JP3622888B2 - 耐摩耗性自動車用ガラスランチャンネル - Google Patents

耐摩耗性自動車用ガラスランチャンネル Download PDF

Info

Publication number
JP3622888B2
JP3622888B2 JP28006198A JP28006198A JP3622888B2 JP 3622888 B2 JP3622888 B2 JP 3622888B2 JP 28006198 A JP28006198 A JP 28006198A JP 28006198 A JP28006198 A JP 28006198A JP 3622888 B2 JP3622888 B2 JP 3622888B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicone
glass run
run channel
powder
glass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP28006198A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000109702A (ja
Inventor
浩之 奥田
道夫 木島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nishikawa Rubber Co Ltd
Original Assignee
Nishikawa Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nishikawa Rubber Co Ltd filed Critical Nishikawa Rubber Co Ltd
Priority to JP28006198A priority Critical patent/JP3622888B2/ja
Publication of JP2000109702A publication Critical patent/JP2000109702A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3622888B2 publication Critical patent/JP3622888B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐摩耗性の優れた自動車用ガラスランチャンネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の自動車用ガラスランチャンネルは、図1に示すように、基材として熱硬化性または熱可塑性エラストマーを使用し、かつガラス摺接部にウレタン系塗料を塗布するか、もしくはナイロン製などの植毛を施したものである。
【0003】
また近年においては、コスト低減や有機溶剤の使用制限、機能性向上などを目的として無塗装および無植毛化が進んでいる。そしてガラスの摺接する部分には従来の塗装や植毛に代わり、表面処理材として滑材の配合された樹脂組成物が使用されており(図2参照)、滑材としてはシリコーンオイルやシリコーンポリマーのほか、有機系・無機系の各種滑材が使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、無塗装・無植毛の自動車用ガラスランチャンネルのガラス摺接部分に、表面処理材としてシリコーンオイルやシリコーンポリマーを配合した樹脂を使用することによってガラスとの滑り性を大きく向上させることが出来るが、これらのシリコーン分は樹脂表面にブリードアウトし易く、ガラスが数回ないし数十回上下すると樹脂表面のシリコーン分はガラス表面に移行して取られ、その結果ガラス摩耗後の動摩擦係数が上昇し(図3参照)、ドアガラスの昇降不良の問題を引き起こす恐れがあった。
【0005】
本発明の目的は、シリコーンオイルやシリコーンポリマーなどのシリコーン分の樹脂表面へのブリードアウトを抑制することができる摺動性能の耐久性に優れた自動車用ガラスランチャンネルを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の目的を達成するために鋭意検討の結果、樹脂中に上記シリコーン分とともにシリコーンパウダーを混在させることにより上記目的を達成することが出来ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明の自動車用ガラスランチャンネルは、基材が熱硬化性又は熱可塑性エラストマーからなり、そのガラス摺接部に、熱可塑性樹脂中にシリコーンオイルおよび/またはシリコーンポリマー1〜40重量%とシリコーンパウダー0.1〜10重量%とを混在させた滑材入り表面処理剤を膜状に被覆成形してなるものである。
【0010】
【作用】
本発明の作用を、自動車用ガラスランチャンネルを例にとって図3および図4を参照しながら説明する。図5に示すようにシリコーンパウダーを混在させていない表面処理層においてはシリコーンオイル・シリコーンポリマーが該処理層の表面にブリードアウトするが、図4に示すようにシリコーンパウダーを混在させた場合にはシリコーンオイル・シリコーンポリマーの該処理層表面へのブリードアウトが抑制され、該処理層の内部にシリコーン分を留めておくことが可能になり、その結果ガラス摩耗後の動摩擦係数の上昇を抑制することが出来るのである(図3参照)。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明において、熱可塑性樹脂としてはオレフィン系熱可塑性樹脂、すなわちエチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレンなどのオレフィンあるいはジオレフィンなどの重合または共重合体、あるいはこれらの単量体と塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、アクリル酸エチルなどビニル単量体との共重合体などを使用することが好ましい。
【0012】
シリコーンオイルおよび/またはシリコーンポリマーとしては、重量平均分子量が10 〜10 の範囲で、かつ粘度が0.65〜10万cStの範囲のものを使用することが好ましい。重量平均分子量が10 未満のもの、あるいは粘度が0.6cSt未満のものではブリードアウトを防止することが困難であり、または重量平均分子量が10 を超えるもの、あるいは粘度が10万cStを超えるものでは要求される摺動性を満足することができない。
【0013】
このような条件を満足する好ましいシリコーンオイルおよび/またはシリコーンポリマーの具体例として、たとえばシリコーンコンセントレートBY27−001(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製、シリコーンポリマー 50重量%入りポリプロピレン)をあげることができる。
【0014】
次に本発明において使用されるシリコーンパウダーについて詳しく説明する。本発明においてシリコーンパウダーを使用する目的ないし理由は、上記作用の項で説明したように、自動車用ガラスランチャンネルの表面処理中のシリコーンオイルまたはシリコーンポリマーをシリコーンパウダーに吸着させて表面へのブリードアウトを抑制するとともにシリコーン濃度を均一化させることにある。このためシリコーンパウダーは少なくとも−30℃〜100℃の温度範囲(製品の使用温度範囲)において固体状であることが必要である(液体状の場合はこのもの自体もブリードアウトしてしまう)。
【0015】
このような条件を満足する好ましいシリコーンパウダーの代表例として、(1)三次元架橋した網目構造をもつシリコーン樹脂パウダーおよび(2)シリコーンゴムパウダーの2種類をあげることができる。これらのパウダーは融点を有していないため、押出成形によって加熱した後もその形状を保持し、樹脂層中でもその粒径を保ったまま存在することができる(図4参照)。
【0016】
このような条件を満足する好ましいシリコーンゴムパウダーの具体例として、たとえばトレフィルE−500(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製、シリコーンゴムパウダー)をあげることができる。
【0017】
また通常、このような自動車用ガラスランチャンネルは基材の所要箇所に滑材入り表面処理剤が膜状に被覆成形されてなるものであるから、シリコーンパウダーの粒子径は該表面処理剤の膜厚より小さいことが必要である。その理由は膜厚より大きな粒径のパウダーを混入すると表面肌の悪化を招く恐れがあるからである。例えば被覆成形された表面処理剤の膜厚が100μmである場合、シリコーンパウダーの粒子径は100μm未満であることが必要であり、好ましくは粒子径が1〜50μmのシリコーンパウダーを使用する。
【0018】
【実施例】
本発明の耐摩耗性熱可塑性樹脂組成物の具体的な配合例(実施例)を比較例とともに以下に示す。なお配合割合は重量%である。
Figure 0003622888
【0019】
図3はシリコーンゴムパウダー配合品(実施例)およびシリコーンゴムパウダー無配合品(比較例)についてのガラス摩耗回数と動摩擦係数との関係を示すグラフである。図に示したガラス摩耗後の動摩擦係数の変化から、比較例の配合品ではガラス摩耗後の動摩擦係数が急激に上昇しているのに対し、実施例の配合品ではガラス摩耗後の動摩擦係数の上昇が抑制されていることがわかる。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、熱可塑性樹脂中にシリコーンオイルやシリコーンポリマーなどのシリコーン分とともにシリコーンパウダーを混在させることにより該シリコーン分の樹脂表面へのブリードアウトが抑制された摺動性能の耐久性に優れた熱可塑性樹脂組成物が得られ、この樹脂組成物を用いることにより摺動性能の耐久性に優れた自動車用ガラスランチャンネルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の塗装・植毛処理ガラスランチャンネルの概略を示す説明図である。
【図2】従来の無塗装・無植毛処理ガラスランチャンネルの概略を示す説明図である。
【図3】シリコーンゴムパウダー配合品(実施例)およびシリコーンゴムパウダー無配合品(比較例)についてのガラス摩耗回数と動摩擦係数との関係を示すグラフである。
【図4】シリコーン分のブリードアウト抑制の作用機構を説明するための概念図である。
【図5】シリコーン分のブリードアウト抑制の作用機構を説明するための概念図である。

Claims (3)

  1. 基材が熱硬化性または熱可塑性エラストマーからなり、そのガラス摺接部に滑材入り表面処理材を膜状に被膜成形してなる自動車用ガラスランチャンネルにおいて、滑材入り表面処理材が熱可塑性樹脂中にシリコーンオイルおよび/またはシリコーンポリマー1〜40重量%とシリコーンパウダー0.1〜10重量%とを混在させた耐耗性熱可塑性樹脂組成物であることを特徴とする自動車用ガラスランチャンネル。
  2. シリコーンオイルおよび/またはシリコーンポリマーの重量平均分子量が10〜10で、かつ粘度が0.65〜10万cStであることを特徴とする請求項1記載の自動車用ガラスランチャンネル。
  3. シリコーンパウダーが三次元架橋した網目構造を持つシリコーン樹脂パウダーおよび/またはシリコーンゴムパウダーであることを特徴とする請求項または2項記載の自動車用ガラスランチャンネル。
JP28006198A 1998-10-01 1998-10-01 耐摩耗性自動車用ガラスランチャンネル Expired - Fee Related JP3622888B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28006198A JP3622888B2 (ja) 1998-10-01 1998-10-01 耐摩耗性自動車用ガラスランチャンネル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28006198A JP3622888B2 (ja) 1998-10-01 1998-10-01 耐摩耗性自動車用ガラスランチャンネル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000109702A JP2000109702A (ja) 2000-04-18
JP3622888B2 true JP3622888B2 (ja) 2005-02-23

Family

ID=17619768

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28006198A Expired - Fee Related JP3622888B2 (ja) 1998-10-01 1998-10-01 耐摩耗性自動車用ガラスランチャンネル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3622888B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102008055840A1 (de) 2008-11-04 2010-05-12 Ticona Gmbh POM mit Silikonpolymeren
WO2016204897A1 (en) 2015-06-19 2016-12-22 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Thermoplastic elastomer compositions comprising ultrahigh molecular weight polyethylene and methods for making the same

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4766803B2 (ja) * 2001-09-17 2011-09-07 西川ゴム工業株式会社 ガラス摺動部用材料、ガラス摺動部材および自動車用グラスランチャンネル
JP4820569B2 (ja) 2005-04-08 2011-11-24 東レ・ダウコーニング株式会社 熱可塑性エラストマー組成物および車両用モールディング付きガラス板
JP4827458B2 (ja) * 2005-08-19 2011-11-30 ダイセルポリマー株式会社 帯電防止性及び透明性を有する熱可塑性樹脂組成物
WO2007077908A1 (en) 2005-12-27 2007-07-12 Dow Corning Toray Co., Ltd. Thermoplastic resin composition and product therefrom
JP2008025059A (ja) * 2006-07-21 2008-02-07 Unitica Fibers Ltd ポリ乳酸繊維
WO2015059598A1 (en) 2013-10-21 2015-04-30 Ticona Gmbh Intrinsic low friction polyoxymethylene
CN117304644A (zh) 2015-09-30 2023-12-29 塞拉尼斯销售德国有限公司 低摩擦无刺耳音的组合件
CN110392715A (zh) 2017-03-10 2019-10-29 塞拉尼斯销售德国有限公司 聚酯聚合物组合物
JP7083723B2 (ja) * 2018-08-07 2022-06-13 リケンテクノス株式会社 摺動材料組成物、摺動性成形物、および摺動性部材

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102008055840A1 (de) 2008-11-04 2010-05-12 Ticona Gmbh POM mit Silikonpolymeren
WO2016204897A1 (en) 2015-06-19 2016-12-22 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Thermoplastic elastomer compositions comprising ultrahigh molecular weight polyethylene and methods for making the same

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000109702A (ja) 2000-04-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3622888B2 (ja) 耐摩耗性自動車用ガラスランチャンネル
CN101778744B (zh) 用于制造被涂层的弹性体成型件的方法, 弹性体成型件以及它的使用
DE60012215T2 (de) Olefinische gleitbeschichtung für fahrzeug wetter dichtungen
US6084034A (en) Functional coating for reducing friction
CN1146636C (zh) 用于电气绝缘的阻燃、耐磨树脂组合物
US20060134353A1 (en) Coating composition for weatherstrips of automobile vehicles
JP4162729B2 (ja) ワイパーブレードゴム用塗料組成物
JP4073686B2 (ja) コーティング組成物およびワイパーブレード
JP2005315060A (ja) 自動車用摺動装置
EP1031608A3 (en) Thermoplastic elastomer composition and gasket material
Ryan et al. Ultra‐high‐molecular‐weight functional siloxane additives in polymers. Effects on processing and properties
JP4766803B2 (ja) ガラス摺動部用材料、ガラス摺動部材および自動車用グラスランチャンネル
CN110446752A (zh) 防尘滑动构件用树脂组合物、防尘滑动构件及其制造方法、车窗升降器托架以及实现防尘滑动性能的方法
KR20100072033A (ko) 스트랜드 형태의 프로파일 및 스트랜드 형태의 프로파일을 코팅하는 방법
JP4297459B2 (ja) オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物およびこれを用いた車両用ウエザーストリップ
JP2908574B2 (ja) コントロールケーブル
JP3308900B2 (ja) グラスラン用表面処理材料
CN1200967C (zh) 烯属热塑性弹性组合物
JP3463160B2 (ja) グラスランチャンネル製造法及び同表面処理材料
JPH11166065A (ja) 発泡シール部材の製造方法
JPH0781042B2 (ja) 熱可塑性エラストマ−組成物
JP2927258B2 (ja) ウエザストリップ用表面処理剤
JPH04321426A (ja) 自動車のグラスラン
JP7186299B2 (ja) オイルシール用コーティング剤
JP3599865B2 (ja) 重合体組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040616

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040707

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20041117

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20041118

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071203

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101203

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101203

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111203

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111203

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121203

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121203

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131203

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees