JPH11512786A - ゴム製品の補強用のワイヤコード - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ゴム製品、特に自動車及びトラック用の空気タイヤを補強するためのワイヤコードにおいて、連続する中心フィラメント３のまわりに配列された少なくとも３つのワイヤフィラメント２から成る前記ワイヤコード。中心フィラメント３は、補強されるべきゴム製品が加硫される時に縦方向に収縮可能な非金属材料から成り、この材料は特に伸長されてないナイロンである。補強されるべきゴム製品５の加硫中に中心フィラメント３は短縮されかつその直径は増大される。

Description

【発明の詳細な説明】 ゴム製品の補強用のワイヤコード 本発明は、連続する中心フィラメントのまわりに配列された少なくとも３つの ワイヤフィラメントから成る、ゴム製品、特空気タイヤの補強用のワイヤコード に関する。 この種のワイヤコードの公知のものは、特に例えば通常の自動車及びトラック 用タイヤのような空気タイヤの補強のために使用される。タイヤへのそのような ワイヤコードインサートはベルトコードインサートとして公知である。 ヴァン及びトラックに使用される場合、ワイヤコードインサート又はワイヤコ ード補強物は自動車タイヤに使用される場合よりも高い応力を受けるが、これは トラックタイヤを補強するワイヤコードへの要求が高い理由である。従って自動 車タイヤに使用されるような簡単な形態を有する安価なスチールコードがヴァン 及びトラックに使用される場合にタイヤベルト縁分離が容易に起こる。 そのように簡単な形態のスチールコードは、例えば中心のまわりに配列される 直径０．３５ｍｍの６つのワイヤフィラメントと同様に、０．２ｍｍの直径を有 する３つのワイヤフィラメントから成る中心を有する。そのようなスチールコー ドの製造は簡単でかつ一般に製造工程に問題はない。しかし既に述べたように、 その堅さのためにベルト縁の分離がタイヤで容易に起こり、タイヤを使用不可能 にする。 分離するに至るベルト縁のこの危険は、多数のワイヤを有する高価に製造され るコードの場合には著しく減少される（例えばスチールコードは、この構造物を 取り囲む直径０．１５ｍｍのスパイラルワイヤと同様に、各々直径０．２２ｍｍ を有する更に１５のワイヤフィラメントのケーシングプライによって巻き付けら れた３つのワイヤフィラメントから成る中心コードを有する）。しかし、互いに 個々のワイヤの幾何学的選定によっては、多数のワイヤを有するワイヤコードの 場合に内方のキャビティが自動的に形成され、ゴム埋設のために中にゴムが入り 込むことが不可能となり、その結果埋設ゴムの接着結合は外側ケーシングでだけ 行われる。外側ケーシングの頂部では引き込まれた空気中に含まれる湿気が内方 からワイヤコードに腐食作用を及ぼし、これはワイヤの早期老化及び早期破壊に 繋がる。 ドイツ国特許出願明細書第２６４８５２４号から、ゴム製品を補強するための 媒体としてのワイヤコードが公知であり、ワイヤコードは非金属圧縮材料から成 る連続する中心のまわりに撚られた３つ又はそれ以上の中実金属ワイヤから形成 されている。特にこの非金属圧縮材料は加硫可能なゴム、熱可塑性樹脂、芳香族 ポリアミド又は天然繊維又は人工繊維材料である。ワイヤコードの中心にそのよ うな非金属圧縮材料を使用することによって、さもなければワイヤコード中に存 在する空間が実際に又は実質的に充填され、結果として横圧縮力の影響の下での 個々の外方ワイヤの変位が避けられる。この方法でワイヤコード中の空間の充填 は、スチールコードがタイヤ中に装入されその結果スチールワイヤが互いに近づ くことができかつ中心ワイヤを僅かに変形させることができる場合に、中心のま わりに配列されたスチールワイヤに対して降伏する中心エラストマー又は中心織 物によって達成される。 ドイツ国特許明細書第８１６３０８号からゴム製品のための補強インサートが 公知であり、補強インサートのワイヤコードは内部に個々のワイヤが互いに離れ て位置決めされており、加硫されてない又は予備加硫された中心ゴムを有する。 これらの中心ゴムのためにコードは高い弾性歪み可能であり、その結果ワイヤコ ードは高いフレキシビリテーを有する。 ドイツ国特許出願公開公報第２２０９７５２号から、例えば中心エラストマー のまわりに配列されるワイヤフィラメントから成るコンベヤベルトの補強インサ ートとしてのワイヤコードが公知である。 本発明は、上記従来技術に比して、一方では形状が簡単でかつ製造コストが安 く、他方ではワイヤコードの内部の腐食の危険が減少されて、補強されるべきゴ ム製品中のワイヤコード縁の良好な係留及び位置決めを保証する上記の種類のワ イヤコードを提供することを課題とする。 この課題を達成するために、本発明によればゴム製品を補強するための、特に 空気タイヤのためのワイヤコードが提案され、ワイヤコードは連続する中心フィ ラメントのまわりに配列された少なくとも３つのワイヤフィラメントから成り、 中心フィラメントは補強されるべきゴム製品が加硫される時に縦方向に収縮可能 な非金属材料から成る。本発明により構成されるそのようなワイヤコードの加硫 において、ワイヤコードの中心を形成する中心フィラメントの縦方向の収縮が起 こり、即ち中心フィラメントはワイヤコードの縦方向に収縮し、その結果中心フ ィラメントはワイヤコードの切口の領域から短縮され、その結果中心フィラメン トを取り囲むワイヤフィラメントによって特定されたキャビティが形成される。 加硫中ゴム混合物はキャビティ中に入り込むことができ、その結果補強されるべ きゴム製品中のワイヤコードの特別に良好な係留が保証される。 本発明の１つの有利な観点において、中心フィラメントは伸長されてない脂肪 族ポリアミド、好ましくは伸長されてないナイロンから成る。伸長されてない脂 肪族ポリアミド、好ましくは伸長されてないナイロンは、補強されるべきゴム製 品が加硫される場合に、縦方向のみならず同時に収縮過程中に脂肪族ポリアミド の直径も増加するという利点を有する。直径の増加のために、ポリアミドは中心 フィラメントを取り囲むワイヤフィラメントの間に存在するキャビティ中に入り 込みかつ実際にキャビティを充填する。中心フィラメントとして伸長されてない 脂肪族ポリアミド、好ましくは伸長されてないナイロンの使用の場合に、本発明 は、一方ではゴム混合物が収縮した中心ポリアミドによってつくられるワイヤコ ードの端のキャビティに入り込むことができるために補強されるべきゴム製品中 におけるワイヤコード切口を良好に位置決めする利点を提供し、他方では本発明 によるワイヤコードは中心ポリアミドの長さの短縮された分がワイヤコードの内 部に引き込まれ、そこで個々のワイヤフィラメントの間のキャビティを充填しそ の結果ワイヤコードの内部から個々のワイヤの腐食が防止されるという利点を提 供する。 本発明を図示の実施例に基づいて説明する。 図１は、ゴム製品を補強するための本発明によるワイヤコードによる補強され るべきゴム製品の加硫の前のワイヤコードの横断面を示す図式図である。 図２は図１に示すゴム製品を補強するための本発明によるワイヤコードにより 補強されるゴム製品の加硫後のワイヤコードの横断面を示す図式図である。 図３は、図２に示すワイヤコードの図２のＩＩＩ−ＩＩＩ線に沿う断面を示す 図式図であって、補強されるべきゴム製品の加硫後の状態を示す図である。 図１を参照すれば図１にはゴム製品、特に空気タイヤを補強するための本発明 によるワイヤコード１の図式的横断面図が表されている。本発明によるワイヤコ ード１は中心部に中心フィラメント３を有し、中心フィラメント３のまわりに６ つのワイヤフィラメント２が平行に対称的に配列されている。図示の例ではワイ ヤフィラメント２及び中心フィラメント３はそれぞれ等しい直径を有する。 ワイヤフィラメント２及び中心フィラメント３の直径は補強されるべきタイヤ の型式及びサイズに依存して、ワイヤコードの意図される将来の使用を見込んで 選択される。図示された実施例において、例えば０．３５ｍｍの直径が採用され るが、他の直径も可能である。勿論ワイヤフィラメント２及び中心フィラメント ３が直径を異にするようなワイヤコードが採用され得る。 ワイヤフィラメント２及び中心フィラメント３の円形横断面のために、キャビ ティ４が各々２つの隣接したワイヤフィラメント２と中心フィラメント３との間 に形成されている。 本発明によれば、図１に示されたワイヤコード１の中心フィラメント３は非金 属材料から成り、中心フィラメント３は補強されるべきゴム製品の加硫中に縦方 向に収縮可能である。この特性は補強されるべきゴム製品、特に空気タイヤ中に ワイヤコードの強固な係留を行うために使用される。この目的のために、−ベル トプライのカレンダ仕上げ及び切断後の−図示のようなワイヤコード１は続いて 加硫されるいわゆるタイヤブランク中に装入される。加硫中中心フィラメント３ は、縦方向に収縮し即ちワイヤコード１の縦軸線の方向にセンタライン（図３中 ）に向かって短縮され、その結果として加硫混合物が内部に入り込み得るキャビ ティがワイヤコード１の切口６に形成され、こうしてワイヤコードの絡み合い、 特に補強されるべきゴム製品とワイヤフィラメント２の絡み合いが行われる。 図２には図１に示す本発明によるワイヤコード１の加硫後の横断面図が表され ている。その収縮のために中心フィラメント３はその長さを変えるだけでなく、 同時にその直径を増大させる。これは、上記のようなキャビティ４に対して、実 際にはキャビティ４を充填する中心フィラメント３の膨張をもたらす。図２から 明らかなように、ワイヤコード１の円形配列によって取り囲まれた空間は特に中 心フィラメント３の非金属材料によって完全に充填され、その結果実質的にキャ ビティは存在しなくなる。 本発明によって、ワイヤフィラメントによって取り囲まれた実質的に完全に充 填された空間のために、湿気の取り込みによるワイヤコード１の腐食の危険は大 幅に減少される。 図３を参照すれば、図３には図２に示すような本発明によるワイヤコードの加 硫後のＩＩＩ−ＩＩＩ線に沿う断面が図式的に表されている。図３は本発明によ るワイヤコード１が補強されるべきゴム製品５中に埋設された状態を示す。見通 しを良くするために図２中には表されていないゴム製品５は図３中に断面で表さ れている。補強されるべきゴム製品５はこの場合空気タイヤである。 図３から明らかなように、ワイヤフィラメント２によって取り囲まれた中心フ ィラメント３は加硫中収縮し、その結果切口６の領域でワイヤフィラメント２の 間にキャビティが形成され、キャビティには補強されるべきゴム製品５のゴム混 合物が入り込む。 本発明によるこの入り込みのために、ワイヤコードの絡み合い、特にワイヤフ ィラメント３と補強されるべきゴム製品５の絡み合いが切口６の領域で達成され 、その結果補強されるべきゴム製品５中のワイヤコード１の特別に良好な埋設と 接続が存在する。 本発明によれば、補強されるべきゴム製品５中のワイヤコード縁６の良好な位 置決めが同時に腐食の危険を減少させつつ達成される。 中心フィラメント３ａ用の非金属材料として伸長されてない脂肪族ポリアミド 、特に伸長されてないナイロンが特別に好適である。伸長されてないナイロンか ら成るそのような中心フィラメント３は、加硫中殆ど５〜７％収縮し、その結果 十分大きなキャビティがワイヤコード１の切口６に形成され、そのキャビティに ゴム混合物が入り込み、そこではワイヤフィラメント２の表面の真鍮との強固な 接合が生じ得る。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＵＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＢＲ，ＢＹ ，ＣＡ，ＣＮ，ＣＺ，ＪＰ，ＫＲ，ＲＵ，ＳＫ，ＴＲ， ＵＳ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 連続する中心フィラメント（３）のまわりに配列された少なくとも３つの ワイヤフィラメント（２）から成る、ゴム製品、特に空気タイヤの補強用のワイ ヤコードにおいて、 前記中心フィラメント（３）は補強されるべき前記ゴム製品（５）が加硫され る時に縦方向に収縮可能な非金属材料から成ることを特徴とする前記ワイヤコー ド。 ２． ワイヤフィラメント（３）が伸長されてない脂肪族ポリアミドから成る、 請求項１に記載のワイヤコード。 ３． 前記中心フィラメント（３）が伸長されてないナイロンから成る、請求項 ２に記載のワイヤコード。 ４． ワイヤフィラメント（２）が等しい直径を有する、請求項１から３までの うちのいずれか一項記載のワイヤコード。 ５． ワイヤフィラメント（２）と中心フィラメント（３）とが補強されるべき ゴム製品（５）の加硫前に等しい直径を有する、請求項１から４までのうちのい ずれか一項記載のワイヤコード。