JPH0577642A - 自動車のグラスランチヤンネル - Google Patents

自動車のグラスランチヤンネル

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JPH0577642A
JPH0577642A JP3311300A JP31130091A JPH0577642A JP H0577642 A JPH0577642 A JP H0577642A JP 3311300 A JP3311300 A JP 3311300A JP 31130091 A JP31130091 A JP 31130091A JP H0577642 A JPH0577642 A JP H0577642A
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JP
Japan
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run channel
rubber
polyurethane
film
glass
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JP3311300A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kuramochi
浩 倉持
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POLYTEC DESIGN KK
Polytec Design KK
Original Assignee
POLYTEC DESIGN KK
Polytec Design KK
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Publication date
Application filed by POLYTEC DESIGN KK, Polytec Design KK filed Critical POLYTEC DESIGN KK
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安価なランチャンネルを提供する。 【構成】 不飽和結合を持つゴムまたは熱可塑性エラ
ストマーをベースゴムとして、ランチャンネルを成型す
る。成型物をハロゲン化処理する。そして表面全体に、
変性ナイロン、ポリウレタン、ポリフッ化ビニリデンな
どの薄い皮膜を形成する。変性ナイロンなどを溶媒に溶
解し、この溶液に成型したランチャンネルを浸漬する。
次にこれを加温すると溶媒が揮散し、表面に変性ナイロ
ンなどの皮膜が形成される。ナイロンなどは、耐候性、
耐油性が高く、摩擦抵抗が小さい。不飽和結合を持つゴ
ムは安価だが、耐候性が低く、摩擦抵抗が大きい。しか
しこれらの皮膜を形成することによって、耐候性や摩擦
抵抗が従来品と同等ないしは優れたものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車のグラスランチャ
ンネル(以下ランチャンネルとする。)に関する。本発
明は自動車のサンンルーフシールなどにも応用できる。
【0002】
【従来の技術】ランチャンネルは自動車走行中の騒音を
カットし、車内を静かにする役割を担っている。雨の日
は、雨水の侵入を防ぐ役割もしている。建物のガラス窓
の場合、ガラスがアルミニウムなどの枠に取り付けら
れ、枠がレールの上をスライドして開閉する。ガラスと
枠の間は、シーリング材で密閉されている。自動車の場
合は、ガラス自体が移動して開閉するため、ガラスが枠
に密閉できない。代わりにランチャンネルがシーリング
材の役割をしている。一方、自動車のガラス窓を開閉す
るときは、ランチャンネルがレールとなっている。そこ
でランチャンネルはすベりが良くなくてはならない。ラ
ンチャンネルには密閉性とすべりの良さが要求される。
【0003】ランチャンネルは、以前はポリ塩化ビニル
に植毛したものが使用されていた。植毛部分がシーリン
グ材とレールの役割をしていた。しかしこれは密閉性が
十分でなく、風切音が大きかった。そこで現在のランチ
ャンネルは、密閉性の高い材料としてゴムが使用されて
いる。ランチャンネルのベースゴムは、耐候性の高いエ
チレンプロピレンジエンゴムが使用されている。これは
大半の自動車が、一年中屋根の無いところに置かれてい
るので、紫外線によるランチャンネルの劣化を防ぐため
である。
【0004】しかし、ゴムは一般に粘着性が高いので、
すべりが悪い。エチレンプロピレンジエンゴムを成型し
ただけのランチャンネルでは、ガラスの開閉に大きな力
を要する。すべりを改善するため、従来のランチャンネ
ルは成型した後にポリウレタンをコーティングしてい
る。エチレンプロピレンジエンゴムは架橋しているの
で、ただコーティングしてもポリウレタンははがれてし
まう。そこで、架橋したランチャンネルにプライマーを
塗って、接着性を高め、その上にポリウレタンをコーテ
ィングしている。ポリウレタンは耐摩耗性が高く、摩擦
抵抗が小さいので、これをコーティングしたランチャン
ネルは、ガラスのすべりが良く、摩耗しにくくなる。
【0005】しかしこれですべりが十分に良くなってい
るわけではない。さらにすべりを良くするために、コー
ティングしたポリウレタンに、潤滑剤を混ぜている。潤
滑剤はシリコーンオイル、グラファイト粉末、二硫化モ
リブデン粉末、ナイロンやテフロンのパウダー、などで
ある。これによってガラスのすべりは、相当改善されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】現在、ランチャンネル
に使用されているエチレンプロピレンジエンゴムは、ゴ
ムの中では高価である。ランチャンネルは見えている部
分だけでなく、ドア本体部分にも収納されていて、ガラ
スのレールとなっている。従って自動車1台当たりに使
用されているランチャンネルの総重量は多く、約500
〜1000gにもなる。そこで、本発明はこれまでと同
じレベルの機能を持ち、これまでより安価なランチャン
ネルを提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のランチャンネル
は、次のようにして作る。 分子構造中に不飽和結合を持つ安価なゴム、または不
飽和結合を持つ熱可塑性エラストマーでランチャンネル
を成型する。 ランチャンネルの表面を、ハロゲン化処理する。 変性ナイロンやポリウレタンやポリフッ化ビニリデン
やポリ塩化ビニルで、ランチャンネルの表面に皮膜を形
成する。 以下にこれを詳述する。
【0008】分子構造中に不飽和結合を持つ安価なゴ
ム、または不飽和結合を持つ熱可塑性エラストマーでラ
ンチャンネルを成型する。ランチャンネルの主たるベー
スゴムに、分子構造中に不飽和結合を持ち、かつ安価な
ゴムを選ぶ。そのようなゴムは、具体的には天然ゴム、
イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエン
ゴムなどである。また、不飽和結合を持つ熱可塑性エラ
ストマーの中から、主たるベースゴムを選んでも良い。
具体的にはスチレンブタジエンスチレン、スチレンイソ
プレンスチレンなどのスチレン系エラストマーである。
後述するが、熱可塑性エラストマーは工程面でコストダ
ウンができるので、エラストマー自身の価格はエチレン
プロピレンジエンゴムより少々高くても、本発明に使用
できる。ゴムも熱可塑性エラストマーも、2種類以上を
選んで混ぜてベースゴムとしても良い。
【0009】ゴムを選んだ場合は、それに適した配合を
設定する。設定に沿って、配合剤や架橋剤を加えて混練
する。これをランチャンネルに成型する。エラストマー
を選んだ場合は押出成型する。本発明のランチャンネル
に適した配合を、表1に示した。
【0010】
【表1】
【0011】ランチャンネルの表面を、ハロゲン化処
理する。成型したランチャンネルの表面を、ハロゲン化
処理する。本発明に適当なハロゲン化処理には、塩素化
処理、臭素化処理、ヨウ素化処理があり、どの方法を選
んでも良い。各々の処理方法を述べる。
【0012】○塩素化処理 従来から行われているゴムの塩素化処理と同じように行
う。例えば、水1lに、さらし粉を2〜7gと、12規
定塩酸を3〜9mlとを溶解する。この溶液に、ランチ
ャンネルを常温で10秒〜5分間浸漬する。
【0013】○臭素化処理、ヨウ素化処理 臭素やヨウ素を水に十分に溶解し、この溶液にランチャ
ンネルを常温で3〜80分間浸漬する。これらの処理の
後は、1%炭酸ナトリウム水溶液などの弱アルカリ溶液
でランチャンネルを洗い、水洗、乾燥する。
【0014】変性ナイロンやポリウレタンやポリフッ
化ビニリデンやポリ塩化ビニルで、ランチャンネルの表
面に皮膜形成する。ハロゲン化処理したランチャンネル
の表面に変性ナイロンなどの皮膜を作る。皮膜形成に適
したポリマーは、耐候性が高く、すべりの良いポリマー
である。このようなポリマーとして、変性ナイロン、ポ
リウレタン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニルな
どがある。
【0015】変性ナイロンは、具体的には共重合ナイロ
ンや、N−メトキシメチル化ナイロンなどが適当であ
る。ポリウレタンは熱可塑性、熱硬化性のどちらも使え
る。また、ポリエステル系、ポリエーテル系、どちらの
ポリウレタンでも良い。ポリフッ化ビニリデンやポリ塩
化ビニルは、どのようなものでも良い。
【0016】これらの皮膜をランチャンネルの表面全体
に形成する。どのような方法で皮膜形成をしても良い。
が、ランチャンネルの表面全体に薄い皮膜を形成するに
は、変性ナイロンなどを溶媒に溶解した溶液を用いると
良い。
【0017】変性ナイロンは、メタノールやエタノール
などの低級アルコールを主たる溶媒とする。これに5〜
50重量%となるように、選んだ変性ナイロンを溶解す
る。2種類以上の変性ナイロンを選んで、混ぜても良
い。N−メトキシメチル化ナイロンを選んだ場合は、こ
れを架橋することもできる。架橋したい場合は、架橋触
媒として、クエン酸、酒石酸などの有機酸を、N−メト
キシメチル化ナイロンに対して3〜5重量%となるよう
に、溶媒に溶解しておく。
【0018】ポリウレタン、ポリフッ化ビニリデン、ポ
リ塩化ビニルは、溶解する溶媒が同じである。ジメチル
ホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセ
トンなどが主たる溶媒として適当である。ポリウレタ
ン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニルは、これら
の総重量が5〜50重量%となるように、溶媒に溶解す
る。ポリウレタン、ポリフッ化ビニリデンは単独で溶解
しても良いし、混ぜても良い。ポリ塩化ビニルはすべり
が余り良くないので、ポリウレタンなどと併せた方が良
い。ポリ塩化ビニルは、溶解するポリマーの総重量の約
30〜50重量%となるようにする。熱硬化性のポリウ
レタンを用いる場合は、主剤と硬化剤を別々に溶媒に溶
解してから合わせても良いし、主剤と硬化剤を混ぜてか
ら溶解しても良い。
【0019】作ったポリマー溶液をランチャンネルに塗
布する。どのような方法で塗布しても良い。例えば、は
けなどで溶液をランチャンネルに塗る、溶液をランチャ
ンネルにスプレーする、などの方法がある。が、ポリマ
ー溶液にランチャンネルを浸漬して取り出す方法が、溶
液をランチャンネル全体に塗布でき、かつ簡単である。
塗布したら、40〜100℃で1〜20分間加熱して、
溶媒を揮散させる。N−メトキシメチル化ナイロンを用
いた場合は、120〜150℃で5〜20分間加熱する
と、N−メトキシメチル化ナイロンは架橋する。熱硬化
性ポリウレタンを選んだ場合は、100〜170℃で5
〜60分間加熱すると、ポリウレタンは硬化する。
【0020】さらにランチャンネルのすべりを良くする
には、形成した皮膜の中に、潤滑剤を混ぜる。潤滑剤は
具体的には、シリコーンオイル、ステアリン酸、ステア
ロアミド、n−ブチルステアレート、高級アルコールな
どの薬品や、二硫化モリブデン、グラファイト粉末、テ
フロンパウダー、ナイロンパウダーなどの粉末が適当で
ある。混ぜる量は、コーティングした変性ナイロンやポ
リウレタンなどの総量に対して、薬品系の潤滑剤(シリ
コーンオイルなど)ならば1〜10重量%、粉末系の潤
滑剤(二硫化モリブデンなど)ならば10〜100重量
%となるようにする。潤滑剤は、変性ナイロンやポリウ
レタンなどと一緒に溶媒に溶解、または分散しておく。
この溶液をランチャンネル表面に塗布する。塗布方法
や、皮膜形成の方法などは、潤滑剤を加えていない場合
と同じである。
【0021】
【作用】従来のランチャンネルは、エチレンプロピレン
ジエンゴムが、高価ではあるが耐候性が高いので、使用
されていた。しかし本発明は分子構造中に不飽和結合を
持っている、すなわち耐候性悪いゴムの中から、安価な
ものをランチャンネルのベースゴムとして選んだ。不飽
和結合を持っているゴムは、ハロゲン化処理すると、表
面はたやすくハロゲン化する。架橋したゴムは一般に不
活性で、他のものとの接着が悪い。しかしハロゲン化す
ると、表面は活性化し、ナイロンやポリウレタンなどが
良く接着するようになる。
【0022】ハロゲン化処理したランチャンネルの表面
に、変性ナイロンやポリウレタンなどのポリマー溶液を
塗布する。ランチャンネルの表面は、ハロゲン化して極
性が大きくなっているので、変性ナイロンなどの溶液を
均一に塗ることができる。これを加温すると、溶媒だけ
が揮散する。そして変性ナイロンなどがランチャンネル
表面全体に残る。このようにして、変性ナイロンなどの
薄い皮膜が、ランチャンネル全面を覆ったものとなる。
N−メトキシメチル化ナイロンや硬化型ポリウレタンを
用いた場合は、さらに加熱すると、架橋して強じんな皮
膜となる。
【0023】変性ナイロンなどの皮膜は、厚みが1μm
以上でないと、皮膜としての効果が表れない。また、厚
みが100μm以上になるとガラスを圧迫し、すべりが
悪くなる。したがって、皮膜の厚みは1〜100μmと
なるように調整する。調整方法は、変性ナイロンなどの
溶液塗布と、溶媒揮散の操作を繰り返す。例えば、濃度
の高い溶液を塗布した場合は、先の操作を1〜2回繰り
返すと、およそ5〜60μmの厚みの皮膜を形成でき
る。なお、変性ナイロンやポリウレタンなどの皮膜を、
交互に形成しても良い。
【0024】こうしてできた変性ナイロンなどの皮膜
は、高い耐候性、耐摩耗性、耐油性を持ち、またすべり
が良い。ランチャンネルのベースゴムには、不飽和結合
を持つ、すなわち耐候性の悪いゴムを使用している。し
かしランチャンネルの表面全体に、わずか1〜100μ
mの変性ナイロンなどの皮膜を形成することによって、
耐候性は飛躍的に向上する。また、これらのポリマーは
耐摩耗性が高いので、これらの皮膜をランチャンネル表
面に形成しておけば、ガラスの開閉によってランチャン
ネルが痛むことがない。一方、変性ナイロンやポリウレ
タンなどはすべりが良いので、これらの皮膜を形成する
と、ランチャンネルのすべりが良くなる。特に変性ナイ
ロンの皮膜を形成したランチャンネルは、表面の摩擦抵
抗が小さい。これは、従来のポリウレタンを塗布したエ
チレンプロピレンジエンゴムのランチャンネルより、ガ
ラスのすべりがはるかに良い。
【0025】さらにすべりを良くするには、形成した皮
膜の中に潤滑剤を混ぜると良い。変性ナイロンなどと一
緒に、シリコーンオイルなどの薬品系潤滑剤を、溶媒に
溶解しておく。テフロンパウダーなどの粉末系潤滑剤
は、溶媒に十分に分散しておく。この溶液を用いて、潤
滑剤を加えていない場合と同様に操作する。すると、潤
滑剤が混ざった変性ナイロンなどの皮膜が、ランチャン
ネル表面に形成される。この皮膜は、潤滑剤を含んでい
るので、摩擦抵抗が低い。粉末系潤滑剤が混ざった皮膜
は、それ自身滑りが良いことに加え、皮膜表面に粉末に
よる小さな凹凸ができる。するとランチャンネルとガラ
スは、点で接するようになる。このためよりガラスが滑
り易くなる。なお、潤滑剤を含んだ皮膜を形成する場合
は、まず潤滑剤を含んでいない皮膜をランチャンネル表
面に形成し、その上に潤滑剤を含んだ皮膜を形成する
と、ランチャンネルとの密着性が高くなる。
【0026】
【実施例】
例A)天然ゴムをベースゴムとしたランチャンネルに、
共重合ナイロンの皮膜を形成する例 天然ゴムをベースゴムとして、表1、Iのように配合
し、混練する。170℃で3分間加熱して、ランチャン
ネルを成型する。これを塩素化処理する。1lの水に、
さらし粉4gと12規定塩酸5mlを加え、よく混ぜ
る。これにランチャンネルを浸漬し、2分間放置する。
取り出したランチャンネルは、1%炭酸ナトリウム溶液
で洗った後、水洗、乾燥する。共重合ナイロンは、CM
8000(東レ(株))を用いた。CM8000が約2
5%となるように、メタノールに溶解する。この溶液
に、塩素化処理したランチャンネルを浸漬し、約5秒後
に取り出す。ランチャンネルの表面は、変性ナイロン溶
液が均一に付着していた。これを80℃で5分間加温す
る。この操作を3回繰り返す。3回目は80℃で20分
間加温する。するとランチャンネルの表面に、摩擦抵抗
が小さく、耐候性、耐油性のある共重合ナイロン皮膜が
形成される。皮膜の厚みはおよそ60μmであった。
【0027】例B)天然ゴムをベースゴムとしたランチ
ャンネルに、熱硬化性ポリウレタンの皮膜を形成する例 例Aと同様、天然ゴムをベースゴムとして、ランチャン
ネルを成型する。これを例Aと同じ方法で塩素化処理す
る。熱硬化性ポリウレタンは、武田薬品(株)タケネー
トL−1270を用いた。タケネートが約20%となる
ようにテトラヒドロフランに溶解する。これにランチャ
ンネルを浸漬し、10秒後に取り出す。ランチャンネル
の表面は、ポリウレタン溶液がむらなく付着していた。
これを80℃で10分間加温する。再びこの操作を繰り
返した後、130℃で20分間加熱して、ポリウレタン
を架橋する。するとランチャンネルの表面に、耐候性、
耐油性、耐水性があり、摩耗しにくいポリウレタン皮膜
が形成される。膜厚はおよそ25μmであった。
【0028】例C)スチレンブタジエンゴムを主たるベ
ースゴムとしたランチャンネルに、熱可塑性ポリウレタ
ンとポリフッ化ビニリデンの皮膜を形成する例 スチレンブタジエンゴムをベースゴムとして、表1、I
Iの配合で混練し、170℃で3分間加熱してランチャ
ンネルを成型する。ランチャンネルの表面を、例Aと同
じ条件で塩素化する。熱可塑性ポリウレタンは、日本ポ
リウレタン工業(株)パラプレン26を、ポリフッ化ビ
ニリデンは呉羽化学(株)KFポリマーを用いた。パラ
プレン26が約15%,ポリフッ化ビニリデンが約5%
となるように、テトラヒドロフランに溶解する。この溶
液にランチャンネルを浸漬し、10秒後に取り出す。こ
れを80℃で10分間加温する。この操作を3回繰り返
す。3回目は、加温時間を20分とする。ランチャンネ
ルの表面には、耐候性、耐水性と耐摩耗性の高い皮膜が
形成される。この皮膜の厚みはおよそ45μmであっ
た。
【0029】例D)ブタジエンゴムをベースゴムとした
ランチャンネルに、シリコーンオイルの入ったポリウレ
タン皮膜を形成する例 ブタジエンゴムをベースゴムとして、表1、IIIの配
合で混練し、ランチャンネルを成型する。ランチャンネ
ルの表面を臭素化処理する。臭素を水に通気し、十分に
溶解して、臭素水を作る。これにランチャンネルを浸漬
し、常温で1時間放置する。取り出したランチャンネル
は、1%炭酸ナトリウム水溶液で洗い、続いて水洗、乾
燥する。
【0030】本例はランチャンネル表面に熱可塑性ポリ
ウレタン皮膜をまず形成し、その上にシリコーンオイル
の入った熱硬化性ポリウレタンの皮膜を形成する。熱可
塑性ポリウレタンは、日本ポリウレタン工業(株)パラ
プレン26を用いた。パラプレンが約20%となるよう
に、テトラヒドロフランに溶解する。ランチャンネルを
浸漬し、5秒後に取り出す。すぐに80℃で10分間加
温する。次に例Cで用いた熱硬化性ポリウレタン、タケ
ネートL−1270をテトラヒドロフランに20%とな
るように溶解する。さらに、シリコーンオイル(東レ・
ダウコーニング・シリコーン(株) SH200 10
00cs)を0.5%となるように溶解する。この溶液
にランチャンネルを浸漬し、10秒後に取り出す。13
0℃で20分間加熱してポリウレタンを架橋する。ラン
チャンネル表面に形成された皮膜は、耐摩耗性、耐候性
が高く、また、シリコーンオイルが入っているので、摩
擦抵抗が小さい。この皮膜は、くぎなどでこすってもは
がれない。この皮膜の厚みは約20μmであった。
【0031】例E)不飽和結合を持つスチレン系熱可塑
性エラストマーをベースゴムとしたランチャンネルに、
グラファイト粉末の混ざった、N−メトキシメチル化ナ
イロンの皮膜を形成する例 不飽和結合を持つスチレン系熱可塑性エラストマーは、
旭化成(株)タフプレンを用いた。押出成型で、ランチ
ャンネルを成型する。続いて例Aと同じ方法で、塩素化
処理する。N−メトキシメチル化ナイロンは、帝国化学
産業(株)トレジンMF−30を選んだ。約35%とな
るようにエタノールに溶解する。このナイロンは、有機
酸を触媒として架橋することができる。有機酸は酒石酸
を選んだ。また粉末系潤滑剤としてグラファイト粉末を
加えた。先のN−メトキシメチル化ナイロン溶液100
mlに、あらかじめ少量の温水に溶解しておいた酒石酸
0.8gと、グラファイト粉末7.5gを加えてよく混
ぜる。これにランチャンネルを浸漬し、5秒後に取り出
し、80℃で10分間加温する。この操作を2回繰り返
した後、130℃で8分間加熱して、N−メトキシメチ
ル化ナイロンを架橋する。するとランチャンネルの表面
に耐候性、耐油性があり、非常に摩擦抵抗の低いナイロ
ン膜が形成される。膜厚はおよそ40μmであった。
【0032】(実験)上述した実施例に関して、耐候性
の実験をした。例A〜例Eと全く同じ方法で、皮膜を形
成したゴムシート(幅5cm、長さ25cm、厚み0.
3cm)を作り、これを実験用試料とした。対照には、
ベースゴムにエチレンプロピレンジエンゴムを用いて、
同じ大きさに成型したゴムシートを用いた。現行のグラ
スランチャンネルがエチレンプロピレンジエンゴムをベ
ースゴムとしているため、エチレンプロピレンジエンゴ
ムのゴムシートを対照とした。1ppmの濃度のオゾン
雰囲気中(25℃)に、これらのゴムシートを放置す
る。48時間後にゴムシートの表面を観察する。
【0033】目視で観察した結果を、3段階評価した。
結果を表2に示した。本発明の方法で作った試料はいず
れも、エチレンプロピレンジエンゴムの試料と同等以上
の耐候性であった。天然ゴムやスチレンブタジエンゴム
のゴムシートにわずか20〜60μmの変性ナイロンな
どの皮膜を形成することで、耐候性がエチレンプロピレ
ンジエンゴムのゴムシートと同等以上となったことが分
かる。この結果から、本発明のランチャンネルの耐候性
は現行品と同等ないしは、それ以上に優れていると言え
る。
【0034】
【表2】
【0035】
【効果】本発明のランチャンネルは、ベースゴムにハロ
ゲン化処理できるゴム、すなわち不飽和結合を持つゴム
を使用している。天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、
ブタジエンゴムなどが不飽和結合を持つゴムで、ゴムの
中では最も安価なものに属する。1kg当たりの価格
は、従来のランチャンネルのベースゴムであるエチレン
プロピレンジエンゴムの2分の1〜3分の1である。こ
れをベースゴムとして、ランチャンネルを作ると、従来
のランチャンネルの5分の3〜2分の1にコストダウン
できる。
【0036】スチレンブタジエンスチレンやスチレンイ
ソプレンスチレンなどの熱可塑性エラストマーは、1k
g当たりの価格はエチレンプロピレンジエンゴムと同じ
くらいである。しかし熱可塑性エラストマーは押出成型
で成型でき、架橋のための工程を必要としない。従って
工程面で大きくコストダウンできる。その幅は、エチレ
ンプロピレンジエンゴムをベースゴムとしたランチャン
ネルの3分2〜2分の1となる。
【0037】しかし、不飽和結合を持っているゴムは、
耐候性が悪い。そこで成型したランチャンネルの表面
に、変性ナイロンなどの皮膜を形成した。不飽和結合を
持っているゴムの成型物は、表面をハロゲン化できる。
表面をハロゲン化すると、変性ナイロンやポリウレタン
が良く接着するようになる。変性ナイロンなどは耐候性
や耐摩耗性が高い。これらを薄く被覆することによっ
て、不飽和結合を持つゴムでも、耐候性や耐摩耗性をエ
チレンプロピレンジエンゴムと同等以上にすることがで
きる。
【0038】ポリウレタンやナイロンは、摩擦抵抗が小
さく、すべりが良い。これらの皮膜をランチャンネル表
面に形成することによって、ガラスが楽に開閉できるラ
ンチャンネルになる。さらにこの皮膜に潤滑剤を混ぜる
と、すべりが良くなる。特に変性ナイロンに潤滑剤を混
ぜて形成した皮膜は、ガラスを開閉するのに要する力
が、従来品より非常に小さくなる。このように本発明の
ランチャンネルは安価で、耐候性、耐摩耗性、すべりが
従来品と同等以上のものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子構造中に不飽和結合を持つゴムまた
    は熱可塑性エラストマーを主たるベースゴムとして、グ
    ラスランチャンネルを成型し、該グラスランチャンネル
    の表面をハロゲン化処理し、次に該グラスランチャンネ
    ルの表面に、変性ナイロンまたは/およびポリウレタン
    または/およびポリフッ化ビニリデンまたは/およびポ
    リ塩化ビニルの皮膜を、1〜100μmの厚みで形成す
    ること、を特徴とした自動車のグラスランチャンネル。
  2. 【請求項2】 形成した変性ナイロンまたは/およびポ
    リウレタンまたは/およびポリフッ化ビニリデンまたは
    /およびポリ塩化ビニルの皮膜の中に、潤滑剤を含むこ
    とを特徴とした特許請求の範囲第1項記載の自動車のグ
    ラスランチャンネル。
JP3311300A 1991-09-17 1991-09-17 自動車のグラスランチヤンネル Pending JPH0577642A (ja)

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JP3311300A JPH0577642A (ja) 1991-09-17 1991-09-17 自動車のグラスランチヤンネル

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005513209A (ja) * 2001-12-20 2005-05-12 ホイットフォード プラスチックス リミテッド 柔軟性押出品のコーティングシステム
US7494115B2 (en) 2005-03-14 2009-02-24 Tokai Rubber Industries, Ltd. Fluid-filled vibration damping device

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