JP3978883B2 - セルロースエステルフィルムの製造方法およびセルロースエステルフィルム - Google Patents

セルロースエステルフィルムの製造方法およびセルロースエステルフィルム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハロゲン化銀写真感光材料、液晶画像表示装置等に用いるのに適するセルロースエステルフィルム及びセルロースエステルフィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハロゲン化銀写真感光材料や液晶画像表示装置等に使用するフィルムとしては、セルローストリアセテートフィルムが、透明性が優れ、光学的欠点がないという特性を有しているために用いられているが、近年、これらハロゲン化銀写真感光材料や液晶画像表示装置に用いるフィルムに対して要求される特性は高度化してきており、セルローストリアセテートフィルムより優れた特性を有するフィルムの出現が求められている。
【0003】
また、セルローストリアセテートフィルムは、メチレンクロライド溶媒を用いた溶液から溶液流延法により製膜されているが、メチレンクロライドのような塩素系炭化水素溶媒は、その使用が制限される方向にあり、これらメチレンクロライドのような塩素系炭化水素溶媒を使用しないでフィルムを製造することへの要望が高まっている。
【0004】
溶液流延製膜法でフィルムを製造する場合、生産速度を高めるためには、溶媒を蒸発させるのに掛かる時間をできる限り短くすることが必要であり、そのためには、高濃度の溶液を用いる必要がある。
【0005】
また、液晶画像表示装置は、更なる高精細化や大画面化が進んでおり、この用途では更なる面品質の高品質化が求められてきている。例えば、従来は、フィルム中の異物は目視で検査しており、異物の大きさが100μm程度以上ある場合に問題にしていたが、このようなフィルムでは、近年要求される品質を満足できなくなってきており、現在は、偏光顕微鏡を用いた検査方法に変わっており、異物の大きさが10μm程度のものまでが問題になってきている。偏光顕微鏡を用いてクロスニコル下で観察すると異物が輝いて観察でき検出性が格段に向上するのである。
【0006】
フィルムを写真用支持体として用いる場合は、フィルムの機械的強度が問題となってくる。例えば、135サイズの写真フィルムでは、パーフォレーション加工が施されており、パーフォレーションにはカメラ等での駒送りの際に負荷が掛かる。フィルムの破断強度が十分でないと、パーフォレーションの部分が破断し駒送りに支障が生じてしまう。近年、カメラでの巻き上げ速度が高速化されてきており、フィルム強度の更なる向上が求められている。
【0007】
上記のような様々な要求に対して、特開平9−95544号公報及び同9−95557号公報では、実質的にアセトンからなる有機溶媒あるいはアセトンと他の有機溶媒を共用した有機溶媒を用い、冷却溶解法によってセルローストリアセテートを溶解しフィルムを製造することを提案している。また、特開平9−95538号公報には、アセトン以外のエーテル類、ケトン類あるいはエステル類から選ばれる有機溶媒を用い、冷却溶解法によってセルローストリアセテートを溶解しフィルムを作成することが記載されており、これらの有機溶媒としては、2−メトキシエチルアセテート、シクロヘキサノン、エチルホルメート、メチルアセテート(酢酸メチル)などが好ましいとしている。ところが、上記の方法では、新たに大型な冷却設備が必要となる上、溶解に費やすエネルギー負荷も著しく増大してしまうという問題があった。
【0008】
特開平10−45804号公報では、アセトンやメチルアセテートなどの溶媒に可溶なアセチル基と炭素原子数が3以上のアシル基が特定の関係にあるセルロースの混合脂肪酸エステルが提案されている。ところが、溶液濃度は20重量%程度が上限であり、それ以上の高濃度にすると溶解性が不充分となり、溶液の安定性の劣る溶液となってしまうことがわかった。また、この溶液から溶液流延製膜して得られるフィルムは、輝点異物と呼ぶ光学的な欠陥が多く、品質レベルが高品質化への要求に対し充分ではなかった。
【0009】
特表平6−501040公報には、特定の置換度を有するセルロースアセテートまたはセルロースアセテートプロピオネートを溶融押し出して、更に、130〜200℃で1.25〜2.5倍2軸延伸する方法が開示されている。しかし、この方法では、高温度で溶融及び延伸しなければならなかったり、特殊な可塑剤を使用しなければならないという問題があった。また、一般に、溶融押し出しによる製膜法は、溶液流延製膜法に比べ平面性に劣っており、平面性での問題もある。
【0010】
米国特許第2,739,070号明細書では、映画フィルムの作成に有用な塩素系溶媒を用いたセルロースの混合脂肪酸エステル組成物を開示している。ところが、この組成物において、塩素系溶媒をアセトンや酢酸メチルなどの溶媒に変えると得られるフィルムは、透明性や輝点異物が劣ったものになることが分かった。また、写真用支持体としては、更なる強度の向上が必要であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、非塩素系溶媒を用いても高濃度の溶液を調整でき、しかも、冷却溶解法の様に特別な溶解設備を必要とせず、透明性に優れ、光学的な欠点が改良され、機械的強度に優れたセルロースエステルフィルムの製造方法を提供することにある。本発明の更なる目的は、透明性に優れ、光学的な欠点が改良され、機械的強度に優れたセルロースエステルフィルムを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、下記の構成により達成することができた。
(1)セルロースをアセチル基及び炭素原子数3〜4のアシル基でアシル化したセルロースエステルを非塩素系有機溶媒に溶解させた溶液を、支持体上に流延し溶媒を蒸発させてフィルムを形成するセルロースエステルフィルムの製造方法であって、セルロースエステルが、アセチル基の置換度(A)と炭素原子数3〜4のアシル基の置換度(B)とが下記(I)〜(III)式を満たし、更に、100ppm以下のアルカリ土類金属を含有するセルロースエステルであることを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。
【0013】
(I) 2.6≦A+B≦3.0
(II) 1.4≦A≦2.0
(III) 0.7≦B≦1.2
【0014】
(2)セルロースエステルの粘度平均重合度が、250〜550であることを特徴とする上記(1)に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
(3)非塩素系有機溶媒が、酢酸メチルまたはアセトンから選ばれる少なくとも1つの有機溶媒を含有する有機溶媒であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
(4)セルロースエステル溶液が、セルロースエステル濃度が20重量%以上35重量%以下のセルロースエステル溶液であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
(5)流延し溶媒を蒸発させてセルロースエステルフィルムを形成させる段階で、セルロースエステルフィルム中の残留溶媒量が10〜50重量%の範囲にあるとき、温度20〜130℃で少なくとも1方向に1.05〜1.5倍延伸することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
(6)互いに直交する2軸方向に延伸することを特徴とする上記(5)に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
(7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載の製造方法により製造されたセルロースエステルフィルム。
【0015】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】
本発明に用いるアセチル基及び炭素原子数3〜4のアシル基でアシル化したセルロースエステルは、下記式(I)乃至(III)の全てを満足するアシル基を有するものである。
【0017】
(I) 2.6≦A+B≦3.0
(II) 1.4≦A≦2.0
(III) 0.7≦B≦1.2
ここで、Aはアセチル基の置換度、Bは炭素原子数3〜4のアシル基の置換度である。
【0019】
セルロースには1グルコース単位に3個の水酸基があり、置換度とは、平均して1グルコース単位にいくつのアシル基が結合しているかを示す数値である。従って、最大の置換度は3.0である。
【0020】
なお、アセチル基の置換度と他のアシル基の置換度は、以下の方法により求めたものである。
【0021】
〔アセチル基の置換度と他のアシル基の置換度〕
置換度は、ケン化法によって測定するものとする。
【0022】
乾燥したセルロースエステル(試料)を精秤し、アセトンとジメチルスルホキシドとの混合溶媒(容量比4:1)に溶解した後、所定の1N水酸化ナトリウム水溶液を添加し、25℃で2時間ケン化する。フェノールフタレインを指示薬として添加し、1N硫酸で過剰の水酸化ナトリウムを滴定する。また、上記と同様な方法により、ブランクテストを行う。
【0023】
更に、滴定が終了した溶液の上澄み液を希釈し、イオンクロマトグラフを用いて、常法により有機酸の組成を測定する。そして、下記に従ってアセチル基の置換度と他のアシル基の置換度を算出する。
【0024】
TA=(B−A)×F/(1000×W)
DSace=(162.14×TA)/{1−42.14×TA+(1−56.06×TA)×(AL/AC)}
DSacy=Ssce×(AL/AC)
【0025】
式中、Aは試料の滴定に要する1N硫酸量(ml)、Bはブランクテストに要する1N硫酸量(ml)、Fは1N硫酸の力価、Wは試料重量(gr)、TAは全有機酸量(mol/g)、AL/ACはイオンクロマトグラフで測定した酢酸(AC)と他の有機酸(AL)とのモル比、DSaceはアセチル基の置換度、DSacyは他のアシル基の置換度を示す。
【0026】
本発明に使用するセルロースエステルの粘度平均重合度(重合度)は200以上700以下が好ましく、特に、250以上500以下のものが好ましい。
【0027】
粘度平均重合度(DP)は、、以下の方法により求めたものである。
【0028】
〔粘度平均重合度(DP)〕
絶乾したセルロースエステル約0.2gを精秤し、メチレンクロライドとエタノールの混合溶媒(重量比9:1)100mlに溶解する。これをオストワルド粘度計にて、25℃で落下秒数を測定し、重合度を以下の式によって求める。
【0029】
ηrel=T/Ts
[η]=(lnηrel)/C
DP=[η]/Km
【0030】
ここで、Tは測定試料の落下秒数、Tsは溶媒の落下秒数、Cはセルロースエステルの濃度(g/l)、Km=6×10-4である。
【0031】
本発明に用いられるセルロースエステルの原料セルロースとしては、綿花リンターや木材パルプなどが挙げられる。原料セルロースはそれぞれ単独で用いてもよく、また、混合して用いてもよい。
【0032】
また、本発明に使用するアセチル基と炭素原子数3〜4のアシル基でアシル化したセルロースエステルは、セルロースの混合脂肪酸エステルとも呼ばれている。
【0033】
炭素原子数3〜4のアシル基としては、例えば、プロピオニル基、ブチリル基が挙げられ、直鎖のものがフィルムにしたときの機械的強さ、溶解のし易さ等から好ましく、n−プロピオニル基とn−ブチリル基が好ましい。
【0034】
また、アセチル基の置換度が低いと機械的強度、耐湿熱性が低下する。炭素原子数3〜4のアシル基の置換度が高いとアセトンやメチルアセテートなどへの溶解性は向上するが機械的強度が低下する。それぞれの置換度が上記の範囲であれば良好な物性を示すのである。
【0035】
セルロースのアシル化において、アシル化剤としては、酸無水物や酸クロライドを用いた場合、反応溶媒である有機溶媒としては、有機酸、例えば、酢酸、メチレンクロライド等が使用される。触媒としては、アシル化剤が酸無水物である場合には、硫酸のようなプロトン性触媒が好ましく用いられ、アシル化剤が酸クロライド(例えば、CH3CH2COCl)である場合には、塩基性化合物が用いられる。
【0036】
最も一般的なセルロースの混合脂肪酸エステルの工業的合成方法は、セルロースをアセチル基及び他のアシル基に対応する脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸等)またはそれらの酸無水物を含む混合有機酸成分でアシル化する方法である。
【0037】
本発明に用いるセルロースエステルは、例えば、特開平10−45804号公報に記載されている方法により合成できる。
【0038】
通常、セルロースエステルにはアルカリ土類金属が種々の型で含まれている。これらアルカリ土類金属は、反応終了後に、セルロースエステルを合成する過程で用いられた硫酸等の酸触媒を中和するのに使用する酢酸カルシウムや酢酸マグネシウム等のアルカリ土類金属に由来すると考えられる。合成されたセルロースエステルは、中和後に、反応液をフレーク状に裁断する工程での水処理あるいは水洗処理工程で触媒や中和剤その他の反応残渣などが除去されるが、それでも除去されずにセルロースエステルに残存したものである。
【0039】
本発明において使用するセルロースエステルにおけるアルカリ土類金属の含有量は、100ppm以下であり、好ましくは10〜50ppmである。本発明においては、アルカリ土類金属の含有量をこの範囲にすることで得られるフィルムの透明性に優れ異物が少なくなることを見出したのである。
【0040】
アルカリ土類金属の含有量は10ppm未満でも透明性の良好な異物の少ないフィルムが得られるものの、アルカリ土類金属の含有量を10ppm未満とすることは、工業的にはコストがかかり過ぎ、透明性を害することもないのでるので実際的でない。
【0041】
アルカリ土類金属量が100ppm以下であるセルロースエステルは、例えば、特公昭61−40095号公報に記載の方法、例えば、セルロースエステル10gを氷酢酸1000gに溶解させ、次いで、撹拌しながら1000gの水を加え、セルローストリアセテートを沈殿させ、取り出し、乾燥させる方法を適用することによって得ることができる。
【0042】
他には、酢酸メチル、アセトンや1,3−ジオキソランのような水溶性の有機溶媒を用いてセルロースエステルを膨潤あるいは溶解させて、水に激しく撹拌しながら投入する方法や、アシル化反応工程、中和工程を経てセルロースエステルを固形化する際、セルロースエステル溶液を水中に激しく投入するか、あるいは、できるだけ細かい粒子状にすることによる方法がある。
【0043】
通常の場合、例えば、酢酸マグネシウムを用いて中和反応を行う際、酢酸マグネシウムは硫酸触媒に対して過剰に用いられる。マグネシウムがそのまま残るとするとセルロースエステルに対して数千ppmのオーダーで残存することになるので処理を充分に行う必要がある。
【0044】
非塩素系有機溶媒としては、例えば、アセトン、酢酸メチル、シクロヘキサノン、ギ酸エチル、1,3−ジオキソラン、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール等が挙げられる。これらの溶媒は一種だけ用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
【0045】
非塩素系有機溶媒としては、これらの中でも酢酸メチル、アセトンが最も好ましい。酢酸メチル、アセトンは、溶解性がよく、透明性に優れたフィルムを得ることができる。
【0046】
本発明において、セルロースエステルの溶液には、溶解性の向上、粘度調整、乾燥速度の調整、溶液を流延した際のゲル化の促進等の目的で、炭素数が1〜6の低級アルコールを含有させてもよい。これら低級アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、シクロヘキサノールなどが挙げられる。中でもメタノール、エタノール、n−ブタノールが好ましい。これら低級アルコールは、全有機溶媒に対して2重量%以上、20重量%以下含有させるのが好ましい。炭素数が1から6の低級アルコールを含有させたセルロースエステル溶液は、流延キャステイングの際、残溶剤を多く含んだ状態でも膜の強度が強く、流延キャステイングに用いる支持体であるベルトやドラム上からはぎ取るのが容易となる。
【0047】
セルロースエステル溶液は、通常の方法により調整してよく、セルロースエステルおよび溶媒を容器に入れ、常温で、あるいは、溶媒が沸騰しない温度条件下で撹拌混合することにより得られる。撹拌混合は、容器内部の液膜残りのないような装置、方式であることが好ましい。また、容器内を窒素ガス等の不活性ガスで充満させて分解を抑制してもよい。必要により、加圧容器等を用い、加圧下で撹拌混合してもよい。
【0048】
溶液中のセルロースエステル濃度は、フィルム製膜時の乾燥効率の点から、なるべく高濃度であることが好ましい。一方、あまり高濃度になると溶液の粘度が大きすぎて、得られたフィルムの平面性が劣化する場合がある。これらの点を勘案すると、好ましい溶液のセルロースエステル濃度は、15重量%から40重量%の範囲である。更に、20重量%から35重量%の範囲が好ましい。
【0049】
セルロースエステル溶液の粘度は、製膜の際、流延可能な範囲であればよく、通常、5P(ポイズ)から500P(ポイズ)の範囲に調整されることが好ましい。
【0050】
本発明では、セルロースエステルの溶解時には、低濃度溶液としてセルロースエステル溶液を調整し、フィルム製膜時の溶液流延直前に、溶媒を蒸発させて、高濃度溶液とする溶液濃縮方法も好ましい方法として用いられる。溶液の濃縮方法については、特に限定はなく、例えば、低濃度溶液を、筒体とその内部の周方向に回転する回転羽根外周の回転軌跡との間に導くとともに、溶液との間に温度差を与えて溶媒を蒸発させながら高濃度溶液を得る方法(例えば、特開平4−259511号公報等)、加熱した低濃度溶液をノズルから容器内に吹き込み、ノズルから容器内壁に当たるまでの間で溶液の溶媒をフラッシュ蒸発させ、溶媒蒸気を容器から抜き出し、高濃度溶液を容器底から抜き出す方法(例えば、米国特許第2,541,012号明細書、同第2,858,229号明細書、同第4,414,341号明細書、同第4,504,355号明細書等)などに記載の方法で実施できる。
【0051】
本発明において、セルロースエステル溶液には、各調整工程において用途に応じた種々の添加剤を加えることができる。
【0052】
本発明のセルロースエステルフィルムをハロゲン化銀写真感光材料に用いる場合、機械的性質の向上あるいは耐水性を付与するために可塑剤、ライトパイピングを防止する着色剤、紫外線防止剤が、また、液晶画面表示装置に用いる場合、耐熱耐湿性を付与する酸化防止剤や紫外線防止剤などを添加することが好ましい。
【0053】
可塑剤としては、リン酸エステル、カルボン酸エステル、グリコール酸エステルなどが好ましく用いられる。リン酸エステルとしては、例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェートなどが挙げられ、カルボン酸エステルとしては、例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジエチルヘキシルフタレート、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、トリメリット酸エステルなどが挙げられ、グリコール酸エステルとしては、例えば、トリアセチン、トリブチリン、ブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレートなどが挙げられる。可塑剤としては、これら中でも、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリブチルホスフェート、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジエチルヘキシルフタレート、トリアセチン、エチルフタリルエチルグリコレートが好ましい。特にトリフェニルホスフェート、ジエチルフタレート、エチルフタリルエチルグリコレートが好ましい。
【0054】
これらの可塑剤は、これらの1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。可塑剤の添加量は、セルロースエステルに対して5重量%以上30重量%以下、特に、8重量%以上16重量%以下が好ましい。可塑剤は、セルロースエステル溶液の調整の際に、セルロースエステルや溶媒と共に添加してもよいし、溶液調整中や調整後に添加してもよい。
【0055】
更に、下記一般式(I)、(II)または(III)で表される化合物を添加してもよい。
【0056】
【化1】
Figure 0003978883
[式中、Rは、それぞれ炭素原子数が1以上4以下のアルキル基を表す。]
上記一般式(I)、(II)または(III)で表される化合物の例としては、リン酸2,2′−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウム(アデカスタブNA−10、旭電化(株)製)、ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール(NC−4、三井東圧化学(株)製)が挙げられる。
【0057】
酸化防止剤としては、下記一般式(IV)で表される化合物が用いられる。
【0058】
【化2】
Figure 0003978883
[式中、R1は、アルキル基を表し、R2、R3及びXは、それぞれ水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルケノキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アルケニルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環オキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アシル基、アシルオキシ基を表す。mは0〜2の整数を表す。]
2、R3およびXは互いに同一でも、異なっていてもよい。上記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基、t−ヘキシル基、t−オクチル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ベンジル基などの直鎖、分岐、または、環状のアルキル基が挙げられ、上記アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、2−ペンテニル基、シクロヘキセニル基、ヘキセニル基、ドデセニル基、オクタデセニル基などの直鎖、分岐、または環状のアルケニル基が挙げられ、上記アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基などのベンゼン単環や縮合多環のアリール基が挙げられ、上記ヘテロ環基としては、例えば、フリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピリジル基、プリニル基、クロマニル基、ピロリジル基、モルホリニル基などの窒素原子、硫黄原子、酸素原子の少なくとも一つを含む5〜7員環からなる基が挙げられる。これらの中でも、ヒンダードフェノール系の化合物が好ましく、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー卜、N,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイトなどが好ましいものとして挙げられる。
【0059】
また、これらの中でも、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が最も好ましい。
【0060】
また、例えば、N,N′−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジンなどのヒドラジン系の金属不活性剤やトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイトなどの燐系加工安定剤を併用してもよい。これらの化合物の添加量は、セルロースエステルに対して重量割合で1ppm〜1.0%が好ましく、10ppm〜1000ppmがさらに好ましい。
【0061】
ライトパイピングを防止する着色剤としては、下記一般式(V)、(IV)で表される化合物が挙げられる。
【0062】
【化3】
Figure 0003978883
[式中、Xは、酸素原子、>NR23を表す。R1〜R8、R12〜R23は、それぞれ水素原子、水酸基、脂肪族基、芳香族基、複素環基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、−COR9、−COOR9、−NR910、−N(R10)COR11、−N(R10)SO211、−CONR910、−SO2NR910、−COR11、−SO211、−OCOR11、−N(R9)CONR1011、−CONHSO211、−SO2NHCOR11を表す。R9、R10は、それぞれ水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基を表し、R11は、脂肪族基、芳香族基、または複素環基を表す。]
1〜R23で表される脂肪族基としては、炭素数1〜20のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−ブチル基、イソプロピル基、2−エチルヘキシル基、n−デシル基、n−オクタデシル基)、炭素数1〜20のシクロアルキル基(例えば、シクロベンジル基、シクロヘキシル基)またはアリル基が挙げられ、これらは更に置換基(例えば、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、カルボン酸基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数0〜20のアミノ基、炭素数1〜20のアミド基、炭素数1〜20のカルバモイル基、炭素数2〜20のエステル基、炭素数1〜20のアルコキシ基またはアリーロキシ基、炭素数1〜20のスルホンアミド基、炭素数0〜20のスルファモイル基、5または6員の複素環)を有していてもよい。
【0063】
1〜R23で表される芳香族基としては、炭素数6〜10のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基)が挙げられ、これらは更に、先に脂肪族基が有していてもよいとして挙げた置換基、炭素数1〜20のメチル基、エチル基、n−ブチル基、t−ブチル基、オクチル基などのアルキル基を置換基を有していてもよい。R1〜R23で表される複素環基としては、5または6員の複素環が挙げられ、これらは更に、先に芳香族基が有していてもよいとして挙げた置換基を有していてもよい。
【0064】
以下に、一般式(V)、(VI)で表される化合物の好ましい例を示す。
【0065】
【化4】
Figure 0003978883
【0066】
【化5】
Figure 0003978883
【0067】
【化6】
Figure 0003978883
【0068】
【化7】
Figure 0003978883
【0069】
【化8】
Figure 0003978883
【0070】
【化9】
Figure 0003978883
【0071】
【化10】
Figure 0003978883
着色剤の添加量は、セルロースエステルに対する重量割合で10ppm以上1000ppm以下が好ましく、50ppm以上500ppm以下がさらに好ましい。
【0072】
このような着色剤を含有させることにより、セルロースエステルフィルムのライトパイピングが減少でき、黄色味を改良することができる。これらの化合物は、セルロースエステル溶液の調整の際に、セルロースエステルや溶媒と共に添加してもよいし、溶液調整中や調整後に添加してもよい。
【0073】
また、本発明のセルロースエステル溶液には、必要に応じてさらに種々の添加剤を溶液の調整前から調整後のいずれの段階で添加してもよい。これら添加剤としては、カオリン、タルク、ケイソウ土、石英、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、アルミナなどの無機微粒子、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属の塩などの熱安定剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、油剤などが挙げられる。
【0074】
溶液は流延に先だって金網やネルなどの適当な濾材を用い、未溶解物やゴミ、不純物などの異物を濾過除去しておくのが好ましい。
【0075】
次に、本発明のセルロースエステル溶液を用いて製膜する方法について述べる。
【0076】
本発明のセルロースエステルフィルムを製造する設備としては、セルロースエステルフィルムの製造に用いられている従来の設備を利用することができる。
【0077】
本発明のセルロースエステルフィルムは、例えば、以下のようにして製造することができる。
【0078】
前述のようにして調整されたセルロースエステル溶液(以下、ドープということもある。)は、例えば、回転数によって高精度に定量送液できる加圧型定量ギャポンプを通して加圧型ダイスに送られる。ギャポンプから加圧ダイスに送り込まれたドープは、加圧型ダイスの口金(スリット)からエンドレスに回転している支持体の上に均一に流延される。支持体がほぼ一周したところで、生乾きのフィルム(ウェブ)として支持体から剥され、回転しているロール群に通されながら乾燥され、乾燥されたフィルムは、巻き取り機で所定の長さに巻き取られる。
【0079】
本発明に有用な流延方法としては、調整されたドープを加圧ダイスから支持体上に均一に押し出す方法、一旦支持体上に流延されたドープをブレードで膜厚を調節するドクターブレードによる方法、一旦支持体上に流延されたドープを逆回転するロールで膜厚を調節するリバースロールコーターによる方法等があるが、加圧ダイスを用いる方法が好ましい。加圧ダイスには、コートハンガータイプやTダイスタイプ等があるがいずれも好ましく用いることができる。また、上記以外にも、従来知られている、例えば、特開昭61−94724号公報、同61−148013号公報、特開平4−85011号公報、同4−286611号公報、同5−185443号公報、同5−185445号公報、同6−278149号公報、同8−207210号公報などに記載の方法を好ましく用いることができ、用いる溶媒の沸点等の違いを考慮して各条件を設定することによりそれぞれの公報に記載の内容と同様の効果が得られる。
【0080】
本発明のセルロースエステルフィルムを製造するのに使用されるエンドレスの支持体としては、表面がクロムメッキによって鏡面仕上げされたドラムや表面研磨によって鏡面仕上げされたステンレスベルト(バンドといってもよい)が用いられる。
【0081】
本発明のセルロースエステルフィルムの製造に用いられる加圧ダイスは、1基あるいは2基以上設置してもよい。好ましくは1基または2基である。2基以上設置する場合には、流延するドープ量をそれぞれのダイスに種々な割合にわけてもよく、複数の精密定量ギャポンプからそれぞれの割合でダイスにドープを供給する。
【0082】
本発明のセルロースエステルフィルムの製造において、支持体上に流延されたドープは、例えば、ドラムあるいはベルトの表面側、つまり支持体上にあるウェブ側から熱風を当てる方法、ドラムあるいはベルトの裏面から熱風を当てる方法、温度コントロールした液体をベルトやドラムの裏面に接触させて、伝熱によりドラムあるいはベルトを加熱し、表面温度をコントロールする液体伝熱方法などによって乾燥することができるが、裏面液体伝熱方式を用いるのが好ましい。
【0083】
ドープが流延される前の支持体の表面温度は、ドープに用いられている溶媒の沸点以下であれば何度でもよい。しかし、乾燥を促進し、また、ドープの支持体上での流動性を失わせるためには、使用される溶媒の内の最も沸点の低い溶媒の沸点より1から10℃低い温度に設定することが好ましい。
【0084】
セルロースエステルフィルムを製造する速度は、ドラムの直径、ベルトの長さ、乾燥方法、ドープ溶媒の組成等によっても変化するが、形成されたウェブをドラムやベルトから剥離する時点での残留溶媒の量によって殆ど決まってしまう。つまり、ドープ膜の厚み方向でのドラムやベルト表面付近での溶媒濃度が高すぎる場合には、形成されたウェブを剥離した時、ドラムやベルトにドープが残り、次の流延に支障をきたしてしまうし、また、形成されたウェブは、剥離する力に耐えるだけの強度が必要であるからである。剥離時点での残留溶媒量は、乾燥方法によっても異なり、ドープ表面から風を当てて乾燥する方法よりは、ベルトあるいはドラム裏面から伝熱する方法の方が効果的に残留溶媒量を低減することができる。
【0085】
ドラムやベルト上で乾燥され、剥離されたウェブの乾燥方法について述ベる。ドラムやベルトが1周する直前の剥離位置で剥離されたウェブは、千鳥状に配置されたロール群に交互に通して搬送する方法や剥離されたウェブの両端をクリップで把持させて非接触的に搬送する方法などにより搬送される。乾燥は、搬送中のウェブ(フィルム)両面に所定の温度の風を当てる方法やマイクロウエーブなどの加熱手段などを用いる方法によって行われる。急速な乾燥は、形成されるフィルムの平面性を損なう恐れがあるので、乾燥の初期段階では、溶媒が発泡しない程度の温度で乾燥し、乾燥が進んでから高温で乾燥を行うのが好ましい。
【0086】
支持体から剥離した後の乾燥工程では、溶媒の蒸発によってフィルムは幅方向に収縮しようとする。収縮は、高温度で乾燥するほど大きくなる。この収縮を可能な限り抑制しながら乾燥することが、出来上がったフィルムの平面性を良好にする上で好ましい。この点から、例えば、特開昭62−46625号公報に示されているように、乾燥の全工程あるいは一部の工程を幅方向にクリップでウェブの幅両端を幅保持しつつ行う方法(テンター方式)が好ましい。
【0087】
上記乾燥工程における乾燥温度は、40から250℃、特に70から180℃が好ましい。使用する溶媒によって乾燥温度、乾燥風量及び乾燥時間が異なるが、使用溶媒の種類、組合せに応じて適宜選べばよい。
【0088】
本発明によりセルロースエステルフィルムを製造する場合、支持体から剥離したウェブ(フィルム)を、ウェブ中の残留溶媒量が10〜50重量%の範囲にある間に、少なくとも1方向に1.05〜1.5倍延伸することが好ましい。ウェブ中の残留溶媒量が多すぎると延伸の効果が得られず、また、少なすぎると延伸が著しく困難となり、ウェブの破断が発生してしまう。ウェブ中の残留溶媒量の更に好ましい範囲は20重量%〜40重量%である。また、延伸倍率が小さすぎると強度の改善効果がみられず、大きすぎると延伸が困難となり破断が発生してしまう。延伸倍率の更に好ましい範囲は1.1〜1.3倍の範囲である。
【0089】
本発明では、延伸時のウェブは高温に加熱しなくても延伸可能である点に特徴がある。特表平6−501040号公報では、高温度で延伸する必要があったが、本発明のセルロースエステルを用いて溶液流延製膜したものは、特定の範囲の残留溶媒量であれば高温に加熱しなくても延伸可能であり、得られるフィルムの強度を向上することができることを見出したものである。
【0090】
延伸時のウェブの温度は、高温度に加熱しなくても延伸可能であるが、乾燥と延伸を兼ねた方が工程が短くてすむので好ましい。しかし、ウェブの温度が高すぎると、可塑剤が揮散するので、室温(20℃)〜130℃未満の範囲が好ましい。
【0091】
ウェブを延伸する方法には特に限定はない。例えば、複数のロールに周速差をつけ、その間でロール周速差を利用して縦方向に延伸する方法、ウェブの両端をクリップやピンで固定し、クリップやピンの間隔を進行方向に広げて縦方向に延伸する方法、同様に横方向に広げて横方向に延伸する方法、あるいは縦横同時に広げて縦横両方向に延伸する方法などが挙げられる。もちろんこれ等の方法は、組み合わせて用いてもよい。
【0092】
以上のようにして得られたフィルムは、最終仕上がりフィルムの残留溶媒量で2重量%以下、さらに0.4重量%以下であることが、寸度安定性が良好なフィルムを得る上で好ましい。
【0093】
これら流延から後乾燥までの工程は、空気雰囲気下でもよいし、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下でもよい。
【0094】
得られたセルロースエステルフィルムを巻き取る巻き取り機には、一般的に使用されている巻き取り機が使用でき、定テンション法、定トルク法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法などの巻き取り方法で巻き取ることができる。
【0095】
本発明の出来上がり(乾燥後)のセルロースエステルフィルムの厚さは、使用目的によって異なるが、通常、5から500μmの範囲である。さらに40から250μmの範囲、更には、50から125μmの範囲とすることができる。フィルム厚さの調整は、所望の厚さになるように、ドープ中に含まれる固形分濃度、ダイスの口金のスリット間隙、ダイスからの押し出し圧力、支持体速度等を調節することにより行うことができる。
【0096】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0097】
以下の実施例において、溶液の透明性および経時安定性、フィルム及びウェブの残留溶媒量、乾燥フィルムのヘイズ、乾燥フィルムの異物、乾燥フィルムの引裂強度、乾燥フィルムの引張強度と弾性率、フィルムの耐折度は、以下の方法で求めた。なお、ここで乾燥フィルムとはセルロースエステルフィルム製造工程の最終段階の巻き取り工程で巻き取り後、切り出したフィルムをいう。以下、乾燥フィルムを単にフィルムということがある。
【0098】
〔溶液(ドープ)の透明性および経時安定性〕
セルロースエステル溶液を透明な容器に入れ、作製直後、72時間後及び168時間後の透明性を目視で観察し、同時に容器を逆さまにして溶液の流動性の変化を観察し、下記評価基準で評価した。
A:透明で均一なドープで、容器を逆さにするとスムーズにドープが移動した
B:僅かに濁りがあるが透明性があり、容器を逆さまにすると流動性はあるが、移動する界面に若干のつぶつぶ状のものが認められる
C:濁りがあり、不溶解物が認められ、容器を逆さまにするとドープは不均一に移動する
D:著しく濁り、不溶解物が多く、相分離している。または、容器を逆さまにしても流動性がなくゲル状になっている
【0099】
〔フィルム及びウェブの残留溶媒量〕
フィルムあるいはウェブを秤量ビンに入れ精秤した。次に、フィルムあるいはウェブを150℃で3時間加熱乾燥した後、水分を吸わないように室温まで冷却し精秤した。下記式によりウェブ及びフィルムの残留溶媒量を求めた。
【0100】
残留溶媒量(%):{(A−B)/B}×100
ここで、Aは乾燥前のフィルムあるいはウェブの重量、Bは乾燥後のフィルムあるいはウェブの重量である。
【0101】
〔乾燥フィルムのヘイズ〕
JIS K−6714に従って、ヘイズメーター(1001DP型、日本電色工業(株)製)を用いて測定し、透明性の指標とした。
【0102】
〔乾燥フィルムの異物〕)
偏光顕微鏡を用いて、フィルムサイズ100mm×100mmの範囲をクロスニコル下で倍率30倍で観察し、異物の個数を数え、下記評価基準で評価した。
A:異物の個数0〜10個
B:異物の個数11〜100個
C:異物の個数101個以上
【0103】
〔乾燥フィルムの引裂強度〕
フィルムを、温度23℃、相対湿度55%に調湿された部屋で4時間調湿した後、試料寸法50mm×64mmに切り出し、ISO 6383/2−1983に従い測定して求めた。
【0104】
〔乾燥フィルムの引張強度と弾性率〕
フィルムを、温度23℃、相対湿度55%に調湿された部屋で4時間調湿した後、試料幅10mm、長さ200mmに切り出し、チャック間距離100mmにして引っ張り速度100mm/分で引っ張り試験を行い求めた。
【0105】
〔フィルムの耐折度〕
フィルムを、温度23℃、相対湿度55%に調湿された部屋で4時間調湿した後、試料長さ120mmに切り出し、ISO 8776/2−1988に従い、折り曲げによって切断するまでの折り曲げ回数を計測した。
【0106】
各実施例で用いたセルロースエステルのアルカリ土類金属含有量は、特公昭61−40095号公報第5欄第33〜38行に記載の方法を用い、セルロースエステル、氷酢酸及び水のそれぞれの量を変化させて調整した。
【0107】
セルロースエステル中のアルカリ土類金属の含有量は以下のようにして測定した。
【0108】
ICP−AES(誘導結合プラズマ発光分光分析)によりアルカリ土類金属の定量を行った。セルロースエステル約500mgに硫酸5mlを加え、マイクロ波分解を数十秒から数分程度行った。更に、硝酸4mlを加えマイクロ波分解を再度行い、もう一度硝酸1mlを加え最終のマイクロ波分解を行った(この分解法をマイクロダイジェスト湿式分解法という。)。得られた分解物を数mlの水で水溶液とし、セイコー電子工業(株)製SPS−4000を用いてICP−AES分析を行う。
【0109】
実施例1〜3及び比較例1
アセチル基の置換度2.00、プロピオニル基の置換度0.80、粘度平均重合度350、表1に示すアルカリ土類金属含有量を有するセルロースエステル100重量部、酢酸メチル225重量部、エタノール25重量部及びトリフェニルフォスフェート(TPP)10重量部を加圧密閉容器に投入し、2気圧下、80℃に加温し、撹拌しながらセルロースエステルを完全に溶解させセルロースエステル溶液(ドープ)を得た。ドープを40℃で一晩静置し、脱泡操作を施した後、ドープを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過し、製膜に供した。
【0110】
得られたドープを定量ギャポンプでダイスに送液し、回転しているステンレスベルトの表面に乾燥後の膜厚が80μmとなるように流延した。ステンレスベルトの裏面には50℃の温水を接触させて温度制御した。ステンレスベルト上の後半では90℃の乾燥風を当ててウェブを乾燥させた。ステンレスベルトが1周するところでステンレスベルトからウェブを剥離し、ウェブの両端をクリップで把持しながら120℃で5分間、続いてロールに巻回しながら搬送しつつ140℃で20分間乾燥させ、最終的に膜厚80μmのセルロースエステルフィルムを得た。各フィルムとも、残留溶媒量は0.7%であった。
【0111】
実施例4
アセチル基の置換度2.00、プロピオニル基の置換度0.80、粘度平均重合度350、表1に示すアルカリ土類金属含有量を有するセルロースエステルに代え、アセチル基の置換度1.6、プロピオニル基の置換度1.2、粘度平均重合度400、表1に示すアルカリ土類金属含有量のセルロースエステルを用いた以外は実施例1と同様にして、膜厚80μmのセルロースエステルフィルムを得た。得られたセルロースエステルフィルムの残留溶媒量は0.7重量%であった。
【0112】
比較例2
アセチル基の置換度2.00、プロピオニル基の置換度0.80、粘度平均重合度350、表1に示すアルカリ土類金属含有量を有するセルロースエステル100重量部、酢酸メチル225重量部、エタノール25重量部及びトリフェニルフォスフェート(TPP)10重量部に代え、アセチル基の置換度2.3、プロピオニル基の置換度0.5、粘度平均重合度300、表1に示すアルカリ土類金属含有量のセルロースエステル100重量部、酢酸メチル380重量部、エタノール20重量部を用いてドープを得た以外は実施例1と同様にして、膜厚80μmのセルロースエステルフィルムを得た。得られたセルロースエステルフィルムの残留溶媒量は0.7重量%であった。
【0113】
実施例5
アセチル基の置換度2.00、プロピオニル基の置換度0.80、粘度平均重合度350、表1に示すアルカリ土類金属含有量を有するセルロースエステル100重量部、酢酸メチル225重量部、エタノール25重量部及びトリフェニルフォスフェート(TPP)10重量部に代え、アセチル基の置換度1.9、ブチリル基の置換度0.75、粘度平均重合度300、表1に示すアルカリ土類金属含有量のセルロースエステル100重量部、アセトン225重量部、エタノール25重量部及びトリフェニルフォスフェート(TPP)10重量部を用いてドープを得た以外は実施例1と同様にして、膜厚80μmのセルロースエステルフィルムを得た。得られたセルロースエステルフィルムの残留溶媒量は0.6重量%であった。
【0114】
実施例6
ステンレスベルトから剥離したウェブ中の残留溶媒量が30重量%になるようにステンレスベルトの速度を調節し、また、クリップで幅方向を把持しつつクリップ間距離を広げることで縦方向に1.2倍延伸した以外は実施例1と同様にして、膜厚80μmのセルロースエステルフィルムを得た。得られたセルロースエステルフィルムの残留溶媒量は0.4重量%であった。
【0115】
実施例7
ステンレスベルトから剥離したウェブ中の残留溶媒量が40重量%になるようにステンレスベルトの速度を調節し、また、クリップで幅方向を把持しつつ幅方向と進行方向の両方にクリップ間距離を広げることで縦方向に1.1倍、横方向に1.2倍延伸した以外は実施例1と同様にして、膜厚120μmのセルロースエステルフィルムを得た。得られたセルロースエステルフィルムの残留溶媒量は1.1重量%であった。
【0116】
実施例1〜7及び比較例1〜2で得られたセルロースエステルフィルムについて、ドープの透明性および経時安定性、乾燥フィルムのヘイズ、乾燥フィルムの異物、乾燥フィルムの引裂強度、乾燥フィルムの引張強度と弾性率、フィルムの耐折度を求めた。得られた結果を表1に示す。
【0117】
【表1】
Figure 0003978883
【0118】
表1から明らかなように、本発明のセルロースエステル溶液は、高濃度でありながら溶液の透明性及び経時安定性が良好であり、この溶液から得られるセルロースエステルフィルムは、フィルムヘイズが小さく透明性に優れ、フィルムの異物も少なく光学的欠点のない良好な特性を示す。また、本発明の延伸フィルムは、機械的強度に優れるものである。
【0119】
【発明の効果】
本発明により、塩素系溶媒を使用しないセルロースエステルの溶液から、透明性に優れ、光学的欠点の改良されたセルロースエステルフィルムを製造する方法を提供することができた。また、本発明のセルロースエステルフィルムは、機械的強度にも優れるので、ハロゲン化銀写真感光材料用支持体や液晶画像表示装置用フィルムとして有用である。

Claims (7)

  1. セルロースをアセチル基及び炭素原子数3〜4のアシル基でアシル化したセルロースエステルを非塩素系有機溶媒に溶解させた溶液を、支持体上に流延し溶媒を蒸発させてフィルムを形成するセルロースエステルフィルムの製造方法であって、セルロースエステルが、アセチル基の置換度(A)と炭素原子数3〜4のアシル基の置換度(B)とが下記(I)〜(III)式を満たし、更に、100ppm以下のアルカリ土類金属を含有するセルロースエステルであることを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。
    (I) 2.6≦A+B≦3.0
    (II) 1.4≦A≦2.0
    (III) 0.7≦B≦1.2
  2. セルロースエステルの粘度平均重合度が、250〜550であることを特徴とする請求項1に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
  3. 非塩素系有機溶媒が、酢酸メチルまたはアセトンから選ばれる少なくとも1つの有機溶媒を含有する有機溶媒であることを特徴とする請求項1または2に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
  4. セルロースエステル溶液が、セルロースエステル濃度が20重量%以上35重量%以下のセルロースエステル溶液であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
  5. 流延し溶媒を蒸発させてセルロースエステルフィルムを形成させる段階で、セルロースエステルフィルム中の残留溶媒量が10〜50重量%の範囲にあるとき、温度20〜130℃で少なくとも1方向に1.05〜1.5倍延伸することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
  6. 互いに直交する2軸方向に延伸することを特徴とする請求項5に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法により製造されたセルロースエステルフィルム。
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