JPH11507946A - アテローム性動脈硬化症予防用薬剤の製造におけるnadphオキシダーゼ阻害剤の使用 - Google Patents

アテローム性動脈硬化症予防用薬剤の製造におけるnadphオキシダーゼ阻害剤の使用

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JPH11507946A
JPH11507946A JP9520684A JP52068497A JPH11507946A JP H11507946 A JPH11507946 A JP H11507946A JP 9520684 A JP9520684 A JP 9520684A JP 52068497 A JP52068497 A JP 52068497A JP H11507946 A JPH11507946 A JP H11507946A
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エイ.ホランド ジェイムス
ケイ.ジョンソン デイビッド
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ザ リサーチ ファウンデーション オブ ステート ユニバーシティ オブ ニューヨーク
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Abstract

(57)【要約】 哺乳動物におけるアテローム性動脈硬化症およびその関連疾患の予防および治療のための方法であって、NADPHオキシダーゼ阻害剤が投与される方法が提供される。NADPHオキシダーゼ阻害剤は内皮細胞をアテローム原性のLDLレベルに曝したときに反応性の酸素種が生産されるのを防止し、こうしてエンドサイトーシスおよび血管高透過性の減少をもたらす。好ましいNADPHオキシダーゼ阻害剤は式(I)のものである。さらに、ヒト患者がアテローム性動脈硬化症−関連疾患に罹患する危険性を予想するための診断法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 アテローム性動脈硬化症予防用薬剤の製造における NADPHオキシダーゼ阻害剤の使用 連邦政府に援助された研究の権利に関する陳述 本発明は、ベテランズ・アフェヤズ(メリットレビュー0002)デパートメ ントからおよびナショナル・インスティチュート・オブ・ヘルス(グラントNo .5R01 HL49573)からの支援を得て行われた。合衆国政府は本発明 の権利を保持することができる。 発明の分野 本発明はアテローム性動脈硬化症および内皮の高透過性から生ずる疾病の予防 および処置のための治療法に関する。より具体的には、本発明はNADPHオキ シダーゼ阻害剤の投与によるこれらの病気の予防および治療に関する。 発明の背景 その後遺症である心臓発作、発作および末梢血管病を持つアテローム性動脈硬 化症はアメリカ合衆国における死亡原因の筆頭であり、毎年800,000人を 越える死亡を出している。事故、自殺および殺人を除けば、アテローム性動脈硬 化症関連の疾病は総死亡者のほとんど50%の原因である。疫学的研究によれば 、患者の大部 分は低比重リポタンパク(LDL)の血中レベルの上昇を示すことが明らかであ る。LDLは肝臓から体組織へコレステロールを運ぶ。コレステロールレベルの 上昇(高コレステロール血症)は通常LDLレベルの上昇と関連している。血中 コレステロール、とりわけLDL−コレステロールの高レベルは冠状心臓疾患( CHD)の危険性を増加させるが、一方総コレステロールおよびLDLコレステ ロールレベルを低下させるとCHDのリスクが減少する。 異常に高い血中LDLレベルを制御したりあるいはコレステロールレベルを低 下させたりすることによりアテローム性動脈硬化症およびその合併症を治療しま たは予防するため多くの薬学的製剤が開発されてきた。これらの中で最も広く知 られている薬剤としては、ニコチン酸、クロフィブレート、デキストロチロキシ ンナトリウム、ネオマイシン、ベータ−シトステロール、プロブコール、コレス テリルアミン、およびロバスタチンやシムバスタチンなどのHMG−CoAリダ クターゼ阻害剤が挙げられる。しかしながら、これらの薬剤の有用性は急性副作 用の多発出現により制限される。このような副作用には強い皮膚の紅潮、かゆみ 、胃腸の刺激、肝毒性、不整脈、吐き気、体重増加、脱毛症、インポテンス、腹 痛、下痢、好酸球増加症、皮膚発疹、筋骨格痛、霞視覚、穏和な貧血症、白血球 減少症、胆石の増加、便秘、および宿便が含まれる。さらに、血清コレステロー ルの低下とアテローム性動脈硬化症の軽減との間には一部の相関があるだけであ る。アテローム性動脈硬化症を持つ患者のすべてが高コレステロールを持つ訳で はなく、そして高コレステロールを持つ患者のすべてがアテローム性動脈硬化症 を持つ訳ではない。 アテローム性動脈硬化症の病理生物学は血管内皮の関与の主要な役割を示して いる。内皮細胞の明白な死滅や喪失なしに内皮が変化して様々な血中物質に対す る内皮の透過性に混乱を生じることはアテローム性動脈硬化症病変の発生におけ る重要な特徴である。血液中に含まれる物質はそれに続いてこの内皮組織を通過 しそして動脈壁の最も内部に蓄積する。内皮透過性の中度の増加(高透過性)で さえもアテローム性動脈硬化症事象の出現の顕著な増加を伴う。 血管の高透過性が健常な内皮の存在下において起こるメカニズムの一つは内皮 の混乱による内皮のエンドサイトーシスの増加である。内皮は血流中の低比重リ ポタンパク(LDL)の高レベルや高血圧で生ずるような剪断的ストレスなどの 種々の条件により混乱することができる。糖尿病や喫煙も内皮の混乱を生ずる。 本発明者は今回ヒト血管内皮細胞(EC)が長期間高LDL濃度(330mg/ dlのコレステロールまで)に曝された状態の研究を行った。その結果、例えば 、細胞計測値の安定性により示されるように、LDLによるアテローム性動脈硬 化症プラーク形成の増大の間にヒトではECの死滅や喪失は起こらないことを明 らかにしている。 最初に、内皮の混乱が起こり、エンドサイトーシスの増加および内皮下層の空 間におけるLDLの蓄積がその結果として起こる。このようにして、高LDLレ ベルへの曝露はECエンドサイトーシスの過度の増強を誘発する。疫学的研究か らアテローム発生を起こすと考えられる濃度範囲(例えば、140mg/dlの LDLコレステロールより大きな濃度に曝された内皮細胞)でLDLに曝すこと がエンドサイトーシスの過度の増強に必要であることが研究により明らかにされ ている。別の重要な発見はエンドサイトーシスの過度の増強がいったん起こって しまうとそれは持続するということである。ECの機能的状態におけるこのよう な持続性の変化は内皮の混乱、あるいは血管の高透過性という概念と矛盾しない 。 エンドサイトーシスは基本的な、一見普遍的な細胞事象である。エンドサイト ーシスの間に、血漿膜の断片が内部に巻いて(interiorized)小嚢を形成し、そ れは細胞質の中へ移行する。この小嚢はトランスサイトーシスを介して経細胞輸 送に関与することができる。エンドサイトーシスの調節機構は良く理解されてい ないが、本発明者の研究は、H22やO2 -などの反応性酸素種が過度に増強され たECエンドサイトーシスを調節することを今回証明した。細胞は正常な細胞代 謝の副産物として反応性酸素種(ROS)を発生させる。混乱した内皮細胞はニ コチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド・リン酸塩(NADPH)オキシダー ゼの活性化を介して反応性酸素種の生産を増加させる。 NADPHオキシダーゼは白血球中でよく特性が決定されてきた酵素であるが 、白血球型のNADPHオキシダーゼはこれまで内皮細胞中では同定されてこな かった。本発明者はそれが内皮細胞中に生ずることをここに証明した。NADP Hオキシダーゼの活性化によりNADPHから酸素への電子伝達が起こり、その 結果O2 -やH22などの反応性酸素種(ROS)の発生が起こる。このオキシダ ーゼの活性型は複数の膜結合タンパクから組立てられた複合体であり、それはチ トクロームb558(gp91[phox]およびp22[phox] より構成される)と細胞質ゾル成分を含み、後者の中の3個は特性が決定 されており、p47(phox)、p67(phox)および低分子量のGTP−結合タンパ クである。チトクロームb558はグリコシル化された91kDポリペプチドに固 く結合している22kDポリペプチドから成っている。グリコシル化された91 kDポリペプチドは22kDポリペプチドを固定するのに役立つ内在性膜タンパ クである。 NADPHオキシダーゼ酵素複合体の遺伝的異常が慢性肉芽腫性疾患(CGD )、白血球が微生物に反応して反応性酸素種を発生させることができない先天的 疾患を惹起することが知られている。NADPHオキシダーゼ活性が不十分また は欠如しているCGDに関する研究により、NADPHオキシダーゼの遺伝的変 異型が存在することが明らかにされた。にもかかわらず、反応性酸素種の過剰量 を生産するNADPHオキシダーゼ遺伝的変異型を同定するための研究は見られ ない。もしこのような変異型が存在しわれわれの集団において一般的であるなら ば、そのときはこれらの遺伝的変異型を遺伝している人々は心臓発作、発作、お よび末梢血管病の危険性がより高いということができる。 膜結合酵素であるNADPHオキシダーゼは静態細胞では不活性型で存在する 。細胞の混乱が生ずると、酵素複合体が組立てられそして活性型に転換して反応 性酸素種の強い発生を惹起する(酸化的爆発)。NADPHオキシダーゼの活性 化機構を明らかにしようと試みる研究は、不飽和脂肪酸が、最も強力なのはアラ キドン酸が直接NADPHオキシダーゼを活性化することを示している。アラキ ドン酸が内皮細胞で見出されるNADPHオキシダーゼを活性化するか否かを確 認するため、濃度を増加させたアラキドン酸に細胞を直接接触させそして反応性 酸素種生産を測定する研究が行われた。これらの研究では、ECを1〜25μM のアラキドン酸と共にインキュベートし、H22の生産を測定した。アラキドン 酸はECのH22生成を誘発しそしてECの高められたエンドサイトーシスを促 進することが示された。 上の情報に基づく高LDLとアテローム性動脈硬化症の間の相関関係に対する 一つの説明は高レベルのLDLとの接触がホスホリパーゼA2の活性化を促進す るというものである。細胞内の閾値レベルでは、細胞質ゾルの遊離のアラキドン 酸はNADPHオキシダーゼを休眠状態から活性状態に転換する。 本発明者の実験で得られた証拠は反応性の酸素種がアテローム性動脈硬化症の 特徴である、高められたエンドサイトーシスを調節すること、そしてNADPH オキシダーゼが主要な細胞内資源であることを示している。NADPHオキシダ ーゼ阻害剤は炎症状態を治療するのに有効であると主張されているが、その初期 相が高められたエンドサイトーシスおよび高血管透過性により特徴付けられるア テローム性動脈硬化症などの疾病を治療するのにこれらの阻害剤が示唆されたこ とはこれまでなかったことである。例えば、ヨーロッパ特許出願第551662 号は気道、関節、および血管の急性および慢性炎症のコントロールにNADPH オキシダーゼ阻害剤の使用を開示する。このような血管の炎症には炎症の起源で あるこれらのアテローム性動脈硬化症が含まれるが、このEP出願はアテローム 性動脈硬化症が代謝状態により開始され炎症により開始されるものでないという 理由でアテローム性動脈硬化症を想定していない。 4−ヒドロキシ−3−メトキシアセトフェノン(慣用名、アポシニン)のNA DPHオキシダーゼ阻害剤としての使用が知られている。そしてそれは炎症疾患 を治療するのに有用であると示唆されてきた。アポシニンはヒマラヤ山中で成長 する植物、ピクロリザ・クロア(Picrorhiza kurroa)の根から単離された天然フ ェノールである。ピクロリザ・クロアの抽出物は南東アジアで、炎症と関連した 疾病の治療に、そして肝臓疾患や肺臓疾患、熱病、皮膚外傷、虫感染、リューマ チ性疾患、尿障害、心不全、および蛇やサソリに噛まれたときを含む多様な状態 の治療に伝統薬として使用されてきた。より最近の文献(エンジェルスら FEBS Lett., 305,254-56(1992)では、アポシニンが血栓症の予防ににも有用である ことが示唆されている。しかしながら、アポシニンも他のNADPHオキシダー ゼ阻害剤もこれらがアテローム性動脈硬化症すなわちECの高められたエンドサ イトーシスおよび高LDL濃度に帰することができる高血管透過性を予防するこ とは示されていない。 アテローム性動脈硬化症およびその関連疾患を予防および治療する、すなわち 多くの患者に有効な方法、そして患者を思い止まらせる副作用を回避する方法は この国の主要な死亡原因を無くす方向への実質的前進をもたらすことになろう。 既にヒトに使用されてきた容易に入手可能な医薬を用いる方法はアテローム性動 脈硬化症および関連疾患の予防および治療にさらなる重要な利点を提供するであ ろう。さらに、個体がアテローム性動脈硬化症を発症する潜在的危 険性を予防しそして治療するための診断法も強く望まれている。 発明の概要 本発明は哺乳類のアテローム性動脈硬化症を治療しそして予防するのに有効な 方法および組成物についての驚くべき発見に関する。本発明はアテローム性動脈 硬化症などの内皮の高透過性から生ずる状態を治療および予防するための、NA DPHオキシダーゼ阻害剤、好ましくはアポシニンの治療的使用法を提供する。 内皮細胞内におけるNADPHオキシダーゼ活性化を阻害すると血管の高透過性 が減少する。血管の高透過性と関連する他の状態もアポシニンなどのNADPH オキシダーゼ阻害剤を投与することにより治療または予防することができる。 一つの側面では、本発明は内皮の高透過性により生ずる状態を予防または治療 するための方法に関連する。この方法は内皮の高透過性から生ずる状態を患う哺 乳類に、NADPHオキシダーゼ阻害剤またはNADPHオキシダーゼ阻害剤の 代謝前駆体を治療上有効量投与することを含んで成る。本発明の方法から生ずる NADPHオキシダーゼ阻害剤は重なっているが異なる幾つかの特徴により区別 することができる。すなわち、(1)NADPHオキシダーゼ阻害剤または前駆 体の投与量が10%を越えるまでにより低い血清LDLには不十分であること、 (2)NADPHオキシダーゼ阻害剤または前駆体がヒトHMG−CoAレダク ターゼに対するよりもヒトNADPHオキシダーゼに対してより低いIC50を持 つこと、または(3)NADPHオキシダーゼ阻害剤または前駆体がメバロン酸 塩の存在下または非存在下に統計学的に等価な阻害をヒトNADPHオキシダー ゼに及ぼすこと、である。 別の側面では、本発明は内皮の高−透過性から生ずる状態を治療または予防す る方法であって、gp91[phox]およびp22[phox]膜結合NADPHオキシダ ーゼ成分へのp47[phox]の輸送を阻害する物質を治療上有効量哺乳類に投与す ることを含んで成る方法に関する。 本発明の好ましい側面では、NADPHオキシダーゼ阻害剤は次の式の化合物 である。 上式中、R1、R2およびR3は、水素原子、アルキル、シクロアルキル、ヘテ ロシクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アリ ールアルキル、ヘテロアリールアルキルおよび置換アルキル、置換シクロアルキ ル、置換ヘテロシクロアルキル、置換アルケニルおよび置換アルキニルより成る 群から独立に選択されるものである。 本発明の別の好ましい側面では、NADPHオキシダーゼ阻害剤は下記の式を 持つものまたはそれらの互変異性体である。 上式中、R1、R2およびR3は、水素原子、アルキル、シクロアルキル、ヘテロ シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アリー ルアルキル、ヘテロアリールアルキルおよび置換アルキル、置換シクロアルキル 、置換ヘテロシクロアルキル、置換アルケニルおよび置換アルキニルより成る群 から独立に選択されるものである。 本発明のより好ましい側面では、NADPHオキシダーゼ阻害剤は、R1およ びR2がそれぞれメチルであり、かつ、R3が水素原子である式I、IIまたはIII を持つものである。 式Iの化合物は市場で広く入手可能である。市場で入手できない化合物は適当 なフェノールまたは保護されたフェノールのフリーデルクラフツアシル化により 、保護されたフェノールの適当なカルボン酸へのアリールリチウム付加または酸 クロリドへのアリールカドミウム付加の後脱保護することにより、あるいはケト ンを形成する他の良く知られた方法のいずれかにより、便利に調製することがで きる。 第II属の他の化合物は適当なフェノールの酸化的二量体化により同様にして合 成することができる。これらの化合物はすべて過酸化水素などの便利な酸化剤の いずれかを使用して酸化することにより 容易にそして可逆的にキノン構造に酸化される。 血管の高透過性から生ずる状態には、アテローム性動脈硬化症およびアテロー ム性動脈硬化症に関連する疾患、例えば、心臓発作、発作、および末梢血管病が 含まれる。式I、IIまたはIIIの化合物はアテローム性動脈硬化症を治療しそし て予防するのに特によく適している。「予防する」および「治療する」という用 語により本出願人はこの病気または状態が完全に終わってしまわなければならな いことを意図するものではなく、何らかの改善があること、すなわち予期された 症候についての改善が臨床的に観察され得るようにその病気の通常のコースが実 質的に減少することのみを意図する。 もう一つの側面では、本発明は内皮の高透過性から生ずるアテローム性動脈硬 化症などの疾患に罹患するヒト患者の危険性を予想する方法に関する。この方法 は高められたNADPHオキシダーゼ活性を有する患者の同定を含んでいる。高 められたNADPHオキシダーゼ活性とは、本発明の目的では、対にされた対照 で見出される範囲を10%よりも多く越えている場合と定義される。このような 同定は患者の白血球(多形核の白血球)中のNADPHオキシダーゼ活性を測定 することにより行うことが好ましい。多形白血球(PMN)NADPHオキシダ ーゼ活性は流動細胞測光法を用い、2,7−ジクロロフルオレセイン・ジアセテ ートを指示薬として使用して測定することができる。このような患者を同定した 後は、アテローム性動脈硬化症やその関連疾患を予防しあるいは治療するために アポシニンなどのNADPHオキシダーゼ阻害剤の投与が推奨され得る。 本発明の各側面において、NADPHオキシダーゼ阻害剤の投与は、NADP Hオキシダーゼ阻害剤である化合物、並びにその代謝的前駆体である化合物(す なわち、プロドラッグ、前駆薬剤)の投与を包含することを意味する。機能的な 特徴はこの問題の化合物の投与の結果としてのNADPHオキシダーゼの阻害で ある。 定義 本明細書を通して次の用語は示された意味を有する。 「アルキル」とは、直鎖状の、分岐した、または環状の炭化水素構造およびそ れらの組み合わせを含むことを意味する。「低級アルキル」とは1〜8個の炭素 原子のアルキル基を意味する。低級アルキル基の例としては、メチル、エチル、 プロピル、イソプロピル、ブチル、s−およびt−ブチル、ペンチル、ヘキシル 、オクチル、シクロプロピルエチル、ボルニルおよび同種のものが挙げられる。 好ましいアルキル基はC20またはそれ以下のアルキル基である。 「シクロアルキル」とはアルキルのサブセットであり、3〜8個の炭素原子の 環状炭化水素基を含む。低級シクロアルキル基の例にはc−プロピル、c−ブチ ル、c−ペンチル、ノルボルニルおよび同種のものが含まれる。 「ヘテロシクロアルキル」とは、メチレン(CH2)基の一つから二つがNR (ここでRは水素原子またはアルキルである)、Sま たは同種のものなどのヘテロ原子により置換されているシクロアルキルを意味す る。ヘテロシクロアルキルの例としてはテトラヒドロフラニル、ピペリジン、ジ オキサニルおよび同種のものが挙げられる。 「アルケニル」には直鎖状の、分岐した、または環状の(C5-6)構造の不飽 和炭化水素およびそれらの組み合わせが含まれる。アルケニル基の例としては、 ビニル、アリル、イソプロペニル、ペンテニル、ヘキセニル、c−ヘキセニル、 1−プロペニル、2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニルおよび同種のものが 挙げられる。 「アルキニル」には直鎖状または分岐の構造を有する少なくとも一つの炭素− 炭素三重結合を含むC2-8の炭化水素およびそれらの組み合わせが含まれる。ア ルキニル基の例としては、エチン、プロピン、ブチン、ペンチン、3−メチル− 1−ブチン、3,3−ジメチル−1−ブチンおよび同種のものが挙げられる。 「アリール」および「ヘテロアリール」にはO、NおよびSから選択される0 〜3個のヘテロ原子を含む5員または6員の芳香環または複素芳香環、O、Nお よびSから選択される0〜3個のヘテロ原子を含む二環系の9員または10員の 芳香環または複素芳香環系、またはO、NおよびSから選択される0〜3個のヘ テロ原子を含む三環系の13または14員の芳香環または複素芳香環系が含まれ 、これらの環のそれぞれは低級アルキル、置換されたアルキル、置換されたアル キニル、=O、ニトロ、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、−OCH(COO H)2、シアノ、−NR44(ここで R4はそれぞれ独立に水素原子、低級アルキルまたはシクロアルキルであり、そ して−R44が融合してNと共に環を形成することができる)、アシルアミノ、 フェニル、ベンジル、フェノキシ、ベンジルオキシ、ヘテロアリール、またはヘ テロアリールオキシの1〜3個で必要に応じ置換されており、該フェニル、ベン ジル、フェノキシ、ベンジルオキシ、ヘテロアリールおよびヘテロアリールオキ シは低級アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキ シ、シアノ、フェニル、ベンジル、ベンジルオキシ、カルボキサミド、ヘテロア リール、ヘテロアリールオキシ、−NO2および−NR44から選択される置換 基1〜3個で必要に応じ置換されている。芳香族の6員〜14員の炭素環には、 例えば、ベンゼン、ナフタレン、インダン、テトラリンおよびフルオレンが含ま れ、そして5員〜10員の芳香族複素環には、例えば、イミダゾール、ピリジン 、インドール、チオフェン、ベンゾピラノン、チアゾール、フラン、ベンズイミ ダゾール、キノリン、イソキノリン、キノクサリン、ピリミジン、ピラジン、テ トラゾールおよびピラゾールが含まれる。 「アルコキシ」とは直鎖状の、分岐した、または環状の構造を持つ炭素原子1 〜8個の基およびそれらの組み合わせを指す。例としてはメトキシ、エトキシ、 プロポキシ、イソプロポキシ、シクロプロピルオキシ、シクロヘキシルオキシお よび同種のものが挙げられる。 「アシルアミノ」とは直鎖状の、分岐した、または環状の構造を持つ炭素原子 1〜8個の基およびそれらの組み合わせを指す。例と してはアセチルアミノ、ブチルアミノ、シクロヘキシルアミノおよび同種のもの が挙げられる。 「ハロゲン」にはF、Cl、BrおよびIが含まれる。 「アリールアルキル」とは、アリール環に結合しているアルキル残基を指す。 例としては、例えば、ベンジル、フェネチルおよび同種のものが挙げられる。 「ヘテロアリールアルキル」とはヘテロアリール環に結合しているアルキル残 基を指す。例としては、例えば、ピリジニルメチル、ピリミジニルエチルおよび 同種のものが挙げられる。 「置換された」アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルケニ ルまたはアルキニルとは、その中の各炭素原子上の水素原子3個までがハロゲン 、ヒドロキシ、低級アルコキシ、カルボキシ、カルボアルコキシ、カルボキサミ ド、シアノ、カルボニル、−NO2、NR55(ここでR5は水素原子、アルキル またはアリールアルキルである)、アルキルチオ、スルホキシド、スルホン、ア シルアミノ、アミジノ、フェニル、ベンジル、ヘテロアリール、フェノキシ、ベ ンジルオキシ、ヘテロアリールオキシおよび置換されたフェニル、ベンジル、ヘ テロアリール、フェノキシ、ベンジルオキシまたはヘテロアリールオキシで置換 されているアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルケニルまた はアルキニルを指す。 図面の簡単な説明 本発明のこれらの及び他の目的、特徴および長所は以下に述べる詳細な説明か ら下記の添付の図面を参照して読むとき明らかとなる。 図1は内皮細胞の4テストグループに対する細胞当たりの「ILIGV」とし て測定された蛍光分光法からの光学密度のグラフであって、高−LDLに誘導さ れた内皮細胞の過酸化物生産に対するアポシニンの影響を示す。 図2は内皮細胞の4テストグルーブに対する105細胞当たりの蛍光のグラフ であって、高−LDLに誘導された内皮細胞のエンドサイトーシスに対するアポ シニンの影響を示す。 図3は内皮細胞の4テストグループに対する細胞当たりの「ILIGV」とし て測定された蛍光分光法からの光学密度のグラフであって、アラキドン酸に誘導 された内皮細胞の過酸化物生産に対するアポシニンの影響を示す。 図4は高コレステロール食餌を与えられたウサギの腹部大動脈の切片の顕微鏡 写真の印刷物である。 図5は高コレステロール食餌と本発明のアポシニンも与えられたウサギの腹部 大動脈の切片の顕微鏡写真の印刷物である。 図6はアテローム性動脈硬化症を持つ患者22名のそれぞれに対する過酸化水 素生産の、対にされた対照と比較した場合の増加パーセント(すなわち、オキシ ダーゼ活性の増加)を示す棒グラフである。 図7は、対照内皮細胞、PMA曝露内皮細胞およびアポシニン100μg/m lで処理されたPMA曝露内皮細胞からの細胞質ゾル画分および膜画分のウエス タンブロットの印刷物であって、アポシニン処理細胞では膜画分にp47[phox] が存在しないことを示す。 図8はアポシニンおよび精製アポシニンダイマーの存在下および非存在下にア ラキドン酸に反応して全細胞内皮細胞音波処理物が発生するO2 -を示すグラフで ある。 発明の詳細な説明 本発明は内皮の透過性の増大と関連する状態であるアテローム性動脈硬化症お よびそれよ関連する疾患を予防および治療する方法を提供する。本発明によれば 、アポシニンなどのNADPHオキシダーゼ阻害剤の投与が内皮細胞のNADP Hオキシダーゼ活性化を阻害する。NADPHオキシダーゼの活性化は酸化的爆 発(反応性酸素種の発生の増大)の主要な細胞起源であり、これはアテローム発 生原として知られる血清LDLレベルと関連する。この酸化的爆発は高められた エンドサイトーシスおよび内皮の高透過性を調節する。 本発明はさらにNADPHオキシダーゼの活性を測定することによりアテロー ム性動脈硬化症−関連疾患の危険性を予想するための診断法を提供する。アテロ ーム性動脈硬化症−関連疾患の記録された臨床歴を持つ個体あるいはその強い家 族歴を持つ個体は、この病気の病歴または家族歴を何ら持たない人々よりも高い NADPHオキシダーゼ活性を持っている。 本発明の方法の好ましいNADPHオキシダーゼ阻害剤はアポシニンである。 アポシニンはオルトメトキシ置換されたカテコールであり、これはp47[phox] 細胞質ゾルのオキシダーゼサブユニットの膜画分への輸送を阻害することにより NADPHオキシダーゼ複合体の組立てを阻止するように作用する。100μg /mlのアポシニンの存在下および非存在下に10nMのPMAとECを15分 間接触させる研究を行った。続いて、ECの細胞質ゾル画分および膜画分を単離 した。p47[phox]に対するモノクローン抗体を用いてこれらの画分のウエスタ ン・ブロット分析を行った。図7はアポシニンで処理されたECの膜画分には細 胞質ゾルのサブユニットp47[phox]が存在しないことを示す。 本発明の好ましいNADPHオキシダーゼ阻害剤はアポシニンであるが、本発 明の方法はアポシニンに限定されず、当分野で熟練した者には明らかであるよう に、内皮細胞のNADPHオキシダーゼを阻害することが知られている他の多様 な化学物質を使用することもできる。アポシニンの場合には、完全な分子(オル ト−メトキシフェノール)が阻害剤として有効であるように見え、さらに、代謝 的酸化から生ずるダイマーも極めて有効であり、実際に活性種であ りうる。このようにして、ダイマーの電子分布に類似の電子分布を持つ化合物は NADPHオキシダーゼの有効な阻害剤であり、本発明の中に包含される。有用 な他のタイプのNADPHオキシダーゼ阻害剤の例としては、ロバスタチンやコ ンパクチン(米国特許第5,224,916号を参照)、ベンゾフラニルアルカ ンやベンゾテニルチオアルカンのカルボキシレート(EP出願第551,662 号参照)、およびチトクロームb558断片およびそれらのアナログ(PCT出願 WO91/17763号参照)などのイソプレニレーション阻害剤が挙げられる が、これらに限定されるものではない。 既知のNADPHオキシダーゼ阻害剤の多くは活性複合体の組立てを妨害する ことにより作用すると信じられているが、本明細書で用いるときNADPHオキ シダーゼ阻害剤という用語は機構に関して制限する意図は全くない。NADPH オキシダーゼにより触媒される反応性酸素種の発生を阻害する物質はすべて「N ADPHオキシダーゼ阻害剤」という用語により包含される。NADPHオキシ ダーゼ阻害剤によりアテローム性動脈硬化症を治療するための請求された方法は 、たまたまNADPH阻害剤でもある化合物を用いる既知のアテローム性動脈硬 化症治療法(その機構はこれまで知られていないが)とは区別することができる 。請求された方法は、LDL−コレステロールを減少させるには治療上無効であ る、すなわち血清LDL−コレステロールの低下を10%未満しか行えない既知 の阻害剤(例えば、ロバスタチン)の投与を採用することができる。 また、請求された方法はそれらがヒトHMG−CoAレダクターゼに対するよ りもヒトNADPHオキシダーゼに対するIC50がより低いためNADPHオキ シダーゼ複合体に標的化される阻害剤を採用する。本発明の目的では、IC50は 標準的実務に従い問題の酵素を50%まで阻害するのに必要な阻害剤の濃度と定 義される。ヒトNADPHオキシダーゼに対するIC50は米国特許第5,244 ,916号カラム11〜12に記載されているように測定し、ヒトHMG−Co Aレダクターゼに対するIC50はエドワーズら〔J.Lipid Res.20,40-46(1979 )]により記載されたように測定する。HMG−CoAレダクターゼ測定の簡単 な記述は次のようなものである。 ヒト肝臓の断片を25mlの緩衝液A(0.1Mスクロース、0.05MのK Cl、0.04Mのリン酸カリウムおよび0.03MのEDTAカリウム塩、p H7.2)中、4℃でホモゲナイズし、そしてエドワーズおよびゴールド[J.B iol.Chem. 247,1520-1524(1972)]により記述されたようにミクロソームを調 製する。このミクロソームを約82mgタンパク/mlの濃度になるように緩衝 液Aに再懸濁し、固体のDTTを最終濃度10mMになるように添加しそしてミ クロソームをホモゲナイズする。このミクロソーム懸濁液の3ml部分を、ヘラ ーおよびゴールド〔Biochem.Biophys.Res.Comm. 50, 859-865(1973)]により 記述されたように、ガラス管の中で6〜8℃/分の速度で凍結し、そして2ヶ月 までの間−20℃に貯蔵する。 レダクターゼの最適溶解のために、凍結したミクロソームを室温 で融解させた後、37℃に予め加温した緩衝液B(緩衝液Aプラス10mMのD TT)中の50%グリセロール等量を添加する。この懸濁液を再びホモゲナイズ し、ついで37℃で60分間インキュベートする。この懸濁液を予め37℃に加 温した緩衝液Bで3倍希釈し、最終グリセロール濃度を8.3%とし、再ホモゲ ナイズしそして25℃で100,000gで60分間遠心分離する。可溶化され たHMG−CoAレダクターゼを含むその上清を採り、直ちに使用する。 可溶化されたHMG−CoAレダクターゼの活性は、分光光度計を用い総量0 .5mlで37℃で測定する。セル光路長は1.0cmである。NADPHの酸 化速度は初めHMG−CoAの非存在下で測定しそしてこのブランク値を、それ があるなら、両基質で得られた速度から差し引く。 最大活性は緩衝液C(0.2MのKCl、0.16Mのリン酸カリウム、0. 004MのEDTA、および0.01MのDTT、pH6.8)中で、0.2m MのNADPHおよび0.1mMのRS−HMG−CoAと共に酵素を検定する ことにより得られる。酵素活性の1ユニットは1分間に2ナノモルのNADPH を酸化するのに必要な量として定義される。従って、1ユニットは1分間当たり 1ナノモルのメバロン酸塩の合成と等価である。 阻害は緩衝液Cの中で測定する。結果はテスト基質に対し50%阻害濃度(I C50)として表す。約1/2logで隔てられた6〜10種のテスト基質濃度に ついて2連でテストする。インキュベー ションに添加するためテスト基質を緩衝液Cに溶解する。IC50は直線補間によ り計算する。 NADPHオキシダーゼを阻害するがイソプレニレーションを阻害しない1ク ラスの阻害剤は、これらがメバロン酸塩の存在下および非存在下でヒトNADP Hオキシダーゼに対し統計的に等価の阻害を及ぼすという事実により識別するこ とができる(米国特許第5,244,916号、カラム14第60行〜カラム1 5第30行を参照)。 イン・ビトロアポシニン実験 高LDLの内皮細胞組織培養系を用いてイン・ビトロで実験を行った。内皮細 胞はヒト臍帯静脈から単離しそしてLDL培地を添加した実験穴の中に入れた。 組織培養の成分および化学薬品は市販されており、シグマ、ワーシングトン、お よびギブコから入手した。LDLはヒト血液の血漿から単離した。アポシニンは カール・ロートGMhH(ドイツ)から入手可能である。 アポシニンを用いてNADPHオキシダーゼの活性化を阻害し、それにより高 められたエンドサイトーシスを防止する研究を行った。アポシニンは機能的なN ADPHオキシダーゼ酵素複合体の組立てを妨害する。アポシニン研究では、1 00μg/mlのアポシニンの存在下および非存在下でECを240mg/dl のLDLコレステロールと共にインキュベートした。図1および図2に示すよう に、アポシニンは(1)H22の生産の誘導および(2)高濃度 のLDLと関連するエンドサイトーシスの改変を効果的に阻害する。 上述のように、アラキドン酸はECのH22発生を誘導することによりECの NADPHオキシダーゼを直接活性化し、アラキドン酸への曝露は高められたE Cのエンドサイトーシスを促進する。 アラキドン酸−誘導酸化的爆発がNADPHオキシダーゼ活性化から生ずると いうさらなる支持がアポシニンを用いてNADPHオキシダーゼ活性化を阻止し た次のテストの結果から得られる。ECを100μg/mlのアポシニンの存在 下および非存在下で10μMのアラキドン酸とインキュベートした。図3はアポ シニンがECのアラキドン酸−誘導H22発生を顕著に減少させた。 アポシニンがNADPHオキシダーゼ活性を阻害するように作用するまでに約 2分間のラグタイム(遅れの時間)のあることが示された。この遅延はアポシニ ンがROSおよびペルオキシダーゼの関与する化学反応で活性生産物まで代謝さ れるために必要な時間から生ずる。事実上この遅延の後に、細胞のROS生産が ほぼ完全に阻害される。 アポシニンの活性代謝物は代謝的酸化から生ずるキノン様構造を持つダイマー と同定された。精製したアポシニンダイマーの存在下および非存在下にアラキド ン酸に反応して生ずる全細胞EC音波処 理物によるROSの発生を検討するための研究を行った。図8に示すように、精 製したアポシニンダイマーの存在下では、ROS発生のほぼ完全な阻害に対する ラグタイムは存在しなかった。 アポシニンの二量体化 アポシニンダイマーの合成および単離 I. 合成 10mgのアポシニンを500mlの蒸留水に容積測定により溶解してアポシ ニンの0.02mg/ml水溶液を調製する。この溶液の最終モル濃度は1.2 ×10-4Mである。30%H22(m/m,9.8M)の1mlを蒸留水で10 mlに容積測定により希釈して、3%H22(m/m)溶液を調製する。この溶 液の最終モル濃度は0.98Mである。固体のホースラディッシュ・ペルオキシ ダーゼ(HRP)5mgを蒸留水50mlに容積測定により溶解してHRPの0 .1mg/ml溶液を調製する。 洗浄し乾燥した250mlエルレンマイヤーフラスコ中で、0.02mg/m lアポシニン溶液100mlを、0.1mg/mlのHRP溶液100μl(ミ クロピペットにより添加)と混ぜる。マグネチックスターラーのバーを添加し穏 和にこの溶液を攪拌する。反応は3%H22溶液24μl(ミクロピペットによ り添加)の 添加により開始する。10秒後に、0.1MのNa223の1.5mlを添加 して反応混合物を停止させる。ついでこの溶液を2分間激しく攪拌した後、3M 硫酸5滴を添加して溶液のpHを3から4に下げる。 ついで、停止した反応混合物を二つの50mlずつに分ける。それぞれをジエ チルエーテルで2回抽出(2×15ml)し、そしてエーテル層を合わせる。合 わせたエーテル抽出液を最小量の無水硫酸マグネシウム上で10分間乾燥し、つ いで重力ろ過する。このエーテルをロータリ・エバポレーターで除去し、得られ る生産物、主としてアポシニンとアポシニンダイマーの混合物をCDCl3に溶 解し1H−NMRスペクトロスコピーで分析する。 II. 単離 1H−NMRによる分析の後、ロータリ・エバポレーターでCDCl3を除去し 、粗生産物混合物を最小量のHPLCグレードのメタノール中(<1ml)に溶 解する。懸濁する粒子が存在するときは、HPLCカラムに注入する前にナイロ ン膜シリンジフィルターを用いてこの溶液をろ過する。ダイマーを単離するため 、UV検出器を備えた調製用の逆相(C18)HPLCを用いる。移動相は50 :50のメタノール:アセテート緩衝液(pH=4)、そして検出には260n m波長を使用する。 ロータリ・エバポレーター(約1時間)でダイマーを含む調製用の集めた溶液 (10〜20ml)からメタノールを除去する。 次いで、固相抽出フィルターカートリッジ(アルテックC18 500mg - 3ml)を 、10mlHPLCグレードメタノールを引き、その後フィルターを通して10 mlの蒸留水を引くことにより調製する。溶媒を除いた調製用溶液をフィルター に通し、ついで4mlの蒸留水で濯ぐ。約10分間このフィルターを乾燥し、つ いでHPLCグレードのメタノールでカラムから押し出して集める(5×5ml )。このメタノールをロータリ・エバポレーターで除去し、単離されたダイマー を3mlのCDCl3中に溶解する。ついでダイマーを1H−NMRスペクトロス コピーで分析する。 アポシニンダイマーの酸化還元反応 出願人は仮説によって限定されることを望まないが、アポシニンはNADPH オキシダーゼを積極的に阻害するものの代謝滴前駆体であるように思われる。 NADPHオキシダーゼ活性化の機構にさらなる洞察を得るために追加的な研 究を行った。細胞の酵素であるホスホリパーゼA2(PLA2)は膜のリン脂質を 加水分解して細胞内にアラキドン酸を放出する。そのアンタゴニストであるp− ブロモフェナシルブロミド(BPB)によるPLA2の阻害は細胞質ゾルの遊離 のアラキドン酸の上昇を抑制しそしてNADPHオキシダーゼ活性化のこの二 次的メッセンジャーを制限する。このようにして、PLA2の阻害はLDL−E C・NADPHオキシダーゼ活性化を阻止する。これらの研究では、ECは10 μMのBPBの存在下および非存在下において240mg/dlのLDL−コレ ステロールに曝された。BPBはLDL−ECの反応性酸素種生産を顕著に減少 させた。 PLA2はCa2+−依存性の酵素である。同様に、Ca2+は完全細胞において NADPHオキシダーゼ活性化のために必要とされる。PLA2−媒介アラキド ン酸放出は細胞外Ca2+濃度と平行する。LDL−ECが細胞のCa2+流入を増 加させるか否かを決定するための研究を行った。これらの研究では、ECを次第 に増加するLDLレベル(30〜240mg/dlコレステロール)と共にイン キュベートし、そして細胞のCa2+流入をルイスら〔J.Clin.Invst., 82, 204 5-2055(1988)]により記述されたように45Ca2+の取り込み試験を用いることに より測定された。LDL−ECは細胞のCa2+流入の用量−依存的な上昇を促進 することが見出された。LDLはECをH22に曝すことによりCa2+の流入を 誘導することができる。これは細胞のCa2+に対する透過性を惹起しそして細胞 内のカルシウム上昇を生ずるのである。 上のイン・ビトロの研究は、アテローム原性のLDLレベルが高められたEC エンドサイトーシスを誘導しそしてNADPHオキシダーゼにより大量に作られ る反応性酸素種が高められたECエンドサイトーシスを調節することを明らかに した。再述すると、如何なる特定の理論に固執するつもりもないが、イン・ビト ロでの上記の研究によれば、活性化されたEC・NADPHオキシダーゼにより 発生させられる反応性酸素種は高コレステロール血症に誘導される、高められた ECエンドサイトーシスを介する血管の高透過性を調節するという仮説を立てる ことができる。 高LDLとの接触は最初リン脂質からアラキドン酸を放出するホスホリパーゼ A2の活性を活性化する。細胞質の遊離のアラキドン酸は、閾値レベルでNAD PHオキシダーゼの不活性な遺伝的変異型をその活性型に転換する。NADPH オキシダーゼのこの遺伝的変異型は細胞膜を混乱させそしてPLA2の活性化を 増強する反応性酸素種の発生量を増加させる。PLA2活性化はさらに反応性酸 素種により媒介される細胞のCa2+流入により増強される。膜のリン脂質から放 出されるアラキドン酸はNADPHオキシダーゼ酵素複合体の補充および組立て を顕著に拡大する。この多重の、膜に結合した、組立てられた酵素複合体は過剰 な量の反応性酸素種、O2- -およびH22を発生させる。これらの反応性酸素種 は膜の流動性を増加しそしてエンドサイトーシスのための活性化エネルギーを減 少させる。これらのLDL−に誘導される細胞事象の組み合わせにより高められ たECエンドサイトーシス、血管の高透過性、およびトランスサイトーシスを介 する細胞間輸送の増強を生ずる。 このようにして、例えば、アポシニンを用いてNADPHオキシダーゼ活性化 を阻害すれば、高められたECエンドサイトーシスを予防しそして血管の高透過 性を減少させることになる。 特定の理論に限定することを望む訳ではないが、アポシニンダイマーによるN ADPHオキシダーゼの阻害はNADPHオキシダー ゼ活性化プロセスの中の電子伝達鎖の破壊を伴うという可能性がある。NADP Hオキシダーゼ活性化はユビキノン(補酵素Q)とチトクロームbの間の電子伝 達機能の共役を必要とする。ユビキノンよりもより低い還元電位を有する酸化型 のダイマーはそのときその電子伝達鎖を妨害するであろう。 イン・ビボにおけるアポシニン実験 上記の仮説をテストするため、高コレステロール血症ウサギモデルを用いて、 血管の高透過性に対するNADPHオキシダーゼ阻害の影響に焦点をおいた研究 をイン・ビボで行った。ニュージーランド雄白ウサギをその飲み水に200μg /mlのアポシニンを添加し(n=5)および添加せず(n=5)、1%コレス テロール食餌で飼育した。食餌の開始から1月後に、犠牲にする1分前に動物に 透過性の指標としてホースラディッシュ・ペルオキシダーゼ(HRP)を注入し た。大動脈を切り取り、開き、そして解剖トレーにピンで止めた。巨視的観察で は、アポシニン無添加の1%コレステロール食餌ウサギの大動脈は典型的な拡散 した初期アテローム性動脈硬化症病巣を有していることが明らかであった。対照 的に、アポシニンで処理された高コレステロール血症ウサギの大動脈には病巣が 存在しないことが注目された。続いて、大動脈をジアミノベンジジンおよびH2 2に接触させ、高HRP濃度の部位に褐色の反応沈澱物を発生させた。アポシ ニン処理なしの高コレステロール血症ウサギの大動脈は顕著な、高HRP濃度の 拡散領域を有していた。しかしながら、アポシニンで同時に処理された高コレス テロール血症動物の大動脈はHRP−陽性領域をほとんど示さず、標準のウサギ 食餌を与えられたウサギで見られたパターンと同様のパターンを示した。高コレ ステロール血症ウサギの総血清コレステロールレベルはアポシニン添加ウサギと 無添加ウサギとで同等であった。 その飲み水にアポシニン30μg/ml(n=2)、200μg/ml(n= 2)、400μg/ml(n=2)、800μg/ml(n=2)の添加、およ びアポシニン無添加(n=2)で、1%コレステロール食餌を与えた10頭のニ ュージーランド雄白ウサギを用いた3ヵ月間の研究も行った。3ヵ月後にその動 物を犠牲にし、その大動脈を前と同様に検討した。視覚観察により、アポシニン 処理なしの1%コレステロール食餌ウサギの大動脈はその表面の60%の範囲で アテローム性動脈硬化症プラークで覆われた領域を有していた。対照的に、アポ シニンで処理された高コレステロール血症ウサギの大動脈では病巣の用量−依存 的な減少が注目された。200μg/mlより多くののアポシニンで処理された 動物では、プラークで覆われた大動脈の表面は8%未満に減少した。アポシニン 処理があっても無くても高コレステロール血症ウサギの総血清コレステロールレ ベルは同等であり約1000mg/dlであった。 1ヵ月および3ヵ月ウサギ由来の大動脈の内皮の形態学的検討を行った。無差 別の組織試料を高コレステロール血症ウサギおよびアポシニン処理高コレステロ ール血症ウサギの胸大動脈および腹大動脈から採取した。組織試料を薄い切片と し顕微鏡のために処理した。アポシニン無処理の高コレステロール血症ウサギ由 来の試料を電子顕微鏡および光学顕微鏡で検討すると、アテローム性動脈硬化症 の特徴である頻度の多い拡散性の血管変化が明らかになった。図4 は代表的光学顕微鏡写真である。対照的に、アポシニンで処理された高コレステ ロール血症ウサギ由来の多種類の組織試料を検討すると、血管変化の証拠がほと んどないことが明らかになった。図5は代表的な光学顕微鏡写真である。冠状大 動脈の内皮に対するNADPHオキシダーゼ阻害の影響を同様に検討した。腹部 大動脈と同様に、冠状大動脈はアテローム性動脈硬化症の特徴である血管変化を 示すことが見出された。そしてこれらの変化はアポシニンで処理することにより 減少した。 アポシニンが高められたECエンドサイトーシスが生ずるのを予防することに より血管の高透過性を減少させるという実験的証拠を提供するために、ECの管 腔側および管腔の反対側(abluminal side)の上のエンドサイトーシス小胞の数 をエンドサイトーシス活性の近似的尺度として顕微鏡写真から計算した。アポシ ニンで処理された高コレステロール血症ウサギおよび処理されなかったものの大 動脈から無差別に選ばれた50の細胞の電子顕微鏡写真を35,000×拡大で 撮った。エンドサイトーシス小胞を管腔細胞側および管腔の反対側上で計測した 。計測された小胞には原形質膜中で形成しつつあるものあるいは膜に明らかに結 合しているものが含まれる。アポシニン処理動物におけるエンドサイトーシス小 胞の数には有意な減少が観察され、これはアポシニンが作用してエンドサイトー シスの増加を防止することを示唆する。 副作用 3ヵ月間アポシニンで処理したウサギは病気の明白な徴候を示さ なかった。アポシニン処理ウサギの3ヶ月の期間にわたる体重増加はアポシニン 処理なしの動物の体重増加と同等であった。 白血球はNADPHオキシダーゼを利用してROSを発生させ細菌類を殺すの であるから、アポシニンが感染に対する感受性を増加するおそれが予想されるか も知れない。しかしながら、ニュージーランド雄白ウサギにおける感染の発生率 の増加はみられなかった。 アポシニンのもう一つの理論的副作用は細胞増殖の阻害から生ずると考えられ た。骨髄細胞および胃腸管細胞などの身体のある組織はより高い細胞増殖速度を 有している。細胞成長研究は内皮細胞の増殖および平滑筋細胞の増殖に対するア ポシニンの用量−依存性の影響を示した。100μg/mlのアポシニンで、細 胞増殖速度は最小であったが、しかしながら、細胞の視覚的検査ではテストされ たアポシニン濃度での細胞障害や細胞死の証拠は明らかでなかった。このように して、ROS発生を阻害する濃度では、アポシニンは細胞増殖を抑制するのに極 めて有効である。 結論 イン・ビトロおよびイン・ビボでの上記の研究から、アポシニンなどのNAD PHオキシダーゼ阻害剤の投与により、アテローム性動脈硬化症およびその関連 疾患を含む内皮細胞の高透過性と関連する疾患を予防および治療することができ る。アテローム性動脈硬化症の予防に加えて、アポシニンなどのNADPHオキ シダーゼ阻害剤は膜透過性およびそれと関連する細胞増殖を減少させることによ り下記の状態、すなわち、関節炎、癌、敗血症、発作後およびMI後の組織の腫 脹や再灌流障害、成人呼吸困難症候群(ARDS)、成長悪性疾患、移植後血管 変化、脈管炎、喘息および糖尿病を予防および治療するのに有用でありうる。 アポシニンなどの、ヒトに投与すべきNADPHオキシダーゼ阻害剤の最適投 与量は、治療対象である状態の重篤度および性質、投与経路、患者の年齢、体重 、および性により変化する。そしてそれは患者の受けている他の投薬あるいは治 療されている患者の併発している重要な医学的状態の存在にも同様に依存して変 化する。投与量およびおそらくは投与頻度も個々の患者の反応に応じて変化する 。一般に、ここに記載された状態に対するアポシニンの総一日投与量の範囲は約 10mg/kg/日から約45mg/kg/日であり、平均的なヒトの場合は1 日の総投与量は約500mgから約3000mgであり、好ましくは分割投与さ れる。患者を管理するには、治療は低い投与量、おそらく約200mgから約5 00mgで開始すべきであり、そして患者の全体的反応に応じて約1000mg まで増加すべきである。65歳を越えた患者および腎機能または肝機能に障害を 持つ患者は最初低い投与量を受け、しかも患者は個体の反応(複数)および血液 レベル(複数)に基づいて滴定されることがさらに推奨される。当分野の熟練し た者には明らかなように、ケースによっては、これらの範囲を越えた投与量を使 用することが必要となることがある。さらに、臨床医すなわち治療している医師 は、個々の患者の反応と関連して治療を如何にして何時中断し、調整し、または 終了すべきかを知っていることに注意すべきである。「治療上有効な量」および 状態を「予防するのに十分な量」という 用語は、上記の投与量および投与頻度計画により包含される。 適当な投与経路はいずれもアポシニンの有効な投与量を患者に投与するために 用いることができる。例えば、経口、経直腸、非経口(皮下、筋肉内、静脈内) 、経皮、エアロゾル、および同種の投与形態が使用できる。経口投与が好ましい 。 アテローム性動脈硬化症の危険性の予防に関する研究 高められたエンドサイトーシス機構が専らアテローム原性のLDL型によりも 内皮細胞の欠陥に関係するものならば、通常ならアテローム性動脈硬化症と関連 する血漿LDLレベルを持つある人々がアテローム性動脈硬化症−関連疾患を発 症していない理由を説明することができるであろう。EC欠陥という仮説は、ア テローム性動脈硬化症の患者がNADPHオキシダーゼ活性の何らかの上昇を通 常示すはずであるということも示唆する。 この仮説を検証するために、92名の別人のヒト臍帯から単離した細胞を用い て、イン・ビトロで92の高LDL−ECエンドサイトーシス実験を行った。さ らに、異なるヒト起源から毎週単離されたLDL調製物を2以上のヒト起源由来 のEC単離物に対して一般に使用し、このようにしてLDLの影響の分析を行っ た。同一臍帯由来の内皮細胞はすべて高LDLレベルに曝すと類似のエンドサイ トーシス活性を有していた。対照的に、異なる臍帯起源由来のECは異なった反 応を示し、対照の細胞と変化のないものから対照の細胞を越えて200〜300 %の増加を示したエンドサイトーシス活 性まで幅があった。 テストしたEC単離物の52%で、高LDLとの接触による反応の程度に広い 変動、すなわち5%から300%に及ぶエンドサイトーシスの増加が誘発された 。イン・ビトロでのこの観察はアテローム性動脈硬化症関連疾患による死亡率が 約50%で生ずることを示す疫学的研究と相関する。 このEC仮説に反して、もしアテローム原性LDL型が存在するならば、多種 のヒト起源由来のEC単離物が同一のLDL調製物に曝されるとすべて類似の反 応をすると予想されるであろう。テストしたEC単離物は無反応型(0から5% のエンドサイトーシス増加)または反応型(5から300%のエンドサイトーシ ス増加)と分類して分析した。結果は実験の僅か53%ですべてのEC単離物が 同一のLDL調製物に曝されたとき反応したか反応しなかったかのいずれかであ った。この発見の重要性はそれが高められたエンドサイトーシス機構は専らEC 欠陥に関連しておりアテローム原性LDL型に関連するものではないという可能 性を示唆することである。このようにして、高レベルのLDLは高められたエン ドサイトーシス機構を活性化するようである。 この発見は通常アテローム性動脈硬化症と関連する血漿LDLレベルを持つあ る人々がアテローム性動脈硬化症−関連疾患を発症しない理由を説明し、そして アテローム性動脈硬化症の個体の危険性を予想する本発明の方法に導く。高めら れたNADPHオキシダーゼ活性を持つ患者を同定することにより、アテローム 性動脈硬化症 の危険が増加していることを予想することができる。次いで、アテローム性動脈 硬化症およびその関連疾患を予防するために、これらの同定された患者に対しア ポシニンまたは他のNADPHオキシダーゼ阻害剤の投与を推奨することができ る。 NADPHオキシダーゼまたはその活性化に関与する酵素の遺伝的変異型がヒ ト集団に存在するならば、そしてこれらの変異型の一部が過剰量の反応性酸素種 を生成させるならば、これは臨床的アテローム性動脈硬化症と相関性を持つはず である。従って、ヒトについての研究を行った。これらの研究で、臨床的に記録 されたアテローム性動脈硬化症−関連疾患の病歴を持つ個人あるいはそれらの強 い家族歴を持つ個人における多形核白血球(PMN)NADPHオキシダーゼ活 性をこの疾患の病歴または家族歴を持たない個人のそれと比較した。ボランティ アからアテローム性動脈硬化症関連疾患の病歴や家族歴および静脈血試料が提供 された。PMN・NADPHオキシダーゼ活性は2,7−ジクロロフルオレシン ジアセテートを指標とし、蛍光プローブを備えた流動血球計算法により測定した 。NADPHオキシダーゼ活性はPMNゲートウインドーから蛍光測定を行うこ とにより測定した。これらの研究では、アテローム性動脈硬化症−関連疾患の臨 床的に記録された病歴か家族歴かを持つ22名の個人(実験)がこの疾患の臨床 的証拠も家族歴も持たない11名の個人(対照)と比較された。 その結果は、図6に示すように、22名の実験されたヒト個体は彼らと対にさ れた対照よりも有意に増加したNADPHオキシダーゼ活性を有していた(テス トの有意性の確率は、P<0.07)。 この発見はNADPHオキシダーゼ(またはその活性化に関与する酵素)の遺伝 的変異型が存在すること、そしてこれらの遺伝的変異型を持つ人々がアテローム 性動脈硬化症−関連疾患のより高い危険性を有していることを示唆する。 本発明は具体的に示されそしてその好ましい態様に言及して記述されたが、本 発明の精神および範囲を逸脱することなくその中で形式や詳細における他の変化 がなされうることは当分野における熟練した者により理解されることである。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1998年2月23日 【補正内容】 請求の範囲 1. 内皮の高透過性から生ずる内皮下層スペースにおけるLDLの蓄積を予防 するための薬剤の調製における、NADPHオキシダーゼ阻害剤の使用であって 、該阻害剤が下記のものである使用、 (a)ユビキノンよりも低い酸化還元電位を持つオルトメトキシフェノールの酸 化型ダイマー、または (b)その酸化型ダイマーがユビキノンよりも低い酸化還元電位を持つオルトメ トキシフェノール、または (c)次の式の化合物、 または (d)次の式の化合物、またはそれらの互変異性体 上式中、R1、R2およびR3は、水素原子、アルキル、シクロアルキル、ヘテロ シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アリー ルアルキル、ヘテロアリールアルキルおよび置換アルキル、置換シクロアルキル 、置換ヘテロシクロアル キル、置換アルケニルおよび置換アルキニルより成る群から独立に選択されるも のである。 2. 内皮の高透過性から生ずる内皮下層スペースにおけるLDLの蓄積を予防 するための薬剤の調製における、p47[phox]の内皮細胞gp91[phox]および p22[phox]膜結合NADPHオキシダーゼ成分への転置阻害剤の使用。 3. 該転置阻害剤が次の式の化合物またはそれらの互変異性体である請求項2 記載の使用、 または 上式中、R1、R2およびR3は、水素原子、アルキル、シクロアルキル、ヘテロ シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アリー ルアルキル、ヘテロアリールアルキルおよび置換アルキル、置換シクロアルキル 、置換ヘテロシクロアルキル、置換アルケニルおよび置換アルキニルより成る群 から独立に選択されるものである。 4. R1およびR2がそれぞれメチルでありそしてR3が水素原子である、請求 項1または請求項3記載の使用。 【手続補正書】 【提出日】1998年7月22日 【補正内容】 請求の範囲 1. 内皮の高透過性から生ずる状態を治療または予防するための薬剤の調製に おけるNADPHオキシダーゼ阻害剤またはNADPHオキシダーゼ阻害剤の代 謝的前駆体の使用であって、該薬剤が10%より多く血清LDLを低下させるに は不十分な量の該NADPHオキシダーゼ阻害剤または該前駆体を含むものであ る使用。 2. 内皮の高透過性から生ずる状態を治療または予防するための薬剤の調製に おけるNADPHオキシダーゼ阻害剤またはNADPHオキシダーゼ阻害剤の代 謝的前駆体の使用であって、該NADPHオキシダーゼ阻害剤または該前駆体が ヒトHMG−CoAリダクターゼに対するよりもヒトNADPHオキシダーゼに 対して、より低いIC50を持つものである使用。 3. 内皮の高透過性から生ずる状態を治療または予防するための薬剤の調製に おけるNADPHオキシダーゼ阻害剤またはNADPHオキシダーゼ阻害剤の代 謝的前駆体の使用であって、該NADPHオキシダーゼ阻害剤または該前駆体が メバロン酸の存在下または非存在下にかかわらず統計学的に同等のヒトNADP Hオキシダーゼ阻害を及ぼすものである使用。 4. 内皮の高透過性から生ずる内皮下層スペースにおけるLDLの蓄積を予防 するための薬剤の調製における、NADPHオキシダ ーゼ阻害剤の使用であって、該阻害剤が下記のものである使用、 (a)ユビキノンよりも低い酸化還元電位を持つオルトメトキシフェノールの酸 化型ダイマー、または (b)その酸化型ダイマーがユビキノンよりも低い酸化還元電位を持つオルトメ トキシフェノール、または (c)次の式の化合物、 または (d)次の式の化合物、またはそれらの互変異性体 上式中、R1、R2およびR3は、水素原子、アルキル、シクロアルキル、ヘテロ シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アリー ルアルキル、ヘテロアリールアルキルおよび置換アルキル、置換シクロアルキル 、置換ヘテロシクロアルキル、置換アルケニルおよび置換アルキニルより成る群 から独立に選択されるものである。 5. R1およびR2がそれぞれメチルでありそしてR3が水素原子である、請求 項4 記載の使用。 6. 内皮の高透過性から生ずる内皮下層スペースにおけるLDLの蓄積を予防 するための薬剤の調製における、P47[phox]の内皮細胞gp91[phox]および p22[phox]膜結合NADPHオキシダーゼ成分への転置阻害剤の使用。 7. 該転置阻害剤が次の式の化合物またはそれらの互変異性体である請求項6 記載の使用、 または 上式中、R1、R2およびR3は、水素原子、アルキル、シクロアルキル、ヘテロ シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アリー ルアルキル、ヘテロアリールアルキルおよび置換アルキル、置換シクロアルキル 、置換ヘテロシクロアルキル、置換アルケニルおよび置換アルキニルより成る群 から独立に選択されるものである。 8. R1およびR2がそれぞれメチルでありそしてR3が水素原子である、請求 項7 記載の使用。 9. 内皮の高透過性から生ずる疾患に罹病するヒト患者のリスクを予想する方 法であって、a)該患者から採取した血液のNADPHオキシダーゼ活性を測定する工程 b)同時に行われた対照の活性範囲よりも10%を越えるNADPHオキシ ダーゼ活性を示す血液を有する患者を確認する工程、を含んで成る方法。 10. 内皮の高透過性から生ずる該疾患がアテローム性動脈硬化症である、請 求項9記載の方法。 11. NADPHオキシダーゼ活性が該血液から得られる多形核白血球(poly morphonuclear leukocytes)について測定されるものである、請求項9または請 求項10記載の方法。 12. 該測定がフローサイトメトりー(flow cytometry)により達成されるも のである請求項9〜請求項11いずれか1項に記載の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN, CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,G E,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR ,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV, MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK ,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 内皮の高透過性から生ずる状態を患う哺乳類に対し、NADPHオキシダ ーゼ阻害剤またはNADPHオキシダーゼ阻害剤の代謝的前駆体の治療上有効量 を投与することを含む内皮の高透過性から生ずる状態を治療する方法であって、 該NADPHオキシダーゼ阻害剤または該前駆体の該治療上有効量が10%を越 えるところまで血清LDLを低下させるには不十分である方法。 2. 内皮の高透過性から生ずる状態を患う哺乳類に対し、NADPHオキシダ ーゼ阻害剤またはNADPHオキシダーゼ阻害剤の代謝的前駆体の治療上有効量 を投与することを含む内皮の高透過性から生ずる状態を治療する方法であって、 該NADPHオキシダーゼ阻害剤または該前駆体がヒトHMG−CoAレダクタ ーゼに対するよりもヒトNADPHオキシダーゼに対してより低いIC50を持つ ものである方法。 3. 内皮の高透過性から生ずる状態を患う哺乳類に対し、NADPHオキシダ ーゼ阻害剤またはNADPHオキシダーゼ阻害剤の代謝的前駆体の治療上有効量 を投与することを含む内皮の高透過性から生ずる状態を治療する方法であって、 該NADPHオキシダーゼ阻害剤または該前駆体がメバロン酸の存在下および非 存在下においてヒトNADPHオキシダーゼに対し統計学的に等価の阻害を及ぼ すものである方法。 4. 哺乳類に対しNADPHオキシダーゼ阻害剤またはNADP Hオキシダーゼ阻害剤の代謝的前駆体の治療上有効量を投与することを含む内皮 の高透過性から生ずる状態を治療する方法であって、該NADPHオキシダーゼ 阻害剤または該前駆体の該治療上有効量が10%を越えるところまで血清LDL を低下させるには不十分であるが内皮の高透過性から生ずる該状態を予防するに は十分なものである方法。 5. 哺乳類に対し内皮の高透過性から生ずる状態を予防するのに十分な量のN ADPHオキシダーゼ阻害剤またはNADPHオキシダーゼ阻害剤の代謝的前駆 体を投与することを含む内皮の高透過性から生ずる該状態を予防する方法であっ て、該NADPHオキシダーゼ阻害剤または該前駆体がヒトHMG−CoAレダ クターゼに対するよりもヒトNADPHオキシダーゼに対しより低いIC50を持 つものである方法。 6. 哺乳類に対し内皮の高透過性から生ずる状態を予防するのに十分な量のN ADPHオキシダーゼ阻害剤またはNADPHオキシダーゼ阻害剤の代謝的前駆 体を投与することを含む内皮の高透過性から生ずる該状態を予防する方法であっ て、該NADPHオキシダーゼ阻害剤または該前駆体がメバロン酸の存在下およ び非存在下においてヒトNADPHオキシダーゼに対し統計学的に等価の阻害を 及ぼすものである方法。 7. 哺乳類に対しgp91[phox]およびp22[phox]膜結合NADPHオキシ ダーゼ成分へのp47[phox]の転置を阻害する物質の治療上有効量を投与するこ とを含む内皮の高透過性から生ずる状態 を治療または予防する方法。 8. 該NADPHオキシダーゼ阻害剤または該前駆体が次の式の化合物である 請求項1〜請求項6いずれか1項に記載の方法、 上式中、R1、R2およびR3は、水素原子、アルキル、シクロアルキル、ヘテロ シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アリー ルアルキル、ヘテロアリールアルキルおよび置換アルキル、置換シクロアルキル 、置換ヘテロシクロアルキル、置換アルケニルおよび置換アルキニルより成る群 から独立に選択されるものである。 9. R1およびR2がそれぞれメチルでありそしてR3が水素原子である、請求 項8記載の方法。 10. 該NADPHオキシダーゼ阻害剤または該前駆体が次の式の化合物また はそれらの互変異性体である、請求項1〜請求項6いずれか1項に記載の方法、 上式中、R1、R2およびR3は、水素原子、アルキル、シクロア ルキル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロア リール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルおよび置換アルキル、置換 シクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、置換アルケニルおよび置換アルキ ニルより成る群から独立に選択されるものである。 11. R1およびR2がそれぞれメチルでありそしてR3が水素原子である、請 求項10記載の方法。 12. 該状態がアテローム性動脈硬化症である、請求項1〜請求項7いずれか 1項に記載の方法。 13. 該NADPHオキシダーゼ阻害剤または該前駆体が次の式の化合物であ る、請求項12記載の方法、 上式中、R1、R2およびR3は、水素原子、アルキル、シクロアルキル、ヘテロ シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アリー ルアルキル、ヘテロアリールアルキルおよび置換アルキル、置換シクロアルキル 、置換ヘテロシクロアルキル、置換アルケニルおよび置換アルキニルより成る群 から独立に選択されるものである。 14. R1およびR2がそれぞれメチルでありそしてR3が水素 原子である、請求項13記載の方法。 15. 該NADPHオキシダーゼ阻害剤が次の式の化合物またはそれらの互変 異性体である、請求項12記載の方法、 上式中、R1、R2およびR3は、水素原子、アルキル、シクロアルキル、ヘテロ シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アリー ルアルキル、ヘテロアリールアルキルおよび置換アルキル、置換シクロアルキル 、置換ヘテロシクロアルキル、置換アルケニルおよび置換アルキニルより成る群 から独立に選択されるものである。 16. R1およびR2がそれぞれメチルでありそしてR3が水素原子である、請 求項15記載の方法。 17. 哺乳類に対しアポシニンの治療上有効量を投与することを含んで成るア テローム性動脈硬化症を治療または予防する方法。 18. 内皮の高透過性から生ずる疾病に罹るヒト患者の危険性を予想する方法 であって、高められたNADPHオキシダーゼ活性を持つ患者を同定する工程を 含み、高められたNADPHオキシダーゼ活性が比較された対照で見出される範 囲を10%以上越えているものと定義される方法。 19. 内皮の高透過性から生ずる該疾病がアテローム性動脈硬化症である、請 求項18記載の方法。 20. 該同定工程が該患者の血液から得た多形核白血球のNADPHオキシダ ーゼ活性のレベルを測定することを含むものである、請求項18記載の方法。 21. 該測定工程が流動血球計算法(flow cytometry)を用いるものである、 請求項20記載の方法。
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