JPH11500904A - Mplリガンド類似体 - Google Patents

Mplリガンド類似体

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Abstract

(57)【要約】 対応するアミノ酸数の天然型mplリガンド配列と比較して1つ以上の変化したグリコシル化部位を有するmplリガンド類似体を開示する。この発明はまた、mplリガンド類似体をコードするDNA配列、類似体発現用の組換えプラスミド及び宿主細胞、並びにそのような類似体を含有する治療組成物に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 MPLリガンド類似体 発明の分野 本発明は、少なくとも一つの変化したO−またはN−結合型グリコシル化部位 を有するmplリガンド類似体に関する。本発明は、これらのmplリガンド類 似体をコードするDNA配列、ならびに類似体発現のための組み換えプラスミド および宿主細胞にも関する。 発明の背景 MGDF、すなわち巨核球成長および発生因子は、循環血小板量の主要な調節 物質であるらしい最近クローニングされたサイトカインである。バートレイ(B artley,T.D.)らのCell第77巻:1117〜1124頁(19 94年);ロック(Lok,S.)らのNature第369巻:565〜56 8頁(1994年);ドゥ・ソーベジ(de Sauvage,F.J.)らの Nature第369巻:533〜538頁(1994年);ミヤザキ(Miy azake,H)らのExp.Hematol.第22巻:838頁(1994 年);およびクッター(Kuter,D.J.)らのPNAS USA第91巻:11104〜11108頁(1994年)参照。バートレイ( Bartley,T.D.)らのCell第77巻:1117〜1124頁(1 994年)に記載されたMGDFは、トロンボポイエチン(thrombopo ietin:TPO)、mplリガンドおよびメガポイエチン(megapoi etin)とも呼ばれる。本明細書中で、“mplリガンド”という用語は、一 般的に、TPOおよびMGDFを含む、mplレセプターを活性化する全てのポ リペプチドに言及するのに用いられる。mplレセプターは、活性化時に巨核球 および血小板の生成および/または発生に導く細胞表面タンパクである。WO9 2/07074を参照されたい。 “mplリガンド類似体”は、炭水化物結合部位の数、位置または型に影響を 与えるように天然の配列と異なるポリペプチドである。そのようなポリペプチド は、本発明の一つの態様である。成熟した天然ヒトmplリガンドは、合計で3 32個のアミノ酸を有するタンパクである。(21アミノ酸長のリーダー配列に 結合された)このタンパクの配列および対応するcDNAを、図1に示す(配列 番号1および2)。 チャイニーズハムスター卵巣(CHO)およびE.coli 細胞の両方において生成される組み換えmplリガンドは、マウス、ラットおよ びサルの生体内において巨核球および/または血小板を特異的に刺激または増加 させる生物学的活性を有することが示された。例えば、フント(Hunt,P. )らのBlood第84(10)巻:390A頁(1994年)を参照のこと。 図1のアミノ酸位置22から出発して少なくとも151個のアミノ酸をもつよう に切頭(truncated)されたヒトmplリガンド分子は(ヒトのcDNAにより コードされる332アミノ酸のタンパクと比較して)、生体内において生物学的 活性を維持している。図2(配列番号3および4)は、成熟型で174個のアミ ノ酸を有し生物学的活性を有する切頭型mplリガンド分子の一例を示す。図2 には、21アミノ酸のN末端リーダー配列に結合している174アミノ酸長のタ ンパクが示されている。下記の実施例において、この分子を用いてmplリガン ド類似体の幾つかを製造した。他の類似体は、図1のアミノ酸1〜199、1〜 191、および1〜183に基づく。成熟型ヒト配列mplリガンドタンパクの N末端の最初の6個のアミノ酸を除去し、生物学的活性を維持することも可能で ある。従って、図1に示すヒトmplリガンドの成熟型アミノ酸 配列のアミノ酸7〜151(7および151も含む)内に生物学的活性が維持さ れるようである。 通常、真核生物細胞により産生された多くの細胞表面の分泌タンパクは、一ま たはそれ以上のオリゴ糖基により修飾される。この修飾は、グリコシル化と呼ば れるが、タンパクの物理的性質に大きく影響を与えることができ、タンパクの安 定性、分泌および細胞内局限において重要でもあり得る。適正なグリコシル化は 、生物学的活性に必須であり得る。実際、真核生物からの一部の遺伝子は、タン パクをグリコシル化するための細胞過程を欠くバクテリア(例えば、E.col i)において発現されたときに、グリコシル化の欠如により活性がほとんどない かまたは全く無い状態で回収されるタンパクを生成する。 グリコシル化は、ポリペプチド主鎖に沿った特異的な位置または部位において 生じ、通常二つの型がある。すなわち、O−結合型オリゴ糖はセリン(Ser) またはトレオニン(Thr)残基に結合し、一方、N−結合型オリゴ糖(鎖)は 、配列Asn−X−Ser/Thr(Xはプロリンを除く任意のアミノ酸であり 得る)の一部である場合、アスパラギン(Asn)残基に結合する。Xは、好ま しくは、プロリンを含まない19個の 天然アミノ酸の一つである。N−結合型およびO−結合型オリゴ糖と各型におい て見られる糖残基の構造は異なる。両方において共通して見られる一つの型の糖 はN−アセチルノイラミン酸(以下、シアル酸と呼ぶ)である。シアル酸は、通 常、N−結合型およびO−結合型オリゴ糖の両方の末端残基であり、その陰電荷 故に、糖タンパクに酸性を付与し得る。 本明細書中で用いられるグリコシル化“部位”は、グリコシル残基に構造的に 結合することのできるアミノ酸残基であるが、そのような部位はグリコシル残基 に実際に結合しても結合しなくてもよい。前述したように、O−結合部位はSe rまたはThr残基であるが、N−結合部位はAsn−X−SerまたはAsn −X−Thrであり、XはPro以外の任意のアミノ酸と定義される(好ましく はProを除く19個の天然アミノ酸の一つである)。所定の部位がグリコシル 鎖でグリコシル化されるかどうかは、分子が発現される宿主細胞、その部位に隣 接するアミノ酸、および他の因子により決定される。 本明細書中で用いられる、所定のmplリガンド類似体に結合される“鎖”の 数は、特定の宿主細胞により発現される所定のmplリガンド分子に結合される 炭水化物(すなわちグリコ シル)鎖の平均の数である。特に、天然および対応する組み換えmplリガンド のためのグリコシル化部位は通常同じであるが、鎖の数は、組み換え発現のため に用いられる特定の宿主細胞がグリコシル鎖を、天然源と比べて同じ部位に結合 させるか否かによっておそらく変化する。本明細書中で、組み換え型と天然型の mplリガンド類似体を比較する場合常に、天然源がその長さを有するmplリ ガンド分子を実際に生成するか否かに拘わらず同じ数のアミノ酸が比較される。 すなわち、“天然型”とは、そのような天然源中に実際に発現される分子の長さ よりも特定の種(例えばヒト)において用いられる配列に言及する。 天然型mpl配列はグリコシル化分子である。天然型mplリガンドのグリコ シル化パターンは、mplリガンドにおいて見られた二つの重要なドメインに関 係する。分子の活性部分に相当する、成熟型ヒトmplリガンドの最初の約15 1個のアミノ酸の配列は、エリトロポエチン(erythropoietin: EPO)、すなわち赤血球の生成を刺激することのできるサイトカインに著しく 類似しており、ヒトmplリガンドの“EPO様”ドメインと呼ばれる。成熟型 タンパクの残りの アミノ酸は、N−結合型グリコシル化のための天然部位の全てでないにしても大 部分を含むので、いわゆる“N−結合型炭水化物”ドメインを構成する。ヒトm plリガンドにおいて、N−結合型グリコシル化ドメインに全てが含まれる6つ のN−結合型グリコシル化部位が存在する。両方のドメインがO−結合型グリコ シル化部位を含む。分子内に推定12〜14個のO−結合型グリコシル化鎖が存 在する。CHO細胞内に組み換え的に発現されたヒトmplリガンドDNAを用 いた実験的証拠は、EPO様ドメインにおいて少なくとも二つのO−結合部位が 1位(Ser)および37位(Thr)においてグリコシル化されることを示し ている。 mplリガンドのような糖タンパクは、等電点電気泳動(IEF)のような技 術を用いて異なる電荷形に分離され得る。例えば、幾つかのグループが、粗製の または部分精製のエリスロポイエチン調製物のIEFによる研究を報告している (ルコフスキー(Lukowsky)らのJ.Biochem.第50巻:90 9頁(1972年);シェルトン(Shelton)らのBiochem.Me d.第12巻:45頁(1975年);フール(Fuhr)らのBiochem.B iophys. Res.Comm.第98巻:930頁(1981年))。 mplリガンド分子のグリコシル化に関する前記情報にも拘わらず、異なるグ リコシル化パターンを有し向上した生物学的活性を維持または有するmplリガ ンド分子を得る必要性が残っている。 従って、本発明の目的は、mplリガンド類似体と呼ばれる新規グリコシル化 mplリガンド分子を提供することである。本発明のさらなる目的は、そのよう な分子を含む医薬組成物、およびmplリガンドで治療できる症状を、本発明の mplリガンド類似体を用いて治療する方法を提供することにある。 発明の要約 一つの実施態様において、本発明は、対応する天然型配列mplリガンドと比 べて、グリコシル化のための部位が少なくとも一つ付加された、少なくとも一つ 欠失された、および/または少なくとも一つ付加されると共に欠失されたアミノ 酸配列を含むmplリガンドの類似体に関する。グリコシル化のための付加また は欠失された部位によって、対応する天然型配列mplリガンド、特にヒトmp lリガンドよりも、炭水化物鎖の数がより多くまたはより少なくなり、またシア ル酸含量がより高 くまたはより低くなる。例えば、一つの型の類似体は、同じ位置または別の位置 における、一つ以上のN−またはO−結合部位の除去、および一つ以上のN−ま たはO−結合部位の付加を含み得る。 前記実施態様のもう一つの態様において、本発明は、一つ以上のN−またはO −結合型グリコシル化部位が一つ以上の非天然部位で置換されているアミノ酸配 列を含むリガンドmplリガンド類似体に関する。すなわち、N−結合部位は異 なるN−結合部位で置換されてよく;N−結合部位はO−結合部位で置換されて よく;O−結合部位は異なるO−結合部位で置換されてよく;およびO−結合部 位はN−結合部位で置換されてよい。 いかなる前記変化の組み合わせも、さらに本発明に含まれる。 本発明は、さらに、そのようなmplリガンド類似体をコードするDNA配列 、ならびに類似体発現のための組み換えプラスミドおよび宿主細胞に関する。 前記の全ての場合において、グリコシル化部位の変化は、得られるmplリガ ンド類似体におけるグリコシル鎖の数、量、位置または型(N−とO−)の変化 を導き、mplリガンドの生物学的活性を維持する、すなわち、類似体はmpl レセプタ ーをなお、活性化することができる。mplレセプターの活性化は、巨核球産生 が高められ、それにより生体内で血小板が増加することを意味する。 図面の簡単な説明 図1は、シグナルペプチド(アミノ酸−21〜−1)および成熟アミノ酸配列 (1〜332)を含む天然ヒトmplリガンドのDNAおよびアミノ酸配列を示 す。 図2は、21アミノ酸長のシグナルペプチドに結合しているヒト成熟mplリ ガンド配列のアミノ酸1〜174に対応するmplリガンドのDNAおよびアミ ノ酸配列を示す。コード領域に隣接する配列が、XbaIおよびSalIクロー ニング部位をそれぞれ5’および3’末端に導入した。 図3は、E.coliおよびCHO発現mplリガンドを用いたウエスタンブ ロットを示す。MKは、E.coli内において発現されるようにmplリガン ドのN−末端に付加されるMet−Lysを表し、カテプシンCのようなジペプ チダーゼを用いて切除され得る。MKが除去された分子はdesMKと呼ばれる 。グリコシダーゼノイラミニダーゼおよびO−グリカナーゼでの処理が示されて いる。 図4は、正常マウスにおけるE.coliおよびCHO発現mplリガンドの 生体内活性を血小板数として示す。データは、グリコシル化mplリガンド(C HO)物質が非グリコシル化(E.coli)物質よりも優れた活性を有するこ とを示している。これは、グリコシル化物質についての増加した半減期の結果で あり得る。例えば、CHO332は、CHO細胞内に発現されたヒトmplリガ ンドアミノ酸1〜332(図1)を示す。 図5は、組み換えヒトmplリガンドおよび類似体4、6、7、9、10およ び11のCOS細胞上澄みのウエスタンブロット分析を示す。類似体の構築は実 施例4に示されている。類似体4、7および10は、ゲル移動が遅いことにより 証明されるように少なくとも一つのさらなる炭水化物鎖を有する。類似体番号は 表1に提供されている類似体番号に相当する(すなわち、11は類似体N11に 相当する)。対照は、表1中のN1である。 図6は、組み換えヒトmplリガンドおよび類似体4、5、13、14および 15のCOS細胞上澄みのウエスタンブロット分析を示す。類似体の構築は実施 例4に示されている。類似 体4、13、14および15は、ゲル移動が遅いことにより証明されるように少 なくとも一つのさらなる炭水化物鎖を有する。 図7は、N−グリカナーゼで処理した後のヒトmplリガンドおよび示された mplリガンド類似体のCOS細胞上澄みのウエスタンブロット分析を示す。結 果は、類似体が異なるグリコシル化パターンを有することを示している。 図8は、mplリガンド類似体を用いたヒト巨核球成長バイオアッセイの結果 を示す。パネルAおよびDは、それぞれ陽性および陰性の対照である。パネルA に示されるウエルには、37.5pgの野生型(すなわち天然型配列)mplリ ガンド1〜174COS−1ならし培地を入れたが、実質的な巨核球成長を示し ている。パネルDには、1.5μlのCOS−1mockならし培地を入れたが 、成長を示していない。パネルBおよびCは、それぞれmplリガンド1〜17 4類似体7および10である。パネルBには、9.0pgのmplリガンドCO S−1ならし培地を入れ、パネルCには、27pgを入れたが、共に優れた巨核 球成長を示している。 図9は、CHOmplリガンド1〜174ならびに類似体N4およびN15の ウエスタンブロット分析を示している(表1 参照)。ゲル移動が遅いことは、類似体N4(4B)が一つの更なるオリゴ糖を 有し、類似体N15(15−8)が二つの更なるオリゴ糖を有することを示して いる。 図10は、示されるN−グリカナーゼでの処理を行うまたは行わないときのC HO細胞産生mplリガンド類似体のウエスタンブロットを示す。N−グリカナ ーゼでの処理後のゲル移動が遅いことは、N−結合オリゴ糖の存在を示している 。 図11は、種々の形態のmplリガンドを種々の投与量で用いて処理したマウ スからの血小板数を示している。データは、N−および/またはO−結合型炭水 化物の量の増加が生体内活性の向上につながることを示している。 図12は、類似体N10、N15、N33、N39、N31、N35およびN 40と共に、COS産生mplリガンド1〜174のウエスタンブロット分析を 示している。付加されたN−結合型グリコシル化部位の数も示されている。図は 、N−結合部位の数が増加すると、N−結合型炭水化物の量の増加のためにmp lリガンドの移動度が低下することを示している。 図13は、類似体N15、N29、N30およびN38と共に、COS産生m plリガンド1〜174のウエスタンブロッ ト分析を示している。N−結合型グリコシル鎖の数も示されている。 発明の詳細な説明 本発明は、対応する配列を有する天然型mplリガンドと比べて異なるグリコ シル化部位を有するmplリガンドを提供する。好ましくは、得られる分子は、 哺乳動物細胞内(例えばCOS、CHOおよびヒト細胞)において発現された際 にグリコシル鎖により占有される付加的グリコシル化部位を有するものである。 第一の実施態様において、本発明は、対応する天然型配列mplリガンドと比 べて、グリコシル化のための部位が少なくとも一つ付加された、少なくとも一つ 欠失された、および/または少なくとも一つ付加されると共に欠失されたアミノ 酸配列を含むmplリガンドの類似体に関する。グリコシル化のための付加また は欠失された部位によって、対応する天然型配列mplリガンド、特にヒトmp lリガンドよりも、炭水化物鎖の数がより多くまたはより少なくなり、またシア ル酸含量がより高くまたはより低くなる。一つの部位の欠失と別の部位の付加と の組み合わせにより、部位の数は正味変化せず、むしろ部位の 位置および/または型が変化する。そのように組み合わせた変化類似体も本発明 の範囲に入る。 前記実施態様のもう一つの態様において、本発明は、一つ以上のN−またはO −結合型グリコシル化部位が一つ以上の非天然部位で置換されているアミノ酸配 列を含むmpl類似体に関する。すなわち、N−結合部位は異なるN−結合部位 で置換されてよく;N−結合部位はO−結合部位で置換されてよく;O−結合部 位は異なるO−結合部位で置換されてよく;および/またはO−結合部位はN− 結合部位で置換されてよい。実質的に同じ位置においてある一つの部位を別の部 位で置換することは、その部位におけるグリコシル化効率の上昇または他の効果 につながり得る。例えば、Ser残基ではなくThr残基がO−結合部位におい てグリコシル化効率を向上させ得る効果がここで提供される。 本明細書中で用いられる“mplリガンド”という用語は、天然mplリガン ド、天然mplリガンドの切頭体(truncation)、ならびに、巨核球および/ま たは血小板の成長、発生および/または産生を特異的に刺激する生物学的活性を 有するように天然mplリガンドと充分に重複するグリコシ ル化およびアミノ酸配列を有する非天然ポリペプチドを含む。少なくとも図1の アミノ酸7〜151からアミノ酸1〜332に基づくmplリガンド類似体が好 ましい。 好ましい実施態様において、mplリガンドは、真核生物宿主細胞内にトラン スフェクションされている外来性DNA配列の発現生成物である;すなわち好ま しい実施態様において、mplリガンドは“組み換えmplリガンド”である。 好ましい真核生物宿主は哺乳動物、特に好ましくはCHO細胞である。組み換え mplリガンドは、mplリガンドのクローニングおよび発現に関して本明細書 に引用されている刊行物および本明細書に記載されている手順に従って有利に生 成される。 一部の更なる好ましいmplリガンド分子は図1に基づいて以下のアミノ酸配 列を有する: mplリガンド1〜332 図1のアミノ酸1〜332 mplリガンド1〜199 図1のアミノ酸1〜199 mplリガンド1〜191 図1のアミノ酸1〜191 mplリガンド1〜183 図1のアミノ酸1〜183 mplリガンド1〜174 図1のアミノ酸1〜174 mplリガンド1〜163 図1のアミノ酸1〜163 mplリガンド1〜153 図1のアミノ酸1〜153 mplリガンド1〜152 図1のアミノ酸1〜152 mplリガンド1〜151 図1のアミノ酸1〜151 mplリガンド7〜332 図1のアミノ酸7〜332 mplリガンド7〜199 図1のアミノ酸7〜199 mplリガンド7〜191 図1のアミノ酸7〜191 mplリガンド7〜183 図1のアミノ酸7〜183 mplリガンド7〜174 図1のアミノ酸7〜174 mplリガンド7〜163 図1のアミノ酸7〜163 mplリガンド7〜153 図1のアミノ酸7〜153 mplリガンド7〜152 図1のアミノ酸7〜152 mplリガンド7〜151 図1のアミノ酸7〜151 例えば、mplリガンド1〜183、1〜191、7〜183および7〜19 1は、より短い配列と比べて、そのC−末端に一つまたは二つの付加的天然グリ コシル化部位を有することに注目すべきである。前述の各場合において、そのN −末端にMet−Lysがさらに含まれ得る。 本明細書中で言うインビトロ比活性は、相対的なインビトロ比活性の測定値で あり、絶対的なインビトロ比活性の測定値で はない。この出願の目的において、比活性は、同じアッセイを用いて、同じ内部 標準を含む同じ条件を用いてアッセイされ、比活性等の計算に用いられる同じデ ータ解析を有するmplリガンド類似体の相対的活性の比較にのみ用いられる。 本明細書中で用いられる“mplリガンドの類似体”または“mplリガンド 類似体”という表現は、mplリガンドのアミノ酸配列に一つ以上の変化を有し 、それにより炭水化物結合の部位の型(N−またはO−結合:結合炭水化物の量 に影響を与え得る)、数または位置が変化しているmplリガンドを示す。好ま しい実施態様において、グリコシル化部位の変化は、mplリガンド分子に結合 しているグリコシル鎖の数の変化につながる。特に好ましい実施態様において、 グリコシル化部位の変化は、少なくとも一つ(通常1〜6、好ましくは1〜5、 特に好ましくは2〜4)のグリコシル鎖を付加し、最も好ましくは鎖はN−結合 を介して付加される。もう一つの特に好ましい実施態様において、mplリガン ド類似体は、天然配列mp1リガンド(例えばヒトmplリガンド)と比べて少 なくとも同等のインビボ生物学的活性を維持し、生物学的活性のアッセイにおい て測定して、インビボにおいて実質的により高い活性 を有し得る。そのようなアッセイは、巨核球または血小板産生を検出するアッセ イを含む。 そのようなmplリガンドの類似体の製造のために、好ましくは、グリコシル 化に利用できる部位を付加、除去または変化させるアミノ酸残基の付加、欠失ま たは置換につながる部位特異的変異誘発により生成が行われる。“変化”という のは、一つの部位が欠失され、別の部位が欠失部位と同じかまたは別の位置にお いて付加されていることを示す。しかしながら、当業者が認めるように、他の方 法により同じアミノ酸配列をコードする遺伝子を得ることができ、そのような方 法も本明細書に含まれる。得られる類似体は、天然ヒト/組み換えmplリガン ドよりも少ないかまたは多い(好ましくは多い)結合炭水化物鎖を有し得る。 一つ以上の炭水化物(すなわちグリコシル)鎖のmplリガンドへの付加は、 本発明の一つの重要な目的である。対応する天然アミノ酸配列(例えば1〜33 2または1〜174、等)において見付かるよりも多くの炭水化物鎖を有するm plリガンド類似体は、実質的に生物学的活性を活性を低下させるような方法で 二次構造または三次構造を乱すことのないグリコシル 化部位を付加することにより生成される。本明細書中で用いられる“天然”mp lリガンドとは、特定の長さのmplリガンド種が実際に天然種で発現されなく とも、関連類似体に対応する数のアミノ酸を有するアミノ酸配列を意味する。有 利には、mplリガンドの類似体は、N−グリコシル化またはO−グリコシル化 のための6個以下の付加的部位を有し、それにより1〜6個の付加的N−結合型 またはO−結合型炭水化物鎖(またはその組み合わせ)が付加される。 例えば、30位におけるProがAsnにより置換され、32位におけるVa lがThrにより置換されて、N−グリコシル化のための新しい部位として役立 つ配列Asn−Glu−Thrが得られる(以下の類似体N4;表1参照)。 突然変異を組み合わせることにより二つ以上の更なるN−結合鎖を有する類似 体も構築することができ;例えば、表1に記載された類似体N4とN10とを組 み合わせて炭水化物付加のための二つの更なる部位を有する類似体を生成するこ とができる(すなわち表1の類似体N15)。同様にして、三つ以上鎖が付加さ れた類似体を構築することができる。当業者に認められるように、本発明は、( 部位の数、型または位置において) グリコシル化のための異なる部位を有するmplリガンドの多くの他の類似体を 含む。本発明のmplリガンド類似体は、全ての場合において特に好ましくはヒ トアミノ酸配列を有するmplリガンドに基づく(図1および2を参照)が、他 の種(例えば、イヌ、ブタ、サル、マウスまたはラット)からのmplリガンド 配列に基づく類似体も本明細書中で意図されている。 グリコシル化部位の形成のためにアミノ酸を挿入することも考えられる。例え ば、以下のように、57位のGluがThrで置換され、Asnが55位のMe tの直後に挿入される。 これにより新しいグリコシル化部位が付加される(アミノ酸55’、56および 57)。以下の類似体N23を参照のこと。 本発明の類似体には、mplリガンドのカルボキシ末端から伸びる一つ以上の アミノ酸を有し、カルボキシ末端の伸長により少なくとも一つの付加的炭水化物 部位が提供される類似体も 含まれる。mplリガンドのカルボキシ末端は、使用するmplリガンド(例え ば、mplリガンド1〜332アミノ酸、またはmplリガンド1〜163アミ ノ酸)の特定の型により変化するだろう。一つ以上のN−またはO−結合型グリ コシル化部位を含むアミノ酸をカルボキシ末端に付加することにより、mplリ ガンド種のカルボキシ末端に更なる炭水化物部位を付加することができる。 表1および表6は、N−結合型炭水化物鎖のための更なる部位を有する幾つか の例としてのmplリガンド類似体を列挙する。類似体は、N−結合部位を形成 するためにヒトアミノ酸配列に基づくヒトmplリガンドポリペプチド鎖中の種 々の位置に含まれる配列Asn−X−SerまたはAsn−X−Thrを有する 。表4および表7は、SDSゲル上での糖タンパクの移動により検証される、少 なくとも一つの追加のN−結合炭水化物鎖を付加する類似体を列挙する(実施例 6および図3、5、6、7、9、10、12および13)。これらの表は、本明 細書で定義される“類似体”でない幾つかの切頭型種(すなわち、N1、N16 、N17およびN31)も含む。種々の切頭型種がいかに製造されたかを示すた めにこれらのものが表に列挙さ れている。 本明細書に開示されるmplリガンド類似体をコードするDNA配列、好まし くはN−結合鎖のための追加の部位を有する類似体をコードするものも本発明に 含まれる。炭水化物のための結合部位を形成、欠失および/または変更させる目 的でmplリガンドDNA配列に変化を導入するために用いられる手順が、実施 例4および14に開示されている。 これらmplリガンド類似体は、外来性DNA配列の発現産物である、すなわ ち組み換えDNA技術により製造することができ、それらは化学的に合成された 生成物であってもよいし、または組み合わせた方法により製造されてもよい。外 来性DNA配列は、mplリガンド類似体をコードするcDNA、ゲノムDNA 又は化学合成DNAを含む。そのような類似体の発現のために有用な真核生物宿 主細胞および組み換えDNAプラスミドも提供される。発現ベクターは、真核生 物宿主細胞中においてクローン化DNA配列を発現することのできる任意のベク ター、特にCOSおよびCHO細胞中での発現に用いられるベクターを含む。そ のようなベクターの例は、プラスミドpDSRαおよびpDSRα2を含む(M ol.Cell.Biol. 第8巻:466〜472頁(1988年);WO91/13160(1991年 );およびWO90/14363(1990年)参照)。当業者に知られている 標準的手順により、mplリガンド類似体を発現するCOSおよびCHO宿主細 胞の培養を行った。 mplリガンドに結合している炭水化物鎖の数、型、位置または量を変化させ ることにより、増加した溶解性、タンパク分解に対するより大きな抵抗性、低下 した免疫原性、増加した血清半減期、および増加したまたは変化した生物学的活 性のような有利な性質が付与され得る。 mplリガンド類似体N2〜N15(N1はヒトmplリガンド1〜174; 表2参照)を発現するCOS細胞からのならし培地を、インビトロ生物学的活性 について分析し、結果を表4に示す。 mplリガンド類似体/切頭体N15〜N40を発現するCOS細胞からのな らし培地を、インビトロ生物学的活性について分析し、結果を表7に示す。 種々の型についてのインビボ生物学的活性の結果を図11に示す(実施例13 参照)。 本発明の別の実施態様は、1分子当たり特定数を超えるシアル酸を有する、例 えば、真核生物細胞中において天然にまたは組み換えにより生成されるmplリ ガンド1〜332、1〜199、1〜191、1〜183、1〜174、1〜1 63、1〜153、1〜152または1〜151において見られるよりも多くを 有するmplリガンドまたはmplリガンド類似体を優先的に合成する哺乳動物 (例えば、チャイニーズハムスター卵巣:CHO)宿主細胞に関する。 類似体N4およびN15のインビトロ活性を、CHO細胞中に発現される全長 および種々の切頭型種のインビトロ活性と共に表5に示す。 mplリガンド分子のシアル酸含量は、そのインビボ生物学的活性に影響を与 え得る。例えば、テトラアンテナリィ(4分岐)N−結合型オリゴ糖は、最も一 般的に、シアル酸結合のための4つの可能な部位を提供し、一方アスパラギン結 合部位においてテトラアンテナリィ型に取って代わり得るバイアンテナリィおよ びトリアンテナリィオリゴ糖は、一般的に、せいぜい2つまたは3つの結合シア ル酸しか有さない。O−結合型オリゴ糖は一般的にシアル酸結合のための二つの 部位を提供する。 すなわち、O−結合型炭水化物に取って代わったN−結合型炭水化物を有するm plリガンド分子は、N−結合型オリゴ糖がテトラアンテナリィであるならば、 鎖当たり二つの追加のシアル酸を含み得る。テトラアンテナリィ鎖を選択的に組 み換えmplリガンドに付加し、それによりシアル酸結合部位の数を最大にする 細胞について培養哺乳動物細胞をスクリーニングした。 ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)を欠くチャイニーズハムスター卵巣( CHO)細胞が、組み換えmplリガンドを含む組み換え糖タンパクの生成のた めに一般的に用いられる宿主細胞である。 本発明の治療的に有効量のmplリガンド類似体を、mplリガンド療法にお いて有用な適当な希釈剤、アジュバントおよび/または担体と共に含む組成物も また、本発明に含まれる。本明細書で用いられる“治療的に有効量”とは、所定 の条件および投与計画に治療的効果を提供する量を意味する。 本発明の組成物は、非経口的に全身的に投与することができる。あるいは、組 成物を静脈内または皮下に投与することができる。全身的に投与するときに、本 発明で用いられる治療組成物は、発熱因子を含まない非経口的に許容され得る水 溶液の形 態とし得る。pH、等張性、安定性等に関して薬学的に許容できるタンパク溶液 の調製は、当分野の技術内のことである。選択される特定の投与経路は、治療さ れる症状による。mplリガンドまたはmplリガンド類似体の投与は、好まし くは、ヒト血清アルブミンのような適当な担体、緩衝塩溶液のような適当な希釈 剤、および/または適当なアジュバントを含む製剤の一部として行われる。必要 な投与量は、患者の血小板レベルを上昇させるのに充分な量であり、治療される 症状の重さ、および使用される投与方法等により変化する。 本発明の方法および組成物により治療すべき症状は、通常、存在する巨核球/ 血小板欠乏または将来の予想される巨核球/血小板欠乏(例えば、予定されてい る手術のために)を含むものである。そのような症状は、通常は、インビボにお ける活性mplリガンドの欠乏(一時的または永久的)の結果である。血小板欠 乏の一般的用語は、血小板減少症であり、本発明の方法および組成物は、通常、 血小板減少症の治療に利用できる。 血小板減少症(血小板欠乏)は、化学療法、骨髄移植、種々の薬剤を用いる他 の療法、放射線治療、手術、事故による出血および他の特定の病状を含む種々の 理由に起因する。血小板減 少症を含み本発明により治療され得る特定の病状としては、例えば、再生不良性 貧血、突発性血小板減少症、血小板減少症につながる転移性腫瘍、全身性紅斑性 狼そう、巨脾腫、ファンコーニ症候群、ビタミン12欠乏、葉酸欠乏、メイ−ヘ グリン異常、ヴィスコット−オールドリッチ症候群、および発作性夜間血色素尿 症を含む。また、AIDSのためのある治療は血小板減少症(例えばAZT)に つながる。特定の創傷の癒合障害も血小板数の増加により有利となる。 例えば将来の手術または将来の血小板減少症誘発治療による予想される血小板 欠乏に関して、本発明のmplリガンド類似体を、血小板が必要となる数日〜数 時間前に投与することができる。急性の状況、例えば、事故による大量の出血に 関して、mplリガンド類似体を血液または精製血小板と共に投与することがで きる。 前記疾病の治療のための方法に含まれる投与計画は、薬剤の作用を変える種々 の因子、例えば、患者の年齢、症状、体重、性別および食事、感染の重さ、投与 時間、および他の臨床的因子を考慮して担当医により決められる。通常、一日の 投与量は、体重1kg当たりmplリガンド類似体0.01〜1000μ g、好ましくは体重1kg当たり0.1〜10μgである。 本発明の治療法、組成物およびポリペプチドを、他の症状により特徴付けられ る病状および血小板欠乏の治療において、単独でまたは他のサイトカイン、可溶 性mpl(すなわちmplリガンド)レセプター、造血因子、インターロイキン 、成長因子または抗体と組み合わせて用いることができる。mplリガンド類似 体分子が、IL−3またはGM−CSFのような通常の造血刺激剤と組み合わせ て、ある状態の血小板減少症を治療するのに有用であることが明らかである。他 の巨核球刺激因子、すなわち、meg−CSF、幹細胞因子(SCF)、白血病 抑制因子(LIF)、オンコスタチンM(OSM)、または巨核球刺激活性を有 する他の分子も、mplリガンドと一緒に用いることができる。そのような同時 投与のためのサイトカインまたは造血因子の更なる例は、IL−1アルファ、I L−1ベータ、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−1 1、コロニー刺激因子−1(CSF−1)、GM−CSF、顆粒球コロニー刺激 因子(G−CSF)、EPO、インターフェロン−アルファ(INF−アルファ )、INF−ベータ、またはINF−ガンマを含む。巨核球がいったん成熟状態 に達 すると巨核球を血小板に断片化する効果を有すると思われる可溶性哺乳動物Mp lレセプターの有効量を同時にまたは連続的に投与するのが、さらに有用であり 得る。すなわち、mplリガンド類似体を投与(成熟巨核球の数を増やすために )し、続いて可溶性mplレセプターを投与(類似体を不活性化し成熟巨核球か ら血小板を産生させるために)することは、血小板産生を刺激する特に有効な手 段であることが期待される。前述の投与量は、治療組成物中のそのような追加の 成分を補うように調整される。治療した患者の経過は、一般的方法によりモニタ ーすることができる。 例えば活性、安定性、半減期等を向上させるために本発明の類似体の更なる変 更を行うこともできる。例えば、タンパク上のアミノ基を介してまたは炭水化物 基を介してmplリガンド類似体にペグ化(pegylation)(ポリまた はモノ)を付加することができる。また、脂肪酸または他のポリマーをタンパク または炭水化物基に結合することができる。 以下の実施例は、本発明をより詳しく説明するために提供されるが、本発明の 限定を意図するものではない。実施例で用いられるバイオアッセイで使用される mplリガンド標準は、E. coli中に発現され、再び活性構造に折り畳まれ、精製された組み換えmpl リガンド標準である。すなわち、相対的比活性のみが測定される。 実施例1 Mplリガンド1〜174の構築 ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により、ヒト胎児肝臓cDNAライブラリー (バートレイ(Bartley)らのCell第77巻:1117〜1124頁 (1994年))から図2のアミノ酸1〜174(S−P−A−P−P−A.. からはじまる)をコードするヒトmplリガンド遺伝子を生成した。5’PCR プライマーは、ヒトmplリガンドのアミノ末端、XbaI部位および最適化K ozak配列をコードした。3’プライマーは、終止コドンおよびSalI制限 部位を含んでいた。増幅したDNAフラグメントをXbaIおよびSalIで消 化し、次にXbaIおよびSalIで切断したpDSRα2に連結した。得られ たプラスミドであるpDSRα2mplリガンド1〜174を、哺乳動物細胞発 現のために用いた。得られる遺伝子(シグナルペプチドを含む)の配列を図2に 示す。 mplリガンド1〜174を含むプラスミドDNAをXba IおよびSalI制限酵素で消化し、得られるDNAフラグメントをアガロース ゲル電気泳動に付し、GeneCleanTMキットおよび製造者(BIO 10 1社)により提供される手順を用いてゲルから605nt mplリガンド1〜 174DNAフラグメントを単離した。WO90/14363(1990年)に 記載のプラスミドpDSRα2もXbaIおよびSalI制限酵素で消化し、ベ クターフラグメントを回収した。二つのフラグメントの連結によりpDSRα2 (mplリガンド1〜174)が得られる。 実施例2 CHO細胞中におけるmplリガンド1〜174の発現および 精製 ジヒドロ葉酸リダクターゼ欠乏(DHFR-)チャイニーズハムスター卵巣( CHO)細胞をpDSRα2−mplリガンド1〜174でトランスフェクショ ンした。CHO D-培地(DMEM、10%牛胎児血清、1%ペニシリン/ス トレプトマイシン/グルタミン、1%非必須アミノ酸(ギブコ社(Gibco) 製)および1%HT助剤(ギブコ社製))中で成長させた1×106CHO D HFR-細胞を、トランスフェクショ ンの前日に100mm組織培養皿にプレーティングした。4つのトランスフェク ションを行った。4つの各トランスフェクションにおいて、PvuIおよび緩衝 液H(ベーリンガーマンハイム社(Boehringer Mannheim) 製)で消化することによりプラスミドDNA(50μg)を線状化した。DNA 沈殿物を形成し、哺乳動物細胞トランスフェクテョンキット(Specialt y media)によりプレートに滴加した。組織培養培養器内で24時間後、 培地を新しいCHOD-培地で置き換えた。24時間後、ウエル当たりCHO選 択培地(D−MEM、5%透析牛胎児血清、1%ペニシリン/ストレプトマイシ ン/グルタミン、1%非必須アミノ酸(ギブコ社(Gibco)製))100μ lと共に細胞を96ウエル組織培養プレートに分け、形質転換株を選択した。コ ロニーが出現するまで培地を1週間毎に変えた。2週間後、以下の32D細胞増 殖アッセイ(実施例9参照)の使用についてmplリガンド発現をスクリーニン グした。1×105単位/mlを越えて発現されるこれらのクローンを増やし、 凍結貯蔵器内で凍結した。一つのクローンをローラー瓶製造のために増やし、な らし培地約8リッターを製造した。 mplリガンド1〜174cDNAを含むプラスミドpDSRα2を前述のよ うにDHFR欠損CHO細胞中にトランスフェクションした。mplリガンド1 〜174を発現するCHO細胞を接種したローラー瓶からの血清非含有CHO細 胞ならし培地(50%D−MEM、50%HAMS−F12、1%ペニシリン/ ストレプトマイシン/グルタミン、1%非必須アミノ酸(ギブコ社(Gibco )製)2リッターを、2Lアミコンモデル2000攪拌セルおよび10000ダ ルトン分子量カットオフ薄膜(YM10、アミコン社(Amicon)製)を用 いて15倍に濃縮した。次に、濃縮したならし培地45mlを、ファーマシア社 (Pharmacia)製FPLCを用いて流速0.4ml/分で4ml hu −MPL−Xアフィニテイカラムに直接負荷した。アフィニテイカラムは、ファ ーマシア社製CNBr活性化セファロース(Sepharose)樹脂1ml当 たり1.5〜2.5mgのMpl−X(mplレセプターの可溶性細胞外ドメイ ン)を製造者に指示されるように結合することにより作製した。負荷後、カラム を燐酸塩緩衝塩水(PBS:10mM Na・PO4 pH6.8/150mM NaCl)16mlで洗い、次に、10mM Tris、pH 8.0/1M NaClの24mlで洗った。mplリガンド(1〜174)を 、20mM CAPS(3−[シクロヘキシルアミノ]−1プロパンスルホン酸) pH10.5/1M NaCl/5mM CHAPS(3−[(3−コルアミド プロピル)ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホネート)の40mlで6 mlずつの分画量で溶離した。第2のフラクションは14%SDSゲル上にシン グルバンドを形成した。この物質を濃縮し、0.9%NaClの塩溶液で緩衝液 交換すると、インビトロ及びインビボで生物学的に活性であった。他の型のCH O細胞発現mplリガンドを同様にして精製した。 実施例3 組み換えヒトmplリガンドのインビボ生物学的活性 種々の型のmplリガンドで処理したマウスからの血小板数を測定した。CH O由来mplリガンド1〜332、1〜174、1〜163および1〜153を 製造し、Mplレセプター親和性クロマトグラフィーにより精製した。E.co li由来Met−Lys−mplリガンド1〜332、Met−Lys−mpl リガンド1〜174、Met−Lys−mplリガンド1〜163およびMet −Lys−mplリガンド1 〜153を製造し、従来のクラマトグラフィーで精製した。 図4は、種々の型のCHO細胞由来(実線)またはE.coli由来(破線) 組み換えヒトmplリガンドで処理したマウスからの血小板数を示す。正常な雌 のBalb/cマウスに示された濃度のmplリガンドを5日間連続して皮下注 射した。最後の注射から24時間後に尾静脈の横の小さな切り口から試験血液を 採血した。シスメックス(Sysmex)電気血球分析機(カリフォルニア州ア ーヴィン在バックスター・ダイアグノスティクス社(Baxter Diagn ostics,Inc.)製)を用いて血球分析を行った。データは、4匹の動 物の平均値に平均の+/−標準誤差を付して表す。合計白血球数または赤血球数 のような他の血球パラメーターは、これらの処理により影響を受けなかった(デ ータは示さない)。 結果は、CHO細胞発現型mplリガンドが、E.coli中で製造した同じ 型のmplリガンドと比べて増加したインビボ活性を有することを示している。 実施例6において示されるように、CHO細胞発現型mplリガンドは全てN− および/またはO−結合型炭水化物を含み、E.coli発現mplリガンド型 のものはそのような炭水化物を含まない。これは、炭 水化物がmplリガンドのインビボ活性を高めることを示している。炭水化物に より付与された増加したインビボ活性は、増加した循環半減期、増加した安定性 または両者の組み合わせの結果であり得る。 実施例4 mplリガンド類似体N2〜N15の構築 mplリガンドのための追加のグリコシル化部位を生成させる手順を以下に記 載する。 以下のオリゴヌクレオチドプライマーを合成してインビトロ変異誘発に用いて 類似体N2〜N14を製造した(これらの類似体の構造については表1参照)。 m13mp18 mplリガンド1〜174を構築するために、図2の遺伝子 を、XbaIおよびSalI制限酵素消化m13mp18DNA中に導入した。 クンケル(Kunkel)らのMethods in Enzymol.第15 4巻:367頁(1987年)およびメシング(Messing)のMetho ds in Enzymol.第101巻:20頁(1983年)に記載されて いるようにして、m13mp18(mplリガンド1〜174)により感染され たE.coli菌株RZ1032の上澄みから一本鎖DNAを回収した。インビ トロ変異誘発のために、一本鎖DNA約0.5μgおよび前記合成プライマーの 一つ0.125pmoleを緩衝液(250mMTris pH7.8、50m M MgCl2、50m Mジチオスレイトールおよび1%牛血清アルブミン(BSA−ファーマシア社製 ))6μlと混合した。プライマーを、添加前にATPおよびT4ポリヌクレオ チドキナーゼで予めキナーゼ処理した。プライマーを鋳型にアニーリングするた めに、反応容積を水で10μlに調節し、混合物を65℃で5分間加熱し、次に 室温まで冷却した。伸長反応のために、dTTP、dATP、dGTPおよびd CTPの各2.5μlとATP1mlを(全て10μMで)添加し、続いてE. coliDNAポリメラーゼ(Klenowフラグメント)1μl(1単位)お よびT4DNAリガーゼ1μl(1単位)を添加した。次に混合物を14℃で一 晩インキュベートし、それを用いてE.coliJM109(ヤニッシュ−ペロ ン(Yanisch−Perron)らのGene第33巻:103頁(1985 年))を前述(前記メシング)のように形質転換した。 異なるハイブリッド化(differential hybridization)により突然変異クロー ンを同定するために、栄養寒天上のプラクをジーンスクリーンフィルター(ニュ ー・イングランド・ニュークリアー社(New England Nuclea r)製)に移した。DNAを、UVストラタリンカー(Stratal inker)モデル1800(ストラタジーン社(Stratagene)製) 内で自己架橋モードを用いて照射することによりフィルターに架橋させた。次に それらを、1%SDSを含む6×SSC(0.9M NaCl/0.09M N a・クエン酸塩)内において60℃で1時間インキュベートした。ハイブリッド 化のために、前記オリゴヌクレオチドプライマー(8pmole)の末端をT4 ポリヌクレオチドキナーゼおよびγ32P−標識ATPで標識し、6×SSC、 0.5%SDSおよびニシン精子DNA125μg/ml内でフィルターと一緒 に一晩インキュベートした。ハイブリッド化温度は、オリゴヌクレオチド融点の 推定値により選んだ。通常、ハイブリッド化温度は、融点より約10℃低くした 。翌日、フィルターを、ハイブリッド化温度で6×SSC/1%SDSにより2 回洗い、続いてハイブリッド化温度で6×SSCにより2回洗い、オートラジオ グラフィーに付した。必要な場合、野生型mplリガンドcDNA配列を有する プラークへのハイブリッド化が殆どまたは全く検出されなくなるまで温度を上昇 させながらフィルターを6×SSCで洗った。これらの条件下に陽性のハイブリ ッド化シグナルを出すクローンを同定し、再度JM109中に トランスフェクションして純水なクローンを単離した。ジデオキシ鎖終止配列分 析は、突然変異が存在することを示した。 所望の変化を有する二本鎖m13 mplリガンド1〜174DNAを、QI AGENキット(カリフォルニア州在チャッツワース社(Chatsworth )製)で製造社により提供された方法を用いて、トランスフェクションされたJ M109細胞から回収した。DNAをXbaIおよびSalIで消化し、605 bp mplリガンドDNAフラグメントを単離した。pDSRα2をXbaI およびSalIで消化した。ベクターフラグメントを単離し、前記mplリガン ドフラグメントに結合させた。組み換えプラスミドを制限分析により同定した。 得られるプラスミド(mplリガンド1−174−NX(NXは類似体番号)と 表される)は、示された位置に変更されたアミノ酸残基を有するmplリガンド 類似体をコードするDNAを含む。次に得られるプラスミドを再度配列決定して 所望突然変異の存在を確認する。 30位および120位に二つの追加のN−結合型グリコシル化部位を有する類 似体N15を構築した。Asn30およびThr32突然変異を含むpDSRα 2mplリガンド174 −N4を、XbaIおよびPstI制限酵素で消化し、約385ntDNAフラ グメントを単離した。Asn120およびThr122突然変異を含むpDSR α2mplリガンド174−N10を、PstIおよびSalI制限酵素で消化 し、約220ntDNAフラグメントを単離した。pDSRα2を、XbaIお よびSalIで消化した。ベクターフラグメントを単離し、前記mplリガンド フラグメントに連結した。これにより、Asn30、Thr32、Asn120 およびThr122置換を含むpDSRα2mplリガンド174−N15が得 られる。 これらの一般的手順を用いて表1に示すmplリガンド類似体を構築した。各 々の類似体についてのDNA配列の変化を示す;あるいは変異誘発のために用い られるオリゴヌクレオチドプライマーがヒトmplリガンドの配列に相補的な配 列を有していた。 註:類似体N2〜N15をここで同義的に類似体2〜15と呼ぶ。さらに、本明 細書中で用いられているように、例えば、[Asn22]mplリガンドは、好まし くは少なくとも図1のアミノ酸7〜151を有するヒト配列(先に示した好まし いヒトmplリガンド配列を含む)である、考慮される特定のmplリガンド種 中の22位においてアミノ酸の代わりにアスパラギン酸が置換されていることを 示している。すなわち、mplリガンド1〜174(ヒト配列)の22位におい てロイシン残基の代わりにアスパラギン残基を置換することによって、[Asn2 2 ]mplリガンド1〜174により表され得るmplリガンド類似体が得られる 。 pDSRα2 1−174−NX(ここでNXは類似体番号)と示されるプラ スミドは、mplリガンドDNAをpDSRα2に挿入することにより構築され た。発現ベクターpDSRα2は、WO90/14363(1990年)に一般 的に記載されている。pDSRα2をXbaIおよびSalIで消化することに よりpDSRα2 mpl-リガンド1−174−NXプラスミドを形成した。 ベクターフラグメントを単離し、所望の配列を含む約605bpフラグメントに 連結する。 実施例5 COS細胞中におけるmplリガンドおよびmplリガンドN 1〜N15の発現 表1に記載されているmplリガンド類似体およびヒトmplリガンドのcD NAクローンを、電気穿孔法によりCOS−1細胞(ATCC No.CRL− 1650)中に移入した。COS−1細胞を半集密化した培養皿から採取し、培 地(10%牛胎児血清および1%L−グルタミン/ペニシリン/ストレプトマイ シン(アービン・サイエンティフィック社(Irvine Scientifi c)製)を含むダルベッコ(Dulbecco)の改良必須培地)で洗い、6× 106細胞/mlに再懸濁させた。細胞0.5mlを0.2cm電気穿孔キュベ ット(バイオ−ラッド社(Bio−Rad)製)に移し、BTX電気穿孔システ ムエレクトロセルマニピュレーター600を用い、mplリガンド類似体をコー ドするプラスミドDNA50μgで電圧を低く設定して、650μFおよび13 0ボルトで電気穿孔した。電気穿孔細胞を、培地10ml中で100mm組織培 養皿にプレーティングした。プレーティングしてから12〜24時間後、培地を 新しい培地10mlで置き換えた。 ならし培地を、電気穿孔後3〜5日に採取した。 実施例6 mplリガンドおよびmplリガンドN1〜N15の特徴付け A.炭水化物付加の測定 実施例5に記載のmplリガンド類似体cDNAでトランスフェクションした COS細胞からのmplリガンド類似体またはmplリガンド約30〜60ng を含む上澄みを、ウサギ抗mplリガンドポリクローナル抗体を用いて、室温で 一晩免疫沈殿させた。発現が低い場合、免疫沈殿において約8〜9mlの最大体 積を用いた。抗体は、E.coliから発現され精製されたmplリガンド1〜 163に対するものであった。0.1%アジ化ナトリウムを含む燐酸塩緩衝塩水 (PBS)中の1:1タンパクA−セファロース30μlを免疫沈殿に添加し、 室温で1時間インキュベートした。サンプルを遠心分離し、PBSで洗い、SD Sサンプル緩衝液(0.125M Tris−HCl pH6.8/4%SDS /20%グリセロール/10%β−メルカプトエタノール/0.001%ブロモ フェノールブルー)中に再び懸濁させた。そのサンプルを12%SDS−ポリア クリルアミドゲル電気泳動により分析し、ニトロセ ルロースに移し、合成mplリガンドペプチド(例えば図1のアミノ酸残基47 〜62に相当する)に対するマウス抗mplリガンドモノクローナル抗体を用い て前記ウエスタン分析(ブルネット(Burnette)らのAnal.Bio chem.第112巻:195〜203頁(1981年);エリオット(Ell iott)らのGene第79巻:167〜180頁(1989年))に付した 。バンドを含むmplリガンドをECLキット(アマーシャム社(Amersh am)製)を用いて視覚化した。 図5は、類似体N4、N7およびN10DNAでトランスフェクションした細 胞からのCOS細胞上澄みがヒト配列mplリガンド174(N1)と比べて寸 法(size)が大きくなっていることを示している。図6は、類似体N13、N1 4およびN4DNAでトランスフェクションした細胞からのCOS細胞上澄みも ヒト配列mplリガンドと比べて寸法が大きくなっていることを示している。こ の寸法増加は、付加的N−結合型炭水化物鎖を示している。N15は、二つの付 加的N−結合型グリコシル化部位を含む。図6は、ただ1つの付加的N−結合型 グリコシル化を含む類似体より大きな寸法を有する物質をこの 類似体が有することを示している。タンパクの寸法は、分子量が既知のタンパク 標準と比べた、SDS−PAGE上での移動度から推定した。図6から計算され たより大きなバンドの推定寸法を表2に示す。この結果は、N15が二つの付加 的N−結合鎖を含むことを示している。他の選択された類似体のウエスタンブロ ット分析を図6に示す。 mplリガンド類似体の寸法増加がN−結合型炭水化物によることを示すため に実験を行った。mplリガンドを含む COS細胞ならし培地を免疫沈殿させ、前述のようにPBSで洗った。次に各チ ューブに0.5%SDS10μlを加え、各サンプルを3分間沸騰させた。次に 以下の成分を添加した:10.8μlの0.5M NaPO4 pH8.6、5 mlの7.5%ノニデット(nonidet)P40および3μlの250単位 /ml N−グリカナーゼ(ゲンザイム社(Genzyme)製)。N−グリカ ナーゼ処理はN−結合型炭水化物を除去する。サンプルを37℃で6時間インキ ュベートした。SDS−PAGEサンプル緩衝液の添加により反応を停止し、次 に、抗mplリガンドモノクローナル抗体および前記抗マウスECLウエスタン 検出キット(アマーシャム社製)を用いてSDS−PAGEウエスタン分析(1 2%アクリルアミド)に付した。この方法を用いるN−結合鎖の分析を、ヒトm plリガンドおよびmplリガンド類似体について図7に示した。N−グリカナ ーゼでの処理後、N4、N7およびN10についてのウエスタンブロット上での 移動度はN1の移動度まで低下した。予想されるように、N1はN−結合型グリ コシル化部位を有さないのでN−グリカナーゼによるN1の処理は、移動度に影 響を与えなかった。これらの結果は、観察される寸法増加が N−結合型炭水化物の付加によるものであることを示している。 B.mplリガンド上のO−結合型炭水化物の分析 O−結合型炭水化物のヒトmplリガンドへの寄与を分析するために、前述の CHO細胞ならし培地から種々の型のタンパクを精製した。それぞれが、O−グ リカナーゼ(グリコペプチドアルファ−N−アセチルガラクトースアミニダーゼ 、オックスフォード・グリコシステムズ(Oxford GlycoSyste ms)による+/−処理を受けた。O−グリカナーゼは糖タンパクからO−結合 型炭水化物を除去する。それぞれの型のE.coli発現バージョンを、非グリ コシル化対照として用いた。O−結合型炭水化物に起因する分子量の相違を解決 するために、まずN−結合型炭水化物を除去する必要があった。全長バージョン であるmplリガンド1〜332はN−結合型炭水化物を含むので、N−グリカ ナーゼ処理が一晩のインキュベーションであること以外はCOS細胞発現mpl リガンド類似体について前述したように、CHO細胞発現全長サンプルに、N− グリカナーゼ(ペプチド−N4−(N−アセチル−ベータ−グルコサミニル)ア スパラギンアミダーゼ)処理を行った。 全長(1〜332)mplリガンドについてO−グリカナー ゼ処理を進める前に、サンプルのpH範囲を、100mM酢酸1/15容、pH 2.2を用いてpH6.0〜7.0に調節した。SDS中で3分間沸騰すること によりタンパク1μgを変性し、1mM酢酸カルシウム、pH6.8中の1U/ mlノイラミニダーゼ(Arthrobacter urefaciens由来 のシアリダーゼ、ベーリンガーマンハイム社製)および20mM燐酸ナトリウム 、pH6.8を用いて37℃で60分間インキュベートした。 次に、最終容量が100μlになるように5mUの酵素を添加することにより O−グリカナーゼによる処理を行い、続いて37℃で一晩インキュベートした。 SDS−PAGE(15%アクリルアミド)でタンパク(0.2μg/レーン) を分離した。0.2μmのニトロセルロースに移し、抗mplリガンドポリクロ ーナル抗体で一晩インキュベートした後、mplリガンドタンパクを、抗ウサギ ECLウエスタン検出キット(アマーシャム社製)を用いて視覚化した。 図3は、4つの異なる型のヒトmplリガンドのウエスタンブロットを示す。 全長mplリガンド1〜332をレーン1〜3に、mplリガンド1〜174を レーン4〜6に、mplリ ガンド1〜163をレーン7〜9に、およびmplリガンド1〜153をレーン 10〜12に表す。レーン2、5、8および11に示されるノイアミニダーゼお よびO−グリカナーゼでの処理は、レーン3、6、9および12の非グリコシル 化物質より分子量を低下させた。全ての場合において、移動度が、E.coli 中に発現される非グリコシル化バージョンよりも増加した。これらの結果は、レ ーン1、4、7および10のより大きな寸法のバンドがO−結合型炭水化物によ ることを示している。各バンドの分子量は、分子量の知られているタンパクの移 動度と比較することにより推定した。 異なるタンパクの推定分子量を示す表3に見られるように、移動度のみかけの シフトは、mplリガンド1〜332について14個ものO−結合型炭水化物鎖 (おそらく950ダルトン/鎖)、mplリガンド1〜174について9個の鎖 、mplリガンド1〜163について4個の鎖、およびmplリガンド1〜15 3について2個の鎖を説明できる。レーン2におけるサンプルランは全長mpl リガンド1〜332である。おそらく37℃でのグリコ酵素中での延長されたイ ンキュベーションのために、このタンパクが分解されたことが明らかである。従 って、レーン3におけるE.coli発現非グリコシル化バージョンを用いて、 CHO細胞発現mplリガンド1〜332に付加されたO−結合型炭水化物のお よその分子量を計算した。 これらの結果は、全てのCHO発現型の試験したmplリガンド上の炭水化物 の存在と一致する。単糖組成物の直接分析によりCHO細胞発現mplリガンド 1〜332、1〜174および1〜163についてO−結合型炭水化物の存在を 確認した。酸加水分解によりシアル酸、GalNAcおよびGalを糖タンパク から分離した。高速アニオン交換クロマトグラフィーおよびパルス電流滴定検出 により単糖を検出した。各型のmplリガンドにおいて全部で三つの糖を検出し た。この結果は、O−結合型炭水化物を含むシアル酸の存在を示している。この ータは、CHO細胞発現型のmplリガンドが全て、E.coli中で発現され た対応する型よりもインビボでより活性である図4に見られるインビボデータと 相関する。すなわち、炭水化物の存在はmplリガンドのインビボ活性を高める 。 実施例7 mplリガンドELISAアッセイ ポリクローナル抗体の作製−−ニュージーランド白ウサギを、E.coli中 で製造された組み換えヒトmplリガンド1〜163を用いて3ケ月間、過免疫 化した。高抗体力価を示す6匹のウサギからの抗血清を貯留し、特異的抗mpl リガンド抗体をアフィニティ精製した。 アフィニティ精製−−組み換えヒトmplリガンド1〜163を、製造者の指 示に従ってActigel−ALD(ステロジーンバイオセパレーションズ社( Sterogene Bioseparations,INC)製)に共有結合 させた。ウサギ抗血清の一部をmplリガンドアフィニティゲルに添加し、スラ リーをロッカープラットフォームで一晩4〜8℃で穏やかに撹拌した。非結合血 清タンパクを、ゲル床からPBSで洗い、次に特異的に結合した抗mplリガン ド抗体をイムノピュアジェントルAg/Ab溶離緩衝液(ピアースケミカル社( Pierce Chemical Co.)製)で溶離した。回収された抗体を 数回交換したPBSで透析し、次に抗体溶液をアミコン撹拌セル限外濾過装置で 濃縮し、得られた抗体濃縮物を特異的抗mplリガンド抗体の供給源として、続 いてウエル被覆および酵素結合体調製に用いた。 ELISA試薬−−イムロン4リムーブウエルストリップ(ダイナテックラボ ラトリーズ社(Dynatech Laboratories,Inc.)製) をアフィニティ精製したウサギ抗mplリガンド抗体で被覆した。アフィニティ 精製抗体を0.1M重炭酸ナトリウム(pH約8.2に新しく調製) で2.5μg/mlの濃度に希釈した。各ウエルに100μlの抗体を入れ、密 閉し加湿したチャンバー内でプレートを室温で24時間インキュベートした。次 に、TEN(50mM Tris7.4/10mM EDTA/150mM N aCl)中の1%牛胎児血清5%スクロースからなるブロッキング溶液200μ lを各ウエルに添加し、密閉し加湿したチャンバー内でプレートを室温でさらに 24時間インキュベートした。併せた被覆およびブロッキング溶液をウエルから 除去した。さらなる過被覆/ブロッキング工程はPBS中スーパーブロックブロ ッキング緩衝液(ピアースケミカル社(Pierce Chemical Co .)製)300μlを各ウエルに添加することを含んだ。室温で約5分間放置し た後、この溶液を除去し、ウエルを室温で24時間風乾させた。mplリガンド ELISAで使用するまで、被覆ウエルを密封プラスチック袋内に4〜8℃で貯 蔵した。 貯留ウサギ抗血清からのアフィニティ精製抗mplリガンド抗体を西洋ワサビ ペルオキシダーゼ(HRPO)に共有結合させてシグナル発生抗体として用いた 。アフィニティ精製抗体を、イミノチオレーンHCl(フルカケミカル社(Fl uka Chemical Corp.)製)で誘導体化した。別途、HRPOを、N− スクシンイミジル6−マレイミドカプロエート(フルカケミカル社(Fluka Chemical Corp.)製)で誘導体化した。二つの活性化タンパク を併せて共有結合させた。次に反応混合物をクロマトグラフィーにかけてFPL Cスパロース(Superose)6(ファーマシア社(Pharmacia) 製)カラム内を流下させて、所望の分子量(すなわち約200kD)の抗体:H RPO結合体を単離した。所望の結合体を含むフラクションを併せ、セントリコ ン(Centricon)30(グレース社(W.R.Grace & co. )アミコン部製)中で濃縮し、−20℃で50%グリセロール溶液として貯蔵し た。この抗mplリガンドAb:HRPO濃縮物をPBS中2%牛胎児血清中に 希釈してELISAで使用した。ELISAで使用した結合体の最終濃度は25 0〜500ng/mlであった。 E.coli細胞中で製造した組み換えヒトmplリガンド1〜163を標準 の調製に用いた。このmplリガンドを、防腐剤として0.05%チメロサール を含むTEN緩衝液中の2%牛胎児血清(シグマケミカル社(Sigma Ch emi cal Co.)製)中に希釈した。調製した標準は1.0、0.5、0.25 、0.125および0.062ng/mlのmplリガンドを含んでいた。 アッセイ−−mplリガンド標準又はサンプル100μlをウエルに添加し、 次に密封し加湿したチャンバー中で室温で18〜24時間インキュベートした。 次にウエルの内容物と残留溶液を除去し、ウエルを洗浄溶液(TEN緩衝液中0 .05%Tween20)で一度洗浄した。抗mplリガンドAb:HRPO結 合体溶液(100μl)を各ウエルに添加し、次に密封した加湿チャンバー中で 室温で2時間インキュベートした。ウエルの内容物を除去し、次にTEN緩衝液 中の0.05%Tween20で4回洗浄した。 発色のために、TBS/過酸化物基質溶液(Kirkegaard & Pe rry溶液A&B混合1:1)100μlを添加し、室温で20分インキュベー トした。停止溶液100μl(0.5N硫酸)を添加することにより反応を停止 し、マイクロタイタープレートリーダーにより450nmで吸光度を読んだ。曲 線適合プログラムを用いて作成した標準曲線からサンプル中のmplリガンド濃 度を計算した。 実施例8 短時間液体培養巨核球アッセイにおけるmplリガンド1〜 174類似体の生物学的活性 前述のようにしてmplリガンド1〜174の類似体を調製し、液状培養中で の巨核球の成長を刺激する能力を検定した。ヒト白血球搬出装置(ニコル(Ni chol)らのStem Cells第12巻:494〜505頁(1994年 ))から単離したCD34選択細胞を培地(IMDM/1%Pen−Strep グルタミン/1%非必須アミノ酸/1%MEMピルビン酸ナトリウム/1%ME Mビタミン/10%脱イオンBSA/10%正常ヒトAB血漿/10μMアルフ ァ−チアシルグリセロール/20μg/ml L−アスパラギン)に2×105 /mlでプレーティングした。さらに、mplリガンド(1〜174)またはm plリガンド1〜174類似体を含むCOS−1ならし培地1.5μlを各ウエ ルに添加した。最終容積は、テラサキ型マイクロタイター組織培養プレート(ヴ ァンガードインターナショナル社(Vangard Internationa l)製)中で15μlとした。細胞を、5%CO2中加湿箱内で37℃にて8日 間培養し、1%グルタルアルデヒドで 培養ウエルに直接固定し、次に、抗−GPIb、抗−GPIIb(バイオデザイ ン社(Biodesign)製)および抗−GPIb(カリフォルニア州カルピ ンテリア在ダコ社(Dako)製)からなるモノクローナル抗体カクテルと一緒 にインキュベートした。ストレプトアビジン−β−ガラクトシダーゼ検出装置( HistoMark、Kirkegaard and Perry)を用いて免 疫反応を発色させた。より濃い色(実際の写真では青色)で確認された巨核球が 図8に見られる。 図8のパネルAおよびDは、それぞれ陽性および陰性の対照である。パネルA に示すウエルには、37.5pgの野生型mplリガンド1〜174COS−1 ならし培地を入れ、実質的な巨核球成長を示す。パネルDには、1.5μlのC OS−1mockならし培地を入れたが、成長を示さない。図8のパネルBおよ びCは、それぞれmplリガンド1〜174類似体N7およびN10である。パ ネルBには、9.0pgのmplリガンドCOS−1ならし培地を入れ、パネル Cには27pgを入れ、両者は優れた巨核球成長を示す。 この実験は、試験したmplリガンドの類似体がインビトロでのヒト巨核球の 産生を刺激することができることを示してい る。 実施例9 インビトロ細胞増殖アッセイにおけるmplリガンド1〜17 4類似体の生物学的活性 前述のようにmplリガンド1〜174の類似体を調製し、32D−mpl細 胞の増殖を刺激する能力を検定した。32D−mpl細胞を構築するために、全 長ヒトmplレセプター配列(ヴィゴン(Vigon,I.)らのPNAS第8 9巻:5640〜5644頁(1992年)製)をモロニーマウス肉腫ウイルス の転写プロモーターを含む発現ベクターにサブクローニングした。この構築物6 μgおよび両栄養性レトロウイルスパッケージング構築物(ランドー(Land au,N.R.)、リットマン(Littman,D.R.)のJournal of Virology第66巻:5110〜5113頁(1992年))6 μgを、CaPO4哺乳動物トランスフェクションキット(ストラタジーン社( stratagene)製)を用いて3×106293細胞中にトランスフェク ションした。2日後に同じ細胞をトランスフェクションし、4日後に再度トラン スフェクションした。最後のトランスフェクション の後日、IL−3依存性マウス細胞系(32D、クローン23;グリーンバーガ ー(Greenberger)らのPNAS第80巻:2931〜2936頁( 1983年))を用いて293細胞を共培養した。24時間後、32D細胞を取 り出し、BSAグラジエント(Path−o−cyte;マイルス社(Mile s Inc.)製)中でバンド形成した。1ng/mlマウスIL−3中で細胞 を増やし、次に、20%APK9血清(バートレイ(Bartley)らのCe ll第77巻:1117〜1124頁(1994年))中での成長により選択し た。ポリクローナルウサギ抗ペプチド(MPL)血清を用いるFACSによりレ セプターの細胞表面発現について細胞を分類した。これらのサイトカイン依存性 マウス32D−mpl細胞はmplリガンドに反応性がある。10%胎児クロー ンII血清(ハイクローンラボラトリーズ社(Hyclone Laborat ories)製)および1.0ng/mlmuIL3を1×106細胞/mlの 細胞密度となるように含むMEM培地において32D−MPL細胞を成長させた 。細胞を遠心分離(約500XG)により収集し、muIL3を欠く成長培地で 2回洗浄し、1×105細胞/mlで再懸濁させた。 mplリガンド1〜163を用いて5000〜1pg/mlにわたる、12点 におよぶmplリガンド標準曲線を作成した。標準mplリガンドまたはアッセ イサンプルの各希釈液100μlを、再懸濁細胞100μl(10000細胞/ ウエル)を含む96ウエルマイクロタイター組織培養プレートの適当なウエルに 添加し、37℃および10%CO2の条件下に加湿培養器内で培養した。48時 間後、MTS試薬(水性非放射性細胞増殖キット、プロメガ社(Promega )製)40μlを各ウエルに添加し、14〜18時間後に、プレートリーダーで 490nMにてプレートを読んだ。サンプル中のインビトロ活性を、各サンプル についての用量応答曲線から計算した。1単位は、最大刺激の50%を提供する のに必要な各サンプル中のmplリガンドの量と定義される。比活性は、mpl リガンドELISAにより決められるmplリガンド濃度(ng/ml)で生物 学的活性(単位/ml)を割ることにより計算した。 トランスフェクションされCOS細胞中で発現されるmplリガンド類似体の 比生物学的活性を表4に示す。炭水化物付加に対するアミノ酸置換の効果も要約 する。精製ヒト配列mplリガンドは、前記アッセイにより決定される200〜 300単 位/ngであるインビトロ活性を有する。表4から、付加的炭水化物鎖(実施例 6のセクションAで決められる)、例えばN4およびN10を含んでいても、さ らなるN−結合型炭水化物を含むmplリガンド類似体、ならびに天然型配列m plリガンドが発現されることが明らかである。これらの類似体はともに、イン ビトロ生物学的活性も完全に維持していた。従って、N−結合型炭水化物を含む mplリガンド類似体が哺乳動物細胞において正常に発現され、それらは正常な または高められたインビトロ生物学的活性を有し得る。 注釈 (a)実施例6に記載されているようにSDSゲル中での類似体ポリペプチドの 移動度に基づき、付加的N−結合鎖の数を推定した。 (b)実施例に記載されているようにELISAアッセイにより、CHO細胞上 澄み中のmplリガンド類似体の量を決めた。 (c)成長についてmplリガンドに依存する32D細胞中でのチミジン取り込 みの刺激を測定することによりインビトロ活性を測定した。 (d)(増殖アッセイにより測定されるmplリガンド類似体のインビトロ活性 )対(mplリガンドELISAにより測定されるmplリガンド類似体の量) の比。 N.A.:入手せず。 実施例10 CHO細胞中での発現およびmplリガンド1〜174、N4 およびN15の精製 mplリガンド1〜174、N4およびN15cDNAを含むpDSRα2を 、実施例2に記載のプロトコールを用い、以下の変更を加えてDHFR−欠損C HO細胞中にトランスフェクションした。 各類似体について一回のトランスフェクションを行った。トランスフェクショ ンから3週間後、mplリガンドELTSAによりmplリガンド発現をスクリ ーニングした。各型について三つの発現クローンを凍結貯蔵した。各類似体につ いての最も高い発現クローンをローラー瓶製造のため増殖した。N4について、 ならし培地(50%D−MEM、50%HAMS−F12、1%ペニシリン/ス トレプトマイシン/グルタミン、1%非必須アミノ酸(ギブコ社(Gibco) 製))7.4リッターを製造し、N15について、ならし培地4.6リッターを 製造した。 mplリガンド1〜174(2.9L)、N4(7.4L)、N15(4.4 L)を発現するCHO細胞を接種したローラー 瓶からの血清非含有CHO細胞ならし培地を、S1Y10(10000ダルトン 分子量カットオフ)アミコン螺旋限外濾過カートリッジを用いて、それぞれ12 −、19−、および12−倍に濃縮した。次に、濃縮したならし培地150ml を、0.3ml/分の流速で3.3ml hu−MPL−X(レセプター)アフ ィニティカラムに直接負荷した。アフィニティカラムは、製造者により勧められ るように、ファーマシア製CNBr活性化セフアロース樹脂1ml当たりMpl −X(Mplレセプターの可溶性細胞外ドメイン)1.0〜1.5mgを結合さ せることにより構築した。負荷後、カラムを燐酸塩緩衝塩水(PBS:10mM NaPO4 pH6.8/150mM NaCl)30mlで洗浄し、次に1 0mM Tris、pH8.0/1M NaCl/1mM CHAPS60ml で洗浄した。mplリガンド1〜174を、20mM CAPS(3−[シクロ ヘキシルアミノ]−1 プロパンスルホン酸) pH10.5/1M NaCl /1mM CHAPS(3−[(3−コルアミドプロピル)ジメチルアモニオ]−1 −プロパンスルホネート)30mlで溶離した。 各溶離フラクションに1M Tris pH7.0の0.6 mLを添加することによりフラクションを中和した。SDS−PAGE分析は、 10mM Tris、pH8.0/1M NaCl/1mM CHAPSでの洗 浄中に、1〜174mplリガンドの明らかな「溶出(bleeding)」を示した。 溶離フラクションをSDS−PAGEで分析した。mplリガンド1〜174を 含むこれらのフラクションを貯留した。このアフィニティ精製を改良し、以下の 変更を加えて繰り返した:0.5mL/分での負荷および溶離、10mM Tr is、pH8.0/1M NaCl/1mM CHAPS洗浄での除去。 一本のmplリガンドバンドを含む全てのフラクションを、50mL撹拌セル 中のYM10(10000ドルトン分子量カットオフ)膜を用いてかつセントリコ ン装置に切り換えて濃縮した。この濃縮物0.5mLを、0.25mL/分でP BS平衡ファーマシアスーパーデックス(Superdex)200HR10/ 30ゲル濾過カラムに直接添加して、フラクションを0.25mLずつ集めた。 一本のmplリガンドバンド(SDS−PAGE分析に基づく)を含む全ての溶 離フラクションを貯留した。 他の型(N4およびN15)のCHO細胞発現mplリガン ドを同様に(二つのアフィニティ精製物を貯留し、一本のスーパーデックス20 0ゲル濾過カラムを通した)精製した。 実施例11 CHO細胞発現N4およびN15についての炭水化物付加の測 CHO細胞中に発現されたmplリガンド中にN−結合型炭水化物が含まれる かどうか決定するために、実施例6に記載の方法で、以下の変更を加えてSDS −PAGEウエスタンブロットによりならし培地を分析した。 ローラー瓶からのCHO D−ならし培地を用いた。サンプルを、セントリコ ン(Centricon)−10遠心分離濃縮器(マサチューセッツ州ビバリー 在アミコン社(Amicon)製)に添加し、固定角ローター(JA20.1) を用いるベックマンJ2−HS遠心分離器で6000rpmにて1時間回転させ た。mplリガンド類似体約100ngを含む濃縮サンプルを、SDSサンプル 緩衝液(実施例6に記載)と共にSDS−PAGEゲルに載置し、炭水化物を含 まないE.coli発現mplリガンドMK1〜174も載置した。図9は、予 想された量の炭水化物と相関する移動度の差異を示している。 最も早い移動度の種であるMet−Lys(1〜174)E.colimplリ ガンドの後に、mplリガンド1〜174(CHO)、N4(CHO)およびN 15(CHO)の順に続いた。図9参照のこと。非グリコシル化mplリガンド に対する寸法増加の最も可能性の高い説明は、mplリガンド1〜174(CH O)上の付加的O−結合型炭水化物、N4(CHO)上の付加的O−結合型炭水 化物および一つの付加的N−結合型オリゴ糖、およびN15(CHO)上の付加 的O−結合型炭水化物および二つの付加的N−結合型オリゴ糖である。 分子量の増加が本当にN−結合型炭水化物鎖の付加によるものであることを立 証するために、実施例6に記載のN−結合型炭水化物を除去するためにN−グリ カナーゼでサンプルを処理した。各サンプルは、ならし培地から精製されたmp lリガンド類似体約100ngを含んでいた。 N−グリカナーゼでの処理後に、N4(CHO)およびN15(CHO)の移 動度はmplリガンド1〜174(CHO)のものまで低下した。N−グリカナ ーゼでmplリガンドMK1〜174(E.coli)またはmplリガンド1 〜174(CHO)を処理することは、いずれの型のものもN−結合型 炭水化物を含むことが予想されないので、移動度に影響を与えなかった。N−グ リカナーゼ処理を無処理に対して比較すると、N4についての寸法の差異は一本 のN−結合型炭水化物鎖の寸法に対応し、N15についての寸法差異は二本の炭 水化物鎖の寸法に対応することが示される。すなわち、これらの二つのmplリ ガンド型についてのN−結合型グリコシル化部位の付加は、これらの種がCHO 細胞中に発現されたときに追加のN−結合型炭水化物を生じさせる。図10参照 のこと。 実施例12 CHO細胞中に形成されたmplリガンド類似体のインビトロ 生物学的活性 発現されCHO細胞またはE.coli細胞から精製された精製mplリガン ドおよび類似体を、標準としてCHO細胞中に産生されたmplリガンド1〜3 32を用いて得た曲線から活性を算出した以外は実施例9に記載のアッセイおよ び因子依存性細胞系32D−MPLを用いて、インビトロ生物学的活性について 分析した。種々の型のインビトロ生物学的比活性を表5に示す。この表から、C HO細胞中に発現される付加的炭水化物を含むmplリガンド類似体がインビト ロ生物学的活性を 有することが明らかである。 実施例13 mplリガンド類似体のインビボ生物学的活性 種々の型のmplリガンドで処理したマウスからの血小板数を測定し、結果を 図11に示す。CHO由来mplリガンド1〜332、1〜174、N4および N15を製造し、mplレセプターアフィニティクロマトグラフィーにより精製 した。E.coli由来Met−Lys−mplリガンド1〜174を製 造し、従来のクロマトグラフィーにより精製した。示された濃度の各型のものを 、正常な雌Balb/cマウスに一日一回、5日間皮下投与した。最後の注射か ら24時間後に尾静脈の横の小さな切り口からの試験血液を採血した。シスメッ クス(Sysmex)電気血球分析機(カリフォルニア州アーヴィン在バックス ター・ダイアグノスティクス社(Baxter Diagnostics,In c.)製)を用いて血球分析を行った。データは、4匹の動物の平均測定値に平 均の+/−標準誤差を付して表す。総白血球数または赤血球数のような他の血球 パラメーターは、これらの処理により影響を受けなかった(データは示さない) 。 全ての型のものが血小板数の増加を刺激した。しかしながら、異なる型のもの の活性は異なった。相対インビボ活性は、mplリガンドMK1〜174(E. coli)<mplリガンド1〜174(CHO)<N4(CHO)<mplリ ガンド1〜332(CHO)<N15(CHO)であった。結果は、非天然N− 結合型炭水化物の付加によりインビボ活性が増加することを示している。さらに 、炭水化物の量の増加がインビボ活性を比例的に増加させることが示されている 。 実施例14 オーバーラップPCRによるmplリガンド類似体および切頭 型N16〜N40の構築 類似体N16〜N40(これらの類似体の構造については表6参照のこと)を 、チェン(Cheng)らのPNAS第91巻:5695頁(1994年)に記 載のプロトコールを用いて、オーバーラップPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)に より構築した。各構築において一般的に一つまたは二つの突然変異が導入された 。 以下のオリゴヌクレオチドプライマーを合成して、類似体N16〜N40の調 製に用いた: 一つの新しいグリコシル化部位を導入する構築、二つの連続工程で行った。工 程1において、4つの異なるオリゴヌクレオチドを用いて二つの反応を行った。 これらのオリゴ化合物は、5’正方向プライマー、逆方向変異誘発プライマー、 正方向変 異誘発プライマー(通常、逆方向変異誘発プライマーに相補的である)および逆 方向3’プライマーを含んでいた。逆方向3’プライマーは、停止コドンを導入 し続いてSalI制限部位を導入する配列を含んでいた。停止コドンは、175 、184、192および200位において導入された。すなわち、長さ1〜17 4、1〜183(N16)、1〜191(N17)および1〜199(N31) の型のものを製造することができた。PCR1は、鋳型DNA(mplリガンド 1〜174配列または全長mplリガンド1〜332配列を含むpDSRα2) 、5’正方向プライマーおよび逆方向変異誘発プライマーを使用した。PCR2 は、鋳型DNA、3’逆方向プライマーおよび正方向変異誘発プライマーを使用 した。次に、二つのPCR反応を行い、増幅DNAフラグメントをアガロースゲ ル電気泳動により分離した。正しい寸法のDNAフラグメントを含むアガロース の小片をゲルから切り出した。 PCR1およびPCR2からのDNAフラグメントを一緒にし、5’正方向お よび3’逆方向プライマーのみを用いて第3のPCR反応を実施した。すなわち 、mplリガンドに挿入された所望の突然変異を含む全長DNAセグメントを増 幅した。 アガロースゲル電気泳動により、増幅したフラグメントを再び分離し、正しい 寸法のDNAフラグメントを、GeneCleanTMキットおよび製造者(BI O 101社)により提供される手順を用いて精製した。精製したDNAをXb aIおよびSalIで消化し、次に再びGeneCleanTMキットを用いて精 製した。次にフラグメントをXbaIおよびSalIで切断したpDSRα2内 に連結した。連結DNAを、キャリアtRNAの存在下に0.3M NaOAc pH5.2中エタノール2容を用いて沈殿させ、E.coli中に形質転換し た。クローンを制限分析およびアガロースゲル電気泳動により試験して、これら が正しい寸法のDNA挿入物を含むことを確認した。次に精製プラスミドDNA を調製し、mplリガンド挿入体を配列決定して、所望の突然変異の存在を確認 し、更なるアミノ酸変化が導入されていないことを確認した。 幾つかの場合において、二つ異常の突然変異が同時に組み合わされた:すなわ ちN29、N33、N34、N35、N39およびN40を参照されたい。これ は、新しい置換を、既に変化を含んでいるDNAに導入することにより行うこと ができる。例えば、N15中にN23変化を導入することによりN33を 製造した。この場合、N23変異誘発プライマーおよびN15鋳型DNAを用い て前記手順を行った。 もう一つの方法において、鋳型DNA中に二つの変化を同時に導入することが できる。鋳型DNAは天然型配列を含むことができるか、または既に変化を含む mplリガンド型をコードする配列を含むことができる。これらの場合、工程1 は三つのPCR反応と6つのオリゴ化合物を含んでいた。オリゴ化合物は、5’ 正方向プライマー、2対の正方向および逆方向変異誘発プライマー、および逆方 向3’プライマーを含んでいた。プライマーの各対は互いに相補的であり、一つ の新しいグリコシル化部位を導入するように設計された配列を含んでいた。 PCR1は、鋳型DNA、5’正方向プライマーおよび逆方向変異誘発プライ マー(pair1からのもの)を含んでいた。PCR2は、鋳型DNA、正方向変異 誘発プライマー(pair1からのもの)および逆方向変異誘発プライマー(pair2 からのもの)(ここでpair2プライマーはpair1プライマーに対して3’である )を含んでいた。PCR3は、鋳型DNA、正方向変異誘発プライマー(pair2 からのもの)および逆方向3’プライマーを含んでいた。 各PCR反応からのDNAフラグメントを、アガロースゲル電気泳動により分 離し、前述のように切り出した。次に、三つのDNAグラグメントを一緒にし、 5’正方向および3’逆方向プライマーのみを用いて再びPCRにより増幅した 。 次に、二つの新しいグリコシル化部位を含む配列を有する意図する遺伝子全体 をコードするDNAセグメントを精製し、XbaIおよびSalIで切断し、前 述のようにXbaIおよびSalI切断pDSRα2内に連結した。 既に突然変異を含む鋳型においてPCR反応を行うことにより複数の突然変異 を組み合わせることもできる。例えば、N39を、N15鋳型DNAにN36お よびN38変化を導入することにより製造した。これは、N36の製造に用いた もの(N36(1))とは異なる組み合わせのプライマー(N36(2))を用 いて行った。前記プライマーを参照のこと。両方の組み合わせのプライマーが同 じ突然変異を導入した。 より長いmplリガンド型を製造することもできた。すなわち、PCR3にお ける3’逆方向プライマー、(工程1)および工程2のPCRプライマーがN3 1の製造に用いられたプライマーであること以外はN39と同様の方法によりN 40を製 造した。このプライマーは、SalI制限部位に続く200位に停止コドンを導 入した。さらに、PCR3に用いられる鋳型DNAは、全長mplリガンド(1 〜332)をコードする配列を含んでいた。 典型的PCR反応混合物は、正方向および逆方向プライマー(5pm/μl) の各4μl、鋳型(50ng)1μl、5×LP緩衝液(100mM Tric ine pH8.7/25%グリセロール/425mM KOAc)10μl、 dNTPストック(各1mMのdATP、dTTP、dCTP、dGTP)10 μl、rtThポリメラーゼ(パーキンエルマー社(Perkin Elmer )製;2.5U/μl)0.8μl、およびVentポリメラーゼ(NEB;1 ×LP緩衝液中1:100の新しい希釈後に0.01U/μl)2μlを含んで いた。H2Oを添加して最終容量を50μlにした。全ての成分を示す順番で一 緒に添加し、最初のサイクル中の温度が60℃を越えたときに50mM MgO Ac 1μlを添加することによりPCRを開始した。反応条件:94℃、10 秒/45℃、1分/68℃、5分の2サイクル、続いて94℃、10秒/55℃ 、1分/68℃、5分の25サイクル。 これらの一般的手順を用いて、表6に示すmplリガンド類似体および切頭型 N16〜N40を構築した。各型についてのDNA配列の変化を示す。 前記表中の、符号(i)は記載のアミノ酸を挿入していることを示す。例えば 、Glu57→Asn55'(i)、Thr57(表6中の類似体N23)は、57位のG luがThrで置換されており、さらに、55位においてMetの直後にAsn が挿入されており、その後のアミノ酸がその前に付された番号を維持するように Asnは55’と番号が付けられた。 先の実施例からの全ての変化を含む実施例は、「+」の符号で結合された特定 の類似体番号により示される。N35、N39およびN40を参照のこと。これ らの類似体のアミノ酸鎖の長さを括弧内に示す。すなわち、類似体N35は、類 似体N4、N23、N30およびN31についての全ての変化を組み合わせて含 む。N31について示される変化は、類似体N35が199アミノ酸長であるこ とを示す。表6中の全ての類似体は、異なる長さであることを示す場合を除いて 174アミノ酸長である(あるいは、アミノ酸が挿入されている場合、合計の長 さは挿入されたアミノ酸の数により増加する)。 実施例15 mplリガンド類似体および切頭型N16〜N40の特徴付け A.mplリガンド類似体の発現レベルおよびインビトロ生物学的活性の測定 種N16〜N40を、電気穿孔法(実施例5)またはCaPO4法(哺乳動物 細胞トランスフェクションキット;Specialty media)を用いて COS細胞中にトランスフェクションした。3〜4日後、細胞非含有ならし培地 を採取し、アリコートを取り−70℃で貯蔵した。実施例7に記載されているよう に発現レベルをELISAアッセイにより測定した。上澄みも、実施例9に記載 の方法で一つの変更を加えて、生物学的活性について検定した。活性は、標準と して精製CHO細胞発現mplリガンド1〜332を用いて標準曲線から算出し た。 結果を表7に示す。表7に示すように、大部分のmplリガンド類似体は発現 し分泌された。類似体の一部は、分泌が増加しているようであった。これらのサ ンプルのバイオアッセイは、大部分のものの比活性が非改変型のものにも匹敵す ることを示した。類似体の一部は、複数のN−結合型炭水化物鎖を含んでいた( 以下参照のこと)。これは、炭水化物付加が類似体の分泌および正常インビトロ 活性の増加につながり得ることを示している。 注釈 (a)SDSゲル中での類似体ポリペプチドの移動度に従って、付加的N−結合 鎖の数を推定した。 (b)EIAアッセイにより、COS細胞上澄み中のmplリガンド類似体の量 を決めた。 (c)成長についてmplリガンドに依存する32D−MPL細胞の増殖を測定 することによりインビトロ活性を測定した。 (d)(増殖アッセイにより測定されるmplリガンド類似体 のインビトロ活性)対(mplリガンドELISAにより測定されるmplリガ ンド類似体の量)の比。 i− 挿入 N.A. 入手せず B.炭水化物付加の測定 表6に示す類似体を、実施例6に記載の手順を用いてN−結合型炭水化物を付 加しているか試験した。 一部の類似体(N21、N22、N30、N33およびN36)を、変更した 手順を用いても試験した。この試験は必要である。なぜなら、ウエスタンブロッ トを行うために用いたモノクローナル抗体がアミノ酸残基47〜62を含むペプ チドに対するものであり、表6に記載の類似体の一部がこの抗体(例えばN21 )との免疫反応性に影響を与える置換を含むからである。従って、これらの類似 体を分析するために、E.coli細胞発現mplリガンド1〜163に対する マウスモノクローナル抗体を用いて上澄みを免疫沈殿させた。 典型的に、mplリガンド類似体50ngを免疫沈殿させるために抗体15μ gを使用した。ウサギ抗mplリガンドポリ クローナル抗体(典型的に1μg/ml;E.coli細胞発現mplリガンド 1〜163に対する抗体)および抗ウサギECLキット(アマーシャム社(Am ersham)製)を用いてブロットをインキュベートすることにより免疫沈殿 バンドを視覚化する以外は実施例6に記載の方法により、免疫沈殿材料を用いて ウエスタンブロットを行った。種々の実験の結果を表7に示す。一部の類似体は 、N−結合型炭水化物(N21、N22、N23、N29、N30、N31、N33、N 34、N35、N36、N38、N39および N40)の存在を示す寸法増加を示し た。これらの類似体のサブセットは二つ以上のN−結合鎖を有していた:例えば N29、N33、N34、N35、N39および N40。これらの類似体は正常また はより高いレベルで分泌され、mplリガンド1〜174に匹敵するインビトロ 生物学的活性を有していた。このことは、発現または生物学的活性のいずれにも 悪影響を与えることなく多機能性N−結合型グリコシル化部位をmplリガンド に導入し得ることを示している。 複数のオリゴ糖鎖をmplリガンドに付加し得ることを示すために、COS細 胞中に発現した種々の類似体を実施例6に記載のようにしてウエスタンブロット により分析した。図12は、 付加したN−結合型グリコシル化部位の数の増加につれて類似体の移動度が低下 することを示している。4つの新しい部位を有する類似体N39およびN40が 示される。最もN−結合部位を有する類似体は移動度が最も低い。この結果は、 1〜174および1〜199の両方の型のmplリガンドについて観察される。 このことは、少なくとも4つの類似体を組み合わせて複数のN−結合型炭水化物 鎖を有する新しい類似体を得ることができることを示している。 実施例16 Asn−X−Serを含むグリコシル化部位とAsn−X−T hrを含む部位との比較 N−結合型グリコシル化部位は、Asn−X−ThrまたはAsn−X−Se r(XはPro以外の20個の天然アミノ酸のうちの任意の一つであり得る)を 含む。第3の位置においてSerまたはThrのいずれが好ましいかを決めるこ とが望まれる。従って、第3の位置にSerまたはThrを含むmplリガンド グリコシル化類似体をそれぞれが含む2組の類似体を試験して、N−結合型グリ コシル化部位の占有率%への影響があるかどうか調べた。N15は二つのAsn −X−Thr部位 を含み、N29は正確に同じ位置に二つのAsn−X−Ser部位を含む。同様 に、N30は一つのAsn−X−Ser部位を含み、N38は同じ位置に一つの Asn−X−Thr部位を含む。 これらの2組の類似体を比較するために、それらをCOS細胞中に発現させ、 分泌mplリガンドを実施例6に記載のようにウエスタンブロットに付した。図 13は結果を示す。N15は、N29と比べて大きく増加した割合でグリコシル 化mplリガンドを有する。対照的に、N30とN38とを比較した場合、グリ コシル化と非グリコシル化mplリガンドの割合には差異がほとんど無かった。 これらの結果は、Asn−X−SerとAsn−X−Thrの両方をmplリガ ンド中に導入することができ、両者がN−結合型炭水化物付加のための部位とし て作用し得ることを示している。さらに、ある場合には、Asn−X−Thr列 が好ましい(すなわち、より効果的にグリコシル化される)。 本発明を、その好ましい実施態様と考えられるものについて説明したが、開示 された実施態様に限定されるものではなく、それどころか、添付の請求の範囲の 思想および範囲内に含まれ る種々の変更および均等物が包含され、請求の範囲は、そのような変更および均 等物を含むように最も広く解釈されるべきものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12N 5/10 A61K 37/24 ABY // C12P 21/02 37/66 G (C12N 5/10 C12R 1:91) (C12P 21/02 C12R 1:91) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,SZ,U G),UA(AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM ),AL,AM,AT,AU,AZ,BB,BG,BR ,BY,CA,CH,CN,CZ,DE,DK,EE, ES,FI,GB,GE,HU,IS,JP,KE,K G,KP,KR,KZ,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO, NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,S I,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US ,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.少なくとも一つの付加された、少なくとも一つの欠失された、または少な くとも一つの変更されたグリコシル化部位を含有するアミノ酸配列を含むmpl リガンド類似体。 2.グリコシル化部位がN−結合型炭水化物鎖のためのものである請求項1に 記載の類似体。 3.グリコシル化部位がO−結合型炭水化物鎖のためのものである請求項1に 記載の類似体。 4.真核生物中で発現された少なくとも一つの結合された付加的炭水化物鎖を 有する請求項1に記載の類似体。 5.炭水化物鎖がN−結合型炭水化物鎖である請求項4に記載の類似体。 6.炭水化物鎖がO−結合型炭水化物鎖である請求項4に記載の類似体。 7.真核生物中での外来性DNA配列の発現生成物である請求項1に記載の類 似体。 8.下記のものからなる群より選択される請求項5に記載の類似体: [Asn30、Thr32]mplリガンド; [Asn82、Ala83]mplリガンド; [Asn87、Thr89]mplリガンド; [Asn53、Thr55]mplリガンド; [Asn58、Thr60]mplリガンド; [Asn30、Thr32、Asn120、Thr122]mplリガンド; [Asn37、Gly38、Ser39]mplリガンド; [Asn39、Ser41]mplリガンド; [Asn54、Ser56]mplリガンド; [Asn52、Thr54]mplリガンド; [sn55'(f)、Thr57]mplリガンド; [Asn81、Thr83]mplリガンド; [Asn118、Ser120]mplリガンド; [Asn30、Ser32、Asn120、Ser122]mplリガンド; [Thr163、Asn164]mplリガンド; [Asn30、Thr32、Asn120、Thr122、 Asn55'(i)、Thr57]mplリガンド; [Asn30、Thr32、Asn55'(i)、Thr57、Thr163、Asn164]mp lリガンド; [Asn55、Thr57]mplリガンド; [Asn56]mplリガンド; [Thr163、Asn164、Thr166]mplリガンド;および [Asn30、Thr32、Asn120、Thr122、Asn55、Thr57、Thr16 3 、Asn164、Thr166]mplリガンド。 9.mplリガンドが下記のものからなる群より選択されるアミノ酸配列を有 する請求項1に記載の類似体: mplリガンド1〜332 図1のアミノ酸1〜332 mplリガンド1〜199 図1のアミノ酸1〜199 mplリガンド1〜191 図1のアミノ酸1〜191 mplリガンド1〜183 図1のアミノ酸1〜183 mplリガンド1〜174 図1のアミノ酸1〜174 mplリガンド1〜163 図1のアミノ酸1〜163 mplリガンド1〜153 図1のアミノ酸1〜153 mplリガンド1〜152 図1のアミノ酸1〜152 mplリガンド1〜151 図1のアミノ酸1〜151 mplリガンド7〜332 図1のアミノ酸7〜332 mplリガンド7〜191 図1のアミノ酸7〜191 mplリガンド7〜199 図1のアミノ酸7〜199 mplリガンド7〜183 図1のアミノ酸7〜183 mplリガンド7〜174 図1のアミノ酸7〜174 mplリガンド7〜163 図1のアミノ酸7〜163 mplリガンド7〜153 図1のアミノ酸7〜153 mplリガンド7〜152 図1のアミノ酸7〜152 mplリガンド7〜151 図1のアミノ酸7〜151。 10.下記のものからなる群より選択されるヒトmplリガンド類似体: [Asn22]mplリガンド; [Asn25]mplリガンド; [Asn38、Thr40]mplリガンド; [Asn86]mplリガンド; [Asn92]mplリガンド; [Asn120、Thr122]mplリガンド; [Ser36、Asn38、Thr40]mplリガンド; [Asn88、Thr90]mplリガンド; [Asn23、Ser25]mplリガンド; [Asn57、Ser59]mplリガンド;および [Asn119、Ser121]mplリガンド。 11.前記mplリガンドが下記のものからなる群より選択される請求項10 に記載のヒトmplリガンド類似体: mplリガンド1〜332 図1のアミノ酸1〜332 mplリガンド1〜199 図1のアミノ酸1〜199 mplリガンド1〜191 図1のアミノ酸1〜191 mplリガンド1〜183 図1のアミノ酸1〜183 mplリガンド1〜174 図1のアミノ酸1〜174 mplリガンド1〜163 図1のアミノ酸1〜163 mplリガンド1〜153 図1のアミノ酸1〜153 mplリガンド1〜152 図1のアミノ酸1〜152 mplリガンド1〜151 図1のアミノ酸1〜151 mplリガンド7〜332 図1のアミノ酸7〜332 mplリガンド7〜199 図1のアミノ酸7〜199 mplリガンド7〜191 図1のアミノ酸7〜191 mplリガンド7〜183 図1のアミノ酸7〜183 mplリガンド7〜174 図1のアミノ酸7〜174 mplリガンド7〜163 図1のアミノ酸7〜163 mplリガンド7〜153 図1のアミノ酸7〜153 mplリガンド7〜152 図1のアミノ酸7〜152 mplリガンド7〜151 図1のアミノ酸7〜151。 12.真核生物中での外来性DNA配列の発現生成物である請求項8〜11の いずれかに記載の類似体。 13.前記真核生物細胞が哺乳動物細胞である請求項12に記載の類似体。 14.真核生物中での外来性DNA配列の発現生成物である[Asn30、Th r32、Asn120、Thr122、Asn55'(i)、Thr57、Thr163、Asn164 、Thr166]mplリガンド1〜174、または [Asn30、Thr32、Asn120、Thr122、Asn55'(i)、Thr57、Th r163、Asn164、Thr166]mplリガンド1〜199 である請求項1に記載の類似体。 15.前記真核生物細胞が哺乳動物細胞である請求項14に 記載の類似体。 16.前記哺乳動物細胞がCHOである請求項15に記載の類似体。 17.(a)mplリガンド中の任意のO−結合型炭水化物部位の、N−結合 型炭水化物部位による置換; (b)mplリガンド中の任意のN−結合型炭水化物部位の、O−結合型炭水化 物部位による置換; (c)mplリガンド中の任意のO−結合型炭水化物部位の、異なるO−結合型 炭水化物部位による置換;または (d)mplリガンド中の任意のN−結合型炭水化物部位の、異なるN−結合型 炭水化物部位による置換 を含有するアミノ酸配列を含むmplリガンド類似体。 18.少なくとも一つの付加された、少なくとも一つの欠失された、または少 なくとも一つの変更されたグリコシル化部位を含むmplリガンド類似体をコー ドするDNA配列。 19.請求項1〜11および13〜17のいずれかに記載のmplリガンド類 似体をコードするDNA配列。 20.宿主細胞にmplリガンド類似体を発現させるように請求項19に記載 のDNA配列でトランスフェクションされた 真核生物宿主細胞。 21.薬学的に許容できる希釈剤、アジュバントまたは担体と共に、請求項1 〜11および13〜17のいずれかに記載のmplリガンド類似体を治療的に有 効な量で含む組成物。
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