JPH1024803A - ワイパーブレードラバー - Google Patents

ワイパーブレードラバー

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Publication number
JPH1024803A
JPH1024803A JP8166434A JP16643496A JPH1024803A JP H1024803 A JPH1024803 A JP H1024803A JP 8166434 A JP8166434 A JP 8166434A JP 16643496 A JP16643496 A JP 16643496A JP H1024803 A JPH1024803 A JP H1024803A
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JP
Japan
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wiper blade
blade rubber
lip
wiping
layer
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Application number
JP8166434A
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English (en)
Inventor
Yoshiyuki Kusayanagi
芳之 草柳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hokushin Industries Corp
Hokushin Industry Co Ltd
Original Assignee
Hokushin Industries Corp
Hokushin Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 撥水ガラス表面を払拭しても鳴き、ビビリが
生じず、撥水ガラス表面の撥水層を摩耗することのない
ワイパーブレードラバーを提供する。 【解決手段】 エチレン・プロピレン・ジエンゴム(E
PDM)にカーボンブラックを混合して形成されたワイ
パーブレードラバー10であって、前記EPDMが、ポ
リプロピレン含有量が40〜45重量%で、ヨウ素価が
20〜30で、ムーニー粘度がML1+4(100℃)で
40〜70のものであり、前記ワイパーブレードラバー
10の少なくともガラス表面を払拭する先端部の両側面
に、接触角が100°以下の親水性材料を塗布して形成
された摩擦係数が1.0以下のコーティング層16を設
ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両等のフロント
およびリアガラス等のガラス表面を払拭するために使用
されるワイパーブレードラバーに関し、特に表面に撥水
層を有する撥水ガラスの払拭に用いて好適なものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ワイパーブレードラバーとして
は、柔軟性に優れ且つ耐摩耗性が良好であるという特性
を確保するため、主として、天然ゴム(NR)で形成し
て表面をハロゲン処理したもの、またはエチレン・プロ
ピレン・ジエンゴム(EPDM)で形成して表面に二硫
化モリブデン(MoS2)をバインダー樹脂と共にコー
ティングしたものが使用されている。
【0003】しかしながら、撥水ガラスに使用する場合
には、ガラス表面が撥水性のために鳴き、ビビリが発生
するという問題がある。また、ワイパーブレードラバー
による払拭によりガラス表面の撥水層が摩耗してしま
い、撥水ガラスの寿命が非常に短くなってしまうという
問題もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述した事情
に鑑み、撥水ガラス表面を払拭しても鳴き、ビビリが生
じず、撥水ガラス表面の撥水層を摩耗することのないワ
イパーブレードラバーを提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を達成する本発
明の第1の態様は、先端部でウインドガラスを払拭する
薄板状のリップ部と該リップ部の前記先端部とは反対側
の基端部に一体的に設けられてその厚みが前記先端部か
ら前記基端部に向かう方向に漸大するショルダ部とを有
するワイパーブレードラバーであって、前記リップ部の
前記払拭方向両側の側面に、前記ウインドガラスを払拭
する前記先端部の内側から前記基端部に向かう方向に延
びて前記ショルダ部に到達する突起部が当該突起部の長
さ方向とは略直交する前記リップ部の幅方向に複数設け
られていることを特徴とするワイパーブレードラバーに
ある。
【0006】ここで、例えば、前記突起部の少なくとも
前記基端部側の幅が前記ショルダ部に向かって漸大して
当該突起部と前記ショルダ部との間の隅部が略円弧状と
なっているのが好ましい。
【0007】また、前記突起部は、例えば、前記リップ
部の幅方向に亘って1〜10cm間隔、好ましくは1〜
3cm間隔で設けられている。
【0008】また、前記リップ部の前記払拭方向両側の
側面の当該リップ部先端部の内側には、例えば、当該リ
ップ部の幅方向に亘って微小間隔で複数配置された突起
または溝からなる水分保持部が設けられていてもよい。
【0009】また、前記水分保持部は、例えば、前記突
起部の先端部の間に配置されている。
【0010】また、前記ワイパーブレードラバーは、例
えば、ポリプロピレン含有量が40〜45重量%で、ヨ
ウ素価が20〜30で、ムーニー粘度がML1+4(10
0℃)で40〜70のエチレン・プロピレン・ジエンゴ
ム(EPDM)にカーボンブラックを混合して形成され
たものであり、前記ワイパーブレードラバーの少なくと
もガラス表面を払拭する先端部の両側面に、接触角が1
00°以下の親水性材料を塗布して形成された摩擦係数
が1.0以下のコーティング層を有するのが好ましい。
【0011】また、前記カーボンブラックは、例えば、
窒素吸着比表面積が40m2/g以下で、ジブチルフタ
レート吸油量が100ml/100g以上のものであ
る。
【0012】また、前記親水性材料は、例えば、ポリウ
レタンをベースとするものである。
【0013】一方、本発明の第2の態様は、エチレン・
プロピレン・ジエンゴム(EPDM)にカーボンブラッ
クを混合して形成されたワイパーブレードラバーであっ
て、前記EPDMが、ポリプロピレン含有量が40〜4
5重量%で、ヨウ素価が20〜30で、ムーニー粘度が
ML1+4(100℃)で40〜70のものであり、前記
ワイパーブレードラバーの少なくともガラス表面を払拭
する先端部の両側面に、接触角が100°以下の親水性
材料を塗布して形成された摩擦係数が1.0以下のコー
ティング層を有することを特徴とするワイパーブレード
ラバーにある。
【0014】ここで、前記カーボンブラックとしては、
窒素吸着比表面積が40m2/g以下で、ジブチルフタ
レート吸油量が100ml/100g以上のものを用い
るのが好ましい。
【0015】また、前記親水性材料としては、ポリウレ
タンをベースとして用いるのが好ましい。また、摩擦係
数を低減するためにMoS2、グラファイト、PTFE
(ポリ四フッ化エチレン)等が添加されるのが好まし
い。
【0016】本発明の第1の態様のワイパーブレードラ
バーは、ウインドウガラスを払拭している際に、払拭さ
れた水分がリップ部の幅方向両端に流れ出すことなくリ
ップ部両側面に設けられた前記突起部の間に保持され
る。したがって、次の払拭動作の際にウインドウガラス
上に水分があまりなくてもビビリが生じない。また、さ
らに、前記水分保持部が存在すると、突起部の間に保持
された水分が次に払拭動作の際に水分保持部に保持され
つつ確実にリップ部の先端部とウインドウガラスとの接
触部に供給され、ビビリがさらに生じにくい。
【0017】ここで、突起部および水分保持部は、ウイ
ンドウガラスを払拭する際に当該ウインドウガラスと接
触するリップ部の先端部を外れるように、すなわち、リ
ップ部先端から、若干後退した位置から設けるのがよ
い。一方、先端部から大きく後退してしまうと、その効
果が低減するので、一般には、先端から1〜2mm程度
離れた位置から設けるのがよい。
【0018】また、前記水分保持部は、突起または溝が
微細な間隔で設けられたものであり、すなわち、表面を
凹凸にすることにより、流れる水分を一時的に保持でき
るものであればよい。
【0019】また、前記突起部と前記ショルダ部との隅
部は円弧状になっているのが好ましい。これは、当該突
起部の間に保持された水分が隅部に保持されてリップ部
先端の濡れに貢献できないのを防止するためである。
【0020】本発明の第2の態様では、ゴム材料として
EPDMを用い、その表面に親水性で摩擦係数が小さい
コーティング層を設けることにより、撥水層を摩耗する
ことなく良好な払拭性能を得ることができ、しかも鳴
き、ビビリのないワイパーブレードラバーを得ている。
【0021】また、EPDMとして、ポリプロピレン含
有量が40〜45重量%のものを用いるのが好ましいの
は、低温特性、耐ビビリ性を向上するためである。ま
た、ヨウ素価が20〜30のEPDMを用いるのが好ま
しいのは、耐へたり性を向上するためである。さらに、
ムーニー粘度がML1+4(100℃)で40〜70のE
PDMを用いるのが好ましいのは、耐摩耗性を向上する
ためである。
【0022】また、窒素吸着比表面積が40m2/g以
下で、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が100m
l/100g以上のカーボンブラックを用いるのは、ワ
イパーブレードラバー自体の耐摩耗性を低下させずに、
払拭するガラス表面を摩耗し難くするためであり、且
つ、ワイパーブレードラバーの弾性が向上して耐ビビリ
性を向上するためである。
【0023】なお、カーボンブラックの配合量は、一般
的なものでよいが、より弾性を向上させ、ビビリ性を改
善するためにはできるだけ少ない方がよく、例えば、E
PDM100重量部に対して20〜80重量部程度、好
ましくは40〜60重量部程度である。
【0024】さらに、以上説明したEPDM材質を、上
述した突起部さらに水分保持部を有するワーパーブレー
ドラバーに採用しても良いことはいうまでもない。
【0025】また、本発明の第3の態様では、少なくと
も前記リップ部の前記払拭方向両側の側面に、潤滑剤粒
子をバインダー樹脂で保持した潤滑補強層と、この潤滑
補強層上に保持された潤滑剤粒子層とを設けることによ
り、撥水層を摩耗することなく摺動性および払拭性を満
足し、且つこれらの耐久性の向上を図っている。すなわ
ち、本発明は、潤滑剤粒子をバインダー樹脂で保持した
硬化層は摺動性および払拭性並びに耐久性は良好である
が撥水層を摩耗するという欠点があり、一方、潤滑剤粒
子層は撥水層を摩耗させることなく良好な摺動性および
払拭性が得られるが耐久性に劣るという、両者の問題を
解決するものである。
【0026】ここで、本発明で用いることができる潤滑
剤粒子としては、従来から通常用いられるもの、例え
ば、MoS2、グラファイト、PTFE、ナイロン等の
粒子を挙げることができる。
【0027】また、本発明で用いることができるバイン
ダー樹脂は、従来から知られている熱硬化性樹脂、好ま
しくは低摩擦性の樹脂、例えば、ポリウレタン樹脂、フ
ッ素樹脂等を挙げることができる。
【0028】本発明の前記潤滑補強層および前記潤滑剤
粒子層は、例えば、前記潤滑剤粒子および前記バインダ
ー樹脂を含有するコーティング剤を塗布した後、前記潤
滑剤粒子あるいは該潤滑剤粒子を有機溶剤に分散させた
ものを塗布し、その後、加熱処理することにより形成さ
れた。
【0029】ここで、潤滑剤粒子およびバインダー樹脂
を含有するコーティング剤を塗布する方法は、特に限定
されず、刷毛またはスプレー等により塗布する方法を採
用すればよい。また、潤滑補強層を形成するためには通
常の条件で加熱処理する必要があるが、この場合には、
コーティング剤塗布後、加熱処理前に潤滑剤粒子を塗布
するのが好ましい。これは潤滑剤粒子層の潤滑補強層へ
の付着力を増すためである。また、潤滑剤粒子は、粉末
そのままをスプレー法等により塗布しても良いが、トル
エン、キシレン、メタノール等の有機溶剤に潤滑剤粒子
を分散させて塗布しても良い。この場合には、潤滑剤粒
子層の厚さがより均一になり、且つ潤滑補強層への密着
性が向上する。このように形成された潤滑補強層の厚さ
は、0.5〜3.0μm程度、好ましくは0.5〜1.
0μm程度であり、また、潤滑剤粒子層の厚さは、1〜
10μm程度、好ましくは3〜5μm程度である。
【0030】また、このように潤滑補強層および潤滑剤
粒子層を有する本発明のワイパーブレードラバーの材質
は特に限定されず、従来からワイパーブレードラバーに
用いられているゴム材料であれば採用できるが、好まし
くは、上述した特定のEPDMを用いるのがよい。これ
により両者の相乗効果を得ることができる。
【0031】さらに、上述した突起部さらに水分保持部
を有するワーパーブレードラバーに潤滑補強層および潤
滑剤粒子層を設けても良いことはいうまでもない。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施の形態により
説明する。
【0033】図1には一実施の形態にかかるワイパーブ
レードラバーの断面図を示す。同図に示すように、ワイ
パーブレードラバー10は、レバーに取り付けられる保
持部11にネック12を介して払拭部13が一体的に形
成された構造を有する。また、払拭部13は、断面略三
角形状のショルダ部14および薄板状のリップ部15か
らなる。そして、リップ部15の両側面には、ワイパー
ブレードラバー10の長手方向に沿って全長に亘って薄
いコーティング層16を有する。なお、コーティング層
16は、少なくともリップ部15の両面に形成されてい
ればよく、例えば、ショルダ部14の両面にも形成され
ていてもよい。
【0034】本発明のワイパーブレードラバー10は、
コーティング層16を除いて下記配合で形成されてい
る。
【0035】 (配合) EPDM(ポリプロピレン含有率41、ヨウ素価9、ムーニー粘度ML1+4( 100℃)50) ・・・100重量部 カーボンブラック(窒素吸着比表面積28m2/g、DBP吸油量150ml /100g) ・・・ 50重量部 酸化亜鉛 ・・・ 5重量部 ステアリン酸 ・・・ 1重量部 パラフィン系プロセスオイル ・・・ 10重量部 TAIC ・・・1.5重量部 ジクミルパーオキサイド ・・・ 7重量部 また、コーティング層16は、ポリエーテル系ウレタン
(接触角70°)をベースとしてMoS2およびグラフ
ァイトを添加したものを用いて形成した。
【0036】かかるワイパーブレードラバー10の製造
方法は従来と同様であり、例えば、図2に示すような上
型21および下型22とからなる分割成形型を用い、こ
の間にリップ部先端同士を接合した状態の一対のワイパ
ーブレードラバー用の成形素材23を配置して成形す
る。このとき、リップ部に相当する成形素材23の中央
部24の両側に、コーティング素材25および26を配
置することにより、上述したようにリップ部15の両面
にコーティング層16を形成する。なお、上型および下
型からなる分割成形型を用いて成形する。なお、コーテ
ィング素材25および26は、例えば、成形素材25の
中央部両側にコーティング材料を塗布することにより形
成される。なお、コーティング材料を離型紙にスプレー
等した後、剥がしてテープ状に切断することによりコー
ティング素材を製造することもできる。なお、コーティ
ング材料によっては、成形されたワイパーブレードラバ
ー10のリップ部15の両側に、刷毛またはスプレー等
により直接塗布することにより形成することもでき、こ
の方法の方が簡便である。
【0037】本実施の形態の場合には、上述したコーテ
ィング材料をスプレーして5μmの厚さにコーティング
して80℃で30分間熱処理することにより、コーティ
ング層16を形成した。かかるコーティング層16は、
親水性で、摩擦係数μが0.8であった。したがって、
このワイパーブレードラバー10を使用して撥水性ガラ
ス表面を払拭したところ、払拭特性は良好で、鳴き、ビ
ビリもなく、ダスト耐久を20万回繰り返し実験を行っ
ても、撥水性ガラスの撥水層は摩耗していなかった。
【0038】(実施例1〜3)上述した実施の形態と同
様にして、下記の表1に示すとおり、EPDMおよびカ
ーボンブラックの種類を変えることにより、実施例1〜
3のワイパーブレードラバーを製造した。
【0039】また、比較のため、コーティング層をフッ
素モノマを含有した撥水性層に変更したワイパーブレー
ドラバー、およびEPDMおよびカーボンブラックの種
類を本発明の好適な範囲から外れるものを使用したワイ
パーブレードラバーを製造し、下記表1に示すとおり、
比較例1〜8とした。
【0040】実施例1〜3および比較例1〜8の各ワイ
パーブレードラバーに対して、下記の通り、ビビリおよ
び鳴き試験および耐久試験後のガラス撥水性接触角およ
びワイパーブレードラバー摩耗量を測定した。
【0041】ビビリおよび鳴き試験は、市販の撥水処理
液をガラスにコートし(コート後の接触角98°)、ジ
ャダの発生する電圧を測定し、これによりビビリの評価
をし、さらに、このときの鳴きを観察した。ここで、ジ
ャダとは、ワイパーブレードラバーが作動時に飛び跳ね
る状態のことをいい、作動電圧が下がってくるとジャダ
が発生し易くなる。従って、できるだけ低い電圧でもジ
ャダが発生しないものがよく、ジャダの発生電圧が低い
ほど耐ビビリが良好であることを示している。
【0042】また、平ガラスを使用したダスト耐久試験
機を用い、20万回後のガラス自体の接触角と、ワイパ
ーブレードラバーの平均摩耗量を測定した。なお、平ガ
ラスとしては上述した同様の市販撥水処理液コート層を
有するものを用いたので、最初の接触角は98°であ
り、耐久後の接触角との差(接触角変化)および摩耗量
が小さい方が良好な結果となる。
【0043】以上の結果は、表1に示す通りであるが、
コーティング層としては接触角の小さいものを用いた方
が特に鳴きが発生せず、本発明の好適な範囲を外れるE
PDMを用いると、ビビリ性が悪化すると共にガラス表
面の接触角変化が大きく、本発明の好適な範囲を外れ
る。カーボンブラックを用いると、窒素吸収比表面積が
大きい場合、ガラスの接触角変化が大きく、DBP吸油
量が小さいと、ワイパーブレードラバー摩耗量が増大す
る。
【0044】
【表1】
【0045】図3(A)および(B)には、他の実施の
形態に係るワイパーブレードラバーを示す。同図に示す
ように、本実施の形態のワイパーブレードラバーの払拭
部113は、断面略三角形状のショルダ部114と薄板
状のリップ部115とからなり、リップ部115の両側
面には、ショルダ部114との境界から先端部方向に延
びる突起部117が、リップ部115の幅方向に亘って
所定間隔で複数個設けられている。突起部117は、リ
ップ部115の先端から1.5mm程度離れた位置から
ショルダ部114まで延び且つショルダ部114近傍で
ショルダ部115に近づくほど幅が漸大するようになっ
ており、当該突起部117とショルダ部114とが形成
する隅部118は略円弧状になっている。
【0046】このような形状のワイパーブレードラバー
では、払拭された水分がリップ部115およびショルダ
部114に沿ってその幅方向に流れ落ちてしまうのを防
止するものであり、払拭された水分は、各突起部117
の間に保持される。したがって、ウインドウガラス表面
の水分が少ないときでも、リップ部115の両側面に残
留された水分がリップ部115の先端部とウインドウガ
ラスとの接触部分に供給され、ビビリ音の発生が防止さ
れる。また、突起部117とショルダ部114との間の
隅部118が円弧状になっているので、突起部117の
間に保持された水分が隅部118に留まることなく、次
に払拭の際にはリップ部115の先端部とウインドウガ
ラスとの接触部に供給されるようになる。
【0047】なお、突起部117は、リップ部115の
幅方向に亘って、1〜10cm間隔で設けるのが効果的
である。
【0048】図4には、本実施の形態の変形例を示す。
この例では、突起部117の先端部の間に、微小間隔で
設けられた複数個の微小突起119aからなる水分保持
部119が設けられている。この例では、突起部117
の先端部の間に微小突起119aからなる水分保持部1
19が設けられているので、払拭された水分は突起部1
17および水分保持部119で囲まれた領域に保持さ
れ、次の払拭の際には、一時的に水分保持部119に保
持された後、リップ部115の突起部117間に保持さ
れた水分は、さらに微小溝119aによる水分保持部1
19に保持されるので、リップ部115の先端にさらに
水分が供給されやすく、ビビリ音が確実に防止される。
【0049】なお、この例では水分保持部119を連続
的に設けられた微小溝で形成したが、連続的に設けられ
た微小突起により形成してもよい。また、水分保持部
は、リップ部の幅方向に亘って間欠的に設けられていて
もよい。
【0050】また、図3および図4に示すワイパーブレ
ードラバーに、図1に示すようなコーティング層16を
設ければ、相応効果により、さらにビビリ等の発生が防
止され、撥水層を摩耗することがないという効果が得ら
れることは言うまでもない。
【0051】ここで、上述した比較例1の材質を用いて
図3に示す構造で同様にフッ素モノマ含有撥水性コーテ
ィングを施したワイパーブレードラバー(実施例4)を
作成し、上述した例と同様にビビリおよび鳴き試験並び
に耐久試験後のガラス撥水性接触角およびワイパーブレ
ードラバー摩耗量を測定した。
【0052】また、比較例1および実施例1の材質およ
びコーティングで図4の構造のワイパーブレードラバー
をそれぞれ作成し(実施例5および6)、同様にビビリ
および鳴き試験並びに耐久試験後のガラス撥水性接触角
およびワイパーブレードラバー摩耗量を測定した。
【0053】これらの結果は表2に示す。表2の結果よ
り、上述した比較例1の材質およびコーティング層であ
っても図3または図4の構造を有することにより払拭性
が良好で且つ鳴き、ビビリが発生せず、撥水性ガラス表
面の撥水層を摩耗しにくいことがわかった。
【0054】
【表2】
【0055】次に、本発明の他の実施の形態について説
明する。
【0056】(実施例7)上述した実施例1と同様なゴ
ム材質で同じ形状のワーパーブレードラバーを作成し
た。これにウレタンベースの樹脂バインダーにMoS2
粉末を混合したコーティング剤を塗布して1μmの塗膜
を形成し、さらに、この上にMoS2粉末をトルエン等
の有機溶剤に分散させた分散体を塗布して5μmの塗膜
を形成した。その後、これを80℃で30分間熱処理す
ることにより二層コートを形成した。
【0057】(実施例8)ゴム材料をNRとした以外は
実施例7と同様にして二層コートを有するワイパーブレ
ードラバーを作成した。
【0058】(実施例9)ゴム材料を上述した比較例4
のものを用いた以外は実施例7と同様にして二層コート
を有するワイパーブレードラバーを作成した。
【0059】(比較例9)実施例7において、MoS2
粉末を有機溶剤に分散させた分散体を用いない以外は実
施例7と同様にして、厚さ1μmのハードコート層を有
するワイパーブレードラバーを作成した。
【0060】(比較例10)ハードコート層の厚さを5
μmとした以外は比較例9と同様にして厚さ5μmのハ
ードコート層を有するワイパーブレードラバーを作成し
た。
【0061】(比較例11)実施例7において、樹脂バ
インダーにMoS2粉末を混合したコーティング剤を用
いないで、MoS2粉末を有機溶剤に分散させた分散体
を直接塗布する以外は実施例7と同様にして、厚さ5μ
mの粉末コート層を有するワイパーブレードラバーを作
成した。
【0062】実施例7〜9および比較例9〜11の各ワ
イパーブレードラバーに対して、ビビリおよび鳴き試験
および耐久試験後のガラス撥水性接触角およびワイパー
ブレードラバー摩耗量を測定した。この結果は、表3に
示す。
【0063】表3の結果より、二層コートを施したもの
は払拭性が良好で且つ鳴き、ビビリが発生せず、撥水性
ガラス表面の撥水層を摩耗しにくいことがわかった。
【0064】
【表3】
【0065】
【発明の効果】本発明のワイパーブレードラバーは、従
来のものと同様に払拭特性は良好であり、且つ撥水ガラ
スに用いても鳴き、ビビリ等も発生せず、撥水ガラス表
面の撥水層を摩耗することもないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るワイパーブレード
ラバーの断面図である。
【図2】本発明のワイパーブレードラバーの一製造例を
概略的に示す断面図である。
【図3】本発明の他の実施の形態に係るワイパーブレー
ドラバーの断面図および正面図である。
【図4】本発明の他の実施の形態に係るワイパーブレー
ドラバーの断面図および正面図である。
【符号の説明】
10 ワイパーブレードラバー 11 保持部 12 ネック部 13,113 払拭部 14,114 ショルダ部 15,115 リップ部 16 コーティング層 117 突起部 118 隅部 119 水分保持部 119a 微小溝

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端部でウインドガラスを払拭する薄板
    状のリップ部と該リップ部の前記先端部とは反対側の基
    端部に一体的に設けられてその厚みが前記先端部から前
    記基端部に向かう方向に漸大するショルダ部とを有する
    ワイパーブレードラバーであって、前記リップ部の前記
    払拭方向両側の側面に、前記ウインドガラスを払拭する
    前記先端部の内側から前記基端部に向かう方向に延びて
    前記ショルダ部に到達する突起部が当該突起部の長さ方
    向とは略直交する前記リップ部の幅方向に複数設けられ
    ていることを特徴とするワイパーブレードラバー。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記突起部の少なく
    とも前記基端部側の幅が前記ショルダ部に向かって漸大
    して当該突起部と前記ショルダ部との間の隅部が略円弧
    状となっていることを特徴とするワイパーブレードラバ
    ー。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記突起部
    が、前記リップ部の幅方向に亘って1〜10cm間隔で
    設けられていることを特徴とするワイパーブレードラバ
    ー。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかにおいて、前記リ
    ップ部の前記払拭方向両側の側面の当該リップ部先端部
    の内側には、当該リップ部の幅方向に亘って微小間隔で
    複数配置された突起または溝からなる水分保持部が設け
    られていることを特徴とするワイパーブレードラバー。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れかにおいて、前記水
    分保持部が、前記突起部の先端部の間に配置されている
    ことを特徴とするワイパーブレードラバー。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れかにおいて、前記ワ
    イパーブレードラバーが、ポリプロピレン含有量が40
    〜45重量%で、ヨウ素価が20〜30で、ムーニー粘
    度がML1+4(100℃)で40〜70のエチレン・プ
    ロピレン・ジエンゴム(EPDM)にカーボンブラック
    を混合して形成されたものであり、前記ワイパーブレー
    ドラバーの少なくともガラス表面を払拭する先端部の両
    側面に、接触角が100°以下の親水性材料を塗布して
    形成された摩擦係数が1.0以下のコーティング層を有
    することを特徴とするワイパーブレードラバー。
  7. 【請求項7】 請求項6において、前記カーボンブラッ
    クが、窒素吸着比表面積が40m2/g以下で、ジブチ
    ルフタレート吸油量が100ml/100g以上のもの
    であることを特徴とするワイパーブレードラバー。
  8. 【請求項8】 請求項6または7において、前記親水性
    材料が、ポリウレタンをベースとするものであることを
    特徴とするワイパーブレードラバー。
  9. 【請求項9】 エチレン・プロピレン・ジエンゴム(E
    PDM)にカーボンブラックを混合して形成されたワイ
    パーブレードラバーであって、 前記EPDMが、ポリプロピレン含有量が40〜45重
    量%で、ヨウ素価が20〜30で、ムーニー粘度がML
    1+4(100℃)で40〜70のものであり、前記ワイ
    パーブレードラバーの少なくともガラス表面を払拭する
    先端部の両側面に、接触角が100°以下の親水性材料
    を塗布して形成された摩擦係数が1.0以下のコーティ
    ング層を有することを特徴とするワイパーブレードラバ
    ー。
  10. 【請求項10】 請求項9において、前記カーボンブラ
    ックが、窒素吸着比表面積が40m2/g以下で、ジブ
    チルフタレート吸油量が100ml/100g以上のも
    のであることを特徴とするワイパーブレードラバー。
  11. 【請求項11】 請求項9または10において、前記親
    水性材料が、ポリウレタンをベースとするものであるこ
    とを特徴とするワイパーブレードラバー。
  12. 【請求項12】 先端部でウインドガラスを払拭する薄
    板状のリップ部を有するワイパーブレードラバーであっ
    て、少なくとも前記リップ部の前記払拭方向両側の側面
    に、潤滑剤粒子をバインダー樹脂で保持した潤滑補強層
    と、この潤滑補強層上に保持された潤滑剤粒子層とを有
    することを特徴とするワイパーブレードラバー。
  13. 【請求項13】 請求項12において、前記潤滑補強層
    および前記潤滑剤粒子層が、前記潤滑剤粒子および前記
    バインダー樹脂を混合したコーティング剤を塗布した
    後、前記潤滑剤粒子あるいは該潤滑剤粒子を有機溶剤に
    分散させたものを塗布し、その後、加熱処理することに
    より形成されたものであることを特徴とするワイパーブ
    レードラバー。
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