JPH1149430A - 粗紡機の粗糸張力制御方法及び制御装置 - Google Patents

粗紡機の粗糸張力制御方法及び制御装置

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JPH1149430A
JPH1149430A JP20918297A JP20918297A JPH1149430A JP H1149430 A JPH1149430 A JP H1149430A JP 20918297 A JP20918297 A JP 20918297A JP 20918297 A JP20918297 A JP 20918297A JP H1149430 A JPH1149430 A JP H1149430A
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JP
Japan
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roving
difference
bobbin
correction amount
winding
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Application number
JP20918297A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Tsuboi
浩志 坪井
Tsutomu Nakano
勉 中野
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Publication date
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  • Tension Adjustment In Filamentary Materials (AREA)
  • Filamentary Materials, Packages, And Safety Devices Therefor (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粗糸の高さ位置を早期に目標位置に近づけ、
安定した粗糸張力状態で粗紡機の紡出運転を継続する。 【解決手段】 フロントローラからフライヤトップに至
る粗糸の高さ位置を検出するセンサが3錘に設けられて
いる。粗糸の高さ位置が各センサにより所定時間毎に1
回検出され、その検出位置と予め設定されている目標粗
糸位置との差分が各錘毎に求められる。次に3錘の各差
分のうちの有効データを使用して差分の平均値 <D> が
求められる。そして、前記差分の平均値 <D> 、前回の
粗糸位置検出時における差分の平均値 <D1>及び前々回
の粗糸位置検出時における差分の平均値 <D2>に基づい
て粗糸巻取りボビンの回転数の補正量が算出される。そ
の補正量を用いて粗糸巻取りボビンの回転数が調整され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は粗紡機の粗糸張力制
御方法及び粗糸張力制御装置に係り、特にフロントロー
ラとフライヤトップ間の粗糸位置を検出する非接触式の
粗糸位置検出装置からの出力信号に基づいてボビンの巻
取り速度を変速制御する制御部を備えた粗紡機の粗糸張
力制御方法及び粗糸張力制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ボビンリード式の粗紡機においては、フ
ロントローラより一定速度で送り出される粗糸を、所定
速度で回転しているフライヤとそれより高速で回転する
ボビンとの回転速度差により粗糸に撚りを掛けつつボビ
ンに巻取る。粗糸の巻取りを良好に行うにはフロントロ
ーラとフライヤトップ間の粗糸に適度なたるみがある状
態が必要である。また、巻取り時の粗糸張力に変動があ
ると、巻き取られた粗糸の単位長さ当たりの重量が変動
して糸むらの原因となる。
【0003】粗糸張力を一定に保持するには粗糸の送出
量と巻取り量とがほぼ同一となるように巻取りを行う必
要がある。巻取り開始から終了までボビンの回転速度を
一定に保持した場合は、巻取り粗糸層の増加(粗糸巻径
の増加)に伴い巻取り速度が増大する。従来、巻取時の
粗糸の張力を一定に保持する方法として、一対のコーン
ドラム及びベルトシフタを用いた変速装置により、ボビ
ンの回転速度がボビンに巻取られた粗糸層の増大に伴い
順次低下するように制御していた。ところが、紡出条件
によりボビンに巻取られた粗糸層の数に対する粗糸巻径
の増加の割合が変わるため、紡出条件に対応してコーン
ドラムの形状を変更(コーンドラムを交換)するか、ベ
ルトシフタの移動量を調整可能な補助カムを用いて紡出
条件に対応して変更する(特公昭52−48652号公
報)必要があり、紡出条件の変更毎に前記の面倒な交換
あるいは調整作業が必要であった。
【0004】これらの不都合を解消するため、フロント
ローラとフライヤトップ間に、フロントローラからフラ
イヤトップに至る粗糸の位置を連続して検出可能なセン
サを設け、紡出中の粗糸の位置が予め設定した目標位置
となるようにコーンドラムに巻掛けられたベルトをシフ
トさせてボビンの回転速度を調節して巻取り張力を制御
するようにした装置が提案されている(例えば、特開昭
60−34628号公報、特開昭62−8979号公報
及び特開平3−42471号公報)。
【0005】これらの公報に開示された方法では、前記
従来技術に比較して、上下方向に振動している粗糸の振
動位置を連続して検出し、粗糸の高さ位置を細かく検出
することができるため、より精確な粗糸の張力調整が可
能となる。そして、その制御方法は所定時間内の粗糸の
各高さ位置を検出し、その高さ位置を平均化することに
より粗糸の平均高さ位置を算出し、その平均高さ位置と
設定された目標位置との間に差があるか否かを調べ、差
が生じている場合には、粗糸張力が適正でないと判断し
て、その差に比例した大きさの補正量を算出し、その補
正量により粗糸巻取りボビンの回転数を補正するもので
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記公報(特開昭60
−34628号公報、特開昭62−8979号公報及び
特開平3−42471号公報)に開示された粗糸張力制
御方法では、実際の粗糸張力ではなく、粗糸の平均高さ
位置という代用値を用いて粗糸張力を判断する。そし
て、その制御方法は、粗糸の平均高さ位置と目標高さ位
置との間に差が生じると、その差に比例した大きさの補
正量によって粗糸の巻取りボビンの回転数を一挙に調整
し、また目標高さ位置との間に差がなければ粗糸張力が
適正であるとして、粗糸巻取りボビンの回転数を調整し
ない方法である。このため、例えば、粗糸の平均高さ位
置が目標高さ位置より低い場合には、粗糸張力が小さ過
ぎると判断して粗糸巻取りボビンの回転数が高くなるよ
うに調整する。
【0007】ところが、この方式では、粗糸の平均高さ
位置と目標高さ位置との間の差に比例した回転数補正を
行わせるための補正信号が出力されるので、粗糸の平均
高さ位置が目標値に近づいてきている状態であっても、
そのときの粗糸位置の検出結果によって目標高さ位置と
の間に生じている差に相当する補正量に基づいて粗糸巻
取りボビンの回転数をさらに増加させるように調整する
ことになる。従って、粗糸巻取りボビンは、必要以上に
回転数が増加させられてしまい、粗糸張力が高くなって
粗糸の平均高さ位置が目標高さ位置よりも高い状態にオ
ーバーシュートし、次には上記と逆の方向の補正をしな
ければならないため、粗糸を目標高さ位置へ収束させる
ための調整を長期間に亘って行わなければならず、粗糸
を目標高さ位置に早期にかつ精確に到達させることがで
きない。このため、安定した粗糸張力状態で粗紡機の紡
出運転を行うことができないという問題がある。
【0008】また、所定時間の平均高さ位置を検出して
補正量を算出するため、所定時間が経過するまではボビ
ン回転数の補正量の演算が行われず、急激な粗糸位置変
動に対する制御応答性が悪いという問題もある。例え
ば、所定時間内に高さ位置データのサンプリングを10
回行い、サンプリング間隔を数ミリ秒とすると、数十ミ
リ秒間は制御ができない。
【0009】また、前記公報に開示された構成では、粗
糸位置検出装置の受光器を構成する各素子が、投光器か
ら出力されたビームを受光したか否かという情報をその
まま利用して粗糸の高さ位置を算出するため、例えば、
粗糸位置の測定エリアに風綿等が存在した場合には、そ
の位置に粗糸が存在しているものとみなして粗糸の位置
検出が行われるため、不適確なデータも平均値の算出に
使用され、平均高さ位置の精度が悪くなる場合がある。
【0010】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その目的は粗糸の高さ位置を早期に目標位
置に近づけ、安定した粗糸張力状態での粗紡機の紡出運
転を継続できる粗紡機の粗糸張力制御方法及び粗糸張力
制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、粗紡機のフロントロー
ラからフライヤトップに至る粗糸の位置を前記フロント
ローラとフライヤトップとの間に配設された非接触式の
粗糸位置検出装置によって検出し、その検出値に応じて
粗糸巻取りボビンの回転数を調整して粗糸張力を制御す
る粗紡機の粗糸張力制御方法において、前記粗糸位置検
出装置を多数の受光器を備えた光電式検出装置により構
成し、粗紡機の運転中、上下方向に振動する粗糸の高さ
位置を前記粗糸位置検出装置によって所定時間毎に1回
検出し、その検出位置と予め設定されている目標粗糸位
置との差分を求め、前記差分、前回の粗糸位置検出時に
おける差分及び前々回の粗糸位置検出時における差分に
基づいて粗糸巻取りボビンの回転数の補正量を算出し、
前記補正量を用いて粗糸巻取りボビンの回転数を調整す
るようにした。
【0012】請求項2に記載の発明では、粗紡機のフロ
ントローラとフライヤトップに至る粗糸の位置を検出す
る非接触式の粗糸位置検出装置からの出力信号に基づい
てボビンの巻取り速度を変速制御する制御部を備えた粗
紡機において、前記粗糸位置検出装置を多数の受光器を
備えた光電式検出装置により構成し、前記制御部は、適
正張力状態におけるフロントローラからフライヤトップ
に至る粗糸の目標位置を記憶する記憶手段と、粗紡機の
運転中、上下方向に振動する粗糸の高さ位置を所定時間
毎に1回前記粗糸位置検出装置の検出信号に基づいて求
めるとともに、その粗糸の高さ位置と予め設定されてい
る粗糸の目標位置との差分を求める演算手段と、前記差
分、前回の粗糸位置検出時における差分及び前々回の粗
糸位置検出時における差分に基づいて粗糸巻取りボビン
の回転数の補正量を算出し、その補正量を用いて粗糸巻
取りボビンの巻取り速度を変速制御する制御手段とを有
する。
【0013】請求項3に記載の発明では、請求項2に記
載の発明において、前記粗糸位置検出装置は複数錘に設
けられ、前記制御手段は各錘毎に前記各差分を算出し、
その算出した前記各差分の平均値に基づいて前記補正量
を算出する。
【0014】請求項4に記載の発明では、請求項2又は
請求項3に記載の発明において、前記制御手段は、前記
演算手段により求められた差分データの有効性の判定を
行い、有効データを用いて補正量の算出を行う。
【0015】従って、請求項1に記載の発明では、粗紡
機の運転中、上下方向に振動する粗糸の高さ位置が、非
接触式の粗糸位置検出装置によって所定時間毎に1回検
出され、検出された粗糸の高さ位置と予め設定されてい
る目標粗糸位置との差分が求められる。そして、前記差
分、前回の粗糸位置検出時における差分及び前々回の粗
糸位置検出時における差分に基づいて粗糸巻取りボビン
の回転数の補正量が算出され、その補正量を用いて粗糸
巻取りボビンの回転数が調整される。
【0016】請求項2に記載の発明では、粗紡機の運転
中、上下方向に振動する粗糸の高さ位置が、非接触式の
粗糸位置検出装置によって所定時間毎に1回検出され
る。演算手段により、今回検出された粗糸の高さ位置と
予め設定されている粗糸の目標位置との差分が求められ
る。制御手段により、前記差分、前回の粗糸位置検出時
における差分及び前々回の粗糸位置検出時における差分
に基づいて粗糸巻取りボビンの回転数の補正量が算出さ
れる。そして、その補正量を用いて粗糸巻取りボビンの
巻取り速度が制御手段により変速制御される。
【0017】請求項3に記載の発明では、請求項2に記
載の発明において、複数錘に設けられた各粗糸位置検出
装置の検出信号に基づいて、制御手段により各錘毎に前
記各差分が算出される。そして、その算出された各差分
の平均値に基づいて前記補正量が算出され、その補正量
を用いて粗糸巻取りボビンの巻取り速度が変速制御され
る。
【0018】請求項4に記載の発明では、請求項3に記
載の発明において、前記演算手段により求められた差分
データの有効性の判定が制御手段により行われ、有効デ
ータを用いて補正量が算出される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
の形態を図面に従って説明する。粗紡機の駆動系は基本
的には本願出願人が先に提案(特開昭63ー26492
3号公報)したものと同じであるが、ボビンレールの昇
降動切替機構が異なっている。
【0020】図2に示すように、フロントローラ1はそ
の回転軸1aの一端と、主モータMにより回転駆動され
るドライビングシャフトとの間に配設された歯車列(何
れも図示せず)を介して回転駆動されるようになってい
る。フライヤ2の上部には被動歯車3が一体回転可能に
嵌着固定されている。前記ドライビングシャフトの回転
がベルト伝動機構(図示せず)を介して伝達される回転
軸4の回転により、回転軸4に嵌着された駆動歯車5を
介して被動歯車3がフライヤ2とともに回転駆動され
る。一方、ボビンレール6上に装備されたスピンドル7
には被動歯車7aが固着されている。被動歯車7aと噛
合する駆動歯車8が嵌着固定された回転軸9には、ドラ
イビングシャフトの回転力と、インバータ10bを介し
て変速駆動される巻取用モータ11による回転力とが差
動歯車機構12により合成されて伝達されるようになっ
ている。巻取用モータ11、差動歯車機構12等により
粗糸巻層の増加に対応してボビン回転速度を変速させる
巻取速度変速装置が構成されている。
【0021】ボビンレール6にはリフターラック13が
固定されている。リフターラック13と噛合する歯車1
4が嵌着された回転軸15には、駆動軸17の回転が切
替機構18及び歯車列を介して伝達される。駆動軸17
はインバータ10cを介して変速駆動される昇降用モー
タ16により駆動される。切替機構18は中間軸19
と、該中間軸19と前記駆動軸17との間に設けられた
一対の歯車列20,21と、歯車列20,21の回転を
中間軸19に伝達する電磁クラッチ22,23とから構
成されている。そして、電磁クラッチ22,23の励消
磁により回転軸15の回転方向、即ちボビンレール6の
昇降動の方向が変更されるようになっている。回転軸1
5の端部にはボビンレール6の移動方向を検知するセン
サとしてのロータリエンコーダ24が接続されている。
【0022】フロントローラ1とフライヤトップ2aと
の間には、フロントローラ1からフライヤトップ2aに
至る粗糸Rの位置を連続的に検出する非接触式の粗糸位
置検出装置としてのセンサ25が設けられている。セン
サ25は複数個、この実施の形態では3個設けられてい
る。センサ25には多数の受光器を備えた光電式検出装
置が使用されている。図4に示すように、センサ25は
発光部26aと、該発光部26aに対向する受光素子の
列によって構成される受光部26bとを備えている。そ
して、発光部26aと受光部26bとの間に粗糸Rが位
置するようになっている。この実施の形態では、発光部
26aは例えば列状に配設された多数の赤外線発光ダイ
オード列から構成され、受光部26bにCCD方式のイ
メージセンサが使用されている。イメージセンサは1列
に並んだ2048個の受光素子を有し、各受光素子は1
本の粗糸Rの太さと比べて極めて微小であり、粗糸Rの
位置を精度良く検出できる。各受光素子は例えば上から
順に「1」〜「2048」のアドレス(素子番号)が付
与されている。素子番号は粗糸の高さ位置を表すデータ
として使用される。
【0023】各受光素子は発光部26aからの光を受光
すると電気信号を出力するようになっている。即ち、粗
糸Rが発光部26aからの光を遮ることにより、粗糸R
の位置と対応した受光素子が光を受けなくなるため、そ
の受光素子を検出することによって粗糸Rの位置が求め
られる。図2に示すように、センサ25は受光部26b
を構成するイメージセンサの列がフロントローラ1とフ
ライヤトップ2aとを結ぶ直線に対してほぼ直交する状
態で配設される。
【0024】次に前記駆動系を駆動制御するための電気
的構成を図3に従って説明する。制御部としての制御装
置27を構成するマイクロコンピュータ(以下、マイコ
ンという)28は演算手段及び制御手段としての中央処
理装置(以下、CPUという)29と、制御プログラム
を記憶した読出し専用メモリ(ROM)よりなるプログ
ラムメモリ30と、入力装置31により入力された入力
データ及びCPU29における演算処理結果等を一時記
憶する読出し及び書替可能なメモリ(RAM)よりなる
記憶手段としての作業用メモリ32とから構成されてい
る。CPU29はプログラムメモリ30に記憶されたプ
ログラムデータに基づいて動作する。
【0025】紡出粗糸重量、繊維種、フライヤ回転数等
の紡出条件を入力する入力装置31は制御装置27にキ
ーボードとして一体に組込まれている。前記ロータリエ
ンコーダ24及びセンサ25からの出力信号は入力イン
タフェース33を介してCPU29に入力されるように
なっている。また、制御装置27には設定スイッチSが
設けられ、設定スイッチSをオン操作すると、そのとき
のセンサ25の粗糸検出位置が作業用メモリ32に記憶
されるようになっている。
【0026】電磁クラッチ22,23はCPU29から
の信号に基づき、電磁クラッチ励消磁回路34を介して
その励消磁が制御され、ボビンレール6の昇降切換が行
われる。また、CPU29は出力インタフェース35、
モータ駆動回路36a,36b,36c及びインバータ
10a,10b,10cを介して主モータM、巻取用モ
ータ11及び昇降用モータ16を駆動制御する。
【0027】プログラムメモリ30には紡出条件から適
正張力状態におけるフロントローラ1からフライヤトッ
プ2aに至る粗糸Rの目標位置(目標粗糸位置)を演算
する演算式あるいは目標粗糸位置を求めるためのデータ
ベースが記憶されている。また、プログラムメモリ30
には受光素子のアドレスと粗糸の高さ位置の関係を示す
演算式が記憶されている。
【0028】CPU29はセンサ25の出力信号から粗
糸Rと対応する受光素子のアドレス、即ち遮光された連
続する受光素子のアドレスの平均値から粗糸の高さ位置
を演算する。CPU29は粗紡機の運転中、粗糸Rの高
さ位置を所定時間毎に1回検出し、その検出位置と予め
設定されている目標粗糸位置との差分を求める。そし
て、CPU29は前記差分データの有効性の判定を行
い、有効データを用いて3錘の粗糸位置の差分の平均値
を補正量の算出に使用する。
【0029】CPU29は前記差分、前回の粗糸位置検
出時における差分及び前々回の粗糸位置検出時における
差分に基づいて粗糸巻取りボビンの回転数の補正量を算
出し、その補正量を用いて粗糸巻取りボビンの回転速度
(巻取り速度)を変速制御する。
【0030】次に前記のように構成された装置の作用を
説明する。機台の運転に先立ってまずフロントローラ1
とフライヤトップ2a間に粗糸Rを緊張状態で張設す
る。そして、設定スイッチSをオン操作し、この時のセ
ンサ25の遮光位置を作業用メモリ32に記憶させる。
この粗糸位置が基準位置になる。
【0031】次に紡出粗糸重量(ゲレン)、繊維種、フ
ライヤ回転数等の紡出条件及びセンサ25の位置が入力
装置31により入力される。紡出条件及びセンサの位置
が入力されるとCPU29はプログラムメモリ30に記
憶されたデータベースに基づいて、当該紡出条件におけ
る目標粗糸位置を演算する。そして、その値が作業用メ
モリ32に目標粗糸位置X0 として記憶される。
【0032】その後、粗紡機の運転が開始され、主モー
タMによりフロントローラ1及びフライヤ2がそれぞれ
回転駆動される。また、機台の起動と同時に巻取用モー
タ11及び昇降用モータ16も駆動され、差動歯車機構
12に入力された主モータMの回転力と、巻取用モータ
11の回転力とが差動歯車機構12で合成され、合成さ
れた回転力により回転軸9が駆動されてスピンドル7が
回転駆動される。これによりドラフト装置で延伸された
粗糸Rがフライヤ2により加撚され、フライヤ2より高
速で回転するボビンBに層状に巻取られる。また、昇降
用モータ16の駆動により、切替機構18、回転軸15
等を介してリフターラック13とともにボビンレール6
が昇降動される。巻取り速度及びボビンレール6の昇降
速度は巻取用モータ11及び昇降用モータ16の回転速
度を変更することにより変更される。
【0033】CPU29はロータリエンコーダ24から
の出力信号によりボビンレール6の昇降切替えを検知
し、巻取粗糸層が1層増加する毎に、ボビン回転速度が
所定量減速するようにインバータ10bを介して巻取用
モータ11を駆動制御する。また、昇降用モータ16の
速度も巻取用モータ11の速度に対応して減速制御さ
れ、ボビンレール6の移動速度が巻取り速度に同期して
減速される。
【0034】制御装置27は粗糸位置が目標粗糸位置か
ら所定の範囲内となるようにインバータ10bを介して
巻取用モータ11を駆動制御する。即ち、粗糸Rが適正
張力状態の粗糸Rより下方に位置するときは、巻取用モ
ータ11の駆動速度が速くなるように変速制御される。
また、粗糸Rが適正張力状態の粗糸Rより上方に位置す
るときは、巻取用モータ11の駆動速度が遅くなるよう
に変速制御される。
【0035】制御装置27には各センサ25の出力信号
が常に入力されており、CPU29は図1に示すフロー
チャートに従って所定時間間隔(例えば、数ミリ秒間
隔)で粗糸張力制御処理を行う。CPU29はステップ
S1で各センサ25の出力信号を取り込み、ステップS
2で各センサ25について所定数以上の受光素子が連続
して遮光されている領域においてその上限位置U及び下
限位置Lを求める。図5に示すように、各受光素子は1
本の粗糸Rの太さと比べて極めて微小であり、粗糸Rが
発光部26aから受光素子に向かう光を遮光する場合、
連続した多数個の受光素子が遮光される状態となる。C
PU29はセンサ25の受光素子が、粗糸Rの太さに対
応して予め設定された所定数以上連続して遮光された状
態の領域を粗糸Rにより遮光された領域と判断する。そ
して、その上限位置に対応する受光素子(図5では素子
番号e5)及び下限位置に対応する受光素子(図5では
素子番号e35)の位置をそれぞれ粗糸Rの上端及び下
端の位置とみなして、上限位置U及び下限位置Lを求め
る。
【0036】ステップS3では粗糸Rの中心位置Cを求
める。即ち、ステップS2で得た上限位置Uと下限位置
Lとの平均値(U+L)/2を算出する。ステップS4
では各粗糸Rの検出位置(中心位置C)と目標粗糸位置
0 との差分D=X0 −Cをそれぞれ求める。
【0037】次にCPU29はステップS5で各差分D
のデータの有効性の判断を行う。この実施の形態では、
各差分Dの値が予め設定されている上側の基準値Us及
び下側の基準値Lsの間に有る場合は有効と判断し、上
側の基準値Usより大きな場合又は下側の基準値Lsよ
り小さな場合は無効と判断する。そして、CPU29は
ステップS6で有効な差分Dの平均値 <D> を求める。
即ち、全部が有効な場合は3個のデータの平均値が、2
個が有効な場合は2個のデータの平均値が、1個が有効
な場合はその値がそれぞれ差分Dの平均値 <D> とな
る。
【0038】次にCPU29はステップS7で今回の差
分Dの平均値 <D> 、前回の粗糸位置検出時における差
分D1 の平均値 <D1>、及び前々回の粗糸位置検出時に
おける差分D2 の平均値 <D2>を用いて粗糸巻取りボビ
ンの回転数の補正量を算出する。この実施の形態ではP
ID制御(比例積分微分制御)を行うための補正量Hを
次式によって算出する。
【0039】 H=KP (<D> − <D1>)+KI <D> +KD {(<D> − <D1>)−(<D1>− <D2>)}…(1) 但し、KP 、KI 及びKD はそれぞれ比例定数である。 なお、運転開始直後の前回及び前々回の差分データがな
い時は、前回及び前々回の差分データはその時点の差分
データと等しいとして補正量を算出する。
【0040】そして、ステップS8で補正量に対応する
指示回転数となる制御指令を巻取用モータ駆動回路36
bを介してインバータ10bに出力し、巻取用モータ1
1を変速制御する。
【0041】次に従来の粗糸張力制御方法とこの実施の
形態の制御方法とを比較する。従来方法において、図6
に示すように、時間帯1において粗糸Rの張力が目標値
よりも小さく、粗糸Rの平均高さ位置が目標粗糸位置よ
りも低い位置で検出されたとする。このときの検出され
た粗糸Rの位置と目標粗糸位置との差を「80」とす
る。ここで、「80」とは受光素子のアドレスの差であ
る。
【0042】この場合、従来方法では、ボビン回転数を
「80」に相当する量だけ増加させる。このことによ
り、粗糸Rの張力が大きくなり、粗糸Rの平均高さ位置
が高くなって目標粗糸位置に近づくが、各時間帯は十分
に小さく、また、一般に補正信号を出力してから巻取用
モータがその指示に従った状態に落ち着くまでには遅延
が生じるので、時間帯2において粗糸Rの平均高さ位置
は目標粗糸位置には到達していない。この場合、時間帯
2における検出結果に従って、ボビン回転数は「40」
に相当する量だけ増加される。この回転数補正の結果、
時間帯3において粗糸Rの平均高さ位置が目標粗糸位置
に一致したとすると、この場合、両者の差は「0」なの
で、ボビンの回転数を増減させるような信号は出力され
ない。ところが、上述したように、補正信号を出力して
から巻取用モータがその指示に従った状態に落ち着くま
でには遅延が生じるので、時間帯1又は時間帯2におい
て生成された補正指示信号による影響が時間帯3以降に
現れてしまう。即ち、時間帯1〜3においてボビン回転
数を増加させていくと、その回転数が速くなり過ぎ、時
間帯4では粗糸Rの平均高さ位置が目標粗糸位置よりも
高くなってしまう虞がある。このように、従来方法にお
いては、いわゆるオーバーシュートが起こってしまう可
能性が高かった。
【0043】一方、この実施の形態の方法では今回の差
分データだけでなく前回及び前々回の差分データをも考
慮してボビン回転数を制御する。即ち、補正量Hは前記
(1)式に従って算出されるため、今回の差分データが
0であっても、補正量が0になるとは限らず、過去の状
態に対応した補正量Hで補正が行われる。従って、補正
により粗糸位置が目標粗糸位置を大きくオーバーシュー
トしてしまうような現象が防止され、粗糸張力が素早く
正確に適正状態になるので、安定した紡出運転を継続で
きる。
【0044】例えば、図7はこの実施の形態における1
個のセンサ25から得られる粗糸位置のサンプリングデ
ータと、そのサンプリングデータから求めた目標粗糸位
置との差分データを使用して演算された補正量Hの時間
変化を示すグラフである。図から明らかなように、補正
量Hは単にデータサンプリング時の粗糸位置と目標粗糸
位置との差に対応(比例)した値となるのではなく、過
去の状態によって補正量の値が変化する。例えば、図7
において、サンプリングデータが目標粗糸位置に近いP
1、P2、P3の3点に対応する補正量Hを見ると、そ
れぞれ異なる値となっている。補正量Hの差は大きさが
異なるだけでなく、増速するか、減速するかも違う場合
がある。
【0045】この実施の形態では以下の効果を有する。 (イ) 検出粗糸位置と目標粗糸位置との差を補正する
ためのボビン回転数(巻取り速度)の補正量を算出する
場合、今回の差分データだけでなく前回及び前々回の差
分データをも考慮して算出する。従って、従来方法と異
なり補正により粗糸位置が目標粗糸位置を大きくオーバ
ーシュートしてしまうような現象が防止され、粗糸張力
が素早く正確に適正状態になるので、安定した紡出運転
を継続できる。
【0046】(ロ) 所定時間内にサンプリングした複
数のデータから求めた平均粗糸位置に基づいて補正を行
うのではなく、平均粗糸位置を求める場合の各データサ
ンプリング時のように短い所定時間毎に補正量を算出し
て補正を行う。従って、補正周期が短くなるとともに一
回の補正量が少なくなり、補正の遅れに起因するオーバ
ーシュートが生じてもその量が小さく、粗糸Rの張力変
動が少なくなる。
【0047】(ハ) 平均粗糸位置に基づいて補正を行
う場合に比較して、補正周期が短いため、急な粗糸位置
変動に対する制御応答性が良くなる。 (ニ) センサ25が複数錘(3錘)に設けられ、CP
U29は各錘毎に前記差分Dを算出し、その算出した各
差分Dの平均値に基づいて前記補正量を算出するため、
1錘の粗糸位置に基づいて補正量を算出する場合に比較
して、粗紡機全体の粗糸状態を反映した粗糸張力制御を
行うことができる。
【0048】(ホ) CPU29は複数錘(3錘)のセ
ンサ25の検出信号から求められた差分データの有効性
の判定を行い、有効データを用いて補正量の算出を行
う。従って、いずれかのセンサが故障した場合やいずれ
かの錘の紡出状態が不良となって、補正量の算出に使用
すると悪影響を及ぼす粗糸位置データが得られても、そ
のデータを使用しないため、張力補正が良好に行われ
る。
【0049】(ヘ) センサ25を構成する受光部26
bを1本の粗糸Rの太さと比べて極めて微小な受光素子
を多数1列に並べて構成し、CPU29は受光素子が粗
糸Rの太さに対応して予め設定された所定数以上連続し
て遮光された状態の領域を粗糸Rにより遮光された領域
と判断する。従って、風綿等明らかに粗糸Rと異なるも
のによって受光素子が遮光された場合に、その受光素子
位置を粗糸位置と判断する虞がなくなり、粗糸位置の検
出精度が高くなる。
【0050】(ト) 粗糸位置として所定数以上連続し
て遮光された状態の領域の上限位置に対応する受光素子
及び下限位置に対応する受光素子の位置をそれぞれ粗糸
Rの上端及び下端の位置とみなして、その平均値を粗糸
位置とするので、粗糸位置を精度良く、簡単に求めるこ
とができる。
【0051】なお、実施の形態は前記に限定されるもの
ではなく、例えば、次のように具体化してもよい。 ○ 補正量を算出する際、差分データの有効性を判断せ
ずに、求められた差分データの全てを単純に平均した平
均差分データを使用してもよい。
【0052】○ センサ25の数は複数に限らず1個で
もよい。複数の場合も3個に限らずの2個あるいは4個
以上、場合によっては全錘に設けてもよい。 ○ 差分データの有効性を判断する構成において、セン
サ25を1個で使用する場合に、差分データが無効と判
断された場合、補正量を算出するときの今回の差分デー
タとして前回の差分データを使用する。
【0053】○ 差分データの有効性を判断する構成に
おいて、センサ25を1個で使用する場合に、差分デー
タが無効と判断された場合、補正量を算出するときの今
回の差分データとして、予め設定された値(例えば0)
を使用する。
【0054】○ 差分データの有効性を判断する構成に
おいて、同じ錘の差分データが無効と判断された数をカ
ウントし、予め設定された所定時間内に所定回数以上無
効と判断された場合、報知装置を作動させてもよい。報
知装置としては警報ランプ、ブザー等がある。
【0055】○ 受光部26bの測定エリア内に風綿等
が存在した場合にそれらにより遮光された受光素子を粗
糸Rにより遮光されたものと区別する構成として、図8
(b)に示す構成を採用してもよい。即ち、風綿が受光
素子1〜2個程度の光を遮光する太さである場合、3個
の受光素子からの出力が入力されるOR回路37と、そ
の出力が入力されるカウンタ38を設ける。OR回路3
7には連続する3個の受光素子からの出力が入力され、
OR回路37はその論理和を演算して出力する。カウン
タ38は、受光素子を1ビットずつスキャンする際に生
成されるスキャンパルスを受信する毎に「1」ずつイン
クリメントされ、OR回路37の出力が「0」になった
ときのカウント値を出力する。
【0056】図8(a)は図5に示した粗糸位置状態に
おいて、受光素子e2の位置に風綿Fが存在した場合を
示している。このような場合、各受光素子は光を受光し
たとき「1」を出力し、受光しなかったときに「0」を
出力するものとすると、受光素子e1,e3,e4は
「1」を出力し、受光素子e2及びe5以降は「0」を
出力する。
【0057】図8(c)は、図8(b)の回路の動作を
説明するタイミング図である。同図において、時刻T1
では、受光素子e1〜e3の出力(1,0,1)がOR
回路37に入力される。このとき、カウンタ38のカウ
ント値を「1」とする。ここで、受光素子e1〜e3
は、遮光ビットを含んでいるが、OR回路37の出力は
「1」なので、カウンタ38はカウント値を出力しな
い。即ち、受光素子e2が風綿によって遮光されている
が、その高さ位置は「粗糸Rの上端位置」とは見なされ
ない。
【0058】以降、OR回路37に入力される3ビット
データは1ビットずつシフトされてゆき、それに伴って
カウンタ38のカウント値が「1」ずつインクリメント
されてゆく。そして、時刻T5 になると、受光素子e5
〜e7の出力(0,0,0)がOR回路37に入力さ
れ、その出力が「0」になる。カウンタ38は、OR回
路37の出力が「0」になると、その時点でのカウント
値「5」を出力する。このカウント値は、3個の受光素
子が連続して遮光され始めた位置を表しており、粗糸R
の上端の高さ位置に対応する。なお、粗糸Rの下端の高
さ位置は、OR回路37の出力が「0」から「1」に変
化したときのカウンタ38のカウント値に「2」を加算
した値として得られる。
【0059】この場合、センサ25にこの回路を組み込
んでおけば、CPU29がセンサ25の各受光素子の出
力信号を入力する代わりに、カウンタ38の出力信号を
入力することにより粗糸Rの上限位置U及び下限位置U
を簡単求めることができる。従って、センサ25の数を
増やした場合に、CPU29の処理量を少なくでき、補
正周期を短くできる。
【0060】○ 粗糸位置(中心粗糸位置C)を求める
場合、受光素子が連続して遮光されている領域の上限位
置U及び下限位置Lの平均値を算出する代わりに、連続
して遮光された受光素子の位置の全ての平均値を算出し
てもよい。
【0061】○ センサ25の発光部26aは、列状に
配設された多数の発光源(例えば赤外線発光ダイオード
列)から構成されるものに限らず、一つの光源からの光
をレンズ等によって受光部の列状に配設された全受光素
子をカバーできる平行光線にして受光部26bに投光す
る構成でもよい。この場合は、光源が一つで済む。
【0062】○ プログラムメモリ30に紡出条件から
目標粗糸位置を演算する演算式あるいは目標粗糸位置を
求めるためのデータベースを記憶させておく構成に代え
て、紡出条件を入力装置31で入力するときに、対応す
る目標粗糸位置を入力装置31で入力して作業用メモリ
32に記憶させてもよい。
【0063】○ 粗糸Rの高さ位置を所定の基準位置か
らの距離として求める代わりに、受光素子のアドレス
(素子番号)として求めるようにしてもよい。従って、
差分データは、目標粗糸位置に対応する受光素子のアド
レスと、データサンプリング時の粗糸位置に対応する受
光素子のアドレスとの差として求められる。この場合
は、各受光素子のアドレスを基準位置からの距離に変換
する必要がなく、演算が簡単になる。
【0064】○ 今回の差分データと、前回及び前々回
の差分データに基づいて補正量を算出する代わりに、今
回の差分データと前回の差分データから補正量を求めた
り、今回のデータと過去3回以上の差分データとを用い
て補正量を設定してもよい。これらの場合も、今回の差
分データに対応した(比例した)補正量でボビンの回転
数(巻取り速度)を制御する場合に比較して、過去の張
力状態を加味した分だけオーバーシュートが抑制され
て、粗糸の高さ位置を早期に目標粗糸位置に近づけるこ
とができる。
【0065】○ 巻取り速度を変速する構成として、特
開昭62−85036号公報に開示された装置のよう
に、コーンドラムを使用するとともにベルトシフタと連
動するロングラックを駆動する歯車系をモータで駆動す
る構成としたり、粗紡機の駆動系として、差動歯車機構
12を設けることなく各駆動系を全て独立してモータで
駆動する構成としてもよい。
【0066】前記各実施の形態から把握できる請求項記
載以外の技術的思想(発明)について、以下にその効果
とともに記載する。 (1) 粗紡機のフロントローラからフライヤトップに
至る粗糸の位置を前記フロントローラとフライヤトップ
との間に配設された非接触式の粗糸位置検出装置によっ
て検出し、その検出値に応じて粗糸巻取りボビンの回転
数を調整して粗糸張力を制御する粗紡機の粗糸張力制御
方法において、前記粗糸位置検出装置を多数の受光器を
備えた光電式検出装置により構成し、粗紡機の運転中、
上下方向に振動する粗糸の高さ位置を前記粗糸位置検出
装置によって所定時間毎に1回検出し、その検出位置と
予め設定されている目標粗糸位置との差分を求め、前記
差分及び過去の粗糸位置検出時における差分に基づいて
粗糸巻取りボビンの回転数の補正量を算出し、前記補正
量を用いて粗糸巻取りボビンの回転数を調整する粗紡機
の粗糸張力制御方法。この場合も、今回の差分データに
対応した(比例した)補正量でボビンの回転数(巻取り
速度)を制御する場合に比較して、過去の張力状態を加
味した分だけオーバーシュートが抑制されて、粗糸の高
さ位置を早期に目標粗糸位置に近づけることができる。
【0067】(2) 請求項1〜請求項4及び(1)の
いずれかに記載の発明において、粗糸位置検出装置とし
て粗糸の太さに比較して極めて微小な受光素子が多数一
列に並んだ受光部を備えたセンサを使用し、受光素子が
粗糸の太さに対応して予め設定された所定数以上連続し
て遮光された状態の領域を粗糸により遮光された領域と
判断して、その遮光領域の両端の受光素子位置の平均値
を粗糸位置と判断する。この場合、風綿等の明らかに粗
糸と異なるものによって受光素子が遮光された場合に、
その受光素子位置を粗糸位置と判断する虞がなくなり、
粗糸位置の検出精度が高くなる。
【0068】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1〜請求項4
に記載の発明によれば、粗糸の高さ位置を早期に目標位
置に近づけて、安定した粗糸張力状態での粗紡機の紡出
運転を継続できる。
【0069】請求項3に記載の発明では、粗糸位置検出
装置が複数錘に設けられ、演算手段は各錘毎に算出した
目標粗糸位置と粗糸位置との差分の平均値に基づいて補
正量を算出するため、1錘の粗糸位置に基づいて補正量
を算出する場合に比較して、粗紡機全体の粗糸状態を反
映した粗糸張力制御を行うことができる。
【0070】請求項4に記載の発明では、いずれかのセ
ンサが故障した場合やいずれかの錘の紡出状態が不良と
なって、補正量の算出に使用すると悪影響を及ぼす粗糸
位置データが得られても、そのデータを使用しないた
め、張力補正が良好に行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 粗糸張力制御処理を示すフローチャート。
【図2】 粗紡機の駆動系の概略図。
【図3】 電気的構成を示すブロック図。
【図4】 センサと粗糸の関係を示す模式図。
【図5】 受光素子と粗糸との関係を示す模式図。
【図6】 従来方法の制御処理を模式的に示す図。
【図7】 実施の形態の粗糸位置と補正量の関係を示す
グラフ。
【図8】 (a)は受光素子と粗糸及び風綿の関係を示
す模式図、(b)は粗糸の上限及び下限位置を出力する
回路、(c)は作用を示すタイムチャート。
【符号の説明】
1…フロントローラ、2a…フライヤトップ、25…粗
糸位置検出装置としてのセンサ、27…制御部としての
制御装置、29…制御部を構成するとともに演算手段及
び制御手段としてのCPU、32…記憶手段としての作
業用メモリ、B…ボビン、R…粗糸。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗紡機のフロントローラからフライヤト
    ップに至る粗糸の位置を前記フロントローラとフライヤ
    トップとの間に配設された非接触式の粗糸位置検出装置
    によって検出し、その検出値に応じて粗糸巻取りボビン
    の回転数を調整して粗糸張力を制御する粗紡機の粗糸張
    力制御方法において、 前記粗糸位置検出装置を多数の受光器を備えた光電式検
    出装置により構成し、 粗紡機の運転中、上下方向に振動する粗糸の高さ位置を
    前記粗糸位置検出装置によって所定時間毎に1回検出
    し、その検出位置と予め設定されている目標粗糸位置と
    の差分を求め、 前記差分、前回の粗糸位置検出時における差分及び前々
    回の粗糸位置検出時における差分に基づいて粗糸巻取り
    ボビンの回転数の補正量を算出し、 前記補正量を用いて粗糸巻取りボビンの回転数を調整す
    る粗紡機の粗糸張力制御方法。
  2. 【請求項2】 粗紡機のフロントローラとフライヤトッ
    プに至る粗糸の位置を検出する非接触式の粗糸位置検出
    装置からの出力信号に基づいてボビンの巻取り速度を変
    速制御する制御部を備えた粗紡機において、 前記粗糸位置検出装置を多数の受光器を備えた光電式検
    出装置により構成し、 前記制御部は、適正張力状態におけるフロントローラか
    らフライヤトップに至る粗糸の目標位置を記憶する記憶
    手段と、 粗紡機の運転中、上下方向に振動する粗糸の高さ位置を
    所定時間毎に1回前記粗糸位置検出装置の検出信号に基
    づいて求めるとともに、その粗糸の高さ位置と予め設定
    されている粗糸の目標位置との差分を求める演算手段
    と、 前記差分、前回の粗糸位置検出時における差分及び前々
    回の粗糸位置検出時における差分に基づいて粗糸巻取り
    ボビンの回転数の補正量を算出し、その補正量を用いて
    粗糸巻取りボビンの巻取り速度を変速制御する制御手段
    とを有する粗紡機の粗糸張力制御装置。
  3. 【請求項3】 前記粗糸位置検出装置は複数錘に設けら
    れ、前記制御手段は各錘毎に前記各差分を算出し、その
    算出した前記各差分の平均値に基づいて前記補正量を算
    出する請求項2に記載の粗紡機の粗糸張力制御装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、前記演算手段により求
    められた差分データの有効性の判定を行い、有効データ
    を用いて補正量の算出を行う請求項3に記載の粗紡機の
    粗糸張力制御装置。
JP20918297A 1997-08-04 1997-08-04 粗紡機の粗糸張力制御方法及び制御装置 Pending JPH1149430A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110468473A (zh) * 2018-05-11 2019-11-19 株式会社丰田自动织机 粗纱系统和粗纱机

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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