JPH115260A - タイヤ用ゴム材料及びその製造方法 - Google Patents

タイヤ用ゴム材料及びその製造方法

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JPH115260A
JPH115260A JP9173216A JP17321697A JPH115260A JP H115260 A JPH115260 A JP H115260A JP 9173216 A JP9173216 A JP 9173216A JP 17321697 A JP17321697 A JP 17321697A JP H115260 A JPH115260 A JP H115260A
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  • Mechanical Engineering (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タイヤの生産性を向上させかつタイヤとして
の不良品の発生を防止することができるタイヤ用ゴム材
料及びその製造方法を提供することにある。 【解決手段】 エイペックス形成用の断面円形のゴム製
の所定寸の素材5aを成形する。素材5aをフィッティ
ングローラ7,7にて押圧しつつ、断面正方形乃至矩形
状の第1部3と該第1部3の外面側に一体連設される断
面半円形状の第2部4とからなる蒲鉾形状のエイペック
ス2を形成する。これによって、エイペックス2をビー
ドコア1に貼り付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タイヤ用ゴム材料
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】タイヤを構成する各種材料のうち、ビー
ドコアと該ビードコアに貼り付けられるエイペックスと
を備えたタイヤ用ゴム材料には、図5の(イ)に示すよ
うに、ビードコアaと該ビードコアaに貼り付けられる
断面三角形状のエイペックスbとからなるものや、図6
に示すように、ビードコアaと該ビードコアaに貼り付
けられる断面台形状のエイペックスcとからなるものが
あった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図5の
(イ)に示すタイヤ用ゴム材料では、タイヤを成形する
際、成形機(フォーマー)d上に、インナーを貼り、こ
のインナー上にプライを貼り、これに、タイヤ用ゴム材
料をセットした後、エイペックスbを図5の(ロ)のよ
うに、折り曲げる(寝かせる)必要があった。従って、
寝かせるために、ステッチャー等で比較的強い圧力で押
圧する必要があり、面倒な作業であると共に、この押圧
力にて、ビードコアaとエイペックスbとの間に「割
れ」が生じ、この割れにエアが溜まって、製造されるタ
イヤに不良品が発生する虞があった。
【0004】また、図6に示すタイヤ用ゴム材料では、
エイペックスcを寝かせる必要がないが、エイペックス
cの傾斜状の側面がプライにうまく沿わず、該プライの
浮き(スプリングバック)が発生していた。
【0005】しかも、図6に示すタイヤ用ゴム材料を製
造する方法としては、図7に示すように、シート状のゴ
ム材料eを形成し、このゴム材料eを切断して、断面台
形状のエイペックスcを形成し、その後、このエイペッ
クスcをビードコアaに貼り付ける方法であったため、
この製造方法では、作業工程が多く面倒で、かつ、材料
に無駄が発生していた。そのため、断面台形のエイペッ
クスを押出機を使用して成形する場合もあったが、この
場合、ダイプレートから押し出されたゴムは、捩じれ
て,真っ直ぐにならなかった。
【0006】そこで、本発明は、エイペックスを寝かせ
る必要がなく、かつ、セット後において、エイペックス
の圧着(密着)不良を生じさせない、つまり、タイヤの
生産性を向上させると共にタイヤとしての不良品の発生
を防止することができるタイヤ用ゴム材料を提供するこ
とを一の目的とし、また、このようなタイヤ用ゴム材料
を簡単かつ確実に製造することができる製造方法を提供
することを他の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明に係るタイヤ用ゴム材料は、ビードコアと
該ビードコアに貼り付けられるエイペックスとを備えた
タイヤ用ゴム材料において、該エイペックスを、断面正
方形乃至矩形状の第1部と該第1部の外面側に一体連設
される断面半円形乃至半長円形状の第2部とからなる蒲
鉾形状とすると共に、該第1部の内面を上記ビードコア
の外周面に貼り付けたものである。この際、エイペック
スのゴム硬度を JISA83〜98°とするのが好ましい。
【0008】また、本発明に係るタイヤ用ゴム材料の製
造方法は、エイペックス形成用の断面円形のゴム製の所
定寸の素材を成形した後、該素材をフィッティングロー
ラにて押圧しつつ、断面正方形乃至矩形状の第1部と該
第1部の外面側に一体連設される断面半円形乃至半長円
形状の第2部とからなる蒲鉾形状のエイペックスを形成
して、該エイペックスをビードコアに貼り付けるもので
ある。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳説する。
【0010】図1は本発明に係るタイヤ用ゴム材料を示
し、このタイヤ用ゴム材料は、ビードコア1と該ビード
コア1に貼り付けられるエイペックス2とを備える。と
ころで、この場合のエイペックス2は、断面正方形乃至
矩形状の第1部3と該第1部3の外面側に一体連設され
る断面半円形乃至半長円形状の第2部4とからなるいわ
ゆる蒲鉾形状とされる。即ち、このエイペックス2の両
側面は、相互に平行な平面とされる。また、このエイペ
ックス2のゴム強度は、 JISA83〜98°とする。そし
て、エイペックス2の大きさとしては、断面において、
底辺、つまり、内面15の軸方向長さA(この場合、ビー
ドコア1の軸方向長さA1 と同一)を「1」としたとき
に、その高さ(径方向長さ)Bを例えば、「 1.4」と
し、かつ、アール部16,16の曲率半径を例えば、「2」
とするのが好ましい。
【0011】次に、このタイヤ用ゴム材料の製造方法を
説明する。まず、図2に示すように、断面円形のゴム製
の線状体5を押出成形にて形成し、所定長さに切断して
所定寸の素材5aを形成する。その後、この所定寸の素
材5aを図3に示すように、リング状のビードコア1に
貼り付ける。
【0012】即ち、一対のフィッティングローラ7,7
にて、素材5aを挾持しつつ、ビードコア1の外周面8
にこの素材5aを押圧して、該ビードコア1を回転させ
ることによって、該素材5aを図4の(イ)に示す状態
から図4の(ロ)に示すような蒲鉾形状のエイペックス
2として、ビードコア1に貼り付ける。つまり、エイペ
ックス2の第1部3の内面15をビードコア1の外周面8
に貼り付ける。
【0013】このように、製造されたタイヤ用ゴム材料
は、成形機(フォーマー)10(図1参照)にて、図示省
略のインナーとプライに組付けられる。即ち、フォーマ
ー10上にインナーを貼り付け、このインナー上にこのタ
イヤ用ゴム材料をセットした後、いわゆるターンアップ
すればよい。
【0014】従って、このエイペックス2の側面、つま
り、第1部3の側面が、フォーマー10の端面11に対し
て、傾いておらず、プライにいわゆる「浮き」(スプリ
ングバック)が発生せず、密着不足が発生しない。この
ため、このタイヤ用ゴム材料を使用したタイヤのビード
部を真円状にリムに組付けることができ、これによっ
て、RFV(Radial Force Variation)の低下を図るこ
とができる。即ち、エイペックス2の寸法を上述のよう
な関係、つまり、内面15の軸方向長さAを「1」とした
ときに、径方向長さBを「 1.4」とし、かつ、アール部
16,16の曲率半径を「2」と設定することにより、密着
不足が発生しないのである。
【0015】さらに、図5に示す断面三角形状のエイペ
ックスbのように、エイペックス2を寝かせる必要がな
いので、この寝かせる工程を省略することができると共
に、この寝かせる際に、加えられる圧力を必要とせず、
ビードコア1とエイペックス2との間に、「割れ」が生
じることがない。
【0016】また、素材5aを形成するための線状体5
は、断面円形のゴム製品であるので、(押出スクリュー
と同形状であるため、)押出直後に線状体5が回転する
ことなく押し出され、高品質とすることができる。しか
も、エイペックス2は、ゴム硬度が JISA83〜98°であ
るので、エイペックスとして優れた強度を示す。
【0017】
【実施例】次に、従来品1として、断面三角形状のエイ
ペックスを有するタイヤ用ゴム材料を製造し、従来品2
として、断面台形状のエイペックスを有するタイヤ用ゴ
ム材料を製造し、本発明品(実施例)として、図1に示
す蒲鉾形状のエイペックスを有するタイヤ用ゴム材料を
製造して、これらを使用してタイヤを製造した場合の結
果を表1に記載した。この場合、従来品1,2と本発明
品は夫々100 個づつ製造し、サイズとしては、145R12と
した。
【0018】
【表1】
【0019】また、表1の従来品1においては、エイペ
ックスを寝かせる際にエイペックスに浮き、シワ等が発
生したものを不良品とし、表1の従来品2においては、
プライの浮きが発生したものを不良品とした。この表か
ら分かるように、本発明品では、全く従来品1,2のよ
うな不良品が発生しないのに対し、従来品1では5%発
生し、従来品2では7%発生した。
【0020】さらに、生産性指数とは、従来品1を使用
して一本のタイヤを製造した場合成形時間を100 とした
ときに、各タイヤ用ゴム材料を使用してタイヤを製造し
た場合の成形時間を示している。即ち、従来品1の場
合、エイペックスダウン工程と、プライステッチ工程
(プライに組み付けた際に生じるエア残りのエアを逃が
すための工程であって、プライステッチャーにてステッ
チする工程)とを、行い、従来品2ではプライステッチ
工程のみ行い、本発明品では、このどちらの工程も行わ
ないので、従来品2では、従来品1の80%の時間で1本
のタイヤを製造することができ、本発明品では、従来品
1の70%の時間で1本のタイヤを製造することができ、
本発明品が短時間でタイヤを製造することが可能である
ことを示している。
【0021】
【発明の効果】本発明は上述の如く構成されているの
で、次に記載する効果を奏する。
【0022】 請求項1記載のタイヤ用ゴム材料によ
れば、このタイヤ用ゴム材料を使用してタイヤを成形す
る際、(断面三角形状のエイペックスと相違して、)エ
イペックス2の寝かせる工程を省略することができ、全
体の作業時間の短縮を図ることができる。
【0023】 請求項1記載のタイヤ用ゴム材料によ
れば、このタイヤ用ゴム材料を使用して形成したタイヤ
には、部分的な圧着(密着)不良が発生せず、このタイ
ヤのビード部を、リムに対して真円状に装着することが
でき、これによって、RFVの低減を図ることができ
る。
【0024】 請求項1記載のタイヤ用ゴム材料によ
れば、(エイペックスを寝かせる必要がないので、)ビ
ードコア1とエイペックス2との間に、「割れ」が発生
しにくく、不良品の発生が減少する。
【0025】 請求項2記載のタイヤ用ゴム材料によ
れば、請求項1記載のタイヤ用ゴム材料と同様の効果を
奏すると共に、エイペックス2の硬度として適当なもの
となり、より確実に圧着(密着)不良を防止することが
できる。
【0026】 請求項3記載のタイヤ用ゴム材料の製
造方法によれば、タイヤの生産性を向上させてかつタイ
ヤとしての不良品の発生を確実に防止することができる
タイヤ用ゴム材料を、簡単かつ確実に製造することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るタイヤ用ゴム材料の簡略断面図で
ある。
【図2】エイペックス成形用のゴム製の素材の斜視図で
ある。
【図3】本発明に係るタイヤ用ゴム材料の製造方法を示
す簡略図である。
【図4】製造方法の工程図である。
【図5】従来のタイヤ用ゴム材料の簡略断面図である。
【図6】従来の他のタイヤ用ゴム材料の簡略断面図であ
る。
【図7】図6に示すタイヤ用ゴム材料の製造方法の説明
図である。
【符号の説明】
1 ビードコア 2 エイペックス 3 第1部 4 第2部 5a 素材 7 フィッティングローラ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビードコア1と該ビードコア1に貼り付
    けられるエイペックス2とを備えたタイヤ用ゴム材料に
    おいて、該エイペックス2を、断面正方形乃至矩形状の
    第1部3と該第1部3の外面側に一体連設される断面半
    円形乃至半長円形状の第2部4とからなる蒲鉾形状とす
    ると共に、該第1部3の内面15を上記ビードコア1の外
    周面に貼り付けたことを特徴とするタイヤ用ゴム材料。
  2. 【請求項2】 エイペックス2のゴム硬度を JISA83〜
    98°とした請求項1記載のタイヤ用ゴム材料。
  3. 【請求項3】 エイペックス形成用の断面円形のゴム製
    の所定寸の素材5aを成形した後、該素材5aをフィッ
    ティングローラ7,7にて押圧しつつ、断面正方形乃至
    矩形状の第1部3と該第1部3の外面側に一体連設され
    る断面半円形乃至半長円形状の第2部4とからなる蒲鉾
    形状のエイペックス2を形成して、該エイペックス2を
    ビードコア1に貼り付けることを特徴とするタイヤ用ゴ
    ム材料の製造方法。
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