JP2013151699A - 光学フィルム及びそれを用いた偏光板 - Google Patents

光学フィルム及びそれを用いた偏光板 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、薄膜でも透湿性に優れ、偏光板保護フィルムに用いた場合偏光子の湿熱耐性を改善し、同時に湿熱条件後のフィルムの質量変化に優れ、さらに高倍率に延伸しても添加剤とセルロースの分子配向の乱れを抑えることにより、正面コントラストに優れる光学フィルム、及びそれを用いた偏光板を提供することにある。
【解決手段】フィルム幅手方向の、tanδが下記の関係を有することを特徴とする光学フィルム。
0.50≧tanδ−40/tanδpeak≧0.22
ここでtanδpeakとは、25℃〜210℃のtanδ値を測定した最大値、tanδ−40とは、tanδpeakを示した時の温度−40℃でのtanδの値をいう。
【選択図】なし

Description

本発明は、光学フィルム及びそれを用いた偏光板に関する。
昨今、自動車搭載用の液晶ディスプレイ、大型液晶テレビのディスプレイ、携帯電話、ノートパソコン等の普及から液晶表示装置(以下、LCDとも言う)の需要が旺盛である。このようなLCDには、偏光フィルムや位相差フィルムなどの種々な光学フィルムが使用されている。
LCDの需要が増加し、これに合わせ使用される偏光板についても薄膜化、軽量化、高生産化が要望されている。さらに、LCDの大画面化に伴い、部材としての偏光板保護フィルム、位相差フィルム等の光学フィルムも薄膜化、広面積化が求められており、それに対応しセルロースエステルフィルムの耐透湿性を向上するため、セルロースエステル樹脂用添加剤の検討がされている(特許文献1〜4)。
しかしながら、耐湿性を向上するために多量の添加剤を含有させると高湿で添加剤のブリードアウト(フィルム表面への浸みだし)が発生するという問題が発生し、その使用量は制限されていた。
一方、薄膜化した光学フィルムを液晶表示装置の最表面に使用した場合、クリアーハードコート層を設けた後の表面硬度に劣り、さらに経時でクリアーハードコート層の膜剥がれを生じやすいという問題があった。
特開2008−69225号公報 特開2008−88292号公報 特開2008−115221号公報 特開2008−197424号公報
本発明の目的は、光学性能を維持しながら耐透湿性、表面加工適性(硬度、密着性)、延伸後の脆性(引裂き強度等)に優れた光学フィルムを提供することにある。
本発明の上記課題は以下の構成により達成される。
1.フィルム幅手方向のtanδが、下記の関係を有することを特徴とする光学フィルム。
0.50≧tanδ−40/tanδpeak≧0.22
ここでtanδpeakとは、25℃〜210℃のtanδ値を測定した最大値、tanδ−40とは、tanδpeakを示した時の温度−40℃でのtanδの値をいう。
2.下記の関係を有することを特徴とする前記1記載の光学フィルム。
0.08≧tanδ−40/tanδpeak/d1/2≧0.0345
dは、光学フィルムの膜厚(μm)を表す。
3.下記の関係を有することを特徴とする前記1または2記載の光学フィルム。
Ra≧3.5×logP−24.5
logP≧7.0である。
Raは、光学フィルムの平均表面粗さ(nm)を表し、logPは、フィルム組成物全体の平均分配係数logPを表す。
4.前記光学フィルムが、フタル酸、アジピン酸、少なくとも一種のベンゼンモノカルボン酸および少なくとも一種の炭素数2〜12のアルキレングリコールとを反応させた構造を有するエステル化合物、並びにアセチル基置換度が2.80〜2.95であって数平均分子量125000以上155000未満のセルローストリアセテートAを含有することを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の光学フィルム。
5.前記光学フィルムが、アセチル基置換度が2.80〜2.95であって数平均分子量125000以上155000未満のセルローストリアセテートA、およびアセチル基置換度が2.75〜2.90であって数平均分子量155000以上180000未満のセルローストリアセテートBを含有することを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の光学フィルム。
6.前記ベンゼンモノカルボン酸が安息香酸であり、前記アルキレングリコールが1,2−プロピレングリコールであることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載の光学フィルム。
7.厚み方向のリターデーション値Rtが、下記であることを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載の光学フィルム。
Rt≧0.85nm/膜厚1μm
8.前記1〜7のいずれか1項に記載の光学フィルムを偏光子の少なくとも一方の面に用いたことを特徴とする偏光板。
本発明によれば、光学性能を維持しながら耐透湿性、表面硬度、および延伸後の脆性(引裂き強度)に優れる光学フィルム、及びそれを用いた偏光板を提供することができる。
本発明の光学フィルムの製造方法を示すフローシートである。
以下本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
<本発明の光学フィルム>
本発明の光学フィルムは、フィルム幅手方向の、湿度55%RHで25℃から210℃まで温度変化させて測定したtanδが下記の関係を有することを特徴とする。
0.50≧tanδ−40/tanδpeak≧0.22
ここでtanδpeakとは、25℃〜210℃のtanδ値を測定した最大値、tanδ−40とは、tanδpeakを示した時の温度−40℃でのtanδの値をいう。
つまり本発明においては、温度に対する貯蔵弾性率と損失弾性率のバランスを所定の範囲にすることにより、耐透湿性、表面硬度、脆性(引裂き強度)に優れた光学フィルムを得ることができた。推測であるが、貯蔵弾性率と損失弾性率のバランス(tanδ)がフィルムの硬さとクッション性(衝撃吸収性)のバランスに相関し、表面硬度と脆性の両立が可能となる。加えて、tanδ形状の温度変化は3次元方向の分子配向バランス変化を表し、透湿性をコントロールしているものと考える。
また膜厚も考慮して下記の関係を持つことにより、寸法安定性に優れた光学フィルムを得ることができたものである。
0.08≧tanδ−40/tanδpeak/d1/2≧0.0345
dは、光学フィルムの膜厚(μm)を表す。
また、本発明の光学フィルムは、下記の関係を有することを特徴とする。
Ra≧3.5×logP−24.5
logP≧7.0である。
Raは、光学フィルムの平均表面粗さ(nm)を表し、logPは、フィルム組成物全体の平均分配係数logPを表す。
昨今の表面加工においては、より薄膜化が求められており、結果、十分な耐光密着性を確保する事が困難になって来ている。
クリアーハードコート加工した際、耐光密着性を改良する為に、クリアーハードコート樹脂と基材樹脂との極性バランスおよび両者の接触表面積の関係が重要である事が明らかとなった。
通常クリアーハードコート樹脂の分配係数logP(極性を表す)は2〜6程度であるのに対し、基材フィルムの硬度や機械物性を向上させようと添加剤を含有させるとlogPが高くなる傾向ある。
クリアーハードコート樹脂と基材フィルムの親和性を保ち耐光密着性を向上させるには表面を粗らして接触表面積を高める事に加え、Raだけでなく、接触する基材フィルム自身の極性との関係が重要である。
logP「オーイーシーディ・テストガイドライン107(OECD Test Guideline 107)」記載のフラスコ振盪法や「同ガイドライン117」記載の高速液体クロマトグラフィー法などで求められるが、構造式が明確な場合は、既存のソフトから計算する値も実用上使用可能であり、簡便である。
本発明の光学フィルムは、通常ロール状で製造される。その製造の際の幅手方向を本発明におけるフィルム幅手方向という。
そして本発明の光学フィルムは、フタル酸、アジピン酸、少なくとも一種のベンゼンモノカルボン酸および少なくとも一種の炭素数2〜12のアルキレングリコールとを反応させた構造を有するエステル化合物、並びにアセチル基置換度が2.80〜2.95であって数平均分子量125000以上155000未満のセルローストリアセテートAを含有する事で請求項1、2を達成する事が好ましい。
つまり、ある特定のエステル化合物と特定のセルローストリアセテートの組み合わせの場合に、所望の性能を有することを見出したものである。
特にセルローストリアセテートに関しては、数平均分子量に性能が大きく依存すること、およびその数平均分子量の分布を広くとることが効果をより発現することを見出した。
本発明の効果は、セルローストリアセテートの残存水酸基とエステル化合物の相互作用が生んでいると考えられ、そのためセルローストリアセテートの単純な数平均分子量により依存しており、所定の分子量のセルローストリアセテートとエステル化合物の相互作用により貯蔵弾性率/損失弾性率/温度のバランスコントロールが可能になるものと推定している。数平均分子量の異なるセルローストリアセテートを混合する事で貯蔵弾性率/損失弾性率/温度のバランスコントロールは、より容易になる。
<本発明のエステル化合物>
本発明のエステル化合物はエステル系可塑剤であり、より詳しくは芳香族末端エステル系可塑剤である。
本発明のエステル化合物におけるベンゼンモノカルボン酸成分としては、例えば、安息香酸、パラターシャリブチル安息香酸、オルソトルイル酸、メタトルイル酸、パラトルイル酸、ジメチル安息香酸、エチル安息香酸、ノルマルプロピル安息香酸、アミノ安息香酸、アセトキシ安息香酸等があり、これらはそれぞれ1種または2種以上の混合物として使用することができる。安息香酸であることが最も好ましい。
本発明の炭素数2〜12のアルキレングリコール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−プロパンジオール、2−メチル1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロールペンタン)、2−n−ブチル−2−エチル−1,3プロパンジオール(3,3−ジメチロールヘプタン)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル1,3−ペンタンジオール、2−エチル1,3−ヘキサンジオール、2−メチル1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−オクタデカンジオール等があり、これらのグリコールは、1種または2種以上の混合物として使用される。特に1,2−プロピレングリコールが好ましい。
本発明のエステル化合物は、最終的な化合物の構造としてアジピン酸残基およびフタル酸残基を有していればよく、エステル化合物を製造する際には、ジカルボン酸の酸無水物またはエステル化物として反応させてもよい。
本発明で使用されるエステル系可塑剤は、数平均分子量が、好ましくは300〜1500、より好ましくは400〜1000である。また、その酸価は、1.5mgKOH/g以下、水酸基価は25mgKOH/g以下、より好ましくは酸価0.5mgKOH/g以下、水酸基価は15mgKOH/g以下のものである。
本発明のエステル化合物は、前記特許文献1〜3を参考にして合成することができる。本発明では、アジピン酸残基およびフタル酸残基のいずれも有するエステル化合物であることが好ましく、ジカルボン酸成分としてアジピン酸、フタル酸を同時に存在させて合成することで得ることができる。
本発明のエステル化合物は、その合成時点では分子量および分子構造に分布を有する混合物であるが、そのなかに本発明に好ましい成分である、フタル酸残基およびアジピン酸残基を構造として有するエステル化合物を少なくとも1種類有していればよい。
本発明のエステル化合物を使用した光学フィルムは、ジカルボン酸成分としてアジピン酸単独、フタル酸単独で合成したエステル化合物の混合物よりも本発明の効果が大きい。
上記化合物は、光学フィルム中に1〜35質量%、特に5〜30質量%含むことが好ましい。この範囲内であれば、ブリードアウトなどもなく好ましい。
<セルローストリアセテート>
本発明の光学フィルムに用いるセルロースエステルは、アセチル基置換度が2.80〜2.95であって数平均分子量125000以上155000未満のセルローストリアセテートAである。
そして、光学フィルムが、アセチル基置換度が2.80〜2.95であって数平均分子量125000以上155000未満のセルローストリアセテートA、アセチル基置換度が2.75〜2.90であって数平均分子量155000以上180000未満のセルローストリアセテートBを含有することがさらに好ましい。
なお、アセチル基の置換度の測定方法はASTM−D817−96に準じて測定することができる。
本発明のセルローストリアセテートAは、アセチル基置換度が2.80〜2.95であり、2.84〜2.94が好ましい。数平均分子量(Mn)は、125000以上155000未満であり、129000以上152000未満が好ましい。さらに、重量平均分子量(Mw)は、265000以上310000未満であることが好ましい。Mw/Mnは、1.9〜2.1であることが好ましい。
本発明のセルローストリアセテートBは、アセチル基置換度が2.75〜2.90であり、2.79〜2.89が好ましい。Mnは、155000以上180000未満であり、156000以上175000未満が好ましい。さらに、Mwは、290000以上360000未満であることが好ましい。Mw/Mnは、1.8〜2.0であることが好ましい。
本発明のセルローストリアセテートAとセルローストリアセテートBは、質量比で100:0〜20:80までの範囲であることが好ましい。
本発明のセルローストリアセテートの平均分子量(Mn、Mw)及び分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定することができる。測定条件は以下の通りである。
溶媒:メチレンクロライド
カラム:Shodex K806、K805、K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:25℃
試料濃度:0.1質量%
検出器:RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ:L6000(日立製作所(株)製)
流量:1.0ml/min
校正曲線:標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=2,800,000〜500迄の13サンプルによる校正曲線を使用した。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いることが好ましい。
本発明に係わるセルロースエステルは、特開平10−45804号、特開2005−281645号に記載の方法を参考にして合成することができる。
また、セルロースエステルは、セルロースエステル中の微量金属成分は、鉄(Fe)成分については、1ppm以下であることが好ましい。カルシウム(Ca)成分は60ppm以下、好ましくは0〜30ppmである。マグネシウム(Mg)成分については、0〜70ppmであることが好ましく、特に0〜20ppmであることが好ましい。鉄(Fe)分の含量、カルシウム(Ca)分含量、マグネシウム(Mg)分含量等の金属成分は、絶乾したセルロースエステルをマイクロダイジェスト湿式分解装置(硫硝酸分解)、アルカリ溶融で前処理を行った後、ICP−AES(誘導結合プラズマ発光分光分析装置)を用いて分析することができる。
本発明のセルローストリアセテートには、本発明の性能を妨げない範囲(10質量%以下)で、第3のセルロースエステル、例えばセルロースアセテートプロピオネート等のセルロースエステルを混合してもよい。
更に、置換基をグラフト重合させたセルロースを全セルロースエステル中に2%〜20%混合、もしくは、全酢綿の平均置換度が2.75〜2.85となるようにセルロースジアセテートを混合する事は、高リターデーション化および、延伸後のフィルムの脆性劣化を防ぐ上で、好ましい。
置換基をグラフト重合させたセルロースとしては、下記一般式(1)または(2)で表される繰り返し単位を有するセルロースエステルであることが好ましい。
Figure 2013151699
以下にAの具体例を挙げる。
A−1 −CHCH
A−2 −CHCHCH
A−3 −CH=CH−
A−4
Figure 2013151699
A−5
Figure 2013151699
A−6 −CHC(CH
以下Bの具体例を挙げる。
B−1 −CHCH
B−2 −CHCHCHCH
B−3
Figure 2013151699
B−4
Figure 2013151699
本発明における前記一般式(1)または(2)で表される繰り返し単位を有するセルロースエステルは、未置換の水酸基を有するセルロース、またはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、フタリル基等のアシル基によってすでに一部の水酸基が置換されているセルロースエステルの存在下で、多塩基酸またはその無水物と多価アルコールとのエステル化反応、またはL−ラクチド、D−ラクチドの開環重合、L−乳酸、D−乳酸の自己縮合を行わせることによって得ることができる。
エステル化反応に用いる多塩基酸無水物として、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水フマル酸が挙げられるが特に限定されない。
エステル化反応に用いることができる多価アルコールとして、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコールなどが挙げられるが特に限定されない。
エステル化反応は、無触媒で反応をすることもできるが、公知のルイス酸触媒などを用いることができる。使用できる触媒としてはスズ、亜鉛、チタン、ビスマス、ジルコニウム、ゲルマニウム、アンチモン、ナトリウム、カリウム、アルミニウムなどの金属およびその誘導体が挙げられ、特に誘導体については金属有機化合物、炭酸塩、酸化物、ハロゲン化物が好ましい。具体的にはオクチルスズ、塩化スズ、塩化亜鉛、塩化チタン、アルコキシチタン、酸化ゲルマニウム、酸化ジルコニウム、三酸化アンチモン、アルキルアルミニウムなどを例示することができる。また、触媒としてパラトルエンスルホン酸に代表される酸触媒を用いることもできる。また、カルボン酸とアルコールとの脱水反応を促進するためにカルボジイミド、ジメチルアミノピリジンなど公知の化合物を添加してもよい。
係る反応は、セルロースエステルおよびその他の反応させる化合物を溶解させることが可能な有機溶媒中における反応によってもよいし、剪断力を付加しながら加熱攪拌が可能なバッチ式ニーダーを用いた反応によるものであってもよいし、一軸或いは二軸のエクストルーダーを用いた反応によるものであってもよい。
本発明の繰り返し単位は当該部分のセルロースに対して0.5〜190質量%の範囲で適宜含有させることができる。
セルロースエステルの置換度は、適宜選択することができるが、2.2〜3であることが熱可塑性、熱加工性の点から好ましい。
本発明のセルロースエステルにおいて、セルロースの水酸基部分の水素原子が脂肪族アシル基との脂肪酸エステルであるとき、脂肪族アシル基は炭素原子数が2〜20で具体的にはアセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、オクタノイル、ラウロイル、ステアロイル等が挙げられる。
本発明の繰り返し単位は、当該部分のセルロースに対しての数平均分子量として300〜10000であり、500〜8000であることが熱加工性の点から好ましい。なお、当該セルロースエステルが有する繰り返し単位のみの数平均分子量は、エステル化反応する前のセルロースエステルと反応後のセルロースエステルをポリスチレン換算したGPCデータまたは、H−NMR(日本電子製JNM−EX−270:溶媒:重塩化メチレン)により比較して求めた。
本発明の繰り返し単位をセルロースに導入する際に副反応として、一般式(1)または(2)で表される繰り返し単位を有するオリゴマー、ポリエステルが生成することあるが、これらの化合物は可塑剤として作用することから精製により必ずしも完全に除去する必要はなくセルロースエステルに含んでもよい。含有量としてはセルロースエステルに対して30質量%以下であればセルロースエステルの性質を大きく変化させることは少ない。可塑性の点から、好ましくは0.5〜20質量%である。
これらのオリゴマー、ポリエステルの数平均分子量は、300〜10000であり、可塑性の点から好ましくは500〜8000である。
<その他の添加剤>
(アクリル系共重合体)
本発明の光学フィルムには、重量平均分子量が500以上30000以下であるアクリルポリマーを含有することができる。中でも分子内に芳香環と親水性基を有しないエチレン性不飽和モノマーXaと分子内に芳香環を有さず親水性基を有するエチレン性不飽和モノマーXbとを共重合して得られた重量平均分子量5000以上30000以下のポリマーX、より好ましくは、分子内に芳香環と親水性基を有しないエチレン性不飽和モノマーXaと分子内に芳香環を有さず親水性基を有するエチレン性不飽和モノマーXbとを共重合して得られた重量平均分子量5000以上30000以下のポリマーXと、芳香環を有さないエチレン性不飽和モノマーYaを重合して得られた重量平均分子量500以上3000以下のポリマーYとを含有することが好ましい。
セルロースエステルに対して1〜30質量%の範囲で添加することができる。
(フラノース構造もしくはピラノース構造を有する化合物)
本発明の光学フィルムは、フラノース構造もしくはピラノース構造を少なくとも1個有し、該フラノース構造もしくはピラノース構造が1〜12個結合した化合物中のOH基のすべてもしくは一部をエステル化した化合物(糖エステル化合物ということがある。)を含むことができる。
好ましい「フラノース構造もしくはピラノース構造を少なくとも1個有し、該フラノース構造もしくはピラノース構造が1〜12個結合した化合物」の例としては、特開昭62−42996号公報及び特開平10−237084号公報に記載されている。市販品としてはモノペットSB(第一工業製薬(株)製)が挙げられる。
本発明の光学フィルムは、含有させる場合はセルロースエステルに対して0〜35質量%、特に5〜30質量%含むことが好ましい。
(その他の可塑剤)
本発明の光学フィルムは、本発明のエステル化合物以外に、本発明の効果を得る上で必要に応じて他の可塑剤を含有することができる。好ましくは、1)多価アルコールエステル系可塑剤、2)多価カルボン酸エステル系可塑剤、3)グリコレート系可塑剤、4)フタル酸エステル系可塑剤、5)脂肪酸エステル系可塑剤、6)リン酸エステル系可塑剤等から選択される。これらの可塑剤は、セルロースエステルに対して1〜30質量%の範囲で使用されることが好ましい。
1)多価アルコールエステル系可塑剤は下記一般式(3)で表される多価アルコールのエステル化合物である。
一般式(3) R−(OH)n
(式中、Rはn価の有機基、nは2以上の正の整数を表す)
好ましい多価アルコールの例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが好ましい。
多価アルコールエステルに用いられるモノカルボン酸としては、公知の脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸などを用いることができる。
脂肪族モノカルボン酸としては、炭素数1〜32の直鎖または側鎖を持った脂肪酸を好ましく用いることができる。炭素数1〜20であることがさらに好ましく、炭素数1〜10であることが特に好ましい。
好ましい脂環族モノカルボン酸の例としては、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロオクタンカルボン酸、またはそれらの誘導体を挙げることができる。
好ましい芳香族モノカルボン酸の例としては、安息香酸、トルイル酸などの安息香酸のベンゼン環にアルキル基を導入したもの、ビフェニルカルボン酸、ナフタレンカルボン酸、テトラリンカルボン酸などのベンゼン環を2個以上持つ芳香族モノカルボン酸、またはそれらの誘導体を挙げることができる。特に、安息香酸が好ましい。
多価アルコールエステルの分子量300〜1500の範囲であることが好ましく、350〜750の範囲であることが更に好ましい。多価アルコールエステルに用いられるカルボン酸は一種類でもよいし、二種以上の混合であってもよい。また、多価アルコール中のOH基は全てエステル化してもよいし、一部をOH基のままで残してもよい。
この他、トリメチロールプロパントリアセテート、ペンタエリスリトールテトラアセテートなども好ましく用いられる。特開2008−88292号に記載の一般式(I)で表されるエステル化合物(A)を使用することも好ましい。
2)多価カルボン酸エステル化合物としては、2価以上、好ましくは2価〜20価の多価カルボン酸とアルコールのエステルよりなる。また、脂肪族多価カルボン酸は2〜20価であることが好ましく、芳香族多価カルボン酸、脂環式多価カルボン酸の場合は2価〜20価であることが好ましい。
多価カルボン酸は次の一般式(4)で表される。
一般式(4) R(COOH)m(OH)n
(但し、Rは(m+n)価の有機基、mは2以上の正の整数、nは0以上の整数、COOH基はカルボキシル基、OH基はアルコール性またはフェノール性水酸基を表す)
好ましい多価カルボン酸の例としては、例えば以下のようなものを挙げることができる。フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸のような2価以上の芳香族多価カルボン酸またはその誘導体、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、シュウ酸、フマール酸、マレイン酸、テトラヒドロフタル酸のような脂肪族多価カルボン酸、酒石酸、タルトロン酸、リンゴ酸、クエン酸のようなオキシ多価カルボン酸などを好ましく用いることができる。
本発明に用いることのできる多価カルボン酸エステル化合物に用いられるアルコールとしては公知のアルコール、フェノール類を用いることができる。例えば炭素数1〜32の直鎖または側鎖を持った脂肪族飽和アルコールを好ましく用いることができる。
炭素数1〜20であることがさらに好ましく、炭素数1〜10であることが特に好ましい。また、シクロペンタノール、シクロヘキサノールなどの脂環式アルコールまたはその誘導体、ベンジルアルコール、シンナミルアルコールなどの芳香族アルコールまたはその誘導体なども好ましく用いることができ、フェノールとしては、フェノール、パラクレゾール、ジメチルフェノール等を単独または2種以上を併用して使用することができる。
特開2008−88292号に記載の一般式(II)で表されるエステル化合物(B)を使用することも好ましい。
多価カルボン酸エステル化合物の分子量は特に制限はないが、分子量300〜1000の範囲であることが好ましく、350〜750の範囲であることがさらに好ましい。
多価カルボン酸エステルに用いられるアルコール類は一種類でも良いし、二種以上の混合であっても良い。
多価カルボン酸エステル化合物の酸価は1mgKOH/g以下であることが好ましく、0.2mgKOH/g以下であることがさらに好ましい。
酸価とは、試料1g中に含まれる酸(試料中に存在するカルボキシル基)を中和するために必要な水酸化カリウムのミリグラム数をいう。酸価はJIS K0070に準拠して測定したものである。
3)グリコレート系可塑剤は特に限定されないが、アルキルフタリルアルキルグリコレート類が好ましく用いることができる。アルキルフタリルアルキルグリコレート類としては、例えばメチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルプロピルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、オクチルフタリルオクチルグリコレート等が挙げられる。
4)フタル酸エステル系可塑剤としては、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジオクチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジシクロヘキシルテレフタレート等が挙げられる。
クエン酸エステル系可塑剤としては、クエン酸アセチルトリメチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル等が挙げられる。
5)脂肪酸エステル系可塑剤として、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル等が挙げられる。
6)リン酸エステル系可塑剤としては、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等が挙げられる。
(紫外線吸収剤)
本発明に係る光学フィルムは、紫外線吸収剤を含有することが好ましい。紫外線吸収剤は400nm以下の紫外線を吸収することで、耐久性を向上させることを目的としており、特に波長370nmでの透過率が10%以下であることが好ましく、よりさらに好ましくは5%以下である。
本発明に用いられる紫外線吸収剤は特に限定されないが、例えばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、トリアジン系化合物、ニッケル錯塩系化合物、無機粉体等が挙げられる。
紫外線吸収剤の使用量は、紫外線吸収剤の種類、使用条件等により一様ではないが、光学フィルムの乾燥膜厚が30〜200μmの場合は、光学フィルムに対して0.5〜10質量%が好ましく、0.6〜4質量%がさらに好ましい。
(微粒子)
本発明の光学フィルムは、微粒子を含有することが滑り性、保管安定性の観点で好ましい。
微粒子としては、無機化合物の例として、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウム等を挙げることができる。微粒子は珪素を含むものが濁度が低くなる点で好ましく、特に二酸化珪素が好ましい。
二酸化珪素については疎水化処理をされたものが滑り性とヘイズを両立する上で好ましい。4個のシラノール基のうち、2個以上が疎水性の置換基で置換わったものが好ましく、3個以上が置換わったものがより好ましい。疎水性の置換基はメチル基である事が好ましい。
二酸化珪素の一次粒径は20nm以下が好ましく、10nm以下がより好ましい。
二酸化珪素の微粒子は、例えば、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
酸化ジルコニウムの微粒子は、例えば、アエロジルR976及びR811(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
ポリマーの例として、シリコーン樹脂、フッ素樹脂及びアクリル樹脂を挙げることができる。シリコーン樹脂が好ましく、特に三次元の網状構造を有するものが好ましく、例えば、トスパール103、同105、同108、同120、同145、同3120及び同240(以上東芝シリコーン(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
これらの中でもアエロジル200V、アエロジルR972Vが光学フィルムのヘイズを低く保ちながら、摩擦係数を下げる効果が大きいため特に好ましく、本発明に於いてはアエロジルR812が最も好ましく用いられる。本発明の光学フィルムにおいては、少なくとも一方の面の動摩擦係数が0.2〜1.0であることが好ましい。
(染料)
本発明の光学フィルムには、色味調整のため染料を添加することもできる。例えば、フィルムの黄色味を抑えるために青色染料を添加してもよい。好ましい染料としてはアンスラキノン系染料が挙げられる。
<光学フィルムの製造方法>
次に、本発明の光学フィルムの製造方法について説明する。
本発明の光学フィルムは通常の溶液流延法、溶融流延法のいずれの方法でも製造することができる。
本発明の光学フィルムの溶液流延法による製造は、セルロースエステル及び前記添加剤を溶剤に溶解させてドープを調製する工程、ドープを無限に移行する無端の金属支持体上に流延する工程、流延したドープをウェブとして乾燥する工程、金属支持体から剥離する工程、延伸または幅保持する工程、さらに乾燥する工程、仕上がったフィルムを巻取る工程により行われる。
ドープを調製する工程について述べる。ドープ中のセルロースエステルの濃度は、濃い方が金属支持体に流延した後の乾燥負荷が低減できて好ましいが、セルロースエステルの濃度が濃過ぎると濾過時の負荷が増えて、濾過精度が悪くなる。これらを両立する濃度としては、10〜35質量%が好ましく、さらに好ましくは、15〜25質量%である。
ドープで用いられる溶剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。セルロースエステルの良溶剤と貧溶剤を混合して使用することが生産効率の点で好ましく、良溶剤として特に好ましくはメチレンクロライドまたは酢酸メチルが挙げられ、貧溶剤として、例えば、メタノール、エタノール、n−ブタノール、シクロヘキサン、シクロヘキサノン等が好ましく用いられる。
また、ドープ中には水が0.01〜2質量%含有していることが好ましい。また、セルロースエステルの溶解に用いられる溶媒は、フィルム製膜工程で乾燥によりフィルムから除去された溶媒を回収し、これを再利用して用いられる。
上記記載のドープを調製する時の、セルロースエステルの溶解方法としては、一般的な方法を用いることができる。加熱と加圧を組み合わせると常圧における沸点以上に加熱できる。
次に、このセルロースエステル溶液を濾紙等の適当な濾過材を用いて濾過する。濾過材としては、絶対濾過精度0.008mm以下の濾材が好ましく、0.001〜0.008mmの濾材がより好ましく、0.003〜0.006mmの濾材がさらに好ましい。
濾材さらには特に制限はなく、通常の濾材を使用することができるが、ポリプロピレン、テフロン(登録商標)等のプラスチック製の濾材や、ステンレススティール等の金属製の濾材が繊維の脱落等がなく好ましい。
ドープの濾過は通常の方法で行うことができるが、溶剤の常圧での沸点以上で、且つ加圧下で溶剤が沸騰しない範囲の温度で加熱しながら濾過する方法が、濾過前後の濾圧の差(差圧という)の上昇が小さく、好ましい温度は45〜120℃であり、45〜70℃がより好ましく、45〜55℃であることがさらに好ましい。
濾圧は小さい方が好ましい。濾圧は1.6MPa以下であることが好ましく、1.2MPa以下であることがより好ましく、1.0MPa以下であることがさらに好ましい。
ついで、ドープの流延について説明する。
流延(キャスト)工程における金属支持体は、表面を鏡面仕上げしたものが好ましく、金属支持体としては、ステンレススティールベルトもしくは鋳物で表面をメッキ仕上げしたドラムが好ましく用いられる。キャストの幅は1〜4mとすることができる。
流延工程の金属支持体の表面温度は−50℃〜溶剤の沸点未満の温度で、好ましい支持体温度は0〜40℃であり、5〜30℃がさらに好ましい。
光学フィルムが良好な平面性を示すためには、金属支持体からウェブを剥離する際の残留溶媒量は10〜150質量%が好ましく、さらに好ましくは20〜40質量%または60〜130質量%であり、特に好ましくは、20〜30質量%または70〜120質量%である。
本発明においては、残留溶媒量は下記式で定義される。
残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100
尚、Mはウェブまたはフィルムを製造中または製造後の任意の時点で採取した試料の質量で、NはMを115℃で1時間の加熱後の質量である。
また、光学フィルムの乾燥工程においては、ウェブを金属支持体より剥離し、さらに乾燥し、残留溶媒量を1質量%以下にすることが好ましく、さらに好ましくは0.1質量%以下であり、特に好ましくは0〜0.01質量%以下である。
フィルム乾燥工程では一般にロール乾燥方式(上下に配置した多数のロールをウェブを交互に通し乾燥させる方式)やテンター方式でウェブを搬送させながら乾燥する方式が採られる。
本発明の光学フィルムを作製するためには、金属支持体より剥離した直後のウェブの残留溶剤量の多いところで多いところで長手方向(MD方向)に延伸し、さらにウェブの両端をクリップ等で把持するテンター方式で幅手方向(TD方向)に延伸を行うことが好ましい。
ウェブを乾燥させる手段は特に制限なく、一般的に熱風、赤外線、加熱ロール、マイクロ波等で行うことができるが、簡便さの点で熱風で行うことが好ましい。
ウェブの乾燥工程における乾燥温度は90℃〜200℃が好ましく、より好ましくは110℃〜190℃である。乾燥温度は段階的に高くしていくことが好ましい。
好ましい乾燥時間は、乾燥温度にもよるが、5分〜60分が好ましく、10分〜30分がより好ましい。
光学フィルムの膜厚は、特に限定はされないが10〜200μmが用いられる。特に膜厚は10〜100μmであることが特に好ましい。さらに好ましくは20〜60μmである。
本発明の光学フィルムは、幅1〜4mのものが用いられる。生産性の観点から幅1.6〜4mのものが好ましく用いられ、特に好ましくは1.8〜3.6mである。4mを超えると搬送が困難となる。
(延伸操作)
延伸操作は、フィルムの長手方向(MD方向)、及び幅手方向(TD方向)に対して、逐次または同時に延伸することができる。互いに直交する2軸方向の延伸倍率は、それぞれ最終的にはMD方向に1.0〜2.0倍、TD方向に1.07〜2.0倍の範囲とすることが好ましく、MD方向に1.0〜1.5倍、TD方向に1.07〜2.0倍の範囲で行うことが好ましい。
例えば、複数のロールに周速差をつけ、その間でロール周速差を利用してMD方向に延伸する方法、ウェブの両端をクリップやピンで固定し、クリップやピンの間隔を進行方向に広げてMD方向に延伸する方法、同様に横方向に広げてTD方向に延伸する方法、或いはMD/TD方向同時に広げてMD/TD両方向に延伸する方法などが挙げられる。
製膜工程のこれらの幅保持或いは幅手方向の延伸はテンターによって行うことが好ましく、ピンテンターでもクリップテンターでもよい。
テンター内などの製膜工程でのフィルム搬送張力は温度にもよるが、120N/m〜200N/mが好ましく、140N/m〜200N/mがさらに好ましい。140N/m〜160N/mが最も好ましい。
延伸する際は、本発明のフィルムのガラス転移温度をTgとすると(Tg−30)〜(Tg+100)℃、より好ましくは(Tg−20)〜(Tg+80)℃、さらに好ましく(Tg−5)〜(Tg+20)℃である。
光学フィルムのTgは、フィルムを構成する材料種及び構成する材料の比率によって制御することができる。本発明の用途においてはフィルムの乾燥時のTgは110℃以上が好ましく、さらに120℃以上が好ましい。
従ってガラス転移温度は190℃以下、より好ましくは170℃以下であることが好ましい。このとき、フィルムのTgはJIS K7121に記載の方法などによって求めることができる。
本発明では、延伸する際の温度は150℃以上、延伸倍率は1.15倍以上にすると、表面が適度に粗れる為好ましい。フィルム表面を粗らす事は、滑り性を向上させるのみでなく、表面加工性、特にクリアーハードコートの密着性が向上するため好ましい。平均表面粗さRaは、好ましくは2.0nm〜4.0nm、より好ましくは2.5nm〜3.5nmである。その際、フィルム中には先に述べた疎水化処理された二酸化珪素微粒子を含有している事が好ましく、特にR972VおよびR812がヘイズ安定性向上のために好ましい。
光学フィルムの平均表面粗さRa(nm)と光学フィルム自体の溶媒に対する極性は以下の関係があることが好ましい。
Ra≧3.5×logP−25.4
光学フィルムは延伸後、熱固定されることが好ましいが、熱固定はその最終TD方向延伸温度より高温で、Tg−20℃以下の温度範囲内で通常0.5〜300秒間熱固定することが好ましい。この際、2つ以上に分割された領域で温度差が1〜100℃となる範囲で順次昇温しながら熱固定することが好ましい。
熱固定されたフィルムは通常Tg以下まで冷却され、フィルム両端のクリップ把持部分をカットし巻き取られる。この際、最終熱固定温度以下、Tg以上の温度範囲内で、TD方向及び/またはMD方向に0.1〜10%弛緩処理することが好ましい。
また冷却は、最終熱固定温度からTgまでを、毎秒100℃以下の冷却速度で徐冷することが好ましい。冷却、弛緩処理する手段は特に限定はなく、従来公知の手段で行えるが、特に複数の温度領域で順次冷却しながらこれらの処理を行うことがフィルムの寸法安定性向上の点で好ましい。
尚、冷却速度は、最終熱固定温度をT1、フィルムが最終熱固定温度からTgに達するまでの時間をtとした時、(T1−Tg)/tで求めた値である。
これら熱固定条件、冷却、弛緩処理条件のより最適な条件は、フィルムを構成するセルロースエステルや可塑剤等の添加剤種により異なるので、得られた二軸延伸フィルムの物性を測定し、好ましい特性を有するように適宜調整することにより決定すればよい。
本発明の光学フィルムの遅相軸または進相軸がフィルム面内に存在し、製膜方向とのなす角をθ1とするとθ1は−1°以上+1°以下であることが好ましく、−0.5°以上+0.5°以下であることがより好ましい。
このθ1は配向角として定義でき、θ1の測定は、自動複屈折計KOBRA−21ADH(王子計測機器)を用いて行うことができる。θ1が各々上記関係を満たすことは、表示画像において高い輝度を得ること、光漏れを抑制または防止することに寄与し、カラー液晶表示装置においては忠実な色再現を得ることに寄与できる。
<物性、光学特性>
本発明に係る光学フィルムの透湿度は、40℃、90%RHで10〜1200g/m・24hが好ましく、さらに20〜1000g/m・24hが好ましく、20〜850g/m・24hが特に好ましい。透湿度はJIS Z 0208に記載の方法に従い測定することができる。
本発明に係る光学フィルムは、30℃での貯蔵弾性率が、MD方向に3.2〜4.7GPa、TD方向に4.7〜7.0GPaである事が、縦ツレが改良されて好ましい。貯蔵弾性率はtanδと同じ測定で求める事が出来る。
本発明に係る光学フィルムは脆性指標となる引裂き強度が35mN以上である事が好ましく、50mN以上である事がより好ましい。
本発明に係る光学フィルムの破断伸度は5〜80%であることが好ましく8〜50%であることがさらに好ましい。
本発明に係る光学フィルムの可視光透過率は90%以上であることが好ましく、93%以上であることがさらに好ましい。
本発明に係る光学フィルムのヘイズは1%未満であることが好ましく0〜0.4%であることが特に好ましい。
本発明の光学フィルムは、下記式で表されるリターデーション値Roが0〜150nm、Rtが−100〜300nmであることが好ましく、特に好ましくはRoが0〜10nm、Rtが0〜100nmである。
式(i) Ro=(nx−ny)×d
式(ii) Rt=((nx+ny)/2−nz)×d
(式中、Roはフィルム面内リターデーション値、Rtはフィルム厚み方向リターデーション値、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率、nyはフィルム面内の進相軸方向の屈折率、nzはフィルムの厚み方向の屈折率、dはフィルムの厚さ(nm)を表す。)
上記リターデーションは、例えばKOBRA−21ADH(王子計測機器(株))を用いて、23℃、55%RHの環境下で、波長が590nmで求めることができる。
本発明においては、Rt≧0.85nm/膜厚1μmであることが好ましい。コントラストと視野角を確保する為には薄膜で且つ、一定以上のRtであることが好ましく、例えば30〜50μmであればRtは26〜200nm、50〜70μmであればRtは43〜200nmである事が好ましい。単位膜厚に対するRtは、0.9〜5.0nm/膜厚1μmであることがより好ましく、1.0〜5.0nm/膜厚1μmであることが更に好ましい。
(クリアーハードコート層)
本発明では、高硬度を発揮する点から、ハードコート層の膜厚(ドライ膜厚)は3μm以上、30μm以下であり、好ましくは5μm以上、15μm以下である。
高硬度は、LCD等の表示装置の表面における使用や偏光板化工程において傷が付きにくいことから望まれおり、本発明でいう高硬度とは、硬度の指標で有る鉛筆硬度が3H以上であり、より好ましくは4H以上である。
鉛筆硬度は、作製したハードコートフィルムを温度23℃、相対湿度55%の条件で2時間以上調湿した後、JIS S 6006が規定する試験用鉛筆を用いて、JIS K 5400が規定する鉛筆硬度評価方法に従い測定した値である。
また、ハードコートのマルテンス硬さ(HMs)が、400N/mm以上、800N/mm以下であることが好ましい。
マルテンス硬さ(ビッカース硬さ)とは、ビッカース圧子及び稜線同士の角度が115度の三角錐圧子を用いた微小硬度計で、フィルムのハードコート表面を、ハードコート層の膜厚の略1/10の厚みまで圧子を押し込んだ時の負荷試験力−押し込み深さ曲線において、該負荷試験力−押し込み深さ曲線から求められる最大負荷試験力(Fmax)の50%値から90%値までの押し込み深さが負荷試験力の平方根に比例する傾き(m)より、下記式で定義される値をいう。
1HMs=1/(26.4m
本発明のクリアーハードコート層は、公知のものがそのまま使用することができる。ハードコート層を形成する樹脂バインダーについて説明する。樹脂バインダーとしては、活性エネルギー線硬化樹脂が好ましい。活性エネルギー線硬化樹脂とは、紫外線や電子線のような活性線照射により架橋反応等を経て硬化する樹脂をいう。活性エネルギー線硬化樹脂としては、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーを含む成分が好ましく用いられ、紫外線や電子線のような活性線を照射することによって硬化させて活性エネルギー線硬化樹脂層が形成される。
活性エネルギー線硬化樹脂としては紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂等が代表的なものとして挙げられるが、特に、紫外線硬化樹脂が機械的膜強度(耐擦性、鉛筆硬度)に優れる点から好ましい。
紫外線硬化樹脂としては、多官能アクリレートが好ましい。該多官能アクリレートとしては、ペンタエリスリトール多官能アクリレート、ジペンタエリスリトール多官能アクリレート、ペンタエリスリトール多官能メタクリレート、及びジペンタエリスリトール多官能メタクリレートよりなる群から選ばれることが好ましい。
ここで、多官能アクリレートとは、分子中に2個以上のアクリロイルオキシ基及び/またはメタクロイルオキシ基を有する化合物である。これらの化合物は、それぞれ単独または2種以上を混合して用いられる。
また、上記モノマーの2量体、3量体等のオリゴマーであってもよい。エネルギー活性線硬化性樹脂の添加量は、ハードコート層形成組成物中(以下、ハードコート層塗布液とも言う。)では、固形分中の15質量%以上70質量%未満であることが好ましい。
また、ハードコート層にはエネルギー活性線硬化性樹脂の硬化促進のため、光重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤量としては、質量比で、光重合開始剤;エネルギー活性線硬化性樹脂=20:100〜0.01:100で含有することが好ましい。
光重合開始剤としては、具体的には、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーケトン、α−アミロキシムエステル、チオキサントン等及びこれらの誘導体を挙げることができるが、特にこれらに限定されるものではない。
ハードコート層には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂またはゼラチン等の親水性樹脂等のバインダーを用いることもできる。また、ハードコート層には滑り性や屈折率を調整するために無機化合物または有機化合物の粒子を含んでもよい。
これらの微粒子粉末の平均粒径としては、0.01〜5μmが好ましく0.1〜5.0μm、さらに、0.1〜4.0μmであることが特に好ましい。また、粒径の異なる2種以上の微粒子を含有することが好ましい。硬化性樹脂組成物と微粒子の割合は、硬化性樹脂組成物100質量部に対して、0.1〜30質量部となるように配合することが望ましい。
本発明においては、ハードコート層に重合性不飽和基を有する有機化合物によって表面処理された反応性シリカ粒子(Xa)を含有させることが好ましい。以下、重合性不飽和基を有する有機化合物によって表面処理された反応性シリカ粒子(Xa)について説明する。
〈シリカ粒子〉
シリカ粒子としては、公知のものを使用することができる。また、その形状は、球状でも不定形のものでもよく、通常のコロイダルシリカに限らず中空粒子、多孔質粒子、コア/シェル型粒子等であっても構わない。
また、動的光散乱法で求めたシリカ粒子の数平均粒子径は30nm以上が好ましく、さらに好ましくは30〜200nmであり、特に好ましくは、40〜80nmである。
市販品としては、例えば、コロイダルシリカとして、日産化学工業(株)製MEK−ST−L、IPA−ST−L、IPA−ST−ZL等を挙げることができる。
〈重合性不飽和基を有する有機化合物〉
反応性シリカ粒子(Xa)は、重合性不飽和基を有する有機化合物(以下、「有機化合物(X)」という)で表面処理することによって得られる。反応性シリカ粒子(Xa)の製造に用いられる有機化合物(X)は、重合性不飽和基、好ましくはエチレン性不飽和基を有する化合物であり、さらに、下記一般式(a)に示す基を含む有機化合物であることが好ましい。
また、[−O−C(=O)−NH−]基を含み、さらに、[−O−C(=S)−NH−]基及び[−S−C(=O)−NH−]基の少なくとも1つを含むものであることが好ましい。また、この有機化合物は、分子内にシラノール基を有する化合物又は加水分解によってシラノール基を生成する化合物であることが好ましい。
Figure 2013151699
[一般式(a)中、Uは、NH、O(酸素原子)又はS(イオウ原子)を示し、Vは、O又はSを示す。]
[1]エチレン性不飽和基
有機化合物(X)に含まれるエチレン性不飽和基としては特に制限はないが、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基を好適例として挙げることができる。
このエチレン性不飽和基は、活性ラジカル種により付加重合をする構成単位である。
[2]前記一般式(a)に示す基
有機化合物に含まれる前記式(a)に示す基[−U−C(=V)−NH−]は、具体的には、[−O−C(=O)−NH−]、[−O−C(=S)−NH−]、[−S−C(=O)−NH−]、[−NH−C(=O)−NH−]、[−NH−C(=S)−NH−]、及び[−S−C(=S)−NH−]の6種である。これらの基は、1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。
中でも、熱安定性の観点から、[−O−C(=O)−NH−]基と、[−O−C(=S)−NH−]基及び[−S−C(=O)−NH−]基の少なくとも1つとを併用することが好ましい。
前記式(a)に示す基[−U−C(=V)−NH−]は、分子間において水素結合による適度の凝集力を発生させ、硬化物にした場合、優れた機械的強度、基材や隣接層との密着性に優れる。
[3]シラノール基又は加水分解によってシラノール基を生成する化合物
シラノール基を生成する化合物としては、ケイ素原子にアルコキシ基、アリールオキシ基、アセトキシ基、アミノ基、ハロゲン原子等が結合した化合物を挙げることができるが、ケイ素原子にアルコキシ基又はアリールオキシ基が結合した化合物、即ち、アルコキシシリル基含有化合物又はアリールオキシシリル基含有化合物が好ましい。
[4]好ましい態様
好ましい具体例としては、例えば、下記一般式(b)に示す化合物を挙げることができる。
Figure 2013151699
一般式(b)中、R21、R22は、同一でも異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基若しくはアリール基であり、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、フェニル、キシリル基等を挙げることができる。ここで、jは、1〜3の整数である。
[(R21O)22 3−jSi−]で示される基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリフェノキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、ジメチルメトキシシリル基等を挙げることができる。このような基のうち、トリメトキシシリル基又はトリエトキシシリル基等が好ましい。
23は、炭素数1〜12の脂肪族又は芳香族構造を有する2価の有機基であり、鎖状、分岐状又は環状の構造を含んでいてもよい。具体例として、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ヘキサメチレン、シクロヘキシレン、フェニレン、キシリレン、ドデカメチレン等を挙げることができる。
24は、2価の有機基であり、通常、分子量14から1万、好ましくは、分子量76から500の2価の有機基の中から選ばれる。具体例として、ヘキサメチレン、オクタメチレン、ドデカメチレン等の鎖状ポリアルキレン基;シクロヘキシレン、ノルボルニレン等の脂環式又は多環式の2価の有機基;フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、ポリフェニレン等の2価の芳香族基;及びこれらのアルキル基置換体、アリール基置換体を挙げることができる。
また、これら2価の有機基は炭素及び水素原子以外の元素を含む原子団を含んでいてもよく、ポリエーテル結合、ポリエステル結合、ポリアミド結合、ポリカーボネート結合を含むこともできる。
25は、(k+1)価の有機基であり、好ましくは、鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基の中から選ばれる。
Zは、活性ラジカル種の存在下、分子間架橋反応をする重合性不飽和基を分子中に有する1価の有機基を示す。また、kは、好ましくは、1〜20の整数であり、さらに好ましくは、1〜10の整数、特に好ましくは、1〜5の整数である。
一般式(b)で示される化合物の具体例として、下記(b−1)又は下記(b−2)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2013151699
[(b−1)及び(b−2)中、「Acryl」は、アクリロイル基を示す。「Me」は、メチル基を示す。]
有機化合物(X)の合成は、例えば、特開平9−100111号公報に記載された方法を用いることができる。好ましくは、メルカプトプロピルトリメトキシシランとイソホロンジイソシアネートをジブチルスズジラウレート存在下で混合し、60〜70℃で数時間程度反応させた後に、ペンタエリスリトールトリアクリレートを添加して、さらに60〜70℃で数時間程度反応させることにより製造される。
〈(Xa)反応性シリカ粒子〉
有機化合物(X)をシリカ粒子と混合し、加水分解させ、両者を結合させる。
シリカ粒子への有機化合物(X)の結合量は、反応性シリカ粒子(Xa)を100質量%として、好ましくは、0.01質量%以上であり、さらに好ましくは、0.1質量%以上、特に好ましくは、1質量%以上である。上記範囲において分散性に優れ、得られる硬化物の機械強度にも優れる。
また、反応性シリカ粒子(Xa)製造時の原料中のシリカ粒子の配合割合は、好ましくは、5〜99質量%であり、さらに好ましくは、10〜98質量%である。反応性シリカ粒子(Xa)を構成するシリカ粒子の含有量は、65〜95質量%であることが好ましい。
ハードコート層用塗布組成物中の、反応性シリカ粒子(Xa)の含有量は、組成物中の固形分全量を100質量%としたときに、5〜80質量%が好ましく、10〜80質量%がより好ましい。該範囲の割合で用いる事で、組成物中で安定に存在し、本発明の目的効果も発揮しやすい。
ハードコート層の耐熱性を高めるために、光硬化反応を抑制しないような酸化防止剤を選んで用いることができる。例えば、ヒンダードフェノール誘導体、チオプロピオン酸誘導体、ホスファイト誘導体等を挙げることができる。
ハードコート層形成組成物には、溶媒が含まれていてもよく、必要に応じて適宜含有し、希釈されたものであってもよい。
ハードコート層は、JIS B 0601で規定される中心線平均粗さ(Ra)が0.001〜0.1μmのクリアーハードコート層、または微粒子等を添加しRaが0.1〜1μmに調整された防眩性ハードコート層であってもよい。
中心線平均粗さ(Ra)は光干渉式の表面粗さ測定器で測定することが好ましく、例えばWYKO社製非接触表面微細形状計測装置WYKO NT−2000を用いて測定することができる。
ハードコート層はフッ素系化合物やシリコーン化合物を含有しても良い。また、以下に示す界面活性剤を含有してもよい。
フッ素系化合物、シリコーン化合物及び界面活性剤は、前記エネルギー活性線硬化性樹脂との含有質量比率をフッ素系化合物、シリコーン化合物及び界面活性剤:活性光線硬化樹脂=0.05:100〜5.00:100で用いることがハードコート層形成組成物中及びハードコート層で安定して存在する。
ハードコート層にはさらに、硬化助剤としてポリウレタン樹脂の側鎖にビニル基とカルボキシル基を有し、重量平均分子量が10000以上30000以下であり、且つ、二重結合当量が500以上2000以下であるポリマーやポリマーの側鎖にビニル基を有し、重量平均分子量(Mw)が10000以上100000以下であり、二重結合当量が1000以下、ポリマーTgが−50℃以上120℃以下であるアクリルポリマー、他官能チオール化合物等を含有させてもよい。市販品としては昭和電工社製、商品名カレンズMTシリーズ等が挙げられる。
また、フッ素−アクリル共重合体樹脂を含有しても良い。フッ素−アクリル共重合体樹脂の市販品としては、日本油脂株式会社の商品名、モディパーF−200、モディパーF−600、モディパーF−2020等が挙げられる。
また、ハードコート層の屈折率は23℃、波長550nm測定で、屈折率を1.4〜2.2の範囲に調整することが好ましい。屈折率を調整する手段は、金属酸化物微粒子等を添加することで達成できる。金属酸化また、用いる金属酸化物微粒子の屈折率は1.80〜2.60であるものが好ましく、1.85〜2.50であるものがさらに好ましい。
金属酸化物微粒子の種類は、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム−スズ(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、及びアンチモン酸亜鉛から選ばれる少なくとも1種の金属酸化物微粒子を主成分として用いることが特に好ましい。特にアンチモン酸亜鉛粒子を含有することが好ましい。
これら金属酸化物微粒子の一次粒子の平均粒子径は10nm〜200nmの範囲であり、10〜150nmであることが特に好ましい。金属酸化物微粒子の平均粒子径は、走査電子顕微鏡(SEM)等による電子顕微鏡写真から計測することができる。
金属酸化物微粒子は有機化合物により表面処理してもよい。
(塗工工程)
本発明のクリアーハードコート層は公知の方法で塗設することができる。
クリアーハードコート層を塗設する際の溶媒としては、例えば、炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エステル類、グリコールエーテル類、その他の溶媒の中から適宜選択し、或いはこれらを混合し利用できる。
好ましくは、プロピレングリコールモノ(炭素数1〜4のアルキル基)アルキルエーテルまたはプロピレングリコールモノ(炭素数1〜4のアルキル基)アルキルエーテルエステルを5質量%以上、さらに好ましくは5〜80質量%以上含有する溶媒が用いられる。
クリアーハードコート層を光硬化反応により硬化皮膜層を形成するための光源としては、紫外線を発生する光源であればいずれでも使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。
照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、照射光量は20〜10000mJ/cm程度あればよく、好ましくは、50〜2000mJ/cmである。近紫外線領域〜可視光線領域にかけてはその領域に吸収極大のある増感剤を用いることによって使用できる。
紫外線硬化性樹脂組成物は塗布乾燥された後、紫外線を光源より照射するが、照射時間は0.5秒〜5分がよく、紫外線硬化性樹脂の硬化効率、作業効率などから3秒〜2分がより好ましい。
(機能性層)
本発明の光学フィルム製造に際し、延伸の前または後で帯電防止層、バックコート層、易滑性層、接着層、バリアー層、防眩層、反射防止層、光学補償層等の機能性層を塗設してもよい。
<偏光板、液晶表示装置>
本発明の偏光板、それを用いた液晶表示装置について説明する。
(偏光板)
本発明の偏光板は、本発明の光学フィルムにより、偏光子の少なくとも一方の面を挟持してなる偏光板である。
偏光板は一般的な方法で作製することができる。本発明の光学フィルムの偏光子側をアルカリ鹸化処理し、沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の少なくとも一方の面に、完全鹸化型ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせることが好ましい。
もう一方の面には本発明の光学フィルムを用いても、また別の光学フィルムを用いてもよい。市販のセルロースエステルフィルム(例えば、コニカミノルタタック KC8UX、KC4UX、KC5UX、KC8UY、KC4UY、KC12UR、KC8UCR−3、KC8UCR−4、KC8UCR−5、KC4FR−1、KC8UY−HA、KC8UX−RHA、以上コニカミノルタオプト(株)製)も好ましく用いられる。
(液晶表示装置)
本発明の偏光板を液晶表示装置に組み込むことによって、種々の視認性に優れた液晶表示装置を作製することができる。本発明の光学フィルムはSTN、TN、OCB、HAN、VA(MVA、PVA)、IPSなどの各種駆動方式の液晶表示装置に用いることができる。特に好ましくはVA(MVA、PVA)型、及びIPS型液晶表示装置である。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
<エステル化合物1>
1,2−プロピレングリコール251g、無水フタル酸278g、アジピン酸91g、安息香酸610g、エステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.191gを、温度計、撹拌器、緩急冷却管を備えた2Lの四つ口フラスコに仕込み、窒素気流中230℃になるまで、撹拌しながら徐々に昇温する。15時間脱水縮合反応させ、反応終了後200℃で未反応の1,2−プロピレングリコールを減圧留去することにより、本発明のエステル化合物1を得た。酸価0.10、数平均分子量450であった。
<エステル化合物2、3>
エステル化合物1の合成において、無水フタル酸とアジピン酸の量をそれぞれ、(185g、182g)、(93g、273g)として同様の反応を行い、エステル化合物2、3を得た。それぞれ酸価0.10、数平均分子量500、酸価0.15、数平均分子量600であった。
<エステル化合物4>
2−メチル−1,3−プロパンジオール205g、無水フタル酸111g、アジピン酸37g、p−トルイル酸272g、エステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.08gを、温度計、撹拌器、緩急冷却管を備えた2Lの四つ口フラスコに仕込み、窒素気流中230℃になるまで、撹拌しながら徐々に昇温する。11時間脱水縮合反応させ、反応終了後200℃で未反応の2−メチル−1,3−プロパンジオールを減圧留去することにより、本発明のエステル化合物4を得た。酸価0.15、数平均分子量600であった。
<比較エステル化合物A>
1,2−プロピレングリコール251g、無水フタル酸370g、安息香酸610g、エステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.191gを、温度計、撹拌器、緩急冷却管を備えた2Lの四つ口フラスコに仕込み、窒素気流中230℃になるまで、撹拌しながら徐々に昇温する。15時間脱水縮合反応させ、反応終了後200℃で未反応の1,2−プロピレングリコールを減圧留去することにより、比較のエステル化合物Aを得た。酸価0.90、数平均分子量500であった。
<比較エスエル化合物B>
1,2−プロピレングリコール251g、アジピン酸370g、安息香酸122g、エステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.09gを、温度計、撹拌器、緩急冷却管を備えた2Lの四つ口フラスコに仕込み、窒素気流中230℃になるまで、撹拌しながら徐々に昇温する。15時間脱水縮合反応させ、反応終了後200℃で未反応の1,2−プロピレングリコールを減圧留去することにより、比較のエステル化合物Bを得た。酸価0.55、数平均分子量500であった。
<比較化合物C>
特開2008−69225号実施例1記載の改質剤Aを比較化合物Cとした。
<光学フィルム101の作製>
図1に実施例に用いたセルロースエステルフィルムの製造装置のフローシートを示す。
(二酸化珪素分散液)
アエロジルR812(日本アエロジル(株)製) 10質量部
(一次粒子の平均径7nm)
エタノール 90質量部
以上をディゾルバーで30分間撹拌混合した後、マントンゴーリンで分散を行った。二酸化珪素分散液に88質量部のメチレンクロライドを撹拌しながら投入し、ディゾルバーで30分間撹拌混合し、二酸化珪素分散希釈液を作製した。微粒子分散希釈液濾過器(アドバンテック東洋(株):ポリプロピレンワインドカートリッジフィルターTCW−PPS−1N)で濾過した。
(ドープ組成物)
セルローストリアセテートA1 90質量部
(リンター綿から合成されたセルローストリアセテート、アセチル基置換度2.88、Mn=140000)
本発明のエステル化合物 10質量部
チヌビン928(チバ・ジャパン(株)製) 2.5質量部
二酸化珪素分散希釈液 4質量部
メチレンクロライド 432質量部
エタノール 38質量部
以上を密閉容器に投入し、加熱し、撹拌しながら、完全に溶解し、安積濾紙(株)製の安積濾紙No.24を使用して濾過し、ドープ液を調製した。
次に、ベルト流延装置を用い、ステンレスバンド支持体に均一に流延した。ステンレスバンド支持体で、残留溶剤量が100%になるまで溶剤を蒸発させ、ステンレスバンド支持体上から剥離した。セルロースエステルフィルムのウェブを35℃で溶剤を蒸発させ、1.65m幅にスリットし、テンターで幅保持し160℃の乾燥温度(熱処理温度、延伸温度ともいう)で乾燥させた。
乾燥を始めたときの残留溶剤量は20%であった。その後、120℃の乾燥装置内を多数のロールで搬送させながら15分間乾燥させた後、フィルム両端に幅15mm、高さ10μmのナーリング加工を施し、巻芯に巻き取り、光学フィルム101を得た。光学フィルムの残留溶剤量は0.2%であり、膜厚は40μm、巻数は6000mであった。
尚、光学フィルム101の平均表面粗さRaは2.2nm、30℃における貯蔵弾性率はMD方向に5.0GPa、TD方向に4.5GPa、ステンレスバンド支持体の回転速度とテンターの運転速度から算出されるMD方向(搬送方向)の延伸倍率は1.10倍(10%の延伸倍率)であった。
この光学フィルム101に、下記ハードコート層塗布組成物1を孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過してハードコート層塗布液を調製し、ダイコータにより塗布し、70℃で乾燥後、酸素濃度が1.0体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら、紫外線ランプを用い照射部の照度が300mW/cm、照射量を0.3J/cmとして塗布層を硬化させ、さらに加熱処理ゾーンにおいて、130℃で5分間、搬送張力300N/mで加熱処理し、ドライ膜厚7μmのハードコート層を形成し、ハードコートフィルム101を作製し、巻き取った。
(ハードコート層組成物1)
下記材料を攪拌、混合しハードコート層塗布組成物1とした。
ペンタエリスリトールトリアクリレート 20.0質量部
ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50.0質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 30.0質量部
ジペンタエリスリトールペンタアクリレート 30.0質量部
イルガキュア184(チバ・ジャパン社製) 5.0質量部
フッ素−シロキサングラフトポリマーI(35質量%) 5.0質量部
シーホスターKEP−50(粉体のシリカ粒子、平均粒径0.47〜0.61μm、日本触媒株式会社製) 24.3質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 20質量部
酢酸メチル 40質量部
メチルエチルケトン 60質量部
《フッ素−シロキサングラフトポリマーIの調製》
以下、フッ素−シロキサングラフトポリマーIの調整に用いた素材の市販品名を示す。
ラジカル重合性フッ素樹脂(A):セフラルコートCF−803(水酸基価60、数平均分子量15,000;セントラル硝子(株)製)
片末端ラジカル重合性ポリシロキサン(B):サイラプレーンFM−0721(数平均分子量5,000;チッソ(株)製)
ラジカル重合開始剤:パーブチルO(t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート;日本油脂(株)製)
硬化剤:スミジュールN3200(ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット型プレポリマー;住化バイエルウレタン(株)製)
(ラジカル重合性フッ素樹脂(A)の合成)
機械式撹拌装置、温度計、コンデンサー及び乾燥窒素ガス導入口を備えたガラス製反応器に、セフラルコートCF−803(1554質量部)、キシレン(233質量部)、及び2−イソシアナトエチルメタクリレート(6.3質量部)を入れ、乾燥窒素雰囲気下で80℃に加熱した。80℃で2時間反応し、サンプリング物の赤外吸収スペクトルによりイソシアネートの吸収が消失したことを確認した後、反応混合物を取り出し、ウレタン結合を介して50質量%のラジカル重合性フッ素樹脂(A)を得た。
(フッ素−シロキサングラフトポリマーIの調製)
機械式撹拌装置、温度計、コンデンサー及び乾燥窒素ガス導入口を備えたガラス製反応器に、上記合成したラジカル重合性フッ素樹脂(A)(26.1質量部)、キシレン(19.5質量部)、酢酸n−ブチル(16.3質量部)、メチルメタクリレート(2.4質量部)、n−ブチルメタクリレート(1.8質量部)、ラウリルメタクリレート(1.8質量部)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(1.8質量部)、FM−0721(5.2質量部)、及びパーブチルO(0.1質量部)を入れ、窒素雰囲気中で90℃まで加熱した後、90℃で2時間保持した。パーブチルO(0.1部)を追加し、さらに90℃で5時間保持することによって、重量平均分子量が171,000である35質量%フッ素−シロキサングラフトポリマーIの溶液を得た。
重量平均分子量はGPCにより求めた。また、フッ素−シロキサングラフトポリマーIの質量%はHPLC(液体クロマトグラフィー)により求めた。
〈偏光板の作製〉
上記作製した光学フィルム101を、40℃の2.5mol/L水酸化ナトリウム水溶液で90秒間アルカリ処理し、45秒間間水洗し、10質量%HClにて30℃45秒間中和し、次いで30℃45秒間水洗して鹸化処理し、アルカリ処理フィルムを得た。
次いで、厚さ120μmのポリビニルアルコールフィルムを、一軸延伸(温度110℃、延伸倍率6倍)した。これをヨウ素0.075g、ヨウ化カリウム5g、水100gからなる水溶液に60秒間浸漬し、次いでヨウ化カリウム6g、ホウ酸7.5g、水100gからなる68℃の水溶液に浸漬した。これを水洗、乾燥し3.0m幅の偏光子を得た。
次に、アルカリ処理フィルムを完全鹸化型ポリビニルアルコール5%水溶液を粘着剤として、偏光子の両面に貼合し偏光板101を作製した。
<光学フィルム102の作製>
101の作製において、1.7m幅にスリットした後、テンターでTD方向(フィルムの幅手方向)に1.3倍(30%の延伸倍率)に延伸しながら、160℃の乾燥温度(熱処理温度、延伸温度ともいう)で乾燥させた。このときテンターで延伸を始めたときの残留溶剤量(残溶ともいう)は20%であった。その後、120℃の乾燥装置内を多数のロールで搬送させながら15分間乾燥させた後、2.2m幅にスリットし、フィルム両端に幅15mm、高さ10μmのナーリング加工を施し、巻芯に巻き取り、光学フィルム102を得た。光学フィルムの残留溶剤量は0.2%であり、膜厚は40μm、巻数は6000mであった。
尚、平均表面粗さRaは3.0nm、30℃における貯蔵弾性率はMD方向に4.1GPa、TD方向に5.5GPaステンレスバンド支持体の回転速度とテンターの運転速度から算出されるMD方向の延伸倍率は1.01倍であった。
セルローストリアセテートA1、エステル化合物1を表1に記載のセルローストリアセテートに変更し、光学フィルム102と同様にして光学フィルム103〜114を作製した。
<光学フィルム115の作製>
102の作製において、本発明のエステル化合物の添加量を5質量部とし、その他は同じ条件で光学フィルム115を作製した。
これらの光学フィルムにクリアーハードコート層をハードコートフィルム101と同様に設け、ハードコートフィルム102〜115および偏光板を作製した。
Figure 2013151699
光学フィルム101〜115、ハードコートフィルム101〜115、偏光板101〜115について下記の評価を行った。結果を表2に示す。
<光学フィルム貯蔵弾性率の測定>
下記条件で光学フィルムの動的粘弾性を測定し、tanδ−40/tanδpeakを求めた。試料はあらかじめ23℃55%RHの雰囲気下24時間調湿したものを使用し、湿度55%RH、下記条件で昇温させながら測定した。
測定装置:ティーエイインスツルメント社製 RSAIII
試料:幅5mm、長さ50mm(ギャップ20mmに設定)
測定条件:引張モード
測定温度:25〜210℃
昇温条件:5℃/min
周波数:1Hz
<鉛筆硬度の測定>
23℃55%RHの雰囲気下24時間調湿したハードコートフィルム試料を、同条件下JISK5400が規定する鉛筆硬度評価法に従い、クリアーハードコート層の面を1kgのおもりを用いて各硬度の鉛筆で引っ掻きを5回繰り返し、傷が1本までの硬度を測定した。数字か高いほど、高硬度を示す。
<耐候密着>
ハードコート面を上にして、耐候性試験機(アイスーパーUVテスター、岩崎電気株式会社製)にて、250時間光照射した。
JIS K 5400に準拠する方法で、1mmの間隔で縦横に11本の切れ目を入れ、1mm角、100個の碁盤目を作製し、セロハンテープを貼り付けて90度の角度ですばやくはがし、剥れずに残っている碁盤目の数を数えた。
数が多い程、密着性は良好と言える。
<偏光子劣化(耐久性)>
上記方法で作製した偏光板について23℃55%RHの雰囲気下24時間調湿した試料を、同条件下先ず平行透過率と直交透過率を測定し、下記式にしたがって偏光度を算出した。その後各々の偏光板を60℃90%RHの条件下で1000時間の強制劣化後、再度平行透過率と直行透過率を測定し、下記式に従って偏光度を算出した。偏光度変化量を下記式により求めた。
偏光度P=((H0−H90)/(H0+H90))0.5×100
偏光度変化量=P0−P1000
H0 :平行透過率
H90 :直交透過率
P0 :強制劣化前の偏光度
P1000:強制劣化1000時間後の偏光度
○:偏光度変化率10%未満
△:偏光度変化率10%以上25%未満
×:偏光度変化率25%以上
Figure 2013151699
表2から明らかなように、本発明のセルローストリアセテートとエステル化合物の組み合わせは優れた効果を示している。
実施例2
実施例1のセルローストリアセテートAの代わりに、表1、3記載のセルローストリアセテートBとの組み合わせとし実施例1と同様に光学フィルム201〜218、ハードコートフィルム201〜218、偏光板201〜218を作製し同様の評価を行った。結果を表3に示す。
なお、表3におけるセルローストリアセテートAとBの比%とは、質量%を意味する。
<引裂き強度>
エレメンドルフ法の引き裂き荷重をJIS K 7128−1991に従い東洋精機(株)製の軽荷重引き裂き装置で引き裂き強度を測定した。
Figure 2013151699
表3から明らかなように、本発明のセルローストリアセテートとエステル化合物の組み合わせは優れた効果を示している。
実施例3
<エステル化合物5>
Figure 2013151699
<光学フィルム301、302の作製>
実施例1の光学フィルム102の作製においてエステル化合物5を表4の質量比率で混合して、光学フィルム301、302を作製した。
<光学フィルム303、304の作製>
実施例1の光学フィルム102の作製において、アセチル置換度2.42、数平均分子量50000のセルロースジアセテートを表4の質量比率で混合して、光学フィルム303、304を作製した。
ただし、ドープ組成物の中の全溶剤質量比率を表4のように変更した。
<光学フィルム305〜310の作製>
実施例1の光学フィルム102の作製において、セルロースエステルC1および、セルロースエステルC2を表4の質量比率で混合して、光学フィルム305〜310を作製した。
なお、セルロースエステルC1およびC2は下記のようにして作製した。
(合成例1)セルロースエステルC1の合成
反応器に酢酸セルロース(ダイセル化学工業(株)製、L−20、置換度2.41)70部を加え、110℃、4時間、4Torr(1Torrは約133Pa)で減圧乾燥した。その後、乾燥窒素によりパージを行い、還流冷却管を取り付け、事前に乾燥、蒸留したε−カプロラクトン30部、シクロヘキサノン67部を加えて160℃に加熱、撹拌して酢酸セルロースを均一に溶解させた。
この反応液にモノブチルスズトリオクチレート0.25部を添加し、160℃で2時間撹拌しながら加熱した。その後、反応液を室温まで冷却し反応を終結させ反応物を得た。さらに、クロロホルム90部に対して反応物10部を溶解後、大過剰のメタノール900部中にゆっくりと滴下し、沈殿した沈殿物を濾別することによって、ε−カプロラクトンの単独重合体を除去した。
さらに、60℃にて5時間以上加熱乾燥し、ε−カプロラクトンが酢酸セルロースに反応したセルロースエステルC1を得た。そして、H−NMRにより得られたセルロースエステルの一次構造を分析した。その結果、グルコース単位1モルあたりに反応したε−カプロラクトンの平均モル数は0.86、平均置換度は0.12、平均重合度は7.4であった。
(合成例2)セルロースエステルC2の合成
反応器に酢酸セルロース(ダイセル化学工業(株)製、L−20、置換度2.41)70部、L−ラクチド30部を加え、65℃、12時間、4Torrで減圧乾燥した。その後、乾燥窒素によりパージを行い、還流冷却管を取り付け、事前に乾燥、蒸留したシクロヘキサノン67部を加えて160℃に加熱、撹拌して酢酸セルロースを均一に溶解させた。
この反応液にモノブチルスズトリオクチレート0.25部を添加し、160℃で2時間撹拌しながら加熱した。その後、反応液を室温まで冷却し反応を終結させ反応物を得た。さらに、クロロホルム90部に対して反応物10部を溶解後、大過剰のメタノール900部中にゆっくりと滴下し、沈殿した沈殿物を濾別することによって、L−ラクチドの単独重合体を除去した。
さらに、60℃にて5時間以上加熱乾燥し、L−ラクチドが酢酸セルロースに反応したセルロースエステルC2を得た。そして、H−NMRにより得られたセルロースエステルの一次構造を分析した。その結果、グルコース単位1モルあたりに反応した乳酸単位(乳酸ユニット)の平均モル数は0.85、平均置換度DSは0.22、平均重合度は3.9であった。
これらの試料について評価した結果を表4に示す。
<Rtの測定>
リターデーションRtは、KOBRA−21ADH(王子計測機器(株))を用いて、23℃、55%RHの環境下、波長590nmで測定した。
<膜厚の測定>
膜厚は、23℃55%RHの環境下、東京精密株式会社製の膜厚測定器DH−150を使用して行った。
Figure 2013151699
表4から明らかなように、本発明のセルローストリアセテートとエステル化合物の組み合わせは優れた効果を示している。
実施例4
<光学フィルム1001〜1007の作製>
102の作製において、表5のように膜厚、延伸温度、延伸倍率、延伸残溶を変更し、光学フィルム1001〜1007を作製した。
<光学フィルム1008の作製>
102の作製において、本発明のエステル化合物を以下のものに変更した上、膜厚、延伸条件を表5のように変更し、光学フィルム1008を作製した。
<光学フィルム1009の作製>
102の作製において、本発明のエステル化合物の代りに、トリメチロールプロパントリベンゾエート(脂肪族多価アルコールエステル)5.0質量部およびエチルフタリルエチルグリコレート5.5質量部、チヌビン928の代りに、チヌビン109の1.2質量部、チヌビン171、0.5質量部を使用し、膜厚、延伸条件を表5のように変更し、光学フィルム1009を作製した。
これらの光学フィルムついて、表5のように評価した。さらに実施例1の方法に従い偏光板を作製し、耐久性を評価した。
<寸法安定性測定方法>
本発明の光学フィルムの寸法安定性は、下記の寸法変動比率によって判断した。
1)フィルムを11×11cmに切りだす。
2)MD方向に10cm、TD方向に10cm間隔で、印を付ける。
3)23℃55%で3時間以上調湿した後、顕微鏡で0.000mmスケールまでMD、TDそれぞれの間隔を測定。
4)140℃で1時間静置する。
5)23℃55%RHの雰囲気下で3時間以上調湿した後、3)と同様にして間隔を測定する。
6)( 5)の値÷3)の値−1)×100で寸法変動比率を求める。
Figure 2013151699
本発明の光学フィルムは、寸歩安定性、耐久性が良好であることがわかる。
実施例5
<光学フィルム2001の作製>
光学フィルム1002の作製において、延伸条件を表6のように変更し光学フィルム2001を作製した。
<光学フィルム2002の作製>
光学フィルム1002の作製において、エステル化合物の含有量を8質量部に変更し光学フィルム2002を作製した。
<光学フィルム2003の作製>
光学フィルム1002の作製において、ATBC(アセチルクエン酸トリブチル)を2質量部含有させ、その他は光学フィルム1002と同じ条件で光学フィルム2003を作製した。
この光学フィルム2001〜2003、1001〜1004に、表6記載の膜厚になるように上記ハードコート層組成物1を塗布、乾燥、硬化させクリアーハードコート層(CHC層)を作製した。
このハードコート層を有する光学フィルムを評価した。なお、logPの計算には、富士通(株)製ソフトウェアACD/LabsのACD/logP DBを使用した。
<表面粗さRa>
WYKO社製 RSTPLUS非接触三次元微小表面形状測定システムを用いて、JIS B 0601に準じ、23℃55%RHの条件下測定した。
Figure 2013151699
本発明のRaとlogPの関係を有している範囲のものは、表面薄膜加工においても耐候密着が良好であることがわかる。
1 主ドープ仕込み釜
2 ドープ送液ポンプ
5 前後巻回ドラム
7 ステンレスベルト
8 剥離ロール
9 ウェブ
10A、10B ロール搬送乾燥装置
11 温風(乾燥風)
12 テンター
13 フィルム巻き取り装置
A 流延ダイ

Claims (8)

  1. フィルム幅手方向のtanδが、下記の関係を有することを特徴とする光学フィルム。
    0.50≧tanδ−40/tanδpeak≧0.22
    ここでtanδpeakとは、25℃〜210℃のtanδ値を測定した最大値、tanδ−40とは、tanδpeakを示した時の温度−40℃でのtanδの値をいう。
  2. 下記の関係を有することを特徴とする請求項1記載の光学フィルム。
    0.08≧tanδ−40/tanδpeak/d1/2≧0.0345
    dは、光学フィルムの膜厚(μm)を表す。
  3. 下記の関係を有することを特徴とする請求項1または2記載の光学フィルム。
    Ra≧3.5×logP−24.5
    logP≧7.0である。
    Raは、光学フィルムの平均表面粗さ(nm)を表し、logPは、フィルム組成物全体の平均分配係数logPを表す。
  4. 前記光学フィルムが、フタル酸、アジピン酸、少なくとも一種のベンゼンモノカルボン酸および少なくとも一種の炭素数2〜12のアルキレングリコールとを反応させた構造を有するエステル化合物、並びにアセチル基置換度が2.80〜2.95であって数平均分子量125000以上155000未満のセルローストリアセテートAを含有することを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の光学フィルム。
  5. 前記光学フィルムが、アセチル基置換度が2.80〜2.95であって数平均分子量125000以上155000未満のセルローストリアセテートA、およびアセチル基置換度が2.75〜2.90であって数平均分子量155000以上180000未満のセルローストリアセテートBを含有することを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の光学フィルム。
  6. 前記ベンゼンモノカルボン酸が安息香酸であり、前記アルキレングリコールが1,2−プロピレングリコールであることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載の光学フィルム。
  7. 厚み方向のリターデーション値Rtが、下記であることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項に記載の光学フィルム。
    Rt≧0.85nm/膜厚1μm
  8. 請求項1〜7いずれか1項に記載の光学フィルムを偏光子の少なくとも一方の面に用いたことを特徴とする偏光板。
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