JP4645877B2 - 車両用駆動装置の潤滑装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用自動変速機や車両用駆動装置の潤滑装置に係り、特に、その掻揚げ方式の潤滑装置に関する。
従来の車両用自動変速機やハイブリッド車用駆動装置は、一般に、エンジン軸に常時連結したオイルポンプの作動により供給されるオイル(ATF:オートマチックトランスミッションフルイド)により潤滑される。したがって、エンジン軸が回転している状態ではオイルポンプも作動しているため、変速機や駆動装置(本明細書において、これらを総称して駆動装置という)に内蔵された摩擦係合要素の摩擦材を含めた機構各部(各ギヤの噛合部や軸受部)に常に十分なオイルが供給される。しかしながら、車両の被牽引時やエンジン停止状態での走行時の潤滑は、出力軸系のギヤによる掻揚げのみとなる。
ところで、ギヤの噛合部や軸受部はともかくとして、摩擦係合要素の摩擦材は、潤滑が不足すると接触温度の上昇による焼付きの発生や、引きずりトルクの増大による効率の悪化を招くことになるため、十分なオイルを供給することが必要である。この点、従来の駆動装置では、エンジンでオイルポンプが駆動されるため、エンジン軸が回転しない車両被牽引時や、特にハイブリッド車のように走行中でもエンジンが停止する駆動装置では、エンジン停止時はオイルが摩擦材に供給されない。この場合、出力軸系のギヤの回転による掻揚げが期待されるが、一般に摩擦材とオイルが掻き揚げられる部位とはケース壁で隔てられ、しかも掻揚げが期待される部位との間に距離があるため、掻揚げによる十分なオイルの供給は不可能である。こうした問題点を解決すべく、従来、車両用自動変速機の潤滑装置として、エンジン軸の回転により駆動されるオイルポンプのほかに、車両の被牽引時に駆動される(具体的には、デフケースの回転により駆動される)別のオイルポンプを設け、車両走行時と被牽引時のオイルレベルの変動を利用して両オイルポンプを使い分ける技術が特許文献1に開示されている。
特開2001−165286号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、エンジン駆動のオイルポンプのほかに新たなオイルポンプの設置を必要とし、機構の複雑化は否めない。また、一般に、潤滑のためには油量が確保されれば足り、特に油圧を必要とはしない。したがって、出力軸系のギヤの回転により十分な量のオイルの供給を可能にすることができれば、上記問題点のより望ましい解決策となり得る。
本発明は、上記のような事情に鑑み案出されたものであり、オイルポンプの作動・非作動に関わりなく、出力軸系ギヤの回転によるオイルの掻揚げで、摩擦係合要素の摩擦材を含めた必要潤滑部位に十分なオイルを供給可能な潤滑構造を提供することを主たる目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、ケースに収容された駆動装置の出力軸系ギヤのギヤ収容空間を周壁と端壁とで囲い、該出力軸系ギヤが浸るオイルレベルを保持するケース部分の前記端壁の上部に、前記ギヤ収容空間外のケース内空間に開く開口部を備え、前記出力軸系ギヤの回転により掻揚げられるオイルを前記開口部を経て前記ギヤ収容空間外のケース内空間に供給する車両用駆動装置の潤滑装置において、
前記開口部の上側面と前記周壁の上部内面とを、前記ギヤ収容空間から前記端壁を越えて前記ギヤ収容空間外に至る少なくともケース軸線方向に連続する面とし、該面の前記ギヤ収容空間外の下方に、前記周壁の内面から流下するオイルを捕集する樋を設けるとともに、前記端壁のケース軸線方向位置と同じ軸線方向位置における前記ギヤ収容空間外のケース内空間にプラネタリギヤセットが配置され、前記ギヤ収容空間内で前記端壁を伝って流れるオイルを前記端壁の開口部を通して前記プラネタリギヤセットに滴下供給可能としたことを特徴とする。上記の構成における樋は、前記ギヤ収容空間外のケース内空間を前記駆動装置の軸線方向に前記ケースの端部まで延び、オイルの供給部位に通じる油路に連通することが望ましい。そして、前記駆動装置は、摩擦係合要素を備えるものである場合、前記油路は、前記摩擦係合要素の摩擦材へのオイル供給油路とされる。より具体的には、前記摩擦係合要素は、前記ケースの端面を覆うカバー部内に配置され、前記樋は、前記カバー部の壁内に形成された前記油路に連通し、該油路は前記摩擦係合要素の摩擦材に対する供給部位に開口する構成とされる。
そして、上記いずれの構成を採る場合も、前記出力軸系ギヤは、ディファレンシャル装置のデフリングギヤとすることができる。
上記請求項1に記載の構成では、ギヤ収容空間の囲う端壁の開口部の上側面と周壁の上部内面とを、ギヤ収容空間から端壁を越えてギヤ収容空間外に至るケース軸線方向連続する面とし、該面のギヤ収容空間外の下方に、周壁の内面から流下するオイルを捕集する樋を設けたことにより、出力軸系ギヤの回転により掻揚げられ、周壁の上部に付着するオイルが開口部上面と周壁上部の連続性により、そこを伝い端壁を越えてギヤ収容空間外に流れ出すため、大量のオイルを円滑にギヤ収容空間外のケース内空間に供給することができる。そして、このオイルを樋で捕集し、必要潤滑部位に通じる油路に流すことで、所要各機構部位へのオイル供給を十分に行うことができる。しかもこのオイル供給は、車両走行時に必ず回転状態にある出力軸系ギヤによりなされるため、オイルポンプの作動・非作動に関わらず実現できる。
更に、出力軸系ギヤと軸方向に離れた要素のみならず、出力軸系ギヤとケース軸方向位置としては隣接するが、端壁で隔てられることで掻揚げによる十分なオイル供給ができなかったプラネタリギヤセットに、直接の滴下によるオイル供給が可能となる。特にこのオイル供給は、車両の被牽引時等に出力軸側からの逆駆動でプラネタリギヤセットの特定の要素が通常駆動時より高速回転する場合に有効である。
また、請求項2に記載の構成では、ギヤ収容空間外のケース内空間に配置された潤滑を必要とする要素に、油路を通じて適宜オイル供給が可能となる。
次に、請求項3に記載の構成では、出力軸系ギヤに対して端壁により隔てられた摩擦係合要素の摩擦材に、出力軸系ギヤの回転を利用して十分なオイル供給を行うことができる。したがって、この構成によれば、潤滑が不足すると接触温度の上昇による焼付きの発生や、引きずりトルクの増大による効率の悪化を招くことになる摩擦係合要素の摩擦材に、オイルポンプ非作動時にも十分なオイルを供給することができる。
更に、請求項4に記載の構成では、出力軸系ギヤに対して軸線方向に最も離れた位置に摩擦係合要素の摩擦材が配置された場合において、出力軸系ギヤの回転を利用した有効なオイル供給が可能となる。
次に、請求項5に記載の構成では、ディファレンシャル装置が駆動装置のケースに組込まれるトランスアクスル型の駆動装置において、上記の各効果を達成することができる。
本発明における出力軸系ギヤは、十分な掻揚げ効果を得る上で、大径のギヤとするのが望ましく、トランスアクスル型の駆動装置においては、デフリングギヤとすることが望ましい。この場合、ギヤ収容空間は、ディファレンシャル装置とカウンタギヤ機構を収容する空間とされる。また、潤滑部位は、駆動装置をハイブリッド車用駆動装置とする場合、摩擦係合要素の摩擦材とプラネタリギヤの噛合部とすることが望ましい。
本発明をモータとジェネレータをディファレンシャル装置と共に共通の駆動装置ケースに組込んだ3軸構成のトランスアクスル型のハイブリッド車用駆動装置を例として説明する。この駆動装置は、図1にエンジンに連結する側(以下、この側を駆動装置の前側として位置関係を説明する。)のフロントケースを取外した側面を示すように、ジェネレータのロータ軸と同軸配置の軸3を主軸として、この主軸3をエンジン軸に連結して、同軸関係に車両に搭載するものである。主軸3上には、図面には現れないプラネタリギヤセット、ワンウェイクラッチ、ジェネレータ及び摩擦係合要素が、図面から見て奥側に配置され、主軸3と平行な関係に主軸3より車両搭載状態における後下方(図1において左下方)に配置されたディファレンシャル装置のデフ軸50が配置され、その上前方に、ジェネレータとケース壁を挟んで外接するように配置されたモータ1のロータ軸10が配置された3軸構成とされ、これら3軸の間にカウンタ軸80が配置されている。
この駆動装置は、図2にスケルトンで示すようなギヤトレーン構成を採るものである。3要素からなる上記プラネタリギヤセット4は、そのキャリア42を主軸3に連結され、サンギヤ41をジェネレータ2のロータ軸20に連結され、リングギヤ43がカウンタギヤ機構8を介してモータ1のロータ軸10とディファレンシャル装置5のデフリングギヤ51に駆動連結された構成とされている。なお、図2において、符号81は主軸3上で回転自在なリングギヤ43連結のドライブギヤ、82はこれに噛合うカウンタ軸80上固定のドリブンギヤ、83はモータ1のロータ軸10上のドライブギヤ14に噛合うカウンタ軸80上固定のドリブンギヤ、84はデフリングギヤ51と噛合う同じくカウンタ軸上固定のデフドライブピニオンギヤを示す。そして、このギヤトレーンでは、ジュネレータ2の空転を適宜防止するための湿式多板構成の摩擦係合要素からなるブレーキ6がロータ軸20を駆動装置ケース9に係止するために、ロータ軸20の後端側に設けられ、エンジンの逆転を防止するためのワンウェイクラッチ7がキャリア42の逆転を駆動装置ケース9への係止でロックするように、プラネタリギヤセット4とジェネレータ2の間に設けられている。
こうしたギヤトレーン構成を採ることから、主としてブレーキ6の摩擦係合要素の油圧による係合・解放操作のために、キャリア42の回転により駆動されるオイルポンプを油圧発生源とする油圧回路(図示せず)が設けられており、この油圧回路のレギュレータバルブから排出されるオイルを利用して機構各部の潤滑と冷却が行われている。次に示す図3は、機構各部の冷却と潤滑のための油路構成を模式化して示すもので、オイルポンプに油圧回路のレギュレータバルブを介してつながる供給油路からのオイルによりモータ1とジェネレータ2の冷却が行われると共に、機構各部の潤滑及び冷却が行われる。供給油路(その供給源がオイルポンプであることを白抜き矢印の中にOPと表記して示す)は、駆動装置ケース9の上部に設けられたモータ用油溜め91とジェネレータ用油溜め92に接続されると共に、ジェネレータ2のロータ軸20内油路に接続されている。両油溜め91,92からはモータ1とジェネレータ2のコイルエンド12,22に向かって油孔91a,92aから油の滴下が可能とされ、供給油路にオリフィスを介してつながるジェネレータ2のロータ軸20内油路からは、ロータ23の回転による遠心力でジェネレータ2のコイルエンド22に油の吹き付けが可能とされている。更にこのロータ軸20内油路からは、サンギヤ41の軸内油路を経てプラネタリギヤセットの噛合い部にオイルが供給される。また、モータ1のロータ軸10内油路には、油溜め91からオリフィスを経てオイル供給がなされる構成とされており、ロータ軸10内油路のオイルが軸の回転による遠心力でモータ1のコイルエンド12にも供給可能とされている。なお、図3において、ロータ23経由によるブレーキ6へのオイル供給は、摩擦材の冷却及び潤滑のためのものであり、太矢印で示すオイル供給は、ブレーキ6の油圧サーボに別途前記油圧回路からのオイル供給がなされることを示す。また、特に表記のない供給先は、各機構のベアリングに至るものである。
また、前記油圧回路からのオイル供給とは別に、本発明の主題に係るディファレンシャル装置5のデフリングギヤ51(図1参照)の回転により掻き揚げられるオイル(図3に白抜き矢印の中にDIFFと表記する)が駆動装置ケース内で循環する循環路も設けられている。この掻揚げによるオイルは、ロータ軸23の軸端に供給され、主としてジェネレータ2の回転停止時におけるブレーキ摩擦材の冷却に充てられる。各部冷却と潤滑後のオイルは、駆動装置ケース9の下方に回収される。駆動装置ケース9内のオイルレベルは、この駆動装置において、上記のようにディファレンシャル装置5のリングギヤ51の回転による掻揚げを補助的にオイル循環に用いていることから、デフ軸50の位置と概ね一致するように設定されている。
上記のような構成からなる駆動装置を収容するケース9は、この例では、図6に軸方向部分断面を示すように、モータ1、ジェネレータ2、プラネタリギヤセット4及びワンウェイクラッチ7(図2参照)を収容し、ディファレンシャル装置5とカウンタギヤ機構8の後ろ側を囲い、かつそれらの軸後端を支持するメインケース9Aと、ディファレンシャル装置5とカウンタギヤ機構8の前側を囲い、かつそれらの軸前端を支持する図示しないフロントケースと、摩擦係合要素としてのブレーキ6を収容し、かつモータ1とジェネレータ2のロータ軸後端を支持するリヤカバー9Bで構成されている。したがって、この例では、ケース9に収容された駆動装置の出力軸系ギヤとしてのデフリングギヤ51の収容空間を囲い、該ギヤが浸るオイルレベルを保持するケース部分は、メインケース9Aの周壁93及び端壁94とフロントケースの同様の周壁及び端壁により構成され、図1に示すように概ね断面3角形の空間とされ、そのメインケース9A側の上部における裏側に、端壁94の開口部94aを始端とし、デフリングギヤ51の回転により掻揚げられるオイルを捕集する樋90a,90b(図6参照)を備える。この開口部94aは、図1に右下がりの傾斜平面として示す取付部に付設される駆動装置制御ユニットのインバータと駆動装置ケース9内のモータを接続する3相パワーラインのターミナルとモータの3相巻き線の結線作業用の空間として設けられたものであり、開口部94aの周壁93と接する部分を除く周囲は、ギヤ収容空間内に張出す鍔状の囲壁により補強されている。なお、図1において、上記開口部94aと傾斜平面方向に並ぶ開口部も、同様の目的で設けられ、同様の囲壁構造を備えるジェネレータ結線作業用の空間である。
本発明の適用に係る潤滑装置としての構成は、図1と図6を併せ参照して、ケース9に収容された駆動装置の出力軸系ギヤを前記のようにデフリングギヤ51とし、そのギヤ収容空間Sを周壁93と端壁94とで囲い、デフリングギヤ51が浸るオイルレベルを保持するケース部分の端壁94の上部に、ギヤ収容空間S外のケース内空間に開く開口部94aを備え、デフリングギヤ51の回転により掻揚げられるオイルを開口部94aを経てギヤ収容空間S外のケース内空間に供給する部分に適用されている。そして、本発明に従い、図6に示すように、開口部94aの上側面と周壁93の上部内面とを、ギヤ収容空間Sから端壁94を越えて収容空間外に至るケース軸線方向に連続する面とし、該面のギヤ収容空間外の下方に、周壁93の内面から流下するオイルを捕集する樋90を設けている。ここにいう連続とは、ケース軸線方向の連続を意味し、ケース周方向に突条や段差があることを妨げるものではない。
樋90は、ギヤ収容空間外のケース内空間を駆動装置の軸線方向にケース9A,9Bの端部まで延び、オイルの供給部位に通じる油路95に連通している。この例の駆動装置は、ブレーキ6を備えるものであることから、油路95は、ブレーキ6の摩擦材へのオイル供給油路とされている。ブレーキ6は、メインケース9Aの後端面を覆うリヤカバー9B内に配置され、樋90bは、リヤカバー9Bの壁内に形成された油路95に連通し、油路95はブレーキ6の摩擦材に対する供給部位に開口している。
更にこの例では、図7に示すように、端壁94のケース軸線方向位置と同じ軸線方向位置におけるギヤ収容空間外のケース内空間にプラネタリギヤセット4が配置され、ギヤ収容空間S内で前記ジェネレータ用開口部を縁取る囲壁に周壁93方向への流動を遮られて、端壁94を伝って流れるオイルを、端壁94の開口部94bを通してプラネタリギヤセット4に滴下供給可能とされている。このオイル供給の経路が図7に矢印で示されている。
以上の構成からなる潤滑装置において、収容空間の下部に所定の油面を保つオイルは、図1に示すようにデフリングギヤ51の図示時計回り方向の回転により、図に矢印で示すように掻揚げられ、ケース9の周壁93の内面に付着する。この周壁に付着したオイルは、開口部94a上面と周壁93上部の連続性により、そこを伝い、図6に矢印で示すように、端壁94を越えてギヤ収容空間外に流れ出すため、大量のオイルを円滑にギヤ収容空間外のケース内空間に供給することができる。そして、このオイルは、図4に矢印で示すように、メインケース側の樋90aで捕集され、ジェネレータの外周を囲う壁に沿ってリヤカバー側の樋90bに流動し、最終的に図5に矢印で示すようにリヤカバー9Bの壁内油路に流れ込む。こうして壁内油路に入ったオイルは、最後にジェネレータのロータ軸の軸周付近に開口する油孔(この開口位置が図5に示されている)からリヤカバー9B外に流れ出す。これ以後のブレーキ6の摩擦材に至るオイルの流れは、図6に矢印で示されており、ジェネレータ2のロータ軸を支持するベアリングを通り、リヤカバー9Bの摩擦材支持部とロータ後端の隙間を経てブレーキ摩擦材に達する。
最後に示す図8は、本構成による効果を検証すべく、ブレーキ摩擦材への供給部位におけるオイル流量を計測した結果をグラフ化したものである。図は横軸を車速、縦軸を潤滑流量とし、本構成により得られる流量を■印、従来の開口部のみの構成(壁面の連続化を行わず、樋を設けないもの)により得られる流量を▲印で示す。本構成による効果は、当然ながら車速の上昇に連れて顕著になり、計測最高車速において、527%の流量向上が見られた。
以上詳述したように、この実施例のハイブリッド車用駆動装置によれば、デフリングギヤ51の回転により掻揚げられ、周壁93の上部に付着するオイルが開口部94a上面と周壁93上部の連続性により、そこを伝い端壁94を越えてギヤ収容空間外に流れ出すため、大量のオイルを円滑にギヤ収容空間外のケース内空間に供給することができる。そして、このオイルを樋90で捕集し、潤滑不足が最も問題となるブレーキ6の摩擦材に通じる油路95に流すことで、摩擦材へのオイル供給を十分に行うことができる。しかもこのオイル供給は、車両走行時に必ず回転状態にあるデフリングギヤ51によりなされるため、オイルポンプの作動・非作動に関わらず実現でき、車両の被牽引時やエンジン停止時における駆動装置の潤滑に有効に機能する。
本発明は、車両用自動変速機やハイブリッド車用駆動装置に広く適用可能なものである。また、本発明は、必ずしもエンジン駆動のオイルポンプの停止時を前提とするものではなく、オイルポンプ駆動時のオイル供給を補助して、ポンプ駆動負荷を軽減する省エネルギ技術としての利用も可能である。
実施例のハイブリッド車用駆動装置をフロントケースを取外してエンジンへの連結側から軸方向に見た側面図である。 駆動装置のギヤトレーンをエンジンも含めて示すスケルトン図である。 駆動装置の油路構成を模式化して示す回路図である。 駆動装置をリヤカバーを取外して軸方向に見た側面図である。 駆動装置をリヤカバーの内面側から見た側面図である。 図5のB−B断面図である。 図1のA−A断面図である。 樋によるオイル供給効果の向上を示すグラフである。
符号の説明
S ギヤ収容空間
4 プラネタリギヤセット
5 ディファレンシャル装置
6 ブレーキ(摩擦係合要素)
9 ケース
9B リヤカバー(カバー部)
51 デフリングギヤ(出力軸系ギヤ)
90 樋
93 周壁
94 端壁
94a 開口部
94b 開口部
95 油路

Claims (5)

  1. ケースに収容された駆動装置の出力軸系ギヤのギヤ収容空間を周壁と端壁とで囲い、該出力軸系ギヤが浸るオイルレベルを保持するケース部分の前記端壁の上部に、前記ギヤ収容空間外のケース内空間に開く開口部を備え、前記出力軸系ギヤの回転により掻揚げられるオイルを前記開口部を経て前記ギヤ収容空間外のケース内空間に供給する車両用駆動装置の潤滑装置において、
    前記開口部の上側面と前記周壁の上部内面とを、前記ギヤ収容空間から前記端壁を越えて前記ギヤ収容空間外に至る少なくともケース軸線方向に連続する面とし、該面の前記ギヤ収容空間外の下方に、前記周壁の内面から流下するオイルを捕集する樋を設けるとともに、
    前記端壁のケース軸線方向位置と同じ軸線方向位置における前記ギヤ収容空間外のケース内空間にプラネタリギヤセットが配置され、前記ギヤ収容空間内で前記端壁を伝って流れるオイルを前記端壁の開口部を通して前記プラネタリギヤセットに滴下供給可能としたことを特徴とする車両用駆動装置の潤滑装置。
  2. 前記樋は、前記ギヤ収容空間外のケース内空間を前記駆動装置の軸線方向に前記ケースの端部まで延び、オイルの供給部位に通じる油路に連通する、請求項1記載の車両用駆動装置の潤滑装置。
  3. 前記駆動装置は、摩擦係合要素を備えるものであり、前記油路は、前記摩擦係合要素の摩擦材へのオイル供給油路である、請求項2記載の車両用駆動装置の潤滑装置。
  4. 前記摩擦係合要素は、前記ケースの端面を覆うカバー部内に配置され、前記樋は、前記カバー部の壁内に形成された前記油路に連通し、該油路は前記摩擦係合要素の摩擦材に対する供給部位に開口する、請求項3記載の車両用駆動装置の潤滑装置。
  5. 前記出力軸系ギヤは、ディファレンシャル装置のデフリングギヤである、請求項1〜4のいずれか1項記載の車両用駆動装置の潤滑装置。
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