JP5617922B2 - ハードコート用基材フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、適切な光学性能を維持しながら、表面加工適性(硬度、密着性)に優れたハードコート用基材フィルムに関する。
昨今、自動車搭載用の液晶ディスプレイ、大型液晶テレビのディスプレイ、携帯電話、ノートパソコン等の普及から液晶表示装置(以下「LCD」ともいう。)の需要が旺盛である。このようなLCDには、偏光フィルムや位相差フィルムなどの基材フィルムが使用されている。
LCDの需要が増加し、これに合わせ使用される偏光板についても薄膜化、軽量化、高生産化が要望されている。さらに、LCDの大画面化に伴い、部材としての偏光板保護フィルム、位相差フィルム等の基材フィルムも薄膜化、広面積化が求められている。
偏光板保護フィルムとしては、表面の硬度向上及び低コスト化のため総アシル基置換度が2.80〜2.95である所謂トリアセチルセルロース(TAC)フィルムが使用されることが多い。しかしながら、薄膜化したTACの偏光板保護フィルムを液晶表示装置の最表面に使用した場合、ハードコート層を設けた後、経時でハードコート層の膜剥がれを生じやすいという問題があった。
このような問題を解決する手段として、エチレン性不飽和ポリマーや芳香族末端ポリマーによりハードコート用基材フィルムを改質する技術が提案されている(例えば特許文献1参照。)しかしながら、このようなポリマーを添加した場合には解決手段としては、必ずしも十分ではなく、偏光子との密着性は良いが、ハードコート層との密着性改良が不十分であったり、硬度が低下するという問題があり、更なる改良が望まれている。
また、硬度については、延伸する事により向上するが、延伸を行うことによりヘイズも上昇するため、硬度とヘイズを同時に改良することは困難であった。
特開2007−3918号公報
本発明は、上記問題・状況にかんがみてなされたものであり、その解決課題は、表面加工適性(偏光子及びハードコート層との密着性)に優れ、かつ硬度やヘイズの劣化が少ないハードコート用基材フィルムを提供することである。
本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.延伸されたハードコート用基材フィルムであって、総アシル基置換度が2.80〜2.95の範囲であり、かつ下記の二種類の化合物を含むセルロースエステルを含有することを特徴とするハードコート用基材フィルム。
化合物(1):分子内にヒドロキシ基を有さないアクリルモノマーAとヒドロキシ基を有するアクリルモノマーBとの共重合体であり、その重量平均分子量が30,000超250,000以下である。
化合物(2):分子内にヒドロキシ基を有さないアクリルモノマーCの重合体であり、重量平均分子量が300〜3000の範囲内である。
2.前記ハードコート用基材フィルムの幅手方向の動的粘弾性を25〜200℃の範囲で1Hzにて測定したときに得られる動的粘弾性損失正接の最大値tanδmaxが、0.85〜1.00の範囲内であることを特徴とする前記第1項に記載のハードコート用基材フィルム。
3.前記化合物(1)を構成するアクリルモノマーAとアクリルモノマーBとのモル比が、97:3〜85:15の範囲内であることを特徴とする前記第1項又は第2項に記載のハードコート用基材フィルム。
4.芳香族基を末端に有するポリエステルを含有していることを特徴とする前記第1項から第3項までのいずれか一項に記載のハードコート用基材フィルム。
本発明の上記手段により、適切な光学性能を維持しながら、表面加工適性(硬度、密着性)に優れたハードコート用基材フィルムを提供することができる。
本発明のハードコート用基材フィルムの製造方法を示すフローシート スライドガラス上にグリセリンを滴下した状態を示す模式図 グリセリン上に試料フィルムを置いた状態を示す模式図 試料フィルム上にグリセリンを滴下した状態を示す模式図 グリセリン上にカバーガラスを置いた状態を示す模式図
本発明のハードコート用基材フィルムは、延伸されたハードコート用基材フィルムであって、総アシル基置換度が2.80〜2.95の範囲であり、かつ前記の二種類の化合物(化合物(1)及び化合物(2))を含むセルロースエステルを含有することを特徴とする。この特徴は、請求項1から請求項4までの請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から、前記ハードコート用基材フィルムの幅手方向の動的粘弾性を25〜200℃の範囲で1Hzにて測定したときに得られる動的粘弾性損失正接の最大値tanδmaxが、0.85〜1.00の範囲内であることが好ましい。また、前記化合物(1)を構成するアクリルモノマーAとアクリルモノマーBとのモル比が、85:15の範囲内であることが好ましい。さらに、本発明のハードコート用基材フィルム芳香族基を末端に有するポリエステルを含有していることが好ましい。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態について詳細な説明をする。
(本発明のハードコート用基材フィルムの概要)
本発明のハードコート用基材フィルムは、延伸されたハードコート用基材フィルムであって、総アシル基置換度が2.80〜2.95の範囲であり、かつ下記の二種類の化合物を含むセルロースエステルを含有することを特徴とする。
化合物(1):分子内にヒドロキシ基を有さないアクリルモノマーAとヒドロキシ基を有するアクリルモノマーBとの共重合体であり、その重量平均分子量が30,000超250,000以下である。好ましい重量平均分子量は、40,000超230,000以下である。
化合物(2):分子内にヒドロキシ基を有さないアクリルモノマーCの重合体であり、重量平均分子量が300〜3000の範囲内である。
本発明のハードコート用基材フィルムは、上記特徴を有することにより、適切な光学性能を維持しながら、優れた表面加工適性(硬度、密着性)を発現する。
当該優れた表面加工適性は、延伸により分子同士の相溶性と分子の配向性が改善されることで発現できると考えられる。すなわち、アクリル樹脂単独では、透明性が高いが脆いという欠点があるところ、セルロースエステルと混合することで脆性は改善される。また、化合物(1)のヒドロキシ基が延伸時にセルロースエステルと相互作用することにより分子同士が適切に配向し、低分子量の化合物(2)が相溶性を保つことによりヘイズ上昇を抑えていると考えられる。
本発明においては、本発明のハードコート用基材フィルムの幅手方向の動的粘弾性を25〜200℃の範囲で1Hzにて測定したときに得られる動的粘弾性損失正接tanδ(=損失弾性率/貯蔵弾性率)の最大値tanδmaxが、0.85〜1.00の範囲内であるように調整されていることが好ましい。
当該tanδmaxを所定の範囲内に制御する方法としては、前記化合物(1)と化合物(2)の含有率及び延伸率を調整することで行うことができる。
なお、本発明においては、下記条件で動的粘弾性を測定した。なお、試料はあらかじめ23℃55%RHの雰囲気下24時間調湿したものを使用し、湿度55%RH、下記条件で昇温させながら測定した。
測定装置:ティーエイインスツルメント社製 RSAIII
試料:幅5mm、長さ50mm(ギャップ20mmに設定)
測定条件:引張モード
測定温度:25〜200℃
昇温条件:5℃/min
周波数:1Hz
本発明において、延伸の条件としては、延伸温度は150〜170℃、延伸倍率は1.2〜1.5倍であることが好ましい。
<セルロースエステル>
本発明のハードコート用基材フィルムは、総アシル基置換度が2.80〜2.95の範囲であるセルロースエステルを含有することを特徴とする。
本発明に用いるセルロースエステルは、数平均分子量が、125000〜155000の範囲内であることが好ましい。
なお、アシル基の置換度の測定方法はASTM−D817−96に準じて測定することができる。
本発明に係るセルロースエステルは、アセチル基置換度が2.80〜2.95の範囲内であることが好ましく、さらに、2.84〜2.94の範囲内であることが好ましい。
数平均分子量(Mn)は、125000〜155000であり、129000〜152000であることが好ましい。
さらに、重量平均分子量(Mw)は、265000〜310000の範囲内であることが好ましい。また、Mw/Mnは、1.9〜2.1であることが好ましい。
本発明に係るセルロースエステルの平均分子量(Mn、Mw)及び分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定することができる。測定条件は以下の通りである。
溶媒: メチレンクロライド
カラム: Shodex K806、K805、K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:25℃
試料濃度: 0.1質量%
検出器: RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ: L6000(日立製作所(株)製)
流量: 1.0ml/min
校正曲線: 標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=2,800,000〜500迄の13サンプルによる校正曲線を使用した。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いることが好ましい。
本発明に係るセルロースエステルは、特開平10−45804号、特開2005−281645号公報に記載の方法を参考にして合成することができる。
また、セルロースエステルは、セルロースエステル中の微量金属成分は、鉄(Fe)成分については、1ppm以下であることが好ましい。カルシウム(Ca)成分は60ppm以下、好ましくは0〜30ppmである。マグネシウム(Mg)成分については、0〜70ppmであることが好ましく、特に0〜20ppmであることが好ましい。鉄(Fe)分の含量、カルシウム(Ca)分含量、マグネシウム(Mg)分含量等の金属成分は、絶乾したセルロースエステルをマイクロダイジェスト湿式分解装置(硫硝酸分解)、アルカリ溶融で前処理を行った後、ICP−AES(誘導結合プラズマ発光分光分析装置)を用いて分析することができる。
本発明に係るセルロースエステルには、本発明の性能を妨げない範囲(10質量%以下)で、例えば、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロースエステルを混合してもよい。
更に、置換基をグラフト重合させたセルロースを全セルロースエステル中に2%〜20%混合、もしくは、全酢綿の平均置換度が2.75〜2.85となるようにセルロースジアセテートを混合することは、高リターデーション化及び、延伸後のフィルムの脆性劣化を防ぐ上で、好ましい。
置換基をグラフト重合させたセルロースとしては、下記一般式(1)又は(2)で表される繰り返し単位を有するセルロースエステルであることが好ましい。
以下にAの具体例を挙げる。
A−1 −CHCH
A−2 −CHCHCH
A−3 −CH=CH−
A−4
A−5
A−6 −CHC(CH
以下Bの具体例を挙げる。
B−1 −CHCH
B−2 −CHCHCHCH
B−3
B−4
本発明における前記一般式(1)又は(2)で表される繰り返し単位を有するセルロースエステルは、未置換のヒドロキシ基(水酸基)を有するセルロース、又はアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、フタリル基等のアシル基によってすでに一部のヒドロキシ基(水酸基)が置換されているセルロースエステルの存在下で、多塩基酸又はその無水物と多価アルコールとのエステル化反応、又はL−ラクチド、D−ラクチドの開環重合、L−乳酸、D−乳酸の自己縮合を行わせることによって得ることができる。
エステル化反応に用いる多塩基酸無水物として、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水フマル酸が挙げられるが特に限定されない。
エステル化反応に用いることができる多価アルコールとして、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコールなどが挙げられるが特に限定されない。
エステル化反応は、無触媒で反応をすることもできるが、公知のルイス酸触媒などを用いることができる。使用できる触媒としてはスズ、亜鉛、チタン、ビスマス、ジルコニウム、ゲルマニウム、アンチモン、ナトリウム、カリウム、アルミニウムなどの金属及びその誘導体が挙げられ、特に誘導体については金属有機化合物、炭酸塩、酸化物、ハロゲン化物が好ましい。具体的にはオクチルスズ、塩化スズ、塩化亜鉛、塩化チタン、アルコキシチタン、酸化ゲルマニウム、酸化ジルコニウム、三酸化アンチモン、アルキルアルミニウムなどを例示することができる。また、触媒としてパラトルエンスルホン酸に代表される酸触媒を用いることもできる。また、カルボン酸とアルコールとの脱水反応を促進するためにカルボジイミド、ジメチルアミノピリジンなど公知の化合物を添加してもよい。
係る反応は、セルロースエステル及びその他の反応させる化合物を溶解させることが可能な有機溶媒中における反応によってもよいし、剪断力を付加しながら加熱攪拌が可能なバッチ式ニーダーを用いた反応によるものであってもよいし、一軸或いは二軸のエクストルーダーを用いた反応によるものであってもよい。
繰り返し単位は、当該部分のセルロースに対して0.5〜190質量%の範囲で適宜含有させることができる。
セルロースエステルの置換度は、適宜選択することができるが、2.2〜2.95であることが熱可塑性、熱加工性の点から好ましい。
本発明に係るセルロースエステルにおいて、セルロースのヒドロキシ基(水酸基)部分の水素原子が脂肪族アシル基との脂肪酸エステルであるとき、脂肪族アシル基は炭素原子数が2〜20で具体的にはアセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、オクタノイル、ラウロイル、ステアロイル等が挙げられる。
繰り返し単位は、当該部分のセルロースに対しての数平均分子量として300〜10000であり、500〜8000であることが熱加工性の点から好ましい。なお、当該セルロースエステルが有する繰り返し単位のみの数平均分子量は、エステル化反応する前のセルロースエステルと反応後のセルロースエステルをポリスチレン換算したGPCデータ又は、H−NMR(日本電子製JNM−EX−270:溶媒:重塩化メチレン)により比較して求めた。
繰り返し単位をセルロースに導入する際に副反応として、一般式(1)又は(2)で表される繰り返し単位を有するオリゴマー、ポリエステルが生成することあるが、これらの化合物は可塑剤として作用することから精製により必ずしも完全に除去する必要はなくセルロースエステルに含んでもよい。含有量としてはセルロースエステルに対して30質量%以下であればセルロースエステルの性質を大きく変化させることは少ない。可塑性の点から、好ましくは0.5〜20質量%である。
これらのオリゴマー、ポリエステルの数平均分子量は、300〜10000であり、可塑性の点から好ましくは500〜8000である。
《アクリルモノマーと(共)重合体》
本発明において用いるセルロースエステルは、下記の二種類の化合物を含有することを特徴とする。
化合物(1):分子内にヒドロキシ基を有さないアクリルモノマーAとヒドロキシ基を有するアクリルモノマーBとの共重合体であり、その重量平均分子量が30,000超250,000以下である。
化合物(2):分子内にヒドロキシ基を有さないアクリルモノマーCの重合体であり、重量平均分子量が300〜3000の範囲内である。
分子内にヒドロキシ基(水酸基)を有しないアクリルモノマーA又はCは、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル(i−、n−)、アクリル酸ブチル(n−、i−、s−、t−)、アクリル酸ペンチル(n−、i−、s−)、アクリル酸ヘキシル(n−、i−)、アクリル酸ヘプチル(n−、i−)、アクリル酸オクチル(n−、i−)、アクリル酸ノニル(n−、i−)、アクリル酸ミリスチル(n−、i−)、アクリル酸(2−エチルヘキシル)、アクリル酸(ε−カプロラクトン)、等、又は上記アクリル酸エステルをメタクリル酸エステルに変えたものを挙げることができる。中でも、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル(i−、n−)であることが好ましい。
なお、アクリルモノマーAとCは、異なっていても同一であってもよいが、異なっていることが好ましい。
アクリルモノマーBは、ヒドロキシ基(水酸基)を有するモノマー単位として、アクリル酸又はメタクリル酸エステルが好ましく、例えば、アクリル酸(2−ヒドロキシエチル)、アクリル酸(2−ヒドロキシプロピル)、アクリル酸(3−ヒドロキシプロピル)、アクリル酸(4−ヒドロキシブチル)、アクリル酸(2−ヒドロキシブチル)、又はこれらアクリル酸をメタクリル酸に置き換えたものを挙げることが出来、好ましくは、アクリル酸(2−ヒドロキシエチル)及びメタクリル酸(2−ヒドロキシエチル)、アクリル酸(2−ヒドロキシプロピル)、アクリル酸(3−ヒドロキシプロピル)である。
本発明に係る重合体Xは、分子内に芳香環とヒドロキシ基(水酸基)を有しないアクリルモノマーAと分子内に芳香環を有せず、ヒドロキシ基(水酸基)を有するアクリルモノマーBとアクリルモノマーAとを共重合して得られた重量平均分子量2000以上、30000以下の重合体である。
〈化合物(1):共重合体〉
本発明に係る化合物(1)は、分子内にヒドロキシ基を有さないアクリルモノマーAとヒドロキシ基を有するアクリルモノマーBとの共重合体であり、その重量平均分子量が30,000超250,000以下である。
好ましくは、アクリルモノマーAは分子内に芳香環とヒドロキシ基(水酸基)を有しないアクリル又はメタクリルモノマー、アクリルモノマーBは分子内に芳香環を有せずヒドロキシ基(水酸基)を有するアクリル又はメタクリルモノマーである。
本発明に係る好ましい化合物(1)は、下記一般式(1)で表される。
一般式(1)
−[CH−C(−R)(−CO)]−[CH−C(−R)(−CO−OH)−]
上記一般式(1)において、R、Rは、それぞれ水素原子又はメチル基を表す。R2は炭素数1〜12のアルキル基又はシクロアルキル基を表す。Rは−CH−、−C−又はC−を表す。m、及びnは、モル組成比を表す。ただしm≠0、n≠0、m+n=100である。
化合物(1)を構成するモノマー単位において、ヒドロキシ基(水酸基)とは、ヒドロキシ基(水酸基)のみならずエチレンオキシド連鎖を有する基を含む。
アクリルモノマーA及びアクリルモノマーBのモル組成比m:nは97:3〜85:15の範囲内が好ましく、更に好ましくは95:5〜90:10の範囲である。
また、アクリルモノマーBのモル組成比が上記範囲を超えると製膜時にヘイズが出る傾向がある。また、アクリルモノマーBが無い場合、又は少ない場合には脆性が著しく劣化する。
化合物(1)の分子量は、重量平均分子量が30,000超250,000以下である。なお、当該範囲外では硬度が低くなる。
〈化合物(2):重合体〉
本発明に係る化合物(2)は、分子内にヒドロキシ基を有さないアクリルモノマーCの重合体であり、重量平均分子量が300〜3000の範囲内である。なお、当該範囲外では製膜時にヘイズが出る傾向がある。
本発明に係る化合物(1)及び化合物(2)の重量平均分子量は、公知の分子量調節方法で調整することができる。そのような分子量調節方法としては、例えば、四塩化炭素、ラウリルメルカプタン、チオグリコール酸オクチル等の連鎖移動剤を添加する方法等が挙げられる。
また、重合温度は、通常、室温から130℃、好ましくは50℃から100℃で行われるが、この温度又は重合反応時間を調整することで可能である。
重量平均分子量の測定方法は、下記の方法により求めることができる。
(平均分子量測定方法)
重量平均分子量Mw、数平均分子量Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定した。
測定条件は以下の通りである。
溶媒: メチレンクロライド
カラム: Shodex K806、K805、K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:25℃
試料濃度: 0.1質量%
検出器: RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ: L6000(日立製作所(株)製)
流量: 1.0ml/min
校正曲線: 標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1000000〜500の13サンプルによる校正曲線を使用した。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いる。
化合物(1)及び化合物(2)を合成するには、通常の重合では分子量のコントロールが難しく、分子量を余り大きくしない方法で、かつできるだけ分子量を揃えることのできる方法を用いることが望ましい。
かかる重合方法としては、クメンペルオキシドやt−ブチルヒドロペルオキシドのような過酸化物重合開始剤を使用する方法、重合開始剤を通常の重合より多量に使用する方法、重合開始剤の他にメルカプト化合物や四塩化炭素等の連鎖移動剤を使用する方法、重合開始剤の他にベンゾキノンやジニトロベンゼンのような重合停止剤を使用する方法、更に特開2000−128911号又は同2000−344823号公報にあるような一つのチオール基と2級のヒドロキシ基(水酸基)とを有する化合物、或いは、該化合物と有機金属化合物を併用した重合触媒を用いて塊状重合する方法等を挙げることが出来、何れも本発明において好ましく用いられる。
化合物(1)のヒドロキシ基(水酸基)価は、30〜150[mgKOH/g]であることが好ましい。
(ヒドロキシ(水酸基)価の測定方法)
ヒドロキシ(水酸基)価の測定は、JIS K 0070(1992)に準ずる。このヒドロキシ基(水酸基)価は、試料1gをアセチル化させたとき、ヒドロキシ基(水酸基)と結合した酢酸を中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数と定義される。
具体的には試料Xg(約1g)をフラスコに精秤し、これにアセチル化試薬(無水酢酸20mlにピリジンを加えて400mlにしたもの)20mlを正確に加える。フラスコの口に空気冷却管を装着し、95〜100℃のグリセリン浴にて加熱する。1時間30分後、冷却し、空気冷却管から精製水1mlを加え、無水酢酸を酢酸に分解する。
次に電位差滴定装置を用いて0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液で滴定を行い、得られた滴定曲線の変曲点を終点とする。
更に空試験として、試料を入れないで滴定し、滴定曲線の変曲点を求める。ヒドロキシ基(水酸基)価は、次の式によって算出する。
ヒドロキシ(水酸基)価={(B−C)×f×28.05/X}+D
式中、Bは空試験に用いた0.5mol/Lの水酸化カリウムエタノール溶液の量(ml)、Cは滴定に用いた0.5mol/Lの水酸化カリウムエタノール溶液の量(ml)、fは0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液のファクター、Dは酸価、また、28.05は水酸化カリウムの1mol量56.11の1/2を表す。
上述の化合物(1)は何れもセルロースエステルとの相溶性に優れ、蒸発や揮発もなく生産性に優れ、偏光板用保護フィルムとしての保留性がよく、透湿度が小さく、寸法安定性に優れている。
化合物(1)のセルロースエステルフィルム中での含有量は、下記式(i)を満足する範囲であることが好ましい。化合物(1)の含有量をX(質量%=(化合物(1)の質量/セルロースエステルの質量)×100)、化合物(2)の含有量をY(質量%)とすると、
式(i) 1≦X+Y≦20(質量%)
式(i)の(X+Y)の好ましい範囲は、2〜10質量%である。
化合物(1)と化合物(2)は、後述するドープ液を構成する素材として直接添加、溶解するか、もしくはセルロースエステルを溶解する有機溶媒に予め溶解した後ドープ液に添加することができる。
(可塑剤)
本発明のハードコート用基材フィルムは、必要に応じて可塑剤を含有することが好ましい。
可塑剤は特に限定されないが、好ましくは、多価カルボン酸エステル系可塑剤、グリコレート系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、脂肪酸エステル系可塑剤及び多価アルコールエステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、アクリル系可塑剤等から選択される。
そのうち、可塑剤を二種以上用いる場合は、少なくとも一種は多価アルコールエステル系可塑剤であることが好ましい。
多価アルコールエステル系可塑剤は2価以上の脂肪族多価アルコールとモノカルボン酸のエステルよりなる可塑剤であり、分子内に芳香環又はシクロアルキル環を有することが好ましい。好ましくは2〜20価の脂肪族多価アルコールエステルである。
本発明に好ましく用いられる多価アルコールは次の一般式(Pa)で表される。
一般式(Pa): R−(OH)n
但し、Rはn価の有機基、nは2以上の正の整数、OH基はアルコール性、及び/又はフェノール性水酸基を表す。
好ましい多価アルコールの例としては、例えば以下のようなものを挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
アドニトール、アラビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジブチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ヘキサントリオール、ガラクチトール、マンニトール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ピナコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、キシリトール等を挙げることができる。
特に、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、キシリトールが好ましい。
多価アルコールエステルに用いられるモノカルボン酸としては、特に制限はなく、公知の脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸等を用いることができる。脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸を用いると透湿性、保留性を向上させる点で好ましい。
好ましいモノカルボン酸の例としては以下のようなものを挙げることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
脂肪族モノカルボン酸としては、炭素数1〜32の直鎖又は側鎖を有する脂肪酸を好ましく用いることができる。炭素数は1〜20であることが更に好ましく、1〜10であることが特に好ましい。酢酸を含有させるとセルロースエステルとの相溶性が増すため好ましく、酢酸と他のモノカルボン酸を混合して用いることも好ましい。
好ましい脂肪族モノカルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、2−エチル−ヘキサン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸等の飽和脂肪酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等の不飽和脂肪酸等を挙げることができる。
好ましい脂環族モノカルボン酸の例としては、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロオクタンカルボン酸、又はそれらの誘導体を挙げることができる。
好ましい芳香族モノカルボン酸の例としては、安息香酸、トルイル酸等の安息香酸のベンゼン環にアルキル基、メトキシ基或いはエトキシ基などのアルコキシ基を1〜3個を導入したもの、ビフェニルカルボン酸、ナフタリンカルボン酸、テトラリンカルボン酸等のベンゼン環を2個以上有する芳香族モノカルボン酸、又はそれらの誘導体を挙げることができる。特に安息香酸が好ましい。
多価アルコールエステルの分子量は特に制限はないが、300〜1500であることが好ましく、350〜750であることが更に好ましい。分子量が大きい方が揮発し難くなるため好ましく、透湿性、セルロースエステルとの相溶性の点では小さい方が好ましい。
多価アルコールエステルに用いられるカルボン酸は一種類でもよいし、二種以上の混合であってもよい。また、多価アルコール中のOH基は、全てエステル化してもよいし、一部をOH基のままで残してもよい。
以下に、多価アルコールエステルの具体的化合物を例示する。
グリコレート系可塑剤は特に限定されないが、アルキルフタリルアルキルグリコレート類が好ましく用いることができる。
アルキルフタリルアルキルグリコレート類としては、例えばメチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルプロピルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、オクチルフタリルオクチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、エチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルプロピルグリコレート、メチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルブチルグリコレート、ブチルフタリルメチルグリコレート、ブチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルブチルグリコレート、ブチルフタリルプロピルグリコレート、メチルフタリルオクチルグリコレート、エチルフタリルオクチルグリコレート、オクチルフタリルメチルグリコレート、オクチルフタリルエチルグリコレート等が挙げられる。
フタル酸エステル系可塑剤としては、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジオクチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジシクロヘキシルテレフタレート等が挙げられる。
クエン酸エステル系可塑剤としては、クエン酸アセチルトリメチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル等が挙げられる。
脂肪酸エステル系可塑剤として、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル等が挙げられる。
リン酸エステル系可塑剤としては、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等が挙げられる。
多価カルボン酸エステル化合物としては、2価以上、好ましくは2価〜20価の多価カルボン酸とアルコールのエステルよりなる。また、脂肪族多価カルボン酸は2〜20価であることが好ましく、芳香族多価カルボン酸、脂環式多価カルボン酸の場合は3価〜20価であることが好ましい。
多価カルボン酸は次の一般式(Pb)で表される。
一般式(Pb): R(COOH)m(OH)n
(但し、Rは(m+n)価の有機基、mは2以上の正の整数、nは0以上の整数、COOH基はカルボキシ基、OH基はアルコール性又はフェノール性水酸基を表す)
好ましい多価カルボン酸の例としては、例えば以下のようなものを挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸のような3価以上の芳香族多価カルボン酸又はその誘導体、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、テトラヒドロフタル酸のような脂肪族多価カルボン酸、酒石酸、タルトロン酸、リンゴ酸、クエン酸のようなオキシ多価カルボン酸などを好ましく用いることができる。特にオキシ多価カルボン酸を用いることが、保留性向上などの点で好ましい。
本発明に用いることのできる多価カルボン酸エステル化合物に用いられるアルコールとしては特に制限はなく公知のアルコール、フェノール類を用いることができる。
例えば炭素数1〜32の直鎖又は側鎖を持った脂肪族飽和アルコール又は脂肪族不飽和アルコールを好ましく用いることができる。炭素数1〜20であることが更に好ましく、炭素数1〜10であることが特に好ましい。
また、シクロペンタノール、シクロヘキサノールなどの脂環式アルコール又はその誘導体、ベンジルアルコール、シンナミルアルコールなどの芳香族アルコール又はその誘導体なども好ましく用いることができる。
多価カルボン酸としてオキシ多価カルボン酸を用いる場合は、オキシ多価カルボン酸のアルコール性又はフェノール性の水酸基をモノカルボン酸を用いてエステル化しても良い。好ましいモノカルボン酸の例としては以下のようなものを挙げることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
脂肪族モノカルボン酸としては炭素数1〜32の直鎖又は側鎖を持った脂肪酸を好ましく用いることができる。炭素数1〜20であることが更に好ましく、炭素数1〜10であることが特に好ましい。
好ましい脂肪族モノカルボン酸としては酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、2−エチル−ヘキサンカルボン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸などの飽和脂肪酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸などの不飽和脂肪酸などを挙げることができる。
好ましい脂環族モノカルボン酸の例としては、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロオクタンカルボン酸、又はそれらの誘導体を挙げることができる。
好ましい芳香族モノカルボン酸の例としては、安息香酸、トルイル酸などの安息香酸のベンゼン環にアルキル基を導入したもの、ビフェニルカルボン酸、ナフタリンカルボン酸、テトラリンカルボン酸などのベンゼン環を2個以上もつ芳香族モノカルボン酸、又はそれらの誘導体を挙げることができる。特に酢酸、プロピオン酸、安息香酸であることが好ましい。
多価カルボン酸エステル化合物の分子量は特に制限はないが、分子量300〜1000の範囲であることが好ましく、350〜750の範囲であることが更に好ましい。保留性向上の点では大きい方が好ましく、透湿性、セルロースエステルとの相溶性の点では小さい方が好ましい。
本発明に用いることのできる多価カルボン酸エステルに用いられるアルコール類は一種類でも良いし、二種以上の混合であっても良い。
本発明に用いることのできる多価カルボン酸エステル化合物の酸価は1mgKOH/g以下であることが好ましく、0.2mgKOH/g以下であることが更に好ましい。酸価を上記範囲にすることによって、レターデーションの環境変動も抑制されるため好ましい。
なお、酸価とは、試料1g中に含まれる酸(試料中に存在するカルボキシ基)を中和するために必要な水酸化カリウムのミリグラム数をいう。酸価はJIS K0070に準拠して測定したものである。
特に好ましい多価カルボン酸エステル化合物の例を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、トリエチルシトレート、トリブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート(ATEC)、アセチルトリブチルシトレート(ATBC)、ベンゾイルトリブチルシトレート、アセチルトリフェニルシトレート、アセチルトリベンジルシトレート、酒石酸ジブチル、酒石酸ジアセチルジブチル、トリメリット酸トリブチル、ピロメリット酸テトラブチル等が挙げられる。
ポリエステル系可塑剤は特に限定されないが、分子内に芳香環又はシクロアルキル環を有するポリエステル系可塑剤を用いることができる。
ポリエステル系可塑剤としては、特に限定されないが、例えば、下記一般式(Pc)で表せる芳香族基を末端に有するエステル(「芳香族末端エステル」ともいう。)を可塑剤として用いることができる。
一般式(Pc): B−(G−A)n−G−B
(式中、Bはベンゼンモノカルボン酸残基、Gは炭素数2〜12のアルキレングリコール残基又は炭素数6〜12のアリールグリコール残基又は炭素数が4〜12のオキシアルキレングリコール残基、Aは炭素数4〜12のアルキレンジカルボン酸残基又は炭素数6〜12のアリールジカルボン酸残基を表し、またnは1以上の整数を表す。)
一般式(Pc)中、Bで示されるベンゼンモノカルボン酸残基とGで示されるアルキレングリコール残基又はオキシアルキレングリコール残基又はアリールグリコール残基、Aで示されるアルキレンジカルボン酸残基又はアリールジカルボン酸残基とから構成されるものであり、通常のポリエステル系可塑剤と同様の反応により得られる。
本発明で使用されるポリエステル系可塑剤のベンゼンモノカルボン酸成分としては、例えば、安息香酸、パラターシャリブチル安息香酸、オルソトルイル酸、メタトルイル酸、パラトルイル酸、ジメチル安息香酸、エチル安息香酸、ノルマルプロピル安息香酸、アミノ安息香酸、アセトキシ安息香酸等があり、これらはそれぞれ一種又は二種以上の混合物として使用することができる。
本発明に用いることのできるポリエステル系可塑剤の炭素数2〜12のアルキレングリコール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−プロパンジオール、2−メチル1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロールペンタン)、2−n−ブチル−2−エチル−1,3プロパンジオール(3,3−ジメチロールヘプタン)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル1,3−ペンタンジオール、2−エチル1,3−ヘキサンジオール、2−メチル1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−オクタデカンジオール等があり、これらのグリコールは、一種又は二種以上の混合物として使用される。
特に炭素数2〜12のアルキレングリコールがセルロースエステルとの相溶性に優れているため、特に好ましい。
また、上記芳香族末端エステルの炭素数4〜12のオキシアルキレングリコール成分としては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等があり、これらのグリコールは、一種又は二種以上の混合物として使用できる。
芳香族末端エステルの炭素数4〜12のアルキレンジカルボン酸成分としては、例えば、コハク酸、マレイン酸、フマール酸、グルタール酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等があり、これらは、それぞれ一種又は二種以上の混合物として使用される。炭素数6〜12のアリーレンジカルボン酸成分としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5ナフタレンジカルボン酸、1,4ナフタレンジカルボン酸等がある。
本発明で使用されるポリエステル系可塑剤は、数平均分子量が、好ましくは300〜1500、より好ましくは400〜1000の範囲が好適である。また、その酸価は、0.5mgKOH/g以下、水酸基価は25mgKOH/g以下、より好ましくは酸価0.3mgKOH/g以下、水酸基価は15mgKOH/g以下のものである。
以下、本発明に用いることのできる芳香族末端エステル系可塑剤の合成例を示す。
〈サンプルNo.1(芳香族末端エステルサンプル)〉
反応容器にフタル酸410部、安息香酸610部、ジプロピレングリコール737部、及び触媒としてテトライソプロピルチタネート0.40部を一括して仕込み窒素気流中で攪拌下、還流凝縮器を付して過剰の1価アルコールを還流させながら、酸価が2以下になるまで130〜250℃で加熱を続け生成する水を連続的に除去した。次いで200〜230℃で1.33×10Pa〜最終的に4×10Pa以下の減圧下、留出分を除去し、この後濾過して次の性状を有する芳香族末端エステル系可塑剤を得た。
粘度(25℃、mPa・s);43400
酸価 ;0.2
以下に、本発明に用いることのできる芳香族末端エステル系可塑剤の具体的化合物を示すが、本発明はこれに限定されない。
本発明においては、可塑剤として、特に当該芳香族基を末端に有するポリエステルを含有させることが好ましい。
(紫外線吸収剤)
本発明のハードコート用基材フィルムは、紫外線吸収剤を含有することが好ましい。紫外線吸収剤は400nm以下の紫外線を吸収することで、耐久性を向上させることを目的としており、特に波長370nmでの透過率が10%以下であることが好ましく、よりさらに好ましくは5%以下である。
本発明に用いられる紫外線吸収剤は特に限定されないが、例えばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、トリアジン系化合物、ニッケル錯塩系化合物、無機粉体等が挙げられる。
紫外線吸収剤の使用量は、紫外線吸収剤の種類、使用条件等により一様ではないが、ハードコート用基材フィルムの乾燥膜厚が30〜200μmの場合は、ハードコート用基材フィルムに対して0.5〜10質量%が好ましく、0.6〜4質量%がさらに好ましい。
(微粒子)
本発明のハードコート用基材フィルムは、微粒子を含有することが滑り性、保管安定性の観点で好ましい。
微粒子としては、無機化合物の例として、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウム等を挙げることができる。微粒子は珪素を含むものが、濁度が低くなる点で好ましく、特に二酸化珪素が好ましい。
二酸化珪素については疎水化処理をされたものが滑り性とヘイズを両立する上で好ましい。4個のシラノール基のうち、2個以上が疎水性の置換基で置換わったものが好ましく、3個以上が置換わったものがより好ましい。疎水性の置換基はメチル基であることが好ましい。
二酸化珪素の一次粒径は20nm以下が好ましく、10nm以下がより好ましい。
二酸化珪素の微粒子は、例えば、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
酸化ジルコニウムの微粒子は、例えば、アエロジルR976及びR811(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
ポリマーの例として、シリコーン樹脂、フッ素樹脂及びアクリル樹脂を挙げることができる。シリコーン樹脂が好ましく、特に三次元の網状構造を有するものが好ましく、例えば、トスパール103、同105、同108、同120、同145、同3120及び同240(以上東芝シリコーン(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
これらの中でもアエロジル200V、アエロジルR972Vがハードコート用基材フィルムのヘイズを低く保ちながら、摩擦係数を下げる効果が大きいため特に好ましく、本発明に於いてはアエロジルR812が最も好ましく用いられる。本発明のハードコート用基材フィルムにおいては、少なくとも一方の面の動摩擦係数が0.2〜1.0であることが好ましい。
(染料)
本発明のハードコート用基材フィルムには、色味調整のため染料を添加することもできる。例えば、フィルムの黄色味を抑えるために青色染料を添加してもよい。好ましい染料としてはアンスラキノン系染料が挙げられる。
<ハードコート用基材フィルムの製造方法>
本発明のハードコート用基材フィルムは通常の溶液流延法、溶融流延法のいずれの方法でも製造することができる。
本発明のハードコート用基材フィルムの溶液流延法による製造は、セルロースエステル及び前記添加剤を溶剤に溶解させてドープを調製する工程、ドープを無限に移行する無端の金属支持体上に流延する工程、流延したドープをウェブとして乾燥する工程、金属支持体から剥離する工程、延伸又は幅保持する工程、さらに乾燥する工程、仕上がったフィルムを巻取る工程により行われる。
ドープを調製する工程について述べる。ドープ中のセルロースエステルの濃度は、濃い方が金属支持体に流延した後の乾燥負荷が低減できて好ましいが、セルロースエステルの濃度が濃過ぎると濾過時の負荷が増えて、濾過精度が悪くなる。これらを両立する濃度としては、10〜35質量%が好ましく、さらに好ましくは、15〜25質量%である。
ドープで用いられる溶剤は、単独で用いても二種以上を併用してもよい。セルロースエステルの良溶剤と貧溶剤を混合して使用することが生産効率の点で好ましく、良溶剤として特に好ましくはメチレンクロライド又は酢酸メチルが挙げられ、貧溶剤として、例えば、メタノール、エタノール、n−ブタノール、シクロヘキサン、シクロヘキサノン等が好ましく用いられる。
また、ドープ中には水が0.01〜2質量%含有していることが好ましい。また、セルロースエステルの溶解に用いられる溶媒は、フィルム製膜工程で乾燥によりフィルムから除去された溶媒を回収し、これを再利用して用いられる。
上記記載のドープを調製する時の、セルロースエステルの溶解方法としては、一般的な方法を用いることができる。加熱と加圧を組み合わせると常圧における沸点以上に加熱できる。
次に、このセルロースエステル溶液を濾紙等の適当な濾過材を用いて濾過する。濾過材としては、絶対濾過精度0.008mm以下の濾材が好ましく、0.001〜0.008mmの濾材がより好ましく、0.003〜0.006mmの濾材がさらに好ましい。
濾材さらには特に制限はなく、通常の濾材を使用することができるが、ポリプロピレン、テフロン(登録商標)等のプラスチック製の濾材や、ステンレススティール等の金属製の濾材が繊維の脱落等がなく好ましい。
ドープの濾過は通常の方法で行うことができるが、溶剤の常圧での沸点以上で、且つ加圧下で溶剤が沸騰しない範囲の温度で加熱しながら濾過する方法が、濾過前後の濾圧の差(差圧という)の上昇が小さく、好ましい温度は45〜120℃であり、45〜70℃がより好ましく、45〜55℃であることがさらに好ましい。
濾圧は小さい方が好ましい。濾圧は1.6MPa以下であることが好ましく、1.2MPa以下であることがより好ましく、1.0MPa以下であることがさらに好ましい。
ついで、ドープの流延について説明する。
流延(キャスト)工程における金属支持体は、表面を鏡面仕上げしたものが好ましく、金属支持体としては、ステンレススティールベルトもしくは鋳物で表面をメッキ仕上げしたドラムが好ましく用いられる。キャストの幅は1〜4mとすることができる。
流延工程の金属支持体の表面温度は−50℃〜溶剤の沸点未満の温度で、好ましい支持体温度は0〜40℃であり、5〜30℃がさらに好ましい。
ハードコート用基材フィルムが良好な平面性を示すためには、金属支持体からウェブを剥離する際の残留溶媒量は10〜150質量%が好ましく、さらに好ましくは20〜40質量%又は60〜130質量%であり、特に好ましくは、20〜30質量%又は70〜120質量%である。
本発明においては、残留溶媒量は下記式で定義される。
残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100
尚、Mはウェブ又はフィルムを製造中又は製造後の任意の時点で採取した試料の質量で、NはMを115℃で1時間の加熱後の質量である。
又はドコート用基材フィルムの乾燥工程においては、ウェブを金属支持体より剥離し、さらに乾燥し、残留溶媒量を1質量%以下にすることが好ましく、さらに好ましくは0.1質量%以下であり、特に好ましくは0〜0.01質量%以下である。
フィルム乾燥工程では一般にロール乾燥方式(上下に配置した多数のロールをウェブを交互に通し乾燥させる方式)やテンター方式でウェブを搬送させながら乾燥する方式が採られる。
本発明のハードコート用基材フィルムを作製するためには、金属支持体より剥離した直後のウェブの残留溶剤量の多いところで多いところで長手方向(MD方向)に延伸し、さらにウェブの両端をクリップ等で把持するテンター方式で幅手方向(TD方向)に延伸を行うことが好ましい。
ウェブを乾燥させる手段は特に制限なく、一般的に熱風、赤外線、加熱ロール、マイクロ波等で行うことができるが、簡便さの点で熱風で行うことが好ましい。
ウェブの乾燥工程における乾燥温度は90℃〜200℃が好ましく、より好ましくは110℃〜190℃である。乾燥温度は段階的に高くしていくことが好ましい。
好ましい乾燥時間は、乾燥温度にもよるが、5分〜60分が好ましく、10分〜30分がより好ましい。
ハードコート用基材フィルムの膜厚は、特に限定はされないが10〜200μmが用いられる。特に膜厚は10〜100μmであることが特に好ましい。さらに好ましくは20〜60μmである。
本発明のハードコート用基材フィルムは、幅1〜4mのものが用いられる。生産性の観点から幅1.6〜4mのものが好ましく用いられ、特に好ましくは1.8〜3.6mである。4mを超えると搬送が困難となる。
(延伸操作)
延伸操作は、フィルムの長手方向(MD方向)、及び幅手方向(TD方向)に対して、逐次又は同時に延伸することができる。互いに直交する2軸方向の延伸倍率は、それぞれ最終的にはMD方向に1.0〜2.0倍、TD方向に1.07〜2.0倍の範囲とすることが好ましく、MD方向に1.0〜1.5倍、TD方向に1.07〜2.0倍の範囲で行うことが好ましい。
例えば、複数のロールに周速差をつけ、その間でロール周速差を利用してMD方向に延伸する方法、ウェブの両端をクリップやピンで固定し、クリップやピンの間隔を進行方向に広げてMD方向に延伸する方法、同様に横方向に広げてTD方向に延伸する方法、或いはMD/TD方向同時に広げてMD/TD両方向に延伸する方法などが挙げられる。
製膜工程のこれらの幅保持或いは幅手方向の延伸はテンターによって行うことが好ましく、ピンテンターでもクリップテンターでもよい。
テンター内などの製膜工程でのフィルム搬送張力は温度にもよるが、120N/m〜200N/mが好ましく、140N/m〜200N/mがさらに好ましい。140N/m〜160N/mが最も好ましい。
延伸する際は、本発明のフィルムのガラス転移温度をTgとすると(Tg−30)〜(Tg+100)℃、より好ましくは(Tg−20)〜(Tg+80)℃、さらに好ましく(Tg−5)〜(Tg+20)℃である。
ハードコート用基材フィルムのTgは、フィルムを構成する材料種及び構成する材料の比率によって制御することができる。本発明の用途においてはフィルムの乾燥時のTgは110℃以上が好ましく、さらに120℃以上が好ましい。
従ってガラス転移温度は190℃以下、より好ましくは170℃以下であることが好ましい。このとき、フィルムのTgはJIS K7121に記載の方法などによって求めることができる。
本発明では、延伸する際の温度は150℃以上、延伸倍率は1.15倍以上にすると、表面が適度に粗れるため好ましい。フィルム表面を粗らすことは、滑り性を向上させるのみでなく、表面加工性、特にクリアーハードコートの密着性が向上するため好ましい。平均表面粗さRaは、好ましくは2.0nm〜4.0nm、より好ましくは2.5nm〜3.5nmである。その際、フィルム中には先に述べた疎水化処理された二酸化珪素微粒子を含有していることが好ましく、特にR972V及びR812がヘイズ安定性向上のために好ましい。
ハードコート用基材フィルムは延伸後、熱固定されることが好ましいが、熱固定はその最終TD方向延伸温度より高温で、Tg−20℃以下の温度範囲内で通常0.5〜300秒間熱固定することが好ましい。この際、2つ以上に分割された領域で温度差が1〜100℃となる範囲で順次昇温しながら熱固定することが好ましい。
熱固定されたフィルムは通常Tg以下まで冷却され、フィルム両端のクリップ把持部分をカットし巻き取られる。この際、最終熱固定温度以下、Tg以上の温度範囲内で、TD方向及び/又はMD方向に0.1〜10%弛緩処理することが好ましい。
また冷却は、最終熱固定温度からTgまでを、毎秒100℃以下の冷却速度で徐冷することが好ましい。冷却、弛緩処理する手段は特に限定はなく、従来公知の手段で行えるが、特に複数の温度領域で順次冷却しながらこれらの処理を行うことがフィルムの寸法安定性向上の点で好ましい。
尚、冷却速度は、最終熱固定温度をT1、フィルムが最終熱固定温度からTgに達するまでの時間をtとした時、(T1−Tg)/tで求めた値である。
これら熱固定条件、冷却、弛緩処理条件のより最適な条件は、フィルムを構成するセルロースエステルや可塑剤等の添加剤種により異なるので、得られた二軸延伸フィルムの物性を測定し、好ましい特性を有するように適宜調整することにより決定すればよい。
本発明のハードコート用基材フィルムの遅相軸又は進相軸がフィルム面内に存在し、製膜方向とのなす角をθ1とするとθ1は−1°以上+1°以下であることが好ましく、−0.5°以上+0.5°以下であることがより好ましい。
このθ1は配向角として定義でき、θ1の測定は、自動複屈折計KOBRA−21ADH(王子計測機器)を用いて行うことができる。θ1が各々上記関係を満たすことは、表示画像において高い輝度を得ること、光漏れを抑制又は防止することに寄与し、カラー液晶表示装置においては忠実な色再現を得ることに寄与できる。
<物性、光学特性>
本発明のハードコート用基材フィルムの透湿度は、40℃、90%RHで10〜1200g/m・24hが好ましく、さらに20〜1000g/m・24hが好ましく、20〜850g/m・24hが特に好ましい。透湿度はJIS Z 0208に記載の方法に従い測定することができる。
本発明のハードコート用基材フィルムは、30℃での貯蔵弾性率が、MD方向に3.2〜4.7GPa、TD方向に4.7〜7.0GPaであることが、縦ツレが改良されて好ましい。貯蔵弾性率はtanδと同じ測定で求めることができる。
本発明のハードコート用基材フィルムは脆性指標となる引裂き強度が35mN以上であることが好ましく、50mN以上であることがより好ましい。
本発明のハードコート用基材フィルムの破断伸度は5〜80%であることが好ましく8〜50%であることがさらに好ましい。
本発明のハードコート用基材フィルムの可視光透過率は90%以上であることが好ましく、93%以上であることがさらに好ましい。
本発明のハードコート用基材フィルムのヘイズは1%未満であることが好ましく0〜0.4%であることが特に好ましい。
本発明のハードコート用基材フィルムは、下記式で表されるリターデーション値Roが0〜150nm、Rtが−100〜300nmであることが好ましく、特に好ましくはRoが0〜10nm、Rtが0〜100nmである。
式(i) Ro=(n−ny)×d
式(ii) Rt=((n+n)/2−n)×d
(式中、Roはフィルム面内リターデーション値、Rtはフィルム厚さ方向リターデーション値、nはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率、nはフィルム面内の進相軸方向の屈折率、nはフィルムの厚さ方向の屈折率、dはフィルムの厚さ(nm)を表す。)
上記リターデーションは、例えばKOBRA−21ADH(王子計測機器(株))を用いて、23℃、55%RHの環境下で、波長が590nmで求めることができる。
本発明においては、Rt≧0.85nm/膜厚1μmであることが好ましい。コントラストと視野角を確保する為には薄膜で且つ、一定以上のRtであることが好ましく、例えば30〜50μmであればRtは26〜200nm、50〜70μmであればRtは43〜200nmであることが好ましい。単位膜厚に対するRtは、0.9〜5.0nm/膜厚1μmであることがより好ましく、1.0〜5.0nm/膜厚1μmであることが更に好ましい。
(ハードコート層)
本発明のハードコート用基材フィルムには、ハードコート層を設けることができる。
本発明では、高硬度を発揮する点から、ハードコート層の膜厚(ドライ膜厚)は3〜30μmであり、好ましくは5〜15μmの範囲内であることが好ましい。
高硬度は、LCD等の表示装置の表面における使用や偏光板化工程において傷が付きにくいことから望まれおり、本発明でいう高硬度とは、硬度の指標で有る鉛筆硬度が3H以上であり、より好ましくは4H以上である。
鉛筆硬度は、作製したハードコートフィルムを温度23℃、相対湿度55%の条件で2時間以上調湿した後、JIS S 6006が規定する試験用鉛筆を用いて、JIS K 5400が規定する鉛筆硬度評価方法に従い測定した値である。
又はドコートのマルテンス硬さ(HMs)が、400N/mm以上、800N/mm以下であることが好ましい。
マルテンス硬さ(ビッカース硬さ)とは、ビッカース圧子及び稜線同士の角度が115度の三角錐圧子を用いた微小硬度計で、フィルムのハードコート表面を、ハードコート層の膜厚の略1/10の厚さまで圧子を押し込んだ時の負荷試験力−押し込み深さ曲線において、該負荷試験力−押し込み深さ曲線から求められる最大負荷試験力(Fmax)の50%値から90%値までの押し込み深さが負荷試験力の平方根に比例する傾き(m)より、下記式で定義される値をいう。
1HMs=1/(26.4m
本発明に係るクリアーハードコート層は、公知のものがそのまま使用することができる。
ハードコート層を形成する樹脂バインダーとしては、活性エネルギー線硬化樹脂が好ましい。活性エネルギー線硬化樹脂とは、紫外線や電子線のような活性線照射により架橋反応等を経て硬化する樹脂をいう。
活性エネルギー線硬化樹脂としては、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーを含む成分が好ましく用いられ、紫外線や電子線のような活性線を照射することによって硬化させて活性エネルギー線硬化樹脂層が形成される。
活性エネルギー線硬化樹脂としては紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂等が代表的なものとして挙げられるが、特に、紫外線硬化樹脂が機械的膜強度(耐擦性、鉛筆硬度)に優れる点から好ましい。
紫外線硬化樹脂としては、多官能アクリレートが好ましい。該多官能アクリレートとしては、ペンタエリスリトール多官能アクリレート、ジペンタエリスリトール多官能アクリレート、ペンタエリスリトール多官能メタクリレート、及びジペンタエリスリトール多官能メタクリレートよりなる群から選ばれることが好ましい。
ここで、多官能アクリレートとは、分子中に2個以上のアクリロイルオキシ基及び/又はメタクロイルオキシ基を有する化合物である。これらの化合物は、それぞれ単独又は二種以上を混合して用いられる。
また、上記モノマーの2量体、3量体等のオリゴマーであってもよい。エネルギー活性線硬化性樹脂の添加量は、ハードコート層形成組成物中(以下、ハードコート層塗布液とも言う。)では、固形分中の15質量%以上70質量%未満であることが好ましい。
又はドコート層にはエネルギー活性線硬化性樹脂の硬化促進のため、光重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤量としては、質量比で、光重合開始剤;エネルギー活性線硬化性樹脂=20:100〜0.01:100で含有することが好ましい。
光重合開始剤としては、具体的には、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーケトン、α−アミロキシムエステル、チオキサントン等及びこれらの誘導体を挙げることができるが、特にこれらに限定されるものではない。
ハードコート層には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂又はゼラチン等の親水性樹脂等のバインダーを用いることもできる。又はドコート層には滑り性や屈折率を調整するために無機化合物又は有機化合物の粒子を含んでもよい。
これらの微粒子粉末の平均粒径としては、0.01〜5μmが好ましく0.1〜5.0μm、さらに、0.1〜4.0μmであることが特に好ましい。また、粒径の異なる二種以上の微粒子を含有することが好ましい。硬化性樹脂組成物と微粒子の割合は、硬化性樹脂組成物100質量部に対して、0.1〜30質量部となるように配合することが望ましい。
本発明においては、ハードコート層に重合性不飽和基を有する有機化合物によって表面処理された反応性シリカ粒子(Xa)を含有させることが好ましい。以下、重合性不飽和基を有する有機化合物によって表面処理された反応性シリカ粒子(Xa)について説明する。
〈シリカ粒子〉
シリカ粒子としては、公知のものを使用することができる。また、その形状は、球状でも不定形のものでもよく、通常のコロイダルシリカに限らず中空粒子、多孔質粒子、コア/シェル型粒子等であっても構わない。
また、動的光散乱法で求めたシリカ粒子の数平均粒子径は30nm以上が好ましく、さらに好ましくは30〜200nmであり、特に好ましくは、40〜80nmである。
市販品としては、例えば、コロイダルシリカとして、日産化学工業(株)製MEK−ST−L、IPA−ST−L、IPA−ST−ZL等を挙げることができる。
〈重合性不飽和基を有する有機化合物〉
反応性シリカ粒子(Xa)は、重合性不飽和基を有する有機化合物(以下、「有機化合物(X)」という)で表面処理することによって得られる。反応性シリカ粒子(Xa)の製造に用いられる有機化合物(X)は、重合性不飽和基、好ましくはエチレン性不飽和基を有する化合物であり、さらに、下記一般式(a)に示す基を含む有機化合物であることが好ましい。
また、[−O−C(=O)−NH−]基を含み、さらに、[−O−C(=S)−NH−]基及び[−S−C(=O)−NH−]基の少なくとも1つを含むものであることが好ましい。また、この有機化合物は、分子内にシラノール基を有する化合物又は加水分解によってシラノール基を生成する化合物であることが好ましい。
[一般式(a)中、Uは、NH、O(酸素原子)又はS(イオウ原子)を示し、Vは、O又はSを示す。]
[1]エチレン性不飽和基
有機化合物(X)に含まれるエチレン性不飽和基としては特に制限はないが、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基を好適例として挙げることができる。
このエチレン性不飽和基は、活性ラジカル種により付加重合をする構成単位である。
[2]前記一般式(a)に示す基
有機化合物に含まれる前記式(a)に示す基[−U−C(=V)−NH−]は、具体的には、[−O−C(=O)−NH−]、[−O−C(=S)−NH−]、[−S−C(=O)−NH−]、[−NH−C(=O)−NH−]、[−NH−C(=S)−NH−]、及び[−S−C(=S)−NH−]の6種である。これらの基は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、熱安定性の観点から、[−O−C(=O)−NH−]基と、[−O−C(=S)−NH−]基及び[−S−C(=O)−NH−]基の少なくとも1つとを併用することが好ましい。
前記式(a)に示す基[−U−C(=V)−NH−]は、分子間において水素結合による適度の凝集力を発生させ、硬化物にした場合、優れた機械的強度、基材や隣接層との密着性に優れる。
[3]シラノール基又は加水分解によってシラノール基を生成する化合物
シラノール基を生成する化合物としては、ケイ素原子にアルコキシ基、アリールオキシ基、アセトキシ基、アミノ基、ハロゲン原子等が結合した化合物を挙げることができるが、ケイ素原子にアルコキシ基又はアリールオキシ基が結合した化合物、即ち、アルコキシシリル基含有化合物又はアリールオキシシリル基含有化合物が好ましい。
[4]好ましい態様
好ましい具体例としては、例えば、下記一般式(b)に示す化合物を挙げることができる。
一般式(b)中、R21、R22は、同一でも異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基若しくはアリール基であり、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、フェニル、キシリル基等を挙げることができる。ここで、jは、1〜3の整数である。
[(R21O)22 3−jSi−]で示される基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリフェノキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、ジメチルメトキシシリル基等を挙げることができる。このような基のうち、トリメトキシシリル基又はトリエトキシシリル基等が好ましい。
23は、炭素数1〜12の脂肪族又は芳香族構造を有する2価の有機基であり、鎖状、分岐状又は環状の構造を含んでいてもよい。具体例として、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ヘキサメチレン、シクロヘキシレン、フェニレン、キシリレン、ドデカメチレン等を挙げることができる。
24は、2価の有機基であり、通常、分子量14から1万、好ましくは、分子量76から500の2価の有機基の中から選ばれる。具体例として、ヘキサメチレン、オクタメチレン、ドデカメチレン等の鎖状ポリアルキレン基;シクロヘキシレン、ノルボルニレン等の脂環式又は多環式の2価の有機基;フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、ポリフェニレン等の2価の芳香族基;及びこれらのアルキル基置換体、アリール基置換体を挙げることができる。
また、これら2価の有機基は炭素及び水素原子以外の元素を含む原子団を含んでいてもよく、ポリエーテル結合、ポリエステル結合、ポリアミド結合、ポリカーボネート結合を含むこともできる。
25は、(k+1)価の有機基であり、好ましくは、鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基の中から選ばれる。
Zは、活性ラジカル種の存在下、分子間架橋反応をする重合性不飽和基を分子中に有する1価の有機基を示す。また、kは、好ましくは、1〜20の整数であり、さらに好ましくは、1〜10の整数、特に好ましくは、1〜5の整数である。
一般式(b)で示される化合物の具体例として、下記(b−1)又は下記(b−2)で示される化合物が挙げられる。
[(b−1)及び(b−2)中、「Acryl」は、アクリロイル基を示す。「Me」は、メチル基を示す。]
有機化合物(X)の合成は、例えば、特開平9−100111号公報に記載された方法を用いることができる。好ましくは、メルカプトプロピルトリメトキシシランとイソホロンジイソシアネートをジブチルスズジラウレート存在下で混合し、60〜70℃で数時間程度反応させた後に、ペンタエリスリトールトリアクリレートを添加して、さらに60〜70℃で数時間程度反応させることにより製造される。
〈(Xa)反応性シリカ粒子〉
有機化合物(X)をシリカ粒子と混合し、加水分解させ、両者を結合させる。
シリカ粒子への有機化合物(X)の結合量は、反応性シリカ粒子(Xa)を100質量%として、好ましくは、0.01質量%以上であり、さらに好ましくは、0.1質量%以上、特に好ましくは、1質量%以上である。上記範囲において分散性に優れ、得られる硬化物の機械強度にも優れる。
また、反応性シリカ粒子(Xa)製造時の原料中のシリカ粒子の配合割合は、好ましくは、5〜99質量%であり、さらに好ましくは、10〜98質量%である。反応性シリカ粒子(Xa)を構成するシリカ粒子の含有量は、65〜95質量%であることが好ましい。
ハードコート層用塗布組成物中の、反応性シリカ粒子(Xa)の含有量は、組成物中の固形分全量を100質量%としたときに、5〜80質量%が好ましく、10〜80質量%がより好ましい。該範囲の割合で用いることで、組成物中で安定に存在し、本発明の目的効果も発揮しやすい。
ハードコート層の耐熱性を高めるために、光硬化反応を抑制しないような酸化防止剤を選んで用いることができる。例えば、ヒンダードフェノール誘導体、チオプロピオン酸誘導体、ホスファイト誘導体等を挙げることができる。
ハードコート層形成組成物には、溶媒が含まれていてもよく、必要に応じて適宜含有し、希釈されたものであってもよい。
ハードコート層は、JIS B 0601で規定される中心線平均粗さ(Ra)が0.001〜0.1μmのクリアーハードコート層、又は微粒子等を添加しRaが0.1〜1μmに調整された防眩性ハードコート層であってもよい。
中心線平均粗さ(Ra)は光干渉式の表面粗さ測定器で測定することが好ましく、例えばWYKO社製非接触表面微細形状計測装置WYKO NT−2000を用いて測定することができる。
ハードコート層はフッ素系化合物やシリコーン化合物を含有しても良い。また、以下に示す界面活性剤を含有してもよい。
フッ素系化合物、シリコーン化合物及び界面活性剤は、前記エネルギー活性線硬化性樹脂との含有質量比率をフッ素系化合物、シリコーン化合物及び界面活性剤:活性光線硬化樹脂=0.05:100〜5.00:100で用いることがハードコート層形成組成物中及びハードコート層で安定して存在する。
ハードコート層にはさらに、硬化助剤としてポリウレタン樹脂の側鎖にビニル基とカルボキシ基を有し、重量平均分子量が10000以上30000以下であり、且つ、二重結合当量が500以上2000以下であるポリマーやポリマーの側鎖にビニル基を有し、重量平均分子量(Mw)が10000以上100000以下であり、二重結合当量が1000以下、ポリマーTgが−50℃以上120℃以下であるアクリルポリマー、他官能チオール化合物等を含有させてもよい。市販品としては昭和電工社製、商品名カレンズMTシリーズ等が挙げられる。
また、フッ素−アクリル共重合体樹脂を含有しても良い。フッ素−アクリル共重合体樹脂の市販品としては、日本油脂株式会社の商品名、モディパーF−200、モディパーF−600、モディパーF−2020等が挙げられる。
又はドコート層の屈折率は23℃、波長550nm測定で、屈折率を1.4〜2.2の範囲に調整することが好ましい。屈折率を調整する手段は、金属酸化物微粒子等を添加することで達成できる。金属酸化また、用いる金属酸化物微粒子の屈折率は1.80〜2.60であるものが好ましく、1.85〜2.50であるものがさらに好ましい。
金属酸化物微粒子の種類は、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム−スズ(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、及びアンチモン酸亜鉛から選ばれる少なくとも一種の金属酸化物微粒子を主成分として用いることが特に好ましい。特にアンチモン酸亜鉛粒子を含有することが好ましい。
これら金属酸化物微粒子の一次粒子の平均粒子径は10nm〜200nmの範囲であり、10〜150nmであることが特に好ましい。金属酸化物微粒子の平均粒子径は、走査電子顕微鏡(SEM)等による電子顕微鏡写真から計測することができる。
金属酸化物微粒子は有機化合物により表面処理してもよい。
(塗工工程)
本発明に係るハードコート層、例えば、クリアーハードコート層は次のような公知の方法で塗設することができる。
クリアーハードコート層を塗設する際の溶媒としては、例えば、炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エステル類、グリコールエーテル類、その他の溶媒の中から適宜選択し、或いはこれらを混合し利用できる。
好ましくは、プロピレングリコールモノ(炭素数1〜4のアルキル基)アルキルエーテル又はプロピレングリコールモノ(炭素数1〜4のアルキル基)アルキルエーテルエステルを5質量%以上、さらに好ましくは5〜80質量%以上含有する溶媒が用いられる。
クリアーハードコート層を光硬化反応により硬化皮膜層を形成するための光源としては、紫外線を発生する光源であればいずれでも使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。
照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、照射光量は20〜10000mJ/cm程度あればよく、好ましくは、50〜2000mJ/cmである。近紫外線領域〜可視光線領域にかけてはその領域に吸収極大のある増感剤を用いることによって使用できる。
紫外線硬化性樹脂組成物は塗布乾燥された後、紫外線を光源より照射するが、照射時間は0.5秒〜5分がよく、紫外線硬化性樹脂の硬化効率、作業効率などから3秒〜2分がより好ましい。
(機能性層)
本発明のハードコート用基材フィルム製造に際し、延伸の前又は後で帯電防止層、バックコート層、易滑性層、接着層、バリアー層、防眩層、反射防止層、光学補償層等の機能性層を塗設してもよい。
<偏光板、液晶表示装置>
本発明のハードコート用基材フィルムは、偏光板に用いることができる。
偏光板は一般的な方法で作製することができる。本発明のハードコート用基材フィルムの偏光子側をアルカリ鹸化処理し、沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の少なくとも一方の面に、完全鹸化型ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせることが好ましい。
もう一方の面には本発明のハードコート用基材フィルムを用いても、また別のハードコート用基材フィルムを用いてもよい。市販のセルロースエステルフィルム(例えば、コニカミノルタタック KC8UX、KC4UX、KC5UX、KC8UY、KC4UY、KC12UR、KC8UCR−3、KC8UCR−4、KC8UCR−5、KC4FR−1、KC8UY−HA、KC8UX−RHA、以上コニカミノルタオプト(株)製)も好ましく用いられる。
本発明に係る偏光板を液晶表示装置に組み込むことによって、種々の視認性に優れた液晶表示装置を作製することができる。本発明のハードコート用基材フィルムは、STN、TN、OCB、HAN、VA(MVA、PVA)、IPSなどの各種駆動方式の液晶表示装置に用いることができる。特に好ましくは、VA(MVA、PVA)型、及びIPS型液晶表示装置である。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<ハードコート用基材フィルム101の作製>
化合物(1)の合成:
攪拌機、2個の滴下ロート、ガス導入管及び温度計の付いたガラスフラスコに、表2記載の種類及び比率のモノマー混合液40g、連鎖移動剤のメルカプトプロピオン酸3.0g及びトルエン30gを仕込み、90℃に昇温した。
その後、一方の滴下ロートから、表2記載の種類及び比率のモノマー混合液60gを3時間かけて滴下すると共に、同時にもう一方のロートからトルエン14gに溶解したアゾビスイソブチロニトリル0.6gを3時間かけて滴下した。その後更に、トルエン56gに溶解したアゾビスイソブチロニトリル0.6gを2時間かけて滴下した後、更に2時間反応を継続させ化合物(1)を得た。
化合物(2)の合成:
特開2000−128911号公報に記載の重合方法により塊状重合を行った。すなわち、攪拌機、窒素ガス導入管、温度計、投入口及び環流冷却管を備えたフラスコにモノマーとして下記メチルアクリレートを投入し、窒素ガスを導入してフラスコ内を窒素ガスで置換した下記チオグリセロールを攪拌下添加した。
チオグリセロール添加後、4時間重合を行い、内容物を室温に戻し、それにベンゾキノン5質量%テトラヒドロフラン溶液を20質量部添加し、重合を停止させた。内容物をエバポレーターに移し、80℃で減圧下、テトラヒドロフラン、残存モノマー及び残存チオグリセロールを除去し、化合物(2)を得た。
表2記載の、MA、MMA、HEMA、BzMAはそれぞれ以下の化合物の略称である。
MA:メチルアクリレート
MMA:メチルメタクリレート
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
BzMA:2−ベンジルメタクリレート
化合物(1)及び(2)の重量平均分子量は下記測定法により測定した。
<分子量測定>
重量平均分子量の測定は、高速液体クロマトグラフィーを用いて測定した。
測定条件は以下の通りである。
溶媒: メチレンクロライド
カラム: Shodex K806,K805,K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:25℃
試料濃度: 0.1質量%
検出器: RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ: L6000(日立製作所(株)製)
流量: 1.0ml/min
校正曲線: 標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1000000〜300迄の13サンプルによる校正曲線を使用した。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いる。
(二酸化珪素分散液の調製)
アエロジルR812(日本アエロジル(株)製) 10質量部
(一次粒子の平均径7nm)
エタノール 90質量部
以上をディゾルバーで30分間撹拌混合した後、マントンゴーリンで分散を行った。二酸化珪素分散液に88質量部のメチレンクロライドを撹拌しながら投入し、ディゾルバーで30分間撹拌混合し、二酸化珪素分散希釈液を作製した。微粒子分散希釈液濾過器(アドバンテック東洋(株):ポリプロピレンワインドカートリッジフィルターTCW−PPS−1N)で濾過した。
(ドープ組成物の調製)
セルローストリアセテート 90質量部
(リンター綿から合成されたセルローストリアセテート、アセチル基置換度2.90、Mn=140000)
化合物(1) 7.5質量部
化合物(2) 2.5質量部
ポリエステル化合物(表2参照) 2.5質量部
チヌビン928(チバ・ジャパン(株)製) 2.5質量部
二酸化珪素分散希釈液 4質量部
メチレンクロライド 432質量部
エタノール 38質量部
以上を密閉容器に投入し、加熱し、撹拌しながら、完全に溶解し、安積濾紙(株)製の安積濾紙No.24を使用して濾過し、ドープ液を調製した。
次に、ベルト流延装置を用い、ステンレスバンド支持体に均一に流延した。ステンレスバンド支持体で、残留溶剤量が100%になるまで溶剤を蒸発させ、ステンレスバンド支持体上から剥離した。セルロースエステルフィルムのウェブを35℃で溶剤を蒸発させ、1.65m幅にスリットし、160℃の乾燥温度で乾燥させた。
乾燥を始めたときの残留溶剤量は20%であった。その後、120℃の乾燥装置内を多数のロールで搬送させながら15分間乾燥させた後、フィルム両端に幅15mm、高さ10μmのナーリング加工を施し、巻芯に巻き取り、ハードコート用基材フィルム101を得た。ハードコート用基材フィルムの残留溶剤量は0.2%であり、膜厚は40μm、巻数は6000mであった。
なお、ハードコート用基材フィルム101の平均表面粗さRaは2.2nm、30℃における貯蔵弾性率はMD方向に5.0GPa、TD方向に4.5GPa、ステンレスバンド支持体の回転速度とテンターの運転速度から算出されるMD方向(搬送方向)の延伸倍率は1.10倍であった。
このハードコート用基材フィルム101に、下記ハードコート層塗布組成物1を孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過してハードコート層塗布液を調製し、ダイコータにより塗布し、70℃で乾燥後、酸素濃度が1.0体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら、紫外線ランプを用い照射部の照度が300mW/cm、照射量を0.3J/cmとして塗布層を硬化させ、さらに加熱処理ゾーンにおいて、130℃で5分間、搬送張力300N/mで加熱処理し、ドライ膜厚7μmのハードコート層を形成し、ハードコートフィルム101を作製し、巻き取った。
(ハードコート層組成物)
下記材料を攪拌、混合しハードコート層塗布組成物1とした。
ペンタエリスリトールトリアクリレート 20.0質量部
ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50.0質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 30.0質量部
ジペンタエリスリトールペンタアクリレート 30.0質量部
イルガキュア184(チバ・ジャパン社製) 5.0質量部
フッ素−シロキサングラフトポリマーI(35質量%) 5.0質量部
シーホスターKEP−50(粉体のシリカ粒子、平均粒径0.47〜0.61μm、日本触媒株式会社製) 24.3質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 20質量部
酢酸メチル 40質量部
メチルエチルケトン 60質量部
《フッ素−シロキサングラフトポリマーIの調製》
以下、フッ素−シロキサングラフトポリマーIの調整に用いた素材の市販品名を示す。
ラジカル重合性フッ素樹脂(A):セフラルコートCF−803(水酸基価60、数平均分子量15,000;セントラル硝子(株)製)
片末端ラジカル重合性ポリシロキサン(B):サイラプレーンFM−0721(数平均分子量5,000;チッソ(株)製)
ラジカル重合開始剤:パーブチルO(t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート;日本油脂(株)製)
硬化剤:スミジュールN3200(ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット型プレポリマー;住化バイエルウレタン(株)製)
(ラジカル重合性フッ素樹脂(A)の合成)
機械式撹拌装置、温度計、コンデンサー及び乾燥窒素ガス導入口を備えたガラス製反応器に、セフラルコートCF−803(1554質量部)、キシレン(233質量部)、及び2−イソシアナトエチルメタクリレート(6.3質量部)を入れ、乾燥窒素雰囲気下で80℃に加熱した。80℃で2時間反応し、サンプリング物の赤外吸収スペクトルによりイソシアネートの吸収が消失したことを確認した後、反応混合物を取り出し、ウレタン結合を介して50質量%のラジカル重合性フッ素樹脂(A)を得た。
(フッ素−シロキサングラフトポリマーIの調製)
機械式撹拌装置、温度計、コンデンサー及び乾燥窒素ガス導入口を備えたガラス製反応器に、上記合成したラジカル重合性フッ素樹脂(A)(26.1質量部)、キシレン(19.5質量部)、酢酸n−ブチル(16.3質量部)、メチルメタクリレート(2.4質量部)、n−ブチルメタクリレート(1.8質量部)、ラウリルメタクリレート(1.8質量部)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(1.8質量部)、FM−0721(5.2質量部)、及びパーブチルO(0.1質量部)を入れ、窒素雰囲気中で90℃まで加熱した後、90℃で2時間保持した。パーブチルO(0.1部)を追加し、さらに90℃で5時間保持することによって、重量平均分子量が171,000である35質量%フッ素−シロキサングラフトポリマーIの溶液を得た。
重量平均分子量はGPCにより求めた。また、フッ素−シロキサングラフトポリマーIの質量%はHPLC(液体クロマトグラフィー)により求めた。
<ハードコート用基材フィルム102の作製>
101の作製において、1.65m幅にスリットした後、テンターでTD方向(フィルムの幅手方向)に1.3倍に延伸しながら、160℃の乾燥温度で乾燥させた。このときテンターで延伸を始めたときの残留溶剤量は20%であった。その後、120℃の乾燥装置内を多数のロールで搬送させながら15分間乾燥させた後、2.2m幅にスリットし、フィルム両端に幅15mm、高さ10μmのナーリング加工を施し、巻芯に巻き取り、ハードコート用基材フィルム102を得た。ハードコート用基材フィルムの残留溶剤量は0.2%であり、膜厚は40μm、巻数は6000mであった。
尚、平均表面粗さRaは3.0nm、30℃における貯蔵弾性率はMD方向に4.1GPa、TD方向に5.5GPaステンレスバンド支持体の回転速度とテンターの運転速度から算出されるMD方向の延伸倍率は1.01倍であった。
セルロースエステル、化合物(1)及び(2)を表1及び2に記載のように変更し、ハードコート用基材フィルム102と同様にして各種ハードコート用基材フィルム(103〜115)を作製した。また、これらのハードコート用基材フィルムにクリアーハードコート層を設けた。
<ハードコート用基材フィルムの動的粘弾性の測定>
下記条件でハードコート用基材フィルムの動的粘弾性tanδmaxを測定した。なお、試料は、あらかじめ23℃55%RHの雰囲気下24時間調湿したものを使用し、湿度55%RH、下記条件で昇温させながら測定した。
測定装置:ティーエイインスツルメント社製 RSAIII
試料:幅5mm、長さ50mm(ギャップ20mmに設定)
測定条件:引張モード
測定温度:25〜210℃
昇温条件:5℃/min
周波数:1Hz
<鉛筆硬度の測定>
23℃55%RHの雰囲気下24時間調湿したハードコートフィルム試料を、同条件下JISK5400が規定する鉛筆硬度評価法に従い、クリアーハードコート層の面を1kgのおもりを用いて各硬度の鉛筆で引っ掻きを5回繰り返し、傷が1本までの硬度を測定した。数字か高いほど、高硬度を示す。
<内部ヘイズの評価>
作製したセルロースエステルフィルムを、23℃55%RHの環境にて5時間以上調湿した後、下記方法により内部ヘイズ値を評価した。
まず、フィルム以外の測定器具のブランクヘイズ1を測定する。
1.きれいにしたスライドガラスの上にグリセリンを一滴(0.05ml)たらす。このとき液滴に気泡が入らないように注意する。ガラスは見た目がきれいでも汚れていることがあるので必ず洗剤で洗浄したものを使用する(図2参照)。
2.その上にカバーガラスを乗せる。カバーガラスは押さえなくてもグリセリンは広がる。
3.ヘイズメーターにセットしブランクヘイズ1を測定する。
次いで以下の手順で、試料を含めたヘイズ2を測定する。
4.スライドガラス上にグリセリン0.05mlを滴下する(図2参照)。
5.その上に測定する試料フィルムを気泡が入らないように乗せる(図3参照)。
6.試料フィルム上にグリセリン0.05mlを滴下する(図4参照)。
7.その上にカバーガラスを載せる(図5参照)。
8.上記のように作製した積層体(上から、カバーガラス/グリセリン/試料フィルム/グリセリン/スライドガラス)をヘイズメーターにセットしヘイズ2を測定する。
9.(ヘイズ2)−(ヘイズ1)=(本発明のセルロースエステルフィルムの内部ヘイズ)を算出する。
上記測定にて使用したガラス、グリセリンを以下の通りである。
ガラス:MICRO SLIDE GLASS S9213 MATSUNAMI
グリセリン:関東化学製 鹿特級(純度>99.0%) 屈折率1.47
また、ヘイズ値は、日本電色工業株式会社製NDH2000を用いて測定した。
測定したヘイズ値によって下記ランク分けを行った。
A:0.04未満
B:0.04以上0.08未満
C:0.08以上0.12未満
D:0.12以上
上記評価結果を表3に示す。
表3に示した結果から明らかなように、比較例と比べ、本発明に係る実施例の動的粘弾性tanδmaxは適切な範囲内にある上に、高硬度で、かつ内部ヘイズ値が低いことが分かる。
すなわち、本発明の手段により、適切な光学性能を維持しながら、表面加工適性(硬度、密着性)に優れたハードコート用基材フィルムを提供できることが分かる。
1 主ドープ仕込み釜
2 ドープ送液ポンプ
5 前後巻回ドラム
7 ステンレスベルト
8 剥離ロール
9 ウェブ
10A、10B ロール搬送乾燥装置
11 温風(乾燥風)
12 テンター
13 フィルム巻き取り装置
A 流延ダイ

Claims (4)

  1. 延伸されたハードコート用基材フィルムであって、総アシル基置換度が2.80〜2.95の範囲であり、かつ下記の二種類の化合物を含むセルロースエステルを含有することを特徴とするハードコート用基材フィルム。
    化合物(1):分子内にヒドロキシ基を有さないアクリルモノマーAとヒドロキシ基を有するアクリルモノマーBとの共重合体であり、その重量平均分子量が30,000超250,000以下である。
    化合物(2):分子内にヒドロキシ基を有さないアクリルモノマーCの重合体であり、重量平均分子量が300〜3000の範囲内である。
  2. 前記ハードコート用基材フィルムの幅手方向の動的粘弾性を25〜200℃の範囲で1Hzにて測定したときに得られる動的粘弾性損失正接の最大値tanδmaxが、0.85〜1.00の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のハードコート用基材フィルム。
  3. 前記化合物(1)を構成するアクリルモノマーAとアクリルモノマーBとのモル比が、97:3〜85:15の範囲内であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のハードコート用基材フィルム。
  4. 芳香族基を末端に有するポリエステルを含有していることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のハードコート用基材フィルム。
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