JP3308900B2 - グラスラン用表面処理材料 - Google Patents
グラスラン用表面処理材料Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グラスラン用表面
処理材料に関し、詳しくは、自動車のドア用のガラスに
対する滑り性及び耐摩耗性が優れているグラスラン用表
面処理材料に関する。
処理材料に関し、詳しくは、自動車のドア用のガラスに
対する滑り性及び耐摩耗性が優れているグラスラン用表
面処理材料に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用のウインドガラスの外周部分を
シールするグラスランは、ウインドガラスの昇降開閉操
作を円滑快適にすると共に、水密性の保持が十分に必要
であり、更に、十分な強度と一定の滑り性の長期にわた
る維持能力も必要である。そこで、この種のグラスラン
には、昇降するウインドガラスが圧接するガラス圧接部
は、柔軟性、弾力性及び緩衝性が必要であり、そのた
め、合成ゴム又は熱可塑性エラストマーでグラスランを
成形し、昇降するウインドガラスが接触する表面にナイ
ロン、ポリエステル等の細かい毛を植毛し、昇降するウ
インドカラスとの間の水密性並びに遮音性を高めている
と共に、ウインドガラス昇降時の摺動抵抗の軽減を図っ
ている。
シールするグラスランは、ウインドガラスの昇降開閉操
作を円滑快適にすると共に、水密性の保持が十分に必要
であり、更に、十分な強度と一定の滑り性の長期にわた
る維持能力も必要である。そこで、この種のグラスラン
には、昇降するウインドガラスが圧接するガラス圧接部
は、柔軟性、弾力性及び緩衝性が必要であり、そのた
め、合成ゴム又は熱可塑性エラストマーでグラスランを
成形し、昇降するウインドガラスが接触する表面にナイ
ロン、ポリエステル等の細かい毛を植毛し、昇降するウ
インドカラスとの間の水密性並びに遮音性を高めている
と共に、ウインドガラス昇降時の摺動抵抗の軽減を図っ
ている。
【0003】しかしながら、ウインドガラスが接触する
表面に植毛を施した構成では、グラスランの押出し成形
後別工程で植毛を行っているので、工数が余分にかか
り、かつ加工コストも嵩むという問題点があると共に、
長期の使用により植毛がすり切れたり抜け落ちたりして
水密性や滑り性が低下するという問題点もあった。
表面に植毛を施した構成では、グラスランの押出し成形
後別工程で植毛を行っているので、工数が余分にかか
り、かつ加工コストも嵩むという問題点があると共に、
長期の使用により植毛がすり切れたり抜け落ちたりして
水密性や滑り性が低下するという問題点もあった。
【0004】このような問題点を解決するものとして、
特開昭62−203412号公報には、ソリッドゴムか
らなるグラスランチャンネルのウインドガラスと摺接す
る部分に、DOP(ジオクチルフタレート)、DOA
(ジオクチルアジペート)、DOS(ジオクチルセバケ
ート)等の滑性剤を配合したブリード性ゴムからなるス
ポンジ部を設けたグラスランが開示されている。
特開昭62−203412号公報には、ソリッドゴムか
らなるグラスランチャンネルのウインドガラスと摺接す
る部分に、DOP(ジオクチルフタレート)、DOA
(ジオクチルアジペート)、DOS(ジオクチルセバケ
ート)等の滑性剤を配合したブリード性ゴムからなるス
ポンジ部を設けたグラスランが開示されている。
【0005】また、特開平5−330345号公報に
は、ウエザストリップ本体をゴム材で構成し、このウエ
ザストリップ本体と、油状物質を内包するマイクロカプ
セルを含有する熱可塑性樹脂層を、熱可塑性樹脂層が摺
接面を形成するように複合押出成形して同時に一体化さ
れたグラスランが開示されている。
は、ウエザストリップ本体をゴム材で構成し、このウエ
ザストリップ本体と、油状物質を内包するマイクロカプ
セルを含有する熱可塑性樹脂層を、熱可塑性樹脂層が摺
接面を形成するように複合押出成形して同時に一体化さ
れたグラスランが開示されている。
【0006】さらにまた、特開平8−231774号公
報には、自動車用ウエザストリップ(グラスラン)の摺
動部の部材等に用いられる、原料ゴムに高粘度のシリコ
ーンポリマーと低粘度のシリコーンオイルを配合したゴ
ム組成物が開示されている。
報には、自動車用ウエザストリップ(グラスラン)の摺
動部の部材等に用いられる、原料ゴムに高粘度のシリコ
ーンポリマーと低粘度のシリコーンオイルを配合したゴ
ム組成物が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
63−203412号公報に開示されたグラスランは、
DOP等の滑性剤がブリード性ゴムスポンジから使用初
期に多量浸出してべたつくだけでなく、長期間使用後に
は滑性剤がスポンジ中に少量しか残存しないため、十分
な摺動効果を発揮し難いという問題点もあった。
63−203412号公報に開示されたグラスランは、
DOP等の滑性剤がブリード性ゴムスポンジから使用初
期に多量浸出してべたつくだけでなく、長期間使用後に
は滑性剤がスポンジ中に少量しか残存しないため、十分
な摺動効果を発揮し難いという問題点もあった。
【0008】また、特開平5−330345号公報に開
示されたグラスランは、油状物資を内包するマイクロカ
プセルをゴム又は熱可塑性樹脂に含有させたものを摺接
面に使用しているので、得られたグラスランは摺動性及
び耐磨耗性は高くなるが、マイクロカプセルを破壊する
ことなくゴム又は熱可塑性樹脂に均一に分散、混合する
ことに高度の技術を必要とするという問題点があった。
しかも、マイクロカプセルは、単なるシリコーンオイル
等に比べて極めて高価であり、したがって得られるグラ
スランも比較的高価になるという問題点もあった。
示されたグラスランは、油状物資を内包するマイクロカ
プセルをゴム又は熱可塑性樹脂に含有させたものを摺接
面に使用しているので、得られたグラスランは摺動性及
び耐磨耗性は高くなるが、マイクロカプセルを破壊する
ことなくゴム又は熱可塑性樹脂に均一に分散、混合する
ことに高度の技術を必要とするという問題点があった。
しかも、マイクロカプセルは、単なるシリコーンオイル
等に比べて極めて高価であり、したがって得られるグラ
スランも比較的高価になるという問題点もあった。
【0009】さらにまた、特開平8−231774号公
報に開示されたグラスラン用ゴム組成物は、高粘度のシ
リコンポリマーと低粘度のシリコンオイルを同時配合す
る必要があるので、工程管理が複雑になり熟練した配合
技術を必要とするという問題点がある。また、シリコン
ポリマーとシリコンオイルのブリード速度が当然異なる
ために、初期にはオイルが比較的多量に浸出してきてべ
たつき、一方、長期間使用後にはポリマーが豊富でオイ
ルが過少となるので滑り性が低下し、長期間にわたって
安定した均一な摺動性が得難いという問題点があった。
報に開示されたグラスラン用ゴム組成物は、高粘度のシ
リコンポリマーと低粘度のシリコンオイルを同時配合す
る必要があるので、工程管理が複雑になり熟練した配合
技術を必要とするという問題点がある。また、シリコン
ポリマーとシリコンオイルのブリード速度が当然異なる
ために、初期にはオイルが比較的多量に浸出してきてべ
たつき、一方、長期間使用後にはポリマーが豊富でオイ
ルが過少となるので滑り性が低下し、長期間にわたって
安定した均一な摺動性が得難いという問題点があった。
【0010】本発明は、このような従来の課題に鑑みて
なされたものであり、製造工程における配合が容易であ
り、分散性に優れ、その結果ガラスに対する経時的に均
一な滑り性及び耐磨耗性が優れているグラスラン用表面
処理材料を提供することを目的とする。
なされたものであり、製造工程における配合が容易であ
り、分散性に優れ、その結果ガラスに対する経時的に均
一な滑り性及び耐磨耗性が優れているグラスラン用表面
処理材料を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決するべく鋭意研究した結果、熱可塑性エラストマ
ーに直接シリコーンオイルを配合せずに、いったん前記
熱可塑性エラストマーと同系統の合成樹脂にシリコーン
オイルを添加したマスターバッチを作製し、このマスタ
ーバッチと前記熱可塑性エラストマーとを配合すること
により上記目的を達成できることを見出して本発明を完
成するに至った。
を解決するべく鋭意研究した結果、熱可塑性エラストマ
ーに直接シリコーンオイルを配合せずに、いったん前記
熱可塑性エラストマーと同系統の合成樹脂にシリコーン
オイルを添加したマスターバッチを作製し、このマスタ
ーバッチと前記熱可塑性エラストマーとを配合すること
により上記目的を達成できることを見出して本発明を完
成するに至った。
【0012】すなわち、本発明は、次の構成からなるも
のである。 (1)オレフィン系熱可塑性エラストマーに対して、シ
リコーンオイルをポリオレフィン樹脂に充填してなるポ
リオレフィンマスターバッチを配合してなり、かつシリ
コーンオイルの含有量が10〜25wt%の範囲である
当該配合物を用いることを特徴とするグラスラン用表面
処理材料。 (2)オレフィン系熱可塑性エラストマーに対するポリ
オレフィンマスターバッチの配合量が10〜70wt%
の範囲である上記(1)記載のグラスラン用表面処理材
料。
のである。 (1)オレフィン系熱可塑性エラストマーに対して、シ
リコーンオイルをポリオレフィン樹脂に充填してなるポ
リオレフィンマスターバッチを配合してなり、かつシリ
コーンオイルの含有量が10〜25wt%の範囲である
当該配合物を用いることを特徴とするグラスラン用表面
処理材料。 (2)オレフィン系熱可塑性エラストマーに対するポリ
オレフィンマスターバッチの配合量が10〜70wt%
の範囲である上記(1)記載のグラスラン用表面処理材
料。
【0013】(3)ポリオレフィンマスターバッチのシ
リコーンオイル含有量が10〜60wt%の範囲である
上記(1)または(2)記載のグラスラン用表面材料。 (4)シリコーンオイルが片側末端にオレフィンと反応
する置換基を有するポリシロキサンである上記(1)〜
(3)のいずれかに記載のグラスラン用表面処理材料。 (5)ポリシロキサンがシメチルポリシロキサン、メチ
ルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性タイプま
たはアルキル変性タイプである上記(4)記載のグラス
ラン用表面処理材料。
リコーンオイル含有量が10〜60wt%の範囲である
上記(1)または(2)記載のグラスラン用表面材料。 (4)シリコーンオイルが片側末端にオレフィンと反応
する置換基を有するポリシロキサンである上記(1)〜
(3)のいずれかに記載のグラスラン用表面処理材料。 (5)ポリシロキサンがシメチルポリシロキサン、メチ
ルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性タイプま
たはアルキル変性タイプである上記(4)記載のグラス
ラン用表面処理材料。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のグラスラン用表面処理材
料中のシリコーンオイルの含有量は、10〜25wt%
の範囲であるが、好ましくは20〜25wt%である。
含有量が10wt%未満の場合は、ガラスに対する摩擦
係数の低減効果が小さく、一方、25wt%を越える場
合は、80℃以上の雰囲気中でシリコーンオイルのブリ
ード現象が発生し易くなるという問題を生じる。本発明
に使用するオレフィン系熱可塑性エラストマーとして
は、エチレン、プロピレン、ブテンなどのオレフィン類
のエラストマーなら特に限定されることなく使用できる
が、中でもプロピレン系エラストマーが曲げ疲労性や機
械的性質に優れているため好ましいものである。
料中のシリコーンオイルの含有量は、10〜25wt%
の範囲であるが、好ましくは20〜25wt%である。
含有量が10wt%未満の場合は、ガラスに対する摩擦
係数の低減効果が小さく、一方、25wt%を越える場
合は、80℃以上の雰囲気中でシリコーンオイルのブリ
ード現象が発生し易くなるという問題を生じる。本発明
に使用するオレフィン系熱可塑性エラストマーとして
は、エチレン、プロピレン、ブテンなどのオレフィン類
のエラストマーなら特に限定されることなく使用できる
が、中でもプロピレン系エラストマーが曲げ疲労性や機
械的性質に優れているため好ましいものである。
【0015】シリコーンオイルとしては、片側末端にオ
レフィンと反応する置換基を有するポリシロキサンで、
ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサ
ン、ポリエーテル変性タイプ、アルキル変性タイプが好
ましい。そして、粘度が6,500〜10万cStで、
分子量が105 〜106 であることが、マスターバッチ
の製造工程の容易さ、均一な分散性、シリコーンオイル
の摺動面への安定均一な浸出のために望ましい。さら
に、オレフィンマスターバッチ中のシリコーンオイル含
有量が10〜60wt%であることが好ましい。含有量
が10wt%未満の場合は、ガラスに対する摩擦係数の
低減効果が小さく、一方、60wt%を越える場合は、
ポリオレフィンに混合充填する操作が困難になるばかり
でなく、80℃以上の雰囲気中でシリコーンオイルのブ
リード現象が発生し易くなるという問題を生じる。
レフィンと反応する置換基を有するポリシロキサンで、
ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサ
ン、ポリエーテル変性タイプ、アルキル変性タイプが好
ましい。そして、粘度が6,500〜10万cStで、
分子量が105 〜106 であることが、マスターバッチ
の製造工程の容易さ、均一な分散性、シリコーンオイル
の摺動面への安定均一な浸出のために望ましい。さら
に、オレフィンマスターバッチ中のシリコーンオイル含
有量が10〜60wt%であることが好ましい。含有量
が10wt%未満の場合は、ガラスに対する摩擦係数の
低減効果が小さく、一方、60wt%を越える場合は、
ポリオレフィンに混合充填する操作が困難になるばかり
でなく、80℃以上の雰囲気中でシリコーンオイルのブ
リード現象が発生し易くなるという問題を生じる。
【0016】シリコーンオイルを配合するポリオレフィ
ン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
ブテンが特に限定されることなく使用できるが、上記オ
レフィン系熱可塑性エラストマーについて記述した理由
から、ポリプロピレンが好ましい。また、シリコーンオ
イルを配合充填したポリオレフィンマスターバッチのオ
レフィン系熱可塑性エラストマーに対する配合量は、1
0〜70wt%であることが望ましい。配合量が10w
t%未満の場合、ガラスに対する摩擦係数の低減効果が
小さくなり、一方、70wt%を越えるとオレフィン系
熱可塑性エラストマー固有の弾性などの性能を損う傾向
がある。
ン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
ブテンが特に限定されることなく使用できるが、上記オ
レフィン系熱可塑性エラストマーについて記述した理由
から、ポリプロピレンが好ましい。また、シリコーンオ
イルを配合充填したポリオレフィンマスターバッチのオ
レフィン系熱可塑性エラストマーに対する配合量は、1
0〜70wt%であることが望ましい。配合量が10w
t%未満の場合、ガラスに対する摩擦係数の低減効果が
小さくなり、一方、70wt%を越えるとオレフィン系
熱可塑性エラストマー固有の弾性などの性能を損う傾向
がある。
【0017】次にグラスラン用表面処理材料の製造方法
を説明する。まず、シリコーンオイルをポリプロピレン
等のポリオレフィン樹脂に常法に従って必要量を混練し
てシリコーンオイルを充填したポリオレフィンマスター
バッチを調製する。続いて、オレフィン系熱可塑性エラ
ストマーにグラスラン用表面処理材料中のシリコーンオ
イルが10〜25wt%になるような割合で、上記ポリ
オレフィンマスターバッチを適当なミキサー中でエラス
トマーとドライブレンドして表面処理材料用熱可塑性複
合樹脂を調製する。さらに、このシリコーンオイル含有
熱可塑性複合樹脂をグラスランのウエザストリップ本体
用熱可塑性エラストマー又は加硫EPDMコンパウンド
等のゴムと複合押出成形機を使用して、同時押出成形法
でシリコーンオイル含有熱可塑性複合樹脂がウインドガ
ラスと摺接する面に表面処理層を形成するようにグラス
ランを作製する。
を説明する。まず、シリコーンオイルをポリプロピレン
等のポリオレフィン樹脂に常法に従って必要量を混練し
てシリコーンオイルを充填したポリオレフィンマスター
バッチを調製する。続いて、オレフィン系熱可塑性エラ
ストマーにグラスラン用表面処理材料中のシリコーンオ
イルが10〜25wt%になるような割合で、上記ポリ
オレフィンマスターバッチを適当なミキサー中でエラス
トマーとドライブレンドして表面処理材料用熱可塑性複
合樹脂を調製する。さらに、このシリコーンオイル含有
熱可塑性複合樹脂をグラスランのウエザストリップ本体
用熱可塑性エラストマー又は加硫EPDMコンパウンド
等のゴムと複合押出成形機を使用して、同時押出成形法
でシリコーンオイル含有熱可塑性複合樹脂がウインドガ
ラスと摺接する面に表面処理層を形成するようにグラス
ランを作製する。
【0018】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし本発明は、これらの実施例のみに限定される
ものではない。本発明の実施例を通じて、オレフィン系
熱可塑性エラストマーは、三井化学(株)製ミラストマー
G650Bを、シリコーンオイル充填ポリオレフィンマ
スターバッチは、東レ・ダウコーニング・シリコーン
(株)製シリコーン・コンセントレートBY27−001
を使用した。なおマスターバッチ(MB)BY27−0
01は、シリコーンオイル:ポリプロピレンが1:1の
材料である。したがって、シリコーンオイル濃度が25
wt%の表面処理材料は、MB BY27−001とミ
ラストマーG650Bを1:1の割合でドライブレンド
して調製したものである。
る。ただし本発明は、これらの実施例のみに限定される
ものではない。本発明の実施例を通じて、オレフィン系
熱可塑性エラストマーは、三井化学(株)製ミラストマー
G650Bを、シリコーンオイル充填ポリオレフィンマ
スターバッチは、東レ・ダウコーニング・シリコーン
(株)製シリコーン・コンセントレートBY27−001
を使用した。なおマスターバッチ(MB)BY27−0
01は、シリコーンオイル:ポリプロピレンが1:1の
材料である。したがって、シリコーンオイル濃度が25
wt%の表面処理材料は、MB BY27−001とミ
ラストマーG650Bを1:1の割合でドライブレンド
して調製したものである。
【0019】この表面材料をグラスランのウインドガラ
ス摺接面に利用し、通常の状態(常態時)と泥水をウイ
ンドガラスに噴射した状態(泥水時)の摺動性評価を、
それぞれ図1及び図2に示す。図1より常態時の摩耗回
数と動摩擦係数(μk)の関係は、表面材料中のシリコ
ーンオイルの含有量が20wt%以上では摩耗回数2
0,000回までは極く僅か上昇するだけであるが、1
5wt%以下では摩耗回数20,000回までほぼ直線
的約2倍に増大することがわかる。一方、図2よりμk
は表面材料中のシリコーンオイルの含有量に関係なくい
ずれも増大することがわかる。ただし、シリコーンオイ
ルの含有量が大きいほどμkの上昇度が小さく、しかも
含有量が15wt%と25wt%では摩耗回数の増加に
ほぼ比例してμkが増大しているのに、10wt%と2
0wt%では摩耗回数10,000回にピークを持ちな
がら増大する傾向があることがわかる。
ス摺接面に利用し、通常の状態(常態時)と泥水をウイ
ンドガラスに噴射した状態(泥水時)の摺動性評価を、
それぞれ図1及び図2に示す。図1より常態時の摩耗回
数と動摩擦係数(μk)の関係は、表面材料中のシリコ
ーンオイルの含有量が20wt%以上では摩耗回数2
0,000回までは極く僅か上昇するだけであるが、1
5wt%以下では摩耗回数20,000回までほぼ直線
的約2倍に増大することがわかる。一方、図2よりμk
は表面材料中のシリコーンオイルの含有量に関係なくい
ずれも増大することがわかる。ただし、シリコーンオイ
ルの含有量が大きいほどμkの上昇度が小さく、しかも
含有量が15wt%と25wt%では摩耗回数の増加に
ほぼ比例してμkが増大しているのに、10wt%と2
0wt%では摩耗回数10,000回にピークを持ちな
がら増大する傾向があることがわかる。
【0020】次に本発明のグラスランと従来のグラスラ
ンのそれぞれの摩耗回数と動摩擦係数の変化の関係の比
較を表1に示す。なお、前記の図1及び図2並びに表1
の摺動性評価はすべて、ガラス摺動方法はTSM170
8Gに準拠した方法を、μk測定方法はHEIDON摩
擦試験機を使用して、荷重1kg、摺動速度1000m
m/minの条件で行う方法を採用した。
ンのそれぞれの摩耗回数と動摩擦係数の変化の関係の比
較を表1に示す。なお、前記の図1及び図2並びに表1
の摺動性評価はすべて、ガラス摺動方法はTSM170
8Gに準拠した方法を、μk測定方法はHEIDON摩
擦試験機を使用して、荷重1kg、摺動速度1000m
m/minの条件で行う方法を採用した。
【0021】
【表1】
【0022】表1のデータから、本発明のグラスランが
従来のどのタイプのグラスランよりも格段に優れた滑り
性を有することがわかる。
従来のどのタイプのグラスランよりも格段に優れた滑り
性を有することがわかる。
【0023】
【発明の効果】本発明のグラスランは、製造工程におい
て、液状のシリコーンオイルを直接オレフィン系熱可塑
エラストマーに配合することなく、いったん従来から周
知のマスタバッチ製造技術を利用してペレット状のマス
ターバッチを調製し、これをエラストマーに従来から周
知のドライブレンド技術を利用して配合しているので、
配合操作が容易であるばかりでなく、分散性も優れてい
るため、表面処理材料中へシリコーンオイルを均一に分
散させることができる。しかも、この表面材料をウエザ
ストリップ本体用の熱可塑性エラストマー又は加硫EP
DMコンパウンドと複合押出機を使用して同時に一体成
形するので、処理工数が少なくて低コストになるばかり
でなく、グラスラン全体としての強靱性が優れている。
その結果、得られたグラスランは、シリコーンオイルが
長期間にわたって均一に安定して浸出してくるので、ガ
ラスに対する低い摩擦係数を長期間維持できる。
て、液状のシリコーンオイルを直接オレフィン系熱可塑
エラストマーに配合することなく、いったん従来から周
知のマスタバッチ製造技術を利用してペレット状のマス
ターバッチを調製し、これをエラストマーに従来から周
知のドライブレンド技術を利用して配合しているので、
配合操作が容易であるばかりでなく、分散性も優れてい
るため、表面処理材料中へシリコーンオイルを均一に分
散させることができる。しかも、この表面材料をウエザ
ストリップ本体用の熱可塑性エラストマー又は加硫EP
DMコンパウンドと複合押出機を使用して同時に一体成
形するので、処理工数が少なくて低コストになるばかり
でなく、グラスラン全体としての強靱性が優れている。
その結果、得られたグラスランは、シリコーンオイルが
長期間にわたって均一に安定して浸出してくるので、ガ
ラスに対する低い摩擦係数を長期間維持できる。
【図1】常態時の摩耗回数と動摩擦係数(μk)の関係
を示すグラフである。
を示すグラフである。
【図2】泥水時の摩耗回数とμkの関係を示すグラフで
ある。
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−229837(JP,A) 特開 平8−231774(JP,A) 特開 平8−108742(JP,A) 特開 平5−4522(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60J 10/04 C08L 23/00
Claims (5)
- 【請求項1】 オレフィン系熱可塑性エラストマーに対
して、シリコーンオイルをポリオレフィン樹脂に充填し
てなるポリオレフィンマスターバッチを配合してなり、
かつシリコーンオイルの含量が10〜25wt%の範囲
である当該配合物を用いることを特徴とするグラスラン
用表面処理材料。 - 【請求項2】 オレフィン系熱可塑性エラストマーに対
するポリオレフィンマスターバッチの配合量が10〜7
0wt%の範囲である請求項1記載のグラスラン用表面
処理材料。 - 【請求項3】 ポリオレフィンマスターバッチのシリコ
ーンオイル含有量が10〜60wt%の範囲である請求
項1または2記載のグラスラン用表面処理材料。 - 【請求項4】 シリコーンオイルが片側末端にオレフィ
ンと反応する置換基を有するポリシロキサンである請求
項1〜3のいずれかに記載のグラスラン用表面処理材
料。 - 【請求項5】 ポリシロキサンがジメチルポリシロキサ
ン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性
タイプ、またはアルキル変性タイプである請求項4記載
のグラスラン用表面処理材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15319998A JP3308900B2 (ja) | 1998-06-02 | 1998-06-02 | グラスラン用表面処理材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15319998A JP3308900B2 (ja) | 1998-06-02 | 1998-06-02 | グラスラン用表面処理材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11342750A JPH11342750A (ja) | 1999-12-14 |
JP3308900B2 true JP3308900B2 (ja) | 2002-07-29 |
Family
ID=15557217
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15319998A Expired - Fee Related JP3308900B2 (ja) | 1998-06-02 | 1998-06-02 | グラスラン用表面処理材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
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