JP2000297249A - はっ水性塗料及びその塗膜 - Google Patents

はっ水性塗料及びその塗膜

Info

Publication number
JP2000297249A
JP2000297249A JP2000030883A JP2000030883A JP2000297249A JP 2000297249 A JP2000297249 A JP 2000297249A JP 2000030883 A JP2000030883 A JP 2000030883A JP 2000030883 A JP2000030883 A JP 2000030883A JP 2000297249 A JP2000297249 A JP 2000297249A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paint
water
coating
specific gravity
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000030883A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiichiro Mizuno
誠一郎 水野
Yasuhiro Tsukamoto
康弘 塚本
Chiemi Matsuda
千恵美 松田
Tsutomu Yanagawa
勉 柳川
Masaya Fujino
正家 藤野
Takehito Ota
健仁 太田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTT Advanced Technology Corp
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
NTT Advanced Technology Corp
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTT Advanced Technology Corp, Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical NTT Advanced Technology Corp
Priority to JP2000030883A priority Critical patent/JP2000297249A/ja
Publication of JP2000297249A publication Critical patent/JP2000297249A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期にわたり安定な超はっ水性を有する高純
度の四フッ化エチレン樹脂シリコーン樹脂混合塗料及び
その塗膜を基礎に、気泡や塗料の粘性による塗膜欠陥が
生じず、浸漬塗装、はけ塗り塗装に対応できる塗料及び
その塗膜を開発し、提供する。 【解決手段】 長期にわたり安定した超はっ水性を有す
る高純度の四フッ化エチレン樹脂シリコーン樹脂混合塗
料及びその塗膜(特願平10―217518)におい
て、有機溶剤の種類、特性を塗料中の気泡が少ない状態
が得られる範囲に限定した。また、好ましくは、塗料の
作製工程中に脱泡処理を行う。その結果、塗料中の気泡
の大半が取り除かれ、塗料中の比重変化率が非常に低く
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、はっ水性の塗料及
びその塗膜に関する。詳しくは、四フッ化エチレン(以
下「PTFE」という。)樹脂粉末をシリコーン樹脂バ
インダ及び有機溶剤中に分散させた四フッ化エチレン樹
脂シリコーン樹脂混合塗料及びその塗膜に関する。塗膜
は塗料を被塗物に塗布後、有機溶剤が揮発した後に乾燥
硬化して得られるものである。
【0002】
【従来の技術】はっ水性塗料及び塗膜は、はっ水性や難
着雪性、難着氷性が必要とされる多くの物品に使用され
ている。従来のはっ水性塗料として代表的なフッ素樹脂
塗料は、耐候性、耐汚染性に優れる塗料として、建築、
自動車等の分野で利用されている。これらは、フルオロ
オレフィンと種々の炭化水素との共重合体を利用した1
成分系の塗料である。これらの塗料を用いて形成された
塗膜の接触角は80度前後で、さほど高いはっ水性を有
していない。
【0003】それに比べ、フッ素系樹脂バインダとフッ
素系樹脂粉末を用いた2成分系の塗料は、高いはっ水性
を有し得る。しかし、長期にわたり安定な超はっ水性の
塗料を得ることは困難であった。ところで、特願平10
―217518に記載のように、長期にわたり安定な超
はっ水性を有する塗料が、高純度の四フッ化エチレン粉
末を使用することにより得られるようになった。これら
のはっ水性塗料を用いた塗膜は、高いはっ水性及び難着
氷性を持ち、長期にわたりその性能を維持することが可
能である。しかし、浸漬塗装やはけ塗り塗装による塗膜
形成には難点があった。
【0004】その第一の原因としては、塗料中の気泡の
存在があげられる。気泡が存在する場合、塗膜上に気泡
から起因する凹部が生じたり、気泡の大きさによっては
基板が露出し、ピンホールが出現する等、塗膜性能や美
観性に大きな損失を与える。このような気泡が存在する
場合の塗膜断面構造模式図を図2に示す。基板4上には
っ水性微粒子1を多量に含むシリコーン樹脂バインダ2
が塗布される。そのシリコーン樹脂バインダ2からはっ
水性微粒子1が頭を露出させた構造になっている。しか
し、このシリコーン樹脂バインダ2中に気泡がある場
合、浸漬塗装やはけ塗り塗装の際、又は塗膜乾燥後に気
泡による塗膜欠陥3が生成し、その結果、基板4が表面
に露出することになり、塗膜性能の低下及び美観性の損
失の原因となる。また、他の原因として塗料中の固形成
分濃度があげられる。固形成分濃度が低い場合、塗料粘
度が下がるため乾燥過程で塗膜中の固形成分が自重で落
下し、粘性による塗膜欠陥5が出現してしまう。
【0005】塗膜が高いはっ水性、難着氷性を持つため
には、高純度のPTFE粉末を使用しなければならな
い。また、管の内壁などの複雑な形状への塗装、塗料の
飛散を避けなければならない場所等での塗装では、エア
スプレ塗装が出来ず、それぞれ、浸漬塗装、はけ塗り塗
装が必要である。しかし、PTFE樹脂粉末自身の表面
自由エネルギーが低いため、溶剤、樹脂へのなじみが悪
く、その結果、塗料中に分散させた時に気泡を多量に巻
き込む。そのため、浸漬塗装、はけ塗り塗装を行った場
合に気泡による塗膜欠陥が生じる。また、塗料の粘性に
よっては固形成分が自重で落下するため、塗膜欠陥が生
じる等、成膜性に問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決するために、長期にわたり安定な超はっ水性を有
する高純度の四フッ化エチレン樹脂シリコーン樹脂混合
塗料及びその塗膜(特願平10―217518に記載さ
れている)を基礎に、使用有機溶剤、樹脂の選択、塗料
作成時の脱泡処理の検討、また、塗料中の構成成分の比
率の検討等を行い、気泡や塗料の粘性による塗膜欠陥が
生じず、浸漬塗装、はけ塗り塗装に対応できる塗料及び
その塗膜を開発し、提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によるはっ水性塗
料は、赤外吸収スペクトルにおいて、末端基として存在
するカルボニル基が示す1800cm-1近傍のピーク強
度の、C−F結合による500cm-1近傍のピーク強度
に対する比が0.05以下である四フッ化エチレン樹脂
粉末と、ポリオルガノシロキサン或いはそれらの一部が
フッ素化されたポリフッ化オルガノシロキサンのうち少
なくとも一種もしくは二種以上を含むシリコーン樹脂バ
インダと、フッ素系溶剤、炭化水素系溶剤、アルコール
系溶剤、トルエン、キシレンのうち、一種類の有機溶剤
もしくは複数種類の混合有機溶剤で、25℃で、表面張
力が16〜22dyne/cm、比重が0.6〜1.6
である有機溶剤とを含み、塗料全体の比重変化率が10
%以下であることを特徴とする。
【0008】長期にわたり安定した超はっ水性を有する
高純度の四フッ化エチレン樹脂シリコーン樹脂混合塗料
及びその塗膜(特願平10―217518に記載されて
いる)において、有機溶剤の種類、特性を塗料中の気泡
が少ない状態が得られる範囲に限定したものである。
【0009】また、好ましくは、塗料の作製工程中に脱
泡処理を行うことを特徴とする。その結果、塗料中の気
泡の大半が取り除かれ、具体的には塗料中の比重変化率
が非常に低くなる。この場合、有機溶剤の表面張力及び
比重の条件が不要になる。
【0010】また、好ましくは、前記四フッ化エチレン
樹脂粉末と前記シリコーン樹脂バインダを固形成分と
し、その固形成分中の体積分率がそれぞれ40〜50
%、50〜60%で構成され、また、はっ水性塗料中の
固形成分が20〜40重量%で、前記一種類の有機溶剤
もしくは複数種類の混合有機溶剤が60〜80重量%で
あることを特徴とする。はっ水性塗料各構成成分の比率
を塗料中の気泡が少ない状態が得られる範囲に限定した
ものである。なお、脱泡処理を行なった場合は、はっ水
性塗料中の固形成分が20〜50重量%で、有機溶剤が
50〜80重量%となる。脱泡処理の効果として、塗料
中の気泡が減少するので、固形成分が40〜50重量%
の範囲も適用可能となる。同様に、有機溶剤の表面張力
及び比重の条件が不要になる。
【0011】また、本発明による塗膜は、この塗料を浸
漬塗装又ははけ塗り塗装することにより得られることを
特徴とする。この塗膜構造断面模式図を図1に示す。基
板4上にはっ水性微粒子1を多量に含むシリコーン樹脂
バインダ2が塗布されるが、ミクロ的にはそのシリコー
ン樹脂バインダ2からはっ水性微粒子1が頭を露出させ
た構造になっている。これらの塗膜は、気泡から起因す
る凹部やピンホールのような塗膜欠陥がないので、マク
ロ的には非常に平滑な塗膜となる。また、本塗料は、浸
漬塗装及びはけ塗り塗装以外のエアスプレ塗装等にも有
効である。
【0012】本発明の塗料を用いて形成した塗膜は、高
いはっ水性を有するため、はっ水性や難着雪性、難着氷
性が必要とされる多くの物品に使用することが出来る。
また、浸漬塗装及びはけ塗り塗装において非常に平滑な
塗膜を得ることができるため、複雑な形状の物品に対応
できる。また、エアスプレ塗装による塗料飛散を避けな
ければならない場合などに対応できる。複雑な形状の具
体的な例としては、管の内壁、熱交換機のフィン、網な
どがあげられる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明によるはっ水性塗料は、P
TFE樹脂粉末、シリコーン樹脂バインダ、フッ素系溶
剤、炭化水素系溶剤、アルコール系溶剤、トルエン、キ
シレンのうち一種類の有機溶剤もしくは複数種類の混合
有機溶剤を含むことを特徴とする。さらに、本発明にお
けるはっ水性塗料の構成要件を列挙すると下記のとおり
である。
【0014】(1)PTFE樹脂粉末は、赤外吸収スペ
クトルにおいて、末端基として存在するカルボニル基が
示す1800cm-1近傍のピーク強度の、C−F結合に
よる500cm-1近傍のピーク強度に対する比が0.0
5以下であることを特徴とする。
【0015】この粉末は高いはっ水性を得られる材料で
ある。なお、ピーク比とは、赤外吸収スペクトルにおい
て、末端基として存在するカルボニル基が示す1800
cm -1近傍のピーク強度の、C−F結合による500c
-1近傍のピーク強度に対する比をいい、(式1)で示
される。
【数1】
【0016】(2)シリコーン樹脂バインダは、ポリオ
ルガノシロキサン或いはそれらの一部がフッ素化された
ポリフッ化オルガノシロキサンのうち少なくとも一種も
しくは二種以上を含むことを特徴とする。
【0017】一般にはっ水性微粉末の表面自由エネルギ
ーよりバインダの表面自由エネルギーの方が大きい。両
者の表面自由エネルギーの差が小さいほど、濡れ性が良
くなる。その結果、塗料作製時に、空気の巻き込みが小
さくなり、比重変化率(後述、(式2)参照)が小さく
なるため、バインダの表面自由エネルギーが小さいほど
好適である。表面自由エネルギーは表面張力により評価
できるが、本発明に関わるPTFE樹脂粉末の表面張力
は18.5dyne/cm程度またはそれ以下であり、
シリコーン樹脂バインダの表面張力は22.2dyne
/cm程度で、他のバインダに比してかなり低く、シリ
コーン樹脂バインダの表面自由エネルギーは十分小さい
といえる。
【0018】(3)有機溶剤は、フッ素系溶剤、炭化水
素系溶剤、アルコール系溶剤、トルエン、キシレンのう
ち、一種類の有機溶剤もしくは複数種類の混合有機溶剤
であり、25℃で、その表面張力は16〜22dyne
/cm、比重は0.6〜1.6であることを特徴とす
る。 本発明に関わるPTFE樹脂粉末は表面自由エネ
ルギーが非常に小さいため、有機溶剤の表面自由エネル
ギーも小さいほどPTFE樹脂粉末の塗料構成物へのな
じみが良くなり、また、塗料全体の比重変化率も小さく
なる。そのため、有機溶剤の表面自由エネルギーが小さ
いほど好適である。本発明による有機溶剤の表面張力は
16〜22dyne/cmで、他の有機溶剤に比してか
なり低く、小さい比重変化率の塗料を得るために十分と
いえる。また、本発明に関わるPTFE樹脂粉末の比重
は2.3程度である。はっ水性粉末との比重の差が大き
いと、塗料中でのはっ水性粉末の沈降が早くなるため、
浸漬塗装やはけ塗り塗装の際の作業性に問題となる。混
合溶剤の比重は、25℃で0.6〜1.6であり、比重
の差としては、十分小さく、沈降の問題はないといえ
る。
【0019】本発明に係る有機溶剤の構成要素について
は、フッ素系溶剤として、HCFC−225ca(1,
1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプ
ロパン)、HCFC−225cb(1,3−ジクロロ−
1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン)、C4
9OCH3(メチルパーフルオロイソブチルエーテル又
はメチルパーフルオロブチルエーテル)、C49OC2
5(エチルパーフルオロイソブチルエーテル又はエチ
ルパーフルオロブチルエーテル)等が、炭化水素系溶剤
として、n−ヘプタン(ノルマルヘプタン)、ヘキサ
ン、イソオクタン等が挙げられる。これらの溶剤はいず
れも常温で液体であり、表面張力が20dyne/cm
以下であり、汎用の溶剤であるアルコール系溶剤(メチ
ルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコ
ール)、トルエン、キシレンと混合して使用できるもの
である。また、アルコール系溶剤として、メチルアルコ
ール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、そ
の他の有機溶剤として、トルエン、キシレン等は単独で
は20dyne/cm以下ではないが、上記フッ素系溶
剤と混合して使用でき、表面張力を16〜22dyne
/cm、比重を0.6〜1.6の範囲に調整可能であ
る。そして、所定の表面張力及び比重の範囲に入るもの
であれば、一種類であれ、複数種類の混合溶剤であれ、
本発明に適用可能である。なお、表1に、これら有機溶
剤の構成要素の25℃における比重及び表面張力を示
す。
【表1】
【0020】(4)塗料の構成比率は以下のものが好適
である。 (4a)塗料中の固形成分の構成比率(体積分率)は、
PTFE樹脂粉末が40〜50%、シリコーン樹脂バイ
ンダが50〜60%であるものが好適である。
【0021】塗料中の固形成分を構成しているPTFE
樹脂粉末とシリコーン樹脂バインダの体積分率をPTF
E樹脂粉末5%〜55%まで変化させた際の接触角及び
着氷せん断力の変化を図3に示す。ここで、塗膜のはっ
水性・難着氷性の評価方法について述べる。水の接触角
θは、はっ水性の目安として最も良く知られており、そ
の角度が大きい程はっ水性が高い。はっ水性は協和界面
科学社製の接触角計を用いて評価した。本実施例及び比
較例の塗膜表面に約4μl(4×10-93)の水滴を
滴下し、水の接触角θを測定した。測定は室温23℃で
行い、測定数5点の平均値を用いた。図3において、接
触角θは、固形成分中のPTFE樹脂粉末の比率が増え
るに従って大きくなっていく。接触角θが大きければは
っ水性が増すことになるので、はっ水性を十分発現させ
るためには、PTFE樹脂粉末の含有量を増やす必要が
ある。
【0022】難着氷性は、着氷せん断力テスターによっ
て塗膜の着氷せん断力を測定した。図4に着氷せん断力
テスターの構成を示す。この着氷せん断力テスターは、
基板6上に塗布した塗膜7上に設置した直径32mmの
円筒状のテフロンリング8に囲まれた氷9をステンレス
ワイヤー10を用いて塗膜7と平行な方向11へ一定速
度で引っ張り、氷が脱離するまでの荷重変化を読み取る
装置であるロードセル12で、氷9が脱離しない最大の
荷重を読み取り、着氷せん断力とした。測定は−5℃で
行い、測定数3点の平均値を用いた。着氷せん断力が小
さいほど難着氷性が増すといえる。
【0023】図3において、着氷せん断力は、固形成分
中のPTFE樹脂粉末の比率が増えるに従って小さくな
っていく。着氷せん断力は小さければ難着氷性が増すこ
とになるので、難着氷性を十分発現させるためには、P
TFE樹脂粉末の含有量を増やす必要がある。しかし、
PTFE樹脂粉末を体積分率55%にしたところで、着
氷せん断力が急に増大する。これは、PTFE樹脂粉末
が増えたことにより表面荒さが増し、アンカー効果によ
って着氷せん断力が大きくなったものである。よって、
固形成分中のPTFE樹脂粉末の体積比率は40〜50
%が最適といえる。
【0024】(4b)塗料を構成する固形成分の比率
(以下、「固形分率」という)は、脱泡処理を行わない
場合(請求項3の場合)は20〜40重量%、有機溶剤
が60〜80重量%、脱泡処理を行う場合(請求項4の
場合)は、固形分率が20〜50重量%、有機溶剤が5
0〜80重量%であるものが好適である。
【0025】固形成分中のPTFE樹脂粉末の体積比率
が50%である塗料において、固形分率を10重量%〜
60重量%まで変化させ、アルミ基板を浸漬塗装し形成
させた塗膜の接触角θ及び塗膜の中心線平均粗さRaの
変化を図5に示す。中心線平均粗さRaは、表面の粗さ
の目安として知られており、その値が小さいほど平滑な
表面である。中心線平均粗さRaは、東京精密社製の表
面粗さ形状測定機を用いて評価した。塗膜上の中心線平
均粗さを測定し、測定数3点の平均値を用いた。固形分
率が小さい場合、塗料の粘度が下がり、塗膜中の固形成
分が自重で落下してしまうため、図2において塗膜欠陥
5の面積が大きくなる。そのため、はっ水性が損なわれ
る。よって、はっ水性を十分発現させるためには、固形
分率を20重量%以上にする必要がある。また、固形分
率が大きい場合、塗料中のはっ水性粉末の占める重量比
が大きくなるため、塗料工程中で気泡を巻き込みやすく
なる。そのため、図2において気泡による塗膜欠陥3が
多くなり、表面に凹凸ができるため中心線平均粗さRa
が大きくなる。また、中心線平均粗さRaが大きくなる
と、表面の平滑性が失われるためアンカー効果によって
着氷せん断力が大きくなる。よって、表面の平滑性を得
るためには、脱泡処理を行わない場合は固形分率を40
重量%以下に、脱泡処理を行う場合は固形分率を50重
量%以下にしなければならない。
【0026】(5)塗料全体の比重変化率が10%以下
であることを特徴とする。また、塗料作製工程において
脱泡処理を行うことが好適である。
【0027】塗料作製の手順は以下の通りである。ま
ず、使用するPTFE樹脂粉末を有機溶剤中に前分散さ
せる。この段階で、凝集していたPTFE樹脂粉末が分
散され、なおかつ凝集状態の粉末集団中に存在していた
気泡の大部分が取り除かれる。その後、シリコーン樹脂
バインダを加え、本分散する。この時点でも塗料中のか
なりの気泡が取り除かれるが、最終段階で脱泡処理を行
うとより好適である。なお、脱泡処理を行う場合におい
ても前分散及び本分散時の気泡の巻き込みを少なくする
ために、使用する溶剤はフッ素系溶剤、炭化水素系溶
剤、アルコール系溶剤、トルエン、キシレンのうち、一
種類の有機溶剤もしくは複数種類の混合有機溶剤で、2
5℃で、表面張力が16〜22dyne/cm、比重が
0.6〜1.6である有機溶剤を使用することが好適で
ある。
【0028】脱泡処理は、塗料の存在する系を減圧する
ことで行うことが出来る。塗料を減圧のできるデシケー
タ中に入れ、系を徐々に減圧していく。減圧度が高くな
るにつれて塗料中の気泡の大きさが徐々に大きくなり、
塗料の上方に移動し、その気泡がはじける。これによ
り、塗料中の気泡を取り除くことが出来る。このように
作製された塗料は、塗料中の気泡による比重変化率が1
0%以下と小さくなる。
【0029】比重変化率は(式2)のように表される。
【数2】
【0030】塗料中に含まれる気泡(空気)が全くない
場合、構成材料のそれぞれの比重と材料の構成比率から
算出される理論比重と塗料の見かけ比重は等しくなる。
よって、比重変化率は0%となる。実際の塗料中には気
泡が存在しているため、見かけ比重は理論比重に比べて
小さくなる。(式2)で表される比重変化率は気泡の存
在が少ないほど小さくなる。
【0031】また、本発明によるはっ水性塗膜は、上記
本発明によるはっ水性塗料を浸漬塗装またははけ塗り塗
装することにより形成されることを特徴とする。
【0032】この塗膜は、接触角がは150度以上で、
またせん断着氷せん断力が150gf/cm2以下の良
好な特性を実現できる。また、塗膜面が平滑であり、中
心線平均粗さが5μm以下の良好な特性を実現できる。
【0033】
【実施例1】まず、本発明の第1の実施例として試料1
を作製した。さらに、比較例1〜5を作製し、性能を比
較した。
【0034】(試料1)平均分子量5000、平均粒径
0.88μmの末端基までのフッ素化の程度が高いPT
FE樹脂粉末(ピーク比=0.01)と、n−ヘプタン
とフッ素系溶剤HCFC―225caの重量比が5:1
で構成された混合有機溶剤(25℃で、表面張力19.
0 dyne/cm、比重0.83)をモーターミルを
用いて混合し、前分散とした。その後、ポリオルガノシ
ロキサン樹脂を加えてモーターミルによって本分散し、
塗料とした。
【0035】なお、塗料中の成分比率として、 塗料中 固形成分:30重量%、混合有機溶剤:70重
量% さらに、固形成分の構成(体積分率) PTFE樹脂粉末:50%、シリコーン樹脂バインダ:
50% とした。また、この塗料の比重変化率は5.0%であっ
た。
【0036】この塗料をアルミ基板に浸漬塗装を行って
塗膜を形成した。この塗膜のアルミ基板における接触角
は153度、着氷せん断力は57gf/cm2、中心線
平均粗さは1.4μmであった。
【0037】(比較例1)試料1と同様のPTFE樹脂
粉末とトルエン(25℃で、表面張力28.4dyne
/cm、比重0.86)をモーターミルを用いて混合
し、前分散とした。その後、ポリオルガノシロキサン樹
脂を加えてモーターミルによって本分散し、塗料とし
た。この塗料は、試料1に比して使用した有機溶剤の表
面張力が非常に大きいため、はっ水粉末が溶剤となじみ
にくく、そのため気泡を大量に巻き込み、ホイップ状に
なった。この塗料の比重変化率は、37.2%であっ
た。
【0038】この塗料をアルミ基板に浸漬塗装を行って
塗膜を形成した。塗料がホイップ状であったため、塗膜
は凹凸の多いスポンジ状となった。この塗膜のアルミ基
板における接触角は153度であり、中心線平均粗さは
10.2μmであった。
【0039】(比較例2) 試料1と同様のPTFE樹
脂粉末と、試料1と同様の混合有機溶剤(25℃で、表
面張力19.0 dyne/cm、比重0.83)をモ
ーターミルを用いて混合し、前分散とした。その後、ポ
リオルガノシロキサン樹脂を加えてモーターミルによっ
て本分散し、塗料とした。
【0040】なお、塗料中の成分比率として、 塗料中 固形成分:10重量%、混合有機溶剤:90重
量% さらに、固形成分の構成(体積分率) PTFE樹脂粉末:50%、シリコーン樹脂バインダ:
50% とした。この塗料の比重変化率は、0.1%であった。
【0041】この塗料は試料1に比して固形分率が小さ
い。この塗料をアルミ基板に浸漬塗装を行って塗膜を形
成した。塗料の粘性が低いため、固形成分が自重で落下
し、図2における塗膜欠陥5が多く現れる塗膜となっ
た。この塗膜のアルミ基板における接触角は105度で
あった。
【0042】(比較例3) 試料1と同様のPTFE樹
脂粉末と、試料1と同様の混合有機溶剤(25℃で、表
面張力19.0 dyne/cm、比重0.83)をモ
ーターミルを用いて混合し、前分散とした。その後、ポ
リオルガノシロキサン樹脂を加えてモーターミルによっ
て本分散し、塗料とした。
【0043】なお、塗料中の成分比率として、 塗料中 固形成分:45重量%、混合有機溶剤:55重
量% さらに、固形成分の構成(体積分率) PTFE樹脂粉末:50%、シリコーン樹脂バインダ:
50% とした。この塗料は試料1に比して固形分率が高く、塗
料作成工程において気泡を非常に多く巻き込んだためホ
イップ状となった。この塗料の比重変化率は、35.2
%であった。
【0044】この塗料をアルミ基板に浸漬塗装を行って
塗膜を形成した。塗料がホイップ状であったため、凹凸
の多いスポンジ状の塗膜となった。この塗膜のアルミ基
板における接触角は151度であり、中心線平均粗さは
9.8μmであった。
【0045】(比較例4)試料1と同様のPTFE樹脂
粉末と、試料1と同様の混合有機溶剤(25℃で、表面
張力19.0 dyne/cm、比重0.83)をモー
ターミルを用いて混合し、前分散とした。その後、ポリ
オルガノシロキサン樹脂を加えてモーターミルによって
本分散し、塗料とした。
【0046】なお、塗料中の成分比率として、 塗料中 固形成分:30重量%、混合有機溶剤:70重
量% さらに、固形成分の構成(体積分率) PTFE樹脂粉末:10%、シリコーン樹脂バインダ:
90% とした。
【0047】この塗料は試料1に比して固形成分中のP
TFE樹脂粉末の比率が小さい。この塗料をアルミ基板
に浸漬塗装を行って塗膜を形成した。この塗膜のアルミ
基板における接触角は111度であった。
【0048】(比較例5) 試料1と同様のPTFE樹
脂粉末と、試料1と同様の混合有機溶剤(25℃で、表
面張力19.0 dyne/cm、比重0.83)をモ
ーターミルを用いて混合し、前分散とした。その後、ポ
リオルガノシロキサン樹脂を加えてモーターミルによっ
て本分散し、塗料とした。
【0049】なお、塗料中の成分比率として、 塗料中 固形成分:30重量%、混合有機溶剤:70重
量% さらに、固形成分の構成(体積分率) PTFE樹脂粉末:60%、シリコーン樹脂バインダ:
40% とした。
【0050】この塗料は試料1に比して固形成分中のP
TFE樹脂粉末の比率が大きい。この塗料をアルミ基板
に浸漬塗装を行って塗膜を形成した。この塗膜のアルミ
基板における接触角は153度であり、着氷せん断力は
152gf/cm2、中心線平均粗さは9.8μmであ
った。
【0051】実施例1及び比較例1〜5の塗料構成及び
塗料、塗膜の評価数値をまとめると表2、表3のように
なる。試料1に比して、比較例1及び3は比重変化率と
中心線平均粗さが大きく、比較例2及び4は接触角が小
さく、比較例5は中心線平均粗さが大きく、試料1が比
重変化率、接触角、中心線平均粗さの全てにおいて優れ
た性能を有していることがわかる。
【表2】
【表3】
【0052】
【実施例2】次に本発明の第2の実施例として試料2を
作製した。 (試料2)平均分子量5000、平均粒径0.88μm
の末端基までのフッ素化の程度が高いPTFE樹脂粉末
(ピーク比=0.01)と、n−ヘプタンとフッ素系溶
剤HCFC―225caの重量比が5:1で構成された
混合有機溶剤(25℃で、表面張力19.0 dyne
/cm、比重0.83)をモーターミルを用いて混合
し、前分散とした。その後、ポリオルガノシロキサン樹
脂を加えてモーターミルによって本分散した。その後、
脱泡処理を行った。本分散した塗料を1l容器に300
ml取り出し、減圧可能なデシケータに入れ、ポンプに
より系を減圧した。5分程度で60mmHgまで減圧さ
れ、その状態で5分間減圧し続け、脱泡処理とした。
【0053】なお、塗料中の成分比率として、 塗料中 固形成分:30重量%、混合有機溶剤:70重
量% さらに、固形成分の構成(体積分率) PTFE樹脂粉末:50%、シリコーン樹脂バインダ:
50% とした。この塗料の比重変化率は、4.2%であった。
【0054】この塗料をアルミ基板に浸漬塗装を行って
塗膜を形成した。この塗膜のアルミ基板における接触角
は153度、中心線平均粗さは0.9μmであった。
【0055】試料2は試料1を基に脱泡処理を行ったも
のである。比重変化率及び中心線平均粗さがさらに改良
されていることがわかる。
【0056】
【実施例3】次に本発明の第3の実施例として試料3を
作製した。 (試料3)試料1と同様のPTFE樹脂粉末と、トルエ
ン(25℃で、表面張力28.4dyne/cm、比重
0.86)をモーターミルを用いて混合し、前分散とし
た。その後、ポリオルガノシロキサン樹脂を加えてモー
ターミルによって本分散し、塗料とした。その後、脱泡
処理を行った。本分散した塗料を1l容器に300ml
取り出し、減圧可能なデシケータに入れ、ポンプにより
系を減圧した。5分程度で60mmHgまで減圧され、
その状態で5分間減圧し続け、脱泡処理とした。
【0057】なお、この塗料の構成材料及び塗料構成比
率は、比較例1の塗料と同様である。脱泡処理を行うこ
とにより気泡が取り除かれ、この塗料の比重変化率は
7.3%となった。
【0058】この塗料をアルミ基板に浸漬塗装を行って
塗膜を形成した。この塗膜のアルミ基板における接触角
は152度、中心線平均粗さは1.5μmであった。
【0059】試料3は試料1より表面張力の大きい有機
溶剤を使用しているが、脱泡処理を行ったもので、比重
変化率は試料1に比してやや大きいものの、接触角及び
中心線平均粗さは試料1と同等の値を示している。実施
例1〜3及び比較例1の塗料構成及び塗料、塗膜の評価
数値をまとめると表4、表5のようになる。
【表4】
【表5】
【0060】
【実施例4】次に本発明の第4の実施例として試料4を
作製した。 (試料4)試料1と同様のPTFE樹脂粉末と、試料1
と同様の混合有機溶剤(25℃で、表面張力19.0
dyne/cm、比重0.83)をモーターミルを用い
て混合し、前分散とした。その後、ポリオルガノシロキ
サン樹脂を加えてモーターミルによって本分散し、塗料
とした。その後、脱泡処理を行った。本分散した塗料を
1l容器に300ml取り出し、減圧可能なデシケータ
に入れ、ポンプにより系を減圧した。5分程度で60m
mHgまで減圧され、その状態で5分間減圧し続け、脱
泡処理とした。
【0061】なお、塗料中の成分比率として、 塗料中 固形成分:45重量%、混合有機溶剤:55重
量% さらに、固形成分の構成(体積分率) PTFE樹脂粉末:50%、シリコーン樹脂バインダ:
50% とした。脱泡処理を行うことにより気泡が取り除かれ、
この塗料の比重変化率は6.3%となった。
【0062】この塗料をアルミ基板に浸漬塗装を行って
塗膜を形成した。この塗膜のアルミ基板における接触角
は155度、中心線平均粗さは1.2μmであった。
【0063】実施例4及び比較例3の塗料構成及び塗
料、塗膜の評価数値をまとめると表6、表7のようにな
る。
【0064】試料4は試料2に比して塗料中の固形分率
が大きく、比較例3を基に脱泡処理を行ったものであ
る。比重変化率は試料1に比してやや大きいものの、接
触角及び中心線平均粗さは試料1よりやや優れた値を示
している。
【表6】
【表7】
【0065】以上の実施例において、有機溶剤について
はHCFC−225caとn−ヘプタンとの混合溶剤、
トルエンの場合を説明したが、有機溶剤の構成要素につ
いては、フッ素系溶剤として、HCFC−225ca
(1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフル
オロプロパン)、HCFC−225cb(1,3−ジク
ロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパ
ン)、C49OCH3(メチルパーフルオロイソブチル
エーテル又はメチルパーフルオロブチルエーテル)、C
49OC25(エチルパーフルオロイソブチルエーテル
又はエチルパーフルオロブチルエーテル)等が、炭化水
素系溶剤として、n−ヘプタン(ノルマルヘプタン)、
ヘキサン、イソオクタン等が、アルコール系溶剤とし
て、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピ
ルアルコール等が、その他の有機溶剤として、トルエ
ン、キシレン等が挙げられ、所定の表面張力、比重の範
囲に入れば、一種類であれ、複数種類の混合溶剤であ
れ、本発明に適用可能である。
【0066】また、以上の実施例では、PTFE樹脂粉
末、シリコーン樹脂バインダ等についても、構成要件を
満足する一部の例について説明してきたが、本発明の趣
旨を逸脱しない範囲で、PTFE樹脂粉末のピーク比、
シリコーン樹脂バインダの組成、固形分率、比重変化
率、脱泡処理工程等を変更できることは明白である。ま
た、はけ塗り塗装で形成した塗膜についても、実施例と
同様の特性が確認されている。
【0067】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によるは
っ水性塗料及びその塗膜は、長期にわたり安定な超はっ
水性を有する高純度の四フッ化エチレン樹脂シリコーン
樹脂混合塗料及びその塗膜を基礎に、使用有機溶剤を選
択し、また、好ましくは各構成成分の塗料中の比率を限
定することにより、さらに好ましくは塗料作製に脱泡処
理を加えることにより、浸漬塗装及びはけ塗り塗装を行
った場合でも、気泡や塗料の粘性による塗膜欠陥が生じ
ず、高いはっ水性、難着氷性を有し、良好な成膜性を有
することが明らかである。また、浸漬塗装及びはけ塗り
塗装において非常に平滑な塗膜を得ることができるた
め、複雑な形状の物品に対応でき、また、エアスプレ塗
装による塗料飛散を避けなければならない場合などに対
応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による塗料の塗膜断面模式図である。
【図2】気泡が存在する従来の塗料の塗膜断面模式図で
ある。
【図3】塗料の固形成分中のPTFE樹脂粉末の比率と
接触角、着氷せん断力の関係を示す図である。
【図4】着氷せん断力テスターの構成を示す図である。
【図5】塗料の固形分率と接触角、中心線平均粗さの関
係を示す図である。
【符号の説明】
1 PTFE樹脂粉末 2 シリコーン樹脂バインダ 3 気泡による塗膜欠陥 4 基板 5 固形成分の自重落下による塗膜欠陥 6 基板 7 塗膜 8 テフロンリング 9 氷 10 ステンレスワイヤ 11 塗膜と平行な方向 12 ロードセル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 127/18 C09D 127/18 C09K 3/18 102 C09K 3/18 102 104 104 (72)発明者 塚本 康弘 東京都新宿区西新宿二丁目1番1号 エ ヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株 式会社内 (72)発明者 松田 千恵美 大阪府高槻市紫町3−1 (72)発明者 柳川 勉 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 藤野 正家 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 太田 健仁 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】赤外吸収スペクトルにおいて、末端基とし
    て存在するカルボニル基が示す1800cm-1近傍のピ
    ーク強度の、C−F結合による500cm-1近傍のピー
    ク強度に対する比が0.05以下である四フッ化エチレ
    ン樹脂粉末と、ポリオルガノシロキサン或いはそれらの
    一部がフッ素化されたポリフッ化オルガノシロキサンの
    うち少なくとも一種もしくは二種以上を含むシリコーン
    樹脂バインダと、フッ素系溶剤、炭化水素系溶剤、アル
    コール系溶剤、トルエン、キシレンのうち、一種類の有
    機溶剤もしくは複数種類の混合有機溶剤で、25℃で、
    表面張力が16〜22dyne/cm、比重が0.6〜
    1.6である有機溶剤とを含み、全体の比重変化率が1
    0%以下であることを特徴とするはっ水性塗料。
  2. 【請求項2】赤外吸収スペクトルにおいて、末端基とし
    て存在するカルボニル基が示す1800cm-1近傍のピ
    ーク強度の、C−F結合による500cm-1近傍のピー
    ク強度に対する比が0.05以下である四フッ化エチレ
    ン樹脂粉末と、ポリオルガノシロキサン或いはそれらの
    一部がフッ素化されたポリフッ化オルガノシロキサンの
    うち少なくとも一種もしくは二種以上を含むシリコーン
    樹脂バインダと、フッ素系溶剤、炭化水素系溶剤、アル
    コール系溶剤、トルエン、キシレンのうち、一種類の有
    機溶剤もしくは複数種類の混合有機溶剤とを含み、塗料
    作製工程において脱泡処理を行い、全体の比重変化率が
    10%以下であることを特徴とするはっ水性塗料。
  3. 【請求項3】請求項1記載のはっ水性塗料において、前
    記四フッ化エチレン樹脂粉末と前記シリコーン樹脂バイ
    ンダを固形成分とし、該固形成分中の体積分率がそれぞ
    れ40〜50%、50〜60%で構成され、また、前記
    はっ水性塗料中の該固形成分が20〜40重量%で、前
    記一種類の有機溶剤もしくは複数種類の混合有機溶剤が
    60〜80重量%で構成されることを特徴とするはっ水
    性塗料。
  4. 【請求項4】請求項2記載のはっ水性塗料において、前
    記四フッ化エチレン樹脂粉末と前記シリコーン樹脂バイ
    ンダを固形成分とし、該固形成分中の体積分率がそれぞ
    れ40〜50%、50〜60%で構成され、また、前記
    はっ水性塗料中において該固形成分が20〜50重量%
    で、前記一種類の有機溶剤もしくは複数種類の混合有機
    溶剤が50〜80重量%で構成されることをを特徴とす
    るはっ水性塗料。
  5. 【請求項5】請求項1ないし請求項4記載のはっ水性塗
    料を浸漬塗装又ははけ塗り塗装することにより形成され
    るはっ水性塗膜。
JP2000030883A 1999-02-09 2000-02-08 はっ水性塗料及びその塗膜 Pending JP2000297249A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000030883A JP2000297249A (ja) 1999-02-09 2000-02-08 はっ水性塗料及びその塗膜

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3077299 1999-02-09
JP11-30772 1999-02-09
JP2000030883A JP2000297249A (ja) 1999-02-09 2000-02-08 はっ水性塗料及びその塗膜

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000297249A true JP2000297249A (ja) 2000-10-24

Family

ID=26369187

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000030883A Pending JP2000297249A (ja) 1999-02-09 2000-02-08 はっ水性塗料及びその塗膜

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000297249A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002038102A (ja) * 2000-05-08 2002-02-06 Basf Ag 難湿性表面を形成するための組成物
JP2008110299A (ja) * 2006-10-30 2008-05-15 Hitachi Cable Ltd コーティング部材およびその製造方法
JP2012245724A (ja) * 2011-05-30 2012-12-13 Toppan Printing Co Ltd 撥水機能を有したカード及びその製造方法
JP2015096325A (ja) * 2013-10-11 2015-05-21 日東電工株式会社 薄層転写用シート、電極触媒層付薄層転写用シート、薄層転写用シートの製造方法、および膜電極接合体の製造方法
JP2015189854A (ja) * 2014-03-28 2015-11-02 富士重工業株式会社 混合塗料

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002038102A (ja) * 2000-05-08 2002-02-06 Basf Ag 難湿性表面を形成するための組成物
JP2008110299A (ja) * 2006-10-30 2008-05-15 Hitachi Cable Ltd コーティング部材およびその製造方法
JP2012245724A (ja) * 2011-05-30 2012-12-13 Toppan Printing Co Ltd 撥水機能を有したカード及びその製造方法
JP2015096325A (ja) * 2013-10-11 2015-05-21 日東電工株式会社 薄層転写用シート、電極触媒層付薄層転写用シート、薄層転写用シートの製造方法、および膜電極接合体の製造方法
JP2015189854A (ja) * 2014-03-28 2015-11-02 富士重工業株式会社 混合塗料

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Yousefi et al. Preparation of new superhydrophobic and highly oleophobic polyurethane coating with enhanced mechanical durability
JP6180698B1 (ja) 撥水性被膜及びそれが形成された製品
Jafari et al. Superhydrophobic and icephobic surfaces prepared by RF-sputtered polytetrafluoroethylene coatings
US6579620B2 (en) Water-repellent coating and coating film
US8580027B1 (en) Sprayed on superoleophobic surface formulations
JP2000026844A (ja) 撥水性コーティング用塗料及びその塗膜
JP3340798B2 (ja) フッ素樹脂粉末分散液
Liao et al. Ice accretion on superhydrophobic insulators under freezing condition
US6228932B1 (en) Fluororesin powder liquid dispersion capable of forming thick coatings
Wu et al. Mechanically robust transparent anti‐icing coatings: roles of dispersion status of titanate nanotubes
WO2019236503A1 (en) Coating compositions, processes, and applications for low friction and high durability substrates
CN108485389A (zh) 一种含氟聚合物粉末涂料及其制备方法和用途
Duc et al. Investigate on structure for transparent anti-icing surfaces
JP2000297249A (ja) はっ水性塗料及びその塗膜
Arukalam et al. Anticorrosion and barrier properties appraisal of poly (dimethylsiloxane)–ZnO nanocoating transition from superhydrophobic to hydrophobic state
JP2005132919A (ja) 撥水性および滑水性に優れる表面処理用組成物
Chang et al. Preparation of superhydrophilic nanosilica/polyacrylate hard coatings on plastic substrate for antifogging and frost‐resistant applications
Yamauchi et al. PTEE based water repellent coating for telecommunication antennas
JP3165114B2 (ja) 四フッ化エチレン樹脂シリコーン樹脂混合塗料及びその塗膜
JPH08322732A (ja) 調理用鍋
JP4175323B2 (ja) 撥水性および滑水性に優れる表面処理用組成物
JP4321711B2 (ja) 含フッ素樹脂水性分散液
Guo et al. Fabrication of self-assembled hydrophobic fluorinated silica particulate film
JP6351916B1 (ja) コーティング膜、コーティング組成物および該コーティング膜を備えた物品
JPH1036707A (ja) 撥水性塗料、これを用いた塗膜および塗装製品