JPH0885186A - 含フッ素樹脂親水性構造物及びその製造方法 - Google Patents

含フッ素樹脂親水性構造物及びその製造方法

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JPH0885186A
JPH0885186A JP6232416A JP23241694A JPH0885186A JP H0885186 A JPH0885186 A JP H0885186A JP 6232416 A JP6232416 A JP 6232416A JP 23241694 A JP23241694 A JP 23241694A JP H0885186 A JPH0885186 A JP H0885186A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 含フッ素樹脂としての性質を保持しながら、
表面に親水性を付与して水に濡れやすくして、水膜を保
持したり塗装や着色を可能とし、しかもその親水性を長
期間持続できる含フッ素樹脂親水性構造物、及びこれを
簡便な処理で製造する方法の提供。 【構成】 無機酸化物コロイド溶液の固化により形成さ
れたゲル層を表面に設けた含フッ素樹脂親水性構造物。
親水層を設けるための好ましい構成は含フッ素樹脂基材
表面上に、含フッ素樹脂と平均粒子径10μm以下の珪
素化合物の粉末とからなる融着層を設け、その上に上記
ゲル層を設ける。この含フッ素樹脂親水性構造物は、含
フッ素樹脂粒子の分散液に珪素化合物粉末を均一に分散
させた分散液を含フッ素樹脂基材表面上に施し、加熱処
理して融着層を形成し冷却後、融着層上に無機酸化物コ
ロイド粒子液を塗布し、乾燥固化して製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は親水性を示す表面を持つ
含フッ素樹脂構造物及び上記構造物を安全且つ容易に製
造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】含フッ素樹脂は、優れた耐熱性、耐薬品
性、耐候性を有し、且つ低摩擦、非粘着などのユニーク
な性質を有するため化学・機械・電気などの産業分野に
広く利用されている。しかし、その一方、含フッ素樹脂
はその加工において接着、塗装や印刷ができなかった
り、例えば膜構造材として用いられた場合に建物内部の
結露しやすい天井などで水滴が形成され易くそれが観客
の声援などの空気振動で下に落ちる等の欠点があり、使
用用途により樹脂表面全体または部分的に親水性を持つ
膜を被覆したり官能基を持たせる試みがなされている。
【0003】例えばフィルターの効率化や接着等の目的
で含フッ素樹脂の表面を親水化する方法として (1) 金属ナトリウムとナフタリンのテトラヒドロフラン
溶液に浸漬して表面処理する。 (2) 水や親水基含有モノマーを含フッ素樹脂表面に接触
させてプラズマガスで処理する。 (3) フッ素樹脂多孔体の細孔内に親水性ポリマーを含浸
し紫外線照射により架橋して細孔内に固定する(特開昭
64-38448)。 (4) フッ素樹脂に紫外線を照射した後、重合性モノマー
(アクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルホン酸、ア
クリルアミド等)と接触させて、グラフト共重合体を形
成させる(特開平3-281544)。 (5) 多孔性ポリテトラフルオロエチレン膜に親水性ポリ
マーの有機溶媒溶液を含浸させ複合化させる(特開平3-
137927)。等があげられる。
【0004】しかし、上記方法にはそれぞれ (1) 処理液は、水分と接すると引火爆発するのでその取
扱いが面倒である。 (1〜5)いずれも親水化の効果が小さい (2,3,4) 膜構造材のように広い面積の処理が困難であ
る。 (3,4) 添加したモノマーの単独重合やポリマー同士の反
応を防止することが困難であり、目的とするフッ素樹脂
との架橋物あるいはグラフト共重合体の生成が不十分で
ある。 (5) ポリマーが溶出しやすく耐久性に乏しい。 などの欠点があり、含フッ素樹脂基材表面に対する従来
の親水化処理技術は、いずれも親水化の程度、持続性そ
して作業簡便性を満足し得るものはなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐熱
性、耐薬品性などの含フッ素樹脂としての性質を保持し
ながら、含フッ素樹脂基材表面に親水性を付与して基材
表面を水に濡れやすくして水膜を保持したり塗装や着色
を可能とし、かつその親水性が長期間にわたって安定的
に持続する含フッ素樹脂親水性構造物を提供することで
ある。また塗布や乾燥・焼成等の簡便な処理で樹脂表面
全体または部分的に親水性を持った含フッ素樹脂親水性
構造物を得ることができる製造方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者は、上記の課題を
解決する方法について検討した結果、含フッ素樹脂基材
表面に特定の無機酸化物から形成されたゲル層を設ける
ことにより、親水性が改善された含フッ素樹脂親水性構
造物が得られることを見いだしたものである。
【0007】即ち本発明は無機酸化物コロイド溶液の固
化により形成されたゲル層を表面に設けた含フッ素樹脂
親水性構造物であり、その好ましい実施態様は含フッ素
樹脂基材表面に含フッ素樹脂と平均粒子径10μm以下
の珪素化合物の粉末との混合物で、その容量比が90/
10〜20/80である融着層を設け、その上に上記無
機酸化物コロイド溶液の固化により形成されたゲル層を
設けた含フッ素樹脂親水性構造物である。ここに親水性
とは基材表面に水を供給した場合、水が水膜状となり、
撥水による凹凸がないものをいい、後記する親水性評価
試験で保持される水重量が0.06g以上となるもので
ある。
【0008】本発明はまた平均粒子径0. 05〜50μ
mの含フッ素樹脂粒子の分散液に平均粒子径10μm以
下の珪素化合物の粉末を均一に分散せしめ、含フッ素樹
脂と珪素化合物との容量比が90/10〜20/80で
あり、且つ上記分散質と分散媒との容量比が3/97〜
50/50の混合液とし、ついで該混合分散液を含フッ
素樹脂基材表面上に施し、含フッ素樹脂の融点以上、分
解温度以下の温度に加熱して上記分散質を融着させて融
着層を形成し冷却した後、該融着層上に無機酸化物コロ
イド溶液を塗布し該塗膜から含有する水分または有機溶
媒を乾燥除去して無機酸化物のゲル層を形成させること
により含フッ素樹脂親水性構造物を製造する方法を提供
するものである。
【0009】(含フッ素樹脂基材)本発明の基材に使用
される含フッ素樹脂としては、例えばポリテトラフルオ
ロエチレン(PTFE)の他、テトラフルオロエチレン
/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テト
ラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルコキシビニル
エーテル)共重合体(PFA)、エチレン/テトラフル
オロエチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニル
(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等であ
る。
【0010】上記含フッ素樹脂基材としては、分散質を
基材上に融着する際に熱によって形状が変化しないよう
に例えばガラス、カーボン、金属などの耐熱性繊維、織
布などによって強化された含フッ素樹脂基材を使用する
ことが好ましい。
【0011】(無機酸化物コロイド粒子)含フッ素樹脂
基材表面にゲル層を形成させるために用いる無機酸化物
コロイド溶液は、水または有機溶媒を分散媒とするSi
2 、TiO2 、ZrO2 、Al23 などの無機酸化
物微粒子のコロイド溶液である。 その粒子の大きさと
しては、平均粒子径1μm以下が好ましく、より好まし
くは100mμ以下であり、粒子径が小さいのでコロイ
ド溶液(ゾル)を形成する。具体的にはコロイダルシリ
カ、アルミナゾルやジルコニアゾルが挙げられる。例え
ばコロイダルシリカで説明すると、負に帯電した無水珪
酸の超微粒子(粒径およそ10〜20mμ)を水中に分
散させたコロイド溶液であり、粒子の表面にはシラノー
ル基及び水酸基が存在し、アルカリイオンにより電気二
重層が形成され、粒子間の反発により安定化されてい
る。また酸化カリウムや酸化リチウムなどの金属酸化物
を無水珪酸に対してモル比で1/3〜1/4から含んだ
ような組成のものでもよい。アルカリ性の強い無機酸化
物コロイド溶液を用いると、水に対する溶解性があるた
め、耐水性が低下する場合がある。
【0012】(ゲル層)ゲルとは液体を分散媒とするコ
ロイド溶液が流動性を失って固化した状態で、分散相の
溶解度が低下し、互いに連結して網目構造をとって、そ
の中に分散媒が含まれたものと考えられる。そして分散
媒の水または有機溶媒を蒸発乾燥させることにより、分
散相の骨組みの間に水を含むヒドロゲル、水以外の液体
を含むリオゲルを経て乾燥ゲルが得られる。ゆるやかに
乾燥するほど、粒子が小さいほど強固な乾燥ゲルの膜が
形成される。
【0013】(融着層)本発明は含フッ素樹脂基材表面
に上記無機酸化物コロイド溶液の固化により形成された
ゲル層を設けたものであるが、一般に含フッ素樹脂は表
面接着性が悪いので、親水層を表面に設けるためには、
含フッ素樹脂基材表面に接着性の良好な中間層を設け、
あるいは接着性を改良するための表面処理を行ない、そ
の上に親水層を設ければ基材に強固に接着した含フッ素
樹脂親水性構造物が得られるのでより好ましい。
【0014】このような中間層の形成、あるいは表面処
理法として、エキシマレーザーで粗面を形成させたり、
金属ナトリウムでの表面処理、プラズマによるエッチン
グ等の方法を用いることができるが、発明者らは含フッ
素樹脂基材表面への無機酸化物コロイド溶液の固化によ
り形成されたゲル層の接着を助けるための中間層につい
ても検討した結果、本発明出願人が先に提案した基材表
面に含フッ素樹脂と珪素化合物粉末とからなる融着層
(特公昭56-5460 号公報)を設け、この融着層を介して
ゲル層を設ける方法が最も有効であることを見出した。
すなわち本願の第二の発明は含フッ素樹脂基材表面上に
含フッ素樹脂と平均粒子径10μm以下の珪素化合物の
粉末との混合物で、その容量比が90/10〜20/8
0である融着層とその上に無機酸化物コロイド溶液の固
化により形成されたゲル層を設けた含フッ素樹脂親水性
構造物である。
【0015】(含フッ素樹脂)融着層の形成に使用され
る含フッ素樹脂としては、基材に使用される含フッ素樹
脂と同一樹脂または類似化学構造を有する樹脂を選択す
ることが好ましい。その理由は、同一樹脂同志または類
似化学構造を有する樹脂同志の融着は非類似化学構造を
有する樹脂間の融着にくらべてその融着強度が高いため
である。例えばPTFEの基材に対し、分散質としてE
TFEを選択するよりも、PTFEまたはPFAを選択
することが推賞される。
【0016】上記含フッ素樹脂を分散質とする分散液
は、乳化重合によって得ることができ、また含フッ素樹
脂粉末を水又は有機液体に分散させることによっても得
ることができる。特に好ましい分散液は乳化重合によっ
て得られるものであり、該分散液に含まれる含フッ素樹
脂粒子の平均粒子径は0. 05〜0. 5μm程度であ
る。含フッ素樹脂粉末より分散液を製造する場合には、
含フッ素樹脂の水性分散液または含フッ素樹脂の微粉末
を該樹脂の融点以上の温度雰囲気を有する焼成室内に噴
霧することによって得られる平均粒子径0. 5〜50μ
mの球形粉末を使用することが推賞される。しかし、本
発明に使用される含フッ素樹脂粉末は上記例示の方法に
よって得られる粉末に限定されるものではなく、要する
に、平均粒子径0. 5〜50μmの分散性の良い含フッ
素樹脂粒子であればよい。平均粒子径が50μmを越え
る含フッ素樹脂粒子の使用は分散液の安定性が悪くなる
こと、不必要に厚い融着層が得られること及び分散質を
基材に融着する工程において余分な融着時間及び温度が
必要になるという面で好ましくない。
【0017】分散媒は分散質として使用される含フッ素
樹脂の融点以下の温度で蒸発・揮散せしめることが可能
な常温で液体のものである。水は無毒、不燃性であるこ
とから分散媒として好適である。また、分散液の安定性
を向上させるために、分散液中に少量の界面活性剤を添
加することが推賞される。
【0018】(珪素化合物)融着層を形成するもう一方
の成分として使用される珪素化合物は、平均粒子径が1
0μm以下の粉末であって、水または有機液体に溶解し
ないものであることが必要である。このような珪素化合
物粉末の例としては、微粒子状二酸化珪素、珪酸カルシ
ウム、珪酸アルミニュームなどのごとき通常ホワイトカ
ーボンと呼ばれる粉末、珪藻土、カオリンなど、耐熱性
の珪素化合物を好適なものとして挙げることが出来る。
特に好適なものとしてはフュームドシリカ(fumed silic
a)と呼ばれる平均粒子径5〜50mμの二酸化珪素及び
少量の酸化アルミニウムによって、変性された二酸化珪
素の粉末があげられる。該粉末は、およそ50〜400
2 /gの比表面積を持つこと及び該粉末の粒子の表面
に存在するシラノール基が100A2 当たりおよそ3個
程度であるものが好適である。
【0019】平均粒子径が10μmを越える珪素化合物
の粉末の使用は、該粉末を含フッ素樹脂分散液に添加し
て該粉末と含フッ素樹脂との混合分散液とした際に該粉
末粒子が分離沈降するため、基材上に均一な塗布を行い
にくく、且つ得られた構造物の接着性が低いという不都
合を招く。該粉末の含フッ素樹脂分散液への添加方法は
該粉末を直接分散液に添加しても、或いは水または有機
液体中に分散させたのち添加しても良く、使用される含
フッ素樹脂分散液の性質により適宜に判断して混合分散
液とすれば良い。
【0020】(混合分散液)上記の如くして得られた混
合分散液において分散質である含フッ素樹脂粒子と珪素
化合物との容量比は90/10〜20/80であること
が必要である。該珪素化合物の量が10容量%未満であ
る場合には親水層との接着性が低くなり過ぎ、80容量
%を越える場合には融着層の強度が低くなり層が剥離す
る傾向がある。該化合物の好ましい添加量の範囲は粒径
によって左右され、粒径の大きいものほど好適添加量の
範囲はせまくなる傾向がみられる。例えば平均粒子径が
10mμ以下の超微粒子を使用した場合には、その好適
添加量はおよそ20〜80容量%であり、平均粒子径が
20〜50mμの微粒子を使用した場合には、その好適
添加量はおよそ30〜70容量%である。また、平均粒
子径が1μm前後及び5μm前後の粒子を使用した場合
には、その好適添加量はおよそ40〜70容量%及び5
0〜60容量%となる。
【0021】殊に、分散質として平均粒子径が0. 05
〜0. 5μmの含フッ素樹脂粒子と平均粒子径が0. 5
μm以下より好ましくは0. 1μm以下の該珪素化合物
とを使用した場合には、混合分散液の安定性が良く、更
に、仕上がった親水性構造物の親水化層との接着強度が
高く、親水層表面も良好である。分散質と分散媒の容量
比は粒子の粒径、形状などにもよるが、およそ3/97
〜50/50程度であることが望ましい。分散質が3容
量%未満では経済性が劣り、また50容量%を越える場
合にはしばしば分散液が不安定となり、凝集物が生じた
り、流動性が悪く取扱いが困難になるなどの欠点が生ず
る。
【0022】かくして得られた融着層は基材表面に無機
酸化物コロイド溶液の固化により形成されたゲル層を保
持させるための有効な手段であるが、この融着層は含フ
ッ素樹脂を必須成分として含有し、それ自体で本発明の
目的とする親水層を構成するものではない。
【0023】(製造方法)本発明において、含フッ素樹
脂と珪素化合物とからなる融着層を介してゲル層を設け
た含フッ素樹脂親水性構造物は、平均粒子径0. 05〜
50μmの含フッ素樹脂粒子の分散液に平均粒子径10
μm以下の珪素化合物の粉末を均一に分散せしめ、含フ
ッ素樹脂と珪素化合物との容量比が90/10〜20/
80であり、且つ上記分散質と分散媒との容量比が3/
97〜50/50の混合液とし、ついで該混合分散液を
含フッ素樹脂基材表面上に施し、含フッ素樹脂の融点以
上、分解温度以下の温度に加熱して上記分散質を融着さ
せて融着層を形成し冷却した後、該融着層上に無機酸化
物コロイド溶液を塗布し該塗膜から含有する水分または
有機溶媒を乾燥除去することにより製造される。
【0024】分散液を基材に施す方法は、流しかけ、浸
漬あるいは吹付けなど通常塗装に使用されている方法が
有利に使用される。分散液を施された基材は分散媒を除
去するため乾燥され、ついで含フッ素樹脂の融点以上、
分解温度以下の温度に加熱される。この加熱により分散
質は基材上に融着する。好ましい融着温度は樹脂によっ
て異なるが、例えばPTFEの場合には350〜390
℃、FEP及びPFAの場合には310〜370℃、E
TFEの場合には290〜340℃程度である。ついで
該基材は冷却され、融着された分散質は融着層を形成
し、該層の表面が親水層との接着面として使用される。
【0025】含フッ素樹脂基材表面上の融着層に無機酸
化物コロイド溶液を塗布するには該表面張力が50ダイ
ン/cm以下であることが望ましく、表面張力が50ダ
イン/cm以上では無機酸化物コロイド溶液が含フッ素
樹脂表面で弾かれて塗布することが困難である。表面張
力を50ダイン/cm以下にするには、界面活性剤やエ
タノール等の低界面張力の有機溶剤を該粒子液に添加し
たり融着層に塗布したりすることが必要である。有機溶
剤を添加する場合は無機酸化物コロイド溶液が凝集しな
いものを選択することが必要である。
【0026】無機酸化物コロイド溶液を融着層に塗布す
る方法は、ロール塗り、流しかけ、浸漬あるいは吹付け
など通常塗装に使用されている方法が可能である。塗布
された無機酸化物コロイド溶液から水または有機溶媒の
分散媒を乾燥除去する方法及び温度は特に限定されず基
材の含フッ素樹脂が熱分解されない温度であれば良い。
分散媒の乾燥除去が不足すると後記する耐水性に劣るも
のとなる。
【0027】(親水層)このようにして得られた含フッ
素樹脂親水性構造物は含フッ素樹脂基材の表面上に含フ
ッ素樹脂と平均粒子径10μm以下の珪素化合物粒子と
からなる融着層を有し、該融着層の表面に無機酸化物コ
ロイド溶液に使用された無機酸化物が表面の平滑な親水
性の膜を形成し一面を覆っているものである。
【0028】膜構造材に形成される親水層の厚みは、お
よそ0. 1〜30μmが好ましく、より好ましくは0.
5〜10μmである。0. 1μmより親水層厚みが薄い
と親水化の効果が少なく、30μm以上では膜の剥離や
欠落が起こりやすくなる。無機酸化物コロイド溶液から
形成された親水層は、水に親和性を示すとともに保水性
を有しているため帯電防止能をしめす。
【0029】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
る。なお実施例で含フッ素樹脂基材の種類、融着層、親
水層の形成方法、親水層の表面物性評価方法等は以下の
とおりである。
【0030】(1)含フッ素樹脂基材 (1) テント膜:中興化成工業株式会社製 FGT- 60
0(縦100 mm×横100 mm) (2) PTFE切削フィルム:三井・ デュポンフロロケミ
カル(株)製、7A-J(縦100 mm×横100 mm×厚み50μ
m)
【0031】(2)融着層の形成(比較例6を除く) 超微粒子状無水シリカ粉末(日本アエロジル株式会社製
アエロジルMOX80、平均粒子径30mμ)をノニ
オン界面活性剤(Rohme & Hass Co.製 トライトンX-
100)の8%水溶液に分散し、PFA水性分散液(三
井・ デュポンフロロケミカル株式会社製:固形分28w
t%、平均粒子径0. 17μm)と混合して、珪素化合
物との容量比が80/20であり、且つ上記分散質と分
散媒との容量比が12/88の混合液を得た。これをP
TFEをコーティングしたテント膜またはPTFE切削
フィルムに流しかけ、ついで乾燥後380℃で20分間
焼成して該分散質をテント膜またはフィルム上に融着せ
しめ、冷却して融着層を形成させる。
【0032】(3)親水層の形成 界面活性剤またはエタノールで塗布しやすい表面張力に
調節した固形分5〜10wt%の無機酸化物コロイド液
を上記融着層が形成されたテント膜またはフィルムにロ
ールで塗装する。これを乾燥機に入れて水分を除去し塗
膜を形成する。
【0033】(4)親水層の耐水性評価法 1. 5mの高さから園芸用散水器(トヨックス製ノズル
孔直径0. 3mmx445個)にて12〜20℃の水を
100mm/分の降水量で10分間降らせた後風乾し、
シャワー前後の重量変化から塗膜の残存重量%を算出し
親水層の耐水性として評価した。
【0034】(5)親水性評価法 1Lガラスビーカーに入った純水に、耐水性をテストし
た後のテント膜またはフィルムを下端より80mmまで
浸し、60秒間静置する。この膜を5mm/secの速
度で引き上げて親水層の裏側の水分を拭き取り、親水層
に保持された水の重量(g)を測定する。
【0035】(6)濡れ性評価法 親水性を評価した親水層面を観察して、下記の3段階に
て含フッ素樹脂構造物表面の水に対する親和力を評価し
た。 ドライ :膜表面に水が殆ど付着していないもの 半親水性:水滴が平滑な水膜状となる部分と、撥水によ
り水滴が凹凸状に濡れている部分があるもの 親水性 :水が平滑な水膜状となり撥水による凹凸がな
いもの
【0036】[実施例1]PTFEコーティングしたテ
ント膜に上記(2)の方法で融着層を形成し、この融着
層上に0. 5wt%のトライトン水溶液で固形分を10
wt%に希釈したコロイダルシリカ(日産化学工業製
スノーテックスN:SiO2 固形分20wt%、平均粒
子径10〜20mμ)をローラ塗りし、180 ℃×20分間
熱処理して親水層を形成させ、親水性評価及び親水層の
耐久性を評価した。結果を表1に示す。
【0037】[実施例2]PTFE切削フィルムに融着
層を形成し、この融着層上にエタノールで固形分を5w
t%に希釈したコロイダルシリカ(日産化学工業製 ス
ノーテックスN:SiO2 固形分20wt%)をローラ
塗りし、50℃×20分間熱処理して親水層を形成させ、親
水性評価及び親水層の耐久性を評価した。結果を表1に
示す。
【0038】[実施例3]PTFEコーティングテント
膜に融着層を形成し、この融着層上に0. 5wt%のト
ライトン水溶液で固形分を10wt%に希釈したコロイ
ダルシリカ(日産化学工業製 スノーテックスK:全固
形分28wt%、SiO2 /K2 Oモル比3. 3〜4.
0)をローラ塗りし、50℃×20分間熱処理して親水層を
形成させ、親水性評価及び親水層の耐久性を評価した。
結果を表1に示す。
【0039】[実施例4]コロイド溶液としてスノーテ
ックスKの代わりに、0. 5wt%のトライトン水溶液
で固形分を10wt%に希釈したリチウムシリケート
(日産化学工業製LSS−75:SiO2 固形分20〜
21wt%、SiO2 /Li2 Oモル比7. 5)を用い
た以外は実施例3と同様にして、PTFEコーティング
テント膜上に融着層を介して親水層を形成し、親水性評
価及び親水層の耐久性を評価した。結果を表1に示す。
た。
【0040】[実施例5]コロイド溶液としてスノーテ
ックスKの代わりに、0. 5wt%のトライトン水溶液
で固形分を10wt%に希釈したジルコニアゾル(日産
化学工業製 NZS−20A:ZrO2 固形分20. 1
wt%)を用いた以外は実施例3と同様にして、PTF
Eコーティングテント膜上に融着層を介して親水層を形
成し、親水性評価及び親水層の耐久性を評価した。結果
を表1に示す。
【0041】[実施例6]PTFEコーティングテント
膜に融着層を形成し、この融着層上に0. 5wt%のト
ライトン水溶液で固形分を5wt%に希釈したアルミナ
ゾル(日産化学工業製 アルミナゾル- 200:Al2
3 固形分10〜11wt%、粒子の平均の大きさ10
0mμ〜10mμ)をローラ塗りし 250℃×30分間熱処
理して親水層を形成させ、親水性評価及び親水層の耐久
性を評価した。結果を表1に示す。
【0042】[比較例1〜3]ガラス板及び実施例で含
フッ素樹脂基材として用いたPTFEコーティングした
テント膜とPTFE切削フィルムをそれぞれ親水性処理
を行わず、そのままで親水性を評価した。各基材表面の
親水性評価及び親水層の耐久性評価結果は、表1に示す
とおりであった。
【0043】[比較例4〜5]実施例で含フッ素樹脂基
材として用いたPTFEコーティングしたテント膜及び
PTFE切削フィルムに実施例で用いた融着層のみを設
け、親水性処理を行わず、そのままで親水性を評価し
た。親水性評価及び親水層の耐久性評価結果は、表1に
示すとおりであった。
【0044】[比較例6〜8]比較例4の融着層の形成
において、PFA水性分散液をPTFE水性分散液(三
井・ デュポンフロロケミカル株式会社製:固形分28w
t%、平均粒子径0.17μm)に代え、比較例4と同
様にトライトンX- 100)の8%水溶液に分散したア
エロジルMOX80(平均粒子径30mμ)と混合し
て、珪素化合物との容量比がそれぞれ60/40、40
/60及び20/80であり、且つ上記分散質と分散媒
との容量比が5/95の混合液を得た。これを比較例4
と同様にPTFEをコーティングしたテント膜に流しか
け、ついで乾燥後380℃で20分間焼成して該分散質
をテント膜上に融着せしめ、冷却して融着層を形成させ
た。この融着層に親水性処理を行わず、そのままで親水
性を評価した。結果を表1に示す。融着層のPTFE含
量が少なくなると層自体の耐水性が低下して融着層をテ
ント膜に保持できなくなる。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】本発明の含フッ素樹脂親水性構造物は、
表面に無機酸化物コロイド溶液の固化により形成された
ゲル層を持つため帯電防止能を示すとともに、基材表面
に凝縮した水分が薄い水膜となって保持されたり、基材
に沿って水膜として流れ落ちることができるので膜構造
材とした時に天井からの水滴落下を防止することがで
き、また表面状態が親水性でかつ平滑であるので水性ペ
イントによる塗装や印刷インクによるプリントが可能と
なる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機酸化物コロイド溶液の固化により形
    成されたゲル層を表面に設けた含フッ素樹脂親水性構造
    物。
  2. 【請求項2】 含フッ素樹脂基材表面上に含フッ素樹脂
    と平均粒子径10μm以下の珪素化合物の粉末との混合
    物で、その容量比が90/10〜20/80である融着
    層を設け、その上に無機酸化物コロイド溶液の固化によ
    り形成されたゲル層を設けた請求項1記載の含フッ素樹
    脂親水性構造物。
  3. 【請求項3】 平均粒子径0. 05〜50μmの含フッ
    素樹脂粒子の分散液に平均粒子径10μm以下の珪素化
    合物の粉末を均一に分散せしめ、含フッ素樹脂と珪素化
    合物との容量比が90/10〜20/80であり、且つ
    上記分散質と分散媒との容量比が3/97〜50/50
    の混合液とし、ついで該混合分散液を含フッ素樹脂基材
    表面上に施し、含フッ素樹脂の融点以上、分解温度以下
    の温度に加熱して上記分散質を融着させて融着層を形成
    し冷却した後、該融着層上に無機酸化物コロイド溶液を
    塗布し該塗膜から含有する水分または有機溶媒を乾燥除
    去し固化することを特徴とする請求項2記載の含フッ素
    樹脂親水性構造物の製造方法。
  4. 【請求項4】 含フッ素樹脂粒子と珪素化合物の混合分
    散液に界面活性剤又は低界面張力の有機溶剤を添加し
    て、含フッ素樹脂基材表面上に施すことを特徴とする請
    求項3記載の含フッ素樹脂親水性構造物の製造方法。
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