JP3807848B2 - 車両用ホイールのディスク成形加工方法 - Google Patents

車両用ホイールのディスク成形加工方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に大、中型ホイールに用いられるディスクの製造方法に関し、特に円環を作製し、それをディスクに成形加工する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図11に示すように、自動車用ホイールのうち特に大、中型の自動車に用いられるホイールのディスク1は、基本板厚からなるハブ取り付け部2、ハブ取り付け部2に連なり、半径方向外方と軸方向内方に延び、先端にいくにしたっがて基本板厚よりも除々に薄くなる断面形状をもつ立ち上がり部3から構成されている。
立ち上がり部3は、ハブ取り付け部2に連なり半径方向外方と軸方向内方に斜めに延びる傾斜部3aと先端部で軸方向に延びる鉛直部3bにより構成されている。
この形状のディスクは図12に示すような工程により製作される。すなわち、まず、ほぼ正方形の板材7を用意する。次にプレス加工等により外周が円形で中心にガイド穴8aを有するブランク材8を作製する。次にコールドスピニングやまたは、図13に示すようにプレスによる絞り成形加工により、必要な板厚分布を有する立ち上がり部3を形成し、ディスク1の基本断面形状を作製する。そして、図11、図12、図13に示すように、ハブ穴4、ボルト穴5、飾り穴6、マルチプルドリルでナット座5aの面取り加工等を行い、ディスク1の完成品を作製する。
しかし、この従来方法では正方形の板材7からブランク材8を作製する際4ヵ所の隅の部分7aがスクラップに、また、また、中央に大径のハブ穴4を形成することによってハブ穴4の部分8aもスクラップになってしまう等、材料の無駄が多く、経済的ではなかった。
【0003】
このため、出願人は先に、材料歩留りを抜本的に改善した、矩形材からの車両ホイール用ディスクの成形加工方法を開発した(特開平5ー337581)。
この方法は矩形材を丸め、端末を溶接することによって円環を作製し、この円環を上型、下型いずれかが回動揺動する上型、下型間で加工し、2工程の揺動加工でディスクの基本断面形状を形成する方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この方法にもつぎの問題があった。
(1)2工程の揺動成形のみでディスクの全断面の成形を行うには揺動成形装置を相当大規模なものにしなければならず、装置の価格との関係でディスクの加工費用に経済的問題が生じてしまう。
(2)揺動成形による成形加工はいずれにしても基本の成形は上型、下型の上下動によるため、ディスクの軸芯方向と平行になるディスクの立ち上がり部の末端部位鉛直部3bの成形がむずかしく、その解決方法が求められていた。
本発明の目的は、材料歩留りがよく、設備費も小さい経済的な、大、中型ホイールディスクを効率的に品質よく製造できる方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明は次の通りである。
(1) 円環を作製する工程と、
前記円環を第1凸型、第1凹型間で、第1凸型、第1凹型を相対接近させながら、第1凸型、第1凹型のいずれか一方の型を他方の型の軸芯に対して所定の角度傾けた状態で他方の型の軸芯まわりに回転させて揺動させ、前記円環の一方の端部を口拡げ成形、他の一方の端部を口絞り成形することにより、中央に穴を有し半径方向外方にいくにしたがってなだらかに立ち上がる傾斜部からなる立ち上がり部を有するおわん形の第1ディスク素形状品を作製する工程と、
前記第1ディスク素形状品を第2凸型、第2凹型間で、第2凸型、第2凹型を相対接近させながら、第2凸型、第2凹型のいずれか一方の型を他方の型の軸芯に対して所定の角度傾けた状態で他方の型の軸芯まわりに回転させて揺動させることにより成形し、必要板厚を有し、フラットなハブ取り付け部、ハブ穴、傾斜部からなる立ち上がり部を有する第2ディスク素形状品を成形する工程と、
前記第2ディスク素形状品の立ち上がり部をスピニング加工することにより傾斜部と鉛直部からなり先端に向かって徐々に厚さが薄くなる断面形状をもつ立ち上がり部を備えたディスク形状を成形する工程と、
からなる車両用ホイールのディスク成形加工方法。
(2) 前記円環を作製する工程は、矩形材を丸めて、その両端部を溶接接合する工程からなる(1)記載の車両用ホイールのディスク成形加工方法。
(3) 前記円環を作製する工程は、引抜き、押出し、スパイラル溶接によりパイプ材を作製し、前記パイプ材を所定寸法に切断する工程からなる(1)記載の車両用ホイールのディスク成形加工方法。
(4) 前記矩形材は、同一の幅を有する圧延材を長手方向に切断することによって作製される(2)記載の車両用ホイールのディスク成形加工方法。
(5) 前記矩形材は、平板材を幅方向と長手方向に切断することによって作製される(2)記載の車両用ホイールのディスク成形加工方法。
(6) 前記第1ディスク素形状品を作製する工程の前に、少なくとも前記口絞りされる側の端面の角にチャンファ加工または面取り加工を施す(1)記載の車両用ホイールのディスク成形加工方法。
(7) 前記円環を作製する工程の後で、前記第1ディスク素形状品を作製する工程の前に、前記円環の突き合わせ溶接部の盛り上がり部を基本板厚とほぼ同程度になるように処理する工程を有する(2)または(4)または(5)記載の車両用ホイールのディスク成形加工方法。
(8) 前記円環を作製する工程の後で、前記第1ディスク素形状品を作製する工程の前に、円環の真円度を向上させる円環修正工程を有する(2)または(4)または(5)または(6)記載の車両用ホイールのディスク成形加工方法。
【0006】
上記(1)の方法では、円環を作製する工程と、この円環を凸型、凹型により揺動成形を行うことにより、一方を口拡げ、他方を口絞りされた中央に穴を有するおわん型の第1ディスク素形状品を作製する工程、次にこの第1ディスク素形状品を凸型、凹型により揺動成形を行い、ディスクのフラットなハブ取り付け部とハブ取り付け部の必要板厚、ハブ穴、立ち上がり部を有する第2ディスク素形状品を作製する工程、この第2ディスク素形状品の立ち上がり部をスピニング加工またはプレス加工することによりディスク形状を成形する工程とを、順次行うことにより、従来はプレス加工等では最も成形荷重が必要なディスクのハブ取り付け部周辺を揺動成形により周方向に局部的に加工し、これを周方向に順次加工することにより成形荷重が小さくとも容易に成形できる。また揺動成形ではその形状形成が難しい立ち上がり部はスピニング加工またはプレス加工により成形するようにしたので、品質の優れた大中型ホイールディスクを効率よく成形できる。
上記(2)の方法では、円環を作製する工程は、矩形材を丸めて、その両端部を溶接接合する工程によって行われるので円環を作製するのに大掛かりな設備を必要としない。
上記(3)の方法では、円環を作製する工程は、引抜き、押出し、スパイラル溶接によりパイプ材を作製し、前記パイプ材を所定寸法に切断する工程からなっているので、精度のよい円環が作製できる。
上記(4)の方法では、円環作製に用いる矩形材は同一の幅を有する圧延材を、長手方向に切断することによって作製されているので幅方向に切断加工が不要なため効率的である。
上記(5)の方法では、矩形材は平板材を幅方向と長手方向に切断することによって作製されるので汎用材を使用することができる。
上記(6)の方法では、第1ディスク素形状品を作製する工程の前に、少なくとも前記口絞りされる側の端面をチャンファ加工または面取り加工を施したので揺動成形の口絞り成形時に加工亀裂が生じることがない。
上記(7)の方法では、円環を作製する工程の後で、前記第1ディスク素形状品を作製する工程の前に、前記円環の突き合わせ溶接部の盛り上がり部を基本板厚とほぼ同程度になるように処理する工程を有するので、盛り上がり部が後工程によりディスクの各断面に成形されても盛り上がり部が断面に食い込んでその部分の強度を低下させることがない。
上記(8)の方法では、円環を作製する工程の後で、前記第1ディスク素形状品を作製する工程の前に、円環の真円度を向上させる円環修正工程を設けたので、円環作製時のフラッシュバット溶接工程の前に行う先曲げ工程で円環の内方に押さえられた部分が揺動成形時に折れ曲がり成形不良を生じることがない。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の望ましい実施例に係る車両用ホイールのディスク成形加工方法を図1〜図11を参照して説明する。まず、本発明のディスク成形加工に用いるディスクの素材となる円環を作製する工程を図6を参照して説明する。
まず、工程(A)に示すように所定の板厚、所定の幅、所定の長さを有する矩形材1を用意する。この矩形材1は所定の板厚と所定の幅を有する圧延材を作製するか、または、所定の板厚を有する板材を所定の幅と所定の長さに切断して作製する。
次の工程(B)によって主ロールとそれよりも径の小さい複数の小ロールからなるコイラーロールに前記矩形材を長手方向から挿入し、端末が接合されていない円環素材を作製する。
次の工程(C)の先詰、先曲げ工程で先端の隙間を詰めるとともに、次工程のフラッシュバット溶接工程で良好な溶接を行うため、先端部に平坦部を形成する。
次に工程(D)であるフラッシュバット溶接工程で先端部同士を溶接接合し円環を作製する。なお、この溶接工程はフラッシュバット溶接に限らず例えば、バット溶接、アーク溶接で行ってもよい。
【0008】
次に工程(E)で前の工程であるフラッシュバット溶接による盛り上がり部10wをグラインダー等によって切削し、平滑化する。この工程を設ける目的は後の工程でこの円環を用いてディスクを成形する際、例えば図7に示すように平滑にする工程を設けず、後工程の揺動成形を行った場合、図8に示すような溶接部の盛り上がり部10w1が成形されて所定板厚断面の中に折れ込み、欠陥の生じた断面10w2を形成してしまう。これを、図9のように溶接部を平滑化することによって、折れ込みが無くなり、図10のような欠陥の無い断面を形成することができる。
次に図6の工程(F)で、フラッシュバット溶接をするために、先詰、先曲げ工程により、円環素材の端末をフラットにしているため、このままだと円環の一部が半径方向内方に凹んだ円環になってしまい、後工程の揺動成形時に折れ曲がり成形不良を生じてしまうため、望ましくは、円環の真円度を向上させる円環修正工程を行う方がよい。
なお、円環を作製するには、この方法以外に、押出し、引抜き加工によりパイプ材を作製し、このパイプ材を所定の幅に切断して用意してもよい。
この方法では、精度のよい円環が作製できる。
円環を作製した後、または矩形材を用いて円環を作製する場合、少なくとも後工程において揺動成形で口絞りされる側の端面の角を図6の工程(A)の丸印部分を矢印で示すように、チャンファ加工または面取り加工を施しておくことが望ましい。この加工によってハブ穴に該当する部分から加工亀裂を生じることを防止することができる。
【0009】
次の工程では図1に示すように、、円環10を第1凸型14、第1凹型16間で、第1凸型14、第1凹型16を相対接近させながら、第1凸型14、第1凹型16のいずれか一方の型を他方の型の軸芯に対して所定の角度α傾けた状態で他方の型の軸芯まわりに回動させることにより揺動させ、円環10の一方の端部10aを口拡げ成形、他方の端部10bを口絞り成形することにより、中央に穴を有し、底部12bと半径方向外方にいくにしたっがてなだらかに立ち上がる立ち上がり部12aを有するおわん形の第1ディスク素形状品12を作製する。
ただし、第1凸型14の加工部14aの先端形状は円環10の端部10aを口拡げするために円環10の内径よりも小経となっていることが必要である。
また、第1凹型は円環10の外径を受け入れることができる斜面を有する鉢状の窪みが形成されている加工部16aを有しており、この加工部16aによって円環10の他方の端部10bを口絞りすることができる。
具体的には第1凹型16の加工部16aの斜面に円環10を固定しないで載せ、第1凹型16を上昇させて、第1凸型14の加工部14aに接近させて(第1凸型14を下降させて第1凹型に接近させてもよい。)円環10に軸圧縮力をかけつつ、第1凸型14の軸芯14cが第1凹型16の軸芯16cのまわりに回動して揺動するように第1凸型を回転揺動させ、円環10の一端部10aを口拡げ成形すると同時に他端部10bを口絞り成形し、先に述べたように中央に穴を有するおわん型の第1ディスク素形状品12を作製する。
揺動角度αは、1°〜5°が望ましい。これはあまり揺動角度を大きくするとワークが第1凹型からはずれるおそれがあり、良好な成形ができないからである。
【0010】
次の工程では、図3に示すように前工程で作製された第1ディスク素形状品12を第2凹型20に口絞りされた方を下側にして載せる。この工程では、ディスクのハブ取り付け部を最終形状に殆ど近い形状まで加工成形することが目的であるため、前の第1ディスク素形状品12を作製する工程とは違い、凹型20、凸型18ともその加工部20a、18aは完成品のハブ取り付け部と立ち上がり部とつなぐR形状が小さく形成されている。この工程においても、第1ディスク素形状品12は第2凹型20に固定しないで置かれる。
第2凸型の軸芯18cは第2凹型の軸芯20cに対して所定角度α傾けられた状態で回動されて揺動されるようになっている。図4に示すように、第2凹型20を上昇させて、第2凸型18の加工部18aに接近させて(第2凸型18を下降させて第2凹型20に接近させてもよい。)第1ディスク素形状品12に軸圧縮力をかけつつ、第2凸型18の軸芯18cが第2凹型20の軸芯20cのまわりに揺動回転するように第2凸型18を回動揺動させ、第1ディスク素形状品12の完成品ディスクのハブ取り付け部に該当する部分に揺動成形を行い、ディスクのハブ取り付け部の求められている板厚、および平面度などを主に成形し、ハブ取り付け部22b,立ち上がり部22aを有し、中央の穴もこの成形によって肉が中央に寄せられるため、ディスクの完成品のハブ穴に近い(ハブ穴よりも小さい)径をもつ第2ディスク素形状品22を作製する。
なお、本実施例においては、凸型、凹型とも上下に設置して成形加工するようにしてあるが、場合によっては凹型、凸型を左右において揺動成形を行ってもよい。
【0011】
次に、前記第2ディスク素形状品22を図5に示すように、ディスクの完成品の断面内側形状と同一の外形形状を持つマンドレル24に押さえ金具26によって取り付け、マンドレルを回転させながら、ディスク立ち上がり部22aをスピニングロール28によってマンドレル24に押しつけ、スピニング加工により図12に示すディスクの完成品で立ち上がり部3の傾斜部3aと鉛直部3bの部分の成形を行い車両用ホイールのディスクを作製する。
このディスクの立ち上がり部の成形は、例えば、立ち上がり部の板厚が均一の場合はプレスによる上下型によりその成形を行うことも可能である。
以上のように、揺動成形の特徴である、周方向に局部的に成形することを周方向に順次行うことにより、小さい荷重で効率のよい成形を行うとともに、成形が苦手なディスクの軸芯に平行な鉛直形状部をスピニング加工やプレス加工に置き換えることにより、すべての加工を揺動成形で行う場合よりもより、品質良く、しかも、総合的には効率よい車両用ホイールのディスクの加工方法を提供することができる。
【0012】
【発明の効果】
請求項1の方法によれば、円環を作製する工程と、この円環に凸型、凹型により揺動成形を行うことにより、一方を口拡げ、他方を口絞りされた中央に穴を有するおわん型の第1ディスク素形状品を作製する工程と、次にこの第1ディスク素形状品に凸型、凹型により揺動成形を行い、ディスクのフラットなハブ取り付け部とハブ取り付け部の必要板厚、ハブ穴、立ち上がり部を有する第2ディスク素形状品を作製する工程と、この第2ディスク素形状品の立ち上がり部をスピニング加工またはプレス加工することによりディスク形状を成形する工程とを順次行うことにより、従来はプレス加工等では最も成形荷重が必要なディスクのハブ取り付け部周辺を揺動成形により周方向に局部的に加工し、これを周方向に順次加工することにより成形荷重が小さくとも容易に成形できる。また、揺動成形ではその形状形成が難しい立ち上がり部はスピニング加工またはプレス加工により成形するようにしたので、品質の優れた大中型ホイールディスクを効率よく成形できる。
請求項2の方法によれば、円環を作製する工程で、矩形材を丸めて、その両端部を溶接接合するので、円環を作製するのに大掛かりな設備を必要としない。
請求項3の方法によれば、円環を作製する工程で、引抜き、押出し、スパイラル溶接によりパイプ材を作製し、パイプ材を所定寸法に切断するので、精度のよい円環が作製できる。
請求項4の方法によれば、円環作製に用いる矩形材が同一の幅を有する圧延材を、長手方向に切断することによって作製されているので、幅方向に切断加工が不要なため効率的である。
請求項5の方法によれば、矩形材は平板材を幅方向と長手方向に切断することによって作製されるので汎用材を使用することができる。
請求項6の方法によれば、第1ディスク素形状品を作製する工程の前に、少なくとも口絞りされる側の端面をチャンファ加工または面取り加工を施すので、揺動成形の口絞り成形時に加工亀裂が生じることを防止することができる。
請求項7の方法によれば、円環を作製する工程の後で、第1ディスク素形状品を作製する工程の前に、円環の突き合わせ溶接部の盛り上がり部を基本板厚とほぼ同程度になるように処理するので、盛り上がり部が後工程によるディスクの各断面に成形されても盛り上がり部が断面に食い込んでその部分の強度を低下させることがない。
請求項8の方法によれば、円環を作製する工程の後で、第1ディスク素形状品を作製する工程の前に、円環の真円度を向上させる円環修正工程を設けたので、円環作製時のフラッシュバット溶接工程の前に行う先曲げ工程で円環の内方に押さえられた部分が揺動成形時に折れ曲がり成形不良を生じることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明実施例のディスクの揺動成形方法を示す断面図である。
【図2】 本発明実施例のディスクの揺動成形状態を示す断面図である。
【図3】 本発明実施例のディスクの揺動成形方法を示す断面図である。
【図4】 本発明実施例のディスクの揺動成形状態を示す断面図である。
【図5】 本発明実施例のスピニング加工を示す断面図である。
【図6】 本発明実施例の円環の作製工程を示す工程図である。
【図7】 従来の円環の作製工程の欠点を説明する部分断面図である。
【図8】 従来の円環の作製工程の欠点を説明する部分断面図である。
【図9】 本発明の円環の作製工程の優位性を説明する部分断面図である。
【図10】 本発明の円環の作製工程の優位性を説明する部分断面図である。
【図11】 車両用ホイールのディスクの形状を示す断面図である。
【図12】 従来のディスクの製造工程を示す工程図である。
【図13】 従来のディスクの他の製造工程を示す工程図。
【符号の説明】
10 円環
12 第1ディスク素形状品
12a 立ち上がり部
14 第1凸型
16 第1凹型
16c 軸芯
18 第2凸型
20c 軸芯
20 第2凹型
22 第2素形状品
22a 立ち上がり部
22b ハブ取り付け部
22c ハブ穴
10w1 溶接部の盛り上がり部

Claims (8)

  1. 円環を作製する工程と、
    前記円環を第1凸型、第1凹型間で、第1凸型、第1凹型を相対接近させながら、第1凸型、第1凹型のいずれか一方の型を他方の型の軸芯に対して所定の角度傾けた状態で他方の型の軸芯まわりに回転させて揺動させ、前記円環の一方の端部を口拡げ成形、他の一方の端部を口絞り成形することにより、中央に穴を有し半径方向外方にいくにしたがってなだらかに立ち上がる傾斜部からなる立ち上がり部を有するおわん形の第1ディスク素形状品を作製する工程と、
    前記第1ディスク素形状品を第2凸型、第2凹型間で、第2凸型、第2凹型を相対接近させながら、第2凸型、第2凹型のいずれか一方の型を他方の型の軸芯に対して所定の角度傾けた状態で他方の型の軸芯まわりに回転させて揺動させることにより成形し、必要板厚を有し、フラットなハブ取り付け部、ハブ穴、傾斜部からなる立ち上がり部を有する第2ディスク素形状品を成形する工程と、
    前記第2ディスク素形状品の立ち上がり部をスピニング加工することにより傾斜部と鉛直部からなり先端に向かって徐々に厚さが薄くなる断面形状をもつ立ち上がり部を備えたディスク形状を成形する工程と、
    からなる車両用ホイールのディスク成形加工方法。
  2. 前記円環を作製する工程は、矩形材を丸めて、その両端部を溶接接合する工程からなる請求項1記載の車両用ホイールのディスク成形加工方法。
  3. 前記円環を作製する工程は、引抜き、押出し、スパイラル溶接によりパイプ材を作製し、前記パイプ材を所定寸法に切断する工程からなる請求項1記載の車両用ホイールのディスク成形加工方法。
  4. 前記矩形材は、同一の幅を有する圧延材を長手方向に切断することによって作製される請求項2記載の車両用ホイールのディスク成形加工方法。
  5. 前記矩形材は、平板材を幅方向と長手方向に切断することによって作製される請求項2記載の車両用ホイールのディスク成形加工方法。
  6. 前記第1ディスク素形状品を作製する工程の前に、少なくとも前記口絞りされる側の端面の角にチャンファ加工または面取り加工を施す請求項1記載の車両用ホイールのディスク成形加工方法。
  7. 前記円環を作製する工程の後で、前記第1ディスク素形状品を作製する工程の前に、前記円環の突き合わせ溶接部の盛り上がり部を基本板厚とほぼ同程度になるように処理する工程を有する請求項2または請求項4または請求項5記載の車両用ホイールのディスク成形加工方法。
  8. 前記円環を作製する工程の後で、前記第1ディスク素形状品を作製する工程の前に、円環の真円度を向上させる円環修正工程を有する請求項2または請求項4または請求項5または請求項6記載の車両用ホイールのディスク成形加工方法。
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