JPH10168674A - 粗紡機における粗糸張力制御方法および粗糸位置検出装置 - Google Patents
粗紡機における粗糸張力制御方法および粗糸位置検出装置Info
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- JPH10168674A JPH10168674A JP33734896A JP33734896A JPH10168674A JP H10168674 A JPH10168674 A JP H10168674A JP 33734896 A JP33734896 A JP 33734896A JP 33734896 A JP33734896 A JP 33734896A JP H10168674 A JPH10168674 A JP H10168674A
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- light receiving
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- Spinning Or Twisting Of Yarns (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 粗糸の平均高さ位置を早期にかつ正確に目標
位置に近づけ、安定した粗糸張力状態での粗紡機の紡出
運転を継続できる方法を提供する。 【解決手段】 粗糸Rは、フロントローラ1から紡出さ
れてボビンBに巻き取られる。ボビンBは、巻取用モー
タ11により回転駆動される。センサ25は、フロント
ローラ1とフライヤトップ2aとの間で走行する粗糸R
の張力の代用値としてその高さ位置を検出し、その検出
値を制御装置26に通知する。制御装置26は、粗糸R
の平均高さ位置を算出し、その平均高さ位置と予め決め
られている設定値との差を求める。前々回の演算で得ら
れた差、前回の演算で得られた差、および今回の演算で
得られた差を用いて、巻取用モータ11の回転数を補正
するための補正信号を出力する。
位置に近づけ、安定した粗糸張力状態での粗紡機の紡出
運転を継続できる方法を提供する。 【解決手段】 粗糸Rは、フロントローラ1から紡出さ
れてボビンBに巻き取られる。ボビンBは、巻取用モー
タ11により回転駆動される。センサ25は、フロント
ローラ1とフライヤトップ2aとの間で走行する粗糸R
の張力の代用値としてその高さ位置を検出し、その検出
値を制御装置26に通知する。制御装置26は、粗糸R
の平均高さ位置を算出し、その平均高さ位置と予め決め
られている設定値との差を求める。前々回の演算で得ら
れた差、前回の演算で得られた差、および今回の演算で
得られた差を用いて、巻取用モータ11の回転数を補正
するための補正信号を出力する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粗紡機における粗
糸の巻取張力を制御する技術に関する。
糸の巻取張力を制御する技術に関する。
【0002】
【従来の技術およびその問題点】ボビンリード式粗紡機
においては、フロントローラより一定速度で送り出され
る粗糸を、一定速度で回転するフライヤとそのフライヤ
より高速で回転するボビンとの回転差により粗糸に撚り
をかけつつボビンに巻き取るが、粗糸の巻取調子は、フ
ロントローラとフライヤトップとの間で撚かけ走行して
いる粗糸の張力状態の影響を受ける。すなわち、粗糸が
適度に弛んでいる場合にはボビンに対する巻取が良好に
行われるが、粗糸の張力に変動がある場合には、巻取ら
れた粗糸の重量に変動が生じ、糸むらの原因となる。一
方、公知の如く一対のコーンドラムを使用してドラムの
回転速度を調整し、粗糸の張力を調節するようにしたも
のがある。ところが、紡出繊維の種類、重さ、フライヤ
の回転数、撚数等の紡出条件などにより、ボビンに巻か
れた粗糸の巻数とボビン径の増加との割合が変わるた
め、一種類のコーンドラムを使用する方法ではすべての
紡出条件に対して巻始めから満管まで巻取張力が一定に
なるように機台を調整することは困難である。
においては、フロントローラより一定速度で送り出され
る粗糸を、一定速度で回転するフライヤとそのフライヤ
より高速で回転するボビンとの回転差により粗糸に撚り
をかけつつボビンに巻き取るが、粗糸の巻取調子は、フ
ロントローラとフライヤトップとの間で撚かけ走行して
いる粗糸の張力状態の影響を受ける。すなわち、粗糸が
適度に弛んでいる場合にはボビンに対する巻取が良好に
行われるが、粗糸の張力に変動がある場合には、巻取ら
れた粗糸の重量に変動が生じ、糸むらの原因となる。一
方、公知の如く一対のコーンドラムを使用してドラムの
回転速度を調整し、粗糸の張力を調節するようにしたも
のがある。ところが、紡出繊維の種類、重さ、フライヤ
の回転数、撚数等の紡出条件などにより、ボビンに巻か
れた粗糸の巻数とボビン径の増加との割合が変わるた
め、一種類のコーンドラムを使用する方法ではすべての
紡出条件に対して巻始めから満管まで巻取張力が一定に
なるように機台を調整することは困難である。
【0003】このため、粗糸の張力を一定にするための
多くの提案がなされている。たとえば、昭和52年3月
25日公告の実公昭52−13376号公報、または昭
和52年12月12日公告の特公昭52−48652号
公報には、ベルトシフターの移動量をカムを使用して適
宜に変更し、かつ、紡出条件の変更に対応してカム曲線
の形状を変化し得る構成の粗糸張力補正装置が提案され
ている。しかし、これらは、与えられた紡出条件で一度
紡出しながらボビンの巻始めから満管までの間の数ヶ所
でフロントローラとフライヤトップ間の粗糸の張り具合
を見ながら補正装置をセットするもので、手間がかかり
かつチェックポイントが数ヶ所のため完全とは言えな
い。
多くの提案がなされている。たとえば、昭和52年3月
25日公告の実公昭52−13376号公報、または昭
和52年12月12日公告の特公昭52−48652号
公報には、ベルトシフターの移動量をカムを使用して適
宜に変更し、かつ、紡出条件の変更に対応してカム曲線
の形状を変化し得る構成の粗糸張力補正装置が提案され
ている。しかし、これらは、与えられた紡出条件で一度
紡出しながらボビンの巻始めから満管までの間の数ヶ所
でフロントローラとフライヤトップ間の粗糸の張り具合
を見ながら補正装置をセットするもので、手間がかかり
かつチェックポイントが数ヶ所のため完全とは言えな
い。
【0004】また、昭和50年1月17日公開の特開昭
50−4338号公報や昭和56年5月28日公告の特
公昭56−22964号公報には、プログラム制御装置
により制御駆動されるモータによりベルトシフターの移
動量を調整する装置が提案されている。これらの装置で
は、前記カムを使用する装置に比較してセットが簡単で
しかもチェックポイントが多いが、各紡出条件ごとに実
際に巻取張力を測定して、一定張力にすべきベルト移動
量の曲線を算出しなけらばならない。また、紡出試験時
の粗糸の状態と操業運転時の状態とが必ずしも同一とは
限らないという不都合がある。
50−4338号公報や昭和56年5月28日公告の特
公昭56−22964号公報には、プログラム制御装置
により制御駆動されるモータによりベルトシフターの移
動量を調整する装置が提案されている。これらの装置で
は、前記カムを使用する装置に比較してセットが簡単で
しかもチェックポイントが多いが、各紡出条件ごとに実
際に巻取張力を測定して、一定張力にすべきベルト移動
量の曲線を算出しなけらばならない。また、紡出試験時
の粗糸の状態と操業運転時の状態とが必ずしも同一とは
限らないという不都合がある。
【0005】さらに、昭和51年7月10日公告の特公
昭51−22532号公報には、フロントローラとフラ
イヤトップ間の粗糸が一定量以上緩んだ場合に光電管に
よりそれを検出して、その緩みを補正する方向に一定量
だけベルトシフターを移動させてボビン回転数を制御す
る方法が提案されている。この方法では、各紡出条件ご
とに予め紡出試験を行う必要がないが、粗糸の張力が大
きくなった場合には、それを検知して補正することがで
きないという不都合がある。
昭51−22532号公報には、フロントローラとフラ
イヤトップ間の粗糸が一定量以上緩んだ場合に光電管に
よりそれを検出して、その緩みを補正する方向に一定量
だけベルトシフターを移動させてボビン回転数を制御す
る方法が提案されている。この方法では、各紡出条件ご
とに予め紡出試験を行う必要がないが、粗糸の張力が大
きくなった場合には、それを検知して補正することがで
きないという不都合がある。
【0006】上述の問題点を解決するために、特開昭6
0−34628号公報、特開昭62−8979号公報、
および特開平3−42471号公報に開示された粗糸巻
取制御装置が提案されている。これらの公報に開示され
た方式では、上述した従来技術に比べて、上下方向に振
動している粗糸の振動位置を連続して検出し、粗糸の高
さ位置を細かく検出することができるため、より正確な
粗糸の張力制御が可能となるが、その制御方法は所定時
間内の粗糸の各高さ位置を検出し、この各高さ位置を平
均化することにより粗糸の平均高さ位置を算出し、その
平均高さ位置と設定された目標位置との間に差がある否
かを調べ、差が生じている場合には、粗糸張力が適正で
ないと判断して、その差に比例した大きさの補正量を算
出し、その補正量により粗糸巻取りボビンの回転数を補
正するものである。
0−34628号公報、特開昭62−8979号公報、
および特開平3−42471号公報に開示された粗糸巻
取制御装置が提案されている。これらの公報に開示され
た方式では、上述した従来技術に比べて、上下方向に振
動している粗糸の振動位置を連続して検出し、粗糸の高
さ位置を細かく検出することができるため、より正確な
粗糸の張力制御が可能となるが、その制御方法は所定時
間内の粗糸の各高さ位置を検出し、この各高さ位置を平
均化することにより粗糸の平均高さ位置を算出し、その
平均高さ位置と設定された目標位置との間に差がある否
かを調べ、差が生じている場合には、粗糸張力が適正で
ないと判断して、その差に比例した大きさの補正量を算
出し、その補正量により粗糸巻取りボビンの回転数を補
正するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、上述の公
報(特開昭60−34628号公報、特開昭62−89
79号公報、および特開平3−42471号公報)に開
示された粗糸張力制御方法では、実際の粗糸張力ではな
く、粗糸の平均高さ位置という代用値を用いて粗糸張力
を判断するものであるが、その制御方法は、粗糸の平均
高さ位置と目標高さ位置との間に差が生じると、その差
に比例した大きさの補正量によって粗糸の巻取りボビン
の回転数を一挙に調整し、また目標高さ位置との間に差
がなければ粗糸張力が適正であるとして、粗糸巻取りボ
ビンの回転数を調整しない方法である。このため、例え
ば、粗糸の平均高さ位置が目標高さ位置より低い場合に
は、粗糸張力が小さすぎると判断して粗糸巻取りボビン
の回転数が高くなるように調整する。
報(特開昭60−34628号公報、特開昭62−89
79号公報、および特開平3−42471号公報)に開
示された粗糸張力制御方法では、実際の粗糸張力ではな
く、粗糸の平均高さ位置という代用値を用いて粗糸張力
を判断するものであるが、その制御方法は、粗糸の平均
高さ位置と目標高さ位置との間に差が生じると、その差
に比例した大きさの補正量によって粗糸の巻取りボビン
の回転数を一挙に調整し、また目標高さ位置との間に差
がなければ粗糸張力が適正であるとして、粗糸巻取りボ
ビンの回転数を調整しない方法である。このため、例え
ば、粗糸の平均高さ位置が目標高さ位置より低い場合に
は、粗糸張力が小さすぎると判断して粗糸巻取りボビン
の回転数が高くなるように調整する。
【0008】ところが、この方式では、粗糸の平均高さ
位置と目標高さ位置との間の差に比例した回転数補正を
行わせるための補正信号が出力されるので、粗糸の平均
高さ位置が目標値に近づいてきている状態であっても、
そのときの粗糸位置の検出結果によって目標高さ位置と
の間に生じている差に相当する補正量に基づいて粗糸巻
取りボビンの回転数をさらに増加させるように調整する
ことになる。従って、粗糸巻取りボビンは、必用以上に
回転数が増加させられてしまい、粗糸張力が高くなって
粗糸の平均高さ位置が目標高さ位置よりも高い状態にオ
ーバーシュートし、次には上記と逆の方向の補正をしな
ければならないため、粗糸を目標高さ位置へ収束するた
めの調整を長期間に渡って行わなければならず、粗糸を
目標高さ位置に早期にかつ正確に到達させることができ
ない。このため、安定した粗糸張力状態で粗紡機の紡出
運転を行うことができないという問題がある。
位置と目標高さ位置との間の差に比例した回転数補正を
行わせるための補正信号が出力されるので、粗糸の平均
高さ位置が目標値に近づいてきている状態であっても、
そのときの粗糸位置の検出結果によって目標高さ位置と
の間に生じている差に相当する補正量に基づいて粗糸巻
取りボビンの回転数をさらに増加させるように調整する
ことになる。従って、粗糸巻取りボビンは、必用以上に
回転数が増加させられてしまい、粗糸張力が高くなって
粗糸の平均高さ位置が目標高さ位置よりも高い状態にオ
ーバーシュートし、次には上記と逆の方向の補正をしな
ければならないため、粗糸を目標高さ位置へ収束するた
めの調整を長期間に渡って行わなければならず、粗糸を
目標高さ位置に早期にかつ正確に到達させることができ
ない。このため、安定した粗糸張力状態で粗紡機の紡出
運転を行うことができないという問題がある。
【0009】さらに、上述の公報に開示された構成で
は、粗糸位置検出用の受光器を構成する各受光素子が、
投光器から出力されたビームを受光したか否かという情
報をそのまま利用して粗糸の高さ位置を算出するため、
たとえば、粗糸位置の測定エリアに風綿などが存在した
場合には、その位置に粗糸が存在しているものとみなし
て粗糸の位置検出が行われるため、正確な位置検出がで
きない場合があった。
は、粗糸位置検出用の受光器を構成する各受光素子が、
投光器から出力されたビームを受光したか否かという情
報をそのまま利用して粗糸の高さ位置を算出するため、
たとえば、粗糸位置の測定エリアに風綿などが存在した
場合には、その位置に粗糸が存在しているものとみなし
て粗糸の位置検出が行われるため、正確な位置検出がで
きない場合があった。
【0010】本発明の課題は、上述の従来技術の問題点
を解消し、粗糸の平均高さ位置を早期にかつ正確に目標
位置に近づけ、安定した粗糸張力状態での粗紡機の紡出
運転を継続できる粗紡機の粗糸張力制御方法を提供する
ことである。また、本発明の他の課題は、振動する粗糸
の平均位置を正確に検出するための装置を提供すること
である。
を解消し、粗糸の平均高さ位置を早期にかつ正確に目標
位置に近づけ、安定した粗糸張力状態での粗紡機の紡出
運転を継続できる粗紡機の粗糸張力制御方法を提供する
ことである。また、本発明の他の課題は、振動する粗糸
の平均位置を正確に検出するための装置を提供すること
である。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の粗紡機における
粗糸張力制御方法は、粗紡機のフロントローラからフラ
イヤトップに至る粗糸の位置を前記フロントローラとフ
ライヤトップとの間に配設された非接触式の粗糸位置検
出装置によって検出し、その検出値に応じて粗糸巻取り
ボビンの回転数を調整して粗糸張力を制御する方法を前
提とし、以下のステップを有する。
粗糸張力制御方法は、粗紡機のフロントローラからフラ
イヤトップに至る粗糸の位置を前記フロントローラとフ
ライヤトップとの間に配設された非接触式の粗糸位置検
出装置によって検出し、その検出値に応じて粗糸巻取り
ボビンの回転数を調整して粗糸張力を制御する方法を前
提とし、以下のステップを有する。
【0012】上記粗糸位置検出装置を多数の受光器を備
えた光電式検出装置で構成する。粗紡機の運転中に、上
下方向に振動する粗糸の各高さ位置を前記粗糸位置検出
装置により所定時間に渡って連続的に検出する。上記所
定時間内に検出された各高さ位置に基づいて粗糸の平均
高さ位置を算出する。上記平均高さ位置を予め設定され
ている設定粗糸位置と比較して差分を求める。この差
分、前回の所定時間内に検出された粗糸の平均高さ位置
に基づく設定粗糸位置との差分、および前々回の所定時
間内に検出された粗糸の平均高さ位置に基づく設定粗糸
位置との差分に基づいて粗糸巻取りボビンの回転数の補
正量を算出する。この補正量を用いて粗糸巻取りボビン
の回転数を調整する。
えた光電式検出装置で構成する。粗紡機の運転中に、上
下方向に振動する粗糸の各高さ位置を前記粗糸位置検出
装置により所定時間に渡って連続的に検出する。上記所
定時間内に検出された各高さ位置に基づいて粗糸の平均
高さ位置を算出する。上記平均高さ位置を予め設定され
ている設定粗糸位置と比較して差分を求める。この差
分、前回の所定時間内に検出された粗糸の平均高さ位置
に基づく設定粗糸位置との差分、および前々回の所定時
間内に検出された粗糸の平均高さ位置に基づく設定粗糸
位置との差分に基づいて粗糸巻取りボビンの回転数の補
正量を算出する。この補正量を用いて粗糸巻取りボビン
の回転数を調整する。
【0013】上記方法によれば、粗糸の張力の代用値と
しての高さ位置を目標値に合わせる際に、その高さ位置
がどのように目標値に近づきつつあるのか(あるいは、
その高さ位置がどのように目標値から遠ざかりつつある
のか)という過去の経緯を利用するので、過度の補正を
防止できる。
しての高さ位置を目標値に合わせる際に、その高さ位置
がどのように目標値に近づきつつあるのか(あるいは、
その高さ位置がどのように目標値から遠ざかりつつある
のか)という過去の経緯を利用するので、過度の補正を
防止できる。
【0014】本発明の粗糸位置検出装置は、粗紡機のフ
ロントローラからフライヤトップに至る粗糸を挟むよう
にして投光器と受光器とが配設され、その受光器の出力
が上記粗糸を巻き取るためのボビンの回転数の制御に利
用される構成であり、以下を有する。
ロントローラからフライヤトップに至る粗糸を挟むよう
にして投光器と受光器とが配設され、その受光器の出力
が上記粗糸を巻き取るためのボビンの回転数の制御に利
用される構成であり、以下を有する。
【0015】各々の大きさが上記粗糸と比べて小さく、
上記投光器から出力された光線を受光する列状に配設さ
れた多数の受光素子。上記多数の受光素子のうち所定数
以上の受光素子が連続して遮光されている領域を検出
し、その領域の中心位置を表すデータを出力する中心位
置データ生成手段。
上記投光器から出力された光線を受光する列状に配設さ
れた多数の受光素子。上記多数の受光素子のうち所定数
以上の受光素子が連続して遮光されている領域を検出
し、その領域の中心位置を表すデータを出力する中心位
置データ生成手段。
【0016】上記構成によれば、上記所定数の受光素子
が並べられる領域よりも小さな物体が測定エリアに侵入
したとしても、その物体によって遮光された位置は粗糸
の位置とは認識されない。したがって、粗糸位置の検出
において風綿などの影響を除去できる。
が並べられる領域よりも小さな物体が測定エリアに侵入
したとしても、その物体によって遮光された位置は粗糸
の位置とは認識されない。したがって、粗糸位置の検出
において風綿などの影響を除去できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
例を図面に従って説明する。粗紡機の駆動系の基本的な
構成は、本願出願人が先に提案(特開昭63−2649
23号公報)したものと同じであるが、ボビンレールの
昇降切替機構が異なっている。
例を図面に従って説明する。粗紡機の駆動系の基本的な
構成は、本願出願人が先に提案(特開昭63−2649
23号公報)したものと同じであるが、ボビンレールの
昇降切替機構が異なっている。
【0018】図1に示すように、フロントローラ1は、
その回転軸1aの一端と、主モータMにより回転駆動さ
れるドライビングシャフトとの間に配設された歯車列を
介して回転駆動されるようになっている。また、フライ
ヤ2の上部には、被動歯車3が一体回転可能に嵌着固定
されている。そして、上記ドライビングシャフトの回転
がベルト伝動機構を介して伝達される回転軸4の回転に
より、回転軸4に嵌着された駆動歯車5を介して被動歯
車3がフライヤ2とともに回転駆動される。一方、ボビ
ンレール6上に装備されたスピンドル7には被動歯車7
aが固着されている。そして、被動歯車7aと嵌合する
駆動歯車8が嵌着固定された回転軸9には、ドライビン
グシャフトの回転力と、インバータ10bを介して変速
駆動される巻取用モータ11による回転力とが差動歯車
機構12により合成されて伝達される。また、巻取用モ
ータ11、差動歯車機構12などにより、粗糸巻層の増
加に対応してボビン回転速度を減少させる巻取速度変速
装置が構成されている。
その回転軸1aの一端と、主モータMにより回転駆動さ
れるドライビングシャフトとの間に配設された歯車列を
介して回転駆動されるようになっている。また、フライ
ヤ2の上部には、被動歯車3が一体回転可能に嵌着固定
されている。そして、上記ドライビングシャフトの回転
がベルト伝動機構を介して伝達される回転軸4の回転に
より、回転軸4に嵌着された駆動歯車5を介して被動歯
車3がフライヤ2とともに回転駆動される。一方、ボビ
ンレール6上に装備されたスピンドル7には被動歯車7
aが固着されている。そして、被動歯車7aと嵌合する
駆動歯車8が嵌着固定された回転軸9には、ドライビン
グシャフトの回転力と、インバータ10bを介して変速
駆動される巻取用モータ11による回転力とが差動歯車
機構12により合成されて伝達される。また、巻取用モ
ータ11、差動歯車機構12などにより、粗糸巻層の増
加に対応してボビン回転速度を減少させる巻取速度変速
装置が構成されている。
【0019】ボビンレール6には、リフターラック13
が固定されている。リフターラック13と嵌合する歯車
14が嵌着された回転軸15には、駆動軸17の回転が
切替機構18および歯車列を介して伝達される。駆動軸
17は、インバータ10cを介して変速駆動される昇降
用モータ16により駆動される。切替機構18は、中間
軸19と、その中間軸19と駆動軸17との間に設けら
れた一対の歯車列20および21と、歯車列20および
21の回転を中間軸19に伝達する電磁クラッチ22お
よび23とから構成されている。そして、電磁クラッチ
22および23の励磁/消磁より、回転軸15の回転方
向、すなわちボビンレール6の昇降動の方向が変更され
るようになっている。回転軸15の端部には、ボビンレ
ール6の上下移動方向を検知するセンサとしてのロータ
リエンコーダ24が接続されている。
が固定されている。リフターラック13と嵌合する歯車
14が嵌着された回転軸15には、駆動軸17の回転が
切替機構18および歯車列を介して伝達される。駆動軸
17は、インバータ10cを介して変速駆動される昇降
用モータ16により駆動される。切替機構18は、中間
軸19と、その中間軸19と駆動軸17との間に設けら
れた一対の歯車列20および21と、歯車列20および
21の回転を中間軸19に伝達する電磁クラッチ22お
よび23とから構成されている。そして、電磁クラッチ
22および23の励磁/消磁より、回転軸15の回転方
向、すなわちボビンレール6の昇降動の方向が変更され
るようになっている。回転軸15の端部には、ボビンレ
ール6の上下移動方向を検知するセンサとしてのロータ
リエンコーダ24が接続されている。
【0020】フロントローラ1とフライヤトップ2aと
の間には、フロントローラ1からフライヤトップ2aに
至る粗糸Rの位置を連続的に検出する非接触式のセンサ
25が設けられている。センサ25は、たとえば列状に
配設された多数の赤外線発光ダイオード列からなる発光
部と、その発光部に対向する受光素子の列によって構成
される受光部とを備えている。そして、その受光部と発
光部との間に粗糸Rが位置するようになっている。各受
光素子は、発光部からの光を受光すると電気信号を出力
する。すなわち、粗糸Rが発光部からの光を遮ることに
より、粗糸Rの位置に対応した受光素子が光を受けなく
なるので、その受光素子の出力を検出することによって
粗糸Rの位置が求められる。なお、センサ25は、粗紡
機機台に対して1つだけ設ける構成であってもよいし、
複数個設ける構成としてもよい。また、上記発光部の構
成は、例えば1つの光源からの光をレンズなどによって
受光部の列状に配説された全受光素子をカバーできる平
行光線にし、この平行光線を受光部に投射するようにす
ることも可能である。
の間には、フロントローラ1からフライヤトップ2aに
至る粗糸Rの位置を連続的に検出する非接触式のセンサ
25が設けられている。センサ25は、たとえば列状に
配設された多数の赤外線発光ダイオード列からなる発光
部と、その発光部に対向する受光素子の列によって構成
される受光部とを備えている。そして、その受光部と発
光部との間に粗糸Rが位置するようになっている。各受
光素子は、発光部からの光を受光すると電気信号を出力
する。すなわち、粗糸Rが発光部からの光を遮ることに
より、粗糸Rの位置に対応した受光素子が光を受けなく
なるので、その受光素子の出力を検出することによって
粗糸Rの位置が求められる。なお、センサ25は、粗紡
機機台に対して1つだけ設ける構成であってもよいし、
複数個設ける構成としてもよい。また、上記発光部の構
成は、例えば1つの光源からの光をレンズなどによって
受光部の列状に配説された全受光素子をカバーできる平
行光線にし、この平行光線を受光部に投射するようにす
ることも可能である。
【0021】次に、上記構成の駆動系を制御するための
制御回路を図2に従って説明する。制御装置26は、マ
イクロコンピュータ(以下、マイコン)27およびその
周辺回路から構成される。マイコン27は、CPU28
と、制御プログラムを格納するROMから構成されるプ
ログラムメモリ29と、入力装置30により入力された
入力データおよびCPU28における演算処理結果など
を一時的に記憶するRAMからなる作業用メモリ31と
から構成される。CPU28は、プログラムメモリ29
に格納されているプログラムデータに基づいて動作す
る。
制御回路を図2に従って説明する。制御装置26は、マ
イクロコンピュータ(以下、マイコン)27およびその
周辺回路から構成される。マイコン27は、CPU28
と、制御プログラムを格納するROMから構成されるプ
ログラムメモリ29と、入力装置30により入力された
入力データおよびCPU28における演算処理結果など
を一時的に記憶するRAMからなる作業用メモリ31と
から構成される。CPU28は、プログラムメモリ29
に格納されているプログラムデータに基づいて動作す
る。
【0022】紡出粗糸重量、繊維種、フライヤ回転数な
どの紡出条件を入力する入力装置30は、たとえば、キ
ーボードとして制御装置26の一部に組み込まれてい
る。ロータリエンコーダ24およびセンサ25からの出
力信号は、入力インタフェース32を介してCPU28
に入力される。また、制御装置26には、設定スイッチ
Sが接続されており、設定スイッチSをオン状態にする
と、そのときのセンサ25の出力データ(粗糸検出位置
データ)が作業用メモリ31に書き込まれる。なお、設
定スイッチSは、CPU28からの指示に従ってオン/
オフ状態が制御される構成であってもよいし、あるい
は、所定時間間隔で切替信号を出力するタイマによって
制御されるような構成であってもよい。
どの紡出条件を入力する入力装置30は、たとえば、キ
ーボードとして制御装置26の一部に組み込まれてい
る。ロータリエンコーダ24およびセンサ25からの出
力信号は、入力インタフェース32を介してCPU28
に入力される。また、制御装置26には、設定スイッチ
Sが接続されており、設定スイッチSをオン状態にする
と、そのときのセンサ25の出力データ(粗糸検出位置
データ)が作業用メモリ31に書き込まれる。なお、設
定スイッチSは、CPU28からの指示に従ってオン/
オフ状態が制御される構成であってもよいし、あるい
は、所定時間間隔で切替信号を出力するタイマによって
制御されるような構成であってもよい。
【0023】電磁クラッチ22および23は、CPU2
8からの信号に基づき、電磁クラッチ励消磁回路33を
介してその励磁/消磁が制御され、そのクラッチの状態
に応じてボビンレール6の昇降切替が行われる。また、
CPU28は、出力インタフェース34、モータ駆動回
路35a、35b、35c、及びインバータ10a、1
0b、10cを介して主モータM、巻取用モータ11、
昇降用モータ16を駆動制御する。
8からの信号に基づき、電磁クラッチ励消磁回路33を
介してその励磁/消磁が制御され、そのクラッチの状態
に応じてボビンレール6の昇降切替が行われる。また、
CPU28は、出力インタフェース34、モータ駆動回
路35a、35b、35c、及びインバータ10a、1
0b、10cを介して主モータM、巻取用モータ11、
昇降用モータ16を駆動制御する。
【0024】センサ25の検出データは、粗糸検出位置
データとしてマイコン27に入力される。マイコン27
は、その受信したデータに基づいて、粗糸位置が正常で
あるかどうか、すなわち粗糸Rの張力が適切であるかど
うかを判断し、適切でない場合には、適切な値になるよ
うに駆動系の動作を補正するための信号を出力する。こ
の場合、マイコン27の出力信号は、巻取用モータ11
の回転数、または巻取用モータ11、昇降用モータ16
および主モータMの回転数を変化させるための信号であ
る。このことにより、粗糸Rの張力が調整される。すな
わち、フィードバック制御により、粗糸Rは一定の張力
でボビンに巻き取られる。
データとしてマイコン27に入力される。マイコン27
は、その受信したデータに基づいて、粗糸位置が正常で
あるかどうか、すなわち粗糸Rの張力が適切であるかど
うかを判断し、適切でない場合には、適切な値になるよ
うに駆動系の動作を補正するための信号を出力する。こ
の場合、マイコン27の出力信号は、巻取用モータ11
の回転数、または巻取用モータ11、昇降用モータ16
および主モータMの回転数を変化させるための信号であ
る。このことにより、粗糸Rの張力が調整される。すな
わち、フィードバック制御により、粗糸Rは一定の張力
でボビンに巻き取られる。
【0025】図3は、補正量算出システムのブロック図
である。同図に示す補正量算出システムは、図1または
図2に示すセンサ25及びマイコン27から構成され
る。イメージセンサ41は、例えばCCDセンサであ
り、フロントローラ1からフライヤトップ2aに至る経
路において上下方向に振動している粗糸Rの高さ位置を
連続的に検出する。イメージセンサ41は、発光部42
および受光部43とから構成され、図4に示すように、
発光部42と受光部43との間に粗糸Rが挟まれるよう
な位置に配置される。発光部42は、平行光(または略
平行光)を出力する。受光部43は、多数の受光素子
(光電素子)が直線上に並べられた構成であり、発光部
42から出力されたビームを受光する。受光部43は、
ここでは、2048個の受光素子を有する。すなわち、
2048ビットのCCDセンサに相当する。各受光素子
は、1本の粗糸Rの太さと比べて極めて微小であり、粗
糸の高さ位置をきめ細かく検出できる。
である。同図に示す補正量算出システムは、図1または
図2に示すセンサ25及びマイコン27から構成され
る。イメージセンサ41は、例えばCCDセンサであ
り、フロントローラ1からフライヤトップ2aに至る経
路において上下方向に振動している粗糸Rの高さ位置を
連続的に検出する。イメージセンサ41は、発光部42
および受光部43とから構成され、図4に示すように、
発光部42と受光部43との間に粗糸Rが挟まれるよう
な位置に配置される。発光部42は、平行光(または略
平行光)を出力する。受光部43は、多数の受光素子
(光電素子)が直線上に並べられた構成であり、発光部
42から出力されたビームを受光する。受光部43は、
ここでは、2048個の受光素子を有する。すなわち、
2048ビットのCCDセンサに相当する。各受光素子
は、1本の粗糸Rの太さと比べて極めて微小であり、粗
糸の高さ位置をきめ細かく検出できる。
【0026】なお、受光部43は、この実施形態では、
CCD方式のイメージセンサであるが、他にも、例えば
光ファイバを利用した光電検出器であってもよい。受光
部43は、上述のように多数の受光素子を備えるが、本
実施形態では、図5に示すように、複数の受光素子(例
えば、4個または8個)を1つの受光ブロックとして扱
う。ここでは、各受光ブロックが8個の受光素子から構
成されるものとする。すなわち、受光器43は、256
個の受光ブロックを有する。各受光ブロックには、例え
ば、上から順番に「1」〜「256」のアドレス(ブロ
ック番号)が付与されている。また、各受光素子にも、
上から順番にアドレス(素子番号)として「1」〜「2
048」が付与されている。従って、ブロック番号が
「1」の受光ブロックには、素子番号が「1」〜「8」
の受光素子が属し、以下同様に、ブロック番号が「n」
の受光ブロックには、素子番号が「8n−7」〜「8
n」の受光素子が属する。これらのブロック番号および
素子番号は、後述詳しく説明するが、粗糸の高さ位置を
表すデータとして使用される。
CCD方式のイメージセンサであるが、他にも、例えば
光ファイバを利用した光電検出器であってもよい。受光
部43は、上述のように多数の受光素子を備えるが、本
実施形態では、図5に示すように、複数の受光素子(例
えば、4個または8個)を1つの受光ブロックとして扱
う。ここでは、各受光ブロックが8個の受光素子から構
成されるものとする。すなわち、受光器43は、256
個の受光ブロックを有する。各受光ブロックには、例え
ば、上から順番に「1」〜「256」のアドレス(ブロ
ック番号)が付与されている。また、各受光素子にも、
上から順番にアドレス(素子番号)として「1」〜「2
048」が付与されている。従って、ブロック番号が
「1」の受光ブロックには、素子番号が「1」〜「8」
の受光素子が属し、以下同様に、ブロック番号が「n」
の受光ブロックには、素子番号が「8n−7」〜「8
n」の受光素子が属する。これらのブロック番号および
素子番号は、後述詳しく説明するが、粗糸の高さ位置を
表すデータとして使用される。
【0027】粗糸中心位置検出部44および中心ブロッ
ク位置検出部45は、ある瞬間における粗糸Rの中心位
置およびその中心位置が属する受光ブロックを検出して
その受光ブロックのブロック番号(アドレス)を出力す
る。なお、粗糸中心位置検出部44および中心ブロック
位置検出部45は、センサ25内にマイクロコンピュー
タを設け、そのマイクロコンピュータに所定のプログラ
ムを実行させることにより実現してもよいし、センサ2
5内に設けたハードウェアで実現してもよい。あるい
は、受光部43の出力をマイコン27へ転送し、マイコ
ン27に所定のプログラムを実行させることによって実
現することもできる。ここでは、図3に示すように、セ
ンサ内に粗糸中心位置検出部44および中心ブロック位
置検出部45を設けた例を説明する。
ク位置検出部45は、ある瞬間における粗糸Rの中心位
置およびその中心位置が属する受光ブロックを検出して
その受光ブロックのブロック番号(アドレス)を出力す
る。なお、粗糸中心位置検出部44および中心ブロック
位置検出部45は、センサ25内にマイクロコンピュー
タを設け、そのマイクロコンピュータに所定のプログラ
ムを実行させることにより実現してもよいし、センサ2
5内に設けたハードウェアで実現してもよい。あるい
は、受光部43の出力をマイコン27へ転送し、マイコ
ン27に所定のプログラムを実行させることによって実
現することもできる。ここでは、図3に示すように、セ
ンサ内に粗糸中心位置検出部44および中心ブロック位
置検出部45を設けた例を説明する。
【0028】粗糸中心位置検出部44および中心ブロッ
ク位置検出部45の動作を、粗糸Rが図6に示す位置に
あった場合を例に説明する。同図に示す例においては、
受光部43では、受光素子e1〜e4、およびe36〜
e2048は発光部42から出力されたビームを受光す
るが、受光素子e5〜e35は、上記ビームが粗糸Rに
よって遮られるため、そのビームを受光しない。ここ
で、各受光素子は、受光レベルに応じた電流を生成する
ので、粗糸中心位置検出部44は、各受光素子の出力を
モニタすることにより、粗糸Rが受光素子e5〜e35
に対応する位置にあることを認識する。
ク位置検出部45の動作を、粗糸Rが図6に示す位置に
あった場合を例に説明する。同図に示す例においては、
受光部43では、受光素子e1〜e4、およびe36〜
e2048は発光部42から出力されたビームを受光す
るが、受光素子e5〜e35は、上記ビームが粗糸Rに
よって遮られるため、そのビームを受光しない。ここ
で、各受光素子は、受光レベルに応じた電流を生成する
ので、粗糸中心位置検出部44は、各受光素子の出力を
モニタすることにより、粗糸Rが受光素子e5〜e35
に対応する位置にあることを認識する。
【0029】粗糸中心位置検出部44は、このことを認
識すると、粗糸Rの中心位置を求めるために、以下の計
算を実行する。 (5+35)/2=20 粗糸中心位置検出部44は、この計算結果(すなわち、
「素子番号=20」)を、粗糸の中心位置に対応する受
光素子の素子番号として中心ブロック位置検出部44に
渡す。中心ブロック位置検出部44は、この通知された
素子番号の受光素子が属するブロックを求める。すなわ
ち、中心ブロック位置検出部44は、受光素子e20が
属する受光ブロックとしてブロック番号b3を得る。中
心ブロック位置検出部44は、この結果(すなわち、
「ブロック番号=3」)を、粗糸Rの高さを表すデータ
としてマイコン27に通知する。
識すると、粗糸Rの中心位置を求めるために、以下の計
算を実行する。 (5+35)/2=20 粗糸中心位置検出部44は、この計算結果(すなわち、
「素子番号=20」)を、粗糸の中心位置に対応する受
光素子の素子番号として中心ブロック位置検出部44に
渡す。中心ブロック位置検出部44は、この通知された
素子番号の受光素子が属するブロックを求める。すなわ
ち、中心ブロック位置検出部44は、受光素子e20が
属する受光ブロックとしてブロック番号b3を得る。中
心ブロック位置検出部44は、この結果(すなわち、
「ブロック番号=3」)を、粗糸Rの高さを表すデータ
としてマイコン27に通知する。
【0030】このように、センサ25は、受光部43の
出力をスキャンし、受光素子が所定個数以上連続して遮
光されている領域の上限位置と下限位置との中心位置が
属する受光ブロックを表すデータを、振動している粗糸
Rのある瞬間における高さ位置を表すデータとしてマイ
コン27に通知する。センサ25による上記位置検出処
理は、一定時間間隔(たとえば、数ms程度)ごとに繰
り返し実行され、その結果は順次マイコン27に通知さ
れてそこに蓄積される。
出力をスキャンし、受光素子が所定個数以上連続して遮
光されている領域の上限位置と下限位置との中心位置が
属する受光ブロックを表すデータを、振動している粗糸
Rのある瞬間における高さ位置を表すデータとしてマイ
コン27に通知する。センサ25による上記位置検出処
理は、一定時間間隔(たとえば、数ms程度)ごとに繰
り返し実行され、その結果は順次マイコン27に通知さ
れてそこに蓄積される。
【0031】ところで、粗紡機の運転中には、受光部4
3の測定エリア内に風綿などが存在することもあり得
る。図7(a) の例では、図6に示した粗糸位置状態にお
いて、受光素子e2の位置に風綿が存在した場合を示し
ている。このような場合、各受光素子が光を受光したと
き「1」を出力し、受光しなかったときに「0」を出力
するものとすると、受光素子e1,e3,e4は「1」
を出力し、受光素子e2およびe5以降は「0」を出力
する。
3の測定エリア内に風綿などが存在することもあり得
る。図7(a) の例では、図6に示した粗糸位置状態にお
いて、受光素子e2の位置に風綿が存在した場合を示し
ている。このような場合、各受光素子が光を受光したと
き「1」を出力し、受光しなかったときに「0」を出力
するものとすると、受光素子e1,e3,e4は「1」
を出力し、受光素子e2およびe5以降は「0」を出力
する。
【0032】図7(b) は、粗糸Rの高さ位置を検出する
際に風綿などの影響を取り除くための回路の例である。
ここでは、風綿の太さが受光素子1〜2個程度の大きさ
であるものとし、一例として、受光素子が3個以上連続
して遮光されたことを検出する構成を示す。同図におい
て、OR回路51には、連続する3個の受光素子からの
出力が入力され、OR回路51はその論理和を演算して
出力する。カウンタ52は、受光素子を1ビットずつス
キャンする際に生成されるスキャンパルスを受信するご
とに「1」ずつインクリメントされ、OR回路51の出
力が「0」になったときのカウント値を出力する。
際に風綿などの影響を取り除くための回路の例である。
ここでは、風綿の太さが受光素子1〜2個程度の大きさ
であるものとし、一例として、受光素子が3個以上連続
して遮光されたことを検出する構成を示す。同図におい
て、OR回路51には、連続する3個の受光素子からの
出力が入力され、OR回路51はその論理和を演算して
出力する。カウンタ52は、受光素子を1ビットずつス
キャンする際に生成されるスキャンパルスを受信するご
とに「1」ずつインクリメントされ、OR回路51の出
力が「0」になったときのカウント値を出力する。
【0033】図7(c) は、図7(b) の回路の動作を説明
するタイミング図である。同図において、時刻T1 で
は、受光素子e1〜e3の出力(1,0,1)がOR回
路51に入力される。このとき、カウンタ52のカウン
ト値を「1」とする。ここで、受光素子e1〜e3は、
遮光ビットをを含んでいるが、OR回路51の出力は、
「1」なので、カウンタ52はカウント値を出力しな
い。すなわち、受光素子e2が風綿によって遮光されて
いるが、その高さ位置は「粗糸Rの上端位置」とは見な
されない。
するタイミング図である。同図において、時刻T1 で
は、受光素子e1〜e3の出力(1,0,1)がOR回
路51に入力される。このとき、カウンタ52のカウン
ト値を「1」とする。ここで、受光素子e1〜e3は、
遮光ビットをを含んでいるが、OR回路51の出力は、
「1」なので、カウンタ52はカウント値を出力しな
い。すなわち、受光素子e2が風綿によって遮光されて
いるが、その高さ位置は「粗糸Rの上端位置」とは見な
されない。
【0034】以降、OR回路51に入力される3ビット
データは1ビットずつシフトされてゆき、それに伴って
カウンタ52のカウント値が「1」ずつインクリメント
されてゆく。そして、時刻T5 になると、受光素子e5
〜e7の出力(0,0,0)がOR回路51に入力さ
れ、その出力が「0」になる。カウンタ52は、OR回
路51出力が「0」なると、その時点でのカウント値
「5」を出力する。このカウント値は、3個の受光素子
が連続して遮光され始めた位置を表しており、粗糸Rの
上端の高さ位置に対応する。なお、粗糸Rの下端の高さ
位置は、OR回路51出力が「0」から「1」に変化し
たときのカウンタ52のカウント値に「2」を加算した
値として得られる。
データは1ビットずつシフトされてゆき、それに伴って
カウンタ52のカウント値が「1」ずつインクリメント
されてゆく。そして、時刻T5 になると、受光素子e5
〜e7の出力(0,0,0)がOR回路51に入力さ
れ、その出力が「0」になる。カウンタ52は、OR回
路51出力が「0」なると、その時点でのカウント値
「5」を出力する。このカウント値は、3個の受光素子
が連続して遮光され始めた位置を表しており、粗糸Rの
上端の高さ位置に対応する。なお、粗糸Rの下端の高さ
位置は、OR回路51出力が「0」から「1」に変化し
たときのカウンタ52のカウント値に「2」を加算した
値として得られる。
【0035】このように、本実施形態のセンサは、風綿
および毛羽の発生が多い粗紡機の紡出部において特に効
果的である。すなわち、上述した従来装置のように遮光
されたすべての受光素子から検出信号が発生する方式で
は、風綿などによる遮光と粗糸による遮光との区別がつ
かず、風綿などによる遮光信号をも含めて粗糸位置を検
出することになるので、正確な粗糸位置の検出ができな
かったが、本実施例の方式では、風綿などによる遮光信
号が実質的にカットされるため、粗糸の高さ位置を正確
に検出できる。なお、この機能は、図3の粗糸中心位置
検出部44内で提供される。
および毛羽の発生が多い粗紡機の紡出部において特に効
果的である。すなわち、上述した従来装置のように遮光
されたすべての受光素子から検出信号が発生する方式で
は、風綿などによる遮光と粗糸による遮光との区別がつ
かず、風綿などによる遮光信号をも含めて粗糸位置を検
出することになるので、正確な粗糸位置の検出ができな
かったが、本実施例の方式では、風綿などによる遮光信
号が実質的にカットされるため、粗糸の高さ位置を正確
に検出できる。なお、この機能は、図3の粗糸中心位置
検出部44内で提供される。
【0036】次に、マイコン27の処理を説明する。マ
イコン27は、センサ25から粗糸Rの高さ位置データ
としてのブロック番号データを受信する。ここで、セン
サ25は、上述したように、振動する粗糸Rの高さ位置
を一定時間間隔(たとえば、数ms程度)ごとに検出し
て出力するので、マイコン27は、所定時間ごとにn個
のブロック番号データを受信する。マイコン27は、n
(例えば、10)個のブロック番号データを受信する
と、それらの平均値を求める。このブロック番号の平均
値は、所定時間内における振動する粗糸Rの平均高さ位
置である。センサ25によって検出されたブロック番号
が、X1 ,X2 ,...,Xn であったとすると、平均
ブロック位置<X>は、下記の(1) 式で算出される。
イコン27は、センサ25から粗糸Rの高さ位置データ
としてのブロック番号データを受信する。ここで、セン
サ25は、上述したように、振動する粗糸Rの高さ位置
を一定時間間隔(たとえば、数ms程度)ごとに検出し
て出力するので、マイコン27は、所定時間ごとにn個
のブロック番号データを受信する。マイコン27は、n
(例えば、10)個のブロック番号データを受信する
と、それらの平均値を求める。このブロック番号の平均
値は、所定時間内における振動する粗糸Rの平均高さ位
置である。センサ25によって検出されたブロック番号
が、X1 ,X2 ,...,Xn であったとすると、平均
ブロック位置<X>は、下記の(1) 式で算出される。
【0037】
【数1】
【0038】マイコン27には、粗糸Rが適切な張力で
紡出されたときに得られるであろう高さ位置データ(設
定粗糸位置)がブロック番号X0 として設定されてい
る。この設定粗糸位置の設定方法は、受光部43の配設
位置においてフロントローラ1とフライヤトップ2aと
を結ぶ直線が遮光する受光素子の高さ位置を入力装置3
0からマイコン27に入力し、この高さ位置に対して粗
糸を適正な弛み量だけ弛ませたときの粗糸位置を自動的
に計算し、これを設定粗糸位置として記憶させるか、あ
るいは作業者が粗紡機の紡出状態を目視し、適正状態と
思われる粗糸位置を設定粗糸位置として手動で入力設定
する方法がある。そして、上記演算で求めた平均ブロッ
ク位置とこの設定粗糸位置とが比較され、その差データ
が作業用メモリ31に保持される。なお、この差データ
は、その符号が重要である。すなわち、平均ブロック位
置を表すブロック番号と、設定粗糸位置を表すブロック
番号との大小関係が重要である。したがって、差データ
は、その差の大きさだけでなく、符号も含んでいる。
紡出されたときに得られるであろう高さ位置データ(設
定粗糸位置)がブロック番号X0 として設定されてい
る。この設定粗糸位置の設定方法は、受光部43の配設
位置においてフロントローラ1とフライヤトップ2aと
を結ぶ直線が遮光する受光素子の高さ位置を入力装置3
0からマイコン27に入力し、この高さ位置に対して粗
糸を適正な弛み量だけ弛ませたときの粗糸位置を自動的
に計算し、これを設定粗糸位置として記憶させるか、あ
るいは作業者が粗紡機の紡出状態を目視し、適正状態と
思われる粗糸位置を設定粗糸位置として手動で入力設定
する方法がある。そして、上記演算で求めた平均ブロッ
ク位置とこの設定粗糸位置とが比較され、その差データ
が作業用メモリ31に保持される。なお、この差データ
は、その符号が重要である。すなわち、平均ブロック位
置を表すブロック番号と、設定粗糸位置を表すブロック
番号との大小関係が重要である。したがって、差データ
は、その差の大きさだけでなく、符号も含んでいる。
【0039】本実施形態では、上記演算によって得られ
た差データだけでなく、前回の演算で得られた差デー
タ、および前々回の演算で得られた差データをも利用し
てボビン回転数を補正するための補正量データを算出す
る。すなわち、今回、前回、前々回の差データをそれぞ
れD、D1 、D2 とすると、補正量データHは下記(2)
式で表される。 H= (D−D1 )・C1 +D・C2 +((D−D1 )−(D1 −D2 ))・C3 ・・・(2) ここで、C1 〜C3 は、それぞれ補正係数である。
た差データだけでなく、前回の演算で得られた差デー
タ、および前々回の演算で得られた差データをも利用し
てボビン回転数を補正するための補正量データを算出す
る。すなわち、今回、前回、前々回の差データをそれぞ
れD、D1 、D2 とすると、補正量データHは下記(2)
式で表される。 H= (D−D1 )・C1 +D・C2 +((D−D1 )−(D1 −D2 ))・C3 ・・・(2) ここで、C1 〜C3 は、それぞれ補正係数である。
【0040】このようにして求められた補正量データH
は、粗糸巻取りボビンの回転数に換算されて巻取用モー
タ駆動回路35bに補正信号として供給される。巻取用
モータ駆動回路35bは、この補正信号に従ってボビン
回転数を調整する。
は、粗糸巻取りボビンの回転数に換算されて巻取用モー
タ駆動回路35bに補正信号として供給される。巻取用
モータ駆動回路35bは、この補正信号に従ってボビン
回転数を調整する。
【0041】上記粗糸張力制御方法は、ボビン回転数の
補正量を粗糸の平均高さ位置と設定高さ位置との差分の
みから算出する方法と比べて、粗糸の高さ位置の時間的
推移に応じてよりきめ細かに回転数調整を行うことがで
きる。
補正量を粗糸の平均高さ位置と設定高さ位置との差分の
みから算出する方法と比べて、粗糸の高さ位置の時間的
推移に応じてよりきめ細かに回転数調整を行うことがで
きる。
【0042】なお、この実施例では、過去の差データと
して、前回のデータおよび前々回のデータを利用してい
るが、今回の差データと共に、過去1回(前回データ)
の差データを用いる構成や、各3回以上の差データを用
いる構成も考えられる。
して、前回のデータおよび前々回のデータを利用してい
るが、今回の差データと共に、過去1回(前回データ)
の差データを用いる構成や、各3回以上の差データを用
いる構成も考えられる。
【0043】図8を参照しながら従来技術の方法と本実
施形態の方法とを比較する。同図に示すように、時間帯
1(ここで、時間帯とは、センサ25による高さ位置検
出をn回行う時間である)において粗糸Rの張力が目標
値よりも小さく、粗糸Rの平均高さ位置が設定粗糸位置
よりも低い位置で検出されたとする。このときの検出さ
れた粗糸Rの位置と設定粗糸位置をの差を「10」とす
る。ここで、「10」とは、たとえばブロック番号の差
である。
施形態の方法とを比較する。同図に示すように、時間帯
1(ここで、時間帯とは、センサ25による高さ位置検
出をn回行う時間である)において粗糸Rの張力が目標
値よりも小さく、粗糸Rの平均高さ位置が設定粗糸位置
よりも低い位置で検出されたとする。このときの検出さ
れた粗糸Rの位置と設定粗糸位置をの差を「10」とす
る。ここで、「10」とは、たとえばブロック番号の差
である。
【0044】この場合、従来方法では、ボビン回転数を
「10」に相当する量だけ増加させる。このことによ
り、粗糸Rの張力が大きくなり、粗糸Rの平均高さ位置
が高くなって設定粗糸位置に近づくが、各時間帯は十分
に小さく、また、一般に、補正信号を出力してから巻取
用モータがその指示に従った状態に落ち着くまでには遅
延が生じるので、時間帯2において粗糸Rの平均高さ位
置は設定粗糸位置には到達していない。この場合、時間
帯2における検出結果に従って、ボビン回転数は「5」
に相当する量だけ増加される。上記回転数補正の結果、
時間帯3において粗糸Rの平均高さ位置が設定粗糸位置
に一致したとすると、この場合、両者の差は「0」なの
で、ボビンの回転数を増減させるような信号は出力され
ない。ところが、上述したように、補正信号を出力して
から巻取用モータがその指示に従った状態に落ち着くま
でには遅延が生じるので、時間帯1または時間帯2など
において生成された補正指示信号による影響が時間帯3
において現れてしまう。すなわち、時間帯1〜3におい
てボビン回転数を増加させていくと、その回転数が速く
なりすぎ、時間帯4では、粗糸Rの平均高さ位置が設定
粗糸位置よりも高くなってしまう恐れがある。このよう
に、従来方法においては、いわゆるオーバーシュートが
起こってしまう可能性が高かった。
「10」に相当する量だけ増加させる。このことによ
り、粗糸Rの張力が大きくなり、粗糸Rの平均高さ位置
が高くなって設定粗糸位置に近づくが、各時間帯は十分
に小さく、また、一般に、補正信号を出力してから巻取
用モータがその指示に従った状態に落ち着くまでには遅
延が生じるので、時間帯2において粗糸Rの平均高さ位
置は設定粗糸位置には到達していない。この場合、時間
帯2における検出結果に従って、ボビン回転数は「5」
に相当する量だけ増加される。上記回転数補正の結果、
時間帯3において粗糸Rの平均高さ位置が設定粗糸位置
に一致したとすると、この場合、両者の差は「0」なの
で、ボビンの回転数を増減させるような信号は出力され
ない。ところが、上述したように、補正信号を出力して
から巻取用モータがその指示に従った状態に落ち着くま
でには遅延が生じるので、時間帯1または時間帯2など
において生成された補正指示信号による影響が時間帯3
において現れてしまう。すなわち、時間帯1〜3におい
てボビン回転数を増加させていくと、その回転数が速く
なりすぎ、時間帯4では、粗糸Rの平均高さ位置が設定
粗糸位置よりも高くなってしまう恐れがある。このよう
に、従来方法においては、いわゆるオーバーシュートが
起こってしまう可能性が高かった。
【0045】これに対して、本実施形態の方法では、上
記(2) 式に示すように、今回の差データだけでなく、前
回および前々回の差データをも考慮してボビン回転数を
制御する。このため、上述の説明と同様に、時間帯1〜
2における補正によってボビン回転数が増加して時間帯
3において粗糸Rの平均高さ位置が設定粗糸位置に一致
したとすると、上記(2) 式の第2項は「0」になるが、
第1項と第3項との和が負の値になるので、時間帯3で
は、ボビン回転数を減少させる方向の補正信号が出力さ
れることになる。このような補正方式により、粗糸Rの
平均高さ位置が設定粗糸位置を大きくオーバーシュート
してしまうような現象が防止され、粗糸張力を素早く正
確に適正状態になるので、安定した紡出運転を継続でき
る。
記(2) 式に示すように、今回の差データだけでなく、前
回および前々回の差データをも考慮してボビン回転数を
制御する。このため、上述の説明と同様に、時間帯1〜
2における補正によってボビン回転数が増加して時間帯
3において粗糸Rの平均高さ位置が設定粗糸位置に一致
したとすると、上記(2) 式の第2項は「0」になるが、
第1項と第3項との和が負の値になるので、時間帯3で
は、ボビン回転数を減少させる方向の補正信号が出力さ
れることになる。このような補正方式により、粗糸Rの
平均高さ位置が設定粗糸位置を大きくオーバーシュート
してしまうような現象が防止され、粗糸張力を素早く正
確に適正状態になるので、安定した紡出運転を継続でき
る。
【0046】図9は、粗糸Rの高さ位置を検出してその
張力を補正するための信号を生成する処理のフローチャ
ートである。以下では、センサ25において、一定時間
間隔ごとに受光部43の出力を取り込んで、各データ取
込みタイミングにおける振動している粗糸Rの高さ位置
を検出する構成を前提とする。
張力を補正するための信号を生成する処理のフローチャ
ートである。以下では、センサ25において、一定時間
間隔ごとに受光部43の出力を取り込んで、各データ取
込みタイミングにおける振動している粗糸Rの高さ位置
を検出する構成を前提とする。
【0047】ステップS1〜S4は、あるタイミングに
おいて粗糸Rの高さ位置を検出する処理であり、一定時
間ごとに繰り返し実行される。ステップS1では、受光
部43の出力としての検出信号を受信したか否かをモニ
タし、受信したらばステップS2へ進む。ステップS2
では、受光部43の出力データを調べ、所定個数以上の
受光素子が連続して遮光されている領域においてその上
限位置aおよび下限位置bを求める。
おいて粗糸Rの高さ位置を検出する処理であり、一定時
間ごとに繰り返し実行される。ステップS1では、受光
部43の出力としての検出信号を受信したか否かをモニ
タし、受信したらばステップS2へ進む。ステップS2
では、受光部43の出力データを調べ、所定個数以上の
受光素子が連続して遮光されている領域においてその上
限位置aおよび下限位置bを求める。
【0048】ステップS3では、粗糸Rの中心位置を求
める。すなわち、ステップS2で得た上限位置aと下限
位置bとの平均値Aを算出する。ステップS4では、ス
テップS3で得た粗糸Rの中心位置Aが属する受光ブロ
ックを求める。この受光ブロックのブロック番号をXと
する。上記ステップS1〜S4を繰り返し実行すること
により、順次ブロック番号Xが生成される。
める。すなわち、ステップS2で得た上限位置aと下限
位置bとの平均値Aを算出する。ステップS4では、ス
テップS3で得た粗糸Rの中心位置Aが属する受光ブロ
ックを求める。この受光ブロックのブロック番号をXと
する。上記ステップS1〜S4を繰り返し実行すること
により、順次ブロック番号Xが生成される。
【0049】ステップS5〜S8は、所定期間(上記ス
テップS1〜S4の処理をn回繰り返して各検出タイミ
ングごとに粗糸Rの高さ位置データを得るのに要する時
間)内における粗糸Rの平均高さ位置を算出し、その平
均高さ位置と設定値(目標高さ位置)との差を求める処
理である。
テップS1〜S4の処理をn回繰り返して各検出タイミ
ングごとに粗糸Rの高さ位置データを得るのに要する時
間)内における粗糸Rの平均高さ位置を算出し、その平
均高さ位置と設定値(目標高さ位置)との差を求める処
理である。
【0050】ステップS5では、ステップS4で生成さ
れたブロック番号を取り込んで保持する。ステップS6
では、保持されているブロック番号の数が所定数nに達
したかを調べ、達したときにステップS7へ進む。ステ
ップS7では、保持されているn個のブロック番号の平
均値<X>を求める。ステップS8では、ステップS7
で求めたブロック番号の平均値<X>と、予め設定して
ある設定値X0 との差Dを算出し、その算出値Dを保持
する。
れたブロック番号を取り込んで保持する。ステップS6
では、保持されているブロック番号の数が所定数nに達
したかを調べ、達したときにステップS7へ進む。ステ
ップS7では、保持されているn個のブロック番号の平
均値<X>を求める。ステップS8では、ステップS7
で求めたブロック番号の平均値<X>と、予め設定して
ある設定値X0 との差Dを算出し、その算出値Dを保持
する。
【0051】ステップS9では、今回、前回、および前
々回の処理で得られた差データを用いて上記(2) に従っ
て補正量データHを算出する。そして、ステップS10
において、その補正量データHに基づいて巻取用モータ
の回転数を制御するための補正信号を出力する。
々回の処理で得られた差データを用いて上記(2) に従っ
て補正量データHを算出する。そして、ステップS10
において、その補正量データHに基づいて巻取用モータ
の回転数を制御するための補正信号を出力する。
【0052】なお、上記実施例では、粗糸の高さ位置を
表す情報としてブロック番号を用いているが、素子番号
を用いて表してもよい。このような構成とする場合に
は、図3において、中心ブロック位置検出部45は不要
となる。
表す情報としてブロック番号を用いているが、素子番号
を用いて表してもよい。このような構成とする場合に
は、図3において、中心ブロック位置検出部45は不要
となる。
【0053】また、本発明は、粗糸の高さ位置を検出す
る方法として、上述した従来の装置(特開昭60−34
628号公報などに開示されている技術)のように、粗
糸によって遮光された受光素子の信号をすべて用い、そ
れらを平均化することによって振動する粗糸の平均位置
を得るようにしてもよい。すなわち、例えば、図10に
示すように、ある瞬間に粗糸Rが素子番号eN(上から
数えてN番目の素子)〜eM(上から数えてM番目の素
子:M>N)に対応する受光素子を遮光していたする
と、その瞬間の粗糸Rの高さ位置を図10に示す式で表
すような場合にも適用できる。この場合、粗糸の平均高
さ位置は、図10に示す式に従って得られる値の平均値
となる。
る方法として、上述した従来の装置(特開昭60−34
628号公報などに開示されている技術)のように、粗
糸によって遮光された受光素子の信号をすべて用い、そ
れらを平均化することによって振動する粗糸の平均位置
を得るようにしてもよい。すなわち、例えば、図10に
示すように、ある瞬間に粗糸Rが素子番号eN(上から
数えてN番目の素子)〜eM(上から数えてM番目の素
子:M>N)に対応する受光素子を遮光していたする
と、その瞬間の粗糸Rの高さ位置を図10に示す式で表
すような場合にも適用できる。この場合、粗糸の平均高
さ位置は、図10に示す式に従って得られる値の平均値
となる。
【0054】さらに、上記実施形態では、風綿などの影
響を除去するための一構成例として図7に示す方式を示
したが、他に構成でも可能である。たとえば、各受光ブ
ロックごとに、その受光ブロックに属する全ての(ある
いは、所定個数以上の)受光素子が遮光されているか否
かを調べ、全ての(あるいは、所定個数以上の)受光素
子が遮光されている複数の受光ブロックの中で中心に位
置する受光ブロックを求めればよい。この方式の場合、
たとえば、図6に示す状態のときには、すべての受光素
子が遮光されている受光ブロックは、ブロックb2〜b
4であり、これら3つの受光ブロックの中心に位置する
受光ブロックのブロック番号として「b3」が得られ
る。この結果は、図7を参照しながら説明した方式で得
られたものと一致している。
響を除去するための一構成例として図7に示す方式を示
したが、他に構成でも可能である。たとえば、各受光ブ
ロックごとに、その受光ブロックに属する全ての(ある
いは、所定個数以上の)受光素子が遮光されているか否
かを調べ、全ての(あるいは、所定個数以上の)受光素
子が遮光されている複数の受光ブロックの中で中心に位
置する受光ブロックを求めればよい。この方式の場合、
たとえば、図6に示す状態のときには、すべての受光素
子が遮光されている受光ブロックは、ブロックb2〜b
4であり、これら3つの受光ブロックの中心に位置する
受光ブロックのブロック番号として「b3」が得られ
る。この結果は、図7を参照しながら説明した方式で得
られたものと一致している。
【0055】また、上記実施形態では、粗糸巻取りボビ
ンの駆動系として、ドラフト装置やフライヤを駆動する
モータと独立した巻取用モータを設けたコーンドラムレ
ス方式を採り上げて説明したが、本発明は、この構成に
限定されるものでなく、例えば、コーンドラム方式の粗
紡機にも適用可能である。この場合、補正信号は、一対
のコーンにかけられたベルトの位置をシフトさせる信号
として出力される。
ンの駆動系として、ドラフト装置やフライヤを駆動する
モータと独立した巻取用モータを設けたコーンドラムレ
ス方式を採り上げて説明したが、本発明は、この構成に
限定されるものでなく、例えば、コーンドラム方式の粗
紡機にも適用可能である。この場合、補正信号は、一対
のコーンにかけられたベルトの位置をシフトさせる信号
として出力される。
【0056】
【発明の効果】本発明は、ある検出期間において得られ
た補正情報だけでなく、過去に得られた補正情報をも利
用してボビン回転数をきめ細かく制御するので、粗糸の
高さ位置を短時間にかつ正確に設定位置に合わせること
ができ、粗紡機の紡出運転を安定して継続できる。ま
た、風綿などが存在する環境であっても、粗糸の高さ位
置を正確に検出することができる。
た補正情報だけでなく、過去に得られた補正情報をも利
用してボビン回転数をきめ細かく制御するので、粗糸の
高さ位置を短時間にかつ正確に設定位置に合わせること
ができ、粗紡機の紡出運転を安定して継続できる。ま
た、風綿などが存在する環境であっても、粗糸の高さ位
置を正確に検出することができる。
【図1】本実施形態の粗紡機の要部の構成図である。
【図2】粗紡機の駆動系の構成図である。
【図3】補正量算出システムのブロック図である。
【図4】イメージセンサの配置を説明する図である。
【図5】イメージセンサの構成を説明する図である。
【図6】粗糸の高さ位置を検出手法を説明する図であ
る。
る。
【図7】風綿などの影響を除去する方式を説明する図で
ある。
ある。
【図8】粗糸の高さ位置を設定値に近づける処理を模式
的に示した図である。
的に示した図である。
【図9】粗糸の高さ位置を検出してその張力を補正する
ための信号を生成する処理のフローチャートである。
ための信号を生成する処理のフローチャートである。
【図10】粗糸の高さ位置を検出する他の方法を説明す
る図である。
る図である。
1 フロントローラ 2 フライヤ 2a フライヤトップ 11 巻取用モータ 25 センサ 26 制御装置 27 マイコン 28 CPU 29 プログラム用メモリ(ROM) 31 作業用メモリ(RAM) 35b 巻取用モータ駆動回路 41 イメージセンサ 42 発光部 43 受光部 44 粗糸中心位置検出部 45 中心ブロック位置検出部
Claims (3)
- 【請求項1】 粗紡機のフロントローラからフライヤト
ップに至る粗糸の位置を前記フロントローラとフライヤ
トップとの間に配設された非接触式の粗糸位置検出装置
によって検出し、その検出値に応じて粗糸巻取りボビン
の回転数を調整して粗糸張力を制御する粗紡機の粗糸張
力制御方法において、 前記粗糸位置検出装置を多数の受光器を備えた光電式検
出装置により構成し、 粗紡機の運転中、上下方向に振動する粗糸の各高さ位置
を前記粗糸位置検出装置により所定時間に渡って連続的
に検出し、 前記所定時間内に検出された各高さ位置に基づいて粗糸
の平均高さ位置を算出し、 前記平均高さ位置を予め設定されている設定粗糸位置と
比較して差分を求め、 前記差分、前回の所定時間内に検出された粗糸の平均高
さ位置に基づく設定粗糸位置との差分、および前々回の
所定時間内に検出された粗糸の平均高さ位置に基づく設
定粗糸位置との差分に基づいて粗糸巻取りボビンの回転
数の補正量を算出し、 前記補正量を用いて粗糸巻取りボビンの回転数を調整す
るを特徴とした粗紡機における粗糸張力制御方法。 - 【請求項2】 粗紡機のフロントローラからフライヤト
ップに至る粗糸を挟むようにして投光器と受光器とが配
設され、その受光器の出力が上記粗糸を巻き取るための
ボビンの回転数の制御に利用される粗糸位置検出装置で
あって、 各々の大きさが上記粗糸と比べて小さく、上記投光器か
ら出力された光線を受光する列状に配設された多数の受
光素子と、 上記多数の受光素子のうち所定数以上の受光素子が連続
して遮光されている領域を検出し、その領域の中心位置
を表すデータを出力する中心位置データ生成手段とを有
する粗糸位置検出装置。 - 【請求項3】 上記多数の受光素子をそれぞれが複数の
連続した受光素子を含む複数のブロックに分割するとと
もに、それら各ブロックに対して順番に識別番号を付与
し、 上記中心位置データ生成手段は、上記領域の中心位置を
表すデータとしてその中心位置が属するブロックの識別
番号を出力する請求項2に記載の粗糸位置検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33734896A JPH10168674A (ja) | 1996-12-17 | 1996-12-17 | 粗紡機における粗糸張力制御方法および粗糸位置検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33734896A JPH10168674A (ja) | 1996-12-17 | 1996-12-17 | 粗紡機における粗糸張力制御方法および粗糸位置検出装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10168674A true JPH10168674A (ja) | 1998-06-23 |
Family
ID=18307787
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33734896A Withdrawn JPH10168674A (ja) | 1996-12-17 | 1996-12-17 | 粗紡機における粗糸張力制御方法および粗糸位置検出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10168674A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103233302A (zh) * | 2013-04-03 | 2013-08-07 | 淮北颐丰纺织有限公司 | 一种超低粗支纱的生产工艺 |
CN103276478A (zh) * | 2013-06-04 | 2013-09-04 | 时光科技有限公司 | 一种无plc悬锭式粗纱机伺服控制系统及其工作方法 |
CN110468473A (zh) * | 2018-05-11 | 2019-11-19 | 株式会社丰田自动织机 | 粗纱系统和粗纱机 |
CN114369888A (zh) * | 2022-01-24 | 2022-04-19 | 青岛万春机械股份有限公司 | 一种防断线结构的捻线机 |
-
1996
- 1996-12-17 JP JP33734896A patent/JPH10168674A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103233302A (zh) * | 2013-04-03 | 2013-08-07 | 淮北颐丰纺织有限公司 | 一种超低粗支纱的生产工艺 |
CN103276478A (zh) * | 2013-06-04 | 2013-09-04 | 时光科技有限公司 | 一种无plc悬锭式粗纱机伺服控制系统及其工作方法 |
CN103276478B (zh) * | 2013-06-04 | 2015-10-28 | 时光科技有限公司 | 一种无plc悬锭式粗纱机伺服控制系统及其工作方法 |
CN110468473A (zh) * | 2018-05-11 | 2019-11-19 | 株式会社丰田自动织机 | 粗纱系统和粗纱机 |
CN114369888A (zh) * | 2022-01-24 | 2022-04-19 | 青岛万春机械股份有限公司 | 一种防断线结构的捻线机 |
CN114369888B (zh) * | 2022-01-24 | 2023-03-14 | 青岛万春机械股份有限公司 | 一种防断线结构的捻线机 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20040302 |