JPH11513520A - 光学デジタル媒体記録および複製システム - Google Patents

光学デジタル媒体記録および複製システム

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JPH11513520A JP9513708A JP51370897A JPH11513520A JP H11513520 A JPH11513520 A JP H11513520A JP 9513708 A JP9513708 A JP 9513708A JP 51370897 A JP51370897 A JP 51370897A JP H11513520 A JPH11513520 A JP H11513520A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ディジタル光学記録を生成する新規な方法およびシステムを提供する。方法は、外表面(213)と、細長い部材(211)と、データ領域(221)と、補助領域(222)と、レーザビーム(302)と、細長い部材の表面の選択された領域上にレーザビームを集束する集束システム(317)とを有する光学記録媒体のマスタリングを行うことと、可撓性フィルムの表面上に且つ細長い部材の表面に平行にマスタ記録の迅速な複製を行うこととに分割され得る。

Description

【発明の詳細な説明】 光学デジタル媒体記録および複製システム 発明の背景 1.発明の分野 本発明は、概して光デジタルディスクなどの光学デジタル媒体のマスタリング (mastering)、記録および複製のためのシステムに関する。 2.従来技術の説明 デジタルコンパクトディスク技術は、20年以上前に、Philips Electronics, Sony,Thomson and Discovision Associates(DVA)などを含む様々な組織によっ て開発された。この技術(およびその拡張ならびに改良)は、世界の最大の家電 企業およびコンピュータ企業によって、標準として採用されてきた。ディスクお よび再生ユニット双方の、比較的大きな記憶容量および低ユニットコストは、世 界的な販売および1年につき何十億ドルというライセンス収入(ディスク自体の 内容を除く)をもたらしている。この技術は、すべてのタイプの永久デジタルデ ータ記憶の世界標準となった。 デジタルコンパクトディスク(または「CD」)は、アルミニウムの薄い層( 50nm)でコーティングされた、おおよそ直径120mm、厚さ1.2mmのハイグ レードのプラスチックで形成されたディスクから構成される。これらのディスク は、デジタル情報を12億バイトまで含み得る。一般的に使用されるエラー訂正 スキームは、典型的には、これらのディスクの実効記憶容量を、約6億8千万バ イトのデジタル情報にまで削減する。 コンパクトディスク技術において実施されるデジタル光記録の根底にある基本 的な原理は、高反射率および低反射率を有する複数の領域がデータの個別のビッ トを表す、局所反射率変調である。局所反射率変調の最も一般的な方法は、いわ ゆる「フェーズピット」方法である。フェーズピットは、データを読み取る光源 の波長の4分の1の長さ(約120nm)と正確に同じ深さでなければならない。 フェーズピットは、反射性のコーティングの不連続により、または凸面のまたは 凹面の顕微鏡的特徴上の光の散乱により反射率が低下する振幅対象(amplitude objects)で置き換え得る。 CD上のピット(または振幅対象)はらせん状のパターンで配置され、らせん 状のパターンはディスクの「ハブ」の中心から約20mmで始まって、1つのらせ ん状のトラックでディスクの外縁部の数mm以内まで続く。このらせん状のトラッ クの全長は、フェーズピットが存在し得るまたはし得ない位置からなる長い線で あると考えられる。ある位置で跳ね返る赤色レーザ光がピットを検出した場合、 光検出器および関連する回路は、その存在を数「1」として解釈する。その位置 がピットを含まない場合、これは「0」(ゼロ)であると解釈される。この1お よび0の連続するストリングは、ディスクに記録されるデジタル情報を含む。ピ ットの名目上の幅は0.6μmであり、らせん状のトラックの1つのループとそ の内側または外側の隣接ループとの間の距離は1.6μmである。 CDを作製する既存の製造方法は、3つの別々の作業、すなわちマスタリング 、スタンパ製造および複製に分けられ得る。従来技術によるCD加工の一般的な 工程を以下に説明する。 A.マスタリング 1.特定のフォーマットに従ってデータをプレマスタリング(premastered) する。 2.フォトレジスト層でコーティングされた、光学的に研磨されたガラスディ スク(またはガラスマスタ)を提供する。 3.ガラスマスタを、レーザビームレコーダ内で、プレマスタリングされたデ ータに従って変調された、集束レーザビームで露光する。集束されたレーザビー ムはガラスマスタの表面上のらせん状の軌道を追い、光の強度は音響光学変調器 によってオンおよびオフされる。フォトレジスト層の露光された領域は、フェー ズピットの位置および寸法に対応する。 4.ガラスマスタを現像し、フォトレジストの露光された領域を洗い流す。 5.上記各工程後に点検を行い得る。 B.スタンパ製造 1.真空蒸発によって、ガラススタンパのフォトレジストパターン上に銀の薄 い層を堆積させる。 2.電気メッキによって、銀の上にニッケルの厚い層を堆積させ、ニッケルプ レートファザーを形成する。1つのファザー(father)を製造する。 3.ニッケルファザーはガラスマスタのネガのレプリカである(すなわち、突 出はフェーズピットに対応する)。ニッケルファザーは、射出成形スタンパ(in jection molding stamper)として使用し得るが、製造コストが高いため通常ス タンパとして使用されない。このため、電気メッキおよび分離によって、いくつ かのマザー(mother)(ポジのレプリカ)を製造する。 4.電気メッキおよび分離によって、マザーからスタンパ(ガラスマスタのネ ガの複写)を製造する。 5.前記各工程後に点検を行い得る。 C.複製 1.ニッケルスタンパをポリカーボネートCD基板の高圧射出成形において使 用する。 2.冷却後、スパッタリングによって、基板をアルミニウムの反射層でコーテ ィングする。 3.アルミニウム層の上に保護層をスピンコーティングし、次いでUV放射( UV radiation)によって硬化する。 4.最終点検基準として、らせん状のトラックの回折効率を使用する。 レプリカの製造に含まれるラベル付けおよびパッケージング工程は、オフライ ンで実施されるのが最も一般的であるため、従来技術の上記説明から省略する。 マスタリング作業(フォトレジストスピンおよび堆積を含む)は、典型的にはク ラス100のクリーンルーム施設において3〜4時間を要する。スタンパ製造は クラス100のクリーンルーム施設において5〜8時間を要する。最後に、効率 的な射出成形された複製は、平均で4秒当たり1枚のCDを作り出す。 前述の従来技術によるCD製造方法は、数ある中で、例えば以下の短所を有す る。 ・ マスタリングおよびスタンパ製造は高価な機器および施設のより長い使用 を必要とする。 ・ 従来技術のプロセスは低スピードかつ不連続である。各CDは別々に取り 扱われる。また1枚のCDを作製するのに少なくとも4秒という、比較的長い時 間がかかる。 ・ 従来技術のプロセスは高温および高圧を伴う。プラスチックは約300℃ の温度で溶融し、20〜40トンの力で注入される。高圧注入および急速冷却中 の温度勾配によって不均一に分散されるストレスが有意であるため、複屈折の問 題(すなわち、屈折率の異方性)が生じる。 ・ プロセスにより誘起される光学的不均一から生じる複屈折を最小限に抑え るため、非常に高価なポリカーボネートプラスチックが基板材料として使用され る。 ・ 基板のポリカーボネート樹脂の合成プロセスは塩素処理工程を含む。残留 塩素原子はCDの反射アルミニウムコーティングを侵し、CDの予想寿命を短縮 する。 ・ 射出成形プロセスの複雑さおよび脆弱性により、オーディオCDおよびC D ROMの急速に伸びている需要に対応するために非常に大きな資本投資が必 要である。 ・ 今日では、商業的に存続可能な工場は7500万US$で建設し得る。非常 に大きな施設は10億US$以上を要し得る。超高純度の材料を使用するため、C Dは単位当たり少なくとも約40USセントという非常に大きいコスト負担で製造 し得る。 従来技術に関連する問題のいくつかを克服するために、前述の従来技術による 方法の代替方法が開発されている。例えば、エンボスの方法を射出成形の代わり に使用して、機械的および温度のストレスを低減し得るということが提案されて いる。この技術においては、振幅対象がフェーズピットに取って代わる。振幅対 象の反射率は、縁部での光の散乱により、またシャドーマスク方法によって選択 的に堆積された金属コーティングの不連続により、減少される。金属蒸着(meta l evaporation)によって作製されるシャドーマスクの複雑さおよびその他の短 所のため、エンボス方法は現在のところ、商業的に実行可能な選択肢になってい ない。 高温/高圧射出成形プロセスの別の代替案は、Quixote Corporationに譲渡さ れた米国特許第4,423,137号によって提案され、図1A、1B、1Cおよび1D に概略的に示される接触フォトリソグラフィー(contact photolithography)複製 方法である。図1Aに示すように、このプロセスは、平らで硬質なマスタマスク を用いる接触フォトリソグラフィーの使用から構成され、マスタマスクは、CD のピットパターンに対応する開口部3を有する反射金属層2でコーティングされ た1枚の平らなガラス基板1を含み得る。平らで硬質なマスタマスクは、反射層 5およびフォトレジスト層6で覆われた平らで硬質な基板4上に複製される。図 1Bにおいて、フォトレジスト6の領域61は光に露光され、そして除去され、 これによりその下に位置する反射コーティング2の領域51が露出される。図1 Cにおいて、領域51は次いでエッチングされ、フォトレジスト6は図1Dにお いて除去される。この結果得られる構造物は、マスタプレート上の反射コーティ ングの開口に対応してサイズを取られ、基板の表面上に分布する複数の振幅対象 を示す。後続の保護コーティングを付与する工程、硬質の透明ディスク上に積層 する工程およびラベル付けの工程において、ISO9660規格に準拠するCD が製造され得る。 接触フォトリソグラフィーは、半導体装置製造における顕微鏡的パターンの転 写方法として、1960年代初期以来周知である。接触リソグラフィーの実施を 成功させるための主な必要条件は、フォトマスク(例えば、図1Aにおけるパタ ーニングされた金属マスタプレート1および2)と基板4のフォトレジストコー ティング61との間の隙間を小さくすることである。この必要条件は、議論の余 地はあるが、表面領域が小さい(1〜5cm2)場合は満たし得るが、平らな表面 領域が大きい場合、例えば直径12cmのCD基板の場合、隙間を確実に制御する のは、不可能ではないにしても非常に困難になる。さらに、接触リソグラフィー が高スループット複製プロセスに対する適用を意図される場合、マスタと基板と の間の均一に小さい隙間を維持するのは不可能になる。このためおよびその他の 理由により、米国特許第4,123,137号に概略記載される複写プロセスは、理論上 は可能であるが、商業的には実施し得ない。 連続的製造プロセスはバッチプロセスまたは不連続プロセスより実質的に有利 であるということが一般的に受け入れられているが、これは連続的プロセスの方 がはるかに早く、より確実であり、かつより安価であるからである。明らかに従 来技術の射出成形技術は、本質的に不連続なCD製造方法である。従って、連続 的なCD複製方法の導入は、従来技術の実質的な改良となる。 Polaroid CorporationのW.Dennis Slaferらによって書かれ、SPIE Vol.1663 Optical Data Storage(1992)の324頁で公開された“Continuous Manufacturing of Thin Cover Sheet Optical Media”というタイトルの刊行物(「Polaroidの 記事」)は、CDの連続的製造方法を開示している。この方法では、薄膜基板の 連続するウェブ(web)が、ローラの表面上の微小な突出によってエンボスされ 、この結果反射率を達成するよう金属化され、そして規格値まで厚みを増すため に厚い透明プラスチックシート上に積層される。この複合プラスチックウェブは 、個別のCDに分離されるまで、複製プロセスの全体の間、一定の速度で処理お よび移動される。Polaroidの記事によって紹介された複製方法は、連続するウェ ブの処理、印刷および積層について周知の技術を使用する。しかし、ローラの湾 曲した表面上の顕微鏡的な突出によるプラスチックフィルムのマイクロエンボス (microembossing)は制御が困難であり、特にウェブが高速の場合は困難である 。従って、この従来技術による技術もまた有意な短所を有し、このためCDの複 製の効果的な方法としては非実用的である。 オーディオCDおよびCD ROM媒体の既存の規格が、現在より大きな情報 記録容量を提供する新しい規格によって取って代わられつつあるということは注 目に値する。デジタルビデオディスク(DVD)などの競合する新しい規格は、 多層構造で配置されるより小さな微小特徴およびより小さなトラックピッチを使 用する。これらの新しい必要条件では、従来技術の射出成型方法の可能性は、顕 微鏡的空間解像度およびプロセスの歩留まりにおいてその限界に達しつつある。 さらに、新しいCD技術によって、その他の公知の従来技術による複製技術はよ り一層非実用的になりつつある。従って、高解像度を有する光学媒体の複製およ び新しいタイプの媒体(例えば、多層構造およびその他の新しい幾何図形的配列 を有するもの)の複製のための、代替方法およびシステムの重大な必要性が存在 する。 発明の要旨 本発明は、デジタル光学記録を生成するための新しい方法およびシステムを提 供する。プロセスは2つの別々の作業、すなわち、シリンダなどのような細長い 部材の表面に光学記録のマスタリングを行う作業、およびシリンダなどの表面と 本質的に平行な可撓性のフィルムの表面にマスタ記録の複製を迅速に行う作業に 分けられ得る。 一実施形態において、本発明のマスタリング部品は、規定される回転軸を有す る細長い部材(例えば、シリンダまたはその他適切な形状の部材)を含む。細長 い部材は、照射されるエネルギー(例えばレーザビームからのエネルギー)に対 して透明な材料で形成され得る。細長い部材はその外表面上に光学的に厚い層を 有し、これにより比較的少量の照射されたエネルギーの通過が提供される。 レーザビームまたは別のタイプの集束されたエネルギーは、細長い部材の表面 の選択された領域に集束され、光学的に厚い層の対応する領域を、溶除しながら 或いはしないで溶融させ得る。溶融によって、光学的に厚い層の選択された領域 は、光学的に薄くなるかまたは完全に除去され、これによって比較的より多くの 量の照射されたエネルギーが通過可能となる。レーザビームは、光学的に厚い層 の領域を溶融して、例えばコンパクトディスク(CD)のレイアウトをコード化 する光学的に薄い領域を形成するよう制御され得る。コンパクトディスクのコー ド化のデカルト座標を、その位置のためのコード化情報を含むテーブルにマッピ ングするインデックスを使用して、細長い部材をコード化し得る。 細長い部材がマスタとして形成された後、細長い部材内で均一な照射を行い、 複製プロセスを開始し得る。均一な照射は、細長い部材の回転軸に沿って配置さ れた光源の形態、あるいはその他の形態(例えば、任意の適切な周波数帯域の電 磁放射源)を取り得る。 複製プロセスを実行するために、光学的に摂動可能な(perturbable)層を含 むフィルムが提供され、光学的に摂動可能な層は、照射されたエネルギーに応答 するよう変更(modify)され得る。例えば、フィルムは反射層および反射層の上の フォトレジスト層を含み得る。 その後細長い部材を規定された回転軸周りに回転させ、一方、フィルムのフォ トレジスト層を細長い部材の外表面と直接接触させる。細長い部材は透明な材料 で形成されるので、フィルムのフォトレジスト層は、細長い部材の外表面上の光 学的に薄い領域のそれぞれを介して均一な照射に露光される。従って、フィルム のフォトレジスト層は、細長い部材の外側にコード化されたデータに露光される 。 フォトレジスト層を前述のように露光した後、フィルムのフォトレジスト層を 、均一な照射に露光された領域において除去する。その後フィルムの反射層を、 除去されたフォトレジスト層の領域に対応する領域にてエッチングによって除去 し、フォトレジスト層全体をその後除去する。これによってフィルムのエッチン グされた反射層は、マスタの複写として残される。 フィルムに均一な並進運動を与え、また細長い部材にそれに応じた均一な回転 運動を与えることによって、シリンダ表面のマスタパターンのフィルム上への迅 速で連続的な複製が達成される。光学的に摂動可能な層の照射線量は、運動の速 度および均一な照射の強度によって決まる。 図面の簡単な説明 図1A、図1B、図1C、および図1Dは、接触フォトリソグラフィーを用い る先行技術の複製方法を示す断面図である。 図2Aおよび図2Bは、本発明の教示に従って、データが、どのようにしてC Dのらせんコード化(図2B)に基づいてマスタにラスタ方式で(図2A)コー ド化されるかを示す。 図3は、本発明の教示によるマスタリングシステムの構成要素を示す。 図4は、本発明を実現するために用いられ得るコンピュータシステムを示す。 図5は、本発明の教示よる、らせんコード化(図2B)をラスタデカルト座標 コード化(図2A)に変換するために行われ得る基本ステップを示すフロー図で ある。 図6は、本発明の教示による、図5の基本ステップに基づいて作成され得る表 のサンプル部を示す。 図7Aおよび図7Bはそれぞれ、本発明による、マスタにコード化され得るサ ンプルデータの断面図および平面図である。 図8は、本発明の複製段階で用いられ得るフィルムの断面図である。 図9は、本発明の複製段階の間に用いられ得る構成要素を示す。 図10は、本発明の複製段階の間に行われ得る基本ステップを示すフロー図で ある。 図11は、本発明の教示に従って作られるCD完成品の断面図である。 発明の詳細な説明 本発明は、2つの部分を含む。即ち、マスタリングプロセスおよびシステムと 、複製プロセスおよびシステムとを含む。これらの構成要素の各々について、以 下に詳細に説明する。 1.マスタリング マスタリングプロセスが始まる前に、CDへの記録用の入力データは、例えば ECMA−119フォーマットなどの特定のフォーマットに従ってプレマスタリ ングされ、磁気テープ、光磁気ドライブ、または他の任意の高速大容量記憶装置 403(図4参照;以下に詳細に説明する)に格納される。ここで本発明を説明 するために、コンパクトディスク(CD)について言及するが、ここで説明する 原理は、DVDなどの他のタイプの媒体、あるいは他の任意の媒体技術にも等し く適用することができることが当業者に理解されるであろう。 図2Bを参照して、上述のように、CD201のビットシーケンスは、通常、 角座標で規定されるらせん202として記録される。データのコード化は、典型 的には、CDの最も内側の部分で始まり、外側に延びるらせん202は、データ のシリアルストリームを規定する。 図2Aを参照して、本発明の教示によれば、中空シリンダまたは他の任意の適 切な形状の部材などの細長い部材211が、マスタリングのために設けられる。 以下、この細長い部材211を「シリンダ211」と呼ぶが、別の形状の部材2 11を用いてもよいことは容易に明らかとなるであろう。 以下に詳細に示すように、細長い部材211の外表面213には、CD上のデ ータに対応するデータがコード化され得る。しかし、(先行技術に示したように )データを細長い部材211の外部213上にらせん状にコード化する代わりに 、本発明は、外表面213へのラスタ方式のコード化を可能にするために、デー タが角座標からデカルト座標に再フォーマット化される新規な技術を導入する。 シリンダ211の外表面213へのラスタ化されたコード化については、図3に 関して以下に詳細に説明する。 図2Aおよび図3を参照して、中空シリンダ211は、規定された回転軸32 0を有し、中空シリンダ211は、この回転軸を中心に、Newport Corporation 製の動きコントローラなどを備えた任意の適切な手段305によって制御された 速度で回転し得る。例えば、細長い部材211の回転運動は、部品番号PM50 0−360Rの超高精度回転ステージ305によって与えられ得る。光学ヘッド 302の並進運動は、部品番号PM500−6Lの超高精度線形ステージ308 によって与えられ得る。 ある実施形態においては、中空のシリンダ211が、UV透過材料(例えば、 単結晶サファイア)から製造され得る。シリンダ211の寸法(幅および直径) は、120mmのCDのイメージを1つ以上収容するのに十分な表面積を提供し 得る。他のタイプの媒体に関しては、シリンダ211の寸法は、必要に応じて変 更され得る。シリンダ211の外表面213は、低融点の合金250(図7A、 図7B、図8、および説明を参照)の薄い(例えば、30〜50nm)の層、ま たは任意の同等の材料でコーティングされ得る。 シリンダ211の外部213は、2つの領域、すなわち、シリンダ表面213 の回りを取り巻く平面CDのデータ領域のイメージに対応するデータ領域221 と、補助領域222とに分割され得る。補助領域222は、シリンダ軸320に 平行する、幅200nmの溝の形の配向マーク、またはそれと同等のものを含有 し得る。溝の断面は、三角形、半円形、または溝に集束されたUVレーザビーム に対する溝の反射率を、ランディング(landing)と比較して、60%以下に低 下させる他のいかなる形状であり得る。 図3を再び参照して、CWレーザ(例えば、257nm線のアルゴンイオンレ ーザ、または325nm線のヘリウム−カドミウム金属蒸気レーザ)からのTE M00モードの紫外(UV)放射が、シリンダ211の外表面213上に集束され 得る。レーザ302からのレーザ放射の集束は、当該分野において一般的に公知 である、フィードバック制御された精密焦点調節システム317の助けをかりて 達成される。 精密焦点調節システム317は、補助赤外線半導体レーザを有する単一ビーム システムまたは二ビームシステムを含有し得る。シリンダ表面213上のレーザ ビームの位置決めは、2つのタイプの運動、すなわち、超精密線形ステージ30 8に沿った、レーザ302の焦点調節システム317の直線運動と、超精密回転 ステージ305を介した、回転軸320の回りの、シリンダ211の回転運動と によって、25nmに至る精度で制御され得る。 上記のように、マスタリングの目的で、シリンダ211上でコード化されるデ ータは、データのラスタ記録をシリンダ211上で行う前に、角座標からデカル ト座標に再フォーマットされなければならない。再び、図2Aおよび図2Bを参 照して、データは、典型的にはCD上でらせん状形態202でコード化されるが 、本発明では、好適には、ラスタフォーマット212で、シリンダ211のマス タ上でデータをコード化する。このラスタ化を達成するためには、焦点調節シス テム317が、超精密線形ステージ308の長辺(length)を移動し、シリンダ 211が、超精密回転ステージ305によって、回転軸の回りで僅かに回転させ られ、その後、このサイクルが繰り返される。従って、本発明の実施形態に従っ て、図2Aの参照番号212によって示されるラスタ様式で、データがコード化 される。 レーザ302および焦点調節システム317が、データをシリンダ211上で 適切にコード化するためには、初めに、CD上のらせん状に角を形成してコード 化されたデータが、デカルト座標に再フォーマットされなければならない。従っ て、レーザ302が、その経路307に沿って移動し、シリンダ211が、レー ザ302のそれぞれの動作間で逐次的に回転されるので、適切なデータがコード 化される。 図4は、角座標からデカルト座標に変換し、それによって、図3に示されるマ スタリングユニット405が、適切にマスタリングされ得るために使用され得る コンピュータシステム400の基本的なブロック図を示す。ある実施形態におい ては、図4のコンピュータシステムは、CPU401、ランダムアクセスメモリ 402、入力記憶装置403、および出力記憶装置404を備え得る。記憶装置 403および404は、磁気テープ、光磁気ドライブ、または他のいかなる高速 および高ボリュームの記憶装置として、上では記載されている。例えば、図4の コンピュータシステムは、十分なメモリおよび処理速度などを有する、標準PC 構成を備え得る。 図5は、CD上の各データ片の角度位置を、同等のデカルト座標位置に変換す るために図4のコンピュータによって行われ得る様々なステップを示すフロー図 である。この座標変換の間に、角座標(ステップ501)で記録するためにフォ ーマットされた元のシーケンスでのデータビットの位置(例えば、記録ヘッドが 、らせん状の軌道に沿って移動する場所)が、ステップ502において、デカル ト位置決め(例えば、記録ヘッドが、ラスタ軌道に沿って移動する場所)に従っ て変更される。角座標をデカルト座標に適切にマッピングするためには、位置決 めシステムの解像度が、元のらせん状パターンをマスタドラム211の表面上に 再現するために十分高くなければならない。CDに関しては、この要件は、レー ザビーム位置決めの精度が、どちらかの軸に対して少なくとも50nmでなけれ ばならないことを意味する。他の適切な精度が、他のタイプの媒体に対して用い られ得る。 マスタコード化およびデータ変換のスピードに応じて、変換されたビットシー ケンスが、ライン411に沿って、CPU401(リアルタイム処理)から直接 マスタリングユニット405に連結される、またはライン412に沿って出力記 憶装置から連結される。入力記憶装置403に記憶された入力角座標を、出力記 憶装置404に記憶された出力デカルト座標へと変換するためにCPU401に よって行われ得るステップは、標準的なソーティング問題を示す。 このソーティングの問題の1つの解決策は、連続ビットストリングを、それぞ れがスポット領域によって表されるビットが厳密に定義されたらせん状経路に沿 って連続して配置されるように、方形テンプレート上にマッピングすることであ る。らせんの隣接する巻き間の距離δは1.6μmに等しく、連続ビットを表す隣接 するスポット領域間の距離は1μmである。各ビット位置の散在が隣接ビット間 正方形内に位置しなければならない。従って、方形テンプレートを表す正方形グ リッドは、寸法が0.1μm×0.1μmのセルを持たなければならない。CD領域内のこ れらのセルの総数は約1.13×1012に等しい。これは、CD上にコード化されるスト リングのビットの総数の約100倍である。 上記のグリッドの正方形セルを指標化するために、2つの整数よりなる数字{x ,y}を用い得る。第1整数xは、左から右への列の序数であり、第2整数yは、 下から上への行の序数である。行または列のいずれの場合も行または列の総数L は1.2×106に等しい。目標は、すべてのビット位置がらせん状経路に沿って連続 して配置されるようにバイナリストリングを正方形グリッド{x,y}にマッピング することである。 例えば、座標は以下のように変換され得る。 x(n)=ε-1{R+r(n)cosψ(n)} y(n)=ε-1{R+r(n)sinψ(n)} 式1 ここで、 ψ(n)= 2πδ-1{r(n)-R0}、 r(n)=[R0 2 + Dδπ-1n]1/2n=0からN-1までのバイナリストリング内のビットの序数、 r(n)=n番目のビットに対応するスポット領域とディスクの中心との間の距離、 xおよびy=ディスクの中心の原点からの直交座標、そして ε=基本セルのサイズ、ε=0.1μm。 上記の式1によって得られる対セット{x(n),y(n)}は、nが増大する順序で配 置される。マスタリングのために使用され得るバイナリストリングを生成するた めには、このシーケンスは、xおよびyが増大する順序で再配列しなければなら ない。つまり、{x,y}は上記の式1によって定義されるいくつかの所定の整数値 を仮定するのみであることに絶えず留意して、{x,y}のnへの依存性をnの{x,y} への依存性に逆転させなければならない。シーケンスが非常に長いことを考慮に 入れて、ステップ503で、高速RAMへの配置にとって適切な最初のサブシーケンス がサブ分割され得る。詳しくは、各固定値xに対して以下のサブシーケンス(列 である)セットが得られる。 n{0,y}; n{1,y}; n{2,y}; n{3,y};・・・・ n{x,y}; ・・・・ n{L-1,y} 式2 ここで、 L=1.2×106であり、列(または行)の総数である。 ステップ504では、式2の各列(サブシーケンス)は、以下に示すように行番 号yが増加する順序で配置される。 n{x,y}=n{x,y1},n{x,y2},n{x,y3}・・・・ 式3 ここで、 0<y1<y2<y3<y4...<L-1である。 明らかに、式3の各サブセットn{x,y}に対する行番号yは、0からL-1までの 間の整数値のうちの少ない部分しか仮定していない。対応する値それぞれはスト リングの対応するビットnのスポット領域位置を示す。 図6は、既述のように図5の各ステップによって作成され得るサンプル表を示 す。図6の表の各ビットは実際のCDから取られたものであるが、単にCD上の様々 なビットをサンプリングしたものにすぎない。第1列601(極座標n{ψ,r}内の相 対数1〜10は単に便宜的に割り当てられたものである。 図6の表の第2列602および第3列603はそれぞれ角座標ψ(n)およびr(n)を表 す。次の2つの列604および605はそれぞれ、計算されたデカルト座標x(n)および y(n)を含む。デカルト座標の値に基づいて、データのビットに新しい整数n{x,y} 606が割り当てられる。この場合も、マスタリングのために用いられ得る表を作 成する場合の最後のステップ504は、ビット606がn{x,y}が増大する順序で配置さ れるように表の各行のソーティングを行うことである。 データの角度位置をデカルト座標位置へマッピングして図6の表を作成すると 、レーザビーム302を変調器303によって制御して、データをシリンダ211の外表 面上にコード化し得る。レーザ302が、図2Aの参照番号212によって概略が示され るラスター化された経路を移動するとき、参照番号202のらせん内の対応するデ ータ位置を決定するために図6の表が用いられる。従って、シリンダ211が既知 の量だけ回転されたときのレーザ302の経路に沿った各地点で、レーザは、適切 なデータがシリンダ211の外表面上にコード化されるように変調され得る。レー ザ302の変調について以下にさらに詳細に述べる。 シリンダ211上にデータをコード化するために、レーザ302を、そのエネ ルギーをシリンダ211の外表面上に集束させることにより金属合金250が溶 融するように、音響光学変調器(acousto-optical modulator)300によって制 御し得る。レーザ放射(laser radiation)は、単一モード光ファイバ315によ って、線形ステージ308上に設けられた精密焦点調節アクチュエータ317に 正確に結合される。一実施態様において、レーザ302からの集束されたレーザ 放射の強度は、シリンダ211の金属コーティング250の局所溶融(local mel ting)のしきい値より上かつ、同金属コーティング250の局所溶除(local abla tion)のしきい値より下に制御される。シリンダ213表面上の金属コーティン グ250をレーザ302のレーザ発光(laser emissions)に露光することにより 、金属コーティング250の局所溶融が起こる。溶融の際、液状金属250は固 相材料の端部に蓄積する傾向を有し、結果として、最初均一であったコーティン グ 250に、開口部251(図7A、7Bおよび8ならびに説明を参照のこと)を 形成する。 一実施態様において、レーザ302の強度は、シリンダ211の金属コーティ ング250に溶除が起こらないように選択される。この場合、レーザ302によ ってシリンダ211の表面上に発生される熱は、シリンダ211の表面上の金属 コーティング250の融点より上かつシリンダ211自体の透明材料の融点より 下であるように制御され得る。別の実施態様において、レーザ302の強度は、 金属コーティング250において溶除が起こるように選択される。同時に、フィ ルム901の露光中における紫外光910の出力密度は、集束されたレーザビー ムを用いたマスタリングにおけるよりも何桁も小さい。従って、複製時において 溶融は起こらない(以下に詳述する)。 レーザ302によって発せられる紫外レーザ放射の強度は、CPU401の制御 下で、電気光学変調器(electro-optical modulator)300または光磁気変調器 300などによって変調され得る。デカルト座標フォーマットで表され記憶装置 404に記憶されるCDマスタデータを用いて、レーザビームを変調する。レーザ 302からの集束されたレーザパルスからのエネルギーがシリンダ211の表面 上の合金コーティング250の溶除しきい値よりも大きければ、円形開口部25 1からなる特徴部(feature)がその位置に形成される。開口部251は、マスタ リングされていない金属コーティング250に較べて光学的に薄く、シリンダ2 11内から発せられた紫外放射などの照射エネルギーを通過させる。本発明の複 製プロセス中において用いられるシリンダ211内からの紫外放射の使用を、下 記により詳細に説明する。変調された集束レーザビームの位置をラスタ経路21 2上に沿ってシフトさせながら上述の溶融工程を選択的に繰り返すことにより、 各々が記録情報のバイナリビットを表す複数のデータ領域がシリンダ211表面 上に形成される。図7Aおよび7Bは、シリンダ211の表面213の一部上に コード化されたデータ領域の、断面図および平面図をそれぞれ示している。 シリンダ211上に上述のようにコード化されたデータパターンは、従来のマ スタリングプロセスによって形成されたガラスマスタの表面に生成された特徴部 に類似するが、2つの原理的かつ大きな差異を有する。すなわち、(1)本発明の マスタリングプロセスは3次元の円柱面213上において行われるのに対し、従 来のマスリングは2次元平面上において行われること、および(2)本発明におい てはレーザ302からのレーザビームはラスタ動作(例えば図2A)を行うのに 対し、従来のマスタリングプロセスにおいてレーザビームはらせん状にCDをコー ド化する(例えば図2B)ことである。 本発明のマスタシリンダ211は、多数回再マスタリングされ得る。具体的に は、シリンダ211の表面213上の溶融による記録250、251は、合金の 融点より上まで均一に加熱することにより消去され得る。溶融したとき、合金2 50は、表面全体に均一に拡がり、局所溶融またはレーザ溶除によって作成され た開口部251を埋める。凝固後、前の段落において説明したようにマスタリン グプロセスを繰り返すことができる。シリンダ211は一般に再使用が可能であ る一方、マスタシリンダ211を活発に用いると、溶除に起因して合金材料の部 分的な損失が起こることがある。しかし、失われた材料は、追加的な合金250 をシリンダ表面213上に蒸着(evaporation)することで容易に補うことができ る。シリンダの加熱またはリフロー(reflow)は、マスタリングに用いられるのと 同じ装置内において行うことができる。 2.複製 シリンダ211がデータでコード化された後、コード化されたデータの複製を 行い得る。本発明の複製に関する教示を用いることにより、シリンダ表面213 からのマスタパターンは、接触フォトリソグラフィーまたは同等の技術を用いる ことにより、可撓性基材901上に非常に素早く複製され得る。以下に詳述する ように、フィルム材料901の連続的なウェブの形態をとる媒体基材を提供する ことにより、非常に高速な複製速度が達成され得る。 複製プロセスを図8、9および10を参照して説明する。図8および9は、本 発明の複製部の構造的構成要素を示しており、図10は、複製プロセス中におい て行い得る様々な工程を示している。以下の説明を通じて、図10の工程を参照 する。 ステップ1001 図9に、3層フィルムなどの可撓性フィルム901を示す 。図8に、図9のフィルム901の断面を部分的に示す。図8を参照すると、フ ィルム901は、15から200μmの可撓性ポリマーフィルム803(例えば 、DuPont MylarタイプDフィルム)に結合している約0.05μm の層の反射コーティング802(例えば、アルミニウム)に結合した、例えば、 0.1から1.0μmの層のポジフォトレジスト801(例えば、Shiple y505Aフォトレジスト)を有し得る。言うまでもなく、これらの厚みは、可 撓性フィルム901の1つの実施態様に過ぎず、他の適切な厚さおよび同等の材 料が同じ様に機能し得る。 フィルム構造901の要素801、802、および803は、以下の目的を達 成する。フォトレジスト層801は、シリンダ211の透明領域を通して選択的 に露光され得る感光性層であり、アルミニウム層802は、複製プロセスにおい て後に続いて符号化される反射媒体であり、ポリマーフィルム803は、複製プ ロセスの連続したステップを通して媒体層を連続して搬送する手段を提供する可 撓性であるが安定した基材である。フォトレジスト801およびアルミニウム層 802は共に、以下にさらに詳細に説明するように、照射エネルギーに応じて続 いて変更(modify)され得る光学的に摂動し得る層(perturbable layer)を形成 する。 ステップ1002 線形紫外線光源910(例えば、長アーク高圧ガスランプ )は、照射エネルギーが放射状に均一に放出されるように、シリンダ211の回 転軸320と同軸上に配置されている。フォトレジスト層801を露光するため に、3層複合フィルム901は、図9に示すように、シリンダ211の外表面2 13と密着される。図8は、複合フィルム901と接触したシリンダ表面213 の断面領域の拡大図を示す。露光中、シリンダ211内の線形源910からのU V放射は、シリンダ211の透明構造体を通して、シリンダ211の外表面21 3の金属コーティング250内の開口部251を通して透過され、シリンダ表面 213内の開口部251上に位置するフォトレジスト層801の領域に到達する 。シリンダ表面内の開口部251は、前述したマスタリングプロセス中に形成さ れた開口部である。 シリンダ211は、フィルムウェブ901が、ローラ971および972のシ ステムによってフィードされている間回転する。所定時のマスタシリンダ211 の外表面213の線形速度は常に、ローラ971および972によってフィード されているフィルムウェブ901の線形速度と等しい。露光は、フィルムウェブ 901が、ローラ971においてシリンダ表面213に接触したときに開始し、 フィルムウェブ901がローラ972においてシリンダ211から分離されたと きに終了する。不透明スクリーン980は、フィルムウェブ901がシリンダ2 11と接触する前および分離した後に露光されないように設けられ得る。露光線 量は、線形光源910の強度およびフィルムウェブ901の線形速度によって規 定される。 光源910の好ましい強度およびフィルムウェブ901の好ましい線形速度は 、線形に関連付けられ得、以下の式4によって表され得る。 Dv=I 式4 ここで、 D=フォトレジスト801の必要線量(J/cm3) v=線形速度(cm/秒)、および I=線形光源910からの照射エネルギーの強度(J/(秒・cm2)) 本発明で用いられる光学的および機械的な幾何学構造は、以下の重要な利点を 提供する。 ・露光は、フィルム901が移動している間に起こる。 ・シリンダ表面213とフィルム901との間の間隙は、図9に示す構造によ って容易に最小限にされ、その結果、最大限のコード化解像度が得られる。 ・露光均一性を成し遂げるために従来技術のフラットフィールドマスク調整に 通常用いられる複雑な光学素子は、価格の低いかつ効果的な線形光源910によ って置き換えられる。 フォトレジスト層801を上記のように露光させた後、以下のステップが、フ ォトレジスト801を現像し、反射層802をエッチングし、フォトレジスト8 01を除去するために行われ得る。これらのステップは、フォトレジスト材料を 処理するための標準的な手法に対応する。 1.ステップ1003 露光後、フィルム901を現像し、露光されたフォト レジスト801が洗い流されところにピットを形成する。これによって、フォト レジスト801内のピットが、シリンダ表面213の金属コーティング250に おける開口部251に寸法および位置が対応するフォトレジストマスクを形成す る。 2.ステップ1004 フィルム901を、脱イオン化水中ですすぎ、乾燥す る。 3.ステップ1005 フォトレジストを、100℃の温度で後焼成する。 4.ステップ1006 アルミニウム反射層802を、水酸化ナトリウム(N aOH)溶液などのベースエッチによってフォトレジスト801内のピットを通 してエッチングする。ドライプラズマエッチもまた同様に用いられ得る。 5.ステップ1007 フィルム901を、脱イオン水中ですすぎ、乾燥する 。 6.ステップ1008 フォトレジスト801を、有機溶媒によって洗い流す 。 7.ステップ1009 フィルムを、脱イオン水中ですすぎ、乾燥する。 接触露光(contact exposure)、および上記7つのステップ1003〜1009 を行うことにより、露光および現像によってシリンダ211の表面213上のコ ード化されたパターンがフォトレジスト層801上に転写され、その後、エッチ ングによってフォトレジスト層801からフィルムウェブ901の金属層802 上に転写される。この結果、フィルムウェブ901のアルミニウム層802内に ある反射率の低下した複数の開口部が、標準的なCDプレーヤ等の光学再生装置 によって可読なデジタル記録(digital recording)を表す。 ステップ1010 図11を参照して、薄膜901に標準的な再生装置との互 換性を持たせるために、オプティカルグレード(optical grade)の透明非複屈折 媒体層1101を追加することにより媒体901の厚さを1.0〜1.2mmに まで増大させて、規格CD寸法に基づいて、フィルムウェブ901内においてC Dパターンを識別することが可能である。屈折率整合接着剤1103を用いて、 厚さ1.2mmのポリスチレン1102を可撓性基材上に積層し、その後、マイ クロ波フィールド内で硬化させることが可能である。このステップが終わると、 積層シート構造(sandwich sheet structure)1101、901および1102( 例えば、上から、1.2mmのポリスチレン、2μm0.05μmのアルミニウ ムパターン、50μmのMylar基材)はそれほど可撓性ではなくなり、これ 以降は、剛体のシートとして処理されるべきである。 ステップ1011、1012 複製の最後の手順は、精密水ナイフ(precision water knife)を用いてウェブから個々のディスクを分離する手順である。リソ グラフプロセス中に設けられるアラインメントマークによって、中心穴および外 周カット(Perimeter cuts)に精度が与えられる。ラベルは、フィルムウェブ90 1からの分離の前でも後でも、完成CD上に印刷することができる。フィルムウ ェブ901から分離する前にCD上にラベルを印刷すれば、オフセット印刷等を 用いた自動化効率(automated efficiency)が達成され得る。しかし、シルクスク リーン技術を用いる等、当該産業分野において現在利用されている方法および機 械を用いて、ディスクからウェブ901を分離した後にラベル付けを行うことも 可能である。 本発明のマスタリングおよび複製プロセスは、以下のような従来技術にはなか った多数の重要な利点を提供する。 ・マスタリングプロセスが大幅に簡略化される。必要に応じて小さなエンクロー ジャ(compact enclosure)内でも行うことができ、これよりもずっと高価なクリ ーンルーム設備を用いる必要がない。マスタリングにかかる時間は、従来技術の プロセスでは最低でも4〜5時間であるのに対し、1〜1.5時間(以下)であ る(フォトレジストコーティングおよび点検作業を含む)。 ・ファーザー、マザーおよびスタンパー製造ユニットを作る行程が無くなる。 ・比較的小型であり得る実質的に同じ装置を用いて、マスタリングプロセスかつ 複製プロセスを行うことができる。 ・本発明のシリンダ211によって、連続的に動いている媒体フィルム901を 露光することが可能になる。複製プロセスに従う全てのステップは、媒体フィル ム901を連続的に移動させながら行うことができる。 ・複製プロセスの連続性によって、より低いコストで歩留まりが高められる。シ リンダ211のサイズによっては、本発明のプロセスによって、1枚あたり約5 セント(以下)のコストで、0.1〜0.3秒毎に1枚のCDを製造することが できる。 ・複製の際の接触フォトリソグラフィは、円筒面213上で行われる。これによ り、剛体の平面上における接触フォトリソグラフィに典型的な困難が無くなると ともに、解像度が高められる。 ・本発明を用いることによって達成され得る特徴部解像度(feature resolution) は、250nmあるいはそれ以下であり得る。これは、新たに導入された高密度 記録規格の要件を上回っている。 ・媒体フィルム901上の顕微鏡的特徴は、光学的および化学的手段のみによっ て作られる。表面形態(surface morphology)の機械的な変化は完全に排除され、 これにより、機械的応力による不均一性およびこれに対応する複屈折が無くなる 。 ・本プロセスは180°F未満の温度で行われ、これにより、温度勾配およびこ れに対応する複屈折が無くなる。 ・低減された複屈折率によって、シリンダ211の透明基材として、ポリカーボ ネートプラスチックよりも実質的に安価な材料を使用することが可能になる。 ・改善された解像度および低減された複屈折率によって、エラー率が低くなり、 より高速な再生装置を使用することが可能になる。 ・本発明の複製方法は、新しい光媒体技術分野に導入されているような、多層構 造の製造に適している。 好適な実施形態を特定的に参照しながら本発明を詳細に説明したが、発明の趣 旨および範囲から逸脱することなく、本発明の変更および改変を行うことが可能 であることが理解される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I L,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK, MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR ,TT,UA,UG,US,UZ,VN (72)発明者 チョートフ,ドミトリ エイ. アメリカ合衆国 ジョージア 30062,マ リエッタ,ロッキー スプリングス ドラ イブ 2606

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.光学媒体上のデータ領域をコード化するシステムであって、 (a)規定された回転軸を有する細長い部材であって、外表面上に複数の領域 を有し、各領域は光学的に薄いかまたは光学的に厚いかのいずれかである、細長 い部材と、 (b)該細長い部材内から均一な照射を提供する手段と、 (c)光学的に摂動可能な層を含むフィルムであって、該光学的に摂動可能な 層は照射エネルギーに応答して変更され得る、フィルムと、 (d)該フィルムを該細長い部材の該外表面に直接接触させながら、該規定さ れた回転軸回りに該細長い部材を回転させる手段であって、該フィルムは該細長 い部材の該外表面上の該光学的に薄い領域の各々を介して均一な照射に露光され る、手段と、 (e)該均一な照射に露光された領域において、該フィルムの該光学的に摂動 可能な層を変更する手段と、 を含むシステム。 2.前記細長い部材の前記外表面上の前記複数の領域は、コンパクトディスクの コード化に対応するように配される、請求項1に記載のシステム。 3.前記細長い部材は、前記照射エネルギーに対して透明な材料を含む、請求項 1に記載のシステム。 4.前記細長い部材は、シリンダを含む、請求項1に記載のシステム。 5.前記細長い部材は、中空である、請求項1に記載のシステム。 6.前記均一な照射手段は、紫外光を発する、請求項1に記載のシステム。 7.前記均一な照射手段は、前記細長い部材の前記規定された回転軸に沿って位 置する線形光源を含む、請求項1に記載のシステム。 8.前記フィルムの前記光学的に摂動可能な層は、前記照射エネルギーを反射す る材料を含む、請求項1に記載のシステム。 9.前記変更手段は、前記光学的に摂動可能な層が前記均一な照射に露光された 領域において前記照射エネルギーを反射しないように、該光学的に摂動可能な層 を変更する、請求項8に記載のシステム。 10.光学媒体上のデータ領域をコード化するシステムであって、 (a)規定された回転軸を有する細長い部材であって、外表面上に複数の領域 を有し、各領域は光学的に薄いかまたは光学的に厚いかのいずれかである、細長 い部材と、 (b)該細長い部材内から均一な照射を提供する手段と、 (c)反射層とフォトレジスト層とを含むフィルムと、 (d)該フィルムの該フォトレジスト層を該細長い部材の該外表面に直接接触 させながら、該規定された回転軸回りに該細長い部材を回転させる手段であって 、該フィルムの該フォトレジスト層は該細長い部材の該外表面上の該光学的に薄 い領域の各々を介して均一な照射に露光される、手段と、 (e)該均一な照射に露光された領域において、該フィルムの該フォトレジス ト層を除去する手段と、 (f)該フォトレジスト層の、該除去手段により除去された該領域に隣接する 領域において、該フィルムの該反射層を除去する手段と、 を含むシステム。 11.前記フィルムから前記フォトレジスト層を除去する手段をさらに含む、請 求項10に記載のシステム。 12.光学媒体上のデータ領域をコード化するシステムであって、 (a)規定された回転軸を有する細長い部材であって、外表面上に光学的に厚 い層を有する、細長い部材と、 (b)該細長い部材の該表面にエネルギーを集束する手段と、 (c)エネルギーを該光学的に厚い層の選択された領域に集束するように該エ ネルギー集束手段を制御する手段であって、それにより該集束されたエネルギー が該選択された領域において該光学的に厚い層を溶融し、それにより該細長い部 材の該外表面上に光学的に薄い領域を形成する、手段と、 (d)該細長い部材内から均一な照射を提供する手段と、 (e)光学的に摂動可能な層を含むフィルムであって、該光学的に摂動可能な 層は照射エネルギーに応答して変更され得る、フィルムと、 (f)該フィルムを該細長い部材の該外表面に直接接触させながら、該規定さ れた回転軸回りに該細長い部材を回転させる手段であって、該フィルムは該細長 い部材の該外表面上の該光学的に薄い領域の各々を介して均一な照射に露光され る、手段と、 (g)該均一な照射に露光された領域において、該フィルムの該光学的に摂動 可能な層を変更する手段と、 を含むシステム。 13.前記集束されたエネルギーは、レーザビームを含む、請求項12に記載の システム。 14.前記制御手段は、前記集束されたエネルギーが、前記選択された領域にお いて前記光学的に厚い層を溶除することなく溶融するように、前記エネルギー集 束手段を制御する、請求項12に記載のシステム。 15.前記光学的に厚い層の融点は、前記細長い部材の融点よりも低い、請求項 14に記載のシステム。 16.前記制御手段は、前記集束されたエネルギーが、前記選択された領域にお いて前記光学的に厚い層を溶除をともない溶融するように、前記エネルギー集束 手段を制御する、請求項12に記載のシステム。 17.前記光学的に厚い層は、前記細長い部材とは異なるエネルギー吸収帯を有 する、請求項16に記載のシステム。 18.前記制御手段は、 (i)コンパクトディスク上に見い出される複数のデータビットを順に格納す る手段であって、該複数のデータビットの各々は、該コンパクトディスク上に固 有の角度位置を有する、手段と、 (ii)該複数のデータビットの各々に対して等価な、関連デカルト座標位置 を格納する手段と、 (iii)選択されたディジタル値を有する該複数のデータビットの各々に対 するデカルト座標位置において、前記集束されたエネルギーが前記光学的に厚い 層に当たるように、前記エネルギー集束手段を制御する手段であって、それによ り前記細長い部材の前記外表面上に光学的に薄い領域を形成する、手段と、 を含む、請求項12に記載のシステム。 19.前記フィルムは、反射層と外フォトレジスト層とを含み、該変更手段は、 (i)前記均一な照射に露光された領域において、該フィルムの該フォトレジ スト層を除去する手段と、 (ii)該フォトレジスト層の、該除去手段により除去された該領域に隣接す る領域において、該フィルムの該反射層を除去する手段と、 を含む、請求項12に記載のシステム。 20.前記変更手段は、 (iii)前記フォトレジスト層を前記フィルムから除去する手段、 をさらに含む、請求項19に記載のシステム。 21.光学媒体のデータ領域をコード化する方法であって、 (a)細長い部材の外表面上の複数の領域であって、それぞれが光学的に薄い か光学的に厚いかのいずれかであって、該細長い部材は規定された回転軸を有す る、複数の領域を形成する工程と、 (b)該細長い部材内から均一な照射を提供する工程と、 (c)フィルムを光学的に摂動可能な層でコーティングする工程と、 (d)該フィルムを該細長い部材の該外表面に直接接触させながら、該規定さ れた回転軸回りに該細長い部材を回転させ、それによって該フィルムは該細長い 部材の該外表面上の該光学的に薄い領域の各々を介して均一な照射に露光される 、工程と、 (e)該均一な照射に露光された領域において、該フィルムの該光学的に摂動 可能な層を変更する工程と、 を含む方法。 22.光学媒体のデータ領域をコード化する方法であって、 (a)細長い部材の外表面上の複数の領域であって、それぞれが光学的に薄い か光学的に厚いかのいずれかであって、該細長い部材は規定された回転軸を有す る、複数の領域を形成する工程と、 (b)該細長い部材内から均一な照射を提供する工程と、 (c)フィルムを反射層とフォトレジスト層とでコーティングする工程と、 (d)該フィルムの該フォトレジスト層を該細長い部材の該外表面に直接接触 させながら、該規定された回転軸回りに該細長い部材を回転させ、該フィルムの 該フォトレジスト層は該細長い部材の該外表面上の該光学的に薄い領域の各々を 介して均一な照射に露光される、工程と、 (e)該均一な照射に露光された領域において、該フィルムの該フォトレジス ト層を除去する工程と、 (f)該フォトレジスト層の、該除去手段により除去された該領域に隣接する 領域において、該フィルムの該反射層を除去する工程と、 を含む方法。 23.光学媒体のデータ領域をコード化する方法であって、 (a)細長い部材の外表面を光学的に厚い層でコーティングし、該細長い部材 は規定された回転軸を有する、工程と、 (b)エネルギーを該光学的に厚い層の選択された領域に集束し、それにより 該集束されたエネルギーが該選択された領域において該光学的に厚い層を溶融し 、それにより該細長い部材の該外表面上に光学的に薄い領域を形成する、工程と 、 (c)該細長い部材内から均一な照射を提供する工程と、 (d)フィルムを光学的に摂動可能な層でコーティングする工程と、 (e)該フィルムを該細長い部材の該外表面に直接接触させながら、該規定さ れた回転軸回りに該細長い部材を回転させ、該フィルムは該細長い部材の該外表 面上の該光学的に薄い領域の各々を介して均一な照射に露光される、工程と、 (f)該均一な照射に露光された領域において、該フィルムの該光学的に摂動 可能な層を変更する工程と、 を含む方法。
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