JPH09194469A - ヘテロ三環化合物および細胞傷害防御剤 - Google Patents

ヘテロ三環化合物および細胞傷害防御剤

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JPH09194469A
JPH09194469A JP686296A JP686296A JPH09194469A JP H09194469 A JPH09194469 A JP H09194469A JP 686296 A JP686296 A JP 686296A JP 686296 A JP686296 A JP 686296A JP H09194469 A JPH09194469 A JP H09194469A
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JP
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compound
cor
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nhcor
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JP686296A
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English (en)
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Kazuyo Kuratani
和代 倉谷
Kenichi Nakahama
健一 中浜
Ikuo Morita
育男 森田
Seiitsu Murota
誠逸 室田
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NOF Corp
Original Assignee
Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Publication date
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  • Nitrogen- Or Sulfur-Containing Heterocyclic Ring Compounds With Rings Of Six Or More Members (AREA)
  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 生体内での活性酸素種の消去効果に優れ、活
性酸素種による細胞傷害に基づく疾病の予防および治療
に優れた効果を発揮する細胞傷害防御剤を得る。 【解決手段】 下式で表わされるヘテロ三環化合物を有
効成分とする細胞傷害防御剤。 【化1】 〔式中、R5はH、COR7またはNHCOR8(ここで
7およびR8はそれぞれ炭素数1〜22の飽和もしくは
不飽和アルキル基を示す。)、R6はH、炭素数1〜2
2の飽和もしくは不飽和アルキル基、COR7またはN
HCOR8(ここでR7およびR8は前記と同じものを示
す)を示す。XはOまたはSを示す。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規かつ有用なヘテ
ロ三環化合物ならびにヘテロ三環化合物を有効成分とす
る薬剤であって、活性酸素種による細胞傷害に基づく疾
病を予防および治療するための細胞傷害防御剤に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】生体内には多数の活性酸素消去システム
があり、酸化的なストレスから生体を保護している。そ
れらの防御システムの乱れから生じた活性酸素が様々な
疾病の発現に関与していることが明らかにされた。特に
近年、動脈硬化の発症機序に活性酸素による血管内皮細
胞の傷害が深く関与していることが注目されている。
【0003】活性酸素種による細胞傷害は、炎症や脳・
心臓・循環器・消化器などに発生する各種疾患の一部と
みなされ、現在までにも生体内においてこれらの活性酸
素種を消去する薬剤の検討が行われてきた。例えば、活
性酸素の消去や過酸化脂質の分解などの作用を有する抗
酸化性化合物が活性酸素消去剤として多方面からのアプ
ローチによって開発されてきた(ラジカル消去剤、メビ
オ、第5巻、90〜94、1988)。
【0004】しかし、現在までに検討されてきたスーパ
ーオキシドディスムターゼを始めとする酵素類は、分子
量が大きく組織移行性が否定的であることや、安定性に
も問題が残る。また、ビタミンEやビタミンCは、生体
を用いた実験で安定性や活性酸素消去作用が充分ではな
い等の難点が残る。
【0005】ところで、本発明のヘテロ三環化合物に類
似した構造をもつ化合物がWO93/03729およびJ. Heteroc
yclic Chem., 15, 1137(1978)に記載されているが、細
胞傷害防御効果については全く記載されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、細胞
内に容易に取り込まれ、優れた細胞傷害防御効果を発揮
するとともに、安定で低毒性である新規かつ有用なヘテ
ロ三環化合物、およびヘテロ三環化合物を有効成分とす
る細胞傷害防御剤を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】一般的に生体内で細胞、
例えば血管内皮細胞に傷害を与える物質としては過酸化
脂質およびスーパーオキシド、ヒドロキシルラジカル、
一重項酸素、過酸化水素などの活性酸素種が知られてい
る。本発明者らは、51Crでラベルした培養血管内皮細
胞を、活性化した白血球により傷害させ、51Crの放出
量により細胞傷害を定量化する実験系をつくり、各種化
合物の血管内皮細胞傷害抑制効果を種々検討した結果、
後述の一般式(1)または(2)で表わされるヘテロ三
環化合物に強い抑制効果があることを見出し、本発明を
完成した。
【0008】すなわち、本発明は下記一般式(1)で表
わされるヘテロ三環化合物、および下記一般式(2)で
表わされるヘテロ三環化合物を有効成分とする細胞傷害
防御剤である。 (1)下記一般式(1)で表わされるヘテロ三環化合
物。
【化3】 〔式中、R1はH、COR3またはNHCOR4(ここで
3およびR4はそれぞれ炭素数2〜22の飽和もしくは
不飽和アルキル基を示す。)、R2はH、炭素数2〜2
2の飽和もしくは不飽和アルキル基、COR3またはN
HCOR4(ここでR3およびR4は前記と同じものを示
す。)を示す。ただし、R1およびR2が同時にHである
ことはない。XはOまたはSを示す。〕 (2)下記一般式(2)で表わされるヘテロ三環化合物
を有効成分とすることを特徴とする細胞傷害防御剤。
【化4】 〔式中、R5はH、COR7またはNHCOR8(ここで
7およびR8はそれぞれ炭素数1〜22の飽和もしくは
不飽和アルキル基を示す。、R6はH、炭素数1〜22
の飽和もしくは不飽和アルキル基、COR7またはNH
COR8(ここでR 7およびR8は前記と同じものを示
す)を示す。XはOまたはSを示す。〕
【0009】本発明において、R2、R3またはR4で示
される炭素数2〜22の飽和もしくは不飽和アルキル基
の具体的なものとしては、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、
トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキ
サデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデ
シル基等の直鎖飽和アルキル基;イソプロピル基、イソ
ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イ
ソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル
基、イソヘキシル基等の分岐鎖飽和アルキル基;9−テ
トラデセニル基、3−ヘキサデセニル基、9−ヘキサデ
セニル基、6−オクタデセニル基、9−オクタデセニル
基、11−オクタデセニル基、9−エイコセニル基、1
3−ドコセニル基、2,4−ヘキサジエニル基、9,1
2−オクタデカジエニル基、6,9−オクタデカジエニ
ル基、9,12,15−オクタデカトリエニル基、6,
9,12−オクタデカトリエニル基、9,11,13−
オクタデカトリエニル基、5,8,11,14−エイコ
サテトラエニル基、5,8,11,14,17−エイコ
サペンタエニル基、4,7,10,13,16−ドコサ
ペンタエニル基、4,7,10,13,16,19−ド
コサヘキサエニル基等の不飽和結合を1〜6個有するア
ルキル基などがあげられる。
【0010】本発明において、R6、R7またはR8で示
される炭素数1〜22の飽和もしくは不飽和アルキル基
の具体的なものとしては、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル
基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、
ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデ
シル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシ
ル基、ノナデシル基等の直鎖飽和アルキル基;イソプロ
ピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−
ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert
−ペンチル基、イソヘキシル基等の分岐鎖飽和アルキル
基;9−テトラデセニル基、3−ヘキサデセニル基、9
−ヘキサデセニル基、6−オクタデセニル基、9−オク
タデセニル基、11−オクタデセニル基、9−エイコセ
ニル基、13−ドコセニル基、2,4−ヘキサジエニル
基、9,12−オクタデカジエニル基、6,9−オクタ
デカジエニル基、9,12,15−オクタデカトリエニ
ル基、6,9,12−オクタデカトリエニル基、9,1
1,13−オクタデカトリエニル基、5,8,11,1
4−エイコサテトラエニル基、5,8,11,14,1
7−エイコサペンタエニル基、4,7,10,13,1
6−ドコサペンタエニル基、4,7,10,13,1
6,19−ドコサヘキサエニル基等の不飽和結合を1〜
6個有するアルキル基などがあげられる。
【0011】本発明のヘテロ三環化合物は、例えば以下
のような方法により合成できる。 方法A) N−アシル化合物は、N−無置換体に公知のアシル化剤
を常法により反応させてアシル化することにより製造す
ることができる。上記アシル化剤としては、酸ハロゲン
化物、カルボン酸などがあげられる。反応温度、反応時
間、アシル化剤、塩基の種類および使用量などを適宜選
択することにより目的とするヘテロ三環化合物を製造す
ることができる。
【0012】方法B) N−アシルアミノ化合物は、文献既知の方法に準じて合
成できる(J. Heterocyclic Chem., 15, 1137(197
8))。
【0013】方法C) 芳香環の置換は、前記方法A)によって合成したN−ア
シル化合物を塩化メチレン、四塩化炭素、二硫化炭素な
どの溶媒中で、無水塩化アルミニウムなどのルイス酸存
在下に、酸クロリドなどの反応活性体と反応させる。得
られたジアシル体を塩酸−酢酸により酸加水分解し、芳
香環炭素をアシル化したN−無置換体を得る。
【0014】方法D) 芳香族炭素アルキル体は、上記C)の方法によって合成
した芳香環炭素アシル体を、塩化アルミニウム存在下に
テトラヒドロフランなどの溶媒中で、水素化リチウムア
ルミニウムなどの還元剤により還元することにより得ら
れる。また、芳香環炭素アシル体を三フッ化ホウ素エー
テラートなどのルイス酸存在下に、1,2−エタンジチ
オールなどのジチオールと反応させ、得られたジスルフ
ィドをラネーニッケルなどにより還元的に脱硫しても得
られる。
【0015】このようにして得られる本発明のヘテロ三
環化合物は、抽出、再結晶、クロマトグラフィーなどの
公知の方法により単離、精製することができる。
【0016】本発明の細胞傷害防御剤は一般式(2)で
表わされるヘテロ三環化合物を有効成分として含有する
ものである。本発明の細胞傷害防御剤は、活性酸素種に
よる細胞傷害を防御するものであり、虚血性心疾患、虚
血性脳疾患、循環器疾患(例えば動脈硬化等)、消化器
疾患(例えば消化管、肝臓、膵臓などの疾患)、皮膚疾
患、癌、腎炎、肺疾患などの疾患および炎症に対して有
効である。
【0017】本発明の細胞傷害防御剤は、一般式(2)
で表わされるヘテロ三環化合物をそれ自体公知の薬理的
に許容される担体、賦形剤、崩壊剤、矯正剤、増量剤、
希釈剤、溶解補助剤などと混合し、公知の方法に従って
医薬組成物、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、
粉末剤、丸剤、ドリンク剤、注射剤、点滴剤、坐剤など
の形態に製剤化することができる。このような製剤は経
口的もしくは非経口的に投与することができる。
【0018】投与量は投与対象、投与経路、症状などに
よっても異なるが、経口的に投与する場合、一般式
(2)で表わされるヘテロ三環化合物として通常1回量
として約0.01〜100mg/kg体重、好ましくは
0.01〜10mg/kg体重を1日1〜3回程度投与
する。また非経口的に投与する場合、例えば坐剤では一
般式(2)で表わされるヘテロ三環化合物として約0.
05〜20mg/kg体重を1日1〜2回投与すること
が好ましい。また油性製剤の注射剤においては、一般式
(2)で表わされるヘテロ三環化合物として約0.00
1〜5mg/kg体重を1日1〜2回投与することが好
ましい。
【0019】
【発明の効果】本発明のヘテロ三環化合物は、新規かつ
有用である。本発明の一般式(1)で表されるヘテロ三
環化合物は、細胞内に容易に取り込まれ、優れた細胞傷
害防御効果を発揮するとともに、安定で低毒性である。
本発明の細胞傷害防御剤は一般式(2)で表されるヘテ
ロ三環化合物を有効成分として含有しているので、生体
内での活性酸素種の消去効果に優れており、このため活
性酸素種による細胞傷害に基づく疾病の予防および治療
に優れた効果を発揮する。
【0020】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施例について説明
する。 実施例1−1 《10−アセチルフェノキサジンの合成》塩化メチレン
3mlにフェノキサジン200mg(1.1mmol)
を溶解し、氷冷下、トリエチルアミン0.23mlを加
え、次にアセチルクロリド0.17ml(2.4mmo
l)を少しずつ滴下した。0℃で3時間攪拌後、反応液
を水中に注ぎ、塩化メチレンにて抽出し、無水硫酸マグ
ネシウムにて乾燥した。
【0021】溶媒留去後、得られた淡黄褐色固体282
mgをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:
ヘキサン→5%(v/v)酢酸エチル/ヘキサン)にて
精製し、目的物176mgを白色結晶として得た(収率
71.6%)。この化合物の分析結果は次の通りであ
る。
【0022】質量分析:Fab(POS) マトリックス;m−ニトロベンジルアルコール m/z ; 226〔M+1〕+, 1831 H-NMR(δ(ppm), 270MHz, CDCl3/TMS) :2.33(s, 3H),
7.09-7.23(m, 6H), 7.45-7.51(m, 2H)13 C-NMR(δ(ppm), 67.8MHz, CDCl3/TMS) :22.85, 116.7
7, 123.24, 125.06, 126.76, 129.42, 150.95, 169.17
【0023】上記結果から、得られた化合物は10−ア
セチルフェノキサジン(一般式(1)において、R1
COCH3、R2がH、XがOの化合物)であることを確
認した。
【0024】実施例1−2 《10−バレリルフェノキサジンの合成》塩化メチレン
15mlにフェノキサジン1g(5.5mmol)を溶
解し、氷冷下、60%水素化ナトリウム261mgを少
しずつ加えた。0℃で10分間攪拌後、バレリルクロリ
ド0.987g(8.2mmol)を少しずつ滴下し
た。その後室温に戻し、14時間攪拌後、薄層クロマト
グラフィー(TLC)でフェノキサジンが消失している
のを確認した。
【0025】反応液を水中に注ぎ、塩化メチレンにて抽
出し、塩化メチレン層を水洗後、無水硫酸マグネシウム
にて乾燥した。溶媒留去後、得られた淡黄緑固体1.7
gを塩化メチレン−ヘキサンより再結晶し、目的物1.
06gを無色結晶として得た(収率72.3%)。この
化合物の分析結果は次の通りである。
【0026】質量分析:Fab(POS) マトリックス;m−ニトロベンジルアルコール m/z ; 268〔M+H〕*, 1831 H-NMR(δ(ppm), 270MHz, CDCl3/TMS) :0.86(t, J=7.4H
z, 3H), 1.30(m, 2H), 1.65(quintet, J=7.5Hz, 2H),
2.60(t, J=7.4Hz, 2H), 7.09-7.23(m, 6H), 7.45-7.52
(m, 2H)
【0027】上記結果から、得られた化合物は10−バ
レリルフェノキサジン(一般式(1)において、R1
COC49、R2がH、XがOの化合物)であることを
確認した。
【0028】実施例1−3 《10−デカノイルフェノキサジンの合成》塩化メチレ
ン10mlに塩化アルミニウム160mgを懸濁し、氷
冷下、デカノイルクロリド229mg(1.2mmo
l)を塩化メチレン5mlに溶解した溶液を滴下した。
10分間攪拌後、フェノキサジン183mg(1.0m
mol)を塩化メチレン5mlに溶解した溶液を滴下
し、0℃で3時間攪拌した。その後反応液を1N塩酸中
に注ぎ、塩化メチレンにて抽出した。塩化メチレン層を
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、続いて水で洗い、無水
硫酸マグネシウムにて乾燥した。
【0029】溶媒留去後、得られた黄色固体318mg
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキ
サン→5%(v/v)酢酸エチル/ヘキサン)にて精製
し、目的物259mgを黄色固体として得た(収率7
6.8%)。この化合物の分析結果は次の通りである。
【0030】質量分析:Fab(POS) マトリックス;m−ニトロベンジルアルコール m/z ; 338〔M+H〕+, 1831 H-NMR(δ(ppm), 270MHz, CDCl3/TMS) :0.86(t, J=6.6H
z, 3H), 1.13-1.35(m, 12H), 1.56-1.73(m, 2H), 2.59
(t, J=7.4Hz, 2H), 7.08-7.23(m, 6H), 7.45-7.51(m, 2
H)13 C-NMR(δ(ppm), 67.8MHz, CDCl3/TMS) :14.10, 22.6
6, 25.39, 29.18, 29.24, 29.38, 31.84, 34.16, 116.9
1, 123.32, 125.32, 126.83, 129.58, 151.32, 172.38
【0031】上記結果から、得られた化合物は10−デ
カノイルフェノキサジン(一般式(1)において、R1
がCOC919、R2がH、XがOの化合物)であること
を確認した。
【0032】実施例1−4 《2−デカノイルフェノキサジンの合成》塩化アルミニ
ウム710mgの中へ、10−アセチルフェノキサジン
300mg(1.3mmol)を4mlの二硫化炭素に
溶解した溶液を滴下し、1時間還流後、デカノイルクロ
リド508mg(2.7mmol)を二硫化炭素1ml
に溶解した溶液を滴下し、2時間還流した。
【0033】放冷後、反応液を10%塩酸水溶液に注
ぎ、クロロホルムで抽出し、有機層を水洗後、無水硫酸
マグネシウムにて乾燥した。溶媒留去後、得られた黄色
固体735mgに6mlの氷酢酸と1.5mlの18%
塩酸を加え、10分間還流した。
【0034】放冷後、反応液を水中に注ぎ、クロロホル
ムで抽出し、有機層を水洗後、無水硫酸マグネシウムに
て乾燥した。溶媒留去後、得られた黄色固体586mg
をクロロホルム−メタノール−ヘキサンにて再結晶し、
目的物306mgを黄色粉末として得た(収率68.1
%)。この化合物の分析結果は次の通りである。
【0035】質量分析:Fab(POS) マトリックス;m−ニトロベンジルアルコール m/z ; 337〔M〕+ IR(KBr, cm-1) :3345, 2960, 2930, 2850, 2480, 1670,
1500, 740
【0036】1H-NMR(δ(ppm), 270MHz, CDCl3+CD3OD/TM
S) :0.88(t, J=6.8Hz, 3H), 1.20-1.45(m, 12H), 1.60-
1.76(m, 2H), 2.82(t, J=7.4Hz, 2H), 6.40(d, J=7.8H
z, 1H), 6.58-6.65(m, 3H), 6.68-6.77(m, 1H), 6.96
(d, J=2.0Hz, 1H), 7.23(dd, J=2.0, 8.3Hz, 1H)13 C-NMR(δ(ppm), 67.8MHz, CDCl3+CD3OD/TMS) :13.65,
22.33, 24.52, 28.96, 29.08, 29.16, 31.56, 37.94,
111.89, 113.16, 114.69, 115.34, 120.78, 122.34, 12
4.03, 131.22, 132.44, 132.62, 142.67, 147.90, 200.
08
【0037】上記結果から、得られた化合物は2−デカ
ノイルフェノキサジン(一般式(1)において、R1
H、R2がCOC919、XがOの化合物)であることを
確認した。
【0038】実施例1−5 《2−バレリルフェノキサジンの合成》実施例1−4と
同様の操作で、10−デカノイルフェノキサジン100
mg(0.30mmol)およびバレリルクロリド69
mg(0.57mmol)から目的物35mgを黄色粉
末として得た(収率45.6%)。この化合物の分析結
果は次の通りである。
【0039】質量分析:Fab(POS) マトリックス;m−ニトロベンジルアルコール m/z ; 267〔M〕+, 182 IR(neat, cm-1) :3350, 2955, 2930, 2480, 1670, 150
0, 730
【0040】1H-NMR(δ(ppm), 270MHz, CDCl3+CD3OD/TM
S) :0.96(t, J=7.3Hz, 3H), 1.40(m, 2H), 1.68(m, 2
H), 2.86(t, J=7.4Hz, 2H), 6.42(d, J=7.6Hz, 1H), 6.
52-6.58(m, 3H), 6.62-6.72(m, 1H), 6.97(d, J=2.0Hz,
1H), 7.25(dd, J=1.7Hz, 8.3Hz, 1H)13 C-NMR(δ(ppm), 67.8MHz, CDCl3+CD3OD/TMS) :13.58,
22.20, 26.57, 37.66, 111.83, 113.16, 114.71, 115.
37, 120.84,122.43, 124.07, 131.13, 132.35, 132.53,
142.61, 147.88, 200.06
【0041】上記結果から、得られた化合物は2−バレ
リルフェノキサジン(一般式(1)において、R1
H、R2がCOC49、XがOの化合物)であることを
確認した。
【0042】実施例1−6 《2−デシルフェノキサジンの合成》2−デカノイルフ
ェノキサジン50mg(0.15mmol)、1,2−
エタンジチオール0.12ml(0.15mmol)
に、三フッ化ホウ素エーテラート0.1mlを滴下し、
攪拌した。1時間後、ヘキサン0.2mlで3回洗い、
水中に注いでエーテルで抽出し、無水硫酸マグネシウム
にて乾燥した。
【0043】溶媒留去後、残渣をエタノール1mlに溶
解し、室温下で1時間ラネーニッケルで処理し、薄層ク
ロマトグラフィー(展開溶媒;10%酢酸エチル/ヘキ
サン)にて精製後、目的物9.3mgを白色固体として
得た(収率19.4%)。この化合物の分析結果は次の
通りである。
【0044】質量分析:Fab(POS) マトリックス;m−ニトロベンジルアルコール m/z ; 324〔M+1〕+, 196, 183 IR(neat, cm-1) :3365, 2920, 2850, 1510, 740
【0045】1H-NMR(δ(ppm), 270MHz, アセトンd6/TM
S) :0.87(t, J=6.8Hz, 3H), 1.15-1.38(m, 12H), 1.42-
1.60(m, 2H), 2.40(t, J=7.6Hz, 2H), 6.35(d, J=2.0H
z, 1H), 6.41-6.74(m, 6H), 7.12(br s, 1H)
【0046】上記結果から、得られた化合物は2−デシ
ルフェノキサジン(一般式(1)において、R1がH、
2がC1021、XがOの化合物)であることを確認し
た。
【0047】実施例1−7 《2−デカノイルフェノチアジンの合成》 1)10−アセチルフェノチアジンの合成 トルエン20mlにフェノチアジン2g(10mmo
l)を懸濁し、氷冷下、60%水素化ナトリウム497
mgを少しずつ加え、1時間攪拌後、アセチルクロリド
1.182g(15mmol)を滴下した。氷冷下、
1.5時間攪拌後、室温に戻し、1時間還流した。
【0048】放冷後、反応液を水中に注ぎ、酢酸エチル
で抽出後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒留
去後、得られた残渣をクロロホルム−ヘキサンにより再
結晶し、10−アセチルフェノキサジン2.193gを
無色結晶として得た(収率90.6%)。分析結果は次
の通りである。
【0049】質量分析:Fab(POS) マトリックス;m−ニトロベンジルアルコール m/z ; 241〔M〕+, 1991 H-NMR(δ(ppm), 270MHz, CDCl3/TMS) :2.20(s, 3H),
7.22(dt, J=1.6, 7.6Hz, 2H), 7.32(dt, J=1.6, 7.6Hz,
2H),7.44(dd, J=1.6, 7.6Hz, 2H), 7.50(d, J=7.9Hz,
2H)
【0050】2)2−デカノイルフェノチアジンの合成 上記1)で得た10−アセチルフェノチアジン300m
g(1.2mmol)、塩化アルミニウム663mg、
デカノイルクロリド474mg(2.5mmol)を用
い、実施例1−4と同様の操作で目的物196mgを黄
色粉末として得た(収率44.6%)。この化合物の分
析結果は次の通りである。
【0051】質量分析:Fab(POS) マトリックス;m−ニトロベンジルアルコール m/z ; 354〔M+1〕+ 1 H-NMR(δ(ppm), 270MHz, CDCl3+CD3OD/TMS) :0.88(t,
J=6.8Hz, 3H), 1.15-1.45(m, 12H), 1.57-1.77(m, 2H),
2.86(t, J=7.4Hz, 2H), 6.58(dd, J=1.3, 7.9Hz, 1H),
6.79(dt, J=1.3, 7.6Hz, 1H), 6.90(dd, J=1.3, 7.6H
z, 1H), 6.96(d, J=7.9Hz, 1H), 6.98(dt, J=1.3, 7.6H
z, 1H),7.09(d, J=1.7Hz, 1H), 7.32(dd, J=1.7, 7.9H
z, 1H)
【0052】13C-NMR(δ(ppm), 67.8MHz, CDCl3+CD3OD/
TMS) :13.79, 22.40, 24.36, 29.01, 29.08, 29.21, 3
1.62, 38.27, 112.37, 114.31, 116.38, 122,15, 122.2
7, 124.99, 125.97, 126.28, 127.54, 135.80, 140.92,
141.98, 200.53
【0053】上記結果から、得られた化合物は2−デカ
ノイルフェノチアジン(一般式(1)において、R1
H、R2がCOC919、XがSの化合物)であることを
確認した。
【0054】実施例1−8 《10−デカノイルフェノチアジンの合成》二硫化炭素
4ml、塩化メチレン6mlに10−アセチルフェノチ
アジン300mg(1.2mmol)を溶解し、塩化ア
ルミニウム663mgに少しずつ滴下した。40分間還
流後、デカノイルクロリド475mg(2.5mmo
l)を少しずつ滴下し、12時間還流した。
【0055】放冷後、反応液を10%塩酸水溶液に注
ぎ、クロロホルムで抽出し、有機層を水洗後、無水硫酸
マグネシウムにて乾燥した。溶媒留去後、得られた淡茶
色油状物654mgを薄層クロマトグラフィー(展開溶
媒:30%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製した。次に
得られた淡黄固体200mgに2mlの氷酢酸と0.5
mlの18%塩酸とを加え、10分間還流した。
【0056】放冷後、反応液を水中に注ぎ、クロロホル
ムで抽出し、有機層を水洗後、無水硫酸マグネシウムに
て乾燥した。溶媒留去後、得られた黄色固体196mg
をクロロホルム−ヘキサンにて再結晶し、目的物43m
gを黄色粉末として得た(収率9.8%)。この化合物
の分析結果は次の通りである。
【0057】1H-NMR(δ(ppm), 270MHz, アセトンd6/TM
S) :0.88(t, J=6.6Hz, 3H), 1.20-1.45(m, 12H), 1.60-
1.75(m, 2H), 2.90(t, J=7.3Hz, 2H), 6.72(dd, J=1.3,
7.9Hz, 1H), 6.80(dt, J=1.3, 7.6Hz, 1H), 6.93(dd,
J=1.3, 7.6Hz, 1H), 7.01(dt, J=1.3, 7.9Hz, 1H), 7.0
3(d, J=7.6, 1H),7.26(d, J=2.0, 1H), 7.41(dd, J=1.
7, 7.9Hz, 1H), 7.93(br s, 1H)
【0058】上記結果から、得られた化合物は10−デ
カノイルフェノチアジン(一般式(1)において、R1
がCOC919、R2がH、XがSの化合物)であること
を確認した。
【0059】実施例1−9 《10−バレリルアミノフェノチアジンの合成》 1)2−ニトロ−2′−ヒドラジノジフェニルスルフィ
ドの合成 文献(J. Org. Chem., 23, 1804(1958))記載の方法に
従い、1−クロロ−2−ニトロベンゼンおよび2−アミ
ノチオフェノールより2−ニトロ−2′−アミノジフェ
ニルスルフィドを定量的に得た。この2−ニトロ−2′
−アミノジフェニルスルフィド2g(8.1mmol)
を濃塩酸12mlに攪拌しながら少しずつ加えた。
【0060】室温にて2時間攪拌後、反応液を0〜5℃
に冷却し、亜硝酸ナトリウム654mg(9.5mmo
l)を水3.5mlに溶解した溶液を、反応液の温度が
5℃以上にならないように少しずつ滴下した。0〜5℃
にて1時間攪拌後、−15℃に冷却し、塩化スズ(II)
二水塩4.725gを濃塩酸3mlに溶解して−15℃
にした溶液を反応液に一度に加え、−15℃にて2時間
攪拌した。
【0061】静置後、上澄を除き、残渣を20%水酸化
ナトリウム水溶液100ml中に、氷冷下、少しずつ加
えて攪拌し、室温に徐々に戻し、3時間攪拌した。反応
液を濾過し、水洗後、得られた澄色結晶1.954gを
クロロホルム−エーテル−ヘキサンより再結晶し、2−
ニトロ−2′−ヒドラジノジフェニルスルフィド1.1
92gを黄色結晶として得た(収率56.2%)。分析
結果は次の通りである。
【0062】質量分析:Fab(POS) マトリックス;m−ニトロベンジルアルコール m/z ; 261〔M〕+ IR(KBr, cm-1) :3330, 1590, 1510, 1340
【0063】1H-NMR(δ(ppm), 270MHz, CDCl3/TMS) :3.
53(br s, 2H), 6.19(br s, 1H), 6.79(dd, J=1.3, 7.9H
z, 1H), 6.86(dt,J=1.3, 7.4Hz, 1H), 7.18-7.54(m, 5
H), 8.27(dd, J=1.3, 8.3Hz, 1H)
【0064】2)10−バレリルアミノフェノチアジン
の合成 上記1)で得た2−ニトロ−2′−ヒドラジノジフェニ
ルスルフィド200mg(0.77mmol)を塩化メ
チレン3mlに溶解し、氷冷下、トリエチルアミン0.
13mlを加え、塩化メチレン1mlに溶解したバレリ
ルクロリド92mg(0.79mmol)を滴下した。
0℃で1時間攪拌後、反応液を水中に注ぎ、塩化メチレ
ンで抽出し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒
留去後、2−ニトロ−2′−(β−バレリル)ヒドラジ
ノジフェニルスルフィド240mgを黄褐色固体として
得た(収率97.8%)。
【0065】上記2−ニトロ−2′−(β−バレリル)
ヒドラジノジフェニルスルフィド200mg(0.58
mmol)をジメチルホルムアミド2mlに溶解し、炭
酸カリウム80mgを加え、15分間還流した。放冷
後、水中に注ぎ、エーテルで抽出し、有機層を水洗後、
無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒留去後、得ら
れた131mgの黄褐色固体をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(溶出液、ヘキサン→クロロホルム)にて
精製し、目的物85mgを無色結晶として得た(収率4
9.2%)。この化合物の分析結果は次の通りである。
【0066】質量分析:Fab(POS) マトリックス;m−ニトロベンジルアルコール m/z ; 298〔M〕+ 1 H-NMR(δ(ppm), 270MHz, アセトンd6/TMS) :0.97(t, J
=7.4Hz, 3H), 1.35-1.55(m, 2H), 1.65-1.85(m, 2H),
2.54(t, J=7.4Hz, 2H), 6.82-7.28(m, 8H), 9.50(br s,
1H)
【0067】上記結果から、得られた化合物は10−バ
レリルアミノフェノチアジン(一般式(1)において、
1がNHCOC49、R2がH、XがSの化合物)であ
ることを確認した。
【0068】実施例1−10 《10−デカノイルアミノフェノチアジンの合成》実施
例1−9の2)と同様にして、2−ニトロ−2′−ヒド
ラジノジフェニルスルフィド100mg(0.38mm
ol)およびデカノイルクロリド73mg(0.38m
mol)より、2−ニトロ−2′−(β−デカノイル)
ヒドラジノジフェニルスルフィド147mg(黄色固
体、収率92.4%)を得、この2−ニトロ−2′−
(β−デカノイル)ヒドラジノジフェニルスルフィド1
20mg(0.29mmol)より、目的物68mgを
無色結晶として得た(収率63.9%)。この化合物の
分析結果は次の通りである。
【0069】質量分析:Fab(POS) マトリックス;m−ニトロベンジルアルコール m/z ; 368〔M〕+, 198 IR(KBr, cm-1) :3210, 2930, 1660, 1460
【0070】1H-NMR(δ(ppm), 270MHz, アセトンd6/TM
S) :0.86(t, J=7.3Hz, 3H), 1.08-1.58(m, 12H), 1.68-
1.85(m, 2H), 2.55(t, J=7.4Hz, 2H), 6.83-7.28(m, 8
H), 9.48(br s, 1H)
【0071】上記結果から、得られた化合物は10−デ
カノイルアミノフェノチアジン(一般式(1)におい
て、R1がNHCO−C919、R2がH、XがSの化合
物)であることを確認した。
【0072】実施例1−11 《10−オレオイルアミノフェノチアジンの合成》実施
例1−9の2)と同様にして、2−ニトロ−2′−ヒド
ラジノジフェニルスルフィド100mg(0.38mm
ol)およびオレオイルクロリド115mg(0.38
mmol)より、2−ニトロ−2′−(β−オレオイ
ル)ヒドラジノジフェニルスルフィド209mg(黄色
固体)を定量的に得、この2−ニトロ−2′−(β−オ
レオイル)ヒドラジノジフェニルスルフィド180mg
(0.34mmol)より、目的物82mgを黄橙固体
として得た(収率50.0%)。この化合物の分析結果
は次の通りである。
【0073】質量分析:Fab(POS) マトリックス;m−ニトロベンジルアルコール m/z ; 478〔M〕+, 1981 H-NMR(δ(ppm), 270MHz, アセトンd6/TMS) :0.88(t, J
=6.9Hz, 3H), 1.10-1.58(m, 22H), 1.72-1.85(m, 2H),
2.0(m, 4H), 2.54(t, J=7.4Hz, 2H), 5.32-5.40(m, 2
H), 6.86-7.28(m, 8H), 9.50(br s,1H)
【0074】上記結果から、得られた化合物は10−オ
レオイルアミノフェノチアジン(一般式(1)におい
て、R1がNHCO(CH27CH=CH(CH27
3、R 2がH、XがSの化合物)であることを確認し
た。
【0075】実施例2 表1または表2に示すヘテロ三環化合物の薬理試験を次
のようにして行った。 1)ウシ血管内皮細胞の培養 ウシ頸動脈血管5〜10cmを摘出した後、抗生物質
(ペニシリン、ストレプトマイシンなど)を添加したP
BS(リン酸緩衝溶液)で軽く洗い、同様の抗生物質含
有MEM(最小必須培地:minimum essential medium)
培地に浸し、氷冷して培養室に持ち帰った。
【0076】血管はさらに抗生物質含有MEM培地で数
回洗浄した。その後、血管に付着している脂肪をきれい
に取り去り、ハサミで分岐部を切り、その分岐部を通る
形で血管を縦に切り開いた。平らな固定面の上に血管を
内膜面を上にし、引っ張った形でピン固定した。#11
のメスを用い、内膜面に軽く触れるようにして内皮細胞
を剥離した。その際、メスを予め20%FBS(ウシ胎
児血清)含有MEM培地(抗生物質を含有している)に
湿らせて、メスの動きをスムーズにすると共に平滑筋細
胞の混入を防いだ。
【0077】メスに付着した内皮細胞を上記MEM培地
10mlに分散させ、800rpmで5分間遠心分離し
た。その後、沈渣に上記MEM培地を加え、ピペットで
内皮細胞が数十個集まった稲穂状になるまで分散し、プ
ラスチックシャーレに播き培養した。
【0078】2)血管内皮細胞を用いた活性酸素傷害防
御試験 96穴マイクロプレートに上記の方法で単離して培養し
たウシ頸動脈内皮細胞を、1穴あたり2×104個の細
胞を播き、2日間培養し、コンフルエントにした。その
中に、表1に示した各種被検薬を最終目的濃度になるよ
うに添加し、24時間培養して被検薬を内皮細胞に取り
込ませた。その後51Cr−クロム酸ナトリウムを1穴あ
たり0.5μCi加えて、さらに18時間培養し、細胞
内に51Cr−クロム酸ナトリウムを取り込ませた。
【0079】その後、ハンクス平衡塩溶液(GIBCO
BRL社製)で3回洗浄し、4×105cell/w
ellの白血球(ヒト末梢血よりフィコール(商品名、
ファルマシア社製)で分離した好中球)を加え、12−
O−テトラデカノイル−ホルボール−13−アセテート
を10ng/ml加えて刺激した。この化合物は白血球
膜に作用してNADPH依存性の五単糖リン酸回路を刺
激して活性酸素の産生を促進し、内皮細胞を傷害するも
のである。この時、活性酸素により傷害を受けた細胞か
51Crが放出される。
【0080】5時間後に培養液中に放出されてきた51
rの放射活性をγ−シンチレーション・カウンターで測
定し、被検薬取り込み状態での放出量とした。内皮細胞
内に取り込まれた51Crの総量は、0.1%のトリトン
X−100を加えて細胞膜を溶かすことによって、培養
液に放出された放射活性を測定し、細胞内総51Cr量と
した。また、被検薬、白血球および12−O−テトラデ
カノイル−ホルボール−13−アセテートを添加しない
時の放射活性量を無刺激時放出量とした。
【0081】内皮細胞の傷害率は、下記数式〔1〕で導
かれる51Crの放出率(specific release of 51Cr;
SR)により定量化した。
【数1】
【0082】次に、内皮細胞傷害抑制率を下記数式
〔2〕より求めた。結果を表1または表2に示す。
【数2】
【0083】
【表1】
【0084】
【表2】 **:p<0.01 * :p<0.05対コントロール
【0085】表1および表2の結果から明らかなよう
に、表1および表2のヘテロ三環化合物は細胞内に容易
に取り込まれ、活性酸素種による内皮細胞傷害を抑制し
た。
【0086】参考例1 表3に示すヘテロ三環化合物を被検薬として、細胞毒性
を被検薬処理時の細胞内総51Cr量を測定することより
調べた。まず実施例2−1の2)と同様にして血管内皮
細胞内に被検薬および51Cr−クロム酸ナトリウムを取
り込ませた。次に、前記ハンクス平衡塩溶液で洗浄後、
活性化好中球で内皮細胞傷害を惹起させた。この時、被
検薬に細胞毒性があればハンクス平衡塩溶液で洗浄する
ことにより、死んだ細胞は洗い流され、被検薬処理時の
細胞内総51Cr量は減少する。そこで、被検薬無処理時
の細胞内総51Cr量に対する被検薬処理時の細胞内総51
Cr量を百分率で表した。結果を表3に示す。表3の結
果から毒性のないことがわかる。
【0087】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 279/30 C07D 279/30 279/32 279/32

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表わされるヘテロ三
    環化合物。 【化1】 〔式中、R1はH、COR3またはNHCOR4(ここで
    3およびR4はそれぞれ炭素数2〜22の飽和もしくは
    不飽和アルキル基を示す。)、R2はH、炭素数2〜2
    2の飽和もしくは不飽和アルキル基、COR3またはN
    HCOR4(ここでR3およびR4は前記と同じものを示
    す。)を示す。ただし、R1およびR2が同時にHである
    ことはない。XはOまたはSを示す。〕
  2. 【請求項2】 下記一般式(2)で表わされるヘテロ三
    環化合物を有効成分とすることを特徴とする細胞傷害防
    御剤。 【化2】 〔式中、R5はH、COR7またはNHCOR8(ここで
    7およびR8はそれぞれ炭素数1〜22の飽和もしくは
    不飽和アルキル基を示す。)、R6はH、炭素数1〜2
    2の飽和もしくは不飽和アルキル基、COR7またはN
    HCOR8(ここでR7およびR8は前記と同じものを示
    す)を示す。XはOまたはSを示す。〕
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2331282A1 (es) * 2008-06-25 2009-12-28 Consejo Superior De Investigaciones Cientificas (Csic) (45%) Hidrazidas de sistemas heterociclicos y su uso en el tratamiento de enfermedades neurodegenerativas.

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2331282A1 (es) * 2008-06-25 2009-12-28 Consejo Superior De Investigaciones Cientificas (Csic) (45%) Hidrazidas de sistemas heterociclicos y su uso en el tratamiento de enfermedades neurodegenerativas.
WO2009156535A1 (es) * 2008-06-25 2009-12-30 Consejo Superior De Investigaciones Científicas Hidrazidas de sistemas heterociclicos y su uso en el tratamiento de enfermedades neurodegenerativas

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