JPH1160807A - セルローストリアセテートフィルムの製造方法及びセルローストリアセテートフィルム - Google Patents

セルローストリアセテートフィルムの製造方法及びセルローストリアセテートフィルム

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JPH1160807A
JPH1160807A JP22941697A JP22941697A JPH1160807A JP H1160807 A JPH1160807 A JP H1160807A JP 22941697 A JP22941697 A JP 22941697A JP 22941697 A JP22941697 A JP 22941697A JP H1160807 A JPH1160807 A JP H1160807A
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JP
Japan
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cellulose triacetate
group
triacetate film
solution
weight
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Application number
JP22941697A
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English (en)
Inventor
Takatoshi Yajima
孝敏 矢島
Toshiaki Shibue
俊明 渋江
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セルローストリアセテートの塩素系炭化水素
以外の優れた有機溶媒系を探索する。 【解決手段】 セルローストリアセテート溶媒としてフ
ルオロアルコールを主溶媒として用い、酸化防止剤を組
み合わせることによって目的を達成した。またセルロー
ストリアセテート溶液中の水分量をコントロールするこ
とによってヘイズの変動の無い安定したセルローストリ
アセテートフィルムをつくることが出来た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲン化銀写真
感光材料や液晶画像表示装置に有用なセルローストリア
セテートフィルムの製造方法およびそれを用いたセルロ
ーストリアセテートフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ハロゲン化銀写真感光材料や液晶
画像表示装置に使用されるセルローストリアセテートを
製造する際に使用されるセルローストリアセテート溶液
の有機溶媒にメチレンクロライドのような塩素含有炭化
水素が使用されている。メチレンクロライド(沸点41
℃)は従来からセルローストリアセテートの良溶媒とし
て用いられ、製造工程の製膜及び乾燥工程において沸点
が低いことから乾燥させ易いという利点により好ましく
使用されている。逆にメチレンクロライドは沸点が低く
揮発し易いため、密閉設備から若干漏れ易く、回収にも
限界があり、完全に大気中への散逸を防ぎきれないとい
う問題もある。最近発ガン性の疑いからパークレンやト
リクレンのような塩素含有化合物の使用が規制されてい
るが、メチレンクロライドにはそのような問題点はない
にしろ塩素含有化合物であるメチレンクロライドも今後
何らかの規制の対象になりつつある。そこで、当業者は
メチレンクロライド以外のセルローストリアセテートの
溶媒の探索あるいは検討をすることが急務となって来
た。セルローストリアセテートに対する溶解性を示す有
機溶媒として知られているものにはアセトン(沸点56
℃)、酢酸メチル(沸点56.3℃)、テトラヒドロフ
ラン(沸点65.4℃)、1,3−ジオキソラン(沸点
75℃)、ニトロメタン(沸点101℃)、1,4−ジ
オキサン(沸点101℃)、エピクロルヒドリン(沸点
116℃)、N−メチルピロリドン(沸点202℃)な
どがある。これらの有機溶媒は実際に溶解試験を行って
みると必ずしも良溶媒とは言いがたいものもあり、また
爆発などの懸念のあるもの、沸点が高いもの等実用に供
し得るものはほとんどなかった。
【0003】特開平7−278324号及び同8−25
8065号公報には、セルロースアシレートを1,3ジ
オキソランに溶解させるセルロースアシレートフィルム
の製造方法が提案されている。また、特開平8−143
708号公報には、セルロースエステルを環状ジエーテ
ルに溶解させたセルロースエステル溶液および成型品の
製造方法が提案されている。ところが、上記のような環
状エーテルを溶媒として使用したセルロースアシレート
フィルムやセルロースエステルフィルムを写真用支持体
として用いた場合、ハロゲン化銀写真感光材料の写真乳
剤層をかぶらせるという致命的な欠陥があった。
【0004】アセトンなど通常の方法では膨潤はするも
のの溶解しがたい溶媒については、特開平9−9553
8号、同9−95544号及び同9−95557号等公
報で、セルロースアセテートと有機溶媒の混合物を−1
00℃から−10℃に冷却後、0℃から50℃に加温し
溶解する方法が提案されている。この方法によれば、常
温では膨潤溶媒として知られているアセトンや酢酸メチ
ルを用いたセルロースアセテート溶液の調製が可能とな
ることが述べられている。ところが、この様にして調製
された溶液は、延伸、熱処理を伴う成形加工、例えば紡
糸成形では、成形品の機械的強度を落とさずに成形可能
であるが、フィルム成形に適用した場合、フィルムの機
械強度、特に引き裂き強度が低くなるという欠点があっ
たり、溶液調製方法が煩雑でコストの面や安全性の点か
ら問題が多かった。
【0005】液晶画像表示装置用偏光板は、屋外で使用
される機会が増加したこともあり、その耐光性、耐熱性
あるいは耐湿性等が益々重要な特性となっており、改良
が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、メチ
レンクロライドのような塩素系炭化水素溶媒を使用せず
に、優れたセルローストリアセテートフィルムを提供す
ることにある。本発明の第2の目的は塩素系炭化水素溶
媒に代えて他の溶媒を使用してハロゲン化銀写真感光材
料や液晶画像表示装置に用いる場合に必要な耐かぶり
性、あるいは耐熱、耐湿、耐光性を改良したセルロース
トリアセテートフィルムを提供することである。
【0007】第3の本発明の目的はヘイズの変動を出来
る限り少なくしたセルローストリアセテートフィルムを
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記構
成の何れかを採ることにより達成される。
【0009】(1)平均酢化度が58.0%以上62.
5%以下のセルローストリアセテートと、実質的に塩素
系炭化水素を含まず、フルオロアルコール及び酸化防止
剤を含有するセルローストリアセテート溶液を溶液流延
法によりセルローストリアセテートフィルムを形成する
ことを特徴とするセルローストリアセテートフィルムの
製造方法。
【0010】(2)平均酢化度が58.0%以上62.
5%以下のセルローストリアセテートと、実質的に塩素
系炭化水素を含まず、フルオロアルコールを含有し、
0.06〜2.0重量%の水分を含有するセルロースト
リアセテート溶液を溶液流延法によりセルローストリア
セテートフィルムを形成することを特徴とするセルロー
ストリアセテートフィルムの製造方法。
【0011】(3)前記セルローストリアセテート溶液
が酸化防止剤を含有することを特徴とする(2)に記載
のセルローストリアセテートフィルムの製造方法。
【0012】(4)前記酸化防止剤の内、下記一般式
(I)で示される化合物を少なくとも1種含有すること
を特徴とする(1)又は(3)のいずれかに記載のセル
ローストリアセテートフィルムの製造方法。
【0013】
【化3】
【0014】(式中、R1はアルキル基を表し、R2、R
3およびXは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、
アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルケノキシ
基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アルケニルチ
オ基、アリールチオ基、ヘテロ環オキシ基、ヒドロキシ
基、アミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、ア
ルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、
ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アシル基、アシル
オキシ基を表す。mは0〜2の整数を表す。R2、R3
よびXは互いに同一でもよいし異なっていてもよい。) (5)前記酸化防止剤が2,6−ジ−t−ブチル−p−
クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−
(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート]又はトリエチレングリコール−ビス[3−
(3−t−ブチル−5−メチル−4ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート]のいずれかより選ばれる少なくと
も1種を含有することを特徴とする(1)又は(3)又
は(4)のいずれかに記載のセルローストリアセテート
フィルムの製造方法。
【0015】(6)前記フルオロアルコールが40℃以
上165℃以下の沸点を有することを特徴とする(1)
乃至(3)のいずれかに記載のセルローストリアセテー
トフィルムの製造方法。
【0016】(7)前記セルローストリアセテートが2
20以上500以下の粘度平均重合度を有することを特
徴とする(1)乃至(6)のいずれかに記載のセルロー
ストリアセテートフィルムの製造方法。
【0017】(8)前記セルローストリアセテート溶液
が、セルローストリアセテートの貧溶媒を全溶媒に対し
て5重量%以上50重量%以下含有していることを特徴
とする(1)乃至(7)のいずれかに記載のセルロース
トリアセテートフィルムの製造方法。
【0018】(9)前記セルローストリアセテート溶液
が、可塑剤をセルローストリアセテートに対して5重量
%以上30重量%以下含有していることを特徴とする
(1)乃至(8)のいずれかに記載のセルローストリア
セテートフィルムの製造方法。
【0019】(10)平均酢化度が58.0%以上6
2.5%以下のセルローストリアセテートと、実質的に
塩素系炭化水素を含まず、フルオロアルコール及び酸化
防止剤を含有するセルローストリアセテート溶液を溶液
流延法により製造されたことを特徴とするセルロースト
リアセテートフィルム。
【0020】(11)平均酢化度が58.0%以上6
2.5%以下のセルローストリアセテートと、実質的に
塩素系炭化水素を含まず、フルオロアルコール及び0.
06〜2.0重量%の水分を含有するセルローストリア
セテート溶液を溶液流延法により製造されたことを特徴
とするセルローストリアセテートフィルム。
【0021】(12)前記セルローストリアセテート溶
液が酸化防止剤を含有するセルローストリアセテート溶
液を溶液流延法により製造されたことを特徴とする(1
1)に記載のセルローストリアセテートフィルム。
【0022】(13)下記一般式(I)で示される前記
酸化防止剤を少なくとも1種含有するセルローストリア
セテート溶液を溶液流延法により製造されたことを特徴
とする(10)又は(12)に記載のセルローストリア
セテートフィルム。
【0023】
【化4】
【0024】(式中、R1はアルキル基を表し、R2、R
3およびXは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、
アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルケノキシ
基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アルケニルチ
オ基、アリールチオ基、ヘテロ環オキシ基、ヒドロキシ
基、アミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、ア
ルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、
ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アシル基、アシル
オキシ基を表す。mは0〜2の整数を表す。R2、R3
よびXは互いに同一でもよいし異なっていてもよい。) (14)前記酸化防止剤が2,6−ジ−t−ブチル−p
−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−
(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート]又はトリエチレングリコール−ビス[3−
(3−t−ブチル−5−メチル−4ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート]のいずれかより選ばれる少なくと
も1種を含有するセルローストリアセテート溶液を溶液
流延法により製造されたことを特徴とする(10)又は
(12)又は(13)に記載のセルローストリアセテー
トフィルム。
【0025】(15)前記フルオロアルコールが40℃
以上165℃以下の沸点を有するセルローストリアセテ
ート溶液を溶液流延法により製造されたことを特徴とす
る(10)乃至(12)のいずれかに記載のセルロース
トリアセテートフィルム。
【0026】(16)前記セルローストリアセテートが
220以上500以下の粘度平均重合度を有するセルロ
ーストリアセテート溶液を溶液流延法により製造された
ことを特徴とする(10)乃至(15)のいずれかに記
載のセルローストリアセテートフィルム。
【0027】(17)前記セルローストリアセテート溶
液が、セルローストリアセテートの貧溶媒を全溶媒に対
して5重量%以上50重量%以下含有しているセルロー
ストリアセテート溶液を溶液流延法により製造されたこ
とを特徴とする(10)乃至(16)のいずれかに記載
のセルローストリアセテートフィルム。
【0028】(18)前記セルローストリアセテート溶
液が、可塑剤をセルローストリアセテートに対して5重
量%以上30重量%以下含有しているセルローストリア
セテート溶液を溶液流延法により製造されたことを特徴
とする(10)乃至(17)のいずれかに記載のセルロ
ーストリアセテートフィルム。
【0029】(19)前記セルローストリアセテートフ
ィルム中のフルオロアルコールの残留溶媒率が2重量%
以下であることを特徴とする(10)乃至(18)のい
ずれかに記載のセルローストリアセテートフィルム。
【0030】(20)前記セルローストリアセテートフ
ィルム中のフルオロアルコールの残留溶媒率が0.4重
量%以下であることを特徴とする(10)乃至(19)
のいずれかに記載のセルローストリアセテートフィル
ム。
【0031】(21)前記セルローストリアセテートフ
ィルム中のフルオロアルコールの残留溶媒率が0.1重
量%以下であることを特徴とする(10)乃至(20)
のいずれかに記載のセルローストリアセテートフィル
ム。
【0032】以下さらに詳細に説明する。
【0033】本発明に使用するセルローストリアセテー
トの平均酢化度は58.0%から62.5%であり、本
発明ではこの範囲のものをセルローストリアセテートと
呼ぶこととする。一般的には、セルロースアセテートの
酢化度が53%から56%までのものをセルロースジア
セテートといい、酢化度が58%から62.5%までの
ものをセルローストリアセテートと呼んでいる。酢化度
の他に反応度を示す表示様式には置換度あるいはアセチ
ル化度がある。酢化度はセルロースの水酸基に酢酸が反
応した時の、酢酸(CH3COOH)重量%で表したも
ので、最高に反応した場合が62.5%である。アセチ
ル化度は同様に反応した時のアセチル基(CH3CO)
重量%で表したもので、最高に反応した場合44.8%
である。置換度はアセチル基がセルロース分子のOH基
に反応した度合いを表し、全OH基に反応した場合を
3.00として表す。これはセルロース分子の最小単位
のグルコース単位の3個のOH基に3個のアセチル基が
置換されたことを意味する。ちなみに酢化度58.0%
のセルローストリアセテートの場合のアセチル化度は4
1.57%、置換度は2.63である。なお、酢化度の
測定はASTMのD−817−97のセルロースアセテ
ート等の試験法に記載されている方法により測定出来
る。
【0034】本発明に使用するセルローストリアセテー
トの重合度(粘度平均)は220以上500以下のもの
が好ましい。一般的にセルローストリアセテートを含む
セルローストリアセテートフィルム、繊維または成型品
の機械的強度がタフであるためには重合度が200以上
あることが必要とされており、祖父江寛、右田伸彦編
「セルロースハンドブック」朝倉書房(1985)や、
丸沢廣、宇田和夫編「プラスチック材料講座17」日刊
工業新聞社(1970)に記載されている。本発明のセ
ルローストリアセテートフィルムの重合度は更に好まし
くは250から350である。粘度平均重合度はオスト
ワルド粘度計で測定することができ、測定されたセルロ
ーストリアセテートフィルムの固有粘度[η]から下記
の式により求められる。
【0035】DP=[η]/Km 式中:DPは粘度平均重合度、Kmは定数6×10-4 本発明に用いられるセルローストリアセテートの原料の
セルロースとしては、綿花リンターや木材パルプがある
が、どちらからのセルローストリアセテートでも使用出
来るし、混合して使用してもよい。原料によっては低分
子量の成分を多く持っているものがある。特開平9−9
5538号、同9−95544号及び同9−5557号
公報にはセルローストリアセテートの低分子量のものが
冷却溶解法において結晶化を起こし易く、微結晶がある
とアセトンへの溶解が低下し、得られたセルローストリ
アセテート溶液(以下ドープと呼ぶことがある)の安定
が低く、再び微結晶が生じ易い。更に得られるフィルム
の光学特性も低下すると、述べられている。
【0036】本発明に用いられるセルローストリアセテ
ートは写真用グレードのものが好ましく、市販の写真用
グレードのものは粘度平均重合度、酢化度、低分子量成
分量等の品質を満足して入手することが出来る。写真用
グレードのセルローストリアセテートのメーカーとして
は、ダイセル(株)、コートルズ社、ヘキスト社、イー
ストマンコダック社等があり、いずれの写真用グレード
のセルローストリアセテートも使用出来る。
【0037】本発明に有用なフルオロアルコールはフィ
ルムの乾燥工程で蒸発乾燥し易いものであればよく、沸
点が40℃以上165℃以下が好ましい。更に好ましく
は、50℃以上120℃以下である。フルオロアルコー
ルは炭素原子数が2から10程度、好ましくは2から8
程度のものがよい。またフルオロアルコールはフッ素原
子含有脂肪族アルコールで、置換基があってもなくとも
よい。置換基としてはフッ素原子含有あるいはなしの脂
肪族置換基、芳香族置換基などがよい。このようなフル
オロアルコールは例えば、(以下括弧内は沸点である) 2−フルオロエタノール(103℃) 2,2,2−トリフルオロエタノール(80℃)、2,
2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール(10
9℃)、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール(55
℃)、1,1,1,3,3,3−ヘキサ−2−メチル−
2−プロパノール(62℃)、1,1,1.3,3,3
−ヘキサフルオロ−2−プロパノール(59℃)、2,
2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール
(80℃)、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ
−1−ブタノール(114℃)、2,2,3,3,4,
4、4−ヘプタフルオロ−1−ブタノール(97℃)、
パーフルオロ−t−ブタノール(45℃) 2,2,3,3,4,4,5,5−オクトフルオロ−1
−ペンタノール(142℃) 2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ−1,5−ペ
ンタンジオール(111.5℃) 3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8
−トリデカフルオロ−1−オクタノール(95℃) 2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,
8,8,8−ペンタデカフルオロ−1−オクタノール
(165℃) 1−(ペンタフルオロフェニル)エタノール(82℃) 2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジルアルコー
ル(115℃) などが含まれる。これらのフルオロアルコールは一種ま
たは二種以上使用できる。
【0038】上記のその他の良溶媒とは、通常セルロー
ストリアセテートの溶媒として知られているもので、
1,3−ジオキソラン、2−メチル−1,3−ジオキソ
ラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、2−エチル
−1,3−ジオキソラン、4−エチル−1,3−ジオキ
ソラン、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、
1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサンなどの環状エ
ーテル化合物、あるいはアセトンなどが挙げられ、1,
3−ジオキソランが好ましい。この場合、フルオロアル
コールの含有量としては、1重量%以上、さらに20重
量%以上、特に60重量%以上であることが好ましい。
【0039】ここで、本発明ではフルオロアルコールを
必ず含みその他に上記その他の良溶媒を共存させる全良
溶媒を良溶媒ということとする。
【0040】本発明では、これら良溶媒以外に貧溶媒
(セルローストリアセテートを単独では溶解せず、膨潤
するか溶解しない溶媒)を併用することも好ましい方法
である。つまり、あらかじめ貧溶媒によりセルロースト
リアセテートを湿潤状態または膨潤状態になるまで処理
することで、良溶媒への溶解性を向上させたり、良溶媒
と貧溶媒を併用し溶解したセルローストリアセテート溶
液を溶液流延法で製膜する際、ドープ膜(以下ウエブと
呼ぶこともある)は溶媒を多く含んだ状態でもウエブの
強度が強いため、ウエブを支持体のベルトやドラム上か
ら容易に剥離することができる。本発明に使用される貧
溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノー
ル、t−ブタノール、シクロヘキサノールなどの炭素数
が1から6の低級アルコール、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸プロピル、モ
ノクロルベンゼン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラ
ン、メチルセルソルブ、エチレングリコール、モノメチ
ルエーテル、アセトン、トルエンなどを挙げることがで
きる。中でもメタノール、エタノール、n−ブタノー
ル、シクロヘキサンが好ましい。これらの溶媒系のセル
ローストリアセテート溶液から製膜されたフィルムの透
明性が上記その他の良溶媒のセルローストリアセテート
溶液から製膜されたそれよりも格段と優れていることが
わかった。良溶媒と貧溶媒を併用する場合、貧溶媒の全
溶媒に対する割合は、5重量%以上50重量%以下が好
ましい。
【0041】本発明に用いる酸化防止剤は、下記一般式
(I)で表される少なくとも1種が選ばれる。
【0042】
【化5】
【0043】一般式(I)中、R1はアルキル基を表
し、R2、R3およびXは、それぞれ水素原子、アルキル
基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキ
シ基、アルケノキシ基、アリールオキシ基、アルキルチ
オ基、アルケニルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環オ
キシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルバモイル基、ス
ルファモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオ
キシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ
基、アシル基、アシルオキシ基を表す。mは0〜2の整
数を表す。R2、R3およびXは互いに同一でもよいし異
なっていてもよい。
【0044】上記アルキル基は、例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、i−プロピル、t−ブチル、シクロヘキ
シル、t−ヘキシル、t−オクチル、ドデシル、ヘキサ
デシル、オクタデシル、ベンジルなどの直鎖、分岐、ま
たは環状のアルキル基を表す。
【0045】上記アルケニル基は、例えば、ビニル、ア
リル、2−ペンテニル、シクロヘキセニル、ヘキセニ
ル、ドデセニル、オクタデセニルなどの直鎖、分岐、ま
たは環状のアルケニル基を表す。
【0046】上記アリール基は、例えば、フェニル、ナ
フチル、アントラニルなどのベンゼン単環や縮合多環の
アリール基を表す。
【0047】上記ヘテロ環基は、例えば、フリル、ピロ
リル、イミダゾリル、ピリジル、プリニル、クロマニ
ル、ピロリジル、モルホリニルなどの窒素原子、硫黄原
子、酸素原子の少なくとも一つを含む5〜7員環からな
る基を表す。
【0048】中でもヒンダードフェノール系の化合物が
好ましく、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、
ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−
ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチ
オ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチル
アニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−
ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル
−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサメチレンビス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシ
ンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−
トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイトなど挙げ
られる。
【0049】特に2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾ
ール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−
t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート〕が最も好ましい。また例えば、N,N’
−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオニル〕ヒドラジンなどのヒドラジ
ン系の金属不活性剤やトリス(2,4−ジ−t−ブチル
フェニル)フォスファイトなどの燐系加工安定剤を併用
してもよい。
【0050】本発明の酸化防止剤の添加量は、フルオロ
アルコールに対して5ppm〜1.0%が好ましく、1
0ppm〜1000ppmがさらに好ましい。これらの
化合物は、あらかじめフルオロアルコールと混合してお
いてもよいし、セルローストリアセテート溶液の調製の
際に、セルローストリアセテートや溶媒と共に添加して
もよいし、溶液調製中や調製後に添加してもよい。
【0051】他の本発明はセルローストリアセテート溶
液中の水分に関するものである。出来上がりのセルロー
ストリアセテートフィルムの透明性(ヘイズ)が変動す
ることがしばしばあり、その原因を究明した結果、セル
ローストリアセテートフィルム溶液中の水分が関係して
いたことがわかり、確認した結果0.06〜2.0重量
%(セルローストリアセテート溶液中)の水分が常にコ
ンスタントにあれば安定した透明性のセルローストリア
セテートフィルムが得られることを見出した。ところ
で、セルローストリアセテート溶液を調製する際に、種
々の原料が持ち込んでくる水分があり、また製造時の条
件によっても水分を呼び込むことがある。特に、フルオ
ロアルコールを主溶媒とした本発明は、セルローストリ
アセテート溶液を構成する場合に水分の含有量が重要な
ことである。製造過程での水分は乾燥領域の雰囲気の湿
度に影響されるが、湿度によっては、溶媒の多いドープ
膜(ウエブ)において溶媒の蒸発時に潜熱が奪われその
ときにウエブ自身が結露することもある。支持体上での
ウエブの乾燥ボックスと剥離されたのちの初期乾燥ボッ
クス内での空気の露点を極力低くしておく必要がある。
また、本発明の水分量を保つための他の方法は、原材料
の管理と水分の定量、調製中のセルローストリアセテー
トフィルム溶液の水分の定量を行うことである。その方
法はいろいろあるが、カールフィッシャー法による方法
が簡単で正確に捉えることが出来る。
【0052】本発明のセルロースエステル溶液には各調
製工程において用途に応じて種々の添加剤を加えること
が出来る。
【0053】ハロゲン化銀写真感光材料用には機械的性
質の向上あるいは耐水性を付与するために可塑剤やライ
トパイピング防止用の着色剤あるいは紫外線防止剤など
を添加することが望ましい。
【0054】可塑剤としては、リン酸エステル、カルボ
ン酸エステル、グリコール酸エステルなどが好ましく用
いられる。リン酸エステルの例としては、トリフェニル
ホスフェート(TPP)、トリクレジルホスフェート
(TCP)、クレジルジフェニルホスフェート(CDP
P)、オクチルジフェニルホスフェート(ODPP)、
ジフェニルビフェニルホスフェート(BDP)、トリオ
クチルホスフェート(TOP)、トリブチルホスフェー
ト(TBP)などがあり、カルボン酸エステルの例とし
ては、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフタレ
ート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオ
クチルフタレート(DOP)、ジエチルヘキシルフタレ
ート(DEHP)、クエン酸アセチルトリエチル(TE
AC)、クエン酸アセチルトリブチル(TBAC)、オ
レイン酸ブチル(BO)、リシノール酸メチルアセチル
(AML)、セバシン酸ジブチル(DBS)などがあ
り、グリコール酸エステルの例としては、トリアセチン
(TA)、トリブチリン(TB)、ブチルフタリルブチ
ルグリコレート(BPBG)、エチルフタリルエチルグ
リコレート(EPEG)、メチルフタリルエチルグリコ
レート(MPEG)などがある。中でもTPP、TC
P、CDPP、TBP、DMP、DEP、DBP、DO
P、DEHP、TA、EPEG、BDPが好ましい。特
にTPP、DEP、EPEG、BDPが好ましい。これ
らの可塑剤は1種でもよいし2種以上併用してもよい。
可塑剤の添加量はセルローストリアセテートに対して5
重量%以上30重量%以下、特に8重量%以上16重量
%以下が好ましい。。これらの化合物は、セルロースト
リアセテート溶液の調製の際に、セルローストリアセテ
ートや溶媒と共に添加してもよいし、溶液調製中や調製
後に添加してもよい。
【0055】更に下記一般式(II)、(III)または(I
V)で示される化合物を添加してもよい。
【0056】
【化6】
【0057】式中、Rは、炭素原子数が1乃至4のアル
キル基である。上記(II)、(III)または(IV)で示
される化合物の例としては、リン酸2,2′−メチレン
ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウム
(アデカスタブNA−10、旭電化(株)製)及びビス
(p−メチルベンジリデン)ソルビトール(ゲルオール
MD、新日本理化(株)製)及びビス(p−エチルベン
ジリデン)ソルビトール(NC−4、三井東圧化学
(株)製)が含まれる。
【0058】本発明のセルロースエステル溶液には各調
製工程において用途に応じて種々の添加剤を加えること
が出来る。
【0059】本発明で用いるセルローストリアセテート
溶液には、下記一般式(V)または(VI)で表される着
色剤の中から選ばれる少なくとも1種を含有することが
好ましい。
【0060】
【化7】
【0061】一般式(V)または(VI)中、Xは酸素原
子又はNR23を表す。R1〜R8、R12〜R23は、それぞ
れ水素原子、水酸基、脂肪族基、芳香族基、複素環基、
ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、COR9、COO
9、NR910、NR10COR11、NR10SO211
CONR910、SO2NR910、COR11、SO
211、OCOR11、N(R9)CONR1011、CON
HSO211又はSO2NHCOR11を表し、R9、R10
はそれぞれ水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基を
表し、R11は脂肪族基、芳香族基又は複素環基を表す。
【0062】R1〜R23で表される脂肪族基は、炭素数
1〜20のアルキル基(例えば、メチル、エチル、n−
ブチル、イソプロピル、2−エチルヘキシル、n−デシ
ル、n−オクタデシル)、炭素数1〜20のシクロアル
キル基(例えば、シクロベンジル、シクロヘキシル)ま
たはアリル基を表し、これらはさらに置換基(例えば、
ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、カルボン
酸基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数0〜20の
アミノ基、炭素数1〜20のアミド基、炭素数1〜20
のカルバモイル基、炭素数2〜20のエステル基、炭素
数1〜20のアルコキシ基またはアリーロキシ基、炭素
数1〜20のスルホンアミド基、炭素数0〜20のスル
ファモイル基、5または6員の複素環を有していてもよ
い。R1〜R23で表される芳香族基は炭素数6〜10の
フェニル、ナフチルなどのアリール基を表し、前記に挙
げた置換基および炭素数1〜20のメチル、エチル、n
−ブチル、t−ブチル、オクチルなどのアルキル基から
なる置換基を有していてもよい。R1〜R11で表される
複素環基は、5または6員の複素環を表し、前記の置換
基を有していてもよい。以下に一般式(V)および(V
I)で表される化合物の好ましい例を示すが、これに限
定されない。
【0063】
【化8】
【0064】
【化9】
【0065】
【化10】
【0066】
【化11】
【0067】
【化12】
【0068】
【化13】
【0069】着色剤の含有量は、セルローストリアセテ
ートに対して10ppm以上1000ppm以下が好ま
しく、50ppm以上500ppm以下がさらに好まし
い。この様に着色剤を含有させることにより、セルロー
ストリアセテートフィルムの耐光性を高度に改良するこ
とができる。これらの化合物は、セルローストリアセテ
ート溶液の調製の際に、セルローストリアセテートや溶
媒と共に添加してもよいし、溶液調製中や調製後に添加
してもよい。
【0070】また、本発明のセルローストリアセテート
溶液には、必要に応じて下記のごとき種々の添加剤を用
途に応じて、調製の段階で添加してもよい。添加剤とし
ては、紫外線吸収剤、安定剤としてカオリン、タルク、
ケイソウ土、石英、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸
化チタン、アルミナなどの無機微粒子、カルシウム、マ
グネシウムなどのアルカリ土類金属の塩等、また帯電防
止剤、難燃剤、滑剤、油剤等がある。
【0071】流延に先立って、セルローストリアセテー
ト溶液を金網やネルなどの適当な濾材を用いてろ過し、
未溶解物やゴミ、不純物などの異物を濾過除去しておく
ことが必要である。
【0072】本発明のセルローストリアセテート溶液を
用いた溶液流延法によるフィルムの製造法について述べ
る。
【0073】本発明のセルローストリアセテートフィル
ムを製造する設備としては従来セルローストリアセテー
トフィルムの製造に用いられているものが利用できる。
その設備と製造方法の概略を述べると、前述の調製装置
で調製されたドープは、例えば回転数によって高精度に
定量送液出来る加圧型定量ギヤポンプを通して加圧型ダ
イスに送られる。精密ギヤポンプから加圧ダイスに送り
込まれたドープは加圧型ダイスの口金(スリット)から
エンドレスに回転している支持体の上に均一に流延さ
れ、支持体がほぼ1周したところで、生乾きのフィルム
(ウエブ)として支持体から剥離され、回転しているロ
ール群に通されながら乾燥され、乾燥されたフィルムは
搬送後巻き取機で所定の長さに巻き取られる。
【0074】本発明に有用な流延方法としては、調製さ
れたドープを加圧ダイスから支持体上に均一に押し出す
方法、一旦支持体上に流延されたドープをブレードで膜
厚を調節するドクターブレードによる方法、あるいは逆
回転するロールで調節するリバースロールコーターによ
る方法等があるが、加圧ダイスが好ましい。加圧ダイス
にはコートハンガータイプやTダイタイプ等があるがい
ずれも本発明には有用である。また、ここで挙げた方法
以外にも従来知られているセルローストリアセテート溶
液からセルローストリアセテートフィルムを流延製膜す
る種々の方法(例えば特開昭61−94724号、同6
1−148013号、特開平4−85011号、同4−
286611号、同5−185443号、同5−185
445号、同6−278149号、同8−207210
号等公報などに記載の方法)を好ましく用いることがで
き、用いる溶媒の沸点等の違いを考慮して各条件を設定
することによりそれぞれの公報に記載の内容と同様な効
果が得られる。
【0075】本発明のセルローストリアセテートフィル
ムを製造するのに使用されるエンドレスの支持体として
は、表面がクロムメッキによって鏡面仕上げされたドラ
ムや、表面研磨によって鏡面仕上げされたステンレスベ
ルト(バンドといってもよい)が用いられる。
【0076】本発明のセルローストリアセテートフィル
ムの製造に用いられる加圧ダイスの支持体上への配置は
1基あるいは2基以上の設置でもよい。好ましくは1基
または2基である。2基以上設置する場合には流延する
ドープ量をそれぞれのダイスにいろいろな割合にわけて
もよく、複数の精密定量ギヤポンプからそれぞれの割合
でダイスにドープを送液する。
【0077】本発明のセルローストリアセテートフィル
ムの製造に係わる支持体上におけるドープの乾燥は、一
般的にはドラムあるいはベルトの表面側つまり支持体上
にあるウエブの表面から加熱する方法、ドラムあるいは
ベルトの裏面から風を当てる方法、液体をベルトやドラ
ムのドープ面の反対側の裏面から接触させてドラムある
いはベルトの表面に温度を伝達させる液体伝熱方法があ
るが、裏面液体伝熱方式が好ましい。流延される前の支
持体の表面温度はドープに用いられている溶媒の沸点以
下であれば何度でもよい。しかし乾燥を促進するために
は、また支持体上での流動性を失わせるためには、使用
される溶媒の内最も沸点の低い溶媒の沸点より若干低い
ところに設定するのが好ましい。セルローストリアセテ
ートフィルムを製造する速度はベルトの長さ、乾燥方
法、ドープ溶媒組成等の要因に依存するところである
が、ウエブをベルトから剥離する時点での残留溶媒の量
にほとんど依存すると言ってよい。加熱方法によっては
ドープ膜膜厚方向でのベルト表面付近での溶媒濃度が高
すぎる場合には、剥離した時ベルトにドープが残ってし
まい、次の流延に支障を来すため、剥離残りは絶対あっ
てはならない。従って、剥離する時のウエブの厚み全体
が剥離に耐える強さになっていなければならない。剥離
時点での残留溶媒はベルト上での乾燥方法によっても異
なり、ドープ表面から風を当てて乾燥する方法よりは、
ベルトあるいはドラム裏面から伝熱する方法がよい。
【0078】好ましい溶液流延法の条件としては、流延
温度は10〜70℃、乾燥温度は30〜200℃の範囲
で行うのが好ましい。特に乾燥の初期は30〜130℃
の範囲とし、その後逐次的にまたは連続的に昇温するこ
とがフィルムの平面性良好とすることができ好ましい。
乾燥されたフィルムは、その残留溶媒がセルローストリ
アセテートに対して5〜200重量%、特に10〜10
0重量%の範囲で剥離残留溶媒量が少ないと支持体との
密着力が強すぎてフィルム変形する場合がある。乾燥時
間は、フィルムの残留溶媒量が上記の範囲になるように
設定することが好ましく、通常10秒〜1時間の範囲で
ある。
【0079】本発明における剥離残留溶媒量(%)は効
率的な裏面伝熱方法による剥離時点での残留溶媒を測定
することとする(測定法は後述)。
【0080】本発明のセルローストリアセテートフィル
ムの製造に係わるフィルム乾燥方法について述べる。支
持体が1周する直前の剥離位置で剥離されたウエブを千
鳥状に配置されたロール群に交互に通して搬送するか、
剥離されたウエブの両端をクリップ状のもので坦持させ
て非接触的に搬送するかしてもよく、搬送中のウエブ
(フィルム)両面に所定の温度の風を当てることによっ
て乾燥が行われるが、急速に乾燥させる場合では最初発
泡しない程度の温度で乾燥し、後に高温乾燥を行う。特
公平5−17844号公報に記載されている方法では、
溶液を10℃以下の支持体上に流延してフィルムを剥離
することにより、フィルムの残留溶媒量が多い状態で支
持体から剥離可能な状態となる。この公報では溶媒にメ
チレンクロライドが使用されており、溶媒をフルオロア
ルコールに変更して、この方法を本発明に適用したとこ
ろ、支持体温度は約40℃以下からその効果がみとめら
れ、更に25℃以下で顕著な効果が認められた。剥離可
能な残留溶媒量は300重量%であった。乾燥温度につ
いては用いる溶媒の沸点等を考慮して設定する必要があ
る。この場合でも前述した乾燥温度が好ましく用いるこ
とが出来る。特開平9−15792号公報で記載されて
いる方法では、溶媒濃度を36〜72重量%の高濃度に
し、かつ溶液温度を40〜63℃、支持体温度を−70
〜21℃とすることによりフィルムを支持体から剥離す
るまでの時間を8秒以下としている。ここでも溶媒はメ
チレンクロライドを使用しているのであるが、溶媒をト
リフルオロアルコールに変更して、この方法を本発明に
適用したところ、溶液温度70〜100℃の範囲で、支
持体温度50℃以下からその効果が認められ、更に35
℃以下で顕著な効果が認められた。
【0081】本発明では、フィルムを支持体から剥離す
るまでの時間を短縮する公知の方法も好ましく用いるこ
とが出来る。例えば、特開昭60−27562号公報に
記載されているような2つ以上の溶液流延口から溶液を
流延する方法では、初期乾燥時間を2分の1以下に短縮
することが出来る。この公報では溶媒としてメチレンク
ロライドを使用しているので、この方法を本発明に適用
するに際しては、乾燥温度については用いる溶媒の沸点
を考慮して設定することが必要である。
【0082】また、支持体から剥離後の乾燥工程では、
溶媒の蒸発によってフィルムは巾方向に収縮するが、出
来上がりのフィルムの平面性を良好ならしめるには、収
縮を出来る限り抑制しながら乾燥させる必要がある。ま
た高速度で製造するためには高温を与える必要があり、
このようなケースには、例えば、特開昭62−4662
5号公報に示されているような乾燥全工程あるいは一部
の工程を幅方向にクリップ状のものでウエブの幅両端を
幅保持しつつ乾燥させる方法(テンター方式)が好まし
い。
【0083】更には、積極的に幅方向に延伸する方法も
あり、本発明では、例えば、特開昭62−115035
号、特開平4−152125号、同4−284211
号、同4−298310号等の公報に記載の延伸方法も
使用し得る。
【0084】本発明のセルローストリアセテートフィル
ムの乾燥工程における乾燥温度は80〜250℃、特に
100〜180℃が好ましい。使用する溶媒によって乾
燥温度、乾燥風量及び乾燥時間が異なり、使用溶媒の種
類、組み合わせに応じて適宜選べばよい。最終仕上がり
フィルムの残留溶媒量は2重量%以下が好ましく、さら
に0.4重量%以下が好ましく、特に0.1重量%以下
が好ましい。フィルムの残留溶媒量をこの範囲にするこ
とで、寸法安定性の良好なフィルムが得られる。これら
流延から後乾燥までの工程は、空気雰囲気下でもよいし
窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下でもよい。
【0085】本発明のセルローストリアセテートフィル
ムの製造に係わる巻取り機は一般的に使用されている定
張力型のものを採用できる。
【0086】乾燥されたセルローストリアセテートフィ
ルム中のフルオロアルコールの残留溶媒量は0.002
〜0.4重量%が好ましい。好ましくは0.003〜
0.07重量%である。このフルオロアルコールの含有
量はヘッドスペースタイプのガスクロマトグラフィー
(機器:HP589、SERIESSII/HP597
1A、HP9746(ヒューレットパッカード社製)、
カラム:DB−WAX(×60m、0.25mm)(J
&WScientic社製))を用いて含有されるフル
オロアルコールの量を定量する。
【0087】本発明の出来上がりのフィルムの膜厚は使
用目的によって異なるが、5乃至500μmになるよう
に、ドープ中に含まれる固形分濃度、ダイスの口金のス
リット幅、ダイス圧力、流延速度等を調節すればよく、
好ましくは乾燥後の膜厚が20乃至200μm、更に好
ましくは乾燥後の膜厚は60乃至125μmである。
【0088】本発明に使用されるセルローストリアセテ
ートの酢化度及び粘度平均重合度の測定法について述べ
る。
【0089】1)セルローストリアセテートの酢化度
(%) 酢化度はケン化法によって測定するものとする。乾燥し
たセルローストリアセテートを精秤し、アセトンとジメ
チルスルホキシドとの混合溶媒(容量比4:1)に溶解
した後、所定の1N水酸化ナトリウム水溶液を添加し、
25℃で2時間ケン化する。フェノールフタレインを指
示薬として添加し、1N硫酸(濃度ファクター;F)で
過剰の水酸化ナトリウムを滴定する。また、上記と同様
な方法により、ブランクテストを行う。そして、下記に
従って酢化度(%)を算出する。
【0090】 酢化度(%)=(6.005×(B−A)×F)/W 式中、Aは試料の滴定に要する1N硫酸(ml)、Bは
ブランクテストに要する1N硫酸量(ml)、Fは1N
硫酸のファクター、Wは試料重量を示す。
【0091】2)セルローストリアセテートの粘度平均
重合度(DP) 絶乾したセルローストリアセテート約0.2gを精秤
し、メチレンクロライド:エタノール=9:1(重量
比)の混合溶媒100mlに溶解する。これをオストワ
ルド粘度計にて、25℃で落下秒数を測定し、重合度を
以下の式によって求める。
【0092】ηrel =T/Ts [η]=(lnηrel )/C DP=[η]/Km ここで、T:測定試料の落下秒数 Ts:溶媒単独の落下秒数 C:濃度(g/l) Km:6×10-4
【0093】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されるものではない。
【0094】実施例中の液晶表示装置に影響を与える耐
熱、耐湿、耐光性、ハロゲン化銀写真感光材料に影響を
与えるかぶり性、それに両方の性質に影響を与えるフィ
ルムのヘイズ等各性質の測定及び評価方法を以下の方法
により行った。
【0095】なおここでフィルムとはセルローストリア
セテートフィルム製造工程の最終段階の巻取り工程で巻
き取り後切り出したフィルムをいう(以下単にフィルム
と略すことがある)。
【0096】(フィルムの耐光性試験)株式会社スガ試
験機社製キャノンロングライフウエザーメーターを用い
てセルローストリアセテートフィルムを1000時間処
理した。耐光性は、処理前後のセルローストリアセテー
トフィルムの色調を東京電色社製ダブルビーム全自動色
差計(TC−1500MC)で測定し、JISZ−87
30−1980に規定されている「ハンターの色差式に
よる色差の計算」における黄色味を表す指標であるクロ
マティネックス指数bの処理前後の差の絶対値Δbを求
め、下記の基準によりランク付けを行った。
【0097】 ランク Δbの値 ○ 0.0以上0.1未満 △ 0.1以上0.5未満 × 0.5以上 (フィルムの耐湿熱性試験)セルローストリアセテート
フィルムを80℃、90%RHの雰囲気下に1000時
間放置した時の処理前後の色調を耐光性試験と同様に測
定Δbを求め、同様にしてランク付けを行った。
【0098】(フィルムのヘイズ)長手方向に100c
mごとに5個所サンプリングし、それぞれのフィルムの
ヘイズをJIS K−6714に従って測定し、ヘイズ
の安定性の指標とした。
【0099】(ハロゲン化銀写真感光材料のカブリ)市
販のコニカカラーフィルムLV400の24枚撮りフィ
ルムを、暗室にて一旦パトローネから引き出し、その写
真乳剤面側に、サンプルサイズ35mm×200mmに
切り出したセルローストリアセテートフィルムサンプル
を抱き合わせて、再びサンプルと共にパトローネ中に巻
き戻す。このパトローネを60℃、60%RH下の条件
で72時間及び168時間処理する。この後、抱き合わ
せたサンプルを取り除き、カラーフィルムについて通常
の現像処理を行い、発色の有無を調べる。サンプルを抱
き合わせなかった場合を比較として以下の基準でランク
付けを行った。
【0100】 ランク Δbの値 ○ 比較と同等 △ 僅かに発色が認められた × かなり発色が認められた。
【0101】[実施例1]水分0.09重量部含む、平
均酢化度61.0%、粘度平均重合度300のセルロー
ストリアセテート100重量部、水分0.05重量部含
む2,2,2−トリフルオロエタノールを360重量部
及びTPP12重量部を加圧密閉容器に投入し、2気圧
下、100℃に加温し、攪拌しながらセルローストリア
セテートを完全に溶解させドープを得た。ドープ中の水
分の量は0.95重量部を含んでいた。
【0102】得られたドープを80℃まで降温し、一晩
静置し脱泡した後、ドープを安積濾紙(株)製「安積濾
紙No.244」を使用してろ過し、製膜に供した。
【0103】定量型ギヤポンプでダイスに送液し、搬送
されているステンレスベルトに乾燥膜厚が120μmに
なるように流延した。80℃の温水で伝熱されたベルト
上で前半の乾燥を行い、後半は100℃の風を当ててウ
エブを乾燥させた。ベルトが1周するところでベルトか
らウエブを剥離し、ウエブの両端をクリップで坦持しな
がら120℃で5分、続いてロール搬送で140℃で2
0分乾燥させフィルム1を得た。
【0104】[実施例2]酸化防止剤として2,6−ジ
−t−ブチル−p−クレゾール0.04重量部を加えた
以外は実施例1と同様にしてフィルム2を得た。ドープ
中の水分量は0.95重量部であった。
【0105】[実施例3]酸化防止剤を除いて、水分
0.8重量部を含む平均酢化度60.0%、粘度平均重
合度310の水分セルローストリアセテート100重量
部、水分0.05重量部含む、2,2,3,3,3−ペ
ンタフルオロ−1−プロパノールを360重量部を含む
処方以外は実施例1と同様にしてフィルム3を得た。ド
ープ中の水分は0.85重量%であった。
【0106】[実施例4]酸化防止剤をペンタエリスリ
チル[3−(3−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシル)
プロピオネート]0.06重量部に代えた以外は実施例
2と同様にしてフィルム4を得た。
【0107】[実施例5]貧溶媒としてn−ブタノール
16重量部を加え、2,2,2−トリフルオロエタノー
ルを348重量部に減らした以外は実施例1と同様にし
てフィルム5を得た。
【0108】[実施例6]酸化防止剤としてトリエチレ
ングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.0
7重量部を加えた以外は実施例2と同様にしてフィルム
6を得た。
【0109】[実施例7]フルオロアルコールを2,
2,3,3,4,4,5,5−オクトフルオロ−1−ペ
ンタノール360重量部に代えた以外は実施例2と同様
にしてフィルム7を得た。
【0110】[実施例8]平均酢化度を59.5%と
し、また粘度平均重合度300を295とした以外は実
施例1と同様にフィルム8を作成した。
【0111】[比較例1]セルローストリアセテートの
平均酢化度、粘度平均重合度、及びフルオロアルコール
を、水分0.5重量部含有する、平均酢化度61.0
%、粘度平均重合度300のセルローストリアセテート
100重量部及び1,3−ジオキソラン360重量部に
代えた以外は実施例1と同様にして比較フィルム1を得
た。ドープ中の水分は0.5重量%であった。
【0112】[比較例2]酸化防止剤として2,6−ジ
−t−ブチル−p−クレゾール0.04重量部を加えた
以外は比較例1と同様して比較フィルム2を得た。
【0113】[比較例3]セルローストリアセテートを
水分を3.0重量部を含有する、平均酢化度59.5
%、粘度平均重合度295のセルローストリアセテート
363重量部に代えた以外は実施例2と同様にして比較
フィルム3を得た。ドープ中の水分は3.0重量%であ
った。
【0114】以上の試験結果を表1に示す。
【0115】
【表1】
【0116】[結果]本発明の第1の目的に対しては、
フルオロアルコールを主溶媒として用いたセルロースト
リアセテートフィルムは1,3−ジオキソランを同様に
主溶媒に用いた場合よりも耐熱性、耐湿性、耐光性及び
ハロゲン化銀写真感光材料のかぶりに対してすぐれた性
質を持っている事が分かった。またフルオロアルコール
と酸化防止剤とを組み合わせた場合、1,3−ジオキソ
ランと酸化防止剤との組み合わせよりもその耐久性がさ
らに大幅に増大することが分かった。
【0117】本発明の第2の目的に対しては、セルロー
ストリアセテート溶液中の水分を2.0重量%を超えて
製膜したものは、出来上がりセルローストリアセテート
フィルムのヘイズが異常に大きくなっていることが分か
り、製造中に水分量をコントロールすることが重要であ
る事を見出した。
【0118】
【発明の効果】塩素系溶媒を用いずにセルローストリア
セテートフィルムを作製出来る溶媒として、1,3−ジ
オキソランの提案があったが、従来用いられてきたメチ
レンクロライドよりも耐熱性、耐湿性、耐光性が劣って
いたが、本発明のフルオロアルコールと酸化防止剤とを
組み合わせたものはこれらの重要な性質を改善出来、脱
塩素系溶媒以外に有用な溶媒を提供出来る。また第2の
発明としてはドープ中の水分含有量を製造中にコントロ
ールすることによって、ヘイズが安定したセルロースト
リアセテートを提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03C 1/795 G03C 1/795 // B29K 1:00 B29L 7:00

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均酢化度が58.0%以上62.5%
    以下のセルローストリアセテートと、実質的に塩素系炭
    化水素を含まず、フルオロアルコール及び酸化防止剤を
    含有するセルローストリアセテート溶液を溶液流延法に
    よりセルローストリアセテートフィルムを形成すること
    を特徴とするセルローストリアセテートフィルムの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 平均酢化度が58.0%以上62.5%
    以下のセルローストリアセテートと、実質的に塩素系炭
    化水素を含まず、フルオロアルコールを含有し、0.0
    6〜2.0重量%の水分を含有するセルローストリアセ
    テート溶液を溶液流延法によりセルローストリアセテー
    トフィルムを形成することを特徴とするセルローストリ
    アセテートフィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記セルローストリアセテート溶液が酸
    化防止剤を含有することを特徴とする請求項2に記載の
    セルローストリアセテートフィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記酸化防止剤の内、下記一般式(I)
    で示される化合物を少なくとも1種含有することを特徴
    とする請求項1又は3に記載のセルローストリアセテー
    トフィルムの製造方法。 【化1】 (式中、R1はアルキル基を表し、R2、R3およびX
    は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール
    基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルケノキシ基、アリ
    ールオキシ基、アルキルチオ基、アルケニルチオ基、ア
    リールチオ基、ヘテロ環オキシ基、ヒドロキシ基、アミ
    ノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシ
    カルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ハロゲン
    原子、ニトロ基、シアノ基、アシル基、アシルオキシ基
    を表す。mは0〜2の整数を表す。R2、R3およびXは
    互いに同一でもよいし異なっていてもよい。)
  5. 【請求項5】 前記酸化防止剤が2,6−ジ−t−ブチ
    ル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス
    [3−(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
    ル)プロピオネート]又はトリエチレングリコール−ビ
    ス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4ヒドロキシ
    フェニル)プロピオネート]のいずれかより選ばれる少
    なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1又は
    3又は4のいずれかに記載のセルローストリアセテート
    フィルムの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記フルオロアルコールが40℃以上1
    65℃以下の沸点を有することを特徴とする請求項1乃
    至3のいずれかに記載のセルローストリアセテートフィ
    ルムの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記セルローストリアセテートが220
    以上500以下の粘度平均重合度を有することを特徴と
    する請求項1乃至6のいずれかに記載のセルローストリ
    アセテートフィルムの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記セルローストリアセテート溶液が、
    セルローストリアセテートの貧溶媒を全溶媒に対して5
    重量%以上50重量%以下含有していることを特徴とす
    る請求項1乃至7のいずれかに記載のセルローストリア
    セテートフィルムの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記セルローストリアセテート溶液が、
    可塑剤をセルローストリアセテートに対して5重量%以
    上30重量%以下含有していることを特徴とする請求項
    1乃至8のいずれかに記載のセルローストリアセテート
    フィルムの製造方法。
  10. 【請求項10】 平均酢化度が58.0%以上62.5
    %以下のセルローストリアセテートと、実質的に塩素系
    炭化水素を含まず、フルオロアルコール及び酸化防止剤
    を含有するセルローストリアセテート溶液を溶液流延法
    により製造されたことを特徴とするセルローストリアセ
    テートフィルム。
  11. 【請求項11】 平均酢化度が58.0%以上62.5
    %以下のセルローストリアセテートと、実質的に塩素系
    炭化水素を含まず、フルオロアルコール及び0.06〜
    2.0重量%の水分を含有するセルローストリアセテー
    ト溶液を溶液流延法により製造されたことを特徴とする
    セルローストリアセテートフィルム。
  12. 【請求項12】 前記セルローストリアセテート溶液が
    酸化防止剤を含有するセルローストリアセテート溶液を
    溶液流延法により製造されたことを特徴とする請求項1
    1に記載のセルローストリアセテートフィルム。
  13. 【請求項13】 下記一般式(I)で示される前記酸化
    防止剤を少なくとも1種含有するセルローストリアセテ
    ート溶液を溶液流延法により製造されたことを特徴とす
    る請求項10又は12に記載のセルローストリアセテー
    トフィルム。 【化2】 (式中、R1はアルキル基を表し、R2、R3およびX
    は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール
    基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルケノキシ基、アリ
    ールオキシ基、アルキルチオ基、アルケニルチオ基、ア
    リールチオ基、ヘテロ環オキシ基、ヒドロキシ基、アミ
    ノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシ
    カルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ハロゲン
    原子、ニトロ基、シアノ基、アシル基、アシルオキシ基
    を表す。mは0〜2の整数を表す。R2、R3およびXは
    互いに同一でもよいし異なっていてもよい。)
  14. 【請求項14】 前記酸化防止剤が2,6−ジ−t−ブ
    チル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキ
    ス[3−(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
    ル)プロピオネート]又はトリエチレングリコール−ビ
    ス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4ヒドロキシ
    フェニル)プロピオネート]のいずれかより選ばれる少
    なくとも1種を含有するセルローストリアセテート溶液
    を溶液流延法により製造されたことを特徴とする請求項
    10又は12又は13に記載のセルローストリアセテー
    トフィルム。
  15. 【請求項15】 前記フルオロアルコールが40℃以上
    165℃以下の沸点を有するセルローストリアセテート
    溶液を溶液流延法により製造されたことを特徴とする請
    求項10乃至12のいずれかに記載のセルローストリア
    セテートフィルム。
  16. 【請求項16】 前記セルローストリアセテートが22
    0以上500以下の粘度平均重合度を有するセルロース
    トリアセテート溶液を溶液流延法により製造されたこと
    を特徴とする請求項10乃至15のいずれかに記載のセ
    ルローストリアセテートフィルム。
  17. 【請求項17】 前記セルローストリアセテート溶液
    が、セルローストリアセテートの貧溶媒を全溶媒に対し
    て5重量%以上50重量%以下含有しているセルロース
    トリアセテート溶液を溶液流延法により製造されたこと
    を特徴とする請求項10乃至16のいずれかに記載のセ
    ルローストリアセテートフィルム。
  18. 【請求項18】 前記セルローストリアセテート溶液
    が、可塑剤をセルローストリアセテートに対して5重量
    %以上30重量%以下含有しているセルローストリアセ
    テート溶液を溶液流延法により製造されたことを特徴と
    する請求項10乃至17のいずれかに記載のセルロース
    トリアセテートフィルム。
  19. 【請求項19】 前記セルローストリアセテートフィル
    ム中のフルオロアルコールの残留溶媒率が2重量%以下
    であることを特徴とする請求項10乃至18のいずれか
    に記載のセルローストリアセテートフィルム。
  20. 【請求項20】 前記セルローストリアセテートフィル
    ム中のフルオロアルコールの残留溶媒率が0.4重量%
    以下であることを特徴とする請求項10乃至19のいず
    れかに記載のセルローストリアセテートフィルム。
  21. 【請求項21】 前記セルローストリアセテートフィル
    ム中のフルオロアルコールの残留溶媒率が0.1重量%
    以下であることを特徴とする請求項10乃至20のいず
    れかに記載のセルローストリアセテートフィルム。
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