JP4867521B2 - 電動式駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電動式駆動装置に関するものである。
オイルを貯留可能なケース内に電動モータを収納してなる電動式駆動装置が知られている(特許文献1参照)。特許文献1に開示された電動式駆動装置は、ケース内下方に貯留されたオイルを回転部材によって掻き上げて、ケース内側で回転軸線方向における一方の側壁面に設けられたガイドリブと、ガイドリブから滴下するオイルを受ける滴下リブとによりオイルリザーバ部にオイルを集め、集めたオイルを潤滑必要箇所に供給している。
特開2001−173762号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている構造では、電動モータの回転部材であるロータによって掻き揚げられたオイルのうち、ガイドリブに付着したオイルしか捕集することができず、オイルの捕集効率が十分に高いものではない。このため、潤滑必要箇所に十分なオイルを供給するためには、回転部材によって掻き揚げるオイル量を多めに設定する必要が生じ、回転部材の回転エネルギーを必要以上に浪費し、電動式駆動装置としての効率を悪化させるという問題が生じている。
本発明は、ロータによって掻き揚げられたオイルの捕集効率を向上し、もって電動式駆動装置全体の効率を向上させる電動式駆動装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、オイルを貯留可能なケースと、
前記ケースに収容され、ステータコアと前記ステータコアに巻回されたステータコイルとを備えるステータと、
前記ステータに内包され、前記オイルに一部が浸漬するように前記ケースに回転自在に支持されるロータと、
前記ステータの内周面側で、前記ロータの回転軸線方向に前記ステータコアから突出する前記ステータコイルのコイルエンド部に対しオーバーラップし、前記コイルエンド部から滴下するオイルを捕集するオイル捕集部と、
前記オイル捕集部で捕集されるオイルを潤滑必要箇所へ供給するオイル供給部と、
を備えてなる電動式駆動装置である。
本発明によれば、電動モータの回転部材であるロータによって掻き揚げられたオイルのうち、壁に付着するオイルとコイルエンド部に付着するオイルとの両方を捕集可能とすることで、捕集効率を向上することが可能となり、従来の構成に比べ少量の掻き揚げ量でも、潤滑必要箇所に十分なオイルを供給することができる。また、1回当りの掻き揚げ量が少量ですむので、ケース内に貯留するオイルの液面高さを下げることができ、回転部材によるオイル攪拌抵抗や、掻き揚げ量増加に伴う回転エネルギーの浪費を低減および抑制し駆動装置全体の効率を向上するという顕著な効果を奏する。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、本実施形態における電動式駆動装置1は図1に示すように、電動モータ、変速機を備え、それらを1つのケース内に収容してなるものである。また、「オイル」は、潤滑効果及び冷却効果を有するものである。
(第1の実施形態)
図1に第1の実施形態における電動式駆動装置1の断面図を、図2に図1に示す電動式駆動装置1の第1ケース(ケースおよび第1のケースに相当する)内側を軸方向から見た図を、図3に図1に示す電動式駆動装置1の第2ケース(ケースおよび第2のケースに相当する)内側を軸方向から見た図を、図4にステータを軸方向から見た図を、図5に図1に示す電動式駆動装置1を上方から見た断面図を示す。
まず、本実施形態における電動式駆動装置1の概略を説明する。
図1に示す電動式駆動装置1は、電動モータ2と、変速機3(潤滑必要箇所に相当する)と、それらを収容する第1ケース4と第2ケース5とを有する。
電動モータ2は、ステータ20と、ロータ21とを有する。
ステータ20は、第1ケース4および第2ケース5に固定されるステータコア201、ステータコア201の一部に巻回されたステータコイル202、ロータ21の回転軸線方向にステータコア201から突出するステータコイル202の端部である第1コイルエンド203(コイルエンド部に相当する)、第2コイルエンド204(コイルエンド部に相当する)を有し、第1ケース4の内壁に圧入固定されている。
ロータ21は、ステータ20に内包され、ロータコア211、永久磁石212、ロータコア211が軸方向へ移動するのを防止する顎部213、プレート214、更にロータコア211を支持するロータ軸215を有する。ロータ軸215は入力側でベアリング81を介して第2のケース5に回転自在に支持される。またロータ軸215は出力側に延伸しており、変速機3への入力部材であるサンギヤ32が一体的に成型されている。
ロータ軸215は、オイル供給口216およびオイル排出口217を備えるオイル室218を有する。
オイル室218にオイルを供給するために、オイル室218に対応した位置の第2ケース5に、オイルを貯留できるオイルタンク9を設けている。オイル室218へのオイル供給はオイル供給口216に設けたオイルキャッチャー10にて行う。なお、ロータ軸215内に供給されたオイルがオイルタンク9へ逆流するのを防止する目的で逆流防止用突起219を軸端に設定している。
回転子からなる回転検出器22が第2ケース5の回転検出器ボス部51に取り付けられ、ロータ軸215の回転数(回転位置)を検出している。
変速機3は、ピニオン31、キャリア33、ピニオンシャフト34、ニードルベアリング35(図8参照)およびリンググヤ36を有する。
ピニオン31は大ピニオン311と小ピニオン312とが一体的に成型されてなり、大ピニオン311がサンギヤ32と噛み合っている。ピニオン31は、出力軸であるキャリア33に連結されたピニオンシャフト34にニードルベアリング35を介して回転自在に支持される。小ピニオン312外周部にはリンググヤ36が第1のケース4に回転不能に固定され、小ピニオン312が噛み合っている。キャリア33は右方に一体成型された出力軸部331を持ち、軸部外周に与圧を与えられた複列ベアリング6が取り付けられている。複列ベアリング6は第1のケース4に固定されたベアリングホルダー7を介して回転自在に保持される。ロータ軸215はサンギヤ32近傍でキャリア33のキャリアフランジ332内周部に取り付けられたベアリング82により回転自在に支持されている。
ロータ軸215からの動力は、サンギヤ32から、噛み合う大ピニオン311へ、更に一体で回転する小ピニオン312に伝わり、固定されたリンググヤ36に小ピニオン312が噛み合っているので、回転自在であるキャリア33が減速回転し、出力軸331から図示していないホイール(タイヤ)に伝達される。
上述するように、電動モータ2と変速機3は第1ケース4および第2ケース5に収容されている。第1ケース4と第2ケース5とは、電動モータ2の回転軸線方向で接合され一体ケースとなっている。第1ケース4と第2ケース5とはシールされるように接合する。これにより第1ケース4と第2ケース5とから形成される一体ケースは、オイルを貯留することが可能である。本実施形態においては、この一体ケースの下部に予め所定量のオイルを貯留しておく。貯留するオイルの量(オイルレベル)は任意に設定可能であるが、ここでは車両停止時に必要なオイルの量を所定量とする。停止時に必要なオイルレベルHHIは、ロータ21が回転を開始する際に、十分潤滑がされるようにあらかじめ設定する。車両が走行していて、ロータ21が回転している場合は、ケース下部に貯留されるオイルがロータ21によって掻き揚げられるので、潤滑を必要とする箇所へのオイル潤滑が可能であるが、車両が停止していて、ロータ21が回転していない場合は、オイル潤滑をすることできない。よって、車両が停車している場合、予め潤滑を必要とする箇所がオイルに浸漬するよう、オイルを貯留しておく必要がある。本実施形態においては、この車両停車時のオイルレベルをロータ21が浸漬する程度として設定するが、これは一例であり、このオイルレベルに限られない。同様に、回転時オイルレベルHLOWは、ロータ21が回転する際に、オイルを掻き揚げ可能な範囲であらかじめ設定する。
電動式駆動装置1はさらに、ステータ20の内周面側で第1と第2のコイルエンド203、204に対しオーバーラップし、第1と第2のコイルエンド203、204から滴下するオイルを捕集するオイル捕集部411、412、511、512と、オイル捕集部411、412、511、512で捕集されるオイルを変速機3へ供給するオイル供給部とを備えている。オイル供給部は、上述したオイル室218やオイルタンク9のほか、後述する連通油路421、422、521、522、523、524などによって構成されている。
オイル捕集部411、412、511、512は、ロータ軸215に対し上方に設けることが好ましい。ロータ軸215に設けたオイル室218をオイル供給部の一部として用いる場合に、オイルポンプなどの別個の装置を使用しなくとも、捕集したオイルを変速機3に供給することができるからである。
オイル捕集部411、412、511、512は、ロータ軸215に対し左右に、つまりロータ軸215を中心とした両側に設けることが好ましい。第1と第2のコイルエンド203、204から滴下するオイルを捕集する範囲をできるだけ広くできるからである。
詳述すると、図2に示す第1ケース4は、ロータ軸215に対し上方且つ水平方向に、オイル捕集部411(第1のオイル捕集部に相当する)、オイル捕集部412(第1のオイル捕集部に相当する)、連通油路421、連通油路422を第1ケース4と一体に形成している。
オイル捕集部411、412は、第1コイルエンド203の内周側で、第1ケース4の内壁および第1ケース4の内壁であってリングギヤ36の外周に位置するリングギヤボス部41から張り出し設けられている。第1ケース4と一体化している面は第1ケース4を壁とし、張り出したオイル捕集部411、412の端部には、オイル捕集部411、412の底部より所定高さの壁を有する。なお、壁の高さに関しては、他の構成に応じ任意に設定でき、少なくとも、オイルを溜めることができればよい。
連通油路421、422は、オイル捕集部411、412と同様に、第1ケース4の内壁から張り出し設けられている。さらに、第1ケース4の内壁側でオイル捕集部411、412と連通する。連通油路421がオイル捕集部411と連通し、連通油路422がオイル捕集部411と連通する。連通油路421、422はオイル捕集部411、412の外周側から外周方向に底面高さを同じにし水平に設けられる。つまり、オイル捕集部411、412と連通油路421、422との連通部には壁を有さず、底部が繋がって形成される。さらにまた、第1ケース4から張り出す連通油路421、422の端部(淵)には所定高さの壁を設けるものとする。この壁は、オイル捕集部411、412の端部に設けられる壁とつながっている。ただし、この構造は、油路として流れるオイルがケース内にこぼれないように形成するための構造の一例であり、予めオイル捕集部および連通油路を第1ケース4内壁方向に低くなるよう傾斜を設けて形成し、壁を有さなくてもよい。なお、オイル捕集部411、412および連通油路421、422の張り出す量は、図5にて説明する。
第1ケース4外面の、オイル捕集部411、オイル捕集部412、連通油路421、連通油路422の位置に対応する位置には、冷却フィン431、432を第1ケース4と一体に形成している。
図3に示す第2ケース5は、ロータ軸215に対し上方且つ水平方向に、オイル捕集部511(第2のオイル捕集部に相当する)、オイル捕集部512(第2のオイル捕集部に相当する)、連通油路521、連通油路522を第2ケース5と一体に形成している。
オイル捕集部511、512は、第2コイルエンド204の内周側で、第2ケース5の内壁および第2ケース5の内壁であって回転検出器22の外周に位置する回転検出器ボス部51から張り出し設けられている。なお、オイル捕集部511、512の形状および連通油路521、522の構造は、第1ケース4側のオイル捕集部411、412、連通油路421、422と同様である。
第2ケース5外面の、オイル捕集部511、オイル捕集部512、連通油路521、連通油路522の位置に対応する位置には、冷却フィン531、532を第2ケース5と一体に形成している。オイル捕集部511からはオイルタンク9に向けて連通油路523を、オイル捕集部512からはオイルタンク9に向けて連通油路524を設けている。
基本的には、第1ケース4におけるオイル捕集部411、オイル捕集部412、連通油路421、連通油路422と、第2ケース5におけるオイル捕集部511、オイル捕集部512、連通油路521、連通油路522とは、第1ケース4と第2ケース5とを接合したときに水平となるように設ける。
図4に示すステータ20は、連通油路421、521と連通する連通油路221、連通油路422、522と連通する位置に連通油路222を各々設けている。連通油路221、222は、ステータ20の外周に設けられる溝からなり、水平に設けられる連通油路421、521および連通油路422、522と水平な高さに設けられる。これら連通油路221、222もオイル供給部を構成し、オイル捕集部411とオイル捕集部511とは連通油路421、221、521を介して連通し、オイル捕集部412とオイル捕集部512とは連通油路422、222、522を介して連通している。
上述する、オイル捕集部411、412、511、512および連通油路421、422、521、522、221、222を上方から見た図を用いて、さらに説明する。
図5に示すように、第1のケース4から張り出されたオイル捕集部411、412は第1コイルエンド203内周部で、且つロータ21の回転軸線方向に第1コイルエンド203とオーバーラップするように設けられる。このときのオーバーラップ量をL、Lとする。同じくオイル捕集部511、512は第2コイルエンド204内周部で、且つロータ21の回転軸線方向に第2コイルエンド204とオーバーラップするように設けられる。オーバーラップ量をL、Lとする。なお、オーバーラップ量L、L、L、Lは構成上可能な限り大きいほうが望ましい。
連通油路421、422は、第1ケース4の内壁に沿って、コイルエンド203、204の内周側から外周側へ延設されステータ20外周の溝へとつながる。
次に、電動モータ2が運転状態で、ロータ21が回転するときのオイルの捕集の様子、および潤滑の様子を説明する。
ロータ21によって掻き揚げられ、第1コイルエンド203および第2コイルエンド204に付着し滴下するオイルは、それぞれのコイルエンド203、204とオーバーラップするオイル捕集部411、412、511、512によって捕集される。オイル捕集部411で捕集されたオイルは連通油路421、221、521を介してオイル捕集部511に集められ、オイル捕集部511から連通油路523を通じてオイルタンク9に貯留される。オイル捕集部412で捕集されたオイルは連通油路422、222、522を介してオイル捕集部512に集められ、オイル捕集部512から連通油路524を通じてオイルタンク9に貯留される。オイル捕集部511で捕集されたオイルは直接連通油路523を通じてオイルタンク9に貯留される。オイル捕集部512で捕集されたオイルは直接連通油路524を通じてオイルタンク9に貯留される。因みにロータ21で掻き揚げられたオイルは各オイル捕集部411、412、511、512のみでなく、第1ケース4および第2ケース5から張り出すように形成される連通油路421、422、521、522においても捕集される。このため、コイルエンド203、204に付着するオイル以外にも、壁などに付着するオイルも捕集可能である。
オイルタンク9に貯留されたオイルは、オイルキャッチャー10の開口部すなわちオイル室218のオイル供給口216からロータ軸215内のオイル室218に供給され、排出口217を通りロータ軸215外に排出される。排出口217はオリフィス構造となっており、この排出口217から排出されたオイルは変速機3内の油路37を経由しニードルベアリング35(潤滑必要箇所に相当する)を潤滑した後、ピニオンシャフト34両端から外部に排出される。また排出口217から排出されたオイルは各歯車表面(潤滑必要箇所に相当する)に吹き付けられ歯面の潤滑をも同時に行う。オイルタンク9からベアリング81に向けて一部のオイルを供給しても良い。
本実施形態では、オイル捕集部411、412、511、512を各コイルエンド203、204とオーバーラップするように設けることで、ロータ21により掻き揚げられケース壁面に付着したオイルを捕集すると同時に、コイルエンド203、204に付着し滴下するオイルも併せて捕集することが可能となる。
また、ロータ21により掻き揚げられたオイルは、ロータ21左右のオイル捕集部411、412、511、512及び連通油路421、422、521、522にて、大面積で捕集することが可能となりロータ21が浸漬する液面を低下させても変速機3へ供給するオイルを十分確保することが可能となる。ちなみに、各オイル捕集部411、412、511、512、連通油路421、422、521、522に対応するケース外面には冷却フィン431、432、531、532が各々設けられているので、各オイル捕集部411、412、511、512で捕集されたオイルが連通油路421、422、521、522を流れている間にユニット外部への放熱が行われ、比較的低温となったオイルを変速機3に供給することが可能となる。
以上説明したように、ロータ20によって掻き揚げられたオイルを効率よく捕集することが可能となり、従来の構成に比べ少量の掻き揚げ量でも、潤滑必要箇所に十分なオイルを供給することができる。また、1回当りの掻き揚げ量が少量ですむので、ロータ20が浸漬するオイル捕集部の液面高さを下げることができ、ロータ20によるオイル攪拌抵抗や、掻き揚げ量増加に伴う回転エネルギーの浪費を低減および抑制し駆動装置全体の効率を向上する。
また、本実施形態では、オイル捕集部411、412で捕集されたオイルは、オイル捕集部511、512を経てオイルタンク9へ貯留される構成となっている。つまりオイル捕集部511、512はオイル捕集部411、412に対し下流側となっている。このような構成において、図5に示すようなオイル捕集部411、412、511、512、および連通油路421、422、521、522を備える場合、第2ケース5に設けたオイル捕集部511、512、連通油路521、522側を、第1ケース4に設けたオイル捕集部411、412、連通油路421、422に対し天地方向で低く設定してもよい。こうすることで、本電動式駆動装置1を車両に適用した場合等振動を伴う環境で使用しても、オイルはオイルタンク9に確実に供給され、オイルが逆流してオイルタンク9へのオイル供給量が不足する事態を防止できる。なお、この場合、ステータ20に設けられる連通油路221、222は連通湯路421、422と521、522とを段差を有さずに連通するように形成する。
また、本実施形態においては、オイル捕集部411とオイル捕集部511とを連通させ、オイル捕集部412とオイル捕集部512とを連通させているが、オイル捕集部411、412からオイルタンク9にオイルが供給されるような構成を有するのであれば、必ずしも連通させる必要はなく、それぞれのオイル捕集部において捕集したオイルを別個独立に潤滑必要箇所へ供給するようにしても良い。
(第2の実施形態)
図6に、第2の実施形態における電動式駆動装置1の第1ケース4内側を軸方向から見た図を、図7に図6に示す電動式駆動装置1を上方から見た図を示す。なお、第2ケース5内側の形状は省略する。
まず、第1の実施形態と異なる構成部分を説明する。
第2の実施形態は、図6および図7に示すように、第1の実施形態の構成に加え、第1ケース4及び第2ケース5の内壁からステータ20の内周面に沿って第1オイルガイド11(オイルガイドに相当する)、第2オイルガイド12(オイルガイドに相当する)を張り出すように設ける。また、オイルガイド11、12は、モータ軸直交方向で且つオイル捕集部411、412、511、512に対し平行に一部がオーバーラップするように設ける。オイルガイド11はオイル捕集部411の軸方向端部およびオイル捕集部412の軸方向端部とオーバーラップし、オイルガイド12はオイル捕集部511の軸方向端部およびオイル捕集部512の軸方向端部とオーバーラップするように第1ケース4、第2ケース5と一体に形成される。なお、オーバーラップの量L21、L22、L23、L24は、各オイル捕集部411、412、511、512とオーバーラップする範囲で設定する。また、ケース内壁から張り出す幅は、構成に応じ設定可能だが、オイル捕集部の幅と同等以上であると効率がよい。さらにまた、ケース内壁から張り出すオイルガイド11、12の端部に所定高さの壁を設けてもよい。また予めオイルガイド11、12を各ケースの内壁方向に低くなるよう傾斜を設けて形成してもよい。
次に、第1オイルガイド11、第2オイルガイド12による作用を説明する。
ステータ20の内周面に沿って、且つ各オイル捕集部411、412、511、512とオーバーラップするように第1ケース4および/または第2ケース5にオイルガイド11、12を設けることにより、オイルガイド11、12下面にて、ロータ21によって掻き揚げられたオイルを付着させる。オイルガイド11、12下面に付着したオイルはオイルガイド11、12下面を伝い、オイル捕集部411、412、511、512へ滴下する。一方オイルガイド11、12上面では、図7中でオイル捕集部411と412との間にできる中空部分および、オイル捕集部511と512との間にできる中空部分で、コイルエンド203、204から滴下するオイルを捕集しきれない範囲のオイルを捕集する。上記中空部分でコイルエンド203、204から滴下しオイルガイド11、12上面に付着したオイルは、オイルガイド11、12上面を伝いオイル捕集部411、412、511、512へ滴下する。オイルガイド11、12を設けることにより、コイルエンド203、204から滴下するオイルをより広範囲で捕集可能とし、よって捕集効率を格段に向上させることができる。
また、図6に示すオイル捕集部411、412と、連通油路421、422、221、222とが示すように、それらをケース外周に向かって下り傾斜させると、オイルガイド11、12から滴下するオイルを速やかにオイルタンク9に供給することが可能である。
さらにまた、ロータ21の回転方向に合わせ、オイルガイド11、12をロータ21の回転方向と同方向に周方向でオフセットしてもよい(図6のオイルガイド11の破線部参照)。このようにオフセットすることにより、ロータ21によって掻き揚げられるオイルの飛散方向に適した配置を取ることができ、捕集効率が向上する。この場合、飛散量の多い範囲は、オイルガイド11、12下面にて捕集し、オフセットすることによってオイル捕集部411と412との間にできる中空部分および、オイル捕集部511と512との間にできる中空部分であって、オイルガイド11、12によって覆いきれない範囲はオイルガイド11、12上面にて捕集する。
例えば、図6にて、ロータ21の回転方向が時計回り方向である場合、オイルガイド11を図6中右方向へ第1コイルエンド203内周面に沿って周方向にオフセットする。図6においてロータ21の回転中心を原点とする座標平面を考えた場合、ロータ21が時計回りに回転するとき、掻き揚げられるオイルは、第1象限に集中することが考えられる。ここで、オイルガイド11を右側へオフセットすることで、オイルを効率よく捕集することができる。また、右側へオフセットした場合に、第2象限に中空部分が形成されることがあっても、中空部より上部へ掻き揚げられたオイルの大部分は、第1象限に主に設けられるオイルガイド11上部へ滴下するので捕集可能である。
(第3の実施形態)
図8に、第3の実施形態における電動式駆動装置1の要部断面図を示す。
図8は、オイル室218の拡大図である。第3の実施形態は、第1の実施形態におけるオイル室218に隔壁13を設けるものである。第3の実施形態におけるオイル供給部は、概説すれば、ロータ軸215に設けられオイルを貯留可能なオイル室218と、オイル室218内にロータ21の回転軸線方向に対して直交する方向に配置される複数の隔壁13と、複数の隔壁13のそれぞれに形成され、ロータ21が回転を停止しているときにオイル室218にオイルを貯留するようにロータ21の回転方向に位相差を有する開口部131とを有している。
図示例にあっては、4枚の隔壁13が配置されている。ロータ21が停止するときにオイル室218にオイルが溜まるように、電動モータ2の回転方向に位相差を有するように開口部131が設けられている。例えば、オイル供給口216からみて、1枚目は隔壁13の右側に、2枚目は下側に、3枚目は左側に、4枚目は上側にというように開口部131を設ける。
このような隔壁13を設けることにより、ロータ21が回転するときは、それぞれの隔壁13に設けられた開口部131をオイルが通過し、各部へ排出口217からオイルが供給される。また、ロータ21が回転していないときは、隔壁13により、オイル室218内にオイルが一定量貯蓄されるので、ロータ21が回転を再開するときにすぐに各部へのオイル供給が可能となる。
なお、開口部131間の位相差は、ロータ21が停止するときにオイルを貯留するように、停止時に複数の隔壁のうち、開口部131でない部分が少なくとも1枚以上下側にくるように設定する角度であれば足り、特定の角度に限定されるものではない。
第1の実施形態における電動式駆動装置の断面図である。 第1の実施形態における第1ケース内側を軸方向から見た図である。 第1の実施形態における第2ケース内側を軸方向から見た図である。 第1の実施形態におけるステータを軸方向から見た図である。 第1の実施形態における電動式駆動装置を上方から見た図である。 第2の実施形態における第1ケース内側を軸方向から見た図である。 第2の実施形態における電動式駆動装置を上方から見た図である。 第3の実施形態における電動式駆動装置の要部断面図である。
符号の説明
1 電動式駆動装置、
2 モータ、
3 変速機(潤滑必要箇所)、
4 第1ケース(ケース、第1のケース)、
5 第2ケース(ケース、第2のケース)、
11 第1オイルガイド、
12 第2オイルガイド、
13 隔壁
131 開口部、
20 ステータ、
201 ステータコア、
202 ステータコイル、
203 第1コイルエンド(コイルエンド部)、
204 第2コイルエンド(コイルエンド部)、
21 ロータ、
211 ロータコア
212 永久磁石、
215 ロータ軸、
218 オイル室(オイル供給部)、
411、412 オイル捕集部(第1のオイル捕集部)、
511、512 オイル捕集部(第2のオイル捕集部)、
421、422、221、222、521、522、523、524 連通油路(オイル供給部)。

Claims (8)

  1. オイルを貯留可能なケースと、
    前記ケースに収容され、ステータコアと前記ステータコアに巻回されたステータコイルとを備えるステータと、
    前記ステータに内包され、前記オイルに一部が浸漬するように前記ケースに回転自在に支持されるロータと、
    前記ステータの内周面側で、前記ロータの回転軸線方向に前記ステータコアから突出する前記ステータコイルのコイルエンド部に対しオーバーラップし、前記コイルエンド部から滴下するオイルを捕集するオイル捕集部と、
    前記オイル捕集部で捕集されるオイルを潤滑必要箇所へ供給するオイル供給部と、
    を備えてなる電動式駆動装置。
  2. 前記オイル捕集部は、前記ロータの軸に対し上方に設けられることを特徴とする請求項1に記載の電動式駆動装置。
  3. 前記オイル捕集部は、前記ロータの軸に対し左右に設けられることを特徴とする請求項1に記載の電動式駆動装置。
  4. 前記ケースは前記ロータの回転軸線方向に沿って接合される第1のケースと第2のケースとからなり、
    前記オイル捕集部は、
    前記第1のケースの内側に設けられる第1のオイル捕集部と、
    前記第2のケースの内側に設けられる第2のオイル捕集部とを有し、
    前記オイル供給部は、
    前記第1のオイル捕集部と前記第2のオイル捕集部とを連通する連通油路を有することを特徴とする請求項1に記載の電動式駆動装置。
  5. 前記第2のオイル捕集部は、前記第1のオイル捕集部よりも下方で、且つ前記潤滑必要箇所と連通するように設けられることを特徴とする請求項4に記載の電動式駆動装置。
  6. 前記オイル捕集部よりも上方、かつ、前記ステータの内周面に沿って設けられ、前記オイル捕集部に対し周方向でオーバーラップするオイルガイドをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の電動式駆動装置。
  7. 前記オイルガイドを、前記ロータの回転方向と同方向にオフセットして設けることを特徴とする請求項6に記載の電動式駆動装置。
  8. 前記オイル供給部は、
    前記ロータの軸に設けられオイルを貯留可能なオイル室と、
    前記オイル室内に前記ロータの回転軸線方向に対して直交する方向に配置される複数の隔壁と、
    前記複数の隔壁のそれぞれに形成され、前記ロータが回転を停止しているときに前記オイル室にオイルを貯留するように前記ロータの回転方向に位相差を有する開口部とを有することを特徴とする請求項1に記載の電動式駆動装置。
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