【発明の詳細な説明】
チオール排除方法発明の分野
本発明は、チオールを捕獲し、チオール化合物を選択的にジスルフィド化合物
に変換するための化学的方法に関する。本発明は同様に、ジスルフィドに変換す
るためのチオールとの選択的反応におけるチオール捕獲剤としての、新規のもの
を一部含むいくつかのチアジアゾール化合物の使用にも関する。発明の背景及び先行技術
チオール化合物は数多くの化学的及び生化学的系の中に存在しており、多くの
場合において、系からの選択的除去又は化学的変換を必要とする望ましくない又
は有害な化合物である。チオール基SH(メルカプト基又は水硫基とも呼ばれる)
は、往々にして、それを含有する化合物に対し悪臭特性を付与する。燃料鉱床(
例えば、鉱油、天然ガス及び石灰)といった鉱物は往々にして、悪臭のチオール
化合物で汚染されている。原油の抽出及び精製、石灰のガス化及び天然ガスの採
鉱からの気体流出物は、往々にしてチオールで汚染されており、環境規準を満た
すためそこからのチオール除去が必要となる。
例えば、シメチジン、ラニチジン及びニザチジンといったような或る種の薬品
の製造には、イオウ含有試薬の使用及びメチルメルカプタン副産物の製造が関与
する。これらの生成物の現行の廃棄方法は、焼部であるが、この方法は、「酸性
雨」の1成分として放出される硫酸の生成を導く。この状況下でチオールを捕獲
する改良され
た方法も同様に必要とされる。
チオール捕獲剤は、有機メルカプタンを捕獲するために診断プロセスにおいて
使用できる。同様にこれらは、例えばタンパク質の水硫基の検出における診断用
試薬としても使用可能である。
本発明に関連して特に興味深いのは、酵素といったような生化学チオール化合
物の捕獲である。数多くの酵素が、そのシステイン残基から誘導された活性チオ
ール基を含有している。生物学的系の中でのそのチオール基を修飾するための反
応によりかかる酵素の活性を可逆的に又は不可逆的に選択的に阻害することは、
かくして治療の基礎を形成しうる。かかる酵素の例としては、カテプシンB、パ
パイン、H+/K+−ATP アーゼ、インターロイキンβ−1変換酵素、タンパク質
ジスルフィドイソメラーゼ(HIV)がある。
カテプシンB及びLは、関節炎に不随する進行性軟骨及び硬骨退化を含めた、
数多くの疾病に関与してきた。これらのカテプシンの阻害物質は、関節炎の動物
モデルにおける炎症及び関節破壊の低減をひき起こした。カルシウム関連プロテ
アーゼカルパインI及びIIは、アルツハイマ病に関連づけされてきた。
インタロイキンベータ変換酵素(M.Mullican et al.,Bioorganic & Medicin
al Chem.Lett.,1994,2359)は、炎症性タンパク質インタロイキン−1b eta
の放出におけるその主要な役割のため、薬物発見の主要な標的となっている。イ
ンタロイキン−1ベータのレベルが過度になると、リウマチ様関節炎、乾癬、炎
症性腸疾患及びインシュリン依存性糖尿病を含む広範なさまざまな疾病の原因と
なる。チオールプロテアーゼと同様、その作用メカニズムには、活性部位におけ
るシステイン残基が関与している。
これらの酵素の提案されている可逆的阻害物質としては、ペプチドアルデヒド
、ニトリル、−ケトカルボニル化合物が含まれている
。提案されている不可逆的阻害物質には、ペプチドハロメチルケトン、ジアゾメ
チルケトン、アシロキシメチルケトン、ケトメチルスルホニウム塩、エポキシド
及びビニルスルフォンが含まれる。これらの化合物はチオールプロテアーゼ阻害
物質であることが知られているものの、その構造タイプのいずれも、薬物候補と
しての重大な有益性を見い出していない。
プロトンポンプとしても知られている酵素プロトンポンプ胃HS+/K+−ATP
アーゼは、哺乳動物における消化性潰瘍の発生に関与してきた。この酵素は同様
に、そのシステイン残基から誘導された活性チオール基を含有している。この酵
素の阻害は、人間における消化性潰瘍の治療の主要な基礎の1つである。酵素H+
/K+−ATP アーゼを阻害するためには、チオール捕獲剤を使用することができ
る。かかる化合物の一例としてはオメプラゾールがある。発明の要約
本発明は、或る種のチアジアゾールを反応させることを含む、チオール化合物
を捕獲するための新しい方法を提供する。本発明で用いられるチアジアゾールの
いくつかは、新しい化学化合物である。その他のチアジアゾールは既知の化合物
であるが、これまでこの用途のために提案されたことはない。本発明で用いられ
る化合物は、位置3では置換されているものの位置N−2では未置換である1,
2,4−チアジアゾール環構造により特徴づけされる。
本発明の方法で用いるための化合物の1群は、構造式I
5−a〕ベンゾイミダゾール、又はその薬学的に受容可能な塩であって、ここで
式中、
R1,R2,R3,R4は独立して、水素、低級アルキル、ハロ、ニトロ、アミノ
、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルキルアミノ、低級ジアルキルアミノ、
NR'R'',OC(O)R',OC(O)OR',OC(O)NR'R'',NR'(COR'),NHC(O)NR'R'',NHC(O)O
R',CONR'R''であり、
R’,R''は独立して、水素、低級アルキル、アリル又は低級アリルアルキル
であるか又はNR'R''中のR’及びR''はN原子と共に
素環を形成し、yは、
キシ、低級アルキル、低級シクロアルキル、低級アルコキシ、低級アルケニル、
低級アルキニル、アリル、低級アリルアルキル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイ
クリルオキシ、ヘテロサイクリル−低級アルキレン;R’及びR''が独立して水
素、低級アルキル、アリル及び低級アリルアルキルの中から選択されているか又
はR’及びR''が合わせられた時点でn=4又は5としてN原子と5又は6肢の
複素環 N(CH2)を形成するような基NR'R'';及びAがアミノ酸残基又は2〜3個
のアミノ酸残基のペプチドでありR’及びR''が上述のものと同じ定義をもつ基
ANR'R'',AORである基、
(2)ヘテロサイクリル、低級アルキレン−ヘテロサイクリル、低級アルキル
−低級アルキレンヘテロサイクリルアミノ、低級アルキレン−アミノ−ヘテロサ
イクリル又はアミノヘテロサイクリル(なお、複素環は、結果として安定した構
造を作り出す任意のヘテロ原子又は炭素原子にて付着させられ、複素環は、任意
には低級アル
キル;ヒドロキシ;ニトロ;アミノ;低級アルキルアミノ;ジ低級アルキルアミ
ノ;低級アルコキシ;ヒドロキシ、低級アルキルカルバモイル、フェニル、ハロ
フェニル、ヘテロサイクリル、カルボキシ及び低級アルコキシカルボニルの中か
ら選ばれた1〜3個の置換基で置換された低級アルキル;低級アシル;低級アル
コキシカルボニル;低級アルキルスルフォニル;アミド;アリル;ベンジル;任
意にはアミノ、ハロヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルキル、低級アルキル
アミノ又はジ低級アルキルアミノ又はジ低級アルキルアミノで置換されたフェニ
ル;任意にはニトロ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルキル、アミノ、ハ
ロ、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノの中から選ばれた1〜3個の置
換基で置換されたヘテロサイクリル、の中から選ばれた1〜3個の置換基で置換
されている。ただしここでヘテロサイクリル基Yは1−イミダゾリル又は置換さ
れた1−イミダゾリルのいずれでもないことを条件とする)、
(3)R’,R''が上述のものと同じ定義を有するものとしてNR'R''又は−CH2
−NR'R''、
(4)Aがアミノ酸残基又は2〜3個のアミノ酸残基のペプチドであるものと
して、ANR'R'',AOR、
(5)低級2−(アルコキシカルボニル)アルキル
(6)ハロ
(7)R8−CHOH−という構造式の基であって、R8が水素、低級アルキル、ア
リル、低級アリルアルキル、低級シクロアルキル、低級アルケニル、低級アルキ
ニル又はヘテロサイクリルであり、複素環が、結果として安定した構造を作り出
す任意のヘテロ原子又は炭素原子にて付着させられている基、
(8)R9−C(=NOR10)−という構造式の基であって、R10が
水素、低級アルキル又は低級アリルアルキルであり、R9が低級アルキル、アリ
ル、低級アリルアルキル、低級シクロアルキル、低級アルケニル、低級アルキニ
ル又はヘテロサイクリルであり、複素環が、安定した構造を結果として作り出す
任意の炭素原子にて付着されている基、
(9)低級アルコキシ、低級アリルアルコキシ、低級シクロアルコキシ、低級
ヘテロサイクリルアルコキシ又はヘテロサイクリルオキシ;
(10)任意には、低級アリル、ハロ、ニトロ、ヒドロキシ、低級アルコキシ又
は、R’及びR''が上述のものと同じ意味をもつものとして構造式NR'R'',OC(O
)R',OC(O)OR',OC(O)NR'R'',NR'(COR’),NHC(O)NR'R'',NHC(O)OR'をもつ基
の中から選ばれた1〜2個の置換基で置換された、
低級アルキルスルフォニル、低級アルキルスルフォニル、アリルスルフォニル
、アリルスルフィニル、低級アリルアルキルスルフォニル、低級アリルアルキル
スルフィニル、ヘテロサイクリルスルフォニル、ヘテロサイクリルスルフィニル
、
(11)R11が低級アルキルである、構造式−C(=NOH)COOR11の基、
(12)各々任意にはハロ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低
級アルキルアミノ、低級ジアルキルアミノ、R’及びR''が上述のものと同じ意
味をもつものとしてNR'R'',OC(O)R',OC(O)OR',OC(O)NR'R'',NR'(COR'),NHC
(O)NR'R'',NHC(O)OR'の中から選択された1〜2個の置換基で置換されている、
水素、置換済み低級アルキル、アリル、低級アリルアルキル、の中から選択され
ている。
本発明の方法において使用するための第2のクラスの化合物は、
ミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾールであって、ここで式中R5
及びR6は、上述の構造式IIのR1,R2,R3及びR4と同じ意味をもつ可能性が
あり、Yは先に定義づけされている。
という一般構造式IIIをもつ3置換、N−2未置換チアジアゾールであり、ここ
でYは以上で定義づけした通りであり、Tは、
(a)低級アルキル基、低級アルキルアリル基、第2又は第3アミン基、アミ
ノ酸残基又はアゾール、ピリジン、ピペラディン、ピペラジン及びモルフォリノ
の中から選ばれた複素環基、
又は(b)−M〔−AMA −〕L基、(なおここでMはチアジアゾ
された化学的スペーサ基であり、Lは、R’及びR''が以上で定義づけされた通
りとしてN末端ペプチド保護基又は末端基−OR’,NR
換基のうちのいずれか1つでありnが1〜3の整数であるものとしてアミノ酸又
はペプチド残基−〔NH−CHA1−CO〕−nである);
又は(c)Phがヒドロキシ、低級アルコキシ又はアミノで任意に
をもつ−NHPh又はジフェニルグアニジン基、
を表わしている。
という一般構造式をもつ3置換、N−2未置換チアジアゾールであり、ここでY
’は、低級アルキル、低級アルコキシ、アミノ、カルボキシル、低級アルコキシ
カルボニル又は任意には4位置で低級アルキルで置換された1ピペラジニル;ヒ
ドロキシ、低級アルキルカルバモイル、フェニル、ハロフェニル、ヘテロサイク
リル、カルボキシ及び低級アルコキシカルボニルの中から選ばれた1個又は2個
の置換基で置換された低級アルキル;ベンジル;任意にはアミノ、ハロ、ヒドロ
キシ、低級アルコキシ、低級アルキル、低級アルキルアミノ又はジ(低級アルキ
ル)アミノで置換されたフェニル;任意には、ニトロ、アミノ、ハロ、ヒドロキ
シ、低級アルコキシ、低級アルキル、低級アルキルアミノ又はジ(低級アルキル
)アミノの中から選択された1〜3個の置換基で置換されたヘテロサイクリル;
両方のフェニル環が任意にはハロ、アミノ、ヒドロキシ又は低級アルコキシで置
換された1,1−ジフェニルメチル;ピリジル環が任意には、ニトロ、アミノ、
ハロ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルキル、低級アルキルアミノ又はジ
(低級アルキル)アミノで置換されている2−ピリジル;又は−CH2−CO−NH−
低級アルキル基、であり;Qは、
(a)−T〔−AMA −〕L基、(なおここでTはチアジアゾール
た化学的スペーサ基であり、Lは、R’及びR''が以上で定義づけされた通りと
してN末端ペプチド保護基又は末端基−OR’,NR'R''
のうちのいずれか1つでありnが1〜3の整数であるものとしてアミノ酸又はペ
プチド残基−〔NH−CHA1−CO〕−nである;ただし、ここでQが−NHPhである場
合、Y’はアルコキシ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノ、ジ(ヒ
ドロキシアルキル)アミノではなく、Y’が4置換ピペラジニルである場合、
Qは−T−〔AMA〕−L基ではない)
を表わしている。
本発明のもう1つの態様は、ジスルフィド化合物を形成するためのチオール化
合物とのその反応におけるチオール捕獲剤としての以上に示した一般構造式をも
つ化合物の使用である。チオール化合物との反応は、例えば体液といった水性媒
質などの溶液中で、反応物の溶液又は懸濁液を維持するような温度及びその他の
適切な条件の下で行なわれる。図面の簡単な説明
図1は、本発明に従った3置換、1,2,4−チアジアゾール化合物の間の化
学的相互作用の一例である。
図2は、本発明の方法において使用するための最も好ましい化合物の調製のた
めの合成経路を例示している。
図3は、以下の例41の結果のグラフ表示である。好ましい実施形態の説明
本発明の薬学的方法すなわち、そのメルカプタン基の反応によるプロトンポン
プ酵素の阻害において使用される好ましい化合物は、これらの化合物のイミダゾ
〔1,2−d〕−チアジアゾール核がアミン、水酸化物又はヨウ化物といったよ
うなインビボで存在するその他の求核原子に向って制限された反応性しか示さな
い又は全く反応性を示さないとう事実により実証される通り、メルカプタン官能
基に対する特異性を示す。化学的モデル系においては、特に1,2,4−チアジ
アゾロ〔4,5−a〕ベンゾイミダゾールの複素環は、これらの求核原子に向か
って反応性をもたない。
本発明に従った方法で用いるための構造式I及びIIの特に好ましい化合物は、
R5及びR6が水素で、YがR7COであり、ここでR7は任意にはメチル及びメトキ
シの中から選択された1〜3個の置換基で置換された低級アルキル、アリル、水
素又は2−ピリジルである。
本発明に従った化合物の特に有利で好ましい一群は、アミノ酸又はペプチド残
基側鎖を有するものである。これらは、本発明に従うと、単環、2環又は3環化
合物であり得る。アミノ酸又はペプチド残基側鎖は、チアジアゾール環(Y基)
の3位置において2環又は3環核に付着しうる。単環化合物においては、このよ
うな側鎖は、位置3又は位置5で付着することができる。
本発明の中で用いられる単環化合物内の側鎖としてのアミノ酸又はペプチド残
基の使用は、特にそれらが位置5で核に付着している場合、化合物により阻害さ
れるべき酵素に対する結合親和性をもつような適切な基の選択を可能にする。そ
の上、結合親和性は、かかる側基を適切に選択することにより計画でき、かくし
て化合物は、化合物が攻撃すべきである酵素のチオール基に隣接する酵素のタン
パク様の鎖の上の1つの場所で酵素に結合するようになっている。以下で記述し
、添付図面の図1に例示されている通り、ジスルフィドを形成するためのチオー
ル化合物を攻撃する上で1手段となるのは、適切に選ばれた基Yにより活性化さ
れた本発明の化合物の−S−N=C−基である。−S−N=C−基から離れた位
置で化合物上に側鎖として適切に選ばれた酵素結合又は認識基が存在することに
より、化合物は、選択された酵素を探し出し、これに結合して、酵素のチオール
基の化学的攻撃を高めることができるようになる。本発明に従ったこの種の化合
物は、従って、認識側基の存在に起因して特定の選ばれた酵素に対するその攻撃
に関しきわめて選択的であり、かつそれらが遭遇する可能性のあるその他のチオ
ールに対しはるかに反応性の低いものである。
側基の特定の一例には以下の構造式のアミノ酸残基ロイシルイソアミルアミド
が含まれている:
基は、その−SH基に隣接した場所にあるカテプシンB及びパパインのための認識
配列である。従って、その5アミノ基を通してこの側基を支持する3−メトキシ
−5−アミノ−1,2,4−チアジアゾールといった化合物は、カテプシンL、
カテプシンB及びパパインの優れた阻害物質である。
カテプシンB及びLのためのペプチド認識配列は、以下の通りに定義づけでき
る(本発明の1,2,4−チアジアゾールの5位置に付着した状態で示されてい
る):
なおここでYは以上で定義づけした通りのものであり;
からの任意のα−基となるようにアミノ酸残基を表わしており、PGはヘテロサイ
クリルカルボニル、ベンゾイル、カルボベンジルオキシ及び第三ブトキシの中か
ら選択されたN保護基であり;B2は、水素、任意にはアミノで置換された低級
アルキル、グアニジノ又はN,N−ジ−(低級アルキル)グアニジノであり;n
は1又は2である。
本発明に従った2環及び3環化合物において、同じ基を利用することができる
。B2基として好ましいのは、水素、イソアミル又は4−グアニジノブチルであ
る。PG基として好ましいのは、カルボベンジルオキシである。(CO−CHA1−NH)n
基として好ましいのは、ジペプチドフェニルアラニル−アラニルである。
インタロイキンβ−1変換酵素の阻害のためには、本発明の化合物としての認
識側鎖は、好ましくはトリペプチド、例えば一般構造
A1−NH)は−バリニル−アラニニル−アスパルチル−であり、PGは好ましくは−
S−N=C−基から離れた位置、例えば本発明の単環チアジアゾールの位置5に
付着させられたカルボベンジルオキシである。
従って、本発明のための構造式IIIの付加的な特定的に好ましい化合物として
は、Tがアミノ酸又はペプチド残基を表わす化合物、例
Wが構造式AOR'又はANR'R''のペプチド残基又はアミノ酸である
本発明の方法において使用される全ての化合物は、位置でS−N
結合を分割するべくチオールと化学的に反応できるN−2で未置換の3置換1,
2,4−チアジアゾール環構造を特徴とする。これらの特徴が維持されることを
条件として、チアジアゾール核の位置4及び5における置換基及び基の範囲は、
化合物のこの必須の化学的反応性に重大な影響を及ぼすことなく、非常に広いも
のであり得る。
本書で使用されている用語は、以下の意味をもつ:
例えば低級アルキルに応用されているような「低級」という語は、1〜8個の
炭素原子を意味する。
単独又は組合せた形で用いられる「アリル」という語は、アリル、アルコキシ
、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノなどの中から選択された単数又は複数の置換基
を任意に支持するフェニル又はナフチルラジカル、例えばフェニル、p−トリル
、4−メトキシフェニル、4−(第3ブトキシ)フェニル、4−フルオロフェニ
ル、4−クロロフェニル、4−ヒドロキシフェニル、1−ナフチル、2−ナフチ
ルなどを意味する。
単独又は組合せた形で用いられる「アリルアルコキシカルボニル」という語は
、「アリルアルコキシ」が上述の意味をもつものとして構造式−C(O)−O−
アリルアルキルのラジカルを意味する。アリルアルコキシ−カルボニルラジカル
の一例としては、ベンジルオキシカルボニルがある。
「アリルアルキル」という語は、1つの水素原子がアリルラジカルによって置
換されているアルキルラジカル、例えばベンジル、フェニルエチルなどを意味す
る。
「シクロアルキルカルボニル」という語は、シクロプロパンカルボニル、シク
ロヘキサンカルボニル、アダマンタンカルボニルなどといった単環の又は架橋さ
れたシクロアルカンカルボン酸から、又
は任意には例えばアルキルアミノにより置換されているベンズ融合された単環シ
クロアルカンカルボン酸、例えば1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフトイ
ル、2−アセタミド−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフトイルから誘導
されたアシル基を意味する。
「アリルアルカノイル」という語は、アリル置換されたアルカンカルボン酸、
例えばフェニルアセチル、3−フェニルプロピニル、ヒドロシンナモイル、4−
フェニルブチリル、(2−ナフチル)アセチル、4−クロロヒドロシンナモイル
、4−アミノヒドロシンナモイル、4−メトキシヒドロシンナモイルなどから誘
導されたアリルラジカルを意味する。
「アロイル」という語は、芳香族カルボン酸から誘導されたアシルラジカルを
意味する。このようなラジカルの例としては、芳香族カルボン酸、任意に置換さ
れた安息香酸又はナフトエ酸、例えばベンゾイル、4−クロロ−ベンゾイル、4
−カルボキシベンゾイル、4−〔(ベンジルオキシ−カルボニル〕ベンゾイル、
1−ナフトイル、2−ナフトイル、6−カルボキシ−2−ナフトイル、6−〔(
ベンジルオキシ)カルボニル〕−2−ナフトイル、3−ベンジルオキシ−2−ナ
フトイル、3−ヒドロキシ−2−ナフトイル、3−〔(ベンジルオキシ)ホルム
アミド〕−2−ナフトイルなどが含まれる。
注釈のないかぎり本書で用いられている「ヘテロサイクリル」という語は、飽
和しているか又は不飽和であり、炭素原子及びN,O,Sから成るグループの中
から選択された1〜3個のヘテロ原子であり、しかも窒素及び硫黄ヘテロ原子が
任意には酸化されていてよく、窒素原子は任意には四元化されていてよく、上述
の複素環のいずれかがベンゼン環に融合されている任意の2環基を内含する、安
定した5〜7肢の単環又は2環又は安定した7〜10肢の2環複素環を表わしてい
る。複素環は、安定した構造を結果として作り出す任意のヘテロ原子又は炭素原
子において付着させることができる。一般にヘテロサイクリルとして知られてい
るかかる複素環元素の例としては、ピペリジニル、ピペラジニル、2−オキソピ
ペラジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピ
ロリジニル、2−オキソアゼピニル、アゼピニル、ピロリル、4−ピペリドニル
、ピロリジニル、ピラゾリル、ピラゾリジニル、イミダゾリル、イミダゾリニル
、イミダゾリジニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オ
キサゾリジニル、イソオキサゾリル、イソオキサゾリジニル、モルフォリニル、
チアゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、キヌクリジニル、イソチアゾリ
ジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、チア
ジアゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサゾリル、フリル、
テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、チエニル、ベンゾチエニル、テト
ラヒドロキノリニル(例、1,2,3,4−テトラヒドロ−2−キノリニル等々
)、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニル(例、1,2,3,4−テト
ラヒドロ−1−オキソ−イソキノリニル等々)、キノキサリニル、ベーターカル
ボリニル、2−ベンゾフランカルボニル、チアモルフォリニル、チアモルフォリ
ニルスルフォキシド、チアモルフォニリルスルフォン、オキサジアゾリルなどが
ある。複素環は、安定した構造を結果として作り出す単数又は複数の炭素原子又
はヘテロ原子上で置換させることができる。
「アミノ酸残基」というのは、そのD及びL光学異性体及びそのラセミ混合物
を含む天然に産出するアルファ、ベータ及びガンマアミノカルボン酸のいずれか
、及びこれらのアミノ酸のN−低級アル
キル−及びN−フェニル低級アルキル誘導体を意味する。アミノ酸残基は、アミ
ノ酸の窒素を通して結合される。本発明の中に取り込むことのできる天然に産出
するアミノ酸としては、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸
、システイン、シスチン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、
イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、オルニチン、フェニルアラニン
、プロリン、セリン、トレオニン、チロキシン、トリプトファン、チロシン、バ
リン、ベータアラニン及びガンマ−アミノブチル酸が含まれるが、これらに限ら
れるわけではない。好ましいアミノ酸残基としては、プロリン、ロイシン、フェ
ニルアラニン、イソロクシン、アラニン、ガンマアミノブチル酸、バリン、グリ
シン及びフェニルグリシンが含まれる。
グリシンを除く全てのアルファアミノ酸は、少なくとも1つの非対称炭素原子
を含有する。その結果、これらは光学的に活性で、ラセミ混合物としてD又はL
形態のいずれかで存在する。従って、本発明の化合物のいくつかは、光学的に活
性な形態で、又は本書で請求されている化合物のラセミ混合物として調製するこ
とができる。
Aがアミノ酸か又は2〜3個のアミノ酸残基のペプチドである「A」という用
語は、Aの左側でHN−ラジカルで開始し右側で−C(O)ラジカルで結合される
アミノ酸又はペプチドジラジカル(訳注;2つの対でない電子をもつ分子)を指
す。例えば、アミノ酸グリシンは、HAOHと略され、ここでAはHN−CH2−C(O
)である。
「アリルオキシアルカノイル」という語は、構造式アリル−O−アルカノイル
のアシルラジカルを意味する。
「ヘテロシクリロオキシカルボニル」という語は、ヘテロサイクリルが上で定
義づけした通りであるものとしてヘテロサイクリル−O−CO−から誘導されたア
シル基を意味する。
「ヘテロシクリルアルカノイル」という語は、ヘテロサイクリルが上述のもの
と同じ意味をもつものとして、ヘテロサイクリルで置換されたアルカンカルボン
酸から誘導されたアシルラジカルを意味する。
「ヘテロサイクリルアルコキシカルボニル」という語は、ヘテロサイクリルが
上述のものと同じ意味をもつものとして、ヘテロサイクリルで置換されたアルキ
ル−O−COOHから誘導されたアシルラジカルを意味している。
「アミノアルカノイル」という語は、アミノ基が、水素及びアルキル、アリル
、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキルラジカルなどが選択さ
れた置換基を含む第1、第2又は第3アミノ基でありうる、アミノ置換されたア
ルカンカルボン酸から誘導されたアシルラジカルを意味する。
「薬学的に受容可能な無毒性塩」というのは、親化合物の生物活性を保持し、
生物学的に又はその他の形で望ましくないものではない(例えば塩が安定してい
る)本発明の化合物の薬学的に受容可能な塩を意味する。本発明の化合物から次
のような2つのタイプの塩を形成することができる:(1)カルボン酸官能基を
有する構造式Iの化合物からの無機及び有機塩基の塩。(2)本発明の化合物の
うちの多くのもののアミン官能基において、酸性付加塩を形成させることができ
る。
無機塩基から誘導される薬学的に受容可能な塩としては、ナトリウム、カリウ
ム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、第一鉄、亜鉛、銅、
第一マンガン、アルミニウム、第二鉄、第二マンガンの塩などがある。特に好ま
しいのは、アンモニア、カリウム、ナトリウム、カルシウム及びマグネシウム塩
である。有機塩基から誘導された薬学的に受容可能な無毒性塩としては第1、第
2及び第3アミン、天然に産出する置換されたアミンを含む置換アミン、環式ア
ミン及び塩基性イオン交換樹脂の塩が含まれる。このような塩の例としては、例
えばイソプロポピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルア
ミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール
、トロメタミン、ジクロロヘキサミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフ
ェイン、プロカイン、ヒドラブラミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、
グルコサミン、メチルグルコサミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペ
リジン、N−エチルピペリジン、ポリアミン樹脂などがある。特に好ましい有機
無毒性塩基は、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、ピペ
リジン、トロメタミン、ジクロロヘキシルアミン、コリン及びカフェインである
。
薬学的に受容可能な酸性付加塩は、塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リ
ン酸などといった無機酸及び、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸
、しゅう酸、りん酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、ク
エン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸
、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸などの有機酸で形成される。
「動物」という語は、ヒトならびにその他全ての動物種、特に哺乳動物(例え
ばイヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタなど)、は虫類、魚、昆虫及びぜん虫を意味す
る。
本発明に従った方法において使用するためのいくつかの特定的な最も好ましい
化合物は、以下の通りのものである:
1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール;
)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール;
2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール;
リジニル)−1,2,4−チアジアゾロ−〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール;
−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール;
1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール;
アジアゾロ〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール;
5−ジメチル−2−ピリジル)オキソメチル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4
,5−a〕ベンゾイミダゾール;
,4−チアジアゾロ−〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール;
下記化学式で表される7−メトキシ−3−〔(4−メトキシ−3,5−ジメチ
ル−2−ピリジル)オキソメチル〕−1,2,4−チアジアゾーロ〔4,5−a
〕ベンゾイミダゾール;
下記化学式で表される3−(4−メトキシフェニルスルホニル)−1,2,4
−チアジアゾーロ〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール;
下記化学式で表される3−(1−オキソエチル)イミダゾ〔1,2−d〕−1
,2,4−チアジアゾール;
下記化学式で表される3(オキソフェニルメチル)イミダゾ〔1,2−d〕−
1,2,4−チアジアゾール;
下記化学式で表される3−(4−アセチル−1−ピペラジニル)−1,2,4
−チアジアゾーロ〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール;
下記化学式で表される3−〔4−(3−アミノ−2−ピリジル)ピペラジニル
〕−1,2,4−チアジアゾーロ〔4,5−a〕ベン
ゾイミダゾール;
下記化学式で表される3−〔4−(2−ピリジル)ピペラジニル〕−1,2,
4−チアジアゾーロ〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール;
下記化学式で表される3−〔4−(3−アミノ−2−ピリジル)ピペラジニル
−メチル〕−1,2,4−チアジアゾーロ〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール;
下記化学式で表される3−〔4−(2−ピリジル)ピペラジニル−メチル〕−
1,2,4−チアジアゾーロ〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール;
下記化学式で表される3−{〔4−(1−(4−クロロフェニル)−1−フェ
ニルメチル)−ピペラジニル〕メチル}−1,2,4−チアジアゾーロ〔4,5
−a〕ベンゾイミダゾール;
下記化学式で表される(3−メトキシ−1,2,4−チアジアゾル−5−イル
)カルバモイル−L−ロイシルイソアミルアミド:
および下記化学式で表される5−〔カルボベンジルオキシ−L−フェニルアラ
ニル−L−アラニンアミド〕−3−メトキシ−1,2,4−チアジアゾール:
本発明は、本発明に有用な化合物を製造する合成法を提供するものである。こ
れらの方法のいくつかは、一つの化合物を、他の異な
る前記化合物に転化させる。方法の選択は、所望のY基すなわち最終化合物の3
位の置換基によってほとんど決まる。
これらの方法に記載されているイミダゾ〔1,2−d〕チアジアゾール化合物
類と式IVで表される化合物類において、XとZはR5,R6、または総合するとイ
ミダゾリングに縮合しかつ任意にR1,R2,R3およびR4で置換されているベン
ゼンリングを表している。
二環式または三環式の化合物に適用できる第一の方法では、式Vで表され、か
つ2位に低級アルキルまたは低級アリールアルキルの置換基を有する対応する3
−オキソ化合物(以下に示す)を、不活性溶媒中で、YCN と反応させる。この方
法は、Yが低級アルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、1−
ハロアルキル、1,1−ジハロアルキル、ヘテロシクリル、低級アルキルスルホ
ニルまたはアリールスルホニルである化合物類に適切である。その反応は下記の
ように表すことができる。
適切なニトリル化合物類YCN(式中、Yは低級アルキル、アリール、アリールア
ルキル、シクロアルキル、1−ハロアルキル、1,1−ジハロアルキル、低級ア
ルキルスルホニル、アリールスルホニルまたはヘテロシクリルである)は、大部
分が、例えばAldrich Chemical Co.社から市販されている。あるいは、これらの
化合物は、当業界で公知の方法によって製造することができる(例えば、Sandle
r およびKaro著“Organic Functional Group Preparations”,Vo
l IのChapter 17,Academic Press社、1983年参照)。アセトニトリル、ベンゾ
ニトリル、2−シアノピリジン、シクロペンチルシアニド、ジブロモアセトニト
リル、6−シアノプリンおよびp−トルエンスルホニルシアニドが典型的な例で
ある。その反応は、通常、70〜140℃の高温で、トルエン、ジメチルホルムアミ
ドなどの不活性溶媒中にて、6〜24時間、好ましくは16時間行われる。場合によ
っては、YCN が溶媒として使用される。生成物は通常の方法で分離することがで
きる。
式IおよびIIで表される化合物類、すなわち二環式および三環式の化合物であ
って、式中のYがアミノ、低級アルキルアミノ、低級ジアルキルアミノ、チオア
ルキルである化合物も、式YCN で表されかつ式中の、Yがアミノ、低級アルキル
アミノ、低級ジアルキルアミノまたは低級チオアルキルである化合物を使用して
製造することができる。この範疇のYCN の例はシアナミド、1−ピペリジンカル
ボ−ニトリル、チオシアン酸メチルであり、これらは市販されている。また化合
物類YCN は、文献記載の方法にしたがって臭化シアンから合成することもできる
(FieserおよびFieser著、“Reagents in Organic Synthesis”John Wiley and
Sons社1967年、の 174頁参照)。
式Vで表される2−アルキル−1,2,4−チアジアゾーロ〔4,5−a〕ベ
ンゾイミダゾール−3(2H)−オン類は、Martinら、Tetrahedron,39巻2311
頁1983年の方法にしたがってイソシアン酸アルキルと2−メルカプトベンゾイミ
ダゾールから製造される。式Vで表される2−アルキルイミド−アゾ〔1,2−
d〕−1,2,4−チアジアゾール−3(2H)−オン類は、Tittlebachら、J
.Prakt Chem.,330巻 338〜348 頁1988年の方法によってイソシアン酸アルキル
および2−メルカプトイミダゾールから製造される。
上記2−メルカプトベンゾイミダゾール類は、市販されているか、または当業界
で周知の方法もしくは文献中の容易に利用できる方法で製造できる。市販されて
いる2−メルカプトベンゾイミダゾール類としては、5−メチル−2−メルカプ
トベンゾイミダゾール、5−メトキシ−2−メルカプトベンゾイミダゾール、5
−クロロ−2−メルカプトベンゾイミダゾールがある。市販されていない適切な
2−メルカプトベンゾイミダゾールは公知の方法で製造できる。製造法としては
、Billeterら、Ber.,20巻 231頁1987年;Org.Synth.,Coll.Vol 4,569 頁;
Futakiら、J.Pharm.Soc.Jpn.,74巻1365頁1954年;Bucknallら、Nature,213
巻1099頁1967年の方法がある。
最終化合物中の基YがR7−C=Oであり、そのR7が低級アルキル、アリール
、低級アリールアルキル、低級シクロアルキル、低級アルコキシ、アミノ、低級
アルキルアミノ、低級ジアルキルアミノ、ヘテロシクリルであり、そのヘテロシ
クリル環は、いずれかのヘテロ原子もしくは炭素原子と結合されて安定な構造の
NR'R'',ANR'R'',AOR’を創製し、そのAはアミノ酸残基または2〜3個のアミ
ノ酸残基を有するペプチドありかつR’,R''は上記定義と同じである二環式お
よび三環式の化合物を製造するのに利用できる第二
級アルキルまたは低級アリールアルキルの置換基を有する対応する3−オキソ化
合物すなわち上記第一の方法で使用した式Vで表される化合物と下記のように反
応させる。
上記反応は、ジクロロメタン、テトラヒドロフランまたはジメチルホルムアミ
ドのような不活性溶媒中で行うことができる。上記反応は、室温で、3〜48時間
、通常は約6時間行われる。次に、得られた固体を通常の方法で単離する。
大部分のシアノケトン類、式VIで表されるシアノエステル誘導体は市販されて
いる。本発明で使用されるシアノケトン誘導体は市販されているかまたは当業界
で公知の方法で製造することができる。市販のシアノケトン類としては、ベンゾ
イルシアニド、アセチルシアニド、メトキシカルボニルシアニドがある。市販さ
れているシアニド誘導体のリストは入手できる(Chem Sources,U.S.A.24版1983
年、米国フロリダ州オーモンド・ビーチ所在のDirectories Publishing Company
Inc.社)。市販されていない適切なシアノケトン類、シアノエステル類は、当
業界で公知の方法によって容易に製造することができる。これらの方法としては
、例えばMathieu ら、“Formation of C-C Bonds”のVol I,456〜457 頁(Geor
ge Thieme Verlag 1973年、ドイツシュトゥットガルト所在)の方法がある。他の
適切な方法としては、Koenigら、Tet.Lett.,2275頁1974年およびAndoら、Synt
hesis,637頁1983年の方法がある。これらの方法には、酸塩化物をシアン化第一
銅またはシアン化カリウムと反応させる方法が含まれている。
あるいは、式Iで表され式中のYがR7−C=OでありR7が前記定義と同一で
ある化合物は、式Iで表され式中のYがR7−C(
Hal)2でありHal がハロゲンである化合物を加水分解することによって製造する
ことができる。このような加水分解反応は、強い酸性の媒体内または硝酸銀水溶
液中で実施することができ、下記反応式で表すことができる。
上記第二の方法の場合のようなY基を有するイミダゾールとベンゾイミダゾー
ルの生成物を製造する第三の方法では、最終ステップとして、式VIで表される2
−チオエーテルジアゾール化合物を、不活性溶媒中で、m−クロロ過安息香酸(M
CPBA)と反応させて環化させ1,2,4−チアジアゾール環を生成させる反応が
行われ、下記反応式で表すことができる。
ブロモヘテロシクリルアセトニトリル誘導体(VII)を、塩基中で2−メルカ
プトベンゾイミダゾール(VIII)と反応させて式VIで表される化合物を得ること
ができる。これらの塩基の例としては、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム
がある。この反応は、水とアルコールの混合物中で室温にて約1〜16時間、好ま
しくは8時間行われ、生成化合物VIは通常の方法によって単離される。
化合物VIは、ジクロロメタンまたは1,2−ジクロロエタンのような不活性溶
媒中で、m−クロロ過安息香酸と反応して式Iで表され式中のYがR7−C=O
である化合物を生成する。この反応は、室温で約3〜8時間、好ましくは3時間
行われる。生成物は通常の方法で単離される。
一方、上記ブロモヘテロシクリルアセトニトリル(VII)誘導体は、四塩化炭
素のような不活性な溶媒中で、式Xで表される化合物とN−ブロモスクシンイミ
ドを反応させることによって製造される。
第四の方法は、下記のように、式IAで表される化合物を出発化合物として用
いて、これを誘導体化し、式Iで表される化合物であって、式中のYが−CHOH−
R7(式IB)、または−C=NOH −R7(式IC)または−COOH(式ID)であ
る化合物を生成する。
式IBで表される化合物は、式IAで表される対応する化合物類(式中YはR7
−C=Oである)を、アルコール中でホウ水素化ナトリウムまたはシアノホウ
水素化ナトリウムによって還元することによって製造することができる。式IB
で表される化合物は通常の方法で単離することができる。
式ICで表される化合物は、式Iで表され式中のYがR7−C=
Oである化合物を、ヒドロキシルアミン誘導体類と反応させることによって製造
することができる。ヒドロキシアミン類の例は、ヒドロキルアミン、メトキシル
アミン、エトキシルアミン、ベンジルオキシルアミンである。ケトンのオキシム
の転化は当業界でよく報告されている(例えば、Sandler およびKaro著、“Orga
nic Functional Group Preparations”1989年、Vol III,Chapter II参照)。
式IDで表され式中のR7がヒドロキシである化合物は、式Iで表され式中の
YがR7−C=OでありR7が低級アルコキシである化合物を塩基で加水分解する
ことによって製造することができる。この反応は、水と有機溶媒、例えばメタノ
ール、エタノール、1,4−ジオキサンまたはアセトニトリルとの混合物中、室
温にて、1Mの水酸化ナトリウムによって行われる。生成物は、上記塩基を希酸
で中和した後、通常の方法で単離される。
式IおよびIIで表され式中のYがハロゲンである化合物を、本発明にしたがっ
て、製造するのに利用できる第五の方法は、第一と第二の方法で使用したのと同
じの式Vで表される出発化合物を用い、下記のように前記式Vで表される化合物
をハロゲン化シアンと反応させる。
この反応は不活性溶媒中で行われる。生成化合物は通常の方法で単離される。
第六の方法では、式IおよびIIで表され式中のYがハロゲンである出発化合物
、例えば上記第五の方法で製造される化合物を用い、
その出発化合物を、第一級もしくは第二級のアミンまたはアルコールと反応させ
て、式Iで表され式中のYがNR'R'',AOR’ANR'R'',OR’でありR’,R''が前
記定義と同じある化合物が得られる。この方法は、出発物質中のYが臭素のとき
、最もうまく行われる。この反応は次のように示すことができる。
求核試薬、例えば低級アルコキシド類、アリールオキシド類、低級アリールア
ルコキシド類、低級シクロアルコキシド類、アンモニア、低級アルキルアミン類
、低級ジアルキルアミン類、ヘテロ環式アミン類、HNR'R'',HANR'R'',HAOR'(
式中、Aはアミノ酸残基または2〜3個のアミノ酸残基からなるペプチドである
)を、式Iで表され式中のYが臭素である化合物と不活性溶媒中で反応させて、
式Iで表され式中のYが低級アルコキシ、アリールオキシ、低級アリールアルコ
キシ、低級シクロアルコキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、低級ジアルキルア
ミノ、NR'R'',ANR'R'',AOR'(式中Aはアミノ酸残基または2〜3個のアミノ酸
残基からなるペプチドである)である化合物が得られる。
第七の方法は、式IおよびIIで表され式中のYがCOOHである化合物(上記第四
の方法で製造できる)を本発明にしたがって出発物質として用い、その出発物質
を、アミンと反応させて、式Iで表され式中のYがCO−R7でありR7がNR'R'',
AOR',ANR'R'' である化合物が以下に示すように得られる。
このように、式IおよびIIで表され、式中のYがR7−C=Oであり、かつR7
がNR'R'',AOR',ANR',R''である化合物は、式Iで表され式中のYがCOOHである
カルボン酸化合物を、アミノ酸アミドのHANR'R''またはアミン類のHNRR''または
アミノ酸エステルのHAOR’と、例えば1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3
−エチルカルボジイミド(EDCI)およびヒドロキシベンゾトリアゾールなどの脱
水剤の存在下、例えばテトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドまたはジクロ
ロメタンなどの不活性溶媒中で反応させることによって製造することができる。
Yが低級アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロシクリルスルホニ
ル、低級アリールアルキルスルホニル、低級アルキルスルフィニル、アリールス
ルフィニル、ヘテロシクリルスルフィニルまたは低級アリールアルキルスルフィ
ニルである化合物を製造するのに利用できる第八の方法は、対応するチオエーテ
ル化合物を、予め決められた化学量論的量の酸化剤と反応させることからなる方
法であり、以下に示す。
上記式中、nは1または2である。この方法に使用する好ましい酸化剤はメタ
−クロロ過安息香酸mCPBA であるが、その外にかような酸化剤として適切な酸化
剤が多数ある。
本発明による好ましい方法の1つは、ヒトにおける胃潰瘍を治療するために、
in vitroまたはin vivo において酵素を阻害すること、特にプロトンポンプ酵素
H+/K+−ATP アーゼを阻害することである。消化性潰瘍の治療における主要な
発展は、H+/K+−ATP アーゼインヒビターの導入で実現した。酵素H+/K+−
ATP アーゼは、また、プロトンポンプとして知られており、胃壁細胞の膜の中に
位置し、プロトンを血液から管腔に輸送する役割をし、胃内容物のpHを低下し、
これにより消化性潰瘍を悪化する。この酵素を捕捉し、これにより消化性潰瘍を
治療する手段を提供する、本発明の方法の有効性は、下記の特定の実施例におい
て証明される。しかしながら、本発明の方法は、フェネチルメルカプタンに対す
るそれらの反応性に関して後述するように、生化学的(酵素的)および工業的双
方の、広範な種類の他のチオール捕捉化学系に適用可能である。
チアジアゾール化合物はS−S結合の形成によりチオール含有化合物を捕捉す
るので、それらはシステインのSH変性剤であることができる。したがって、チオ
ール捕捉剤は酵素上のシステイン残基の化学的変性における親和性標識として使
用することができる。これらの化合物はシステイン残基を含有する酵素に対する
親和性標識として機能することができるので、それらは多数の生理学的酵素、例
えば、カテプシンB、パパイン、インターロイキン、β−1変換酵素、およびタ
ンパク質ジサルファイドイソメラーゼ(HIV)、ならびにH+/K+−ATP アーゼの
有用なインヒビターである。酵素の経路は種々の生理学的状態および疾患の状態
に関係づけられるので、本発明の化合物は多数の潜在的治療的実用性を有する。
また、チオール捕捉剤は酵素およびタンパク質上のシステイン残基と反応し、
これにより酵素の生化学的性質を変更することができ
る。チオール捕捉剤は、システイン残基含有酵素の有用な安定剤および増強剤で
あることができる。これらの治療的に重要な酵素のいくつかの例は、PC1コンバ
ーターゼ、フリンである(O’Rabilly S.et al.,New England Journal of Med
icine,1995,23,1386-1390を参照のこと)。PC1はペプチド GLP−1へのプロ
グルカゴンのプロセシングに関係するコンバーターである。GLP−1のレギュレ
ーターは糖尿病および肥満症の治療のための有用な治療剤であることができる。
本発明の化合物はチオール捕捉剤であり、そしてシステイン含有酵素の安定剤お
よび増強剤として使用することができる。
本発明の方法における化合物の反応性は、フェネチルメルカプタンとのそれら
の反応性により例示することができる。これは添付図面の第1図に一般的に図解
されており、チオール試薬のRはフェネチル基を表す。さらに、先行技術(Im e
t al.,J.Biol.Chem.1985,260,4591 : Sturm et al.,J.Org.Chem.1987
,52,4573 ; Lorentzon et al.,Biochim.Biophys.Acta,1985,817,25)に
基づいて、フェネチルメルカプタンは酵素の1または2以上のチオール基に対す
る化合物の反応性を検査するためのH+/K+−ATP アーゼのモデルとして有用で
ある。式Iの化合物は不活性溶媒中でフェネチルメルカプタン(RSH=PhCH2CH2SH
、第1図)と反応して式XIの化合物を生成することが見出された。式XIの化
合物は追加のモルのフェネチルメルカプタンと反応して式XIIの化合物を生成し
、後者は分解して式XIIIおよび式XIVの化合物を生成する。
1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールを開環して式X
IIの化合物を生成するために、1モルの基質について最小2モルのフェネチルメ
ルカプタンが必要である。一般に、開環反応は2モルのフェネチルメルカプタン
では遅い。大過剰量のフェ
ネチルメルカプタン(例えば、25倍)を使用するとき、反応速度は急速に増加す
る。本発明において使用する化合物は第1図に記載する方法に従いフェネチルメ
ルカプタンと急速に反応することが見出された。ジサルファイドは単離すること
ができないであろう。なぜなら、ジサルファイドは第2メルカプタンと急速に反
応して、フェネチルメルカプタンのジサルファイドおよび例示する中間体を生成
することが見出されたからである。捕捉されたチオール中間体が分解してジサル
ファイドを形成することは、また、H+/K+−ATP アーゼのための化学的モデル
において観察された(Lindberg et al.,J.Med.Chem.1986,29,1329)。実際
の酵素において、他のチオール基の攻撃を包含する第2工程は、2つの酵素のア
プローチを禁止する立体化学的因子のために起こらないか、あるいは他の近接チ
オール基が存在する場合、ジサルファイド結合の形成に導くであろうことは注目
に値する。双方の場合において、これは酵素の阻害に導くであろう。
本発明によれば、3−メトキシ−5−アミノ−1,2,4−チアジアゾールの
ような化合物は有機溶媒、例えば、メタノール中でベンジルメルカプタンと反応
して、3−チオカルバモイルメトキシイソ尿素を生成することが見出された:
他の1,2,4−チアジアゾール、例えば、3−メトキシ−5−
ジベンジルアミノ−1,2,4−チアジアゾール、3−メトキシ−5−ベンジル
アミノ−1,2,4−チアジアゾールおよび3,5−ジ(3−ピリジル)−1,
2,4−チアジアゾールは同様な条件下にベンジルメルカプタンと反応しない。
チオール捕捉剤としての一環式1,2,4−チアジアゾールの化学的反応性は、
環系の3および5位における置換基に依存する。
1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール誘導体は、メル
カプタンと同様な反応を行う。
RSH がチオフェノールであるとき、生ずるPh−S−S−Ph二量体を単離すること
ができる。また、この反応はヘテロサイクルの3位にから選択される置換基をも
つ種々の1,2,4−二環式および三環式1,2,4−ヂアジアゾールについて
一般的である。
本発明の方法において好ましい化合物は、440 より小さい分子量を有するヘテ
ロサイクルである。これらの分子のlogPのスペクトル、すなわち、オクタノール
と水との間の分配係数は0.5 から4.0 まで変化し、これは大部分の既知の薬物の
親油性の範囲をカバーする。これらは治療剤の開発において重要な因子であり、
そしてチオール含有酵素の阻害が疾患の治療に対する潜在的解決法である疾病に
おける治療剤として、個々の類似体が潜在的用途を有することができることを反
映する。
メルカプタン官能基に対する本発明の方法において使用する化合物の特異性は
、これらの化合物がin vivo において存在する他の求核性物質、例えば、アミン
、水酸化物またはヨウ化物イオンに対して制限された反応性を有するか、あるい
は反応性をまったくもたないという事実により示される。化学的モデル系におい
て、1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールのヘテロサイ
クル環はこれらの求核性物質に対して非反応性である。
本発明による方法におて使用するための、1つの特定の、好ましい化合物は、
7−メトキシ−3−〔(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)オキ
ソメチル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールであ
る。この分子はヘテロサイクル環の3位に電子吸引性基を有する。それは水中で
制限された溶解度を有する。この化合物の構造はX線結晶学により証明された。
1Hおよび13C NMR,IR、質量分析および元素分析は、この化合物の化学的同
一性について追加の証拠を提供した。その製造、特性決定および性質のそれ以上
の特定の詳細は、下記の特定の実施例に記載されている。この化合物は、動物モ
デルにおける胃酸分泌の抑制において活性である。
消化性潰瘍の治療のために、この化合物は、本発明の方法において、慣用の無
毒の薬学上許容される担体、アジュバントおよびベヒクルを含有する投与単位処
方物で経口的、局所的、または非経口的に投与することによって使用できる。本
明細書において使用する用語非経口的は、皮下注射または注入の技術を包含する
。温血動物、例えば、マウス、ラット、ウマ、畜牛、ヒツジ、イヌ、ネコ、およ
びその他の治療に加えて、本発明の化合物はヒトの治療において有
効である。
組成物について、慣用の無毒の固体状担体は、例えば、医薬の等級のマンニト
ール、ラクトース、澱粉、ステアリン酸マグネシウム、ナトリウムサッカリン、
タルク、セルロース、グルコース、スクロース、炭酸マグネシウム、およびその
他を使用することができる。上記において定義した活性化合物は液状の薬学上投
与可能な組成物として処方することができ、これらは、例えば、上記において定
義した活性化合物および必要に応じて薬学上許容されるアジュバントを担体、例
えば、水、生理食塩水、水性デキストロース、グリセロール、エタノール、およ
びその他の中に溶解し、分散させる、などすることによって、溶液または懸濁液
を形成することができる。必要に応じて、投与すべき医薬組成物は、また、少量
の無毒の補助物質、例えば、湿潤剤または乳化剤およびその他、例えば、酢酸ナ
トリウム、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミン酢酸ナトリウム、
トリエタノールアミンオレエートおよびその他を含有することができる。このよ
うな投与形態を製造する他の方法は既知であるか、あるいは当業者にとって明ら
かであろう:例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences,Mack Publshing
Company、ペンシルベニア州イーストン、第15版、1975、を参照のこと。投与す
べき処方組成物は、いずれの場合においても、治療される被検体の症候を軽減す
るために有効である量で1種または2種以上の活性化合物を含有するであろう。
活性成分を含有する医薬組成物は、経口的使用に適当な形態、例えば、錠剤、
トローチ剤、ロゼンジ、水性または油性の懸濁液、分散性粉剤または顆粒、乳濁
液、硬質および軟質カプセル剤、あるいはシロップ剤またはエリキシル剤である
ことができる。経口的使用に意図される組成物は、医薬組成物の製造についてこ
の分野におい
て知られている方法に従い製造することができ、そしてこのような組成物は甘味
剤、香味剤、着色剤および保存剤から成る群より選択される1種または2種以上
の物質を含有して、薬学上エレガントな、味のよい調製物を提供する。錠剤はそ
の製造に適当な無毒の薬学上許容される賦形剤と混合して活性成分を含有する。
賦形剤は、例えば、不活性希釈剤、例えば、リン酸カルシウムまたはリン酸ナト
リウム;造粒剤および崩壊剤、例えば、コーンスターチ、またはアルギン酸;結
合剤、例えば、澱粉、ゼラチンまたはアカシアゴム;および滑剤、例えば、ステ
アリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクであることができる。錠剤は
既知の技術により被覆して、胃腸の中の崩壊および吸収を遅延させ、これにより
長期間にわたる持続作用を提供することができる。グリセリルモノステアレート
またはグリセリルジステアレートを使用することができる。
経口的に使用するための処方物は、また、活性成分を不活性固体状希釈剤、例
えば、リン酸カルシウムまたはカオリンと混合する、硬質ゼラチンのカプセル剤
として、あるいは活性成分を水または油性媒質、例えば、落花生油、液状パラフ
ィン、またはオリーブ油と混合する、軟質ゼラチンカプセル剤として提供するこ
とができる。
水性懸濁液はその製造に適当な賦形剤と混合して活性成分を含有する。このよ
うな賦形剤は、懸濁剤、例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、
ポリビニルピロリドン、ガムおよびアカシアゴムである。分散剤または湿潤剤は
天然に存在するリン酸塩、例えば、レシチン、またはアルキレンオキシドと脂肪
酸との縮合生成物、またはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生
成物、例えば、ヘプタデカエチレンオキシカテコール、またはエチレンオキシド
と脂肪酸およびヘキシトール無水物から
誘導された部分的エステルとの縮合生成物、例えば、ポリエチレンソルビタンモ
ノオレエートであることができる。水性懸濁液は、また、1種または2種以上の
保存剤、例えば、エチル、またはn−プロピル、p−ヒドロキシベンゾエート、
1種または2種以上の着色剤、例えば、スクロースまたはサッカリンを含有する
ことができる。
油性懸濁液は、植物油、例えば、落花生油、オリーブ油、大豆油またはヤシ油
の中に、あるいは鉱油、例えば、液状パラフィンの中に、活性成分を懸濁させる
ことによって処方することができる。油性懸濁液は、増粘剤、例えば、蜜蝋、硬
質パラフィンまたはセチルアルコールを含有することができる。甘味剤、例えば
、前述のもの、および香味剤を添加して、味のよい経口調製物を提供することが
できる。これらの組成物は、酸化防止剤、例えば、アスコルビン酸の添加により
保存することができる。
水の添加により水性懸濁液の調製に適当な分散性粉剤および顆粒は、分散剤ま
たは湿潤剤、懸濁剤および1種または2種以上の保存剤と混合した活性成分を提
供する。適当な分散剤または湿潤剤および懸濁剤は既に述べたものにより例示さ
れる。また、追加の受容剤、例えば、甘味剤、香味剤および着色剤を存在させる
ことができる。
本発明の医薬組成物は、また、水中油乳濁液の形態であることができる。油性
相は植物油、例えば、オリーブ油または落花生油、あるいは鉱油、例えば、液状
パラフィンあるいはこれらの混合物であることができる。適当な乳化剤は、天然
に存在するリン酸塩、脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導されたエステル
、例えば、ソルビタンモノオレエート、および前記部分的エステルとエチレンオ
キシドとの縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモ
ノオレエートであることができる。エマルジョンは、また、甘味剤および香味剤
を含有することができる。
シロップおよびエリキシル剤は、甘味剤、例えば、グリセロール、プロピレン
グリコール、ソルビトールまたはスクロースを使用して処方することができる。
このような処方物は、また、粘滑剤、保存剤、香味剤および着色剤を含有するこ
とができる。医薬組成物は、既知の技術に従い、前述の適当な分散剤または湿潤
剤および懸濁剤を使用して処方することができる。また、無菌の注射可能な調製
物は無毒の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の無菌の注射可能な溶液ま
たは懸濁液、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液であることができる。使
用できる許容されるベヒクルおよび溶媒は、水、リンゲル溶液および等張塩化ナ
トリウム溶液である。さらに、固定油は溶媒または懸濁媒質として好都合に使用
される。この目的で、合成モノ−またはジグリセリドを包含する任意の無刺激固
定油を使用することができる。さらに、脂肪酸、例えば、オレイン酸を調製物ま
たは注射可能な調製物において使用される。
非経口投与は、一般に、皮下、筋肉内または静脈内の注射により特徴づけられ
る。注射可能な調製物は慣用の形態で、注射前に液状溶液または懸濁液として、
あるいは乳濁液として調製することができる。適当な賦形剤は、例えば、水、生
理食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノールまたはその他である。さ
らに、必要に応じて、投与すべき医薬組成物は、また、少量の無毒の補助物質、
例えば、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝化剤およびその他、例えば、酢酸ナトリウ
ム、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミンオレエート、およびその
他を含有することができる。
単一の投与形態の製造に担体物質と組合わせることができる活性成分の量は治
療される宿主依存して変化し、そしてヒトの特定の投
与のモードは 0.5mg〜5gの活性成分と、適当な好都合な量の担体物質とを含有
することができ、担体物質の量は全体の組成物の約5〜約95%であることができ
る。投与単位形態は一般に約1mg〜約500mgの活性成分を含有するであろう。
しかしながら、理解されるように、特定の患者について特定の投与レベルは、
種々の因子、例えば、使用する特定の化合物の活性、年令、体重、一般的健康、
性別、食事、投与時間、薬剤の組合わせおよび治療する特定の疾患の苛酷性に依
存するであろう。
下記の特定の実施例により、本発明をさらに説明しかつ例示する。最も好ましい態様の特定の説明 実施例1 ブロモ(2−ピリジル)アセトニトリルの製造
150ml の四塩化炭素中の(2−ピリジル)アセトニトリル(12.0g,0.10mol)
の溶液に、50mlの乾燥N,N−ジメチルホルムアミド中の18.1gのN−ブロモス
クシンイミド(0.10mol)を室温において添加した。この混合物を 1.5時間還流さ
せた。生ずる沈澱を濾過により除去し、溶媒を減圧下に除去すると、粗生成物が
得られ、これをヘキサンから再結晶化させると、18.6g(94%)の標題化合物が
赤色結晶として得られた:融点62−64℃;1H NMR(DMSO−d6)δ8.67(d,1
H),7.97(t,1H),7.70(d,1H),7.51(td,1H),5.60(ρ,1
H)ppm;IR(KBr):3064,2972,1712,1587,1470,1439,1051,993cm-1;M
Sm/z196,198(M+),177(M+−Br);HRMS,C7H5BrN2についての計算値:19
5.9630、実測値:195.9645。
同様な方法に従うと、下記の化合物が製造された:
ブロモ(4−メトキシ−3,5−ジメトキシ−2−ピリジル)アセトニトリル
:融点56−57℃;1H NMR(CDCl3)δ8.31(s,1H),5.67(s,1H),3.
81(s,3H),2.30(s,3H),2.30(s,3H)ppm;13C NMR(CDCl3)
δ164.84,150.19,149.56,128.28,125.59,115.49,60.135,27.99,13.51,
11.05ppm ; IR(KBr):3415,2988,2210,1568,1472,1255,997,791cm-1;
MSm/z225,257(MH+),175(M+−Br)。実施例2 〔(2−ベンズイミダゾリル)チオール〕(2−ピリジル)アセトニトリルの合 成
50μlの乾燥N,N−ジメチルホルムアミド中の2−メルカプトベンズイミダ
ゾール(0.30g,3.0mmol)、ブロモ(2−ピリジル)アセトニトリル(0.59g,3.
0mmol)および炭酸カリウム(0.37g,3.0mmol)の混合物を60℃に6時間加熱した
。溶媒を蒸発させた。残留物を酢酸エチル中に溶解し、水で洗浄し、次いで飽和
炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させ
ると、固体状物が得られた。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(100%酢酸エ
チル)によりさらに精製すると、66mg(10%)の標題化合物が固体として得られ
た:融点 166−167 ℃;1H NMR(DMSO−d6)δ9.3(m,1H),8.65(m,
2H),8.32(m,1H),7.78(brs,4H),4.81(brs,2H)ppm ; IR:
2206,1512,1465,1432,1357,1179,740 cm-1。同様な方法において、2−メ
ルカプトベンズイミダゾールの代わりに2−メルカプトインダゾールを使用する
ことによって、下記の化合物を製造した:
〔(2−イミダゾリル)チオール〕(2−ピリジル)アセトニトリル:
融点 203-204(分解);1H NMR(CDCl3)δ8.51(d,1H),
7.65(t,1H),7.36(d,2H),7.12(d,1H),7.03(dd,1H),
6.33(brs,2H)ppm;13C NMR(CDCl3)δ154.08,148.23,145.76,136.84
,134.95,134.43,119.15,118.40,109.32,96.15ppm ; IR(KBr):3344,322
5,2202,1643,1493,1485,1427cm-1。実施例3 〔(5−メトキシ−2−ベンズイミダゾリル)チオ〕(4−メトキシ−3,5− ジメチル−2−ピリジル)アセトニトリルの合成
40mlの 8.4%水酸化ナトリウム中に溶解した2−メルカプト−5−メトキシベ
ンズイミダゾール(15.1g,0.14mol)の溶液に、室温において 170mlのメタノー
ル添加し、次いでブロモ(4−メトキシ−3,5−ジメトキシ−2−ピリジル)
アセトニトリル(21.4g,0.11mol)を添加した。この混合物を窒素雰囲気下に1
時間加熱還流させた。生ずる沈澱を濾過により除去し、メタノールを蒸発させた
。得られた残留物をクロロホルムで抽出し、クロロホルムを3回水で洗浄し、硫
酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を蒸発させた後、粗生成物をジエチルエーテル
から再結晶化させると、22.6g(90%)の標題化合物が黄色がかった結晶として
得られた:融点 193−197 ℃;1H NMR(CDCl3)δ8.25(s,1H),7.65(dd
,1H),7.30(m,1H),6.90(m,1H),6.30(brs,2H),3.95(
s,3H),3.75(s,3H),2.50(s,3H),2.20(s,3H)ppm。実施例4 3−〔オキソ(2−ピリジル)メチル〕イミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4− チアジアゾールの合成
5mlのクロロホルム中の〔(2−イミダゾリル)チオ〕(2−ピリジル)アセ
トニトリル(30mg,0.14mmol)の溶液に、0.12gの60
%m−クロロ過安息香酸(0.42mmol)を少しずつ添加した。この混合物を室温に
おいて10時間撹拌した。生ずる混合物を水および飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗
浄した。次いで有機相を木炭で処理し、濾過すると、粗生成物が得られた。シリ
カゲル(100%酢酸エチル)のクロマトグラフィーにかけると、22mg(84%)の標
題化合物が黄色がかった固体状物として得られた:融点 147−148 ℃;1H NMR
(CDCl3)δ8.87(d,1H),8.30(m,2H),7.95(m,1H),7.57(
m,1H),7.52(m,1H)ppm ; IR(KBr):1700,1600cm-1;MSm/z 23
0(M+);HRMS,C10H6N4OS についての計算値:230.0262、実測値:230.0267。実施例5 7−メトキシ3−〔(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)オキソ メチル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールおよび 6−メトキシ3−〔(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)オキソ メチル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールの合成
400 mlのクロロホルム中の〔(5−メトキシ−2−ベンズイミダゾリル)チオ
〕(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)アセトニトリル(5.31g
,15mmol)の溶液に、100mlの中に溶解した60%m−クロロ過安息香酸(8.62g
,30mmol)を0〜5℃において1時間かけて滴下した。添加後、反応混合物を室
温において1時間撹拌した。次いで生ずる混合物を水で洗浄し、硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。溶媒を蒸発させると、粗生成物が得られた。シリカゲルのクロマ
トグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン1:1)にかけると、0.828g(10%)の
7−メトキシ3−〔(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)オキソ
メチル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールが黄色
がかった固体
として、そして 0.828g(10%)の6−メトキシ3−〔(4−メトキシ−3,5
−ジメチル−2−ピリジル)オキソメチル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,
5−a〕ベンズイミダゾールが固体として得られた。
7−メトキシ3−〔(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)オキ
ソメチル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール:融
点 170−171 ℃;1H NMR(DMSO−d6)δ8.34(s,1H),7.86(d,1H)
,7.29(d,1H),6.93(dd,1H),3.84(s,6H),2.42(s,3H)
,2.31(s,3H)ppm ; IR(KBr):1684,1654cm-1;MSm/z 369(M++1
)。
6−メトキシ3−〔(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)オキ
ソメチル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール:融
点 196−197 ℃;1H NMR(DMSO−d6)δ8.34(s,1H),7.67(d,1H)
,7.34(d,1H),7.10(dd,1H),3.84(s,3H),3.74(s,3H)
,2.44(s,3H),2.31,3H)ppm ; IR(KBr):1684cm-1;MSm/z369(
M++1)。実施例6 ジブロモ(2−ピリジル)アセトニトリルの合成
120ml の四塩化炭素中の(2−ピリジル)アセトニトリル(6.0g,50.8mmol)
の溶液に、N−ブロモスクシンイミド(18.5g,104mmol)を室温において添加し
た。生ずる混合物を22時間還流させた。冷却後、沈澱を濾過した。四塩化炭素を
蒸発させると、13.5g(96%)のジブロモ(2−ピリジル)アセトニトリルが暗
褐色固体として得られた:融点59−61℃;1H NMR(CDCl3)δ8.62(d,1H),
7.93(d,1H),7.86(dt,1H),7.35(dt,1H)ppm
;13C NMR(CDCl3)δ155.23,148.94,138.24,125.38,120.55,115.81,30.
81ppm ; HRMS,C7H4N2Br2についての計算値:273.8741、実測値:273.8730。実施例7 2−ブチル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール−3 (2H)−オンの合成
冷却器を装備した 500mlの丸底フラスコ中の2−メルカプトベンズイミダゾー
ル(29.30g,0.195mol)およびブチルイソシアネート(48.3ml,0.33mol)の混合物
を、油浴中で 130〜140 ℃に45分間加熱した。反応混合物を室温に冷却した後、
固体を濾過し、ヘキサンで洗浄し、真空乾燥すると、43.48g(89%)の1−(
ブチルカルバモイル)−1,3−ジヒドロベンズイミダゾール−2−チオンが白
色結晶として得られた:融点 179−180 ℃。
250ml のクロロホルム中の1−(ブチルカルバモイル)−1,3−ジヒドロベ
ンズイミダゾール−2−チオン(39.89g,0.16mol)の溶液に、110mlのクロロホ
ルム中の 25.57g(0.16mol)の臭素を0℃において添加した。添加の完結後、80m
lのクロロホルム中のトリエチルアミン(44.6ml,0.32mol)を反応混合物に滴下し
た。この混合物を0℃においてさらに4時間撹拌し、次いで室温において14時間
撹拌した。生ずる混合物を水で洗浄し、次いで10%硫酸ナトリウム溶液で洗浄し
た。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させると、粗生成物が得られた。
メタノールから再結晶化させると、27.10g(69%)の2−ブチル−1,2,4
−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール−3(2H)−オンが無色結
晶として得られた:融点 153−154 ℃(文献: 156−157 ℃,Martin et al., Te
trahedron 1983,39,2311)。
同様な方法において、n−ブチルイソシアネートの代わりに他の
アルキルイソシアネートを使用することによって、下記の化合物を製造した:
2−エチル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール−
3(2H)−オン;
2−イソプロピル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾ
ール−3(2H)−オン;
2−メチル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール−
3(2H)−オン;
2−フェニル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール
−3(2H)−オン;
2−ベンジル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール
−3(2H)−オン。実施例8 3−〔ジブロモ(2−ピリジル)メチル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5 −a〕ベンズイミダゾールの合成
50mlのジクロロメタン中の2−ブチル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−
a〕ベンズイミダゾール−3(2H)−オン(2.0g,8.1mmol)およびジブロモ(
2−ピリジル)アセトニトリル(4.91g,17.8mmol)の混合物を16時間加熱還流
させた。室温に冷却した後、沈澱を濾過し、ジクロロメタンで洗浄し、乾燥する
と、2.76g(80%)の標題化合物が薄褐色固体として得られた:融点 195℃(分
解);1H NMR(CDCl3)δ8.25(m,2H),7.96(dt,1H),7.76(d,1
H),7.32(m,2H),6.95(t,1H),6.92(s,1H)ppm;13C NMR
(CDCl3)δ166.08,157.95,150.34,148.28,147.71,138.31,128.76,124.7
9,124.58,122.94,121.68,119.49,113.97,54.37ppm ; HRMS,C14H8Br2N4S
についての計算値:421.8836、実測値:421.8850。実施例9 3−(オキソフェニルメチル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベン ズイミダゾールの合成
80mlのジクロロメタン中の2−ブチル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−
a]ベンズイミダゾール−3(2H)−オン(6.0g,24.3mmol)およびシアン化
ベンゾイル(6.36g,48.5mmol)の混合物を、室温において24時間撹拌した。沈
澱を濾過し、ジクロロメタンで洗浄した。粗生成物をアセトンから再結晶化させ
ると、6.48g(96%)の3−(オキソフェニルメチル)−1,2,4−チアジア
ゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールが黄色結晶として得られた:融点 190−
191 ℃;1H NMR(CDCl3)δ8.35(d,3H),7.82(d,1H),7.73(t,
1H),7.59(t,2H),7.50(t,1H),7.36(t,1H)ppm;13C NM
R(CDCl3)δ180.86,163.69,150.82,146.70,134.79,134.34,131.22(2C
),129.46(2C),128.74,125.82,122.27,119.49,115.23ppm ; IR(KBr
):1671cm-1;HRMS,C15H9N3OS についての計算値:279.0466、実測値:279.04
75。分析、C15H9N3OS についての計算値:C,64.50 ;H,3.25;N,15.04。
実測値:C,63.93 ;H,3.10;N,14.53。
同様な方法において、シアン化ベンゾイルの代わりにピルボニトリルを使用す
ることによって、下記の化合物を製造した:
3−(1−オキソエチル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズ
イミダゾール;融点 180−181 ℃;1H NMR(CDCl3)δ8.70(d,1H),7.80
(d,1H),7.50(t,1H),7.38(t,1H),2.83(s,3H);13C
NMR(CDCl3)δ187.02,164.15,150.69,147.78,129.63,125.82,122.26,1
19.27,115.94,26.74ppm ; IR(KBr):1703cm-1;HRMS,C10H7N3OS につい
ての計算値:217.0310、実測値:217.0318。分析、C10H7N3OS についての計算値
:C,55.29 ;H,3.25;N,19.34。実測値:C,55.31 ;H,3.29;N,19.
46。
同様な方法において、シアン化ベンゾイルの代わりに他のシアン化物を使用す
ることによって、下記の化合物を製造した:
3−(1−オキソプロピル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベン
ズイミダゾール;
3−(1−オキソブチル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズ
イミダゾール;
3−(1−オキソ−2−フェニルエチル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,
5−a〕ベンズイミダゾール;
3−(シクロペンチルオキソメチル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−
a〕ベンズイミダゾール;
3−(1−オキソ−2−フタルイミドエチル)−1,2,4−チアジアゾロ〔
4,5−a〕ベンズイミダゾール。実施例10 3−メチル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールの合 成
2−ブチル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール−
3(2H)−オン(1.00g,4.04mmol)を、100ml のアセトニトリル中で18時間
還流させた。次いで溶媒を蒸発させ、残留物をメタノールから再結晶化させると
、0.671g(88%)の標題化合物が得られた:融点 192−193 ℃;1H NMR(CDCl3
)δ7.81(dm,2H),7.47(td,1H),7.34(td,1H),2.92(s,3
H)ppm ; IR(KBr):1564,1481,1453,1430,1304,1208,756,745cm-1;M
Sm/z 189(M+),148(M+−CH3CN)。
同様な方法において、アセトニトリルの代わりに他のアルキルニ
トリルを使用することによって、下記の化合物を製造した:
3−エチル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール;
3−イソプロピル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾ
ール;
3−(2−メチルプロピル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベン
ズイミダゾール;実施例11 3−(〔4−(メトキシカルボニル)フェニル〕)−1,2,4−チアジアゾロ 〔4,5−a〕ベンズイミダゾールの合成
7mlのジクロロメタン中の2−ブチル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−
a〕ベンズイミダゾール(0.3g,1.2mmol)およびメチル4−シアノベンゾエート
(0.41g,2.5mmol)の混合物を、20時間加熱還流させた。沈澱を濾過し、ジクロ
ロメタンで洗浄すると、0.16g(48%)の3−(〔4−(メトキシカルボニル)
フェニル〕)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールが
白色固体として得られた:融点 204−206 ℃;1H NMR(CDCl3)δ8.33(d,2
H),7.98(d,2H),7.83(d,1H),7.49(m,2H),7.20(t,1
H),4.02(s,3H)ppm;13C NMR(CDCl3)δ165.96,165.30,151.08,14
9.10,133.16,132.55,130.24(2C),128.69(3C),125.34,121.58,11
9.96,112.01,52.56ppm ; IR(KBr): 1729,1508,1448,1275,733cm-1;HR
MS,C16H11N3O2S についての計算値:309.0572、実測値:309.05719。実施例12 3−(4−メチルフェニルスルホニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5− a〕ベンズイミダゾールの合成
120ml のジクロロメタン中の2−ブチル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5
−a〕ベンズイミダゾール−3(2H)−オン(10.0g,40.4mmol)およびシア
ン化p−トルエンスルホニル(14.7g,81.0mmol)の混合物を、室温において20
時間撹拌した。沈澱を濾過し、ジクロロメタンで洗浄すると、12.2g(91%)の
3−(4−メチルフェニルスルホニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−
a〕ベンズイミダゾールが白色粉末として得られた:融点 231−234 ℃;1H NM
R(CDCl3)δ8.53(d,1H),8.04(d,2H),7.82(d,1H),7.56−
7.44(m,4H),2.53(s,3H)ppm;13C NMR(CDCl3)δ163.72,150.38
,147.97,147.54,132.48,130.30(2C),129.97(2C),128.49,126.14
,123.06,119.70,114.67,21.93ppm ; IR(KBr): 1592,1525,1444,1337
,1151,1081,735cm-1;HRMS,C15H11N3O2S2についての計算値:329.0293、実
測値:329.0300。分析、C15H11N3O2S2についての計算値:C,54.70 ;H,3.37
;N,12.76。実測値:C,54.29 ;H,3.14;N,14.59。実施例13 3−(メトキシカルボニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズ イミダゾールの合成
30mlのジクロロメタン中の2−ブチル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−
a〕ベンズイミダゾール−3(2H)−オン(4.0g,16.2mmol)およびメチルシ
アノクロロホルメート(2.75g,32.4mmol)の混合物を、室温において21時間撹
拌した。沈澱を濾過し、ジクロロメタンで洗浄すると、3.36g(84%)の3−(
メトキシカルボニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダ
ゾールが無色固体として得られた:融点 208−209 ℃;1H NMR(CDCl3)δ8.61
(d,1H),7.82(d,1H),7.51(t,1H
),7.31(t,1H),4.17(s,3H)ppm;13C NMR(CDCl3)δ164.02,15
6.51,156.67,150.67,140.89,129.34,125.93,122.41,119.48,115.4,54.
04ppm ; IR(KBr):1733cm-1;HRMS,C10H7N3O2Sについての計算値:233.0259、
実測値:233.0262。分析、C10H7N3O2Sについての計算値:C,51.50 ;H,3.02
;N,18.02。実測値:C,51.41 ;H,2.89;N,18.16。
同様な方法において、メチルシアノクロロホルメートの代わりに他のシアノク
ロロホルメートを使用することによって、下記の化合物を製造した:
3−(エトキシカルボニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズ
イミダゾール;
3−(ブトキシカルボニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズ
イミダゾール;
3−(イソプロポキシカルボニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕
ベンズイミダゾール;
3−〔(ベンジルオキシ)カルボニル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−
a〕ベンズイミダゾール;
3−〔(シクロペンチルオキシ)カルボニル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4
,5−a〕ベンズイミダゾール。実施例14 3−(2−ピリジル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダ ゾールの合成
150ml のジクロロメタン中の2−ブチル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5
−a〕ベンズイミダゾール−3(2H)−オン(15.0g,60.7mmol)および2−
シアノピリジン(13.3g,0.13mmol)の混合物を、室温において72時間撹拌した
。沈澱を濾過し、ジクロロメタンで洗浄すると、10.4g(68%)の3−(2−ピ
リジル)−1
,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールが白色固体として得
られた:融点 173−174 ℃;1H NMR(CDCl3)δ8.90(d,1H),8.70(d,
1H),8.30(d,1H),7.99(t,1H),7.80(d,1H),7.57(t,
1H),7.47(t,1H),7.37(t,1H)ppm;13C NMR(CDCl3)δ166.10
,151.09,150.11,148.74,147.73,137.38,130.50,125.85,125.24,124.52
,121.41,119.11,116.33ppm ; IR(KBr):3419,3054,1611,1587,1501,146
3,1446cm-1;HRMS,C13H8N4Sについての計算値:252.0470、実測値:252.0882
。分析、C13H8N4Sについての計算値:C,61.89 ;H,3.20;N,22.21。実測
値:C,61.48 ;H,3.30;N,22.24。実施例15 3−アミノ−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールの合 成
25mlのジクロロメタン中の2−ブチル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−
a〕ベンズイミダゾール−3(2H)−オン(2.00g,8.08mmol)の冷却した溶
液に、シアナミド(0.728g,16.2mmol)の混合物を一度に添加し、この混合物を
室温において48時間撹拌した。生ずる沈澱を濾過し、メタノール中で撹拌し、引
き続いてジクロロメタンで洗浄すると、1.01g(66%)の3−アミノ−1,2,
4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールが無色結晶として得られた
:融点 255−256 ℃;1H NMR(CDCl3)δ8.23(d,1H),7.71(d,1H)
,7.43(t,1H),7.54(s,2H),7.32(t,1H)ppm ; IR(KBr):3
302,3151,1661,1577, 1487,1473,1251,1207,810cm-1;HRMS,C8H6N4S に
ついての計算値:190.0313、実測値:190.0293。分析、C8H6N4S についての計算
値:C,50.51 ;H,3.18;N,29.45。実測値:C,50.26 ;
H,3.25;N,29.38。
実施例16
3−ブロモ−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンジミダゾールの合成
3−ブチル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンジミダゾール−3
)2H)−体(5.0g,20.2mmol)と臭化シアン(4.28g,40.4mmole)をジクロロメ
タン 100mLに混合し室温で26時間撹拌した。沈殿物を濾過してからジクロロメタ
ンで洗浄し、白色の粉末である3−ブロモ−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5
−a〕ベンジミダゾールを4.18g(81%)得た:融点 189−190 ℃;1H NMR(C
DCl3)δ8.23(d,1H),7.82(d,1H),7.52(t,1H),7.42(d,
1H)ppm;13C NMR(1:1 CDCl3:DMSO−d6):δ162.78,149.67,129.22
,125.53,122.25,119.48,117.25,111.27ppm : IR(KBr):3025,2925,160
1,1493,1451,1028,757,701 cm-1;C8H4N3SBr のHRMS 計算値 252.9309、
測定値 252.9307
C8H4N3SBr の分析計算値:C,37.81 ;H,1.59;N,16.54測定値:C,37.44
;H,1.33;N,16.57。
同様の方法を利用し、臭化シアンを別のハロゲン化シアンに変えることで、以
下の化合物が作製される:
3−ヨード−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンジミダゾール
3−クロロ−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンジミダゾール
実施例17
3−〔オキソ(2−ピリジル)メチル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−
a〕ベンジミダゾールの合成
3−〔ジブロモ(2−ピリジル)メチル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,
5−a〕ベンジミダゾール(2.02g,4.76mmol)のテトラヒドロフラン液75mLに
硝酸銀(0.890g,5.24mmol)水溶液75mLを加えた。この懸濁液を2日間撹拌して
から、炭酸水素ナトリウム液にてpHを6に調整した。1mLの飽和塩化ナトリウム
液を加えてから、混合液をセライトで濾過してから、セライトを酢酸エチルで洗
浄した。水で抽出した後、酢酸エチルを乾燥、蒸発させて粗残査を得、これをク
ロロフォルム/メタノール10:0.1 の混合液を溶出液とするフラッシュクロマト
グラフィーにて精製した。黄色の固形物として表題の化合物1.05g(78%)を得
た:融点 182−186 ℃(分解点);1H NMR(CDCl3)δ8.85(m,1H),8.31
(d,1H),8.19(d,1H),8.01(td,1H),7.83(d,1H),7.63
(ddd ,1H),7.50(ddd ,1H),7.35(ddd ,1H)ppm ; IR(フィルム
):1673,1511,1444,1235,1057,879,733cm-1;MS m/z 280(M+)、
148(M+−(2−ピリジル)C(O)CN)。
実施例18
3−〔ビス(エトキシカルボニル)メチル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,
5−a〕ベンジミダゾールの合成
3−ブロモ−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンジミダゾール(0.2
g,0.78mmole)、ジエチルマロン酸(0.15g,0.94mmol)とトリエチルアミン(0
.13mL,0.94mmole)のTHF 液8mL混合液を窒素雰囲気下に36時間還流した。得ら
れた混合液を酢酸エチルで抽出してから、水と10%硫酸ナトリウム液で洗浄した
。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させて粗産物を得、これをフラッシュクロ
マトグラフィー(35%酢酸エチル:65%ヘキサン)にて精製し、黄色の油として
表題の化合物0.14g(54%)を得た:1H NMR(CDCl
3
)δ9.48(s,1H),8.06(d,1H),7.63(d,1H),7.34−7.31(
m,2H),4.39(q,4H),1.35(t,6H)ppm ; IR(フィルム):1748
cm-1;C15H15N3O4S のHRMS 計算値 333.0783、測定値333.0794。
実施例19
3−メトキシ−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンジミダゾールの合
成
3−ブロモ−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンジミダゾール(4.5
5g,17.9mmole)とメタノール液50mLの冷混合液に、ナトリウムメトキシド(0.96
7g,17.9mmole)を1の割合で加えて4時間室温で撹拌した。この反応混合液を
減圧下に蒸発乾燥させ、残査を酢酸エチル中に取り、水で洗浄した。有機層を硫
酸マグネシウム上で乾燥させてから濾過、乾燥して無色の結晶として3−メトキ
シ−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンジミダゾール3.64g(94%)
を得た:融点 172−175 ℃;1H NMR(CDCl3)δ7.83(d,1H),7.75(d,
1H),7.42(t,1H),7.27(t,1H),4.32(s,3H)ppm;13C NM
R(CDCl3)δ163.2,150.3,148.1,128.2,124.9,121.8,119.2,111.7,57.5
ppm : IR(KBr):3418,2942,1595,1492,1404,1275,1255,1206,1083,7
55cm-1;C8H7N3OSの分析計算値:C,52.67 ;H,3.44;N,20.49。測定値:
C,52.28 ;H,3.36;N,20.45。
同様の方法を利用すると、ナトリウムメトキシドを他の金属アルキル酸化物に
変えることで次の化合物が得られる:
3−エトキシ−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンジミダゾール
3−ブロポキシ−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンジミダゾール
3−イソプロポキシ−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンジミダゾー
ル
3−ブトキシ−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンジミダゾール
3−3級−ブトキシ−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンジミダゾー
ル
3−(シクロペンチルオキシ)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベン
ジミダゾール
実施例20
3−(ジメチルアミノ)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンジミダ
ゾールの合成
3−ブロモ−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンジミダゾール(15.
44g,0.0603mole)とジクロロメタン液 100mLの冷混合液に、ジメチルアミン(4
0%水溶液)(5.44g,0.121mole)を滴下した。この反応混合液を室温で16時間撹
拌した。それからジクロロメタンで希釈、水で洗浄してから硫酸ナトリウムで乾
燥し、さらに減圧下に蒸発乾燥させて無色の結晶として3−(ジメチルアミノ)
−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンジミダゾール 10.47g(80%)
を得た:融点 102-104 ℃:1H NMR(CDCl3)δ7.74(t,2H),7.41(t,
1H),7.27(t,1H),3.06(s,6H)ppm :C10H10N4S の分析計算値:
C,55.03 ;H,4.62;N,25.69。測定値:C,54.53 ;H,4.90;N,25.50
。
同様の方法を利用し、ジメチルアミンを他のアミンに変えると次の化合物が得
られる:
3−(エメチルアミノ)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンジミダ
ゾール:融点 164−165 ℃(分解点);1H NMR(CDCl3)δ7.78(m,2H),
7.65(d,1H),7.43(t,1H)
,7.21(t,1H),3.68(q,2H),1.45(t,3H)ppm。
3−(1−ピロロリル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンジミダ
ゾール:融点 118−119 ℃;1H NMR(CDCl3)δ7.77(t,2H),7.43(t,
1H),7.28(t,1H),3.71(m,4H),2.07(m,4H)ppm。
3−(4−モルフォリニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンジ
ミダゾール:融点 140−142 ℃;1H NMR(CDCl3)δ7.78(d,1H),7.60(
d,1H),7.45(t,1H),7.32(t,1H),3.99(m,4H),3.48(
m,4H)ppm。
3−(1−ピペラジニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンジミ
ダゾール:融点 116−118 ℃;1H NMR(CDCl3)δ7.76(d,1H),7.63(d
,1H),7.42(t,1H),7.30(t,1H),3.41(m,4H),3.15(t
,4H),2.00(br,s,1H)ppm。
3−(4−メチル−1−ピペラジニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−
a〕ベンジミダゾール:融点 158−158.5 ℃;1H NMR(CDCl3)δ7.77(d,1
H),7.64(d,1H),7.42(t,1H),7.32(t,1H),3.49(m,4
H),2.70(m,4H),2.43(s,3H)ppm。
3−〔(〔2−(メトキシカルボニル)メチル〕アミノ〕−1,2,4−チアジ
アゾロ〔4,5−a〕ベンジミダゾール:融点 196−197 ℃,C11H10N4O2S の分
析計算値:C,50.37 ;H,3.84;N,21.36。測定値:C,50.13 ;H,3.96
;N,21.26。
同様の方法を利用し、ジメチルアミンを他の親核性アミンと交換することによ
って次の化合物を得る:
3−(メチルアミノ)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンジミダ
ゾール
実施例21
3−〔(ヒドロキシイミノ)フェニルメチル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4
,5−a〕ベンジミダゾールの合成
3−(オキソフェニルメチル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベ
ンジミダゾール 0.5g(1.79mmol)を含むエタノール液7mLに 0.5mLのピリジン
と 0.5g(7.20mmol)の塩酸ヒドロキシアミンを加えた。混合液を一晩還流した
。沈殿物を濾過して集め、メタノールとジクロロメタンで洗浄して粗産物を得、
これをさらにメタノールで再結晶化して白色の結晶である表題化合物0.47g(89
%)を得た:融点 247℃;1H NMR(DMSO-D6)δ11.89(s,1H),7.81(d
,1H),7.73(d,2H),7.45−7.53(m,5H),7.32(t,1H)ppm
;13C NMR(CDCl3)δ168.25,155.24,150.52,147.95,136.94,135.67,134
.30,134.30(2C),133.03,131.52(2C),130.35,127.26,124.28,116
.91ppm : IR(KBr):2731,1549,1475,1450,1251,1194,983,753,736cm- 1
;C15H10N4OSのHRMS 計算値 294.0575、測定値 294.0583。
実施例22
3−(1−ヒドロキシエチル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベン
ジミダゾールの合成
3−(1−オキシエチル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンジ
ミダゾール(729mg,3.36mmol)の 200mLメタノール懸濁液にナトリウムホウ酸水
素塩(14mg,3.69mmol)を加えた。混合液を30分間撹拌してから水を 0.1mL加え
た。メタノールを蒸発し、残査を酢酸エチルと 0.1M塩酸に分配した。水相を酢
酸エチルで抽出した。有機相を一つにまとめてから2回ブラインで洗浄し、乾燥
後、蒸発した。この粗残査をクロロフォルム/メタノールを用いるクロマトグラ
フィーにかけて精製し、3−(1−ヒドロキシエチル
)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンジミダゾールを得た。融点 1
74−175 ℃;1H NMR(CDCl3)δ8.05(d,1H),7.80(d,1H),7.47(
td,1H),7.36(td,1H),5.39(q,1H),2.76(d,1H),1.84(
d,3H)ppm ; IR(KBr):3136,1544,1494,1478,1451,1374,1250,120
0,1123,1103,1093,752,729,711cm-1;MS m/z 219(M+),148(M+
−CH3CH(OH)CN)。
実施例23
3−カルボキシ−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンジミダゾールの
合成
6mLの1N NaOH 液に、3−(メトキシ−カルボニル)−1,2,4−チアジ
アゾロ〔4,5−a〕ベンジミダゾール(1.0g,4.3mmole)を含むジオキサン6m
Lを加えた。反応混合液を室温で完全に混合するまで撹拌した。得られた混合液
に3N HClを加えてpHを−2.0 に調整し、さらに室温で 0.5時間撹拌した。固形
物を濾過し、水で洗浄してから真空下、60℃で24時間乾燥させて、無色の固形物
として表題化合物0.74g(78%)を得た。融点 184−185 ℃;1H NMR(DMSO−
d6)δ13.79(br,s,1H),8.59(d,1H),7.78(d,1H),7.51(
t,1H),7.40(t,1H);IR(KBr):3435,1705 cm-1;MS m/z 193
(M+−CO2)。
実施例24
3−カルボキシラト−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンジミダゾー
ルの合成
3−カルボキシ−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンジミダゾール
(10.00g,45.62mmol)を含むメタノール(150ml)と水(100ml)懸濁液に、1N NaO
H(45.6ml)を1時間以上かけて加えた。4時間後、液体は透明になったので、メ
タノールを減圧下に除い
た。水溶液をクロロフォルムで抽出し、水相を凍結乾燥して白色の固形物として
表題化合物(10.4g,95%)を得た:融点 225−227℃;1H NMR(DMSO−d6)
δ7.68(d,1H),7.05(d,1H),6.95(t,1H),6.80(t,1H)
ppm;13C NMR(DMSO−d6)δ167.20,161.06ppm ; IR(KBr):3395,3243,1
663,1641,1522,1443,1334,827,729 cm-1。
実施例25
3−(4−メチル−1−ピペラジニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−
a〕ベンジミダゾールジヒドロクロライドの調整
3−(4−メチル−1−ピペラジニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5
−a〕ベンジミダゾール(6.07g,22.21mmol)を含む 100mlのジクロロメタンの
透明な液に、塩化水素ガスを40分間吹き込んだ。液は次第に濁ってきた。この懸
濁液を濾過して真空下に乾燥し、微細な白色粉末である表題化合物7.60g(99%
)を得た。融点 252℃(分解点);1H NMR(DMSO−d6とD2O)δ7.85(d,2H
),7.60(d,1H),7.51(t,1H),3.86(m,2H),3.56(m,6H
),2.91(s,3H)ppm;13C NMR(DMSO−d6とD2O)δ164.39,148.80,144.2
7,126.92,126.12,123.41,117.08,113.20,51.19,45.87,42.32ppm ; IR(
KBr):3420,1606,1571,1475,1461,1225,981,761cm-1。
実施例26
2−ブチルイミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾール−3(2H)
−体の調整
2−メルカプトイミダゾール(24.39g,0.244mole)とブチルイソシアン塩(48.
3g,0.478mole)を丸底フラスコ内で混ぜて50℃で30分間、又はTLC により反応
か終了するのが確認されるまで加温した。反応混合液を室温まで冷却してから固
形物を50mLのヘキサンと一
緒に30分粉砕した。得られた無色の固形物を濾過してから、最小量のヘキサンで
洗浄し、減圧下に乾燥させて無色の結晶である1−(ブチルカルバミル)−1,
3−ジヒドロイミダゾール−2−チオン 44.96gを得た。
窒素雰囲気中に0℃まて冷却した1−(ブチルカルバミル)−1,3−ジヒド
ロイミダゾール−2−チオン(4.73g,23.7mmole)を含むジクロロメタン懸濁液1
5mLに、ジクロロメタン15mLに溶解した臭素(3.79g,23.7mmole)を滴下して加え
た。滴下終了後、15mLのジクロロメタンに溶解されたトリエチルアミン(4.81g
,47.5mmole)を反応液の温度が0℃を越えない様に加えた。反応液をさらに2時
間0℃に維持してから、室温で16時間撹拌した。その後、150mLのジクロロメタ
ンで希釈してから2回水で洗浄し、さらに飽和塩化ナトリウム液で1回洗浄した
。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させてから、真空下に乾燥して4.30g(92
%)の灰白色の粉末である2−ブチルイミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チ
アジアゾール−3(2H)一体を得た:融点 142−143 ℃;1H NMR(CDCl3)δ
7.40(d,1H),7.20(d,1H),3.79(t,2H),1.73(m,2H),
1.40(m,2H),0.957(t,3H)ppm ; IR(KBr):1702 cm-1。
同様の方法を利用し、ブチルイソシアン酸塩の他のイソシアン酸塩と交換する
ことによって次の化合物を得る:
2−メチルイミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾール−3(2H)
−体
2−エチルイミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾール−3(2H)
−体
2−プロピルイミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾール−3(2H
)−体
2−イソプロピルイミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾール−3(
2H)−体
2−ペンチルイミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾール−3(2H
)−体
2−ヘキシルイミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾール−3(2H
)−体
2−シクロヘキシルイミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾール−3
(2H)−体
2−ベンジルイミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾール−3(2H
)−体
実施例27
3−(1−オキソエチル)イミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾー
ル−3(2H)−体の合成
2−ブチルイミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾール−3(2H
)−体(2.49g,12.6mmol)を含む冷やした5mlのジクロロメタン液に、ピルボ
ニトリル(1.74g,25.2mmole)を滴下し、さらに24時間撹拌した。それから濾過
により沈殿物を集め、ジクロロメタンで洗浄後、減圧下に蒸発して黄緑色の結晶
である3−(1−オキソエチル)イミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジ
アゾール−3(2H)−体 0.662g(31%)を得た:融点 142−144 ℃;1H NM
R(CDCl3)δ8.23(s,1H),7.51(s,1H),2.78(s,3H)ppm ; IR
(KBr):3436,3168,3106,1516,1408,1363,1229,1136,730cm-1。C6H5N3
SOの分析計算値:C,43.11 ;H,3.01;N,25.13。測定値:C,43.11 ;H
,2.91;N,25.27。
同様の方法を利用し、ピルボニトリルを他ベンゾイルシアン化物に変えると次
の化合物が得られる:3−(オキソフェニルメチル)
イミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾール−3(2H)−体:融点
166−168 ℃;1H NMR(CDCl3)δ8.44(d,2H),8.40(s,1H),7.70
(d,1H),7.58(t,3H)ppm。
同様の方法を利用し、ピルボニトリルを他のシアン化物もしくはノトリルに変
えると次の化合物が得られる:
3−(1−オキソプロピル)イミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾ
ール−3(2H)−体
3−(1−オキソブチル)イミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾー
ル−3(2H)−体
3−(1−オキソペンチル)イミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾ
ール−3(2H)−体
3−(1−オキソヘキシル)イミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾ
ール−3(2H)−体
3−(シクロペンチルオキソメチル)イミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チ
アジアゾール−3(2H)−体
3−(1−オキソ−2−フタルイミドエチル)イミダゾ〔1,2−d〕−1,2
,4−チアジアゾール−3(2H)−体
実施例28
3−(メトキシカルボニル)イミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾ
ールの合成
2−ブチルイミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾール−3(2H
)−体(2.95g,15.0mmol)を含む25mlの冷ジクロロメタン液に、メチルシアノ
ギ酸エステル(2.54g,30mmole)を滴下し、さらに16時間室温で撹拌した。沈殿
物を濾過し後ジクロロメタンで洗浄して無色の結晶である3−(メトキシカルボ
ニル)イミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾール2.18g(80%)を
得た:融点 164.5−165 ℃;1H NMR(CDCl3)δ8.13(s,1H),7.51(s,
1H),4.11(s,3H)ppm ; IR(KBr):3440, 1737,1527,1253,1071 cm-1
。C6H5N3O2S の分析計算値:C,39.34 ;H,2.75;N,22.94。測定値:C
,39.41 ;H,2.51;N,22.94。
同様の方法を利用し、メチルシアノギ酸エステルを他のシアンギ酸エステルに
変えると次の化合物が得られる:
3−(エトキシカルボニル)イミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾ
ール
3−(プロポキシカルボニル)イミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジア
ゾール
3−(ブトキシカルボニル)イミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾ
ール
3−(イソプロポキシカルボニル)イミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チア
ジアゾール
3−〔(ペンチルオキシカルボニル)イミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チ
アジアゾール
3−〔(シクロペンチルオキシ)カルボニル)イミダゾ〔1,2−d〕−1,2
,4−チアジアゾール
3−〔(ベンジルオキシ)カルボニル)イミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−
チアジアゾール
実施例29
3−ブロモイミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾールの合成
2−ブチルイミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾール−3(2H
)−体(4.78g,0.0242mole)を含む25mlの冷やしたジクロロメタンに、臭化シ
アン(5.13g,0.0482mole)を1の割合
で加え、混合液を16時間室温で撹拌した。沈殿物を濾過した後10mLのメタノール
を加えスラリー化し、続いてジクロロメタンで洗浄して無色の粉末である3−ブ
ロモイミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾール4.45g(90%)を得
た:融点 220℃(分解点):MS m/z 205,203(M+),C4H2N3SBr の分析
計算値:1/2H2O : C,22.55 ;H,1.42;N,19.72 ;O,3.75;S,15.0
2 ;Br,37.50。測定値:C,22.79 ;H,1.41;N,19.42 ;O,2.67;S,1
4.61 ;Br,38.20。
同様の方法を利用し、臭化シアンを他のハロゲン化シアンに変えると次の化合
物が得られる:
3−ヨードイミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾール
3−クロロイミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾール
実施例30
3−メチルスルフォニル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミ
ダゾールの合成
3−メチルチオ−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾー
ル(100mg,0.45mmole)を含む10mLのジクロロメタン液にm−クロロペル安息香
酸(287mg,0.95mmole)を加えた。混合液を室温で撹拌すると、数時間後には出
発物質はスルホキシドに転換した;それからさらに酸化されて16時間後にはスル
フォンになった。溶媒を蒸発し、残査をクロロフォルム /メタノール10:1を
溶出液とするクロマトグラフィーを用いて精製して白色の固形物である3−メチ
ルスルフォニル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール
50mg(44%)を得た:融点 203−207 ℃(分解点);1H NMR(CDCl3)δ8.31(
d,1H),7.84(d,1H),7.54(ddd ,1H),7.43(td,1H),3.63
(s,3H)ppm ; IR(KBr):1530,1487,1444,1324,1315,1193,1147,
1141,735cm-1,MS m/z 253(M+),174(M+−CH3SO2),148(M+−CH3SO2
CN)。
実施例31
3−〔4−(2−ピリジル)ピペラジニル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4
,5−a〕ベンゾイミダゾールの合成
ジクロロメタン 10mLの溶解した3−ブロモ−1,2,4−チアジアゾロ〔4
,5−a〕ベンゾイミダゾール(0.30g,1.17mmol)の冷却溶液に、2−ピリジ
ルピペラジン(0.54mL,3.51mmol)を滴下し、混合物を16時間撹拌した。反応混
合物をジクロロメタン 100mLで希釈し、水(2×30mL)及びブライン(1×25mL
)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発させて、黄色油を生成
し、これをカラムクロマトグラフィー(40% EtOAc;60%ヘキサン)により精製
して、白色固体(0.27g,68.5%)を得た;1H−NMR(CDCl3)δ3.58(m,4
H,2CH2),3.82(m,4H,2CH2),6.75(m,2H,pyr −H),7.30(
t,1H,ArH),7.44(t,1H,ArH),7.55(m,1H,pyr −H),7.68(d
,1H,ArH),7.79(d,1H,ArH),8.24(m,1H,pyr −H)。融点 176
−177.5 ℃。
同様の方法で、2−ピリジルピペラジンをその他のピペラジン誘導体に置換し
て、以下の化合物を製造した:
3−〔4−エチルピペラジニル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕
ベンゾイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ1.15(t,3H,CH3),2.55(q,2H,CH2),2.70
(br,s,4H,2CH2),3.49(br,s,4H,2CH2),7.25(m,1H,ArH
),7.40(m,1H,ArH),7.65(d,1H,ArH),7.79(d,1H,ArH);融点 1
53-154.5 ℃。
3−〔4−プロピルピペラジニル〕−1,2,4−チアジアゾロ
〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ0.96(t,3H,CH3),1.58(m,2H,CH2),2.45
(t,2H,CH2),2.74(br,s,4H,2CH2),3.49(br,s,4H,2CH2
),7.26(t,1H,ArH),7.30(t,1H,ArH),7.64(d,1H,ArH),7.77
(d,1H,ArH);融点 137−138.5 ℃。
3−〔4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジニル〕−1,2,4−チアジア
ゾロ〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ2.65(s,1H,OH),2.72(t,2H,CH2),2.84(
s,4H,2CH2),3.51(s,4H,2CH2),3.70(t,2H,CH2),7.31(
t,1H,ArH),7.45(t,1H,ArH),7.66(d,1H,ArH),7.80(d,1H
,ArH);融点 160−161.5 ℃。
3−〔4−(3−クロロフェニル)ピペラジニル〕−1,2,4−チアジアゾ
ロ〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ3.37(m,6H,3CH2),3.54(m,4H,2CH2),6
.88(d,1H,ArH),7.04(dd,1H,ArH),7.10(br,s,1H,ArH),7.29(
t,1H,ArH),7.41(t,1H,ArH),7.50(t,1H,ArH),7.78(d,1H
,ArH),7.82(d,1H,ArH);融点218.5-219.5 ℃。
3−〔4−ベンジルピペラジニル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a
〕ベンゾイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ2.76(br,s,4H,2CH2),3.49(br,s,4H,2
CH2),3.66(s,2H,CH2),7.30−7.50(m,8H,ArH),7.64(d,1H,
ArH),7.78(d,1H,ArH);融点 110−112.5 ℃。
3−〔4−シンナミルピペラジン〕−1,2,4−チアジアゾロ
〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ2.81(s,4H,2CH2),3.32(d,2H,CH2),3.5
1(s,4H,2CH2),6.27−6.36(m,1H,CH),6.60(d,1H,CH),
7.23−7.46(m,7H,ArH),7.65(d,1H,ArH),7.79(d,1H,ArH);融
点 120−121.5 ℃。
3−〔4−(3−アミノ−2−ピリジル)ピペラジニル〕−1,2,4−チア
ジアゾロ〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ3.42(m,4H,2CH2),3.55(m,4H,2CH2),3
.88(s,2H,NH2),6.92(dd,J=4.74 Hz,7.69 Hz,1H,pyr −H−
4),7.02(dd,J=1.57 Hz,7.69 Hz,1H,pyr −H−4),7.30(d,
1H,ArH),7.44(d,1H,ArH),7.76(見掛br,t,2H,ArH),7.86(dd,
J=1.57 Hz,4.78 Hz,1H,pyr −H);融点 176-177.5 ℃。
3−〔4−(1−(4−クロロフェニル)−1−フェニルメチル)ピペラジニ
ル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ2.68(br,s,4H,2CH2),3.49(br,s,4H,2
CH2),4.35(s,1H,CH),7.2−7.5(m,11H,ArH),7.59(d,1H,ArH
),7.79(d,1H,ArH);融点 172.5−174 ℃。
実施例32
3−〔2−ピリジルアミノ〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベン
ゾイミダゾールの合成
ジクロロメタン 15mLに溶解した3−ブロモ−1,2,4−チアジアゾロ〔4
,5−a〕ベンゾイミダゾール(0.30g,1.17mmol)の冷却溶液に、2−アミノ
ピリジン(0.276g,2.93mmol)を滴下し、混合物を48時間撹拌した。反応混合物
をジクロロメタン 100mLで
希釈し、水(2×30mL)及びブライン(1×25mL)で洗浄した。有機層を硫酸マ
グネシウム上で乾燥し、蒸発させて、黄色固体(0.26g,83%)を得た;1H−N
MR(CDCl3)δ6.59(見掛 5.1H,pyr −H),7.12(見掛br,d,1H,pyr
−H),7.28(t,1H,ArH),7.38(t,1H,ArH),7.51(m,2H,ArH &
pyr−H),7.70(d,1H,ArH),8.28(d,1H,pyr −H);融点 155.5−1
57 ℃。
同様の方法で、2−アミノピリジンをその他のアミン誘導体に置換して、以下
の化合物を製造した:
3−〔3−ピリジルアミノ〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベン
ゾイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ7.41(t,1H,ArH),7.48(t,1H,ArH),7.62(dd
,1H,pyr −H),7.75(d,1H,ArH),8.34(d,1H,ArH),8.44(m,
2H,pyr −H),9.02(d,1H,pyr −H);融点 175-176 ℃。
3−〔2−ピリジルメチルアミノ〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a
〕ベンゾイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ2.02(s,1H,NH),4.84(d,2H,CH2),7.22−
7.56(M,4H,2ArH & 2pyr −H),7.75(m,2H,ArH & pyr −H),
7.85(d,1H,ArH),8.66(d,1H,pyr −H);融点 155.5−157 ℃。
3−〔N−メチル−(2−ピリジルエチル)アミノ〕−1,2,4−チアジア
ゾロ〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ3.11(s,3H,CH3),3.18(t,2H,CH2),3.87
(t,2H,CH2),7.04−7.11(m,2H,pyr −H),7.26(m,1H,Ar
−H),7.40(t,1H,ArH),7.52(m,1H,pyr −H),7.63(d,1H,
ArH),7.74(d,1H,
ArH),8.41(d,1H,pyr −H);融点 105−107 ℃。
実施例33
3−ブロモメチル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンゾイミダゾ
ールの合成
ジクロロメタン(150mL)に溶解した2−ブチル−1,2,4−チアジアゾロ〔
4,5−a〕ベンゾイミダゾール3(2H)−オン(15g,60.65mmol)及びブロ
モアセトニトリル(18.19g,151.6mmol)の溶液を48時間撹拌した。白色沈殿を生
成し、不溶性固体を濾過して、表題化合物 12.50g(77%)を得た:1H−NMR(
CDCl3)δ4.79(s,2H,CH2),7.42(t,1H,ArH),7.51(t,1H,ArH)
,7.84(d,1H,ArH),7.94(d,1H,ArH);融点 242−244 ℃。
実施例34
3−{〔4−エチルピペラジニル〕メチル}−1,2,4−チアジアゾロ〔4
,5−a〕ベンゾイミダゾールの合成
1−エチルピペラジン(0.732ml,6.03mmol)を、ジクロロメタン(20mL)中の
3−ブロモメチル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンゾイミダゾー
ル(704mg,2.62mmol)の懸濁液に付加した。混合物を室温で撹拌しながら26時間
放置した。その物質をジクロロメタン(150mL)で希釈し、水(15mL)及びブラ
イン(15mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発させて、こ
れをアセトニトリルから再結晶化して、固体を得た(600g,収率75.9%)。
1H−NMR(CDCl3)δ1.06(t,3H,CH3),2.39(q,2H,CH2),2.44
(m,4H,2CH2),2.70(m,4H,2CH2),3.90(s,2H,CH2),7.3
1(t,1H,ArH),7.43(t,1H,ArH),7.78(d,1H,ArH),7.92(d,1
H,ArH);融点 140
−141.5 ℃。
同様の方法で、1−エチルピペラジンをピペラジン誘導体に置換して、以下の
化合物を製造した:
3−{〔4−プロピルピペラジニル〕メチル}−1,2,4−チアジアゾロ〔
4,5−a〕ベンゾイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ0.89(t,3H,CH3),1.51(m,2H,CH2),2.30
(t,2H,CH2),2.50(br,s,4H,2CH2),2.70(s,4H,2CH2)
,3.99(s,2H,CH2),7.32(t,1H,ArH),7.45(t,1H,ArH),7.80(
d,1H,ArH),7.95(d,1H,ArH);融点 108−110 ℃。
3−{〔4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジニル〕メチル}−1,2,4
−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ2.55(M,6H,ピペラジンの2CH2,CH2),2.70(m
,4H,2CH2),3.61(m,2H,CH2),3.99(s,2H,CH2),7.32(t,
1H,ArH),7.45(t,1H,ArH),7.78(d,1H,ArH),7.91(d,1H,ArH
);融点 165−166.5℃。
3−{〔4−フェニルピペラジニル〕メチル}−1,2,4−チアジアゾロ〔
4,5−a〕ベンゾイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ2.80(m,4H,2CH2),3.20(m,4H,2CH2),4
.00(s,2H,CH2),6.90(m,3H,ArH),7.25(t,4H,ArH),7.50(t
,1H,ArH),7.80(d,1H,ArH),8.00(d,1H,ArH);融点 197−197.5
℃。
3−{〔4−(4−アミノ)フェニルピペラジニル〕メチル}−1,2,4−
チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ2.82(m,4H,2CH2),3.00(m,4H,2CH2),3
.31(s,2H,NH2),4.01(s,2H,CH2),
6.63(d,2H,ArH),6.78(d,2H,ArH),7.32(t,1H,ArH),7.45(t,
1H,ArH),7.80(d,1H,ArH),7.98(d,1H,ArH);融点 199.5−200.5
℃。
3−{〔4−ベンジルピペラジニル〕メチル}−1,2,4−チアジアゾロ〔
4,5−a〕ベンゾイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ2.50(br,s,4H,2CH2),2.68(br,s,4H,2
CH2),3.49(s,2H,CH2),3.98(s,2H,CH2),7.30(t,6H,ArH)
,7.46(t,1H,ArH),7.79(d,1H,ArH),7.94(d,1H,ArH);融点 12
0.5−122 ℃。
3−{〔4−シンナミルピペラジニル〕メチル}−1,2,4−チアジアゾロ
〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ2.71(m,4H,2CH2),2.55(m,4H,2CH2),3
.14(d,2H,CH2),3.98(s,2H,CH2),6.27(d,1H,CH),6.49
(d,1H,CH),7.30−7.37(m,6H,ArH),7.46(t,1H,ArH),7.77(
d,1H,ArH),7.93(d,1H,ArH);融点 162−163 ℃。
3−{〔4−(2−ピリジル)ピペラジニル〕メチル}−1,2,4−チアジ
アゾロ〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ2.80(m,4H,2CH2),3.60(m,4H,2CH2),4
.00(s,2H,CH2),6.60(m,2H,pyr −H),7.31(t,1H,ArH),7
.45(t,2H,ArH),7.80(d,1H,ArH),7.98(d,1H,pyr −H),8.1
8(m,1H,pyr −H);融点 214−214.5 ℃。
3−{4−{(3−アミノ−2−ピリジル)ピペラジニル〕−1,2,4−チ
アジアゾロ〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ2.82(br,s,4H,2CH2),3.17(br,s,4H,2
CH2),3.79(s,2H,NH2),4.07(s,1H,
CH2),6.84(m,1H,pyr −H),6.94(m,1H,pyr −H),7.30(m,
1H,ArH),7.50(m,1H,ArH),7.79(m,2H,pyr −H,ArH),8.0(d,
1H,ArH);融点 214−215.5 ℃。
3−{〔4−(4−メトキシフェニル)ピペラジニル〕メチル}−1,2,4
−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ2.80(m,4H,2CH2),3.10(m,4H,2CH2),3
.80(s,3H,OCH3),4.10(s,2H,CH2),6.80(m,4H,ArH),7.30(
t,1H,ArH),7.50(t,1H,ArH),7.80(d,1H,ArH),8.00(d,1H
,ArH);融点 202−204.5 ℃。
3−{〔4−(1−(4−クロロフェニル)−1−フェニルメチル)ピペラジ
ニル〕メチル}−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ2.44(br,s,4H,2CH2),2.68(br,s,4H,2
CH2),3.99(s,2H,CH2),4.18(s,1H,CH),7.20−7.40(m,10H
,ArH),7.50(t,1H,ArH),7.79(d,1H,ArH),7.91(d,1H,ArH);
融点82−84℃。
実施例35
3−ジプロピルアミノメチル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベン
ゾイミダゾールの合成
ジプロピルアミン(0.64mL,4.67mmol)を、ジクロロメタン(40mL)中の3−
ブロモメチル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール(0
.5g,1.87mmol)の懸濁液に付加した。混合物を室温で撹拌しながら26時間放置
した。その物質をジクロロメタン(100mL)で希釈し、水(3×40mL)及び10%硫
酸ナトリウム溶液(15mL)で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、
蒸発させて、これをアセトニトリルから再結晶化して、固体を得た(370mg、収率
69%)。
1H−NMR(CDCl3)δ0.82(t,6H,2CH2),1.50(m,4H,2CH2),2
.60(m,4H,2CH2),4.11(s,2H,CH2),7.31(t,1H,ArH),7.44
(t,1H,ArH),7.78(d,1H,ArH),8.03(d,1H,ArH);融点70.5−72.
5℃。
同様の方法で、ジプロピルアミンをその他のアミン誘導体に置換して、以下の
化合物を製造した:
3−ジメチルアミノメチル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンゾ
イミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ2.41(s,6H,2CH2),3.90(s,2H,CH2),7.3
2(t,1H,ArH),7.44(t,1H,ArH),7.76(d,1H,ArH),7.99(d,1
H,ArH);融点 134−135.5 ℃。
3−ジエチルアミノメチル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンゾ
イミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ1.07(t,6H,2CH2),2.73(q,4H,2CH2),4
.08(s,2H,CH2),7.30(m,1H,ArH),7.43(m,1H,ArH),7.77(d
,1H,ArH),8.04(d,1H,ArH);融点 109-110.5 ℃。
3−ジブチルアミノメチル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンゾ
イミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ0.85(t,6H,2CH2),1.26(m,4H,2CH2),1
.43(m,4H,2CH2),2.65(m,4H,2CH2),4.10(s,2H,CH2),
7.27(t,1H,ArH),7.45(t,1H,ArH),7.78(d,1H,ArH),8.02(d,
1H,ArH);融点72−72.5℃。
3−(モルホリノメチル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5
−a〕ベンゾイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ2.66(m,4H,2CH2),3.71(m,4H,2CH2),3
.99(s,2H,CH2),7.33(t,1H,ArH),7.45(t,1H,ArH),7.80(d
,1H,ArH),7.91(d,1H,ArH);融点 145−147 ℃。
3−(イミダゾリルメチル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベン
ゾイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ6.35(s,2H,CH2),7.48(t,1H,ArH),7.54(t
,1H,ArH),7.72(d,1H,ArH),7.84(m,2H,ArH),8.14(d,1H,A
rH),9.12(d,1H,ArH);融点 226−227 ℃。
3−(1,2,4−トリアゾリルメチル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,
5−a〕ベンゾイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ6.26(s,2H,CH2),7.39(t,1H,ArH),7.50(t
,1H,ArH),7.80(d,1H,ArH),8.04(d,1H,ArH),8.10(s,1H,
トリアゾールのH),8.83(s,1H,トリアゾールのH);融点 204.5−206
℃。
実施例36
3−(2−ピラジニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンゾイ
ミダゾールの合成
ジクロロメタン 8mL中の2−ブチル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−
a〕ベンゾイミダゾール3(2H)−オン(300mg,1.213mmol)及びピラジンカ
ーボニトリル(319mg,3.03mmol)の混合物を、室温で36時間撹拌した。沈殿物を
濾過し、ジクロロメタンで洗浄して、3−(2−ピラジニル)−1,2,4−チ
アジアゾロ〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール 0.28g(91%)を白色固体とし
て得た。
1H−NMR(CDCl3)δ7.32(t,1H,ArH),7.50(t,1H,ArH),7.83(d,
1H,ArH),8.67(d,1H,ArH),8.87(br,d,2H,py−H),9.59(s
,1H,py−H);融点 255-256.5 ℃。
実施例37
4−(2−ピリジル)ピペラジニルカルボニル−1,2,4−チアジアゾロ〔
4,5−a〕ベンゾイミダゾールの合成
1,1−カルボニルジイミダゾール(0.355g,2.19mmol)を、DMF(10mL)に溶解
した2−カルボキシ−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンゾイミダゾ
ール(0.3g,1.37mmol)の溶液に付加した。その結果生じた溶液を、40℃で2時
間攪拌した。反応混合物は、白色懸濁液から黄色溶液に次第に変化した。N−(
2−ピリジル)ピペラジン(0.268g,1.64mmol)を反応混合物に付加した。その
結果生じた混合物を40℃で3時間攪拌し、冷却した。その物質をジクロロメタン
(100mL)で希釈して、1N HCl(40mL)で、次に5% NaOH(60mL)で洗浄した。有
機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、蒸発させて、表題化合物を固体(0.2g、収
率40%)として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ3.69(m,2H,CH2),3.79(m,2H,CH2),4.05
(m,4H,2CH2),6.70(m,2H,pyr −H),7.30(t,1H,ArH),7.
40-7.60(m,2H,ArH 及びpyr −H),7.80(d,1H,ArH),8.00(d,1
H,ArH),8.23(m,1H,pyr −H);融点 222-223.5 ℃。
同様の方法で、4−(2−ピリジル)ピペラジンをその他のアミン誘導体に置
換して、以下の化合物を製造した:
3−{4−(ベンジル)ピペラジニルカルボニル}−1,2,4−チアジアゾ
ロ〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール
1H−NMR(CDC3)δ2.72(m,4H,2CH2),3.60(s,2H
,CH2),3.92(m,4H,2CH2),7.31(t,7H,ArH),7.46(t,1H,Ar
H),7.80(d,1H,ArH),7.98(d,1H,ArH);融点 230.5-231.5 ℃
3−{4−メチルピペラジニルカルボニル}−1,2,4−チアジアゾロ〔4
,5−a〕ベンゾイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ2.37(s,3H,CH3),2.51(t,2H,CH2),2.60
(t,2H,CH2),3.90(t,2H,CH2),3.96(t,2H,CH2),7.33(t
,1H,ArH),7.73(t,1H,ArH),7.80(d,1H,ArH),7.98(d,1H,A
rH)。
実施例38
3−(4−ブチルピペラジニル)1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベ
ンゾイミダゾールの合成
THF(15mL)及びDMSO(2mL)中の炭酸カリウム(700mg,5.06mmol)、臭化ブチル
(0.43mL,0.4mmol)、3−ピペラジニル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−
a〕ベンゾイミダゾール(798mg,3.07mmol)の混合物を、16時間還流させた。溶
液を蒸発、乾燥させて、残渣をジクロロメタンと水の間に分配した。有機層を水
で5回洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発させて、油を生成した。この油
をアセトニトリルと混合し、濾過して、不溶性固体を生じた(595mg)。固体をク
ロマトグラフィーで精製して、ヘキサン(5:95)から再結晶化して、表題化合
物を得た(440mg、収率41%)。
1H−NMR(CDCl3)δ0.95(t,3H,CH3),1.30(m,2H,CH2),1.50
(m,2H,CH2),2.40(t,2H,CH2),2.7(m,4H,2CH2),3.5(
m,4H,2CH2),7.3(t,1H,ArH),7.4(t,1H,ArH),7.65(d,1H
,ArH),7.8(d,1H,ArH);融点 121−122.5 ℃。
実施例39
2−メルカプト−5−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−ベンゾイミダゾ
ールの合成
A.エーテル(80mL)及び水(10mL)中の2−メルカプト−5−ニトロベンゾ
イミダゾール(10.0g,51.23mmol)及び鉄充填剤(8.0g,143.24mmol)の混合物を
還流した。次に、濃塩酸(1.2mL)を約12分間で滴下した。その結果生じた暗褐色
混合物をさらに 1.5時間還流した後、氷中で冷却して、飽和重炭酸ナトリウムで
pH7.0 に中和した。混合物をEtOH(50mL)で希釈し、セライト(0.82g)でスラ
リー化して、セライト床上で濾過した。ケークをEtOH(3×100mL)で洗浄した。
併合濾液を真空濃縮して、淡褐色固体 9.2gを得た。温水から再結晶化して、2
−メルカプト−5−アミノベンズイミダゾール(6.74g,80%)を淡褐色固体と
して得た。1H−NMR(DMSO)δ:4.98(br,s,2H),6.40−6.43(m,2H,
Ar−H),6.81−6.85(d,J=9.0Hz,1H,Ar−H),12.06(br,s,1
H)。13C−NMR(DMSO)δ:165.9(CS),144.9,133.4,123.6,109.8,94.4,
IR(KBr,cm-1):3362,3295,3173,1637,1622,1507。
B.無水THF(200mL)に溶解した2−メルカプト−5−アミノベンゾイミダゾ
ール(22.0g,133.2mmol)及びジ−tert−ブチルジカルボネート(30.52g,139.8
6mmol)の溶液を、窒素のブランケット下で16時間室温で撹拌した。
減圧下で蒸発させてTHF を除去し、残渣をアセトニトリルから結晶化して、表
題化合物(28.7g,80%)を淡黄色固体として得た。1H−NMR(DMSO)δ:1.50(
s,9H),7.00(d,J=8.6Hz,1H,Ar−H),7.11(dd,J=8.6 及び1
.8Hz,1H,Ar−H),7.53(s,1H,Ar−H),9.41(br,s,1H),12
.41(br,s,2H)。13C−NMR(DMSO)δ:167.9(CS),152.9(C=
O),134.9,134.9,132.5,127.5,113.3,109.3,99.5,79.0(C=O),28
.2 IR(KBr,cm-1):3300,3127,1724,1706,1623,1530。融点 217.1−217.
7 ℃元素分析理論値(実測値)%,C 54.32(54.32);H 5.70(5.71)及び
N 15.84(15.85)。
実施例40
5’−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−2−ブチル−3−オキソ−2,
3−ジヒドロ−1,2,4−チアジアゾロ−〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール
の合成
A.100℃に予熱したo−キシレン(50mL)中の2−メルカプト−5−(tert
−ブトキシカルボニル)アミノベンゾイミダゾール(11.46g,43.19mmol)のスラ
リーに、n−ブチルイソシアナート(7.3mL,64.79mmol)を注射器で付加した。
次に、混合物を 145〜150℃で 1.5時間加熱した後、室温に冷却し、ヘキサン(20
0mL)で希釈した。吸引濾過して固体を収集し、真空乾燥して、1−ブチルカルボ
ニル−2−メルカプト−5−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−ベンゾイミ
ダゾール(14.19g,95%)を得た。1H−NMR(DMS0)δ:0.94(t,J=7.2Hz,3
H),1.20−1.60(m,4H,2CH2),1.51(s,9H),3.37−3.43(m,
2H,CH2N),7.19−7.23(dd,J=9.0 及び1.9Hz,1H,Ar−H),7.64(
s,1H),7.96(d,J=9.0Hz,1H,Ar−H),9.59(s,1H),10.22
(t,J=5.4Hz,1H,NHCH2)。元素分析理論値(実測値)%,C 56.0(55
.8);H 6.6(5.7)及びN 15.4(15.3)。
B.クロロホルム(50mL)中の1−ブチルカルバモイル−2−メルカプト−5
−(tert−ブトキシカルボニル)−アミノベンゾイミダゾール(12.90g,34.50m
mol)のスラリーを、−5℃に冷却し、トリエチルアミン(9.9mL,70.75mmol)を
一部ずつ付加した。その結
果生じた透明溶液を、約0℃で45分間撹拌した後、クロロホルム(40mL)中の臭
素(1.82mL,35.4mmol)を約 1.5時間けて滴下した。
0℃でさらに15分間撹拌後、混合物を室温に暖め、次にクロロホルム(1.25L
)で希釈した。有機層をブライン(2×100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾
燥し、濾過して、真空濃縮した。残渣をメタノール(100mL)中でスラリー化して
、濾過した。オフホワイト色固体を収集し、真空乾燥して、表題化合物を約85/
15の比率の混合物として得た(1H−NMR による)。
標本を加熱して得られた陽子NMR スペクトルは、2つの異性体に対応する芳香
族領域でのピークの査定に役立った。
異性体1:1H−NMR(DMSO)δ:0.95(t,J=7.2Hz,3H),1.36−1.43(q
,J=6.8Hz,2H,CH2N),1.53(s,3H),1.65−1.73(m,2H,CH2)
,3.73−3.78(t,J=6.8Hz,2H,CH2,N),7.38(d,J=8.7Hz,1H
,Ar−H),7.80(d,J=8.6Hz,1H,Ar−H),7.98(s,1H,Ar−H
),9.53(s,1H)。
異性体2:1H−NMR(DMSO)δ:0.95(t,J=7.2Hz,3H),1.36−1.43(q
,J=7.4Hz,2H,CH2CH3),1.53(s,9H),1.65−1.73(m,2H,CH2
),3.73−3.78(t,J=6.8Hz,2H,CH2N),7.38(d,J=8.7Hz,1H,
Ar−H),7.63(d,J=8.6Hz,1H,Ar−H),8.34(s,1H,Ar−H)
,9.60(s,1H)。
実施例41
5’アミノ−〔3−(2−ピリジル)〕−1,2,4−チアジアゾロ−〔4,
5−a〕ベンゾイミダゾール及び6’−アミノ−〔3−(2−ピリジル)〕−1
,2,4−チアジアゾロ−〔4,5−a〕ベンゾイミダゾールの合成
A.クロロホルム(5.0mL)中の実施例40パートBの生成物(1.0g,2.76mmol)の
スラリーに、2−シアノピリジン(0.575g,5.52mmol)を一部ずつ付加した。そ
の結果生じた混合物を5時間還流し、次に室温で16時間撹拌した。
減圧下でクロロホルムを除去し、残渣をジエチルエーテル(10mL)でスラリー
化して、濾過した。オフホワイト色固体を収集し、真空乾燥した。このようにし
て、5’−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−〔3−(2−ピリジル)〕−
1,2,4−チアジアゾロ−〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール及び6’−(te
rt−ブトキシカルボニル)アミノ−〔3−(2−ピリジル)〕−1,2,4−チ
アジアゾロ−〔4,5−a〕ベンゾイミダゾールを約1:1の比で得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.56(s,9H),6.67(br,s,1H,NH),7.23
−7.32(m,1H,py−H),7.54−6.60(m,1H,Ar−H),7.66−7.69(
d,J=8.7Hz,0.5H,Ar−H),7.79(d,J=1.9Hz,0.5H,Ar−H),7.
93−7.98(t,J=8.0Hz,1H,py−H),8.28−8.32(m,1H,py−H)
,8.64(d,J=9.0Hz,0.5H,Ar−H),8.86-8.89(dd,J−4.8 及び0.9Hz
,0.5H,py−H),8.98(br,d,J=4.8Hz,0.5H,py−H),9.20(br,
s,0.5H)。
B.MeOH(25mL)に溶解したHCl の溶液中の実施例41、パートAで得られた化
合物(1.0g,2.72mmol)のスラリーを、室温で 4.5時間撹拌した。さらにMeOHに
溶解したHCl 25mLを付加し、揮発性物質を真空除去した。残渣をジエチルエーテ
ル中でスラリー化して、濾過し、表題化合物をその淡黄色HCl 塩(0.99g,96.6
%)として、異性体の約1:1混合物で得た(HPLC:20mM 酢酸アンモニウム/
アセトニトリル 80/20;C18カラム)。IR(KBr,cm-1):3419
,1611,1551,1527。元素分析理論値(実測値)%:C41.5(41.0);H3.2(3
.5):N18.6(18.3)。
実施例42
1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール−3−イル−L
−ロイシルイソアミルアミドの合成
炭酸カリウム(544mg,3.94mmol)を、THF(15mL)に溶解したL−ロイシルイソア
ミルアミド(0.788g,3.94mmol)及び3−ブロモ−1,2,4−チアジアゾロ〔
4,5−a〕ベンゾイミダゾール(1.0g,3.94mmol)の溶液に付加した。混合物
を室温で16時間撹拌し、次にさらに8時間還流した。溶媒を蒸発、乾燥し、残渣
を酢酸エチル(125mL)と水(15mL)の間に分配した。有機相をブライン(10mL)
で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥して、蒸発させて固体を生成し、これをさら
にカラムクロマトグラフィー(10% MeOH:CHCl3)により精製して、表題化合物
(715mg)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ 0.92(d,6H,2CH3),0.92−1.10(dd,6H,2
CH3),1.40−1.52(m,2H),1.54−1.78(m,2H),1.80−2.00(m,
2H,CH2),3.34−3.45(m,2H,CH2NH),4.48-4.58(m,1H,leu のα
−CH),6.56(t,J=5.6Hz,1H,NHCH2),6.60(d,J=8.3Hz,1H,N
HCH),7.15(t,1H,J=7.4Hz,Ar−H),7.34(t,1H,J=8.2Hz,A
r−H),7.64(d,1H,J=8.2Hz,Ar−H),7.77(d,1H,J=8.1Hz
,Ar−H),13
C−NMR(CDCl3)δ 172.5(CO−CH),164.4(c−s),150.4,145.0,127
.8,124.5,121.3,119.1,110.2,55.4(CH−CO),41.7,38.4,38.2,25.8,24
.9,23.0,22.4,22.1。IR(薄膜、cm-1):3241(NH),1660(C=O),1574
。
融点 105-107℃。元素分析:理論値(実測値)%;C61.10(61.
30);H7.29(7.05);N18.75(18.43)。
実施例43
{1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール−3−イル}
−カルボニル−L−ロイシルイソアミルアミドの合成
1,1−カルボニルジイミダゾール(1.30g,8.03mmol)を、DMF(30mL)中の
3−カルボキシ−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール
(1.10g,5.02mmol)の懸濁液に付加した。混合物を45℃で2時間加熱すると、
混合物は黄色溶液に変わった。溶液を0℃に冷却し、ロイシルイソアミルアミド
(1.21g,6.02mmol)及びDMF(5mL)を付加し、その結果生じた混合物を室温
で16時間撹拌した。混合物をエーテル(400mL)で希釈し、エーテル性層を 0.5M
HCl(25mL)、水(3×25mL)及びブライン(925mL)で洗浄した。エーテル性層を
硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発させて固体を生成し、これをさらにカラムクロ
マトグラフィーにより精製して、所望の物質 1.33gを得た。
1H−NMR(CDCl3)δ 0.90(d,6H,J=6.5Hz,2CH3),1.05(dd,6
H,2CH3),1.38−1.48(m,2H),1.54−1.68(m,1H),1.72−1.85
(m,3H),3.22−3.38(m,2H,CH2NH),4.62−4.78(m,1H,CHCO)
,6.30(t,1H,NH),7.32(t,1H,J=7.3Hz,Ar−H),7.45(t
,1H,J=7.4Hz,Ar−H),7.75(d,1H,J=8.0Hz,Ar−H),7.93(
d,1H,J=8.4Hz,Ar−H),8.73(d,1H,J=8.3Hz,Ar−H)。13
C−NMR(CDCl3)δ 170.8(COCH),164.4(CS),155.4,150.5,144.1,12
9.4,125.8,122.2,119.1,116.3,52.6(CHCO),41.4,38.3,38.2,25.8,2
4.9,22.9,22.4,22.1。
IR(KBr,cm-1):3295(NH),1651(C=O),1527。
融点 164−167 ℃。
実施例44
5−アミノ−3−メトキシ−1,2,4−チアジアゾールの合成 この物質は
、J.Goeredeler et al.,Chem.Ber.,1995,88,843の手順に従って調製した
。シアナミド(5.77g,13.78mmol)を、メタノール(100mL)中に溶解した HCl(5.
77g)の溶液に徐々に付加した。その結果生じた混合物を室温で3日間撹拌した
。残渣を減圧下で蒸発させて、塩酸メチルイソウレア(15.16g)を生成した。次
亜塩素酸ナトリウム溶液(0.769M,149mL)を、水(75mL)に溶解した塩酸メチル
イソウレア(12.63g,0.114mol)の溶液に、0℃で30分間かけて滴下した。1.5時
間後、溶液を塩化ナトリウムで飽和させ、エーテル(3×700mL)で抽出した。併
合エーテル性層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発させて、N−クロロメチルイ
ソウレア(10.26g、収率83%)を得た。KSCN(9.19g,94.5mmol)を、メタノー
ル(200mL)に溶解したN−クロロメチルイソウレア(10.26g,94.5mmol)の溶液
に付加した。16時間後、不溶性残渣を濾過し、メタノールでさらに洗浄した。併
合濾液を蒸発させて固体を生成し、これをカラムクロマトグラフィー(溶離勾配
:5〜7% MeOH : CHCl3)により精製した。単離固体をトルエンから再結晶化
して、表題化合物(3.14g)を得た。
実施例45
5−{3−メトキシ−1,2,4−チアジアゾリル}カルバモイル−イソロイシ
ルイソアミルアミドの合成
トリホスゲン(0.837g,2.82ミリモル)およびジプロピルエチルアミン(1.08
g,8.35ミリモル)の溶液に5−アミノ−3−メトキシ−1,2,4−チアジア
ゾール(1.0g,7.67ミリモル)のTHF 溶液(20mL)を15℃で滴下して加え、得ら
れた混合物を室温で1時間
撹拌した。ロイシル−イソアミルアミド(1.53g,7.62ミリモル)のジクロロメ
タン溶液(15mL)を15分間かけて添加した。2時間後、減圧下で溶媒を除き、残
渣を酢酸エチル(500mL)に溶解した。この物質を硫酸アンモニウム溶液(10%,5
0mL)と食塩水(50mL)で洗浄した。油層を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させ
て油分が得られ、これをカラムクロマトグラフィー(1.5% MeOH : CHCl3)により
精製したところ、表題の化合物が得られた(469mg、収率:17%)。
1H−NMR(CDCl3)0.86(d,J=6.55Hz,6H,2CH3),0.93(dd,6H,
2CH3),1.34(m,2H),1.53〜1.73(m,4H、ロイシルのCH2、イソアミ
ルのCH2),3.17〜3.33(m,2H,CH2NH),4.10(s,3H,OCH3),6.58(
t,J=5.4Hz,1H,NHCH2),6.70(d,J=8.6Hz,1H,NHCH),12.60(
br.s,1H,NHCO)13
C−NMR(CDCl3)δ 178.1(C−OCH3),171.7(CH−C=O),166.0(C−
S),153.9(N−CO−N),56.6(CH3O),52.7(CH−CO),41.9,38.2,38.
0,25.8,24.7,22.8,22.4,22.3,22.2
IR(KBr,cm-1):3359(NH),1701(C=O),1680,1645,1554
融点 169〜172 ℃
実施例46
5−{ベンジルオキシカルボニル−L−フェニルアラニル−L−アラニアミド}
−3−メトキシ−1,2,4−チアジアゾールの合成
ブタノール(131mg,0.97ミリモル)とカルボベンジルオキシ−L−フェニルア
ラニル−L−アラニン(300mg,0.81ミリモル)のDMF溶液(2mL)にEDCI(300mg
,1.62ミリモル)を0℃で添加した。
25分間後、5−アミノ3−メトキシ−1,2,4−チアジアゾール(140mg,1.05
ミリモル)を加えた溶液を室温で3日間撹拌した。この物質を蒸発乾固し、酢酸
エチルで抽出した。油層を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させて油分が得られ、
これをカラムクロマトグラフィー(5% MeOH : CH2Cl2)により精製したところ
、表題の化合物30mgが得られた。
1H−NMR(MeOD)1.42(d,3H,CH3),2.80〜2.95(dd,1H、フェニル
のCH2),3.08〜3.18(dd,1H、フェニルのCH2),3.99(s,3H,CH3O),
4.45(dd,1H、フェニルのα−CH),4.58(q,1H、アラニルの−CH),5.
05(s,2H,OCH2),7.10〜7.40(m,10H,Ar−H)13
C−NMR(MeOD)δ 177.3(COCH3),174.4(CO),174.2(CO),169.5(CS),158.3(
CO2),138.2,138.1,130.4,129.4,128.9,128.8,128.7,127.8,127.7,67.
7(OCH2),57.6(CHCH2),57.1(CH30),39.0(CH2CH),17.2(CH3CH)
実施例47
N−〔3−(4−メチル−ピペラジニル−イル)−〔1,2,4〕チアジアゾル
−5−イル〕−N−フェニル−ベンズアミジンの合成
H.Sonnenschein 等、Liebigs Ann.Chem.,1992,287〜289 に従って5−シ
アニミノ−4,5−ジヒドロ−3,4−ジフェニル−1,2,4−ジフェニル−
1,2,4−チアジアゾールを調製した。5−シアニミノ−4,5−ジヒドロ−
3,4−ジフェニル−1,2,4−チアジアゾール(153mg,0.55ミリモル)のジ
オキサン溶液(3ml)に1−メチルピペラジン(0.152ml,1.375ミリモル)を添
加した。この混合物を室温で3日間撹拌した。TLC(酢酸エチル:ヘキサン35%)
により反応の終了が示唆された。生成した白色の固体をろ過後後、ジクロロメタ
ン:ヘキサン(1:9)で再結晶したと
ころ、表題の化合物97mgが得られ、これをさらにカラムクロマトグラフィー(10
% MeOH : CH2Cl2)によって精製した。
1H−NMR(CDCl3):2.3(s,3H,OMe),2.4(m,4H,2CH2),3.5(
m,4H,2CH2),7.15〜7.25(m,10H,ArH),8.51(s,1H,NH)
融点 152.5〜152.7 ℃
実施例48
7−メトキシ−3−〔(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)オキ
ソメチル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールの酸
安定性
表題の化合物の酸安定性を調べるため、この化合物を最小量のメタノールに溶
かし、得られた溶液を6モル塩酸溶液に添加した。この化合物は、酸の中で極め
て安定なことが分かり、室温で48時間撹拌した後でも完全に回収された。一方オ
メプラゾールは上記の条件では数分間で完全に分解した。1,2,4−チアジア
ゾール誘導体は酸の中で安定であるため、オメプラゾールよりも酸性溶媒での直
接チオール捕捉剤として優れている。
実施例49
7−メトキシ−3−〔(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)オキ
ソメチル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールと3
−メルカプトプロピオン酸の反応
7−メトキシ−3−〔(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)オ
キソメチル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール(2
50mg)のメタノール懸濁液(125mL)と 0.1M塩酸38mLに3−メルカプトプロピオン
酸16μLを添加した。出発原料が完全に分解した後、混合物を炭酸水素ナトリウ
ム水溶液で中和してpH6とし、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチルを無水硫酸
マグネシウムで乾燥し、蒸発させた。粗製物をクロマトグラフィーにより精製し
たところ、2−イミノ−2−(2−メルカプト−1−ベンズイミダゾリル)−1
−(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)エタノン93mgと2−メル
カプトベンズイミダゾール65mgとメチル2−(4−メトキシ−3,5−ジメチル
−2−ピリジル)−2−オキソアセテート61mgが得られた。2−イミノ−2−(
2−メルカプト−1−ベンズイミダゾリル)−1−(4−メトキシ−3,5−ジ
メチル−2−ピリジル)エタノン:1H−NMR(CDCl3)δ 10.55(br,s,1H
,NHまたはSH),10.35(br,s,1H,NHまたはSH),8.10(d,1H,J=
7Hz,ArH),7.80(s,1H、ピリジルのH6),7.35〜7.20(m,2H,2×
ArH),7.10(d,1H,J=7.9Hz,ArH),3.75(s,3H,OCH3),2.60(s
,3H,ArCH3),2.15(s,3H,ArCH3)ppm ; IR(KBr):3262,1691,163
5,1502,1458,1396,1328,1272,1247,1004,746cm-1;MS(エレクトロスプ
レー)m/z 341(MH+),191(MH+−2−メルカプトベンズイミダゾール)
2−メルカプトベンズイミダゾール:この物質は、1H−NMR,IRおよびTLC に
より、アルドリッチ化学社から購入した基準試料と同一であることが分かった。
メチル2−(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)−2−オキソア
セテート:1H−NMR(CDCl3)δ8.45(s,1H,ArH),4.1(s,3H,OCH3
),3.85(s,3H,OCH3),2.65(s,3H,ArCH3),2.4(s,3H,ArCH3
)ppm ; IR(KBr):1747,1703,1468,1394,1310,1242,1206,1120,1004
,740cm-1;MS m/z 224(M++H),164(M+−CO2Me−CO)
実施例50
3−(ジメチルアミノ)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a
〕ベンズイミダゾールとフェネチルメルカプタンの反応
3−(ジメチルアミノ)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイ
ミダゾール(23mg)のメタノール溶液(10mL)にフェネチルメルカプタン 360μ
Lを添加した。1分後に反応が終了した。溶媒を蒸発させ、粗製物をクロマトグ
ラフィーにより精製したところ、N1,N1−ジメチル−2−メルカプト−1−ベ
ンズイミダゾリルアミジンが得られた。1H NMR(DMSO−d6)δ 7.3〜7.0(m,
4H,4×ArH),3.35(br,s,2H,NH,SH),2.88(s,6H,2×NCH3)
ppm ; IR(KBr):3210,1641,1475,1452,1407,1319 cm-1;MS m/z 220
(M+),150(M+−Me2NC =NH)
実施例51
3−ブロモ−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールとフ
ェネチルメルカプタンの反応
3−ブロモ−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール(5
00mg)のメタノール懸濁液(50mL)にフェネチルメルカプタン 790μLを添加し
た。この固体は速やかに溶ける。反応終了後、溶媒を蒸発させ、残渣をクロマト
グラフィーにより精製したところ、2−メルカプト−1−ベンズイミダゾールカ
ルボニトリル 296mgが得られた。1H NMR(DMSO−d6)δ 12.85(br,s,1H
,SH),7.5〜7.2(m,4H,4×ArH)ppm ; IR(KBr):2259,1509,1459,1
303,1189,752cm-1;MS m/z 175(M+),150(M+−CN)
実施例52
3−メトキシ−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールと
フェネチルメルカプタンの反応
3−メトキシ−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズ
イミダゾール(23mg)のメタノール溶液(10mL)にフェネチルメルカプタン 376
μLを添加した。1分後に反応が終了した。メチル2−メルカプト−1−ベンズ
イミダゾールカルボキシイミデートは、この反応の主生成物であることを確認し
た。1H NMR(DMSO−d6)δ 13.45(br,s,1H,SHまたはNH),9.8(br,
s,1H,NHまたはSH),7.7(d,1H,J=8HZ,ArH),7.35〜7.2(m,3H
,3×ArH),3.95(s,3H,OCH3)ppm ; IR(KBr):3437,3095,1679,145
0,1440,1376,1193,735cm-1;MS m/z 220(M+),150(M+−MeOC=NH
)
実施例53
3−(オキソフェニルメチル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベン
ズイミダゾールとフェネチルメルカプタンの反応
3−(オキソフェニルメチル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベ
ンズイミダゾール(26mg)のメタノール懸濁液(10ml)にフェネチルメルカプタ
ン31μLを添加した。アルドリッチ化学社から購入した2−メルカプトベンズイ
ミダゾールの基準試料と比較することにより、この基質は完全に2−メルカプト
ベンズイミダゾールに変換したことが分かった。
実施例54
3−〔ヒドロキシ(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル〕
−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールとフェネチルメ
ルカプタンの反応
3−〔ヒドロキシ(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル
〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール(25mg)のメ
タノール懸濁液(10ml)にフェネチルメルカプタン 250μLを添加した。アルド
リッチ化学社から購入した2−メルカプトベンズイミダゾールの基準試料と比較
することによ
り、この基質は完全に2−メルカプトベンズイミダゾールに変換したことが分か
った。
実施例55
3−〔4−メチルフェニル)スルホニル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5
−a〕ベンズイミダゾールとフェネチルメルカプタンの反応
3−〔4−メチルフェニル)スルホニル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,
5−a〕ベンズイミダゾール(31mg)のメタノール懸濁液(10mL)にフェネチル
メルカプタン 313μLを添加した。アルドリッチ化学社から購入した2−メルカ
プトベンズイミダゾールの基準試料と比較することにより、この基質は完全に2
−メルカプトベンズイミダゾールに変換したことが分かった。
実施例56
5−アミノ3−メトキシ−1,2,4−チアジアゾールとフェネチルメルカプタ
ンの反応
5−アミノ3−メトキシ−1,2,4−チアジアゾール(250mg)のメタノール
溶液(10mL)にフェネチルメルカプタン 1.3mLを添加した。反応終了後、溶媒を
蒸発させ、粗製物をクロマトグラフィーにより精製したところ、3−カルバモイ
ルイソ尿素 236mgが得られた。この化合物の構造をX線結晶法により確認した。
1H−NMR(CDCl3)δ10(br,s,1H,NH),6.55(br,d,2H,NH2),
5.55(br,s,1H,NH),3.75(s,3H,OCH3)ppm(溶液中では、この化
合物は1−チオカルバモイルイソ尿素互変異性体として存在し、NMR スペクトル
の1NH2と2NHを与える);IR(KBr)3420,3282,3266,3169,1626,1601,15
19,1465,1411,1380,1098cm-1;MS m/z 133(M+),117(M+−NH2),
100(M+−SH)
実施例57
3−〔(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)オキソメチル〕−1
,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールとフェネチルメルカ
プタンの反応
3−〔(4−4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)オキソメチル〕
−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール(300mg,0.887
ミリモル)のメタノール懸濁液(150mL)と 0.1M塩酸(38mL)にフェネチルメル
カプタン(120μL,0.90ミリモル)を添加した。室温で51時間撹拌した後、混合
物を炭酸水素ナトリウム水溶液で中和してpH6とし、酢酸エチルで抽出した。酢
酸エチルを無水硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させた。粗製物をクロマトグラ
フィー(溶出グラジエント:酢酸エチル:ヘキサン10%から酢酸エチル:ヘキサ
ン30%まで)により精製したところ、ジフェネチルジスルフィド 110mg(収率:
フェネチルメルカプタンの92%)と、2−オキソ−2−(4−メトキシ−3,5
−ジメチル−2−ピリジル)酢酸のメチルエステル63mg(収率:消費された表題
の1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールの37.6%)と、
3−〔(4−4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)オキソメチル〕
−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール44mg(出発原料
14.6%回収)と、2−メルカプトベンズイミダゾール(46mg、収率:表題の1,
2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールの40%)が得られた。
メチル2−オキソ−2−(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)酢
酸:1H−NMR(CDCl3)δ8.45(s,1H,ArH),4.1(s,3H,OCH3),3.85
(s,3H,OCH3),2.65(s,3H,ArCH3),2.4(s,3H,ArCH3)ppm ;
IR(KBr):1747,1703,1468,1394,1310,1242,1206,1120,1004,740cm- 1
;MS
m/z 224(M+ +HO),164(M+ −CO2Me),135 (M+−CO2Me −CO)
2−メルカプトベンズイミダゾール:この物質は、1H−NMR,IRおよびTLC によ
り、アルドリッチ化学社から購入した基準試料と同一であることが分かった。
ジフェネチルジスルフェド:H−NMR(CDCl3):3.03(m,8H,2CH2CH2),7.2
7(m,6H,ArH),7.30(m,4H,ArH),C−NMR(CDCl3:35.79,40.27,126
.46,128.57,128.67,140.08)
実施例58
3−(4−メチル−ピペラジニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕
ベンズイミダゾールとチオフェノールの反応
3−(4−メチル−ピペラジニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a
〕ベンズイミダゾール(1.494g,4.31ミリモル)とチオフェノール(1.43ml,12.
94ミリモル)のメタノール(400ml)+1N HCl(120ml)溶液を室温で 3.5日間
撹拌した。この物質の溶媒を蒸発させて得られた固体残渣をエーテル(3×100ml
)と水(20ml)で分配した。エーテル層を硫酸ナトリウムで乾燥したところ、ジ
フェニルジスルフィド 753mgが得られた(収率:53.3%)。2N NaOHを0℃で
滴下して加えて水層を中和した後、ジクロロメタン(3×100ml)で抽出した。ジ
クロロメタンを硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させたところ、1−〔イミノ−(
5−メチル−ピペラジン−1−イル)メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−
チオールの固体が得られた(1.13g、収率:95.1%)。
H NMR(DMSO):2.19(s,3H,N−Me),2.33(br.s,4H,2CH2CH2−
),3.24(br.s,4H,2CH2CH2−),7.14〜7.23(m,4H,ArH)
C−NMR(DMSO):44.81,45.11,53.59,109.52,110.42,123.09
,123.89,131.47,131.57,149.34(C=NH),166.89(CSH)
実施例59
3−ベンゾイル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール
とチオフェノールの反応
チオフェノール(1.08ml,10.47 ミリモル)と3−ベンゾイル−1,2,4−
チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール(975mg,3.49 ミリモル)のメ
タノール(400ml)と1N HCl(120ml)溶液を室温で16時間撹拌した。この溶液を減
圧下で蒸発させてメタノールを除き、水性混合物を炭酸水素ナトリウムの固体で
中和してpH7.0 とし、CH2Cl2で抽出した。油層を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発
させて固体を得た。この物質をカラムクロマトグラフィーで精製したところ、以
下の化合物が得られた。
ジフェニルジスルフィド(700mgの固体;R1=0.69,10%酢酸エチル:ヘキサン
)アルドリッチ化学のジフェニルジスルフィドと同一のNMR を有する。
H−NMR(CDCl3): 7.3〜7.35(m,2H,ArH),7.35〜7.45(m,4H,ArH
),7.63〜7.68(m,4H,ArH),C−NMR(CDCl3):127.326,127.703,129
.241,137.219
2−メルカプトベンズイミダゾール(180mg、収率:34.3%);R1=0.46,20%酢
酸エチル:ヘキサン)アルドリッチ化学の2−メルカプトベンズイミダゾールと
同一のNMR を有する。
ベンゾイルギ酸メチル(120mg、収率:21%;R1=0.57,20%酢酸エチル:ヘキ
サン)アルドリッチ化学のベンゾイルギ酸メチルと同一のNMR を有する。H−NMR
(CDCl3):52.67,128.86,130.03,132.44,134.89,164.01(C=O),185.
98(C=O),IR:1740,1687,cm-1
実施例60
1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール誘導体と2−メ
ルカプトエタノールの反応:t1/2値の測定
メスフラスコ中で計算量の1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイ
ミダゾール誘導体(最終溶液濃度=5×10-3M)とフェノール(118mg,最終溶
液濃度=5×10-3M)をメタノール(250ml)に溶解した。この溶液 100mlを清浄な
メスフラスコに移し、得られた溶液を室温で撹拌した。溶液に浸けたシリンジの
先から2−メルカプトエタノール 100μl(最終溶液濃度=1.15×10-2M)を60
秒以内に加えた。PEエキスプレスC18カラム(3.3cm)と254nm に設定したUV検出
器を備えたHPLC(ヒューレットパッカード1100型)によって反応の経過をモニタ
ーした。このカラムを50mM酢酸アンモニウム(70%)+アセトニトリル(30%)
を移動相として溶出した。
以下のようにして反応終了率(%)を計算した。
反応時間0における出発原料の 100%は未反応のままであった。
反応時間tにおける未反応の出発原料(%)={ht(試料)/ht(内部標準)
}/{h0(試料)/h0(内部標準)}×100(式中、ht(試料)、ht(内部
標準)はそれぞれ反応時間tにおける試料、内部標準のピーク高さ、h0(試料
)、h0(内部標準)はそれぞれ反応時間0における試料、内部標準のピーク高
さを表す)であった。未反応の出発原料(%)を時間軸に対してプロットした。
t1/2は未反応の出発原料が50%のときの反応時間である。
pH7.0 における3環系1,2,4−チアジアゾールとメルカプトエタノールの反
応
実施例61
ラット胃酸分泌に対する式Iの化合物の作用
絶食させた成体(140〜240 g)雄 Sprague−Dawleyラットを別々の日に24時間
飲水させながら絶食させた後、総体積1〜1.5ml の式Iの化合物(300μmmol/Kg
)を経口強制栄養した。2時間後、ラットをpentobartital とチオペンタールで
併用麻酔し、開腹、幽門結紮し、気管静脈、胃静脈、末梢静脈内にカニューレを
挿入した。0.9%食塩水10mLで10分毎に30分間胃を洗浄し、胃洗液を受け器に集
めて基礎酸分泌を測定した。0.02M NaOH を用いてpH7.0 に逆滴定することによ
り各胃洗液中の酸分泌量を測定した。
対照ビヒクルでは8%ペプトン刺激酸分泌量は1時間後に 160ミリモル/30分
間であることが分かるが、一方、7−メトキシ−3−〔(4−メトキシ−3,5
−ジメチル−2−ピリジル)オキソメチル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,
5−a〕ベンズイミダゾールを投与したラットは、1時間後に20μmmol/30分間
の酸分泌量の
観察レベルを有する。7−メトキシ−3−〔(4−メトキシ−3,5−ジメチル
−2−ピリジル)オキソメチル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベ
ンズイミダゾールは 300μmol /Kg投与で食餌刺激酸分泌の有意な(p<0.05)
阻害を示した。
実施例62
ラットにおける胃酸分泌に対する式Iの化合物の作用(用量反応試験)
絶食した、成熟した(140〜240 g)、雄のスプラグ−ダウレイ系ラットを、24
時間、食餌から絶食したが、水は摂取させ、その後異なる日に、各化合物の4種
の異なる用量(0.3,3,30及び 300μmol /kg)を、総容量が1〜1.5ml で、経
口管栄養法により投与した。2時間後、ラットは、ペントバルビタール及びチオ
ペンタールの組み合わせにより麻酔し、開腹し、かつ幽門を結紮し、並びに気管
静脈、胃静脈及び末梢静脈にカニューレを挿管した。胃を、0.9%生理食塩水10m
lで、10分毎に、30分間洗浄し、かつこの胃洗浄液を、容器に収集した。各胃洗
浄液試料について、0.02M NaOH を用いて、pH7.0 までの逆滴定により、酸排出
量を測定した。次に、8%ペプトンミール(pH5.5)5mlを、胃に注ぎ込み、混合
し、かつ10分後に、毎回2時間かけて排出した。酸排出量は、各胃洗浄液試料に
ついて、0.02M NaOH を用いて、pH7.0 までの逆滴定により測定した。少くとも
30分間の基準の酸排出量を測定した後、次にヒスタミン(5mg/kg)を2時間静
脈内注入しながら、酸排出量を測定した。
図3は、麻酔をかけたラットにおける、溶媒投与後、及び7−メトキシ−3−
〔(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)オキソメチル〕−1,2
,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールの4用量(0.3,3,30及
び 300μmol /kg)を投与
した後の、胃酸排出量(mmol/分)を示している。
7−メトキシ−3−〔(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)オ
キソメチル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールは
、3,30,300 μmol /kgの用量で、ヒスタミンに刺激された酸分泌の有意な(
p<0.05)阻害を示した。
実施例63
In vitroにおける3−(4−メチル−1−ピペラジニル)−1,2,4−チアジ
アゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールジヒドロクロリドによる胃酸分泌の阻
害
マウスにおいて、酸分泌は、摘出されたマウス胃腺における、弱塩基性14C−
アミノピリンの蓄積により、間接的に測定した。このアッセイは、再懸濁された
マウスの胃腺 0.5mlを含むポリプロピレン製エッペンドルフチューブの中で行っ
た。更に、チューブは、被験薬、酸分泌促進物質(例えば、ヒスタミン、ジ−ブ
チリルサイクリックAMP(cAMP)、カルバコール)及び14C−アミノピリンを含ん
だ。チューブを、37℃で、60分間インキュベーションし、かつ連続して回転した
。この腺懸濁液を、1500gで、5分間遠心分離することによって、この反応を停
止した。上清を吸引し、完全な状態の胃腺を含むペレットを残した。このペレッ
トを、良く洗浄し、かつプロトゾル(アメルシャム社)1mlの中で、一晩消化し
た。酢酸で中和した後、液体シンチレーター(scintillation fluid)を添加し、
その放射能をβ線カウンター(ベックマン社)で計測した。該ペレット中に捕捉
された放射能の量は、分泌された酸の量に直接対応している。各実験ポイントは
、トリプレットで行った。各実験において、エネルギーに依存しない消費は、ジ
ニトロフェノール 0.1mM及び酸刺激物の無い場合の基準の酸分泌により推定され
た。次に基準の及び分泌促進物質の刺激した酸分泌を計算するために、これらの
値を、対応する結果から減じた。
マウスの腺は、様々な通常の分泌促進物質及びレセプター後媒介物質に反応す
るが、ガストリンには反応しない。酸分泌の最大刺激は、1mL cAMP,0.1mMヒス
タミン、0.1mM IBMX,10μMカルバコール、10μMフォルスコリン、10μMカル
シウムイオノホアA23187,1μMタプシガリン(thapsigarin)により達成される
。各実験は、相当回数反復し、かつ全ての結果を、最大刺激の百分率(%)とし
て表した。前述の化合物の相対強度を比較するために、各実験は、レセプター後
/cAMPが媒介した反応のためのオメプラゾール、及びヒスタミンが媒介した酸分
泌を阻害するラニチジンを用いる陽性対照を含んだ。
3−(4−メチル−1−ピペラジニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5
−a〕ベンズイミダゾールジヒドロクロリドは、100μMで、cAMP及びヒスタミ
ンが刺激した酸分泌を、完全に阻害した。前述の方法を用いて、この化合物のED50
値が、50μMであることがわかった。
実施例64
1,2,4−チアジアゾロ及び1,2,4−チアジアゾール−〔4,5−a〕−
ベンズイミダゾール誘導体によるカテプシンB、カテプシンL及びパパインの阻
害:酵素アッセイ及び反応速度の測定
前述の実験の条件は、下記の参考文献において認めることができる:Menard R
.らの論文、Biochemistry,29 : 6706-6713(1990);Fox T.らの論文、Bioche
mistry,31 : 12571-12576(1992);Cannona E.らの論文、Biochemistry,35 :
8149-8157(1996)。典型的実験は、2時間未満に最大阻害が達成されるような
阻害剤濃度の選択、完全な進行曲線(すなわち蛍光対時間)のモニタリング、及
びこれらのデータの分析からなる。この分析は、2種のパラメータ
:一旦定常状態に到達した%阻害、及びこの定常状態に到達した速度を表す速度
定数を得る。典型的には、この酵素活性は、酵素活性が一定を保つような阻害の
最大レベル(すなわち定常状態)に到達するまで、経時的に減少する。定常状態
において、活性の有意なレベルが、依然検出される(すなわち阻害は完全ではな
い)ので、このデータは、通常遅結合性可逆的阻害剤のために使用される、式(
1)に当てはめる。
〔P〕=Vo*t+{(Vi−Vo)〔1−e-k obs t〕}/Kobs (1)
%阻害=(1−Vi/Vo)*100 (2)
この式において、〔P〕は、生成物の濃度(蛍光の読み値から得られる)を表
す。Kobsは、定常状態に到達するまでの一次速度定数であり、Voは、該阻害剤が
存在しない場合の速度に相当する初速度であり、かつViは、定常状態での酵素阻
害の速度である。この%阻害は、式(2)を用いて得られ、ここで阻害剤の非存
在下で測定された速度は、Voのために使用した。このような方法の簡単なメカニ
ズムの例を、下記に示す:
このメカニズムについては、実験的に決定されたKobs値は、下記に相当するで
あろう:
Kobs=Kon[inh]+Koff
Kobs値は、阻害剤濃度により変動する。しばしばKoffは、Kon[inh]よりも非常に
遅く、かつKobs/[inh]を、ほぼKon として使用することができる。この方法を
、本試験において使用し、かつ結果を下記に示す:
3−〔4−メチルピペラジニル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベ
ンズイミダゾール
カテプシンL: 200μM〔阻害剤〕で、98%阻害;Kobs/[inh]=24M-1s-1
カテプシンB: 200μM〔阻害剤〕で、68%阻害;Kobs/[inh]=19M-1s-1
パパイン: 200μM〔阻害剤〕で、99%阻害;Kobs/[inh]=28M-1s-1
1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール−3−イルカルボ
ン酸ナトリウム塩
カテプシンL:50μM〔阻害剤〕で、98%阻害;Kobs/[inh]= 184M-1s-1
カテプシンB: 200μM〔阻害剤〕で、85%阻害;Kobs/[inh]=34M-1s-1
パパイン: 200μM〔阻害剤〕で、99.6%阻害;Kobs/[inh]= 131M-1s-1
3−〔2−ピリジルカルボニル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベ
ンズイミダゾール
カテプシンL: 200μM〔阻害剤〕で、99%阻害;Kobs/[inh]=68M-1s-1
カテプシンB: 200μM〔阻害剤〕で、58%阻害;Kobs/[inh]=15M-1s-1
パパイン:1μM〔阻害剤〕で、79%阻害;Kobs/[inh]=2479M-1s-1
3−〔N−モルホリノメチル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベン
ズイミダゾール
カテプシンL: 200μM〔阻害剤〕で、80%阻害;Kobs/[inh]=7M-1s-1
カテプシンB: 200μM〔阻害剤〕で、60%阻害;Kobs/[inh]=
8M-1s-1
パパイン: 200μM〔阻害剤〕で、92%阻害;Kobs/[inh]=7M-1s-1
1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール−3−イル−L−
プロリンメチルエステル
カテプシンL:10μM〔阻害剤〕で、90%阻害;Kobs/[inh]=1050M-1s-1
カテプシンB:10μM〔阻害剤〕で、88%阻害;Kobs/[inh]= 626M-1s-1
パパイン:0.26μM〔阻害剤〕で、97%阻害;Kobs/[inh]= 356M-1s-1
3−〔2−(N−モルホリノ)エトキシ〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5
−a〕ベンズイミダゾール
カテプシンL:25μM〔阻害剤〕で、99%阻害;Kobs/[inh]= 356M-1s-1
カテプシンB:50μM〔阻害剤〕で、91%阻害;Kobs/[inh]= 107M-1s-1
パパイン:0.66μM〔阻害剤〕で、99.6%阻害;Kobs/[inh]=5560M-1s-1
{1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール−3−イル}−
カルボニル−L−ロイシルイソアミルアミド
カテプシンL:5μM〔阻害剤〕で、93%阻害;Kobs/[inh]= 307M-1s-1
パパイン:5μM〔阻害剤〕で、95%阻害;Kobs/[inh]= 500M-1s-1
5−{3−メトキシ−1,2,4−チアジアゾルイル}カルバモイル−イソロイ
シルイソアミルアミド
カテプシンL:5μM〔阻害剤〕で、99%阻害;Kobs/[inh]=3482M-1s-1
カテプシンB:5μM〔阻害剤〕で、56%阻害;Kobs/[inh]=1062M-1s-1
パパイン:1μM〔阻害剤〕で、97%阻害;Kobs/[inh]=3896M-1s-1
実施例65
パパイン及びアクチニジンと、5−{3−メトキシ−1,2,4−チアジアゾル
イル}カルバモイル−イソロイシルアミルアミド(TllAA)の酵素阻害剤複合体の
結晶構造の決定: TllAA/パパイン複合体及び TIIAA/アクチニジン複合体
精製されたパパインは、市販のものから得、かつ精製されたアクチニジンは、
ホモジナイズしたキーウィフルーツの水性抽出、その後の硫酸アンモニウム分画
及びDEAEイオン交換クロマトグラフィーによって得た。このアクチニジン/TIIA
A 及びパパインTIIAA の反応は、同じプロトコールに従った。β−メルカプトエ
タノールで活性化された水銀−アガロース(agrose)アフィニティークロマトグ
ラフィーによって、メルカプト化したタンパク質(mercaptoprotein)を単離した
。このタンパク質は、水銀誘導体として溶離した。この水銀−メルカプト化した
タンパク質は、0.1重量/容量%で、8倍モルの過剰のTllAA 及びEDTAと共に、p
H7.5 においてインキュベーションした。パパイン/TllAA は、67%の2:1メ
タノール/エタノール、76mM NaCl、及び1mM A100-73の中に、2.5重量/容量%
で再溶解した。
パパインTIIAA 結晶が、据置式−液滴蒸気拡散(sitting-drop vapour diffusi
on)により成長した。パパインTllAA のアリコートを、67%の2:1メタノール
/エタノール及び 0.1Mエタノールアミ
ンバッファー(pH9.3)を含む容器の上で、23℃でインキュベーションした。4か
ら6週間のうちに、巨大な1個の結晶が析出した。
アクチニジンTllAA は、20mM MESバッファー(pH6.0)及び 0.5mM TIIAA中に、0
.5重量/容量%で再溶解した。アクチニジンTllAA結晶は、懸架式(hanging)−液
滴蒸気拡散により成長した。アクチニジンTIIAA、並びに20mM MESバッファー(pH
6.0)及び 1.4M硫酸アンモニウムを含む容器溶液の1:1混合物を、該容器の上
で、4℃でインキュベーションした。7から10日のうちに、巨大な1個の結晶が
析出した。
これらの結晶は、母液を含むワックスで密封したガラスキャピラリー管に入れ
た。リガク社のRU200 X−線発生装置を装備したシーメンス社のマルチ−ワイヤ
検出器によりデータを収集した。3種のデータセットを、1個のパパイン/TllA
A から収集し、かつ2種のデータセットを、2個のアクチニジンTllAA結晶につ
いて集めた。データの換算(reduction)には、XDS を用い、かつそれぞれのデー
タセットは、互いに拡大縮小(scale)した。これらのタンパク質結晶は、下記の
単位格子寸法を有した:
パパイン/TllAA について:a=42.9Å,b=49.9Å,c=95.7Å,=β= =
90
アクチニジン/TllAA について:a= 3.9Å,b=77.9Å,c=81.4Å,=β=
=90
結晶は両方とも、空間群P212121を有した。このパパイン/TllAAの拡大縮小し
たデータセットは、2.2Åの分解能まで完成し(2.0Åまで60%完成)、全体のRsym
= 8.8%であった。アクチニジンの拡大縮小したデータセットは、2.7Åの分解
能まで完成し、全体のRsym=10%であった。構造の精密化には、XPLOR を用いた
。パパインTllAA 構造には、65個の水分子をモデルとした。パパインTllAA に
ついては、Rcryst=18.4%及びRfree =20.4%であった。アクチニジンTllAA に
ついは、Rcryst=20.5%及びRfree =24.4%であった。
パパインTllAA 及びアクチニジンTllAA 複合体の電子密度図は、それらのそれ
ぞれの触媒性システイン残基(Cys25)から伸びている連続した電子密度を示して
いる。このことは、TllAA が、パパイン及びアクチニジンと共有結合により反応
し、タンパク質/阻害剤複合体を生成したことを意味している。TllA は、パパ
インの活性部位を完全にモデル化され、TllAA の部分的モデルは、パパインの活
性部位に完全にモデル化され、アクチニジン活性部位においてTllAA の部分的モ
デルが得られた。
反応速度データは、アクチニジンTllAA 調製における、及び再溶解したアクチ
ニジンTllAA 結晶における、酵素活性の完全な阻害を示している。
実施例66
胃ATPase酵素阻害アッセイ
使用した酵素は、ブタのH+/K+ATPaseである(Sachsらの論文、J.Biol.Che
m.,251 : 7690-7698(1976))。Yoda A.及びHokin L.E.の論文(Biochem.Res.
Commun.,800-884(1970))によって報告された変更された方法を用いた。ブタ
の胃(GI)小胞を用いる、カリウムで刺激されたATP 加水分解、H+/K+ATPase
で増強された調製物を測定した。
Mg++の存在時の活性、並びにMg++及びK+の存在時の活性の間の差異を、酵素
活性とした。K+イオノホアであるニゲリシンも、(+)K+インキュベーション
混合物中に存在し、該小胞内部へのK+の接近をもたらした。加水分解活性は、
リンモリブデン酸塩複合体の定量分析により測定した。この複合体は、320nmで
最大吸光度
を示す。H+/K+ATPaseの阻害に使用した多くの試薬の吸光度は、この波長で妨
げられる。従って、リンモリブデン酸塩複合体が、Fiske 及びSubbarow還元剤(
1−アミノ−2−ナフトール−4−スルホン酸+亜硫酸ナトリウム)で還元され
る。このアッセイの変更法を用いた。これは、酸化されたリンモリブデン酸塩複
合体のために、吸光度を 320nmから、600〜700nm へとシフトする。この変更法
は、複数の試料を試験する場合には、自動化されたアッセイ手段を提供するとい
う更なる利点がある。この変更法において、該アッセイ混合物の吸光度は、700n
mで測定した。
基準のMg++濃度は、2ml MgCl2,2mM Na2ATP,40mM ピペス−トリス、pH6.10
の中で、測定した。20mM KCl及び10μg/mlニゲリシンを添加し、K+による刺
激の程度を測定した。その後被験化合物及び溶媒を添加した。次に酵素(10μg
/ml)を添加し、反応を開始した。最終の容量は200μlであった。これらのア
ッセイのプロトコールを、下記に示す。
ウェル当たりの容量
a 添加の回数を減らすために、塩溶液及び水を一緒に、1回で添
加することができる。更に添加の回数を減らすことは、ニゲリシン(酵素添加後
の最終濃度が10μg/ml)を加えた酵素を使用することにより達成することがで
きる。
b ATP は、添加直後に、氷冷した蒸留水中で調製しなければならない。
c、酵素は、添加直前に、解凍し、バッファー中に希釈しなければならない。
ゼロブランク(水対照)及びリン標準(200μl)を、使用したアッセイに適当
に加えた:0.005,0.01,0.25,0.050,0.075,0.1…・ 0.5mM標準。試薬を添加
する順番は、一般に、前述に従った。しかし、被験化合物とのプレインキュベー
ション時間の提供が重要である場合は、ATP の前にいずれかの酵素を添加するこ
とが、より好ましい。最後の試薬の添加時間は、均一なアッセイ時間を提供する
ようにした。
これは、30分から1時間反応した。この反応は、2.5M硫酸4容量に1.25重量
/容量% Fiske及びSubbarow試薬1容量を加えてることによって調製した溶液50
μlを添加することで停止した。室温で10分間で呈色し、かつ 700nmで吸光度を
測定した。白色沈殿が生じた場合には、透明な上清(混合しかつ静置した後)を
、酵素活性の測定に用いることができる。
3−〔4−メチルピペラジニル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベ
ンズイミダゾール;EC50=2×10-6M
3−〔ピペラジニル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダ
ゾール;EC50=1×10-6M
3−〔N−モルホリノメチル〕−1,2,4−チアジアゾール〔4,5−a〕ベ
ンズイミダゾール;EC50=2×10-7M
3−〔2−(N−モルホリノ)エチルアミノ〕−1,2,4−チア
ジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール;EC50=2×10-7M
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1999年1月7日
【補正内容】
(1) 明細書第8頁下から4行目「アミノで」を『アミノの中から選ばれた1〜
3個の置換基で』に訂正します。
(2) 同第12頁下から7行目、「ことができる。」と「B2基としては好ましい
のは、」の間に『-NH-CHA1-CO-基として好ましいのは、ロイシルである。』を加
入します。
(3) 同第13頁最下行、「位置で」を『位置1,2で』に訂正します。
(4) 同第14頁第10〜24行の記載「単独又は組合せた形で用いられる…などを意
味する。」を、
『単独又は組合せた形で用いられる「アリール」という語は、アルキル、アル
コキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノなどの中から選択された単数又は複数の
置換基を任意に支持するフェニル又はナフチルラジカル、例えばフェニル、p−
トリル、4−メトキシフェニル、4−(第3ブトキシ)フェニル、4−フルオロ
フェニル、4−クロロフェニル、4−ヒドロキシフェニル、1−ナフチル、2−
ナフチルなどを意味する。
単独又は組合せた形で用いられる「アリールアルコキシカルボニル」という語
は、「アリールアルキル」が上述の意味をもつものとして構造式−C(O)−O
−アリールアルキルのラジカルを意味する。アリールアルコキシ−カルボニルラ
ジカルの一例としては、ベンジルオキシカルボニルがある。
「アリールアルキル」という語は、1つの水素原子がアリールラジカルによっ
て置換されているアルキルラジカル、例えばベンジル、フェニルエチルなどを意
味する。』に訂正します。
(5) 同第15頁第6〜11行目、「「アリルアルカノイル」という語は、…を意味
する。」を、次の通りに訂正します。
『「アリールアルカノイル」という語は、アリール置換されたアルカンカルボ
ン酸、例えばフェニルアセチル、3−フェニルプロピニル、ヒドロシンナモイル
、4−フェニルブチリル、(2−ナフチル)アセチル、4−クロロヒドロシンナ
モイル、4−アミノヒドロシンナモイル、4−メトキシヒドロシンナモイルなど
から誘導されたアシルラジカルを意味する。』
(6) 同第36頁、最下行、「3−メトキシ−5−」を『3−メチル−5−』に訂
正します。
(7) 同第37頁、第1行目、「3−メトキシ−」を『3−メチル−』に訂正しま
す。
(8) 同第40頁下から4行目、「アルキレンオキシド」を『アルケンオキシド』
に訂正します。
(9) 同第40頁下から第3行目、「縮合生成物、または」を『縮合生成物、例え
ば、ポリオキシエチレンステアレート、または』に訂正します。
(10)同第43頁第15〜16行目、「50mlの乾燥N,N−ジメチルホルムアミド中の
」を削除します。
(11)同第44頁第1行目、「5−ジメトキシ−2−」を『5−ジメチル−2−』
に訂正します。
(12)同第44頁第3行目、「2.30(s,3H)」を『2.37(s,3H)』に訂正
します。
(13)同第45頁第12行目、「3,5−ジメトキシ−2−」を『3,5−ジメチル
−2−』に訂正します。
(14)同第46頁第9行目、「1600cm-1」を『1660cm-1』に訂正します。
(15)同第46頁下から9行目、「100mlの中に」を『100mlのクロロホルム中に』
に訂正します。
(16)同第52頁第12行目、「ベンズイミダゾール」を『ベンズイミダゾール−3
(2H)−オン』に訂正します。
(17)同第53頁下から第6行目、「メチルシアノクロロホルメート」を『メチル
シアノホルメート』に訂正します。
(18)同第54頁第2行目、「156.67,」を削除します。
(19)同第54頁7行目、「メチルシアノクロロホルメート」を『メチルシアノホ
ルメート』に訂正します。
(20)同第54頁第8行目、「シアノクロロホルメート」を『シアノホルメート』
に訂正します。
(21)同第55頁第8行目、「1446cm-1」を『1446,727cm-1』に訂正します。
(22)同第55頁下から第6行目、「(CDCl3)」を『(DMSO-d6』に訂正します。
(23)同第61頁第6行目、「0.5mL」を『0.5mL(6.46mmol)』に訂正します。
(24)同第61頁下から第6行目、「14mg」を『140mg』に訂正します。
(25)同第62頁下から第8行目、「(M+-CO2)」を『(M+-OH),175(M+-CO2)』に
訂正します。
(26)同第63頁第5行目、「161.06ppm」を、『161.76,149.68,148.84,129.5
2,126.23,122.74,118.37,116.06ppm』に訂正します。
(27)同第63頁下から5行目、第64頁下から第12行目、第64頁下から第5行目、
第64頁下から第3行目、第64頁最下行、第65頁第2行目、第65頁第4行目、第65
頁第6行目、第65頁第8行目、第65頁第10行目、第65頁第13行目、第65頁第15行
目、第65頁第20行目、第66頁第2行目、第66頁第8行目、第66頁第10行目、第66
頁第12行目、第66頁第14行目、第66頁第16行目、第66頁第18行目、第66頁第23行
目、及び第67頁下から2行目、「−体」を『−オン』に訂正します。
(28)同第64頁第2行目、「結晶である」を『結晶である(融点66〜68℃)』に
訂正します。
(29)同第64頁第3行目、「ブチルカルバミル」を『ブチルカルバモイル』に補
正します。
(30)同第64頁第4行目、「44.96g」を『44.96g(93%)』に訂正します。
(31)同第64頁第5行目、「ブチルカルバミル」を『ブチルカルバモイル』に訂
正します。
(32)同第68頁下から8行目、「16時間」を『18時間』に訂正します。
(33)同第68頁下から第7行目、「10:1」を『10:0.1』に訂正します。
(34)同第75頁下から4行目、「ピペラジニル〕」を『ピペラジニル〕メチル〕
』に訂正します。
(35)同第81頁第3行目、「エーテル」を『エタノール』に訂正します。
(36)同第82頁第8行目、「ベンゾイミダゾールの合成」を『ベンズイミダゾー
ル、及び6′−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−2−ブチル−3−オキソ
−2,3−ジヒドロ−1,2,4−チアジアゾロ−〔4,5−a〕ベンズイミダ
ゾールの合成』に訂正します。
(37)同第86頁第14行目、「固体を生成し」を『固体(1.77g)を生成し』に訂
正します。
(38)同第89頁第2行目、「3日間」を『2日間』に訂正します。
(39)同第90頁下から9行目、「7−メトキシ−3−」を『3−』に訂正します
。
(40)同第90頁下から6行目、「7−メトキシ−3−」を『3−』に訂正します
。
(41)同第91頁下から第3行目、「(M+-CO2Me-CO)」を『(M+-CO2Me),136(M+
-CO2Me-CO)』に訂正します。
(42)同第92頁第7行目、「が得られた。」を『15mgが得られた。』に訂正しま
す。
(43)同第93頁第8〜9行目、「220(M+)」を『207(M+)』に訂正します。
(44)同第96頁第13行目、「ベンズイミダゾール」を『ベンズイミダゾール・ジ
ヒドロクロライド』に訂正します。
(45)同第99頁下から第5行目、「対照ビヒクル」を『対照ビヒクル(n=6)
』に訂正します。
(46)同第100頁最下行、「300μmol」を『300mmol』に訂正します。
【手続補正書】
【提出日】1999年2月1日
【補正内容】
明細書
チオール排除方法発明の分野
本発明は、チオールを捕獲し、チオール化合物を選択的にジスルフィド化合物
に変換するための化学的方法に関する。本発明は同様に、ジスルフィドに変換す
るためのチオールとの選択的反応におけるチオール捕獲剤としての、新規のもの
を一部含むいくつかのチアジアゾール化合物の使用にも関する。発明の背景及び先行技術
チオール化合物は数多くの化学的及び生化学的系の中に存在しており、多くの
場合において、系からの選択的除去又は化学的変換を必要とする望ましくない又
は有害な化合物である。チオール基SH(メルカプト基又は水硫基とも呼ばれる)
は、往々にして、それを含有する化合物に対し悪臭特性を付与する。燃料鉱床(
例えば、鉱油、天然ガス及び石灰)といった鉱物は往々にして、悪臭のチオール
化合物で汚染されている。原油の抽出及び精製、石灰のガス化及び天然ガスの採
鉱からの気体流出物は、往々にしてチオールで汚染されており、環境規準を満た
すためそこからのチオール除去が必要となる。
例えば、シメチジン、ラニチジン及びニザチジンといったような或る種の薬品
の製造には、イオウ含有試薬の使用及びメチルメルカプタン副産物の製造が関与
する。これらの生成物の現行の廃棄方法は、焼部であるが、この方法は、「酸性
雨」の1成分として放出される硫酸の生成を導く。この状況下でチオールを捕獲
する改良された方法も同様に必要とされる。
チオール捕獲剤は、有機メルカプタンを捕獲するために診断プロセスにおいて
使用できる。同様にこれらは、例えばタンパク質の水硫基の検出における診断用
試薬としても使用可能である。
本発明に関連して特に興味深いのは、酵素といったような生化学チオール化合
物の捕獲である。数多くの酵素が、そのシステイン残基から誘導された活性チオ
ール基を含有している。生物学的系の中でのそのチオール基を修飾するための反
応によりかかる酵素の活性を可逆的に又は不可逆的に選択的に阻害することは、
かくして治療の基礎を形成しうる。かかる酵素の例としては、カテプシンB、パ
パイン、H+/K+−ATP アーゼ、インターロイキンβ−1変換酵素、タンパク質
ジスルフィドイソメラーゼ(HIV)がある。
カテプシンB及びLは、関節炎に不随する進行性軟骨及び硬骨退化を含めた、
数多くの疾病に関与してきた。これらのカテプシンの阻害物質は、関節炎の動物
モデルにおける炎症及び関節破壊の低減をひき起こした。カルシウム関連プロテ
アーゼカルパインI及びIIは、アルツハイマ病に関連づけされてきた。
インタロイキンベータ変換酵素(M.Mullican et al.,Bioorganic & Medicin
al Chem.Lett.,1994,2359)は、炎症性タンパク質インタロイキン−Ib eta
の放出におけるその主要な役割のため、薬物発見の主要な標的となっている。イ
ンタロイキン−1ベータのレベルが過度になると、リウマチ様関節炎、乾癬、炎
症性腸疾患及びインシュリン依存性糖尿病を含む広範なさまざまな疾病の原因と
なる。チオールプロテアーゼと同様、その作用メカニズムには、活性部位におけ
るシステイン残基が関与しでいる。
これらの酵素の提案されている可逆的阻害物質としては、ペプチドアルデヒド
、ニトリル、−ケトカルボニル化合物が含まれている。提案されている不可逆的
阻害物質には、ペプチドハロメチルケトン、ジアゾメチルケトン、アシロキシメ
チルケトン、ケトメチルスルホニウム塩、エポキシド及びビニルスルフォンが含
まれる。これらの化合物はチオールプロテアーゼ阻害物質であることが知られて
いるものの、その構造タイプのいずれも、薬物候補としての重大な有益性を見い
出していない。
プロトンポンプとしても知られている酵素プロトンポンプ胃HS+/K+−ATP
アーゼは、哺乳動物における消化性潰瘍の発生に関与してきた。この酵素は同様
に、そのシステイン残基から誘導された活性チオール基を含有している。この酵
素の阻害は、人間における消化性潰瘍の治療の主要な基礎の1つである。酵素H+
/K+−ATP アーゼを阻害するためには、チオール捕獲剤を使用することができ
る。かかる化合物の一例としてはオメプラゾールがある。発明の要約
本発明は、或る種のチアジアゾールを反応させることを含む、チオール化合物
を捕獲するための新しい方法を提供する。本発明で用いられるチアジアゾールの
いくつかは、新しい化学化合物である。その他のチアジアゾールは既知の化合物
であるが、これまでこの用途のために提案されたことはない。本発明で用いられ
る化合物は、位置3では置換されているものの位置N−2では未置換である1,
2,4−チアジアゾール環構造により特徴づけされる。
本発明の方法で用いるための化合物の1群は、構造式I
ゾイミダゾール、又はその薬学的に受容可能な塩であって、ここで式中、
R1,R2,R3,R4は独立して、水素、低級アルキル、ハロ、ニトロ、アミノ
、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルキルアミノ、低級ジアルキルアミノ、
NR'R'',OC(O)R',OC(O)OR',OC(O)NR'R'',NR'(COR'),NHC(O)NR'R'',NHC(O)O
R',CONR'R''であり、
R’,R''は独立して、水素、低級アルキル、アリル又は低級アリルアルキル
であるか又はNR'R''中のR’及びR''はN原子と共に、nを4又は5として
ルキル、低級シクロアルキル、低級アルコキシ、低級アルケニル、低級アルキニ
ル、アリル、低級アリルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘ
テロシクリル−低級アルキレン;R’及びR''が独立して水素、低級アルキル、
アリル及び低級アリルアルキルの中から選択されているか又はR’及びR''が合
わせられた時点でn=4又は5としてN原子と5又は6肢の複素環 N(CH2)を形
成するような基NR'R'';及びAがアミノ酸残基又は2〜3個のアミノ酸残基のペ
プチドでありR’及びR''が上述のものと同じ定義をもつ基ANR'R'',AORである
基、
(2)ヘテロシクリル、低級アルキレン−ヘテロシクリル、低級アルキル−低
級アルキレンヘテロシクリルアミノ、低級アルキレン−アミノ−ヘテロシクリル
又はアミノヘテロシクリル(なお、複素環は、結果として安定した構造を作り出
す任意のヘテロ原子又は炭素原子にて付着させられ、複素環は、任意には低級ア
ルキル;ヒドロキシ;ニトロ;アミノ;低級アルキルアミノ;ジ低級アルキルア
ミノ;低級アルコキシ;ヒドロキシ、低級アルキルカルバモイル、フェニル、ハ
ロフェニル、ヘテロシクリル、カルボキシ及び低級アルコキシカルボニルの中か
ら選ばれた1〜3個の置換基で置換された低級アルキル;低級アシル;低級アル
コキシカルボニル;低級アルキルスルフォニル;アミド;アリル;ベンジル;任
意にはアミノ、ハロヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルキル、低級アルキル
アミノ又はジ低級アルキルアミノ又はジ低級アルキルアミノで置換されたフェニ
ル;任意にはニトロ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルキル、アミノ、ハ
ロ、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノの中から選ばれた1〜3個の置
換基で置換されたヘテロシクリル、の中から選ばれた1〜3個の置換基で置換さ
れている。ただしここでヘテロサイクリル基Yは1−イミダゾリル又は置換され
た1−イミダゾリルのいずれでもないことを条件とする)、
(3)R’,R''が上述のものと同じ定義を有するものとしてNR'R''又は−CH2
−NR'R''、
(4)Aがアミノ酸残基又は2〜3個のアミノ酸残基のペプチドであるものと
して、ANR'R'',AOR、
(5)低級2−(アルコキシカルボニル)アルキル
(6)ハロ
(7)R8−CHOH−という構造式の基であって、R8が水素、低級アルキル、ア
リル、低級アリルアルキル、低級シクロアルキル、低級アルケニル、低級アルキ
ニル又はヘテロシクリルであり、複素環が、結果として安定した構造を作り出す
任意のヘテロ原子又は炭素原子にて付着させられている基、
(8)R9−C(=NOR10)−という構造式の基であって、R10が水素、低級アル
キル又は低級アリルアルキルであり、R9が低級アルキル、アリル、低級アリル
アルキル、低級シクロアルキル、低級アルケニル、低級アルキニル又はヘテロシ
クリルであり、複素環が、安定した構造を結果として作り出す任意の炭素原子に
て付着されている基、
(9)低級アルコキシ、低級アリルアルコキシ、低級シクロアルコキシ、低級
ヘテロシクリルアルコキシ又はヘテロシクリルオキシ;
(10)任意には、低級アルキル、ハロ、ニトロ、ヒドロキシ、低級アルコキシ
又は、R’及びR''が上述のものと同じ意味をもつものとして構造式NR'R'',OC
(O)R',OC(O)OR',OC(O)NR'R'',NR'(COR'),NHC(O)NR'R'',NHC(O)OR'をもつ基
の中から選ばれた1〜2個の置換基で置換された、
低級アルキルスルフォニル、低級アルキルスルフィニル、アリルスルフォニル
、アリルスルフィニル、低級アリルアルキルスルフォニル、低級アリルアルキル
スルフィニル、ヘテロシクリルスルフォニル、ヘテロシクリルスルフィニル、
(11)R11が低級アルキルである、構造式−C(=NOH)COOR11の基、
(12)各々任意にはハロ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低
級アルキルアミノ、低級ジアルキルアミノ、R’及びR''が上述のものと同じ意
味をもつものとしてNR'R'',OC(O)R',OC(O)OR',OC(O)NR'R'',NR'(COR'),NHC
(O)NR'R'',NHC(O)OR'の中から選択された1〜2個の置換基で置換されている、
水素、置換済み低級アルキル、アリル、低級アリルアルキル、の中から選択され
ている。
本発明の方法において使用するための第2のクラスの化合物は、
2−d〕−1,2,4−チアジアゾールであって、ここで式中R5及びR6は、上
述の構造式IIのR1,R2,R3及びR4と同じ意味をもつ可能性があり、Yは先に
定義づけされている。
という一般構造式IIIをもつ3置換、N−2未置換チアジアゾールであり、ここ
でYは以上で定義づけした通りであり、Tは、
(a)低級アルキル基、低級アルキルアリル基、第2又は第3アミン基、アミ
ノ酸残基又はアゾール、ピリジン、ピペラディン、ピペラジン及びモルフォリノ
の中から選ばれた複素環基、
又は(b)−M〔−AMA −〕L基、(なおここでMはチアジアゾール核に結合
あり、Lは、R’及びR''が以上で定義づけされた通りとしてN末端ペプチド保
アミノ酸α置換基のうちのいずれか1つでありnが1〜3の整数であるものとし
てアミノ酸又はペプチド残基−〔NH−CHA1−CO〕−nである);
又は(c)Phがヒドロキシ、低級アルコキシ又はアミノで任意に置換されたフ
ルグアニジン基、
を表わしている。
という一般構造式をもつ3置換、N−2未置換チアジアゾールであり、ここでY
’は、低級アルキル、低級アルコキシ、アミノ、カルボキシル、低級アルコキシ
カルボニル又は任意には4位置で低級アルキルで置換された1ピペラジニル;ヒ
ドロキシ、低級アルキルカルバモイル、フェニル、ハロフェニル、ヘテロシクリ
ル、カルボキシ及び低級アルコキシカルボニルの中から選ばれた1個又は2個の
置換基で置換された低級アルキル;ベンジル;任意にはアミノ、ハロ、ヒドロキ
シ、低級アルコキシ、低級アルキル、低級アルキルアミノ又はジ(低級アルキル
)アミノで置換されたフェニル;任意には、ニトロ、アミノ、ハロ、ヒドロキシ
、低級アルコキシ、低級アルキル、低級アルキルアミノ又はジ(低級アルキル)
アミノの中から選択された1〜3個の置換基で置換されたヘテロシクリル;両方
のフェニル環が任意にはハロ、アミノ、ヒドロキシ又は低級アルコキシで置換さ
れた1,1−ジフェニルメチル;ピリジル環が任意には、ニトロ、アミノ、ハロ
、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルキル、低級アルキルアミノ又はジ(低
級アルキル)アミノの中から選ばれた1〜3個の置換基で置換されている2−ピ
リジル;又は−CH2−CO−NH−低級アルキル基、であり;Qは、
(a)−T〔−AMA −〕L基、(なおここでTはチアジアゾール核に結合され
、Lは、R’及びR''が以上で定義づけされた通りとしてN末端ペプチド保護基
ノ酸α置換基のうちのいずれか1つでありnが1〜3の整数であるものとしてア
ミノ酸又はペプチド残基−〔NH−CHA1−CO〕−nである;ただし、ここでQが−
NHPhである場合、Y’はアルコキシ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルア
ミノ、ジ(ヒドロキシアルギル)アミノではなく、Y’が4置換ピペラジニルで
ある場合、
Qは−T−〔AMA〕−L基ではない)
を表わしている。
本発明のもう1つの態様は、ジスルフィド化合物を形成するためのチオール化
合物とのその反応におけるチオール捕獲剤としての以上に示した一般構造式をも
つ化合物の使用である。チオール化合物との反応は、例えば体液といった水性媒
質などの溶液中で、反応物の溶液又は懸濁液を維持するような温度及びその他の
適切な条件の下で行なわれる。図面の簡単な説明
図1は、本発明に従った3置換、1,2,4−チアジアゾール化合物の間の化
学的相互作用の一例である。
図2は、本発明の方法において使用するための最も好ましい化合物の調製のた
めの合成経路を例示している。
図3は、以下の例41の結果のグラフ表示である。好ましい実施形態の説明
本発明の薬学的方法すなわち、そのメルカプタン基の反応によるプロトンポン
プ酵素の阻害において使用される好ましい化合物は、これらの化合物のイミダゾ
〔1,2−d〕−チアジアゾール核がアミン、水酸化物又はヨウ化物といったよ
うなインビボで存在するその他の求核原子に向って制限された反応性しか示さな
い又は全く反応性を示さないとう事実により実証される通り、メルカプタン官能
基に対する特異性を示す。化学的モデル系においては、特に1,2,4−チアジ
アゾロ〔4,5−a〕ベンゾイミダゾールの複素環は、これらの求核原子に向か
って反応性をもたない。
本発明に従った方法で用いるための構造式I及びIIの特に好ましい化合物は、
R5及びR6が水素で、YがR7COであり、ここでR7は任意にはメチル及びメトキ
シの中から選択された1〜3個の置換基で置換された低級アルキル、アリル、水
素又は2−ピリジルである。
本発明に従った化合物の特に有利で好ましい一群は、アミノ酸又はペプチド残
基側鎖を有するものである。これらは、本発明に従うと、単環、2環又は3環化
合物であり得る。アミノ酸又はペプチド残基側鎖は、チアジアゾール環(Y基)
の3位置において2環又は3環核に付着しうる。単環化合物においては、このよ
うな側鎖は、位置3又は位置5で付着することができる。
本発明の中で用いられる単環化合物内の側鎖としてのアミノ酸又はペプチド残
基の使用は、特にそれらが位置5で核に付着している場合、化合物により阻害さ
れるべき酵素に対する結合親和性をもつような適切な基の選択を可能にする。そ
の上、結合親和性は、かかる側基を適切に選択することにより計画でき、かくし
て化合物は、化合物が攻撃すべきである酵素のチオール基に隣接する酵素のタン
パク様の鎖の上の1つの場所で酵素に結合するようになっている。以下で記述し
、添付図面の図1に例示されている通り、ジスルフィドを形成するためのチオー
ル化合物を攻撃する上で1手段となるのは、適切に選ばれた基Yにより活性化さ
れた本発明の化合物の−S−N=C−基である。−S−N=C−基から離れた位
置で化合物上に側鎖として適切に選ばれた酵素結合又は認識基が存在することに
より、化合物は、選択された酵素を探し出し、これに結合して、酵素のチオール
基の化学的攻撃を高めることができるようになる。本発明に従ったこの種の化合
物は、従って、認識側基の存在に起因して特定の選ばれた酵素に対するその攻撃
に関しきわめて選択的であり、かつそれらが遭遇する可能性のあるその他のチオ
ールに対しはるかに反応性の低いものである。
側基の特定の一例には以下の構造式のアミノ酸残基ロイシルイソアミルアミド
が含まれている:
SH基に隣接した場所にあるカテプシンB及びパパインのための認識配列である。
従って、その5アミノ基を通してこの側基を支持する3−メトキシ−5−アミノ
−1,2,4−チアジアゾールといった化合物は、カテプシンL、カテプシンB
及びパパインの優れた阻害物質である。
カテプシンB及びLのためのペプチド認識配列は、以下の通りに定義づけでき
る(本発明の1,2,4−チアジアゾールの5位置に付着した状態で示されてい
る):
なおここでYは以上で定義づけした通りのものであり;
α−基となるようにアミノ酸残基を表わしており、PGはヘテロサイクリルカルボ
ニル、ベンゾイル、カルボベンジルオキシ及び第三ブトキシの中から選択された
N保護基であり;B2は、水素、任意にはアミノで置換された低級アルキル、グ
アニジノ又はN,N−ジ−(低級アルキル)グアニジノであり;nは1又は2で
ある。
本発明に従った2環及び3環化合物において、同じ基を利用することができる
。−NH−CHA1−CO−基として好ましいのは、ロイシルである。B2基として好ま
しいのは、水素、イソアミル又は4−グアニジノブチルである。PG基として好ま
しいのは、カルボベンジルオキシである。(CO−CHA1−NH)n基として好ましい
のは、ジペプチドフェニルアラニル−アラニルである。
インタロイキンβ−1変換酵素の阻害のためには、本発明の化合物としての認
−PGの側基であり、ここで、−(CO−CHA1−NH)は−バリニル−アラニニル−ア
スパルチル−であり、PGは好ましくは−S−N=C−基から離れた位置、例えば
本発明の単環チアジアゾールの位置5に付着させられたカルボベンジルオキシで
ある。
従って、本発明のための構造式IIIの付加的な特定的に好ましい化合物として
は、Tがアミノ酸又はペプチド残基を表わす化合物、例えば、構造式
Wが構造式AOR'又はANR'R'' のペプチド残基又はアミノ酸である化合物、例え
の化合物、が含まれる。
本発明の方法において使用される全ての化合物は、位置1,2でS−N結合を
分割するべくチオールと化学的に反応できるN−2で未置換の3置換1,2,4
−チアジアゾール環構造を特徴とする。これらの特徴が維持されることを条件と
して、チアジアゾール核の位置4及び5における置換基及び基の範囲は、化合物
のこの必須の化学的反応性に重大な影響を及ぼすことなく、非常に広いものであ
り得る。
本書で使用されている用語は、以下の意味をもつ:
例えば低級アルキルに応用されているような「低級」という語は、1〜8個の
炭素原子を意味する。
単独又は組合せた形で用いられる「アリール」という語は、アルキル、アルコ
キシ、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノなどの中から選択された単数又は複数の置
換基を任意に支持するフェニル又はナフチルラジカル、例えばフェニル、p−ト
リル、4−メトキシフェニル、4−(第3ブトキシ)フェニル、4−フルオロフ
ェニル、4−クロロフェニル、4−ヒドロキシフェニル、1−ナフチル、2−ナ
フチルなどを意味する。
単独又は組合せた形で用いられる「アリールアルコキシカルボニル」という語
は、「アリールアルキル」が上述の意味をもつものとして構造式−C(O)−O
−アリルアルキルのラジカルを意味する。アリールアルコキシ−カルボニルラジ
カルの一例としては、ベンジルオキシカルボニルがある。
「アリールアルキル」という語は、1つの水素原子がアリールラジカルによっ
て置換されているアルキルラジカル、例えばベンジル、フェニルエチルなどを意
味する。
「シクロアルキルカルボニル」という語は、シクロプロパンカルボニル、シク
ロヘキサンカルボニル、アダマンタンカルボニルなどといった単環の又は架橋さ
れたシクロアルカンカルボン酸から、又は任意には例えばアルキルアミノにより
置換されているベンズ融合された単環シクロアルカンカルボン酸、例えば1,2
,3,4−テトラヒドロ−2−ナフトイル、2−アセタミド−1,2,3,4−
テトラヒドロ−2−ナフトイルから誘導されたアシル基を意味する。
「アリールアルカノイル」という語は、アリール置換されたアルカンカルボン
酸、例えばフェニルアセチル、3−フェニルプロピニル、ヒドロシンナモイル、
4−フェニルブチリル、(2−ナフチル)アセチル、4−クロロヒドロシンナモ
イル、4−アミノヒドロシンナモイル、4−メトキシヒドロシンナモイルなどか
ら誘導されたアシルラジカルを意味する。
「アロイル」という語は、芳香族カルボン酸から誘導されたアシルラジカルを
意味する。このようなラジカルの例としては、芳香族カルボン酸、任意に置換さ
れた安息香酸又はナフトエ酸、例えばベンゾイル、4−クロロ−ベンゾイル、4
−カルボキシベンゾイル、4−〔(ベンジルオキシ−カルボニル〕ベンゾイル、
1−ナフトイル、2−ナフトイル、6−カルボキシ−2−ナフトイル、6−〔(
ベンジルオキシ)カルボニル〕−2−ナフトイル、3−ベンジルオキシ−2−ナ
フトイル、3−ヒドロキシ−2−ナフトイル、3−〔(ベンジルオキシ)ホルム
アミド〕−2−ナフトイルなどが含まれる。
注釈のないかぎり本書で用いられている「ヘテロシクリル」という語は、飽和
しているか又は不飽和であり、炭素原子及びN,O,Sから成るグループの中か
ら選択された1〜3個のヘテロ原子であり、しかも窒素及び硫黄ヘテロ原子が任
意には酸化されていてよく、窒素原子は任意には四元化されていてよく、上述の
複素環のいずれかがベンゼン環に融合されている任意の2環基を内含する、安定
した5〜7肢の単環又は2環又は安定した7〜10肢の2環複素環を表わしている
。複素環は、安定した構造を結果として作り出す任意のヘテロ原子又は炭素原子
において付着させることができる。一般にヘテロシクリルとして知られているか
かる複素環元素の例としては、ピペリジニル、ピペラジニル、2−オキソピペラ
ジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピロリ
ジニル、2−オキソアゼピニル、アゼピニル、ピロリル、4−ピペリドニル、ピ
ロリジニル、ピラゾリル、ピラゾリジニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イ
ミダゾリジニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサ
ゾリジニル、イソオキサゾリル、イソオキサゾリジニル、モルフォリニル、チア
ゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、キヌクリジニル、イソチアゾリジニ
ル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、チアジア
ゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサゾリル、フリル、テト
ラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、チエニル、ベンゾチエニル、テトラヒ
ドロキノリニル(例、1,2,3,4−テトラヒドロ−2−キノリニル等々)、
1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニル(例、1,2,3,4−テトラヒ
ドロ−1−オキソ−イソキノリニル等々)、キノキサリニル、ベーターカルボリ
ニル、2−ベンゾフランカルボニル、チアモルフォリニル、チアモルフォリニル
スルフォキシド、チアモルフォニリニルスルフォン、オキサジアゾリルなどがあ
る。複素環は、安定した構造を結果として作り出す単数又は複数の炭素原子又は
ヘテロ原子上で置換させることができる。
「アミノ酸残基」というのは、そのD及びL光学異性体及びそのラセミ混合物
を含む天然に産出するアルファ、ベータ及びガンマアミノカルボン酸のいずれか
、及びこれらのアミノ酸のN−低級アルキル−及びN−フェニル低級アルキル誘
導体を意味する。アミノ酸残基は、アミノ酸の窒素を通して結合される。本発明
の中に取り込むことのできる天然に産出するアミノ酸としては、アラニン、アル
ギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、グルタミン酸
、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチ
オニン、オルニチン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、チロ
キシン、トリプトファン、チロシン、バリン、ベータアラニン及びガンマ−アミ
ノブチル酸が含まれるが、これらに限られるわけではない。好ましいアミノ酸残
基としては、プロリン、ロイシン、フェニルアラニン、イソロイシン、アラニン
、ガンマアミノブチル酸、バリン、グリシン及びフェニルグリシンが含まれる。
グリシンを除く全てのアルファアミノ酸は、少なくとも1つの非対称炭素原子
を含有する。その結果、これらは光学的に活性で、ラセミ混合物としてD又はL
形態のいずれかで存在する。従って、本発明の化合物のいくつかは、光学的に活
性な形態で、又は本書で請求されている化合物のラセミ混合物として調製するこ
とができる。
Aがアミノ酸か又は2〜3個のアミノ酸残基のペプチドである「A」という用
語は、Aの左側でHN−ラジカルで開始し右側で−C(O)ラジカルで結合される
アミノ酸又はペプチドジラジカル(訳注;2つの対でない電子をもつ分子)を指
す。例えば、アミノ酸グリシンは、HAOHと略され、ここでAはHN−CH2−C(O
)である。
「アリールオキシアルカノイル」という語は、構造式アリール−O−アルカノ
イルのアシルラジカルを意味する。
「ヘテロシクリルオキシカルボニル」という語は、ヘテロシクリルが上で定義
づけした通りであるものとしてヘテロシクリル−O−CO−から誘導されたアシル
基を意味する。
「ヘテロシクリルアルカノイル」という語は、ヘテロシクリルが上述のものと
同じ意味をもつものとして、ヘテロシクリルで置換されたアルカンカルボン酸か
ら誘導されたアシルラジカルを意味する。
「ヘテロシクリルアルコギシカルボニル」という語は、ヘテロシクリルが上述
のものと同じ意味をもつものとして、ヘテロシクリルで置換されたアルキル−O
−COOHから誘導されたアシルラジカルを意味している。
「アミノアルカノイル」という語は、アミノ基が、水素及びアルキル、アリル
、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキルラジカルなどが選択さ
れた置換基を含む第1、第2又は第3アミノ基でありうる、アミノ置換されたア
ルカンカルボン酸から誘導されたアシルラジカルを意味する。
「薬学的に受容可能な無毒性塩」というのは、親化合物の生物活性を保持し、
生物学的に又はその他の形で望ましくないものではない(例えば塩が安定してい
る)本発明の化合物の薬学的に受容可能な塩を意味する。本発明の化合物から次
のような2つのタイプの塩を形成することができる:(1)カルボン酸官能基を
有する構造式Iの化合物からの無機及び有機塩基の塩。(2)本発明の化合物の
うちの多くのもののアミン官能基において、酸性付加塩を形成させることができ
る。
無機塩基から誘導される薬学的に受容可能な塩としては、ナトリウム、カリウ
ム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、第一鉄、亜鉛、銅、
第一マンガン、アルミニウム、第二鉄、第二マンガンの塩などがある。特に好ま
しいのは、アンモニア、カリウム、ナトリウム、カルシウム及びマグネシウム塩
である。有機塩基から誘導された薬学的に受容可能な無毒性塩としては第1、第
2及び第3アミン、天然に産出する置換されたアミンを含む置換アミン、環式ア
ミン及び塩基性イオン交換樹脂の塩が含まれる。このような塩の例としては、例
えばイソプロポピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルア
ミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール
、トロメタミン、ジシクロヘキサミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフ
ェイン、プロカイン、ヒドラブラミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、
グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリ
ジン、N−エチルピペリジン、ポリアミン樹脂などかある。特に好ましい有機無
毒性塩基は、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、ピペリ
ジン、トロメタミン、ジシクロヘキシルアミン、コリン及びカフェインである。
薬学的に受容可能な酸性付加塩は、塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リ
ン酸などといった無機酸及び、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸
、しゅう酸、りん酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、ク
エン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸
、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸などの有機酸で形成される。
「動物」という語は、ヒトならびにその他全ての動物種、特に哺乳動物(例え
ばイヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタなど)、は虫類、魚、昆虫及びぜん虫を意味す
る。
本発明に従った方法において使用するためのいくつかの特定的な最も好ましい
化合物は、以下の通りのものである:
チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール;
4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール;
ジアゾロ〔4,5−a]ベンゾイミダゾール;
1,2,4−チアジアゾロ−〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール;
−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール;
チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール;
4,5−a〕ベンゾイミダゾール;
チル−2−ピリジル)オキソメチル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a
〕ベンゾイミダゾール;
アゾロ−〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール;
下記化学式で表される7−メトキシ−3−〔(4−メトキシ−3,5−ジメチ
ル−2−ピリジル)オキソメチル〕−1,2,4−チアジアゾーロ〔4,5−a
〕ベンゾイミダゾール;
下記化学式で表される3−(4−メトキシフェニルスルホニル)−1,2,4
−チアジアゾーロ〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール;
下記化学式で表される3−(1−オキソエチル)イミダゾ〔1,2−d〕−1
,2,4−チアジアゾール;
下記化学式で表される3−(オキソフェニルメチル)イミダゾ〔1,2−d〕
−1,2,4−チアジアゾール;
下記化学式で表される3−(4−アセチル−1−ピペラジニル)−1,2,4
−チアジアゾーロ〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール;
下記化学式で表される3−〔4−(3−アミノ−2−ピリジル)ピペラジニル
〕−1,2,4−チアジアゾーロ〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール;
下記化学式で表される3−〔4−(2−ピリジル)ピペラジニル〕−1,2,
4−チアジアゾーロ〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール;
下記化学式で表される3−〔4−(3−アミノ−2−ピリジル)ピペラジニル
−メチル〕−1,2,4−チアジアゾーロ〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール;
下記化学式で表される3−〔4−(2−ピリジル)ピペラジニル−メチル〕−
1,2,4−チアジアゾーロ〔4,5−a〕ベンゾイミダゾール;
下記化学式で表される3−{〔4−(1−(4−クロロフェニル)−1−フェ
ニルメチル)−ピペラジニル〕メチル}−1,2,4−チアジアゾーロ〔4,5
−a〕ベンゾイミダゾール;
下記化学式で表される(3−メトキシ−1,2,4−チアジアゾル−5−イル
)カルバモイル−L−ロイシルイソアミルアミド:
および下記化学式で表される5−〔カルボベンジルオキシ−L−フェニルアラ
ニル−L−アラニンアミド〕−3−メトキシ−1,2,4−チアジアゾール:
本発明は、本発明に有用な化合物を製造する合成法を提供するものである。こ
れらの方法のいくつかは、一つの化合物を、他の異なる前記化合物に転化させる
。方法の選択は、所望のY基すなわち最終化合物の3位の置換基によってほとん
ど決まる。
これらの方法に記載されているイミダゾ〔1,2−d〕チアジアゾール化合物
類と式IVで表される化合物類において、XとZはR5,R6、または総合するとイ
ミダゾリングに縮合しかつ任意にR1,R2,R3およびR4で置換されているベン
ゼンリングを表している。
二環式または三環式の化合物に適用できる第一の方法では、式Vで表され、か
つ2位に低級アルキルまたは低級アリールアルキルの置換基を有する対応する3
−オキソ化合物(以下に示す)を、不活性溶媒中で、YCN と反応させる。この方
法は、Yが低級アルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、1−
ハロアルキル、1,1−ジハロアルキル、ヘテロシクリル、低級アルキルスルホ
ニルまたはアリールスルホニルである化合物類に適切である。その反応は下記の
ように表すことができる。
適切なニトリル化合物類YCN(式中、Yは低級アルキル、アリール、アリールア
ルキル、シクロアルキル、1−ハロアルキル、1,1−ジハロアルキル、低級ア
ルキルスルホニル、アリールスルホニルまたはヘテロシクリルである)は、大部
分が、例えばAldrich Chemical Co.社から市販されている。あるいは、これらの
化合物は、当業界で公知の方法によって製造することができる(例えば、Sandle
r およびKaro著“Organic Functional Group Preparations”,Vol IのChapter
17,Academic Press社、1983年参照)。アセトニトリル、ベンゾニトリル、2
−シアノピリジン、シクロペンチルシアニド、ジブロモアセトニトリル、6−シ
アノプリンおよびp−トルエンスルホニルシアニドが典型的な例である。その反
応は、通常、70〜140℃の高温で、トルエン、ジメチルホルムアミドなどの不活
性溶媒中にて、6〜24時間、好ましくは16時間行われる。場合によっては、YCN
が溶媒として使用される。生成物は通常の方法で分離することができる。
式IおよびIIで表される化合物類、すなわち二環式および三環式の化合物であ
って、式中のYがアミノ、低級アルキルアミノ、低級ジアルキルアミノ、チオア
ルキルである化合物も、式YCN で表されかつ式中の、Yがアミノ、低級アルキル
アミノ、低級ジアルキルアミノまたは低級チオアルキルである化合物を使用して
製造することができる。この範鴫のYCN の例はシアナミド、1−ピペリジンカル
ボ−ニトリル、チオシアン酸メチルであり、これらは市販されている。また化合
物類YCN は、文献記載の方法にしたがって臭化シアンから合成することもできる
(FieserおよびFieser著、“Reagents in Organic Synthesis" John Wiley and
Sons社1967年、の 174頁参照)。
式Vで表される2−アルキル−1,2,4−チアジアゾーロ〔4,5−a〕ベ
ンゾイミダゾール−3(2H)−オン類は、Martinら、Tetrahedron,39巻2311
頁1983年の方法にしたがってイソシアン酸アルキルと2−メルカプトベンゾイミ
ダゾールから製造される。式Vで表される2−アルキルイミド−アゾ〔1,2−
d〕−1,2,4−チアジアゾール−3(2H)−オン類は、Tittlebachら、J
.Prakt Chem.,330巻 338〜348 頁1988年の方法によってイソシアン酸アルキル
および2−メルカプトイミダゾールから製造される。上記2−メルカプトベンゾ
イミダゾール類は、市販されているか、または当業界で周知の方法もしくは文献
中の容易に利用できる方法で製造できる。市販されている2−メルカプトベンゾ
イミダゾール類としては、5−メチル−2−メルカプトベンゾイミダゾール、5
−メトキシ−2−メルカプトベンゾイミダゾール、5−クロロ−2−メルカプト
ベンゾイミダゾールがある。市販されていない適切な2−メルカプトベンゾイミ
ダゾールは公知の方法で製造できる。製造法としては、Billeterら、Ber.,20巻
231頁1887年;Org.Synth.,Coll.Vol 4,569 頁;Futakiら、J.Pharm.Soc
.Jpn.,74巻1365頁1954年;Bucknallら、Nature,213巻1099頁1967年の方法が
ある。
最終化合物中の基YがR7−C=Oであり、そのR7が低級アルキル、アリール
、低級アリールアルキル、低級シクロアルキル、低級アルコキシ、アミノ、低級
アルキルアミノ、低級ジアルキルアミノ、ヘテロシクリルであり、そのヘテロシ
クリル環は、いずれかのヘテロ原子もしくは炭素原子と結合されて安定な構造の
NR'R'',ANR'R'',AOR’を創製し、そのAはアミノ酸残基または2〜3個のアミ
ノ酸残基を有するペプチドありかつR’,R''は上記定義と同じである二環式お
よび三環式の化合物を製造するのに利用できる第二の類似の方法では;式:
ルの置換基を有する対応する3−オキソ化合物すなわち上記第一の方法で使用し
た式Vで表される化合物と下記のように反応させる。
上記反応は、ジクロロメタン、テトラヒドロフランまたはジメチルホルムアミ
ドのような不活性溶媒中で行うことができる。上記反応は、室温で、3〜48時間
、通常は約6時間行われる。次に、得られた固体を通常の方法で単離する。
大部分のシアノケトン類、式VIで表されるシアノエステル誘導体は市販されて
いる。本発明で使用されるシアノケトン誘導体は市販されているかまたは当業界
で公知の方法で製造することができる。市販のシアノケトン類としては、ベンゾ
イルシアニド、アセチルシアニド、メトキシカルボニルシアニドがある。市販さ
れているシアニド誘導体のリストは入手できる(Chem Sources,U.S.A.24版1983
年、米国フロリダ州オーモンド・ビーチ所在のDirectories Publishing Company
Inc.社)。市販されていない適切なシアノケトン類、シアノエステル類は、当
業界で公知の方法によって容易に製造することができる。これらの方法としては
、例えばMathieu ら、“Formation of C-C Bonds”のVol I,456〜457 頁(Geor
ge Thieme Verlag 1973年、ドイツシュトゥットガルト所在)の方法がある。他の
適切な方法としては、Koenigら、Tet.Lett.,2275頁1974年およびAndoら、Synt
hesis,637頁1983年の方法がある。これらの方法には、酸塩化物をシアン化第一
銅またはシアン化カリウムと反応させる方法が含まれている。
あるいは、式Iで表され式中のYがR7−C=OでありR7が前記定義と同一で
ある化合物は、式Iで表され式中のYがR7−C(Hal)2でありHal がハロゲン
である化合物を加水分解することによって製造することができる。このような加
水分解反応は、強い酸性の媒体内または硝酸銀水溶液中で実施することができ、
下記反応式で表すことができる。
上記第二の方法の場合のようなY基を有するイミダゾールとベンゾイミダゾー
ルの生成物を製造する第三の方法では、最終ステップとして、式VIで表される2
−チオエーテルジアゾール化合物を、不活性溶媒中で、m−クロロ過安息香酸(M
CPBA)と反応させて環化させ1,2,4−チアジアゾール環を生成させる反応が
行われ、下記反応式で表すことができる。
ブロモヘテロシクリルアセトニトリル誘導体(VII)を、塩基中で2−メルカ
プ
トベンゾイミダゾール(VIII)と反応させて式VIで表される化合物を得ることが
できる。これらの塩基の例としては、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムが
ある。この反応は、水とアルコールの混合物中で室温にて約1〜16時間、好まし
くは8時間行われ、生成化合物VIは通常の方法によって単離される。
化合物VIは、ジクロロメタンまたは1,2−ジクロロエタンのような不活性溶
媒中で、m−クロロ過安息香酸と反応して式Iで表され式中のYがR7−C=O
である化合物を生成する。この反応は、室温で約3〜8時間、好ましくは3時間
行われる。生成物は通常の方法で単離される。
一方、上記ブロモヘテロシクリルアセトニトリル(VII)誘導体は、四塩化炭
素のような不活性な溶媒中で、式Xで表される化合物とN−ブロモスクシンイミ
ドを反応させることによって製造される。
第四の方法は、下記のように、式IAで表される化合物を出発化合物として用
いて、これを誘導体化し、式Iで表される化合物であって、式中のYが−CHOH−
R7(式IB)、または−C=NOH−R7(式IC)または−COOH(式ID)であ
る化合物を生成する。
式IBで表される化合物は、式IAで表される対応する化合物類(式中YはR7
−C=Oである)を、アルコール中でホウ水素化ナトリウムまたはシアノホウ
水素化ナトリウムによって還元することによって製造することができる。式IB
で表される化合物は通常の方法で単離することができる。
式ICで表される化合物は、式Iで表され式中のYがR7−C=Oである化合
物を、ヒドロキシルアミン誘導体類と反応させることによって製造することがで
きる。ヒドロキシルアミン類の例は、ヒドロキシルアミン、メトキシルアミン、
エトキシルアミン、ベンジルオキシルアミンである。ケトンのオキシムへの転化
は当業界でよく報告されている(例えば、Sandler およびKaro著、“Organic Fu
nctional Group Preparations”1989年、Vol III,Chapter II参照)。
式IDで表され式中のR7がヒドロキシである化合物は、式Iで表され式中の
YがR7−C=OでありR7が低級アルコキシである化合物を塩基で加水分解する
ことによって製造することができる。この反応は、水と有機溶媒、例えばメタノ
ール、エタノール、1,4−ジオキサンまたはアセトニトリルとの混合物中、室
温にて、1Mの水酸化ナトリウムによって行われる。生成物は、上記塩基を希酸
で中和した後、通常の方法で単離される。
式IおよびIIで表され式中のYがハロゲンである化合物を、本発明にしたがっ
て、製造するのに利用できる第五の方法は、第一と第二の方法で使用したのと同
じの式Vで表される出発化合物を用い、下記のように前記式Vで表される化合物
をハロゲン化シアンと反応させる。
この反応は不活性溶媒中で行われる。生成化合物は通常の方法で単離される。
第六の方法では、式IおよびIIで表され式中のYがハロゲンである出発化合物
、例えば上記第五の方法で製造される化合物を用い、その出発化合物を、第一級
もしくは第二級のアミンまたはアルコールと反応させて、式Iで表され式中のY
がNR'R'',AOR’ANR'R'',OR’でありR’,R''が前記定義と同じある化合物が
得られる。この方法は、出発物質中のYが臭素のとき、最もうまく行われる。こ
の反応は次のように示すことができる。
求核試薬、例えば低級アルコキシド類、アリールオキシド類、低級アリールア
ルコキシド類、低級シクロアルコキシド類、アンモニア、低級アルキルアミン類
、低級ジアルキルアミン類、ヘテロ環式アミン類、HNR'R'',HANR'R'',HAOR'(
式中、Aはアミノ酸残基または2〜3個のアミノ酸残基からなるペプチドである
)を、式Iで表され式中のYが臭素である化合物と不活性溶媒中で反応させて、
式1で表され式中のYが低級アルコキシ、アリールオキシ、低級アリールアルコ
キシ、低級シクロアルコキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、低級ジアルキルア
ミノ、NR'R'',ANR'R'',AOR'(式中Aはアミノ酸残基または2〜3個のアミノ酸
残基からなるペプチドである)である化合物が得られる。
第七の方法は、式IおよびIIで表され式中のYがCOOHである化合物(上記第四
の方法で製造できる)を本発明にしたがって出発物質として用い、その出発物質
を、アミンと反応させて、式Iで表され式中のYがCO−R7でありR7がNR'R'',
AOR',ANR'R'' である化合物が以下に示すように得られる。
このように、式IおよびIIで表され、式中のYがR7−C=Oであり、かつR7
がNR'R'',AOR',ANR',R''である化合物は、式Iで表され式中のYがCOOHである
カルボン酸化合物を、アミノ酸アミドのHANR'R''またはアミン類のHNRR''または
アミノ酸エステルのHAOR’と、例えば1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3
−エチルカルボジイミド(EDCI)およびヒドロキシベンゾトリアゾールなどの脱
水剤の存在下、例えばテトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドまたはジクロ
ロメタンなどの不活性溶媒中で反応させることによって製造することができる。
Yが低級アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロシクリルスルホニ
ル、低級アリールアルキルスルホニル、低級アルキルスルフィニル、アリールス
ルフィニル、ヘテロシクリルスルフィニルまたは低級アリールアルキルスルフィ
ニルである化合物を製造するのに利用できる第八の方法は、対応するチオエーテ
ル化合物を、予め決められた化学量論的量の酸化剤と反応させることからなる方
法であり、以下に示す。
上記式中、nは1または2である。この方法に使用する好ましい酸化剤はメタ
−クロロ過安息香酸mCPBA であるが、その外にかような酸化剤として適切な酸化
剤が多数ある。
本発明による好ましい方法の1つは、ヒトにおける胃潰瘍を治療するために、
in vitroまたはin vivo において酵素を阻害すること、特にプロトンポンプ酵素
H+/K+−ATP アーゼを阻害することである。消化性潰瘍の治療における主要な
発展は、H+/K+−AT Pアーゼインヒビターの導入で実現した。酵素H+/K+−
ATP アーゼは、また、プロトンポンプとして知られており、胃壁細胞の膜の中に
位置し、プロトンを血液から管腔に輸送する役割をし、胃内容物のpHを低下し、
これにより消化性潰瘍を悪化する。この酵素を捕捉し、これにより消化性潰瘍を
治療する手段を提供する、本発明の方法の有効性は、下記の特定の実施例におい
て証明される。しかしながら、本発明の方法は、フェネチルメルカプタンに対す
るそれらの反応性に関して後述するように、生化学的(酵素的)および工業的双
方の、広範な種類の他のチオール捕捉化学系に適用可能である。
チアジアゾール化合物はS−S結合の形成によりチオール含有化合物を捕捉す
るので、それらはシステインのSH変性剤であることができる。したがって、チオ
ール捕捉剤は酵素上のシステイン残基の化学的変性における親和性標識として使
用することができる。これらの化合物はシステイン残基を含有する酵素に対する
親和性標識として機能することができるので、それらは多数の生理学的酵素、例
えば、カテプシンB、パパイン、インターロイキン、β−1変換酵素、およびタ
ンパク質ジスルフィドイソメラーゼ(HIV)、ならびにH+/K+−ATP アーゼの有
用なインヒビターである。酵素の経路は種々の生理学的状態および疾患の状態に
関係づけられるので、本発明の化合物は多数の潜在的治療的実用性を有する。
また、チオール捕捉剤は酵素およびタンパク質上のシステイン残基と反応し、
これにより酵素の生化学的性質を変更することができる。チオール捕捉剤は、シ
ステイン残基含有酵素の有用な安定剤および増強剤であることができる。これら
の治療的に重要な酵素のいくつかの例は、PC1コンバーターゼ、フリンである(
O' Rabilly S.et al.,New England Journal of Medicine,1995,23,1386-13
90を参照のこと)。PC1はペプチド GLP−1へのプログルカゴンのプロセシング
に関係するコンバーターである。GLP−1のレギュレーターは糖尿病および肥満
症の治療のための有用な治療剤であることができる。本発明の化合物はチオール
捕捉剤であり、そしてシステイン含有酵素の安定剤および増強剤として使用する
ことができる。
本発明の方法における化合物の反応性は、フェネチルメルカプタンとのそれら
の反応性により例示することができる。これは添付図面の第1図に一般的に図解
されており、チオール試薬のRはフェネチル基を表す。さらに、先行技術(Im e
t al.,J.Biol.Chem.1985,260,4591 : Sturm et al.,J.Org.Chem.1987
,52,4573 ; Lorentzon et al.,Biochim.Biophys.Acta,1985,817,25)に
基づいて、フェネチルメルカプタンは酵素の1または2以上のチオール基に対す
る化合物の反応性を検査するためのH+/K+−ATP アーゼのモデルとして有用で
ある。式Iの化合物は不活性溶媒中でフェネチルメルカプタン(RSH=PhCH2CH2SH
、第1図)と反応して式XIの化合物を生成することが見出された。式XIの化
合物は追加のモルのフェネチルメルカプタンと反応して式XIIの化合物を生成し
、後者は分解して式XIIIおよび式XIVの化合物を生成する。
1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールを開環して式X
IIの化合物を生成するために、1モルの基質について最小2モルのフェネチルメ
ルカプタンが必要である。一般に、開環反応は2モルのフェネチルメルカプタン
では遅い。大過剰量のフェネチルメルカプタン(例えば、25倍)を使用するとき
、反応速度は急速に増加する。本発明において使用する化合物は第1図に記載す
る方法に従いフェネチルメルカプタンと急速に反応することが見出された。ジサ
ルファイドは単離することができないであろう。なぜなら、ジサルファイドは第
2メルカプタンと急速に反応して、フェネチルメルカプタンのジスルフィドおよ
び例示する中間体を生成することが見出されたからである。捕捉されたチオール
中間体が分解してジスルフィドを形成することは、また、H+/K+−ATP アーゼ
のための化学的モデルにおいて観察された(Lindberg et al.,J.Med.Chem. 19
86,29,1329)。実際の酵素において、他のチオール基の攻撃を包含する第2工
程は、2つの酵素のアプローチを禁止する立体化学的因子のために起こらないか
、あるいは他の近接チオール基が存在する場合、ジスルフィド結合の形成に導く
であろうことは注目に値する。双方の場合において、これは酵素の阻害に導くで
あろう。
本発明によれば、3−メトキシ−5−アミノ−1,2,4−チアジアゾールの
ような化合物は有機溶媒、例えば、メタノール中でベンジルメルカプタンと反応
して、3−チオカルバモイルメトキシイソ尿素を生成することが見出された:
他の1,2,4−チアジアゾール、例えば、3−メチル−5−ジベンジルアミ
ノ−1,2,4−チアジアゾール、3−メチル−5−ベンジルアミノ−1,2,
4−チアジアゾールおよび3,5−ジ(3−ピリジル)−1,2,4−チアジア
ゾールは同様な条件下にベンジルメルカプタンと反応しない。チオール捕捉剤と
しての一環式1,2,4−チアジアゾールの化学的反応性は、環系の3および5
位における置換基に依存する。
1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール誘導体は、メル
カプタンと同様な反応を行う。
RSH がチオフェノールであるとき、生ずるPh−S−S−Ph二量体を単離すること
ができる。また、この反応はヘテロサイクルの3位にから選択される置換基をも
つ種々の1,2,4−二環式および三環式1,2,4−チアジアゾールについて
一般的である。
本発明の方法において好ましい化合物は、440 より小さい分子量を有するヘテ
ロサイクルである。これらの分子のlogPのスペクトル、すなわち、オクタノール
と水との間の分配係数は0.5 から4.0 まで変化し、これは大部分の既知の薬物の
親油性の範囲をカバーする。これらは治療剤の開発において重要な因子であり、
そしてチオール含有酵素の阻害が疾患の治療に対する潜在的解決法である疾病に
おける治療剤として、個々の類似体が潜在的用途を有することができることを反
映する。
メルカプタン官能基に対する本発明の方法において使用する化合物の特異性は
、これらの化合物がin vivo において存在する他の求核性物質、例えば、アミン
、水酸化物またはヨウ化物イオンに対して制限された反応性を有するか、あるい
は反応性をまったくもたないという事実により示される。化学的モデル系におい
て、1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールのヘテロサイ
クル環はこれらの求核性物質に対して非反応性である。
本発明による方法におて使用するための、1つの特定の、好ましい化合物は、
7−メトキシ−3−〔(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)オキ
ソメチル〕−1,2,4−ヂアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールであ
る。この分子はヘテロサイクル環の3位に電子吸引性基を有する。それは水中で
制限された溶解度を有する。この化合物の構造はX線結晶学により証明された。1
Hおよび13C NMR,IR、質量分析および元素分析は、この化合物の化学的同一
性について追加の証拠を提供した。その製造、特性決定および性質のそれ以上の
特定の詳細は、下記の特定の実施例に記載されている。この化合物は、動物モデ
ルにおける胃酸分泌の抑制において活性である。
消化性潰瘍の治療のために、この化合物は、本発明の方法において、慣用の無
毒の薬学上許容される担体、アジュバントおよびベヒクルを含有する投与単位処
方物で経口的、局所的、または非経口的に投与することによって使用できる。本
明細書において使用する用語非経口的は、皮下注射または注入の技術を包含する
。温血動物、例えば、マウス、ラット、ウマ、畜牛、ヒツジ、イヌ、ネコ、およ
びその他の治療に加えて、本発明の化合物はヒトの治療において有効である。
組成物について、慣用の無毒の固体状担体は、例えば、医薬の等級のマンニト
ール、ラクトース、澱粉、ステアリン酸マグネシウム、ナトリウムサッカリン、
タルク、セルロース、グルコース、スクロース、炭酸マグネシウム、およびその
他を使用することができる。上記において定義した活性化合物は液状の薬学上投
与可能な組成物として処方することができ、これらは、例えば、上記において定
義した活性化合物および必要に応じて薬学上許容されるアジュバントを担体、例
えば、水、生理食塩水、水性デキストロース、グリセロール、エタノール、およ
びその他の中に溶解し、分散させる、などすることによって、溶液または懸濁液
を形成することができる。必要に応じて、投与すべき医薬組成物は、また、少量
の無毒の補助物質、例えば、湿潤剤または乳化剤およびその他、例えば、酢酸ナ
トリウム、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミン酢酸ナトリウム、
トリエタノールアミンオレエートおよびその他を含有することができる。このよ
うな投与形態を製造する他の方法は既知であるか、あるいは当業者にとって明ら
かであろう:例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences,Mack Publshing
Company、ペンシルベニア州イーストン、第15版、1975、を参照のこと。投与す
べき処方組成物は、いずれの場合においても、治療される被検体の症候を軽減す
るために有効である量で1種または2種以上の活性化合物を含有するであろう。
活性成分を含有する医薬組成物は、経口的使用に適当な形態、例えば、錠剤、
トローチ剤、ロゼンジ、水性または油性の懸濁液、分散性粉剤または顆粒、乳濁
液、硬質および軟質カプセル剤、あるいはシロップ剤またはエリキシル剤である
ことができる。経口的使用に意図される組成物は、医薬組成物の製造についてこ
の分野において知られている方法に従い製造することができ、そしてこのような
組成物は甘味剤、香味剤、着色剤および保存剤から成る群より選択される1種ま
たは2種以上の物質を含有して、薬学上エレガントな、味のよい調製物を提供す
る。錠剤はその製造に適当な無毒の薬学上許容される賦形剤と混合して活性成分
を含有する。賦形剤は、例えば、不活性希釈剤、例えば、リン酸カルシウムまた
はリン酸ナトリウム;造粒剤および崩壊剤、例えば、コーンスターチ、またはア
ルギン酸;結合剤、例えば、澱粉、ゼラチンまたはアカシアゴム;および滑剤、
例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクであることがで
きる。錠剤は既知の技術により被覆して、胃腸の中の崩壊および吸収を遅延させ
、これにより長期間にわたる持続作用を提供することができる。グリセリルモノ
ステアレートまたはグリセリルジステアレートを使用することができる。
経口的に使用するための処方物は、また、活性成分を不活性固体状希釈剤、例
えば、リン酸カルシウムまたはカオリンと混合する、硬質ゼラチンのカプセル剤
として、あるいは活性成分を水または油性媒質、例えば、落花生油、液状パラフ
ィン、またはオリーブ油と混合する、軟質ゼラチンカプセル剤として提供するこ
とができる。
水性懸濁液はその製造に適当な賦形剤と混合して活性成分を含有する。このよ
うな賦形剤は、懸濁剤、例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、
ポリビニルピロリドン、ガムおよびアカシアゴムである。分散剤または湿潤剤は
天然に存在するリン酸塩、例えば、レシチン、またはアルケンオキシドと脂肪酸
との縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンステアレート、またはエチレンオ
キシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えば、ヘプタデカエチレンオ
キシカテコール、またはエヂレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール無水物か
ら誘導された部分的エステルとの縮合生成物、例えば、ポリエチレンソルビタン
モノオレエートであることができる。水性懸濁液は、また、1種または2種以上
の保存剤、例えば、エチル、またはn−プロピル、p−ヒドロキシベンゾエート
、1種または2種以上の着色剤、例えば、スクロースまたはサッカリンを含有す
ることができる。
油性懸濁液は、植物油、例えば、落花生油、オリーブ油、大豆油またはヤシ油
の中に、あるいは鉱油、例えば、液状パラフィンの中に、活性成分を懸濁させる
ことによって処方することができる。油性懸濁液は、増粘剤、例えば、蜜蝋、硬
質パラフィンまたはセチルアルコールを含有することができる。甘味剤、例えば
、前述のもの、および香味剤を添加して、味のよい経口調製物を提供することが
できる。これらの組成物は、酸化防止剤、例えば、アスコルビン酸の添加により
保存することができる。
水の添加により水性懸濁液の調製に適当な分散性粉剤および顆粒は、分散剤ま
たは湿潤剤、懸濁剤および1種または2種以上の保存剤と混合した活性成分を提
供する。適当な分散剤または湿潤剤および懸濁剤は既に述べたものにより例示さ
れる。また、追加の受容剤、例えば、甘味剤、香味剤および着色剤を存在させる
ことができる。
本発明の医薬組成物は、また、水中油乳濁液の形態であることができる。油性
相は植物油、例えば、オリーブ油または落花生油、あるいは鉱油、例えば、液状
パラフィンあるいはこれらの混合物であることができる。適当な乳化剤は、天然
に存在するリン酸塩、脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導されたエステル
、例えば、ソルビタンモノオレエート、および前記部分的エステルとエチレンオ
キシドとの縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート
であることができる。エマルジョンは、また、甘味剤および香味剤を含有するこ
とができる。
シロップおよびエリキシル剤は、甘味剤、例えば、グリセロール、プロピレン
グリコール、ソルビトールまたはスクロースを使用して処方することができる。
このような処方物は、また、粘滑剤、保存剤、香味剤および着色剤を含有するこ
とができる。医薬組成物は、既知の技術に従い、前述の適当な分散剤または湿潤
剤および懸濁剤を使用して処方することができる。また、無菌の注射可能な調製
物は無毒の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の無菌の注射可能な溶液ま
たは懸濁液、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液であることができる。使
用できる許容されるベヒクルおよび溶媒は、水、リンゲル溶液および等張塩化ナ
トリウム溶液である。さらに、固定油は溶媒または懸濁媒質として好都合に使用
される。この目的で、合成モノ−またはジグリセリドを包含する任意の無刺激固
定油を使用することができる。さらに、脂肪酸、例えば、オレイン酸を調製物ま
たは注射可能な調製物において使用される。
非経口投与は、一般に、皮下、筋肉内または静脈内の注射により特徴づけられ
る。注射可能な調製物は慣用の形態で、注射前に液状溶液または懸濁液として、
あるいは乳濁液として調製することができる。適当な賦形剤は、例えば、水、生
理食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノールまたはその他である。さ
らに、必要に応じて、投与すべき医薬組成物は、また、少量の無毒の補助物質、
例えば、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝化剤およびその他、例えば、酢酸ナトリウ
ム、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミンオレエート、およびその
他を含有することができる。
単一の投与形態の製造に担体物質と組合わせることができる活性成分の量は治
療される宿主依存して変化し、そしてヒトの特定の投与のモードは 0.5mg〜5g
の活性成分と、適当な好都合な量の担体物質とを含有することができ、担体物質
の量は全体の組成物の約5〜約95%であることができる。投与単位形態は一般に
約1mg〜約 500mgの活性成分を含有するであろう。
しかしながら、理解されるように、特定の患者について特定の投与レベルは、
種々の因子、例えば、使用する特定の化合物の活性、年令、体重、一般的健康、
性別、食事、投与時間、薬剤の組合わせおよび治療する特定の疾患の苛酷性に依
存するであろう。
下記の特定の実施例により、本発明をさらに説明しかつ例示する。最も好ましい態様の特定の説明 実施例1 ブロモ(2−ピリジル)アセトニトリルの製造
150ml の四塩化炭素中の(2−ピリジル)アセトニトリル(12.0g,0.10mol)
の溶液に、18.1gのN−ブロモスクシンイミド(0.10mol)を室温において添加し
た。この混合物を 1.5時間還流させた。生ずる沈澱を濾過により除去し、溶媒を
減圧下に除去すると、粗生成物が得られ、これをヘキサンから再結晶化させると
、18.6g(94%)の標題化合物が赤色結晶として得られた:融点62−64℃;1H
NMR(DMSO−d6)δ8.67(d,1H),7.97(t,1H),7.70(d,1H),
7.51(td,1H),5.60(ρ,1H)ppm;IR(KBr):3064,2972,1712,1587
,1470,1439,1051,993cm-1;MSm/z196,198(M+),177(M+−Br);HRMS
,C7H5BrN2についての計算値:195.9630、実測値:195.9645。
同様な方法に従うと、下記の化合物が製造された:
ブロモ(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)アセトニトリル:
融点56−57℃;1H NMR(CDCl3)δ8.31(s,1H),5.67(s,1H),3.81
(s,3H),2.30(s,3H),2.37(s,3H)ppm;13C NMR(CDCl3)δ
164.84,150.19,149.56,128.28,125.59,115.49,60.135,27.99,13.51,11
.05ppm ; IR(KBr):3415,2988,2210,1568,1472,1255,997,791cm-1;MS
m/z225,257(MH+),175(M+−Br)。実施例2 〔(2−ベンズイミダゾリル)チオール〕(2−ピリジル)アセトニトリルの合 成
50μlの乾燥N,N−ジメチルホルムアミド中の2−メルカプトベンズイミダ
ゾール(0.30g,3.0mmol)、ブロモ(2−ピリジル)アセトニトリル(0.59g,3.
0mmol)および炭酸カリウム(0.37g,3.0mmol)の混合物を60℃に6時間加熱した
。溶媒を蒸発させた。残留物を酢酸エチル中に溶解し、水で洗浄し、次いで飽和
炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発さ
せると、固体状物が得られた。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(100%酢酸
エチル)によりさらに精製すると、66mg(10%)の標題化合物が固体として得ら
れた:融点 166−167 ℃;1H NMR(DMSO−d6)δ9.3(m,1H),8.65(m
,2H),8.32(m,1H),7.78(brs ,4H),4.81(brs ,2H)ppm ;
IR:2206,1512,1465,1432,1357,1179,740 cm-1。同様な方法において、2
−メルカプトベンズイミダゾールの代わりに2−メルカプトインダゾールを使用
することによって、下記の化合物を製造した:
〔(2−イミダゾリル)チオール〕(2−ピリジル)アセトニトリル:融点 203
−204(分解);1H NMR(CDCl3)δ8.51(d,1H),7.65(t,1H),7.36
(d,2H),7.12(d,1H),7.03(dd,1H),6.33(brs,2H)ppm;13
C NMR(CDCl3)δ154.08,148.23,145.76,136.84,134.95,134.43,119.1
5,118.40,109.32,96.15ppm ; IR(KBr):3344,3225,2202,1643,1493,1
485,1427cm-1。実施例3 〔(5−メトキシ−2−ベンズイミダゾリル)チオ〕(4−メトキシ−3,5− ジメチル−2−ピリジル)アセトニトリルの合成
40mlの 8.4%水酸化ナトリウム中に溶解した2−メルカプト−5−メトキシベ
ンズイミダゾール(15.1g,0.14mol)の溶液に、室温において 170mlのメタノー
ル添加し、次いでブロモ(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)ア
セトニトリル(21.4g,0.11mol)を添加した。この混合物を窒素雰囲気下に1時
間加熱還流させた。生ずる沈澱を濾過により除去し、メタノールを蒸発させた。
得られた残留物をクロロホルムで抽出し、クロロホルムを3回水で洗浄し、硫酸
マグネシウムで乾燥した。溶媒を蒸発させた後、粗生成物をジエチルエーテルか
ら再結晶化させると、22.6g(90%)の標題化合物が黄色がかった結晶として得
られた:融点 193−197 ℃;1H NMR(CDCl3)δ8.25(s,1H),7.65(dd,
1H),7.30(m,1H),6.90(m,1H),6.30(brs,2H),3.95(s
,3H),3.75(s,3H),2.50(s,3H),2.20(s,3H)ppm。実施例4 3−〔オキソ(2−ピリジル)メチル〕イミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4− チアジアゾールの合成
5mlのクロロホルム中の〔(2−イミダゾリル)チオ〕(2−ピリジル)アセ
トニトリル(30mg,0.14mmol)の溶液に、0.12gの60%m−クロロ過安息香酸(
0.42mmol)を少しずつ添加した。この混合物を室温において10時間撹拌した。生
ずる混合物を水および飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。次いで有機相を木
炭で処理し、濾過すると、粗生成物が得られた。シリカゲル(100%酢酸エチル)
のクロマトグラフィーにかけると、22mg(84%)の標題化合物が黄色がかった固
体状物として得られた:融点 147−148 ℃;1H NMR(CDCl3)δ8.87(d,1H
),8.30(m,2H),7.95(m,1H),7.57(m,1H),7.52(m,1H
)ppm ;1R(KBr):1700,1660cm-1;MSm/z 230(M+);HRMS,C10H6N4OS
についての計算値:230.0262、実測値:230.0267。実施例5 7−メトキシ3−〔(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)オキソ メチル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールおよび 6−メトキシ3−〔(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)オキソ メチル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールの合成
400 mlのクロロホルム中の〔(5−メトキシ−2−ベンズイミダゾリル)チオ
〕(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)アセトニトリル(5.31g
,15mmol)の溶液に、100mlのクロロホルム中に溶解した60%m−クロロ過安息
香酸(8.62g,30mmol)を0〜5℃において1時間かけて滴下した。添加後、反
応混合物を室温において1時間撹拌した。次いで生ずる混合物を水で洗浄し、硫
酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を蒸発させると、粗生成物が得られた。シリカ
ゲルのクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン1:1)にかけると、0.828
g(10%)の7−メトキシ3−〔(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリ
ジル)オキソメチル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダ
ゾールが黄色がかった固体として、そして 0.828g(10%)の6−メトキシ3−
〔(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)オキソメチル〕−1,2
,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールが固体として得られた。
7−メトキシ3−〔(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)オキ
ソメチル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール:融
点 170−171 ℃;1H NMR(DMSO−d6)δ8.34(s,1H),7.86(d,1H),
7.29(d,1H),6.93(dd,1H),3.84(s,6H),2.42(s,3H),
2.31(s,3H)ppm ; IR(KBr):1684,1654cm-1;MSm/z 369(M++1)
。
6−メトキシ3−〔(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)オキ
ソメチル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール:融
点 196−197 ℃;1H NMR(DMSO−d6)δ8.34(s,1H),7.67(d,1H)
,7.34(d,1H),7.10(dd,1H),3.84(s,3H),3.74(s,3H)
,2.44(s,3H),2.31,3H)ppm ; IR(KBr):1684cm-1;MSm/z369(
M++1)。実施例6 ジブロモ(2−ピリジル)アセトニトリルの合成
120ml の四塩化炭素中の(2−ピリジル)アセトニトリル(6.0g,50.8mmol)
の溶液に、N−ブロモスクシンイミド(18.5g,104mmol)を室温において添加し
た。生ずる混合物を22時間還流させた。冷却後、沈澱を濾過した。四塩化炭素を
蒸発させると、13.5g(96%)のジブロモ(2−ピリジル)アセトニトリルが暗
褐色固体として得られた:融点59−61℃;1H NMR(CDCl3)δ8.62(d,1H)
,7.93(d,1H),7.86(dt,1H),7.35(dt,1H)ppm;13C NMR(CDC
l3)δ155.23,148.94,138.24,125.38,120.55,115.81,30.81ppm ; HRMS,C7
H4N2Br2についての計算値:273.8741、実測値:273.8730。実施例7 2−ブチル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール−3 (2H)−オンの合成
冷却器を装備した 500mlの丸底フラスコ中の2−メルカプトベンズイミダゾー
ル(29.30g,0.195mol)およびブチルイソシアネート(48.3ml,0.33mol)の混合物
を、油浴中で 130〜140 ℃に45分間加熱した。反応混合物を室温に冷却した後、
固体を濾過し、ヘキサンで洗浄し、真空乾燥すると、43.48g(89%)の1−
(ブチルカルバモイル)−1,3−ジヒドロベンズイミダゾール−2−チオンが
白色結晶として得られた:融点 179−180 ℃。
250ml のクロロホルム中の1−(ブチルカルバモイル)−1,3−ジヒドロベ
ンズイミダゾール−2−チオン(39.89g,0.16mol)の溶液に、 110mlのクロロホ
ルム中の 25.57g(0.16mol)の臭素を0℃において添加した。添加の完結後、80m
lのクロロホルム中のトリエチルアミン(44.6ml,0.32mol)を反応混合物に滴下し
た。この混合物を0℃においてさらに4時間撹拌し、次いで室温において14時間
撹拌した。生ずる混合物を水で洗浄し、次いで10%硫酸ナトリウム溶液で洗浄し
た。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させると、粗生成物が得られた。
メタノールから再結晶化させると、27.10g(69%)の2−ブチル−1,2,4
−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール−3(2H)−オンが無色結
晶として得られた:融点 153−154 ℃(文献: 156−157 ℃,Martin et al., Te
trahedron 1983,39,2311)。
同様な方法において、n−ブチルイソシアネートの代わりに他のアルキルイソ
シアネートを使用することによって、下記の化合物を製造した:
2−エチル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール−
3(2H)−オン;
2−イソプロピル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾ
ール−3(2H)−オン;
2−メチル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール−
3(2H)−オン;
2−フェニル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール
−3(2H)−オン;
2−ベンジル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール
−3(2H)−オン。実施例8 3−〔ジブロモ(2−ピリジル)メチル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5 −a〕ベンズイミダゾールの合成
50mlのジクロロメタン中の2−ブチル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−
a〕ベンズイミダゾール−3(2H)−オン(2.0g,8.1mmol)およびジブロモ(
2−ピリジル)アセトニトリル(4.91g,17.8mmol)の混合物を16時間加熱還流
させた。室温に冷却した後、沈澱を濾過し、ジクロロメタンで洗浄し、乾燥する
と、2.76g(80%)の標題化合物が薄褐色固体として得られた:融点 195℃(分
解);1H NMR(CDCl3)δ8.25(m,2H),7.96(dt,1H),7.76(d,1
H),7.32(m,2H),6.95(t,1H),6.92(s,1H)ppm;13C NMR
(CDCl3)δ166.08,157.95,150.34,148.28,147.71,138.31,128.76,124.7
9,124.58,122.94,121.68,119.49,113.97,54.37ppm ; HRMS,C14H8Br2N4S
についての計算値:421.8836、実測値:421.8850。実施例9 3−(オキソフェニルメチル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベン ズイミダゾールの合成
80mlのジクロロメタン中の2−ブチル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−
a〕ベンズイミダゾール−3(2H)−オン(6.0g,24.3mmol)およびシアン化
ベンゾイル(6.36g,48.5mmol)の混合物を、室温において24時間撹拌した。沈
澱を濾過し、ジクロロメタンで洗浄した。粗生成物をアセトンから再結晶化させ
ると、6.48g(96%)の3−(オキソフェニルメチル)−1,2,4−チアジア
ゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールが黄色結晶として得られた:融点 190−
191 ℃;1H NMR(CDCl3)δ8.35(d,3H),7.82(d,1H),7.73(t,
1H),7.59(t,2H),7.50(t,1H),7.36(t,1H)ppm;13C NM
R(CDCl3)δ180.86,163.69,150.82,146.70,134.79,134.34,131.22(2C
),129.46(2C),128.74,125.82,122.27,119.49,115.23ppm ; IR(KBr)
:1671cm-1;HRMS,C15H9N3OS についての計算値:279.0466、実測値:279.0475
。分析、C15H9N3OS についての計算値:C,64.50 ;H,3.25;N,15.04。実
測値:C,63.93 ;H,3.10;N,14.53。
同様な方法において、シアン化ベンゾイルの代わりにピルボニトリルを使用す
ることによって、下記の化合物を製造した:
3−(1−オキソエチル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズ
イミダゾール;融点180−181 ℃;1H NMR(CDCl3)δ8.70(d,1H),7.
80(d,1H),7.50(t,1H),7.38(t,1H),2.83(s,3H);13
C NMR(CDCl3)δ187.02,164.15,150.69,147.78,129.63,125.82,122.26
,119.27,115.94,26.74ppm ; IR(KBr):1703cm-1;HRMS,C10H7N3OS につい
ての計算値:217.0310、実測値:217.0318。分析、C10H7N3OS についての計算値
:C,55.29 ;H,3.25;N,19.34。実測値:C,55.31 ;H,3.29;N,19.
46。
同様な方法において、シアン化ベンゾイルの代わりに他のシアン化物を使用す
ることによって、下記の化合物を製造した:
3−(1−オキソプロピル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベン
ズイミダゾール;
3−(1−オキソブチル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズ
イミダゾール;
3−(1−オキソ−2−フェニルエチル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,
5−a〕ベンズイミダゾール;
3−(シクロペンチルオキソメチル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−
a〕ベンズイミダゾール;
3−(1−オキソ−2−フタルイミドエチル)−1,2,4−チアジアゾロ〔
4,5−a〕ベンズイミダゾール。実施例10 3−メチル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールの合 成
2−ブチル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール−
3(2H)−オン(1.00g,4.04mmol)を、100ml のアセトニトリル中で18時間
還流させた。次いで溶媒を蒸発させ、残留物をメタノールから再結晶化させると
、0.671g(88%)の標題化合物が得られた:融点 192−193 ℃;1H NMR(CDCl3
)δ7.81(dm,2H),7.47(td,1H),7.34(td,1H),2.92(s,3
H)ppm ; IR(KBr):1564,1481,1453,1430,1304,1208,756,745cm-1;M
Sm/z 189(M+),148(M+−CH3CN)。
同様な方法において、アセトニトリルの代わりに他のアルキルニトリルを使用
することによって、下記の化合物を製造した;
3−エチル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール;
3−イソプロピル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾ
ール;
3−(2−メチルプロピル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベン
ズイミダゾール;実施例11 3−(〔4−(メトキシカルボニル)フェニル〕)−1,2,4−チアジアゾロ 〔4,5−a〕ベンズイミダゾールの合成
7mlのジクロロメタン中の2−ブチル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−
a〕ベンズイミダゾール−3(2H)−オン(0.3g,1.2mmol)およびメチル4−
シアノベンゾエート(0.41g,2,5mmol)の混合物を、20時間加熱還流させた。沈
澱を濾過し、ジクロロメタンで洗浄すると、0.16g(48%)の3−(〔4−(メ
トキシカルボニル)フェニル〕)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベ
ンズイミダゾールが白色固体として得られた:融点 204−206 ℃;1H NMR(CDC
l3)δ8.33(d,2H),7.98(d,2H),7.83(d,1H),7.49(m,2
H),7.20(t,1H),4.02(s,3H)ppm;13C NMR(CDCl3)δ165.96,
165.30,151.08,149.10,133.16,132.55,130.24(2C),128.69(3C),
125.34,121.58,119.96,112.01,52.56ppm ; IR(KBr): 1729,1508,1448
,1275,733cm-1;HRMS,C16H11N3O2S についての計算値:309.0572、実測値:3
09.05719。実施例12 3−(4−メチルフェニルスルホニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5− a〕ベンズイミダゾールの合成
120ml のジクロロメタン中の2−ブチル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5
−a〕ベンズイミダゾール−3(2H)−オン(10.0g,40.4mmol)およびシア
ン化p−トルエンスルホニル(14.7g,81.0mmol)の混合物を、室温において20
時間撹拌した。沈澱を濾過し、ジクロロメタンで洗浄すると、12.2g(91%)の
3−(4−メチルフェニルスルホニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−
a〕ベンズイミダゾールが白色粉末として得られた:融点 231−234 ℃;1H NM
R(CDCl3)δ8.53(d,1H),8.04(d,2H),7.82(d,1H),7.56−
7.44(m,4H),2.53(s,3H)ppm;13C NMR(CDCl3)δ163.72,150.38
,147.97,147.54,132.48,130.30(2C),129.97(2C),128.49,126.14
,123.06,119.70,114.67,21.93ppm ; IR(KBr): 1592,1525,1444,1337
,1151,1081,735cm-1;HRMS,C15H11N3O2S2についての計算値:329.0293、実
測値:329.0300。分析、C15H11N3O2S2についての計算値:C,54.70 ;H,3.37
;N,12.76。実測値:C,54.29 ;H,3.14;N,14.59。実施例13 3−(メトキシカルボニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズ イミダゾールの合成
30mlのジクロロメタン中の2−ブチル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−
a〕ベンズイミダゾール−3(2H)−オン(4.0g,16.2mmol)およびメチルシ
アノホルメート(2.75g,32.4mmol)の混合物を、室温において21時間撹拌した
。沈澱を濾過し、ジクロロメタンで洗浄すると、3.36g(84%)の3−(メトキ
シカルボニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール
が無色固体として得られた:融点 208−209 ℃;1H NMR(CDCl3)δ8.61(d,
1H),7.82(d,1H),7.51(t,1H),7.31(t,1H),4.17(s,
3H)ppm;13C NMR(CDCl3)δ164.02,156.51,150.67,140.89,129.34,12
5.93,122.41,119.48,115.4,54.04ppm ; IR(KBr):1733cm-1;HRMS,C10H7
N3O2Sについての計算値:233.0259、実測値:233.0262。分析、C10H7N3O2Sにつ
いての計算値:C,51.50 ;H,3.02;N,18.02。実測値:C,51.41 ;H,2
.89;N,18.16。
同様な方法において、メチルシアノホルメートの代わりに他のシアノホルメー
トを使用することによって、下記の化合物を製造した:
3−(エトキシカルボニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズ
イミダゾール;
3−(ブトキシカルボニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズ
イミダゾール;
3−(イソプロポキシカルボニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕
ベンズイミダゾール;
3−〔(ベンジルオキシ)カルボニル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−
a〕ベンズイミダゾール;
3−〔(シクロペンチルオキシ)カルボニル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4
,5−a〕ベンズイミダゾール。実施例14 3−(2−ピリジル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダ ゾールの合成
150ml のジクロロメタン中の2−ブチル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5
−a〕ベンズイミダゾール−3(2H)−オン(15.0g,60.7mmol)および2−
シアノピリジン(13.3g,0.13mmol)の混合物を、室温において72時間撹拌した
。沈澱を濾過し、ジクロロメタンで洗浄すると、10.4g(68%)の3−(2−ピ
リジル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールが白色
固体として得られた:融点 173−174 ℃;1H NMR(CDCl3)δ8.90(d,1H)
,8.70(d,1H),8.30(d,1H),7.99(t,1H),7.80(d,1H)
,7.57(t,1H),7.47(t,1H),7.37(t,1H)ppm;13C NMR(CDC
l3)δ166.10,151.09,150.11,148.74,147.73,137.38,130.50,125.85,12
5.24,124.52,121.41,119.11,116.33ppm ; IR(KBr):3419,3054,1611,1
587,1501,1463,1446,727cm -1;HRMS,C13H8N4Sについての計算値:252.047
0、実測値:252.0882。分析、C13H8N4Sについての計算値:C,61.89 ;H,3.2
0;N,22.21。実測値:C,61.48 ;H,3.30;N,22.24。実施例15 3−アミノ−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールの合 成
25mlのジクロロメタン中の2−ブチル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−
a〕ベンズイミダゾール−3(2H)−オン(2.00g,8.08mmol)の冷却した溶
液に、シアナミド(0.728g,16.2mmol)の混合物を一度に添加し、この混合物を
室温において48時間撹拌した。生ずる沈澱を濾過し、メタノール中で撹拌し、引
き続いてジクロロメタンで洗浄すると、1.01g(66%)の3−アミノ−1,2,
4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールが無色結晶として得られた
:融点 255−256 ℃;1H NMR(DMSO−d6)δ8.23(d,1H),7.71(d,1
H),7.43(t,1H),7.54(s,2H),7.32(t,1H)ppm ; IR(KBr
):3302,3151,1661,1577,1487,1473,1251,1207,810cm-1;HRMS,C8H6N4
S についての計算値:190.0313、実測値:190.0293。分析、C8H6N4S について
の計算値:C,50.51 ;H,3.18;N,29.45。実測値:C,50.26 ;H,3.26
;N,29.38。実施例16 3−ブロモ−1,2,4−ヂアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールの合 成
2−ブチル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール−
3(2H)−オン(5.0g,20.2mmol)と臭化シアン(4.28g,40.4mmole)をジクロ
ロメタン 100mLに混合し室温で26時間撹拌した。沈殿物を濾過してからジクロロ
メタンで洗浄し、白色の粉末である3−ブロモ−1,2,4−チアジアゾロ〔4
,5−a〕ベンズイミダゾールを4.18g(81%)得た:融点 189−190 ℃;1H
NMR(CDCl3)δ8.23(d,1H),7.82(d,1H),7.52(t,1H),7.42
(d,1H)ppm;13C NMR(1:1 CDCl3:DMSO−d6):δ162.78,149.67,
129.22,125.53,122.25,119.48,117.25,111.27ppm : IR(KBr):3025,292
5,1601,1493,1451,1028,757,701 cm-1;C8H4N3SBr のHRMS 計算値 252.
9309、測定値 252.9307 C8H4N3SBr の分析計算値:C,37.81 ;H,1.59;N
,16.54 測定値:C,37.44 ;H,1.33;N,16.57。
同様の方法を利用し、臭化シアンを別のハロゲン化シアンに変えることで、以
下の化合物が作製される:
3−ヨード−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール
3−クロロ−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール実施例17 3−〔オキソ(2−ピリジル)メチル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5− a〕ベンズイミダゾールの合成
3−〔ジブロモ(2−ピリジル)メチル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,
5−a〕ベンジミダゾール(2.02g,4.76mmol)のテトラヒドロフラン液75mLに
硝酸銀(0.890g,5.24mmol)水溶液75mLを加えた。この懸濁液を2日間撹拌して
から、炭酸水素ナトリウム液にてpHを6に調整した。1mLの飽和塩化ナトリウム
液を加えてから、混合液をセライトで濾過してから、セライトを酢酸エチルで洗
浄した。水で抽出した後、酢酸エチルを乾燥、蒸発させて粗残査を得、これをク
ロロフォルム/メタノール10:0.1 の混合液を溶出液とするフラッシュクロマト
グラフィーにて精製した。黄色の固形物として表題の化合物1.05g(78%)を得
た:融点 182−186 ℃(分解点);1H NMR(CDCl3)δ8.85(m,1H),8.31
(dt,1H),8.19(d,1H),8.01(td,1H),7.83(d,1H),7.63
(ddd,1H),7.50(ddd,1H),7.35(ddd,1H)ppm ; IR(フィルム)
:1673,1511,1444,1235,1057,879,733cm-1;MS m/z 280(M+)、14
8(M+−(2−ピリジル)C(O)CN)。実施例18 3−〔ビス(エトキシカルボニル)メチル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4, 5−a〕ベンズイミダゾールの合成
3−ブロモ−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール(0
.2g,0.78mmole)、ジエチルマロン酸(0.15g,0.94mmol)とトリエチルアミン
(0.13mL,0.94mmole)のTHF 液8mL混合液を窒素雰囲気下に36時間還流した。得
られた混合液を酢酸エチルで抽出してから、水と10%硫酸ナトリウム液で洗浄し
た。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させて粗産物を得、これをフラッシュク
ロマトグラフィー(35%酢酸エチル:65%ヘキサン)にて精製し、黄色の油とし
て表題の化合物0.14g(54%)を得た:1H NMR(CDCl3)δ9.48(s,1H),
8.06(d,1H),7.63(d,1H),7.34−7.31(m,2H),4.39(q,4
H),1.35(t,6H)ppm ; IR(フィルム):1748cm-1;C15H15N3O4S のHRMS
計算値 333.0783、測定値333.0794。実施例19 3−メトキシ−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールの 合成
3−ブロモ−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール(4
.55g,17.9mmole)とメタノール液50mLの冷混合液に、ナトリウムメトキシド(0.
967g,17.9mmole)を1の割合で加えて4時間室温で撹拌した。この反応混合液
を減圧下に蒸発乾燥させ、残査を酢酸エチル中に取り、水で洗浄した。有機層を
硫酸マグネシウム上で乾燥させてから濾過、乾燥して無色の結晶として3−メト
キシ−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール3.64g(94
%)を得た:融点 172−175 ℃;1H NMR(CDCl3)δ7.83(d,1H),7.75(
d,1H),7.42(t,1H),7.27(t,1H),4.32(s,3H)ppm;13
C NMR(CDCl3)δ163.2,150.3,148.1,128.2,124.9,121.8,119.2,111.7
,57.5ppm : IR(KBr):3418,2942,1595,1492,1404,1275,1255,1206, 1
083,755cm-1;C9H7N3OSの分析計算値:C,52.67 ;H,3.44;N,20.49。測
定値:C,52.28 ;H,3.36;N,20.45。
同様の方法を利用すると、ナトリウムメトキシドを他の金属アルキル酸化物に
変えることで次の化合物が得られる:
3−エトキシ−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール
3−プロポキシ−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール
3−イソプロポキシ−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾ
ール
3−ブトキシ−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール
3−3級−ブトキシ−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾ
ール
3−(シクロペンチルオキシ)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベン
ズイミダゾール実施例20 3−(ジメチルアミノ)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミ ダゾールの合成
3−ブロモ−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール(1
5.44g,0.0603mole)とジクロロメタン液 100mLの冷混合液に、ジメチルアミン
(40%水溶液)(5.44g,0.121mole)を滴下した。この反応混合液を室温で16時
間撹拌した。それからジクロロメタンで希釈、水で洗浄してから硫酸ナトリウム
で乾燥し、さらに減圧下に蒸発乾燥させて無色の結晶として3−(ジメチルアミ
ノ)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール 10.47g(
80%)を得た:融点 102−104 ℃:1H NMR(CDCl3)δ7.74(t,2H),7.41
(t,1H),7.27(t,1H),3.06(s,6H)ppm : C10H10N4S の分析計
算値:C,55.03 ;H,4.62;N,25.69。測定値:C,54.53 ;H,4.90;N
,25.50。
同様の方法を利用し、ジメチルアミンを他のアミンに変えると次の化合物が得
られる:
3−(エメチルアミノ)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミ
ダゾール:融点 164.5−165 ℃(分解点);1H NMR(CDCl3)δ7.78(m,2H
),7.65(d,1H),7.43(t,1H),7.21(t,1H),3.68(q,2H
),1.45(t,3H)ppm。
3−(1−ピロロリル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミ
ダゾール:融点 118−119 ℃;1H NMR(CDCl3)δ7.77(t,2H),7.43(t
,1H),7.28(t,1H),3.71(m,4H),2.07(m,4H)ppm。
3−(4−モルフォリニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズ
イミダゾール:融点 140−142 ℃;1H NMR(CDCl3)δ7.78(d,1H),7.60
(d,1H),7.45(t,1H),7.32(t,1H),3.99(m,4H),3.48
(m,4H)ppm。
3−(1−ピペラジニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイ
ミダゾール:融点 116−118 ℃;1H NMR(CDCl3)δ7.76(d,1H),7.63(
d,1H),7.42(t,1H),7.30(t,1H),3.41(m,4H),3.15(
t,4H),2.00(br,s,1H)ppm。
3−(4−メチル−1−ピペラジニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−
a〕ベンズイミダゾール:融点 158−158.5 ℃;1H NMR(CDCl3)δ7.77(d,
1H),7.64(d,1H),7.42(t,1H),7.32(t,1H),3.49(m,
4H),2.70(m,4H),2.43(s,3H)ppm。
3−〔〔2−(メトキシカルボニル)メチル〕アミノ〕−1,2,4−チアジア
ゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール:融点 196−197 ℃,C11H10N4O2S の分
析計算値:C,50.37 ;H,3.84;N,21.36。測定値:C,50.13 ;H,3.96
;N,21.26。
同様の方法を利用し、ジメチルアミンを他の親核性アミンと交換することによ
って次の化合物を得る:
3−(メチルアミノ)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミ
ダゾール実施例21 3−〔(ヒドロキシイミノ)フェニルメチル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4 ,5−a〕ベンズイミダゾールの合成
3−(オキソフェニルメチル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベ
ンズイミダゾール 0.5g(1.79mmol)を含むエタノール液7mLに 0.5mL(6.46mm
ol)のピリジンと 0.5g(7.20mmol)の塩酸ヒドロキシアミンを加えた。混合液
を一晩還流した。沈殿物を濾過して集め、メタノールとジクロロメタンで洗浄し
て粗産物を得、これをさらにメタノールで再結晶化して白色の結晶である表題化
合物0.47g(89%)を得た:融点 247℃;1H NMR(DMSO−D6)δ11.89(s,
1H),7.81(d,1H),7.73(dd,2H),7.45−7.53(m,5H),7.32
(t,1H)ppm;13C NMR(CDCl3)δ168.25,155.24,150.52,147.95,136.
94,135.67,134.30(2C),133.03,131.52(2C),130.35,127.26,124.
28,116.91ppm : IR(KBr):2731,1549,1475,1450,1251,1194,983,753
,736cm-1;C15H10N4OSのHRMS 計算値 294.0575、測定値 294.0583。実施例22 3−(1−ヒドロキシエチル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベン ズイミダゾールの合成
3−(1−オキシエチル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズ
イミダゾール(729mg,3.36mmol)の 200mLメタノール懸濁液にナトリウムホウ酸
水素塩(140mg,3.69mmol)を加えた。混合液を30分間撹拌してから水を 0.1mL加
えた。メタノールを蒸発し、残査を酢酸エチルと 0.1M塩酸に分配した。水相を
酢酸エチルで抽出した。有機相を一つにまとめてから2回ブラインで洗浄し、乾
燥後、蒸発した。この粗残査をクロロフォルム/メタノールを用いるクロマトグ
ラフィーにかけて精製し、3−(1−ヒドロキシエチル)−1,2,4−チアジ
アゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールを得た。融点 174−175 ℃;1H NMR
(CDCl3)δ8.05(d,1H),7.80(d,1H),7.47(td,1H),7.36(t
d,1H),5.39(q,1H),2.76(d,1H),1.84(d,3H)ppm ; IR
(KBr):3136,1544,1494,1478,1451,1374,1250,1200,1123,1103,109
3,752,729,711cm-1;MS m/z 219(M+),148(M+−CH3CH(OH)CN)。実施例23 3−カルボキシ−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール の合成
6mLの1N NaOH 液に、3−(メトキシ−カルボニル)−1,2,4−チアジ
アゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール(1.0g,4.3mmole)を含むジオキサン
6mLを加えた。反応混合液を室温で完全に混合するまで撹拌した。得られた混合
液に3N HClを加えてpHを−2.0 に調整し、さらに室温で 0.5時間撹拌した。固
形物を濾過し、水で洗浄してから真空下、60℃で24時間乾燥させて、無色の固形
物として表題化合物0.74g(78%)を得た。融点 184−185 ℃;1H NMR(DMSO
−d6)δ13.79(br,s,1H),8.59(d,1H),7.78(d,1H),7.51
(t,1H),7.40(t,1H);IR(KBr):3435,1705 cm-1;MS m/z 1
93(M+−OH),175(M+−CO2)。実施例24 3−カルボキシラト−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾ ールの合成
3−カルボキシ−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾー
ル(10.00g,45.62mmol)を含むメタノール(150ml)と水(100ml)懸濁液に、1N N
aOH(45.6ml)を1時間以上かけて加えた。4時間後、液体は透明になったので、
メタノールを減圧下に除いた。水溶液をクロロフォルムで抽出し、水相を凍結乾
燥して白色の固形物として表題化合物(10.4g,95%)を得た:融点 225−227
℃;1H NMR(DMSO−d6)δ7.68(d,1H),7.05(d,1H),6.95(
t,1H),6.80(t,1H)ppm;13C NMR(DMSO−d6)δ167.20,161.76,
149.68,148.84,129.52,126.23,122.74,118.37,116.06ppm ; IR(KBr):3
395,3243,1663,1641,1522,1443,1334,827,729 cm-1。実施例25 3−(4−メチル−1−ピペラジニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5− a〕ベンズイミダゾールジヒドロクロライドの調整
3−(4−メチル−1−ピペラジニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5
−a〕ベンズイミダゾール(6.07g,22.21mmol)を含む 100mlのジクロロメタン
の透明な液に、塩化水素ガスを40分間吹き込んだ。液は次第に濁ってきた。この
懸濁液を濾過して真空下に乾燥し、微細な白色粉末である表題化合物7.60g(99
%)を得た。融点 252℃(分解点);1H NMR(DMSO−d6とD2O)δ7.85(d,2
H),7.60(t,1H),7.51(t,1H),3.86(m,2H),3.56(m,6
H),2.91(s,3H)ppm;13C NMR(DMSO−d6とD2O)δ164.39,148.80,14
4.27,126.92,126.12,123.41,117.08,113.20,51.19,45.87,42.32ppm ; I
R(KBr):3420,1606,1571,1475,1461,1225,981,761cm-1。実施例26 2−ブチルイミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾール−3(2H) −オンの調整
2−メルカプトイミダゾール(24.39g,0.244mole)とブチルイソシアン塩(48.
3g,0.478mole)を丸底フラスコ内で混ぜて50℃で30分間、又はTLC により反応
か終了するのが確認されるまで加温した。反応混合液を室温まで冷却してから固
形物を50mLのヘキサンと一緒に30分粉砕した。得られた無色の固形物を濾過して
から、最小量のヘキサンで洗浄し、減圧下に乾燥させて無色の結晶である(融点
66−68℃)1−(ブチルカルバモイル)−1,3−ジヒドロイミダゾール−2−
チオン 44.96g(93%)を得た。
窒素雰囲気中に0℃まて冷却した1−(ブチルカルバモイル)−1,3−ジヒ
ドロイミダゾール−2−チオン(4.73g,23.7mmole)を含むジクロロメタン懸濁
液15mLに、ジクロロメタン15mLに溶解した臭素(3.79g,23.7mmole)を滴下して
加えた。滴下終了後、15mLのジクロロメタンに溶解されたトリエチルアミン(4.
81g,47.5mmole)を反応液の温度が0℃を越えない様に加えた。反応液をさらに
2時間0℃に維持してから、室温で16時間撹拌した。その後、150mLのジクロロ
メタンで希釈してから2回水で洗浄し、さらに飽和塩化ナトリウム液で1回洗浄
した。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させてから、真空下に乾燥して4.30g
(92%)の灰白色の粉末である2−ブチルイミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4
−チアジアゾール−3(2H)−オンを得た:融点 142−143 ℃;1H NMR(CDC
l3)δ7.40(d,1H),7.20(d,1H),3.79(t,2H),1.73(m,2
H),1.40(m,2H),0.957(t,3H)ppm ; IR(KBr):1702 cm-1。
同様の方法を利用し、ブチルイソシアン酸塩の他のイソシアン酸塩と交換する
ことによって次の化合物を得る:
2−メチルイミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾール−3(2H)
−オン
2−エチルイミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾール−3(2H)
−オン
2−プロピルイミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾール−3(2H
)−オン
2−イソプロピルイミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾール−3(
2H)−オン
2−ペンチルイミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾール−3(2H
)−オン
2−ヘキシルイミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾール−3(2H
)−オン
2−シクロヘキシルイミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾール−3
(2H)−オン
2−ベンジルイミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾール−3(2H
)−オン実施例27 3−(1−オキソエチル)イミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾー ル−3(2H)−オンの合成
2−ブチルイミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾール−3(2H
)−オン(2.49g,12.6mmol)を含む冷やした5mlのジクロロメタン液に、ピル
ボニトリル(1.74g,25.2mmole)を滴下し、さらに24時間撹拌した。それから濾
過により沈殿物を集め、ジクロロメタンで洗浄後、減圧下に蒸発して黄緑色の結
晶である3−(1−オキソエチル)イミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チア
ジアゾール−3(2H)−オン 0.662g(31%)を得た:融点 142−144 ℃;1
H NMR(CDCl3)δ8.23(s,1H),7.51(s,1H),2.78(s,3H)ppm
; IR(KBr):3436,3168,3106,1516,1408,1363,1229,1136,730cm-1。C6
H5N3SOの分析計算値:C,43.11 ;H,3.01;N,25.13。測定値:C,43.11
;H,2.91;N,25.27。
同様の方法を利用し、ピルボニトリルを他ベンゾイルシアン化物に変えると次
の化合物が得られる:3−(オキソフェニルメチル)イミダゾ〔1,2−d〕−
1,2,4−チアジアゾール−3(2H)−オン:融点 166−168 ℃;1H NMR
(CDCl3)δ8.44(d,2H),8.40(s,1H),7.70(d,1H),7.58(
t,3H)ppm。
同様の方法を利用し、ピルボニトリルを他のシアン化物もしくはノトリルに変
えると次の化合物が得られる:
3−(1−オキソプロピル)イミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾ
ール−3(2H)−オン
3−(1−オキソブチル)イミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾー
ル−3(2H)−オン
3−(1−オキソペンチル)イミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾ
ール−3(2H)−オン
3−(1−オキソヘキシル)イミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾ
ール−3(2H)−オン
3−(シクロペンチルオキソメチル)イミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チ
アジアゾール−3(2H)−オン
3−(1−オキソ−2−フタルイミドエチル)イミダゾ〔1,2−d〕−1,2
,4−チアジアゾール−3(2H)−オン実施例28 3−(メトキシカルボニル)イミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾ ールの合成
2−ブチルイミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾール−3(2H
)−オン(2.95g,15.0mmol)を含む25mlの冷ジクロロメタン液に、メチルシア
ノギ酸エステル(2.54g,30mmole)を滴下し、さらに16時間室温で撹拌した。沈
殿物を濾過し後ジクロロメタンで洗浄して無色の結晶である3−(メトキシカル
ボニル)イミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾール2.18g(80%)
を得た:融点 164.5−165 ℃;1H NMR(CDCl3)δ8.13(s,1H),7.51(s
,1H),4.11(s,3H)ppm ; IR(KBr):3440,1737,1527,1253,1071
cm-1。C6H5N3O2S の分析計算値;C,39.34 ;H,2.75;N,22.94。測定値:
C,39.41 ;H,2.51;N,22.94。
同様の方法を利用し、メチルシアノギ酸エステルを他のシアンギ酸エステルに
変えると次の化合物が得られる:
3−(エトキシカルボニル)イミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾ
ール
3−(プロポキシカルボニル)イミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジア
ゾール
3−(ブトキシカルボニル)イミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾ
ール
3−(イソプロポキシカルボニル)イミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チア
ジアゾール
3−〔(ペンチルオキシカルボニル)イミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チ
アジアゾール
3−〔(シクロペンチルオキシ)カルボニル)イミダゾ〔1,2−d〕−1,2
,4−チアジアゾール
3−〔(ベンジルオキシ)カルボニル)イミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−
チアジアゾール実施例29
3−ブロモイミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾールの合成
2−ブチルイミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾール−3(2H
)−オン(4.78g,0.0242mole)を含む25mlの冷やしたジクロロメタンに、臭化
シアン(5.13g,0.0482mole)を1の割合で加え、混合液を16時間室温で撹拌し
た。沈殿物を濾過した後10mLのメタノールを加えスラリー化し、続いてジクロロ
メタンで洗浄して無色の粉末である3−ブロモイミダゾ〔1,2−d〕−1,2
,4−チアジアゾール4.45g(90%)を得た:融点 220℃(分解点):MS m/
z 205,203(M+),C4H2N3SBr の分析計算値:1/2H2O:C,22.55 ;H,1
.42;N,19.72 ;O,3.75;S,15.02 ;Br,37.50。測定値:C,22.79;H
,1.41;N,19.42 ;O,2.67;S,14.61 ;Br,38.20。
同様の方法を利用し、臭化シアンを他のハロゲン化シアンに変えると次の化合
物が得られる:
3−ヨードイミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾール
3−クロロイミダゾ〔1,2−d〕−1,2,4−チアジアゾール実施例30 3−メチルスルフォニル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミ ダゾールの合成
3−メチルチオ−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾー
ル(100mg,0.45mmole)を含む10mLのジクロロメタン液にm−クロロペル安息香
酸(287mg,0.95mmole)を加えた。混合液を室温で撹拌すると、数時間後には出
発物質はスルホキシドに転換した;それからさらに酸化されて18時間後にはスル
フォンになった。溶媒を蒸発し、残査をクロロフォルム /メタノール10:0.1
を溶出液とするクロマトグラフィーを用いて精製して白色の固形物である3−メ
チルスルフォニル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾー
ル50mg(44%)を得た:融点 203-207 ℃(分解点);1H NMR(CDCl3)δ8.31
(d,1H),7.84(d,1H),7.54(ddd,1H),7.43(td,1H),3.6
3(s,3H)ppm ; IR(KBr):1530,1487,1444,1324,1315,1193,1147,
1141,735cm-1,MS m/z 253(M+),174(M+−CH3SO2),148(M+−CH3SO2C
N)。実施例31 3−〔4−(2−ピリジル)ピペラジニル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4, 5−a〕ベンズイミダゾールの合成
ジクロロメタン 10mLの溶解した3−ブロモ−1,2,4−チアジアゾロ〔4
,5−a〕ベンズイミダゾール(0.30g,1.17mmol)の冷却溶液に、2−ピリジ
ルピペラジン(0.54mL,3.51mmol)を滴下し、混合物を16時間撹拌した。反応混
合物をジクロロメタン 100mLで希釈し、水(2×30mL)及びブライン(1×25mL
)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発させて、黄色油を生成
し、これをカラムクロマトグラフィー(40% EtOAc;60%ヘキサン)により精製
して、白色固体(0.27g,68.5%)を得た;1H−NMR(CDCl3)δ3.58(m,4
H,2CH2),3.82(m,4H,2CH2),6.75(m,2H,pyr −H),7.30(
t,1H,ArH),7.44(t,1H,ArH),7.55(m,1H,pyr −H),7.68(d
,1H,ArH),7.79(d,1H,ArH),8.24(m,1H,pyr −H)。融点 176
−177.5 ℃。
同様の方法で、2−ピリジルピペラジンをその他のピペラジン誘導体に置換し
て、以下の化合物を製造した:
3−〔4−エチルピペラジニル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕
ベンズイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ1.15(t,3H,CH3),2.55(q,2H,CH2),2.70
(br,s,4H,2CH2),3.49(br,s,4H,2CH2),7.25(m,1H,ArH
),7.40(m,1H,ArH),7.65(d,1H,ArH),7.79(d,1H,ArH);融点 1
53−154.5 ℃。
3−〔4−プロピルピペラジニル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a
〕ベンズイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ0.96(t,3H,CH3),1.58(m,2H,CH2),2.45
(t,2H,CH2),2.74(br,s,4H,2CH2),3.49(br,s,4H,2CH2
),7.26(t,1H,ArH),7.30(t,1H,ArH),7.64(d,1H,ArH),7.77
(d,1H,ArH);融点 137−138 ℃。
3−〔4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジニル〕−1,2,4−チアジア
ゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ2.65(s,1H,OH),2.72(t,2H,CH2),2.84(
s,4H,2CH2),3.51(s,4H,2CH2),3.70(t,2H,CH2),7.31(
t,1H,ArH),7.45(t,1H,ArH),7.66(d,1H,ArH),7.80(d,1H
,ArH);融点 160−161.5 ℃。
3−〔4−(3−クロロフェニル)ピペラジニル〕−1,2,4−チアジアゾ
ロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ3.37(m,6H,3CH2),3.54(m,4H,2CH2),6
.88(d,1H,ArH),7.04(dd,1H,ArH),7.10(br,s,1H,ArH),7.29(
t,1H,ArH),7.41(t,1H,ArH),7.50(t,1H,ArH),7.78(d,1H
,ArH),7.82(d,1H,ArH);融点 218.5−219.5 ℃。
3−〔4−ベンジルピペラジニル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a
〕ベンズイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ2.76(br,s,4H,2CH2),3.49(br,s,4H,2
CH2),3.66(s,2H,CH2),7.30−7.50(m,8H,ArH),7.64(d,1H,
ArH),7.78(d,1H,ArH);融点 110−112.5 ℃。
3−〔4−シンナミルピペラジン〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a
〕ベンズイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ2.81(s,4H,2CH2),3.32(d,2H,CH2),3.5
1(s,4H,2CH2),6.27−6.36(m,1H,CH),6.60(d,1H,CH),
7.23−7.46(m,7H,ArH),7.65(d,1H,ArH),7.79(d,1H,ArH);融
点 120−121.5 ℃。
3−〔4−(3−アミノ−2−ピリジル)ピペラジニル〕−1,2,4−チア
ジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ3.42(m,4H,2CH2),3.55(m,4H,2CH2),3
.88(s,2H,NH2),6.92(dd,J=4.74 Hz,7.69 Hz,1H,pyr −H−
4),7.02(dd,J=1.57 Hz,7.69 Hz,1H,pyr −H−3),7.30(d,
1H,ArH),7.44(d,1H,ArH),7.76(見掛br,t,2H,ArH),7.86(dd,
J=1.57 Hz,4.78 Hz,1H,pyr −H);融点 176−177.5 ℃。
3−〔4−(1−(4−クロロフェニル)−1−フェニルメチル)ピペラジニ
ル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ2.68(br,s,4H,2CH2),3.49(br,s,4H,2
CH2),4.35(s,1H,CH), 7.2−7.5(m,11H,ArH),7.59(d,1H,Ar
H),7.79(d,1H,ArH);融点 172.5−174 ℃。実施例32 3−〔2−ピリジルアミノ〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズ イミダゾールの合成
ジクロロメタン 15mLに溶解した3−ブロモ−1,2,4−チアジアゾロ〔4
,5−a〕ベンズイミダゾール(0.30g,1.17mmol)の冷却溶液に、2−アミノ
ピリジン(0.276g,2.93mmol)を滴下し、混合物を48時間撹拌した。反応混合物
をジクロロメタン 100mLで希釈し、水(2×30mL)及びブライン(1×25mL)で
洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、蒸発させて、黄色固体(0.26
g,83%)を得た;1H−NMR(CDCl3)δ6.59(見掛 5.1H,pyr −H),7.12
(見掛br,d,1H,pyr −H),7.28(t,1H,ArH),7.38(t,1H,ArH)
,7.51(m,2H,ArH & pyr−H),7.70(d,1H,ArH),8.28(d,1H
,pyr −H);融点 155.5−157 ℃。
同様の方法で、2−アミノピリジンをその他のアミン誘導体に置換して、以下
の化合物を製造した:
3−〔3−ピリジルアミノ〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベン
ズイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ7.41(t,1H,ArH),7.48(t,1H,ArH),7.62(dd
,1H,pyr−H),7.75(d,1H,ArH),8.34(d,1H,ArH),8.44(m,
2H,pyr −H),9.02(d,1H,pyr −H);融点 175−176 ℃。
3−〔2−ピリジルメチルアミノ〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a
〕ベンズイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ2.02(s,1H,NH),4.84(d,2H,CH2),7.22−
7.56(M,4H,2ArH & 2pyr −H),7.75(m,2H,ArH & pyr −H),
7.85(d,1H,ArH),8.66(d,1H,pyr −H);融点 155.5−157 ℃。
3−〔N−メチル−(2−ピリジルエチル)アミノ〕−1,2,4−チアジア
ゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ3.11(s,3H,CH3),3.18(t,2H,CH2),3.87
(9t,2H,CH2),7.04−7.11(m,2H,pyr −H),7.26(m,1H,A
r−H),7.40(t,1H,ArH),7.52(m,1H,pyr −H),7.63(d,1H
,ArH),7.74(1H,d,ArH),8.41(d,1H,pyr −H);融点 105-107 ℃
。実施例33 3−ブロモメチル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾー ルの合成
ジクロロメタン(150mL)に溶解した2−ブチル−1,2,4−チアジアゾロ〔
4,5−a〕ベンズイミダゾール3(2H)−オン(15g,60.65mmol)及びブロ
モアセトニトリル(18.19g,151.6mmol)の溶液を48時間撹拌した。白色沈殿を生
成し、不溶性固体を濾過して、表題化合物 12.50g(77%)を得た:1H−NMR(C
DCl3)δ4.79(s,2H,CH2),7.42(t,1H,ArH),7.51(t,1H,ArH),
7.84(d,1H,ArH),7.94(d,1H,ArH);融点 242−244 ℃。実施例34 3−{〔4−エチルピペラジニル〕メチル}−1,2,4−チアジアゾロ〔4, 5−a〕ベンズイミダゾールの合成
1−エチルピペラジン(0.732ml,6.03mmol)を、ジクロロメタン(20mL)中の
3−ブロモメチル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾー
ル(704mg,2.62mmol)の懸濁液に付加した。混合物を室温で撹拌しながら26時間
放置した。その物質をジクロロメタン(150mL)で希釈し、水(15mL)及びブライ
ン(15mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発させて、これ
をアセトニトリルから再結晶化して、固体を得た(600mg,収率75.9%)。
1H−NMR(CDCl3)δ1.06(t,3H,CH3),2.39(q,2H,CH2),2.44
(m,4H,2CH2),2.70(m,4H,2CH2),3.90(s,2H,CH2),7.3
1(t,1H,ArH),7.43(t,1H,ArH),7.78(d,1H,ArH),7.92(d,1
H,ArH);融点 140−141.5 ℃。
同様の方法で、1−エチルピペラジンをピペラジン誘導体に置換して、以下の
化合物を製造した:
3−{〔4−プロピルピペラジニル〕メチル}−1,2,4−チアジアゾロ〔
4,5−a〕ベンズイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ0.89(t,3H,CH3),1.51(m,2H,CH2),2.30
(t,2H,CH2),2.50(br,s,4H,2CH2),2.70(s,4H,2CH2),3
.99(s,2H,CH2),7.32(t,1H,ArH),7.45(t,1H,ArH),7.80(d
,1H,ArH),7.95(d,1H,ArH);融点 108−110 ℃。
3−{〔4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジニル〕メチル}−1,2,4
−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ2.55(M,6H,ピペラジンの2CH2,CH2),2.70(m
,4H,2CH2),3.61(m,2H,CH2),3.99(s,2H,CH2),7.32(t,
1H,ArH),7.45(t,1H,ArH),7.78(d,1H,ArH),7.91(d,1H,ArH
);融点 165−166.5 ℃。
3−{〔4−フェニルピペラジニル〕メチル}−1,2,4−チアジアゾロ〔
4,5−a〕ベンズイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ2.80(m,4H,2CH2),3.20(m,4H,2CH2),4
.00(s,2H,CH2),6.90(m,3H,ArH),7.25(t,4H,ArH),7.50(t
,1H,ArH),7.80(d,1H,ArH),8.00(d,1H,ArH);融点 197−197.5
℃。
3−{〔4−(4−アミノ)フェニルピペラジニル〕メチル}−1,2,4−
チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ2.82(m,4H,2CH2),3.00(m,4H,2CH2),3
.31(s,2H,NH2),4.01(s,2H,CH2),6.63(d,2H,ArH),6.78
(d,2H,ArH),7.32(t,1H,ArH),7.45(t,1H,ArH),7.80(d,1H
,ArH),7.98(d,1H,ArH);融点 199.5−200.5 ℃。
3−{〔4−ベンジルピペラジニル〕メチル}−1,2,4−チアジアゾロ〔
4,5−a〕ベンズイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ2.50(br,s,4H,2CH2),2.68(br,s,4H,2
CH2),3.49(s,2H,CH2),3.98(s,2h,Chb2),7.30(t,6H,ArH)
,7.46(t,1H,ArH),7.79(d,1H,ArH),7.94(d,1H,ArH);融点 12
0.5−122 ℃。
3−{〔4−シンナミルピペラジニル〕メチル}−1,2,4−チアジアゾロ
〔4,5−a〕ベンズイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ2.71(m,4H,2CH2),2.55(m,4H,2CH2),3
.14(d,2H,CH2),3.98(s,2H,CH2),6.27(d,1H,CH),6.49
(d,1H,CH),7.30−7.37(m,6H,ArH),7.46(t,1H,ArH),7.77(
d,1H,ArH),7.93(d,1H,ArH);融点 162−163 ℃。
3−{〔4−(2−ピリジル)ピペラジニル〕メチル}−1,2,4−チアジ
アゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ2.80(m,4H,2CH2),3.60(m,4H,2CH2),4
.00(s,2H,CH2),6.60(m,2H,pyr −H),7.31(t,1H,ArH),7
.45(t,2H,ArH),7.80(d,1H,ArH),7.98(d,1H,pyr −H),8.1
8(m,1H,pyr −H);融点 214−214.5 ℃。
3−{4−〔(3−アミノ−2−ピリジル)ピペラジニル〕メチル〕−1,2
,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ2.82(br,s,4H,2CH2),3.17(br,s,4H,2
CH2),3.79(s,2H,NH2),4.07(s,1H,CH2),6.84(m,1H,pyr
−H),6.94(m,1H,pyr −H),7.30(m,1H,ArH),7.50(m,1H
,ArH),7.79(m,2H,pyr −H,ArH),8.0(d,1H,ArH);融点 214−215
.5 ℃。
3−{〔4−(4−メトキシフェニル)ピペラジニル〕メチル}−11,2,4
−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ2.80(m,4H,2CH2),3.10(m,4H,2CH2),3
.80(s,3H,OCH3),4.10(s,2H,CH2),6.80(m,4H,ArH),7.30(
t,1H,ArH),7.50(t,1H,ArH),7.80(d,1H,ArH),8.00(d,1H
,ArH);融点 202−204.5 ℃。
3−{〔4−(1−(4−クロロフェニル)−1−フェニルメチル)ピペラジ
ニル〕メチル}−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ2.44(br,s,4H,2CH2),2.68(br,s,4H,2
CH2),3.99(s,2H,CH2),4.18(s,1H,CH),7.20−7.40(m,10H
,ArH),7.50(t,1H,ArH),7.79(d,1H,ArH),7.91(d,1H,ArH);
融点82−84℃。実施例35 3−ジプロピルアミノメチル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズ イミダゾールの合成
ジプロピルアミン(0.64mL,4.67mmol)を、ジクロロメタン(40mL)中の3−
ブロモメチル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a]ベンズイミダゾール(0
.5g,1.87mmol)の懸濁液に付加した。混合物を室温で撹拌しながら26時間放置
した。その物質をジクロロメタン(100mL)で希釈し、水(3×40mL)及び10%硫
酸ナトリウム溶液(15mL)で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、
蒸発させて、これをアセトニトリルから再結晶化して、固体を得た(370mg、収率
69%)。
1H−NMR(CDCl3)δ0.82(t,6H,2CH3),1.50(m,4H,2CH2),2
.60(m,4H,2CH2),4.11(s,2H,CH2),7.31(t,1H,ArH),7.44
(t,1H,ArH),7.78(d,1H,ArH),8.03(d,1H,ArH);融点70.5−72.
5℃。
同様の方法で、ジプロピルアミンをその他のアミン誘導体に置換して、以下の
化合物を製造した:
3−ジメチルアミノメチル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズ
イミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ2.41(s,6H,2CH3),3.90(s,2H,CH2),7.3
2(t,1H,ArH),7.44(t,1H,ArH),7.76(d,1H,ArH),7.99(d,1
H,ArH);融点 134−135.5 ℃。
3−ジエチルアミノメチル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズ
イミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ1.07(t,6H,2CH3),2.73(q,4H,2CH2),
4.08(s,2H,CH2),7.30(m,1H,ArH),7.43(m,1H,ArH),7.77(d
,1H,ArH),8.04(d,1H,ArH);融点 109−110.5 ℃。
3−ジブチルアミノメチル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズ
イミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ0.85(t,6H,2CH3),1.26(m,4H,2CH2),1
.43(m,4H,2CH2),2.65(m,4H,2CH2),4.10(s,2H,CH2),
7.27(t,1H,ArH),7.45(t,1H,ArH),7.78(d,1H,ArH),8.02(d,
1H,ArH);融点72−72.5℃。
3−(モルホリノメチル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズ
イミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ2.66(m,4H,2CH2),3.71(m,4H,2CH2),3
.99(s,2H,CH2),7.33(t,1H,ArH),7.45(t,1H,ArH),7.80(d
,1H,ArH),7.91(d,1H,ArH);融点 145−147 ℃。
3−(イミダゾリルメチル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベン
ズイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ6.35(s,2H,CH2),7.48(t,1H,ArH),7.54(t
,1H,ArH),7.72(d,1H,ArH),7.84(m,2H,ArH,Imd −H),8.14
(d,1H,ArH),9.12(d,1H,ArH);融点 226−227 ℃。
3−(1,2,4−トリアゾリルメチル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,
5−a〕ベンズイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ6.26(s,2H,CH2),7.39(t,1H,ArH),7.50(t
,1H,ArH),7.80(d,1H,ArH),8.04(d,1H,ArH),8.10(s,1H,
トリアゾールのH),8.83(s,1H,トリアゾールのH);融点 204.5−206
℃。実施例36 3−(2−ピラジニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミ ダゾールの合成
ジクロロメタン 8mL中の2−ブチル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−
a〕ベンズイミダゾール3(2H)−オン(300mg,1.213mmol)及びピラジンカ
ーボニトリル(319mg,3.03mmol)の混合物を、室温で36時間撹拌した。沈殿物を
濾過し、ジクロロメタンで洗浄して、3−(2−ピラジニル)−1,2,4−チ
アジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール 0.28g(91%)を白色固体とし
て得た。
1H−NMR(CDCl3)δ7.32(t,1H,ArH),7.50(t,1H,ArH),7.83(d,
IH,ArH),8.67(d,1H,ArH),8.87(br,d,2H,py−H),9.59(s
,1H,py−H);融点 255−256.5 ℃実施例37 4−(2−ピリジル)ピペラジニルカルボニル−1,2,4−チアジアゾロ〔4 ,5−a〕ベンズイミダゾールの合成
1,1−カルボニルジイミダゾール(0.355g,2.19mmol)を、DMF(10mL)に溶解
した2−カルボキシ−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾ
ール(0.3g,1.37mmol)の溶液に付加した。その結果生じた溶液を、40℃で2時
間攪拌した。反応混合物は、白色懸濁液から黄色溶液に次第に変化した。N−(
2−ピリジル)ピペラジン(0.268g,1.64mmol)を反応混合物に付加した。その
結果生じた混合物を40℃で3時間攪拌し、冷却した。その物質をジクロロメタン
(100mL)で希釈して、1N HCl(40mL)で、次に5% NaOH(60mL)で洗浄した。有
機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、蒸発させて、表題化合物を固体(0.2g、収
率40%)として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ3.69(m,2H,CH2),3.79(m,2H,CH2),4.05
(m,4H,2CH2),6.70(m,2H,pyr −H),7.30(t,1H,ArH),7.
40−7.60(m,2H,ArH 及びpyr −H),7.80(d,1H,ArH),8.00(d,1
H,ArH),8.23(m,1H,pyr −H);融点 222−223.5 ℃。
同様の方法で、4−(2−ピリジル)ピペラジンをその他のアミン誘導体に置
換して、以下の化合物を製造した:
3−{4−(ベンジル)ピペラジニルカルボニル}−1,2,4−チアジアゾ
ロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ2.72(m,4H,2CH2),3.60(s,2H,CH2),3.9
2(m,4H,2CH2),7.31(t,7H,ArH),7.46(t,1H,ArH),7.80
(d,1H,ArH),7.98(d,1H,ArH);融点 230.5−231.5 ℃。
3−{4−メチルピペラジニルカルボニル}−1,2,4−チアジアゾロ〔4
,5−a〕ベンズイミダゾール
1H−NMR(CDCl3)δ2.37(s,3H,CH3),2.51(t,2H,CH2),2.60
(t,2H,CH2),3.90(t,2H,CH2),3.96(t,2H,CH2),7.33(t
,1H,ArH),7.73(t,1H,ArH),7.80(d,1H,ArH),7.98(d,1H,
ArH)。実施例38 3−(4−ブチルピペラジニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベ ンズイミダゾールの合成
THF(15mL)及びDMSO(2mL)中の炭酸カリウム(700mg,5.06mmol)、臭化ブチル
(0.43mL,0.4mmol)、3−ピペラジニル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−
a〕ベンズイミダゾール(798mg,3.07mmol)の混合物を、16時間還流させた。溶
液を蒸発、乾燥させて、残渣をジクロロメタンと水の間に分配した。有機層を水
で5回洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発させて、油を生成した。この油
をアセトニトリルと混合し、濾過して、不溶性固体を生じた(595mg)。固体をク
ロマトグラフィーで精製して、ヘキサン(5:95)から再結晶化して、表題化合
物を得た(440mg、収率41%)。
1H−NMR(CDCl3)δ0.95(t,3H,CH3),1.30(m,2H,CH2),1.50
(m,2H,CH2),2.40(t,2H,CH2), 2.7(m,4H,2CH2),3.5
(m,4H,2CH2),7.3(t,1H,ArH), 7.4(t,1H,ArH),7.65(d,
1H,ArH),7.8(d,1H,ArH);融点 121−122.5 ℃。実施例39 2−メルカプト−5−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−ベンズイミダゾー ルの合成
A.エタノール(80mL)及び水(10mL)中の2−メルカプト−5−ニトロベン
ズイミダゾール(10.0g,51.23mmol)及び鉄充填剤(8.0g,143.24mmol)の混合物
を還流した。次に、濃塩酸(1.2mL)を約12分間で滴下した。その結果生じた暗褐
色混合物をさらに 1.5時間還流した後、氷中で冷却して、飽和重炭酸ナトリウ
ムでpH7.0 に中和した。混合物をEtOH(50mL)で希釈し、セライト(0.82g)で
スラリー化して、セライト床上で濾過した。ケークをEtOH(3×100mL)で洗浄し
た。併合濾液を真空濃縮して、淡褐色固体 9.2gを得た。温水から再結晶化して
、2−メルカプト−5−アミノベンズイミダゾール(6.74g,80%)を淡褐色固
体として得た。1H−NMR(DMSO)δ:4.98(br,s,2H),6.40−6.43(m,2
H,Ar−H),6.81−6.85(d,J=9.0Hz,1H,Ar−H),12.06(br,s,
1H)。13C−NMR(DMSO)δ:165.9(CS),144.9,133.4,123.6,109.8,94.4,
IR(KBr ,cm-1):3362,3295,3173,1637,1622,1507。
B.無水THF(200mL)に溶解した2−メルカプト−5−アミノベンズイミダゾ
ール(22.0g,133.2mmol)及びジ−tert−ブチルジカルボネート(30.52g,139.8
6mmol)の溶液を、窒素のブランケット下で16時間室温で撹拌した。
減圧下で蒸発させてTHF を除去し、残渣をアセトニトリルから結晶化して、表
題化合物(28.7g,80%)を淡黄色固体として得た。1H−NMR(DMSO)δ:1.50(
s,9H),7.00(d,J=8.6Hz,1H,Ar−H),7.11(dd,J=8.6 及び1
.8Hz,1H,Ar−H),7.53(s,1H,Ar−H),9.41(br,s,1H),12
.41(br,s,2H)。13C−NMR(DMSO)δ : 167.9(CS),152.9(C=O),1
34.9,134.9,132.5,127.5,113.3,109.3,99.5,79.0(C=O),28.2 IR(
KBr,cm-1):3300,3127,1724,1706,1623,1530。融点 217.1−217.7℃。
元素分析理論値(実測値)%,C 54.32(54.32);H 5.70(5.71)及びN
15.84(15.85)。実施例40 5’−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−2−ブチル−3−オキソ−2,3 −ジヒドロ−1,2,4−チアジアゾロ−〔4,5−a〕ベンズイミダゾール及 び6’−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−2−ブチル−3−オキソ−2, 3−ジヒドロ−1,2,4−チアジアゾロ−〔4,5−a〕ベンズイミダゾール の合成
A.100℃に予熱したo−キシレン(50mL)中の2−メルカプト−5−(tert
−ブトキシカルボニル)アミノベンズイミダゾール(11.46g,43.19mmol)のスラ
リーに、n−ブチルイソシアナート(7.3mL,64.79mmol)を注射器で付加した。
次に、混合物を 145〜150 ℃で 1.5時間加熱した後、室温に冷却し、ヘキサン(2
00mL)で希釈した。吸引濾過して固体を収集し、真空乾燥して、1−ブチルカル
ボニル−2−メルカプト−5−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−ベンズイ
ミダゾール(14.19g,95%)を得た。1H−NMR(DMSO)δ:0.94(t,J=7.2Hz,
3H),1.20−1.60(m,4H,2CH2),1.51(s,9H),3.37−3.43(m
,2H,CH2N),7.19−7.23(dd,J=9.0 及び1.9Hz,1H,Ar−H),7.64
(s,1H),7.96(d,J=9.0Hz,1H,Ar−H),9.59(s,1H),10.
22(t,J=5.4Hz,1H,NHCH2)。元素分析理論値(実測値)%,C 56.0(
55.8);H 6.6(5.7)及びN 15.4(15.3)。
B.クロロホルム(50mL)中の1−ブチルカルバモイル−2−メルカプト−5
−(tert−ブトキシカルボニル)−アミノベンズイミダゾール(12.90g,34.50m
mol)のスラリーを、−5℃に冷却し、トリエチルアミン(9.9mL,70.79mmol)を
一部ずつ付加した。その結果生じた透明溶液を、約0℃で45分間撹拌した後、ク
ロロホルム(40mL)中の臭素(1.82mL,35.4mmol)を約 1.5時間けて滴下した。
0℃でさらに15分間撹拌後、混合物を室温に暖め、次にクロロホルム(1.25L
)で希釈した。有機層をブライン(2×100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾
燥し、濾過して、真空濃縮した。残渣をメタノール(100mL)中でスラリー化して
、濾過した。オフホワイト色固体を収集し、真空乾燥して、表題化合物を約85/
15の比率の混合物として得た(1H−NMR による)。
標本を加熱して得られた陽子NMR スペクトルは、2つの異性体に対応する芳香
族領域でのピークの査定に役立った。
異性体1:1H−NMR(DMSO)δ:0.95(t,J=7.2Hz,3H),1.36−1.43(q,
J=6.8Hz,2H,CH2N),1.53(s,3H),1.65−1.73(m,2H,CH2),
3.73−3.78(t,J=6.8Hz,2H,CH2,N),7.38(d,J=8.7Hz,1H,A
r−H),7.80(d,J=8.6Hz,1H,Ar−H),7.98(s,1H,Ar−H),
9.53(s,1H)。
異性体2:1H−NMR(DMSO)δ:0.95(t,J=7.2Hz,3H),1.36−1.43(q,
J=7.4Hz,2H,CH2CH3),1.53(s,9H),1.65−1.73(m,2H,CH2)
,3.73−3.78(t,J=6.8Hz,2H,CH2N),7.38(d,J=8.7Hz,
1H,Ar−H),7.63(d,J=8.6Hz,1H,Ar−H),8.34(s,1H,Ar
−H),9.60(s,1H)。実施例41 5’アミノ−〔3−(2−ピリジル)〕−1,2,4−チアジアゾロ−〔4,5 −a〕ベンズイミダゾール及び6’−アミノ−〔3−(2−ピリジル)〕−1, 2,4−チアジアゾロ−〔4,5−a〕ベンズイミダゾールの合成
A.クロロホルム(5.0mL)中の実施例40パートBの生成物(1.0g,2.76mmol)の
スラリーに、2−シアノピリジン(0.575g,5.52mmol)を一部ずつ付加した。そ
の結果生じた混合物を5時間還流し、次に室温で16時間撹拌した。
減圧下でクロロホルムを除去し、残渣をジエチルエーテル(10mL)でスラリー
化して、濾過した。オフホワイト色固体を収集し、真空乾燥した。このようにし
て、5’−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−〔3−(2−ピリジル)〕−
1,2,4−チアジアゾロ−〔4,5−a〕ベンズイミダゾール及び6’−(te
rt−ブトキシカルボニル)アミノ−〔3−(2−ピリジル)〕−1,2,4−チ
アジアゾロ−〔4,5−a〕ベンズイミダゾールを約1:1の比で得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.56(s,9H),6.67(br,s,1H,NH),7.23
−7.32(m,1H,py−H),7.54−6.60(m,1H,Ar−H),7.66−7.69(
d,J=8.7Hz,0.5H,Ar−H),7.79(d,J=1.9Hz,0.5H,Ar−H),7.
93−7.98(t,J=8.0Hz,1H,py−H),8.28−8.32(m,1H,py−H)
,8.64(d,J=9.0Hz,0.5H,Ar−H),8.86−8.89(dd,J=4.8 及び0.9H
z, 0.5H,py−H),8.98(br,d,J=4.8Hz,0.5H,py−H),9.20(br,
s,0.5H)。
B.MeOH(25mL)に溶解したHCl の溶液中の実施例41、パートAで得られた化
合物(1.0g,2.72mmol)のスラリーを、室温で 4.5時間撹拌した。さらにMeOHに
溶解したHCl 25mLを付加し、揮発性物質を真空除去した。残渣をジエチルエーテ
ル中でスラリー化して、濾過し、表題化合物をその淡黄色HCl 塩(0.99g,96.6
%)として、異性体の約1:1混合物で得た(HPLC:20mM 酢酸アンモニウム/
アセトニトリル 80/20;C18カラム)。IR(KBr,cm-1):3419,1611,1551
,1527。元素分析理論値(実測値)%:C41.5(41.0);H3.2(3.5):N18.6
(18.3)。実施例42 1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール−3−イル−L− ロイシルイソアミルアミドの合成
炭酸カリウム(544mg,3.94mmol)を、THF(15mL)に溶解したL−ロイシルイソア
ミルアミド(0.788g,3.94mmol)及び3−ブロモ−1,2,4−チアジアゾロ〔
4,5−a〕ベンズイミダゾール(1.0g,3.94mmol)の溶液に付加した。混合物
を室温で16時間撹拌し、次にさらに8時間還流した。溶媒を蒸発、乾燥し、残渣
を酢酸エチル(125mL)と水(15mL)の間に分配した。有機相をブライン(10mL)
で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥して、蒸発させて固体を生成し、これをさら
にカラムクロマトグラフィー(10% MeOH : CHCl3)により精製して、表題化合
物(715mg)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ 0.92(d,6H,2CH3),0.92−1.10(dd,6H,2
CH3),1.40−1.52(m,2H),1.54−1.78(m,2H),1.80−2.00(m,
2H,CH2),3.34−3.45(m,2H,CH2NH),4.48−4.58(m,1H,leu のα
−CH),6.56(t,J=5.6Hz,1H,NHCH2),6.60(d,J=8.3Hz,1H,N
HCH),7.15(t,1H,J=7.4Hz,Ar−H),7.34(t,1H,J=8.2Hz,A
r−H),7.64(d,1H,J=8.2Hz,Ar−H),7.77(d,1H,J=8.1Hz
,Ar−H),13
C−NMR(CDCl3)δ 172.5(CO−CH), 164.4(c−s),150.4,145.0,12
7.8,124.5,121.3,119.1,110.2,55.4(CH−CO),41.7,38.4,38.2,25.8,2
4.9,23.0,22.4,22.1。IR(薄膜、cm-1):3241(NH),1660(C=O),157
4。
融点 105−107 ℃。元素分析:理論値(実測値)%;C61.10(61.30);H7.29
(7.05);N18.75(18.43)。実施例43 {1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール−3−イル}− カルボニル−L−ロイシルイソアミルアミドの合成
1,1−カルボニルジイミダゾール(1.30g,8.03mmol)を、DMF(30mL)中の
3−カルボキシ−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール
(1.10g,5.02mmol)の懸濁液に付加した。混合物を45℃で2時間加熱すると、
混合物は黄色溶液に変わった。溶液を0℃に冷却し、ロイシルイソアミルアミド
(1.21g,6.02mmol)及び DMF(5mL)を付加し、その結果生じた混合物を室温
で16時間撹拌した。混合物をエーテル(400mL)で希釈し、エーテル性層を 0.5M
HCl(25mL)、水(3×25mL)及びブライン(925mL)で洗浄した。エーテル性層を
硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発させて固体(1.77g)を生成し、これをさらに
カラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の物質 1.33gを得た。
1H−NMR(CDCl3)δ 0.90(d,6H,J=6.5Hz,2CH3),1.05(dd,6
H,2CH3),1.38−1.48(m,2H),1.54−1.68(m,1H),1.72−1.85
(m,3H),3.22−3.38(m,2H,CH2NH),4.62−4.78(m,1H,CHCO)
,6.30(t,1H,NH),7.32(t,1H,J=7.3Hz,Ar−H),7.45(t,
1H,J=7.4Hz,Ar−H),7.75(d,1H,J=8.0Hz,Ar−H),7.93(d
,1H,J=8.4Hz,Ar−H),8.73(d,1H,J=8.3Hz,NH)。13
C−NMR(CDCl3)δ 170.8(COCH), 164.4(CS),155.4,150.5,144.1,1
29.4,125.8,122.2,119.1,116.3,52.6(CHCO),41.4,38.3,38.2,25.8,
24.9,22.9,22.4,22.1。
IR(KBr,cm-1):3295(NH),1651(C=O),1527。
融点 164−167 ℃。実施例44 5−アミノ−3−メトキシ−1,2,4−チアジアゾールの合成
この物質は、J.Goeredeler et al.,Chem.Ber.,1995,88,843 の手順に従
って調製した。シアナミド(5.77g,13.78mmol)を、メタノール(100mL)中に溶解
した HCl(5.77g)の溶液に徐々に付加した。その結果生じた混合物を室温で3
日間撹拌した。残渣を減圧下で蒸発させて、塩酸メチルイソウレア(15.16g)を
生成した。次亜塩素酸ナトリウム溶液(0.769M,149mL)を、水(75mL)に溶解し
た塩酸メチルイソウレア(12.63g,0.114mol)の溶液に、0℃で30分間かけて滴
下した。1.5時間後、溶液を塩化ナトリウムで飽和させ、エーテル(3×700mL)で
抽出した。併合エーテル性層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発させて、N
−クロロメチルイソウレア(10.26g、収率83%)を得た。KSCN(9.19g,94.5mmo
l)を、メタノール(200mL)に溶解したN−クロロメチルイソウレア(10.26g,94
.5mmol)の溶液に付加した。16時間後、不溶性残渣を濾過し、メタノールでさら
に洗浄した。併合濾液を蒸発させて固体を生成し、これをカラムクロマトグラフ
ィー(溶離勾配:5〜7% MeOH : CHCl3)により精製した。単離固体をトルエ
ンから再結晶化して、表題化合物(3.14g)を得た。実施例45 5−{3−メトキシ−1,2,4−チアジアゾリル}カルバモイル−イソロイシ ルイソアミルアミドの合成
トリホスゲン(0.837g,2.82ミリモル)およびジプロピルエチルアミン(1.08
g,8.35ミリモル)の溶液に5−アミノ−3−メトキシ−1,2,4−チアジア
ゾール(1.0g,7.67ミリモル)のTHF 溶液(20mL)を15℃で滴下して加え、得ら
れた混合物を室温で1時間撹拌した。ロイシル−イソアミルアミド(1.53g,7.
62ミリモル)のジクロロメタン溶液(15mL)を15分間かけて添加した。2時間後
、減圧下で溶媒を除き、残渣を酢酸エチル(500mL)に溶解した。この物質を硫酸
アンモニウム溶液(10%,50mL)と食塩水(50mL)で洗浄した。油層を硫酸ナト
リウムで乾燥し、蒸発させて油分が得られ、これをカラムクロマトグラフィー(1
.5% MeOH : CHCl3)により精製したところ、表題の化合物が得られた(469mg、
収率:17%)。
1H−NMR(CDCl3)0.86(d,J=6.55Hz,6H,2CH3),0.93(dd,6H,
2CH3),1.34(m,2H),1.53〜1.73(m,4H、ロイシルのCH2、イソアミ
ルのCH2),3.17〜3.33(m,2H,CH2NH),4.10(s,3H,OCH3),6.58(t
,J=5.4Hz,1H,NHCH2),6.70(d,J=8.6Hz,1H,NHCH),12.60(br
.s,1H,NHCO)13
C−NMR(CDCl3)δ178.1(C−OCH3),171.7(CH−C=O),166.0(C−
S),153.9(N−CO−N),56.6(CH3O),52.7(CH−CO),41.9,38.2,38.
0,25.8,24.7,22.8,22.4,22.3,22.2
IR(KBr ,cm-1):3359(NH),1701(C=O),1680,1645,1554融点 169〜
172 ℃実施例46 5−{ベンジルオキシカルボニル−L−フェニルアラニル−L−アラニアミド} −3−メトキシ−1,2,4−チアジアゾールの合成
ブタノール(131mg,0.97ミリモル)とカルボベンジルオキシ−L−フェニルア
ラニル−L−アラニン(300mg,0.81ミリモル)のDMF 溶液(2mL)にEDCI(300mg
,1.62ミリモル)を0℃で添加した。25分間後、5−アミノ3−メトキシ−1,
2,4−チアジアゾール(140mg,1.05ミリモル)を加えた溶液を室温で2日間撹
拌した。この物質を蒸発乾固し、酢酸エチルで抽出した。油層を硫酸ナトリウム
で乾燥し、蒸発させて油分が得られ、これをカラムクロマトグラフィー(5% M
eOH : CH2Cl2)により精製したところ、表題の化合物30mgが得られた。
1H−NMR(MeOD) 1.42(d,3H,CH3),2.80〜2.95(dd,1H、フェニル
のCH2),3.08〜3.18(dd,1H、フェニルのCH2),3.99(s,3H,CH3O),
4.45(dd,1H、フェニルのα−CH),4.58(q,1H、アラニルの−CH),5.
05(s,2H,OCH2),7.10〜7.40(m,10H,Ar−H)13
C−NMR(MeOD)δ 177.3(COCH3),174.4(CO),174.2(CO),169.5(CS),158.3(C
O2),138.2,138.1,130.4,129.4,128.9,128.8,128.7,127.8,127.7,67.7
(OCH2),57.6(CHCH2),57.1(CH3O),39.0(CH2CH),17.2(CH3CH)実施例47 N−〔3−(4−メチル−ピペラジニル−イル)−〔1,2,4〕チアジアゾル −5−イル〕−N−フェニル−ベンズアミジンの合成
H.Sonnenschein 等、Liebigs Ann.Chem.,1992,287 〜289 に従って5−シ
アニミノ−4,5−ジヒドロ−3,4−ジフェニル−1,2,4−ジフェニル−
1,2,4−チアジアゾールを調製した。5−シアニミノ−4,5−ジヒドロ−
3,4−ジフェニル−1,2,4−チアジアゾール(153mg,0.55ミリモル)のジ
オキサン溶液(3ml)に1−メチルピペラジン(0.152ml,1.375ミリモル)を添
加した。この混合物を室温で3日間撹拌した。TLC(酢酸エチル:ヘキサン35%)
により反応の終了が示唆された。生成した白色の固体をろ過後後、ジクロロメタ
ン:ヘキサン(1:9)で再結晶したところ、表題の化合物97mgが得られ、これ
をさらにカラムクロマトグラフィー(10% MeOH : CH2Cl2)によって精製した。
1H−NMR(CDCl3) : 2.3(s,3H,OMe), 2.4(m,4H,2CH2),3.5(
m,4H,2CH2),7.15〜7.25(m,10H,ArH),8.51(s,1H,NH)融点 1
52.5〜152.7 ℃実施例48 7−メトキシ−3−〔(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)オキ ソメチル〕−1,2,4−ヂアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールの酸 安定性
表題の化合物の酸安定性を調べるため、この化合物を最小量のメタノールに溶
かし、得られた溶液を6モル塩酸溶液に添加した。この化合物は、酸の中で極め
て安定なことが分かり、室温で48時間撹拌した後でも完全に回収された。一方オ
メプラゾールは上記の条件では数分間で完全に分解した。1,2,4−チアジア
ゾール誘導体は酸の中で安定であるため、オメプラゾールよりも酸性溶媒での直
接チオール捕捉剤として優れている。実施例49 3−〔(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)オキソメチル〕−1 ,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールと3−メルカプトプ ロピオン酸の反応
3−〔(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)オキソメチル〕−
1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール(250mg)のメタノ
ール懸濁液(125mL)と0.1M塩酸38mLに3−メルカプトプロピオン酸16μLを添加
した。出発原料が完全に分解した後、混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液で中和
してpH6とし、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチルを無水硫酸マグネシウムで乾
燥し、蒸発させた。粗製物をクロマトグラフィーにより精製したところ、2−イ
ミノ−2−(2−メルカプト−1−ベンズイミダゾリル)−1−(4−メトキシ
−3,5−ジメチル−2−ピリジル)エタノン93mgと2−メルカプトベンズイミ
ダゾール65mgとメチル2−(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)
−2−オキソアセテート61mgが得られた。2−イミノ−2−(2−メルカプト−
1−ベンズイミダゾリル)−1−(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリ
ジル)エタノン:1H−NMR(CDCl3)δ 10.55(br,s,1H,NHまたはSH)
,10.35(br,s,1H,NHまたはSH),8.10(d,1H,J=7Hz,ArH),7.80
(s,1H、ピリジルのH6),7.35〜7.20(m,2H,2×ArH),7.10(d,
1H,J=7.9Hz,ArH),3.75(s,3H,OCH3),2.60(s,3H,ArCH3)
,2.15(s,3H,ArCH3)ppm ; IR(KBr):3262,1691,1635,1502,1458,
1396,1328,1272,1247,1004,746cm-1;MS(エレクトロスプレー)m/z 34
1(MH+),191(MH+−2−メルカプトベンズイミダゾール)
2−メルカプトベンズイミダゾール:この物質は、1H−NMR,IRおよびTLCに
より、アルドリッチ化学社から購入した基準試料と同一であることが分かった。
メチル2−(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)−2−オキソア
セテート:1H−NMR(CDCl3)δ8.45(s,1H,ArH), 4.1(s,3H,OCH3)
,3.85(s,3H,OCH3),2.65(s,3H,ArCH3),2.4(s,3H,ArCH3
)ppm ; IR(KBr):1747,1703,1468,1394,1310,1242,1206,1120,1004
,740cm-1;MS m/z 224(M++H),164(M+−CO2Me),136(M+−CO2Me
−CO)。実施例50 3−(ジメチルアミノ)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミ ダゾールとフェネチルメルカプタンの反応
3−(ジメチルアミノ)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイ
ミダゾール(23mg)のメタノール溶液(10mL)にフェネチルメルカプタン 360μ
Lを添加した。1分後に反応が終了した。溶媒を蒸発させ、粗製物をクロマトグ
ラフィーにより精製したところ、N1,N1−ジメチル−2−メルカプト−1−ベ
ンズイミダゾリルアミジン15mgが得られた。1H NMR(DMSO−d6)δ 7.3〜7.0(
m,4H,4×ArH),3.35(br,s,2H,NH,SH),2.88(s,6H,2×NC
H3)ppm ; IR(KBr):3210,1641,1475,1452,1407,1319 cm-1;MS m/z
220(M+), 150(M+−Me2NC =NH)実施例51 3−ブロモ−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールとフ ェネチルメルカプタンの反応
3−ブロモ−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール(5
00mg)のメタノール懸濁液(50mL)にフェネチルメルカプタン 790μLを添加し
た。この固体は速やかに溶ける。反応終了後、溶媒を蒸発させ、残渣をクロマト
グラフィーにより精製したところ、2−メルカプト−1−ベンズイミダゾールカ
ルボニトリル 296mgが得られた。1H NMR(DMSO−d6)δ 12.85(br,s,1H
,SH),7.5〜7.2(m,4H,4×ArH)ppm;IR(KBr):2259,1509,1459,130
3,1189,752cm-1;MS m/z 175(M+),150(M+−CN)実施例52 3−メトキシ−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールと フェネチルメルカプタンの反応
3−メトキシ−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール
(23mg)のメタノール溶液(10mL)にフェネチルメルカプタン 376μLを添加し
た。1分後に反応が終了した。メチル2−メルカプト−1−ベンズイミダゾール
カルボキシイミデートは、この反応の主生成物であることを確認した。1H NMR
(DMSO−d6)δ 13.45(br,s,1H,SHまたはNH),9.8(s,1H,NHまた
はSH),7.7(d,1H,J=8HZ,ArH),7.35〜7.2(m,3H,3×ArH),3.
95(s,3H,OCH3)ppm ; IR(KBr):3437,3095,1679,1450,1440,1376
,1193,735cm-1;MS m/z 207(M+),150(M+−MeOC=NH)実施例53 3−(オキソフェニルメチル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベン ズイミダゾールとフェネチルメルカプタンの反応
3−(オキソフェニルメチル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベ
ンズイミダゾール(26mg)のメタノール懸濁液(10ml)にフェネチルメルカプタ
ン31μLを添加した。アルドリッチ化学社から購入した2−メルカプトベンズイ
ミダゾールの基準試料と比較することにより、この基質は完全に2−メルカプト
ベンズイミダゾールに変換したことが分かった。実施例54 3−〔ヒドロキシ(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル〕 −1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールとフェネチルメ ルカプタンの反応
3−〔ヒドロキシ(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル
〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール(25mg)のメ
タノール懸濁液(10ml)にフェネチルメルカプタン 250μLを添加した。アルド
リッチ化学社から購入した2−メルカプトベンズイミダゾールの基準試料と比較
することにより、この基質は完全に2−メルカプトベンズイミダゾールに変換し
たことが分かった。実施例55 3−〔4−メチルフェニル)スルホニル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5 −a〕ベンズイミダゾールとフェネチルメルカプタンの反応
3−〔4−メチルフェニル)スルホニル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,
5−a〕ベンズイミダゾール(31mg)のメタノール懸濁液(10mL)にフェネチル
メルカプタン 313μLを添加した。アルドリッチ化学社から購入した2−メルカ
プトベンズイミダゾールの基準試料と比較することにより、この基質は完全に2
−メルカプトベンズイミダゾールに変換したことが分かった。実施例56 5−アミノ3−メトキシ−1,2,4−チアジアゾールとフェネチルメルカプタ ンの反応
5−アミノ3−メトキシ−1,2,4−チアジアゾール(250mg)のメタノール
溶液(10mL)にフェネチルメルカプタン 1.3mLを添加した。反応終了後、溶媒を
蒸発させ、粗製物をクロマトグラフィーにより精製したところ、3−カルバモイ
ルイソ尿素 236mgが得られた。この化合物の構造をX線結晶法により確認した。
1H−NMR(CDCl3)δ10(br,s,1H,NH),6.55(br,d,2H,NH2),
5.55(br,s,1H,NH),3.75(s,3H,OCH3)ppm(溶液中では、この化
合物は1−チオカルバモイルイソ尿素互変異性体として存在し、NMR スペクトル
の1NH2と2NHを与える);IR(KBr)3420,3282,3266,3169,1626,1601,15
19,1465,1411,1380,1098cm-1;MS m/z 133(M+),117(M+−NH2),
100(M+−SH)実施例57 3−〔(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)オキソメチル〕−1 ,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールとフェネチルメルカ プタンの反応
3−〔(4−4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)オキソメチル
〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール(300mg,0.8
87ミリモル)のメタノール懸濁液(150mL)と 0.1M塩酸(38mL)にフェネチルメ
ルカプタン(120μL,0.90ミリモル)を添加した。室温で51時間撹拌した後、混
合物を炭酸水素ナトリウム水溶液で中和してpH6とし、酢酸エチルで抽出した。
酢酸エチルを無水硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させた。粗製物をクロマトグ
ラフィー(溶出グラジエント:酢酸エチル:ヘキサン10%から酢酸エチル:ヘキ
サン30%まで)により精製したところ、ジフェネチルジスルフィド 110mg(収率
:フェネチルメルカプタンの92%)と、2−オキソ−2−(4−メトキシ−3,
5−ジメチル−2−ピリジル)酢酸のメチルエステル63mg(収率:消費された表
題の1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールの37.6%)と
、3−〔(4−4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)オキソメチル
〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール44mg(出発原
料14.6%回収)と、2−メルカプトベンズイミダゾール(46mg、収率:表題の1
,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールの40%)が得られた
。
メチル2−オキソ−2−(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)酢
酸:1H−NMR(CDCl3)δ8.45(s,1H,ArH),4.1(s,3H,OCH3),3.85(s
,3H,OCH3),2.65(s,3H,ArCH3),2.4(s,3H,ArCH3)ppm ; IR
(KBr):1747,1703,1468,1394,1310,1242,1206,1120,1004,740cm-1;
MS m/z 224(M++HO),164(M+−CO2Me),135 (M+−CO2Me −CO)
2−メルカプトベンズイミダゾール:この物質は、1H−NMR,IR およびTLC に
より、アルドリッチ化学社から購入した基準試料と同一であることが分かった。
ジフェネチルジスルフェド:H−NMR(CDCl3):3.03(m,8H,2CH2CH2),7.2
7(m,6H,ArH),7.30(m,4H,ArH),C−NMR(CDCl3:35.79,40.27,126
.46,128.57,128.67,140.08)実施例58 3−(4−メチル−ピペラジニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕 ベンズイミダゾールとチオフェノールの反応
3−(4−メチル−ピペラジニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a
〕ベンズイミダゾール(1.494g,4.31ミリモル)とチオフェノール(1.43ml,12.
94ミリモル)のメタノール(400ml)と1N HCl(120ml)溶液を室温で 3.5日間
撹拌した。この物質の溶媒を蒸発させて得られた固体残渣をエーテル(3×100ml
)と水(20ml)で分配した。エーテル層を硫酸ナトリウムで乾燥したところ、ジ
フェニルジスルフィド 753mgが得られた(収率:53.3%)。2N NaOHを0℃で
滴下して加えて水層を中和した後、ジクロロメタン(3×100ml)で抽出した。ジ
クロロメタンを硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させたところ、1−〔イミノ−(
5−メチル−ピペラジン−1−イル)メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−
チオールの固体が得られた(1.13g、収率:95.1%)。
H NMR(DMSO):2.19(s,3H,N−Me),2.33(br.s,4H,2CH2CH2−
),3.24(br.s,4H,2CH2CH2−),7.14〜7.23(m,4H,ArH)C−NMR
(DMSO):44.81,45.11,53.59,109.52,110.42,123.09,123.89,131.47,1
31.57,149.34(C=NH),166.89(CSH)実施例59 3−ベンゾイル−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール とチオフェノールの反応
チオフェノール(1.08ml,10.47ミリモル)と3−ベンゾイル−1,2,4−
チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール(975mg,3.49 ミリモル)のメ
タノール(400ml)と1N HCl(120ml)溶液を室温で16時間撹拌した。この溶液を減
圧下で蒸発させてメタノールを除き、水性混合物を炭酸水素ナトリウムの固体で
中和してpH7.0 とし、CH2Cl2で抽出した。油層を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発
させて固体を得た。この物質をカラムクロマトグラフィーで精製したところ、以
下の化合物が得られた。
ジフェニルジスルフィド(700mgの固体;R1=0.69,10%酢酸エチル:ヘキサン)
アルドリッチ化学のジフェニルジスルフィドと同一のNMR を有する。
H−NMR(CDCl3): 7.3〜7.35(m,2H,ArH),7.35〜7.45(m,4H,ArH
),7.63〜7.68(m,4H,ArH),C−NMR(CDCl3):127.326,127.703,129
.241,137.219
2−メルカプトベンズイミダゾール(180mg、収率:34.3%);R1=0.46,20%
酢酸エチル:ヘキサン)アルドリッチ化学の2−メルカプトベンズイミダゾール
と同一のNMR を有する。
ベンゾイルギ酸メチル(120mg、収率:21%;R1=0.57,20%酢酸エチル:ヘキ
サン)アルドリッチ化学のベンゾイルギ酸メチルと同一のNMR を有する。H−NMR
(CDCl3): 52.67,128.86,130.03,132.44,134.89,164.01(C=O),185
.98(C=O),IR:1740,1687,cm-1 実施例60 1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール誘導体と2−メル カプトエタノールの反応:t1/2値の測定
メスフラスコ中で計算量の1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイ
ミダゾール誘導体(最終溶液濃度=5×10-3M)とフェノール(118mg,最終溶液
濃度=5×10-3M)をメタノール(250ml)に溶解した。この溶液 100mlを清浄な
メスフラスコに移し、得られた溶液を室温で撹拌した。溶液に浸けたシリンジの
先から2−メルカプトエタノール 100μl(最終溶液濃度=1.15×10-2M)を60
秒以内に加えた。PEエキスプレスC18カラム(3.3cm)と254nm に設定したUV検出
器を備えたHPLC(ヒューレットパッカード1100型)によって反応の経過をモニタ
ーした。このカラムを50mM酢酸アンモニウム(70%)+アセトニトリル(30%)
を移動相として溶出した。
以下のようにして反応終了率(%)を計算した。
反応時間0における出発原料の 100%は未反応のままであった。
反応時間tにおける未反応の出発原料(%)={ht(試料)/ht(内部標準)
}/{h0(試料)/h0(内部標準)}×100(式中、ht(試料)、ht(内部
標準)はそれぞれ反応時間tにおける試料、内部標準のピーク高さ、h0(試料
)、h0(内部標準)はそれぞれ反応時間0における試料、内部標準のピーク高
さを表す)であった。未反応の出発原
料(%)を時間軸に対してプロットした。t1/2は未反応の出発原料が50%のと
きの反応時間である。
pH7.0 における3環系1,2,4−チアジアゾールとメルカプトエタノールの反
応
実施例61 ラット胃酸分泌に対する式Iの化合物の作用
絶食させた成体(140〜240 g)雄 Sprague−Dawleyラットを別々の日に24時間
飲水させながら絶食させた後、総体積1〜1.5ml の式Iの化合物(300μmmol/Kg
)を経口強制栄養した。2時間後、ラットをpentobartital とチオペンタールで
併用麻酔し、開腹、幽門結紮し、気管静脈、胃静脈、末梢静脈内にカニューレを
挿入した。0.9%食塩水10mLで10分毎に30分間胃を洗浄し、胃洗液を受け器に集
めて基礎酸分泌を測定した。0.02M NaOH を用いてpH7.0 に逆滴定することによ
り各胃洗液中の酸分泌量を測定した。
対照ビヒクル(n=6)では8%ペプトン刺激酸分泌量は1時間後に 160ミリ
モル/30分間であることが分かるが、一方、7−メトキシ−3−〔(4−メトキ
シ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)オキソメチル〕−1,2,4−チアジア
ゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールを投与したラットは、1時間後に20μmm
ol/30分間の酸分泌量の観察レベルを有する。7−メトキシ−3−〔(4−メト
キシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)オキソメチル〕−1,2,4−チアジ
アゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールは 300μmol /Kg投与で食餌刺激酸分
泌の有意な(p<0.05)阻害を示した。実施例62 ラットにおける胃酸分泌に対する式Iの化合物の作用(用量反応試験)
絶食した、成熟した(140〜240 g)、雄のスプラグーダウレイ系ラットを、24
時間、食餌から絶食したが、水は摂取させ、その後異なる日に、各化合物の4種
の異なる用量(0.3,3,30及び 300μmol /kg)を、総容量が1〜1.5ml で、経
口管栄養法により投与した。2時間後、ラットは、ペントバルビタール及びチオ
ペンタールの組み合わせにより麻酔し、開腹し、かつ幽門を結紮し、並びに気管
静脈、胃静脈及び末梢静脈にカニューレを挿管した。胃を、0.9%生理食塩水10m
lで、10分毎に、30分間洗浄し、かつこの胃洗浄液を、容器に収集した。各胃洗
浄液試料について、0.02M NaOH を用いて、pH7.0 までの逆滴定により、酸排出
量を測定した。次に、8%ペプトンミール(pH5.5)5mlを、胃に注ぎ込み、混合
し、かつ10分後に、毎回2時間かけて排出した。酸排出量は、各胃洗浄液試料に
ついて、0.02M NaOH を用いて、pH7.0 までの逆滴定により測定した。少くとも
30分間の基準の酸排出量を測定した後、次にヒスタミン(5mg/kg)を2時間静
脈内注入しながら、酸排出量を測定した。
図3は、麻酔をかけたラットにおける、溶媒投与後、及び7−メトキシ−3−
〔(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)オキソメチル〕−1,2
,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールの4用量(0.3,3,30及
び 300mmol/kg)を投与した後の、胃酸排出量(mmol/分)を示している。
7−メトキシ−3−〔(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)オ
キソメチル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールは
、3,30,300 μmol /kgの用量で、ヒスタミンに刺激された酸分泌の有意な(
p<0.05)阻害を示した。実施例63 In vitro における3−(4−メチル−1−ピペラジニル)−1,2,4−チアジ アゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールジヒドロクロリドによる胃酸分泌の阻 害
マウスにおいて、酸分泌は、摘出されたマウス胃腺における、弱塩基性14C−
アミノピリンの蓄積により、間接的に測定した。このアッセイは、再懸濁された
マウスの胃腺 0.5mlを含むポリプロピレン製エッペンドルフチューブの中で行っ
た。更に、チューブは、被験薬、酸分泌促進物質(例えば、ヒスタミン、ジーブ
チリルサイクリックAMP(cAMP)、カルバコール)及び14C−アミノピリンを含ん
だ。チューブを、37℃で、60分間インキュベーションし、かつ連続して回転した
。この腺懸濁液を、1500gで、5分間遠心分離することによって、この反応を停
止した。上清を吸引し、完全な状態の胃腺を含むペレットを残した。このペレッ
トを、良く洗浄し、かつプロトゾル(アメルシャム社)1mlの中で、一晩消化し
た。酢酸で中和した後、液体シンチレーター(scintillation fluid)を添加し、
その放射能をβ線カウンター(ベックマン社)で計測した。該ペレット中に捕捉
された放射能の量は、分泌された酸の量に直接対応している。各実験ポイントは
、トリプレットで行った。各実験において、エネルギーに依存しない消費は、ジ
ニトロフェノール 0.1mM及び酸刺激物の無い場合の基準の酸分泌により推定され
た。次に基準の及び分泌促進物質の刺激した酸分泌を計算するために、これらの
値を、対応する結果から減じた。
マウスの腺は、様々な通常の分泌促進物質及びレセプター後媒介物質に反応す
るが、ガストリンには反応しない。酸分泌の最大刺激は、1mL cAMP,0.1mMヒス
タミン、0.1mM IBMX,10μMカルバコール、10μMフォルスコリン、10μMカル
シウムイオノホアA23187,1μMタプシガリン(thapsigarin)により達成される
。各実験は、相当回数反復し、かつ全ての結果を、最大刺激の百分率(%)とし
て表した。前述の化合物の相対強度を比較するために、各実験は、レセプター後
/cAMPが媒介した反応のためのオメプラゾール、及びヒスタミンが媒介した酸分
泌を阻害するラニチジンを用いる陽性対照を含んだ。
3−(4−メチル−1−ピペラジニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5
−a〕ベンズイミダゾールジヒドロクロリドは、100μMで、cAMP及びヒスタミ
ンが刺激した酸分泌を、完全に阻害した。前述の方法を用いて、この化合物のED50
値が、50μMであることがわかった。実施例64 1,2,4−チアジアゾロ及び1,2,4−チアジアゾール−〔4,5−a〕− ベンズイミダゾール誘導体によるカテプシンB、カテプシンL及びパパインの阻 害:酵素アッセイ及び反応速度の測定
前述の実験の条件は、下記の参考文献において認めることができる:Menard R
.らの論文、Biochemistry,29 : 6706-6713(1990); Fox T.らの論文、Bioche
mistry,31 : 12571-12576(1992); Cannona E.らの論文、Biochemistry,35 :
8149-8157(1996)。典型的実験は、2時間未満に最大阻害が達成されるような
阻害剤濃度の選択、完全な進行曲線(すなわち蛍光対時間)のモニタリング、及
びこれらのデータの分析からなる。この分析は、2種のパラメータ:一旦定常状
態に到達した%阻害、及びこの定常状態に到達した速度を表す速度定数を得る。
典型的には、この酵素活性は、酵素活性が一定を保つような阻害の最大レベル(
すなわち定常状態)に到達するまで、経時的に減少する。定常状態において、活
性の有意なレベルが、依然検出される(すなわち阻害は完全ではない)ので、こ
のデータは、通常遅結合性可逆的阻害剤のために使用される、式(1)に当ては
める。
〔P〕=Vo*t+{(Vi−Vo)〔1−e-k obs t〕}/Kobs (1)
%阻害=(1−Vi/Vo)*100 (2)
この式において、〔P〕は、生成物の濃度(蛍光の読み値から得られる)を表
す。Kobsは、定常状態に到達するまでの一次速度定数であり、Voは、該阻害剤が
存在しない場合の速度に相当する初速度であり、かつViは、定常状態での酵素阻
害の速度である。この%阻害は、式(2)を用いて得られ、ここで阻害剤の非存
在下で測定された速度は、Voのために使用した。このような方法の簡単なメカニ
ズムの例を、下記に示す:
このメカニズムについては、実験的に決定されたKobs値は、下記に相当するで
あろう:
Kobs=Kon[inh]+Koff
Kobs値は、阻害剤濃度により変動する。しばしばKoffは、Kon[inh]よりも非常に
遅く、かつKobs/[inh]を、ほぼKon として使用することができる。この方法を
、本試験において使用し、かつ結果を下記に示す:
3−〔4−メチルピペラジニル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベ
ンズイミダゾール
カテプシンL: 200μM〔阻害剤〕で、98%阻害;Kobs/[inh]=24M-1s-1
カテプシンB: 200μM〔阻害剤〕で、68%阻害;Kobs/[inh]=19M-1s-1
パパイン: 200μM〔阻害剤〕で、99%阻害;Kobs/[inh]=28M-1s-1
1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール−3−イルカルボ
ン酸ナトリウム塩
カテプシンL:50μM〔阻害剤〕で、98%阻害;Kobs/[inh]= 184M-1s-1
カテプシンB: 200μM〔阻害剤〕で、85%阻害;Kobs/[inh]=34M-1s-1
パパイン: 200μM〔阻害剤〕で、99.6%阻害;Kobs/[inh]= 131M-1s-1
3−〔2−ピリジルカルボニル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベ
ンズイミダゾール
カテプシンL: 200μM〔阻害剤〕で、99%阻害;Kobs/[inh]=68M-1s-1
カテプシンB: 200μM〔阻害剤〕で、58%阻害;Kobs/[inh]=15M-1s-1
パパイン:1μM〔阻害剤〕で、79%阻害;Kobs/[inh]=2479M-1s-1
3−〔N−モルホリノメチル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベン
ズイミダゾール
カテプシンL: 200μM〔阻害剤〕で、80%阻害;Kobs/[inh]=7M-1s-1
カテプシンB: 200μM〔阻害剤〕で、60%阻害;Kobs/[inh]=8M-1s-1
パパイン: 200μM〔阻害剤〕で、92%阻害;Kobs/[inh]=7M-1s-1
1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール−3−イル−L−
プロリンメチルエステル
カテプシンL:10μM〔阻害剤〕で、90%阻害;Kobs/[inh]=1050M-1s-1
カテプシンB:10μM〔阻害剤〕で、88%阻害;Kobs/[inh]= 626M-1s-1
パパイン:0.26μM〔阻害剤〕で、97%阻害;Kobs/[inh]= 356M-1s-1
3−〔2−(N−モルホリノ)エトキシ〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5
−a〕ベンズイミダゾール
カテプシンL:25μM〔阻害剤〕で、99%阻害;Kobs/[inh]= 356M-1s-1
カテプシンB:50μM〔阻害剤〕で、91%阻害;Kobs/[inh]= 107M-1s-1
パパイン:0.66μM〔阻害剤〕で、99.6%阻害;Kobs/[inh]=5560M-1s-1
{1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール−3−イル}−
カルボニル−L−ロイシルイソアミルアミド
カテプシンL:5μM〔阻害剤〕で、93%阻害;Kobs/[inh]= 307M-1s-1
パパイン:5μM〔阻害剤〕で、95%阻害;Kobs/[inh]= 500M-1s-1
5−{3−メトキシ−1,2,4−チアジアゾルイル}カルバモイル−イソロイ
シルイソアミルアミド
カテプシンL:5μM〔阻害剤〕で、99%阻害;Kobs/[inh]=3482M-1s-1
カテプシンB:5μM〔阻害剤〕で、56%阻害;Kobs/[inh]=1062M-1s-1
パパイン:1μM〔阻害剤〕で、97%阻害;Kobs/[inh]=3896M-1s-1 実施例65 パパイン及びアクチニジンと、5−{3−メトキシ−1,2,4−チアジアゾル イル}カルバモイル−イソロイシルアミルアミド(TllAA)の酵素阻害剤複合体の 結晶構造の決定: TllAA/パパイン複合体及び TllAA/アクチニジン複合体
精製されたパパインは、市販のものから得、かつ精製されたアクチニジンは、
ホモジナイズしたキーウィフルーツの水性抽出、その後の硫酸アンモニウム分画
及びDEAEイオン交換クロマトグラフィーによって得た。このアクチニジン/TllA
A 及びパパインTllAA の反応は、同じプロトコールに従った。β−メルカプトエ
タノールで活性化された水銀−アガロース(agrose)アフィニティークロマトグ
ラフィーによって、メルカプト化したタンパク質(mercaptoprotein)を単離した
。このタンパク質は、水銀誘導体として溶離した。この水銀−メルカプト化した
タンパク質は、0.1重量/容量%で、8倍モルの過剰のTllAA 及びEDTAと共に、p
H7.5 においてインキュベーションした。パパイン/TllAA は、67%の2;1メ
タノール/エタノール、76mM NaCl、及び1mM A100-73の中に、2.5重量/容量%
で再溶解した。
パパインTllAA 結晶が、据置式−液滴蒸気拡散(sitting-drop vapour diffusi
on)により成長した。パパインTllAA のアリコートを、67%の2:1メタノール
/エタノール及び 0.1Mエタノールアミンバッファー(pH9.3)を含む容器の上で
、23℃でインキュベーションした。4から6週間のうちに、巨大な1個の結晶が
析出した。
アクチニジンTllAA は、20mM MESバッファー(pH6.0)及び 0.5mM TllAA中に、
0.5重量/容量%で再溶解した。アクチニジンTllAA 結晶は、懸架式(hanging)
−液滴蒸気拡散により成長した。アクチニジンTllAA 、並びに20mM MESバッファ
ー(pH6.0)及び 1.4M硫酸アンモニウムを含む容器溶液の1:1混合物を、該容
器の上で、4℃でインキュベーションした。7から10日のうちに、巨大な1個の
結晶が析出した。
これらの結晶は、母液を含むワックスで密封したガラスキャピラリー管に入れ
た。リガク社のRU200 X−線発生装置を装備したシーメンス社のマルチ−ワイヤ
検出器によりデータを収集した。3種のデータセットを、1個のパパイン/TllA
A から収集し、かつ2種のデータセットを、2個のアクチニジンTllAA 結晶につ
いて集めた。データの換算(reduction)には、XDS を用い、かつそれぞれのデー
タセットは、互いに拡大縮小(scale)した。これらのタンパク質結晶は、下記の
単位格子寸法を有した:
パパイン/TllAA について:a=42.9Å,b=49.9Å,c=95.7Å,=β= =
90
アクチニジン/TllAA について:a= 3.9Å,b=77.9Å,c=81.4Å,=β=
=90
結晶は両方とも、空間群P212121を有した。このパバイン/TllAA の拡大縮小し
たデータセットは、2.2Åの分解能まで完成し(2.0Åまで60%完成)、全体のRsy
m= 8.8%であった。アクチニジンの拡大縮小したデータセットは、2.7Åの分
解能まで完成し、全体のRsym=10%であった。構造の精密化には、XPLOR を用い
た。パパインTllAA 構造には、65個の水分子をモデルとした。パパインTllAA に
ついては、Rcryst=18.4%及びRfree =20.4%であった。アクチニジンTllAA に
ついは、Rcryst=20.5%及びRfree =24.4%であった。
パパインTllAA 及びアクチニジンTllAA 複合体の電子密度図は、それらのそれ
ぞれの触媒性システイン残基(Cys25)から伸びている連続した電子密度を示して
いる。このことは、TllAA が、パパイン及びアクチニジンと共有結合により反応
し、タンパク質/阻害剤複合体を生成したことを意味している。TllAA は、パパ
インの活性部位を完全にモデル化され、TllAA の部分的モデルは、パパインの活
性部位に完全にモデル化され、アクチニジン活性部位においてTllAA の部分的モ
デルが得られた。
反応速度データは、アクチニジンTllAA 調製における、及び再溶解したアクチ
ニジンTllAA 結晶における、酵素活性の完全な阻害を示している。実施例66 胃ATPase酵素阻害アッセイ
使用した酵素は、ブタのH+/K+ATPaseである(Sachsらの論文、J.Biol.Che
m.,251 : 7690-7698(1976))。Yoda A.及びHokin L.E.の論文(Biochem.Res.
Commun.,800-884(1970))によって報告された変更された方法を用いた。ブタ
の胃(GI)小胞を用いる、カリウムで刺激されたATP 加水分解、H+/K+ATPase
で増強された調製物を測定した。
Mg++の存在時の活性、並びにMg++及びK+の存在時の活性の間の差異を、酵素
活性とした。K+イオノホアであるニゲリシンも、(+)K+インキュベーション
混合物中に存在し、該小胞内部へのK+の接近をもたらした。加水分解活性は、
リンモリブデン酸塩複合体の定量分析により測定した。この複合体は、320nmで
最大吸光度を示す。H+/K+ATPaseの阻害に使用した多くの試薬の吸光度は、こ
の波長で妨げられる。従って、リンモリブデン酸塩複合体が、Fiske 及びSubbar
ow還元剤(1−アミノ−2−ナフトール−4−スルホン酸+亜硫酸ナトリウム)
で還元される。このアッセイの変更法を用いた。これは、酸化されたリンモリブ
デン酸塩複合体のために、吸光度を 320nmから、600〜700nmへとシフトす
る。この変更法は、複数の試料を試験する場合には、自動化されたアッセイ手段
を提供するという更なる利点がある。この変更法において、該アッセイ混合物の
吸光度は、700nmで測定した。
基準のMg++濃度は、2ml MgCl2,2mM Na2ATP,40mM ピペスートリス、pH6.10
の中で、測定した。20mM KCl及び10μg/mlニゲリシンを添加し、K+による刺
激の程度を測定した。その後被験化合物及び溶媒を添加した。次に酵素(10μg
/ml)を添加し、反応を開始した。最終の容量は 200μlであった。これらのア
ッセイのプロトコールを、下記に示す。
ウェル当たりの容量
a 添加の回数を減らすために、塩溶液及び水を一緒に、1回で添加することが
できる。更に添加の回数を減らすことは、ニゲリシン(酵素添加後の最終濃度が
10μg/ml)を加えた酵素を使用することにより達成することができる。
b ATP は、添加直後に、氷冷した蒸留水中で調製しなければならない。
c 酵素は、添加直前に、解凍し、バッファー中に希釈しなければならない。
ゼロブランク(水対照)及びリン標準(200μl)を、使用したアッセイに適当
に加えた:0.005,0.01,0.25,0.050,0.075,0.1…・ 0.5mM標準。試薬を添加
する順番は、一般に、前述に従った。しかし、被験化合物とのプレインキュベー
ション時間の提供が重要である場合は、ATP の前にいずれかの酵素を添加するこ
とが、より好ましい。最後の試薬の添加時間は、均一なアッセイ時間を提供する
ようにした。
これは、30分から1時間反応した。この反応は、2.5M硫酸4容量に1.25重量
/容量% Fiske及びSubbarow試薬1容量を加えてることによって調製した溶液50
μlを添加することで停止した。室温で10分間で呈色し、かつ 700nmで吸光度を
測定した。白色沈殿が生じた場合には、透明な上清(混合しかつ静置した後)を
、酵素活性の測定に用いることができる。
3−〔4−メチルピペラジニル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベ
ンズイミダゾール;EC50=2×10-6M
3−〔ピペラジニル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダ
ゾール;EC50=1×10-6M
3−〔N−モルホリノメチル〕−1,2,4−チアジアゾール〔4,5−a〕ベ
ンズイミダゾール;EC50=2×10-7M
3−〔2−(N−モルホリノ)エチルアミノ〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4
,5−a〕ベンズイミダゾール;EC50=2×10-7M
請求の範囲
1.チオール基含有化合物におけるチオール基をジスルフィド基に転換するた
めに前記化合物を反応せしめるための方法であって、下記式:
〔式中、R1,R2,R3,R4は独立して、水素、低級アルキル、ハロ、ニトロ、
ヒドロキシ、低級アルコキシ、又は式NR'R'',OC(O)R',OC(O)OR',OC(O)NR'R''
,NR'(COR'),NHC(O)NR'R'',NH(CO)OR'(ここで、R’及びR''は独立して、水
素、低級アルキル、アリール又はアリールアルキルから選択され、又はNR'R''は
(CH2)n(ここでnは4又は5である)から成る5又は6員の環を表わす)で表わ
される基であり、そしてYは、
(1)下記式:
〔式中、R7は水素、ヒドロキシ、低級アルキル、低級シクロアルキル、低級ア
ルコキシ、低級アルケニル、低級アルキニル、アリール、低級アリールアルキル
、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル低級アルキレン、基
NR'R''(ここで、R’及びR''は上記の通りである)、及び基ANR'R'',AOR(こ
こで、Aはアミノ酸残基又は2〜3個のアミノ酸残基のペプチドであり、そして
R',R''は上記と同じ定義を有する)を表わし、そしていづれかの複素環式基
が低級アルコキシ、低級アルキル、アミノ、ジ(低級アルキルアミノ)又はモノ
(低級アルキル)アミノにより任意に置換される〕で表わされる基;
(2)ヘテロシクリル、低級アルキレン−ヘテロシクリル、低級アルキレン−
アミノヘテロシクリル、アミノヘテロシクリル、アミノ−低級アルキレン−ヘテ
ロシクリル、低級アルキル−低級アルキレンヘテロシクリル−アミノ又はオキシ
−低級−アルキレン−ヘテロシクリル、前記複素環式環は、安定した構造体の創
造をもたらすいづれかのヘテロ原子又は炭素原子で結合され、そして前記複素環
式環は、低級アルキル、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、ハロ、アル
キルアミノ及びジアルキルアミノから独立して選択された1〜3個の置換基、及
び低級アルキル、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、ハロ、アルキルア
ミノ、及びジアルキルアミノから独立して選択された1〜3個の置換基により任
意に置換されたヘテロシクリルにより任意に置換され;ヒドロキシ、低級アルキ
ルカルバモイル、シクロアルキル、フェニル、ハロフェニル、ヘテロシクリル、
カルボキシ及び低級アルコキシカルボニルから独立して選択された1〜3個の置
換基により置換された低級アルキル;低級アシル;低級アルコキシカルボニル;
低級アルキルスルホニル;アミド;アリル;ベンジル;アミノ、ハロ、ヒドロキ
シ、低級アルコキシ、低級アルキル、低級アルキル−アミノ又はジ−低級アルキ
ル−アミノにより任意に置換されたフェニル;
(3)NR'R''ここで、R’,R''は上記と同じ定義を有し;
(4)ANR'R'',AOR、ここでAはアミノ酸残基又は2〜3個のアミノ酸残基の
ペプチドであり、そして、R’,R''は上記と同じ定義を有し;
(5)低級2−(アルコキシカルボニル)アルキル;
(6)ハロ;
(7)式R8−CHOH〔式中、R8は水素、低級アルキル、アリール、低級アリー
ルアルキル、低級シクロアルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、又はヘテ
ロシクリルであり、前記複素環式環が安定した構造体の創造をもたらすいづれか
のヘテロ原子又は炭素原子で結合される〕で表わされる基;
(8)式R9−C(=NOR10)−〔式中、R10は水素、低級アルキル又は低級アリ
ールアルキルであり、そしてR9が低級アルキル、アリール、低級アリールアル
キル、低級シクロアルキル、低級アルケニル、低級アルキニル又はヘテロシクリ
ルであり、前記複素環式環が安定した構造体の創造をもたらすいづれかの炭素原
子で結合される〕で表わされる基;
(9)ジ(低級アルキル)アミノ、モルホリノ、又は4−アルキルピペラジニ
ルにより任意に置換された低級アルコキシ;低級アリールアルコキシ;低級シク
ロアルコキシ;低級ヘテロシクリルアルコキシ;又はヘテロシクリル−オキシ;
(10)低級アルキルスルホニル、低級アルキルスルフィニル、アリールスルホ
ニル、アリールスルフィニル、低級アリールアルキルスルホニル、低級アリール
アルキルスルフィニル、ヘテロシクリルスルホニル、ヘテロシクリルスルフィニ
ル、ヘテロシクリルチオ、低級アルキルチオ、アリールチオ、低級アリールアル
キルチオ、ここで、低級アルキル、ハロ、ニトロ、ヒドロキシ、低級アルコキシ
、又は式NR'R'',OC(O)R',OC(O)OR',OC(O)NR'R'',NR'(COR'),NHC(O)NR'R'',
NHC(O)OR'(ここでR’及びR''は上記で付与された意味を有する)で表わされ
る基から選択された1〜2個の置換基により任意に置換され;
(11)式−C(=NOH)COOR11(ここで、R11は低級アルキルである)で表わさ
れる基;
(12)水素、低級アルキル、アリール、低級アリールアルキル、低級シクロア
ルキル、個々の基はハロ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級
アルキルアミノ、低級ジアルキルアミノ、低級アルキルカルバモイル、NR'R'',
OC(O)R',OC(O)OR',OC(O)NR'R'',NR'(COR'),NHC(O)NR'R'',NHC(O)OR'(ここ
で、R’及びR''は上記で付与された意味を有する)から選択された1〜2個の
置換基により任意に置換される;
から選択される〕で表わされる構造基を含む1,2,4−チアジアゾール化合物
又は医薬的に許容できるその塩とチオール基含有化合物とを反応せしめることを
含んで成る方法。
2.前記使用されるチアジアゾール化合物が、R1,R2,R3及びR4がそれぞ
れ、水素又はアルコキシを表わす化合物である請求の範囲第1項記載の方法。
3.前記使用されるチアジアゾール化合物が、R1,R3及びR4がそれぞれ水
素であり、そしてR2が水素又はメトキシのいづれかである化合物である請求の
範囲第2項記載の方法。
4.前記使用されるチアジアゾール化合物が、Yが式:
(ここで、R7は低級アルキル、低級アリールアルキル、任意に置換されたフェ
ニル又はナフチル、任意に置換されたヘテロシクリル、ヒドロキシ又は低級アル
コキシを表わす)で表わされる基である化合物である、請求の範囲第3項記載の
方法。
5.前記使用されるチアジアゾール化合物か、R7が任意に置換されたヘテロ
シクリルを表わす化合物である請求の範囲第4項記載の方法。
6.前記使用されるチアジアゾール化合物が、R7が置換されていないか、又
はメチル及びメトキシから選択された1〜3個の置換基により置換された2−ピ
リジルを表わす化合物である請求の範囲第5項記載の方法。
7.前記使用されるチアジアゾール化合物が、R7が3,5−ジメチル−4−
メトキシ−2−ピリジルを表わす化合物である請求の範囲第6項記載の方法。
8.前記使用されるチアジアゾール化合物が、7−メトキシ−3−〔(4−メ
トキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)オキソメチル〕−1,2,4−チア
ジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールである請求の範囲第7項記載の方法
。
9.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−[(4−メトキシ−3,5
−ジメチル−2−ピリジル)オキソメチル〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,
5−a〕ベンズイミダゾールである請求の範囲第7項記載の方法。
10.前記使用されるチアジアゾール化合物が、R7が任意に置換されたピペラ
ジンを表わす化合物である請求の範囲第4項記載の方法。
11.前記使用されるチアジアゾール化合物が、下記一般式
〔式中、R1,R2,R3及びR4は独立して、低級アルキル、水素、アミノ、低級
アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、ヒドロキシ、低級アルコキシ又はピペ
ラジニルであり、そしてGが、ヒドロキシ、低級アルキルカルバモイル、フェニ
ルハロフェニル、ヘテロシクリル、カルボキシ及び低級アルコキシカルボニルか
ら選択された3個までの置換基により任意に置換されたアルキル(C1−C6)で
ある〕で表わされる化合物である請求の範囲第1項記載の方法。
12.前記使用されるチアジアゾール化合物が、Gが4−メチルピペラジニルを
表わす化合物である請求の範囲第11項記載の方法。
13.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−(4−メチルピペラジニル
カルボニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールで
ある請求の範囲第11項記載の方法。
14.前記使用されるチアジアゾール化合物が、R1が4−(2−ピリジル)ピ
ペラジニルを表わす化合物である請求の範囲第11項記載の方法。
15.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−(4−(2−ピリジル)ピ
ペラジニルカルボニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミ
ダゾールである請求の範囲第14項記載の方法。
16.前記使用されるチアジアゾール化合物が、R7が任意に置換されたフェニ
ル又はナフチルを表わす化合物である請求の範囲第4項記載の方法。
17.前記使用されるチアジアゾール化合物が、R7がフェニルを表わす化合物
である請求の範囲第16項記載の方法。
18.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−(オキソフェニルメチル)
−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールである請求の範
囲第17項記載の方法。
19.前記使用されるチアジアゾール化合物が3−(4−(ベンジル)ピペラジ
ニルカルボニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾー
ルである請求の範囲第11項記載の方法。
20.前記使用されるチアジアゾール化合物が、R7がヒドロキシを表わす化合
物である請求の範囲第4項記載の方法。
21.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−カルボキシ−1,2,4−
チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールである請求の範囲第20項記載の
方法。
22.前記使用されるチアジアゾール化合物が、Yがチアジアゾロ環に面接的に
結合される、任意に置換された複素環式基である化合物である請求の範囲第3項
記載の方法。
23.前記使用されるチアジアゾール化合物が、基Yの複素環式成分がピリジル
、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル及びピペラジニルから選択される
化合物である請求の範囲第22項記載の方法。
24.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−(2−ピリジル)−1,2
,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールである請求の範囲第23項
記載の方法。
25.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−(4−モルホリニル)−1
,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a]ベンズイミダゾールである請求の範囲第
23項記載の方法。
26.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−(1−ピロリジニル)−1
,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールである請求の範囲第
23項記載の方法。
27.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−(2−ピラジニル)−1,
2,4−チアジアゾロ〔4,5−a]ベンズイミダゾールである請求の範囲第23
項記載の方法。
28.前記チオール基含有化合物が酵素である請求の範囲第2項記載の方法。
29.前記使用されるチアジアゾール化合物が、下記一般式:
〔式中、R1,R2,R3及びR4は独立して、低級アルキル、水素、アミノ、低級
アルキルアミノ、ジ−低級アルキルアミノ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ハロ
、又はピペラジニルであり、そしてGは、ヒドロキシ、低級アルキルカルバモイ
ル、フェニル、ハロフェニル、ヘテロシクリル、カルボキシ及び低級アルコキシ
カルボニルから選択された3個までの置換基により任意に置換されたアルキル(
C1−C6);アリル;アセチル;ベンジル;アミノ、ハロ、ヒドロキシ、低級ア
ルコキシ、低級アルキル、低級アルキルアミノ又はジ−低級アルキルアミノによ
り任意に置換されたフェニル;ニトロ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アル
キル、アミノ、ハロ、低級アルキルアミノ、及びジ−低級アルキルアミノから選
択された1〜3個の置換基により任意に置換されたヘテロシクリルである〕を有
する請求の範囲第1項記載の方法。
30.前記使用されるチアジアゾール化合物が、Gが任意に置換された低級アル
キルを表わす化合物である請求の範囲第29項記載の方法。
31.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−(4−メチル−1,1−ピ
ペラジニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールで
ある請求の範囲第30項記載の方法。
32.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−(4−エチル−1−ピペラ
ジニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールである
請求の範囲第30項記載の方法。
33.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−(4−プロピル−1−ピペ
ラジニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールであ
る請求の範囲第30項記載の方法。
34.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−(4−ブチル−1−ピペラ
ジニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールである
請求の範囲第30項記載の方法。
35.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−(4−(2−ヒドロキシエ
チル)−1−ピペラジニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズ
イミダゾールである請求の範囲第29項記載の方法。
36.前記使用されるチアジアゾール化合物が、Gが任意に置換されたフェニル
を表わす化合物である請求の範囲第29項記載の方法。
37.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−(4−フェニルピペラジニ
ル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールである請求
の範囲第36項記載の方法。
38.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−(4−(4−メトキシフェ
ニル)ピペラジニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダ
ゾールである請求の範囲第36項記載の方法。
39.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−(4−(3−クロロフェニ
ルピペラジニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾー
ルである請求の範囲第36項記載の方法。
40.前記使用されるチアジアゾール化合物が、Gがベンジルを表わす化合物で
ある請求の範囲第29項記載の方法。
41.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−(4−ベンジルピペラジニ
ル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールである請求
の範囲第40項記載の方法。
42.前記使用されるチアジアゾール化合物が、Gがシンナミルを表わす化合物
である請求の範囲第29項記載の方法。
43.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−(4−シンナミルピペラジ
ニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールである請
求の範囲第42項記載の方法。
44.前記使用されるチアジアゾール化合物が、Gが2−ピリジルを表わす化合
物である請求の範囲第29項記載の方法。
45.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−(4−(2−ピリジル)ピ
ペラジニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールで
ある請求の範囲第44項記載の方法。
46.前記使用されるチアジアゾール化合物が、Gが3−アミノ−2−ピリジル
を表わす化合物である請求の範囲第29項記載の方法。
47.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−(4−(3−アミノ−2−
ピリジル)ピペラジニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイ
ミダゾールである請求の範囲第46項記載の方法。
48.前記使用されるチアジアゾール化合物が、Gが2−ピリミジルを表わす化
合物である請求の範囲第29項記載の方法。
49.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−(4−(2−ピリミジル)
ピペラジニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール
である請求の範囲第48項記載の方法。
50.前記使用されるチアジアゾール化合物が、Gが(1−(4−クロロフェニ
ル)−1−フェニルメチル)を表わす化合物である請求の範囲第29項記載の方法
。
51.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−(4−(1−(4−クロロ
フェニル)−1−フェニルメチル)ピペラジニル)−1,2,4−チアジアゾロ
〔4,5−a〕ベンズイミダゾールである請求の範囲第50項記載の方法。
52.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−(4−アセチル−1−ピペ
ラジニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールであ
る請求の範囲第29項記載の方法。
53.前記使用されるチアジアゾール化合物が、下記一般式:
〔式中、R1,R2,R3及びR4は独立して、低級アルキル、水素、アミノ、低級
アルキルアミノ、ジ−低級アルキルアミノ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ハロ
、又はピペラジニルであり、そしてGは、ヒドロキシ、低級アルキルカルバモイ
ル、フェニル、ハロフェニル、ヘテロシクリル、カルボキシ及び低級アルコキシ
カルボニルから選択された3個までの置換基により任意に置換されたアルキル(
C1−C6);アリル;ベンジル;アミノ、ハロ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、
低級アルキル、低級アルキルアミノ又はジ−低級アルキルアミノにより任意に置
換されたフェニル;ニトロ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルキル
、アミノ、ハロ、低級アルキルアミノ、及びジ−低級アルキルアミノから選択さ
れた1〜3個の置換基により任意に置換されたヘテロシクリルである〕を有する
請求の範囲第1項記載の方法。
54.前記使用されるチアジアゾール化合物が、Gが任意に置換された低級アル
キルを表わす化合物である請求の範囲第53項記載の方法。
55.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−((4−エチルピペラジニ
ル)メチル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールで
ある請求の範囲第54項記載の方法。
56.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−((4−プロピル−1−ピ
ペラジニル)メチル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダ
ゾールである請求の範囲第54項記載の方法。
57.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−((4−ブチルピペラジニ
ル)メチル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールで
ある請求の範囲第54項記載の方法。
58.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−((4−(2−ヒドロキシ
エチル)ピペラジニル)メチル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベ
ンズイミダゾールである請求の範囲第54項記載の方法。
59.前記使用されるチアジアゾール化合物が、Gが任意に置換されたフェニル
を表わす化合物である請求の範囲第53項記載の方法。
60.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−((4−フェニルピペラジ
ニル)メチル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール
である請求の範囲第59項記載の方法。
61.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−((4−(4−メトキシフ
ェニル)ピペラジニル)メチル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベ
ンズイミダゾールである請求の範囲第59項記載の方法。
62.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−((4−(4−アミノ)−
フェニルピペラ−ジニル)メチル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕
ベンズイミダゾールである請求の範囲第59項記載の方法。
63.前記使用されるチアジアゾール化合物が、Gがベンジルを表わす化合物で
ある請求の範囲第53項記載の方法。
64.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−((4−ベンジルピペラジ
ニル)メチル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾール
である請求の範囲第63項記載の方法。
65.前記使用されるチアジアゾール化合物が、Gがシンナミルを表わす化合物
である請求の範囲第53項記載の方法。
66.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−((4−シンナミルピペラ
ジニル)メチル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾー
ルである請求の範囲第65項記載の方法。
67.前記使用されるチアジアゾール化合物が、Gが2−ピリジルを表わす化合
物である請求の範囲第53項記載の方法。
68.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−((4−(2−ピリジル)
ピペラジニル)メチル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミ
ダゾールである請求の範囲第67項記載の方法。
69.前記使用されるチアジアゾール化合物が、Gが3−アミノ−2−ピリジル
である化合物である請求の範囲第53項記載の方法。
70.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−((4−(3−アミノ−2
−ピリジル)ピペラジニル)メチル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a
〕ベンズイミダゾールである請求の範囲第69項記載の方法。
71.前記使用されるチアジアゾール化合物が、Gが2−ピリミジルを表わす化
合物である請求の範囲第53項記載の方法。
72.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−((4−(2−ピリミジル
)ピペラジニル)メチル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイ
ミダゾールである請求の範囲第71項記載の方法。
73.前記使用されるチアジアゾール化合物が、Gが(1−(4−クロロフェニ
ル)−1−フェニルメチル)を表わす化合物である請求の範囲第53項記載の方法
。
74.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−((4−(1−(4−クロ
ロフェニル)−1−フェニルメチル)ピペラジニル)メチル)−1,2,4−チ
アジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールである請求の範囲第73項記載の方
法。
75.前記使用されるチアジアゾール化合物が、Yがハロである化合物である請
求の範囲第3項記載の方法。
76.前記使用されるチアジアゾール化合物が、Yがブロモである化合物である
請求の範囲第75項記載の方法。
77.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−ブロモ−1,2,4−チア
ジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールである請求の範囲第76項記載の方法
。
78.前記使用されるチアジアゾール化合物が、Yがハロメチルである化合物で
ある請求の範囲第3項記載の方法。
79.前記使用されるチアジアゾール化合物か、3−ブロモメチル−1,2,4
−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールである請求の範囲第78項記載
の方法。
80.前記使用されるチアジアゾールが、3−(4−メチルフェニルスルホニル
)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールである請求の
範囲第3項記載の方法。
81.前記使用されるチアジアゾール化合物が、下記一般式:
〔式中、R1,R2,R3及びR4は、独立して、低級アルキル、水素、アミノ、低
級アルキルアミノ、ジ−低級アルキルアミノ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ハ
ロ又はピペラジニルであり;そしてR’及びR''が低級アルキル、ベンジル、フ
ェニル、及びヒドロキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、カルボキシ又は低級ア
ルコキシカルボニルにより置換された低級アルキルから独立して選択され、
又はR’及びR''は、それらが結合されるN−基と一緒に、モルホリニル、ピペ
リジニル、ピロリジニル、及びプロリルから選択された、任意に置換された飽和
複素環式基を形成し、前記仕意の置換基は、低級アルキル、カルボキシ、アミノ
、フェニル、低級アルコキシカルボニル及びジ−低級アルキルアミノから選択さ
れる〕を有する請求の範囲第1項記載の方法。
82.前記使用されるチアジアゾール化合物が、R’及びR''が両者とも低級ア
ルキルである化合物である請求の範囲第81項記載の方法。
83.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−ジメチルアミノエチル−1
,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールである請求の範囲第
82項記載の方法。
84.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−ジエチルアミノメチル−1
,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールである請求の範囲第
82項記載の方法。
85.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−ジプロピルアミノメチル−
1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールである請求の範囲
第82項記載の方法。
86.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−ジブチルアミノメチル−1
,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールである請求の範囲第
82項記載の方法。
87.前記使用されるチアジアゾール化合物が、R’及びR''が、それらが結合
されるN−原子と共に、モルホリニル環構造を形成する化合物である請求の範囲
第81項記載の方法。
88.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−モルホリノメチル−1,2
,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールである請求の範囲第87項
記載の方法。
89.前記使用されるチアジアゾール化合物が、Yが、低級アルキル、ヒドロキ
シ、ニトロ、アミノ、低級アルキルアミノ、ジ−低級アルキルアミノ及び低級ア
ルコキシから選択された1〜3個の置換基により任意に置換されたフェニルを表
わす化合物である請求の範囲第1項記載の方法。
90.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−フェニル−1,2,4−チ
アジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールである請求の範囲第89項記載の方
法。
91.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−(2−ニトロフェニル)−
1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールである請求の範囲
第89項記載の方法。
92.前記使用されるチアジアゾール化合物が、6−アミノ−3−フェニル−1
,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールである請求の範囲第
89項記載の方法。
93.前記使用されるチアジアゾール化合物が、7−アミノ−3−フェニル−1
,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールである請求の範囲第
89項記載の方法。
94.前記使用されるチアジアゾール化合物が、Yが低級アルキル、ヒドロキシ
、ニトロ、アミノ、低級アルキルアミノ、ジ−低級アルキルアミノ及び低級アル
コキシから選択された1〜3個の置換基により任意に置換される2−ピリジルを
表わす化合物である請求の範囲第1項記載の方法。
95.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−(2−ピリジル)−1,2
,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールである請求の範囲第94項
記載の方法。
96.前記使用されるチアジアゾール化合物が、Yが低級アルキル、ヒドロキシ
、ニトロ、アミノ、低級アルキルアミノ、ジ−低級アルキルアミノ及び低級アル
コキシから選択された1〜3個の置換基により任意に置換された2−ピラジニル
を表わす化合物である請求の範囲第1項記載の方法。
97.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−(2−ピラジニル)−1,
2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールである請求の範囲第96
項記載の方法。
98.前記使用されるチアジアゾール化合物が、Yが任意に置換されたアミノ−
ピリジルを表わす化合物である請求の範囲第1項記載の方法。
99.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−〔2−ピリジルアミノ〕−
1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールである請求の範囲
第98項記載の方法。
100.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−〔3−ピリジルアミノ〕
−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールである請求の範
囲第98項記載の方法。
101.前記使用されるチアジアゾール化合物が、Yが任意に置換された低級ア
ルキレン−アミノ−ピリジルを表わす化合物である請求の範囲第1項記載の方法
。
102.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−〔2−ピリジルメチルア
ミノ〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールである請
求の範囲第 101項記載の方法。
103.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−〔N−メチル−(2−ピ
リジルエチル)アミノ〕−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミ
ダゾールである請求の範囲第 101項記載の方法。
104.前記使用されるチアジアゾール化合物が、Yがイミダゾリルメチルを表
わす化合物である請求の範囲第1項記載の方法。
105.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−(イミダゾリルメチル)
−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールである請求の範
囲第 104項記載の方法。
106.前記使用されるチアジアゾール化合物が、Yが1,2,4−トリアゾリ
ルメチルを表わす化合物である請求の範囲第1項記載の方法。
107.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−(1,2,4−トリアゾ
リルメチル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールで
ある請求の範囲第 106項記載の方法。
108.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−(4−メチルフェニルス
ルホニル)−1,2,4−チアジアゾロ〔4,5−a〕ベンズイミダゾールであ
る請求の範囲第3項記載の方法。
109.前記使用されるチアジアゾール化合物が、基Yが、下記式:
〔式中、R7は基−ANR'R''(ここで、Aはアミノ酸残基である)を表わす〕の基
である化合物である請求の範囲第1項記載の方法。
110.前記使用される化合物におけるAが、ロイシン残基を表わす請求の範囲
第109項記載の方法。
111.前記使用される化合物におけるR’がHを表わし、そしてR''が低級ア
ルキルを表わす請求の範囲第 110項記載の方法。
112.前記使用される化合物が、下記式:
を有する請求の範囲第 111項記載の方法。
113.チオール基含有化合物におけるチオール基をジスルフィド基に転換する
ために前記化合物を反応せしめるための方法であって、下記一般式III:
〔式中、R5及びR6は、水素、低級アルキル、ハロ、ニトロ、ヒドロキシ、低級
アルコキシ、又は式NR'R'',OC(O)R',OC(O)OR',OC(O)NR'R'',NR'(COR'),NHC
(O)NR'R'',NHC(O)OR'(ここで、R’及びR''は請求の範囲第1項に定義される
通りであり、又はNR'R''は(CH2)n(ここでnは4又は5である)から成る5又は
6員の環を表わす)から独立して選択され、そしてYは請求の範囲第1項に
定義される通りである〕で表わされるチアジアゾール、又は医薬的に許容できる
その塩とチオール基含有化合物とを反応せしめることを含んで成る方法。
114.前記使用されるチアジアゾール化合物が、R5及びR6の両者が水素を表
わす化合物である請求の範囲第 113項記載の方法。
115.前記使用されるチアジアゾール化合物が、Yが、式
〔式中、R7は低級アルキル、低級アルコキシ又はアリールを表わす〕を表わす
化合物である請求の範囲第 114項記載の方法。
116.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−アセチルイミダゾ〔1,
2−d〕−1,2,4−チアジアゾールである請求の範囲第 114項記載の方法。
117.前記使用されるチアジアゾール化合物が、3−ベンゾイルイミダゾ〔1
,2−d〕−1,2,4−チアジアゾールである請求の範囲第 114項記載の方法
。
118.下記一般式:
〔式中、Qは、
(a)基−T〔−AMA −〕L、ここでTは、チアジアゾール核に結合される化
学スペーサー基であり、そして
N−末端ペプチド保護基、又は下記末端基であり:
(ここで、R’及びR''は基Yにおいて下記に定義される通りである);そして
−AMA −は、アミノ酸又はペプチド残基−〔NH−CHA1−CO〕n−(ここでA1は既
知のアミノ酸α−置換基の1つであり、そしてnは1〜3の整数である)である
;又は
(b)下記式:
〔式中、Phは、ヒドロキシ、低級アルコキシ又はアミノにより任意に置換された
フェニルを表わす〕で表わされる−NHPh又はジフェニル−グアニジン基;を表わ
し;
Y’は、低級アルキル、低級アルコキシ、アミノ、カルボキシ、低級アルコキ
シカルボニル、又は低級アルキルにより4−位置で任意に置換される1−ピペラ
ジニル;ヒドロキシ、低級アルキルカルバモイル、フェニル、ハロフェニル、ヘ
テロシクリル、カルボキシ及び低級アルコキシカルボニルから選択された1又は
2個の置換基により置換される低級アルキル;ベンジル;アミノ、ハロ、ヒドロ
キシ、低級アルコキシ、低級アルキル、低級アルキルアミノ又はジ(低級アルキ
ル)アミノにより任意に置換されるフェニル;ニトロ、アミノ、ハロ、ヒドロキ
シ、低級アルコキシ、低級アルキル、低級アルキルアミノ、又はジ(低級アルキ
ル)アミノから選択された1〜3個の置換基により任意に置換されるヘテロシク
リル;1,1−ジフェニルメチル(ここで、両フェニル環は、ハロ、アミノ、ヒ
ドロキシ又は低級アルコキシにより任意に置換される);2−ピリジル(ここで
、ピリジル環は、ニトロ、アミノ、ハロ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級ア
ルキル、低級アルキルアミノ、又はジ(低級アルキル)アミノから選択された1
〜3個の置換基により任意に置換される);又は基−CH2−CO−NH−低級アルキ
ルであり;但し、Qが−NHPhである場合、Y’はアルコキシ、ジアルキルアミノ
、ヒドロキシアルキルアミノ、ジ(ヒドロキシアルキル)アミノではなく;そし
てY’が4−置換されたピペラジニルである場合、Qは基−T−〔AMA〕−Lで
はない〕に対応する3,5−二置換された1,2,4−チアジアゾール化合物。
119.前記Qが、下記式:
〔式中、PGは、ヘテロシクリルカルボニル、ベンゾイル、カルボベンジルオキシ
、及びtert−ブトキシから選択されたN−保護基であり;A1は、低級アルキル
であり;B2は、アミノ、グアニジノ又はN,N−ジ−(低級アルキル)グアニ
ジノにより任意に置換された低級アルキルであり;そしてnは1又は2である〕
で表わされるアミノ酸残基を表わす請求の範囲 118項記載の化合物。
120.前記基Y’が、低級アルキル、低級アルコキシ、アミノ、カルボキシ、
低級アルコキシカルボニルから選択される請求の範囲第 119項記載の化合物。
121.前記基Yが、低級アルキルにより4−位置データ任意に置換された1−
ピペラジニル;ヒドロキシ、低級アルキルカルバモイル、フェニル、ハロフェニ
ル、ヘテロシクリル、カルボキシ及び低級アルコキシカルボニルから選択された
1又は2個の置換基により置換された低級アルキル;ベンジル;アミノ、ハロ、
ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルキル、低級アルキルアミノ、又はジ(低
級アルキル)アミノにより任意に置換されたフェニル;ニトロ、アミノ、ハロ、
ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルキル、低級アルキルアミノ又はジ(低級
アルキル)アミノから選択された1〜3個の置換基により任意に置換されたヘテ
ロシクリル;1,1−ジフェニルメチル(ここで、両フェニル環はハロ、アミノ
、ヒドロキシ又は低級アルコキシにより任意に置換される);2−ピリジル(こ
こ
で、ピリジル環は、ニトロ、アミノ、ハロ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級
アルキル、低級アルキルアミノ、又はジ(低級アルキル)アミノから選択された
1〜3個の置換基により任意に置換される);又は基−CH2−CO−NH−低級アル
キルであり;そして前記Qが、NHPh、又は下記式:
で表わされるジフェニル−グアニジン基を表わし、ここで前記Phはヒドロキシ、
低級アルコキシ又はアミノにより任意に置換されるフェニルを表わす請求の範囲
第 118項記載の化合物。
122.下記構造式:
を有する請求の範囲第 118項記載の化合物。
123.下記構造式:
を有する請求の範囲第 118項記載の化合物。
124.下記構造式:
を有する請求の範囲第 118項記載の化合物。
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(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
A61K 31/41 604 A61K 31/41 604
31/44 613 31/44 613
31/495 601 31/495 601
31/535 606 31/535 606
C07D 513/04 C07D 513/04
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S
D,SZ,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ
,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU
,AZ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,
CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,H
U,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ
,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,
MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,R
O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM
,TR,TT,UA,UG,UZ,VN,YU
(72)発明者 デシレト,デニス
カナダ国,ケベック ジェイ3ビー 8エ
ヌ7,サン―ジャン―スール―リシェリ
ウ,ドュ ルシオン 891
(72)発明者 リー,スー
アメリカ合衆国,ニュージャージー
07927,シダーノールズ,ビスタ ドライ
ブ 208
(72)発明者 カッペレット,トゥリオ
カナダ国,オンタリオ エム6エル 1ジ
ー6,ノースヨーク,ウィンデール ドラ
イブ 123
(72)発明者 リー,ワンレン
カナダ国,オンタリオ エム9ブイ 5イ
ー3,エトビコーク,マークブルック レ
ーン 10,ナンバー 1811