JPH07165575A - ヒドロキノン誘導体 - Google Patents

ヒドロキノン誘導体

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JPH07165575A
JPH07165575A JP30820093A JP30820093A JPH07165575A JP H07165575 A JPH07165575 A JP H07165575A JP 30820093 A JP30820093 A JP 30820093A JP 30820093 A JP30820093 A JP 30820093A JP H07165575 A JPH07165575 A JP H07165575A
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JP
Japan
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ppm
fatty acid
hydroxyphenyl
compound
hydroquinone derivative
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JP30820093A
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English (en)
Inventor
Shigeru Matsuyoshi
繁 松吉
Kazuyo Kuratani
和代 倉谷
Kenichi Nakahama
健一 中浜
Ikuo Morita
育男 森田
Seiitsu Murota
誠逸 室田
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NOF Corp
Original Assignee
Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 生体内での活性酸素種の消去効果に優れ、活
性酸素種による細胞傷害に基づく疾病の予防および治療
に優れた効果を発揮する細胞傷害防御剤を得る。 【構成】 下式で表わされる新規なヒドロキノンエステ
ル誘導体を有効成分とする細胞傷害防御剤。 【化1】 (式中、R1は炭素数5〜22の飽和もしくは不飽和脂
肪酸アシル残基、R2は炭素数1〜5のアルキル基を示
す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規かつ有用なヒドロキ
ノン誘導体、ならびに活性酸素種による細胞傷害に基づ
く疾病を予防および治療する薬剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】生体内には多数の活性酸素消去システム
があり、酸化的なストレスから生体を保護している。そ
れらの防御システムの乱れから生じた活性酸素が様々な
疾病の発現に関与していることが明らかにされた。特に
近年、動脈硬化の発症機序に活性酸素による血管内皮細
胞の傷害が深く関与していることが注目されている。
【0003】活性酸素種による細胞傷害は、炎症や脳・
心臓・循環器・消化器などに発生する各種疾患の一部と
みなされ、現在までにも生体内においてこれらの活性酸
素種を消去する薬剤の検討が行われてきた。例えば、活
性酸素の消去や過酸化脂質の分解などの作用を有する抗
酸化性化合物が活性酸素消去剤として多方面のアプロー
チによって開発されてきた(ラジカル消去剤,メビオ,
,90−94,1988)。
【0004】しかし、現在までに検討されてきたスーパ
ーオキシドディスムターゼを始めとする酵素類は、分子
量が大きく組織移行性が否定的であることや、安定性に
も問題が残る。また、ビタミンEやビタミンCは、生体
を用いた実験で安定性や活性酸素消去作用が充分ではな
い等の難点が残る。
【0005】ところで、一般にヒドロキノン類は抗酸化
性に優れており、抗酸化剤として使用されている。ま
た、ラジカルを容易に捕捉する作用を持っており、重合
禁止剤として利用されている。さらに、ヒドロキノン脂
肪酸エステルは外用皮膚脱色剤としての効果が知られて
いる(特開昭58−154507号、特開昭57−14
5803号)。しかし今までに、ヒドロキノンまたはヒ
ドロキノンエステル誘導体に関して、活性酸素種による
細胞傷害に基づく疾病の予防または治療効果については
知られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、生体
膜に容易に取り込まれ、安定で低毒性であり、しかも細
胞傷害防御効果の高い、新規かつ有用なヒドロキノン誘
導体およびこれを有効成分とする細胞傷害防御剤を提供
することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】一般的に生体内で細胞、
例えば血管内皮細胞に傷害を与える物質としては過酸化
脂質およびスーパーオキシド、ヒドロキシルラジカル、
一重項酸素、過酸化水素などの活性酸素種が知られてい
る。本発明者らは、51Crでラベルした培養血管内皮細
胞を、活性化した白血球により傷害させ、51Crの放出
量により細胞傷害を定量化する実験系をつくり、各種化
合物の血管内皮細胞傷害抑制効果を種々検討した結果、
後述の一般式〔1〕で表わされるヒドロキノン誘導体に
強い抑制効果があることを見出し、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は次のヒドロキノン誘導
体およびそれを有効成分とする細胞傷害防御剤である。 (1)下記一般式〔1〕で表わされるヒドロキノン誘導
体。
【化2】 (式中、R1は炭素数5〜22の飽和もしくは不飽和脂
肪酸アシル残基、R2は炭素数1〜5のアルキル基を示
す。) (2)上記(1)記載のヒドロキノン誘導体を有効成分
とすることを特徴とする細胞傷害防御剤。
【0009】本発明において、前記一般式〔1〕のR1
で示される炭素数5〜22の飽和もしくは不飽和脂肪酸
アシル残基としては、バレリアン酸(吉草酸)、カプリ
ル酸(オクタン酸)、カプリン酸(デカン酸)、ラウリ
ン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ミ
リストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノ
ール酸、リノレン酸等のアシル基があげられる。好まし
くは、バレリアン酸(吉草酸)、カプリン酸(デカン
酸)の飽和脂肪酸アシル残基、オレイン酸の不飽和脂肪
酸アシル残基があげられる。特に、脂肪酸アシル残基が
カプリン酸(デカン酸)アシル残基の場合、細胞傷害防
御効果が高い。
【0010】一般式〔1〕のR2で示される炭素数1〜
5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、se
c−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基などが
あげられる。
【0011】一般式〔1〕で表わされるヒドロキノン誘
導体の具体的なものとしては、3−メチル−4−ヒドロ
キシフェニル=バレレート、3−メチル−4−ヒドロキ
シフェニル=デカノエート、3−メチル−4−ヒドロキ
シフェニル=オレエート、3−エチル−4−ヒドロキシ
フェニル=オクタノエート、3−エチル−4−ヒドロキ
シフェニル=オレエート、3−プロピル−4−ヒドロキ
シフェニル=ミリステート、3−プロピル−4−ヒドロ
キシフェニル=パルミトレエート、3−イソプロピル−
4−ヒドロキシフェニル=パルミテート、3−イソプロ
ピル−4−ヒドロキシフェニル=ミリストレエート、3
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル=ラウレート、3−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル=リノレエート、3−
イソブチル−4−ヒドロキシフェニル=バレレート、3
−イソブチル−4−ヒドロキシフェニル=リノレネー
ト、3−sec−ブチル−4−ヒドロキシフェニル=ス
テアレート、3−sec−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル=ミリストレエート、3−tert−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル=バレレート、3−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル=デカノエート、3−te
rt−ブチル−4−ヒドロキシフェニル=オレエート、
3−ペンチル−4−ヒドロキシフェニル=オクタノエー
ト、3−ペンチル−4−ヒドロキシフェニル=リノレネ
ートなどがあげられる。
【0012】前記一般式〔1〕で表わされるヒドロキノ
ン誘導体は、メチルヒドロキノン、tert−ブチルヒ
ドロキノンなどのヒドロキノン類に、ピリジン、トリエ
チルアミン、N,N−ジメチルアミノピリジンなどの塩
基触媒の存在下、脂肪酸クロリド、脂肪酸無水物などの
脂肪酸活性体を反応させる方法などにより容易に合成で
きる。反応終了後は、抽出、再結晶、クロマトグラフィ
ーなどの常法により、単離、精製することができる。
【0013】本発明の細胞傷害防御剤は前記一般式
〔1〕で表わされるヒドロキノン誘導体を有効成分とし
て含有するものである。本発明の細胞傷害防御剤は、活
性酸素種による細胞傷害を防御するものであり、虚血性
心疾患、虚血性脳疾患、循環器疾患(例えば動脈硬化
等)、消化器疾患(例えば消化管、肝臓、膵臓などの疾
患)、皮膚疾患、癌、肺疾患などの疾患および炎症に対
して有効である。
【0014】本発明のヒドロキノン誘導体を細胞傷害防
御剤として用いる場合は、ヒドロキノン誘導体をそれ自
体公知の薬理的に許容される担体、賦形剤、崩壊剤、矯
正剤、増量剤、希釈剤、溶解補助剤などと混合し、公知
の方法に従って、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、粉
末剤、丸剤、液剤、ドリンク剤、注射剤、点滴剤、坐剤
などの形態に製剤化することができる。このような製剤
は経口的もしくは非経口的に投与することができる。
【0015】投与量は投与対象、投与経路、症状などに
よっても異なるが、経口的に投与する場合、ヒドロキノ
ン誘導体として通常1回量として約0.1〜100mg
/kg体重、好ましくは約0.1〜10mg/kg体重
を1日1〜3回程度投与する。また、非経口的に投与す
る場合、例えば坐剤ではヒドロキノン誘導体として約
0.5〜20mg/kg体重を1日1〜2回投与するこ
とが好ましい。
【0016】本発明のヒドロキノン誘導体は、上記細胞
傷害防御剤の他にも、食品、医薬品、化粧品などの原料
として用いることができる。
【0017】
【作用】本発明の前記一般式〔1〕で表わされるヒドロ
キノン誘導体は、飽和または不飽和脂肪酸のエステルで
あることから、ヒドロキノンに比べて生体親和性に優
れ、また生体膜に容易に取り込まれることから、組織移
行性にも優れた細胞傷害防御剤となる。
【0018】
【発明の効果】本発明のヒドロキノン誘導体は新規な化
合物であり、この化合物は、生体膜に容易に取り込ま
れ、安定で低毒性であって、しかも細胞傷害防御効果が
高いので、細胞傷害防御剤として有用である。
【0019】本発明の細胞傷害防御剤は、上記ヒドロキ
ノン誘導体を有効成分として含有しているので、生体内
での活性酸素種の消去効果に優れており、このため活性
酸素種による細胞傷害に基づく疾病の予防および治療に
優れた効果を発揮する。
【0020】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。 実施例1−1 tert−ブチルヒドロキノン8.7g(52.3mm
ol)をジエチルエーテル20mlに溶解し、ジメチル
アミノピリジン4.8g(39.3mmol)を加え
た。氷冷下、攪拌しながら、ジエチルエーテル10ml
に溶解したデカノイル=クロリド5.5ml(26.5
mmol)をゆっくりと滴下した。滴下終了後、室温で
2時間攪拌した。
【0021】攪拌後、有機層を氷水30mlに流し込
み、有機層を分離し、さらに水層をジエチルエーテル5
0mlで2回抽出した。有機層を合わせて、水、飽和食
塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒
を減圧留去後、油状の粗精製物9.6gを得た。得られ
た粗精製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて
精製した。溶出溶媒としては、酢酸エチル:ヘキサンの
容量比が5:95の混合溶媒を用いて行い、目的物の3
−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル=デカノ
エート(3-tert-butyl-4-hydroxyphenyl decanoate)
7.3g(無色結晶性固体)を得た(収率84.1
%)。
【0022】得られたヒドロキノン誘導体の分析結果は
次の通りである。1 H−NMR(270MHz、TMS標準、CDCl3) 0.88ppm(t,J=6.7Hz,3H) 1.20〜1.60ppm(m,21H) 1.70〜1.90ppm(m,2H) 2.53ppm(t,J=7.4Hz,2H) 4.82ppm(s,1H) 6.60ppm(d,J=8.5Hz,1H) 6.77ppm(dd,J=8.4Hz,2.8Hz,
1H) 6.92ppm(d,J=2.9Hz,1H)
【0023】FT−IR(KBr法) 3467cm-1 O−H伸縮振動 2928cm-1 C−H伸縮振動 2855cm-1 C−H伸縮振動 1736cm-1 C=O伸縮振動 1423cm-1 C−H変角振動 1188cm-1 C−C(=O)−O伸縮振動 1135cm-1 O−C−C逆対称伸縮振動 829cm-1 芳香族C−H面外変角振動 質量分析 FAB(pos.) マトリックス m−ニトロベンジルアルコール 〔M+H〕+:321 〔M−C919(C=O)+H〕+:166 〔C919(C=O)〕+:155
【0024】実施例1−2 tert−ブチルヒドロキノン502mg(3.02m
mol)をジエチルエーテル10mlに溶解し、ジメチ
ルアミノピリジン366mg(3.00mmol)を加
えた。攪拌しながら、氷冷下ジエチルエーテル5mlに
溶解したバレリル=クロリド0.3ml(2.53mm
ol)をゆっくりと滴下した。滴下終了後、室温で2時
間攪拌した。
【0025】攪拌後、有機層を氷水30mlに流し込
み、有機層を分離し、さらに水層をジエチルエーテル5
0mlで2回抽出した。有機層を合わせて、水、飽和食
塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒
を減圧留去後、油状の粗精製物775mgを得た。得ら
れた粗精製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに
て精製した。溶出溶媒としては、酢酸エチル:ヘキサン
の容量比が5:95の混合溶媒を用いて行い、目的物の
3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル=バレ
レート(3-tert-butyl-4-hydroxyphenyl valerate)5
05mg(無色ワックス状半固体)を得た(収率66.
9%)。
【0026】得られたヒドロキノン誘導体の分析結果は
次の通りである。1 H−NMR(270MHz、TMS標準、CDCl3) 0.97ppm(t,J=7.2Hz,3H) 1.20〜1.60ppm(m,11H) 1.65〜1.80ppm(m,2H) 2.53ppm(t,J=7.5Hz,2H) 4.90ppm(s,1H) 6.59ppm(d,J=8.5Hz,1H) 6.76ppm(dd,J=8.4Hz,2.8Hz,
1H) 6.92ppm(d,J=2.9Hz,1H)
【0027】FT−IR(KBr法) 3459cm-1 O−H伸縮振動 2960cm-1 C−H伸縮振動 2873cm-1 C−H伸縮振動 1733cm-1 C=O伸縮振動 1421cm-1 C−H変角振動 1183cm-1 C−C(=O)−O伸縮振動 1078cm-1 O−C−C逆対称伸縮振動 814cm-1 芳香族C−H面外変角振動 質量分析 FAB(pos.) マトリックス m−ニトロベンジルアルコール 〔M−H+H〕+:250 〔M−C49(C=O)+H〕+:166 〔C49(C=O)〕+:85
【0028】実施例1−3 tert−ブチルヒドロキノン1.0g(0.602m
mol)を、ピリジン1ml(12.4mmol)を加
えたクロロホルム10mlに溶解した。氷冷下、攪拌し
ながら、オレオイル=クロリド1.8g(0.598m
mol)を溶解したクロロホルム5mlをゆっくりと滴
下した。滴下終了後、室温で6時間攪拌した。
【0029】攪拌後、有機層を水25mlに流し込み、
有機層を分離し、さらに水層をクロロホルム25mlで
3回抽出した。有機層を合わせて、水、希塩酸、飽和炭
酸水素ナトリウム溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウム
で乾燥した。溶媒を減圧留去後、油状の粗精製物2.8
8gを得た。得られた粗精製物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーにて精製した。溶出溶媒としては、酢酸
エチル:ヘキサンの容量比が5:95の混合溶媒を用い
て行い、目的物の3−tert−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル=オレエート(3-tert-butyl-4-hydroxyphen
yl oleate)1.8g(油状物)を得た(収率69.6
%)。
【0030】得られたヒドロキノン誘導体の分析結果は
次の通りである。1 H−NMR(270MHz、TMS標準、CDCl3) 0.88ppm(t,J=6.7Hz,3H) 1.20〜1.50ppm(m,29H) 1.70〜1.80ppm(m,2H) 1.90〜2.10ppm(m,4H) 2.53ppm(t,J=7.4Hz,2H) 5.02ppm(s,1H) 5.30〜5.40ppm(m,2H) 6.57ppm(d,J=8.5Hz,1H) 6.75ppm(dd,J=8.4Hz,2.8Hz,
1H) 6.91ppm(d,J=2.9Hz,1H)
【0031】FT−IR(KBr法) 3467cm-1 O−H伸縮振動 2926cm-1 C−H伸縮振動 2855cm-1 C−H伸縮振動 1735cm-1 C=O伸縮振動 1421cm-1 C−H変角振動 1183cm-1 C−C(=O)−O伸縮振動 1136cm-1 O−C−C逆対称伸縮振動 815cm-1 芳香族C−H面外変角振動 質量分析 FAB(pos.) マトリックス m−ニトロベンジルアルコール 〔M−H〕+:429 〔M−C1733(C=O)+H〕+:166 〔C1733(C=O)〕+:265
【0032】実施例1−4 メチルヒドロキノン1.016g(8.06mmol)
をジエチルエーテル20mlに溶解し、ジメチルアミノ
ピリジン743mg(0.738mmol)を加えた。
攪拌しながら、氷冷下ジエチルエーテル5mlに溶解し
たバレリル=クロリド0.5ml(4.03mmol)
をゆっくりと滴下した。滴下終了後、室温で1時間攪拌
した。
【0033】攪拌後、有機層を氷水30mlに流し込
み、有機層を分離し、さらに水層をジエチルエーテル5
0mlで2回抽出した。有機層を合わせて、水、飽和食
塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒
を減圧留去後、油状の粗精製物1.65gを得た。得ら
れた粗精製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに
て精製した。溶出溶媒としては、酢酸エチル:ヘキサン
の容量比が5:95の混合溶媒を用いて行い、目的物の
3−メチル−4−ヒドロキシフェニル=バレレート(3-
methyl-4-hydroxyphenyl valerate)479mg(黄色
結晶性固体)を得た(収率39.8%)。
【0034】得られたヒドロキノン誘導体の分析結果は
次の通りである。1 H−NMR(270MHz、TMS標準、CDCl3) 0.97ppm(t,J=7.4Hz,3H) 1.30〜1.55ppm(m,2H) 1.60〜1.80ppm(m,2H) 2.22ppm(s,3H) 2.53ppm(t,J=7.4Hz,2H) 4.74ppm(s,1H) 6.72〜6.83ppm(m,3H)
【0035】FT−IR(KBr法) 3436cm-1 O−H伸縮振動 2960cm-1 C−H伸縮振動 2874cm-1 C−H伸縮振動 1734cm-1 C=O伸縮振動 1507cm-1 C−H変角振動 1164cm-1 C−C(=O)−O伸縮振動 1097cm-1 O−C−C逆対称伸縮振動 813cm-1 芳香族C−H面外変角振動 質量分析 FAB(pos.) マトリックス m−ニトロベンジルアルコール 〔M+H〕+:209 〔M−C49(C=O)+H〕+:124 〔C49(C=O)〕+:85
【0036】実施例1−5 メチルヒドロキノン1.004g(8.06mmol)
をジエチルエーテル20mlに溶解し、ジメチルアミノ
ピリジン740mg(6.04mmol)を加えた。氷
冷下、攪拌しながら、ジエチルエーテル10mlに溶解
したデカノイル=クロリド0.85ml(4.03mm
ol)をゆっくりと滴下した。滴下終了後、室温で2時
間攪拌した。
【0037】攪拌後、有機層を氷水30mlに流し込
み、有機層を分離し、さらに水層をジエチルエーテル5
0mlで2回抽出した。有機層を合わせて、水、飽和食
塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒
を減圧留去後、油状の粗精製物1.62gを得た。得ら
れた粗精製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに
て精製した。溶出溶媒としては、酢酸エチル:ヘキサン
の容量比が5:95の混合溶媒を用いて行い、目的物の
3−メチル−4−ヒドロキシフェニル=デカノエート
(3-methyl-4-hydroxyphenyl decanoate)270mg
(黄色結晶性固体)を得た(収率40.3%)。
【0038】得られたヒドロキノン誘導体の分析結果は
次の通りである。1 H−NMR(270MHz、TMS標準、CDCl3) 0.88ppm(t,J=6.3Hz,3H) 1.06〜1.54ppm(m,12H) 1.58〜1.84ppm(m,2H) 2.23ppm(s,3H) 2.52ppm(t,J=7.6Hz,2H) 4.74ppm(s,1H) 6.66〜6.83ppm(m,3H)
【0039】FT−IR(KBr法) 3436cm-1 O−H伸縮振動 2927cm-1 C−H伸縮振動 2855cm-1 C−H伸縮振動 1733cm-1 C=O伸縮振動 1508cm-1 C−H変角振動 1188cm-1 C−C(=O)−O伸縮振動 1101cm-1 O−C−C逆対称伸縮振動 815cm-1 芳香族C−H面外変角振動 質量分析 FAB(pos.) マトリックス m−ニトロベンジルアルコール 〔M+H〕+:279 〔M−C1019(C=O)+H〕+:124 〔C1019(C=O)〕+:155
【0040】実施例2 実施例1−1ないし1−3で得たヒドロキノン誘導体の
薬理試験を次のようにして行った。 1)ウシ血管内皮細胞の培養 ウシ頚動脈血管5〜10cmを摘出した後、抗生物質
(ペニシリン、ストレプトマイシンなど)を添加したP
BS(リン酸緩衝溶液)で軽く洗い、同様の抗生物質含
有MEM(最小必須培地:minimum essential medium)
培地に浸し、氷冷して培養室に持ち帰った。血管はさら
に抗生物質含有MEM培地で数回洗浄した。その後、血
管に付着している脂肪をきれいに取り去り、ハサミで分
岐部を切り、その分岐部を通る形で血管を縦に切り開い
た。平らな固定面の上に血管を内膜面を上にし、引っ張
った形でピン固定した。#11のメスを用い、内膜面に
軽く触れるようにして内皮細胞を剥離した。その際、メ
スを予め20%FBS(ウシ胎児血清)含有MEM培地
(抗生物質を含有している)に湿らせて、メスの動きを
スムーズにすると共に平滑筋細胞の混入を防いだ。
【0041】メスに付着した内皮細胞を上記MEM培地
10mlに分散させ、800rpmで5分間遠心分離し
た。その後、沈渣に上記MEM培地を加え、ピペットで
内皮細胞が数十個集まった稲穂状になるまで分散し、プ
ラスチックシャーレに播き培養した。
【0042】2)血管内皮細胞を用いた活性酸素防御試
験 96穴マイクロプレートに上記の方法で単離して培養し
たウシ頚動脈内皮細胞を1穴あたり2×104個の細胞
を播き、2日間培養し、コンフルエントにした。その中
に、表1に示した各種被験薬を最終目的濃度になるよう
に添加し、24時間培養して被験薬を内皮細胞に取り込
ませた。その後51Cr−クロム酸ナトリウムを1穴あた
り0.5μCi加えて、さらに18時間培養し、細胞内
51Cr−クロム酸ナトリウムを取り込ませた。
【0043】その後、ハンクス平衡塩溶液(GIBCO
BRL社製)で3回洗浄し、4×105cell/w
ellの白血球(ヒト末消血よりフィコール(商品名、
ファルマシア社製)で分離した好中球)を加え、12−
O−テトラデカノイル−ホルボール−13−アセテート
を10ng/ml加えて刺激した。この化合物は白血球
膜に作用してNADPH依存性の五単糖リン酸回路を刺
激して活性酸素の産生を促進し、内皮細胞を傷害するも
のである。この時、活性酸素により傷害を受けた細胞か
ら放射能が放出される。
【0044】5時間後に培養液中に放出されてきた放射
能をγ−シンチレーション・カウンターで測定し、被験
薬取り込み状態での放出量とした。内皮細胞内に取り込
まれた51Crの総量は、0.1%のトリトンX−100
を加えて細胞膜を溶かすことによって、培養液に放出さ
れた放射能を測定し、トリトンX−100添加時での放
出量とした。また、白血球および12−O−テトラデカ
ノイル−ホルボール−13−アセテートを添加しない時
の放射能量を無刺激時放出量とした。
【0045】内皮細胞の傷害率は、下記数式〔1〕で導
かれる51Crの放出率(specific relea
se of 51Cr;SL)により定量化した。
【数1】
【0046】次に、内皮細胞傷害抑制率を下記数式
〔2〕より求めた。結果を表1に示す。
【数2】
【0047】
【表1】 **:P<0.01 *:P<0.05 対コントロール
【0048】以上の結果から明らかなように、実施例1
−1ないし1−3で得られた化合物は、内皮細胞傷害の
抑制作用を有意に示した。実施例1−1で得られた化合
物には、濃度依存的による内皮細胞傷害の抑制作用が統
計的有意に認められた。
【0049】実施例3(急性毒性試験) 実施例1−1で得られたヒドロキノン誘導体を雄性IC
R(CD−1)マウスに1000mg/kg経口投与
し、7日間観察したが死亡例は認められなかった。
【0050】製造例1 下記の成分を用いて、通常手段より錠剤を製造した。1
錠あたりの組成は下記の通りである。 この錠剤を成人1人あたり1日2〜6錠を毎食後投与す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/215 AED 9454−4C C07C 69/533 9279−4H

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式〔1〕で表わされるヒドロキ
    ノン誘導体。 【化1】 (式中、R1は炭素数5〜22の飽和もしくは不飽和脂
    肪酸アシル残基、R2は炭素数1〜5のアルキル基を示
    す。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載のヒドロキノン誘導体を有
    効成分とすることを特徴とする細胞傷害防御剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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