JPH1157963A - 溶融スラグの流出検知方法とその流出防止方法 - Google Patents

溶融スラグの流出検知方法とその流出防止方法

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JPH1157963A
JPH1157963A JP22700497A JP22700497A JPH1157963A JP H1157963 A JPH1157963 A JP H1157963A JP 22700497 A JP22700497 A JP 22700497A JP 22700497 A JP22700497 A JP 22700497A JP H1157963 A JPH1157963 A JP H1157963A
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outflow
induced
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JP22700497A
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Keiichi Otaki
慶一 大滝
Koji Aso
康治 麻生
Katsushi Kaneko
克志 金子
Takeo Imoto
健夫 井本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容器から溶融金属に混入して流出する溶鋼ス
ラグを精度良く検知し、これをもとにスライディングノ
ズルの開度調整を行って溶融スラグの流出量を低減する
ものである。 【解決手段】 容器内の溶融金属を流出する流出路の周
囲に磁界発生コイルと誘起電圧発生コイルを設け、該誘
起電圧発生コイルに誘起する誘導電圧の変化により前記
流出路からの溶融スラグを検知するに際して、該誘起電
圧発生コイルに誘起する誘起電圧の経時的移動平均値を
求め、この値と該コイルに誘起した誘起電圧の直近過去
の値とその時点より過去のn個の移動平均を経時的に比
較し、小さい方の値を逐次記憶し、この記憶した値の移
動平均を求めて参照値とし、更に、現時点の値と現時点
から過去n個の移動平均を比較し、大きい値を選択値と
し、該選択値と前記参照値の差の値αが閾値βを所定回
数連続して超えたことをもって溶融スラグの流出とする
ことを特徴とする溶融スラグの流出検知方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、容器の流出路から
溶融金属に伴って流出する溶融スラグの検知方法とその
流出防止方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば連続鋳造設備等において、溶鋼鍋
からタンディッシュ内に溶鋼を注入する際、溶鋼鍋の流
出路からタンディッシュ内に流出する溶融スラグの量を
減少させることは、連続鋳造鋳片の品質向上のため重要
である。このため、従来よりオペレータによる溶融スラ
グ流出の目視検出を行っていた。
【0003】しかし、近年溶融スラグの検知を自動化す
ることが望まれ、その装置として例えば特開昭64−2
7768号公報及び特公平7−41402号公報に提案
の装置がある。これは図7に示すように、溶鋼鍋2のロ
ングノズル(図示せず)上部に設置されているスライデ
ィングノズル6は固定プレート6aと可動プレート6b
より構成されており、スライディングノズル6の上部で
溶鋼1の流出路8を形成する流出ノズル9の外周側に、
磁界発生コイル4a(以下単に送信コイルと称す)と誘
起電圧発生コイル(以下単に受信コイルと称す)4bと
で構成したスラグ検出センサーを取り付け、前記流出ノ
ズル9内に溶鋼1のみが流れている場合と溶鋼1に溶融
スラグ3が混入して流れている場合において、流出ノズ
ル9中の導電率が異なることを利用した装置である。
【0004】即ち、前記送信コイル4aに電流を流して
磁界をつくっておき、流出ノズル9内を溶鋼1のみが流
れている場合と、溶鋼1に溶融スラグ3が混入して流れ
ている場合とで受信コイル4bに誘導される電圧が異な
る。この受信コイル4bに誘起する電圧の変化量を検知
して流出ノズル9内を流れる溶融スラグの有無を検知し
ようとするものある。
【0005】そして、溶融スラグの流出を検知した際に
おける容器内の溶鋼の流出を停止する方法としては、前
記のスラグ検知装置において誘導起電力の変化から流出
路ノズル9を流れるスラグ3の混入率を計算し、この計
算した値が閾値以上に達した時点でスライディングノズ
ル6を全閉にて溶鋼鍋からの溶鋼流出量を停止する方法
がある。さらに、特開平7−9117号公報に記載のよ
うに流出する溶鋼中のスラグ混入率が2〜10%の範囲
内になると、スライディングノズル6を等しいパルス幅
と等しいパルス間隔を有する閉パルス信号と、開パルス
信号とを交互に繰り返してスライディングノズル6の開
度を絞り込み、スラグ混入率が10〜30%の範囲にな
ると、スライディングノズル6を全閉にする方法が提案
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記特開昭6
4−27768号公報および特公平7−41402号公
報で提案の技術は、以下のような問題点を有する。つま
り両者は何れも受信コイル4bに誘起する電圧の変化に
よりスラグ混入率を求めているために、閾値を高い値に
置かねば誤検知が発生していた。言い換えるならば、ス
ラグ混入量が少ない場合には受信コイルに発生する誘起
電圧の変化量が小さいために検出できず、ある程度の量
以上のスラグが流出溶鋼内に無いと検知できない。しか
もこの信号が持つ情報はオンオフ情報でありスラグの有
無のみであった。このため、極微量のスラグ流出の場合
はそのスラグ検知は皆無であり、それだけスラグの検知
時期を遅らせていた。
【0007】またスラグの混入は、スラグ流出初期に数
%で推移するのではなく、10%以上も一気に増加する
ケースがあるが、この場合は前記特開平7−9117号
公報に記載の方法においては、スライディングノズルを
絞り制御せずにスライディングノズルを一度に全閉して
しまうために、容器内に多量の溶鋼が残留して歩留まり
が悪いものであった。
【0008】本発明は上記課題を解決し、容器から溶融
金属に混入して流出する溶鋼スラグを精度良く検知し、
これをもとにスライディングノズルの開度調整を行って
溶融スラグの流出量を低減することを課題とするもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の手段1は、容器内の溶融金属を流出する流出路の周
囲に磁界発生コイルと誘起電圧発生コイルを設け、該誘
起電圧発生コイルに誘起する誘導電圧の変化により前記
流出路からの溶融スラグを検知するに際して、該誘起電
圧発生コイルに誘起する誘起電圧の経時的移動平均値を
求め、この値と該コイルに誘起した誘起電圧の直近過去
(3〜270秒前)の値とその時点より過去のn個の移
動平均を経時的に比較し小さい方の値を逐次記憶し、こ
の記憶した値の移動平均を求めて参照値とし、さらに、
現時点の値と現時点から過去n個の移動平均を比較し大
きい値を選択値とし、該選択値と前記参照値の差の値α
が閾値βを所定回数連続して超えたことをもって溶融ス
ラグの流出とする溶融スラグの流出検知方法である。
【0010】さらに、手段2は前記磁界発生コイルの励
磁電流の周波数を下記、の周波数を除く30〜45
0Hzの範囲とするものである。 商用周波数帯のn倍の周波数 前記誘起電圧発生コイル近傍で発生しているノイズ
の周波数と同じ周波数手段3は前記選択値と参照値の差
の値αが閾値βを所定回数連続して超えると前記容器の
溶融金属流出路を所定開度に所定期間絞り、その後、そ
の開度を再度開けて前記差の値αが閾値βを再び所定回
数連続して超えた際に前記流出路閉塞してスラグの流出
を防止する方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明者等は、溶鋼に混入する溶
融スラグの検知を正確、かつ、迅速に行うために種々実
験検討を行った結果、前記誘起電圧の直近過去の参照値
と選択値の差を取ることにより可能であることを知見し
た。これは従来のスラグ検知は誘起電圧の値が閾値を超
えたか超えなかったかで検知するものだったのに対し、
誘起電圧の直近過去の情報と現時点の情報を見比べるこ
とによりスラグの流出の状況が把握できるようになっ
た。しかも、過去の値の移動平均値を選択値と参照値で
使用することによりノイズに強く、またこの選択値と参
照値の差が大きく取れることになり少量のスラグ流出で
も検知できるものである。
【0012】ここで本発明者等は更なる実験、検討を行
った結果、上記の誘起電圧発生コイルに生じる電圧信号
の選択値と参照値の値の差をとる方法は、コイルに発生
する電圧信号を基に行ったが、磁界発生コイルに流す電
流を適正な周波数にすることにより、磁界そのものを溶
鋼中に更に浸透させることが可能となり、これにより、
的確に、しかも、早期にスラグの検知が可能となること
が分かった。これは磁界発生コイルに流れる電流の励磁
周波数の検討を行った結果知見したものである。
【0013】さらに容器内のスラグ流出量流出抑制とと
もに、容器内に残存する溶鋼を減少し溶鋼歩留まりを向
上させるために、本発明によるスラグ検知方法によりス
ラグ検知だけでなくスラグ検知装置の直近過去(3〜2
70秒前)の誘導電圧の参照値と現時点の誘導電圧の差
によってスライディングノズルの開度を絞り、容器内の
溶鋼の流出量をコントロールする。つまり、本発明によ
り従来よりもスラグ検知精度が向上し容器からのスラグ
流出量は減少するものの、容器内に残存する溶鋼が従来
以上に増加し溶鋼歩留まりが低下するためである。
【0014】そこで本発明では、直近過去(3〜270
秒前)の誘導電圧の参照値と現時点の誘導電圧の差の値
αが閾値β以上で所定値A(閾値β以下の値)未満の場
合に、スライディングノズルの開度を全閉にならない程
度まで絞り、スラグの流出の原因となる渦の発生を遅ら
せ歩留まりを向上させ、誘導電圧の差αが所定値A以上
の場合には、スラグの流出量が大きいため2度絞りによ
る歩留まり向上は期待できないためスライディングノズ
ルを全閉にして容器からの溶鋼流出を停止する。これに
より、スラグ流出量を抑制できるだけでなく、容器内の
溶鋼の歩留まり向上が可能になる。
【0015】また一方でコイルとスラグ流出検知装置を
見直し、スラグ流出の傾向そのものを監視できるように
するため周波数の検討を行った。図7に示す送信コイル
4aに流れる励磁電流の周波数は該誘導電圧の振幅の差
のみで決定されたと考えられる500Hzであった。こ
こで磁界の浸透深さについて検討し、図3の結果を得
た。例えば、流出路8の口径が半径4.5cmの場合、
スラグは溶鋼流の中心近傍を通るので流出路8の半径以
上の浸透深さが必要である。このため図3から4.5c
m以上浸透する周波数は180Hz以下であることが分
かった。
【0016】次に、測定物である溶鋼とスラグの磁界強
度の差が大きく取れることが重要であり、溶鋼とスラグ
の磁界強度を図4に示す。この図4から、その差が大き
く取れる60Hz以上の周波数が望ましいことが分かっ
た。ここでノイズの影響を避けるため商用周波数のn倍
周波数を避け、その中間の周波数を選択すると90及び
150Hzが選定できる。
【0017】さらに、コイル部のノイズ測定を行った結
果が図5である。この図5から90Hz付近にはノイズ
強度が高く、150Hz付近はノイズ強度が低いことが
分かった。そこで、磁界発生コイルの励磁電流に用いる
周波数は150Hzにし、本周波数を使用することによ
り磁界が溶鋼内部まで浸透し少量のスラグの流出におい
ても誘起電圧の変化として捉えることができた。
【0018】また、溶鋼金属容器の溶鋼流路の半径が
4.5cmとは異なる場合においては、図3によりそれ
ぞれの半径分に見合う浸透深さを満たし、各地の商用周
波数のn倍と受信コイルのノイズ測定を行い、影響を受
けない励磁周波数を選定すれば溶鋼流路内の極微量のス
ラグの流出が誘起電圧の変化として捉えることができ
る。
【0019】詳細を述べれば、溶鋼流路の半径が4.5
cm以上の場合は浸透深さを更に深くする必要があり低
周波数を選択しなければならない。また逆に溶鋼流路の
半径が4.5cm以下の場合は浸透深さが浅くて構わな
いためノイズに対するSN比を重視するように高周波数
を選択する。ただし、浸透深さについては30Hz未満
になると種々条件にもよるがSN比が取れない。また溶
鋼とスラグの磁界強度を示した図4からも同じく種々条
件にもよるが450Hz超になるとSN比は高く取れる
が浸透深さが足りなくなる。したがって、本発明者らは
磁気式スラグ検出装置の使用周波数範囲を30〜450
Hzとした。
【0020】この少量のスラグの流出の誘起電圧の変
化、即ち、スラグ信号は500Hz時においては全く検
出できなかったものであり、多量のスラグ流出時におい
て初めて信号変化として捉えられてきたものであった。
しかもそのスラグ信号は、ほぼ垂直に立ち上がるもので
あり、ある程度のスラグが流出路に流入したときの有無
しか情報として得られなかった。少量のスラグ流出時、
言い替えるならば、ちぎれてスラグのアブクが出てき始
めた状態においてもスラグ信号を図6(c)に示すよう
に捉えることができた。このスラグのアブクと見られる
なだらかに変化する信号こそがスラグの流出の状態その
ものを表している。この連続した出力信号からスラグの
流出状況の情報を表せるようになったことにより、様々
な流出状態が推定できるようになった。そこでスラグの
流出パターンを信号から推定し3パターンに分類した。
【0021】まず、パターンは図6(a)に示すよう
に信号が一気に立ち上がるもので、スラグが一気に流出
したと考えられるものである。次に、パターンは図6
(b)に示すように信号が徐々に立ち上がり、次に鋭く
立ち上がるものである。これは注出末期に発生する溶鋼
に生じる渦により徐々にスラグが流出していると考えら
れる。最後にパターンは図6(c)に示すように、ス
ラグ流出に先駆けなだらかな上昇部が現れるもの、スラ
グ本流に先立ちスラグが泡となって流出していると考え
られる。
【0022】このようにスラグの流出を3パターンに分
類し、スラグ流出状況が入っている信号からノイズを除
去しスラグ流出の検知を行う前記の信号処理を行った。
テストの結果、この分類に区分けした場合を示すと、パ
ターンでは平均0.09sec従来システムよりも早
くなった。パターンでは平均0.71sec従来シス
テムよりも早くなった。パターンでは平均2.15s
ec、最大で5.4sec従来システムよりもスラグ検
出を早くすることができた。
【0023】
【実施例】以下、本発明の一例を図1〜7を参照して説
明する。システム構成を図1に示す。スラグ検知システ
ム10は溶鋼鍋2の下部に設けた浸漬ノズル13から溶
鋼がタンディッシュ11内に流入するときに、この浸漬
ノズル13内を流れる溶鋼中にスラグが混入しているか
判定する。この判定には溶鋼鍋2の鍋底に設置した磁界
発生コイルの1次側4aにスラグ検知システム10から
励磁周波数150Hzの電流を流す。これにより前記磁
界発生コイルの受信コイル(2次側)4bに電圧が発生
する。この電圧はノイズが多くSN比も低いためスラグ
信号とするため温度補正および絶対値検波等を行い、ス
ラグ流出を検知する。この検知信号によりSN制御装置
16はスライディングノズル閉信号として認識し、上位
計算機18の認識している鋼種により2度絞りを行うか
判断しスライディングノズル6を閉止する。
【0024】またこのとき、スラグ流出信号がアナログ
信号でスラグ検知システム10よりスラグ検知マイコン
17に逐次送信されたいるため、このスラグ検知マイコ
ン17はこのアナログ信号を移動平均して過去の参照値
と選択値を作成し、スラグの混入を検知した段階でSN
制御装置16にスライディングノズル閉信号と認識させ
る。このとき信号の差αが閾値3.5以上5未満の場合
にはスライディングノズル6の絞りを全閉にならない程
度まで絞り、2秒閉止後に全開にしてスラグ検知および
信号処理を行わせる。
【0025】そこで、再び前記信号差αが閾値3.5以
上5未満あることを検知するとスライディングノズル6
を全閉させる。また、信号処理についてはスラグ流出状
況が入っている信号からノイズを除去し、スラグ流出の
検知を行うために図2に示す信号処理を行う。まず、直
近過去の10個の移動平均を取る(S1)。次に、この
移動平均値と現時点の値を比較して、大きい方の値と小
さい方の値を求める(S2)。この小さい方の値の過去
5個で移動平均を求め、30秒記憶して参照値とする
(S3)。この参照値と前記S2で求めた大きい方の値
である選択値の差αを求め、差αが閾値β(ここでは
3.5とした)を超え、かつその状態を連続γ(5回)
保持したならばスラグ流出と判定する(S4)ものであ
る。この信号処理を行うと徐々にスラグが流出する場
合、即ち立ち上がりが緩やかなものに対しては特に有効
であった。
【0026】(実施例)表1は容量300tの溶鋼鍋2
から容量70tのタンディッシュ11を介して鋳型に溶
鋼を注入する連続鋳造機を用いて低炭素鋼の鋳造を実施
した。容量300tの溶鋼鍋2に設置したスラグ検知装
置および溶鋼鍋2からタンディッシュ11へのスライデ
ィングノズル6の開閉制御以外は実施例、従来例とも同
一条件で鋳造を行った例を示すものである。
【0027】
【表1】
【0028】表1中、実施例1においてはスラグ検知シ
ステム10の送信コイル励磁周波数を400Hzとし、
実施例2、3においては送信コイル励磁周波数を150
Hzとした。また、実施例1〜3では図1に示すよう
に、スラグ検出システム10で検知した検出値(スラグ
混入率%)を基にスラグ検知マイコン17で信号処理を
行ってスラグ検知を実施した。つまり、スラグ検出シス
テム10で検知した検出値をタイマー間として30秒保
持したものを10個の区間で移動平均を取り、そのとき
の検出値と保持していたときの検出値を比較し小さい方
を取り、この検出値の過去5個で移動平均を取り参照値
とした。
【0029】また一方、スラグ検出システム10で検知
した検出値も10個の区間で移動平均を取り選択値とそ
の移動平均の信号を比較し大きい方を取り、これを選択
値とした。そして、この選択値から参照値を引いたもの
を差αとする。さらに、実施例1、2は、この差αが閾
値(3%)を超え、かつ、その状態を連続5回保持した
ならば直ちにスライディングノズル6を直ぐに全閉にし
た例である。実施例3は前記差αが第1の閾値(3%)
を超えた時にスライディングノズル6の開度を全閉に対
して開度40%まで絞り、さらに、差αが第2の閾値
(5%)を超え、かつ、その状態を連続5回以上保持し
た時にスライディングノズル6を直ぐに全閉にした例で
ある。
【0030】一方、従来例1〜3は、スラグ検知システ
ム10の送信コイル励磁周波数をいずれも500Hzと
し、さらに、従来例1〜3はスラグ検出システム10で
検知した検出値を直接閾値と比較したものである。従来
例1は、閾値を10%以下にすると誤検知率が高くなる
ことから閾値を10%とし、この閾値を該検出値が超え
た場合、従来例2は閾値20%を超えた場合に、スラグ
流出と判定してスライディングノズル6を直ぐに全閉に
した例である。また、従来例3はスラグ検出システム5
での検出値が2%以上10%未満ではスライディングノ
ズル6の開閉操作を1秒間隔で実施し、その後、検出値
が閾値10%を超えた時点で直ちにスライディングノズ
ル6を全閉にした例である。
【0031】表1からわかるように、実施例1〜3は従
来例に比較して溶鋼鍋2からタンディッシュ11へのス
ラグの流入量を大幅に低減することができる。また、実
施例2は実施例1に比較して送信コイルの励磁周波数が
低いために、スラグの流入量が低減したことがわかる。
【0032】
【発明の効果】本発明によると、従来に比して流出ノズ
ルから流出する溶融スラグを精度良く検知し、これに基
づいて容器内の溶融金属の残湯量が抑制されるため、例
えば、連続鋳造設備においてはタンディッシュに流入す
る溶融スラグ量を大幅に低減することが可能となり、鋳
片品質が向上するとともに、容器内の溶融金属の歩留ま
りを向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すシステム構成図
【図2】本発明の実施の形態における信号処理フロー図
【図3】励磁コイルの励磁電流の周波数と磁界の溶鋼浸
透深さの関係を示す図
【図4】溶鋼とスラグの磁界強度と周波数の関係を示す
【図5】励磁コイルの励磁電流の周波数とノイズ強度と
の関係を示す図
【図6】本発明の実験に用いた信号波形を示す図
【図7】溶鋼鍋の底部の側断面図
【符号の説明】
1 溶鋼 2 溶鋼鍋 3 スラグ 4a 送信コイル 4b 受信コイル 5 磁界強度 6 スライディングノズル 6a 固定プレート 6b 可動プレート 7 開口部 8 流出路 9 流出ノズル 10 スラグ検知システム 11 タンディッシュ 13 浸漬ノズル 16 SN制御装置 17 スラグ検知マイコン 18 上位計算機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井本 健夫 大分県大分市大字西ノ洲1番地 新日本製 鐵株式会社大分製鐵所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器内の溶融金属を流出する流出路の周
    囲に磁界発生コイルと誘起電圧発生コイルを設け、該誘
    起電圧発生コイルに誘起する誘導電圧の変化により前記
    流出路からの溶融スラグを検知するに際して、該誘起電
    圧発生コイルに誘起する誘起電圧の経時的移動平均値を
    求め、この値と該コイルに誘起した誘起電圧の直近過去
    の値とその時点より過去のn個の移動平均を経時的に比
    較し、小さい方の値を逐次記憶し、この記憶した値の移
    動平均を求めて参照値とし、さらに、現時点の値と現時
    点から過去n個の移動平均を比較し、大きい値を選択値
    とし、該選択値と前記参照値の差の値αが閾値βを所定
    回数連続して超えたことをもって溶融スラグの流出とす
    ることを特徴とする溶融スラグの流出検知方法。
  2. 【請求項2】 前記磁界発生コイルの励磁電流の周波数
    を下記、の周波数を除く30〜450Hzの範囲と
    したことを特徴とする請求項1記載の溶融スラグの流出
    検知方法。 商用周波数帯のn倍の周波数 前記誘起電圧発生コイル近傍で発生しているノイズ
    の周波数と同じ周波数
  3. 【請求項3】 前記請求項1、2における選択値と参照
    値の差の値αが閾値βを所定回数連続して超えると前記
    容器の溶融金属流出路を所定開度に所定期間絞り、その
    後、その開度を再度開けて前記差の値αが閾値βを再び
    所定回数連続して超えた際に前記流出路閉塞することを
    特徴とするスラグの流出防止方法。
JP22700497A 1997-08-11 1997-08-11 溶融スラグの流出検知方法とその流出防止方法 Withdrawn JPH1157963A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109996622A (zh) * 2016-11-29 2019-07-09 里弗雷克特里知识产权两合公司 用于检测在冶金的容器的注出部中的参量的方法以及机构
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JP2022082506A (ja) * 2020-11-23 2022-06-02 コッホ パック‐システム ジーエムビーエイチ パッケージを製造および検査するための方法および装置

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