JPH08290259A - 取鍋スラグ検知・取鍋詰め砂除去方法およびその装置 - Google Patents

取鍋スラグ検知・取鍋詰め砂除去方法およびその装置

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JPH08290259A
JPH08290259A JP9207895A JP9207895A JPH08290259A JP H08290259 A JPH08290259 A JP H08290259A JP 9207895 A JP9207895 A JP 9207895A JP 9207895 A JP9207895 A JP 9207895A JP H08290259 A JPH08290259 A JP H08290259A
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ladle
molten metal
slag
sand
molten steel
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JP9207895A
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English (en)
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Tomoyuki Obana
友之 尾花
Yuji Nakamura
雄二 中村
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 一つのスラグ検出器で取鍋スラグ混入防止と
取鍋詰め砂除去の両方を行い、自動化・設備簡略化を可
能とし、注入開始初期の溶融金属歩留りの低下および取
鍋出口付近の溶融金属凝固を解消し、取鍋詰め砂を簡便
な方法で溶融金属流外に確実にかつ容易に排除できるよ
うにする。 【構成】 取鍋1からタンディッシュ2への溶鋼Aの注
入開始初期に、スラグ検出器10により取鍋1から取鍋
詰め砂Bに続いて流出する溶鋼Aを検知して、取鍋詰め
砂除去装置20の除去板21により落下する取鍋詰め砂
Bを溶融金属注入通路9外へ排除すると共に、溶融金属
流を通過させてタンディッシュ2へ注入する。注入末期
には、溶鋼検知機能をスラグ検知機能に切替えて同じス
ラグ検出器10により取鍋1から流出する取鍋スラグC
を検知して、溶鋼Aの注入を停止させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、溶融金属を収容した
取鍋から別容器へ溶融金属を注入する工程、例えば連続
鋳造において溶鋼を取鍋からタンディッシュに注入する
工程において、取鍋詰め砂および取鍋スラグのタンディ
ッシュ等への流入を防止し、鋳片等の特に取鍋交換境界
部の品質を向上させるための取鍋スラグ検知・取鍋詰め
砂除去方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、連続鋳造で鋳片を製造する場
合、転炉や電気炉などの製鋼炉で製造された溶鋼を取鍋
に入れ、二次精錬における真空脱ガス処理で清浄な溶鋼
とした後、この取鍋を連続鋳造設備上まで運搬し、ここ
で取鍋内の溶鋼を中間容器としてのタンディッシュに注
入し、さらにこのタンディッシュ内の溶鋼を鋳型内に鋳
込んでいる。
【0003】取鍋のタンディッシュへの出鋼口は、一般
にスライディングノズル方式が採用され、取鍋底部内に
配設される上ノズルと、取鍋底部下面に設置されるスラ
イディングノズル装置から構成されている。このような
ゲート構造の場合、上ノズルなどにより形成される凹状
空間部において溶鋼が凝固しやすいため、これを防止す
る手段の一つとして、この凹状空間部内に受鋼に先立っ
て珪砂等の取鍋詰め砂を充填する方法があり、凹部空間
部内に溶鋼が侵入して溶鋼凝固によるノズル詰まりが発
生するのを防止している。
【0004】以上のような連続鋳造において、取鍋から
タンディッシュへの溶鋼注入開始初期における取鍋詰め
砂および溶鋼注入末期における取鍋スラグによる溶鋼汚
染がしばしば問題として取り上げられている。この溶鋼
汚染は、溶鋼注入開始初期においては取鍋詰め砂が溶鋼
内に混入して有害な非金属介在物となり、また取鍋詰め
砂から酸素が供給されることに起因し、溶鋼注入末期に
おいては、取鍋内溶鋼が減少し、溶鋼湯面上のスラグ層
が取鍋底部の注入孔へ接近するに伴い溶鋼注入流へのス
ラグ混入が増大することに起因することがわかってい
る。
【0005】そのため、従来より、取鍋詰め砂のタンデ
ィッシュへの流入を防止する対策として種々の取鍋詰め
砂除去方法が提案され、また溶鋼流へのスラグ混入によ
るタンディッシュへのスラグ流入を防止する対策として
種々のスラグ検知方法が提案されてきた。従来の取鍋詰
め砂除去方法としては、以下に示すような取鍋詰め砂自
体を改善する方法や取鍋詰め砂を外部に排除する方法が
ある。
【0006】取鍋詰め砂の弊害は、それ自体の溶鋼中へ
の混入はもとより、その成分が珪石,珪砂などのSiO
2 質原料が主体に使用されているため、溶鋼中Alの再
酸化を引き起こすことにある。そのため、取鍋詰め砂の
品質への悪影響を抑制する対策も各種報告されており、
例えば、 その成分の一部または全部を溶鋼再酸化の
影響の小さいアルカリ土類金属炭酸塩とするものが提案
されている(特公平2−45543号公報、特開平5−
42360号公報など)。
【0007】また、取鍋詰め砂を外部に排除する方法と
しては、 正規の鋳造位置すなわちタンディッシュか
ら離れた場所において、タンディッシュの外部に取鍋詰
め砂を排出し、次いで取鍋をタンディッシュ上に戻して
溶鋼注入を開始する方法(特開平4−228247号公
報、特開平5−200534号公報など)、あるいは
ダンボール紙やアルミニウム製からなるV字形状など
の仕切板を、取鍋出鋼口とタンディッシュとの間の溶鋼
注入通路を遮るようにタンディッシュ上に設置し、溶鋼
注入開始時に最初に流下してくる取鍋詰め砂を仕切板に
より側方の容器に排除し、続く溶鋼により仕切板を焼失
あるいは溶解してタンディッシュへの流入通路を確保
し、溶鋼をタンディッシュ内に注入する方法(特開平3
−207562号公報)などがある。
【0008】一方、従来のスラグ検知方法としては、取
鍋からタンディッシュへ流出する溶融金属の注入末期
に、流出物の放射エネルギまたは電気伝導度の変化を測
定し、測定値の所定時間内の積算値が設定しきい値を外
れるとスラグ流出とする方法(特開平1−215450
号公報)、取鍋下部のロングノズル内の内部圧力すなわ
ちシール用不活性ガスの静圧を連続測定し、その圧力変
化からスラグ流入を判定する方法(特公平3−2825
7号公報)、注入流の落下衝突位置から発生する音波を
検出し、この音波の音圧または周波数の変化状況からス
ラグの流出開始時点を判定する方法(特開平4−158
971号公報)、取鍋出鋼口から流出する溶鋼流表面の
変化をCCDカメラにより撮影し、この溶鋼流表面のゆ
らぎの変化によりスラグの流出タイミングを予知する方
法(特開平5−185201号公報)、取鍋の出鋼口煉
瓦に送信コイルと受信コイルを埋設し、溶鋼とスラグの
導電率の違いを検出することによりスラグの割合を知る
方法(公表特許公報昭62−500646号)などがあ
る。
【0009】これら従来のスラグ検知方法の思想は、ス
ラグ検知手法に差はあるものの、いずれも溶鋼流へのス
ラグ混入率がある一定量を越えたときにスラグ流出と認
識し、注入を停止させるものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来の取鍋詰め砂除去方法には、次のような問題点が
ある。すなわち、の取鍋詰め砂にアルカリ土類炭酸塩
を使用する方法では、アルカリ土類炭酸塩の使用により
溶鋼の再酸化を減少させることができるものの、溶鋼中
に異物が混入することに変わりなく、非金属介在物によ
る溶鋼汚染のおそれがある。
【0011】のタンディッシュの外部に取鍋詰め砂を
排出する方法では、取鍋詰め砂の排出に伴って若干量の
溶鋼の排出も不可避であるため、溶鋼の歩留りが悪化
し、さらには、取鍋詰め砂の排出後、スライディングノ
ズルゲートを閉にしてタンディッシュ上で再度開にする
と、取鍋出鋼口付近の溶鋼凝固のため注入流が排出され
ず、開孔のための酸素洗浄など、溶鋼汚染の原因を新た
に生む結果となり、問題となる。
【0012】の仕切板により取鍋詰め砂を系外に除去
する方法では、取鍋詰め砂の除去工程の末期において、
仕切板上に残存する取鍋詰め砂が溶鋼流の仕切板衝突時
に溶鋼流と共にタンディッシュ内に落下する可能性が高
く、鋳片スタート(鋳込み初期)部の非金属介在物が増
して品質が低下するおそれがあり、また除去効率が仕切
板の物理的特性や形状等にも大きく左右され、確実性に
問題がある。さらには、取鍋交換毎に新たに仕切板を挿
入配置しなければならず、仕切板の設置等の作業負荷の
増大も問題である。
【0013】一方、溶鋼を汚染するものは、前述した通
り、注入初期の取鍋詰め砂だけではなく、注入末期の取
鍋スラグも問題となるが、従来においては、取鍋詰め砂
流入対策と取鍋スラグ流入対策をそれぞれ別個に行って
おり、作業性が悪く、設備が煩雑になるなどの問題点が
あった。
【0014】この発明は、前述のような問題点を解消す
べくなされたもので、その目的は、取鍋スラグ検知を行
いつつその機能を応用して取鍋詰め砂の除去も同時に行
うことができ、自動化および設備の簡略化が可能であ
り、しかも取鍋からタンディッシュへの注入開始初期に
おける取鍋詰め砂除去を正規の鋳造位置において行うこ
とができ、溶融金属歩留りの低下および取鍋出口付近の
溶融金属凝固を解消することができ、さらに取鍋詰め砂
を簡便な方法で溶融金属流外に確実にかつ容易に排除す
ることのできる取鍋スラグ検知・取鍋詰め砂除去方法お
よびその装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明は、取鍋詰め砂
(主成分Si02 )の特性がスラグの特性とほぼ同じで
あり、溶鋼等の溶融金属とは、その特性を大きく異にす
るものであるため、取鍋詰め砂と溶鋼等との識別が可能
であるとの推測に基づいてなされたもので、従来のスラ
グ検出器の機能を最大限活用し、スラグ検出器にスラグ
検知と取鍋詰め砂・溶融金属検知の両機能を併せ持たせ
ることにより、スラグ検知のみならず、その応用による
取鍋詰め砂に続いて流下する溶融金属流の検知から取鍋
詰め砂の除去も行おうとするものである。
【0016】即ち、この発明に係る取鍋スラグ検知・取
鍋詰め砂除去方法は、溶鋼金属注入出口に取鍋詰め砂を
充填して溶融金属(溶鋼など)を受容する取鍋から別容
器(タンディッシュなど)に溶融金属を注入する工程に
おいて、取鍋から別容器へ溶融金属の注入を開始する注
入初期に、スラグ検出器により取鍋から取鍋詰め砂に続
いて流出する溶融金属を検知して、落下する取鍋詰め砂
を溶融金属注入通路外へ排除すると共に、溶融金属流を
通過させて別容器へ注入し、取鍋から別容器への溶融金
属の注入末期には、前記スラグ検出器により取鍋から流
出する取鍋スラグを検知して、取鍋からの溶融金属の注
入を停止させることを特徴とする。
【0017】また、このような方法は、取鍋底部におけ
る溶融金属注入出口に配設され、取鍋詰め砂あるいはス
ラグと溶融金属とを識別して検出可能なスラグ検出器
と、取鍋底部に充填された取鍋詰め砂を受け止める取鍋
詰め砂除去部材が、取鍋と別容器の間における溶融金属
注入通路を遮る位置と、この溶融金属注入通路側方の待
機位置との間を移動可能に配設された取鍋詰め砂除去装
置と、溶融金属注入開始初期における前記スラグ検出器
の溶融金属検知信号に基づいて前記取鍋詰め砂除去装置
の除去部材を移動制御し、かつ溶融金属注入末期におけ
る前記スラグ検出器の取鍋スラグ検知信号に基づいて取
鍋底部の溶融金属注入出口開閉装置を開閉制御する制御
装置とを備えた装置システムで可能となる。
【0018】ここで、取鍋詰め砂(主成分Si02 )の
導電率がスラグの導電率とほぼ同じであり、溶鋼との導
電率とは大きく異なることに着目し、前記スラグ検出器
には、図1(b)に示す送信・受信コイルによって導電
率を測定するセンサーを使用するのが好ましい。また、
制御装置には、溶融金属検知とスラグ検知の機能を有効
にかつ適切なタイミングで切り替えるための切替制御装
置を付加しており、スラグ検知の原理および装置の一部
(検出部・プリアンプ)を共用している。
【0019】また、取鍋詰め砂除去装置の除去部材は、
金属やセラミックス等の耐久性のある材質で形成されて
いる。なお、この除去部材は、溶融金属注入通路に対し
て旋回移動させてもよいし、進退移動させてもよい。
【0020】
【作用】以上のような構成において、先ず取鍋からタン
ディッシュ等の別容器に対して溶融金属の注入を開始す
るに際し、取鍋詰め砂除去装置の除去部材を溶融金属注
入通路を遮るようにセットし、取鍋底部の溶融金属注入
出口開閉装置を開とする。これにより、取鍋詰め砂が落
下し、続いて溶融金属が流下するが、スラグ検出器によ
り取鍋詰め砂と溶融金属の導電率等の違いから溶融金属
流出が検知され、この検知信号が即座に取鍋詰め砂除去
装置に伝達され、前記除去部材が溶融金属注入通路位置
から待機位置へと退避移動し、取鍋からの溶融金属流の
みが別容器へと注入され、取鍋詰め砂は除去部材上に載
って外部へと排除される。
【0021】次に、溶融金属の注入が進行し、取鍋内溶
融金属残量が設定された値となると、自動的に取鍋詰め
砂・溶融金属検知機能からスラグ検知機能に切り替わ
り、取鍋から別容器への溶融金属注入末期では、同じス
ラグ検出器によりスラグと溶融金属の導電率等の違いか
ら溶融金属注入流へのスラグの巻き込みが検知され、こ
の検知信号により取鍋から別容器への溶融金属の注入が
停止される。
【0022】通常、スラグ検知はそのスラグ検知機能の
みを使用しており、取鍋詰め砂まで応用されていない
が、本発明では、スラグ検知と取鍋詰め砂・溶融金属検
知の両機能を持たせて両機能を選択できるようにしたた
め、比較的簡単な装置で自動的に取鍋詰め砂と取鍋スラ
グの別容器内溶融金属への混入を確実に防止でき、清浄
性の優れた鋳片等の製造が可能となる。
【0023】また、送信・受信コイル方式のスラグ検出
器を使用することにより、比較的簡易な検出装置で確実
に、取鍋詰め砂・溶融金属およびスラグを検出できる。
スラグ検知の原理および検出部・プリアンプなどを共用
することができ、設備の簡略化を図れる。さらに、取鍋
詰め砂除去装置の除去部材は、取鍋詰め砂をタンディッ
シュの上方においてタンディッシュ外へ容易にかつ確実
に排除でき、また取鍋交換毎に仕切板を設置するなどの
作業を必要とせず、作業負荷の増大を解消することがで
きる。
【0024】
【実施例】以下、この発明を図示する一実施例に基づい
て詳細に説明する。これは、連続鋳造において取鍋から
タンディッシュに溶鋼を注入する例であり、図1に、こ
の発明に係る取鍋スラグ検知・取鍋詰め砂除去方法を実
施するための設備例を示し、図2にそのシステムのフロ
ーチャート、図3に各装置における出力信号・作動状態
を示す。
【0025】図1(a)において、連続鋳造機の上部に
は、上から順に取鍋1,タンディッシュ2,鋳型(図示
省略)が配設され、取鍋1内の溶鋼Aが取鍋底部の出鋼
口3を介してタンディッシュ2内に注入され、タンディ
ッシュ2内の溶鋼がスライディングノズル・浸漬ノズル
(図示省略)を介して鋳型内に鋳込まれる。
【0026】取鍋1の底部には、煉瓦からなる上ノズル
4が埋設され、この上ノズル4の下部にノズル孔をスラ
イド開閉するスライディングノズル装置(以下、SN装
置と記載)5が取付けられ、これら上ノズル4,SN装
置5などにより出鋼口3が構成される。上ノズル4のノ
ズル孔4aとSN装置5のSN孔5aの上部とで形成さ
れる凹状空間部に取鍋詰め砂Bが充填される。
【0027】SN装置5は、上下の固定プレートを挟ま
れたスライドプレートを油圧シリンダ等のSN駆動装置
6で摺動させてSN孔5aを開閉する構造であり、スラ
イドプレートに下ノズル7が一体的に設けられている。
この開位置の下ノズル7からタンディッシュ蓋8の注入
管8aを通ってタンディッシュ2内まで溶鋼注入通路9
が形成される。
【0028】このような構成において、本発明では、送
信コイル10aと受信コイル10bを備えたスラグ検出
器10を、取鍋詰め砂Bが充填される凹状空間部の下部
を取り囲むように、取鍋底部煉瓦内に埋設する。このス
ラグ検出器10は、図1(b)に示すように、送信コイ
ル10aに交流電流を流すと、溶鋼中に渦電流が誘導さ
れ、これにより受信コイル10bに発生する電圧を測定
するセンサーであり、前記渦電流は溶鋼に対するスラグ
の体積率に反比例するため、溶鋼中にスラグが混入した
ことを検知できる。また、取鍋詰め砂はスラグと導電率
が若干異なるが、同様に取鍋詰め砂と溶鋼とを識別して
溶鋼を検知することができる。
【0029】さらに、取鍋1とタンディッシュ2との間
に、取鍋詰め砂除去板21と、旋回駆動装置22などか
らなる取鍋詰め砂除去装置20を配設する。取鍋詰め砂
除去板21は、スイングアーム等を介して旋回駆動装置
22に接続することにより、旋回駆動装置22により水
平方向に旋回移動し、側方の待機位置から下ノズル6と
注入管8aとの間に位置し得る。また、この取鍋詰め砂
除去板21は、その形状を受け皿状などとして、落下す
る取鍋詰め砂Bを受け止めて下方に散逸させないように
し、また金属やセラミックスなどの耐久性に優れた材質
から構成し、取鍋交換毎に新たな仕切板を据え付ける等
の作業負荷増を防止する。なお、取鍋詰め砂除去板21
は、旋回移動する方式としたが、油圧シリンダなどで進
退移動する方式などでもよい。
【0030】制御装置30には、SN装置用の駆動装置
6を制御するスラグ検出制御器31と、取鍋詰め砂除去
用の駆動装置22を制御する溶鋼検出制御器32と、こ
れら制御器31,32を選択する切換制御器33を設け
る。スラグ検出器10の検出信号は、コネクター11を
介して外部に取り出し、プリアンプ12を介してスラグ
検出制御器31および溶鋼検出制御器32に入力する。
【0031】スラグ検出制御器31には、図3に示すよ
うに、予めスラグ検知しきい値を設定しておき、測定値
がこのしきい値を越えると、スラグ検知信号をSN装置
5の駆動装置6に出力し、同様に溶鋼検出制御器32に
も、予め溶鋼しきい値を設定しておき、測定値がこの溶
鋼しきい値を越えると、溶鋼検知信号を取鍋詰め砂除去
装置20の駆動装置22に出力する。なお、この制御装
置30には表示装置34を接続し、測定結果および作動
状況を表示できるようにしている。
【0032】以上のような構成において、次のように、
溶鋼注入開始初期において取鍋詰め砂の除去を行い、溶
鋼注入末期においてスラグの溶鋼流への混入を防止する
(図2,図3参照)。
【0033】(1) 製鋼工程において、SN装置5を閉と
し、取鍋1の凹状空間部内に取鍋詰め砂Bを充填してお
き、転炉から取鍋1内に受鋼する。次いで、真空脱ガス
処理等の二次精錬を施した後、取鍋1を連続鋳造機上ま
で運搬する。
【0034】(2) 制御装置30の切換制御装置33によ
り、スラグ検出器10をスラグ検出機能から溶鋼検出機
能に切替え、さらに取鍋詰め砂除去板21を下ノズル7
の下部まで移動させ、溶鋼注入通路9を遮るようにす
る。この状態で、取鍋1がタンディッシュ2上に配置さ
れると、SN装置5を開としてタンディッシュ2内への
注入を開始する。
【0035】(3) 取鍋詰め砂Bが落下し、続いて溶鋼流
が流下するが、スラグ検出器10により出鋼口を溶鋼流
が通過し始めたことが検知され、この溶鋼検知信号によ
り、直ちに取鍋詰め砂除去板21が溶鋼注入通路位置か
ら側方の待機位置に移動する。
【0036】取鍋詰め砂Bは取鍋詰め砂除去板21上に
載って側方へ排除され、溶鋼Aのみが流下するタイミン
グで除去板21が待機位置に退避することで、溶鋼流の
みがタンディッシュ2内に落下していく。
【0037】(4) 溶鋼Aの注入が進み、取鍋内残溶鋼が
所定の値に以下になると、取鍋重量検出センサー等の信
号により溶鋼検知機能からスラグ検知機能に切替わり、
溶鋼注入末期において、スラグ検出器10によりスラグ
の溶鋼流への混入開始が検知され、SN装置5が閉とな
る。スラグが混入し始めるタイミングで溶鋼注入が停止
されることで、スラグCが溶鋼流に混入することが防止
される。
【0038】(5) 続いて、取鍋1が交換され、次の取鍋
1からの注入に関しても、上記工程を繰り返す。
【0039】次に、以下に示す各種条件下で連続鋳造を
行いた場合の鋳片品質成績を表1に示す。同表におい
て、ケース1は取鍋スラグ検知も取鍋詰め砂も未実施の
場合であり、ケース2は特開昭62−500646号公
報にも記載されている送受信コイルでスラグ混入を検出
する方式を実施したもの、ケース3は特開平3−207
562号公報に記載されている焼失可能な仕切板にによ
る取鍋詰め砂除去を実施したものである。
【0040】
【表1】
【0041】この表から明らかなように、本発明では、
取鍋スラグ検知・取鍋詰め砂除去を併用することで、介
在物起因による成品不良率が大幅に減少する。また、そ
の効果は、極低炭素鋼や厚板超音波探傷厳格材のような
品質への要求が厳しい鋼種ほど現れている。
【0042】品質への要求が厳格化している現状におい
ては、これらの技術の重要性は強まるばかりであり、ま
た生産性の観点からその作業は簡易なものでなければな
らない。本発明では、これらの作業は全て自動で行うこ
とが可能であり、仕切板の挿入設置などによる要員増等
の作業負荷増は無く、また当初懸念された取鍋詰め砂除
去板による溶鋼飛散も高精度の検知システムにより極小
に抑えることができ、安定した操業を行うことができ
た。
【0043】なお、以上は連続鋳造における取鍋からタ
ンディッシュへ溶鋼を注入する場合について説明した
が、これに限定されることなく、取鍋から他の容器類に
溶融金属を注入する場合にも、本発明を適用できる。ま
た、スラグ検出器は、送受信コイル方式に限らず、取鍋
詰め砂やスラグと溶融金属とを識別できるセンサーであ
れば使用可能である。
【0044】
【発明の効果】前述したとおり、本発明は、スラグ検出
器に、溶融金属注入初期における取鍋詰め砂に続く溶融
金属の検知と溶融金属注入末期におけるスラグ検知の両
機能を併せ持たせ、注入初期における溶融金属検知信号
により取鍋詰め砂除去装置の除去部材を作動させて取鍋
詰め砂を溶融金属注入通路外へ排除し、注入末期におけ
るスラグ検知信号により溶融金属の注入を停止させるよ
うにしたため、次のような効果を奏する。
【0045】(1) 高精度の検知システムにより、取鍋ス
ラグと取鍋詰め砂の両方の溶融金属への混入を容易かつ
確実に防止することができ、鋳片の品質を著しく改善す
ることができる。
【0046】(2) 取鍋スラグの混入防止および取鍋詰め
砂の除去作業を完全自動化することができ、従来よりも
作業性の大幅な改善と、安全性の向上を図れる。
【0047】(3) 一つのスラグ検出器で注入開始初期の
溶融金属検知と注入末期のスラグ検知の両方を行い、検
出装置の一部を共用することにより、設備を簡略化する
ことができる。
【0048】(4) 高精度の検知システムと移動可能な除
去部材により、従来の仕切板を使用する排除方法に比べ
て、取鍋詰め砂をタンディッシュ外に確実に安定して排
除することができ、取鍋詰め砂によるタンディッシュ内
の溶鋼汚染を確実に抑制でき、鋳片の取鍋交換部の品質
を大幅に向上させることができる。
【0049】(5) 移動可能な除去部材により、従来の仕
切板を使用する場合の仕切板の設置等による作業負荷の
増大を解消できる。
【0050】(6) タンディッシュ上で溶融金属注入開始
と同時に取鍋詰め砂の除去を行うことにより、従来のタ
ンディッシュ外排除方法におけるタンディッシュ外での
取鍋詰め砂を含む溶融金属の排出による歩留り低下を解
消し、取鍋詰め砂排出から溶融金属注入開始までの時間
経過に伴う溶融金属凝固よる取鍋注入出口スライディン
グゲートの閉塞問題を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、この発明に係る取鍋スラグ検知・取
鍋詰め砂除去方法を実施するための設備の一例を示す断
面図、(b)は、スラグ検出器の一例を示す斜視図であ
る。
【図2】この発明に係る取鍋スラグ検知・取鍋詰め砂除
去システムのフローチャートである。
【図3】この発明に係る溶鋼検知およびスラグ検知にお
ける出力信号および各装置の作動状態の例を示すグラフ
である。
【符号の説明】
A…溶鋼、B…取鍋詰め砂、C…スラグ、 1…取鍋 2…タンディッシュ 3…出鋼口 4…上ノズル 5…スライディングノズル(SN)装置 6…スライディングノズル駆動装置 7…下ノズル 8…タンディッシュ蓋 8a…注入管 9…溶鋼注入通路 10…スラグ検出器 11…コネクター 12…プリアンプ 20…取鍋詰め砂除去装置 21…取鍋詰め砂除去部材 22…旋回駆動装置 30…制御装置 31…スラグ検出制御器 32…溶鋼検出制御器 33…切替制御器 34…表示装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B22D 41/46 B22D 41/46

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶鋼金属注入出口に取鍋詰め砂を充填し
    て溶融金属を受容する取鍋から別容器に溶融金属を注入
    する工程において、 取鍋から別容器へ溶融金属の注入を開始する注入初期
    に、スラグ検出器により取鍋から取鍋詰め砂に続いて流
    出する溶融金属を検知して、落下する取鍋詰め砂を溶融
    金属注入通路外へ排除すると共に、溶融金属流を通過さ
    せて別容器へ注入し、取鍋から別容器への溶融金属の注
    入末期には、前記スラグ検出器により取鍋から流出する
    取鍋スラグを検知して、取鍋からの溶融金属の注入を停
    止させることを特徴とする取鍋スラグ検知・取鍋詰め砂
    除去方法。
  2. 【請求項2】 溶鋼金属注入出口に取鍋詰め砂を充填し
    て溶融金属を受容する取鍋から別容器に溶融金属を注入
    する工程に使用される装置であって、 取鍋底部における溶融金属注入出口に配設され、取鍋詰
    め砂あるいはスラグと溶融金属とを識別して検出可能な
    スラグ検出器と、 取鍋底部に充填された取鍋詰め砂を受け止める取鍋詰め
    砂除去部材が、取鍋と別容器の間における溶融金属注入
    通路を遮る位置と、この溶融金属注入通路側方の待機位
    置との間を移動可能に配設された取鍋詰め砂除去装置
    と、 溶融金属注入開始初期における前記スラグ検出器の溶融
    金属検知信号に基づいて前記取鍋詰め砂除去装置の除去
    部材を移動制御し、かつ溶融金属注入末期における前記
    スラグ検出器の取鍋スラグ検知信号に基づいて取鍋底部
    の溶融金属注入出口開閉装置を開閉制御する制御装置と
    を備えていることを特徴とする取鍋スラグ検知・取鍋詰
    め砂除去装置。
JP9207895A 1995-04-18 1995-04-18 取鍋スラグ検知・取鍋詰め砂除去方法およびその装置 Pending JPH08290259A (ja)

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