JPH09110815A - フェニルヒドラジン誘導体および細胞傷害防御剤 - Google Patents

フェニルヒドラジン誘導体および細胞傷害防御剤

Info

Publication number
JPH09110815A
JPH09110815A JP27217895A JP27217895A JPH09110815A JP H09110815 A JPH09110815 A JP H09110815A JP 27217895 A JP27217895 A JP 27217895A JP 27217895 A JP27217895 A JP 27217895A JP H09110815 A JPH09110815 A JP H09110815A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
cis
formula
phenylhydrazine derivative
phenylhydrazine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP27217895A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuyo Kuratani
和代 倉谷
Kenichi Nakahama
健一 中浜
Ikuo Morita
育男 森田
Seiitsu Murota
誠逸 室田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NOF Corp
Original Assignee
Nippon Oil and Fats Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Oil and Fats Co Ltd filed Critical Nippon Oil and Fats Co Ltd
Priority to JP27217895A priority Critical patent/JPH09110815A/ja
Publication of JPH09110815A publication Critical patent/JPH09110815A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Quinoline Compounds (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Indole Compounds (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 生体内での活性酸素種の消去効果に優れ、活
性酸素種による細胞傷害に基づく疾病の予防および治療
に優れた効果を発揮する細胞傷害防御剤を得る。 【解決手段】 下式で表わされるフェニルヒドラジン誘
導体を有効成分とする細胞傷害防御剤。 【化1】 (式中、R1は炭素数5〜22の飽和もしくは不飽和ア
ルキル基を示す。R2およびR3は、R2が水素原子、R3
が水素原子もしくはフェニル基、またはR2とR3とが結
合したエチレン基もしくはプロピレン基を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規かつ有用なフェ
ニルヒドラジン誘導体、ならびにこのフェニルヒドラジ
ン誘導体を有効成分とする薬剤であって、活性酸素種に
よる細胞傷害に基づく疾病を予防および治療するための
細胞傷害防御剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】生体内には多数の活性酸素消去システム
があり、酸化的なストレスから生体を保護している。そ
れらの防御システムの乱れから生じた活性酸素が様々な
疾病の発現に関与していることが明らかにされた。特に
近年、動脈硬化の発症機序に活性酸素による血管内皮細
胞の傷害が深く関与していることが注目されている。
【0003】活性酸素種による細胞傷害は、炎症や脳・
心臓・循環器・消化器などに発生する各種疾患の一部と
みなされ、現在までにも生体内においてこれらの活性酸
素種を消去する薬剤の検討が行われてきた。例えば、活
性酸素の消去や過酸化脂質の分解などの作用を有する抗
酸化性化合物が活性酸素消去剤として多方面からのアプ
ローチによって開発されてきた(ラジカル消去剤、メビ
オ、、90〜94、1988)。
【0004】しかし、現在までに検討されてきたスーパ
ーオキシドディスムターゼを始めとする酵素類は、分子
量が大きく組織移行性が否定的であることや、安定性に
も問題が残る。また、ビタミンEやビタミンCは、生体
を用いた実験で安定性や活性酸素消去作用が充分ではな
い等の難点が残る。
【0005】ところで、本発明のフェニルヒドラジン誘
導体の一部に類似した構造をもつインドリン誘導体が、
Hypertension, 15, 224(1990) に記載されているが、細
胞傷害防御効果については全く記載されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、細胞
内に容易に取り込まれ、優れた細胞傷害防御効果を発揮
するとともに、低毒性である新規かつ有用なフェニルヒ
ドラジン誘導体、およびこれを有効成分とする細胞傷害
防御剤を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】一般的に生体内で細胞、
例えば血管内皮細胞に傷害を与える物質としては過酸化
脂質およびスーパーオキシド、ヒドロキシルラジカル、
一重項酸素、過酸化水素などの活性酸素種が知られてい
る。本発明者らは、51Crでラベルした培養血管内皮細
胞を、活性化した白血球により傷害させ、51Crの放出
量により細胞傷害を定量化する実験系をつくり、各種化
合物の血管内皮細胞傷害抑制効果を種々検討した結果、
後述の一般式(1)で表わされるフェニルヒドラジン誘
導体に強い抑制効果があることを見出し、本発明を完成
した。
【0008】すなわち、本発明は次のフェニルヒドラジ
ン誘導体およびそれを有効成分とする細胞傷害防御剤で
ある。 (1) 下記一般式(1)で表わされるフェニルヒドラ
ジン誘導体。
【化2】 (式中、R1は炭素数5〜22の飽和もしくは不飽和ア
ルキル基を示す。R2およびR3は、R2が水素原子、R3
が水素原子もしくはフェニル基、またはR2とR3とが結
合したエチレン基もしくはプロピレン基を示す。) (2) 上記(1)記載のフェニルヒドラジン誘導体を
有効成分とすることを特徴とする細胞傷害防御剤。
【0009】一般式(1)おいてR1で示される炭素数
5〜22の飽和もしくは不飽和アルキル基の具体的なも
のとしては、ペンチル基、ヘキシル基、ペプチル基、オ
クチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシ
ル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル
基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル
基、ノナデシル基等の直鎖飽和アルキル基;イソペンチ
ル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシ
ル基等の分岐鎖飽和アルキル基;cis−9−テトラデセ
ニル基、trans−3−ヘキサデセニル基、cis−9−ヘキ
サデセニル基、cis−6−オクタデセニル基、cis−9−
オクタデセニル基、trans−9−オクタデセニル基、cis
−11−オクタデセニル基、cis−9−エイコセニル
基、cis−13−ドコセニル基、2,4−ヘキサジエニ
ル基、cis−9,cis−12−オクタデカジエニル基、ci
s−6,cis−9−オクタデカジエニル基、cis−9,cis
−12,cis−15−オクタデカトリエニル基、cis−
6,cis−9,cis−12−オクタデカトリエニル基、ci
s−9,trans−11,trans−13−オクタデカトリエ
ニル基、cis−5,cis−8,cis−11,cis−14−エ
イコサテトラエニル基、cis−5,cis−8,cis−1
1,cis−14−,cis−17−エイコサペンタエニル
基、cis−4,cis−7,cis−10,cis−13,cis−
16−ドコサペンタエニル基、cis−4,cis−7,cis
−10,cis−13,cis−16,cis−19−ドコサヘ
キサエニル基等の不飽和結合を1〜6個有するアルキル
基などがあげられる。
【0010】一般式(1)においてR2は水素原子、R3
は水素原子もしくはフェニル基である。またR2とR3
は結合していてもよく、この場合R2とR3とから形成さ
れる基はエチレン基もしくはプロピレン基である。R2
とR3とが結合している場合、一般式(1)で表わされ
るフェニルヒドラジン誘導体は下記一般式(1a)、R
2とR3とが結合していない場合、一般式(1)で表わさ
れるフェニルヒドラジン誘導体は下記一般式(1b)で
表わされる。
【化3】 (式中、R4は水素原子もしくはメチル基、R5は水素原
子もしくはフェニル基、R1は前記と同じものを示
す。)
【0011】一般式(1a)で表わされるフェニルヒド
ラジン誘導体は、例えば次のような方法により合成する
ことができる。まず、インドリンまたは2−メチルイン
ドリンを亜硝酸、亜硝酸塩、亜硝酸メチル、亜硝酸エチ
ル等のニトロソ化試薬を用いて常法によりニトロソ化
し、ニトロソ体を得る。次に得られたニトロソ体を水素
化リチウムアルミニウム等の還元剤を用いて常法により
還元し、ヒドラジン類を得る。次に得られたヒドラジン
類に酸ハロゲン化物またはカルボン酸などを常法により
反応させてアシル化することにより、一般式(1a)で
表わされるフェニルヒドラジン誘導体を製造することが
できる。
【0012】上記反応は下記反応式(2a)で表わされ
る。式中、R1およびR4は前記と同じものを示す。
【化4】
【0013】一般式(1b)で表わされるフェニルヒド
ラジン誘導体は、例えば次のような方法により合成する
ことができる。フェニルヒドラジンまたはジフェニルヒ
ドラジンに酸ハロゲン化物またはカルボン酸などを常法
により反応させてアシル化することにより、一般式(1
b)で表わされるフェニルヒドラジン誘導体を製造する
ことができる。なお、フェニルアミン(アニリン)また
はジフェニルアミンを出発原料とし、前記(1a)で表
わされるフェニルヒドラジン誘導体の製造方法と同様に
してニトロソ化したのち還元し、フェニルヒドラジンま
たはジフェニルヒドラジンを得ることができる。
【0014】ジフェニルヒドラジンに酸ハロゲン化物を
反応させる反応は下記反応式(2b)で表わされる。式
中、R1は前記と同じものを示す。
【化5】
【0015】このようにして得られる本発明のフェニル
ヒドラジン誘導体は、抽出、再結晶、クロマトグラフィ
ーなどの公知の方法により単離、精製することができ
る。
【0016】本発明の細胞傷害防御剤は一般式(1)で
表わされるフェニルヒドラジン誘導体を有効成分として
含有するものである。本発明の細胞傷害防御剤は、活性
酸素種による細胞傷害を防御するものであり、虚血性心
疾患、虚血性脳疾患、循環器疾患(例えば動脈硬化
等)、消化器疾患(例えば消化管、肝臓、膵臓などの疾
患)、皮膚疾患、癌、腎炎、肺疾患などの疾患および炎
症に対して有効である。
【0017】一般式(1)で表わされるフェニルヒドラ
ジン誘導体においては、R1がcis−9−オクタデセニル
基の場合に特に細胞傷害防御効果が高く、好ましく使用
できる。
【0018】本発明の細胞傷害防御剤は、一般式(1)
で表わされるフェニルヒドラジン誘導体をそれ自体公知
の薬理的に許容される担体、賦形剤、崩壊剤、矯正剤、
増量剤、希釈剤、溶解補助剤などと混合し、公知の方法
に従って医薬組成物、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒
剤、散剤、粉末剤、丸剤、ドリンク剤、注射剤、点滴
剤、坐剤などの形態に製剤化することができる。このよ
うな製剤は経口的もしくは非経口的に投与することがで
きる。
【0019】投与量は投与対象、投与経路、症状などに
よっても異なるが、経口的に投与する場合、一般式
(1)で表わされるフェニルヒドラジン誘導体として通
常1回量として約0.01〜100mg/kg体重、好
ましくは0.01〜10mg/kg体重を1日1〜3回
程度投与する。また非経口的に投与する場合、例えば坐
剤では一般式(1)で表わされるフェニルヒドラジン誘
導体として約0.05〜20mg/kg体重を1日1〜
2回投与することが好ましい。
【0020】
【発明の効果】本発明のフェニルヒドラジン誘導体は、
新規かつ有用である。本発明のフェニルヒドラジン誘導
体は、細胞内に容易に取り込まれ、優れた細胞傷害防御
効果を発揮するとともに、低毒性である。本発明の細胞
傷害防御剤は上記フェニルヒドラジン誘導体を有効成分
として含有しているので、生体内での活性酸素種の消去
効果に優れており、このため活性酸素種による細胞傷害
に基づく疾病の予防および治療に優れた効果を発揮す
る。
【0021】
〔N−(2,3−ジヒドロ−2−メチル−1H−インドール−1−イル)−cis−9−オクタデセンアミドの合成〕
1)1−アミノ−2−メチルインドリンの合成 2−メチルインドリン1.5g(11.3mmol)を
テトラヒドロフラン10mlに溶解し、氷冷下、10%
亜硝酸エチル(エタノール溶液)16.5ml(亜硝酸
エチルとして17.3mmol)を滴下した。
【0022】滴下後、氷浴を外し、室温に戻しつつ攪拌
し、1時間半後、溶媒を留去した。得られた暗褐色油状
物1.836gにテトラヒドロフラン20mlを加え、
氷冷下、水素化リチウムアルミニウム855mg(2
2.5mmol)を少しずつ加え攪拌した。
【0023】0℃で1時間後、含水エーテルにて過剰の
水素化リチウムアルミニウムを分解後、有機層を無水硫
酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒留去後、得られた褐
色油状物1.40gをシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(溶出液:ヘキサン→1:9(v/v)酢酸エチル
/ヘキサン)にて精製し、目的物932mgを無色針状
晶として得た(収率55.8%)。この化合物の分析結
果は次の通りである。
【0024】質量分析:Fab(POS) マトリックス;m−ニトロベンジルアルコール m/z;148[M]+,132 IR (KBr,cm-1):3300,3160,1620,1590,1470,1460
【0025】1H-NMR (δ(ppm),270MHz,CDCl3/TMS):
1.39(d,J=6.3Hz,3H),2.54(dd,J=10.9,14.8Hz,1
H),3.04(dd,J=7.6,14.8Hz,1H),3.16-3.33(m,1
H),3.44(br s,2H),6.71-6.84(m,2H),7.06(d,J=7.
3Hz,1H),7.14(t,J=7.6Hz,1H)13 C-NMR(δ(ppm),67.8MHz,CDCl3/TMS):18.11,36.1
5,68.03,109.56,120.00,124.19,127.40,127.87,
154.64
【0026】上記結果から、得られた化合物は1−アミ
ノ−2−メチルインドリンであることを確認した。
【0027】2)N−(2,3−ジヒドロ−2−メチル
−1H−インドール−1−イル)−cis−9−オクタデ
センアミドの合成 上記1)で得た1−アミノ−2−メチルインドリン50
mg(0.34mmol)をテトラヒドロフラン1ml
に溶解し、氷冷下、トリエチルアミン0.06ml
(0.43mmol)、次いでオレオイルクロリド12
2mg(0.41mmol)を2mlのテトラヒドロフ
ランに溶解した溶液をゆっくり滴下、攪拌した。
【0028】0℃で2時間後、反応液を1N塩酸中に注
ぎ、酢酸エチルにて抽出し、有機層を1N水酸化ナトリ
ウム、次いで水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾
燥した。溶媒留去後、得られた無色油状物160mgを
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサ
ン→1:9(v/v)酢酸エチル/ヘキサン)にて精製
し、目的物134mgを白色ワックス状物として得た
(収率96.2%)。この化合物の分析結果は次の通り
である。
【0029】質量分析:Fab(POS) マトリックス;m−ニトロベンジルアルコール m/z;412[M]+,147,1321 H-NMR (δ(ppm),270MHz,アセトンd6/TMS):0.88(t,
J=6.9Hz,3H),1.10-1.45(m,22H),2.04(m,2H),2.25
(t,J=7.3Hz,2H),2.40-2.60(m,1H),3.02-3.20(m,1
H),3.86-4.05(m,1H),5.28-5.42(m,2H),6.42-7.18
(m,4H),8.64(br s,1H)
【0030】13C-NMR(δ(ppm),67.8MHz,アセトンd6/T
MS):14.34,18.90,23.29,26.36,27.78〜32.60,34.
84,36.55,66.72,109.36,120.39,125.05,127.71,
127.83,130.53,130.56,152.83,172.18
【0031】上記結果から、下記式(3)で表わされる
N−(2,3−ジヒドロ−2−メチル−1H−インドー
ル−1−イル)−cis−9−オクタデセンアミドが得ら
れたことを確認した。
【化6】
【0032】実施例1−2 〔N−(2,3−ジヒドロ−2−メチル−1H−インド
ール−1−イル)デカンアミドの合成〕 実施例1−1と同様にして、1−アミノ−2−メチルイ
ンドリン100mg(0.67mmol)、デカノイル
クロリド154mg(0.81mmol)およびトリエ
チルアミン0.11ml(0.79mmol)より、目
的物208mgを無色固体として定量的に得た。この化
合物の分析結果は次の通りである。
【0033】質量分析:Fab(POS) マトリックス;m−ニトロベンジルアルコール m/z;302[M]+,1321 H-NMR (δ(ppm),270MHz,アセトンd6/TMS):0.87(3
H),1.15-1.45(m,12H),2.05(m,2H),2.25(t,J=7.4H
z,2H),2.38-2.6(m,1H),3.0-3.18(m,1H),3.85-4.0
5(m,1H),6.40-7.15(m,4H),8.64(br s,1H)13 C-NMR(δ(ppm),67.8MHz,アセトンd6/TMS):14.33,
18.92,23.31,26.38-32.60,34.86,36.55,66.74,10
9.38,120.41,125.07,127.73,127.83,152.85,172.
20
【0034】上記結果から、下記式(4)で表わされる
N−(2,3−ジヒドロ−2−メチル−1H−インドー
ル−1−イル)デカンアミドが得られたことを確認し
た。
【化7】
【0035】実施例1−3 〔N−(2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イ
ル)デカンアミドの合成〕 実施例1−1と同様にして、インドリン1g(8.4m
mol)から1−アミノインドリン554mg(褐色油
状物、収率49.2%)を得、1−アミノインドリン1
00mg(0.75mmol)、デカノイルクロリド1
71mg(0.90mmol)、およびトリエチルアミ
ン0.12ml(0.86mmol)より、目的物17
2mgを淡黄色固体として得た(収率80.0%)。こ
の化合物の分析結果は次の通りである。
【0036】質量分析:Fab(POS) マトリックス;m−ニトロベンジルアルコール m/z;288[M]+,1331 H-NMR (δ(ppm),270MHz,アセトンd6/TMS):0.87(3
H),1.15-1.45(m,12H),2.05(m,2H),2.22(t,J=7.4H
z,2H),2.93(t,J=8.2Hz,2H),3.61(t,J=8.2Hz,2
H),6.44-7.18(m,4H),8.68(br s,1H)
【0037】上記結果から、下記式(5)で表わされる
N−(2,3−ジヒドロ−1H−1H−インドール−1
−イル)デカンアミドが得られたことを確認した。
【化8】
【0038】実施例1−4 〔N′,N′−ジフェニル−cis−9−オクタデセノヒ
ドラジドの合成〕塩化メチレン15mlに1,1−ジフ
ェニルヒドラジン塩酸塩440mg(2.0mmo
l)、トリエチルアミン0.58ml(4.2mmo
l)を加え、氷冷下、塩化メチレン5mlにオレオイル
クロリド0.5g(1.7mmol)を溶解した溶液を
少しずつ加え、2時間攪拌した。
【0039】反応液を1N塩酸溶液に注ぎ、塩化メチレ
ンにて抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液、次いで水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥
した。溶媒留去後、得られた721mgのワックス状粗
精製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出
液:ヘキサン→1:9(v/v)酢酸エチル/ヘキサ
ン)にて精製し、目的物578mgを白色アモルファス
として得た(収率77.5%)。この化合物の分析結果
は次の通りである。
【0040】質量分析:Fab(POS) マトリックス;m−ニトロベンジルアルコール m/z;448[M]+,184,168 IR(KBr,cm-1):3270,2920,2850,1670,1600,1500
【0041】1H-NMR (δ(ppm),270MHz,アセトンd6/TM
S):0.88(t,J=6.9Hz,3H),1.14-1.44(m,22H),1.67
(m,2H),2.05(m,4H),2.3(t,J=7.4Hz,2H),5.26-5.
43(m,2H),6.90-7.40(m,10H),9.55(br s,1H)
【0042】上記結果から、下記式(6)で表わされる
N′,N′−ジフェニル−cis−9−オクタデセノヒド
ラジドが得られたことを確認した。
【化9】
【0043】実施例1−5 〔N′,N′−ジフェニルデカノヒドラジドの合成〕実
施例1−4と同様にして、1,1−ジフェニルヒドラジ
ン塩酸塩694mg(3.1mmol)、デカノイルク
ロリド500mg(2.6mmol)、トリエチルアミ
ン0.91ml(6.5mmol)を用いて、目的物6
67mg(無色粉末状結晶、クロロホルム−ヘキサンよ
り再結晶)を得た(収率75.2%)。この化合物の分
析結果は次の通りである。
【0044】質量分析:Fab(POS) マトリックス;m−ニトロベンジルアルコール m/z;338[M]+,184,1681 H-NMR (δ(ppm),270MHz,CDCl3/TMS):0.87(t,J=6.7
Hz,3H),1.12-1.43(m,12H),1.54(m,2H),2.38(t,J
=7.6Hz,2H),6.95-7.38(m,10H)
【0045】上記の結果から、下記式(7)で表わされ
るN′,N′−ジフェニルデカノヒドラジドが得られた
ことを確認した。
【化10】
【0046】実施例1−6 〔N′−フェニル−cis−9−オクタデセノヒドラジド
の合成〕塩化メチレン15mlにフェニルヒドラジン
0.216g(2.0mmol)、トリエチルアミン
0.28ml(2.0mmol)を加え、氷冷下、塩化
メチレン5mlにオレオイルクロリド0.5g(1.7
mmol)を溶解した溶液を少しずつ加え、2時間攪拌
した。
【0047】反応液を1N塩酸溶液に注ぎ、塩化メチレ
ンにて抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液、次いで水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥
した。溶媒留去後、得られた橙色固体492mgをシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン→
2:8(v/v)酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、
目的物382mgを白色固体として得た(収率61.7
%)。この化合物の分析結果は次の通りである。
【0048】質量分析:Fab(POS) マトリックス;m−ニトロベンジルアルコール m/z;373[M+1]+,108,92 IR (KBr,cm-1):2920,2850,1670,1640
【0049】1H-NMR (δ(ppm),270MHz,アセトンd6/TM
S):0.88(t,J=6.9Hz,3H),1.15-1.45(m,22H),1.64
(m,2H),2.05(m,4H),2.26(t,J=7.4Hz,2H),5.27-
5.43(m,2H),6.68-6.90(m,3H),7.06-7.20(m,2H)
【0050】上記結果から、下記式(8)で表わされる
N′−フェニル−cis−9−オクタデセノヒドラジンが
得られたことを確認した。
【化11】
【0051】実施例1−7 〔N′−フェニルデカノヒドラジドの合成〕実施例1−
6と同様にして、フェニルヒドラジン340mg(3.
1mmol)、デカノイルクロリド500mg(2.6
mmol)、トリエチルアミン0.44ml(3.2m
mol)より、目的物338mg(無色粉末、クロロホ
ルム−ヘキサンより再結晶)を得た(収率49.1
%)。この化合物の分析結果は次の通りである。
【0052】質量分析:Fab(POS) マトリックス;m−ニトロベンジルアルコール m/z;263[M+1]+,108,92 IR (neat,cm-1):2920,2850,1660,1640
【0053】1H-NMR (δ(ppm),270MHz,アセトンd6/TM
S):0.88(3H),1.18-1.48(m,12H),1.64(m,2H),2.26
(t,J=7.3Hz,2H),6.70-7.0(m,3H),7.10-7.25(m,2
H),8.94(br s,1H)
【0054】上記結果から、下記式(9)で表わされる
N′−フェニルデカノヒドラジドが得られたことを確認
した。
【化12】
【0055】実施例2−1 表1に示すフェニルヒドラジン誘導体の薬理試験を次の
ようにして行った。 1)ウシ血管内皮細胞の培養 ウシ頸動脈血管5〜10cmを摘出した後、抗生物質
(ペニシリン、ストレプトマイシンなど)を添加したP
BS(リン酸緩衝溶液)で軽く洗い、同様の抗生物質含
有MEM(最小必須培地:minimum essential medium)
培地に浸し、氷冷して培養室に持ち帰った。
【0056】血管はさらに抗生物質含有MEM培地で数
回洗浄した。その後、血管に付着している脂肪をきれい
に取り去り、ハサミで分岐部を切り、その分岐部を通る
形で血管を縦に切り開いた。平らな固定面の上に血管を
内膜面を上にし、引っ張った形でピン固定した。#11
のメスを用い、内膜面に軽く触れるようにして内皮細胞
を剥離した。その際、メスを予め20%FBS(ウシ胎
児血清)含有MEM培地(抗生物質を含有している)に
湿らせて、メスの動きをスムーズにすると共に平滑筋細
胞の混入を防いだ。
【0057】メスに付着した内皮細胞を上記MEM培地
10mlに分散させ、800rpmで5分間遠心分離し
た。その後、沈渣に上記MEM培地を加え、ピペットで
内皮細胞が数十個集まった稲穂状になるまで分散し、プ
ラスチックシャーレに播き培養した。
【0058】2)血管内皮細胞を用いた活性酸素傷害防
御試験 96穴マイクロプレートに上記の方法で単離して培養し
たウシ頸動脈内皮細胞を、1穴あたり2×104個の細
胞を播き、2日間培養し、コンフルエントにした。その
中に、表1に示した各種被検薬を最終目的濃度になるよ
うに添加し、24時間培養して被検薬を内皮細胞に取り
込ませた。その後51Cr−クロム酸ナトリウムを1穴あ
たり0.5μCi加えて、さらに18時間培養し、細胞
内に51Cr−クロム酸ナトリウムを取り込ませた。
【0059】その後、ハンクス平衡塩溶液(GIBCO
BRL社製)で3回洗浄し、4×105cell/w
ellの白血球(ヒト末梢血よりフィコール(商品名、
ファルマシア社製)で分離した好中球)を加え、12−
O−テトラデカノイル−ホルボール−13−アセテート
を10ng/ml加えて刺激した。この化合物は白血球
膜に作用してNADPH依存性の五単糖リン酸回路を刺
激して活性酸素の産生を促進し、内皮細胞を傷害するも
のである。この時、活性酸素により傷害を受けた細胞か
51Crが放出される。
【0060】5時間後に培養液中に放出されてきた51
rの放射活性をγ−シンチレーション・カウンターで測
定し、被検薬取り込み状態での放出量とした。内皮細胞
内に取り込まれた51Crの総量は、0.1%のトリトン
X−100を加えて細胞膜を溶かすことによって、培養
液に放出された放射活性を測定し、細胞内総51Cr量と
した。また、被検薬、白血球および12−O−テトラデ
カノイル−ホルボール−13−アセテートを添加しない
時の放射活性量を無刺激時放出量とした。
【0061】内皮細胞の傷害率は、下記数式〔1〕で導
かれる51Crの放出率(specific release of 51Cr;
SR)により定量化した。
【数1】
【0062】次に、内皮細胞傷害抑制率を下記数式
〔2〕より求めた。結果を表1に示す。
【数2】
【0063】比較例1−1 下記式(10)で表わされる化合物を被検薬として、実
施例2−1に準じて薬理試験を行った。結果を表1に示
す。
【化13】
【0064】比較例1−2 下記式(11)で表わされる化合物を被検薬として、実
施例2−1に準じて薬理試験を行った。結果を表1に示
す。
【化14】
【0065】
【表1】 **:p<0.01 * :p<0.05対コントロール
【0066】表1の結果から明らかなように、表1のフ
ェニルヒドラジン誘導体は細胞内に容易に取り込まれ、
活性酸素種による内皮細胞傷害を抑制した。
【0067】参考例1 表2に示すフェニルヒドラジン誘導体を被検薬として、
細胞毒性を被検薬処理時の細胞内総51Cr量を測定する
ことにより調べた。まず実施例2−1の2)と同様にし
て血管内皮細胞内に被検薬および51Cr−クロム酸ナト
リウムを取り込ませた。次に、前記ハンクス平衡塩溶液
で洗浄後、活性化好中球で内皮細胞傷害を惹起させた。
この時、被検薬に細胞毒性があればハンクス平衡塩溶液
で洗浄することにより、死んだ細胞は洗い流され、被検
薬処理時の細胞内総51Cr量は減少する。そこで、被検
薬無処理時の細胞内総51Cr量に対する被検薬処理時の
細胞内総51Cr量を百分率で表した。結果を表2に示
す。
【0068】
【表2】 **:p<0.01 * :p<0.05対コントロール
【0069】表2の結果から明らかなように、被検薬処
理による有意な減少は認められず、毒性のないことが示
された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 209/08 C07D 209/08 215/58 215/58

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表わされるフェニル
    ヒドラジン誘導体。 【化1】 (式中、R1は炭素数5〜22の飽和もしくは不飽和ア
    ルキル基を示す。R2およびR3は、R2が水素原子、R3
    が水素原子もしくはフェニル基、またはR2とR3とが結
    合したエチレン基もしくはプロピレン基を示す。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載のフェニルヒドラジン誘導
    体を有効成分とすることを特徴とする細胞傷害防御剤。
JP27217895A 1995-10-20 1995-10-20 フェニルヒドラジン誘導体および細胞傷害防御剤 Pending JPH09110815A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27217895A JPH09110815A (ja) 1995-10-20 1995-10-20 フェニルヒドラジン誘導体および細胞傷害防御剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27217895A JPH09110815A (ja) 1995-10-20 1995-10-20 フェニルヒドラジン誘導体および細胞傷害防御剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09110815A true JPH09110815A (ja) 1997-04-28

Family

ID=17510175

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27217895A Pending JPH09110815A (ja) 1995-10-20 1995-10-20 フェニルヒドラジン誘導体および細胞傷害防御剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09110815A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100428686B1 (ko) * 1998-12-17 2004-04-30 르 라보레또레 쎄르비에르 히드라지드 화합물, 이들의 제조 방법 및 이들을 함유하는약제 조성물

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100428686B1 (ko) * 1998-12-17 2004-04-30 르 라보레또레 쎄르비에르 히드라지드 화합물, 이들의 제조 방법 및 이들을 함유하는약제 조성물

Similar Documents

Publication Publication Date Title
HU220625B1 (hu) Metalloproteáz enzimeket gátló hidroxámsavszármazékok, az ezeket tartalmazó gyógyszerkészítmények, eljárás e vegyületek előállítására
EP1632236A1 (en) Inhibitors of the anandamide transporter
JP2019530678A (ja) Yap1のoct4との相互作用を標的とするyap1阻害剤
WO2017147220A1 (en) Combination therapy
NO152047B (no) Analogifremgangsmaate for fremstilling av terapeutisk virksom 5-(paradeuterofenyl)-5-fenylhydantoin.
FR2522324A1 (fr) Pyrrole-acetamides, leur procede de preparation et composition therapeutique les contenant
EP0272478B1 (en) Glycyrrhetic acid derivatives and use thereof
JP6442615B2 (ja) インドール酢酸コア構造を含む化合物とその応用
JPS63502179A (ja) 新規なアリ−ル誘導体類
EA028077B1 (ru) N-(4-гидрокси-4-метилциклогексил)-4-фенилбензолсульфонамиды и n-(4-гидрокси-4-метилциклогексил)-4-(2-пиридил)бензолсульфонамиды и их терапевтическое применение
JPH0393787A (ja) 抗ウイルス活性を有する薬剤、燐脂質誘導体及びその製造方法
CA1330446C (en) Phenolic thioalkylamides as inhibitors of 5-lipoxygenase
RU2279433C2 (ru) Новое соединение для лечения импотенции
JPH09110815A (ja) フェニルヒドラジン誘導体および細胞傷害防御剤
JPH07330595A (ja) 細胞接着抑制剤
WO2019094732A1 (en) Inhibitors of cyclic-amp response element-binding protein
JP2567593B2 (ja) イミダゾリジントリオン誘導体及び該化合物を有効成分として含有するアレルギ−性疾患治療剤
DE69825281T2 (de) Neue sulfonamid-derivate
CA2487165C (en) Cinnamic acid dimers, their preparation and the use thereof for treating neurodegenerative disease
EP0475214A1 (en) Caffeic acid derivatives and pharmaceutical compositions containing the same
CZ20021433A3 (cs) Proléčivo na bázi 6-methoxy-2-naftyloctové kyseliny
JPH06502415A (ja) オキシスルホニルカルバメート
JP4206070B2 (ja) 細胞接着抑制剤
JPH07118231A (ja) スルファモイル安息香酸誘導体
JPH09194469A (ja) ヘテロ三環化合物および細胞傷害防御剤