JPH0597015A - 車両用ワイパーブレード - Google Patents

車両用ワイパーブレード

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JPH0597015A
JPH0597015A JP3323614A JP32361491A JPH0597015A JP H0597015 A JPH0597015 A JP H0597015A JP 3323614 A JP3323614 A JP 3323614A JP 32361491 A JP32361491 A JP 32361491A JP H0597015 A JPH0597015 A JP H0597015A
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JP
Japan
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wiper blade
film
rubber
polyvinylidene fluoride
resistance
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JP3323614A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kuramochi
浩 倉持
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POLYTEC DESIGN KK
Fukoku Co Ltd
Fukoku KK
Polytec Design KK
Original Assignee
POLYTEC DESIGN KK
Fukoku Co Ltd
Fukoku KK
Polytec Design KK
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Publication date
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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた滑りと拭き取り性能が、長期に維持で
きるワイパーブレードを提供する。 【構成】 分子構造中に不飽和結合を持ったゴムをベー
スゴムとして、ワイパーブレードを成型する。成型物の
表面をハロゲン化処理する。このワイパーブレードの表
面に、ポリフッ化ビニリデンやポリ塩化ビニルやポリウ
レタンの皮膜を形成する。ポリフッ化ビニリデンなどの
ポリマーは、溶媒に溶解してワイパーブレードに塗布す
る。その後溶媒を揮散させる。すると、ポリフッ化ビニ
リデンなどのポリマーの薄い皮膜が、ワイパーブレード
に密着して形成される。この皮膜によって、ワイパーブ
レードに耐候性、耐摩耗性、耐水性を付与できる。また
皮膜の中に固体潤滑剤を加えることによって、さらに滑
りの良いワイパーブレードとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車や電車などのワ
イパーブレード、すなわちガラス面の水滴をぬぐうワイ
パーのゴム部分に関する。
【0002】
【従来の技術】ワイパーブレードには、次のような性質
が要求される。 I .柔軟性と復元性が高いこと。 II .拭き取り性能が良いこと。 III.耐久性があること。 これらについて説明する。
【0003】I.柔軟性と復元性が高いこと。乗用車の
ウインドーは、平面ではない。場所によって曲率の変化
するガラス面に沿って、ワイパーブレードは密着し、し
なりながら動く。従ってワイパーブレードは柔軟でなけ
ればならない。また、ガラス面に付いたごみなどでワイ
パーブレードに傷が付くと、ワイパーブレードを動かし
た後に、水滴がすじ状に拭き残される。これを拭きすじ
と言う。拭きすじが残らないよう、ワイパーブレードに
は、ごみなどで押されても、すぐ元の形に戻る性質、す
なわち復元性が要求される。
【0004】II. 拭き取り性能が良いこと。良い拭
き取り性能とは、ワイパーブレードが軽く滑らかに動
き、かつガラス面に拭きすじを残さないことである。ワ
イパーブレードには、前述した復元性に加え、良く滑る
性質、すなわち摩擦抵抗が小さいことが要求される。
【0005】III.耐久性があること。これは、Iと
IIの性質を長期に維持することである。そのためには
次の三つの性質が要求される。 ・耐候性 車は駐車しているときも、屋根のないところに置かれて
いることが多い。このため大気中のオゾンや紫外線によ
って、ワイパーブレードは劣化する。ワイパーブレード
は図1を二つに切った形状をしている。後述するが、特
にワイパーブレードのネック部(図1、2の部分)の劣
化が問題となる。
【0006】
【図1】
【0007】・耐水性 ワイパーブレードは、雨水にさらされる。耐水性が低い
と、雨水で少しすつ膨潤し、劣化する。すると拭きすじ
が残るワイパーブレードとなる。 ・耐摩耗性 ワイパーブレードは、硬いガラスの上を滑る。ワイパー
ブレードは耐摩耗性が低いと、傷付いて拭き取り性能が
悪くなる。
【0008】次に従来技術を述べる。Iの柔軟性と復元
性の面から、ワイパーブレードはゴムを素材としてい
る。しかしゴムは粘着性があるので、滑りが悪い。そこ
で成型したワイパーブレードの表面を処理している。処
理はハロゲン化処理である。これによって、ワイパーブ
レードの表層だけが硬化するので、滑りが良くなり、耐
摩耗性も出てくる。
【0009】しかしハロゲン化処理しても、十分な滑り
は得られない。特にワックスが付着したガラス面は、ワ
イパーブレードの滑りが悪く、ばたばたと動くようにな
ることがある。これをビビリ振動と言う。ビビリ振動を
起こすと、大きい音がする上、拭き取り性能が悪くな
る。さらに強くワイパーブレードをハロゲン化処理し、
表層を硬くすると、ビビリ振動は少なくなる。しかし強
いハロゲン化処理をすると、ワイパーブレードの表層に
大きく深い亀裂が入る。すると拭きすじの残るワイパー
ブレードとなる。
【0010】そこでワイパーブレードの表面に、固体潤
滑剤を付着させたものがある。(特開−昭55−113
545)これは二硫化モリブデンやグラファイトの微粉
末をバインダーに混ぜて、成型したワイパーブレードに
塗布したものである。しかしこれも、ビビリ振動が無い
のは、製造当初だけである。長期間使用すると、ワイパ
ーブレード表面から、バインダーと一緒に潤滑剤がはが
れてしまって、ビビリ振動を起こすようになる。
【0011】一方、ハロゲン化処理は、分子構造中に不
飽和結合を持つゴムにしか、施すことができない。この
ため、ワイパープレードのべースゴムは、天然ゴムやク
ロロプレンゴムが用いられている。しかし、分子構造中
に不飽和結合を持つゴムは、耐候性が低い。ワイパーブ
レードは、使用していないときも、ガラス面に押し付け
られている。ワイパーブレードのネック部(図1、2)
は、いつも曲がっていて、応力がかかった状態にある。
このため、ネック部は大気中のオゾンや紫外線などで、
特に劣化し易い。長期間使用したワイパーブレードのネ
ック部は、亀裂が入っていたり、ひどい場合は切れたり
する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、ワイパー
ブレードに関して以前から深く考察し、すでに滑り、耐
摩耗性、耐候性を改善したワイパーブレードを発明し
た。(特許願第3−154213号)本発明は、滑り、
耐摩耗性、耐候性に加え、耐水性に関しても、従来品よ
りすぐれたワイパーブレードを提供する。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のワイパーブレー
ドは、次のようにして作る。 分子構造中に不飽和結合を持つゴムで、ワイパーブレ
ードを成型する。 ワイパーブレードの表面を、ハロゲン化処理する。 ポリフッ化ビニリデンやポリ塩化ビニルやポリウレタ
ンの皮膜を、ワイパーブレードの表面に形成する。 以下にこれを詳述する。
【0014】分子構造中に不飽和結合を持つゴムで、
ワイパーブレードを成型する。分子構造中に不飽和結合
を持つゴムの中から、ワイパーブレードの主たるベース
ゴムを選ぶ。具体的には、天然ゴム、イソプレンゴム、
スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレ
ンゴム、アクリルニトリルブタジエンゴムなどの中か
ら、主たるベースゴムを選ぶことができる。2種類以上
を混ぜて、ベースゴムとしても良い。選んだベースゴム
に適した配合を設定する。設定に沿って、ベースゴムに
配合剤や架橋剤を加えて混練する。続いて図1の形に架
橋、成型する。本発明のワイパーブレードに適した配合
を、表1に例示する。
【0015】
【0016】ワイパーブレードの表面を、ハロゲン化
処理する。成型したワイパーブレードの表面を、ハロゲ
ン化処理する。ハロゲン化処理にはフッ素化処理、塩素
化処理、臭素化処理、ヨウ素化処理があり、どの方法を
選んでも良い。各処理方法を説明する。
【0017】・フッ素化処理 フッ素ガスを10〜50容量%含む不活性ガス(窒素ガ
ス、アルゴンガスなど)を準備する。このガスに、ワイ
パーブレードを常温で30分〜2時間曝す。 ・塩素化処理 従来から行われているゴムの塩素化処理と同じように行
う。例えば、水1lに、さらし粉2〜7gと、12規定
塩酸を3〜9mlとを溶解する。この溶液に、ワイパー
ブレードを常温で10秒〜5分間浸漬する。 ・臭素化処理、ヨウ素化処理 臭素やヨウ素を水に溶解して、適正な濃度の溶液を作
る。この溶液にワイパーブレードを常温で3〜80分間
浸漬する。 塩素化処理、臭素化処理、ヨウ素化処理を採った場合
は、処理した後、弱アルカリ溶液でワイパーブレードを
洗い、水洗、乾燥する。
【0018】ポリフッ化ビニリデンやポリ塩化ビニル
やポリウレタンの皮膜を、ワイパーブレードの表面に形
成する。耐摩耗性、耐候性に加え、耐水性の高いポリマ
ーの皮膜を、ハロゲン化処理したワイパーブレードの表
面に形成する。耐摩耗性、耐候性、耐水性の高いポリマ
ーには、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリ
ウレタンなどが適当である。ポリフッ化ビニリデンやポ
リ塩化ビニルは、どのようなグレードのものでも良い。
ポリウレタンは、熱可塑性、熱硬化性、どちらのものも
使える。また、ポリエステル系、ポリエーテル系、どち
らのポリウレタンでも良い。
【0019】これらのボリマーの皮膜を、ワイパーブレ
ードの表面に形成する。どのような方法で形成しても良
い。ポリフッ化ビニリデンなどの薄い皮膜を形成するに
は、これらを溶媒に溶解した溶液を用いると良い。溶媒
はジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキ
サンなどが適当である。溶媒に溶解するポリマーの量
は、5〜50容量%となるようにする。ポリマーは、上
述した中から2種類以上を選んで、併せて溶解しても良
い。その場合も、ポリマーの総量が5〜50容量%とな
るように、溶媒に溶解する。ポリフッ化ビニリデンやポ
リ塩化ビニルは硬くもろいので、ポリウレタンを混ぜた
ほうが良い。混ぜる割合は、ポリフッ化ビニリデンやポ
リ塩化ビニル100容量部に対して、ポリウレタンが3
〜40、好ましくは5〜35容量部となるようにする。
【0020】このポリマー溶液をワイパーブレードに塗
布する。ワイパーブレードは、リップ部(図1、1)で
二つのワイパーブレードがくっついた形のものを成型す
る。(図1)ポリマー溶液は、どのような方法でワイパ
ーブレードに塗布しても良い。例えば、溶液をワイパー
ブレードにスプレーしても良い。しかしワイパーブレー
ドの形は複雑なので、ポリマー溶液にワイパーブレード
を浸漬すると良い。約5秒〜5分間、ワイパーブレード
を浸漬したら、溶液からワイパーブレードを取り出す。
そして40〜110℃で5分〜2時間加熱して、溶媒を
揮散させる。熱硬化性ポリウレタンを持いた場合は、1
00〜170℃で5分〜60分間加熱して、ポリウレタ
ンを硬化する。その後、リップ部の中央で、二つのワイ
パーブレードにカットする。
【0021】さらにワイパーブレードの滑りを良くする
には、形成する皮膜の中に固体潤滑剤を混ぜる。固体潤
滑剤は具体的には、二硫化モリブデン、グラファイト粉
末、テフロンパウダー、ナイロンパウダー、四フッ化エ
チレンパウダーなどの粉末が適当である。これらの中か
ら、2種類以上を選んで混ぜて用いても良い。固体潤滑
剤はポリフッ化ビニリデンなどと一緒に、溶媒に加え
る。そして十分に分散しておく。加える量は、ポリフッ
化ビニリデンなどのポリマーの総量100容量部に対し
て、10〜50容量部となるようにする。この溶液を、
ワイパーブレード表面に塗布する。塗布方法や、皮膜形
成の方法などは、潤滑剤を加えていない場合と同じであ
る。
【0022】
【作用】本発明のワイバーブレードは、不飽和結合を持
つゴムの中からベースゴムを選んだ。設定した配合で混
練し、成型したワイパーブレードは、表面をハロゲン化
処理する。ベースゴムには、分子構造中に不飽和結合を
持つゴムを選んであるので、たやすくハロゲン化でき
る。このワイパーブレードの表面には、薄い極性皮膜が
できている。
【0023】ハロゲン化処理したワイパーブレードに、
ポリフッ化ビニリデンなど、耐候性、耐摩耗性、耐水性
の高いポリマーの溶液を塗布する。ポリフッ化ビニリデ
ンなどの良溶媒であるテトラヒドロフランなどは、ハロ
ゲン化処理したゴム成型物との親和性が高い。従ってポ
リマー溶液から取り出したワイパーブレードは、溶液が
むら無く付着している。このワイパーブレードを穏やか
に加温すると、溶媒だけが揮散する。するとワイパーブ
レードの表面にポリマーが残って、皮膜となる。ワイパ
ーブレードはあらかじめハロゲン化処理してあるので、
形成された皮膜は、接着剤を使わなくてもワイパーブレ
ードに良く接着する。ポリマーに熱硬化性ポリウレタン
を選んだ場合は、100〜170℃に加熱する。すると
ポリウレタンは架橋し、弾性の高い皮膜となる。
【0024】形成する皮膜は、厚みが1〜100μmと
なるように調整する。厚みは、溶液塗布、溶媒揮散の操
作を2〜5回繰り返すことによって、調整できる。濃度
の低い溶液を用いた場合は、3〜5回、先の操作を繰り
返すと、適当な厚みの皮膜となる。
【0025】このようにして、ポリフッ化ビニリデンな
との皮膜をワイパーブレードの表面に形成すると、ワイ
パーブレード表面の性質は、内部の性質ではなく、皮膜
の性質となる。皮膜の材料であるポリフッ化ビニリデン
などは、耐候性、耐摩耗性に加えて、耐水性が非常に高
く、また摩擦抵抗が小さい。従って、この皮膜を形成し
たワイパーブレードは、耐候性、耐摩耗性、耐水性が高
く、摩擦抵抗が小さいものとなる。
【0026】一方、皮膜の厚みは薄いので、本体部分の
性質は失われない。本体部分はゴムを架橋したもので、
柔軟性と復元性が高い。従って、本発明のワイパーブレ
ードは、従来品と同レベルの柔軟性と復元性を持つもの
である。
【0027】固体潤滑剤を加えたポリマー溶液を用いた
場合も、潤滑剤を加えていない場合と同様に操作する。
すると、固体潤滑剤が加わったポリフッ化ビニリデンや
ポリウレタンの皮膜が、ワイパーブレードの表面に形成
される。ワイパーブレードはあらかじめハロゲン化処理
してあるので、固体潤滑剤の加わった皮膜は、ワイパー
ブレード表面に良く接着している。すなわち固体潤滑剤
を加えても、皮膜がワイパーブレードからはがれること
はない。この皮膜は、固体潤滑剤が入っているので、滑
りが良い。また固体潤滑剤は微粉末なので、この皮膜は
表面に小さな凹凸ができている。ワイパーブレードは、
ガラス面とその凸部分で接する。従って固体潤滑剤を加
えた皮膜をワイパーブレード表面に形成すると、非常に
軽く滑らかに動くワイパーブレードとなる。
【0028】
【実施例】
例A)スチレンブタジエンゴムをベースゴムとしたワイ
パーブレードに、ポリフッ化ビニリデンとポリウレタン
の皮膜を形成する例 スチレンブタジエンゴムを主たるベースゴムとして、表
1、Iのように配合し、混練する。160℃で10分間
加熱して、ワイパーブレードが二つくっついた形のもの
を成型する。(図1)これを塩素化処理する。1lの水
に、さらし粉4gと12規定塩酸5mlを加え、よく混
ぜる。これにワイパーブレードを浸漬し、1分間放置す
る。取り出したワイパーブレードは、1%炭酸水素ナト
リウム溶液で洗った後、水洗、乾燥する。
【0029】ポリフッ化ビニリデンは、呉羽化学工業
(株)、KFポリマー タイプHを、ポリウレタンは、
日本エラストラン(株)、パラプレンP26SRNAT
を用いた。KFポリマー100容量部に対し、パラプレ
ンが20容量部となるようにポリマーをブレンドしてお
く。これを30容量%となるように、テトラヒドロフラ
ンに溶解する。この溶液に、塩素化処理したワイパーブ
レードを浸漬する。約10秒後に取り出し、100℃で
10分間乾燥する。この操作を2回繰り返す。2回目は
100℃で30分間乾燥する。テトラヒドロフランが揮
散すると、ワイパーブレードの表面に、ポリフッ化ビニ
リデンとポリウレタンの薄い皮膜が形成される。その
後、リップ部の中央でカットして、二つのワイパーブレ
ードにする。形成された皮膜は、摩擦抵抗が小さく、耐
候性、耐摩耗性、耐水性がある。またこの皮膜は、刃物
などでこすっても、ワイパーブレードからはがれない。
皮膜の厚みはおよそ40μmであった。
【0030】例B)天然ゴムをベースゴムとしたワイパ
ーブレードに、ポリ塩化ビニルとポリウレタンの皮膜を
形成する例 天然ゴムを主たるベースゴムとして、表1、IIのよう
に配合し、混練する。I60℃で10分間加熱して、図
1のワイパーブレードを成型する。ワイパーブレードの
表面を臭素化処理する。臭素を水に通気し溶解して、臭
素水を作る。これにワイパーブレードを浸漬し、常温で
1時間放置する。取り出したら、ワイパーブレードを1
%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗い、水洗、乾燥する。
【0031】ポリ塩化ビニルは、信越化学工業(株)、
信越PVC TK800を、熱硬化性ポリウレタンは、
武田薬品工業(株)、タケネートL−1280を用い
た。信越PVC100容量部に対し、タケネートが30
容量部となるように、ポリマーをブレンドしておく。ブ
レンドしたポリマーを、30容量%となるように、ジメ
チルホルムアミドに溶解する。この溶液にワイパーブレ
ードを浸漬し、10秒後に引き上げる。これを80℃で
5分間乾燥する。この操作を2回繰り返した後、120
℃で20分間加熱して、ポリウレタンを架橋する。する
とワイパーブレードの表面に、薄いポリマー膜が形成さ
れる。これをリップ部中央でカットして、二つのワイパ
ーブレードにする。この皮膜もまた、耐候性、耐摩耗
性、耐水性が高い。膜厚はおよそ35μmであった。
【0032】例C)アクリルニトリルブタジエンゴムを
ベースゴムとしたワイパーブレードに、グラファイト粉
末の加わったポリマー膜を形成する例 アクリルニトリルブタジエンゴムをベースゴムとして、
表1、IIIのように配合し、混練する。160℃で1
0分間加熱して、ワイパーブレードを成型する。この表
面を例Aと同様に塩素化処理する。
【0033】ポリフッ化ビニリデンは呉羽化学工業
(株)、KFポリマー タイプHを、熱可塑性ポリウレ
タンは、日本エラストラン(株)、パラプレンP27M
RNATを用いた。KFポリマー100容量部に対し
て、パラプレンP27MRNATが20容量部となるよ
うに、ポリマーをブレンドしておく。これを40容量%
となるように、ジメチルホルムアミドに溶解する。さら
にこの溶液に、土屋カオリン工業のグラファイト粉未
を、15容量%となるように分散する。これにワイパー
ブレードを浸漬し、10秒後に取り出して、80℃で1
0分間乾燥する。再びこの操作を繰り返した後、100
℃で30分間加熱する。ジメチルホルムアミドが揮散す
ると、ワイパーブレードの表面に、薄いポリマー膜が形
成される。これをリップ部中央でカットする。この皮膜
の中には、固体潤滑剤であるグラファイト粉末が入って
いる。このため本例のワイパーブレードは、摩擦抵抗が
非常に小さい。耐候性、耐摩耗性、耐水性も、上の2例
と変わらない。膜厚はおよそ45μmであった。
【0034】(実験)上述した実施例に関して、摺動抵
抗試験、拭き取り性能試験、耐候性試験の3つの実験を
した。対照には、従来品、すなわちベースゴムに天然ゴ
ムを用いてワイパーブレードを成型し、塩素化処理した
ものを用いた。次に試験方法を述べる。
【0035】〇摺動抵抗試験 各試料の摺動抵抗の経時変化試験である。試料を車両の
ワイパーブレード金具に取り付けて、作動する。(1分
間に45往復)ガラス面に対して、散水と断水を繰り返
す。ワイパーブレードの金具部分にストレインゲージを
取り付け、ワイパーブレードが動く際にかかる力を出力
する。この力と金具の押さえ圧との関係から、摩擦抵抗
を算出する。これを摺動抵抗とする。
【0036】各作動回数における摺動抵抗をプロットす
る。その結果を図2に示した。従来品は最初から摺動抵
抗が高いうえ、作動回数が増えるに連れ、摺動抵抗が上
がる。また従来品は作動回数が増えるに連れ、ビビリ振
動が多くなった。一方、本発明の試料はいずれも、50
万回作動しても、摺動抵抗はわずかに上昇しただけだっ
た。ビビリ振動もほとんど見られなかった。特に例Cは
初期も経時的にも、摺動抵抗が非常に低かった。このよ
うに本発明のワイパーブレードは、優れた滑りが長期に
渡って維持できるものである。
【0037】
【図2】
【0038】○拭き取り性能試験 各試料を車両のワイパーブレードの金具に取り付け、少
量の水をかけながら、作動する。一定回数を作動した
後、車両のガラス面に残ったすじの数を数える。その結
果を図3に示した。初期は従来品もすじの発生はほとん
ど無い。しかし、従来品は経時的にすじの数が増えるの
に対し、本発明のワイパーブレードは、すじの発生がほ
とんど無かった。作動回数が50万回になると、本発明
のワイパーブレードのすじの発生量は、従来品の5分の
2程度となっていた。このように本発明のワイパーブレ
ードは、優れた拭き取り性能が長期に渡って維持できる
ものである。
【0039】
【図3】
【0040】〇耐候性 各試料を20%伸ばし、1ppmの濃度のオゾン雰囲気
中(30℃)に、ゴムシートを放置する。各試料に亀裂
が発生するまでの時間を測定した。その結果を表2に示
した。従来品は120時間で亀裂が発生したのに対し、
本発明のワイパーブレードはいずれも500時間経って
も、亀裂が発生しなかった。このように本発明のワイパ
ーブレードは、耐候性が非常に優れている。
【0041】
【0042】
【効果】本発明のワイパーブレードはゴムを素材とし、
その表面にポリフッ化ビニリデンなどのポリマー皮膜を
形成したものである。ポリマーの皮膜の厚みは、1〜1
00μmと薄いので、この皮膜を形成することによって
本体ゴム部分の柔軟性や復元性を損ねることは無い。従
って本発明のワイパーブレードは、従来品同様優れた柔
軟性と復元性を持つものである。
【0043】表面に形成する皮膜の素材には、ポリフッ
化ビニリデンやポリ塩化ビニルやポリウレタンなど、耐
摩耗性と耐候性と耐水性の高いものを選んだ。ゴムで成
型したワイパーブレードの表面に、これらのポリマーを
薄く被覆すると、成型物表面の物性がこれらのポリマー
の物性となる。すなわちゴム成型物に耐摩耗性と耐候性
と耐水性を付与することができる。このように、本発明
のワイパーブレードは優れた拭き取り性能が、経時的に
低下しないワイパーブレードである。(図3参照)これ
らのポリマーはまた、摩擦抵抗も小さいので、この皮膜
によって滑りの良いワイパーブレードとなる。すなわ
ち、長期に渡り滑りが良く、ビビリ振動の少ないワイパ
ーブレードである。(図2参照)
【0044】さらには、ポリマー皮膜の中に固体潤滑剤
を加えることによって、さらに摩擦抵抗の小さいワイパ
ーブレードとすることができる。このワイパーブレード
は、従来品と異なり、固体潤滑剤がはがれることが無い
ので、経時的に優れた滑りが維持できるものである。
(図2、3参照)
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用ワイパーブレード成型時の形状の切断面
である。
【図2】長期間の摺動抵抗の実験結果を表す図である。
【図3】拭き取り性能の実験結果を表す図である。
【符号の説明】
1.ワイパーブレードのリップ部 2.ワイパーブレードのネック部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 75:04 8620−4J

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子構造中に不飽和結合を持つゴムを主
    たるべースゴムとして車両用ワイパーブレードを成型
    し、該ワイパーブレードの表面をハロゲン化処理し、次
    に、該ワイパーブレードの表面に、ポリフッ化ビニリデ
    ンまたは/およびポリ塩化ビニルまたは/およびポリウ
    レタンの皮膜を1〜100μmの厚みで形成することを
    特徴とした車両用ワイパーブレード。
  2. 【請求項2】 形成した該皮膜の中に、皮膜100容量
    部に対し、固体潤滑剤を10〜50容量部含むことを特
    徴とした特許請求の範囲第1項記載の車両用ワイパーブ
    レード
JP3323614A 1991-10-03 1991-10-03 車両用ワイパーブレード Pending JPH0597015A (ja)

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JP3323614A JPH0597015A (ja) 1991-10-03 1991-10-03 車両用ワイパーブレード

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JP3323614A JPH0597015A (ja) 1991-10-03 1991-10-03 車両用ワイパーブレード

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