JP5606306B2 - エチレン重合体組成物およびそれを用いた塗料 - Google Patents

エチレン重合体組成物およびそれを用いた塗料 Download PDF

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Description

本発明は、特定の粒子径、粒子径分布を有するエチレン重合体を含む組成物に関する。更には、当該組成物を含む塗料に関する。
ワイパーブレードのような、実質的に水分等を吸収することなくガラス等の対象物から、動的に水分等を除去する払拭機能を有する成形体が汎用的に用いられている。これらの成形体は、それらが例えばガラスの形状に合致、追随し、温度が変化しても軟質のままであることが重要な特徴である。従って、ワイパーブレードは原則的に、エラストマー材から製造され、ゴム材料、例えば天然ゴムやクロロプレンゴム等を実質的に使用する。さらにシリコーンゴムまたはポリウレタンゴムのワイパーブレードも公知の材料として用いられている。
エラストマーは比較的高い動摩擦係数を示すので、ガラス等の対象物表面上の水分等の異物を動的に、より具体的には対象物に対して水平運動させて払拭する際、抵抗が大きく、作動負荷が大きくなる傾向がある。前記の水分等の異物が潤滑膜を形成するに足る量が存在すれば、見かけの摩擦係数は低下し作動負荷は低減するが、払拭性能を高めると、摩擦係数が急激に上昇により、作動負荷の上昇、摩擦によるガタガタ音や対象物であるガラス等に傷付きが発生する場合がある。
この問題点の解決のために、様々な方策が開示されている。例えば、特表2004−518809号公報(特許文献1)には、エラストマーを含むワイパーブレードに、ポリアミド粉末やポリエチレン粉末を塗布する態様が報告されている。
特許文献1には、前記のポリアミド粉末やポリエチレン粉末の粒子径が特に10μmを下回る場合に、前記のガチャガチャ音等の不快な音やワイパーのきしみなどを低減できる、換言すると摺動性を向上できることが記載されている。
一方で、払拭性も併せた拭き取り挙動全般の適合には複数の塗膜形成が必要であることが開示されている。
特表2004−518809号公報
本発明者らの検討によれば、単に粒子径が10μm以下の粒子を含む塗料を塗布したワイパーブレードでは、摺動性は市場の要求水準まで向上するものの、払拭性は市場の要求を満たすような性能を満たすことはできないことが判明した。
従って、本発明が解決するべき課題は、摺動性だけでなく払拭性も向上させ得る材料を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するため検討を行った。その結果、特定の粒子径と粒子径分布を有するエチレン重合体を含む組成物を含む塗料を塗布したワイパーブレードが、摺動性と払拭性とを両立し得る性能を発現することを見出し、本発明を完成した。即ち本発明にかかるエチレン重合体組成物は、
下記要件(i)〜(iii)を満たすエチレン重合体(A)5〜90重量%と、
(i)平均粒子径が2〜8μm
(ii)累積ふるい下が75%になる粒子径(Dp75)<10.3μm
(iii)累積ふるい下が99%になる粒子径(Dp99)<13.2μm
バインダー樹脂(B)95〜10重量%と、
を含むことを特徴とする。
本発明において、前記エチレン重合体(A)の極限粘度([η])は、3dl/g〜50dl/gであることが好ましい。
また、本発明において、前記バインダー樹脂(B)は、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂から選ばれる樹脂(B−1)と、アミノ樹脂、ポリウレタン樹脂から選ばれる樹脂(B−2)とを含むことが好ましい。
さらに、本発明にかかるワイパーブレードは、前記エチレン重合体組成物を塗布してなることを特徴とする。
本発明のエチレン重合体組成物は、特定の平均粒子径と粒子径分布とを有しているので、ワイパーブレードのような払拭性を有する成形体に塗布する場合に特に有用であり、良好な摺動性と払拭性とを両立することが出来る。
実施例2と比較例6の摺動耐久性試験の結果を示すグラフである。 実施例3と比較例7の摺動耐久性試験(サンシャインウエザロメーター暴露後)の結果を示すグラフである。
以下本発明の構成について詳細に説明する。
本発明は、特定の平均粒子径、粒子径分布を有するエチレン重合体(A)とバインダー樹脂(B)とを含む組成物であることを特徴とする。以下、当該成分について詳説する。
<エチレン重合体(A)>
本発明のエチレン重合体(A)は、平均粒子径が2〜8μmの範囲にあることを特徴とする。より好ましい平均粒子径の下限は3μmである。一方、より好ましい平均粒子径の上限は7μmであり、更に好ましくは6μmである。
更に本発明のエチレン重合体(A)は、特定の粒子径分布を示し、JIS Z8827−1、2008規格に準じて測定される累積篩下が75%になる時の粒子径を示すDp75の値と、同じく累積篩下が99%になる粒子径Dp99が、以下の式1、式2の規定を満たすことを特徴とする。
Dp75<10.3μm ・・・(式1)
Dp99<13.2μm ・・・(式2)
粒子径分布Dp75のより好ましい範囲としては、Dp75<8.8μm、更に好ましくはDp75<7.6μmである。
一方、粒子径分布Dp99のより好ましい範囲としては、Dp99<11.3μm、更に好ましくは、Dp99<9.8μmである。Dp75、Dp99とも原理的に平均粒子径よりも小さな値にはならないので、その下限値は2μmより大きな値であることは自明である。
尚、本発明の粒子の平均粒子径および、前記のDp75,Dp99は、JIS Z8827−1、2008に準拠した以下の方法で特定される。
走査電子顕微鏡(JEOL製、JSM−7001F)を用い画像データを得る。その後、株式会社マウンテック製 画像ソフトMac−View Ver.4により粒子径分布を求める。その累積ふるい下が50%になる粒子径値(Dp50)をもって平均粒子径とする。同様にして同じく累積ふるい下が75%になる粒子径値(Dp75)及び同じく累積ふるい下が99%になる粒子径値(Dp99)とする。
本発明のエチレン重合体(A)の極限粘度は3〜50dl/gである。好ましくは5〜40dl/g、特に好ましくは、7〜30dl/gである。極限粘度が5dl/gを下回るような場合、エチレン重合体(A)の密度は950kg/m以上であることが好ましい。前記の密度は常法により求めることが出来る。例えば、エチレン重合体を190℃で0.5mm厚みのプレスシートに成形し、これを120℃雰囲気で1時間保持し、1時間かけて室温まで冷却したサンプルを用い、密度勾配管に投入することにより求めることが出来る。
本発明のエチレン重合体(A)は、分子量が高い方が摺動性や耐久性に優れる傾向がある。一方、分子量が上記の範囲よりも高過ぎると、重合体自身の生産性の低下や粒子径分布制御に支障が出る可能性がある。
本発明のエチレン重合体(A)は主として、後述する本発明のエチレン重合体組成物の塗膜を形成した際に、その表面に位置した粒子が摺動性の向上に寄与すると考えられる。エチレン重合体(A)の平均粒子径が上記範囲のように小さな値を取れば、塗膜表面の平滑性の向上、および平滑性のムラの低減に寄与すると考えられる。これによって所望の摺動性を発現させることが出来るのではないかと考えられる。また、平滑性ムラの低減は摺動性向上だけでなく、払拭性の向上にも寄与すると考えられる。しかしながら、エチレン重合体(A)の平均粒子径が本発明の規定を満たしていても、比較的大きい粒子が混在しているとその粒子が存在する部位は比較的大きな凹凸が生じやすい。この凹凸の大きな部位は、拭き取り対象物である例えば水分等の拭き残しを生じることになり、自動車のワイパーなどでは水の筋が発生してしまう可能性があると考えられる。
本発明のエチレン重合体(A)は平均粒子径が極めて小さい上に、比較的径の大きな粒子の含有率が低い事を特徴とする。このため、比較的大きい粒子の少ないエチレン重合体(A)は、摺動性だけでなく払拭性にも優れると推測される。
ワイパーブレードなどの形状を主に形成するエラストマーは、その靱性故に、表面形状に比較的凹凸を生じやすい傾向があると考えられる。特許文献1にはワイパーブレードの表面に減摩塗料と記載される前述のバインダー樹脂と同様の樹脂を含む塗料を用いて塗膜を形成した後、特定の粒子径を有するポリアミド樹脂やポリエチレン樹脂を含む塗膜を形成することで、摺動性だけでなく払拭性も含めた挙動全般の適合をなし得ると開示されている。これは前記ワイパーブレードのエラストマー部位の表面の凹凸を、先ず塗膜形成によって平滑性を向上させているのではないかと考えられる。
本発明のエチレン重合体組成物を用いれば、後述の実験例で示す通り、驚くべきことにエラストマー成形体に直接塗布して塗膜を形成するだけで、摺動性と払拭性とを両立することが出来る。これは、本発明のエチレン重合体(A)が、予想外にエラストマー成形体表面の凹凸を消す効果も併せ持っているためではないかと推測される。
このエチレン重合体(A)は公知の方法を用いて製造することが出来るが、具体例としては、国際公開第2006/54696号パンフレットに記載の方法を用いて製造することが好ましい例である。この技術は、粒子径が小さく粒子径分布の狭い触媒成分を形成することが容易であると考えられ、更にはその触媒を用いてエチレンの重合を行うことで、粒子径が小さく、粒子径度分布の狭いエチレン重合体を製造するのに適している。
このような製造方法の具体的な例としては、
(A’)マグネシウム含有微粒子と、
(B’)遷移金属化合物とを含む
固体触媒成分と、
(C’)有機金属化合物、さらに所望により
(D’)非イオン性界面活性剤から構成される重合触媒成分の存在下に、
エチレン単独またはエチレンと炭素原子数3〜6の直鎖または分岐のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種以上のモノマーを重合させる方法を挙げることができる。
以下に、前記の固体触媒成分を構成する成分について説明する。
(A’)マグネシウム含有微粒子
マグネシウム含有微粒子(A’)は、マグネシウム原子、アルミニウム原子および炭素原子数1〜20のアルコキシ基を共に含有し、炭化水素溶媒に不溶であり、レーザー回折散乱法で測定したメジアン径(d50)が、0.05μm≦d50≦1.0μmであることが好ましい。より好ましい下限値は、0.07μmであり、更に好ましくは0.10μmである。一方、より好ましい上限値は、0.8μmであり、更に好ましくは0.5μmである。
前記マグネシウム含有微粒子(A’)は、ハロゲン化マグネシウムと炭素原子数1〜20のアルコールを接触(以下、この接触を「第1接触」と呼ぶ場合がある。)させ、次いで、特定の条件下にて、有機アルミニウム化合物と接触(以下、この接触を「第2接触」と呼ぶ場合がある。)させることにより得られる。
ハロゲン化マグネシウムとしては、塩化マグネシウム、臭化マグネシウムが好ましく用いられる。
炭素原子数1〜20のアルコールとしては、炭素原子数1〜20のアルコキシ基に対応したアルコールを例示でき、好ましい例示としてメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、i−アミルアルコール、ヘキサノール、ヘプタノール、2−エチルヘキサノール、オクタノール、ウンデセノール、ドデカノール、テトラデカノール、ヘキサデカノール、オクタデカノール、2−オクチルドデカノール、エイコサノールなどが挙げられる。
ハロゲン化マグネシウムと炭素原子数1〜20のアルコールとを接触させる場合は、溶媒存在下にて行ってもよい。溶媒としては、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素またはこれらの混合物などを例示することができる。これらのうち、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素を好ましく用いることができる。
接触は通常、加熱下にて行われる。加熱する場合は、その温度は使用する溶媒の沸点までの温度を任意に選択することが好ましい。接触時間は接触温度やアルコールの種類および重量、マグネシウム化合物の種類、重量および形状などにもよるが、たとえば溶媒としてn−デカンを使用し加熱温度130℃の条件下においては、約4時間の接触により、内容物が均一化現象を呈しこれが接触完了の目安となる場合がある。接触する際には、通常撹拌などにより接触を促す装置を利用して実施される。接触の開始時は通常不均一な系であるが、接触が進行するとともに内容物は徐々に均一化し、最終的には液状化することが好ましい。
このようにして調製されたハロゲン化マグネシウムと炭素原子数1〜20のアルコールとの接触化物(以下、「第1接触化物」と呼ぶ場合がある。)は、接触時に使用した溶媒類を除去して用いてもよいし、溶媒を留去することなく使用してもよい。通常は溶媒を留去することなく次段の工程に供される。
上記の方法で得られた第1接触化物は、次いで下記一般式(1)で表される有機アルミニウム化合物との接触、すなわち第2接触をさせる。
AlR3−n ・・・(1)
一般式(1)において、Rは炭素原子数1〜20の炭化水素基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基を挙げることができる。Xは塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子または水素原子を示す。nは1〜3の実数を示し、好ましくは2または3である。Rが複数である場合、各Rは同じでも異なっていてもよく、Xが複数である場合、各Xは同じでも異なっていてもよい。有機アルミニウム化合物としての好ましい例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドが挙げられる。
第2接触時における、前記一般式(1)で表される有機アルミニウム化合物の使用量は、通常は、第1接触化物中のマグネシウム原子の量に対して0.1〜50倍モル、好ましくは0.5〜30倍モル、より好ましくは1.0〜20倍モル、さらに好ましくは1.5〜15倍モル、特に好ましくは2.0〜10倍モルのアルミニウム原子となるような有機アルミニウム化合物量である。
第2接触により担体を調製する方法のうち、特に好ましい第2接触の形態を以下に述べる。
第1接触化物と前記一般式(1)で表される有機アルミニウム化合物の接触に際しては、たとえばマグネシウム化合物の炭化水素希釈溶液と、炭化水素溶媒に希釈した有機アルミニウム化合物とを接触させるなどの両液状物の反応による手段が好ましい。その際の有機アルミニウム化合物の使用量は、その種類、接触条件によって異なるが、マグネシウム化合物1モルに対し、通常2〜10モルとするのが好ましい。固体生成物は、その形成条件によって形状や大きさなどが異なってくる。たとえばマグネシウム化合物と有機アルミニウム化合物とを互いに液状状態で接触混合して相互反応によって固体生成物を形成させる場合には、それらの接触によって急速に固体が生じないような低い温度で両者を混合した後、昇温して徐々に固体生成物を形成させる方法が、形状、粒子径の揃った固体生成物を得るためには好ましい。この方法によれば、固体生成物の超微粒領域での粒子径制御が容易で、粒子径分布の極めて狭い超微粒で球状の固体生成物を得やすい。
(B’)遷移金属化合物
遷移金属化合物(B’)については、特に限定はないが、例えば、以下の文献に開示されたものを使用することができる。
1)特開平11−315109号
2)特開2000−239312号
3)EP−1008595号
4)WO01/55213号
5)特開2001−2731号
6)EP−1043341号
7)WO−98/27124号
8)Chemical Review 103, 283 (2003)
9)Bulletin of the Chemical Society of Japan 76, 1493 (2003)
10)Angewandte Chemie, Internatinal Edition.English 34 (1995)
11)Chemical Review 8, 2587 (1998) 2587
12)国際公開第2006/054696号パンフレット
これらのうち、特に好ましい化合物としては、特開平11−315109号や国際公開第2006/054696号パンフレットに例示される以下の構造を有する化合物が挙げられる。
本発明において後述する固体触媒成分は不活性溶媒中で、常圧下、室温で1分〜1時間撹拌しても、遷移金属化合物(B’)の溶媒への溶解分が各1重量%以下であることが好ましい。
本発明のマグネシウム含有微粒子(A’)と遷移金属化合物(B’)とを含む固体触媒成分を得る方法としては、不活性溶媒中、マグネシウム含有微粒子(A’)と遷移金属化合物(B’)とを所定時間撹拌混合後、濾取する方法を挙げることが出来る。この際に加熱操作を行ってもよい。不活性溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素や、ヘキサン、ヘプタン、デカンなどの脂肪族飽和炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環式炭化水素、エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素またはこれらの混合物を例示できる。加熱する場合の温度は、用いる溶媒にもよるが通常、その溶媒の凝固点以上の温度〜200℃であり、好ましい上限は150℃である。撹拌混合時間は、温度にもよるが通常、30秒〜24時間、好ましくは10分〜10時間である。濾取は通常の有機製造化学で用いられている濾過方法を採用することができる。必要に応じて濾別した固体成分を前記で例示した芳香族炭化水素や脂肪族炭化水素で洗浄してもよい。
なお、固体触媒成分を調製する際に、必要に応じて、電子供与体を用いることができる。電子供与体としては、アルコール類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸、酸ハライド類、有機酸または無機酸のエステル類、エーテル類、酸アミド類、酸無水物、アンモニア、アミン類、ニトリル類、イソシアネート、含窒素環状化合物、含酸素環状化合物などが挙げられる。
より好適なものとしては、有機酸エステル、有機ケイ素化合物またはポリエーテル化合物などが挙げられる。
有機酸エステルとしては、下記一般式(2)で示される骨格を有する多価カルボン酸エステルを特に好ましい例として挙げることができる。
上記式(2)中、Rは置換または非置換の炭化水素基を示し、R、R、Rは、水素原子または置換もしくは非置換の炭化水素基を示し、R、Rは水素原子または置換もしくは非置換の炭化水素基を示し、好ましくはその少なくとも一方が置換または非置換の炭化水素基である。またRとRとは互いに連結されて環状構造を形成していてもよい。炭化水素基R〜Rが置換されている場合の置換基は、N、O、Sなどの異原子を含み、たとえば、C−O−C、COOR、COOH、OH、SOH、−C−N−C−、NHなどの基を有する。
このような多価カルボン酸エステルとしては、具体的には、コハク酸ジエチル、コハク酸ジブチル、メチルコハク酸ジエチル、α−メチルグルタル酸ジイソブチル、メチルマロン酸ジエチル、エチルマロン酸ジエチル、イソプロピルマロン酸ジエチル、ブチルマロン酸ジエチル、フェニルマロン酸ジエチル、ジエチルマロン酸ジエチル、ジブチルマロン酸ジエチル、マレイン酸モノオクチル、マレイン酸ジオクチル、マレイン酸ジブチル、ブチルマレイン酸ジブチル、ブチルマレイン酸ジエチル、β−メチルグルタル酸ジイソプロピル、エチルコハク酸ジアルリル、フマル酸ジ−2−エチルヘキシル、イタコン酸ジエチル、シトラコン酸ジオクチルなどの脂肪族ポリカルボン酸エステル;1,2−シクロヘキサンカルボン酸ジエチル、1,2−シクロヘキサンカルボン酸ジイソブチル、テトラヒドロフタル酸ジエチル、ナジック酸ジエチルなどの脂環式ポリカルボン酸エステル;フタル酸モノエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸メチルエチル、フタル酸モノイソブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸エチルイソブチル、フタル酸ジn−プロピル、フタル酸ジイソプロピル、フタル酸ジn−ブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジn−ヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジn−オクチル、フタル酸ジネオペンチル、フタル酸ジデシル、フタル酸ベンジルブチル、フタル酸ジフェニル、ナフタリンジカルボン酸ジエチル、ナフタリンジカルボン酸ジブチル、トリメリット酸トリエチル、トリメリット酸ジブチルなどの芳香族ポリカルボン酸エステル;3,4−フランジカルボン酸などの異節環ポリカルボン酸エステルなどが挙げられる。
有機ケイ素化合物としては、下記一般式(3−1)または(3−2)で表される化合物を特に好ましい例として挙げることができる。
n−Si−(OR4−n ・・・(3−1)
(式(3−1)中、nは1、2または3であり、nが1のとき、Rは2級または3級の炭化水素基を示し、nが2または3のとき、Rの少なくとも1つは2級または3級の炭化水素基を示し、他は炭化水素基を示し、複数のRは同一であっても異なっていてもよく、Rは炭素原子数1〜4の炭化水素基であって、4−nが2または3であるとき、Rは互いに同一でも異なっていてもよい。)
上記式(3−1)で示されるケイ素化合物において、2級または3級の炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、置換基を有するこれらの基またはSiに隣接する炭素が2級または3級である炭化水素基が挙げられる。
これらのうち、ジメトキシシラン類、特に下記一般式(3−2)で示されるジメトキシシラン類が好ましい。
(式(3−2)中、RおよびRは、それぞれ独立に、シクロペンチル基、置換シクロペンチル基、シクロペンテニル基、置換シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、またはSiに隣接する炭素が2級炭素または3級炭素である炭化水素基を示す。)
前記式(3−2)で表される有機ケイ素化合物として具体的には、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ジ−t−ブチルジメトキシシラン、ジ−(2−メチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ジ−(3−メチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ジ−t−アミルジメトキシシランなどが挙げられる。
有機ケイ素化合物としては、下記一般式(3−3)で表される有機ケイ素化合物を用いることもできる。
−Si−(OR’)4−n ・・・(3−3)
(式(3−3)中、RおよびR’は、アルキル基、アリール基、アルキリデン基などの炭化水素基であり、0<n<4である。)
上記式(3−3)で示される有機ケイ素化合物として具体的には、ジフェニルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジn−プロピルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
ポリエーテル化合物としては、複数の原子を介して存在する2個以上のエーテル結合を有し、少なくとも2個のエーテル結合(C−O−C)との間(C−O−CとC−O−Cとの間)に複数の原子が存在している化合物を挙げることができる。
具体的には、少なくとも2個のエーテル結合(C−O−C)がその間を複数の原子を介在して繋がれており、この複数の原子が、炭素、ケイ素、酸素、イオウ、リン、ホウ素、あるいはこれらから選択される2種以上である化合物などを挙げることができる。
また、これらエーテル結合間を繋いでいる原子は、炭素、水素、酸素、ハロゲン、窒素、硫黄、リン、ホウ素およびケイ素から選択される少なくとも1種の元素を有する置換基を有することができる。このうちエーテル結合間に存在する原子に比較的嵩高い置換基が結合しており、エーテル結合間を繋ぐ原子に複数の炭素原子が含まれる化合物が好ましい。
このような2個以上のエーテル結合を有する化合物としては、たとえば、下記一般式(4)で示される化合物を挙げることができる。
上記式(4)において、mは2≦m≦10の整数であり、R11,R12,R31〜R36は炭素、水素、酸素、ハロゲン、窒素、硫黄、リン、ホウ素およびケイ素から選択される少なくとも1種の元素を有する置換基であり、任意のR11,R12,R31〜R36、好ましくはmが2以上の場合のR31〜R36は共同してベンゼン環以外の環を形成していてもよく、主鎖中に炭素以外の原子が含まれていてもよい。
上記のような2個以上のエーテル結合を有する化合物のうち、1,3−ジエーテル類が好ましく、特に、2−イソプロピル−2−イソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジシクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ビス(シクロヘキシルメチル)1,3−ジメトキシプロパンが好ましい。
続いて、重合触媒成分の構成要素である(C’)有機金属化合物および(D’)非イオン性界面活性剤について説明する。
(C’)有機金属化合物
(C’)有機金属化合物としては重合触媒成分の構成要素として用いることのできる公知の有機金属化合物を使用することが出来る。その中でも、具体的には下記一般式(5)で表される有機アルミニウム化合物を用いることができる。
Al(OR ・・・(5)
(式(5)中、RおよびRは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜20、好ましくは1〜10の炭化水素基、より好ましくは1〜8の炭化水素基を示す。Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。)
このような化合物の具体例として、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムエトキシドを例示することができる。
(D’)非イオン性界面活性剤
本発明において所望により用いられる非イオン性界面活性剤(D’)は、下記の(D’−1)ポリアルキレンオキサイドブロック、(D’−2)高級脂肪族アミド、(D’−3)ポリアルキレンオキサイド、(D’−4)ポリアルキレンオキサイドアルキルエーテル、(D’−5)アルキルジエタノールアミン、(D’−6)ポリオキシアルキレンアルキルアミンから選ばれる1種以上の化合物が好ましく使用される。
このような非イオン系界面活性剤は、室温で液体であるものが取り扱い性の点で好ましい。また、このような非イオン系界面活性剤は、原液または溶媒で希釈後、溶液で使用することができる。なお、本発明でいう「希釈」とは、非イオン系界面活性剤と非イオン系界面活性剤に対して不活性な液体とが混合された状態のもの、または分散された状態のものも全て含む。すなわち、溶液または分散体であり、より具体的には、溶液、サスペンジョン(懸濁液)またはエマルジョン(乳濁液)である。その中でも、非イオン系界面活性剤と溶媒が混合し、溶液状態となるものが好ましい。
前記の不活性な液体として、たとえば脂肪族炭化水素や脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、不飽和脂肪族炭化水素、ハロゲン化炭化水素などが挙げられる。この中でも脂肪族炭化水素や脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素の場合は、非イオン系界面活性剤と混合することにより溶液状態となるものが好ましい。さらに好ましくは、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油、鉱物油などの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環式炭化水素と非イオン(D’)イオン性界面活性剤を用いることによって、懸濁重合時の重合器壁、攪拌羽根へのポリマー付着を防止し、生産性を向上させることができる。
本発明のエチレン系重合体(A)は、エチレンに由来する構成単位が90〜100モル%、炭素原子数3〜6の直鎖または分岐α−オレフィンから選ばれる1種以上のモノマーに由来する構成単位が0〜10モル%の割合で含まれることが好ましい。
炭素原子数3〜6の直鎖、または分岐α―オレフィンとしてはプロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテンが挙げられ、この中ではプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4―メチル−1−ペンテンが好ましい。
以下に、前記重合触媒成分によるエチレンを含むオレフィンの重合方法についてさらに説明する。
前記固体触媒成分は、オレフィンが予備重合されていてもよい。更に好ましくはエチレンでえ予備重合を行う方法を例示することが出来る。
また本発明では、重合は懸濁重合法または気相重合法において実施することが好ましい。懸濁重合法において用いられる不活性炭化水素媒体として具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素またはこれらの混合物などを挙げることができ、オレフィン自身を溶媒として用いることもできる。
上記のような重合触媒成分を用いて、エチレン系重合体の製造を行うに際して、遷移金属化合物(B’)は、反応容積、すなわち、懸濁重合の場合は重合反応器中の反応系の液相部の容積、気相重合の場合は重合反応器中の反応に関与する部分の容積1リットル当り、(B’)成分中の遷移金属原子として、通常10−11〜10ミリモル、好ましくは10−9〜1ミリモルとなるような量で用いられることが好ましい。
有機金属化合物(C’)は、前記マグネシウム含有微粒子(A’)100重量%に対し、0.1〜500重量%、望ましくは0.2〜400重量%で用いられることが好ましい。
界面活性剤(D’)は、前記マグネシウム含有微粒子(A’)100重量%に対し、0〜5000重量%、望ましくは0〜2000重量%の割合で用いられることが好ましい。
また、重合温度は、通常−50〜+200℃、好ましくは0〜170℃の範囲である。重合圧力は、通常、常圧〜100kg/cm、好ましくは常圧〜50kg/cmの条件であり、重合反応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。さらに重合を反応条件の異なる2段以上に分けて行うことも可能である。
得られるエチレン系重合体の分子量は、例えば重合系に水素を存在させる方法や、重合温度を変化させること等によって調節することができる。さらに、使用する(C’)成分の種類や使用量により調節することもできる。
これらの他には、既存のエチレン重合体を破壊、解砕し、更には必要に応じて分級する方法も挙げることが出来る。但し、エチレン重合体は結晶化度が高く、緻密な結晶構造を持つので上記の方法で本発明の規定のエチレン重合体粒子を得るには、特にその分子量が高い場合、比較的多くのエネルギーを要する可能性がある。
本発明のエチレン重合体(A)は、必要に応じてマレイン酸やメタクリル酸などの有機酸化合物での変性や、電子線等の高エネルギー光線照射による改質を受けることが出来る。
<バインダー樹脂(B)>
バインダー樹脂(B)としては、公知のバインダー樹脂を制限無く用いることが出来る。好ましくは塗料用のバインダー樹脂である。好ましい具体例としては、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アミノ樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。
また、本発明に用いられるバインダー樹脂(B)は、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂から選ばれる樹脂(B−1)と、アミノ樹脂、ポリウレタン樹脂から選ばれる樹脂(B−2)とを含むことが好ましい。
さらに、本発明に用いられるバインダー樹脂(B)は、例えば塗料などのような目的に利用される場合、粘度調整等を目的に、必要に応じて、アルコール系溶剤、炭化水素系溶剤、エステル系溶剤、エーテル系溶剤、ケトン系溶剤および水などを使用することができる。
樹脂(B−1)と樹脂(B−2)の比率は、例えば、樹脂(B−2)がアミノ樹脂の場合には、樹脂(B−1)/樹脂(B−2)の重量比が60/40〜100/0であることが好ましい。更に好ましくは、樹脂(B−1)/樹脂(B−2)の重量比が75/25〜85/15である。
樹脂(B−2)がポリウレタン樹脂の場合、樹脂(B−1)のOH基と樹脂(B−2)のNCO基の当量比(OH/NCO)は、1.6/1〜0.8/1が好ましい。更に好ましくは1.2/1〜0.9/1である。
樹脂(B−1)の一例であるポリエステル樹脂は、多価カルボン酸と多価アルコールとが縮合した構造を有する化合物が好ましく用いられる。このようなカルボン酸としては、たとえば、コハク酸、マレイン酸、フタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、1,2−ヘキサヒドロフタル酸、メチル−1,2−ヘキサヒドロフタル酸、1,2−テトラヒドロキシフタル酸、メチルテトラヒドロキシフタル酸、およびそれらの酸無水物や、イソフタル酸、テレフタル酸、メチルテレフタル酸、メチルイソフタル酸、フマル酸、セバシン酸、シュウ酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、1,3−ヘキサヒドロフタル酸、メチル−1,3−ヘキサヒドロフタル酸、1,3−テトラヒドロキシフタル酸、1,4−ヘキサヒドロフタル酸、メチル−1,4−ヘキサヒドロフタル酸、1,4−テトラヒドロキシフタル酸などが挙げられる。これらのカルボン酸は、一種類で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
また、多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチルプロパンジオール、シクロヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、トリメチロールエタン、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、ヒドロキシビバリルヒドロキシビバレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。これらの多価アルコールは、一種類で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。さらに、1分子中にカルボキシル基と水酸基を持つ化合物やその環化物、たとえばε−カプロラクトンなどを必要に応じて用いることもできる。
このようなポリエステル重合体のうち、市販品として入手が可能なものとしては、アルマテックスPシリーズ[三井化学(株)]、バーノック[DIC(株)]、ニッポラン[日本ポリウレタン工業(株)]、デスモフェン[住友バイエルウレタン(株)]、バイロン[東洋紡(株)]などが挙げられる。
また、樹脂(B−1)の一例であるアクリル樹脂としては、水酸基含有不飽和モノマー、酸基含有不飽和モノマーおよびその他の不飽和モノマーから選択された不飽和モノマー混合物を重合させることにより得ることができる。水酸基含有不飽和モノマーとしては、特に限定されず、例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、プラクセルFM1(ε−カプロラクトン変性ヒドロキシエチルメタクリレート、ダイセル化学社製)、ポリエチレングリコールモノアクリレートまたはモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレートまたはモノメタクリレートなどが挙げられる。酸基含有不飽和モノマーとしては、特に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸などのカルボン酸類などが挙げられる。その他の不飽和モノマーとしては、特に限定されず、例えば、アクリル酸またはメタクリル酸のメチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、エチルヘキシル、ラウリルなどのエステル基含有アクリル系単量体;ビニルアルコールと酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸とのビニルアルコールエステル系単量体;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ブタジエン、イソプレンなどの不飽和炭化水素系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル系単量体;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドなどのアクリルアミド系単量体などが挙げられる。
このようなアクリル樹脂のうち、市販品として入手が可能なものとしては、アルマテックス[三井化学(株)]、アクリデック[DIC(株)]、ヒタロイド[日立化成工業(株)]などが挙げられる。
樹脂(B−2)の一例であるアミノ樹脂としては、例えば、メチロール化メラミン又はメチロール化尿素のメチロール基の一部又は全部を炭素数1〜8の1価アルコール、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノール等で、エーテル化した部分エーテル化又はフルエーテル化メラミン樹脂や尿素樹脂の他、エーテル化メラミンと尿素との共縮合樹脂が挙げられる。
これらは、メチロール基がすべてエーテル化されているか、又は部分的にエーテル化され、メチロール基やイミノ基が残存しているものも使用できる。メチルエーテル化メラミン、エチルエーテル化メラミン、ブチルエーテル化メラミン等のアルキルエーテル化メラミンを挙げることができ、1種のみ、又は必要に応じて2種以上を併用してもよい。
このような条件を満たすメラミン樹脂のうち、市販品として入手が可能なものとしては、例えばユーバン[三井化学(株)]、サイメル[日本サイテックインダストリーズ(株)]、スーパーベッカミン、ベッカミン[DIC(株)]、メラン[日立化成工業(株)]などが挙げられる。
樹脂(B−2)の一例であるポリウレタン樹脂としては、特に限定されず、イソシアヌレート基、ウレトジオン基、ウレタン基、アロファネート基、ビウレット基および/またはオキサジアジン基を含むヘキサメチレンジイソシアネートまたはイソホロンジイソシアネート、メタキシレンジイソシアネートなどが挙げられる。
このようなポリウレタン樹脂のうち、市販品として入手が可能なものとしては、タケネート[三井化学(株)]、デュラネート[旭化成(株)]などが挙げられる。
本発明のエチレン重合体組成物は後述するように塗料として調製したうえで、ワイパーブレードの製造に利用することが出来る。この場合、塗液は、前述の媒体を含め、シンナー等で粘度調整した後に塗装を行う。調整後の塗料粘度は岩田粘度カップNK−2で5〜40秒となるよう行うことが好ましい。さらに好ましくは岩田粘度カップNK−2で10〜15秒となるよう行う。前記塗料粘度が5未満では、タレや光沢むらを生じ、40を超えると、乾湿感が得られず、光沢むらを生じ、肌荒れの原因になることがある。
<エチレン重合体組成物>
本発明のエチレン重合体組成物は、前記エチレン重合体(A)5〜90重量%と前記バインダー樹脂(B)95〜10重量%を含むことを特徴とする。但し前記の数値はエチレン重合体(A)とバインダー樹脂(B)との合計が100重量%であることを前提とする。更には、エチレン重合体(A)5〜90重量%、樹脂(B−1)76〜8重量%、樹脂(B−2)19〜2重量%とを含むエチレン重合体組成物であることが好ましい。
エチレン重合体(A)の含有率の好ましい下限値は10重量%であり、より好ましくは20重量%である。一方好ましい上限値は80重量%であり、より好ましくは70重量%である。
本発明は小さな粒子径で、特定の粒子径分布を有するエチレン重合体(A)を用いているので、その含有率が比較的少なくても例えばハンドリングの良い塗料に活用することが出来、またワイパーブレードに塗布した場合、良好な摺動性能、払拭性能を得ることが出来ると考えられる。更には、分子量が高いため変質され難いと考えられることから優れた耐久性をも示す。エチレン重合体(A)の含有率が5重量%を下回ると、充分な摺動性が得られなくなる場合がある。一方、その含有率が90重量%を上回るとワイパーブレードに塗布した場合等に、充分な塗膜平滑性が得られず、払拭性を損なう場合がある。
本発明のエチレン重合体組成物は、本発明の目的を損なわない範囲内で、前記のエチレン重合体(A)、バインダー樹脂(B)以外の成分を含有することが出来る。このような成分として具体的にはポリアミド樹脂粒子、グラファイト、シリカ、アルミナなどの金属酸化物等の公知の成分を制限無く例示することが出来る。
本発明のエチレン重合体組成物は、そのまま塗料として用いることが出来る場合があるが、媒体を併用することが好ましい。ここで、当該媒体は公知の媒体を制限無く用いることが出来る。具体的には有機溶媒系、アルコール系、水系等が挙げられ、使用目的によって適宜選択される。例えばワイパーブレードなどに用いる場合、基材がオレフィン系の重合体であることが多いので、有機溶媒系が好ましく用いられる。
<ワイパーブレード>
本発明におけるワイパーブレードの好ましい態様は、エラストマーを主体とする自動車用ワイパーブレードに上記エチレン重合体組成物を含む塗料を塗布、乾燥させる態様である。この塗膜1種だけでもエラストマー形材への接着を改良し、摺動性だけでなく、払拭性をも向上させることが出来る。
前記の塗膜形成方法は、公知の方法を制限無く用いること出来る。好ましくは、被着体と塗料のバインダー樹脂との界面強度を高める等の目的でプライマー処理を併用する方法である。
上記の他にも電車や航空機などの各種輸送用機器のウィンドウワイパーや、ガラス窓掃除用の携帯ワイパー(ハンドワイパー)等の、各種払拭用途に好適に用いられる。
又、自動車のグラスランチャネルの摺動材としても好適である。
以下、本発明の態様を実施例にて紹介するが、本発明がこの実施例の範囲内に制限されるものではない。
<マグネシウム含有担体成分のメジアン径(d50)および変動係数(Cv)>
以下の実施例において、マグネシウム含有担体成分のメジアン径(d50)および変動係数(Cv)は、レーザー回折散乱法(Beckman Coulter社製LS−13320)によって測定した。
<極限粘度[η]>
エチレン系重合体粒子の極限粘度[η]は、デカリン溶媒を用いて、135℃にて測定した。すなわち、造粒ペレット約20mgをデカリン15mLに溶解し、135℃のオイルバス中で比粘度ηSPを測定する。このデカリン溶液にデカリン溶媒を5mL追加して希釈後、同様にして比粘度ηSPを測定する。この希釈操作をさらに2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηSP/Cの値を極限粘度として求める。
<エチレン重合体の平均粒子径および粒子径分布>
エチレン重合体の平均粒子径および粒子径分布は前述の通り、JIS Z8827−1,2008の方法に準じて測定した。
[合成例1]
(マグネシウム含有微粒子(a)の調製)
国際公開第2006/54696号パンフレットの実施例1に記載の方法に準じ、実施条件を調整して、マグネシウム含有担体成分のトルエンスラリーを調製した。得られたマグネシウム含有微粒子(a)のメジアン径(d50)は0.64μm、Cv値は10.2%であった。また、以上の操作によって調製したマグネシウム含有微粒子(a)スラリーのマグネシウム濃度は0.3333mmol/mL、アルミニウム濃度は0.0382mmol/mLであった。
[合成例2]
(固体触媒成分(b)の合成)
窒素置換した1Lのガラス製反応器にトルエン790mLを入れ、攪拌下、上記で調製したマグネシウム含有微粒子(a)のトルエンスラリー182mL(マグネシウム原子換算で60mmol)を装入した。次に、下記遷移金属化合物(c)のトルエン溶液20.0mL(ジルコニウム原子換算で0.003mmol)を15分かけて滴下し、室温で1時間反応させた。その後、反応物を濾過し、トルエン500mLで3回、デカン500mLで2回洗浄、濾過した後、デカン600mLを加えて固体触媒成分(b)のデカンスラリーを調製した。得られた固体触媒成分(b)のスラリーの一部を採取して濃度を調べたところ、Zr濃度0.00000482mmol/mL、Mg濃度0.1mmol/mLであった。
[合成例3]
(エチレン重合体(d)の合成)
充分に窒素置換した内容積1Lのステンレス製オートクレーブに、ヘプタン500mLを装入し、室温でエチレン100L/hrを15分間流通させ、液相および気相を飽和させた。続いて65℃に昇温した後、エチレンを35L/hrで流通させたまま、トリエチルアルミニウムのデカン溶液(アルミニウム原子換算で1.0mmol/mL)1.25mL、固体触媒成分(b)を50mL(ジルコニウム原子換算で0.000241mmol)を加え、温度を維持したまま3分間攪拌した。その後、エマルゲン108(花王製)のトルエン溶液(15mg/mL)2.67mLを装入し、エチレンの昇圧を開始した。温度を65℃に維持したまま、15分かけてエチレン圧を0.9MPaに昇圧し、圧力を維持するようエチレンを供給しながら25分間重合を行った。その後、オートクレーブを冷却し、エチレンを脱圧した。得られた白色固体を含むスラリーを濾過後、ヘキサンで洗浄し、80℃で10時間減圧乾燥することにより、白色固体74.0gを得た。さらに得られた白色固体をイソブチルアルコール(415mL)、アセチルアセトン(250mL)の混合溶液の中に入れ、98℃にて1.5時間反応した。反応終了後、重合体スラリーをメタノールで洗浄しながらろ過し、80℃で10時間減圧乾燥することにより、[η]17.7dl/g、平均粒子径3.2μm、Dp75が3.5μm、Dp99が4.6μmのエチレン重合体(d)を得た。
[合成例4]
(被着体−1の製造)
三井EPT PX−049PE(三井化学株式会社製) 130重量部、亜鉛華 5重量部、ステアリン酸 1重量部、カーボンブラックN550(昭和キャボット製)160重量部、ホワイトンSB(白石カルシウム製)30重量部、ダイアナプロセスPS−430(出光興産製)85重量部、加硫促進剤サンセラーM 1.5重量部、サンセラーTT 0.8重量部、サンセラーBZ 0.8重量部、サンセラー22 0.8重量部、加硫剤粉末硫黄 1.5重量部を一般的な方法で混練後、170℃で12分プレス加硫し、縦120mm横140mm厚さ2.2mmの加硫ゴムシートを作成した。
当該加硫ゴムシートは、塗料との密着性を向上させるためにプライマーを塗布した。プライマーはユニストールP401(マレイン化ポリプロピレン樹脂含有溶液)(三井化学株式会社製)をソルベッソ100(原油蒸留留分)(エクソンモービル製)で2倍に希釈し、スプレーガンで塗布後、25℃で5分間室温乾燥したのち、さらに80℃3分間加熱乾燥した。
当該方法によって得られたものを被着体−1とした。
[合成例5]
(被着体−2の製造)
トヨタ自動車製「アルファード」(型式;CBA−ANH10W)用ワイパーブレードゴム純正品(部品番号V98NG−D651)を用い、表面をアラミド繊維製手袋(株式会社マックス製)で擦り、既存固体摺動材を除去した(除去品)。
除去度合いは走査電子顕微鏡(日立製作所製、S−4700)で観察し、ほぼ完全にゴム生地表面が露出していることを確認し、アセトン洗浄、乾燥した。
当該ワイパーブレードゴムは、塗料との密着性を向上させるためにプライマーを塗布した。プライマーはユニストールP401(マレイン化ポリプロピレン樹脂含有溶液)(三井化学株式会社製)をソルベッソ100(原油蒸留留分)(エクソンモービル製)で2倍に希釈し、スプレーガンで塗布後、25℃5分室温乾燥さらに80℃3分加熱乾燥した。
当該方法によって得られたものを被着体−2とした。
[実施例1]
前記合成例3で製造したエチレン重合体(d)24重量部と、バインダー樹脂として、アルマテックスP646(三井化学株式会社製ポリエステル樹脂)8重量部とユーバン10S60(三井化学株式会社社製尿素樹脂)2重量部とを、塗料用媒体であるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)26重量部に混合し、自転、公転ミキサーを用いて、混合分散させた。更に、PMA90部を追加混合し、エチレン重合体を含む塗料とした。
合成例4で製造した被着体−1に、前記塗料をスプレーガンで塗装後、25℃で5分間室温乾燥し、さらに120℃で30分間加熱乾燥し塗装体−1を得た。
新東科学株式会社製往復磨耗試験機30S(学振磨耗試験機I型、JIS−L0849,2004準拠)を用い、ガラス板(縦30mm×横30mm×厚さ3mm)を摩擦子と呼ばれる治具に固定し、摩擦子に200gの荷重を掛け、500mm/分の速度で前記塗装体−1の表面に前記ガラス板を滑らせ、動摩擦係数(μK)を測定した。結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1において、エチレン重合体(d)24重量部を、グラファイトBF 3A(株式会社 中越黒鉛工業所製;平均粒子径3μm)24重量部に変えた以外は、実施例1と同様の方法により塗料を調製し、被着体−1に塗装して塗装体−1を製造し、動摩擦係数(μK)を測定した。結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1において、エチレン重合体(d)24重量部を、エチレン重合体−1(平均粒子径120μm、極限粘度[η]14.0dl/g)24重量部に変えた以外は、実施例1と同様の方法により塗料を調製し、被着体−1に塗装して塗装体−1を製造し、動摩擦係数(μK)を測定した。結果を表1に示す。
[比較例3]
実施例1において、エチレン重合体(d)24重量部を、エチレン重合体−2(平均粒子径30μm、極限粘度[η]14.0dl/g)24重量部に変えた以外は、実施例1と同様の方法により塗料を調製し、被着体−1に塗装して塗装体−1を製造し、動摩擦係数(μK)を測定した。結果を表1に示す。
[比較例4]
実施例1において、エチレン重合体(d)24重量部を、エチレン重合体−3(平均粒子径10μm、極限粘度[η]13.0dl/g)24重量部に変えた以外は、実施例1と同様の方法により塗料を調製し、被着体−1に塗装して塗装体−1を製造し、動摩擦係数(μK)を測定した。結果を表1に示す。
[比較例5]
実施例1において、エチレン重合体(d)を用いず、バインダー樹脂として、アルマテックスP646(三井化学株式会社製ポリエステル樹脂)8重量部とユーバン10S60(三井化学株式会社社製尿素樹脂)2重量部のみを、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)20重量部に混合し、自転、公転ミキサーを用いて、混合分散させ、塗料とした。
得られた塗料を被着体−1に塗装して塗装体−1を製造し、動摩擦係数(μK)を測定した。結果を表1に示す。

[実施例2]
新東科学株式会社製往復磨耗試験機30S(学振磨耗試験機I型、JIS−L0849,2004準拠)を用い、摩擦子にガラス(外径7mm×内径5mm×長さ20mm)を固定し、摩擦子に500gの荷重を掛け、往復60回/分の試験速度で、実施例1で製造した塗装体−1の表面に前記ガラス管を往復させ、経時的に動摩擦係数を求めた。結果を表2および図1に示す。
[比較例6]
実施例2において、実施例1で製造した塗装体−1を、比較例1で製造した塗装体−1に変えた以外は実施例2と同様の方法で経時的に動摩擦係数を求めた。結果を表2および図1に示す。
[実施例3]
実施例1で製造した塗装体−1を、サンシャインウエザロメーター(暴露条件はJIS−K7350−4、1996に準じ、カーボンアーク、ブラックパネル温度63℃、降水18分/120分)に200時間、および400時間暴露後、実施例2と同じ試験を行い、経時的に動摩擦係数を求めた。結果を表3および図2に示す。
[比較例7]
実施例3において、実施例1で製造した塗装体−1を、比較例1で製造した塗装体−1に変えた以外は実施例3と同様の方法で経時的に動摩擦係数を求めた。結果を表3および図2に示す。
[実施例4]
合成例5で製造した被着体−2に、実施例1で調整した塗料をスプレーガンで塗装後、25℃で5分間室温乾燥し、さらに120℃で30分間加熱乾燥し、塗装体−2を得た。
前記塗装体−2をトヨタ自動車製アルファード(型式:CBA−ANH10W)のワイパーアームに装着し、JIS−D5710、1998に準じ、雰囲気温度27℃、湿度65%でふき性能試験を行い、目視で確認されるライン数で評価した。ライン数が少ないことが良い結果であることを意味している。結果を表4に示した。
[比較例8]
実施例4において、実施例1で調整した塗料を、比較例1で調整した塗料に変えた以外は、実施例4と同様の方法により塗装体−2を製造し、ふき性能試験を行った。結果を表4に示した。
[比較例9]
実施例4において、実施例1で調整した塗料を、比較例3で調整した塗料に変えた以外は、実施例4と同様の方法により塗装体−2を製造し、ふき性能試験を行った。結果を表4に示した。
[比較例10]
実施例4において、実施例1で調整した塗料を、比較例4で調整した塗料に変えた以外は、実施例4と同様の方法により塗装体−2を製造し、ふき性能試験を行った。結果を表4に示した。
[比較例11]
グラファイトを含むとされるトヨタ自動車製アルファードの純正ワイパーゴムから前記の方法で固体摺動剤を除去したもの(除去品)を用いて、ガラス面払拭試験を行った。結果を表4に示した。
[参考例1]
グラファイトを含むとされるトヨタ自動車製アルファードの純正ワイパーゴムを用いて、ガラス面払拭試験を行った。結果を表4に示した。
グラファイトを含む構成を有するこの参考例1と比較例1とのガラス面払拭試験の結果が類似であることは、本発明の実施例、比較例のガラス面払拭試験の評価方法としての妥当であることを示していると考えられる。

本発明に係るエチレン重合体を含む樹脂組成物は、従来のエチレン重合体やグラファイト等に比して、ワイパーなどの表面部材に用いた場合、優れた摺動性と払拭性と耐久性とを併せ持つことは、上記の結果から明らかである。
これらの効果は、本発明のエチレン重合体が有する粒子径と粒子径分布特性に由来すると考えられる。
本発明にかかるエチレン重合体組成物は、特定の粒子径と粒子径分布を有するため、エラストマー成形体等の表面の凹凸を消す効果も併せ持っていると想定される。従って、
当該組成物をワイパーブレード等の塗布した場合に特に、摺動性だけでなく払拭性も含めた挙動全般に適した部材と成り得る。

Claims (4)

  1. 下記要件(i)〜(iii)を満たし、135℃、デカリン中における極限粘度([η])が3dl/g〜50dl/gであるエチレン重合体(A)5〜90重量%と、
    (i)平均粒子径が2〜8μm
    (ii)累積ふるい下が75%になる粒子径(Dp75)<10.3μm
    (iii)累積ふるい下が99%になる粒子径(Dp99)<13.2μm
    バインダー樹脂(B)95〜10重量%と、
    を含むエチレン重合体組成物。
  2. 前記エチレン重合体(A)の135℃、デカリン中における極限粘度([η])が、dl/g〜40dl/gであることを特徴とする請求項1に記載のエチレン重合体組成物。
  3. 前記バインダー樹脂(B)が、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂から選ばれる樹脂(B−1)と、アミノ樹脂、ポリウレタン樹脂から選ばれる樹脂(B−2)とを含むことを特徴とする請求項1または2に記載のエチレン重合体組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のエチレン重合体組成物を塗布してなるワイパーブレード。
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