JP2001151085A - ワイパーブレード - Google Patents

ワイパーブレード

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JP2001151085A
JP2001151085A JP33915699A JP33915699A JP2001151085A JP 2001151085 A JP2001151085 A JP 2001151085A JP 33915699 A JP33915699 A JP 33915699A JP 33915699 A JP33915699 A JP 33915699A JP 2001151085 A JP2001151085 A JP 2001151085A
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Japan
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wiper blade
rubber
blade rubber
plastic
powder
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JP33915699A
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Koichiro Akimoto
浩一郎 秋元
Shigeru Kashiwazaki
茂 柏崎
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Hitachi Cable Ltd
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Hitachi Cable Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】表面層が長期にわたり優れた耐摩耗性、低摩擦
性、耐撥水性、耐撥油性を発揮でき、それにより長期に
わたり優れた払拭性を有するワイパーブレードを提供す
ること。 【解決手段】ワイパーブレードラバーを具備したワイパ
ーブレードにおいて、前記ワイパーブレードラバーはそ
の表面にプラスチックと、分子主鎖中にフルオロアルキ
ル基を有するフッ素系オリゴマーと、照射架橋PTFE
(ポリテトラフルオロエチレン)微粉末とから成るプラ
スチック塗膜層を設けて成ることを特徴とするワイパー
ブレードにある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はワイパーブレードに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】ワイパーは自動車、航空機、鉄道車両等
の窓やライト部に降った雨滴、氷雪等を払拭し、その視
界を確保するために取り付けられている。
【0003】このワイパーはワイパーブレードラバー
と、そのワイパーブレードラバーを支持する支持部材
と、その支持部材を駆動させる駆動機構とから成ってい
る。これらのうち雨滴、氷雪等を払拭する機能を有する
部材はワイパーブレードラバーである。
【0004】図1は自動車の窓に用いられているワイパ
ーブレードの主構成材であるワイパーブレードラバーを
長手方向に直交した面で切断した断面図を示したもので
ある。
【0005】図1において1はワイパーブレードラバー
である。
【0006】図1から分かるようにワイパーブレードラ
バーは特異な形状をしている。
【0007】このワイパーブレードラバーに要求される
特性のうち重要な特性は次の三特性である。
【0008】(1)柔軟性と形状復元性 ワイバーの払拭対象となる自動車のフロントガラス等は
完全な平面ではなく、湾曲しているものが大半である。
【0009】このためワイパーブレードラバーは湾曲し
たフロントガラスの曲面にしなやかに迫随しながら雨滴
等を払拭することが要求される。このためワイパーブレ
ードラバーは優れた柔軟性が要求される。
【0010】また、ワイパーブレードラバーは形状復元
性が低いとワイパーの払拭部が変形し、その結果拭きム
ラが発生することになる。このためワイパーブレードラ
バーは優れた形状復元性も要求される。
【0011】つまり、ワイパーブレードラバーは柔軟性
と形状復元性というどちらかと言うと相矛盾する特性を
持つことが要求されるのである。
【0012】(2)低摩擦性 前述したようにワイパーブレードラバーは湾曲したフロ
ントガラスの曲面にしなやかに迫随しながら雨滴等を払
拭するものであることから低摩擦性が要求される。ワイ
パーの払拭部と払拭対象物との間の摩擦が大きいときに
はスムーズな払拭が行えないなく、しかもワイパー駆動
モータに大きな負荷がかかることになる。そしてワイパ
ーブレードラバーの静摩擦係数と動摩擦係数との差が大
きい場合には、“びびり”と呼ばれているワイパーブレ
ードラバーの暴れ現象が発生する。この“びびり”のと
きには払拭性能が大幅に低下すると共に大きな異音が発
生することになる。
【0013】このような訳でワイパーブレードラバーは
少なくともその払拭部表面の摩擦が小さいことが必要で
ある。
【0014】しかしながら一般にゴム材料は粘着性が高
く、耐摩耗性が劣るという性質を有している。
【0015】そこでワイパーブレードラバーの全体若し
くはその払拭部分のみを低摩擦化する試みが為されてい
る。
【0016】このような低摩擦化の方法としてはワイパ
ーブレードラバーの表面に潤滑性微粉末、例えば二硫化
モリブデン粉末、グラファイト粉末、フッ素樹脂粉末等
を含む塗料を塗布したり、ハロゲン化処理したりするこ
と等が行われている。
【0017】(3)耐久性 前述したようにワイパーブレードラバーは優れた柔軟
性、形状復元性、低摩擦性を保持するが、これらの諸特
性は長期間安定して発揮し続ける必要もある。
【0018】ワイパーブレードラバーがこれらの諸特性
を長期間安定して発揮し続けるには、優れた耐撥水性、
耐撥油性、耐摩耗性等を有しているものでなければなら
ない。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら現状では
柔軟性、形状復元性、低摩擦性及び耐久性を完全に満足
したワイパーブレードラバーゴムは得られていない。
【0020】例えば、分子中に不飽和基を有するゴム材
料、例えば天然ゴムやアクリロニトリループタジエンゴ
ム等を用いて製造し、且つハロゲン化処理したワイパー
ブレードラバーゴムは低摩擦性が優れているが、その半
面不飽和基を有するが故に耐候性が劣るという難点があ
る。
【0021】また、分子中に不飽和基を持たないゴム材
料、例えばエチレンープロピレンゴム等を用い製造し、
且つ二硫化モリプデン粉末、グラファイト粉末、フッ素
樹脂粉末等を含む塗料を塗布して成るワイパーブレード
ラバーゴムは初期の低摩擦性が優れているが、その二硫
化モリブデン粉末、グラファイト粉末、フッ素樹脂粉末
等を含む塗料の塗布膜は耐久性が乏しいという難点があ
る。即ち、このものは長期間使用すると“びびり”現象
が多発し、それにより払拭性が著しく悪化するという難
点がある。
【0022】本発明はかかる点に立って為されたもので
あって、その目的とするところは前記した従来技術の欠
点を解消し、表面層が長期にわたり優れた耐摩耗性、低
摩擦性、耐撥水性、耐撥油性を発揮でき、それにより長
期にわたり優れた払拭性を有するワイパーブレードを提
供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、ワイパーブレードラバーを具備したワイパーブレ
ードにおいて、前記ワイパーブレードラバーはその表面
にプラスチックと、分子主鎖中にフルオロアルキル基を
有するフッ素系オリゴマーと、照射架橋PTFE(ポリ
テトラフルオロエチレン)微粉末とから成るプラスチッ
ク塗膜層が設けて成ることを特徴とするワイパーブレー
ドにある。
【0024】本発明においてプラスチック塗膜層として
はプラスチック100重量部当たりフルオロアルキル基
を有するフッ素系オリゴマー0.1〜10重量部と照射
架橋PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)微粉末5
〜100重量部とから成るものであることが好ましい。
【0025】また、本発明においてプラスチック塗膜層
としては5〜100μmの厚みで形成されたものである
ことが好ましい。
【0026】更に、本発明においてプラスチック塗膜層
としてはフッ素系オリゴマー配合プラスチックポリマ溶
液へ架橋PTFEパウダーを分散して成るフッ素系オリ
ゴマー・架橋PTFEパウダー配合プラスチックポリマ
溶液をワイパーブレードラバーの表面上へ塗布、乾燥し
て成るものであることが好ましい。
【0027】さて、PTFEは自ら摩耗しながら低摩擦
化の効果を発揮するという性質があることから耐摩耗性
が劣ることが知られている。これに対して照射架橋PT
FEは低摩擦性でありながら機械的強度が強く、それに
より耐摩耗性、耐久性も優れている。
【0028】しかし、照射架橋PTFEは架橋している
ことから皮膜形成性が劣り、それにより従来の技術では
ワイパーブレードラバーの表面へ照射架橋PTFEの皮
膜層を形成することができなかった。
【0029】そこで、照射架橋PTFE層の皮膜形成性
を改善するため、プラスチックポリマ溶液中に照射架橋
PTFEを分散させ、その照射架橋PTFE分散駅をワ
イパーブレードラバー表面へコーティングすることも検
討された。しかし、この方法ではプラスチック溶液中へ
の照射架橋PTFEの分散性が悪く、その結果プラスチ
ックポリマ溶液中へ多量の照射架橋PTFEを分散させ
ることができなかった。当然、照射架橋PTFEの分散
量が少ないプラスチック溶液をワイパーブレードラバー
表面へコーティングして成る皮膜では、その低摩擦性を
向上することができなかった。
【0030】そこで、本発明者等はワイパーブレードラ
バーの表面に強固な低摩擦性皮膜を形成する方法につい
て鋭意検討を重ね、本発明に至ったものである。つま
り、本発明ではワイパーブレードラバーの表面へ照射架
橋したPTFE粉末及び分子主鎖中にフルオロアルキル
基を有するフッ素系オリゴマーを含有したプラスチック
塗膜を形成したことにある。このプラスチック塗膜は長
期にわたり優れた耐摩耗性、低摩擦性、耐撥水性及び耐
撥油性を発揮するものてある。
【0031】
【発明の実施の形態】次に、本発明のワイパーブレード
の実施の形態について説明する。
【0032】本発明においてワイパーブレードラバーの
ゴム材料は特に限定されない。これはワイパーブレード
ラバーの表面をプラスチック皮膜で覆うためである。具
体的なゴム材料としては天然ゴム、スチレン−ブタジエ
ンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ブチルゴ
ム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴ
ム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、エチレンプロ
ピレンゴム、シリコーンゴム、フッ化ビニリデン−へキ
サフルオロプロペン系共重合体、フッ化ビニリデン−へ
キサフルオロプロペン−テトラフルオロエチレン系共重
合体、フッ化ビニリデンーペンタフルオロプロペン系共
重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレ
ン系共重合体、テトラフルオロエチレン−プロピレン−
フッ化ビニリデン系共重合体、ポリオレフィン系エラス
トマー等の単独若しくはこれらの2種以上をブレンドし
て成るブレンドゴム等がある。
【0033】本発明においてプラスチックポリマー溶液
としては高分子プラスチック材料の有機溶剤溶液ならよ
い。ここにおいて高分子プラスチック材料としては、例
えばポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミドイミド樹脂等
がある。また、有機溶剤はこれらを溶解するものならよ
く、例えば共重合ポリアミド樹脂のときの有機溶剤はア
ルコール類、クレゾール等である。
【0034】本発明においてフルオロアルキル基を有す
るフッ素系オリゴマーとしては、工業的に生産されてい
るものならよい。
【0035】本発明においてフルオロアルキル基を有す
るフッ素系オリゴマーとしては実験室的及び工業的に生
産されているものを用いることができる。
【0036】本発明において照射架橋PTFEパウダー
としてはPTFEパウダーを照射架橋して成るものであ
る。
【0037】また、本発明においてフッ素系オリゴマー
配合プラスチックポリマ溶液中へ照射架橋PTFEパウ
ダーを配合するとき、その照射架橋PTFEパウダーと
共に未架橋のPTFEパウダーをも配合することができ
る。
【0038】本発明では、まずプラスチックポリマ溶液
中へフルオロアルキル基を有するフッ素系オリゴマーを
0.1〜10重量部配合する。このフッ素系オリゴマー
配合ポリマ溶液は、驚くべきことに架橋PTFEパウダ
ーの分散性を顕著に向上することができ、それによって
フッ素系オリゴマー配合ポリマ溶液は架橋PTFEパウ
ダーを多量に配合することができるのである。
【0039】そこでそのフッ素系オリゴマー配合プラス
チックポリマ溶液中へ照射架橋PTFEパウダーを5〜
100重量部配合し、よく分散する。
【0040】次に、そのフッ素系オリゴマー・照射架橋
PTFEパウダー配合プラスチックポリマ溶液をワイパ
ーブレードラバーのコーティングする。このコーティン
グにより得られたフッ素系オリゴマー・照射架橋PTF
Eパウダー配合プラスチックポリマ塗膜は、ワイパー払
拭時の摺動抵抗が大幅に低下することができ、しかも長
期にわたり優れた耐摩耗性、低摩擦性、耐撥水性及び耐
撥油性を発揮することができる。
【0041】ここにおいてフッ素系オリゴマー・照射架
橋PTFEパウダー配合プラスチックポリマ溶液をワイ
パーブレードラバーのコーティング方法としては、スプ
レー塗装、浸漬塗装等がある。このうち浸漬塗装は形状
が異形なワイパーブレードラバーの塗装に望ましい。
【0042】この焼き付け条件はプラスチックポリマ溶
液のベース樹脂により適宜設定する。例えば、熱硬化性
ポリウレタン樹脂をベース樹脂を用いたフッ素系オリゴ
マー・照射架橋PTFEパウダー配合プラスチックポリ
マ溶液の塗布後の焼き付け硬化条件は100〜170℃
で5〜60分加熱である。
【0043】また、塗膜厚は5〜100μmとなるのが
望ましい。この塗膜厚は浸漬塗布回数等で調整する。こ
こにおいて5μm以下では低摩擦性を発揮できなく、逆
に100μm以上では塗装工数がかかる難点がある。
【0044】
【実施例】次に、本発明のワイパーブレードの実施例及
び従来の比較例について説明する。
【0045】なお、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
【0046】(ワイパーブレードラバー・ベース試料の
作成)まず、ワイパーブレードラバーのゴム材料、各種
配合剤を秤量、採取する。
【0047】次に、その秤量、採取したゴム材料、各種
配合剤をバンバリーミキサーで混練りすることによりゴ
ムコンパウンドとした。
【0048】次に、ここで得られたゴムコンパウンドを
ワイパーブレードラバーの成形金型にて成形、加硫する
ことによりワイパーブレードラバーを得た。
【0049】加硫条件は160℃で20分である。
【0050】次に、この加硫成形して得られたワイパー
ブレードラバーを80℃の熱水に20分浸漬して熱水洗
浄することによりワイパーブレードラバー・ベース試料
を用意した。
【0051】(比較例1)まず、次亜塩素酸ソーダを希
釈して塩素濃度が0.3%となるよう調整した塩素水を
作成した。
【0052】次に、ここで用意した塩素濃度が0.3%
の次亜塩素酸ソーダ水溶液中に、上記で用意したワイパ
ーブレードラバー・ベース試料を5分間浸漬することに
よりその表面を塩素化処理した。
【0053】次に、表面を塩素化処理したワイパーブレ
ードラバーを水洗し、それから60℃の空気中で20分
間乾燥することにより比較例1のワイパーブレードラバ
ーを得た。
【0054】(比較例2)フッ素ガスを10〜50容量
%含む不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガス等)中に、
上記で用意したワイパーブレードラバー・ベース試料を
常温で30〜120分置き、その表面をフッ素化処理す
ることにより比較例2のワイパーブレードラバーを得
た。
【0055】(実施例1)まず、次の材料を用意した。
【0056】a.PETT微粉末 PETT微粉末としては旭硝子(株)のモールディング
パウダーG−163を用意した。
【0057】次に、このモールディングパウダーG−1
63を酸素濃度10Torr以下、温度140℃の条件下で
100kGy の電子線を照射し、架橋させた。
【0058】次に、この電子線照射架橋PETT微粉末
を粉砕機により5μm以下に微粉砕した。
【0059】b.プラスチックポリマ溶液の作成 溶解装置にクレゾール70重量部を採取し、次に熱軟化
点が130℃の6/66/12共重合ポリアミド樹脂3
0重量部を入れ、加熱溶解することにより共重合ポリア
ミド樹脂溶液を作成した。
【0060】c.フッ素系オリゴマー配合プラスチック
ポリマ溶液の作成 次に、上記の溶解装置に入っている共重合ポリアミド樹
脂溶液の共重合ポリアミド樹脂分100重量部に、フッ
素系オリゴマー5重量部を入れ、それから加熱溶解する
ことによりフッ素系オリゴマー配合プラスチック溶液を
作成した。
【0061】d.フッ素系オリゴマー・照射架橋PTF
Eパウダー配合プラスチックポリマ溶液の作成 次に、上記で用意したフッ素系オリゴマー配合プラスチ
ックポリマ溶液の共重合ポリアミド樹脂分100重量部
に、照射架橋PTFE微粉末を30重量部配合し、それ
から攪拌して分散させることによりフッ素系オリゴマー
・照射架橋PTFEパウダー配合プラスチックポリマ溶
液を作成した。
【0062】e.塩素化処理ワイパーブレードラバー・
ベース試料の作成 次に、上記で用意したワイパーブレードラバー・ベース
試料を前述の同様な塩素処理を行うことにより塩素化処
理ワイパーブレードラバー・ベース試料を作成した。こ
の塩素化処理はワイパーブレードラバー・ベース試料の
接着性を向上するためである。
【0063】このようにして上記eで用意した塩素化処
理ワイパーブレードラバー・ベース試料を、上記dで用
意したフッ素系オリゴマー・照射架橋PTFEパウダー
配合プラスチックポリマ溶液へ10秒間浸漬し、それか
ら取り出した。
【0064】取り出し後、150℃の熱風乾燥機内に5
分吊るし、塩素化処理ワイパーブレードラバー・ベース
試料上にフッ素系オリゴマー・照射架橋PTFEパウダ
ー配合ポリマ塗膜を形成させた。
【0065】次に、室温に取り出してから室温まで冷め
たフッ素系オリゴマー・照射架橋PTFEパウダー配合
ポリマ皮膜を形成した塩素化処理ワイパーブレードラバ
ー・ベース試料を、再度フッ素系オリゴマー・照射架橋
PTFEパウダー配合プラスチックポリマ溶液へ10秒
間浸漬し、それから取り出した。
【0066】取り出し後、再度150℃の熱風乾燥機内
に5分吊るし、フッ素系オリゴマー・照射架橋PTFE
パウダー配合ポリマ皮膜を形成した塩素化処理ワイパー
ブレードラバー・ベース試料上にフッ素系オリゴマー・
照射架橋PTFEパウダー配合プラスチックポリマ塗膜
を増加形成させることにより、実施例1のワイパーブレ
ード用ワイパーブレードラバーを得た。
【0067】(実施例2)PTFE成分が照射架橋PT
FE20重量部と、未架橋PTFE20重量部とから成
る照射架橋PTFE・未架橋PTFE混合物を配合した
以外は実施例1と同様にして、実施例2のワイパーブレ
ード用ワイパーブレードラバーを得た。
【0068】(比較例及び実施例の表示)表1はこれら
の比較例1,2及び実施例1,2のワイパーブレードラ
バー・ベース試料の配合、ワイパーブレードラバーの表
面処理を纏めて表示したものである。
【0069】
【表1】
【0070】(比較例及び実施例のワイパーブレードラ
バーの試験方法)比較例及び実施例のワイパーブレード
ラバーについては、それぞれ摺動抵抗試験及び払拭性能
試験を行った。
【0071】a.摺動抵抗試験方法 比較例及び実施例のワイパーブレードラバーを、自動車
車両のワイパー取付金具に取り付け、ガラス面への散水
と断水を繰り返しながら45往復/分の速度で連続的に
作動させた。このワイパーブレードラバーの取付金具に
はロードセルが取り付けられており、作動時の荷重をモ
ニタできるようにした。
【0072】次に、この作動時の荷重とワイパーブレー
ドラバーの押さえ荷重との関係から摩擦係数を算出し
た。この算出した摩擦係数を摺動抵抗とし、これを作動
回数との関係により比較した。
【0073】b.払拭性能試験 上記aの摺動抵抗試験方法において、そのガラス面の払
拭性能を肉眼で評価し、これらを評価点で表示した。
【0074】ガラス面の払拭性能は作動回数の関係で評
価した。
【0075】(比較例及び実施例のワイパーブレードラ
バーの試験結果)図2は作動回数と摺動抵抗の関係を示
したものである。
【0076】図3は作動回数と払拭性能の関係を示した
ものである。
【0077】図2から分かるように比較例1及び比較例
2のワイパーブレードラバーは試験初期から摩擦係数が
大きく、しかも作動回数が増すに従い更に摩擦係数が大
きくなって行く傾向を示した。
【0078】また、図3から分かるように比較例1及び
比較例2のワイパーブレードラバーは試験初期からガラ
ス面の払拭性能評価点が低く、しかも作動回数が増すに
従い急激に払拭性能評価点が低下した。
【0079】これらに対して図2から分かるように実施
例1及び実施例2のワイパーブレードラバーは試験初期
から摩擦係数が小さく、しかも作動回数が増してもその
低摩擦係数を保持することができた。
【0080】また、図3から分かるように実施例1及び
実施例2のワイパーブレードラバーは試験初期からガラ
ス面の払拭性能評価点が高く、しかも作動回数が増して
も払拭性能評価点は殆ど低下しなかった。このように実
施例1及び実施例2のワイパーブレードラバーが作動回
数が増しても優れた払拭性を保持できるのは、長期にわ
たり優れた耐摩耗性、低摩擦性、耐撥水性及び耐撥油性
を発揮することができるからである。
【0081】なお例示はしなかったが、フルオロアルキ
ル基を有するフッ素系オリゴマーの配合量をプラスチッ
ク塗膜層のプラスチック100重量部当たり0.1重量
部以下のものでは、照射架橋PTFE(ポリテトラフル
オロエチレン)微粉末の分散性が悪く、実用できなかっ
た。逆に、10重量部以上のものでは耐摩耗性が悪かっ
た。
【0082】なおまた例示はしなかったが、照射架橋P
TFE(ポリテトラフルオロエチレン)微粉末の配合量
をプラスチック塗膜層のプラスチック100重量部当た
り5重量部以下のものでは低摩擦係数を発揮できなかっ
た。逆に、照射架橋PTFE(ポリテトラフルオロエチ
レン)微粉末の配合量をプラスチック塗膜層のプラスチ
ック100重量部当たり100重量部以上のものでは塗
膜の接着性が悪かった。
【0083】更にまた例示はしなかったが、プラスチッ
ク塗膜層が、5μmの厚み以下では耐久性が乏しかっ
た。逆に、プラスチック塗膜層が100μmの厚み以上
では塗布作業工数がかかり、しかも接着性が悪かった。
【0084】
【発明の効果】本発明のワイパーブレードは、主構成材
のワイパーブレードラバーが長期にわたり優れた耐摩耗
性、低摩擦性、耐撥水性及び耐撥油性を発揮でき、それ
により長期にわたり優れた払拭性を発揮できるものであ
り、工業上有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のワイパーブレードの主構成材であるワ
イパーブレードラバーを長手方向に直交した面で切断し
た断面図を示したものである。
【図2】ワイパーブレードの作動回数と摩擦抵抗との関
係を示したグラフである。
【図3】ワイパーブレードの作動回数と払拭性能評価点
との関係を示したグラフである。
【符号の説明】
1 ワイパーブレードラバー

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ワイパーブレードラバーを具備したワイパ
    ーブレードにおいて、前記ワイパーブレードラバーはそ
    の表面にプラスチックと、分子主鎖中にフルオロアルキ
    ル基を有するフッ素系オリゴマーと、照射架橋PTFE
    (ポリテトラフルオロエチレン)微粉末とから成るプラ
    スチック塗膜層が設けて成ることを特徴とするワイパー
    ブレード。
  2. 【請求項2】プラスチック塗膜層が、プラスチック10
    0重量部と、フルオロアルキル基を有するフッ素系オリ
    ゴマー0.1〜10重量部と、照射架橋PTFE(ポリ
    テトラフルオロエチレン)微粉末5〜100重量部とか
    ら成るものであることを特徴とする請求項1記載のワイ
    パーブレード。
  3. 【請求項3】プラスチック塗膜層が、5〜100μmの
    厚みで形成されたものであることを特徴とする請求項1
    記載のワイパーブレード。
  4. 【請求項4】プラスチック塗膜層が、フッ素系オリゴマ
    ー配合プラスチックポリマ溶液へ架橋PTFEパウダー
    を分散して成るフッ素系オリゴマー・架橋PTFEパウ
    ダー配合プラスチックポリマ溶液を塗布、乾燥して成る
    ものであることを特徴とする請求項1記載のワイパーブ
    レード。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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