JP2000053784A - セルロースエステルフィルムの製造方法およびセルロースエステルフィルム - Google Patents

セルロースエステルフィルムの製造方法およびセルロースエステルフィルム

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JP2000053784A
JP2000053784A JP23238898A JP23238898A JP2000053784A JP 2000053784 A JP2000053784 A JP 2000053784A JP 23238898 A JP23238898 A JP 23238898A JP 23238898 A JP23238898 A JP 23238898A JP 2000053784 A JP2000053784 A JP 2000053784A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非塩素系溶媒を用いても高濃度の溶液を調整
でき、冷却溶解法の様に特別な溶解設備を必要とせず、
透明性に優れ、光学的な欠点が改良され、機械的強度に
優れたセルロースエステルフィルムの製造方法を提供す
ること。 【解決手段】 セルロースをアセチル基及び炭素原子数
3〜4のアシル基でアシル化したセルロースエステルを
非塩素系有機溶媒に溶解させた溶液を支持体上に流延し
溶媒を蒸発させてフィルムを形成するセルロースエステ
ルフィルムの製造方法であって、セルロースエステル
が、アセチル基の置換度(A)と炭素原子数3〜4のア
シル基の置換度(B)とが下記(I)〜(III)式を満
たし、更に、100ppm以下のアルカリ土類金属を含
有するセルロースエステルであるセルロースエステルフ
ィルムの製造方法。 (I) 2.6≦A+B≦3.0 (II) 1.4≦A≦2.5 (III)0.5≦B≦1.2

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲン化銀写真
感光材料、液晶画像表示装置等に用いるのに適するセル
ロースエステルフィルム及びセルロースエステルフィル
ムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀写真感光材料や液晶画像表
示装置等に使用するフィルムとしては、セルローストリ
アセテートフィルムが、透明性が優れ、光学的欠点がな
いという特性を有しているために用いられているが、近
年、これらハロゲン化銀写真感光材料や液晶画像表示装
置に用いるフィルムに対して要求される特性は高度化し
てきており、セルローストリアセテートフィルムより優
れた特性を有するフィルムの出現が求められている。
【0003】また、セルローストリアセテートフィルム
は、メチレンクロライド溶媒を用いた溶液から溶液流延
法により製膜されているが、メチレンクロライドのよう
な塩素系炭化水素溶媒は、その使用が制限される方向に
あり、これらメチレンクロライドのような塩素系炭化水
素溶媒を使用しないでフィルムを製造することへの要望
が高まっている。
【0004】溶液流延製膜法でフィルムを製造する場
合、生産速度を高めるためには、溶媒を蒸発させるのに
掛かる時間をできる限り短くすることが必要であり、そ
のためには、高濃度の溶液を用いる必要がある。
【0005】また、液晶画像表示装置は、更なる高精細
化や大画面化が進んでおり、この用途では更なる面品質
の高品質化が求められてきている。例えば、従来は、フ
ィルム中の異物は目視で検査しており、異物の大きさが
100μm程度以上ある場合に問題にしていたが、この
ようなフィルムでは、近年要求される品質を満足できな
くなってきており、現在は、偏光顕微鏡を用いた検査方
法に変わっており、異物の大きさが10μm程度のもの
までが問題になってきている。偏光顕微鏡を用いてクロ
スニコル下で観察すると異物が輝いて観察でき検出性が
格段に向上するのである。
【0006】フィルムを写真用支持体として用いる場合
は、フィルムの機械的強度が問題となってくる。例え
ば、135サイズの写真フィルムでは、パーフォレーシ
ョン加工が施されており、パーフォレーションにはカメ
ラ等での駒送りの際に負荷が掛かる。フィルムの破断強
度が十分でないと、パーフォレーションの部分が破断し
駒送りに支障が生じてしまう。近年、カメラでの巻き上
げ速度が高速化されてきており、フィルム強度の更なる
向上が求められている。
【0007】上記のような様々な要求に対して、特開平
9−95544号公報及び同9−95557号公報で
は、実質的にアセトンからなる有機溶媒あるいはアセト
ンと他の有機溶媒を共用した有機溶媒を用い、冷却溶解
法によってセルローストリアセテートを溶解しフィルム
を製造することを提案している。また、特開平9−95
538号公報には、アセトン以外のエーテル類、ケトン
類あるいはエステル類から選ばれる有機溶媒を用い、冷
却溶解法によってセルローストリアセテートを溶解しフ
ィルムを作成することが記載されており、これらの有機
溶媒としては、2−メトキシエチルアセテート、シクロ
ヘキサノン、エチルホルメート、メチルアセテート(酢
酸メチル)などが好ましいとしている。ところが、上記
の方法では、新たに大型な冷却設備が必要となる上、溶
解に費やすエネルギー負荷も著しく増大してしまうとい
う問題があった。
【0008】特開平10−45804号公報では、アセ
トンやメチルアセテートなどの溶媒に可溶なアセチル基
と炭素原子数が3以上のアシル基が特定の関係にあるセ
ルロースの混合脂肪酸エステルが提案されている。とこ
ろが、溶液濃度は20重量%程度が上限であり、それ以
上の高濃度にすると溶解性が不充分となり、溶液の安定
性の劣る溶液となってしまうことがわかった。また、こ
の溶液から溶液流延製膜して得られるフィルムは、輝点
異物と呼ぶ光学的な欠陥が多く、品質レベルが高品質化
への要求に対し充分ではなかった。
【0009】特表平6−501040公報には、特定の
置換度を有するセルロースアセテートまたはセルロース
アセテートプロピオネートを溶融押し出して、更に、1
30〜200℃で1.25〜2.5倍2軸延伸する方法
が開示されている。しかし、この方法では、高温度で溶
融及び延伸しなければならなかったり、特殊な可塑剤を
使用しなければならないという問題があった。また、一
般に、溶融押し出しによる製膜法は、溶液流延製膜法に
比べ平面性に劣っており、平面性での問題もある。
【0010】米国特許第2,739,070号明細書で
は、映画フィルムの作成に有用な塩素系溶媒を用いたセ
ルロースの混合脂肪酸エステル組成物を開示している。
ところが、この組成物において、塩素系溶媒をアセトン
や酢酸メチルなどの溶媒に変えると得られるフィルム
は、透明性や輝点異物が劣ったものになることが分かっ
た。また、写真用支持体としては、更なる強度の向上が
必要であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、非塩素系溶媒を用いても高濃度の溶液を調整でき、
しかも、冷却溶解法の様に特別な溶解設備を必要とせ
ず、透明性に優れ、光学的な欠点が改良され、機械的強
度に優れたセルロースエステルフィルムの製造方法を提
供することにある。本発明の更なる目的は、透明性に優
れ、光学的な欠点が改良され、機械的強度に優れたセル
ロースエステルフィルムを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、下記の構
成により達成することができた。 (1)セルロースをアセチル基及び炭素原子数3〜4の
アシル基でアシル化したセルロースエステルを非塩素系
有機溶媒に溶解させた溶液を、支持体上に流延し溶媒を
蒸発させてフィルムを形成するセルロースエステルフィ
ルムの製造方法であって、セルロースエステルが、アセ
チル基の置換度(A)と炭素原子数3〜4のアシル基の
置換度(B)とが下記(I)〜(III)式を満たし、更
に、100ppm以下のアルカリ土類金属を含有するセ
ルロースエステルであることを特徴とするセルロースエ
ステルフィルムの製造方法。
【0013】(I) 2.6≦A+B≦3.0 (II) 1.4≦A≦2.5 (III)0.5≦B≦1.2 (2)セルロースエステルのアセチル基の置換度(A)
と炭素原子数3〜4のアシル基の置換度(B)とが、更
に、下記(IV)及び(V)式を満たすセルロースエステ
ルであることを特徴とする上記(1)に記載のセルロー
スエステルフィルムの製造方法。
【0014】(IV) 1.4≦A≦2.1 (V) 0.7≦B≦1.2 (3)セルロースエステルの粘度平均重合度が、250
〜550であることを特徴とする上記(1)または
(2)に記載のセルロースエステルフィルムの製造方
法。 (4)非塩素系有機溶媒が、酢酸メチルまたはアセトン
から選ばれる少なくとも1つの有機溶媒を含有する有機
溶媒であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいず
れかに記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。 (5)セルロースエステル溶液が、セルロースエステル
濃度が20重量%以上35重量%以下のセルロースエス
テル溶液であることを特徴とする上記(1)〜(4)の
いずれかに記載のセルロースエステルフィルムの製造方
法。 (6)流延し溶媒を蒸発させてセルロースエステルフィ
ルムを形成させる段階で、セルロースエステルフィルム
中の残留溶媒量が10〜50重量%の範囲にあるとき、
温度20〜130℃で少なくとも1方向に1.05〜
1.5倍延伸することを特徴とする上記(1)〜(5)
のいずれかに記載のセルロースエステルフィルムの製造
方法。 (7)互いに直交する2軸方向に延伸することを特徴と
する上記(6)に記載のセルロースエステルフィルムの
製造方法。 (8)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の製造方法
により製造されたセルロースエステルフィルム。
【0015】以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】本発明に用いるアセチル基及び炭素原子数
3〜4のアシル基でアシル化したセルロースエステル
は、下記式(I)乃至(III)の全てを満足するアシル
基を有するものである。
【0017】(I) 2.6≦A+B≦3.0 (II) 1.4≦A≦2.5 (III)0.5≦B≦1.2 ここで、Aはアセチル基の置換度、Bは炭素原子数3〜
4のアシル基の置換度である。
【0018】更に、アセチル基及び炭素原子数3〜4の
アシル基でアシル化したセルロースエステルが、更に下
記式(IV)、(V)を満すアシル基を有することによ
り、更に異物等の少ないフィルムを得ることができる。
【0019】(IV) 1.4≦A≦2.1 (V) 0.7≦B≦1.2 セルロースには1グルコース単位に3個の水酸基があ
り、置換度とは、平均して1グルコース単位にいくつの
アシル基が結合しているかを示す数値である。従って、
最大の置換度は3.0である。
【0020】なお、アセチル基の置換度と他のアシル基
の置換度は、以下の方法により求めたものである。
【0021】〔アセチル基の置換度と他のアシル基の置
換度〕置換度は、ケン化法によって測定するものとす
る。
【0022】乾燥したセルロースエステル(試料)を精
秤し、アセトンとジメチルスルホキシドとの混合溶媒
(容量比4:1)に溶解した後、所定の1N水酸化ナト
リウム水溶液を添加し、25℃で2時間ケン化する。フ
ェノールフタレインを指示薬として添加し、1N硫酸で
過剰の水酸化ナトリウムを滴定する。また、上記と同様
な方法により、ブランクテストを行う。
【0023】更に、滴定が終了した溶液の上澄み液を希
釈し、イオンクロマトグラフを用いて、常法により有機
酸の組成を測定する。そして、下記に従ってアセチル基
の置換度と他のアシル基の置換度を算出する。
【0024】TA=(B−A)×F/(1000×W) DSace=(162.14×TA)/{1−42.1
4×TA+(1−56.06×TA)×(AL/A
C)} DSacy=Ssce×(AL/AC)
【0025】式中、Aは試料の滴定に要する1N硫酸量
(ml)、Bはブランクテストに要する1N硫酸量(m
l)、Fは1N硫酸の力価、Wは試料重量(gr)、T
Aは全有機酸量(mol/g)、AL/ACはイオンク
ロマトグラフで測定した酢酸(AC)と他の有機酸(A
L)とのモル比、DSaceはアセチル基の置換度、D
Sacyは他のアシル基の置換度を示す。
【0026】本発明に使用するセルロースエステルの粘
度平均重合度(重合度)は200以上700以下が好ま
しく、特に、250以上500以下のものが好ましい。
【0027】粘度平均重合度(DP)は、、以下の方法
により求めたものである。
【0028】〔粘度平均重合度(DP)〕絶乾したセル
ロースエステル約0.2gを精秤し、メチレンクロライ
ドとエタノールの混合溶媒(重量比9:1)100ml
に溶解する。これをオストワルド粘度計にて、25℃で
落下秒数を測定し、重合度を以下の式によって求める。
【0029】ηrel=T/Ts [η]=(lnηrel)/C DP=[η]/Km
【0030】ここで、Tは測定試料の落下秒数、Tsは
溶媒の落下秒数、Cはセルロースエステルの濃度(g/
l)、Km=6×10-4である。
【0031】本発明に用いられるセルロースエステルの
原料セルロースとしては、綿花リンターや木材パルプな
どが挙げられる。原料セルロースはそれぞれ単独で用い
てもよく、また、混合して用いてもよい。
【0032】また、本発明に使用するアセチル基と炭素
原子数3〜4のアシル基でアシル化したセルロースエス
テルは、セルロースの混合脂肪酸エステルとも呼ばれて
いる。
【0033】炭素原子数3〜4のアシル基としては、例
えば、プロピオニル基、ブチリル基が挙げられ、直鎖の
ものがフィルムにしたときの機械的強さ、溶解のし易さ
等から好ましく、n−プロピオニル基とn−ブチリル基
が好ましい。
【0034】また、アセチル基の置換度が低いと機械的
強度、耐湿熱性が低下する。炭素原子数3〜4のアシル
基の置換度が高いとアセトンやメチルアセテートなどへ
の溶解性は向上するが機械的強度が低下する。それぞれ
の置換度が上記の範囲であれば良好な物性を示すのであ
る。
【0035】セルロースのアシル化において、アシル化
剤としては、酸無水物や酸クロライドを用いた場合、反
応溶媒である有機溶媒としては、有機酸、例えば、酢
酸、メチレンクロライド等が使用される。触媒として
は、アシル化剤が酸無水物である場合には、硫酸のよう
なプロトン性触媒が好ましく用いられ、アシル化剤が酸
クロライド(例えば、CH3CH2COCl)である場合
には、塩基性化合物が用いられる。
【0036】最も一般的なセルロースの混合脂肪酸エス
テルの工業的合成方法は、セルロースをアセチル基及び
他のアシル基に対応する脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、
酪酸、吉草酸等)またはそれらの酸無水物を含む混合有
機酸成分でアシル化する方法である。
【0037】本発明に用いるセルロースエステルは、例
えば、特開平10−45804号公報に記載されている
方法により合成できる。
【0038】通常、セルロースエステルにはアルカリ土
類金属が種々の型で含まれている。これらアルカリ土類
金属は、反応終了後に、セルロースエステルを合成する
過程で用いられた硫酸等の酸触媒を中和するのに使用す
る酢酸カルシウムや酢酸マグネシウム等のアルカリ土類
金属に由来すると考えられる。合成されたセルロースエ
ステルは、中和後に、反応液をフレーク状に裁断する工
程での水処理あるいは水洗処理工程で触媒や中和剤その
他の反応残渣などが除去されるが、それでも除去されず
にセルロースエステルに残存したものである。
【0039】本発明において使用するセルロースエステ
ルにおけるアルカリ土類金属の含有量は、100ppm
以下であり、好ましくは10〜50ppmである。本発
明においては、アルカリ土類金属の含有量をこの範囲に
することで得られるフィルムの透明性に優れ異物が少な
くなることを見出したのである。
【0040】アルカリ土類金属の含有量は10ppm未
満でも透明性の良好な異物の少ないフィルムが得られる
ものの、アルカリ土類金属の含有量を10ppm未満と
することは、工業的にはコストがかかり過ぎ、透明性を
害することもないのでるので実際的でない。
【0041】アルカリ土類金属量が100ppm以下で
あるセルロースエステルは、例えば、特公昭61−40
095号公報に記載の方法、例えば、セルロースエステ
ル10gを氷酢酸1000gに溶解させ、次いで、撹拌
しながら1000gの水を加え、セルローストリアセテ
ートを沈殿させ、取り出し、乾燥させる方法を適用する
ことによって得ることができる。
【0042】他には、酢酸メチル、アセトンや1,3−
ジオキソランのような水溶性の有機溶媒を用いてセルロ
ースエステルを膨潤あるいは溶解させて、水に激しく撹
拌しながら投入する方法や、アシル化反応工程、中和工
程を経てセルロースエステルを固形化する際、セルロー
スエステル溶液を水中に激しく投入するか、あるいは、
できるだけ細かい粒子状にすることによる方法がある。
【0043】通常の場合、例えば、酢酸マグネシウムを
用いて中和反応を行う際、酢酸マグネシウムは硫酸触媒
に対して過剰に用いられる。マグネシウムがそのまま残
るとするとセルロースエステルに対して数千ppmのオ
ーダーで残存することになるので処理を充分に行う必要
がある。
【0044】非塩素系有機溶媒としては、例えば、アセ
トン、酢酸メチル、シクロヘキサノン、ギ酸エチル、
1,3−ジオキソラン、2,2,2−トリフルオロエタ
ノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパ
ノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,
1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2
−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフル
オロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタ
フルオロ−1−プロパノール等が挙げられる。これらの
溶媒は一種だけ用いてもよいし、二種以上を併用しても
よい。
【0045】非塩素系有機溶媒としては、これらの中で
も酢酸メチル、アセトンが最も好ましい。酢酸メチル、
アセトンは、溶解性がよく、透明性に優れたフィルムを
得ることができる。
【0046】本発明において、セルロースエステルの溶
液には、溶解性の向上、粘度調整、乾燥速度の調整、溶
液を流延した際のゲル化の促進等の目的で、炭素数が1
〜6の低級アルコールを含有させてもよい。これら低級
アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノー
ル、s−ブタノール、t−ブタノール、シクロヘキサノ
ールなどが挙げられる。中でもメタノール、エタノー
ル、n−ブタノールが好ましい。これら低級アルコール
は、全有機溶媒に対して2重量%以上、20重量%以下
含有させるのが好ましい。炭素数が1から6の低級アル
コールを含有させたセルロースエステル溶液は、流延キ
ャステイングの際、残溶剤を多く含んだ状態でも膜の強
度が強く、流延キャステイングに用いる支持体であるベ
ルトやドラム上からはぎ取るのが容易となる。
【0047】セルロースエステル溶液は、通常の方法に
より調整してよく、セルロースエステルおよび溶媒を容
器に入れ、常温で、あるいは、溶媒が沸騰しない温度条
件下で撹拌混合することにより得られる。撹拌混合は、
容器内部の液膜残りのないような装置、方式であること
が好ましい。また、容器内を窒素ガス等の不活性ガスで
充満させて分解を抑制してもよい。必要により、加圧容
器等を用い、加圧下で撹拌混合してもよい。
【0048】溶液中のセルロースエステル濃度は、フィ
ルム製膜時の乾燥効率の点から、なるべく高濃度である
ことが好ましい。一方、あまり高濃度になると溶液の粘
度が大きすぎて、得られたフィルムの平面性が劣化する
場合がある。これらの点を勘案すると、好ましい溶液の
セルロースエステル濃度は、15重量%から40重量%
の範囲である。更に、20重量%から35重量%の範囲
が好ましい。
【0049】セルロースエステル溶液の粘度は、製膜の
際、流延可能な範囲であればよく、通常、5P(ポイ
ズ)から500P(ポイズ)の範囲に調整されることが
好ましい。
【0050】本発明では、セルロースエステルの溶解時
には、低濃度溶液としてセルロースエステル溶液を調整
し、フィルム製膜時の溶液流延直前に、溶媒を蒸発させ
て、高濃度溶液とする溶液濃縮方法も好ましい方法とし
て用いられる。溶液の濃縮方法については、特に限定は
なく、例えば、低濃度溶液を、筒体とその内部の周方向
に回転する回転羽根外周の回転軌跡との間に導くととも
に、溶液との間に温度差を与えて溶媒を蒸発させながら
高濃度溶液を得る方法(例えば、特開平4−25951
1号公報等)、加熱した低濃度溶液をノズルから容器内
に吹き込み、ノズルから容器内壁に当たるまでの間で溶
液の溶媒をフラッシュ蒸発させ、溶媒蒸気を容器から抜
き出し、高濃度溶液を容器底から抜き出す方法(例え
ば、米国特許第2,541,012号明細書、同第2,
858,229号明細書、同第4,414,341号明
細書、同第4,504,355号明細書等)などに記載
の方法で実施できる。
【0051】本発明において、セルロースエステル溶液
には、各調整工程において用途に応じた種々の添加剤を
加えることができる。
【0052】本発明のセルロースエステルフィルムをハ
ロゲン化銀写真感光材料に用いる場合、機械的性質の向
上あるいは耐水性を付与するために可塑剤、ライトパイ
ピングを防止する着色剤、紫外線防止剤が、また、液晶
画面表示装置に用いる場合、耐熱耐湿性を付与する酸化
防止剤や紫外線防止剤などを添加することが好ましい。
【0053】可塑剤としては、リン酸エステル、カルボ
ン酸エステル、グリコール酸エステルなどが好ましく用
いられる。リン酸エステルとしては、例えば、トリフェ
ニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジ
ルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフ
ェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオク
チルホスフェート、トリブチルホスフェートなどが挙げ
られ、カルボン酸エステルとしては、例えば、ジメチル
フタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレー
ト、ジオクチルフタレート、ジエチルヘキシルフタレー
ト、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルト
リブチル、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセ
チル、セバシン酸ジブチル、トリメリット酸エステルな
どが挙げられ、グリコール酸エステルとしては、例え
ば、トリアセチン、トリブチリン、ブチルフタリルブチ
ルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、
メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブ
チルグリコレートなどが挙げられる。可塑剤としては、
これら中でも、トリフェニルホスフェート、トリクレジ
ルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ト
リブチルホスフェート、ジメチルフタレート、ジエチル
フタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレー
ト、ジエチルヘキシルフタレート、トリアセチン、エチ
ルフタリルエチルグリコレートが好ましい。特にトリフ
ェニルホスフェート、ジエチルフタレート、エチルフタ
リルエチルグリコレートが好ましい。
【0054】これらの可塑剤は、これらの1種を用いて
もよいし、2種以上を併用してもよい。可塑剤の添加量
は、セルロースエステルに対して5重量%以上30重量
%以下、特に、8重量%以上16重量%以下が好まし
い。可塑剤は、セルロースエステル溶液の調整の際に、
セルロースエステルや溶媒と共に添加してもよいし、溶
液調整中や調整後に添加してもよい。
【0055】更に、下記一般式(I)、(II)または
(III)で表される化合物を添加してもよい。
【0056】
【化1】 [式中、Rは、それぞれ炭素原子数が1以上4以下のア
ルキル基を表す。] 上記一般式(I)、(II)または(III)で表される化
合物の例としては、リン酸2,2′−メチレンビス
(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウム(アデ
カスタブNA−10、旭電化(株)製)、ビス(p−エ
チルベンジリデン)ソルビトール(NC−4、三井東圧
化学(株)製)が挙げられる。
【0057】酸化防止剤としては、下記一般式(IV)で
表される化合物が用いられる。
【0058】
【化2】 [式中、R1は、アルキル基を表し、R2、R3及びX
は、それぞれ水素原子、アルキル基、アルケニル基、ア
リール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルケノキシ
基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アルケニルチ
オ基、アリールチオ基、ヘテロ環オキシ基、ヒドロキシ
基、アミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、ア
ルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、
ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アシル基、アシル
オキシ基を表す。mは0〜2の整数を表す。] R2、R3およびXは互いに同一でも、異なっていてもよ
い。上記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、シ
クロヘキシル基、t−ヘキシル基、t−オクチル基、ド
デシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ベンジル
基などの直鎖、分岐、または、環状のアルキル基が挙げ
られ、上記アルケニル基としては、例えば、ビニル基、
アリル基、2−ペンテニル基、シクロヘキセニル基、ヘ
キセニル基、ドデセニル基、オクタデセニル基などの直
鎖、分岐、または環状のアルケニル基が挙げられ、上記
アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル
基、アントラニル基などのベンゼン単環や縮合多環のア
リール基が挙げられ、上記ヘテロ環基としては、例え
ば、フリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピリジル
基、プリニル基、クロマニル基、ピロリジル基、モルホ
リニル基などの窒素原子、硫黄原子、酸素原子の少なく
とも一つを含む5〜7員環からなる基が挙げられる。こ
れらの中でも、ヒンダードフェノール系の化合物が好ま
しく、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾー
ル、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t
−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチ
オ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチル
アニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−
ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル
−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネー卜、N,N′−ヘキサメチレンビス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシ
ンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−
トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイトなどが好
ましいものとして挙げられる。
【0059】また、これらの中でも、2,6−ジ−t−
ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラ
キス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール
−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート〕が最も好ましい。
【0060】また、例えば、N,N′−ビス〔3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオニル〕ヒドラジンなどのヒドラジン系の金属不
活性剤やトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フ
ォスファイトなどの燐系加工安定剤を併用してもよい。
これらの化合物の添加量は、セルロースエステルに対し
て重量割合で1ppm〜1.0%が好ましく、10pp
m〜1000ppmがさらに好ましい。
【0061】ライトパイピングを防止する着色剤として
は、下記一般式(V)、(IV)で表される化合物が挙げ
られる。
【0062】
【化3】 [式中、Xは、酸素原子、>NR23を表す。R1〜R8
12〜R23は、それぞれ水素原子、水酸基、脂肪族基、
芳香族基、複素環基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ
基、−COR9、−COOR9、−NR910、−N(R
10)COR11、−N(R10)SO211、−CONR9
10、−SO2NR910、−COR11、−SO211、−
OCOR11、−N(R9)CONR1011、−CONH
SO211、−SO2NHCOR11を表す。R9、R
10は、それぞれ水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環
基を表し、R11は、脂肪族基、芳香族基、または複素環
基を表す。] R1〜R23で表される脂肪族基としては、炭素数1〜2
0のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−ブ
チル基、イソプロピル基、2−エチルヘキシル基、n−
デシル基、n−オクタデシル基)、炭素数1〜20のシ
クロアルキル基(例えば、シクロベンジル基、シクロヘ
キシル基)またはアリル基が挙げられ、これらは更に置
換基(例えば、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニト
ロ基、カルボン酸基、炭素数6〜10のアリール基、炭
素数0〜20のアミノ基、炭素数1〜20のアミド基、
炭素数1〜20のカルバモイル基、炭素数2〜20のエ
ステル基、炭素数1〜20のアルコキシ基またはアリー
ロキシ基、炭素数1〜20のスルホンアミド基、炭素数
0〜20のスルファモイル基、5または6員の複素環)
を有していてもよい。
【0063】R1〜R23で表される芳香族基としては、
炭素数6〜10のアリール基(例えば、フェニル基、ナ
フチル基)が挙げられ、これらは更に、先に脂肪族基が
有していてもよいとして挙げた置換基、炭素数1〜20
のメチル基、エチル基、n−ブチル基、t−ブチル基、
オクチル基などのアルキル基を置換基を有していてもよ
い。R1〜R23で表される複素環基としては、5または
6員の複素環が挙げられ、これらは更に、先に芳香族基
が有していてもよいとして挙げた置換基を有していても
よい。
【0064】以下に、一般式(V)、(VI)で表される
化合物の好ましい例を示す。
【0065】
【化4】
【0066】
【化5】
【0067】
【化6】
【0068】
【化7】
【0069】
【化8】
【0070】
【化9】
【0071】
【化10】 着色剤の添加量は、セルロースエステルに対する重量割
合で10ppm以上1000ppm以下が好ましく、5
0ppm以上500ppm以下がさらに好ましい。
【0072】このような着色剤を含有させることによ
り、セルロースエステルフィルムのライトパイピングが
減少でき、黄色味を改良することができる。これらの化
合物は、セルロースエステル溶液の調整の際に、セルロ
ースエステルや溶媒と共に添加してもよいし、溶液調整
中や調整後に添加してもよい。
【0073】また、本発明のセルロースエステル溶液に
は、必要に応じてさらに種々の添加剤を溶液の調整前か
ら調整後のいずれの段階で添加してもよい。これら添加
剤としては、カオリン、タルク、ケイソウ土、石英、炭
酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、アルミナな
どの無機微粒子、カルシウム、マグネシウムなどのアル
カリ土類金属の塩などの熱安定剤、帯電防止剤、難燃
剤、滑剤、油剤などが挙げられる。
【0074】溶液は流延に先だって金網やネルなどの適
当な濾材を用い、未溶解物やゴミ、不純物などの異物を
濾過除去しておくのが好ましい。
【0075】次に、本発明のセルロースエステル溶液を
用いて製膜する方法について述べる。
【0076】本発明のセルロースエステルフィルムを製
造する設備としては、セルロースエステルフィルムの製
造に用いられている従来の設備を利用することができ
る。
【0077】本発明のセルロースエステルフィルムは、
例えば、以下のようにして製造することができる。
【0078】前述のようにして調整されたセルロースエ
ステル溶液(以下、ドープということもある。)は、例
えば、回転数によって高精度に定量送液できる加圧型定
量ギャポンプを通して加圧型ダイスに送られる。ギャポ
ンプから加圧ダイスに送り込まれたドープは、加圧型ダ
イスの口金(スリット)からエンドレスに回転している
支持体の上に均一に流延される。支持体がほぼ一周した
ところで、生乾きのフィルム(ウェブ)として支持体か
ら剥され、回転しているロール群に通されながら乾燥さ
れ、乾燥されたフィルムは、巻き取り機で所定の長さに
巻き取られる。
【0079】本発明に有用な流延方法としては、調整さ
れたドープを加圧ダイスから支持体上に均一に押し出す
方法、一旦支持体上に流延されたドープをブレードで膜
厚を調節するドクターブレードによる方法、一旦支持体
上に流延されたドープを逆回転するロールで膜厚を調節
するリバースロールコーターによる方法等があるが、加
圧ダイスを用いる方法が好ましい。加圧ダイスには、コ
ートハンガータイプやTダイスタイプ等があるがいずれ
も好ましく用いることができる。また、上記以外にも、
従来知られている、例えば、特開昭61−94724号
公報、同61−148013号公報、特開平4−850
11号公報、同4−286611号公報、同5−185
443号公報、同5−185445号公報、同6−27
8149号公報、同8−207210号公報などに記載
の方法を好ましく用いることができ、用いる溶媒の沸点
等の違いを考慮して各条件を設定することによりそれぞ
れの公報に記載の内容と同様の効果が得られる。
【0080】本発明のセルロースエステルフィルムを製
造するのに使用されるエンドレスの支持体としては、表
面がクロムメッキによって鏡面仕上げされたドラムや表
面研磨によって鏡面仕上げされたステンレスベルト(バ
ンドといってもよい)が用いられる。
【0081】本発明のセルロースエステルフィルムの製
造に用いられる加圧ダイスは、1基あるいは2基以上設
置してもよい。好ましくは1基または2基である。2基
以上設置する場合には、流延するドープ量をそれぞれの
ダイスに種々な割合にわけてもよく、複数の精密定量ギ
ャポンプからそれぞれの割合でダイスにドープを供給す
る。
【0082】本発明のセルロースエステルフィルムの製
造において、支持体上に流延されたドープは、例えば、
ドラムあるいはベルトの表面側、つまり支持体上にある
ウェブ側から熱風を当てる方法、ドラムあるいはベルト
の裏面から熱風を当てる方法、温度コントロールした液
体をベルトやドラムの裏面に接触させて、伝熱によりド
ラムあるいはベルトを加熱し、表面温度をコントロール
する液体伝熱方法などによって乾燥することができる
が、裏面液体伝熱方式を用いるのが好ましい。
【0083】ドープが流延される前の支持体の表面温度
は、ドープに用いられている溶媒の沸点以下であれば何
度でもよい。しかし、乾燥を促進し、また、ドープの支
持体上での流動性を失わせるためには、使用される溶媒
の内の最も沸点の低い溶媒の沸点より1から10℃低い
温度に設定することが好ましい。
【0084】セルロースエステルフィルムを製造する速
度は、ドラムの直径、ベルトの長さ、乾燥方法、ドープ
溶媒の組成等によっても変化するが、形成されたウェブ
をドラムやベルトから剥離する時点での残留溶媒の量に
よって殆ど決まってしまう。つまり、ドープ膜の厚み方
向でのドラムやベルト表面付近での溶媒濃度が高すぎる
場合には、形成されたウェブを剥離した時、ドラムやベ
ルトにドープが残り、次の流延に支障をきたしてしまう
し、また、形成されたウェブは、剥離する力に耐えるだ
けの強度が必要であるからである。剥離時点での残留溶
媒量は、乾燥方法によっても異なり、ドープ表面から風
を当てて乾燥する方法よりは、ベルトあるいはドラム裏
面から伝熱する方法の方が効果的に残留溶媒量を低減す
ることができる。
【0085】ドラムやベルト上で乾燥され、剥離された
ウェブの乾燥方法について述ベる。ドラムやベルトが1
周する直前の剥離位置で剥離されたウェブは、千鳥状に
配置されたロール群に交互に通して搬送する方法や剥離
されたウェブの両端をクリップで把持させて非接触的に
搬送する方法などにより搬送される。乾燥は、搬送中の
ウェブ(フィルム)両面に所定の温度の風を当てる方法
やマイクロウエーブなどの加熱手段などを用いる方法に
よって行われる。急速な乾燥は、形成されるフィルムの
平面性を損なう恐れがあるので、乾燥の初期段階では、
溶媒が発泡しない程度の温度で乾燥し、乾燥が進んでか
ら高温で乾燥を行うのが好ましい。
【0086】支持体から剥離した後の乾燥工程では、溶
媒の蒸発によってフィルムは幅方向に収縮しようとす
る。収縮は、高温度で乾燥するほど大きくなる。この収
縮を可能な限り抑制しながら乾燥することが、出来上が
ったフィルムの平面性を良好にする上で好ましい。この
点から、例えば、特開昭62−46625号公報に示さ
れているように、乾燥の全工程あるいは一部の工程を幅
方向にクリップでウェブの幅両端を幅保持しつつ行う方
法(テンター方式)が好ましい。
【0087】上記乾燥工程における乾燥温度は、40か
ら250℃、特に70から180℃が好ましい。使用す
る溶媒によって乾燥温度、乾燥風量及び乾燥時間が異な
るが、使用溶媒の種類、組合せに応じて適宜選べばよ
い。
【0088】本発明によりセルロースエステルフィルム
を製造する場合、支持体から剥離したウェブ(フィル
ム)を、ウェブ中の残留溶媒量が10〜50重量%の範
囲にある間に、少なくとも1方向に1.05〜1.5倍
延伸することが好ましい。ウェブ中の残留溶媒量が多す
ぎると延伸の効果が得られず、また、少なすぎると延伸
が著しく困難となり、ウェブの破断が発生してしまう。
ウェブ中の残留溶媒量の更に好ましい範囲は20重量%
〜40重量%である。また、延伸倍率が小さすぎると強
度の改善効果がみられず、大きすぎると延伸が困難とな
り破断が発生してしまう。延伸倍率の更に好ましい範囲
は1.1〜1.3倍の範囲である。
【0089】本発明では、延伸時のウェブは高温に加熱
しなくても延伸可能である点に特徴がある。特表平6−
501040号公報では、高温度で延伸する必要があっ
たが、本発明のセルロースエステルを用いて溶液流延製
膜したものは、特定の範囲の残留溶媒量であれば高温に
加熱しなくても延伸可能であり、得られるフィルムの強
度を向上することができることを見出したものである。
【0090】延伸時のウェブの温度は、高温度に加熱し
なくても延伸可能であるが、乾燥と延伸を兼ねた方が工
程が短くてすむので好ましい。しかし、ウェブの温度が
高すぎると、可塑剤が揮散するので、室温(20℃)〜
130℃未満の範囲が好ましい。
【0091】ウェブを延伸する方法には特に限定はな
い。例えば、複数のロールに周速差をつけ、その間でロ
ール周速差を利用して縦方向に延伸する方法、ウェブの
両端をクリップやピンで固定し、クリップやピンの間隔
を進行方向に広げて縦方向に延伸する方法、同様に横方
向に広げて横方向に延伸する方法、あるいは縦横同時に
広げて縦横両方向に延伸する方法などが挙げられる。も
ちろんこれ等の方法は、組み合わせて用いてもよい。
【0092】以上のようにして得られたフィルムは、最
終仕上がりフィルムの残留溶媒量で2重量%以下、さら
に0.4重量%以下であることが、寸度安定性が良好な
フィルムを得る上で好ましい。
【0093】これら流延から後乾燥までの工程は、空気
雰囲気下でもよいし、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気
下でもよい。
【0094】得られたセルロースエステルフィルムを巻
き取る巻き取り機には、一般的に使用されている巻き取
り機が使用でき、定テンション法、定トルク法、テーパ
ーテンション法、内部応力一定のプログラムテンション
コントロール法などの巻き取り方法で巻き取ることがで
きる。
【0095】本発明の出来上がり(乾燥後)のセルロー
スエステルフィルムの厚さは、使用目的によって異なる
が、通常、5から500μmの範囲である。さらに40
から250μmの範囲、更には、50から125μmの
範囲とすることができる。フィルム厚さの調整は、所望
の厚さになるように、ドープ中に含まれる固形分濃度、
ダイスの口金のスリット間隙、ダイスからの押し出し圧
力、支持体速度等を調節することにより行うことができ
る。
【0096】
【実施例】以下に、本発明を実施例により具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるも
のではない。
【0097】以下の実施例において、溶液の透明性およ
び経時安定性、フィルム及びウェブの残留溶媒量、乾燥
フィルムのヘイズ、乾燥フィルムの異物、乾燥フィルム
の引裂強度、乾燥フィルムの引張強度と弾性率、フィル
ムの耐折度は、以下の方法で求めた。なお、ここで乾燥
フィルムとはセルロースエステルフィルム製造工程の最
終段階の巻き取り工程で巻き取り後、切り出したフィル
ムをいう。以下、乾燥フィルムを単にフィルムというこ
とがある。
【0098】〔溶液(ドープ)の透明性および経時安定
性〕セルロースエステル溶液を透明な容器に入れ、作製
直後、72時間後及び168時間後の透明性を目視で観
察し、同時に容器を逆さまにして溶液の流動性の変化を
観察し、下記評価基準で評価した。 A:透明で均一なドープで、容器を逆さにするとスムー
ズにドープが移動した B:僅かに濁りがあるが透明性があり、容器を逆さまに
すると流動性はあるが、移動する界面に若干のつぶつぶ
状のものが認められる C:濁りがあり、不溶解物が認められ、容器を逆さまに
するとドープは不均一に移動する D:著しく濁り、不溶解物が多く、相分離している。ま
たは、容器を逆さまにしても流動性がなくゲル状になっ
ている
【0099】〔フィルム及びウェブの残留溶媒量〕フィ
ルムあるいはウェブを秤量ビンに入れ精秤した。次に、
フィルムあるいはウェブを150℃で3時間加熱乾燥し
た後、水分を吸わないように室温まで冷却し精秤した。
下記式によりウェブ及びフィルムの残留溶媒量を求め
た。
【0100】 残留溶媒量(%):{(A−B)/B}×100 ここで、Aは乾燥前のフィルムあるいはウェブの重量、
Bは乾燥後のフィルムあるいはウェブの重量である。
【0101】〔乾燥フィルムのヘイズ〕JIS K−6
714に従って、ヘイズメーター(1001DP型、日
本電色工業(株)製)を用いて測定し、透明性の指標と
した。
【0102】〔乾燥フィルムの異物〕)偏光顕微鏡を用
いて、フィルムサイズ100mm×100mmの範囲をクロ
スニコル下で倍率30倍で観察し、異物の個数を数え、
下記評価基準で評価した。 A:異物の個数0〜10個 B:異物の個数11〜100個 C:異物の個数101個以上
【0103】〔乾燥フィルムの引裂強度〕フィルムを、
温度23℃、相対湿度55%に調湿された部屋で4時間
調湿した後、試料寸法50mm×64mmに切り出し、IS
O 6383/2−1983に従い測定して求めた。
【0104】〔乾燥フィルムの引張強度と弾性率〕フィ
ルムを、温度23℃、相対湿度55%に調湿された部屋
で4時間調湿した後、試料幅10mm、長さ200mmに切
り出し、チャック間距離100mmにして引っ張り速度1
00mm/分で引っ張り試験を行い求めた。
【0105】〔フィルムの耐折度〕フィルムを、温度2
3℃、相対湿度55%に調湿された部屋で4時間調湿し
た後、試料長さ120mmに切り出し、ISO 8776
/2−1988に従い、折り曲げによって切断するまで
の折り曲げ回数を計測した。
【0106】各実施例で用いたセルロースエステルのア
ルカリ土類金属含有量は、特公昭61−40095号公
報第5欄第33〜38行に記載の方法を用い、セルロー
スエステル、氷酢酸及び水のそれぞれの量を変化させて
調整した。
【0107】セルロースエステル中のアルカリ土類金属
の含有量は以下のようにして測定した。
【0108】ICP−AES(誘導結合プラズマ発光分
光分析)によりアルカリ土類金属の定量を行った。セル
ロースエステル約500mgに硫酸5mlを加え、マイ
クロ波分解を数十秒から数分程度行った。更に、硝酸4
mlを加えマイクロ波分解を再度行い、もう一度硝酸1
mlを加え最終のマイクロ波分解を行った(この分解法
をマイクロダイジェスト湿式分解法という。)。得られ
た分解物を数mlの水で水溶液とし、セイコー電子工業
(株)製SPS−4000を用いてICP−AES分析
を行う。
【0109】実施例1〜3及び比較例1 アセチル基の置換度2.00、プロピオニル基の置換度
0.80、粘度平均重合度350、表1に示すアルカリ
土類金属含有量を有するセルロースエステル100重量
部、酢酸メチル225重量部、エタノール25重量部及
びトリフェニルフォスフェート(TPP)10重量部を
加圧密閉容器に投入し、2気圧下、80℃に加温し、撹
拌しながらセルロースエステルを完全に溶解させセルロ
ースエステル溶液(ドープ)を得た。ドープを40℃で
一晩静置し、脱泡操作を施した後、ドープを安積濾紙
(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過し、製膜
に供した。
【0110】得られたドープを定量ギャポンプでダイス
に送液し、回転しているステンレスベルトの表面に乾燥
後の膜厚が80μmとなるように流延した。ステンレス
ベルトの裏面には50℃の温水を接触させて温度制御し
た。ステンレスベルト上の後半では90℃の乾燥風を当
ててウェブを乾燥させた。ステンレスベルトが1周する
ところでステンレスベルトからウェブを剥離し、ウェブ
の両端をクリップで把持しながら120℃で5分間、続
いてロールに巻回しながら搬送しつつ140℃で20分
間乾燥させ、最終的に膜厚80μmのセルロースエステ
ルフィルムを得た。各フィルムとも、残留溶媒量は0.
7%であった。
【0111】実施例4 アセチル基の置換度2.00、プロピオニル基の置換度
0.80、粘度平均重合度350、表1に示すアルカリ
土類金属含有量を有するセルロースエステルに代え、ア
セチル基の置換度1.6、プロピオニル基の置換度1.
2、粘度平均重合度400、表1に示すアルカリ土類金
属含有量のセルロースエステルを用いた以外は実施例1
と同様にして、膜厚80μmのセルロースエステルフィ
ルムを得た。得られたセルロースエステルフィルムの残
留溶媒量は0.7重量%であった。
【0112】実施例5 アセチル基の置換度2.00、プロピオニル基の置換度
0.80、粘度平均重合度350、表1に示すアルカリ
土類金属含有量を有するセルロースエステル100重量
部、酢酸メチル225重量部、エタノール25重量部及
びトリフェニルフォスフェート(TPP)10重量部に
代え、アセチル基の置換度2.3、プロピオニル基の置
換度0.5、粘度平均重合度300、表1に示すアルカ
リ土類金属含有量のセルロースエステル100重量部、
酢酸メチル380重量部、エタノール20重量部を用い
てドープを得た以外は実施例1と同様にして、膜厚80
μmのセルロースエステルフィルムを得た。得られたセ
ルロースエステルフィルムの残留溶媒量は0.7重量%
であった。
【0113】実施例6 アセチル基の置換度2.00、プロピオニル基の置換度
0.80、粘度平均重合度350、表1に示すアルカリ
土類金属含有量を有するセルロースエステル100重量
部、酢酸メチル225重量部、エタノール25重量部及
びトリフェニルフォスフェート(TPP)10重量部に
代え、アセチル基の置換度1.9、ブチリル基の置換度
0.75、粘度平均重合度300、表1に示すアルカリ
土類金属含有量のセルロースエステル100重量部、ア
セトン225重量部、エタノール25重量部及びトリフ
ェニルフォスフェート(TPP)10重量部を用いてド
ープを得た以外は実施例1と同様にして、膜厚80μm
のセルロースエステルフィルムを得た。得られたセルロ
ースエステルフィルムの残留溶媒量は0.6重量%であ
った。
【0114】実施例7 ステンレスベルトから剥離したウェブ中の残留溶媒量が
30重量%になるようにステンレスベルトの速度を調節
し、また、クリップで幅方向を把持しつつクリップ間距
離を広げることで縦方向に1.2倍延伸した以外は実施
例1と同様にして、膜厚80μmのセルロースエステル
フィルムを得た。得られたセルロースエステルフィルム
の残留溶媒量は0.4重量%であった。
【0115】実施例8 ステンレスベルトから剥離したウェブ中の残留溶媒量が
40重量%になるようにステンレスベルトの速度を調節
し、また、クリップで幅方向を把持しつつ幅方向と進行
方向の両方にクリップ間距離を広げることで縦方向に
1.1倍、横方向に1.2倍延伸した以外は実施例1と
同様にして、膜厚120μmのセルロースエステルフィ
ルムを得た。得られたセルロースエステルフィルムの残
留溶媒量は1.1重量%であった。
【0116】実施例1〜8及び比較例1で得られたセル
ロースエステルフィルムについて、ドープの透明性およ
び経時安定性、乾燥フィルムのヘイズ、乾燥フィルムの
異物、乾燥フィルムの引裂強度、乾燥フィルムの引張強
度と弾性率、フィルムの耐折度を求めた。得られた結果
を表1に示す。
【0117】
【表1】
【0118】表1から明らかなように、本発明のセルロ
ースエステル溶液は、高濃度でありながら溶液の透明性
及び経時安定性が良好であり、この溶液から得られるセ
ルロースエステルフィルムは、フィルムヘイズが小さく
透明性に優れ、フィルムの異物も少なく光学的欠点のな
い良好な特性を示す。また、本発明の延伸フィルムは、
機械的強度に優れるものである。
【0119】
【発明の効果】本発明により、塩素系溶媒を使用しない
セルロースエステルの溶液から、透明性に優れ、光学的
欠点の改良されたセルロースエステルフィルムを製造す
る方法を提供することができた。また、本発明のセルロ
ースエステルフィルムは、機械的強度にも優れるので、
ハロゲン化銀写真感光材料用支持体や液晶画像表示装置
用フィルムとして有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渋江 俊明 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内 Fターム(参考) 4F071 AA09 AA78 AA81 AC07 AC10 AE19 AF14 AF30 AG34 AH12 AH19 BA02 BB02 BB08 BC02 4F205 AA01A AB19 AC05 AG01 AH33 GA07 GB02 GC07 GE02 GE22 GE24 GF01 GF03 GF24 GF46 GN13 GN22 GN24 GN30

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セルロースをアセチル基及び炭素原子数3
    〜4のアシル基でアシル化したセルロースエステルを非
    塩素系有機溶媒に溶解させた溶液を、支持体上に流延し
    溶媒を蒸発させてフィルムを形成するセルロースエステ
    ルフィルムの製造方法であって、セルロースエステル
    が、アセチル基の置換度(A)と炭素原子数3〜4のア
    シル基の置換度(B)とが下記(I)〜(III)式を満
    たし、更に、100ppm以下のアルカリ土類金属を含
    有するセルロースエステルであることを特徴とするセル
    ロースエステルフィルムの製造方法。 (I) 2.6≦A+B≦3.0 (II) 1.4≦A≦2.5 (III)0.5≦B≦1.2
  2. 【請求項2】セルロースエステルのアセチル基の置換度
    (A)と炭素原子数3〜4のアシル基の置換度(B)と
    が、更に、下記(IV)及び(V)式を満たすセルロース
    エステルであることを特徴とする請求項1に記載のセル
    ロースエステルフィルムの製造方法。 (IV) 1.4≦A≦2.1 (V) 0.7≦B≦1.2
  3. 【請求項3】セルロースエステルの粘度平均重合度が、
    250〜550であることを特徴とする請求項1または
    2に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】非塩素系有機溶媒が、酢酸メチルまたはア
    セトンから選ばれる少なくとも1つの有機溶媒を含有す
    る有機溶媒であることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
  5. 【請求項5】セルロースエステル溶液が、セルロースエ
    ステル濃度が20重量%以上35重量%以下のセルロー
    スエステル溶液であることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれかに記載のセルロースエステルフィルムの製造方
    法。
  6. 【請求項6】流延し溶媒を蒸発させてセルロースエステ
    ルフィルムを形成させる段階で、セルロースエステルフ
    ィルム中の残留溶媒量が10〜50重量%の範囲にある
    とき、温度20〜130℃で少なくとも1方向に1.0
    5〜1.5倍延伸することを特徴とする請求項1〜5の
    いずれかに記載のセルロースエステルフィルムの製造方
    法。
  7. 【請求項7】互いに直交する2軸方向に延伸することを
    特徴とする請求項6に記載のセルロースエステルフィル
    ムの製造方法。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法
    により製造されたセルロースエステルフィルム。
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