JP2007146190A - セルローストリアセテートフィルムの製造方法及びセルローストリアセテートフィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】ドープの濃度はあまり変えないで粘度を低減し、製膜し易く、平面性や機械的物性に優れたセルローストリアセテートフィルムを提供することにある。
【解決手段】平均酢化度が59.0〜62.5%で粘度平均重合度が150〜550の範囲にある複数のロットの中から、粘度平均重合度の差が50〜300である二つのロットを重量割合として20/80〜80/20で混合したセルローストリアセテートを有機溶媒に溶解してドープを調製する工程と溶液流延製膜工程を通して製造することを特徴とするセルローストリアセテートフィルムの製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】平均酢化度が59.0〜62.5%で粘度平均重合度が150〜550の範囲にある複数のロットの中から、粘度平均重合度の差が50〜300である二つのロットを重量割合として20/80〜80/20で混合したセルローストリアセテートを有機溶媒に溶解してドープを調製する工程と溶液流延製膜工程を通して製造することを特徴とするセルローストリアセテートフィルムの製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明はハロゲン化銀写真感光材料又は液晶画像表示装置に有用なセルローストリアセテートフィルム及びセルローストリアセテートフィルムの製造方法に関する。
セルローストリアセテートフィルムは、その透明性と光学的等方性から、写真材料や光学材料に有用であり、特にハロゲン化銀写真感光材料用の支持体や液晶表示装置における偏光板の保護フィルム、カラーフィルターなどが代表的な用途である。セルローストリアセテートフィルムは、従来、溶液流延製膜法により製造されており、それはセルローストリアセテートを有機溶媒に溶解させた溶液(以降ドープともいうことがある)を支持体上に流延し、その支持体上で凝固したウエブを支持体から剥離し、有機溶媒を蒸発させて乾燥してフィルムとする方法である。
溶液流延製膜法は、調製されたドープをポンプで流延用装置に送り、流延装置として例えばダイからエンドレスに走行する鏡面化された金属支持体上に流延し、乾燥させながら、支持体がほぼ1周したところでドープ膜(ウェブともいう)を剥離し、乾燥装置(ロール群を通して搬送を行うか、ウェブの両端をクリップで留めてテンターで搬送するかして)では層しながら乾燥し、必要に応じて下引装置で下引層や帯電防止層を塗布し、更に乾燥して巻取り、セルローストリアセテートフィルムを作製する方法であり、当業界では常套手段として用いられている。
ところで、溶液流延製膜法は、セルローストリアセテートフィルム中に残存する溶剤を蒸発させることが必要であるから、高速製膜化するためには、乾燥速度を速めることが必要であった。このため、従来から乾燥温度を高くすることにより対応して来たが、乾燥温度を高くするにも限界があった。即ち、セルローストリアセテートフィルムは、乾燥工程で搬送される際、搬送方向に搬送張力を受けて、幅方向に圧縮力が生じ易く、高温乾燥によりセルローストリアセテートフィルムの弾性率は急激に低下し、セルローストリアセテートフィルムに座屈変形が起きて平面性が劣化し易くなる。
これに対して、特開昭62−37113号公報には、高濃度ドープを10℃以下の冷却ドラム上に流延し、続いてテンターにて幅保持しながら搬送し乾燥させるという高速製膜化する方法が提案されている。この方法では、高濃度ドープであって、且つ冷却ドラム上に直ぐにゲル化させるため、ドープ膜の流動性がなく、後でテンターで幅保持したとしても、流延直後に生じた平面性の劣化は矯正出来ないという欠点があった。
一方、ドープの粘度を低減する方法として、非晶性を高めたセルローストリアセテートを用いる特開平9−40792号公報の方法が提案されている。この方法によると、低粘度のセルローストリアセテートは、低分子量のセルローストリアセテートをケトン類、酢酸エステル類、セロソルブ類等で洗浄し、結晶化の原因の低分子量成分を除くことによって、また、セルローストリアセテートの製造段階で硫酸触媒をセルロースに対して10〜15重量%使用し、酢化度を若干低めることによって得られるとしている。
従来、高速製膜するために高濃度のドープや、流延後ゲル化するドープを用いたりしていたが、これらのドープでは流延直後のレベリングがされにくく仕上がりのフィルムの平面性の優れたセルローストリアセテートフィルムを得ることが難しかった。前記の高濃度ドープを使用する方法は、流延直後に支持体上でドープのレベリングが不充分であったり、ダイから流延される時メルトフラクチャーが発生してドープ膜に鮫肌が発生する場合もある。
逆にセルローストリアセテートフィルムを低濃度としたドープを用いる方法は、レベリングし易い代わりに、多量の有機溶媒の蒸発に時間がかかり、また、重合度の低いセルローストリアセテートを使用することも考えられるが、得られるフィルムの機械的強度(例えば引裂強度など)が著しく低下してしまうという問題がある。特開平9−40792号公報の低分子量セルローストリアセテートを除去したものを用いる方法では、抽出する溶媒、時間、設備等通常のセルローストリアセテートよりもコスト高となり、またセルロースに対して硫酸触媒を10〜15重量%含ませて反応させ、酢化度を若干低下させる方法とがあるが、前者は処理が煩雑でしかもコストアップになり兼ねないことと、後者は酢化度が低下することによる耐水性や機械的強度が低下する虞があることなどから実際問題として採用しがたいという問題がある。
本発明の目的はドープの濃度はあまり変えないで粘度を低減し、製膜し易く、平面性や機械的物性に優れたセルローストリアセテートフィルムを提供することにある。
本発明者らは上記課題を鋭意検討した結果、比較的低粘度のドープを使用し、従来欠点とされていた諸問題を解決することに成功した。即ちドープを低粘度化するために、セルローストリアセテートの粘度平均重合度に注目し、粘度平均重合度が低いものが共存していても、高いセルローストリアセテートがある割合以上存在させることによって機械的物性を高めておくことが出来ることを見いだし、低粘度化を成功させたのである。
本発明の上記の目的は下記の構成によって達成された。
(1)平均酢化度が59.0〜62.5%で粘度平均重合度が150〜550の範囲にある複数のロットの中から、粘度平均重合度の差が50〜300である二つのロットを重量割合として20/80〜80/20で混合したセルローストリアセテートを有機溶媒に溶解してドープを調製する工程と溶液流延製膜工程を通して製造することを特徴とするセルローストリアセテートフィルムの製造方法。
(2)ドープ中のセルローストリアセテートの濃度が、10〜35重量%であることを特徴とする(1)に記載のセルローストリアセテートフィルムの製造方法。
(3)ドープが、可塑剤をセルローストリアセテートに対して5〜30重量%含有していることを特徴とする(1)又は(2)に記載のセルローストリアセテートフィルムの製造方法。
(4)前記有機溶媒が、75〜98重量%のメチレンクロライドと2〜25重量%の炭素原子数1〜6のアルコールを含有していることを特徴とする(1)乃至(3)の何れか1項に記載のセルローストリアセテートフィルムの製造方法。
(5)前記有機溶媒が、75〜87重量%のメチレンクロライドと13〜25重量%の炭素原子数1〜6のアルコールを含有していることを特徴とする(4)に記載のセルローストリアセテートフィルムの製造方法。
(6)前記有機溶媒が、60重量%以上のアセトン、酢酸メチル、ギ酸エチルから選ばれる少なくとも1種を含有していることを特徴とする(1)乃至(3)の何れか1項に記載のセルローストリアセテートフィルムの製造方法。
(7)前記有機溶媒が、60〜95重量%の酢酸メチル、ギ酸エチルから選ばれる少なくとも1種と5〜40重量%のアセトンを含有していることを特徴とする(6)に記載のセルローストリアセテートフィルムの製造方法。
(8)ドープを調製する工程が、有機溶媒にセルローストリアセテートを添加した混合物を−100〜−10℃に冷却する工程と、冷却した混合物を0〜120℃に加熱してセルローストリアセテートを溶解する工程とを有することを特徴とする(1)乃至(7)の何れか1項に記載のセルローストリアセテートフィルムの製造方法。
(9)ドープを調製する工程が、有機溶媒にセルローストリアセテートを添加した混合物を50〜4000kgf/cm2の圧力下に保持する工程と、続けて加圧された混合物を0.1〜10kgf/cm2の圧力下に保持する工程を有することを特徴とする(1)乃至(7)の何れか1項に記載のセルローストリアセテートフィルムの製造方法。
(10)(1)乃至(9)の何れか1項に記載の方法により製造されたセルローストリアセテートフィルム。
セルローストリアセテート溶液(ドープ)の粘度を、低粘度のセルローストリアセテートと高粘度のセルローストリアセテートと混合して使用することによって、平面性、透明性、機械的強度に優れたセルローストリアセテートフィルムの製造方法を提供出来る。
また、本発明で得られるセルローストリアセテートフィルムは、上記の特性からハロゲン化銀写真感光材料又は液晶画像表示装置に有用である。
本発明を詳細に説明する。
本発明に使用するセルローストリアセテートは59.0〜62.5%の酢化度を有するものである。酢化度はセルロースの水酸基に酢酸が反応した酢酸(CH3COOH)の重量を%で表したもので、最高に反応した場合が62.5%である。酢化度の測定はASTMのD−817−91のセルロースアセテート等の試験方法に記載されている方法によって測定できる。
一般に使用されているセルローストリアセテートの粘度平均重合度は大凡250〜600のものである。セルローストリアセテートから作られるフィルム、繊維又は成型品は、機械的強度がタフであることが要求されるため、機械的強度が安定的に得られる粘度平均重合度は200以上あることが必要とされており、祖父江寛、右田伸彦編「セルロースハンドブック」朝倉書房(1958)や、丸沢廣、宇田和夫編「プラスチック材料講座17」日刊工業新聞社(1970)に同様なことが記載されている。
本発明に使用されるセルローストリアセテートの粘度平均重合度は150〜550の範囲のものである。低粘度の低重合度のものは、機械的強度が低く一般的には用いられていないが、本発明ではこの低粘度品をより高い粘度平均重合度のものに混合する方法であり、仮に区分すると、比較的低粘度品を粘度平均重合度が150〜300程度とし、高粘度品の粘度平均重合度を250〜550程度とすると、低粘度平均重合度と高粘度平均重合度との差が50乃至300ある二つのロットを20/80〜80/20の割合で混合使用するにとによって、機械的強度を落とすことなく、低粘度のドープを使用することが出来、合目的のドープ粘度に仕上げることが出来る。混合比はそれぞれのロットの粘度によって異なるが、好ましくは高粘度ロット/低粘度ロットの比は30/70〜70/30であり、更に好ましくは40/60〜60/40である。
ここで、ロットとはセルローストリアセテートが合成されるときのある平均値を有する集合体であって、1回の合成で、1ロットの場合もあるし、何ロットも出来る場合もある。また、本発明で使用するロット数は二つであるが、3ロット以上を混合しても構わないセルローストリアセテートは、一般に、綿花のリンターや木材パルプ等のセルロースに、反応剤としてセルロースの水酸基に対して過剰量の無水酢酸、反応溶媒として酢酸やメチレンクロライド、反応触媒として硫酸等を用いて反応して得られる。この際、加水分解反応も同時に起こりセルロース分子の主鎖が解裂して重合度が低下したり、酢化度が低下する。従ってセルロースの量に対する各薬品の量や温度、時間等を調節して反応をコントロールする必要がある。本発明に使用する低粘度のセルローストリアセテートのロットは上記のようにコントロールして調製したロットを使用するが、たまたま出来てしまった低粘度品ロットも使用することが出来る。
また本発明においては、セルロースの原料の点から見て、綿花リンターであっても、木材パルプであってもよく、これらを混合して用いてもよい。またリンターから酢化反応して得られたセルローストリアセテートのロットと、木材パルプからのセルローストリアセテートのロットを重合度差さえ合えば混合して使用してもよい。
本発明に用いられるセルローストリアセテートは写真用グレードのものが好ましく、市販の写真用グレードのものは粘度平均重合度、酢化度等の品質を満足して入手することができる。写真用グレードのセルローストリアセテートのメーカーとしては、ダイセル化学工業(株)、コートルズ社、ヘキスト社、イーストマンコダック社等があり、何れの写真用グレードのセルローストリアセテートも使用できる。また低粘度品(低粘度平均重合度品)についても特別にメーカーより購入することが出来る。
本発明のドープに使用される有機溶媒は、セルローストリアセテートを単独で或いは他の溶剤と混合して溶解できる溶剤であれば特に制限はないが、各有機溶媒の沸点付近で溶解させるか、ほぼ常圧に近い圧力下で溶解出来るものとして、例えばメチレンクロライド、エチレンクロライドなどのハロゲン化炭化水素類、ニトロメタン、ニトロプロパンなどのニトロ化合物、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサンなどの4から7員環を有する環状ジエーテル化合物、2,2,2−トリフルオロエタノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールなどの炭素数2〜10のフッ化アルコールなどが好ましく用いられる。またセルローストリアセテートを上記の状態で溶解しにくい有機溶媒は、低温処理をしてから溶解したり、高圧下で処理をすることによって溶解するものもある。これらに適する有機溶媒としては、酢酸メチル、ギ酸エチルなどのエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類等、であり、本発明においては、酢酸メチル、ギ酸エチル、アセトンを好ましく用いることが出来る。何れの有機溶媒もドープ中の全有機溶媒に対して60重量%以上用いるのが好ましい。
メチレンクロライドを使用してほぼ常圧で溶解する場合には、ドープ中の全有機溶媒量に対してメチレンクロライドの割合は、75重量%以上98重量%以下が好ましく、更には、75重量%以上87重量%以下が好ましい。この場合、溶解性を高めるため、或いは高速製膜を可能にするための炭素原子数1乃至6のアルコールを2重量%乃至25重量%共存させるのが好ましい。特に、該アルコールを13重量%乃至25重量%を含有させるのが、高速製膜のために好ましい。
メチレンクロライドの他、溶解性が高く、かつ沸点が低く乾燥負荷の少ない1,3−ジオキソラン、2,2,2−トリフルオロエタノールを好ましく用いることが出来る。勿論これらの溶剤はメチレンクロライド、アセトン、酢酸メチル、ギ酸エチル等と混合して用いてもよい。
本発明のドープを冷却溶解、或いは高圧溶解法に用いられる有機溶媒としての酢酸メチルやギ酸エチル及びアセトンは、常温では、セルローストリアセテートを溶解せず膨潤するだけであるが、特開平9−95538号や特開平9−95544号公報に記載されている冷却溶解法、或いは特に本発明者らによって開発された高圧溶解法を用いることによって溶解出来る。ところが、この方法から得られるセルローストリアセテート溶液は、粘度が高くなりがちであるが、本発明者らは、酢酸メチル又はギ酸エチルにアセトンを併用することによりセルローストリアセテート溶液粘度を低減することが出来ることを見い出した。アセトンを併用する割合としては、有機溶媒に対して、酢酸メチル又はギ酸エチルを全有機溶媒量に対して60〜95重量%、アセトンを5〜40重量%の割合で併用することが特に好ましい。
上記有機溶媒には、更に貧溶媒(セルロースエステルを単独では溶解せず、膨潤するか溶解しない溶媒)を混合してもよい。例えば上記の炭素原子数1〜6のアルコールを用いたが、これらは単独ではセルローストリアセテートを溶解する能力はないが、共存させることによって、溶解性を向上させたり、貧溶媒としてのアルコールを多く添加したセルローストリアセテートのメチレンクロライド溶液は粘度が高めとなるが、低温に維持された支持体上に流延すると、セルローストリアセテート溶液がゲル化し強度が強くなるので、支持体のベルトやドラム上からはぎ取るのが容易となる利点がある。しかし本発明のセルローストリアセテートを混合して用いることによってドープ粘度を低下させてしかもゲル化させることも出来る。本発明に用いられる貧溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、シクロヘキサノールなどの炭素数が1〜6の低級アルコールの他、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピルアセテート、モノクロルベンゼン、ベンゼン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、メチルセルソルブ、エチレングリコール、モノメチルエーテル、トルエンなどを挙げることができる。中でもメタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール、シクロヘキサンが好ましい。これら貧溶媒を添加する割合としては、セルローストリアセテートの溶解性を向上させる目的では、2〜12重量%とすることが好ましい。また、セルローストリアセテート溶液を低温でゲル化させる目的のためには、13〜25重量%であることが好ましい。
本発明のドープの調製方法には、通常の方法の使用の有機溶媒の沸点以下で、またほぼ常圧において調製される通常の溶解方法、−10℃以下という低温で調製する冷却溶解方法、及び高圧下で調製する高圧溶解方法とがある。
本発明で用いる常圧の溶解方法は、セルローストリアセテート及び溶媒を溶解容器に入れ、常温で、或いは溶媒が沸騰しない温度条件下で攪拌混合することにより得られる。攪拌混合は、容器内部の液膜残りのないような装置や方式であることが好ましい。また容器内には窒素ガスなどの不活性ガスで充満させて分解を抑制してもよい。必要により、加圧容器などを用いて加圧条件下で攪拌混合してもよい。
本発明で用いる冷却溶解方法は、その詳細は、前述の特開平9−95538号公報などに記載されている方法を参考にすることが出来る。この方法は、先ず有機溶媒中にセルローストリアセテートを撹拌しながら徐々に添加する。この段階では、セルローストリアセテートは溶媒中で膨潤している状態の混合物となっている。次に、この混合物を冷却する。冷却温度は、溶媒の凝固点以上の温度であればよく、−100〜−10℃の温度範囲である。温度が低いほど溶解時間を短縮することができる。次いで、この冷却物を0〜120℃の温度に加温すると、セルローストリアセテートが溶媒中に溶解し均一な溶液が得られる。加温する温度は、高い程溶解時間を短縮できるが、溶媒が発泡してセルローストリアセテート溶液中に気泡が入ってしまう場合がある。この場合は容器内の温度を発泡しない温度まで下げるか、圧力を高めて発泡を抑えればよい。更に溶解を速めるために、冷却、加温の操作を繰り返してもよい。溶解が十分であるかどうかは、目視により溶液の外観を観察することで判断することができる。冷却溶解方法においては、冷却時の結露による水分の混入を避けるため、密閉容器を用いることが好ましい。また、冷却操作において冷却時に加圧し加温時に減圧すると、更に溶解時間を短縮することができる。加圧及び減圧を実施するためには、耐圧性容器を用いることが好ましい。
更に、本発明で用いる高圧溶解方法は、有機溶媒とセルローストリアセテートとの混合物を、可能な限り全方向から圧力を掛けることが出来る容器(例えば、袋状のアルミニウム容器)に入れ、高圧力下に保持し、次いで圧力を解放し混合物を常圧下付近に保持することによってセルローストリアセテート溶液を溶解調製することが出来、本発明においてはメチレンクロライド以外の有機溶媒の溶解方法としては好ましく用いることが出来る。最初に、有機溶媒(アセトン、酢酸メチル、ギ酸エチル、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン等の溶媒)中に、セルローストリアセテートを撹拌しながら徐々に添加する。この段階ではセルローストリアセテートは溶媒中で膨潤している状態の混合物となっている。次に、この混合物を、高圧力下に保持する。圧力は、50kgf/cm2以上から効果が認められ、高い程溶解時間が短縮できるが、あまり高すぎると設備が大型になりすぎるし、溶解時間の短縮効果も徐々に飽和してくるので、4000kgf/cm2以下であれば十分な効果が得られる。次に、圧力を解放し、この混合物を0.1〜10kgf/cm2の圧力下に保持することによりセルローストリアセテートが溶媒中に溶解し均一な溶液が得られる。なお、溶解を速めるために、加圧、解放の操作を繰り返してもよい。溶解が十分であるかどうかは、目視により溶液の概観を観察することで判断することができる。溶解させる容器は特に限定はなく圧力に耐える強度、構造であれば良い。密閉容器等を用いてバッチ式に行ってもよいし、一軸や二軸式の押し出し機や混練機等で連続的に行っても良い。また、加圧操作において冷却し、解放操作において加温すると、更に溶解時間を短縮することが出来る。
本発明のドープ中のセルローストリアセテートの濃度は、セルローストリアセテートフィルム製膜時の乾燥効率の点から、なるべく高濃度であることが好ましいが、あまり高濃度になると溶液の粘度が大きすぎて、フィルムにした時の平面性の改良が十分得られない場合があるので、好ましいドープ濃度は、10〜40重量%の範囲である。更に15〜35重量%の範囲が好ましい。
本発明では、ドープ中のセルローストリアセテートの濃度を、前記の如く、最初から10〜40重量%の範囲としてもよいのであるが、最初は低濃度溶液とし、フィルム製膜時の溶液流延直前に溶媒を蒸発させて、高濃度溶液を調製する方法も好ましい方法として挙げられる。低濃度溶液中のセルローストリアセテート濃度は、1〜10重量%、高濃度化した溶液中のセルローストリアセテートは上記の範囲が好ましい。濃縮方法については、特に限定はなく、例えば、低濃度溶液を、筒体とその内部の周方向に回転する回転羽根外周の回転軌跡との間に導くとともに、溶液との間に温度差を与えて溶媒を蒸発させながら高濃度溶液を得る方法(例えば、特開平4−259511号公報等)、加熱した低濃度溶液をノズルから容器内に吹き込み、溶液をノズルから容器内壁に当たるまでの間で溶媒をフラッシュ蒸発させるとともに、溶媒蒸気を容器から抜き出し、高濃度溶液を容器底から抜き出す方法(例えば、USP2,541,012号、同2,858,229号、同4,414,341号、同4,504,355号各明細書等)などに記載の方法で実施できる。
本発明のドープは低粘度であり、未溶解物やゴミ、不純物などの異物を濾過除去するのが非常に容易であり、濾過効率を向上することが出来る。
本発明のドープの各調製工程の何れにおいても用途に応じた種々の添加剤を加えることができる。
ハロゲン化銀写真感光材料用には機械的性質の向上或いは耐水性を付与するために可塑剤、ライトパイピング防止用の着色剤或いは紫外線防止剤が、また液晶画面表示装置用には耐熱耐湿性を付与する酸化防止剤などを添加することが好ましい。
可塑剤としては、リン酸エステル、カルボン酸エステル、グリコール酸エステル等が好ましく用いられる。リン酸エステルの例としては、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等があり、カルボン酸エステルの例としては、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジエチルヘキシルフタレート、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、トリメリット酸エステル等があり、グリコール酸エステルの例としては、トリアセチン、トリブチリン、ブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等がある。中でもトリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリブチルホスフェート、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジエチルヘキシルフタレート、トリアセチン、エチルフタリルエチルグリコレートが好ましい。特にトリフェニルホスフェート、ジエチルフタレート、エチルフタリルエチルグリコレートが好ましい。これらの可塑剤は1種でもよいし2種以上併用してもよい。可塑剤の添加量はセルローストリアセテートに対して5〜30重量%、特に8〜16重量%が好ましい。これらの化合物は、セルローストリアセテート溶液の調製の際に、セルローストリアセテートや溶媒と共に添加してもよいし、溶液調製中や調製後に添加してもよい。
更に下記一般式(I)、(II)又は(III)で示される化合物を添加してもよい。
一般式(I)、(II)、(III)の式中、Rは、それぞれ炭素原子数が1以上4以下のアルキル基である。上記一般式(I)、(II)又は(III)で示される化合物の例としては、リン酸2,2′−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウム(アデカスタブNA−10、旭電化(株)製)及びビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール(NC−4、三井東圧化学(株)製)が含まれる。
酸化防止剤としては、下記一般式(IV)で表されるものが用いられる。
酸化防止剤としては、下記一般式(IV)で表されるものが用いられる。
一般式(IV)のR1はアルキル基を表し、R2、R3及びXは、それぞれ水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルケノキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アルケニルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環オキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アシル基、アシルオキシ基を表す。mは0〜2の整数を表す。R2、R3及びXは互いに同一でもよいし異なっていてもよい。上記アルキル基は、例えば、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、t−ブチル、シクロヘキシル、t−ヘキシル、t−オクチル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、ベンジル等の直鎖、分岐、又は環状のアルキル基を表し、上記アルケニル基は、例えば、ビニル、アリル、2−ペンテニル、シクロヘキセニル、ヘキセニル、ドデセニル、オクタデセニル等の直鎖、分岐、又は環状のアルケニル基を表し、上記アリール基は、例えば、フェニル、ナフチル、アントラニルなどのベンゼン単環や縮合多環のアリール基を表し、上記ヘテロ環基は、例えば、フリル、ピロリル、イミダゾリル、ピリジル、プリニル、クロマニル、ピロリジル、モルホリニル等の窒素原子、硫黄原子、酸素原子の少なくとも一つを含む5〜7員環からなる基を表す。中でもヒンダードフェノール系の化合物が好ましく、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイトなどが挙げられる。特に2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が最も好ましい。また例えば、N,N′−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジンなどのヒドラジン系の金属不活性剤やトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイトなどの燐系加工安定剤を併用してもよい。これらの化合物の添加量は、セルローストリアセテートに対して重量割合で1ppm〜1.0%が好ましく、10〜1000ppmが更に好ましい。
ライトパイピング防止用の着色剤としては下記一般式(V)、(VI)に示す化合物が挙げられる。
一般式(V)及び(VI)の式中、Xは酸素原子、又は、NR23を表す。R1〜R8、R12〜R23は、それぞれ水素原子、水酸基、脂肪族基、芳香族基、複素環基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、COR9、COOR9、NR9R10、NR10COR11、NR10SO2R11、CONR9R10、SO2NR9R10、COR11、SO2R11、OCOR11、NR9CONR10R11、CONHSO2R11、又はSO2NHCOR11を表し、R9、R10はそれぞれ水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基を表し、R11は脂肪族基、芳香族基、又は複素環基を表す。
R1〜R23で表される脂肪族基は、炭素数1〜20のアルキル基(例えば、メチル、エチル、n−ブチル、イソプロピル、2−エチルヘキシル、n−デシル、n−オクタデシル)、炭素数1〜20のシクロアルキル基(例えば、シクロベンジル、シクロヘキシル)又はアリル基を表し、これらは更に置換基(例えば、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、カルボン酸基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数0〜20のアミノ基、炭素数1〜20のアミド基、炭素数1〜20のカルバモイル基、炭素数2〜20のエステル基、炭素数1〜20のアルコキシ基又はアリーロキシ基、炭素数1〜20のスルホンアミド基、炭素数0〜20のスルファモイル基、5又は6員の複素環を有していてもよい。R1〜R23で表される芳香族基は炭素数6〜10のフェニル、ナフチルなどのアリール基を表し、前記に挙げた置換基及び炭素数1〜20のメチル、エチル、n−ブチル、t−ブチル、オクチルなどのアルキル基からなる置換基を有していてもよい。R1〜R11で表される複素環基は、5又は6員の複素環を表し、前記の置換基を有していてもよい。以下化4〜化9に一般式(V)及び(VI)で表される化合物の好ましい例(V−1)〜(V−25)、及び(VI−1)〜(VI−4)を示す。
R1〜R23で表される脂肪族基は、炭素数1〜20のアルキル基(例えば、メチル、エチル、n−ブチル、イソプロピル、2−エチルヘキシル、n−デシル、n−オクタデシル)、炭素数1〜20のシクロアルキル基(例えば、シクロベンジル、シクロヘキシル)又はアリル基を表し、これらは更に置換基(例えば、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、カルボン酸基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数0〜20のアミノ基、炭素数1〜20のアミド基、炭素数1〜20のカルバモイル基、炭素数2〜20のエステル基、炭素数1〜20のアルコキシ基又はアリーロキシ基、炭素数1〜20のスルホンアミド基、炭素数0〜20のスルファモイル基、5又は6員の複素環を有していてもよい。R1〜R23で表される芳香族基は炭素数6〜10のフェニル、ナフチルなどのアリール基を表し、前記に挙げた置換基及び炭素数1〜20のメチル、エチル、n−ブチル、t−ブチル、オクチルなどのアルキル基からなる置換基を有していてもよい。R1〜R11で表される複素環基は、5又は6員の複素環を表し、前記の置換基を有していてもよい。以下化4〜化9に一般式(V)及び(VI)で表される化合物の好ましい例(V−1)〜(V−25)、及び(VI−1)〜(VI−4)を示す。
着色剤の含有量は、セルローストリアセテートに対する重量割合で10〜1000ppmが好ましく、50〜500ppmが更に好ましい。この様に着色剤を含有させることにより、セルローストリアセテートフィルムのライトパイピングが減少でき、黄色味を改良することができる。これらの化合物は、ドープの調製の際に、セルローストリアセテートや有機溶媒と共に添加してもよいし、溶液調製中や調製後に添加してもよい。
また、本発明のドープには、必要に応じて更に種々の添加剤を溶液の調製前から調製後の何れの段階で添加してもよい。添加剤としては、紫外線吸収剤、カオリン、タルク、ケイソウ土、石英、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、アルミナなどの無機微粒子、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属の塩などの熱安定剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、油剤等である。
これらの添加剤を加えたドープは流延に先だって金網やネルなどの適当な濾材を用いて、未溶解物やゴミ、不純物などの異物を濾過除去しておくのが好ましい。
本発明のドープを用いたセルローストリアセテートフィルムの製膜方法について述べる。
本発明のセルローストリアセテートフィルムを製造する設備としては従来セルローストリアセテートフィルムの製造に用いられている溶液流延製膜法のものが利用できる。その設備と製造方法の概略を述べると、前述の調製装置で調製されたドープは、例えば回転数によって高精度に定量送液できる加圧型定量ギヤポンプを通して加圧型ダイに送られる。精密ギヤポンプから加圧ダイに送り込まれたドープは加圧型ダイの口金(スリット)からエンドレスに回転している支持体の上に均一に流延され、支持体がほぼ一周したところで、生乾きのフィルム(ウェブ)として支持体から、回転しているロール群に通されながら乾燥され、乾燥されたフィルムは搬送後巻き取り機で所定の長さに巻き取られる。
本発明に有用な流延方法としては、調製されたドープを加圧ダイから支持体上に均一に押し出す方法、一旦支持体上に流延されたドープをブレードで膜厚を調節するドクターブレードによる方法、或いは逆回転するロールで調節するリバースロールコーターによる方法等の流延装置があるが、加圧ダイによる方法が好ましい。加圧ダイにはコートハンガータイプやTダイタイプ等があるが何れも好ましく用いることができる。また、ここで挙げた方法以外にも従来知られているセルローストリアセテート溶液からセルローストリアセテートを流延製膜する種々の方法(例えば特開昭61−94724号、同61−148013号、特開平4−85011号、同4−286611号、同5−185443号、同5−185445号、同6−278149号、同8−207210号公報などに記載の方法)を好ましく用いることができ、用いる溶媒の沸点等の違いを考慮して各条件を設定することによりそれぞれの公報に記載の内容と同様の効果が得られる。
本発明のセルローストリアセテートフィルムを製造するのに使用されるエンドレスに走行する支持体としては、表面がクロムメッキによって鏡面仕上げされたドラムや表面研磨によって鏡面仕上げされたステンレスベルト(バンドといってもよい)が用いられる。
本発明のセルローストリアセテートフィルムの製造に用いられる加圧ダイの支持体上への配置は1基或いは2基以上の設置でもよい。好ましくは1基又は2基である。2基以上設置する場合には流延するドープ量をそれぞれのダイスに種々な割合にわけてもよく、複数の精密定量ギヤポンプからそれぞれの割合でダイにドープを相液する。
本発明のセルローストリアセテートフィルムの製造に係わる支持体上におけるドープの乾燥は、一般的にはドラム或いはベルトの表面側、つまり支持体上にあるウェブの表面から熱風を当てる方法、ドラム或いはベルトの裏面から熱風を当てる方法、温度コントロールした液体をベルトやドラムのドープ流延面の反対側の裏面から接触させて、伝熱によりドラム或いはベルトを加熱し表面温度をコントロールする液体伝熱方法などがあるが、裏面液体伝熱方式が好ましい。
流延される前の支持体の表面温度はドープに用いられている溶媒の沸点以下であれば何度でもよい。しかし乾燥を促進するためには、また支持体上での流動性を失わせるためには、使用される溶媒の内の最も沸点の低い溶媒の沸点より1から10℃低い温度に設定することが好ましい。
セルローストリアセテートフィルムを製造する速度はベルトの長さ、乾燥方法、ドープ溶媒組成等によっても変化するが、ウェブをベルトから剥離する時点での残留溶媒の量によって殆ど決まってしまう。つまり、ドープ膜の厚み方向でのベルト表面付近での溶媒濃度が高すぎる場合には、剥離した時、ベルトにドープが残ってしまい、次の流延に支障を来すため、剥離残りは絶対あってはならないし、更に剥離する力に耐えるだけのウェブ強度が必要であるからである。剥離時点での残留溶媒量は、ベルトやドラム上での乾燥方法によっても異なり、ドープ表面から風を当てて乾燥する方法よりは、ベルト或いはドラム裏面から伝熱する方法のほうが効果的に残留溶媒量を低減することができるのである。
本発明のセルローストリアセテートフィルムの製造に係わるウェブ(ここで、ウェブとは剥離されたドープ膜から乾燥されてフィルムに至るまでをウェブと呼ぶことにするが、それらの境界は定かではない)乾燥方法について述べる。支持体が1周する直前の剥離位置で剥離されたウェブは、千鳥状に配置されたロール群に交互に通して搬送する方法や剥離されたウェブの両端をクリップで把持させて非接触的に搬送する方法などにより搬送しつつ、搬送中のウェブ両面に所定の温度の風を当てる方法やマイクロウェーブなどの加熱手段などを用いる方法によって乾燥が行われる。急速な乾燥はウェブの平面性を損なう虞があるので、乾燥の初期段階では、溶媒が発泡しない程度の温度で乾燥し、乾燥が進んでから高温で乾燥を行うのが好ましい。
支持体から剥離後の乾燥工程では、溶媒の蒸発によってウェブは幅方向に収縮しようとする。高温度で乾燥するほど収縮が大きくなる。この収縮は可能な限り抑制しながら乾燥することが、出来上がったフィルムの平面性を良好にする上で好ましい。この点から、例えば、特開昭62−46625号公報に示されているような乾燥全工程或いは一部の工程を幅方向にクリップでウェブの幅両端を幅保持しつつ乾燥させる方法(テンター方式)が好ましい。
更には、積極的に幅方向に延伸する方法もあり、本発明では、例えば、特開昭62−115035号、特開平4−152125号、同4−284211号、同4−298310号等の公報に記載の延伸方法も使用し得る。
本発明のセルローストリアセテートフィルムの乾燥工程における乾燥温度は40から250℃、特に70から180℃が好ましい。使用する溶媒によって乾燥温度、乾燥風量及び乾燥時間が異なり、使用溶媒の種類、組合せに応じて適宜選べばよい。最終仕上がりフィルムの残留溶媒量は2重量%以下、更に0.4重量%以下であることが、寸度安定性が良好なフィルムを得る上で好ましい。
これら流延から後乾燥までの工程は、空気雰囲気下でもよいし窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下でもよい。
本発明のセルローストリアセテートフィルムの製造に係わる巻き取り機は一般的に使用されているものでよく、定テンション法、定トルク法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法などの巻き取り方法で巻き取ることができる。
本発明の出来上がり(乾燥後)のセルローストリアセテートフィルムの厚さは、使用目的によって異なるが、通常5〜500μmの範囲であり、更に40〜250μmの範囲が好ましく、特に60〜125μmの範囲が最も好ましい。フィルム厚さの調整は、所望の厚さになるように、ドープ中に含まれる固形分濃度、ダイの口金のスリット間隙、ダイからの押し出し圧力、支持体速度等を調節すればよい。
ここで、酢化度及び粘度平均重合度の測定方法について述べる。
1)セルローストリアセテートの酢化度(%)
酢化度は、ASTMD817−91に準じて行い、ケン化法によって測定するものとする。乾燥したセルローストリアセテートを精秤し、アセトンとジメチルスルホキシドとの混合溶媒(容量比4:1)に溶解した後、所定の1N水酸化ナトリウム水溶液を添加し、25℃で2時間ケン化する。フェノールフタレインを指示薬として添加し、1N硫酸(濃度ファクター;F)で過剰の水酸化ナトリウムを滴定する。また、上記と同様な方法により、ブランクテストを行う。そして、下記に従って酢化度(%)を算出する。
酢化度は、ASTMD817−91に準じて行い、ケン化法によって測定するものとする。乾燥したセルローストリアセテートを精秤し、アセトンとジメチルスルホキシドとの混合溶媒(容量比4:1)に溶解した後、所定の1N水酸化ナトリウム水溶液を添加し、25℃で2時間ケン化する。フェノールフタレインを指示薬として添加し、1N硫酸(濃度ファクター;F)で過剰の水酸化ナトリウムを滴定する。また、上記と同様な方法により、ブランクテストを行う。そして、下記に従って酢化度(%)を算出する。
酢化度(%)={6.005×(B−A)×F}/W式中、Aは試料の滴定に要する1N硫酸量(ml)、Bはブランクテストに要する1N硫酸量(ml)、Fは1N硫酸のファクター、Wは試料重量を示す。
2)セルローストリアセテートの粘度平均重合度(DP)
絶乾したセルローストリアセテート約0.2gを精秤し、メチレンクロライドとエタノールの混合溶媒(重量比9:1)100mlに溶解する。これをオストワルド粘度計にて、25℃で落下秒数を測定し、重合度を以下の式によって求める。
絶乾したセルローストリアセテート約0.2gを精秤し、メチレンクロライドとエタノールの混合溶媒(重量比9:1)100mlに溶解する。これをオストワルド粘度計にて、25℃で落下秒数を測定し、重合度を以下の式によって求める。
ηrel=T/Ts[η]=(lnηrel)/CDP=[η]/Kmここで、T :測定試料の落下秒数Ts:溶媒の落下秒数C :濃度(g/l)
Km:6×10−4
Km:6×10−4
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されるものではない。
フィルムの残留溶媒量は下記の如く測定した。
有機溶媒を含有している試験フィルム或いはウェブの重量(W)を精秤し、次に前記フィルム或いはウェブを150℃で3時間加熱した後、水分を吸わないように室温まで冷却し秤量する。絶乾フィルム或いは絶乾ウェブの重量(D)として、残留溶媒量(%)={(W−D)/D}×100で求めた。
実施例中のドープの粘度、フィルムの平面性、ヘイズ、引裂強度、引張強度、弾性率、耐折度の各測定及び評価方法は以下の方法で行った。なお、ここでフィルムとはセルローストリアセテートフィルム製造工程の最終段階の巻き取り工程で巻き取り後切り出した乾燥されたフィルムをいう。
〈ドープの粘度の測定〉粘度計B型(トキメック社製)により溶液温度を30℃に保持しながら測定した。
〈平面性〉平坦な机の上に黒紙を貼りその上に大きさ100cm×40cmの試料フィルムを置き、斜め上方に配置した3本の蛍光灯をフィルムに映して蛍光灯の曲がり具合で平面性を評価し、次の基準でランク付けした。
A:蛍光灯が3本とも真っ直ぐに見える
B:蛍光灯が若干曲がったように見えるところがある
C:蛍光灯が曲がって見えるD:蛍光灯が大きく畝って見える。
A:蛍光灯が3本とも真っ直ぐに見える
B:蛍光灯が若干曲がったように見えるところがある
C:蛍光灯が曲がって見えるD:蛍光灯が大きく畝って見える。
〈ヘイズ〉JIS K−6714に従って、ヘイズメーター(1001DP型、日本電色工業(株)製)を用いて測定した。
〈引裂強度〉フィルムを温度23℃、相対湿度55%RHに調湿された部屋で4時間調湿した後、試料寸法50mm×64mmに切り出し、ISO 6383/2−1983に従い測定して求めた。
〈引張強度と弾性率〉フィルムを温度23℃、相対湿度55%RHに調湿された部屋で4時間調湿した後、試料幅10mm、長さ200mmに切断し、チャック間距離100mmにして引っ張り速度100mm/分で引っ張り試験を行い求めた。
〈耐折度〉フィルムを温度23℃、相対湿度55%RHに調湿された部屋で4時間調湿した後、試料長さ120mmに切り出し、ISO 8776/2−1988に従い、折り曲げによって切断するまでの折り曲げ回数を測定した。
実施例1酢化度が61.0%で粘度平均重合度が200のセルローストリアセテート50重量部、酢化度が61.0%で粘度平均重合度が350のセルローストリアセテート50重量部及びトリフェニルフォスフェート(可塑剤)10重量部を、メチレンクロライド376重量部とエタノール24重量部の混合有機溶媒に溶解し、セルローストリアセテート溶液を調製した。ドープを30℃で一晩静置し、脱泡操作を施した後、ドープを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過し製膜に供した。
得られたドープを定量ギヤポンプでダイに送液し、回転しているステンレスベルトに乾燥後の膜厚が120μmとなるように流延した。裏面から30℃の温水を接触させて温度制御されたベルト上で前半の乾燥を行い、後半は40℃の乾燥風を当ててウェブを乾燥させた。ベルトが1周するところでベルトからウェブを剥離し、ウェブの両端をクリップで把持しながら100℃で5分間、続いてロールで搬送しつつ120℃で20分間乾燥させ最終的に膜厚120μmのセルローストリアセテートフィルムを得た。フィルムの残留溶媒量は0.9%であった。
実施例2粘度平均重合度が200のセルローストリアセテートを20重量部に、また粘度平均重合度が350のセルローストリアセテートを80重量部に変更した以外は実施例1と同様にして、膜厚120μmのセルローストリアセテートフィルムを得た。フィルムの残留溶媒量は0.9%であった。
実施例3粘度平均重合度が200のセルローストリアセテートを80重量部に、また粘度平均重合度が350のセルローストリアセテートを20重量部に変更した以外は実施例1と同様にして、膜厚120μmのセルローストリアセテートフィルムを得た。フィルムの残留溶媒量は0.9%であった。
実施例4粘度平均重合度の200のセルローストリアセテートの粘度平均重合度を280に、また粘度平均重合度の350のセルローストリアセテートの粘度平均重合度を330に変更した以外は実施例1と同様にして、膜厚120μmのセルローストリアセテートフィルムを得た。フィルムの残留溶媒量は0.9%であった。
実施例5粘度平均重合度の200のセルローストリアセテートの粘度平均重合度を150に、また酢化度が61.0%で粘度平均重合度が350のセルローストリアセテートを、酢化度が59.5%に、また粘度平均重合度を400に変更した以外は実施例1と同様にして、膜厚120μmのセルローストリアセテートフィルムを得た。フィルムの残留溶媒量は0.9%であった。
比較例1酢化度が61.0%で粘度平均重合度の200のセルローストリアセテートの粘度平均重合度を300に、またその50重量部を100重量部に一ロットに変更した以外は実施例1と同様にして、膜厚120μmのセルローストリアセテートフィルムを得た。フィルムの残留溶媒量は0.9%であった。
実施例6メチレンクロライド376重量部を320重量部に、エタノール24重量部を60重量部に、更にそれに1−ブタノール20重量部を加えた混合有機溶媒に変更した以外は実施例1と同様にして、膜厚120μmのセルローストリアセテートフィルムを得た。フィルムの残留溶媒量は0.9%であった。
比較例2酢化度が61.0%で粘度平均重合度の350のセルローストリアセテートの50重量部を100重量部に一ロットに変更し、またメチレンクロライドの368重量部を320重量部に、エタノールの24重量部を60重量部に、更に1−ブタノール20重量部を加えた混合有機溶媒に変更した以外は実施例1と同様にして、膜厚120μmのセルローストリアセテートフィルムを得た。フィルムの残留溶媒量は0.9%であった実施例7酢化度が60.0%で粘度平均重合度の200のセルローストリアセテートを50重量部、酢化度が60.0%で粘度平均重合度の350のセルローストリアセテートを50重量部及びトリフェニルフォスフェート10重量部を、酢酸メチル637重量部とエタノール33重量部の混合有機溶媒に混合し混合物とした。室温でセルローストリアセテートは膨潤状態となっていた。次に二重構造の容器に入れ、混合物をゆっくり撹拌しながら外側のジャケットに冷媒として−75℃にコントロールしたHFE−7100(住友スリーエム(株)製)を導入した。これにより内側容器内の混合物を−70℃まで冷却した。混合物が均一に冷却されるまで30分間冷却を続けて混合物を溶解し、次いで、容器の外側のジャケット内の冷媒を排出し、代わりに温水をジャケットに導入した。続いては内容物を撹拌し、40分かけて30℃まで昇温し、更に20分間撹拌を続けた。この一連の冷却と加温の操作を3回繰り返して透明なドープを得た。ドープを30℃で一晩静置し、脱泡操作を施した後、ドープを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過し製膜に供した。
得られたドープを定量ギヤポンプでダイスに送液し、回転しているステンレスベルトに乾燥後の膜厚が120μmとなるように流延した。裏面から50℃の温水を接触させて温度制御されたベルト上で前半の乾燥を行い、後半は90℃の乾燥風を当ててウェブを乾燥させた。ベルトが1周するところでベルトからウェブを剥離し、ウェブの両端をクリップで把持しながら120℃で5分間、続いてロールで搬送しつつ140℃で20分間乾燥させ最終的に膜厚120μmのセルローストリアセテートフィルムを得た。各水準ともフィルムの残留溶媒量は0.8%であった。
比較例3粘度平均重合度の200のセルローストリアセテート50重量部を、粘度平均重合度を300に、また50重量部を100重量部にロットを一つに変更した以外は実施例7と同様にして、膜厚120μmのセルローストリアセテートフィルムを得た。フィルムの残留溶媒量は0.8%であった。
実施例8酢酸メチル637重量部を350重量部に、またエタノール33重量部をアセトン150重量部に変更した以外は実施例7と同様にして、膜厚120μmのセルローストリアセテートフィルムを得た。得られたセルローストリアセテートフィルムの残留溶媒量は0.8重量%であった。
比較例4酢化度が60.0%で粘度平均重合度が200のセルローストリアセテート50重量部を、粘度平均重合度300に、また50重量部を100重量部にロットを一つに変更した以外は実施例7と同様にして、膜厚120μmのセルローストリアセテートフィルムを得た。フィルムの残留溶媒量は0.8%であった。
実施例9酢化度が60.0%で粘度平均重合度の200のセルローストリアセテート50重量部と、酢化度が60.0%で粘度平均重合度の350のセルローストリアセテート50重量部及び可塑剤としてトリフェニルフォスフェート10重量部をアセトン670重量部とを混合し混合物とした。室温でセルローストリアセテートは膨潤状態となっていた。混合物を、加圧可能な密閉容器に移し、徐々に加圧し最終的に圧力を500kgf/cm2にした。そのまま30分間保持した後、圧力を解放し、常圧下で更に30分保持した。その後30分間撹拌を行い透明なドープを得た。ドープを30℃で一晩静置し、脱泡操作を施した後、ドープを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過し製膜に供した。
得られたドープを定量ギヤポンプでダイスに送液し、回転しているステンレスベルトに乾燥後の膜厚が120μmとなるように流延した。裏面から50℃の温水を接触させて温度制御されたベルト上で前半の乾燥を行い、後半は90℃の乾燥風を当ててウェブを乾燥させた。ベルトが1周するところでベルトからウェブを剥離し、ウェブの両端をクリップで把持しながら120℃で5分間、続いてロールで搬送しつつ140℃で20分間乾燥させ最終的に膜厚120μmのセルローストリアセテートフィルムを得た。各水準ともフィルムの残留溶媒量は0.8%であった。
比較例5粘度平均重合度が200のセルローストリアセテート50重量部を、粘度平均重合度を300に、また50重量部を100重量部にロットを一つに変更した以外は実施例9と同様にして、膜厚120μmのセルローストリアセテートフィルムを得た。フィルムの残留溶媒量は0.8%であった。
試験の結果を表1に示す。
表1から明らかなように、本発明により調製されたセルローストリアセテート溶液は、比較例により調製された溶液と比較して、溶液の粘度が低減され、得られたフィルムの平面性が向上している。また、本発明で得られたセルローストリアセテートフィルムは、機械的強度、ヘイズ、引裂強度、引張強度、弾性率、耐折度も比較同等以上の品質を備えていることが分かる。
Claims (10)
- 平均酢化度が59.0〜62.5%で粘度平均重合度が150〜550の範囲にある複数のロットの中から、粘度平均重合度の差が50〜300である二つのロットを重量割合として20/80〜80/20で混合したセルローストリアセテートを有機溶媒に溶解してドープを調製する工程と溶液流延製膜工程を通して製造することを特徴とするセルローストリアセテートフィルムの製造方法。
- ドープ中のセルローストリアセテートの濃度が、10〜35重量%であることを特徴とする請求項1に記載のセルローストリアセテートフィルムの製造方法。
- ドープが、可塑剤をセルローストリアセテートに対して5〜30重量%含有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のセルローストリアセテートフィルムの製造方法。
- 前記有機溶媒が、75〜98重量%のメチレンクロライドと2〜25重量%の炭素原子数1〜6のアルコールを含有していることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のセルローストリアセテートフィルムの製造方法。
- 前記有機溶媒が、75〜87重量%のメチレンクロライドと13〜25重量%の炭素原子数1〜6のアルコールを含有していることを特徴とする請求項4に記載のセルローストリアセテートフィルムの製造方法。
- 前記有機溶媒が、60重量%以上のアセトン、酢酸メチル、ギ酸エチルから選ばれる少なくとも1種を含有していることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のセルローストリアセテートフィルムの製造方法。
- 前記有機溶媒が、60〜95重量%の酢酸メチル、ギ酸エチルから選ばれる少なくとも1種と5〜40重量%のアセトンを含有していることを特徴とする請求項6に記載のセルローストリアセテートフィルムの製造方法。
- ドープを調製する工程が、有機溶媒にセルローストリアセテートを添加した混合物を−100〜−10℃に冷却する工程と、冷却した混合物を0〜120℃に加熱してセルローストリアセテートを溶解する工程とを有することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載のセルローストリアセテートフィルムの製造方法。
- ドープを調製する工程が、有機溶媒にセルローストリアセテートを添加した混合物を50〜4000kgf/cm2の圧力下に保持する工程と、続けて加圧された混合物を0.1〜10kgf/cm2の圧力下に保持する工程を有することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載のセルローストリアセテートフィルムの製造方法。
- 請求項1乃至9の何れか1項に記載の方法により製造されたセルローストリアセテートフィルム。
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