JPH11508586A - 治療薬および自己免疫疾患 - Google Patents

治療薬および自己免疫疾患

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JPH11508586A JP9504927A JP50492797A JPH11508586A JP H11508586 A JPH11508586 A JP H11508586A JP 9504927 A JP9504927 A JP 9504927A JP 50492797 A JP50492797 A JP 50492797A JP H11508586 A JPH11508586 A JP H11508586A
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Abstract

(57)【要約】 (i)CtxもしくはEtx、またはCtxおよびEtxのBサブユニット以外の、GM−1結合活性を有する薬剤;または、(ii)GM−1結合活性を有さないが、細胞内情報伝達が媒介されるGM−1に影響を及ぼす薬剤の、自己免疫疾患の治療または予防における薬剤としての使用が開示される。これらの物質はまたT細胞白血病の治療、移植片拒絶またはGVHDの予防、あるいは哺乳動物を予防接種するための予防接種法においても用いられ得る。

Description

【発明の詳細な説明】 治療薬および自己免疫疾患 本発明は、哺乳動物、特にヒトの自己免疫疾患の治療に用いられる治療薬に関 する。本発明はまた、いわゆる「ワクチンキャリアー」としてのT細胞由来のヒ ト白血病の治療に有用な治療薬、及びヒト移植拒否反応および移植片対宿主疾患 (GVHD)の予防に用いられる薬剤に関する。 「ザ ジャーナル オブ イムノロジー」1995年第154巻第1032〜 1040頁(The Jouranal of Immunology,1995,154; 1032-1040)、チャール ズオー. エルスンらによる「コレラ毒素およびそのBサブユニットによる粘膜 T細胞の形態学的及び機能的変質」(″Morphologic and Functional Alteratio ns of Mucosal T Cells by Cholera Toxin and its B subunit″by Charles O. Elson et al.)と題された論文において、コレラ毒素(Ctx)およびCtxB サブユニットが、CD8及びCD4T細胞を阻害することが開示されている。 また、「ザ ジャーナル オブ イムノロジー」1995年第154巻第36 11〜3617頁(The Jouranal of Immunology,1995,154; 3611-3617)、ビ ー.ヤンケレビッチらによる「新規な免疫抑制薬を用いた治療による急性移植片 対宿主疾患の予防」(″Prevention of Acute Graft-Versus-Host Disease by T reatment with a Novel Immunosuppressant″by B.Yankelevich et al.)と題 された論文が参考文献として挙げられる。同文献は、CtxBが、骨髄移植にお いて急性移植片対宿主疾患(GVHD)の予防薬となることを示している。 WO 95/10301には、特定の寛容原に結合した粘膜結合分子を含有す る免疫寛容誘導薬が開示されている。 本明細書においては、「Ctx」はコレラ毒素を表わし、「CtxB」はコレ ラ毒素のBサブユニットを表す。これらは、時々他の文献において、それぞれ「 C T」または「Ct」、および「CTB」または「CtB」と表されているものと 同一である。本明細書では、「Etx」は大腸菌の非耐熱性腸管毒を意味し、「 EtxB」はEtxのBサブユニットを意味する。これらは、時々他の文献にお いて、それぞれ「LT」または「Lt」、「LTB」または「LtB」と表され ているものと同一である。 本発明のあらゆる見地の根拠は、EtxB(大腸菌の非耐熱性腸管毒の純粋な Bサブユニット)が哺乳動物細胞表面で発見されたGM−1ガングリオシド受容 体に結合すること、およびこの結合は、CD8+ T細胞の特異的消耗、および連 動するB細胞活性化を含む、リンパ球個体数への特異な影響を誘発することの発 見にある。GM−1結合活性のない突然変異EtxBタンパク質が用いられた場 合、こうした影響は見られない。自己免疫疾患 自己免疫は、身体が自己抗原に対して免疫反応を引き起こすメカニズムを表す のに用いられる用語である。 本発明の第1の態様によれば、自己免疫疾患の治療または予防薬として使用す るための、 (i)CtxもしくはEtx、またはCtxおよびEtxのBサブユニット以外 の、GM−1結合活性を有する薬剤、または (ii)GM−1結合活性を有さないが、細胞内情報伝達が媒介されるGM−1 に影響を及ぼす薬剤、 が提供される。 本発明による薬剤は、CD8+ T細胞におけるアポプトシスの誘発、CD4+ 細胞の増強活性化及びB細胞の多クローン性活性化をもたらすリンパ球個体数を 調節することが分かっている。こうした現象は、サイトカインに連動したTh2 の誘発に対する免疫反応をシフトするようである。自己または交差反応抗原に対 する前記反応は、ある種の自己免疫疾患に対する間接防護であると理解される。 本発明の前記第1の態様の第1の実施形態では、薬剤は進行中の自己免疫疾患 の治療法に使用される。この実施態様においては、薬剤は患者に、自己または交 差反応抗原の補助投与とともにまたは補助投与なしに、投与される。本発明の第 一の態様の前記実施形態による薬剤の投与により、自己抗原に対する免疫反応の 性質が調節されて疾病による炎症活性化が除去され、自己免疫疾患から防護され る。 本発明の第一の態様の第2の実施形態においては、薬剤は自己免疫疾患に対す る被検哺乳動物のワクチン接種法に使用され、その際、前記疾病に関連する自己 又は交差反応抗原決定基(または異なる自己又は交差抗原決定基の組合せ)が補 助投与される。かかる方法によって、自己抗原または交差抗原に対する被検者の 免疫反応が切り変えられて病原の活性化が取り除かれ、ゆえに、将来的な自己抗 原に対する自己免疫反応から防護される。 本発明の当該第1の態様においては、治療薬および自己または交差反応決定基 が被験者に補助投与される、またはされてもよい。これによって、治療薬および 抗原決定基の各々の投与部位および投与時間は、必要とされる免疫系調節によっ て決定されることを意味する。それゆえ、治療薬および抗原決定基が同時に同じ 部位に投与されてもよいが、治療薬が抗原決定基と異なる時間に異なる部位に投 与されると有利な場合もあるかも知れない。 治療薬および抗原決定基は単一回用量で満足な場合もあるが、本発明の当該態 様の範囲内での複数回用量も考慮される。 本発明の第1の態様の当該第2の実施形態においては、異なる成分を別々に投 与することが可能なので、治療薬および抗原決定基を結合しないで別々に投与す ることが好ましいが、治療薬と抗原決定基を、例えば共有結合で結合して、単一 の活性薬剤を形成してもよい。 本発明の当該態様により治療される特定の自己免疫疾患は、リウマチ様動脈炎 、多発性硬化症、糖尿病のごとき細胞媒介性免疫が病理に関連する自己免疫疾患 である。 加えて、本発明の当該第1の態様のもとでは、自己免疫疾患の予防薬として使 用する医薬品の製造のために、Ctx、EtxまたはCtxもしくはEtxのB サブユニットの使用が提供される。 また、 (i)GM−1結合活性を有する薬剤、または (ii)GM−1結合活性を有さないが、細胞内情報伝達が媒介されるGM−1 に影響を及ぼす薬剤、 および医薬的に許容される担体またはそれらのための希釈剤からなるヒト自己免 疫疾患の治療のための医薬組成物が提供される。 本発明の当該態様の医薬組成物は、例えば鼻内噴霧のごとき粘膜経路によって 投与するよう形成するか、または非経口的に、例えば静脈内、筋肉内または皮下 経路によって投与するため、組成物を注射可能な形態に形成してもよい。 医薬組成物は、適当な自己または交差反応抗原とともに形成されてもよい。あ るいは、それぞれ治療薬および抗原決定基のための別々の組成物を含むキットと して提供されてもよい。 本発明の当該態様で使用してもよい特定の治療薬としては、EtxBおよびC txBまたはGM−1結合活性を保持したそれらの突然変異体がある。 この種の困難な治療ではある程度の毒性は認容され得るが、本発明の第1の態 様において使用される薬剤は、実質的に非毒性であることが好ましい。 本発明の当該第1の態様は、哺乳動物の自己免疫疾患の治療に用いるための、 GM−1結合活性を有するすべての薬剤の使用を包含するばかりでなく、細胞内 情報伝達を媒介するGM−1に影響を及ぼす薬剤、すなわち擬態GM−1結合薬 の使用をも包含するものである。 それゆえ、本発明の当該第1の態様は、ヒト自己免疫疾患の治療において、治 療薬としてEtxBタンパク質の使用を制限するものではない。しかし、そのよ うな治療のためのEtxBタンパク質(5つの同一サブユニットの5量体である )の使 用は、本発明の好ましい実施形態を表している。本発明の当該好ましい態様もま た、野生型EtxBに加えて、GM−1結合活性を有するEtxBの突然変異体 ばかりでなく、コレラ毒素Bサブユニット(CtxB)およびGM−1結合活性 を有するそれらの突然変異体のごとき他の同等のタンパク質をも包含するもので ある。 本発明の第1の態様による自己免疫疾患の治療のための他の治療薬としては、 GM−1に結合するヒト化モノクロナール抗体がある。そのような薬剤の同定法 および製法は当業界において周知である。T−リンパ球白血病 本発明の第2の態様によれば、CD8 T細胞由来のヒト白血病のごときT細 胞由来のヒト白血病の治療に用いるための、 (i)CtxもしくはEtx、またはCtxおよびEtxのBサブユニット以外 の、GM−1結合活性を有する薬剤、または (ii)GM−1結合活性を有さないが、細胞内情報伝達が媒介されるGM−1 に影響を及ぼす薬剤、 が提供される。 この種の困難な治療ではある程度の毒性は認容され得るが、本発明の第2の態 様において使用される薬剤は、実質的に非毒性であることが好ましい。 加えて、本発明の当該第2の態様においては、CD8 T細胞由来のヒト白血 病のごときT細胞由来のヒト白血病の治療用医薬品の製造のための、Ctxもし くはEtx、またはCtxおよびEtxのBサブユニットの使用が提供される。 また、 (i)GM−1結合活性を有する薬剤、または (ii)GM−1結合活性を有さないが、細胞内情報伝達が媒介されるGM−1 に影響を及ぼす薬剤、 および医薬的に許容される担体またはそれらのための希釈剤を含有するT細胞由 来のヒト白血病の治療のための医薬組成物が提供される。 本発明の当該態様の医薬組成物は、例えば鼻内噴霧のごとき粘膜経路によって 投与するよう形成するか、または非経口的に、例えば静脈内、筋肉内または皮下 経路によって投与するため、組成物を注射可能な形態に形成してもよい。 本発明の当該第2の態様は、T細胞由来のヒト白血病の治療に用いるための、 GM−1結合活性を有するすべての薬剤の使用を包含するばかりでなく、細胞内 情報伝達を媒介するGM−1に影響を及ぼす薬剤、すなわち擬態GM−1結合薬 の使用をも包含するものである。 それゆえ、本発明の当該第2の態様は、ヒトT細胞白血病の治療において、治 療薬としてEtxBタンパク質の使用を制限するものではない。しかし、そのよ うな治療のためのEtxBタンパク質の使用は、本発明の好ましい実施形態を表 している。本発明の当該好ましい態様もまた、野生型EtxBに加えて、GM− 1結合活性を有するEtxBの突然変異体ばかりでなく、コレラ毒素Bサブユニ ット(CtxB)およびGM−1結合活性を有するそれらの突然変異体のごとき 他の同等のタンパク質をも包含するものである。 本発明の当該態様によるこれらの疾患の治療のための他の治療薬としては、G M−1に結合するヒト化モノクロナール抗体がある。そのような薬剤の同定法お よび製法は当業界において周知である。移植片拒絶およびGVHD 本発明の第3の態様によると、移植片拒絶またはGVHDの予防/治療を目的 とする治療薬として使用される、 (i) CtxもしくはEtx、またはCtxおよびEtxのBサブユニット以 外の、GM−1結合活性を有する薬剤;または、 (ii)GM−1結合活性を有さないが、細胞内情報伝達が媒介されるGM−1 に影響を及ぼす薬剤が提供される。 さらに、本発明のこの第3の態様においては、移植片拒絶またはGVHDの予 防のための薬剤の製造のための、CtxもしくはEtx、またはCtxもしくは Et xのBサブユニットの使用が提供される。 本発明のこの態様の好ましい実施態様においては、前記治療薬は、同種あるい は異種の実質臓器移植片拒絶の予防に用いられ得る。これらはまた、例えば、骨 髄移植手技の間のような、急性移植片体宿主疾患の防止においても用いられ得る 。 本発明のこの態様における、患者が移植前に処置される実施態様においては、 前記治療薬は、同種抗原または異種抗原と同時投与される。移植後に患者が処置 される実施態様においては、前記治療薬は、抗原の同時投与をすることなく用い られる。 本発明のこの態様における、前記治療薬およびアロまたはキセノ抗原決定基が 患者に同時投与される実施態様においては、前記治療薬および抗原決定基のそれ ぞれの投与の部位および時間は、免疫系の必要な調節が達成されるようにするつ もりである。これゆえ、前記治療薬および抗原決定基が、時期および部位を同じ にして投与され得る一方で、前記治療薬を抗原決定基と異なる時間及び異なる部 位に投与することにおいて、有利な点もあり得る。さらにまた、前記治療薬およ び抗原決定基を、単一の活性な薬剤を形成するために、共有結合させることも可 能である。しかしながら、前記治療薬と抗原決定基がこのように結合していない 状態での別々の投与が、異なる分量割合での別々の投与が可能となるゆえに好ま しい。 前記治療薬および抗原決定基の単回投与が好ましいものであるが、複数回投与 も本発明の範疇に含まれると考えられる。 前記治療薬がGVHDの予防において用いられる、本発明のこの態様において 、前記治療薬は、通常、例えば、骨髄細胞のような、移植される細胞に直接適用 されるであろう。 毒性のある度合いは、この種の過酷な治療において許容されているものではあ るものの、前記治療薬は、好ましくは実質的に非毒性である。 また、 (i)GM−1結合活性を有する薬剤;または、 (ii)GM−1結合活性を有さないが、細胞内情報伝達が媒介されるGM−1 に 影響を及ぼす薬剤; およびこれらのための薬理学的に許容される担体または希釈剤からなる移植片拒 絶の治療に用いられる医薬組成物もまた提供される。 本発明のこの態様の医薬組成物は、例えば鼻内噴霧のごとき粘膜経路によって 投与するよう形成するか、または非経口的に、例えば静脈内、筋肉内または皮下 経路によって投与するため、組成物を注射可能な形態に形成してもよい。 前記医薬組成物は、適当なアロまたはキセノ抗原決定基と共に処方され得る。 或いは又、前記治療薬および抗原決定基のそれぞれのための別々の組成物からな るキットが提供され得る。 本発明のこの第3の態様は、移植片拒絶またはGVHDの予防/治療に用いる ための、GM−1結合活性を有するすべての薬剤の使用を包含するばかりでなく 、細胞内情報伝達を媒介するGM−1に影響を及ぼす薬剤、すなわち擬態GM− 1結合薬の使用をも包含するものである。 これゆえ、本発明のこの第3の態様は、移植片拒絶の治療における治療薬とし てのEtxBタンパク質の使用に限定されるものではない。しかしながら、Et xBタンパク質(これは5つの同一のサブユニットの5量体である。)のこのよ うな治療のための使用は、本発明の好ましい実施態様である。野生型EtxB以 外に、本発明のこの好ましい態様は、GM−1結合能を有するEtxB変異体、 並びに、例えば、コレラ毒素Bサブユニット(CtxB)およびGM−1結合能 を有するその変異体、のようなその他の同等なタンパク質に対しても拡大される 。 本発明に基づく移植片拒絶の治療のための他の治療薬としては、GM−1に結 合するヒト化モノクロナール抗体がある。そのような薬剤の同定法および製法は 当業界において周知である。ワクチン接種 CtxBおよびEtxBはいわゆる「ワクチンキャリアー」としてすでに提唱 されている。この効果の根源はその一部において、EXtBがGM−1レセプタ ーに 結合することによってリンパ球個体数を調節することができる能力を有する(上 述したように)ことである、ということが今回発見された。 それゆえ、本発明の第4の態様によると、被検哺乳動物へのワクチン接種に使 用される、 (i)CtxもしくはEtx、またはCtxおよびEtxのBサブユニット以外 の、GM−1結合活性を有する薬剤;または、 (ii)GM−1結合活性を有さないが、細胞内情報伝達が媒介されるGM−1 に影響を及ぼす薬剤; が提供される。 この薬剤は、非関連外来抗原決定基と共に供給された際に免疫応答を調節でき るものである。非経口的にこの薬剤が供給される場合、このような免疫修飾は、 特定の望まれる方向において「指向された(directed)」免疫応答によるものであ る。この薬剤が非関連抗原と共に粘膜的に供給された場合、いわゆる「粘膜アジ ュバント」として、この薬剤は前記非関連抗原に対する粘膜免疫応答を容易なも のとすることができる。前記抗原および薬剤は、別々の分量割合として同時に供 給されることができ、あるいはまた、例えば、共有結合によって、1つに結合さ れ得る。 前記薬剤は、好ましくは非毒性である。くわえて、この薬剤が胃腸粘膜を通じ て粘膜的に供給される場合、胃腸管を通じて透過する間安定に留まるようにすべ きであり、例えば、タンパク質分解に対して耐性がある、酸pHで安定である、 胆汁の洗浄性効果に対して耐性があるものとすべきである。 さらにまた、 (i)GM−1結合活性を有する薬剤;または、 (ii)GM−1結合活性を有さないが、細胞内情報伝達が媒介されるGM−1 に影響を及ぼす薬剤; および医薬的に許容される担体またはそれらのための希釈剤からなる被検哺乳動 物へのワクチン接種に使用される医薬組成物もまた提供される。 本発明のこの態様の医薬組成物は、例えば鼻内噴霧のごとき粘膜経路によって 投与するよう形成するか、または非経口的に、例えば静脈内、筋肉内または皮下 経路によって投与するため、組成物を注射可能な形態に形成してもよい。 前記医薬組成物は、適当なアロまたはキセノ抗原決定基と共に処方され得る。 或いは又、前記治療剤および抗原決定基のそれぞれのための別々の組成物からな るキットが提供され得る。 本発明のこの第4の態様は、免疫修飾剤としての、GM−1結合活性を有する すべての薬剤の使用を包含するばかりでなく、細胞内情報伝達を媒介するGM− 1に影響を及ぼす薬剤、すなわち擬態GM−1結合薬の使用をも包含するもので ある。 これゆえ、本発明のこの第4の態様は、免疫修飾剤としてのEtxBタンパク 質の使用を制限するものではない。しかし、そのような治療のためのEtxBタ ンパク質(5つの同一サブユニットの5量体である)の使用は、本発明の好まし い実施形態を表している。本発明の当該好ましい態様もまた、野生型EtxBに 加えて、GM−1結合活性を有するEtxBの突然変異体ばかりでなく、コレラ 毒素Bサブユニット(CtxB)およびGM−1結合活性を有するそれらの突然 変異体のごとき他の同等のタンパク質をも包含するものである。 本発明に基づく免疫修飾剤のための他の治療薬としては、GM−1に結合する ヒト化モノクロナール抗体がある。そのような薬剤の同定法および製法は当業界 において周知である。 本発明の治療剤がタンパク質、例えば、EtxBサブユニットまたはCtxB サブユニット、である場合、本発明の全ての態様において用いるために、これら は、次のような方法、すなわち、前記タンパク質の遺伝子、または前記タンパク 質が形成される特定のペプチド鎖(または鎖群)をコードする遺伝子が、適当な ベクター中へと挿入され、そしてこれが適当な宿主へと形質移入されるという方 法によって生産されることができる。例えば、ExtBアセンブルからのポリペ プチド鎖をコードする遺伝子は、例えば、プラスミドpMMB6Bへと挿入され 、そして次いで、 例えば、ビブリオ種60(Vibrio sp.60)のような宿主細胞へと形質移入す るために用いられる。そして該タンパク質は、続いて公知の方法において純化さ れ単離される。活性な変異EtxBタンパク質を発現する変異遺伝子は、次に、 野生型遺伝子から公知の方法によって生産されうる。 上述したように、特別に設計されたヒト化モノクローナル抗体のような、GM −1結合活性を有する薬剤は、当分野において公知の方法によって、上記したと ころにほぼ沿って、設計されそして製造されることができる。 本発明の全ての態様において、GM−1結合活性を有する薬剤はまた、GM− 1レセプターを架橋できるものであり得る。EtxBは、このような薬剤の1つ であり、その5量体形態によつてGM−1レセプターに架橋し得る。 次に、本発明を、添付の図面および以下の実施例を参照することによって、具 体的に説明する。図面の簡単な説明 図1は、EtxBおよびEtxBのある変異形態(EtxB(G33D))の 物理化学的特性の分析を示すものである; 図2は、EtxBによるレセプター結合がインビボにおける(in vivo)その 潜在免疫原性に必須なものであることを図示するものである; 図3は、マウスにEtxBを注射した後のリンパ球増殖の動態を図示するもの である; 図4は、EtxBがB細胞の増大された活性を引き起こすことを図示するもの である; 図5は、EtxBがCD4+ T細胞の増大された活性およびCD8+細胞の逓 減を引き起こすことを図示するものである; 図6はEtxBによるOVA−応答性CD8+ T細胞の選択的逓減を示すもの である; 図7はEtxBによって結合されるレセプターが、アポプトシス(apoptosis ) が進行する細胞のリンパ球核形態学特性における変化を誘導することを示すもの である; 図8は細胞サイクル分析によって測定された、CD8+ T細胞のEtxBレセ プターが媒介するアポプトシスを示すものである; 図9aおよび図9bは、EtxBによって結合されるGM−1が、ある動物モ デルにおける、コラーゲン誘発関節炎の進行を阻止することを示すために、企画 された実験の結果を示すものである; 図10は、EtxB(G33D)ではないEtxBが、正常ヒト末梢血単核細 胞の個体数におけるアポプトシスを誘発することを示すために、企画された実験 の結果を示すものである;および、 図11は、GM−1の架橋が、マウスCTLL細胞の個体数におけるアポプト シスを引き起こすことを示す実験の結果を示すものである。図面の詳細な説明 図1 EtxBおよびEtxB(G33D)の物理化学的特性の分析 (A)EtxBまたはEtxB(G33D)のSDS−PAGE分析:それぞ れのタンパク質5μgが、予め加熱するあるいは加熱なしにβ−メルカプトエタ ノールの存在下還元条件のもと分析された。レーン1、野生型EtxB、非加熱 。レーン2、EtxB(G33D)、非加熱。レーン3、野生型EtxB、95 ℃で加熱。レーン4、EtxB(G33D)、95℃で加熱。分子量標準(バイ オラッド(BioRad))がパネルの左側に示されている。 (B)ゲル瀘過クロマトグラフィーによるEtxBおよびEtxB(G33D )の見かけ分子量の測定:標準曲線(丸印)が、上から下への順で、ウシ血清ア ルブミン(66kDa)、ニワトリ卵アルブミン(45kDa)、ウシ赤血球カ ルボン酸無水物(29kDa)およびウマ心臓チトクロームC(12.4kDa )を用いて、作成された;EtxBおよびEtxB(G33D)は、それぞれ、 見かけ分子 量36kDaおよび38kDaで溶離した;Ve−タンパク質の溶出容積、Vo −ゲル瀘過カラムの空隙容量。 (C)ガングリオシドGM−1に対するEtxBおよびEtxB(G33D) の拮抗結合に関するELISA:プレートがGM−1で被覆され、ブロックされ そして1μg/mlのEtxBまたはEtxB(G33D)でインキュベートさ れ、1μg/mlから連続的に希釈(3倍)された。図2 EtxBによって結合されるレセプターが、インビボにおける(in vivo)その 潜在免疫原性に必須なものであること BALB/cマウス(各グループごと4匹)に、PBSにおけるEtxBまた はEtxB(G33D)を皮下注射したまたは、重炭酸塩バッファーにおける該 タンパク質を経口投与した。血清が、2回の皮下注射の10日後(A)、または 3回の経口投与の1週間後(B)に分析され、そして、腸分泌液が、3回の経口 投与の1週間後(C)に分析された。比較対照マウスからの試料においては何の 反応も検出されなかった(図示せず)。結果は、血清中における平均IgG抗体 力価として示され、また腸分泌液中におけるIgAは以下に述べる「特異活性」 として示される。図3 リンパ球増殖の動態 マウスは、完全フロイントアジュバント中のEtxB(G33D)30μgを 腹腔内注射された。MLNが10日後に摘出され、そして細胞が、抗原の不在下 (白四角)、80μg/mlのEtxB存在下(黒三角)、EtxB(G33D )存在下(白三角)、または95℃で加熱することによってもたらされた、Et xBの分解された単量体形態の存在下(黒丸)およびEtxB(G33D)の分 解された単量体形態の存在下(白丸)、においてインキュベートされた。それぞ れのサンプリング日数において最後の6時間、細胞を[3H]チミジンの1μC iでパルス(pulse)した。データは3連ウェルの平均cpmおよびSEMで表 すものである。図4 EtxBがB細胞の増大された活性を引き起こすこと マウスがCFA中のEtxB(G33D)で免疫された。細胞がMLNの10 日目に単離され、そしてEtxBまたはEtxB(G33D)の80μg/ml の存在下、またはそれぞれのタンパク質40μg/mlづつの混合物の存在下に インキュベートされた。細胞はビオチン化抗CD25(7D4)およびフィコエ リトリン(PE)抗B220 (Ra3−6D2)で標識づけされた。ストレプ タビジンFITC(Streptavidin FITC)が第2抗体コンジュゲートとして使用 された。抗体に関する比較対照群も含まれた(図示せず)。2重フロー血球計算 的分析(dual flow cytometric analysis)が、増殖してから4日目に行われた 。図5 EtxBがCD4+ T細胞の増大された活性およびCD8+細胞の逓減を引き起 こすこと 免疫化手順、細胞の単離およびインビトロの(in vitro)感染は、図4の説明 において述べたと同様である。CD25を検出するために、ビオチン化抗CD2 5(7D4)およびストレプタビジンFITC(Streptavidin FITC)が用いら れた。CD4およびCD8を検出するために、FITC標識化抗CD4(RNR M4−5)およびFITC標識化抗CD8α(53−6.7)が用いられた。抗 体に関する適当な比較対照群も含まれた(図示せず)。図6 EtxBによるOVA−応答性CD8+ T細胞の選択的逓減 OVAで初回抗原刺激されたマウスから摘出されたMLNからの細胞の培養物 が、抗原の不在下、またはOVA+EtxB存在下、OVA+EtxB(G33 D)存在下、もしくはOVAのみの存在下に、100μgのOVAおよび40μ g/mlのEtxBまたはEtxB(G33D)の量あるいは10μgのOVA のみという量で、5日間かけて株化された。細胞は、次のマウス抗体で標識付け された:F ITC抗CD4またはFITC抗CD8α、およびストレプタビジン−フィコエ リトリンを伴うビオチン抗CD25(IL−2Rα)。非染色細胞および第2抗 体のみで染色された細胞も比較対照として含まれた。細胞はFACS(ベクトン ディッキンソン(Becton Dickinson))によって分析された。他の処理と比較 して、EtxBを含有する培養物における全細胞の割合中でのCD25+の高い 増加は、この標識を発現するB細胞のより高い割合での存在に起因するものであ る(図示せず)。蛍光強度のスケールは、対数(log)である。図7 EtxBによって結合されるレセプターが、アポプトシス(apoptosis)が進行 する細胞のリンパ球核形態学特性における変化を誘導すること >90% CD3+ T細胞を有しそしてマクロファージを除去したMLNCが 、80μg/mlのEtxBまたは80μg/mlのEtxB(G33D)のい ずれかで18時間インキュベートされ、そしてアシジリンオレンジで染色された 。細胞は周知のまたは共焦点の蛍光顕微鏡(Leica TCS 4D)で調べ られた。それぞれの処置に関する代表的な顕微鏡区(×540)が示される[E txB 左手パネル;EtxB(G33D) 右手パネル]。抗原不在下でイン キュベートされた細胞はEtxB(G33D)で処理されたものと同様の結果を 示した(図示せず)。図8 細胞サイクル分析によって測定された、CD8+ T細胞のEtxBレセプターが 媒介するアポプトシス 細胞サイクルのサブ−G0/G1におけるCD4+およびCD8+ SPLTCの 細胞数はヨウ化プロピジウム(propidium iodide)での染色の後に、DNA量のフ ロー血球計算的分析によって算定された。SPLTCは、上述したようなネガテ ィブな選択によって脾臓から単離された。該細胞は、(a)抗原なし、(b)8 0μg/ml EtxB(G33D)または(c)80μg/ml EtxBで 、18時間 処理され、そしてその後FITC−ラット抗CD4またはFITC−ラット抗C D8αで染色された。細胞は続いてヨウ化プロピジウムで染色された。ヨウ化プ ロピジウムで共染色(co-stain)された細胞数が、FITC−ラット抗CD4また はFITC−ラット抗CD8αで染色された細胞においてゲーテイングすること によって算定された。この実験は細胞において実行され、その結果はまた図7お よび表3においても報告される。実施例 実施例1 本実施例は、リンパ球集団に特異な効果(differential effect)を誘導するG M−1結合のための必要条件を説明する。材料および方法 EtxBのレセプター結合変異型の生成 33番目のGlyのAspへの置換を、EtxのA−及びB−サブユニットに 関する遺伝子を含む、ファージミドベクター(phagemid vector)ピーブルースク リプト アイアイケーエス+(pBluescript IIKS+)の誘導体である、プラスミド pTRH29(ユ ジェー(Yu,J.)、ウェッブ エッチ(Webb,H.)及びハースト ティーアール(Hirst,T.R.)(1992年)、モレク ミクロバイオル(Molec .Microbiol.)、6、頁1949〜1958)を用いてヒトのExtBのレセプ ター結合部位中に導入した。突然変異誘発を、鋳型として1本鎖のpTRH29 を及び突然変異誘発プライマーとして合成オリゴヌクレオチド(5’−TCTC TTTTATCTGCCATCG−3’)(ミクロアナリティカル ファシリテ ィー(Microanalytical Facility)、アイエーピージーアール(IAPGR)、ケンブリ ッジ リサーチ ステーション(Cambridge Research Station)、英国から)を用 いたインビトロの特定オリゴヌクレオチドの突然変異誘発キット(oligonucleoti de-directed mutagenesiskit)(アマシャム インターナショナル(Amersham Int ernational))により行った。正確なGlyからAspへの置換を、シークエナ ーゼII(ユナイテッド ステー ツ バイオケミカル コーポレイション(United States Biochemical Corp.)) を用いたジデオキシ配列決定によって確認し、得られたプラスミドをpTRH5 6と称した。pTRH56の変異型etxB遺伝子を、EcoRI及びSpeI 制限酵素を用いて切り取り、pMMB68(サンドクビスト エム(Sandkvist, M.),ハースト ティーアール(Hirst,T.R.)及びバダサリアン エム(Bagdasaria n,M.)(1987年)、ジェー バクテリオル(J.Bacteriol.)、169、頁4 570〜4576)中に挿入し、広範な宿主範囲発現ベクター、EtxB(G3 3D)を発現するpTRH64を得た。 抗原 野生型のEtxB及びEtxB(G33D)を、アミン(Amin)及びハースト(H irst)(アミン ティー(Amin,T.)及びハースト ティーアール(Hirst,T.R.)( 1994年)、プロット エックスプレス アンド ピュリフ(Prot.Express. and Purif.)、5、頁198〜204)によって報告された方法を修飾したもの を用いて、それぞれ、ビブリオ種60(pMMB68)(Vibrio sp.60(pMMB68)) 及びビブリオ種60(pTRH64)(Vibrio sp.60(pTRH64))の培養上清から精 製した。簡単に言うと、タンパク質を、ダイフィルトレーション及び疎水性相互 作用クロマトグラフィーによって精製し、陰イオン交換クロマトグラフィーによ って濃縮した。このタンパク質溶液をリン酸緩衝生理食塩水(PBS;10mM リン酸ナトリウム、150mM NaCl、pH7.4)で平衡化したPD1 0カラム(PD10 column)(ファルマシア(Pharmacia)、英国)で脱塩し、−30℃ で貯蔵した。 EtxB及びEtxB(G33D)の純度を、SDSポリアクリルアミドゲル 電気泳動で確認した。個々の単量体の分子量をレーザーデソープション質量分析 (laser desorption mass specrtometry)(プロテイン サイエンス ファシリテ ィー(Protein Science Facility)、ユニヴァーシティー オブ ケント(Univers ity of Kent)によって確認した。 EtxB及びEtxB(G33D)の見かけの分子量を、スマートシステム(S MA RT system)(ファルマシア(Pharmacia))を用いたゲル瀘過クロマトグラフィー によって測定した。タンパク質をPBS(pH7.5)におけるスーパーデック ス75 ピーシー 3.2/30カラム(Superdex 75 PC 3.2/30 column)から溶 出させた。 リンパ球増殖アッセイ(下記参照)に用いる、Bサブユニット五量体の不可逆 的な変性を、タンパク質を95℃で5分間加熱することによって、達成した。 動物、サンプルの収集および免疫化プロトコル 7〜12週齢のBALB/cマウス(H−2d;EtxBに対する高応答動物 )を、チャールズ リバー ラボラトリーズ(Charles River Laboratories)から 購入し、ユニヴァーシティー オブ ケント(University of Kent)の動物舎で維 持した。EtxBまたはEtxB(G33D)に対する抗体の応答性を、PBS における30μgのタンパク質を皮下注射しさらに10日後に追加免疫した後、 測定した。他のマウス群には、重炭酸ナトリウム溶液において同様のタンパク質 投与量(50μg/ml)を、3回、1週間間隔で、経口投与した。コントロー ルマウスには、PBSを投与した。最後に皮下注射してから10日目にまたは最 後に経口給餌してから1週間後に血液を集めた。生きたマウスからの腸からの分 泌物を、最後に給餌してから1週間後に、前記(エルソン シーオー(Elson,C. O.)、イールディング ダブリュー(Ealding,W.)及びレフコビッツ ジェー(Lef kowitz,J.)(1984年)、ジェー イムノル メタ(J.Immunol.Meth.)、6 7、頁101〜108)と同様にしてプロテアーゼ阻害剤溶液中で単離した。次 に、サンプルを超音波処理し、遠心(13,226×g、10分、4℃)によっ て清澄化した。 増殖アッセイを目的として、マウスに、完全フロイントアジュバント(CFA )における30μgのEtxB及びEtxB(G33D)を腹腔内注射し、腸間 膜リンパ節を10日後に単離した。コントロールの非免疫マウスもまた含ませ、 そのリンパ節を同様にして単離した。 酵素結合イムノソルベント検定法(ELISA) EtxB及びEtxB(G33D)のGM−1への結合を、GMI−ELIS A(アミン ティー(Amin,T.)及びハースト ティーアール(Hirst,T.R.)(19 94年)、プロット エックスプレス アンド ピュリフ(Prot.Express.and Purif.)、5、頁198〜204)によって試験した。 血清及び腸からの分泌物について、サンプルをPBSにおける5μg/mlの EtxBまたはEtxB(G33D)で被覆したマイクロタイタープレート(mic rotiter plate)(イムロン アイ(Immulon I)、ダイナテック(Dynatech)、アメ リカ)に添加したELISΛによって、抗BサブユニットIgG及びIgA抗体 の存在を調べた。腸からの分泌物上清における抗BサブユニットIgA抗体は、 各プレートの2列のウェルをPBSにおける1μg/mlのウサギ抗マウスIg A(α鎖に特異的;ザイメド ラブ(Zymed Lab)、アメリカ)で被覆しさらに1 μg/mlのマウスのミエローマIgA(エムオーピーシー 315(MOPC 315) 、シグマ(Sigma)、アメリカ)を添加することによって作成した標準曲線から外 挿法によって推定した。全1gAを測定するために、ウェルをウサギ抗マウスI gAで被覆した後、腸からの分泌物上清を添加した。すべてのサンプルを連続し て希釈した。ヤギ抗マウスIgG(Fcフラグメントに特異的;ジャックソン ラブ(Jackson Lab)、アメリカ)またはヤギ抗マウスIgA(α鎖に特異的;シ グマ(Sigma))−ペルオキシダーゼ複合体(conjugate)を希釈し、すべてのウェル に添加した。抗BサブユニットIgG力価、A450nm≧0.2、を測定した。腸 からの分泌物における各EtxB及びEtxB(G33D)に対するIgA抗B サブユニットの応答を、「IgA特異活性」[平均IgA抗Bサブユニット(μ g/ml)/全IgA(μg/ml)]として算出した。 IL−2、IL−4、IL−5、IL−10及びIFN−γのサイトカインレ ベルを測定するためのELISA法を、前記(ハーパー エッチエム(Harper,H .M.)、ピーエッチディ 学位請求論題目(PhD thesis)、ユニヴァーシティー オ ブ ブリストル(University of Bristol)(1995年))したのと同様にして 用いた。簡 単に言うと、マイクロタイタープレートをマウスのIL−2、IL−4、IL− 5、IL−10及びIFN−γに対するラットの抗体で被覆した。プレートを2 %(w/v)ウシ血清アルブミンで遮断した。培養液の上清をウェルに添加し、 希釈していった(dilute down)。各サイトカイン用の各プレートの1列に、標準 的な量の組換サイトカインを含ませた。次に、プレートを0.5μg/mlのビ オチン化抗サイトカインモノクローナル抗体と共にインキュベートした後、アビ ジン−ペルオキシダーゼ及び3,3’,5,5’−テトラメチルベンジデン(T MB)基質を加え、A450nmを読み取った。 リンパ球増殖アッセイ マウスを頸部脱臼によって殺し、腸間膜リンパ節を無菌的に切り出し、ハンク ス液(HBSS)(フロー ラボラトリーズ(Flow Laboratories)、イルバイン 、レンフリューシャイアー(Irvine,Renfrewshire)、英国)中にステンレス鋼メ ッシュを通してミンスした(mince)。細胞をHBSS中で遠心(500×g、1 0分、4℃)によって洗浄し、20mM Hepes(フロー(Flow))、100 IU ペニシリン、100μg/ml ストレプトマイシン、4mM L−グル タミン(フロー(Flow))及び2−メルカプトエタノールを予め添加した改変イー グル培地(フロー(Flow))(完全培地)中に再懸濁した。非免疫マウス由来の新 鮮な自己の正常なマウスの血清を0.5%(v/v)の最終濃度まで加えた。培 養物は、24穴のプレートの2ml容中にあるいは25cm3のフラスコ(ヌン ク エー/シー(Nunc A/S)、ロスカイド(Roskide)、デンマーク)の8ml容中 に2×106生存細胞/mlを含み、これを図の説明文に示されるような抗原の 存在下でまたは不存在下で確立した。培養物を6日間5%CO2及び95%空気 の湿潤化雰囲気下で37℃でインキュベートした。所定の時間で、0.1mlの サンプルを培養物から除去し、96穴のU−底プレート(ヌンク(Nunc))に移し 、6時間、1μCi/ウェルの[3H]チミジン(アマシャム(Amersham)、英国 )でパルスした(pulse)後、集め(マック III ハーベスティング 96 トムテック(Mach III harvesting 9 6 Tomtec)、オレンジ,コン(Orange,Conn.)、アメリカ)、標準的な液体シンチ レーション1450マイクロβプラス(liquid scintillation 1450 Micro β pl us)、エルケービー−ウォラック(LKB-Wallac)、ターク(Turku)、フィンランドに よってカウントした。同様にして、0.5mlの上清をサイトカイン分析用に培 養物からサンプリングした。細胞をペレット化して、上清を分析するまで−68 ℃で貯蔵した。 培養細胞の表現型分析 培養してから4日目に集めた培養細胞を洗浄し、生存細胞を、HBSS/18 %メトリザミド(ナイガード アンド シーオー(Nyegaad and Co.)、オスロ(Os lo)、ノルウェー)グラジエントの界面で回収した後、20℃で500×gで1 5分間遠心した。細胞を2回洗浄し、0.2%アジ化ナトリウム(シグマ(Sigma ))及び10%正常なラットの血清を含むHBSS中に再懸濁した。以下のラッ トの抗体(ファルミンゲン(Pharmingen)、サンジエゴ(San Diego)、アメリカ) を使用した:フルオレセインイソチオシアネート(FITC)標識抗CD4(R NRM4−5)、FITC標識抗CD8(53−6.7)、ビオチン標識抗CD 25(7D4)及びフィコエリトリン(PE)標識抗B220(RA3−6D2 )。加えて、ビオチン標識抗体では、ストレプトアビジン−PE(Streptavidin- PE)またはストレプトアビジン−FITC(Streptavidin-FITC)(セロテック(Ser otech)、英国)を使用した。すべての抗体をアジ化物を含むHBSSで希釈し、 所定の濃度で使用した。200μlの2×106細胞及び200μlの各抗体を 混合し、30分間氷上でインキュベートした。ストレプトアビジン−PEまたは FITC 2次抗体を必要とする際には、細胞をさらに30分間これらの抗体と 共にインキュベートした。FITC及びPE抗体用の適当なコントロールもまた 含ませた。細胞をHBSSで洗浄した後、2フローサイトメトリー(ベクトン ディッキンソン(Becton Dickinson))によって分析した。結果 EtxBのレセプター結合変異型の形成および特性化 レセプター認識を欠失した変異型Bサブユニットを得るために、GlyのAs pへの置換を、EtxBの特定オリゴヌクレオチドの突然変異誘発(oligonucleo tide-directed mutagenesis)によって大腸菌の熱不安定のエンテロトキシンのB サブユニット中に導入した。EtxB(G33D)と称する、この変異型タンパ ク質、および野生型のEtxBを均質になるまで精製した(材料および方法を参 照)。精製したEtxB及びEtxB(G33D)の分子量をレーザーデソープ ション質量分析(laser desorption mass specrtometry)によって測定した。分子 量は、単量体EtxB及びEtxB(G33D)のそれぞれの理論上の分子量で ある11702及び11760Daの20Da以内であった。予め加熱せずにS DS−PAGEによって分析すると、野生型のEtxB及びEtxB(G33D )は双方とも、離散性の(discrete)安定オリゴマーとして移動し、見かけの分子 量は42kDa及び56kDaであった(図1A、それぞれ、レーン1及びレー ン2)。EtxBの観察された電気泳動の移動度及びSDS−安定性はBサブユ ニット五量体の特徴的な性質である(サンドクビスト エム(Sandkvist,M.), ハースト ティーアール(Hirst,T.R.)及びバダサリアン エム(Bagdasarian,M .)(1987年)、ジェー バクテリオル(J.Bacteriol.)、169、頁457 0〜4576参照)。五量体のEtxB及びEtxB(G33D)が双方とも高 分解能ゲル瀘過クロマトグラフィーによって分析する際に同様の保持時間を示す ため、オリゴマーのEtxB(G33D)の電気泳動の移動度がより遅いことは 構成Bサブユニット単量体の数の相違によるものではない。したがって、野生型 のEtxBに対するEtxB(G33D)オリゴマーの電気泳動の移動度の不一 致は、SDS結合の抑制及びそれに続くより遅い移動を引き起こす負に荷電した Asp残基の導入によるものであると考えられる。 EtxB及びEtxB(G33D)をまた、低pH緩衝液における安定性、1 .0mg/mlのトリプシンまたはプロテイナーゼKに対する耐性、および抗B サブ ユニットモノクローナル及びポリクローナル抗体のパネルへの相対的な反応性に ついて比較した。これらの各試験において、EtxB(G33D)は野生型のE txBと同様の性質を示した。したがって、EtxBの33番目のGlyをAs pに置換してもオリゴマーの立体配置、SDS、pH若しくはプロテアーゼの安 定性、または抗体反応性は野生型のEtxBと比較しても変わらないと結論付け られる。 EtxB(G33D)のレセプターGM−1への結合活性を、GM1−ELI SAを用いて評価した(図1C)。これから、野生型のタンパク質と比較した場 合、変異型のGM−1への結合活性はかなり有意に抑制される(A450nmの読み 取りにおいて>99%の減少)ことが示された。さらに、野生型のEtxBに対 して、EtxB(G33D)は、免疫蛍光法によって試験される際にCHO細胞 に結合しなかった。これにより、EtxB(G33D)はインビトロ及びインシ ツ(in situ)で、GM−1ガングリオシドへの結合活性が欠損することが結論付 けられた。インビボにおけるEtxBの潜在免疫原性はレセプター結合に依存す る EtxBの免疫原性におけるレセプター結合の重要性を、PBSにおけるEt xBまたはEtxB(G33D)の経口デリバリーまたは皮下注射後のマウスに おいて評価した。EtxBを経口デリバリーすることにより、血清中の高いIg G抗体力価および腸からの分泌物中の高いIgA抗体活性が検出された(図2) 。これに対して、EtxB(G33D)を同様に経口で免疫しても、検出可能な 抗体活性は生じなかった。EtxB(G33D)は、応答は野生型のEtxBに 対する抗体の応答性に比べるとかなり低い(それぞれ、1050及び17100 0であり、平均抗体力価が>160倍減少する)ものの、皮下注射後の血清の抗 体の応答性は誘導していた。これより、EtxBによるレセプターの結合はイン ビボにおける潜在免疫原性(potent immunogenicity)に必須であると結論される 。 レセプター結合はEtxBまたはEtxB(G33D)の存在下でのリンパ球の 増殖の範囲に影響を及ぼさない インビトロにおけるリンパ球の増殖に関するEtxBまたはEtxB(G33 D)の効果を試験した。リンパ球を、EtxBまたはEtxB(G33D)のい ずれかで免疫したマウスの膝窩及び腸間膜リンパ節(MLN)から単離し、これ らのいずれかのタンパク質で、あるいはEtxB若しくはEtxB(G33D) の熱で変性させた調製物でインビトロで刺激した。膝窩リンパ節またはMLN由 来のリンパ球の増殖の応答性は同等であった。それぞれの場合において、各タン パク質調製物の増殖は、Bサブユニットの濃度が増加するに従って向上した。M LNを用いた実験からの代表的なデータを表1に示す。野生型及び変異型五量体 に対する応答性の度合いは、熱で変性させた野生型及び変異型単量体の存在下で の度合いと同等であった。図3は、80μg/1mgの各タンパク質調製物の存 在下で得られた増殖応答性の動態を示すものである。反応性は、抗原の存在に依 存し、各タンパク質の存在下で同様のパターンに従った。反応性は、培養してか ら3日目に明瞭になり、4日目に[3H]チミジンの取り込みがピークに達し、 その後にウェイニング(waining)した。図3に明らかなピークの応答の時期の若 干の違いは繰り返して行った実験では観察されなかったことから、EtxB及び EtxB(G33D)に対する応答の既往特性は同等であることが示される。こ れより、天然のタンパク質の存在下での刺激のレベルはレセプターの結合または 導入された変異によって影響を受けないと考えられると結論付けられる。 トキシンレセプターの結合はB細胞及びT細胞サブセットの免疫修飾を引き起こ す EtxBによるレセプター結合がインビトロでのリンパ系細胞集団に何らか の影響を及ぼすかどうかを試験するために、リンパ球を、EtxB(G33D) で腹腔内に初回抗原刺激を受けたマウスのMLNから単離した後、EtxB若し くはEtxB(G33D)またはこれらの混合物で刺激した。加えて、EtxB を注射されたマウス由来のMLN由来のリンパ球を用いて平行実験を行った結果 、EtxB(G33D)で初回抗原刺激を受けたマウスで得られたものと実質的 に同一の知見が得られた。 (i)EtxBはB細胞の活性化を向上させる B細胞へのEtxBの効果を、活性化マーカーCD25(IL−2Rα)さら にはB細胞マーカーB220(CD45R)の発現によって試験した。図4に示 されるように、EtxBで刺激された培養物におけるB細胞の数は全細胞の62 .9%であり、これらのうち高い割合(28.4%)が細胞活性化マーカーCD 25を発現した。これに対して、EtxB(G33D)の存在下で刺激した後の B細胞の割合は、野生型のものの半分未満(22.26%)であり、より少ない 割合(5.6%)が活性化された。EtxBによって奏される効果が優性である かどうかを確立するために、細胞を等モル濃度のEtxB及びEtxB(G33 D)の存在下でインキュベートした。フローサイトメトリーデータは、野生型の EtxB単独の存在下で刺激した後に得られたデータと同様であった(B細胞が 60.6%で、これらのうち、26%が活性化された)。これから、EtxBの レセプター結合特性はインビトロにおけるB細胞の活性化の促進を仲介すると結 論される。 (ii)EtxBはCD4+ T細胞の活性化を向上させかつCD8+ T細胞を完 全に逓減させる T細胞に関するBサブユニットレセプター結合の影響を調べるために、リンパ 球を、CD4またはCD8に対する抗体さらにはCD25に対する抗体で標識し た(図5)。さらに、別途、一部の細胞をCD3マーカーに対する抗体で標識し た(示さず)。EtxBの存在下で刺激した際にCD4マーカーを発現するT細 胞の割合は36.7%であり、これらのうち、高い割合(32.7%)が活性化 された。これに対して、検出可能なCD8+ T細胞はEtxBを含む培養物中に 存在しなかった。 比較として、CD4+及びCD8+ T細胞を双方ともにEtxB(G33D) の存在下で刺激した培養物中に存在させた。このような培養物は、大きな割合の CD4+ T細胞(66.6%)を含んだが、これらのうち12%のみが活性化さ れた。EtxB(G33D)の存在下で検出されたCD8+ T細胞の割合は全細 胞数の11.7%であったが、これらのうちほとんどの細胞は、CD25マーカ ーの不存在 によって示され、活性化されなかった。加えて、等モル濃度のEtxB及びEt xB(G33D)から構成される混合物の存在下では、応答細胞のパターンは野 生型のEtxB単独の存在下でのパターンと同様であった;CD4+ T細胞が4 1.68%(これらのうち、28.6%がCD25+であった)であり、検出可 能なCD8+ T細胞は存在しなかった(図5)。上記すべての分析において、C D3で染まる細胞の割合はCD4及びCD8マーカーを発現するものの合計にほ とんど等しかった。これらのデータから、B及びCD4+ T細胞の活性化の向上 及びCD8+ T細胞の選択的な逓減(depletion)はトキシンレセプター居在係数( occupancy)が仲介することが示される。 サイトカインの産生 リンパ球集団へのEtxBの効果がサイトカインの産生の変化に依存するかど うかを評価するために、細胞培養物をEtxBまたはEtxB(G33D)と共 にインキュベートし、分析用に上清を2、3、4、5及び6日目に除去した。最 大濃度のサイトカインが検出された、5日目に集めたサンプルの結果を表2に示 す。相対的なサイトカインレベルは異なるが、IFN−γ及びIL−2がEtx BまたはEtxB(G33D)の存在下で刺激された培養物の上清において検出 された。野生型のEtxBと共にインキュベートされた細胞の培地は、EtxB (G33D)の存在下で刺激された培養物の上清と比べて、3倍高い濃度のIL −2及び1.5倍低いレベルのIFN−γを含んでいた。他の抗原に応答する他 の増殖T細胞培養物が高レベルのIL−4、IL−5及びIL−10を産生する という知見があるにもかかわらず、これらのサイトカインのうちEtxBまたは EtxB(G33D)で刺激された培養物中で検出されたものはなかった。Et xB(G33D)と比較した際の、EtxBによる刺激後のIL−2レベルの増 加及びIFN−γレベルの減少は、B及びCD4+ T細胞の活性化状態を最も反 映すると考えられる。にもかかわらず、これらの結果は、CD8+ T細胞集団へ の野生型のEtxBの顕著な効果は、レセプター居住係数の結果としての、サイ トカインプロフィールの主要なシフ トによって仲介されないと考えられることを示す。 ディスカッション これらの考察は、EtxBのレセプター結合部位中の単一点突然変異(single point mutation)(G33D)の導入によりGM−1結合活性が有意に失われた ことを示すものである。重要なことであるが、変異型EtxB(G33D)は、 ゲルクロマトグラフィー、SDS、酸及プロテアーゼにおける安定性によって示 されるように、立体配置に関しては野生型のEtxBと同一の物理化学的な特性 を示した。特異的な抗体応答性をEtxBまたはEtxB(G33D)のいずれ かで免疫した後に測定した際には、劇的な相違が観察された。マウスにEtxB (G33D)を皮下注射すると、野生型と比較すると抗体力価が非常に有意に落 ちた(約>160倍)が、経口投与後では抗体反応は検出されなかった。これら の相違は抗体による分子の認識に、または抗体の産生に有効なT細胞の補助の刺 激に係わる優性エピトープの破壊から生じる可能性がある。しかしながら、Gl yからAspへの置換が特異的なポリクローナル及びモノクローナル抗体のパネ ルによるBサブユニットの認識に何等効果を持たなかったことは注目すべき点で ある。さらに、EtxBまたはEtxB(G33D)を培養物に添加した際に得 られる増殖応答性はどちらのタンパク質をインビボの初回抗原刺激に使用したか にかかわらず同等であった;ことから、T細胞の反応性はいずれかの分子に特異 的ではないことが示される。したがって、EtxBによるレセプター結合はイン ビボでの潜在免疫原性(potent immunogenicity)に必須であることが結論付けら れた。 EtxBの潜在免疫原性におけるレセプター結合の重要性は、数多くの方法で 説明される。第一に、GM−1へのEtx及びCtxのBサブユニットの結合は これらのタンパク質の吸収効率を向上させ、免疫システムに有用な局所的なタン パク質濃度を上昇させる。粘膜表面に結合できる他のクラスのタンパク質は有効 な免疫原であることが発見された(デ アイズプラ エッチジー(De Aizpura,H .J.)及びラッセル−ジョーンズ ジージェー(Russel-Jones,G.J.)(1988年 )、ジェー エックスプ メド(J.Exp.Med.)、167、頁440〜451)。経口投与後の EtxB及びその変異型の免疫原性の観察された相違は、腸管腔からのEtxB の効率的な吸収によるものである。しかしながら、非経口による免疫(抗原を高 濃度で局所的にデリバーする)後の劇的な相違は、他の効果を示唆するものであ る。例えば、GM−1へのEtxBの結合は抗原提示細胞活性の効率に影響を与 える。このような結合は、特に、後天的な向上した抗原提示活性に関連する、B 7等の、必須の共刺激(co-stimulatory)分子の発現に関して、クラスII−保有 細胞(bearing cell)の活性化を引き起こす(ジェンキンス エムケー(Jenkins, M.K.)及びジョンソン ジェージー(Johnson,J.G.)(1993年)、キャル オ ピン イムノル(Curr.OPin.Immunol.)、5、頁361〜367)。または、レ セプター結合はリンパ球のサブ集団(sab-population)に直接効果を有する。本研 究からの数多くの考察は、これが確かにこの場合に当てはまるという強力な証拠 となる。 インビトロの研究から、EtxBが初回抗原刺激を受けたリンパ節細胞の増殖 を誘導できることが示された。この性質は、同様の既往特性を有する応答性が野 生型のEtxB、EtxB(G33D)またはGM−1に結合できないこれらの タンパク質の熱で変性された単量体形態を用いて得られたので、レセプター結合 に依存しなかった。これらの考察は、Ctx及びCtxBまたは精製された組換 CtxBの一般的な調製物がインビトロのリンパ球の増殖を強力に阻害すること は広く報告されてきたので、それ自体興味深いことである。明らかな矛盾(appar ent discrepancy)は、従来の実験は精製されたリンパ球で行われ、マイトジェン 刺激リンパ球培養物(クローニングにより応答を制限していない)を多く使用し ており、異なるメカニズムを伴うという事実から生じたものである。これは、コ ンカナバリンAで刺激されたリンパ球の増殖はEtxBによって阻害されるとい う我々の考察と一致した。しかしながら、EtxBまたはEtxB(G33D) のいずれかで刺激された初回抗原刺激を受けたリンパ節細胞の培養物における細 胞集団の分析によって、B細胞さらにはCD4やCD8を有するT細胞に関する 重要な差異が明らかになった。 B細胞は、EtxBまたはEtxB(G33D)のいずれかの存在下で4日間 培養した後、検出された。しかしながら、EtxB(G33D)と比較すると、 EtxBによる培養物中に存在するB細胞の相対的な割合は約100%増加した 。このような増加は、非常に高い割合のB細胞でのCD25の発現と関連があっ た。示された実験において、応答するリンパ球はインビボでEtxB(G33D )で初回抗原刺激を受けた。EtxBで免疫されたマウス由来の細胞での同様の 実験でも、同様の結果が明らかになった。したがって、レセプター結合に関連す るインビボ効果があるにかかわらず、EtxBの存在下での培養物は、EtxB (G33D)で刺激されたものと比べてより大きな割合のB細胞を含んでいた。 結果は検出されたサイトカインのプロフィールにおける主要なシフトを示唆しな いので、これらのB細胞に関する効果はまた、少なくとも部分的には、インビト ロでの、T細胞による調節に依存しないと考えられる。したがって、インビトロ では、EtxBによるレセプター結合はB細胞への直接的な効果と関連があり、 これにより、この集団が比例して拡大し、さらに活性化されると考えられる。ま た、CtxBが抗原刺激を受けたことのないB細胞でのMHCクラスIIの発現 を向上させることが示され、このような性質はGM−1結合変異型CtxB(G 33E)では示されなかった(フランシス エムエル(Francis,M.L.)、リアン ジェー(Ryan,J.)、ジョブリング エムジー(Jobling,M.G.)、ホルメス ア ールケー(Holmes,R.K.)、モス ジェー(Moss,J.)及びモンド ジェージェー(M ond,J.J.)(1992年)、ジェー イムノル(J.Immunol.)、148、頁19 99〜2005)ことも注目すべき点である。これらの実験における結果は、抗 原で初回刺激したB細胞におけるEtxBによる直接的な分裂促進効果の存在を 示唆し、さらに、このような効果はレセプター結合によって仲介されることが示 される。 培養物中のB細胞へのEtxBの効果に加えて、フローサイトメトリー分析か ら、このトキソイドは検出可能なCD8+細胞を完全に逓減させたことが示され る。繰り返すが、この効果は、このT細胞集団はEtxB(G33D)を含む培 養物中で は逓減されなかったので、レセプター結合に依存することが示された。さらに、 EtxBを含む培養物におけるCD8+細胞の完全な逓減が、野生型のEtxB で免疫したマウスから、観察された。このような効果が仲介されるメカニズムと しては以下の3メカニズムが考えられる。1)ラットのMLN細胞上のGM−1 へのCtxまたはCtxBの結合がパッチ及びキャップ形成を誘導することは既 知である(クレイグ エスダブリュー(Craig,S.W.)及びクアトレカサス ピー( Cuatrecasas P.)、(1975年)、プロック ナショル アカデ サイ ユー エスエー(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)、72巻、頁3844〜3848)。こ のプロセスにおいて、EtxB−GM−1複合体及びCD8等の他の分子が内在 化する可能性がある。このようなプロセスはマーカーとしてCD8を用いたこれ らの細胞のフローサイトメトリーによる検出を阻害し、これにより、表面のTC R複合体が関連した欠失によりこれらの細胞が死亡する。後者は培養物における CD8+ T細胞の不存在を説明するものであるが、他では、CtxBを使用した 際にヒトのジャーカットT細胞系(Jarkat T cell line)の表面由来のTCR複合 体は欠失しないことが示された(イムボデン ジェービー(Imboden,J.B.)、シ ョバック ディーエム(Shoback,D.M.)、パティソン ジー(Pattison,G.)及び ストボ ジェーディー(Stobo,J.D.)(1986年)、プロック ナショル ア カデ サイ ユーエスエー(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)、83巻、頁5673 〜5677)。キャッピングの結果としての効果が存在しないことは、CD3及 びCD4マーカーは影響を及ぼされないという知見によって支持される。2)別 のメカニズムとしては、培養物中のサイトカインによって奏される効果に関する ものである。本研究によると、IL−2及びIFN−γの双方が検出された。し かしながら、これらの結果は、このようなCD8+ T細胞の劇的な効果を説明す るサイトカインプロフィールにおける主要なシフトを示唆しない。3)CD8+ T細胞の不存在は、アポプトシスの積極的な誘導(active induction)によるもの である。アポプトシスによるリンパ球の死亡は、上記したキャッピングを伴う、 または細胞内の情報伝達に関する効果によってキャッピ ングの不存在に介在される。活性化によって誘導される計画された死亡はCa2+ に依存し、ホスファターゼ及びキナーゼを伴う。リンパ球へのCtxBの結合は 、プロテインキナーゼC依存性増殖を阻害することが示され、さらに細胞内Ca2+ の顕著な増加を誘導したが、これらの事象はCAMPレベルの増加には関係が なかった。EtxBがCD4+ T細胞ではなく、CD8+ T細胞を逓減できるこ とは、リンパ球のこれらのサブセットの表面上のGM−1を架橋することから生 じる、CD4/CD8−TCR複合体と関連するシグナルの特異な効果によるも のである。これは、CtxBについて報告されるような膜上のトキソイドの特異 な結合のあるいはCD4+及びCD8+ T細胞における特異な情報伝達メカニズ ムの結果であると考えられる。 検出可能なCD8+ T細胞が完全に存在しないと、ExtBは、レセプター結 合変異型と比較した場合に、活性化されるCD4+ T細胞の割合を増加させた。 Ctxに対する応答におけるCD4+ T細胞の必須要件はインビボで示された。 しかしながら、このT細胞のサブセットの活性化が促進される理由は不明である 。CtxBがDNA合成および静止状態の非形質転換マウスの3T3細胞の細胞 分裂を促進することが示されたことは注目に値する。CD4+ T細胞に関する選 択的な分裂促進効果もまた、ExtBがGM−1において結合する同様の成分で ある、Galβ−1−3−3GalNAcに結合する植物レクチンの存在下で発 見された。ExtBがCD4+ T細胞へのGM−1結合が依存する直接的な効果 を仲介し、これにより活性化が起こるという可能性を排除することはできない。 しかしながら、ExtBを含む培養物におけるCD4+ T細胞の促進される活性 化は上記したようなB細胞やCD8+ T細胞集団への変化の結果であるという可 能性もある。B細胞の活性化はCD4+ T細胞に関する抗原提示細胞としての応 答性の促進と関連することが知られている。さらに、CD8+ T細胞は、インビ ボ及びインビトロでの免疫反応性における調節の役割と広範に関連する。T細胞 増殖培養物からのこれらの除去は、CD4+ T細胞分裂の長期化及びレベルの向 上と関連があった。 これらを合わせて考慮すると、本研究で示されるように、インビボでのExt Bの潜在免疫原性は、GM−1に結合した後に生育を調節する効果によって発揮 されるB細胞の活性化の促進能の結果として生じることが示唆できる。CD4+ T細胞の活性化およびExtBのインビトロでの培養物中のIL−2の産生の向 上能は、B細胞クローンをさらに拡大するために必要なシグナルを形成する。本 研究におけるExtBによるCD8+ T細胞の逓減はまた、特に、上記細胞のサ ブセットが免疫反応の抑制に及び経口耐性にかかわりがあるという点で、全身性 のまたは経口によるデリバリー後のインビボの別の免疫強化メカニズムを提供す るものである。この点に関しては、Ctx及びEtxは双方とも、一緒に供給さ れる(cofed)可溶性タンパク質に対する経口耐性を排除することが示され、他の 研究では、上記メカニズムを説明するために腸におけるまたはパイエル板のドー ムにおける上皮内の(intra-epithelial)リンパ球に関するCtx及びCtxBの 逓減効果が行われた。インビトロにおけるCD8+ T細胞に関するCtxBの阻 害効果は、移植片対宿主反応を阻害することをも示した。 結論としては、インビボでの抗体反応に関する、およびインビトロでのリンパ 球集団に関するExtBによる強力な免疫修飾効果の存在が示された。さらに、 これらの効果はレセプター結合によって仲介されることが示された。我々の知見 はまた、Ext及びCtxが強力なアジュバントとしておよび他の抗原に対する 強力なタンパク質キャリアーとして作用することができるという理解にも適合す るものであり、このような性質はこれらのトキソイドのリンパ系細胞の表面上の ガイグリオシドレセプターへの結合能によるものであることが示唆される。 実施例2 この実施例は、CD8細胞に関する効果が抗原認識に関わりなく、アポプトシ スによって仲介されることを示す。 EtxBとEtxB(G33D)の組換調製物は、実施例1と同様にして調製 された。両タンパク質は、GM−1への結合、モノクローナル抗体とポリクロー ナル 抗体のパネルへの結合、および各種のその他の物理的−化学的な性状への結合で 十分に特徴づけられる。オボアルブミン(OVA)はシグマ(Poole,UK )から購入した。腸間膜リンパ節(MLN)は、8〜10週齢のBALB/c マウス[EtxBに対する高応答動物(Nashar,T.O.and Hirst,T.R.1995.Im munoregulatory role of H-2 and intra-H-2 alleles on antibody responses t orecombinant preparations of B-subunits of Escherichia coli heat-labile enterotoxin(rEtxB)and cholera toxin(rCtxB).Vaccine 13;803)]から単離 した。マウスに、不完全フロイントアジュバント(シグマ(Sigma))に乳化させ た200μgのOVA(シグマ(Sigma))を腹腔内注射した。MLNを注射から 10日後に除き、HBSS(フロー(Flow)、イルバイン(Irvine)、英国)中にス テンレス鋼メッシュを通してミンスした(mince)。回収した細胞をHBSS中で 遠心(500×g、10分、4℃)によって洗浄し、0.5%(v/v)の新鮮な 自己由来マウス血清を加えた、20mM Hepes(フロー(Flow))、100 IU ペニシリン、100μg/ml ストレプトマイシン、4mM L−グル タミンおよび5×10-5Mの2−メルカプトエタノールを含む改変イーグル培地 (フロー(Flow))(完全培地)中に再懸濁した。培養物は、24穴のプレートの 2ml容中に(ヌンク(Nunc)、ロスカイド(Roskide)、デンマーク)の8ml容 中に2×106生存細胞/mlを含み、単独でまたは40μg/mlのEtxB またはEtxB(G33D)とともに、100μg/mlのOVA(完全培地中 で高度に透析された)の存在下において確立された。培養物は、37℃、5%C O2及び95%空気で5日間インキュベートした。所定の時間で、0.1mlの サンプルを培養物から除去し、96穴のU−底プレート(ヌンク(Nunc))に移し 、6時間、1μCi/ウェルの[3H]チミジン(アマシャム(Amersham)、英国 )でパルスした(pulse)後、集め(マック III ハーベスティング 96 トムテック(Mach III harvesting 96 Tomtec)、オレンジ,コン(Orange,Conn.) 、アメリカ)、標準的な液体シンチレーション1450マイクロβプラス(liqui d scintillation 1450 Micro β plus)、エルケー ビー−ウォラック(LKB-Wallac)、ターク(Turku)、フィンランドによってカウン トした。T細胞のフローサイトメトリー分析(Becton Dickinso n、Erenbodegem−Aalst、Belgium)用に、細胞を、下 記のラット抗体(PharMingen、Cambridge、UK):FIT Cで標識した抗−CD4(RNRM4−5)またはFITC−抗−CD8α(5 3−6.7)で、およびビオチンで標識した抗CD25(IL−2Rα)(7D 4)で、次にストレプトアビジン−フィコエリトリンで染色した。さらに、ビオ チンで標識した抗体では,FITCで標識したストレプトアビジンを用いた。回 収した細胞のFACS分析は、[3H]チミジンの取り込みによって測定したと ころ、増殖のピーク日(4日)で実施した。 アポプトシス分析用に、新鮮なMLN細胞(MLNC)と脾臓のT細胞(SP LTC)を8〜10週齢のBALB/cマウスから単離した。フローサイコメト リー分析で測定したところ、>90%CD3+ T細胞を含むMLNCは、付着細 胞を除去するために37℃、5%CO2及び95%空気で10%のFCSを含有 する完全培地中においてペトリ皿(Costar、Cambridge,MA) 中で2時間インキュベートした。非接着性フラクションをその後ピペットで除去 し、ペレット化し、使用前にHBSS中で二度洗浄した。SPLTCを、(Wi gzell、H.1976. Specific affinity frac tionation of lymphocytes using glass or plastic bead columns. Scand. J. Immunol.5:(suppl.5)23.)に記載されるのと同様にして 、正常なマウス血清で、その後ウサギ抗マウスγ−グロブリンで被覆したガラス ビーズを用いた負の選択によって精製した。T細胞の選択集団は、フローサイコ メトリー分析によると、>90%CD3+であった。 CD4+とCD8+ T細胞は、次のように分離した:非接着性MLNCを、製 造業者の指示に従って、ラットフィコエリトリン−抗−マウスCD4(4708 −0 2)またはFITC−抗−マウスCD8α(53−6.7)(PharMing en)で標識化し、その後、ヤギ抗ラットIgG(H+L)F(ab’)2(P harMingen)で接合したMACSコロイダルスーパーパラマグネット微 小ビーズでインキュベートした。これらは、フローサイコメトリー分析によって 測定されるのであるが、CD4とCD8+ T細胞の正(>99%純粋)および負 (>90%純粋)の選択された集団の双方を単離するために最小−MACSカラ ム(Miltenyi Biotec,Bergisch Gladabach、Germany)に被覆した。 二つの方法は、アポプトシスの定量に用いられる:i)核形態学を調査するた めにアクリジンオレンジを用いるDNAを染色、およびii)DNA染色に続く ヨウ化プロピジウムおよび抗−CD4または抗−CD8抗体のいずれかを用いる 細胞サイクル分析。2×106/mlのMLNC、SPLTCおよび分画された MLNCの培養物は、80μg/mlのEtxBまたはEtxB(G33D)の いずれかの不存在または存在下に、10%のFCSを含有する完全な培地で確立 し、4〜18時間調べた。インキュベーション後、細胞をペレット化し、HBS Sで洗浄し、5μg/mlのアクリジンオレンジ(Sigma)で染色した。 胸腺細胞は10-7Mのデキサメタゾンの不存在または存在下に単離、処理され 、アポプトシスを受ける細胞の陽性対照として用いられた。リンパ球中の核形態 学変化は、従来のまたは共集点蛍光顕微鏡検査法(Leica TCS 4D) で調べた。細胞サイクル中のサブ−G0/G1段階においてCD4+とCD8+ SP LTCの割合は、ヨウ化プロピジウムの染色後、DNA含量のフローサイコメト リー分析によって決定した(O`Connor、P.M.,Jackman、J .,Jondle、D.、Bhatia、K.、Magrath,I.and Kohn、K.W.1993.Role of p53 tumor supp ressor gene in cell cycle arrest and radiosensitivity of Burkitt’s lymph oma cell lines.Cancer. Res.53:4776.) 。単独でまたは40μg /mlのEtxBもしくはEtxB(G33D)を用いてインキュベートしたS PLTCの18時間培養物から単離された細胞は、FITCラット抗−CD4ま たはFITC−抗−CD8αで染色された。染色細胞は、20mMのHEPES と0.5mMのEDTAを含む冷HBSS中で1×106に調製し、滴下した冷 エタノールで固定した。その後、50μg/mlのヨウ化プロピジウムと40μ g/mlのリボヌクレアーゼA(DNase free)を加え、細胞を室温で 1時間インキュベートした。CD4とCD8+ T細胞中のヨウ化プロピジウムで 染色したDNA染色の相対強度は、各mABでともに染色された細胞をゲートす ることによって決定した。 実施例1において、CD8+ T細胞がEtxBに応答してリンパ節細胞増殖の 培養物から完全に除去されるという観察は、EtxBがこのT細胞サブセットに ポリクローン性効果を及ぼすことを示唆した。かかる効果がEtxB応答細胞の 活性化に依存するかどうかを調べるために、培養物はOVA−初回抗原刺激を受 けた(primed)マウスから確立され、OVA単独またはOVAとEtxB もしくは突然変異体EtxB(G33D)で刺激を受けた。増殖の類似ピークレ ベル(各ケースにおいて培養の4日)は、OVA単独、OVAとEtxBまたは OVAとEtxB(G33D)(それぞれ、9734±347、12、031± 135および9305±290c.p.m.)の存在下に達成された。しかしな がら、4日(図6)後これらの培養物中のT細胞サブセットの分布に劇的な相違 があった。培養物の全てには、類似の割合で活性化マーカーCD25を共発現す るCD4+ T細胞が含まれていた。しかしながら、CD8+ T細胞は、OVAと EtxBでインキュベートした培養物中では検出できなかったが、OVAとEt xB(G33D)またはOVA単独の培養物に明らかに存在した(CD25発現 によって評価されたが活性化されなかった)。これは、EtxBがEtxB以外 の抗原に応答するCD8+ T細胞の除去を誘導することを確立する。そのうえ、 EtxB(G33D)に対する応答がない場合にトキソイドレセプタ相互作用の 後に除去の引き金となることを示す。 野生型EtxBが存在すると、以前にEtxB応答培養物(実施例1)に対して 見出されたものであるが、多くがCD25+(図示せず)であるB細胞の割合を 顕著に増加させることに注目すべきであった。したがって、EtxBによるレセ プター占有は、抗原特異性にかかわりなくリンパ球に関する重大な免疫調節薬上 の効果を及ぼすと結論づけられる。 EtxBの存在下で培養されるときに、CD8+ T細胞がアポプトシスを受け る可能性は調べられた。初回抗原刺激を受けてないマウスからのMLNCまたは 精製SPLTCは、EtxBまたはEtxB(G33D)とともにインキュベー トされ、アクリジンオレンジを用いる染色後、細胞核形態学の変化は4〜18時 間(表3と図7)にわたって記録された。細胞の形態学上の変化は、核の小裂片 の外観に生ずるクロマチン濃縮の存在によって特徴づけられる(図7)。原形質 膜の小水泡や細胞消滅体の存在などのその他の細胞の特徴は同様に観察される。 形態学上の変化はEtxBで処理された各細胞の調製のおよそ三分の一で生じ、 一方、より少ない発生率はEtxB(G33D)とともに、または外因性抗原( 表3)なしに培養した細胞で観察された。CD8+ T細胞がMLNCおよびSP LTC製剤の〜35−40%とカウントされたので、これらの細胞の除去は観察 されたアポプトシスとカウントできたであろう。これがその場合であるかどうか を確立するために、精製CD8とCD4+ T細胞の母集団は、抗原の存在下で1 8時間培養された(表3)。形態学上の変化の類似の割合は、EtxB,Etx B(G33D)または抗原なしで処理されたCD4+ T細胞(>90%CD4− ベアリング細胞)の負に選択された母集団において誘導され、EtxBのレセプ ターへの結合はこのT細胞サブセットにおいてアポプトシスの引き金とならない ことが示された。これに対して、負に選択されたCD8+ T細胞(>90%純粋 )の>70%は、野生型EtxBで培養されたときに形態学上の変化が示された :その一方、抗原なしまたはEtxB(G33D)とともにインキュベートする 場合には、それぞれT細胞集団の11〜19%だけを変化させた。さらに、精製 母集団で(それぞれの場合において〜10%)汚 染細胞が少ないことは観察された効果をカウントできなかった、というのは、> 99%のCD8またはCD4+ T細胞(陽性選択によって単離された)を含むよ り高度に精製された母集団は同様な方法でEtxBに応答するからである(抗原 なしやEtxB(G33D)処理の双方の場合の7%と比較して、EtxBの存 在下にアポプトチックは60%であった)(表3)。アポプトシスは、それぞれ 、デキサメタゾンの不存在または存在下において18時間インキュベーション後 、40%と89%の胸腺細胞で検出された。 我々の培養物で観察された形態学上の変化がアポプトシスと一致することを示 すために、EtxBで18時間処理されたSPLTCの培養物中のおよそ二倍体 DNAの外観が評価された。細胞はヨウ化プロピジウムと抗−CD8または抗− CD4抗体で共染色した後フローサイコメトリー分析にかけた(図8)。Etx Bでインキュベートされた培養物からのCD8+ T細胞の約48%は、ヨウ化プ ロピジウム染色の二倍体G0/G1ピークを下回り、アポプトシスを受けることを 示した(O`Connor、P.M.et al、supra)。EtxBを備 える培養物中のCD4を発現する少量の細胞は、DNAのサブ−G0/G1レベル を示した(〜11%;これはかかる高割合のCD8+ T細胞の死亡から生ずるで あろう)。これに対して、抗原なしでまたはEtxB(G33D)の存在下で培 養されたCD4またはCD8+ T細胞の主要部は、<5%アポプトシスを示しな がら細胞サイクルのG0/G1相であった。我々は、観察された核形態の変化、D NAのサブG0/G1の存在が、EtxBで処理されたCD8+ T細胞の実質的な 割合において、コレラ様エンテロトキシドによってトリガーされた選択的なアポ プトシスを示すと結論づけた。レセプター結合突然変異体、EtxB(G33D )の類似の効果を誘導することに関する不首尾は、CD8+ T細胞アポプトシス の誘導がGM−1ガングリオシドに結合する能力にリンクされることを示す。 実施例3 8匹のオスのDBA/1マウスの各グループは、変化していないもの(グルー プ A)かまたは側腹部中に皮内注射により0日目に完全フロイントアジュバント中 のウシのコラーゲン100μgがそれぞれ注射された。コラーゲンが注射された マウスは、無防備にしておく(グループB;陽性対照)かまたは、0日目に不完 全フロインドアジュバント中のEtxB100μg(グループC)、14日目に 不完全フロインドアジュバント中のEtxB100μg(グループD)、または 0日目に不完全フロインドアジュバント中のEtxB(G33D)100μg( グループE);のコラーゲン対抗量として隣接した部位に皮内投与により疾病発 生を予防する試みがなされた。グループAの動物以外の、全ての動物は、21日 目に皮内の不完全フロインドアジュバントにコラーゲンの増加量を受け入れ、疾 病の激しさを、後脚の足首の厚さの測定(実験A)または腫張による各後脚の指 の数(0=正常、3=最大腫張である0〜3階段標準;実験B)によって45日 目に評価した。 得られた結果を、図9aおよび9bに示す。これらの図は、EtxBが、コラ ーゲン誘発関節炎の発生からマウスを劇的に保護するが、EtxB(G33D) はそうでない事を示す。 実施例4a (正常なヒト給血者から得られた)2つの別のヒトバフィーコート試料を、単 核細胞源として用いた。細胞を、フィコール-パック(Ficoll-paque)を用いて単 離し、抗原の不存在下で、または表示したように80μg/mlのEtxBかま たはEtxB(G33D)と共に、培養する前に広範囲にわたって洗浄した。培 養するより前に、該細胞集団は、両試料それぞれに、24%CD8+、27%C D4+と、27%CD8+、22.9%CD4+とからなっていた。18時間培養 した後、該消滅する細胞(apoptotic cells)の出現を、(実施例2で詳述したよ うに)アクリジンオレンジで染色した細胞の試料で評価した。得られた結果を、 図10に示す。図10は、EtxBが正常なヒト末梢血単核細胞の集団中にアポ プトシスを誘発するが、EtxB(G33D)はそうでない事を示す。 実施例4b マウスのT細胞株(T cell line)、CTLL−2を、密集まで培養し、その後 、該細胞を、抗原の不存在下で、または表示したように80μg/mlのEtx BかまたはEtxB(G33D)と共に、1×106個の細胞/mlで再播種す る前に洗浄した。18時間後、試料を取出し、アポプトシスの徴候を示す細胞の 百分率を(実施例2で詳述したように)アクリジンオレンジを用いて評価した。 得られた結果を、図11に示す。図11は、GM−1の架橋結合がマウスのCT LL細胞に対する割合でアポプトシスを生ずることを示す。 マウスに、完全なフロイントアジュバント(CFA)中のEtxB(G33D )30μgと共に腹腔内に注射した。腸間膜リンパ節を、それから10日後に単 離した。細胞を単離し、EtxB、EtxB(G33D)または、95℃で加熱 することにより産出された、分解された単一形態のそれらのタンパク質()の 存在下で4日間培養した。増殖を、4日目の最後の6時間、1μCiの(3H) dThdの添加により終結させた。データは、3連のウェルの平均cpm及びS EMで表わす。非免疫マウスから単利された細胞は、<1500cpm(投与量 160μg/ml)であった。 マウスに、CFA中のEtxB(G33D)を注射し、腸間膜リンパ節細胞を 、それから10日後に単離した。その後、細胞を、EtxBかまたはEtxB( G33D)と共に試験管内(in vitro)で培養し、試料の上澄を、細胞増殖の5日 目にサイトカイン含量について分析した。 抗原の不存在下で、または80μg/mlのEtxBまたはEtxB(G33 D)と共に4または18時間培養後、分画されたCD4およびCD8+ T細胞中 の 核の形態学的変化を、アクリジンオレンジでの染色に続いて蛍光顕微鏡により検 査した。全MLNは、付着細胞で除去した。SPLTCは、マウスγ−グロブリ ンおよび続発性抗体としてウサギの抗マウスで被覆されたガラスビーズカラムに 陰性選択によって単離した。分割されたSPLTCは、ラットフィコエリトリン 抗マウスCD4またはFITC抗マウスCD8αでの標識化に伴って得られ、そ の後、ヤギ抗ラットIgG(H+L)F(ab’)2で結合されたMACSコロ イド超常磁性マイクロビーズと共に培養した。これらは、CD4およびCD8+ T細胞の陽性(>99%純粋)および陰性(>90%純粋)の両方に選択された 分画を得るために、微小MACSカラムを用いて単離した。核の形態学的変化を 、図7の説明に記載したように、治療毎に200個の細胞のランダムな試料中で 4〜18時間検査した。消滅した細胞の最大パーセントは、18時間後に出現し た。表示された括弧内のデータは、もう一つの分離実験の結果を表す。MLN及 びSPLTCに関するデータは、4つの実験の合計を表わしている。aパーセン テージは消滅した細胞である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I L,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK, MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR ,TT,UA,UG,US,UZ,VN (72)発明者 ハースト,ティモシー,レイモンド イギリス国,ノース ソマーセット ビー エス21 7アールアール,クリーブドン, アルバート ロード 30 (72)発明者 ナシャー,トウフィック,オスマン イギリス国,ブリストル ビーエス8 1 ティーディー,ユニヴァーシティー ウォ ーク,デパートメント オブ パソロジー アンド ミクロバイオロジー,スクール オブ メディカル サービセス,ユニヴ ァーソティー オブ ブリストル

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.自己免疫疾患の治療または予防薬として使用するための、 (i)CtxもしくはEtx、またはCtxおよびEtxのBサブユニット以外 の、GM−1結合活性を有する薬剤、または (ii)GM−1結合活性を有さないが、細胞内情報伝達が媒介されるGM−1 に影響を及ぼす薬剤。 2.自己免疫疾患の治療または予防薬として使用する医薬品の製造のための、 Ctx、EtxまたはCtxもしくはEtxのBサブユニットの使用。 3. (i)GM−1結合活性を有する薬剤、または (ii)GM−1結合活性を有さないが、細胞内情報伝達が媒介されるGM−1 に影響を及ぼす薬剤、 から選ばれる薬剤の有効量を被検哺乳動物に投与することからなる自己免疫疾患 の治療方法。 4.該薬剤は自己または交差反応抗原を補助投与するものである、請求の範囲 第3項記載の方法。 5. (i)GM−1結合活性を有する薬剤、または (ii)GM−1結合活性を有さないが、細胞内情報伝達が媒介されるGM−1 に影響を及ぼす薬剤、 および医薬的に許容される担体またはそれらのための希釈剤を含有する哺乳動物 の自己免疫疾患治療用医薬組成物。 6.さらに自己または交差反応抗原決定基を含有する、請求の範囲第5項記載 の医薬組成物。 7.請求の範囲第5項記載の医薬組成物およびそれらから分離された自己また は 交差抗原決定基を含有する医薬組成物を含むキット。 8.T細胞由来ヒト白血病の治療に用いるための、 (i)CtxもしくはEtx、またはCtxおよびEtxのBサブユニット以外 の、GM−1結合活性を有する薬剤、または (ii)GM−1結合活性を有さないが、細胞内情報伝達が媒介されるGM−1 に影響を及ぼす薬剤。 9.T細胞由来ヒト白血病の治療用医薬品の製造のための、CtxもしくはE tx、またはCtxおよびEtxのBサブユニットの使用。 10. (i)GM−1結合活性を有する薬剤、または (ii)GM−1結合活性を有さないが、細胞内情報伝達が媒介されるGM−1 に影響を及ぼす薬剤、 から選ばれる薬剤の有効量を被検哺乳動物に投与することからなるT細胞由来ヒ ト白血病の治療方法。 11. (i)GM−1結合活性を有する薬剤、または (ii)GM−1結合活性を有さないが、細胞内情報伝達が媒介されるGM−1 に影響を及ぼす薬剤、 および医薬的に許容される担体またはそれらのための希釈剤を含有するT細胞由 来ヒト白血病治療用医薬組成物。 12.移植拒否反応またはGVHDの予防/治療薬として使用するための、 (i)CtxもしくはEtx、またはCtxおよびEtxのBサブユニット以外 の、GM−1結合活性を有する薬剤、または (ii)GM−1結合活性を有さないが、細胞内情報伝達が媒介されるGM−1 に影響を及ぼす薬剤。 13.移植拒否反応またはGVHDの予防用医薬品の製造のための、Ctxもし く はEtx、またはEtxもしくはCtxのBサブユニットの使用。 14. (i)GM−1結合活性を有する薬剤、または (ii)GM−1結合活性を有さないが、細胞内情報伝達が媒介されるGM−1 に影響を及ぼす薬剤、 から選ばれる薬剤の有効量を被検哺乳動物に投与することからなる移植拒否反応 またはGVHDの予防または治療方法。 15.被検哺乳動物のワクチン接種に使用するための、 (i)EtxもしくはCtx、またはEtxもしくはCtxのBサブユニット以 外の、GM−1結合活性を有する薬剤、または (ii)GM−1結合活性を有さないが、細胞内情報伝達が媒介されるGM−1 に影響を及ぼす薬剤。 16. (i)CtxおよびEtx以外の、GM−1結合活性を有する薬剤、または (ii)GM−1結合活性を有さないが、細胞内情報伝達が媒介されるGM−1 に影響を及ぼす薬剤、 から選ばれる薬剤の有効量を、無関係の外来抗原決定基の有効量とともに被検哺 乳動物に補助投与することからなる被検哺乳動物のワクチン接種方法。
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