JPH1143641A - 切り刃用フッ素樹脂コーティング剤 - Google Patents

切り刃用フッ素樹脂コーティング剤

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JPH1143641A
JPH1143641A JP21816597A JP21816597A JPH1143641A JP H1143641 A JPH1143641 A JP H1143641A JP 21816597 A JP21816597 A JP 21816597A JP 21816597 A JP21816597 A JP 21816597A JP H1143641 A JPH1143641 A JP H1143641A
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JP
Japan
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fluororesin
telomer
coating agent
cutting blade
organic solvent
Prior art date
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Pending
Application number
JP21816597A
Other languages
English (en)
Inventor
Akio Tsumura
明男 津村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NAGOYA GOSEI KK
Original Assignee
NAGOYA GOSEI KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境破壊の問題を生じることがなく、比較的
低温で焼き付けが可能な切り刃用フッ素樹脂コーティン
グ剤を提供する。 【解決手段】 気相法により合成された平均分子量60
0〜4000のフッ素樹脂テロマーを、塩素を含有しな
い有機溶剤中に分散させて、切り刃用フッ素樹脂コーテ
ィング剤とする。フッ素樹脂テロマーとしては、ポリテ
トラフルオロエチレンテロマーであって平均粒子径が1
0μm以下のものが好ましく用いられ、その濃度は0.
5〜2重量%であることが好ましい。また、有機溶剤と
しては、(ノナフロロブチル)メチルエーテル、(ノナ
フロロイソブチル)メチルエーテル、デカフロロペンタ
ン、イソプロピルアルコールから選ばれた少なくとも一
種を含有するものが好ましく用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、かみそり刃、はさ
みなどの切り刃上にコーティングするためのフッ素樹脂
コーティング剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、かみそり刃、はさみなどの切
り刃上にフッ素樹脂をコーティングすることが、刃の滑
りをよくしたり、さびにくくしたり、ひげなどの異物等
が取れやすくする目的で行われている。
【0003】このような切り刃へのフッ素樹脂コーティ
ングは、フロン系溶剤(CFC)にポリテトラフルオロ
エチレン(以下、「PTFE」とする)を分散したコー
ティング剤や、CFC中でPTFEを重合したコーティ
ング剤を用い、これらのコーティング剤をかみそり刃等
の刃先に吹き付け、加熱して溶剤を除去し、PTFEを
溶着させて塗膜を形成していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、CFC
は、オゾン層破壊という地球環境の問題から、世界的な
規制によって、使用できなくなってしまった。このた
め、上記のようなCFCを使用したコーティング剤は製
造できなくなり、その代替品が望まれている。
【0005】また、CFCにPTFEを分散させた従来
のコーティング剤は、CFCの分子量が大きいため、3
50℃以上に加熱する必要があり、コーティングの作業
性等の点で必ずしも満足できものではなかった。
【0006】したがって、本発明の目的は、地球の環境
破壊等の問題を生じることがなく、比較的低温で焼き付
けが可能な切り刃用フッ素樹脂コーティング剤を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、かみそり刃、はさみなどの切り刃上にフ
ッ素樹脂をコーティングするためのコーティング剤にお
いて、気相法により合成された平均分子量600〜40
00のフッ素樹脂テロマーが、塩素を含有しない有機溶
剤中に分散されていることを特徴とする切り刃用フッ素
樹脂コーティング剤を提供するものである。
【0008】本発明では、気相法により合成された平均
分子量600〜4000のフッ素樹脂テロマーを用いる
ため、有機溶剤中に均一に分散しやすく、また、切り刃
に塗布した後の加熱温度が比較的低くても焼き付け可能
となるため、コーティングの作業性が向上すると共に、
比較的薄くても厚さが均一な塗膜を形成できる。
【0009】なお、上記フッ素樹脂テロマーの平均分子
量が600未満では、溶融の際、樹脂分が昇華してしま
い、塗膜形成が困難であるという問題があり、4000
を超えると、溶融粘度が高く薄い均一な塗膜が得られな
いという問題がある。
【0010】本発明において、前記フッ素樹脂テロマー
としては、PTFEテロマーが好ましく用いられる。P
TFEテロマーを用いることにより、滑り性、撥水性等
がより良好な塗膜を形成できる。
【0011】また、前記フッ素樹脂テロマーの平均粒子
径が10μm以下であることが好ましい。平均粒子径を
10μm以下にすることにより、有機溶剤中での分散性
が良好になり、切り刃にスプレー等の方法で塗布したと
きに粒子が均一に付着し、比較的薄くても均一な塗膜を
形成することが可能となる。上記平均粒子径が10μm
を超えると、有機溶剤中での分散性が十分に得られず、
塗膜の厚さにむらができやすく、むらなく塗布するため
には塗膜を厚くしなければならなくなる。
【0012】更に、コーティング剤中における前記フッ
素樹脂テロマーの濃度は、0.5〜2重量%であること
が好ましい。上記濃度が0.5重量%未満では、ピンホ
ールのない塗膜を得るのが困難であるという問題があ
り、2重量%を超えると、スプレー等の塗装適性が悪く
なるという問題がある。
【0013】更にまた、前記有機溶剤としては、(ノナ
フロロブチル)メチルエーテル、(ノナフロロイソブチ
ル)メチルエーテル、デカフロロペンタン、イソプロピ
ルアルコールから選ばれた少なくとも一種を含有するも
のが好ましく用いられる。これらの有機溶剤は、表面張
力が小さいため、濡れ性の小さいフッ素樹脂テロマーの
粒子でも良好に分散させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明において、気相法により合
成された平均分子量600〜4000のフッ素樹脂テロ
マーは、例えば特公平6−67859号公報に記載され
た方法によって製造することができる。すなわち、含フ
ッ素樹脂を融点以上〜600℃に加熱して雰囲気温度2
00〜550℃において、分子状フッ素、三フッ化窒
素、ハロゲン化フッ化物及び希ガスのフッ化物の少なく
とも1種と接触反応させ、発生する反応生成ガスを10
0℃以下に冷却する方法である。
【0015】上記において、含フッ素樹脂としては、P
TFE、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロ
ピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−
パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)、
ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチ
レン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)お
よびポリビニリデンフルオライド(PVdF)、ポリビ
ニルフルオライド(PVF)などの粉末、ペレットなど
が使用できる。
【0016】したがって、本発明のフッ素樹脂テロマー
は、上記のような含フッ素樹脂を、上記方法によって、
平均分子量600〜4000となるように、低分子化す
ることによって得られる。なお、前述した理由から、フ
ッ素樹脂テロマーとして好ましくは、PTFEのテロマ
ーが用いられる。また、フッ素樹脂テロマー粒子の粒径
は、前述した理由から10μm以下であることが好まし
い。なお、このようなフッ素樹脂テロマーとしては、例
えば「セフラルルーブ」(商品名、セントラル硝子株式
会社製)等が知られている。
【0017】上記フッ素樹脂テロマーを分散させる有機
溶剤としては、塩素を含有しない溶剤、すなわちフロン
系溶剤(CFC)以外の溶剤が用いられる。すなわち、
オゾン層破壊などの環境破壊の虞れのない有機溶剤を用
いるためである。ところが、フッ素樹脂テロマーは、フ
ッ素樹脂の特性として濡れ性が小さいため、分散可能な
有機溶剤は極めて少ない。本発明者の実験によれば、有
機溶剤として、(ノナフロロブチル)メチルエーテル、
(ノナフロロイソブチル)メチルエーテル、デカフロロ
ペンタン、イソプロピルアルコールから選ばれた少なく
とも一種を含有するものを用いることにより、良好な分
散性が得られることがわかった。このうち、(ノナフロ
ロブチル)メチルエーテル及び(ノナフロロイソブチ
ル)メチルエーテルを含有する有機溶剤としては、「H
FE−7100」(商品名、住友スリーエム株式会社
製)が知られている。また、デカフロロペンタン(CF
3 CHFCHFCF2 CF3 )を含有する有機溶剤とし
ては、「バートレルXF」(商品名、三井・デュポンフ
ロロケミカル株式会社製)が知られている。
【0018】本発明の切り刃用フッ素樹脂コーティング
剤は、上記のような方法で製造された平均分子量600
〜4000の、好ましくは粒径10μm以下のフッ素樹
脂テロマー粒子を、塩素を含有せず表面張力の小さい上
記のような有機溶剤に分散させることによって得ること
ができる。この場合、フッ素樹脂テロマー粒子の濃度
は、前述した理由から、0.5〜2重量%とすることが
好ましい。
【0019】本発明の切り刃用フッ素樹脂コーティング
剤は、かみそり、はさみ等の切り刃に、スプレー塗布等
の方法で塗布し、フッ素樹脂テロマーが溶融する温度以
上に加熱することにより、有機溶剤が蒸発すると共に、
フッ素樹脂テロマーが溶融して、均一にコーティングさ
れた塗膜を形成することができる。本発明のフッ素樹脂
テロマーは、前記のような分子量を有するので、上記焼
き付け温度が280℃以上であればよく、比較的低い温
度で焼き付けが可能なので、作業性が向上すると共に、
薄くても均一な塗膜を形成しやすくなる。
【0020】
【実施例】気相法により合成された平均分子量600〜
4000のPTFEテロマーとして、「セフラルルー
ブ」(商品名、セントラル硝子株式会社製)を用い、こ
の粒子をイソプロピルアルコール中に2重量%の濃度で
混合分散させた。なお、このPTFEテロマー粒子の粒
径は10μm以下であった。
【0021】こうして調製したコーティング剤を、ステ
ンレス鋼製のかみそり刃にスプレー塗布し、乾燥させた
後、窒素雰囲気中で300℃にて30分焼き付けた。そ
の結果、かみそり刃の表面に薄くて均一なPTEFテロ
マーの塗膜が形成された。
【0022】このかみそり刃は、刃の潤滑性が良好で、
肌を傷めにくく、撥水性及び非粘着性があって、ひげ等
が付着しにくく、長期間使用してもさびることがなく、
使いやすく、耐久性に優れていた。
【0023】なお、有機溶剤として、(ノナフロロブチ
ル)メチルエーテル及び(ノナフロロイソブチル)メチ
ルエーテルからなる「HFE−7100」(商品名、住
友スリーエム株式会社製)、及びデカフロロペンタン
(CF3 CHFCHFCF2 CF3 )からなる「バート
レルXF」(商品名、三井・デュポンフロロケミカル株
式会社製)を用いても、同様な性能を有する切り刃用フ
ッ素樹脂コーティング剤を得ることができた。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の切り刃用
フッ素樹脂コーティング剤によれば、280℃程度の比
較的低い温度でも焼き付けが可能で、比較的薄い膜厚で
も均一な塗膜を形成することができ、フロン系溶剤を用
いた従来のコーティング剤のように環境破壊の問題を生
じることもない。そして、本発明のコーティング剤を用
いて切り刃上に塗膜を形成することによって、刃の潤滑
性、非粘着性、防錆性が向上し、非常に使いやすく、耐
久性に優れた切り刃を提供することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 かみそり刃、はさみなどの切り刃上にフ
    ッ素樹脂をコーティングするためのコーティング剤にお
    いて、気相法により合成された平均分子量600〜40
    00のフッ素樹脂テロマーが、塩素を含有しない有機溶
    剤中に分散されていることを特徴とする切り刃用フッ素
    樹脂コーティング剤。
  2. 【請求項2】 前記フッ素樹脂テロマーがポリテトラフ
    ルオロエチレンテロマーである請求項1記載の切り刃用
    フッ素樹脂コーティング剤。
  3. 【請求項3】 前記フッ素樹脂テロマーの平均粒子径が
    10μm以下である請求項1又は2記載の切り刃用フッ
    素樹脂コーティング剤。
  4. 【請求項4】 前記フッ素樹脂テロマーの濃度が0.5
    〜2重量%である請求項1〜3のいずれか1つに記載の
    切り刃用フッ素樹脂コーティング剤。
  5. 【請求項5】 前記有機溶剤が、(ノナフロロブチル)
    メチルエーテル、(ノナフロロイソブチル)メチルエー
    テル、デカフロロペンタン、イソプロピルアルコールか
    ら選ばれた少なくとも一種を含有するものである請求項
    1〜4のいずれか1つに記載の切り刃用フッ素樹脂コー
    ティング剤。
JP21816597A 1997-07-29 1997-07-29 切り刃用フッ素樹脂コーティング剤 Pending JPH1143641A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10024988C2 (de) * 2000-05-19 2002-11-14 Chemische Lab Dr Christoph Mar Verfahren zur Herstellung von Fluorpolyalken-Dispersionen
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JP2018199783A (ja) * 2017-05-26 2018-12-20 株式会社フロロテクノロジー コーティング剤

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