心錘36が潤滑油面と接触すると、油面の抵抗により高熱が発生することから、起振機ケース32に収容される潤滑油量は、振動ローラ31が最大許容傾斜角度の状態にあっても、図6(b)に示すように、偏心錘36と接触しない程度の液面レベルであることが条件であり、したがって、この限られた潤滑油量のもとで、潤滑油を山側の軸受へ強制的に供給する構造が必要となる。
【0004】
その傾斜面転圧に対応した給油構造の一従来例を図7に示す。
振動ローラ51は、起振機ケース52の内周面にパイプ53を螺旋状に固設して、その両端口を左右のアクスルシャフト54の凹部55近傍に位置させている。この給油構造によれば、谷側に集中した潤滑油は、パイプ53の谷側の端口から流れ込み、パイプ53の回転に伴って山側へとパイプ53内を送油されていき、やがて山側の端口から吐出された潤滑油は、凹部55、給油孔56を介して山側の軸受に供給されることになる。この螺旋状のパイプ53は、回転における送油の向きが限定される、つまり逆回転した場合には送油できないため、振動ローラの前後進駆動に対応するためには、もう一本のパイプを起振機ケース52の内周面に、いわゆる”たすき掛け”状に配設する必要がある。しかしながら、この配設構造は、2本のパイプの交差する部位が非常に複雑なものとなり、部材の加工、組立に手間がかかって、装置全体のコスト高を招くという問題があった。
【0005】
さて、前記振動ローラ31及び51が、起振機ケース全体をオイルバスとしていたのに対し、図8に示す振動ローラ61は、左右のアクスルシャフト内部を密閉してそれぞれにオイルバスを形成したタイプであり、起振機ケース62の開口側端に嵌装されるアクスルシャフトを、本体部63と蓋部64とに分割構成し、それぞれに形成された凹部65及び66で、アクスルシャフト内に収容された潤滑油をすくい上げて給油孔67、68から軸受に給油するものである。このように、オイルバスを左右に独立させる構造にすれば、傾斜状態にある山側の軸受部にも確実に給油されることになる。しかしながら、アクスルシャフトが本体部と蓋部とに分割される方式になるので構造が複雑となり、また、潤滑油の漏れを防止するシール材69を設けたり、本体部と蓋部にそれぞれ軸受が必要となる等、部材点数が多くなり、やはり装置全体のコスト高を招くという問題があった。また、起振機ケース全体をオイルバスとするタイプに比べると、絶対的な収容油量が少なくなるので、軸受の冷却効果においても不利であり、また油温が上昇しやすくなるので、潤滑油自体も早期劣化をきたすという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、基本構造となる、図6に示した起振軸の給油構造で、軸受への確実な給油を行い得るものが望まれるが、図6のアクスルシャフト部における給油構造の問題点について更に詳しく説明する。
図9は、図6におけるアクスルシャフト部の拡大図であるが、前記したように、アクスルシャフト35が回転すると、リブ39により複数に区切られた凹部40が潤滑油をすくい上げ、該凹部40が次第に上部へ回転移動していくと、潤滑油が凹部40に穿設された給油孔41へと流れ落ちる。したがって、凹部40が上部に位置している間に、すくい上げられた潤滑油が全て給油孔41に流れ落ちることが望ましいのであるが、振動ローラを高速回転駆動したとき、すなわちアクスルシャフト35が高回転となったときには、給油孔41への潤滑油の落ち込みが油の粘性により追いつかず、一部の潤滑油はそのまま凹部40内に残ってしまうという問題があった。
図9に示すように、すくい上げた潤滑油がこぼれないように、縁部43を設けた凹部構造もあるが、それでもすくい上げた潤滑油を効率良く給油孔に流し込むことは不可能である。
【0007】
また、給油孔41に流れ込んだ潤滑油は、アクスルシャフト35の内部に形成された滴油空間42に滴下し、この滴油空間42にて軸受38に給油するようになっている。しかしながら、滴油空間42に望む給油孔口41aは、軸受38を嵌装する受座44の面とほぼ同じ高さに位置するため、上部の給油孔口41aから滴下した潤滑油が滴油空間42内にとどまらずに、そのまま下部の給油孔口41bから、或いは、回転が進んで給油孔口41a自身が下方に位置したときに、この給油孔口41aから流れ落ちてしまうという問題があり、軸受への十分な潤滑油量を確保することは困難である。
【0008】
本発明は、このような問題点を解決するために創作されたものであり、簡単な構造であって、傾斜面の転圧時において起振軸の給油不良からくる軸受の損傷を防止でき、また、効率的な給油が可能となる、振動ローラにおける起振軸の給油構造を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の目的を達成するために以下の手段を用いた。
正逆回転することにより締固め車両を前後進させる転動輪と、この転動輪の内部に転動輪と同心状に配設されて転動輪と一体に回転し、起振軸と潤滑油を収容した円筒状の起振機ケースと、この起振機ケースの側端を閉塞し、前記起振軸を軸承する軸受が嵌装され、起振機ケースの内部に臨む内側壁面に凹部が形成されるとともに、この凹部と前記軸受側とを連通する給油孔が穿設され、転動輪と一体に回転する左右一対のアクスルシャフトと、を備え、前記潤滑油を、前記凹部から前記給油孔を介して前記軸受に給油する給油構造であって、前記起振機ケースの内周面に、転動輪が傾斜して潤滑油の液面レベルが上方に位置するアクスルシャフトよりも下方に位置したとき、転動輪の正回転に伴って潤滑油を掻き寄せて前記上方に位置するアクスルシャフトの凹部へと潤滑油を誘導する第1の油掻き寄せ手段と、転動輪の逆回転に伴って潤滑油を掻き寄せて前記上方に位置するアクスルシャフトの凹部へと潤滑油を誘導する第2の油掻き寄せ手段と、を各アクスルシャフトに対してそれぞれ設ける構成としたことを特徴とする振動ローラにおける起振軸の給油構造とした。
また、前記第1の油掻き寄せ手段は、前記アクスルシャフトの凹部に位置する一端側から転動輪の幅方向中央に向かうにしたがい、転動輪の正回転方向に変位するように転動輪の内周面に突設される第1の板部材からなり、前記第2の油掻き寄せ手段は、前記第1の板部材と干渉しない位置に設けられ、前記アクスルシャフトの凹部に位置する一端側から転動輪の幅方向中央に向かうにしたがい、転動輪の逆回転方向に変位するように転動輪の内周面に突設される第2の板部材からなることを特徴とする振動ローラにおける起振軸の給油構造とした。
【0010】
次に、前記各アクスルシャフトの凹部には、アクスルシャフトの側壁から垂直に立ち上がり、アクスルシャフトの径方向に沿って形成されるリブが設けられ、リブの壁面と、アクスルシャフトの側壁と、凹部の外周壁からなる外縁部と、凹部の内周壁からなる内縁部と、前記リブの立ち上がり端部から転動輪の正回転方向側に向けて立ち上がり形成される桶壁と、によって囲まれる第1の桶部と、リブの壁面と、アクスルシャフトの側壁と、凹部の外周壁からなる外縁部と、凹部の内周壁からなる内縁部と、前記リブの立ち上がり端部から転動輪の逆回転方向側に向けて立ち上がり形成される桶壁と、によって囲まれる第2の桶部と、を備え、各桶部の内縁部に前記給油孔が形成され、各桶部は、アクスルシャフトの径方向内側に向かうにしたがい、アクスルシャフトの側壁と桶壁との間隔が漸次狭くなるように形成されていることを特徴とする振動ローラにおける起振軸の給油構造とした。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に係る振動ローラにおける起振軸の給油構造についての実施形態を、図面に基づきながら説明する。図1は振動ローラの一部断面図、図2は給油構造を示す要部分解斜視図、図3は給油構造を示す要部斜視図、図4は図3におけるA−A断面図、図5は給油状態を示す作用説明図である。
【0013】
図1において、符号1は振動ローラを示し、円筒状の起振機ケース2が、転動輪3の内部に対向して取り付けられた鏡板4に挟持されるように、転動輪3と同心状に固設されており、起振機ケース2の開口両側端には、アクスルシャフト5、5′が起振機ケース2を閉塞するように嵌装され、フランジ部5aにてボルト25により鏡板4に固定される。転動輪3は、一方のアクスルシャフト5に取り付けられた走行用油圧モータ27により、起振機ケース2と一体に回転する。起振機ケース2の内部において、適宜間隔で偏心錘6を取り付けた起振軸7が、前記アクスルシャフト5、5′内に嵌装された軸受8によって軸承され、起振用油圧モータ(図示せず)によって高速回転する。起振機ケース2の底部には、この起振軸7の高速回転による軸受8の発熱及び焼付けを防止するために潤滑油が適宜量、収容されている。
【0014】
次に、アクスルシャフト5、5′について具体的に説明する。アクスルシャフト5、5′の主な違いは、後述する滴油空間20、20′の形状だけなので、同一の形状部については同一符号を付し、或いは省略して、以後の説明はアクスルシャフト5について行うものとする。
アクスルシャフト5において、起振機ケース2の内部に対向する内側壁面9の中央部には、軸受8を嵌装保持するための受座10が開口形成されている。また、内側壁面9には、図2に示すように凹部12が、複数の補強用リブ、本実施形態では、90°間隔で配置したリブ11によって複数に区切られて形成されており、したがって、各凹部12は受座10を中心に環状に配置されている。
【0015】
アクスルシャフト5の回転に伴い、この凹部12で、起振機ケース2の底部に収容された潤滑油をすくい上げ、給油孔を介して軸受部へと給油することも可能であるが、すくい上げた潤滑油をより確実に漏らさないように給油するため、凹部12には、起振機ケース2の回転方向、すなわちアクスルシャフト5の回転方向に開口面を有した樋部13が設けられる。本実施形態では、前記リブ11を樋部13の一部として利用し、図1及び図2に示すように、樋部13を、凹部12によって露呈した側壁14、外縁部15、内縁部16、外縁部15から内縁部16に掛け渡した樋壁17、及びリブ11によって構成している。また、樋部13は、アクスルシャフト5の給油孔の入口に向かって漸次狭くなるように構成されており、樋壁17が、外縁部15から内縁部16に向かうに従い、側壁14に近づくように傾斜状に形成される。このように、樋部13をアクスルシャフト5の給油孔18の入口に向かって漸次狭くなるように形成すれば、アクスルシャフト5が回転し、樋部13が上部に位置していくに従い、樋部13内の潤滑油は、アクスルシャフト5の軸心方向、つまり給油孔18の入口に向かって集中的に流れ込むことになる。したがって、アクスルシャフト5が高回転になったとき、すなわち樋部13の上部に位置する時間が短い場合であっても、すくい上げた潤滑油を全て、アクスルシャフト5の軸心側に位置させた給油孔18に流し込むことが可能であり、効率的な給油が行えることになる。
【0016】
なお、振動ローラ1の前後進駆動に対応するため、すなわち、アクスルシャフト5がどちらの方向に回転しても給油可能とするため、アクスルシャフト5には、回転方向に対応した樋部13が設けてある。本実施形態では、180°反対に位置し合うリブ11にそれぞれの樋部13を設けてあり、図3に示すように、下側に位置する樋部13は矢印P方向回転時に、上側に位置する樋部13は矢印Q方向回転時に、それぞれ潤滑油をすくい上げるようになっている。
【0017】
次に、前記した給油孔18は、図1に示すように、前記樋部13と滴油空間20を連絡して、軸受8へと潤滑油を供給するための孔であり、樋部13の部位における給油孔の入口は、側壁14と内縁部16とのコーナー部に位置している。また、本実施形態では、アクスルシャフト5の奥行き(軸心方向)寸法をコンパクトにするため、図1に示すように、軸心方向において湾曲するように穿設している。
【0018】
滴油空間20は、給油孔18から滴下する潤滑油を軸受8に供給するための空間であり、アクスルシャフト5の外側壁面19の中央部に、受座10に嵌装された軸受8と隣接するように開口形成されている。そして、滴油空間20に面した給油孔18の口(給油孔口18a、18b)を、受座10の周面よりもアクスルシャフト5の軸心側寄りに位置させている。本実施形態では、滴油空間20を、図2に示すように、周面部21により略円柱状を呈する空間としてあり、上下の給油孔口18a、18bの部位を平面状に形成することにより(平面部22)、受座10の周面よりもアクスルシャフト5の軸心側寄りに位置させる構造としてある。そして、この給油孔口18a、18bが覗く面、すなわち平面部22と受座10の周面との段差間には、上部に位置した給油孔口18aから滴下する潤滑油が、下部の給油孔口18bから、或いは回転が進んで下方へと位置した給油孔口18a自身から容易に流れ落ちないように、潤滑油を溜めておくための油溜め空間23が設けられている。このような構造にすれば、上部の給油孔口18aから滴下した潤滑油は、対向した下部の平面部22へ達し、一部は給油孔口18bにそのまま流れるが、ほとんどの潤滑油は、油溜め空間23へと流れ込むので、軸受8はこの油溜め空間23から常時潤滑油の供給を受けることができる。
【0019】
なお、この油溜め空間を形成するための滴油空間は、前記した形状に限られることはなく、例えば、図1に示す右側のアクスルシャフト5′のように、軸受8側に向けて拡開形成して略円錐状の空間としたものでも良く、本滴油空間20′においても、給油孔口18a、18bを受座10の周面よりもアクスルシャフト5の軸心側寄りに位置させれば、上部の給油孔口18aから滴下した潤滑油は、滴油空間20′の円錐面上を流れ伝って、油溜め空間23へと流れ込むことになる。
【0020】
さて、振動ローラ1には、図1及び図3に示すように、回転に伴い、潤滑油を掻き寄せてアクスルシャフト5の凹部12へ、本実施形態では樋部13へと潤滑油を誘導する油掻き寄せ手段26が設けられている。この油掻き寄せ手段26は、振動ローラ1の傾斜面転圧時において、山側に位置した軸受への給油を可能とする手段であるが、積極的に潤滑油を樋部13に流し込む、すなわち、多量の潤滑油を軸受に供給できる構造であるところから、平坦面の転圧時においても有効であり、効率的な給油を行い得る手段となっている。
【0021】
本実施形態では、この油掻き寄せ手段26として、起振機ケース2の内周面に、略矩形状の板部材24を突設させた構成としており、さらに効率良く潤滑油を樋部13へと誘導させるために、図4に示すように、板部材24の一端側を樋部13の開口面に位置させ、他端側を回転方向寄りに位置させて、内周面上における起振機ケース2の軸方向に対して板部材24が傾斜するように配設してあり、本実施形態では、図4に示すように、起振機ケース2の軸方向に対する傾斜角度θが約30°となるように配設してある。また、起振機ケース2の内周面に接する接触辺部24a(図1及び図3に示す)は、その内周面に合わせて円弧形成されており、溶接等により周面に密着するようにして固着される。
なお、振動ローラの前後進駆動に対応するため、図1に示すように、板部材24、すなわち油掻き寄せ手段26は、回転方向に対応した樋部13にそれぞれ取り付けられる。
【0022】
この油掻き寄せ手段26の作用について説明する。今、振動ローラが傾斜状態にあり、図4に示すように、潤滑油が右側(谷側)に寄っているとする(図5(a)の状態)。起振機ケース2及びアクスルシャフト5がP方向に回転を始めると、板部材24は、図4に示す格子線領域にある潤滑油を回転方向に移動させながら掻き寄せていく。掻き寄せられる潤滑油の流れは、傾斜して配設された板部材24によって樋部13側へと効率良く誘導されて、やがて樋部13に流れ込み(図5(b)の状態)、さらに回転が進むと、潤滑油は樋部13から給油孔18に流れ落ち(図5(c))、給油孔口18aから軸受部に給油がなされる。
【0023】
以上、本発明に係る振動ローラにおける起振軸の給油構造についての好適な実施形態を説明したが、本発明の主な特徴は、1)強制的に潤滑油を掻き寄せてアクスルシャフトの凹部へと潤滑油を誘導する油掻き寄せ手段を設けたこと、2)アクスルシャフトの凹部に、回転方向に開口面を有し、且つ、アクスルシャフトの給油孔の入口に向かって漸次狭くなる樋部を設け、この樋部で潤滑油をすくい上げる構造としたこと、3)潤滑油を軸受に供給するための滴油空間に、油を溜めておくための油溜め空間を設けたことであり、勿論これらの発明は独立に実施しても各々所定の効果をあげることができる。また、その実施範囲は、既述した形態に限られることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各構成部材の形状、取付け位置など適宜設計変更することにより、様々な応用が可能である。
【0024】
【発明の効果】
本発明に係る、振動ローラにおける起振軸の給油構造によれば、次のような効果を奏する。
(1)正逆回転することにより締固め車両を前後進させる転動輪と、この転動輪の内部に転動輪と同心状に配設されて転動輪と一体に回転し、起振軸と潤滑油を収容した円筒状の起振機ケースと、この起振機ケースの側端を閉塞し、前記起振軸を軸承する軸受が嵌装され、起振機ケースの内部に臨む内側壁面に凹部が形成されるとともに、この凹部と前記軸受側とを連通する給油孔が穿設され、転動輪と一体に回転する左右一対のアクスルシャフトと、を備え、前記潤滑油を、前記凹部から前記給油孔を介して前記軸受に給油する給油構造であって、前記起振機ケースの内周面に、転動輪が傾斜して潤滑油の液面レベルが上方に位置するアクスルシャフトよりも下方に位置したとき、転動輪の正回転に伴って潤滑油を掻き寄せて前記上方に位置するアクスルシャフトの凹部へと潤滑油を誘導する第1の油掻き寄せ手段と、転動輪の逆回転に伴って潤滑油を掻き寄せて前記上方に位置するアクスルシャフトの凹部へと潤滑油を誘導する第2の油掻き寄せ手段と、を各アクスルシャフトに対してそれぞれ設ける構成としたことにより、振動ローラの傾斜面転圧時における、山側に位置した軸受への給油が可能となり、給油不良による発熱、焼付け等の軸受の損傷を防止することができる。また、潤滑油をアクスルシャフトの凹部へ大量に流し込むことが可能となるので、軸受部の冷却効果に優れ、潤滑油自体も温度上昇による早期劣化が抑止される。
(2)前記第1の油掻き寄せ手段は、前記アクスルシャフトの凹部に位置する一端側から転動輪の幅方向中央に向かうにしたがい、転動輪の正回転方向に変位するように転動輪の内周面に突設される第1の板部材からなり、前記第2の油掻き寄せ手段は、前記第1の板部材と干渉しない位置に設けられ、前記アクスルシャフトの凹部に位置する一端側から転動輪の幅方向中央に向かうにしたがい、転動輪の逆回転方向に変位するように転動輪の内周面に突設される第2の板部材からなる構成とすれば、簡単な構造で済むので、組立が容易となり、装置製作のコストの低減が実現できる。
(3)また、より効率的に潤滑油を凹部へ流し込むことができる。
(4)前記各アクスルシャフトの凹部には、アクスルシャフトの側壁から垂直に立ち上がり、アクスルシャフトの径方向に沿って形成されるリブが設けられ、リブの壁面と、アクスルシャフトの側壁と、凹部の外周壁からなる外縁部と、凹部の内周壁からなる内縁部と、前記リブの立ち上がり端部から転動輪の正回転方向側に向けて立ち上がり形成される桶壁と、によって囲まれる第1の桶部と、リブの壁面と、アクスルシャフトの側壁と、凹部の外周壁からなる外縁部と、凹部の内周壁からなる内縁部と、前記リブの立ち上がり端部から転動輪の逆回転方向側に向けて立ち上がり形成される桶壁と、によって囲まれる第2の桶部と、を備え、各桶部の内縁部に前記給油孔が形成され、各桶部は、アクスルシャフトの径方向内側に向かうにしたがい、アクスルシャフトの側壁と桶壁との間隔が漸次狭くなるように形成されている構成とすることにより、潤滑油を集中させながら効率良く給油孔に流し込むことが可能となるので、アクスルシャフトが高回転になったとき、すなわち樋部の上部に位置する時間が短い場合であっても、樋部内の潤滑油を全て給油孔に流し込むことができ、常時効率の良い給油が行える
【図面の簡単な説明】
【図1】振動ローラの一部断面図である。
【図2】給油構造を示す要部分解斜視図である。
【図3】給油構造を示す要部斜視図である。
【図4】図3におけるA−A断面図である。
【図5】給油状態を示す作用説明図である。
【図6】従来例を示す説明図である。
【図7】従来例を示す説明図である。
【図8】従来例を示す説明図である。
【図9】従来例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 振動ローラ
2 起振機ケース
3 転動輪
4 鏡板
5、5′ アクスルシャフト
6 偏心錘
7 起振軸
8 軸受
9 内側壁面
10 受座
11 リブ
12 凹部
13 樋部
14 側壁
15 外縁部
16 内縁部
17 樋壁
18 給油孔
18a 給油孔口
19 外側壁面
20、20′ 滴油空間
21 周面部
22 平面部
23 油溜め空間
24 板部材
25 ボルト
26 油掻き寄せ手段
27 走行用油圧モータ

Claims (3)

  1. 正逆回転することにより締固め車両を前後進させる転動輪と、
    この転動輪の内部に転動輪と同心状に配設されて転動輪と一体に回転し、起振軸と潤滑油を収容した円筒状の起振機ケースと、
    この起振機ケースの側端を閉塞し、前記起振軸を軸承する軸受が嵌装され、起振機ケースの内部に臨む内側壁面に凹部が形成されるとともに、この凹部と前記軸受側とを連通する給油孔が穿設され、転動輪と一体に回転する左右一対のアクスルシャフトと、
    を備え、前記潤滑油を、前記凹部から前記給油孔を介して前記軸受に給油する給油構造であって、
    前記起振機ケースの内周面に、転動輪が傾斜して潤滑油の液面レベルが上方に位置するアクスルシャフトよりも下方に位置したとき、転動輪の正回転に伴って潤滑油を掻き寄せて前記上方に位置するアクスルシャフトの凹部へと潤滑油を誘導する第1の油掻き寄せ手段と、転動輪の逆回転に伴って潤滑油を掻き寄せて前記上方に位置するアクスルシャフトの凹部へと潤滑油を誘導する第2の油掻き寄せ手段と、を各アクスルシャフトに対してそれぞれ設ける構成としたことを特徴とする振動ローラにおける起振軸の給油構造。
  2. 前記第1の油掻き寄せ手段は、前記アクスルシャフトの凹部に位置する一端側から転動輪の幅方向中央に向かうにしたがい、転動輪の正回転方向に変位するように転動輪の内周面に突設される第1の板部材からなり、
    前記第2の油掻き寄せ手段は、前記第1の板部材と干渉しない位置に設けられ、前記アクスルシャフトの凹部に位置する一端側から転動輪の幅方向中央に向かうにしたがい、転動輪の逆回転方向に変位するように転動輪の内周面に突設される第2の板部材からなることを特徴とする請求項1に記載の振動ローラにおける起振軸の給油構造。
  3. 前記各アクスルシャフトの凹部には、アクスルシャフトの側壁から垂直に立ち上がり、アクスルシャフトの径方向に沿って形成されるリブが設けられ、
    リブの壁面と、アクスルシャフトの側壁と、凹部の外周壁からなる外縁部と、凹部の内周壁からなる内縁部と、前記リブの立ち上がり端部から転動輪の正回転方向側に向けて立ち上がり形成される桶壁と、によって囲まれる第1の桶部と、
    リブの壁面と、アクスルシャフトの側壁と、凹部の外周壁からなる外縁部と、凹部の内周壁からなる内縁部と、前記リブの立ち上がり端部から転動輪の逆回転方向側に向けて立ち上がり形成される桶壁と、によって囲まれる第2の桶部と、
    を備え、
    各桶部の内縁部に前記給油孔が形成され、
    各桶部は、アクスルシャフトの径方向内側に向かうにしたがい、アクスルシャフトの側壁と桶壁との間隔が漸次狭くなるように形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の振動ローラにおける起振軸の給油構造。
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