JP2012245724A - 撥水機能を有したカード及びその製造方法 - Google Patents
撥水機能を有したカード及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012245724A JP2012245724A JP2011120237A JP2011120237A JP2012245724A JP 2012245724 A JP2012245724 A JP 2012245724A JP 2011120237 A JP2011120237 A JP 2011120237A JP 2011120237 A JP2011120237 A JP 2011120237A JP 2012245724 A JP2012245724 A JP 2012245724A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- card
- water
- repellent
- ink
- repellent function
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Credit Cards Or The Like (AREA)
Abstract
【解決手段】絵柄印刷、熱圧ラミネート工程等により積層体とし、その表裏及び側面に撥水インキを塗布した事を特徴とした撥水機能を有したカード。
【選択図】図1
Description
シンが発生する原因として、ドイツ、北欧などをはじめ各国で脱PVCの方針が示され、国内でも、包装分野や建材分野・産業資材分野ではその流れにある。
カードを構成するシート、あるいはカードに撥水インキを塗布し撥水機能を持たせたことにより、
1、非塩ビカードのポリエステル系シートやホットメルト系接着剤の加水分解による基材シート間の接着強度の劣化、あるいは接着剤そのものの強度の劣化による剥離強度の低下を防止することができ、信頼性の高いカードとすることができるものである。
2、雨や水道水がカードに付着したり、ポケットに入れるなど、汗等の通常の生活で使用する時の環境条件では、湿気によるカード表面の経時的な外観の変化や傷や曇りを防止することができ、カードの信頼性を向上させるものである。
図1に本発明のカードの構成の一例の概略断面図を示す。
本発明における白色コアシート材2の非晶性ポリエステル樹脂は、変性ポリエステル、又は変性ポリエステルとポリカードネートとのポリマーアロイ(以下PETG/PCと略す)である。
変性ポリエステルはエチレングリコールとシクロヘキサンジメタノールをテレフタル酸と共重合させて製造する非晶性の変性ポリエステル(以下PETGと略す)である。このエチレングリコールとシクロヘキサンジメタノールの配合比を変えることで、結晶性及びガ
ラス転移温度を制御することが可能になる。
このカード基材には、例えば磁気記録層を設けることもでき、カード基材の片面あるいは両面に、熱転写タイプの磁気テープを転写する方法や、或いは、カード基材に直接磁気記録層を印刷する方法が用いられる。
通常、カード形状になった後は、エンボッサーにより浮き文字をエンボスし、その文字の上に熱転写箔によりティッピングして色付けしたり、磁気記録層に磁気情報をエンコードしたり、場合によっては顔写真やバーコード等を転写しカードを仕上げる。そして、文字、絵柄印刷層の摩耗等の耐性を向上させる目的で保護層を設けることもできる。
フッ素系としては、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、あるいはそれらの複合体を主成分としたインキとする。この撥水インキは塗布の際、カード基材との密着性、接着性の強度向上のために、イソシアネート系の硬化剤を10重量パーセント以内で入れる。10重量パーセント以上にすると、低分子量成分の比率が上がり、もろくなってしまうので、10重量パーセント以内とする。
撥水インキの塗布厚みは、0.1〜5μmとする。これは、0.1μm以下では、ピンホールが発生しやすく、又、膜強度が弱いので、容易に剥離してしまう問題がある。また、5μm以上でも、柔らかく、膜強度がないので、厚すぎても撥水性が保てないので、塗布厚みは、0.1〜5μmとする。
(実施例1)
カードが磁気テープを有する接触型ICカードの作成について記述する。
1.厚さ0.100mmのPETG/PC主成分である透明外装シート1に磁気テープ8を転写する。その後、厚さ0.600mmPETG/PC主成分である白色コアシート材2と熱ラミネートにより熱融着させ積層体とする。その時、同時に磁気テープ8を基材に埋め込む。熱ラミネートの条件としては、温度110〜150℃の範囲内、また時間としては10〜30分の条件とした。
2.熱ラミネートにより、一体化させた透明外装シート1と白色コアシート材2の積層体を印刷可能な形状・寸法に断裁した。
3.この端部の断裁されたカード基材の透明外装シート1上に、シルク印刷により隠蔽銀印刷4を行う。また、絵柄印刷5としてオフセット印刷を行いUV照射してインキの硬化を行った。
4.絵柄印刷を行った後に、保護層6となる転写箔を積層させて、熱圧によって、表面を平滑化させるためラミネートを行う。これにより表面の平滑性を確保させ、さらにツヤを出させる。このラミネートの条件としては、温度範囲110〜150℃、5〜30分の範囲とした。
5.次に、撥水インキ7の塗布をロールコーターにより行った。撥水インキには、主剤としてDIC株式会社製ディックガードF−90 を、希釈剤として水/アセトン/エチレングリコール=40/40/20(重量パーセント/重量パーセント) を用い、主剤/希釈剤=80/20(重量パーセント/重量パーセント)に希釈し、よく攪拌した。
塗布後の乾燥は、熱風乾燥機により行い、その条件は40〜70℃、10〜30分を範囲とした。
6.一体化の後にカードサイズに分離して所望のカードサイズとした。
7.個別になったカードに所定サイズのミリング加工を入れて、接触型ICモジュール9の取り付け位置を形成させた。
8.ICモジュール9裏面に、ポリエステル系接着シートを熱により仮貼りした。
9.この接着シートが仮貼りされたICモジュールを、ミリング加工で形成されたカードの凹部に転写温度170〜210℃、時間 0.5〜3秒の条件で本接着させ、接触型ICカードとした。
(パッド印刷による側面の撥水インキ塗布も可能であり、その場合は、カードを積層して側面を並べてから、塗布を行った。)
これにより撥水効果のある耐久性のある接触型ICカードが仕上がった。
カードが磁気テープを有する非接触型ICカードで、さらにホットメルト接着剤を使用し
た実施例について記述する。
1.厚さ0.100mmPETG/PC透明外装シート10に磁気テープ8を転写し、その後、熱圧によるラミネートを行い、透明外装シート10と磁気テープ8を一体化させた。さらに磁気テープ8と透明外装シート10との間の段差をなくし平滑な表面とした。
2.使用する透明外装シート10は、PETG/PCで構成された透明樹脂シートである。
3.この磁気テープ8が一体化された透明外装シート10に、スクリーン印刷により絵柄の印刷3を行った。またオフセット印刷によりさらに絵柄の印刷を施した後にUV照射してオフセットインキを硬化させた。
4.厚さ0.150mmポリエステル系ホットメルト層12が積層された厚さ0.1250mm白色センターコアシート材11(合計厚さ0.275mm)のホットメルト側上に、ICチップ9が格納されたアンテナ基板フィルム14を挟み込んだ。
さらにこれを熱ラミネートにより熱融着させる。また磁気テープ8を基材に埋め込みさせた。熱ラミネートの条件としては、温度範囲110〜150℃、時間10〜30分とした。
5.使用するポリエステル系ホットメルトシートは、東亜合成株式会社製PES−111EEWとする。これは白色のものである。また使用する白色センターコア材11の主成分は、PETGとした。
6.絵柄が印刷された透明外装シートを、ICチップが格納されたアンテナ基板フィルム14が埋設された白色センターコア材11の表裏に積層させ、熱ラミネートにより一体化させた。
7.一体化の後に所望の単体サイズに金型を用いて分離して、非接触型ICカードの形態とした。
8.次に、撥水インキ7の塗布をドブ浸けにより行った。撥水インキには、主剤としてDIC株式会社製ディックガードF−90を用いた。また乾燥後の密着性向上のために硬化剤を混合することにした。硬化剤としては旭化成ケミカル株式会社製デュラネート24A−100を所定割合で混合した。希釈剤として水/アセトン/エチレングリコール=40/40/20(重量パーセント/重量パーセント)を用いた。全体の混合割合としては、主剤/硬化剤/希釈剤=77/3/20(重量パーセント/重量パーセント)とし、よく攪拌した。
塗布後の乾燥は、熱風乾燥機により行い、その条件は40〜70℃、10〜30分を範囲とした。
(実施例1)、(実施例2)では磁気テープを有する接触型ICカード、非接触型ICカードとしたが、磁気カード単一機能、あるいは磁気カード、接触型ICカード、非接触型ICカードの機能を合わせたカードとしても良い。
これにより撥水効果のある非接触型ICカードが出来上がった。
撥水インキの塗布の工程を行わなかった。それ以外は、実施例1と同様に作った。
撥水インキの、ドブ漬けによる塗布を行わなかった。それ以外は、実施例2と同様に作った。
実施例1、実施例2のカードは撥水インキにより印刷をしたことで耐久性は高くなった。例えば80℃90%の恒温恒湿槽に250時間平置きしてもカードとしても申し分ないものであった。
い耐久性を保持できなかった。特に耐湿性が足りなく、80℃90%の恒温恒湿槽に250h平置きすると基材間の剥離強度が弱く、R500のわずかな曲率のストレスを掛けるだけで、容易に剥離した。
2・・・・・白色コアシート材 0.600mm
3・・・・・裏面絵柄印刷層
4・・・・・隠蔽銀印刷層
5・・・・・表面絵柄印刷層
6・・・・・保護層
7・・・・・撥水層
8・・・・・磁気テープ
9・・・・・ICモジュール(ICチップ内蔵)
10・・・・透明外装シート 0.100mm
11・・・・白色センターコアシート材 0.125mm
12・・・・ホットメルト層 0.150mm
13・・・・ICチップ
14・・・・アンテナ基板フィルム
15・・・・多面付け外装シート
Claims (8)
- コアシートを絵柄印刷、熱圧ラミネート工程等により積層してから抜き加工し、その表裏及び側面に撥水インキを塗布した事を特徴とする撥水機能を有したカード。
- 表裏及び側面に塗布する撥水インキとして、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FTP)、四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体(PTA)、あるいはそれらの複合体を主成分とし、水系エマルジョン、または、フッ素系またはシリコン系の溶剤型インキにして塗布した事を特徴とする請求項1に記載の撥水機能を有したカード。
- 撥水インキの膜厚が、乾燥後、0.1〜5.0μmである事を特徴とする請求項1又は2に記載の撥水機能を有したカード。
- 撥水インキにイソシアネート系の硬化剤を、撥水インキ全体量に対して、0〜10重量パーセント加えた事を特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の撥水機能を有したカード。
- オーバーシート及びコアシートの材料成分が、「エチレングリコールとシクロヘキサンジメタノールを、テレフタル酸と共重合させた変性ポリエステル(以下「PETG」と略す)」、「PETGとポリカーボネート(PC)との混合物」、のいずれかからなる事を特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の撥水機能を有したカード。
- ICモジュール、非接触ICアンテナ、磁気記録層または可逆性感熱記録層の少なくとも一つからなる情報記録手段を有することを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の撥水機能を有したカード。
- 「ブタジエン系やスチレン系の合成ゴム」に、「ワックス」、「酸化チタン、カーボンブラック、炭酸カルシウム、シリカ等の無機化合物」、「顔料」の少なくともいづれかを添加したことを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載の撥水機能を有したカード。
- カード形状に抜き加工後、撥水インキ中に浸漬するか、又は出来上がったカードを並べ、パッド印刷により撥水インキを塗布することを特徴とする請求項1〜7いずれかに記載の撥水機能を有したカードの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011120237A JP2012245724A (ja) | 2011-05-30 | 2011-05-30 | 撥水機能を有したカード及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011120237A JP2012245724A (ja) | 2011-05-30 | 2011-05-30 | 撥水機能を有したカード及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012245724A true JP2012245724A (ja) | 2012-12-13 |
Family
ID=47466660
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011120237A Pending JP2012245724A (ja) | 2011-05-30 | 2011-05-30 | 撥水機能を有したカード及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2012245724A (ja) |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3066278U (ja) * | 1999-07-08 | 2000-02-18 | 株式会社飾一 | コ―ティングカ―ド |
JP2000297249A (ja) * | 1999-02-09 | 2000-10-24 | Ntt Advanced Technology Corp | はっ水性塗料及びその塗膜 |
JP2003145971A (ja) * | 2001-11-19 | 2003-05-21 | Hitachi Ltd | 記録媒体 |
JP2007293414A (ja) * | 2006-04-21 | 2007-11-08 | Konica Minolta Medical & Graphic Inc | Icカード |
WO2008047629A1 (fr) * | 2006-10-13 | 2008-04-24 | Sustainable Titania Technology Inc. | Procédé de protection d'une base |
JP2010253679A (ja) * | 2009-04-21 | 2010-11-11 | Toppan Printing Co Ltd | カード |
-
2011
- 2011-05-30 JP JP2011120237A patent/JP2012245724A/ja active Pending
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000297249A (ja) * | 1999-02-09 | 2000-10-24 | Ntt Advanced Technology Corp | はっ水性塗料及びその塗膜 |
JP3066278U (ja) * | 1999-07-08 | 2000-02-18 | 株式会社飾一 | コ―ティングカ―ド |
JP2003145971A (ja) * | 2001-11-19 | 2003-05-21 | Hitachi Ltd | 記録媒体 |
JP2007293414A (ja) * | 2006-04-21 | 2007-11-08 | Konica Minolta Medical & Graphic Inc | Icカード |
WO2008047629A1 (fr) * | 2006-10-13 | 2008-04-24 | Sustainable Titania Technology Inc. | Procédé de protection d'une base |
JP2010253679A (ja) * | 2009-04-21 | 2010-11-11 | Toppan Printing Co Ltd | カード |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2012245724A (ja) | 撥水機能を有したカード及びその製造方法 | |
JP4244460B2 (ja) | カード | |
JP5205938B2 (ja) | 情報記録媒体 | |
JP2012250480A (ja) | カード及びその製造方法 | |
KR100815623B1 (ko) | 레이저 마킹 특성을 부여한 폴리에틸렌 테레프탈레이트글리콜 카드 및 이의 제조방법 | |
JP4085803B2 (ja) | 情報記録媒体およびその製造方法 | |
JP6035739B2 (ja) | 情報記録媒体 | |
JP2008100383A (ja) | 積層シ−ト、エンボス意匠シートおよびエンボス意匠シート被覆金属板 | |
JP4106978B2 (ja) | カード | |
JP2000200329A (ja) | カ―ド | |
JP4631155B2 (ja) | カード | |
JP3961243B2 (ja) | カード用樹脂シート及びicカード | |
JP2003208589A (ja) | Icカードおよびその製造方法 | |
JP2003108954A (ja) | 情報記録媒体 | |
JP2003276120A (ja) | 情報記録媒体及びその製造方法 | |
JP4258390B2 (ja) | 情報記録媒体 | |
JP2001001675A (ja) | カード | |
JP4032714B2 (ja) | カード | |
JP4599825B2 (ja) | インキ、それを用いたカード及びその製造方法 | |
JP4442094B2 (ja) | 情報記録媒体の製造方法 | |
JP3979840B2 (ja) | 積層体およびこれを用いたカード、タグ、ラベルのリサイクル方法 | |
JP5428398B2 (ja) | カードとその製造方法 | |
JP4098014B2 (ja) | 印刷用多層シート | |
JP2006035740A (ja) | カード用オーバーシート及びそれを用いるカード | |
JP6969314B2 (ja) | カード |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140422 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150224 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20150227 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150424 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20151117 |