JP4268017B2 - ワイパーブレード - Google Patents

ワイパーブレード Download PDF

Info

Publication number
JP4268017B2
JP4268017B2 JP2003383098A JP2003383098A JP4268017B2 JP 4268017 B2 JP4268017 B2 JP 4268017B2 JP 2003383098 A JP2003383098 A JP 2003383098A JP 2003383098 A JP2003383098 A JP 2003383098A JP 4268017 B2 JP4268017 B2 JP 4268017B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wiper blade
slidable
filler
surface treatment
binder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2003383098A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005145166A (ja
Inventor
能成 雫田
信幸 昼間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Polymer Co Ltd filed Critical Shin Etsu Polymer Co Ltd
Priority to JP2003383098A priority Critical patent/JP4268017B2/ja
Publication of JP2005145166A publication Critical patent/JP2005145166A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4268017B2 publication Critical patent/JP4268017B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Description

この発明は、ガラス面に付着した雨水、泥水、雪、みぞれ、ほこり等を払拭して取り除き、良好な運転視界を確保するために必要な、自動車、電車、船舶、航空機等の交通機関用のワイパーブレードに関する。
ワイパーブレードは、(1)ガラス上を円滑に動作する作動性、(2)雨滴をきれいに拭き取り、良好な視界を確保する払拭性、(3)長期間安定した動作及び払拭を維持する耐久性という3つの基本特性が要求される。
(天然ゴム及び汎用合成ゴムを主とする一般的なワイパーブレードについて)
従来のワイパーブレードで最も一般的に利用されているのは、天然ゴムやイソプレンゴム、クロロプレンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)といった汎用合成ゴムを材料としている。こうしたゴム材料を、単独で或いはブレンドし、プレス成形または押出成形によりワイパーブレード成形体を形成している。
一般にゴムは摩擦抵抗が大きく、滑り難いという性質を有している。ガラス板面に対してその性質は顕著に現れる。天然ゴムや汎用合成ゴム材料を用いたワイパーブレードの場合、ガラス面と接触する部分に対して何も処理せず、本来の生地そのままの状態では摩擦抵抗が大きすぎ、ガラス面上を円滑に摺動させることができない。摩擦抵抗が大きいと、ガラスと接触する部分でゴムの摩耗が激しく起こり、耐久性も満足にでない。
上記問題を解決するため、ワイパーブレード表面を塩素化処理する方法が発明された。この発明により、少なくともガラス面と接触して摺動する部分の表面が改質し、摩擦抵抗が下がり、ワイパーブレードはガラス面上を円滑に摺動し、払拭性、耐久性も満足できるようになった。
(シリコーンゴム製ワイパーブレードについて)
シリコーンゴムを用いたワイパーブレードもこれまでに数多く検討されてきた。シリコーンゴムも前出の天然ゴムや汎用合成ゴム等と同様、このままでは摩擦抵抗が大きすぎてガラス面上では円滑に摺動せず、著しくゴムが摩耗し、耐久性を満足させることができなかった。この問題を解決するため、天然ゴムや汎用合成ゴムで発明された塩素化処理法をシリコーンゴムに適用しようとする動きもあった。しかし、シリコーンゴムは天然ゴムや汎用合成ゴム材料と比較して物理的・化学的に安定である。塩素化しても天然ゴムや汎用合成ゴムと同様の表面処理効果は得られないことが分かった。摺動性が良好で耐久性に優れた実用的なワイパーブレードを得ることはできなかった。
(天然ゴム及び汎用合成ゴムを主とする一般的なワイパーブレードの表面処理について)
天然ゴムや、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)といった汎用合成ゴム材料から成る一般的なワイパーブレードでは、前述のように塩素化処理法により摺動性や耐久性を確保した。しかし、交通機関のフロントガラスなどは撥水ガラスを用いている。そこで、撥水処理などの特殊な表面状態にあるガラス面で摺動性が高く、耐久性もよいワイパーブレードが求められ、塩素化処理に加えてコーティング等による表面処理を行うといった発明が各社から提案された。
例えば、特開昭55−15873号公報は、ブレードゴム表面に二硫化モリブデンを含有するシリコーン組成物の硬化層を設けたワイパーブレードが提案されている。明細書中には、二硫化モリブデンの平均粒子径や添加部数が規定されている。ブレードゴムには天然ゴムとクロロプレンゴムの混合物を使うという記載もある(特許文献1を参照のこと)。
特開2000−190821号公報には、天然ゴム、合成ゴム又はブレンドしたゴムを特定組成物でコーティングしたブレードゴムワイパーが提案されている。コーティング組成物は、パウダー成分とバインダー成分を含んでいる。パウダー成分としては、シリコーンゴム、二硫化モリブデン、グラファイト、窒化ホウ素、ナイロン、吸水性樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂等を使用する。バインダー成分としては、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、フルオロオレフィン−アルキルビニルエーテル共重合体を使用する。
明細書中には、コーティング組成物中のバインダー成分含有量やパウダーの平均粒径、配合部数、コーティング膜厚が規定されている。ブレードゴムとしては、天然ゴム、天然ゴム/SBR混合物、EPDMについての記載がなされている(特許文献2を参照のこと)。
特開平10−95314号公報には、ブレードゴム表面に表面被覆層を有するワイパーブレードが提案されている。表面被覆層はフッ素系樹脂と硬化剤とから成る。フッ素系樹脂は分子内に反応性基を有する。硬化剤はその反応性基と反応性を有する。表面被覆層には、フッ素系樹脂100質量部に対して固体潤滑剤を10〜110質量部配合している。
明細書中には、固体潤滑剤の粒径及び含有量、表面処理層厚についての記載がなされている。表面処理に関する記載では、添加するフィラーについて、種類、粒径、添加部数が規定されている。フィラーを固定するバインダーについては材質が規定されている(特許文献3を参照のこと)。
天然ゴム及び汎用合成ゴムから成るワイパーブレードにとっては、塩素化処理が摺動性及び耐久性を満足させるための主要な処理方法となる。摺動性フィラーをバインダーで固定する表面処理方法は、あくまでも塩素化処理による摺動性を補助する処理方法として開発・利用されているに過ぎない。撥水処理ガラスのような特別仕様ガラス以外、天然ゴム及び汎用合成ゴムから成るワイパーブレードにとって、バインダーで摺動性フィラーを固定処理することは必ずしも必要な処理とはいえない。つまり、ここに例示された表面処理だけでは、ワイパーブレードの基本性能である耐久性能を満足させることができない。
しかし、前述したように汎用合成ゴム材料から成る一般的なワイパーブレードの基本性能は、ゴム下地に対する塩素化処理によって実用上、十分に確保されているので耐久性が不足するようなことにはならない。従って、汎用合成ゴム材料から成る一般的なワイパーブレード用として開発されたこれらの表面処理方法は、コストアップの要因となることを十分に考慮すれば、できるだけ省略すべき処方であることはいうまでもない。
また、ここで例示した特許明細書中のワイパーブレード表面に形成した表面処理は、ガラス上での摺動性をどのような機構により改善するのかを明確に記述していないが、主にワイパーブレード基材表面にバインダーで固定された摺動性フィラーそのものの摺動性を利用しているに過ぎない。
本出願人は、2002年6月2日、PCT出願により、鱗片状粉体が繋留され、徐々にそれが脱落していくワイパーブレードについて出願した。脱落したフィラーは、コロ又はべアリング効果、或いは摺動性フィラー自身の持つ滑性効果を利用している。
PCT出願当時のワイパーブレードは、以下のようなパラメータを有していることが分かった。すなわち、フィラーの露出量は1mm当たり1万〜1万5000個、バインダーによる繋留度は、10万往復回動かすとその間に、各動作方向時にガラスに接するリップ部の表面処理部から、長さ1mm範囲当たり100〜130個脱落する強度を有していた。また、表面処理層の厚さT(μm)について、Dav×A/15≧T≧Dav×A/20で表されることも分かった。なお、Davは、使用する摺動性フィラーの平均粒径(単位:μm)であり、4≦Dav≦15の範囲にある。、Aは必要とする動作耐久回数(単位:万回)である。
これまでは、それで十分であると考えられてきた(特許文献4を参照のこと)。
特開2001−55119号公報 特開2002−79914号公報 特開2002−114135号公報 PCT/JP02/06475
摺動性フィラーの脱落量を十分にコントロールし、その脱落したフィラーをころがり摩擦によるコロ又はべアリング効果、摺動性フィラー自身の持つすべり摩擦による滑性効果などを出来る限り有効に活用できるワイパーブレードを提供することを目的とする。
また、ワイパーブレード固有のパラメータを特定の範囲に限定することで、雨滴の排除性に優れ、しかも十分な耐久性があるワイパーブレードを提供することを目的とする。
この発明は上記の課題を以下の手段で解決した。
請求項1に記載の発明は、リップ部横断面の両側面に、摺動性フィラーと、摺動性フィラーをワイパーブレード基材に繋ぎ止めるためのバインダーとを含む表面処理層が存在し、バインダーは摺動性フィラーを脱落可能に繋留するとともに、摺動性フィラーの一部は表面処理層の外側に露出しており、フィラーの露出量は1mm当たり2万〜12万個、バインダーによる繋留度は、10万往復回動かすとその間に各動作方向時にガラスに接するリップ部の表面処理部から長さ1mm範囲当たり140〜350個のフィラーが脱落する強度を有し、表面処理層の厚さは式1、2でT(μm)で表され、押しつけ荷重16g/cm、動作電圧13.5V、散水量400ml/minの条件下で行った初期動作時の最大電流値Iと、必要とする動作耐久回数ワイパーブレードを動作させた後の最大電流値I′とが、2.0≦I≦3.5、2.0≦I′≦3.5、且つ0.85≦I′/I≦1.2という条件を満たすシリコーンゴム製ワイパーブレードである。
T≧Dav×A/15 …式1
4≦Dav≦15 …式2
ただし、Davは、使用する摺動性フィラーの平均粒径(単位:μm)、Aは必要とする動作耐久回数(単位:万回)である。また、摺動性フィラーの露出数量は、形成された表面処理層の電子顕微鏡写真を基に一定の範囲に存在する摺動性フィラー数を計測し、これを基準にして上記記載の単位面積中の存在数として換算した数値である。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明に加え、規定回数が20万〜60万往復回に設定したことを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、請求項1記載の発明に加え、摺動性フィラーを固定するためのバインダーの成分が、次式で表されるビニル基含有ポリオルガノシロキサンであり、架橋剤としてハイドロジェンオルガノポリシロキサンを用いており、補強性シリカを含有する付加熱硬化型シリコーンゴムである。
Figure 0004268017
請求項1乃至3に記載の発明では、ガラス面上での摩擦抵抗が低減し、振動してビビることのない良好な摺動性及び耐久性を持ったシリコーンゴム製ワイパーが得られる。
大量の摺動性フィラーが繋留状態にあると、所定のパラメータ範囲で優れた滑性作用を発現する。加えて、繋留状態から脱落した少量の摺動性フィラーが所定のパラメータ範囲の機械的滑性作用を発現する。ワイパーブレードの動作とともに表面処理層の最外側の摺動性フィラーが徐々に脱落し、脱落した摺動性フィラーがワイパーブレード払拭部とガラスの間に介在する。これにより、摺動性フィラー自身のすべり摩擦現象による滑性効果及び/又は摺動性フィラーのころがり摩擦によるコロ或いはベアリング的な効果を発揮する。
(ワイパーブレード表面に形成した表面処理層からの摺動性フィラー脱落)
この発明のワイパーブレードは、拭き取り往復動作を重ねるにつれて、ワイパーブレード表面に形成した表面処理層中に存在する摺動性フィラーと、摺動性フィラーをワイパーブレード基材に繋ぎ止めておくバインダーが徐々に脱落する。一般に、ワイパーブレードをガラス上で動作させると摩擦抵抗が発生する。シリコーンゴム製ワイパーブレードの場合、表面処理されていないとガラスに対する抵抗が非常に大きいため、ガラス面に雨滴が存在していても激しいビビリ振動を生じさせ、最悪の場合、摩擦負荷が過大になって動きを止めてしまうことがある。
この発明のワイパーブレードは、少なくともワイパーブレードリップ部横断面の両側面に、摺動性フィラーと、摺動性フィラーをワイパーブレード基材に繋ぎ止めるためのバインダーからなる表面処理層を形成し、表面処理屑の最外側には摺動性のフィラーが露出している構成である。
本ワイパーブレードは、ガラス面上を動く時に生じる動作抵抗によって少なくともワイパーブレードリップ部横断面の両側面に形成した表面処理層から最表層部にある摺動性フィラー及び、摺動性フィラーをワイパーブレード基材に繋ぎ止めているバインダーを、徐々に脱落させる設計になっている。ワイパーブレードから脱落した摺動性フィラーは、ワイパーブレードの払拭エッジ部とガラス面との間に介在する。エッジ部とガラス間に介在する摺動性フィラーが球形状或いは球形に類似した形状の場合は、ころがり摩擦によるコロもしくはべアリング的な効果によりワイパーブレードとガラス両者間の摩擦抵抗を小さい状態に保つことができる。
一方、鱗片状や薄片状の摺動性フィラーが介在する場合は、フィラー自身の持つすべり摩擦による滑性効果により、ワイパーブレードとガラス両者間の摩擦抵抗を小さい状態に保つことが可能となる。
最外側にあった摺動性フィラーがワイパーブレードの動作により脱落した後のワイパーブレード表面処理層は、新たに下層の摺動性フィラーが露出することになるのでワイパーブレード自体の持つ摺動性は全く変わることがない。つまり、この発明のワイパーブレードは、脱落した摺動性フィラーのころがり摩擦によるコロもしくはベアリング効果、またはフィラー自身の持つすべり摩擦による滑性効果によりワイパーブレード動作時の摩擦抵抗を低下させる特性と、ワイパーブレードリップ部表面に摺動性フィラーが露出して摺動性フィラーそのものが持つ摩擦抵抗を低下させる特性とを併せ持つことで良好な摺動性を実現させている。
(摺動性フィラーの粒径、種類)
この発明に用いられる摺動性フィラーは、ワイパーブレードの基本性能である払拭性と摺動性を考慮して決定しなければならない。上述のように脱落した摺動性フィラーはワイパーブレードの払拭エッジ部とガラスの間に介在する。このとき、摺動性フィラーの粒径が大きすぎるとワイパーブレード払拭エッジ部とガラス間の隙間が大きくなるので払拭時の拭き残しが発生しやすくなり、ワイパーブレード基本性能の1つである払拭性に悪影響を及ぼすことになるので好ましくない。加えて、摺動性フィラーの粒径が大きすぎるとワイパーブレードリップ部横断面の両側面に形成した表面処理層の表面粗度が粗くなり、ガラスとの密着性を低下させ、拭き残しが多く発生し基本性能を満足することができなくなるので好ましくない。
一方、粒径が小さすぎると、ガラスヘの密着度が向上することにより払拭性は良好となるが、ガラスとの摩擦抵抗が大きくなり摺動性能が低下するので好ましい状態ではなくなる。このため、この発明で用いられる摺動性フィラーの粒径は、球形状或いは球状に類似した形状の摺動性フィラーを使用した場合はレーザー回折式粒度分布測定器で測定した時に0.3μm〜25μmの範囲の粒子から構成され、且つそれらの平均粒径が4μm〜15μmであるか、或いは鱗片状や薄片状の摺動性フィラーを使用した場合は0.3〜60μmの範囲の粒子から構成され、且つそれらの平均粒径がレーザー回折式粒度分布測定器で測定した時に4μm〜15μmであるものを使用することが望ましい。
摺動性フィラーの組成は、上記粒径のフィラーを用いる限りでは特に限定されるものではなく、例えば球状シリカ、多孔質球状シリカ、マイカ、テトラフロロエチレン樹脂を代表とするフッ素樹脂、グラファイト、炭酸カルシウム、珪藻土、二硫化モリブデン、窒化ホウ素などが挙げられる。
(摺動性フィラーの脱落頻度、表面処理厚みの関係)
前述のようにこの発明のワイパーブレードは、ワイパーブレード表面に形成した表面処理層から摺動性フィラーが徐々に脱落する。この摺動性フィラーの脱落する割合と、表面に形成させる表面処理層の層厚を適切にコントロールしてやることで希望とする耐久性や摺動性を有するワイパーブレードを思いのままに作製することが可能となる。この発明の、少なくともワイパーブレードリップ部横断面の両側面に、摺動性フィラーと摺動性フィラーをワイパーブレード基材に繋ぎ止めるためのバインダーからなる表面処理層を形成したワイパーブレードにおいて、表面処理層に存在する摺動性フィラーの数は1mm当たり2万〜12万個存在する。つまり、単位長さ当たりに換算すれば、摺動性フィラーの数は1mm当たりほぼ140〜350個存在することになる。ここで、表面処理層に存在する摺動性フィラーの数は、ワイパーリップ部側面に形成された表面処理層を電子顕微鏡で写真撮影し、この写真を基にある一定の範囲に存在している摺動性フィラー数を計測し、この数値を基準に上記記載の単位面積中に存在する数値に換算した値を使用している。
ワイパーブレードの1往復回動作は、基本位置から反転部までと反転部から基本位置までの2つに分けられ、それぞれの動作方向に対してワイパーブレードの両払拭エッジ部を1回ずつ使う。
この発明のワイパーブレードにおいて摺動性フィラーの脱落する割合は、ワイパーブレードの各動作方向時にガラスに接するリップ部の表面処理部から長さ1mm当たり、ワイパーブレードを10万回動かす毎に140〜350個の摺動性フィラーが脱落するように構成されている。ここで、例えばA万回の動作耐久性を持たせることをワイパーブレードに求める場合には、以下の式1、2により膜厚を決定し、表面処理層を形成させてやれば良いことが明らかとなった。
T≧Dav×A/15 …式1
4≦Dav≦15 …式2
ここで、T:必要な表面処理層の膜厚(μm)、Dav:摺動性フィラーの平均粒径(μm)、A:必要とする動作耐久回数(万回)である。
(摺動性フィラーとバインダーの比率)
上記のようにワイパーブレードの動作回数に伴って摺動性フィラーを脱落させるには、摺動性フィラーと摺動性フィラーをワイパーブレード基材に繋ぎ止めておくためのバインダーとの配合比を適切な範囲に調整してやる必要がある。
この発明においては、質量比で摺動性フィラー1に対してバインダーが0.3〜1.2になるようにすればよい。摺動性フィラー1に対してバインダーの比率が0.3よりも小さいとバインダーが摺動性フィラーをワイパーブレード基材に繋ぎ止めておく力が不足し、摺動性フィラーの脱落の頻度が高くなりすぎる。この結果、上述の式1及び式2に基づいて表面処理層の膜厚を有するワイパーブレードを形成しても、表面処理層の脱落、消耗の進行が設計値を超えて起こる。耐久性能が不十分となってしまう。これに加え、ワイパーブレード払拭表層部に形成した表面処理層の表面粗度も大きくなるので払拭性が悪くなるという結果も引き起こすことになる。一方、バインダーの比率が1.2よりも大きいと、摺動性フィラーの脱落が起こりにくくなるので、ころがり摩擦によるコロもしくはベアリング的な効果、または摺動性フィラー自身の持つすべり摩擦による滑性効果によってワイパーブレード動作時の摩擦抵抗を低下させるという効果を発揮できず、良好な摺動特性が得られなくなるので好ましくない。
この発明によれば、摺動性フィラーの脱落量を十分にコントロールできる。脱落したフィラーが有するコロ、べアリング効果、摺動性フィラー自身の持つすべり摩擦による滑性効果などを有効に活用できるワイパーブレードが提供できる。
また、ワイパーブレード固有のパラメータを特有の範囲に限定したので、雨滴の排除性に優れ、しかも十分な耐久性があるワイパーブレードを提供できる。
(ワイパーブレードの構造)
図1は、この発明の実施の形態に係わるワイパーブレードの一例を示す静止状態の模式的断面図である。ワイパーブレード1の中間にネック部2を設け、基体部3の先端にリップ部4を設け、リップ部4は先端にウィンドーガラス6の表面と接触する先端面5を有している。
(ワイパーブレードの動作状態説明)
図2は、ワイパーブレードの動作状態を模式的に示す断面図である。基体部3は、図示外のワイパーアームに取り付けられている。ワイパーアームはウィンドーガラス6の表面を往復運動し、ワイパーブレード1がこれに従動する。ワイパーブレード1が作動すると、リップ部4にウィンドーガラス6を払拭する際の摩擦抵抗が働く。ワイパーブレード1のリップ部4は、ネック部2を基準にワイパーブレード1の進行方向(図中の矢印を参照のこと)と反対方向に傾き、ウィンドーガラス6の表面を払拭する。
(払拭表層部)
図3は、図1の要部を拡大して示した模式的断面図である。リップ部4の横断面の両側面には、先端面5を除き先端面5から所定寸法だけ基体部3側に立ち上がっている払拭表層部7が設けてある。図4は、図3における払拭表層部を更に拡大した断面図である。払拭表層部7は、摺動性フィラー9と、摺動性フィラー9を払拭部位の表面に固定させる樹脂バインダー10とで形成されている。図5(a)及び図5(b)は、払拭表層部7がウインドーガラスの表面を払拭している様子の拡大図である。払拭によって鱗片状粉体が脱落している。図6は、払拭表層部の長手方向側から見た払拭表層部の要部拡大図である。
(ワイパーブレードの払拭動作説明)
図4〜図6に示したように、この発明の実施の形態に係わるワイパーブレード1のモデル図は、鱗片状の摺動性フィラー9をモデルにして表されている。しかし、摺動性フィラー9は鱗片状に限定されるものではない。他の形状の粉体でも、ほとんど同様の効果を発揮させることができる。
図4に示したように、ワイパーブレード1にあっては、摺動性フィラー9が払拭表層部7の厚み方向に積層されており、摺動性フィラー9同士はバインダー10によって互いに繋ぎ止められている。このため、図5,図6に示したように、ガラス6に接触する払拭表層部7の表面には、表面部に位置する払拭表層部7の長手方向に沿って並んだ隣り合う摺動性フィラー9a,9a,…の間からそれよりも奥にある摺動性フィラー9b,9b…が見える状態にある。また、表面部に位置する摺動性フィラー9a,9a,…の表面にはバインダー10が点在している。したがって、摺動性フィラー9の表面がバインダー10で完全に被われた状態にないので、バインダー10に繋ぎ止められていながらも摺動性フィラー9の表面がガラス6に接触するため、ワイパーブレード1の摺動性が保たれることになる。
他方、摺動性フィラー9がバインダー10で完全に被われた状態でないから、摺動性フィラー9をワイパーブレードに繋ぎ止めておく力が弱くなるので、ワイパーブレード1の払拭動作の進行とともに表面部の摺動性フィラー9aから順に少しずつ脱落していくことになる。表面部に位置する摺動性フィラー9aが脱落しても、奥にある摺動性フィラー9bが表面に現れることで、変わらぬ摺動性を維持することができる。 また、バインダー10の付着量を適当に調整すると、摺動性フィラー9とバインダー10とが塊となって脱落することがなくなる。払拭表層部7の表面部に大きな段差を生じず、払拭性能が低下することがない。
上述の脱落した摺動性フィラー9は、(ワイパーブレード表面に形成した表面処理層からの摺動性フィラー脱落)の項目に記述したように、ワイパーブレードとガラスの間に介在してころがり摩擦によるコロもしくはベアリング的な効果、或いは粉体自身が持つすべり摩擦による滑性効果によりワイパーブレード動作時の摩擦抵抗を低下させる。脱落した摺動性フィラー9は、ワイパーブレードとガラスの間に介在して摩擦抵抗を低下させる作用を有するが、何時までもガラス上に存在する訳ではなく、雨水やワイパーブレードの払拭作用によりガラス6の払拭領域から押しやられてしまう。しかし、ワイパーブレードの往復動作に合わせて継続的に払拭表層部7から新しい摺動性フィラー9が脱落し、これが新たにワイパーブレードとガラスの間に介在してころがり摩擦によるコロもしくはベアリング的な効果、或いは粉体自身の持つすべり摩擦による滑性効果を発揮する。これが繰り返されることでいつまでも摩擦抵抗が低い状態を保ち、安定した動作を続けることができる。
(発明のワイパーブレード成形体の材料について)
ワイパーブレード1のリップ部4を構成する材料は、シリコーン系ゴムで構成される。このシリコーン系ゴムは、ジメチルシリコーン生ゴム、メチルビニルシリコーン生ゴム、メチルフェニルビニルシリコーン生ゴム、フロロシリコーン生ゴム等が例示され、必要な特性を満足できる範囲であれば、一種だけでなく二種以上を混合して用いることができる。必要に応じて、煙霧質シリカ等の補強充填材や摺動性を付与するための添加材等を加えることができる。
基体部3を構成する材料は、従来からワイパーブレードに使われていた材料も使用できるが、成形の容易さ、成形の容易さに起因する経済性及び生産効率などを考えるとリップ部4と同質のシリコーン系ゴムで構成されることが好ましい。基体部3で使用されるシリコーン系ゴム材料もリップ部4と同様にジメチルシリコーン生ゴム、メチルビニルシリコーン生ゴム、メチルフェニルビニルシリコーン生ゴム。フロロシリコーン生ゴム等が例示され、必要な特性を満足できる範囲であれば、一種だけでなく二種以上を混合して用いることができ、必要に応じて、煙霧質シリカ等の補強充填材や摺助性を付与するための添加材等を加えることができる。
基体部3及びリップ部4のゴム硬度は、JIS−K6253で規定されたデュロメータ・タイプAで測定した時に50〜80度であることが望ましい。リップ部4において、ゴム硬度が50度より低いとリップ部が倒れすぎてエッジ部が適切な角度にならないので払拭性が悪くなるし、80度よりも高くなるとリップ部が立ちすぎてしまうので払拭性が悪くなるので好ましくない。
(ワイパーブレード成形体用シリコーン系ゴムの硬化)
シリコーン系ゴム組成物を硬化させるには、従来普通に行われている方法で差し支えないが、中でも縮合反応又は付加反応のいずれかによることが好ましい。縮合反応により硬化させる場合の加硫剤としては、一般に有機過酸化物が用いられ、例えば、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等が挙げられる。付加反応で硬化させる場合には、白金系触媒を用いた反応が挙げられる。
(この発明のワイパーブレード成形体の成形方法)
この発明のワイパーブレード1を成形するには、加熱圧縮成形、押出成形、射出成形等の方法から適宜選択することができる。ワイパーブレード1が複数の構成材料から成る場合は、複合加熱圧縮成形、多層押出成形、複合射出成形等の方法を用いることで対応すればよい。成形条件は、加熱圧縮成形、射出成形の場合は、成形性及び生産性の点から150〜190℃、より好ましくは、160〜180℃の範囲で設定することが好ましい。押出成形の場合は、オーブン内での滞留時間との兼ね合いで調整する必要があるが、一般的には、加硫オーブン内温度を200〜400℃の範囲に設定すればよい。シリコーン系ゴム材料使用の場合で、有機過酸化物を加硫剤に用いる場合は、強制排気式オーブンで二次加硫を行うと、成形品中の未反応物が除去されて機械的強度等が向上する。二次加硫は、一般的には、180〜210℃の範囲で1〜4hr行うことが望ましい。
成形品の取り方は、単品(1個)取り、複数の共取り等、様々な形態が可能であるが、リップ部4の先端である先端面5側を一体に合わせた2個の共取りとして成形し、後から鋭利な刃物でその中央点を切断する方法が、リップ部4の角部8が鋭利にできるので払拭性の点で好ましい。この共取り成形品を切断する方法としては、成形品の片側から刃物を宛てて切断する方法、成形品の切断面の上下から刃物を当てて切断する方法があり、切断刃の動きからみると、引き切り、押し切り、回転刃による切断などの方法が挙げられる。リップ部4の角部8は、払拭性の点からシャープで直線的なエッジとなるようにすることが必要となるので、切断に用いる刃物の形状にはこだわらないが、成形品の切断面の上下から刃物を当てて切断することが必要である。
(払拭表層部の形成)
図3に示すように、リップ部4の横断面の両側面には、先端面5を除き先端面5から所定寸法だけ基体部3側に立ち上がっている払拭表層部7が設けてある。
払拭表層部7はワイパーブレード1の摺動性を向上させるためのものであり、その形成については、ワイパーブレード1を、リップ部4の先端面5側を一体に合わせた2個の共取りとしたものに、塗装、転写等の方法を用いて払拭表層部7を形成させた後に、その中央部を切断する手法を用いる。つまり、リップ部4の横断面の両側面にのみ払拭表層部7が形成されれば、払拭性の点からみれば十分であるが、例えば、撥水処理したガラス上で使用する際にガラス面上に形成されている撥水被膜の摩耗を少しでも減らしたいような場合には、リップ部4の先端面5にも払拭表層部7を設けるようにすればよい。
図4は、図3における払拭表層部を更に拡大した断面図である。払拭表層部7は、摺動性フィラー9と、摺動性フィラー9を払拭部位の表面に固定させるためのバインダー10としての役をする樹脂とで形成させる。リップ部4の表面に付着させる摺動性フィラー9は、摺動性を向上させる目的で使用されるもので、その材質及び粒径は、前出の(摺動性フィラーの粒径,種類)に記載した通りである。
(払拭表層部の形成方法)
リップ部4の先端部に摺動性フィラー9を固定させる代表的な方法として塗装方法が挙げられる。例えばスプレーを用いた塗装で払拭表層部をワイパーブレード成形体表面に直接形成する場合は、トルエンやキシレン、酢酸ブチル、メチルイソブチルケトンといった単独溶剤或いはこれらの混合溶剤にバインダーとして使用するシリコーン系ゴム組成物を溶解し、更に摺動性フィラーとしての適当な粉体とシリコーン系ゴム組成物を硬化させるための触媒等を適当量添加し、払拭表層部形成のための塗装液を調製する。払拭表層部を形成したい部分に調製しておいた塗装液を必要量だけスプレー塗装してから加熱硬化させればよい。スプレー塗装する場合は、スプレーガンによる自動塗装機等を利用して塗装すればいいが、10μm以上の膜厚を形成させようとする場合、1台のスプレーガンにより規定の膜厚を一回で形成させるのではなく、少なくとも2回以上に分割し、1回の塗膜形成厚は2〜10μmとすることで規定の膜厚を形成することが望ましい。1度に10μmより厚い塗膜を形成させると、塗装面の表面粗度が大きくなるために払拭性能が悪くなってしまい、好ましくない。また、1回の塗膜形成厚が2μmより小さいと、生産性が著しく低下して事業として成り立たなくなるので好ましくない。形成した払拭表層部の加熱硬化は、形成したい膜厚を形成させてから一度に行えばよい。
その他の払拭表層部の形成方法としては、例えば、上述の塗装で使用するような溶液を調製し、これを適切に離系処理したシート上に印刷・常温乾燥させ、適当な膜厚を有する印刷層を形成する。この印刷層をワイパーブレード成形体の払拭表層部形成部位に合わせてワイパーブレード成形体側にセットし、上から圧力をかけてワイパーブレード成形体側に印刷層を転写させ、その後加熱硬化させるという方法がある。
更に、上記印刷に使用する溶液をスクリーン印刷等により直接ワイパーブレード成形体の払拭表層部を形成したい部分に印刷し、加熱硬化するという方法も採ることができる。転写法においても印刷法においても、加熱硬化の条件は塗装法と同様にすればよい。
(粉体を固定するために使用するバインダー)
摺動性フィラー9を固定させるために使用するバインダー10には、唯一シリコーン系ゴム組成物が使用できる。ここで使用するシリコーン系ゴム組成物は、硬化後のゴム硬度がJIS−K6253で規定されたテュロメータ・タイプAで測定した時に40〜70度であることが好ましい。硬化後のゴム硬度が40度より低いと、満足のいく摺動性が得られなくなり、70度より高いと、ウィンドーガラス6の表面に付着した異物で傷つきやすく、拭きスジとなりやすい。バインダー10として使用するシリコーンゴム系組成物は、白金系触媒を用いた付加反応による硬化方法を採ることができるものを選択することが、生産性を考えた場合に好ましい。従って、硬化前のシリコーン生ゴムとしては、ビニル基含有ポリオルガノシロキサンであることが必要で、ビニル基含有ポリオルガノシロキサンの例として、次式で表せるものを使用することが望まれる。これらのビニル基含有ポリジメチルシロキサンは、必要な特性を満足できる範囲であれば、一種だけでなく、二種以上を混合として用いてもよい。
Figure 0004268017
バインダー10として用いるシリコーン系ゴム組成物の反応系には、架橋剤としてハイドロジェンオルガノポリシロキサンを微量添加してある必要がある。また、必要に応じてゴム強度向上のための補強性シリカや、反応を制御するために〔(CH=CH)(CH)SiO〕,アセチレンアルコールといった制御剤などを適当量加えることができる。
その他に縮合型、付加型の室温硬化型シリコーンゴム系組成物なども使用が可能であるが、反応に要する時間がかかり生産性の面から見た場合、好ましいとはいえない。
(粉体を固定するために使用するバインダーの硬化)
摺動性フィラー9を固定するために使用するバインダー10のシリコーン系ゴム組成物は、白金系触媒を用いた付加反応で硬化させる処方を採ることができるものの使用が生産性を考えた場合に好ましい。硬化は常温からでも徐々に進行していくが、生産性を考慮した場合、硬化条件は150〜200℃で5〜30分、より好ましくは180〜200℃で10〜15分の熱処理を行うことが望ましい。熱処理温度が150℃より低いと生産時のオーブン内の昇温時間は短縮されるが、シリコーン系ゴム組成物を十分に硬化させるのに要する時間が長くなるため好ましくない。また、200℃よりも高いと、オープン内の温度を200℃に昇温するまでの時間が長くなり、バインダー10自体の熱劣化を招くおそれが生じるため好ましくない。
次に、この発明の実施例と実施例を評価するための比較例を挙げるが、この発明はこれらの実施例に限られるものではない。ここでは、動作耐久画数を30万回に設定した場合の比較例、実施例を示す。耐久回数を増やした設計の場合は、式1及び式2から求められる膜厚を基準に比較例及び実施例に当てはめれば同様に記述することが可能である。
(比較例1)
シリコーンゴムコンパウンド「KE−561u」(商品名、信越化学工業(株)製)100質量部に対し、顔料「KE−COLOR CB」(商品名、信越化学工業(株)製)0.5質量部、加硫剤「C−8」(商品名、信越化学工業(株)製 化合物名<2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−ブチルパーオキシ)ヘキサン>)を2質量部添加して2本ロールで十分混練し、適当な厚み、長さに分出しした。この分出ししたシリコーンゴム組成物を用いて先端面側を合わせた共取りの状態で、加熱圧縮成形法を利用し(処理条件;170℃、3分)、2本1連のワイパーブレード連接素体を成形し、このワイパーブレード連接素体を強制排気式オーブン中で二次加硫(処理条件:200℃、2時間)を行った。二次加硫後のワイパーブレード連接素体を切断面の上下から刃を当てる方法で切断して、全体が同一のシリコーン系ゴム組成物で形成された2本のワイパーブレード1を得た。
表面処理層は形成されておらず、摺動性フィラーの存在数はゼロ。したがってワイパーブレード動作毎に脱落する摺動性フィラーもゼロ。摺動性フィラーを固定するためのバインダーも使用されていない。
(比較例2)
比較例1と同様の配合物から加熱圧縮成形法を利用して2本1連のワイパーブレード連接素体を成形し、このワイパーブレード連接素体を強制排気式オーブン中で二次加硫を行った。
この連接素体を天然ゴムや汎用合成ゴムに行う塩素化処理を施した。塩素化処理は、浴槽中に水100質量部、さらし粉50質量部、濃度12モル/lの塩酸を50mlという配合比で混合した溶液を適当量調製しておき、ワイパーブレード連接素体を適当数入れたステンレス製網状カゴごと浸せき処理した。3〜5分程度浸せきした後に、水洗、乾燥した。処理後のワイパーブレード連接素体は切断面の上下から刃を当てる方法で切断して、全体が同一のシリコーン系ゴム組成物で形成された2本のワイパーブレード1を得た。
摺動性フィラーの存在数はゼロ。したがってワイパーブレード動作毎に脱落する摺動性フィラーもゼロ。摺動性フィラーを固定するためのバインダーも使用されていない。
(比較例3)
比較例1と同様の配合物から加熱圧縮成形法を利用して2本1連のワイパーブレード連接素体を成形し、このワイパーブレード連接素体を強制排気式オープン中で二次加硫を行った。次にハイドロジェンオルガノポリシロキサン、反応制御剤を微量含み、ビニル基含有ポリメチルシロキサンと補強性シリカから成る生ゴムが25〜30%のトルエン溶液100質量部に、天然黒鉛「SPF−10A」(商品名、(株)中越黒鉛工業所製。レーザー回折式粒度分布測定法による粒度分布1〜60μm、平均粒径10μm、形状は鱗片状)20質量部、トルエン450質量部、白金触媒「CAT−PL−2−10」(商品名、信越化学工業(株)製)0.4質量部を加えて十分撹拌して塗装用溶液を調製した。
この溶液をこのワイパーブレード連接素体にスプレー塗装し、180℃、10分で熱処理を行った。この時の塗膜(払拭表層部7)の平均厚さは22μmであった。なお、塗装は、レシプロタイプの自動塗装機を用い、4台のスプレーガンで4回に分けて塗装してから熱処理を行い、塗膜形成を完了させた。熱処理後のワイパーブレード連接素体を切断面の上下から刃を当てる方法で切断して、全体が同一のシリコーン系ゴム組成物で形成された2本のワイパーブレード1を得た。
1mm当たりの摺動性フィラーの存在数はおよそ1万4千個。ワイパーブレード動作毎に脱落する摺動性フィラーの数は、ワイパーブレード動作10万往復回で各動作方向側の表面処理の長さ1mm当たりおよそ120個だった。
(比較例4)
天然黒鉛を20質量部に代えて50質量部とし、塗膜の平均厚さを22μmに代えて18μmとした。その外は比較例3と同様にした。
1mm当たりの摺動性フィラーの存在数はおよそ3万5千個だった。脱落する摺動性フィラーの数はワイパーブレード動作10万往復回で各動作方向側の表面処理の長さ1mm当たりおよそ120個でなく190個となった。
(比較例5)
黒鉛は「SPF−10A」に代えて天然黒鉛「BF−5A」とした。黒鉛の粒度分布は1〜60μmでなく1〜25μm、平均粒径は10μmでなく5μm、質量は20質量部に代えて15質量部とした。白金触媒は0.4質量部に代えて0.6質量部とした。塗膜の平均厚さは22μmに代えて12μmとした。その外は比較例3と同様にした。
1mm当たりの摺動性フィラーの存在数はおよそ3万6千個だった。脱落する摺動性フィラーの数はワイパーブレード動作10万往復回で各動作方向側の表面処理の長さ1mm当たりおよそ120個でなく130個となった。
(比較例6)
黒鉛の質量は15質量部に代えて25質量部とした。塗膜の平均厚さは12μmに代えて8μmとした。その外は比較例5と同様にした。
1mm当たりの摺動性フィラーの存在数はおよそ6万個だった。脱落する摺動性フィラーの数はワイパーブレード動作10万往復回で各動作方向側の表面処理の長さ1mm当たりおよそ130個でなく170個となった。
(比較例7)
黒鉛質量は15質量部に代えて120質量部とした。4台のスプレーガンで4回に分けて塗装してから熱処理を行うのではなく、1台のスプレーガンで1回に規定の膜厚になるように塗装してから熱処理を行った。その外は比較例5と同様にした。
1mm当たりの摺動性フィラーの存在数はおよそ28万8千個だった。脱落する摺動性フィラーの数はワイパーブレード動作10万往復回で各動作方向側の表面処理の長さ1mm当たりおよそ130個でなく375個となった。
(比較例8)
比較例1と同様の配合物から加熱圧縮成形法を利用して2本1連のワイパーブレード連接素体を成形し、このワイパーブレード連接素体を強制排気式オープン中で二次加硫を行った。
次に、ポリウレタン樹脂「D6−439」(商品名、大日本インキ工業(株)製)100質量部をメチルエチルケトン350質量部で稀釈し、その溶液中にシリコーンゴムパウダー「KMP594」(商品名、信越化学工業(株)製)10質量部、ポリテトラフルオロエチレン「ルブロンL−2」(商品名、ダイキン工業(株)製)20質量部、グラファイト「ACP」(商品名、日木黒鉛工業(株)製)10質量部、二硫化モリブデン「モリバウダーA」(商品名、日本黒鉛工業(株)製)15質量部、ナイロンパウダー「オルガソール200/UD」(商品名、日本リルサン(株)製)20質量部を混合し、分散させることによりコーティング組成物を得た。このコーティング組成物に硬化剤「DN980」(商品名、大日本インキ化学工業(株)製)60質量部を加え、ワイパーブレード連接素体にスプレー塗装した後、80℃で30分間の熱処理を行い被膜を硬化させた。この時の塗膜(払拭表層部7)の平均厚さは15μmであった。
天然黒鉛を20質量部に代えて50質量部とし、塗膜の平均厚さを22μmに代えて18μmとした。その外は比較例3と同様にした。
1mm当たりの摺動性フィラーの存在数はおよそ3万5千個だった。脱落する摺動性フィラーの数はワイパーブレード動作10万往復回で、各動作方向側の表面処理の長さ1mm当たりおよそ120個でなく190個となった。
黒鉛の質量は15質量部に代えて25質量部とした。その外は比較例5と同様にした。
1mm当たりの摺動性フィラーの存在数はおよそ6万個だった。脱落する摺動性フィラーの数はワイパーブレード動作10万往復回で、各動作方向側の表面処理の長さ1mm当たりおよそ130個でなく170個となった。
天然黒鉛を20質量部に代えて37.5質量部とした。その外は比較例3と同様にした。
1mm当たりの摺動性フィラーの存在数はおよそ2万6千個だった。脱落する摺動性フィラーの数はワイパーブレード動作10万往復回で、各動作方向側の表面処理の長さ1mm当たりおよそ120個でなく160個となった。
天然黒鉛を20質量部に代えて75質量部とした。その外は比較例3と同様にした。
1mm当たりの摺動性フィラーの存在数はおよそ5万3千個だった。脱落する摺動性フィラーの数はワイパーブレード動作10万往復回で、各動作方向側の表面処理の長さ1mm当たりおよそ120個でなく230個となった。
黒鉛の質量は50質量部に代えて25質量部とした。その外は比較例5と同様にした。
1mm当たりの摺動性フィラーの存在数はおよそ12万個だった。脱落する摺動性フィラーの数はワイパーブレード動作10万往復回で、各動作方向側の表面処理の長さ1mm当たりおよそ130個でなく240個となった。
天然黒鉛「SPF−10A」に代えて中空多孔質シリカ球形粒子「B−25C」(商品名、鈴木油脂工業製。レーザー回折式粒度分布測定法による粒度分布0.5〜25μm、平均粒径13μm、形状は球形状)を50質量部使用した。塗膜厚さは22μmに代えて28μmとした。その外は比較例3と同様にした。
1mm当たりの摺動性フィラーの存在数はおよそ3万個だった。脱落する摺動性フィラーの数はワイパーブレード動作10万往復回で、各動作方向側の表面処理の長さ1mm当たりおよそ120個でなく170個となった。
(参考実験)
〔動作評価試験方法〕
<初期動作>
JISD5710に準拠し、ワイパーブレードを作動させ、ワイパーブレード動作時の最大電流値I(単位:A)を測定した。運転席側は525L、助手席側は1450L、荷重は16g/cmとした。ワイパーブレードの動作電圧は13.5V、散水量は400ml/minとした。
動作電流値が高いことは、摺動抵抗が大きく、摺動性が悪いことを表している。
また、最大電流値測定とともに目視によるビビリ等の発生具合を観察・評価した。
評価の基準を表1に示す。
Figure 0004268017
<耐久試験後の動作>
JISD5710に準拠したカットボディ試験機を用いて、動作時の最大電流値I′を測定した。
運転席側525L、助手席側1450L、ワイパーブレードの押しつけ荷重16g/cm、ワイパーブレード動作電圧13.5V、散水量400ml/minとし、規定回数ワイパーブレードを動作させた後の動作時の最大電流値I′(単位:A)を測定した。規定回数とは30万往復回である。結果は、表1に基づき、評価した。
〔動作評価試験方法〕
JISD5710に準拠し、払拭状態を目視で確認し評価した。
カットボディ試験機のガラス面全面に霧吹きで水をかけておき、ワイパーブレードを動作させてから最初の反転位置でワイパーブレードを止め、その時の払拭状態を確認した。再度ガラス面全面に水をかけ、ワイパーブレードを動作させ、最初の反転位置に戻ったところでワイパーブレードを止め、その時の拭き状態を評価した。
評価は5点法で行った。評点の基準は表2の通りである。4点以上を良好と判定した。
Figure 0004268017
表2中に記載されているSゾーン、Mゾーンとは、JISD5710に規定されている領域を指す。即ち、ブレードラバーの長さをLとした時、ワイパーブレード両端からL/4の部分で払拭する領域をSゾーンと呼び、ワイパーブレード中心部L/2の部分で払拭する領域をMゾーンと規定して評価した。
Figure 0004268017
Figure 0004268017
Figure 0004268017
Figure 0004268017
上記実験から、摺動性フィラーと、摺動性フィラーをワイパーブレード基材に繋ぎ止めるためのバインダーとを含む表面処理層が存在し、摺動性フィラーの露出量は1mm当たり2〜12万個であり、10万往復回動かすとその間に各動作方向時にガラスに接するリップ部の表面処理部から長さ1mm範囲当たり140〜350個のフィラーが脱落する強度を有し、特に、動作最大電流値すなわち、試験初期の動作最大電流値Iと、規定回数動作後の動作最大電流値I′とが所定の範囲にあるなど、各種の条件を満たす優れた効果が出ることがわかった。すなわち、摺動性フィラーの脱落量を十分コントロールでき、脱落したフィラーが有するコロ、ベアリング効果、摺動性フィラー自身の持つすべり摩擦による滑性効果などを有効に活用できる。雨滴の排除性に優れ、しかも十分な耐久性があることがわかった。
ワイパーブレードの一例を示す静止状態の模式的断面図である。 ワイパーブレードの動作状態を模式的に示す断面図である。 図1の要部を拡大して示した模式的断面図である。 図3における払拭表層部を更に拡大した断面図である。 払拭表層部でウィンドーガラスの表面を払拭している様子の拡大図であって、摺動性フィラーが脱落前の状態を示している。 払拭表層部でウィンドーガラスの表面を払拭している様子の拡大図であって、摺動性フィラーが脱落後の状態を示している。 払拭表層部の長手方向側から見た払拭表層部の要部拡大図である。
符号の説明
1 ワイパーブレード
2 ネック部
3 基体部
4 リップ部
5 先端面
6 ウィンドーガラス
7 払拭表層部
8 角部
9,9a,9b 摺動性フィラー
10 バインダー

Claims (3)

  1. リップ部横断面の両側面に、摺動性フィラーと、摺動性フィラーをワイパーブレード基材に繋ぎ止めるためのバインダーとを含む表面処理層が存在し、
    前記バインダーは前記摺動性フィラーを脱落可能に繋留するとともに、前記摺動性フィラーの一部は表面処理層の外側に露出しており、
    前記摺動性フィラーの露出量は1mm当たり2万〜12万個、
    前記バインダーによる繋留の程度は、10万往復回動かすとその間に各動作方向時にガラスに接するリップ部の表面処理部から長さ1mm範囲当たり140〜350個のフィラーが脱落する強度を有し、
    表面処理層の厚さは式1,2でT(μm)で表され、
    押し付け荷重16g/cm、動作電圧13.5V、散水量400ml/minの条件下で行った初期動作時の最大電流値Iと、必要とする動作耐久回数ワイパーブレードを動作させた後の最大電流値I′とが、2.0≦I≦3.5、2.0≦I′≦3.5、且つ0.85≦I′/I≦1.2という条件を満たすシリコーンゴム製ワイパーブレード。
    T≧Dav×A/15 …式1
    4≦Dav≦15 …式2
    ただし、Davは、使用する摺動性フィラーの平均粒径(単位:μm)、Aは必要とする動作耐久回数(単位:万往復回)であり、また、摺動性フィラーの露出数量は、形成された表面処理層の電子顕微鏡写真を基に一定の範囲に存在する摺動性フィラー数を計測し、これを基準にして上記記載の単位面積中の存在数として換算した数値である。
  2. 前記動作耐久回数を20万〜60万往復回に設定したことを特徴とする請求項1に記載のシリコーンゴム製ワイパーブレード。
  3. 前記摺動性フィラーを固定するための前記バインダーの成分が、次式で表されるビニル基含有ポリオルガノシロキサンであり、架橋剤としてハイドロジェンオルガノポリシロキサンを用いており、補強性シリカを含有する付加熱硬化型シリコーンゴムである請求項1に記載のワイパーブレード。
    Figure 0004268017
JP2003383098A 2003-11-12 2003-11-12 ワイパーブレード Expired - Lifetime JP4268017B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003383098A JP4268017B2 (ja) 2003-11-12 2003-11-12 ワイパーブレード

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003383098A JP4268017B2 (ja) 2003-11-12 2003-11-12 ワイパーブレード

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005145166A JP2005145166A (ja) 2005-06-09
JP4268017B2 true JP4268017B2 (ja) 2009-05-27

Family

ID=34691956

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003383098A Expired - Lifetime JP4268017B2 (ja) 2003-11-12 2003-11-12 ワイパーブレード

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4268017B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5049622B2 (ja) * 2007-03-26 2012-10-17 株式会社ミツバ ワイパブレード
DE102009003234B4 (de) * 2009-05-19 2024-05-16 Robert Bosch Gmbh Verfahren zur Herstellung eines Wischgummis, Wischgummi und Verwendung von mit einem Adhäsionsmittel beschichteten Polymerpartikeln
JP5606306B2 (ja) * 2010-12-24 2014-10-15 三井化学株式会社 エチレン重合体組成物およびそれを用いた塗料
EP2780203B1 (en) * 2011-11-18 2020-02-19 Federal-Mogul Corporation Windscreen wiper device
JP2020100338A (ja) * 2018-12-25 2020-07-02 株式会社豊田自動織機 樹脂ガラス用ワイパ構造及びワイパラバー

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005145166A (ja) 2005-06-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8304068B2 (en) Composition for coating wiper blade rubbers, coating method using the same, and wiper blade rubbers made therefrom
JP5837516B2 (ja) フロントガラス処理剤とワイパーブレードとの組合せ
US7776400B2 (en) Wiper blade and method for producing the same
EP1059213A2 (en) Silicone rubber-based wiper blade for vehicle windows
CN1204989A (zh) 刮水板及其制造方法
WO2015080202A1 (ja) ワイパーブレードゴム用コーティング剤及びそれを用いたワイパーブレードゴム
JP4073686B2 (ja) コーティング組成物およびワイパーブレード
JP4268017B2 (ja) ワイパーブレード
US11247639B2 (en) Wiper blade rubber
KR20090018515A (ko) 와이퍼블레이드용 고무를 코팅하기 위한 테프론 조성물 및 이의 코팅 방법
JP4162729B2 (ja) ワイパーブレードゴム用塗料組成物
JP2007063518A (ja) 自己潤滑性有機シリコーンゴム材料、その製造方法、及び自己潤滑性有機シリコーンゴム材料で製造される製品
JP2000016253A (ja) 交通機関用ワイパーブレード
JP5891129B2 (ja) ワイパーラバー
JP2000118361A (ja) 機能性ワイパーブレード
JPH1134809A (ja) 車両用ワイパーブレード及び車両ウインドガラスの水滴払拭方法
JP3924746B2 (ja) ワイパーブレード
JP2002356571A (ja) 交通機関用ワイパーブレードゴム成形体
KR100988533B1 (ko) 와이퍼블레이드용 고무의 코팅 조성물, 이의 코팅 방법, 및 이로부터 제조된 와이퍼블레이드용 고무
JP3084424U (ja) ワイパーブレード
WO2018030084A1 (ja) ワイパーブレードラバー
JP2001055119A (ja) 交通機関用ワイパーブレード
JP2002079914A (ja) 交通機関用ワイパーブレード
KR101186669B1 (ko) 와이퍼블레이드용 고무의 코팅 조성물
JP4928617B2 (ja) ワイパーブレード用ゴム組成物及びワイパーブレード

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060317

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080730

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080826

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081016

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081118

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090119

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090210

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090219

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4268017

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120227

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120227

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150227

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term