JP2708717B2 - Vリブドベルト及びその製造方法 - Google Patents

Vリブドベルト及びその製造方法

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JP2708717B2
JP2708717B2 JP21332194A JP21332194A JP2708717B2 JP 2708717 B2 JP2708717 B2 JP 2708717B2 JP 21332194 A JP21332194 A JP 21332194A JP 21332194 A JP21332194 A JP 21332194A JP 2708717 B2 JP2708717 B2 JP 2708717B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ベルト基帯に対しベル
ト長手方向に延びる複数のVリブが形成されているVリ
ブドベルト及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、動力伝達用ベルトとして、ベ
ルト基帯に対しベルト長手方向に延びる複数のVリブが
形成されているVリブドベルトは知られている。そし
て、そのようなVリブドベルトの製造は、一般に次のよ
うにして行われている(図17参照)。
【0003】短繊維が配合されたゴムを混練機aにて
混練する。
【0004】混練されたゴムbをカレンダーcで圧延
し、ゴムシートdとしてコンベヤeが引き取る。このと
き、ゴムシートdの厚さは0.6〜1.0mm程度で、短
繊維が長手方向に配向される。
【0005】ゴムシートdを、成形に必要な厚さに重
ね合わせて、所定厚さのゴムシートを得る。
【0006】ゴムシートを長手方向に対して直交する
方向において切断してゴム片f,…を形成し、それから
該ゴム片f,…を長手側面においてつなぎ合わせてゴム
シートgとする。これによって、短繊維は幅方向に配向
されることとなる。
【0007】成形金型hに、ゴムシート以外のベルト
素材を組付け、それから、その上にで得られたゴムシ
ートgを貼り、必要長さに切断して端部を突合せ接合す
る。
【0008】加硫缶に装填して加硫成形する。
【0009】成形金型hから加硫済みの成形物mを取
り外す。
【0010】底ゴム部m1 を研削して、Vリブ形状を
削り出す。このときに生ずる研削屑は廃棄される。
【0011】必要なリブ山の数に合わせて切断し、V
リブドベルトを得る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した方
法によれば、Vリブ形状を形成するために、底ゴム部を
研削する必要があり、その研削による底ゴム部の研削ロ
スが多くなり(具体的には底ゴム部の30%程度)、コ
スト高になっているのが現状である。
【0013】また、例えば特開平1−303338号公
報に記載されるように、平板状のゴムプレートを押出成
形し、それを加硫後研削して、Vリブを形成する方法も
知られている。
【0014】ところが、そのようなVリブドベルトは、
研削ロスがある点では前述したカレンダによる方法とあ
まり変わらず、また、研削後にベースゴムが短繊維の配
向方向に収縮する傾向がある。ここで、短繊維の配向方
向に収縮する傾向が生じるのは、加硫後ゴムが収縮しよ
うとするのが、短繊維によって抑制されているが、研削
によりVリブを削り出す際に短繊維が切断されることに
なるので、短繊維による収縮抑制機能がなくなるからで
あると考えられる。
【0015】本発明は、底ゴム部についての研削ロスを
低減して、コストダウンを図ったVリブドベルト及びそ
の製造方法を提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1〜請求項2に係
る発明はVリブドベルトに係るものであり、請求項3〜
請求項6に係る発明はそのVリブドベルトの製造方法に
係るものである。
【0017】請求項1及び請求項2に係る発明は、ベル
ト基帯に対しベルト長手方向に延びる複数のVリブが形
成されているVリブドベルトを前提とするものである。
【0018】請求項1に係る発明は、上記Vリブは、短
繊維配合ゴムからなり上記Vリブに対応しかつ上記Vリ
ブより若干大きい形状に押出し成形により予備成形され
たVリブ部のリブ表面を研削して形成された構成とす
る。そして、請求項2に係る発明は、上記Vリブにおい
て短繊維がベルト長手方向、ベルト幅方向及びベルト上
下方向に配向され、ベルト幅方向の配向率が30%以上
である。
【0019】請求項3〜請求項6に係る発明は、短繊維
配合ゴムを用いて、ベルト基帯に対しベルト長手方向に
延びる複数のVリブが形成されているVリブドベルトの
製造方法を前提とする。
【0020】請求項3に係る発明は、Vリブ部成形溝を
有する拡張ダイを出口部分に備える押出し機によって、
短繊維が円周方向に配向され上記Vリブに対応しかつ上
記Vリブより若干大きい形状に予備成形されたVリブ部
を外周部又は内周部に有する円筒状リブゴムチューブを
押出し成形する第1の工程と、上記円筒状リブゴムチュ
ーブを用いて加硫金型に対しVリブドベルト成形体を成
形し、それから加硫する第2の工程と、加硫後のVリブ
ドベルト成形体のVリブ部のリブ表面を研削してVリブ
を形成する第3の工程とを具備する構成とする。
【0021】請求項4に係る発明においては、第2の工
程は、円筒状リブゴムチューブをチューブ軸線方向に沿
って切開してリブゴムシートとして、該リブゴムシート
を用いて加硫金型に対しVリブドベルト成形体を成形す
る。
【0022】請求項5に係る発明においては、第2の工
程において、Vリブドベルト成形体の成形に先立ち、リ
ブゴムシートに形成されたVリブ部間の溝部に対応する
形状の凸部を有するカバーシートを用い、リブゴムシー
トは、Vリブ部間の溝部に上記カバーシートの凸部を嵌
合させて巻き取られる。
【0023】請求項6に係る発明においては、第2工程
において、リブゴムシートにそのリブ部にゴム型シート
の凸部間の溝部が係合するように該ゴム形シートが巻付
けられて加硫が行われ、上記ゴム型シートの凸部間の溝
部は、VリブドベルトのVリブと同じピッチで、Vリブ
よりも小さい容積となっている。
【0024】
【作用】請求項1に係る発明によれば、Vリブに対応し
かつVリブより若干大きい形状に押出し成形により予備
成形されたVリブ部の側面を研削することによって、V
リブが形成され、研削ロスが少なくなる。
【0025】請求項2に係る発明によれば、Vリブにお
いて短繊維がベルト幅方向に30%以上の配向率でもっ
て配向され、所望の耐側圧性が得られる。
【0026】請求項3に係る発明によれば、第1の工程
において、Vリブ部成形溝を有する拡張ダイを出口部分
に備える押出し機によって、短繊維が円周方向に配向さ
れ上記Vリブに対応しかつ上記Vリブより若干大きい形
状に予備成形されたVリブ部を外周部又は内周部に有す
る円筒状リブゴムチューブが押出し成形され、第2の工
程において、上記円筒状リブゴムチューブを用いて加硫
金型に対しVリブドベルト成形体が成形され、加硫さ
れ、それから、第3の工程において、加硫後のVリブド
ベルト成形体のVリブ部のリブ表面を研削してVリブが
形成される。
【0027】請求項4に係る発明によれば、第2の工程
において、拡張ダイの出口部分を通じて押出された円筒
状リブゴムチューブがチューブ軸線方向に沿って切開さ
れ、短繊維が横方向に配向された平板状のリブゴムシー
トとされ、これを用いて加硫金型に対しVリブドベルト
成形体が成形される。
【0028】請求項5に係る発明によれば、第2の工程
において、Vリブドベルト成形体の成形に先立ち、切開
されたリブゴムシートが、Vリブ部間の溝部にカバーシ
ートの凸部を嵌合させて、該カバーシートと共に巻き取
られる。
【0029】請求項6に係る発明によれば、第2の工程
において、加硫金型上に成形されたリブゴムシートのV
リブ部に、凸部間の溝部がVリブドベルトのVリブと同
じピッチで、Vリブよりも小さい容積となっているゴム
型シートの凸部間の溝部が係合するように該ゴム形シー
トが設けられ、そして加硫が行われる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に沿って詳細に
説明する。
【0031】Vリブドベルトの概略構成を示す図1にお
いて、1は一般に動力伝動用ベルトとして用いられるV
リブドベルトで、ベルト基帯2に対しベルト長手方向に
延びる複数のVリブ3,…が形成されている。上記Vリ
ブ3は、ベルト幅方向に短繊維が配向された短繊維配合
ゴムからなり、後述するように、上記Vリブ3,…に対
応しかつ上記Vリブ3,…より若干大きい形状に押出し
成形により予備成形されたVリブ部のリブ表面(リブ側
面及びリブ底面)を研削して形成されたものである。
【0032】そして、上記各Vリブ3においては、ゴム
3a中に短繊維3b,…がベルト長手方向、ベルト幅方
向及びベルト上下方向に三次元的に配向され、そのうち
ベルト幅方向における短繊維の配向率が30%以上とな
っている。
【0033】尚、図1において、4は上側帆布層、5は
心体コード層で、接着ゴム5a中に心体コード5bが螺
旋状に埋設されている。
【0034】続いて、上記Vリブドベルト1を製造する
方法について、図2に沿って説明する。
【0035】<第1の工程>まず、押出し機11の出口
部分に、外ダイ12aと内ダイ12bとを有しVリブ部
成形溝12cが内ダイ12bに円周方向に規則的に形成
された拡張ダイ12(図3及び図4参照)を取付け、押
出し機11によって、拡張ダイ12によって短繊維が円
周方向に配向され内周部に上記Vリブ3,…に対応しか
つ上記Vリブ3,…より若干大きい形状に予備成形され
たVリブ部13a,…を有する円筒状リブゴムチューブ
13を押出し成形する(図5参照)。
【0036】ところで、拡張ダイ12によって短繊維を
円周方向に配向させるためには、拡張ダイ12の入口部
分P1 のゴム流路12d中央の中心直径R1 と、拡張ダ
イ12の出口部分P2 のゴム流路12d中央の中心直径
R2 の比が6.5以上であることが必要である。即ち、
次の式が成立することが必要である。
【0037】
【数1】 そして、押出し機11によって押出される短繊維配合ゴ
ムは、上記式の関係が成立することによる拡張ダイ12
の拡張作用によって、短繊維が円周方向に配向される。
【0038】ところで、拡張ダイ12のゴム流路12d
の出口部分P2 にVリブの型付け(予備成形)を行うた
めのVリブ部成形溝12cを形成しているが、Vリブ部
成形溝12cを単に拡張ダイ12のゴム流路12dの出
口部分P2 に設けるだけでは、拡張ダイ12より押出さ
れる円筒状リブゴムチューブにおいて円周方向に配向さ
れるべき短繊維の配向が乱れるだけでなく、次のような
不具合を伴う。
【0039】(i) Vリブ部成形溝12cが押出し成形の
際の抵抗となって、短繊維の円周方向の配向が妨げら
れ、拡張作用が妨げられる。
【0040】(ii)Vリブ部成形溝12cが押出し成形の
際の抵抗となり、生産性を低下させるので、それを防止
するために押出し圧力を高める必要があるが、そのよう
にすると、押出し機11や拡張ダイ12に無理な力が作
用する。
【0041】(iii) Vリブ部成形溝12cを有する拡張
ダイ12は、製作が困難で、高価となり、また、管理も
面倒である。
【0042】そこで、かかる不具合を解消するために、
Vリブドベルトの底ゴム部のVリブの形状、Vリブ部成
形溝のゴム流路方向の長さ、拡張ダイにより押出される
円筒状リブゴムチューブの外観と変化(ダイスウエルと
繊維配向)を考慮して、拡張ダイを次のように製作し
た。
【0043】(a) Vリブ部成形溝12cの円周方向の溝
ピッチは、完成品であるVリブドベルト1のVリブピッ
チと合致するか又はそれより若干小さくなるように設定
する。ここで、Vリブピッチより若干小さくなる場合も
含めているのは、このような場合は成形時に、完成品で
あるVリブドベルト1のVリブピッチと溝ピッチが合致
したロールを一度通過させてVリブピッチを合致させる
ことができるからであり、また、このようにすれば、あ
る程度のVリブピッチのバラツキを許容できることにな
るからである。
【0044】(b) Vリブ部成形溝12cの成形溝角度
は、完成品であるVリブドベルト1のリブ角度よりも大
きく設定する。加硫時の型流れを少なくして、短繊維の
配向が乱れないようにするためである。
【0045】(c) Vリブドベルトの厚さは、加硫金型に
おける設計寸法よりも厚くする。押出されたリブゴムチ
ューブの断面は収縮して小さくなる傾向にあるからであ
る。
【0046】(d) 押出された円筒状リブゴムチューブに
おける短繊維の配向は、拡張ダイ12にVリブ部成形溝
12cを設けることで円周方向の配向が乱れるが、Vリ
ブ部成形溝12cのゴム流路方向の長さを短く、高さを
低くすることで、乱れ方を非常に小さくすることができ
る。
【0047】Vリブドベルト及びそれを成形するのに用
いられる拡張ダイについての寸法の一例を具体的に示
す。尚、図6及び図7において、L1 =3.50mm、L
2 =2.20mm、L3 =1.75mm、リブ角度θ1 =5
0°、L11=3.56mm、L12=2.52mm、L13=
2.28mm、L14=3.36mm、L15=1.49mm、L
16=5.30mm、L17=3.0mm、R11=0.7mm、R
12=0.2mm、溝角度θ11=40°である。図7におい
て、Fはゴムが流れる方向である。
【0048】上記拡張ダイを用いて、製造したVリブド
ベルトの短繊維の配向率は次の表1のようになった。
尚、短繊維の配向は、配向率が最も高いものをX方向と
し、以下順次Y方向、Z方向とし、上記本発明例と共
に、従来のカレンダーによるもの(従来例)、平板状の
押出しシートを用いるもの(比較例)についても合わせ
て示す。
【0049】
【表1】 上記実施例においては、拡張ダイのうちの内ダイ12b
にVリブ部成形溝12cを形成しているが、それに代え
て、図8及び図9に示すように、Vリブ部成形溝12e
を外ダイ12aの内周部に形成するようにしてもよい。
このようにすれば、円筒状リブゴムチューブ18の外周
部にVリブ部18a,…が成形されることになる(図1
0参照)。
【0050】ところで、リブゴムシート14のVリブ部
14bの配設ピッチ(例えばL1 =3.50mm)は、完
成品であるVリブドベルト1のVリブピッチ(例えばL
11=3.56mm)に合わせる必要がある。これは、次の
加硫においても同じであるが、最終工程で研削して所望
のVリブを形成することになるが、ピッチがずれている
と、うまく成形金型に装着できず、Vリブが形崩れする
等の問題が生ずることになるからである。
【0051】そのため、加硫金型15に貼り付ける前に
リブゴムシート14を、Vリブ溝部の配設ピッチが3.
56mmである鉄製のローラとフラットなローラの間を通
過させて、リブゴムシート14のVリブ部14b,…の
配設ピッチをVリブドベルト1のVリブピッチ(3.5
6mm)に合わせるようにしている。
【0052】<第2の工程>拡張ダイ12の出口部分を
通じて押出された円筒状リブゴムチューブ13をチュー
ブ軸線方向において切開して、平板状のリブゴムシート
14とされる。
【0053】具体的には、拡張ダイ12より押出された
円筒状リブゴムチューブ13は、図11に示すように、
二重円筒管31の外側に導入される。二重円筒管31
は、支持部材32,32を介して所定位置に位置するよ
うに支持されている。二重円筒管31の外側の筒部材3
3の中心にエアパイプ34が配設されてなり、該エアパ
イプ34を通じて供給される空気が、外側の筒部材33
の外側面に形成された空気吹出口33a,…を通じて空
気が吹き出され、二重円筒管31に対して浮遊状態で円
筒状リブゴムチューブ13が送りコンベヤ35によって
搬送され、引取コンベヤ36に引き取られるようになっ
ている。引取コンベヤ36によって引取られる際、二重
円筒管31の支持部材32,32に設けられた受けロー
ラ37と切開丸刃ロール38によって、円筒状ゴムチュ
ーブ13が長さ方向に切り開かれ、リブゴムシート14
となるように構成されている。尚、拡張ダイ12の出口
部分で、円筒状リブゴムチューブ13の押出し速度が検
出され、それに同期して送りコンベヤ35及び引取コン
ベヤ36が駆動されるようになっている。
【0054】このリブゴムシート14においては、短繊
維14aは予備成形されたVリブ14bが延びる方向と
直交する方向に配向されている。
【0055】ところで、切開かれたリブゴムシート14
は、加硫金型へのVリブドベルト成形体の成形に先立ち
一旦巻取る必要があり、それは周知の面巻取りで行うこ
とができるが、リブゴムシート14は未加硫であるため
巻取って行くと、自重で変形してしまい、又はシートの
各層間で粘着するという不具合がある。そのため、図1
2及び図13に示すように、リブゴムシート14に形成
されたVリブ部14b,…間の溝部14cに対応する形
状の凸部21a,…を有するカバーシート21(いわゆ
る合い布又はポリエステルシート)の該凸部21a,…
をVリブ部14b,…間の溝部14cに嵌合させて巻き
取ることで、リブゴムシート14の変形を防止すること
ができる。
【0056】それから、円筒状の加硫金型15に、リブ
ゴムシート14を除くベルト素材(具体的には、図14
に示すように、背面帆布22、接着ゴムシート23、心
体コード24、及び接着ゴムシート25)を順に組付
け、その後、それらの上に必要長さに切断されたリブゴ
ムシート14を巻き付け、Vリブドベルト成形体16
(未加硫)とする。このとき、ゴムシートの厚さ方向の
カット断面は30〜45°とされ、突合せ結合によるジ
ョイント効果を高めるようになっている。
【0057】尚、成形時においては、リブゴムシート1
4にテンションをできるだけ与えない方法で成形され、
また、リブゴムシート14を貼付けながら成形金型上で
必要長さに切断され、厚さ方向のカット面が30〜40
°となるようにして、突合せジョイントとし、ジョイン
ト効果を高めるようになっているた。
【0058】加硫金型15上にVリブドベルト成形体1
6が成形された状態で、図14に示すように、リブゴム
シート14の溝部14cにゴム型シート26の凸部26
aを嵌合させ該ゴム型シート26をリブゴムシート14
に巻き付けて、それを周知の如く加硫缶(図示せず)に
装填して加熱加圧により加硫成形し、その後、加硫金型
15から加硫が終了した成形物17を取り外す。リブゴ
ムシート14は、加硫後研削によって、最終形状に削り
出され、短繊維をリブ表面より露出させるようにしてい
ることから、ゴム型シート26の凸部26a,26a間
に形成される凹部は、完成品であるVリブドベルトのV
リブ(図14二点鎖線参照)よりも研削分に対応するボ
リューム分だけ大きくなるように形成されている。
【0059】尚、上記ゴム型シート26は例えばブチル
ゴムで成形され、その凸部26aがリブゴムシート14
のVリブ部14b,…間の溝部に対応した形状に製造さ
れ、成形後のリブゴムシートの上に巻き付けられる。ま
た、ゴム型シート26の安定化を図るべく、上記凸部2
6aのベースシート部として、円周の長手方向に対して
直角に短繊維を配向させたブチルゴムが用いられてお
り、Vリブ部の配列方向(周方向)に寸法の変化を少な
くし、長手方向に伸びやすい構造のものとした。尚、ブ
チルゴムのほか、EPT、EPDM等のポリマーを使用
しても、よい結果が得られることが確認されている。
【0060】また、加硫金型から加硫が終了した成形物
を抜くときには、型抜き時にかかるベルトへの引抜力に
よるベルトの変形や座屈を防止するために、ゴム型シー
ト26を付けたまま行う。
【0061】尚、加硫方法としては、上述した加硫缶に
よるほか、次の方法によっても加硫することができる。
【0062】(1) 周知のロート加硫機による方法 二軸の円筒よりなり表面に完成品VリブドベルトのVリ
ブとは反対でやや小さい目の形状で、同じリブピッチの
型を有し、二軸間はベルト長さによって変化でき、二軸
の一方に加硫用の熱源を通し、二軸間に成形ベルトを掛
けて、外側よりエンドレスになったスチールベルトで圧
力をかけ、二軸の熱源側の外から熱を加え、二軸が回転
しながら加硫する方法。
【0063】(2) 周知のプレスによる方法 二軸の間に成形済みベルトを掛け、二軸のベルトの間
に、完成品VリブドベルトのVリブとは反対でやや小さ
い目の形状で、完成品VリブドベルトのVリブと同じリ
ブピッチの金型を配設し(上下に配置してもよい)、二
軸のベルトの外側に平らな熱板を配設し、金型と熱板に
熱源を入れて、油圧によって加圧加熱し、熱板に接触し
ている部分のベルトを加硫し、順次送り焼き(加硫)す
る方法。
【0064】(3) 周知の3割金型による方法 円周方向の長さが3つに割れる金型で表面に同様の型を
有したものに、Vリブドベルト成形体を型に合わせて挿
入し、外部より円筒のゴムスリーブを被せて、加硫缶に
より差圧によって加熱加硫する方法。
【0065】<第3の工程>取り出された成形物17
の、Vリブが予備成形されているVリブ部17a,…の
リブ表面17b,…(リブ側面及びリブ底面)を研削し
て、Vリブドベルトが所望のリブ形状を有するように所
定のVリブを削り出す。尚、Vリブ形状の削り出しは、
特に制限されるものではなく、図1の二点鎖線Aに示す
ように各リブ表面について同じ厚さだけ削り出すように
するほか、図14に二点鎖線で示す形状のように厚さを
変えて削り出すようにすることもできる。
【0066】ここで、研削を行うのは、所定形状のVリ
ブの形状を削り出すためのほか、短繊維配合ゴムを加硫
すると、ゴム板の表面には短繊維が現れない現象が生ず
るので、短繊維をゴム表面に露出させて、摩擦係数の調
整や耐摩耗性を付与するためであるが、予備成形してい
るため、研削の仕事量は従来の方法に比べて大幅に少な
く、また、従来の如く加硫された平板状の底ゴムシート
からVリブを研削する場合に比べて、25〜30%の底
ゴムの研削ロスの節約になる。
【0067】研削終了後、必要とするVリブの数に合わ
せて、成形物17を切断し、所望のVリブドベルトを得
る。
【0068】続いて、本発明に係るVリブドベルトと従
来のVリブドベルトとについて行った試験結果を次の表
2、表3に示す。
【0069】
【表2】 上記表2より、本発明例の方が摩擦係数が大きくなるこ
とがわかる。
【0070】
【表3】 上記表3示す試験の結果より、本発明例は、従来例に対
し耐摩耗性、耐屈曲性、耐熱高負荷性、高負荷耐久性の
いずれについても優れていることがわかる。
【0071】ところで、一般に、カレンダシートをVリ
ブドベルトの底ゴム(リブゴム)に用いたVリブドベル
ト101の場合は、小プーリに適用して曲げた状態とす
ると、Vリブ101a,…の先端が左右方向に波打つ現
象が生じるが(図16参照)、上述した如く拡張ダイを
用いて押出し成形してなるリブゴムシートをVリブドベ
ルトの底ゴムに用いた場合には、Vリブドベルト1を小
プーリに適用して曲げた状態としても、Vリブ3,…の
先端が左右方向に波打つ現象が生じないことが確認され
ている(図15参照)。
【0072】これは、前者の場合は、短繊維が横方向に
配向されているため、膨らませる力が作用するが、その
作用が妨げられることから、その曲げ応力がVリブの先
端部に逃げ、先端部を波打たせると考えられるのに対
し、後者は、前者のように短繊維の配向が一方向に集中
していないため、他の方向にも分散していることから、
横方向に容易に膨らむと考えられるからである。
【0073】
【発明の効果】請求項1に係る発明は、上記のように、
Vリブを、短繊維配合ゴムからなり上記Vリブに対応し
かつ上記Vリブより若干大きい形状に押出し成形により
予備成形されたVリブ部のリブ表面を研削することによ
って形成するようにしたので、研削ロスを節約して安価
に製造できる。
【0074】請求項2に係る発明は、Vリブにおいて短
繊維をベルト幅方向に30%以上の配向率でもって配向
しているので、所望の耐側圧性が得られ、優れたベルト
特性も得られる。
【0075】請求項3に係る発明は、第1の工程におい
て、Vリブ部成形溝を有する拡張ダイを出口部分に備え
る押出し機によって、短繊維が円周方向に配向され上記
Vリブに対応しかつ上記Vリブより若干大きい形状に予
備成形されたVリブ部を外周部又は内周部に有する円筒
状リブゴムチューブを押出し成形し、第2の工程におい
て、上記円筒状リブゴムチューブを用いて加硫金型に対
しVリブドベルト成形体を成形し、加硫し、それから、
第3の工程において、加硫後のVリブドベルト成形体の
Vリブ部のリブ表面を研削してVリブを形成するように
しているので、円筒状リブゴムチューブに、短繊維の配
向を妨げることなく、リブに対応するリブ山を形成する
ことができる。
【0076】請求項4に係る発明は、拡張ダイの出口部
分を通じて押出された円筒状リブゴムチューブをチュー
ブ軸線方向において切開して、短繊維が幅方向に配向さ
れた平板状のリブゴムシートを得るようにしているの
で、その平板状のリブゴムシートを用いて、加硫金型上
にVリブドベルト成形体を簡単かつ容易に成形すること
ができる。
【0077】請求項5に係る発明は、第2の工程におい
て、Vリブドベルト成形体の成形に先立ち、切開された
リブゴムシートを、それのVリブ部間の溝部にカバーシ
ートの凸部を嵌合させて該カバーシートと共に巻き取る
ようにしたので、リブゴムシートを変形させることな
く、Vリブドベルト成形体の成形を行う場所まで運搬・
搬送することが可能である。
【0078】請求項6に係る発明は、第2の工程におい
て、加硫金型上に成形されたリブゴムシートのVリブ部
に、凸部間の溝部がVリブドベルトのVリブと同じピッ
チでVリブよりも小さい容積であるゴム型シートの凸部
間の溝部を係合するように該ゴム型シートをリブゴムシ
ートに巻き付けて加硫成形するようにしているので、V
リブ形状を精度よくかつ無理なく加硫成形することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Vリブドベルトの概略構成図である。
【図2】Vリブドベルトの製造方法の説明図である。
【図3】拡張ダイの断面図である。
【図4】同正面図である。
【図5】押出された円筒状リブゴムチューブの一部の斜
視図である。
【図6】拡張ダイの詳細断面図である。
【図7】拡張ダイの側面図である。
【図8】他の実施例の拡張ダイの断面図である。
【図9】同正面図である。
【図10】押出された円筒状リブゴムチューブの一部の
斜視図である。
【図11】円筒状リブゴムチューブをリブゴムシートに
する機構の説明図である。
【図12】カバーシートの斜視図である。
【図13】リブゴムシートにカバーシートを適用した状
態の斜視図である。
【図14】加硫金型上のリブゴムシートにゴム型シート
を適用した状態を示す概略断面図である。
【図15】本発明に係るVリブドベルトの説明図であ
る。
【図16】従来のVリブドベルトの説明図である。
【図17】従来のVリブドべルトの製造方法の説明図で
ある。
【符号の説明】
1 Vリブドベルト 2 ベルト基帯 3 Vリブ 11 押出し機 12 拡張ダイ 12a 内ダイ 12c 外ダイ 12c Vリブ部成形溝 13,18 円筒状リブゴムチューブ 14 リブゴムシート 14b Vリブ部 21 カバーシート 21a 凸部

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベルト基帯に対しベルト長手方向に延び
    る複数のVリブが形成されているVリブドベルトであっ
    て、 上記Vリブは、短繊維配合ゴムからなり上記Vリブに対
    応しかつ上記Vリブより若干大きい形状に押出し成形に
    より予備成形されたVリブ部のリブ表面を研削して形成
    されたものであることを特徴とするVリブドベルト。
  2. 【請求項2】 Vリブにおいて、短繊維がベルト長手方
    向、ベルト幅方向及びベルト上下方向に配向され、ベル
    ト幅方向の配向率が30%以上であるところの請求項1
    記載のVリブドベルト。
  3. 【請求項3】 短繊維配合ゴムを用いて、ベルト基帯に
    対しベルト長手方向に延びる複数のVリブが形成されて
    いるVリブドベルトを製造するVリブドベルトの製造方
    法であって、 Vリブ部成形溝を有する拡張ダイを出口部分に備える押
    出し機によって、短繊維が円周方向に配向され上記Vリ
    ブに対応しかつ上記Vリブより若干大きい形状に予備成
    形されたVリブ部を外周部又は内周部に有する円筒状リ
    ブゴムチューブを押出し成形する第1の工程と、 上記円筒状リブゴムチューブを用いて加硫金型に対しV
    リブドベルト成形体を成形し、それから加硫する第2の
    工程と、 加硫後のVリブドベルト成形体のVリブ部のリブ表面を
    研削してVリブを形成する第3の工程とを具備すること
    を特徴とするVリブドベルトの製造方法。
  4. 【請求項4】 第2の工程は、円筒状リブゴムチューブ
    をチューブ軸線方向に沿って切開してリブゴムシートと
    して、該リブゴムシートを用いて加硫金型に対しVリブ
    ドベルト成形体を成形するところの請求項3記載のVリ
    ブドベルトの製造方法。
  5. 【請求項5】 第2の工程において、Vリブドベルト成
    形体の成形に先立ち、リブゴムシートに形成されたVリ
    ブ部間の溝部に対応する形状の凸部を有するカバーシー
    トを用い、 リブゴムシートは、Vリブ部間の溝部に上記カバーシー
    トの凸部を嵌合させて巻き取られるところの請求項4記
    載のVリブドベルトの製造方法。
  6. 【請求項6】 第2工程において、リブゴムシートにそ
    のリブ部にゴム型シートの凸部間の溝部が係合するよう
    に該ゴム形シートが巻付けられて加硫が行われ、上記ゴ
    ム型シートの凸部間の溝部は、VリブドベルトのVリブ
    と同じピッチで、Vリブよりも小さい容積となっている
    ところの請求項3記載のVリブドベルトの製造方法。
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