JPH11503998A - レチノイン酸受容体アゴニストによる網膜色素上皮の増殖の阻止方法 - Google Patents

レチノイン酸受容体アゴニストによる網膜色素上皮の増殖の阻止方法

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Abstract

(57)【要約】 手術もしくは外傷後の網膜色素上皮の増殖、または脈絡膜新生血管形成と関連した眼の疾患(例えば、加齢に関係した黄斑変性、ヒストプラスマ症候群)を生じさせる網膜色素上皮の増殖は、網膜色素上皮細胞を、治療量のレチノイン酸受容体(RAR)アゴニスト、好ましくはレチノイン酸受容体に対して特異的活性を有するもの、と接触させることにより阻止される。好ましくは、RARアゴニストはAP−1依存性遺伝子発現の強力なアンタゴニストでもある。また、網膜色素上皮の増殖は、治療量のAP−1アンタゴニストを単独でまたはRARアゴニストとの組合せで用いても軽減される。薬剤は約50〜150μg の投薬量を用いる硝子体腔へのボーラス注射により、またはリポソームからの、もしくは硝子体腔に注入された油タンポナーデからの持続放出により投与され得る。網膜色素上皮の増殖を阻止する製剤も提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 レチノイン酸受容体アゴニストによる 網膜色素上皮の増殖の阻止方法 本出願は、1995年2月1日付けの米国特許出願第08/383,741号の一部継続出願 である。発明の背景 1.発明の分野 本発明は、レチノイド類の薬理学的使用に関するものである。さらに特定する と、本発明は、レチノイド類を用いて眼の疾患を治療することに関する。 2.関連技術の説明 網膜色素上皮(retinal pigment epithelium:RPE)は、網膜の傷の修復に 関与するときを除いて、通常は有糸分裂的に不活発な感覚網膜の下にある一層の 細胞層を形成している。網膜の傷の修復に際しては、それが中心的な役割を果た す。傷の修復が完了すると、RPEは増殖を停止するのが普通であるが、増殖停 止に失敗すると、増殖性硝子体網膜症(proliferative vitreoretinopathy :P VR)や円板状瘢痕形成のような失明障害の危険がある。例えば、感覚網膜が剥 離した後では、RPEの形態が変化してRPEが増殖し始める。脱分化したRP E細胞の多層コロニーが形成される。その後、細胞は網膜下空間に移動しはじめ て、そこで杆状体の外側部分を巻き込む。ある場合には、細胞が網膜の表面に移 動して網膜の上に膜を形成する。こうした現象は、増殖性硝子体網膜症の病因、 黄斑変性を伴って起こる重症の瘢痕形成、網膜が再付着した後の視力回復の低下 または遅れに関係している。 加齢に関係した黄斑変性(age-related macular degeneration:AMD)は、 米国では60才以上の患者の失明の主因となっている。AMD患者の重度な視力低 下は通常、脈絡膜新生血管形成(choroidal neovascularization:CNV)の発 生によるものである。レーザー治療はCNVを除去することができ、網膜の中心 部を巻き込まない特定のケースでは視力保持に役立っている。しかしながら、こ の治療の効果はしばしば一過性であって、CNVの再発頻度は高い(3年で50 %、5年で約60%)(Macular Photocoagulation Study Group,Arch.Ophthal mol.204: 694-701,1986)。さらに、CNVを生ずる患者の多くはレーザー治療 にとって好ましい候補者ではない。なぜならば、CNVがレーザー治療には大き すぎるか、または、その位置確認ができないため医師がレーザーを正確に当てら れないからである。 こうした重大な結果にもかかわらず、RPE脱分化および密度依存的増殖制御 の低下に関与する刺激についてはほとんど知られていない。しかし、培養下のヒ トRPEが、ウシ胎児血清(FBS)を補給した培地に維持したとき、レチノイ ド欠乏になることは知られている(S.R.Dasら,Biochem.J.,250:459,1988) 。レチノイド類は細胞の分化に関係しており(S.Strickland ら,Cell,15:393 -403,1978; T.R.Brietman ら,PNAS,77:2936-2940,1980)、通常in vivo で RPE中に高レベルで存在している。レチノイドは視覚伝達において重要な役割 を担っており、それゆえ、正常な視覚機能にはレチノイドの再循環が必要とされ ている。この再循環は光受容体とRPEとの緊密な関係を介して起こる。網膜剥 離によってこの緊密な関係が崩れるとレチノイドの再循環が妨げられ、このこと が外側部分の変性およびRPEの脱分化の一つの理由であり得る(P.A.Campochia roら,Invest.Opthalmol.Vis.Sci.32:65-72,1991)。 培養RPE細胞を全トランス- レチノイン酸(RA)とともにインキュベート すると、細胞の増殖が抑制され、in situ でRPEに似た形態的外観を呈するよ うになる(P.A.Campochiaroら,前掲; J.W.Doyleら,Curr.Eye Res.,11:753 -765,1992)。全トランスRAと他のビタミンA誘導体(総称してレチノイドと 呼ばれる)は多くの細胞型の増殖および分化に影響を及ぼす(S.Strickland ら, 前掲; T.R.Breitman ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,7:2936-2940,1980)。 したがって、レチノイン酸やその関連分子は、RPEやPVRに関与している他 の細胞の休止を維持したり再確立するように働くシグナルの一つであるかもしれ ない。 レチノイドの生物学的作用は核受容体により媒介される。核受容体はリガンド により誘導されるトランス作用因子で、トランス作用因子はDNA応答エレメン トと結合して該応答エレメントを含む遺伝子の転写を調節する。これらの受容体 は2つのファミリーに大別され、すなわちレチノイン酸受容体(RAR)とレチ ノイドX受容体(RXR)である。各ファミリーには、α、βおよびγと称する 3種類のサブタイプを構成する3つの別個の遺伝子産物が存在する(H.G.Stunne nberg,Bio Essays,15:309-315,1993)。これらのサブタイプのmRNAの別 のスプライシングは、異なるイソフォームとさらに大きな多様性をもたらす。R ARおよびRXRサブタイプの発現レベルは組織ごとに相違しており、サブタイ プの活性度の違いがレチノイド効果の組織特異性を生じさせる(P.Dolleら,Na ture,342:702-705,1989; J.L.Reesら,Biochem.J.,259:917-919,1989)。 レチノイド受容体は、転写的に活性なRAR−RXRヘテロダイマー(S.Nagpal ら,EMBO J.,12:2349-2360,1993)またはRXRホモダイマー(X.Zhangら,Na ture,358:587-591,1992)としてRA応答遺伝子のプロモーター領域に結合する ことにより遺伝子発現を増強(アップレギュレーション)させる。一方、それら はAP−1のような転写因子の作用に拮抗することによって他の遺伝子の発現を 低下(ダウンレギュレーション)させる(M.Pfahl,Endocrine Review,14:651- 658,1993; Nagpalら,J.Biol.Chem.,270:923-927,1995)。AP−1成分で あるc−Junおよびc−Fosは、細胞膜に到達する分裂誘起シグナル(例: 成長因子、腫瘍プロモーター)に応答して産生される即時型遺伝子の産物である 。c−Jun/c−Fos複合体は続いて、細胞分裂と細胞増殖に関与するAP −1応答遺伝子の発現を活性化する(T.Curran & B.R.Franzo,Jr.,Cell,55 :395-397,1988; I.R.Hart ら,Biochem.Biophys.Acta.,989:65-84,1989; P.K.Vogt & T.J.Bos,Trends Biochem.Sci.,14:172-175,1989)。他方、レ チノイドは細胞増殖を抑制して分化を引き起こす(L.J.Guoasら,The Retinoids : Biology,Chemistry and Medicine,M.B.Spornら編,Raven Press Ltd.,New York,pp.443-520,1994)。それゆえ、上記の観察を考慮すると、AP−1依 存性遺伝子発現のレチノイド媒介拮抗作用はそれらの抗増殖作用の基礎を提供す る。別のレベルのレギュレーションはリガンド−受容体の親和性の差異によりも たらされる。全トランスRAはRARの内因性リガンドで あり、一方RXRのリガンドは9−シス−RAであると考えられている(R.A.He yman ら,Cell,68:387-406,1992; A.A.Levinら,Nature,355:359-361,1992 )。しかし、9−シス−RAは同様にRARにも結合して、それを活性化するこ とができる。9−シス−RAは全トランスRAの立体異性体で、生体内では代謝 中に全トランスRAから生成される(R.A.Heyman ら,前掲)。 増殖性硝子体網膜症(PVR)は裂孔原性網膜剥離の手術後に最もふつうに見 られる失敗の原因である。膜の細心な外科的切除およびシリコーン油(SiO) のようなタンポナーデの使用にもかかわらず、大多数の場合、膜の完全切除とそ れに続く膜成長に伴う困難さゆえに失敗が生じる。今日まで、PVRの手術の目 的は、網膜上の膜および必要な場合は縮まった網膜部分を切除することにより牽 引(traction)を和らげること、網膜復位術を用いてすべての網膜裂孔の周囲を 取り囲むこと、そして硝子体の内腔に気体またはシリコーン油を注入することで 、すべての網膜裂孔を塞ぐのに十分長い期間にわたり網膜タンポナーデを与える ことである。これらの技術を用いると、1回の手術でPVRを患っている眼の3 5〜45%において、複数回の手術では最高71%において網膜の再付着が達成 されている。しかしながら、それぞれの手術が原因で、視覚的予後が悪化する(S ilicone Study Group,Silicone Study Report No.2,Arch Ophthalmol.,110: 780-792,1992)。主な失敗原因は牽引と再発性剥離をもたらす網膜上の膜の再成 長を伴う再増殖である。かくして、再増殖の防止がPVRの治療において主要な 目標となる。 さまざまな抗増殖薬(例えば、ダウノマイシン)を単独でまたは硝子体網膜術 と組み合わせて用いた実験が数多く報告されている。レチノイドは脂質可溶性で あるが、大部分の抗増殖薬は脂質可溶性でない。SiOに溶かした全トランスR AをPVRのウサギモデルで試験したところ、細胞増殖の持続的かつ顕著な低下 がもたらされた。3kgのウサギに2〜20μg /mlSiOの用量で投与しても網 膜毒性の組織学的証拠はまったく得られず、網膜剥離の割合が未処置対照での1 00%から処置ウサギ眼(8週目)での44.5%へと減少した(J.J.Araizら ,Invest.Ophthalmol.Vis.Sci.,34:522-30,1993)。このレチノイド送達法 はシリコーン油をしばしば使用している進行PVRの患者に適しているが、初期 も しくはあまり重症でないPVRの患者または網膜再付着後にPVRを発症するリ スクが高い患者には適用できない。 さらに、PVRの治療において、生分解性ポリマーの微小球からのレチノイン 酸(RA)の持続的デリバリーを試験するためにもウサギモデルが使われた(G.G .Giordano ら,Invest.Ophthalmol.Vis.Sci.,34:2743-2751,1993)。生分 解性微小球(その中には合計約100μg の全トランスRAが取り込まれている )の懸濁液で硝子体腔を満たすと、気体圧縮硝子体切除術および繊維芽細胞注入 で処置した眼では牽引性網膜剥離(tractional retinal detachment :TRD) が著しく減少した。毒性は異物反応を表すと思われる局所の炎症に限られていた 。 レチノイン酸、その幾何異性体である13−シス−レチノイン酸、それらの合成 誘導体はいくつかの組織において多くの生物学的作用を有する。レチノイド類は 現在、急性骨髄性白血病の最前線の治療として(R.P.Warrell,Jr.ら,N.Engl .J.Med.,324:1385-1393,1991)、いくつかのタイプの転移性がんのアジュバ ント療法として(K.Dhingraら,Invest.New Drugs,11:39-43,1993; S.M.Lip manら,J.Natl.Can.Inst.,85:499-500,1993)、乾癬や他の皮膚病の治療の ために使用されている。レチノイドのこうした種々の作用は多数の臨床用途を提 供するが、それらはまた、いずれか一つの特定疾患の治療を妨げる有害作用や毒 性の土台でもある。例えば、13−シス−レチノイン酸は出産年齢の妊婦に投与す るとき催奇形作用と関連がある。かくして、PVRの治療に使用するために、こ うした毒性を示さない追加の合成レチノイド類似体の必要性が存在している。ま た、レチノイドがRPE細胞においてその抗増殖作用を発揮するメカニズムを理 解することは、PVRとその関連疾患のための新しい付加的治療薬の開発を可能 にするだろう。発明の概要 手術もしくは外傷後の、または脈絡膜新生血管形成と関連した眼の疾患(例え ば、加齢に関係した黄斑変性およびヒストプラスマ症候群)における網膜色素上 皮の増殖は、網膜色素上皮細胞を治療量のレチノイン酸受容体(RAR)アゴニ ストと接触させることにより治療される。該アゴニストとしては、レチノイン酸 受容体に対して特異的活性を有しかつAP1依存性遺伝子発現を強力に阻止でき るものが好ましい。この増殖はまた、治療量の、AP1依存的活性を阻害する他 の薬剤でも治療され、こうした薬剤は単独でまたはRARアゴニストとの組合せ で用いられる。上記の接触は、硝子体腔へのボーラス注射により、またはリポソ ーム内に保持させたり、硝子体腔もしくは眼周辺腔に注入される液体タンポナー デ中に溶解したりするような、徐放性フォーマットでRARアゴニストを提供す ることにより行うことができる。網膜色素上皮の増殖を阻止する製剤も提供され る。図面の簡単な説明 図1は、7日間のインキュベーション後のヒトRPE細胞における血清刺激D NA合成を抑制するためのレチノイドアゴニストのモル濃度依存的効力を示すグ ラフである。745 は化合物 745、183 は化合物 183、RAはレチノイン酸、9-ci s-RAは9−シス−レチノイン酸、659 は化合物 659、701 は化合物 701を表す 。 図2は、RPE細胞の形態に及ぼすレチノイドアゴニストの効果を示す、位相 差顕微鏡を使った倍率×150 での一連の顕微鏡写真である。倍率×150。 図2A−Dは、4つの異なる培地で増殖させた、60才のドナーから得られた細 胞(4×104個)を示す。図2A=血清のみ;2B=1μM の全トランス- レチ ノイン酸を補充した5%血清;2C=1μM の化合物 701を補充した5%血清; 2D=1μM の化合物 183を補充した5%血清。 図2E−Hは、4つの異なる培地で増殖させた、76才のドナーから得られた細 胞(4×104個)を示す。図2A=血清のみ;2B=1μM の全トランス- レチ ノイン酸を補充した5%血清;2C=1μM の化合物 701を補充した5%血清; 2D=1μM の化合物 183を補充した5%血清。 図3は、RPE増殖における数種の核受容体アゴニストの単独またはレチノイ ン酸との組合せでの効果を示すグラフである。RA=レチノイン酸;Dexおよ びDexa=デキサメタゾン;T3=甲状腺ホルモン;D3=1,25- ジヒドロキ シビタミンD3発明の詳細な説明 本明細書においては、網膜色素上皮(RPE)細胞を、治療量の、レチノイン 酸受容体(RAR)アゴニストとしての活性を有する化合物1種以上と接触させ ることにより、増殖性硝子体網膜症(PVR)および網膜傷修復の他の疾患を治 療する方法が提供される。RARアゴニストは、RAR活性化経路により媒介さ れる培養RPEの密度制止および分化した形態を促進することによって、in vit roでRPE細胞の増殖を阻止し、また、通常は動物(例えば、ヒト)の眼の手術 後および光受容体からのRPEの剥離を引き起こす他の網膜損傷の後に生じるよ うな、牽引性網膜剥離を抑制するのに臨床上有効であることが見いだされた。こ れらの結果は、牽引性網膜剥離の抑制がRAR活性化経路により媒介されるが、 RXR媒介経路によっては媒介されないことを示している。したがって、RAR アゴニストは一般的に、網膜瘢痕形成または網膜剥離に導くほどのRPE細胞の 過度の増殖が見られる症状の治療に有用である。 一方、RXRアゴニストはこのような有用な臨床効果を全く持ち合わせていな い。さらに、RARアゴニストがRPE増殖を抑制する一次メカニズムはAP1 活性の拮抗作用によるものである。かくして、特異的な抗AP1活性をもつRA Rアゴニスト、AP1活性をブロックする他の薬剤、またはこれらの他の薬剤と 抗AP1活性をもつRARアゴニストとの組合せは、PVRの治療に用いること ができる。 本明細書中の実施例には、上記した本発明のレチノイド化合物が網膜上皮細胞 の分化した表現型をもたらすことが示される。網膜色素上皮細胞の分化した機能 の一つは、脈絡膜からブルーフ膜を経てRPEの下方の空間または網膜下腔へと 成長する新生血管の形成を阻止することである。このプロセスは脈絡膜新生血管 形成(choroidal neovascularization)と呼ばれている。これはいくつかの疾病 の過程で起こり、そのうち最も一般的なものが加齢に関係した黄斑変性である。 その結果、本発明のレチノイド化合物による治療は、分化した状態のRPEを維 持するように働き、それゆえ、患者における脈絡膜新生血管形成を阻止するのに 役立つ。 加齢に関係した黄斑変性を有する患者は最も大きなグループを構成し、このグ ループでは脈絡膜新生血管形成が主要な問題となっている。さらに、眼のヒスト プラスマ症候群患者のような、脈絡膜新生血管形成をわずらう比較的若い患者も 、本発明のレチノイド化合物を用いる治療により利益を得ることができる。 本発明の方法では、治療上有効な量の、AP1のアンタゴニストとして強力な活 性を有するRARアゴニストまたは他の抗AP1薬またはこれらの薬剤の組合せ が、増殖性硝子体網膜症(PVR)または脈絡膜新生血管形成を有する患者、あ るいは病気、手術、外傷、加齢のためにこうした症状を発生する危険のある患者 の硝子体腔または眼周辺腔に導入される。外科的手術の場合には、RARアゴニ ストまたは他の抗AP1薬またはこれらの組合せをPVRの手術後に投与して、 RPE細胞の増殖および網膜の再剥離を防ぐことが特に好ましい。 本明細書中で用いるRARアゴニストの「治療上有効な量」とは、RPE細胞 の増殖を抑制し、ひいてはRPEの分化を回復させるためにヒトまたは動物にお いて必要とされる時間にわたり、硝子体腔または眼周辺腔に直接導入した場合は 硝子体腔における治療レベルを、末梢に投与した場合は血流中の治療レベルを達 成し維持するように計算された量のことである。治療量は、治療すべき眼のRP E細胞の少なくとも50%、より好ましくは80%の増殖を阻止するのに十分な 量とすることが好適である。治療量はそれぞれのRARアゴニストの効力、所望 の治療効果または他の効果に必要とされる量、物質が硝子体腔または血流に入っ たとき生体がその物質を排除または分解する速度、および製剤中のRARアゴニ ストの量により変化するだろう。細心の慣用処方プラクティスに従って、通常、 個々の薬剤の有効範囲の下限に近い投与量を最初に用い、観察された応答に応じ て医師のルーチンの手法により投与量を増やしたり減らしたりする。 眼の硝子体腔に直接投与する場合、手術または外傷後約24時間以内に投与さ れる約50〜150μg の範囲の量が一般にはPVRの発生を阻止する。別の実 施態様では、数時間後、通常は約8〜36時間後、好ましくは約24時間後に、 2回目のRARアゴニストを硝子体内または結膜下に注入する。また、レチノイ ドを投与するにあたって、レチノイドの硝子体内注入と結膜下注入の組合せを同 時に採用したり、上記の時間間隔で採用することもできる。硝子体内注入におい ては、局所麻酔または眼球後麻酔をかけて前方の硝子体腔に注入することが好ま しい。別の実施態様では、ドラッグデリバリービヒクルを使ってRARアゴニス トを硝子体内に導入する。例えば、RARアゴニストを生物学的に不活性な流動 体中に溶解することができる。この流動体は網膜を適所に保持する役目をする機 械的タンポナーデとしても有用で、レチノイドを溶かすシリコーン油のような油 が好適である。しかし、部分的混和性を有するRARアゴニストの場合は、油以 外の液体を使用することができる。 しかしながら、ボーラス注射としてのレチノイドの硝子体内注入は局部の網膜 損傷を生じさせることがある。加えて、本発明のレチノイドの治療効果は効果の 出始めるのが遅く、可逆的であることが判明した。それゆえ、持続放出法を用い てレチノイドを投与することが有利であり、例えば、ある用量のレチノイドをリ ポソームのような微小ビヒクル内に保持させたものを硝子体内に注入する。微小 ビヒクルからはその用量が数日間、好ましくは約3〜20日間にわたって放出さ れる。また、薬剤を徐放性ポリマーに取り込ませるなどして、徐放用に製剤化す ることもでき、ある用量の薬剤が徐放性ポリマーから数日間、例えば2〜30日 間にわたって徐々に放出される。 当技術分野で公知であるように、リポソームは一般にリン脂質や他の脂質物質 から誘導される。リポソームは水性媒体中に分散される単ラメラまたは多ラメラ 水和液晶により形成される。無毒性で、生理学的に許容され、代謝可能で、リポ ソームを形成し得る脂質が用いられる。リポソームの形の本組成物は薬剤のほか に安定剤、防腐剤、賦形剤などを含んでいてもよい。好適な脂質は、天然または 合成の、リン脂質およびホスファチジルコリン(レシチン)である。 リポソームの形成方法は当技術分野で公知である。例えば、Prescott編,Meth ods in Cell Biology,Vol.XIV,Academic Press,New York,N.Y.(1976),p. 33およびその次を参照のこと。 投与方法にかかわらず、RARアゴニストは天然に存在するレチノイドであっ ても、合成のレチノイドであってもよく、RARのアゴニストとしての選択的活 性およびAP−1依存性遺伝子発現の高い拮抗作用効力を有することが好ましい 。RARアゴニストとしての活性をもつ天然レチノイドの例は、立体異性体の全 トランス−レチノイン酸(全トランスRA)と9−シス−レチノイン酸(9−シ ス RA)であり、自然界では全トランスRAが代謝中に9−シスRAに変換される (J.G.Allenら,Pharmac.Ther.,40:1-27,1989)。しかしながら、9−シスR AはRARとRXRの両方のアゴニストとしての活性を有し、全トランスRAも やはり、その代謝つまり9−シスRAへの化学的異性化のために、RARとRX Rのどちらをも効果的に活性化することができる。一方、本発明の実施に際して 用いられる好適なレチノイド化合物は、RARアゴニストとしての特異的活性を もつものである。 合成的に製造されたレチノイドは当技術分野で公知である。例えば、米国特許 第5,234,926 号(その全体を参考としてここに組み入れる)は、RARアゴニス トとしての選択的活性を有する、ヘテロ芳香族基とヘテロ二環式基をもつ二置換 アセチレンの合成方法を開示している。米国特許第4,326,055 号(その全体を参 考としてここに組み入れる)は、レチノイド様活性を有する5,6,7,8-テトラヒド ロナフチルおよびインダニルスチルベン誘導体の合成方法を開示している。培養 下のRPE細胞の増殖は、RXRアゴニスト活性をもつレチノイド化合物ではな く、RARアゴニスト活性をもつレチノイド化合物によりin vitroで抑制される ことが知られているので、抗増殖性レチノイド化合物は、例えば、M.Pfahlら, Methods in Enzymology,1:256-270,1990に開示され、また本発明の実施例1に 例示されるような公知のin vitroトランス活性化アッセイ法を用いることにより 、レチノイド化合物がRARアゴニスト活性をもつか否か調べることで、簡単に 選択することができる。RAR選択的アゴニストは細胞の過増殖を抑制し、全ト ランスRAにより生じた細胞形態と見分けのつかない細胞形態を生じさせるだろ う。 本発明で用いるのに適した合成RARアゴニストの例は、エチル-6-[2-(4,4- ジメチルチオクロマン-6- イル)エチニル]ニコチネート(化合物 168)および6- [2-(4,4-ジメチルクロマン-6- イル)エチニル]ニコチン酸(化合物 299)(その 合成は米国特許第5,234,926 号の実施例6および24にそれぞれ記載されている) 並びにp-[(E)-2-(5,6,7,8-テトラヒドロ-5,5,8,8- テトラメチル-2- ナフチル) プロペニル]-安息香酸(化合物 183)(その合成は米国特許第4,326,055 号に記 載されている)である。これに対して、RXR選択的アゴニストの例は2-[(E)-2 -(5,6,7,8-テトラヒドロ-3,5,5,8,8- ペンタメチルナフタレン-2- イル) プロペン-1- イル]チオフェン-4- カルボン酸(化合物 701)(その合成は米国 特許第5,324,840 号の実施例11に記載されている)である。 好ましくは、RARアゴニストは代謝的に安定で、RAR経路に完全に特異的 なままであるように選択される。かくして、代謝中に9−シスRAに異性化され てRARとRXRの両経路を活性化させる全トランスRAは本発明で用いるのに 適していない。 レチノイドとAP−1シグナル伝達経路間の混信(cross-talk)は高増殖疾患 において治療的利益を得るために操作され得る。これは、AP−1依存性遺伝子 発現の強力なアンタゴニストであるレチノイドが、RPE細胞増殖の強力なイン ヒビターでもあるということから本発明において実証された。強力な抗増殖性R ARアゴニストは、本発明の実施例2に例示されるような一時的トランスフェク ションCATアッセイで、AP−1依存性遺伝子発現を抑制するその能力を調べ ることによりスクリーニングすることができる。 以下の実施例は、本発明を実施するための方法を示すものである。しかし、実 施例は例示を目的としたものであって、本発明をそこに記載した特定の物質およ び条件に限定するものとして解釈されるべきでないことが理解されよう。 実施例1 受容体遺伝子構築物およびレポーター遺伝子を用いてHeLa細胞を一時的に 同時トランスフェクトすることによってHeLa細胞において転写を誘導するレ チノイド類の能力を測定することにより、レチノイド類のトランス活性化(trans activation)特性を調べた。レチノイド受容体は相同的機能ドメインによって特 徴付けられる核受容体のステロイド受容体ファミリーのメンバーなので、エスト ロゲン受容体のアミノ末端およびDNA結合ドメインならびにレチノイド受容体 (RAR−α、β、γまたはRXR−αのいずれか)のホルモン結合ドメインを 有するハイブリッド受容体を用いた。これらのER/RAR受容体は、エストロ ゲン受容体(エストロゲン応答エレメント)によって認識されるプロモーター配 列に結合することにより転写を活性化するが、それはレチノイドに対する応答で ある(D.Benbrookら,Nature,333:669-672,1988)。これまでの研究によ り、ハイブリッド受容体の活性化特性はそれらのリガンド結合ドメインによって 決定されることが示されている。レチノイド類によるハイブリッド構築物の活性 化を測定するため、内因性レチノイド受容体(これは哺乳動物細胞の全てとまで はいかないが殆どに存在する)によっては活性化することができないエストロゲ ン受容体応答性レポーター遺伝子を用いた。 RXRおよびRAR受容体部位の潜在的アゴニストとしての試験化合物の活性 を測定するカチオンリポソーム媒介トランスフェクションアッセイは、実質的に P.L.Feignerら,Focus,11:2,1989(参考としてここに組み込まれる)の報告に 従って、そして下記にまず原則的に次にアッセイの実施方法についての具体的な 指示の形で記述するように、実施される。 このアッセイに関連して、レチノイン酸受容体はステロイド/甲状腺受容体ス ーパーファミリーのメンバーであり、またレチノイン酸受容体は各受容体の間で 相互交換可能なドメインを有することが知られている。したがって、エストロゲ ンDNA結合ドメインおよびエストロゲン応答エレメントであるクロラムフェニ コールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)酵素を有するキメラレチノイド受 容体用プラスミドを構築し、そして培養した特定の細菌中で増殖させる。これら のプラスミドはそれぞれキメラRARα、RARβ、RARγまたはRXRα受 容体タンパク質、およびクロラムフェニコールアセチルAトランスフェラーゼ( CAT)酵素タンパク質をコードしている。これらのプラスミドを有する細菌は 、参考としてここに組み込んでいる「核レチノイン酸受容体:クローン化、分析 、および機能」と題する論文(M.Pfahlら,Methods in Enzymology,189:256-2 70,1990)に記載の方法にしたがって得ることができる。各細菌からDNAプラ スミドを単離するための詳しい手順は、「スーパーコイルプラスミドの単離」と いう題のもとに具体的な指示の形で後述する。 こうして試験手順にしたがって、キメラRARα、RARβ、RARγまたは RXRα受容体タンパク質の1つをコードするDNAプラスミドをHeLa細胞 の培養物にトランスフェクトする。「カチオンリポソーム媒介トランスフェクシ ョンアッセイ」として以下に詳述するアッセイの第1日にHeLa細胞を培地で 培養するのは、この目的のためである。このトランスフェクションアッセイの第 2日に実施されるトランスフェクション手順において、各キメラRARα、RA Rβ、RARγまたはRXRαをコードするプラスミドに加えて、CAT酵素を コードするDNAプラスミドもまた各細胞培養物に添加される。 公知であり、また特に上に引用した M.Pfahl らの論文に鑑みて当業者によっ て容易に理解されるように、このアッセイに用いられるキメラレチノイド受容体 は、特異的アゴニスト分子(例えばレチノイン酸および類似体)を認識して結合 するリガンド結合ドメインを包含する。これらのキメラタンパク質受容体(M.P fahl らの論文の教示にしたがって構築された)は、CAT酵素をコードするD NAプラスミドに結合した「エストロゲン応答エレメント」(DNA断片)に結 合することが可能なDNA結合ドメインをも有する。この相互作用の性質は、ア ゴニスト(例えばレチノイン酸または類似体)が各RARα、RARβ、RAR γまたはRXRα受容体のリガンド結合ドメインに結合した場合のみ、この受容 体はそのDNA結合ドメインを介してエストロゲン応答エレメント−クロラムフ ェニコールアセチルトランスフェラーゼ構築物(ERE−CAT)のエストロゲ ン応答エレメントに結合し、そしてCAT酵素のメッセンジャーRNAの転写を 開始させることができる、というものである。すなわち、このアッセイにおいて は、適切なアゴニストリガンドが各レチノイド受容体のリガンド結合部位に結合 した場合にのみ、多数の相互作用を経てCAT酵素がHeLa細胞によって産生 されるのである。 エストロゲン応答エレメント−クロラムフェニコールアセチルトランスフェラ ーゼ構築物(ERE−CAT)それ自体は、参考としてここに組み込まれるG.U. Rysselら,Cell,46:1053-1061,1986に記載の方法にしたがって得られる。この 方法自体は当分野で周知である。細菌からエストロゲン応答エレメント−クロラ ムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ構築物(ERE−CAT)を単離し 獲得するための具体的な詳しい手順は、「スーパーコイル(supercoiled)プラス ミドの単離」という題のもとに記述する。 上記のものに加え、リポフェクチン(LF)もまた各細胞培養物に添加する。 リポフェクチン添加の目的は、細胞膜を介したプラスミドの輸送を容易にするた めである。この方法に用いられるリポフェクチンは市販されている。 当業者には良く理解されるであろうが、RARα、RARβ、RARγまたは RXRαキメラ受容体をコードする25個の各DNAプラスミドを用いたトラン スフェクションの結果、およびERA−CAT(これは上記のCAT酵素をコー ドする)を用いてトランスフェクションした結果、上記のプラスミドはこのアッ セイにおいて培養されたHeLa細胞に組み込まれる。レチノイド受容体プラス ミドは転写を受けて(mRNAとなり)、そして次に対応するキメラ受容体タン パク質に翻訳される。したがって、このようにして得られたHeLa細胞培養物 は各RARα、RARβ、RARγまたはRXRαキメラ受容体タンパク質を産 生する。ERA−CATを用いたトランスフェクションの結果、このアッセイの 細胞培養物はCAT酵素を産生するための遺伝情報をも含有する。しかし、上に 注記したように、適切なアゴニスト化合物が細胞中の各RARα、RARβ、R ARγまたはRXRαキメラ受容体タンパク質に結合して活性化し、そしてこの 活性化されたアゴニスト−受容体複合体がERE−CAT構築物のエストロゲン 応答エレメントに結合しないかぎり、後者の遺伝情報は転写されず、CAT酵素 はこのアッセイの各細胞培養物によっては産生されない。 アッセイの第3日目に、適切な基準化合物および試験化合物(アゴニストまた は有望なアゴニスト)を好ましくは様々な濃度で各HeLa細胞培養物に添加す ることにより、アッセイ手順を継続する。この添加の結果、もし試験化合物がア ゴニストであれば、各RARα、RARβ、RARγまたはRXRαキメラ受容 体タンパク質に結合し、その結果CAT酵素をコードする遺伝情報が細胞中で転 写され、それによってCAT酵素が細胞によって産生される。 以下に詳述するアッセイ手順の第4日目に実施される細胞の溶解後に、溶解物 のアリコートにおけるCAT酵素の活性を測定する。これは、該溶解物をクロラ ムフェニコールおよびトリチウム標識化アセチル補酵素Aと共にインキュベート することにより実施する。最終測定として、CAT酵素が関与する酵素反応によ り形成されるトリチウム標識化アセチルクロラムフェニコールの量をシンチレー ションカウンターで測定する。 基準化合物は、RARα、RARβおよびRARγ受容体を用いるアッセイに おいてはレチノイン酸(すべてトランス)であり、RXRαキメラ受容体を用い るアッセイにおいては4-(E)-2-(5,6,7,8-テトラヒドロ 3,5,5,8,8-ペンタメチル ナフタレン-2-イル)-プロペン-1-イル安息香酸(本出願では化合物440とも称す る)である。このアッセイで得られたデータを評価し、以下に示す。各試験化合 物およびRAR受容体の各サブタイプについて、シンチレーションカウンターを 用いた測定で得た「1分あたりのカウント」(cpm)を試験化合物の濃度に対 して(y軸上に)プロットしたグラフ(またはグラフの数学的等価物)を作成す る。同様のグラフ(またはグラフの数学的等価物)をレチノイン酸について作成 する。試験化合物のEC50は、基準化合物であるレチノイン酸を用いた同一アッ セイで同一受容体において得られる最大cpm値(最大CAT酵素活性)の半分 (50%)をもたらす試験化合物の濃度として定義される。 RXRαに対するアッセイで得られたデータを評価して示すため、試験化合物 および基準化合物(化合物440)について同種のグラフ(またはその数学的等価 物)を作成する。この基準化合物はRXRα受容体部位の公知のアゴニストであ る。EC50とは、化合物440 を用いた場合に同一アッセイにおいて同一受容体に 関して得られる最大cpm値(CAT酵素活性)の半分(50%)をもたらす試 験化合物の濃度である。 スーパーコイルプラスミドの単離 大規模1L調製物 DNAの単離 1.細胞を氷上に15分間おく。細菌細胞(E.coli)を、JA14ローター、Beckman J2-21 M 遠心機を用いて250 mlのナルジーン(nalgene)チューブに入れ、7k rpm で、4 ℃で10分間遠心して集める。上清を捨てる。 2.各細胞ペレットに 1.0 ml の溶液Iを加え、ボルテックスで撹拌してペレッ トを再懸濁する。1.0 ml の細胞を1本のボトルから別のボトルに移す。これを5 0 ml容オークリッジ(Oakridge)チューブに移す。4.0 ml の溶液Iを用いて、再 度1本のボトルから別のボトルに移しながらボトルを洗浄する。これもまた上記 のオークリッジチューブに移す。ピペットを用いて溶液Iで希釈して全容量を16 ml とし、溶液を混合する。8 mlを第2のオークリッジチューブに移す。室温 で5分間保存する。 溶液I 50 mM グルコース、25 mM Tris-Cl pH 8、10 mM EDNA pH 8 3.各チューブに新たに調製した溶液IIを加える。チューブを数回逆さまにして 内容物を穏やかに混合する。氷上で10分間保存する。その後、液体は凝集物のな い、透明な状態でなければならない。(もし凝集塊があったら、細胞は前の段階 で十分懸濁されていない。) 溶液II 1%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、0.2 N NaOH(4 mlの 10% SDS、0.8 mlの1 0 N NaOH、35.2 ml の水) 4.12 ml(または適切な量の)の氷冷溶液III をチューブに加える。チューブ を素早く数回逆さまにし、内容物を混合する。白色の綿状の沈殿物が現れるはず である。氷上で10分間保存する。 溶液III 以下のように調製する: 60 ml の5 M 酢酸カリウムに11.5 ml の氷酢酸および 28.5 ml の水を加える。 5.Beckman J2-21M遠心機 JA20 ローターを用いて、4 ℃で、17 k rpmで30分間 遠心する。 6.約12 ml の上清をオークリッジチューブから6個の焼成コレックス(Corex) チューブにピペットで移す。0.6 容量のイソプロパノール(7.2 ml)を加え、チュ ーブを逆さまにして混合し、室温で15分間保存し、DNAを沈殿させる。 7.JA20ローターを14 k rpmで15分間20℃で回転させてBeckman 遠心機を暖める 。 8.J2-21M遠心機、JA20ローターを用いて、10.5 k rpmで30分間、20℃でDNA をペレット化する(コレックスチューブ用のアダプターを使用する)。 9.上清を捨て、減圧フラスコ上でパスツールピペットを用いてチューブの内側 を乾燥させる。 10.減圧デシケーターを用いて10分間乾燥させる。(乾燥時間がこれより長いと 、ペレットを溶解するのが難しくなる。) CsCl密度勾配を用いて遠心によりプラスミドDNAを平衡化するまで精製す る。 11.各コレックスチューブに1 mlのTE(10 mM Tris-Cl pH 8、1 mM EDNA pH 8) を加えてペレットを溶解する。チューブを37℃の水浴に入れてペレットの速いい 溶解を促す(15 〜30分)。 12.液体をバッチから1本のチューブに移す。TEを用いて容量を8.5 mlにする 。 13.DNaseを含まない100 μlのRNase(2 U/μl、Boehringer Mannheim Biochemic al(BMB)製)(Indianapolis,IN)を加える。 14.10 mg/mlの臭化エチジウムを400 μl 加える。 15.9.0 g のCsClを加え、パスツールピペットを用いて混合する。 16.2本の 13x51 mm Beckman ポリアロマー急速シール(quick seal)遠心管に溶 液を加える。 17.Beckman 超遠心機、VTi65.2 ローターを用いて、50 k rpmで12時間、20℃で 遠心する。 18.超遠心の後、2本のDNAバンドが見えるはずである。上のバンドは直鎖状 の細菌DNAおよびニックの入った(nicked)環状プラスミドDNAからなる。 下のバンドは閉環状プラスミドDNAからなる。21ゲージの針に合った3 mlのシ リンジを用いて、下のCsClによってバンド化したDNAのみを遠心管から除 去する(針をチューブの側面に挿入し、1.5〜2 mlを除去する)。 19.第2CsCl遠心分離のための準備 (9 ml - 第1CsClバンドの容量)- CsClのグラム数 (9 ml - 第1バンドの容量 - 100μl 10 mg/ml 臭化エチジウム - 50μl RNase)- ml TE pH 8.0 第1バンド、TE、CsCl、RNase および臭化エチジウムを混合する。 20.溶液を2本の急速シール遠心管に加える。 21.超遠心機、VTi65.2 ローターを用いて、50 k rpmで12時間、または60 k rpm で4時間、20℃で遠心する。 22.CsClバンド化DNA(下のバンドのみ)を2回、5 ml容Falconスナップ チューブに取り除く(上記工程18に記載のように)。 臭化エチジウムの抽出 23.ヒュームフードの下で同容量のイソアミルアルコールを加え、ボルテックス で攪拌し、Beckman TJ-6遠心機を用いて室温で1500 rpmで3 分間遠心する。 24.底の水層を新しい遠心管に移す。3 〜4 回、または水層が透明になる(ピン ク色がなくなる)まで、遠心を繰り返す。 25.透明な水層をSpectra/Por 3 透析チューブ mwco 3500に移す。(透析チュー ブをクランプする前に、チューブの底の結び目をゆわえる。)パスツールピペッ トを用いて液体を加える。頂部または透析チューブをクランプする。輪ゴムを用 いて2.8 L のTE(28 ml 1 M Tris-Cl,pH 8,5.6 ml 0.500 M EDNA,pH 8)中 にチューブを浮遊させる。手袋をつけて、常に透析チューブを注意深く取り扱う 。 26.2.8 L のTE(pH 8)を数回交換して、これを外液として水相を透析する( 1 x 2〜4 時間、一晩および翌日1 x 2〜4 時間)。 27.組織培養フード内で、透析したDNAを無菌の微小遠心管に移す。遠心管に ラベルを貼り、-20℃で保存する。 カチオンリポソーム媒介トランスフェクション 参照文献: P.L.Felgnerら,Focus,11:2,1989 全体を通して無菌技法を用いる。 T-125 培養フラスコ中でHeLaまたはCV−1細胞を増殖させる。週に2回、 通常は月曜日および金曜日に細胞を継代する(0.5 mlの細胞を15 mlの培地へ) 。 第1日:細胞をまく 1.細胞をトリプシン化し、T-162 cm2培養フラスコから集める。血球計を用い て細胞を数える。通常、この細胞量は16枚の12ウエルプレートに十分である。 2.細胞数に基づいて、ウエルあたり細胞60,000個という濃度になるように培地 (D-MEM 低グルコース、10% ウシ胎児血清(FBS)、2 mM 20 Glu)で細胞を希釈する 。細胞計算の例 : 細胞40,000個/ウエルの濃度及び200 個 のウエルが必要であり、 mlあたり(X)個の細胞を有するとすると、細胞40,000個/ウエル x 200 ウエル − 全ml数の細胞 (X) 個/ml が必要である。 200 mlのフィルターユニットレシーバーを用いて、培地に全ml数の細胞を加え、 最終容量を200 mlとする。ピペッティングにより十分混合する。 3.無菌の12.5 ml の滴下器(dropper)を用いて、ウエルあたり1.0 mlの細胞を 加える。プレートを前後に揺する(グルグル回さない)。37℃で湿潤化5%CO2 環境下で一晩インキュベートする。トランスフェクションの前に細胞は約40% 集 密である。 トランスフェクション:第2日:DNA/リポフェクチン複合体の調製 1.50 ml のポリスチレンチューブを用いてリポフェクチン(LF)及びDNA を別々に調製する。ウエルあたり2 μg のLF、ウエルあたり500 ngのERE− CAT DNA、ウエルあたり100 ngのER/RAR DNAに必要なLFおよ びDNAの量を決定する。実験に必要な全容量を決定する。(DNA濃度は各プ ラスミド調製物によって変わる)。Opti-Mem培地(Gibco-BRL; Gaithersburg,MD )を用いて25μl x ウエル数の容量でLFおよびDNAを別々に希釈する:Opt i-Mem Iの容量=(25μl x ウエル数)− DNAまたはLFの全量 2.希釈したLFを希釈したDNAに加え、チューブを穏やかにぐるぐる回す。 室温で10分間静置する。 3.ウエルから培地を吸い出し、0.5 mlのOpti-Mem Iを用いて2回洗浄する(無 菌の12.5 ml のコンビチップ(combitip)、セッティング2)。 4.DNA/LF複合体をOpti-Memに加える(450 μl x ウエル数)。チュー ブを逆さまにして混合する。無菌の12.5 ml の滴下器を用いて、各ウエルに500 μl を加える。プレートを前後に揺らして混合する。ぐるぐる回さない。 5.細胞を湿潤化5%CO2インキュベーター中で37℃で6時間インキュベートす る。 6.6時間後に0.5 mlの培地を各ウエルに加える(ダルベッコ改変イーグル培地( D-MEM)低グルコース、チャーコール処理20% FBS、2 mM Glu)。12.5 ml の滴下器 を用いてインキュベーターに戻す。 10 第3日:薬剤添加 1.トランスフェクションを開始して18時間後に、無菌の0.5 mlの滴下器を用い て、レチノイド類をそれぞれ3個1組のサンプルに添加し(10 μl)、湿潤化5% CO2環境下で37℃で20〜24時間インキュベートする。 薬剤希釈物重量(g) x 1 x 100 ml = ml アセトン mol.重量 (g/mol) .005 mol/L L :レチノイド類を 5 mM の濃度となるようにアセトンに溶解し、さらにEtOHを 用いて1 mMに希釈する。レチノイド類が溶解しない場合は、試験管を5 秒間湯に 入れ、次に激しく攪拌する。各実験には異なる希釈スキームがあってもよい。大 きさの桁(order of magnitude)あたり2つの濃度にするには、以下のように3.16 倍希釈物を用いる。すなわち、ラベルを貼った無菌の12x75 mmの試験管に、1080 μl の100% EtOH を加える。上記の1 mM溶液を用いて、500 μl を次の試験管に 移す(316μM)。ボルテックスで攪拌し、そして次の試験管に移すことを繰り返す 。ある種のレチノイド類、特にRAおよび13-シスRAは光に感受性なので、赤 色光又は非常にかすかな光のもとで用いなければならない。 第4日:混合相CATアッセイ 1.0.50 ml の1X PBS(Ca/Mg を含まない)を用いて、12 mm のウエル中で細胞 を1回洗浄する。 2.5 mlのピペットを用いて、下記のように調製した100 μlの氷冷1% Triton、 1 mM Tris-Cl pH 7.8、2 mM EDTA pH 8、DNase I を添加する。 溶解緩衝液(低浸透圧緩衝液) 2.0 mg DNase I(Sigma,St.Louis,MO) 4.925 ml 水 50.0μl 100% Triton X-100(BMB) 5.0μl 1 M Tris-Cl pH 7.8 20.0μl 0.5 M EDTA pH 8 5.0 ml 3.60分間氷上に置く。時折攪拌する。 4.チャンネル#1、#3、#6にチップを付けたタイタートレック(titertrek)マル チチャンネルピペットを用いて、3個のウエル由来の50μl の溶解物を一度に96 U底ウエル(Costar,Cambrige,MA)に移す。(未使用溶解物の)プレートを-2 0 ℃で保存する。 5.1.25 ml のコンビピペット(セッティング1)を用いて、ウエルあたり50μ l のプレ混合物(premix)を加え、プレートを穏やかに揺すり、37℃で2 時間イン キュベートする。 ブランク 反応あたりの あたりの容量 容量 X (アッセイ数) = 合計容量 47.0 27.0μl 緩衝液I(250 mM Tris-Cl pH 7.8、5 mM EDTA) 1.5 1.5μl 1 mM HCl *** 20.0μl 5 mM クロラムフェニコール(緩衝液I中で新たに 調製) 0.75 水に溶解した0.75μl 4 mM アセチル CoA(新たに調製) 0.80 0.80μl 3H-アセチル CoA(New England Nuclear,Boston, MA #NET-290L、200 mCi/mmol) 6.タイタートレックマルチチャンネルピペットを用いて、100 μl の7 M 尿素 (Mallincrokt,Chesterfield,MD)を各反応ウエルに添加し、反応を停止させる 。一度に6個のウエルを処理する。 7.タイタートレックマルチチャンネルピペットを用いて、200 μl の反応混合 物を5 mlのプラスチックシンチレーションバイアル(Research Products Interna tional #125514、Mount Prospect,IL)に移す。一度に3つの反応混合物を処理 する。 8.1 mlの0.8% 2,5−ジフェニルオキサゾール(PPO)/トルエン(3.2 g PPO(Malli nckrodt-RPI)/4L トルエン(Mallinckrodt ScintillARTM)を加える。ボ ルテックスで5 秒間激しく攪拌し、15分間相を分離させる。Beckman LS 3801で 2分間cpmを測定する。 受容体サブタイプRAR−α、RAR−β、RAR−γおよびRXR−αに対 するレチノイド活性を測定した。 下記の表1は、この研究に用いた各レチノイドについての、RAR−α、β、 γおよびRXR−αを活性化するためのEC50を示す。4つの作用物質が、RX R受容体と比較してRAR受容体の活性化の方に良好な選択性を示した。2つの 作用物質、すなわち9-シス-RAおよび合成アゴニストである化合物659 はRA R受容体およびRXR受容体の両方を活性化する。 実施例2 ここに参考としてその全体を組み入れるP.A.Campochiaroら,Invest.Ophtha lmol.Vis.Sci.,27:1615-1621,1986 に記載の技法を用いて、Old Dominion E ye Bank(Richmond,VA)または Eye Bank of Maryland(Baltimore,MD)から得 た眼から、ヒト網膜色素上皮(RPE)細胞の一次培養物を樹立した。 この研究に用いたRPE細胞系は年齢がそれぞれ60歳および76歳の2人のドナ ーに由来する。それぞれの細胞系を公知の技法を用いてサイトケラチン(cytoker atin)で均一に染色した(K.H.Leschey ら,Invest.Ophthalmol.Vis. Sci.31:839-846,1990)。全トランスRAはSigma(St.Louis,MO)より入手し 、9-シスレチノイン酸および合成レチノイドアゴニストはAllergan,Inc.(Irvin e,CA)より入手した。 [3H]チミジンの取り込みのために、継代3または4のRPE細胞を軽くトリプ シン化し、そして24ウエルプレートの16mmのウエルにまいた。トランスフェクト した細胞を一晩付着させ、次に5%ウシ胎児血清(FBS)を含有する培地にレチノイ ド類またはビヒクルのみを補充した。ジメチルスルホキシド(DMSO)を用いてレチ ノイド類の原液(10-3 M)を調製し、使用時まで凍結アリコートとして保存した。 DMSOの最高最終濃度は0.1%であり、これは対照培養物に対しても用いた。新たに 調製されたレチノイド類を含有する培地を3日ごとに交換した。第7または10日 目に、2 μCi/ml の[3H]チミジン(比活性: 6.7 Ci/mM; New England Nuclear, Boston,MA)を培養物に添加し、上述の方法で(Leschey、前出)取り込みを測定 した。 ヒトRPE細胞における血清刺激DNA合成の抑制に対するレチノイドアゴニ ストの効力を試験した。RPE細胞(4x104細胞)を24ウエルプレートの16 mmの ウエルにまいて、10% ウシ胎児血清(Life Technologies,Inc.)を含有するDMEM 中で6日間増殖させた。この培地は種々の濃度の下記化合物の1つで補充されて いた。すなわち、化合物#745、183、659または701、全トランスレチノイン酸( RA)または9-シスレチノイン酸(9-シス-RA)である。細胞を同一濃度のレ チノイドを含有する無血清培地に移し、次に10% 血清を用いて18時間パルスした 。その後、[3H]チミジンの取り込みを測定した。対照培地で増殖させた細胞のチ ミジン取り込みを用いて、4つの濃度の各レチノイド(各濃度とも3個1組のサ ンプルを使って試験した)によって誘導されたチミジン取り込みの抑制パーセン トを算出した。これらの濃度は次に各細胞系を生成するのに用いた。 図1にまとめた結果から分かるように、RPE細胞を全トランスRAまたは9- シス-RA中で7日間インキュベートすると、[3H]チミジン取り込みの用量依存 性の抑制がもたらされる。 表2にまとめた結果から分かるように、10日間のインキュベーションはより大 きな抑制をもたらし、全トランスRAおよび9-シス-RAの効力は非常に類似し ている。RAR受容体を選択的に活性化する4つの合成レチノイドのそれぞれを 用いてRPE細胞を7または10日間インキュベートすると、[3H]チミジン取り込 みの強い抑制がもたらされる。 RXR受容体選択性アゴニスト(化合物701)はRAR選択性アゴニストより も遙に効果の少ないRPE[3H]チミジン取り込みのインヒビターであった。そし て、RXRおよびRAR受容体の両方を活性化するアゴニスト(9-シスRAおよ び化合物659)はRAR受容体のみを活性化するアゴニストに較べてより良好な インヒビターではなかった。 実施例3 レポーター遺伝子および受容体発現ベクターを用いてHeLa細胞を一時的に 同時トランスフェクトすることによってHeLa細胞におけるAP−1依存性遺 伝子発現を抑制するレチノイド類の能力を測定することにより、レチノイド類の 抗AP−1特性を調べる。RARのDNA結合ドメインはAP−1依存性遺伝子 発現の抑制に関与しているので(R.Schuleら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 88:6092-6096,1991)、トランスフェクションアッセイにRARのホロ受容体(h oloreceptor)(α、βおよびγ)を用いて、AP−1依存性遺伝子発現の拮抗作 用におけるレチノイド類の相対的効力を定量化する。組換えプラスミド RAR(α、βおよびγ)の発現ベクターについてはすでに記述されている(E .A.Allegretto ら,J.Biol.Chem.,268:26625-26633,1993)。AP−1レポ ータープラスミド構築物である Str-AP-1-CAT は、ラットストロメリシン−1(s tromelysin-1)プロモーター(L.M.Matrisianら,6:1679-1686,1986)の−84から +1までの塩基対を pBLCAT3の Hind III-Bam HI部位にクローン化することによ り調製された(B.LuckowおよびG.Schutz,Nucl.Acids Res.,15:5490,1987) 。ストロメリシン−1プロモーターのこの配列は、唯一のエンハンサーエレメン トとしてAP−1モチーフを含んでいる(R.C.Nicholsonら、EMBO J.,9:4443-4 454,1990)。このプロモーター配列は、末端にHind IIIおよび BamHI 制限部位 を有する2つの合成オリゴヌクレオチドである5'- AGAAGCTT ATG GAA GCA ATT A TG AGT CAG TTT GCG GGT GAC TCT GCA AAT ACT GCC ACT CTA TAA AAG TTG GGC T CA GAA AGG TGG ACC TCG A GGATCCAG -3'(配列番号1)および5'-CT GGATCC TCG AGG TCC ACC TTT CTG AGC CCA ACT TTT ATA GAG TGG CAG TAT TTG CAG AGT CAC CCG CAA ACT GAC TCA TAA TTG CTT CCA T AAGCTT CT -3'(配列番号2)をアニーリングすることにより調製した。スーパーコイルプ ラスミド発現ベクターおよびレポーターベクターを得るための具体的な詳細は実 施例1に詳しく記述されている。細胞のトランスフェクションおよびCATアッセイ レチノイド媒介AP−1拮抗作用アッセイのため、10% ウシ胎児血清(FBS,Li fe Technologies,Inc.)を含有するダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中で増 殖させたHeLa細胞を、カチオンリポソーム媒介トランスフェクション法(P. L.Felgnerら,Focus,11:2,1989)を用いてトランスフェクトする。トランスフ ェクションの18時間前に細胞を約40% のコンフルエンスで12ウエル組織培養プレ ート(Costar,Cambridge,MA)にまく。各ウエルにつき1μg の受容体構築物Str -AP-1-CAT および0.2 μg のヒトRARα、βまたはγ発現ベクター、ならびに 2 μg のリポフェクタミン(Lipofectamine)(Life Technologies,Inc.)を全容量 500 μl 中で用いて、細胞をトランスフェクトする。組換えHeLa細胞のプレーテ ィングの詳細は実施例1に記述されている。ウエルあたり2 μg のリポフェクタ ミン、ウエルあたり1 μg の Str-AP-1-CAT および0.2 μg のRAR発現ベクタ ーを50 ml のポリスチレンチューブ中で混合することにより得られるDNA/リ ポフェクタミン複合体は、本発明の実施例1のDNA/リポフェクチン複合体に ついて記述したのと全く同じ方法で処理し、HeLa細胞と共にインキュベートする 。細胞に移入する前に、リポフェクタミンを用いてDNAを室温で30分間沈殿さ せる。トランスフェクションの5 時間後に、チャーコールで処理した20% FBS(Ge mini Bioproducts,Inc.,CA)を含有する500 μl のDMEMを加える。すべてのト ランスフェクションは3回の反復実験を実施する。トランスフェクションの18時 間後に試験レチノイド類(濃度10-10から10-7 M)を添加し、そしてその6時間 後に12-O-テトラデカノイルホルビル-14-アセテート(TPA)を用いて細胞を処理し AP−1活性を誘導する。 レチノイド類を濃度 5 mM となるようにアセトンに溶解し、さらにこの原液か らエタノールを用いて希釈する。翌日、カルシウムおよびマグネシウムを含まな いリン酸緩衝化生理食塩水(Life Technologies,Inc.)で洗浄した後、細胞を集 め、そして本発明の実施例1の混合相CATアッセイの節に記述したDNase I、T riton X-100、Tris-HClおよびEDTAを含有する低張緩衝液(100 μl/ウエル)を 用いて細胞を時折攪拌しながら60分間溶解する。96-ウエルU底プレート(Costar )中で[3H]アセチル補酵素A(DuPont NEN)を用いて、50μl の溶解細 胞抽出物におけるCAT活性をアッセイする。液体シンチレーションカウンター を用いてクロラムフェニコールの3H-アセチル化体の量を測定することによりC AT活性を定量化する。CATアッセイおよびクロラムフェニコールの標識化ア セチル化体のシンチレーション計測の詳しい手順は、本発明の実施例1に記述さ れている。 実施例3に記載したAP1活性の抑制におけるレチノイドアゴニストの効果を 表3に示す。表3には、実施例2に記述するように測定された、RPE細胞増殖 の抑制における同じレチノイドの効果をも示す。AP1活性の強力なインヒビタ ーである化合物(例えば、化合物521、183および659)は、すべてRPE細胞増殖 の有効なインヒビターである。対照的に、AP1活性の効果のないインヒビター である化合物(例えば、化合物867および810)は、RPE細胞増殖の抑制において も効果がない。 実施例4 甲状腺ホルモン(T3)によって活性化される甲状腺ホルモン受容体、デキサ メタゾン(Dex)によって活性化されるグルココルチコイド受容体、1,25-ジヒドロ キシビタミンD3(D3)によって活性化されるビタミンD受容体を含む他の核 受容体は、抗AP1活性を媒介することができる。RPE細胞増殖に対するデキ サメタゾン、T3およびD3の効果(実施例2に記載のように測定した)を単独 で、およびレチノイン酸(RA)との組合せで検討した。結果を図3に示す。デ キサメタゾンはRPE細胞増殖を抑制したが、T3およびD3は抑制しなかった 。しかし、これらの作用物質のそれぞれは、レチノイン酸と組み合わせて用いた 場合、相乗的効果を有した。このことは、RARアゴニストがRPE細胞増殖を 抑制する作用機構はAP1活性の拮抗作用によるものであることを支持する証拠 を提供し、またAP1活性の他の有効なインヒビターを単独で又はRARアゴニ ストと組み合わせて用いるとPVRの治療に有効であることを示唆している。 実施例5 RPE細胞形態に及ぼす種々のレチノイドの効果を確認するため、実施例1に 記述した2人のドナー由来のRPE細胞を35 mm のウエルにまいて、プラスチッ ク上で5%血清を含有する培地を用いて10日間、下記の3つのレチノイドのうち1 つの存在下(1μM)または不在下で増殖させた。すなわち、全トランスRA、R AR選択性アゴニスト(化合物183)またはRXR選択性アゴニスト(化合物701)で ある。 図2Aおよび2Bに示すように、5%血清を含有するが他の添加物を含まない培地で 増殖させたRPE細胞は、1個の細胞からの多数の突起(processes)が近隣の細 胞上に伸びていく広範な過増殖を示した。全トランスRAで処理した細胞は細胞 の過増殖を示さず、図2Cおよび2Dに示すようにRPE本来の形態により類似した 形態をもたらした。RAR選択性アゴニストもまた細胞の過増殖を阻止し、全ト ランスRAによってもたらされた形態と区別のつかない形態をもたらした(図2E および2F)。他方、RXR選択性アゴニストは細胞の過増殖を阻止せず、図2Gお よび2Hに示すように対照と区別のつかない形態をもたらした。トリパンブルー排 除試験は、各レチノイドを補充した全培養物において10% 未満の細胞染色を示し 、対照との間に統計学的な差はなかった。 実施例6 H.A.Senら(Arch.Ophthalmol.,106:1291-1294,1988)(参考としてここに全 体を組み入れている)によって最初に記述されたPVRのウサギ細胞注入モデル を用いてレチノイド類の硝子体内注射の効果を検討した。すなわち、色素沈着し たウサギを5 mg/kg のキシラジンおよび25 mg/kgのケタミンの皮下注射により麻 ながら、5x105個のRPE細胞を硝子体腔の視神経のすぐ前に注入した。最初の 実験では、ウサギに100 μg の全トランスRA、選択的RXRアゴニスト(化合 物701)、選択的RARアゴニスト(化合物183)またはビヒクルの硝子体内注射を 行なった。 第7、14および28日目に間接検眼鏡検査によりウサギを検査し、牽引性網膜剥 離を等級づけた。全トランスRAの注射後、局在化した沈降物の黄色い曇りが硝 子体に出現し、数週間残った。他のアゴニストの注射は、白色の曇りをもたらし た。2〜3週間のうちに局在化した曇りは小さくなり、消えた。網膜には可視的 な変化は全くなかった。表4にまとめたデータが示すように、全トランスRAを 注射した眼は、ビヒクル単独を注射した眼よりも牽引性網膜剥離の発生が少なく (p<0.05)かつ重症度が低かった。他方、RXR選択性アゴニストを注射した眼は 対照と差異がなかった。 最初のウザギグループにおいては、5匹がRAR選択性アゴニストの硝子体内 注射を2回受けた。これらのウサギはどれも網膜剥離を発症しなかったが、全て が脱毛および食欲不振を体験し、そのうち2匹は28日間の観察期間の終了する 前に死亡した。脱毛および恐らくは食欲不振ならびに死亡は、眼から全身に行き 渡った薬剤の全身毒性によるものと思われた。別のグループのウサギを、50μg のRARアゴニスト、50μg および100 μg のRA、または100 μg のRXRア ゴニスト(701)、またはビヒクル単独の硝子体内注射を、RPE細胞注入の1日 後に1回施す方法で試験した。RARアゴニストまたはRAを注射した眼は、対 照の眼よりも網膜剥離の発生が少なく(p<0.05)かつ重症度が低かった。しかし、 RXRアゴニストを注射した眼は、対照と統計学的に差異はなかった。どのウサ ギも脱毛を経験せず、また死亡したものもなかった。これらのウサギの食欲は正 常なように思われた。 実施例7 眼毒性を検査するため、100 μg の全トランスRA、RAR選択性アゴニスト (化合物183)、RXR選択性アゴニスト(化合物701)、RARおよびRXRの両 方を活性化するアゴニスト(化合物659)、またはビヒクル単独をウサギの硝子体 内に1回注射した。注射の2週間後にウサギを屠殺した。ウサギ網膜の組織病理 学的検査の結果を表5にまとめて示す。一般に、網膜はよく保存されていて、ア ーチファクト(人工産物)にすぎないと思われる軽度の変化が見られるのみであ った。下記の表5のデータが示すように、ビヒクルを注射したものも含めて全て の眼は軽い硝子体炎を示した。RXRアゴニストを注射した眼の1つ、および RXRとRARの両方に活性を示すアゴニストを注射した眼の1つは、網膜壊死 の2〜3の病巣域を示した。このRXRを注射した同じ眼は内網膜水腫の2〜3 の病巣域をも示し、類似の病巣域はRARアゴニストを注射した眼の1つにも見 られた。RARアゴニストを注射した眼の1つおよびRXRとRARの両方に活 性を示すアゴニストを注射した眼の1つに、光受容体変性の病巣域が散見された 。 薬剤を注射した眼のうち数個において、網膜が白色化した領域が見られ、これ は薬剤の沈降と関連していた。このことは、化合物168 または299 の高濃度の局 在化領域は、網膜剥離の高率発症に関与しうる網膜損傷を引き起こす可能性があ ることを示唆していた。硝子体におけるレチノイド類の溶解性が乏しいことが沈 降物および高濃度の局在化領域を生じ、これらが毒性をもたらした、と結論され た。 実施例9 いくつかのRARアゴニストには毒性があるため、そしてレチノイド類の効果 は発現が遅延され又可逆的であるため、レチノイド類の持続的放出方法を検討し た。持続的放出デリバリーの選択すべき方法を調べるため、ウサギにヒトRPE 細胞 5x105個を硝子体内注入した後、0.3 mgの化合物168、299 またはRAを1 日1回5日間結膜下注射した。表7に示す結果は、対照と比較して、5日間にわ たって行なわれた全3種類のレチノイドの結膜下注射は牽引性網膜剥離(TRD)を 低下させた。RAR特異的アゴニストの治療的効果は、RXRおよびRARの両 方に対するアゴニストであるRAのそれよりも大きかった。網膜に対する毒性の 徴候は全く見られなかった。 実施例10 PVRのウサギモデルを用いて、RARアゴニストの結膜下注射の効果を実施 例7に記述するように試験した。ただし、RPE細胞の代わりに、ヒト皮膚繊維 芽細胞を硝子体腔に注入した。一般に、このモデルはRPE細胞を使用したモデ ルよりもより高率で網膜剥離を発症し、かつより重篤な剥離を示す傾向がある。 しかし、表8のデータに示すように、化合物168、299および全トランスRAの結 膜下注射は全て、対照と比較しての改善は実施例9ほど大きくなかったが、実施 例9に記載の試験の結果と比較して網膜剥離の数を減少させ、それが発症する 速度を低下させた。 実施例11 この実験では、標準的技法を用いてレチノイドを脂質微小胞(microvesicle)に 組み込んだ。ウサギにヒト皮膚繊維芽細胞 5x105個を硝子体内注入した後、その 当日に全トランスRA、化合物168または299 を封入した微小胞およびビヒクル を硝子体腔に注射した。下記の表9のデータに示すように、化合物168を含有す る微小胞は牽引性網膜剥離を阻止するのに非常に効果的であった。他方、化合物 299 または全トランスRAを含有する微小胞は、対照群と比較して有効ではなか った。 レチノイドを脂質微小胞に組み込み、ヒト皮膚繊維芽細胞 5x105個を硝子体内 注入した後、その当日にウサギの眼の結膜下に注射した。下記の表10のデータに 示すように、化合物168は他のレチノイドまたはビヒクルよりも牽引性網膜剥離 を阻止するのに実質的により効果的であった。 本発明の上記の記述は、説明の目的上適例となるものである。本発明の精神お よび範囲から逸脱することなく種々の改変がなされうることが理解されねばなら ない。したがって、以下の請求の範囲はそのような改変をすべて包含するものと して意図されている。 配列の概略 配列番号1は、ストロメリシン−1プロモーターのためのオリゴヌクレオチドプ ライマーである。 配列番号2は、ストロメリシン−1プロモーターのためのオリゴヌクレオチドプ ライマーである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 31/465 ABL A61K 47/24 G 47/24 9/14 K (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,SZ,U G),UA(AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM ),AL,AM,AT,AU,AZ,BB,BG,BR ,BY,CA,CH,CN,CZ,DE,DK,EE, ES,FI,GB,GE,HU,IS,JP,KE,K G,KP,KR,KZ,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO, NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,S I,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US ,UZ,VN (72)発明者 キャンポチャーロ,ピーター エイ. アメリカ合衆国 21210 メリーランド州 バルチモア,ウエスト レイク アベニ ュー 920 (72)発明者 ウィーラー,ラリー エイ. アメリカ合衆国 92715 カリフォルニア 州 アービン,バレー ビュー 18 (72)発明者 チャンドラレイナ,ローシャンサ エイ. アメリカ合衆国 92691 カリフォルニア 州 ミッション ビジョー,エンプレッサ 25841 (72)発明者 ナグパル,スニル アメリカ合衆国 92715 カリフォルニア 州 アービン,ジョランダン アベニュー ナンバー16ビー,17552 (72)発明者 デ ジュアン,ユージーン ジュニア. アメリカ合衆国 21287−9277 メリーラ ンド州 バルチモア,ノース ウォルフ ストリート 600 ザ ジョーンズ ホプ キンス ホスピタル ザ ウィルマー ホ スピタル,モーメニー 721

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.網膜色素上皮(RPE)の増殖と関連した疾患の改善方法であって、それを 必要としている被験者の網膜色素上皮細胞を、レチノイン酸を除いた、治療量の レチノイン酸受容体(RAR)アゴニストと接触させることを含んでなる方法。 2.RARアゴニストが特異的なRARアゴニストである、請求項1に記載の方 法。 3.RARアゴニストがAP−1依存性遺伝子発現を実質的に抑制する、請求項 1に記載の方法。 4.RARアゴニストがエチル-6-[2-(4,4- ジメチルチオクロマン-6- イル)エ チニル]ニコチネート(化合物 168)である、請求項2に記載の方法。 5.RARアゴニストが 6-[2-(4,4- ジメチルクロマン-6- イル)エチニル]ニコ チン酸(化合物 299)である、請求項2に記載の方法。 6.RARアゴニストが p-[(E)-2-(5,6,7,8- テトラヒドロ-5,5,8,8- テトラメ チル-2- ナフチル)プロペニル]-安息香酸(化合物 183)である、請求項2に記 載の方法。 7.その結果として増殖性硝子体網膜症が実質的に阻止される、請求項1に記載 の方法。 8.RARアゴニストがAP−1依存性遺伝子発現のアンタゴニストでもある、 請求項1に記載の方法。 9.RARアゴニストが非内因性である、請求項1に記載の方法。 10.RARアゴニストを硝子体腔に注入する、請求項1に記載の方法。 11.治療量が約50〜150μg の範囲である、請求項1に記載の方法。 12.前記の接触が手術または外傷後約24時間以内に投与される1回量によるも のである、請求項11に記載の方法。 13.前記の接触が持続放出によるものである、請求項11に記載の方法。 14.持続放出が約3〜20日間である、請求項13に記載の方法。 15.RARアゴニストをリポソーム内に保持させる、請求項13に記載の方法。 16.RARアゴニストを微粒子に圧縮製剤化する、請求項13に記載の方法。 17.微粒子を強膜ポケットまたは結膜下腔に投与する、請求項16に記載の方法。 18.RARアゴニストを生物学的に不活性な液体に溶解する、請求項12に記載の 方法。 19.前記の液体がシリコーン油である、請求項18に記載の方法。 20.RARアゴニストが9−シス−レチノイン酸である、請求項1に記載の方法 。 21.網膜色素上皮(RPE)の増殖と関連した疾患の改善方法であって、それを 必要としている被験者の網膜色素上皮細胞を、治療量のAP−1アンタゴニスト と接触させることを含んでなる方法。 22.牽引性網膜剥離の改善方法であって、それを必要としている被験者の網膜色 素上皮細胞を、治療量のAP−1アンタゴニストと接触させることを含んでなる 方法。 23.牽引性網膜剥離の改善方法であって、それを必要としている被験者の網膜色 素上皮細胞を、治療量のレチノイン酸受容体(RAR)アゴニストと接触させる ことを含んでなる方法。 24.レチノイン酸を除いた、治療量のレチノイン酸受容体(RAR)アゴニスト を含有する、網膜色素上皮の増殖を治療するための組成物。 25.RARアゴニストが特異的なRARアゴニストである、請求項24に記載の組 成物。 26.RARアゴニストがエチル-6-[2-(4,4- ジメチルチオクロマン-6- イル)エ チニル]ニコチネート(化合物 168)である、請求項24に記載の組成物。 27.RARアゴニストがAP−1依存性遺伝子発現を実質的に抑制する、請求項 24に記載の組成物。 28.RARアゴニストが 6-[2-(4,4- ジメチルクロマン-6- イル)エチニル]ニコ チン酸(化合物 299)である、請求項27に記載の組成物。 29.RARアゴニストが p-[(E)-2-(5,6,7,8- テトラヒドロ-5,5,8,8- テトラメ チル-2- ナフチル)プロペニル]-安息香酸(化合物 183)である、請求項24に記 載の組成物。 30.網膜色素上皮細胞の増殖が実質的に抑制される、請求項24に記載の組成物。 31.脈絡膜新生血管形成と関連した眼の疾患の改善方法であって、それを必要と している被験者の網膜色素上皮細胞を、治療量のAP−1アンタゴニストと接触 させることを含んでなる方法。 32.眼の疾患が加齢に関係した黄斑変性である、請求項31に記載の方法。 33.眼の疾患がヒストプラスマ症候群である、請求項31に記載の方法。 34.脈絡膜新生血管形成と関連した眼の疾患の改善方法であって、それを必要と している被験者の網膜色素上皮細胞を、治療量のレチノイン酸受容体(RAR) アゴニストと接触させることを含んでなる方法。 35.眼の疾患が加齢に関係した黄斑変性である、請求項34に記載の方法。 36.眼の疾患がヒストプラスマ症候群である、請求項34に記載の方法。
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