JP5428398B2 - カードとその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ICカード、磁気カード、ホログラムカード等のプラスチックカードに関する。さらに詳しくは、外装シート材として非塩ビ系カード材を使用したカードであって、使用時に発生する割れやキズの発生が少ない、またATM繰り返し使用耐性に優れ、耐熱性の高いカード用の外装シート材を使用したカードとその製造方法に関する。
キャッシュカード、クレジットカード、IDカード(身分証明書)、会員証、プリペイドカード、などのカードは、ICチップ、磁気ストライプ、写真、ホログラム、等の情報を記録した媒体が、プラスチック製や紙製のカード材の表面に貼り付けられたり、内部に埋め込まれたりした形状で使用されている。また、断面構造としては、用途が拡大するにつれて、各種の特性が要求されることに対応して、一層ではなく、多層構成になっている。多層構成としては、大部分のICカード、磁気カードでは、少なくとも、コアシート材の層と、その両面を覆う外装シート材の層からなっている。多層構成のカードの製造方法としては、複数枚のカード用シートを重ねて、熱プレスでシート間を熱融着した後、打ち抜き刃でカード形状に切断して製造するのが一般的である。
コアシート材、外装シート材としては、従来、ポリ塩化ビニルが加工性、印刷適性、エンボス適性、熱融着性、さらに添加物によって色や柔軟性等の特性を大きく変えることができるなどの点に優れ、しかも安価であるので使用されてきた。
しかし、しばらく前からポリ塩化ビニル(PVC)は焼却時にダイオキシンを発生する材料であるとして敬遠され、非ポリ塩化ビニル系の素材からなるカードが要求され、その要求に応えるために種々の素材が開発された。カード用材料として、ポリエチエンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などに代表される芳香族ポリエステル系樹脂は、カード材として機械的強度、耐溶剤性、成形加工性に優れているが、耐衝撃性や寸法安定性、接着性に劣るなどの欠点を有しており、コアシート材、外装シート材として適合できるように改良することが検討された。
芳香族ポリエステル系樹脂の改良が種々行われた中でも、ポリエチレンテレフタレート(PET)の構成成分であるエチレングリコールの約30モル%を1,4−シクロヘキサンジメタノールに置換した実質的に非晶性のポリエステル樹脂(以下PETGと記すこともある)は、非晶性(非晶質)なので加熱融着することが可能であり、PVCに近いカードへの加工適性を持ち、PVCと同じ装置を用いてカード化できるので、PVCに替わるカード用材料として有望とされ、また実際に使用されている。
現在は、ダイオキシンは当初喧伝されたほどには微量では人体に対する害が発生しないとされている。しかし、現在でも非ポリ塩化ビニル系の素材が求められていて、カード用として非晶性ポリエステル系樹脂が使用されている。例えば、PETGはPVCと比べると比較的低温で熱プレス融着が可能で、熱プレス時の流動性も良いため、非接触型ICカードの製造においては、ICモジュールを封入するのに好都合であるとして使用されている。
ところが、非接触型ICカードの製造において、PETGをコアシート材として使用し、ICモジュールを2枚のPETGシートで挟んで熱プレスして平滑にする際、カード表面を見た場合にICモジュール部分の膨らみが認識できない程度に平滑に仕上げようとすると、特にICモジュール周辺において、PETGが大きく流動するため、熱プレスによってシートが変形したり、プレス前にコアシート上に印刷してあった絵柄がゆがんだり、カードの厚さの調製が難しくなったりするという問題があった。
一方、カードは用途の拡大と共に、耐熱性の要求範囲が広がり、高速道路でノンストップ自動料金収受システム(ETC)が稼働したことにより、ETC用途として、高温下(90℃)にカードが曝された時にでもカールや撓みが発生しないことが要求されるようになった。ポリ塩化ビニルや上記の非晶性ポリエステル樹脂(PETG)は耐熱性が低く、炎天化、直射日光が当たる自動車の車内等に保管したり、放置したりすると、カードが変形したり、エンボス加工でカードに刻印した文字、記号等の凸部の高さが低下するという問題が発生している。
PETGの過大流動性対策として、また耐熱性不足対策として、耐熱性の高いポリカーボネート樹脂(PC)をコアシート材として使用し、プレス時の流動を抑え、その両側に外装シートとしてPETGを使用する方法が提案されている。(特許文献1参照)。しかし、ポリカーボネート系樹脂は、汎用エンジニアリングプラスチックの中でも耐衝撃性、耐熱変形性が良好な樹脂として知られているが、カードのコアシート材として使用すると、耐溶剤性が不足しているため、コアシート上に印刷すると、印刷インキ中の溶剤を吸収して膨潤しやすく、また一度吸収された溶剤はなかなか抜けず、多少膨潤した状態でエンボス加工を行うと、カード割れが発生しやすいという問題があった。
さらに、溶剤を吸収してない状態のPCであっても、PC単独ではエンボス加工を行うと、エンボス部分の周囲もエンボスの変形に引っ張られて変形し、カードがカールしてしまうという問題があった。カードのカールは、カードの見栄えが悪いだけでなく、カードのリーダ・ライターへ挿入しにくくなり、また装置内で引っかかることが多くなる。ちなみに、カードのカールは、磁気カードリーダやATM装置などの装置に使用するカードの場合、JIS規格により2.5mm以内でなければならない。
PETGが開発される前から、それぞれの特徴を生かして欠点を補完することを目的として、ポリエステル系樹脂にポリカーボネート系樹脂を添加して、成形加工性や耐溶剤性を改善する技術が開示されている。(特許文献2、3、4参照)。その延長線上に、PETGとPCを混合したポリマーアロイが、カードのコアシート材や外装シート材として現在使用されている。
PETG単独では耐熱性が低く、一方、耐熱性の高いPC単独ではエンボス加工を行うと、エンボス部分の周囲もエンボスの変形に引っ張られて変形し、カードがカールしてしまうという問題があるが、両者のポリマーアロイでは、耐熱性が向上し、例えば炎天下での自動車内放置に耐えるようになり、エンボスによるカードのカールが発生しないという配合割合がある。その組成では、エンボス加工を施すと、エンボスした部分は凸状の永久歪みとして残り、またエンボス周辺部も大部分が塑性変形して収縮が少ない、その結果、エンボスしてもカードのカールが発生しないという点で良好な素材であった。
例えば、特許文献5は、外装シート用としてエンボスカールを防止できる組成として、PETGにPCを20〜70質量%添加した組成を開示している。しかし、PETG/PC系のこの組成範囲のものは、PCVと比較して、エンボス加工するとエンボス時の衝撃によってエンボス部(高くなった部分)に割れが発生しがちであり、問題であった。また、非接触型ICカードや接触型ICカードの外装シートに使用すると、ICモジュールが装填されている部分は、コアシートが薄くなっているが、ATM装置に繰り返して使用している内に、その部分の外装シートに割れが発生しやすいという問題があることが明らかになった。
また、PETG/PC系ではカードを急に折り曲げるとPVCと比較して割れやすいという問題があることが判明した。また、PETGの割合が増すにつれて、この折り曲げ耐性が低下することが判明した。なお、カードの折り曲げ耐性については、ISOの規格がある。
折り曲げに対する耐久性を向上させる方法として、非晶性共重合ポリエステル樹脂に添加剤として分散形態が粒子状であるゴム状弾性体、たとえばSBR(スチレン/ブタジエンゴム)、MBS(メチルメタクリレート/ブタジエン/スチレン共重合体)、ブチルアクリレートの架橋体などのガラス転位点が約−20℃以下であるポリマー架橋体を5〜20質量%添加することによって、折り曲げ耐性、割れ耐性を向上させる方法が開示されている。(特許文献6参照)。この配合では、PETGの耐熱性が低いのに、ゴム状弾性体粒子を添加することによって、耐熱性がさらに低くなることが問題であった。
その対策として、PETG/PC系のカード材(コアシート、外装シート)として、ゴム状弾性体粒子でなく、中空微粒子を分散したものを本発明の発明者らが提案している。(特許文献7参照)。この方法によって、耐熱性は低下せず、エンボス割れは発生しなくなり、また、ICモジュールが装填されている部分での割れも発生しなくなり、さらに折り曲げに対する耐久性も十分であったが、エンボス部の高さが減少してしまった。
通常、PETG/PC系は耐熱性のあるカード用の材料として検討されている。例えば、カードにコアシート用材料として、ポリエチレンテレフタレート樹脂のエチレングリコール成分の10〜70モル%をシクロヘキサンジメタノールに置換してなる共重合ポリエステル樹脂(A)に対して、コアシートとして使用する際には、前記共重合ポリエステル樹脂(A)の69〜40質量部と、ポリカーボネート樹脂31〜60質量部からなる樹脂100質量部に、無機充填剤5〜25質量部、ゴム弾性体5〜20質量部、酸化チタン5〜20質量部配合したものが開示されている。そして、ゴム性弾性体が5質量%未満になると耐衝撃性が減少し、低下し、カードが脆くなり、一方、25質量%を越えると耐熱性が低下するので好ましくないとしている。(特許文献8参照)。
この材料は、カードのコアシート用として使用した場合には耐熱性、耐衝撃性(エンボス時割れ耐性)、折り曲げ耐性を満足するものであったが、カードの外装シート用として使用した場合には、以下にのべるATM耐久性およびISO規格の曲げ評価では十分な性能を有するものではなかった。
ATMや、ETC(有料道路の自動料金収受システム)装置には何度も繰り返してカードを使用するが、カードが搬送ロールを通過する際、カードに圧力がかかるので、その圧力によって、ICカードのモジュールがある部分の裏側のカード基材(コアシート、外装シート)の薄くなっている部分に小さな割れ(クラック)が発生しやすい。このクラックは、ATM装置やETC装置のカードリーダ部にカードが詰まって装置の故障を招いたり、ATMやETC装置が間違ったデータを読み込んでしまったりする原因になる。
特許文献8に記載されているコアシート材の組成から酸化チタンと無機充填剤を除外した組成物を外装シート材として使用すると、ATM繰り返し搬送テストで、1000回に達する前に接触型ICカードのICモジュールが装填されている部位のカード裏側面に割れが発生した。また、ISO規格に準拠した曲げテストでは3000回に達する前に同様にICモジュールが装着されている部位のカード裏側面に割れが発生した。
なお、共重合ポリエステル系樹脂とPCのポリマーアロイが、有機溶剤を含むインキによって膨潤したり、耐熱性が低下したりすることに対して、インキとして紫外線硬化型の
インキや電子線硬化型のインキを使用する方法、転写法によって隠蔽層や絵柄印刷層を形成する方法を本発明の発明者らは提案している。(特許文献9、10参照)。
特開2001−283175号公報 特公昭36−14035号公報 特公昭39−20434号公報 特開昭59−176345号公報 特開2002−36765号公報 特開2000−238475号公報 特開2003−44822号公報 特開2004−255782号公報 特許第4106978号公報 特開2000―370332号公報
耐熱カードとその製造方法であって、エンボスカールおよびエンボス割れ、が発生せず、ATM繰り返し搬送テストで1000回を満足し、ISO準拠の曲げテストで4000回を満足するものを提供する。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、本発明の請求項1に係わる発明
は、少なくともコアシートと外装シートを有するカードであって、外装シートが実質的に非晶性共重合ポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂およびゴム系添加物を含む組成物からなり、該組成物全体に対して質量比率で、非晶性共重合ポリエステル樹脂:ポリカーボネート樹脂:ゴム系添加剤=15〜29:68〜82:3の割合で含まれることを特徴とするカードである。
本発明請求項2に係わる発明は、外装シートの厚さが40〜150μmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のカードである。
本発明請求項3に係わる発明は、前記非晶性共重合ポリエステル樹脂がポリエチレンテレフタレート樹脂のエチレングリコール成分の10〜70モル%をシクロヘキサンジメタノールに置換してなる共重合ポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載のカードである。
本発明請求項4に係わる発明は、ゴム系添加剤がブタジエン系、スチレン系、またはイソプレン系の合成ゴムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のカードである。
本発明請求項5に係わる発明は、外装シート面に形成された印刷層が紫外線硬化型インキ、電子線硬化型インキ、水性エマルション型インキのいずれか1種、または2種以上を使用して形成されたもの、または転写法によって形成されたもの、よりなることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のカードである。
本発明請求項6に係わる発明は、少なくとも、コアシートとして非晶性共重合ポリエステル樹脂、非晶性共重合ポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂のポリマーアロイ、ポリ塩化ビニル樹脂のいずれかを主成分とする材料を使用し、外装シートとして実質的に非晶性共重合ポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂およびゴム系添加物を含む組成物からなり、該組成物全体に対して質量比率で、非晶性共重合ポリエステル樹脂:ポリカーボネート樹脂:ゴム系添加剤=15〜29:68〜82:3の割合で材料を使用したカードの製造方法であって、外装シートへの印刷に紫外線硬化型インキ、電子線硬化型インキ、水性エマルション型インキのいずれか1種、または2種以上を使用し、さらにプレス温度を130℃〜150℃、プレス時間を5分〜20分間とする熱プレスによって前記コアシートと前記外装シートを積層一体化することを特徴とするカードの製造方法である。
請求項1、3,4の発明の効果は、本発明のカードの表裏の外装シートには、少なくともPETG/PC/合成ゴムからなる組成物を使用しているが、従来知られているPETG/PC/合成ゴム系の外装シート材と比較してPCの割合が多く、また合成ゴムが少ない。その結果、外装シートはより硬くなり、耐割れ性や耐曲げ性の強い、また表面の硬さが向上した外装シートとなった。また、その外装シートを使用したカードは耐割れ性、耐曲げ性の強い、また表面に傷が付きにくいカードである点であり、ISO折り曲げテストで4000回耐性を有するカードである点である。
また、本発明の外装シートは従来の組成と比較して、PCの含有量が多く、合成ゴムの含有量が少ないので、耐熱性が高くなっている。その結果、熱ラミネートによって一体化する際の樹脂の流動が、従来組成のカードと比較して、少ない。その結果、印刷パターンの変形が少ない、外観品質がよいカードを得ることができる。また、コアシート材に耐熱性の高い材料を使用することによって、耐熱性が従来のPETG−PC−(合成)ゴム系の組成物を使用した場合より、耐熱性の高い、例えば高温下で表面に傷が付きにくいカードを得ることができる点である。
請求項2発明の効果は、外装シートの厚さを40μm以上とした場合、ATM繰り返し搬送テストで、従来組成の外装シートでは1000回に達する前にICモジュールが設置されている部分の裏側面側の外装シートに割れが発生したが、請求項1に記載の外装シート材を使用したカードでは、繰り返し搬送テスト1000回では、割れが発生しなくなる点である。一方、外装シートの厚さが150μmを越えると、カードの厚さが規定されているので、コアシートの厚みを結果的に薄くしなければならなくなる。白色顔料を含んだコアシートの厚み方向の部分が減ると隠蔽性が低下し、カード内部が透けて見えるようになってしまうので、実際上カードとして使用することが困難になる。
請求項5、6の発明の効果は、ポリカーボネート樹脂成分の多い非晶性ポリエステル系樹脂/PC/合成ゴムからなる組成物を外装シートとして用いたカードでは、外装シートに印刷するインキとして通常の有機溶剤を使用したインキを使用すると、エンボス時にカードの割れが発生することが多かったが、有機溶剤を含まないインキを使用することによって、または転写法で印刷層、表面保護層を形成することによって、PCの配合割合が従来のものより多く、一方合成ゴムの配合割合が従来のものより少ない組成であっても、エンボス時のカードの割れがないものを得ることができる点である。またPC量が多いので、PC本来の機械的強度、耐熱性が発揮され、ATM繰り返し搬送テストに強い、さらに耐熱性に優れた非晶性ポリエステル系樹脂/PC/合成ゴムからなる組成物を使用したカードを得ることができる点である。
さらに、ICモジュールが設置されている部分の裏側面側はカード基材が薄くなっている上に、ICモジュールがあるので、局部的な力が加わりやすい。その結果、ICモジュールが設置されている部分の裏側面に割れが発生しやすいが、ISO規格に準拠したカードの曲げテストでは、従来組成のものは3000回に達する前にICモジュールが設置されている場所の裏側面に割れが発生することがあった。一方、本発明の外装シートを使用したカードでは、4000回でも割れが発生しない点である。
本発明は非接触型ICカード、接触型ICカードにおいて特に有効であるが、折り曲げ耐性がある点でその他のカード、例えば磁気カード、IDカード、等にも有効である。
磁気記録層を有する接触型ICカードの製造方法一例を工程順に示す模式断面構成図である。 磁気記録層を有する接触型ICカードの製造方法一例を工程順に示す模式断面構成図である。 非接触型ICカードの製造工程の一例を説明するための、模式断面構成図である。 非接触型ICカードの製造工程の一例を説明するための、模式断面構成図である。 非接触型ICカードの製造工程の一例を説明するための、模式断面構成図である。 実施例2における中間製品の形状を説明するための図である。
以下本発明を実施するための最良の形態につき説明する。
本発明でいう共重合ポリエステル樹脂とは、まず、ポリエステル樹脂が芳香族ジカルボン酸とジオールの脱水縮合体をいい、さらに実質的に非晶性(非晶質)のポリエステル樹脂とは、いわゆる共重合ポリエステル樹脂の中でも特に結晶性が低いもので、熱プレス融着などの実用上頻繁に行われる熱加工を行っても、結晶化による白濁や融着不良を起こさないものを言う。
本発明で使用される実質的に非晶性共重合ポリエステル樹脂とは、ポリエチレンテレフタレート樹脂においてエチレングリコール成分の10〜70モル%をシクロヘキサンジメタノールに置換してなるものであるが、実質的にとは、実用的な熱融着性を有することを意味する。すなわち、エチレングリコール成分の置換量が10モル%未満では、熱融着性が劣り、融着後のシートの弾性率が低下する。これは、ポリエチレンテレフタレート樹脂は結晶性樹脂であるため融着後の冷却時にシートの再結晶化が進むことにより熱融着性がなくなり、またシートの弾性率が低下するためである。また逆に、エチレングリコール成分の置換量が70モル%を越えると共重合ポリエステル樹脂の弾性率が下がり、熱融着性が下がる。これは、共重合ポリエステル樹脂の置換量が多くなると再結晶化が速く進み、熱融着性がなくなってしまうためである。
従って、エチレングリコール成分の10〜70モル%をシクロヘキサンジメタノールに置換することにより、共重合ポリエステル樹脂は非晶性の樹脂となり、熱融着性をもち、シートの弾性率低下がなくなる。すなわち、本発明で使用される非晶性共重合ポリエステル樹脂としては、エチレングリコール成分のシクロヘキサンジメタノールへの置換量は10〜70モル%がよく、好ましくは20〜35モル%である。具体的には、テレフタル酸とエチレングリコールとシクロヘキサンメタノールの脱水縮合体であるポリエステル樹脂(商品名:PETG、イーストマンケミカル社製)が商業的に入手可能なものとして挙げられる。
本発明に使用される非晶性共重合ポリエステル樹脂の加重平均分子量に格別の制限はないが、10000〜150000のものが好ましく、特に50000〜100000のも
のが好ましい。加重平均分子量が10000以下であると展性が小さくなり、シートの破断までの伸びの低下が問題になる。一方、150000以上であると、ガラス転移温度が高くなり加工することが困難になる可能性がある。
本発明において、前記非晶性共重合ポリエステル樹脂の割合は15〜34.5質量%であることが好ましい。34.5質量%以上であると、エンボス割れが発生しやすくなり、またATM装置繰り返し搬送耐性が低下する。すなわち、特許文献5では、外装シート用としてエンボスカールを防止できる組成として、PETGを30〜80質量%、PCを20〜70質量%含む組成を開示しているが、エンボス部(高くなった部分)に割れが発生しがちであり、また、非接触型ICカードや接触型ICカードの外装シートに使用すると、ICモジュールが装填されている部分は、コアシートが薄くなっているが、ATM装置に繰り返して使用している内に、その部分の外装シートに割れが発生しやすいという問題があった。
検討の結果、これらの割れはPETG/PC系において、PETG成分が多くなるにつれて発生しやすくなることが判明した。本発明の組成のごとく、非晶性共重合ポリエステル樹脂の割合を34.5質量%以下とし、ゴム弾性体を少量添加することで、これらの割れを防止することができる。また、耐熱性、耐曲げ性を向上することができる。
一方、前記非晶性共重合ポリエステル樹脂の割合が15質量%以下であると、エンボス時の文字の高さが出にくくなり、規定値を下回ることがある。また、規定値以上のエンボスカールが発生しやすくなる。
本発明で使用するポリカーボネート樹脂は、種々のヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、またはヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体である。
上記ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられ、これらは単独だけでなく2種類以上混合して使用してもよい。
また、本発明に使用されるポリカーボネート樹脂の加重平均分子量には特に制限はないが、成形加工性、強度、耐熱性の面より通常5000〜150000、好ましくは15000〜35000である。かかるポリカーボネート樹脂を製造するに際し分子量調節剤、触媒等を必要に応じて添加しても差し支えない。ポリカーボネート樹脂の加重平均分子量
が5000以下では非晶性共重合ポリエステル樹脂と同じくシートの破断までの伸びの低下が懸念される。一方、150000以上ではガラス転移温度が高くなり加工することが困難になる可能性がある。
外装シート中のポリカーボネート樹脂配合量が65質量%未満になると、例えばETCカードで要求される90℃以上の耐熱性が得られず、たわみや凹みといった不具合が生じてしまう可能性がある。また、85質量%をこえるとエンボス処理後のカールがJIS規格の2.5mmを越えてしまう可能性がある。
本発明において使用するゴム性弾性体としては、アルキルアクリレートやアルキルメタクリレートを主体とするアクリル系重合体やメタクリル系重合体、ブタジエンやイソプレンなどの共役ジエンを主体とするジエン系重合体、ポリオルガノシロキサンを主体とするシリコーン系重合体の一種又は二種以上の共重合体、メチルメタアクリレート・ブチルアクリレート・スチレン樹脂、メチルメタアクリレート・ブタジエン・スチレン樹脂(以下、MBS樹脂と略す)、ブチルアクリレート・イソプレン・スチレン樹脂などがあり公知のものを用いることができる。特に、MBS樹脂が好ましい。
上記以外のゴム性弾性体としては、例えばブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、イソブチレン−イソプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンゴム、スチレン−ブタジエンゴムの水素化物、スチレン−イソプレン−スチレンゴム、スチレン−イソプレンゴムの水素化物などを挙げることができる。これらの上記ゴム性弾性体は、一種あるいは二種以上組み合わせて使用しても良い。
合成ゴム成分の添加は、カードの割れ耐久性を保証するために必須である。少なくとも0.5質量%以上を添加する必要がある。好ましくは、2質量%以上であり、2質量%以上であれば、エンボス条件をポリ塩化ビニル製外装シートと同じにしても、割れが発生しない。一方、添加量が5質量%以上になると、耐熱性が低下して、先述の耐熱性90℃要求仕様を保持することが困難になる。
本発明において、外装シートは必要に応じて着色剤や潤滑剤、あるいは耐熱性、耐光性等の物性を改良する材料が添加されていても構わない。
カード割れの原因は、ATM繰り返し搬送の場合には、繰り返し応力による割れであり、PC成分が多ければ割れにくくなる。一方、エンボスの割れは衝撃割れであり、材料の耐衝撃性に依存し、また溶剤による表面クラックや表面膨潤による脆化にも関連する。
また一般的に、エンボスカールはPC成分が多いと大きくなる。また、ゴム成分が多くなると、弾性変形量がふえるので、大きくなる。
本発明における非晶性ポリエステル樹脂とPCと合成ゴムの3者の系よりなる外装シートは、3者の均一混合物を、プラスチックのシートを製造する際に従来使用されているカレンダーリング法、押し出し法、プレス法、キャスト法などによって成形することができる。
本発明のカードのコアシート材には非晶性のポリエステル樹脂系の樹脂を主成分とするシートであることが好ましいが、外装シートと一体化が可能なものであれば、非晶性のポリエステル樹脂系以外の樹脂でもよい。通常は、80〜150℃で軟化し、加圧によって流動するものを使用する。実際に使用できるものとしては、PETG、PETG/PC、
PVCがある。
またコアシート材は一般的には酸化チタン、炭酸カルシューム、酸化珪素の微粉末を添加して白色にしたものを使用する。その他、仕様によっては、顔料やカーボンブラック等を添加したものを用いることができる。ETC用などの耐熱性が要求される場合には、コアシートとして90℃以上で軟化するものを使用する。また本発明請求項1、請求項3、請求項4に記載の組成物もコアシート材の原材料として使用することができる。
本発明において、外装シートの厚さは40〜150μmであることが必要であり、50〜120μmであることが好ましい。外装シートの厚さが40μm未満では、ATM繰り返し搬送テストで1000回に達する前に、特にICモジュールが装着してある部分、およびその周辺において、搬送時のロールによる繰り返し応力が強く印加されるので、外装シートに割れ(クラック)が発生する。一方、外装シートが150μmを越えると、隠蔽性を確保することができない。
耐熱カードを製造する場合には、外装シート材として、軟化点が90℃以上のものを使用する必要がある。本発明の外装シート材は、従来の外装シート材の組成と比較して、非晶性共重合ポリエステル樹脂に対するPCの割合が多く、また合成ゴムの割合が少ないので、耐熱性が高く、軟化点が90℃以上である。本発明の外装シート材とコアシート材として軟化点が90℃以上のものを、使用することによって、90℃に放置してもカール、変形といった不都合が発生しない、ETC用等の耐熱カードを製造することができる。
本発明において、コアシートと外装シートは一体化されている。一体化する方法については特に限定されるものではないが、例えば、熱融着、接着等が挙げられる。本発明においては熱融着により一体化することが好ましい。
熱融着により一体化する方法として、例えば加熱プレス機による溶融ラミネート方式により製造することができる。ここで、溶融ラミネート方式は、所定の順序で重ねあわせたカード素材を、それより一回り大きな表面を鏡面にした金属板で挟み込み、次ぎに加熱プレスして素材間を溶融接着して一体化する方法である。溶融ラミネート方式においては、コアシートの両側に配置する中間シートや外装シートの種類が異なっていてもよい。
この際に使用する表面を鏡面にした金属板は、ニッケル−クロムメッキしてバフ研磨で鏡面に仕上げた銅板や鋼板、表面を研磨したステンレス板を使用することができる。
隠蔽層、絵柄、文字の印刷は、厚紙やプラスチック板への印刷法を使用することができる。すなわち、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、グラビア印刷法等の公知の印刷法を使用することができる。ただし、本発明の外装シート材は、有機溶剤に対する耐性が低く、通常の印刷インクに使用される溶剤では、表面が侵され、結果として、表面に微細なクラックが発生したり、またしみこんだ有機溶剤が揮散するまでに時間がかかり、溶剤が残留している状態でエンボス加工すると、エンボス割れが発生したりする。さらに、溶剤を含んだままでは耐熱性が低下する。
従って、印刷用インクとしては、使用している有機溶剤が本発明の外装シート材を侵したり、膨潤したりしないインキを使用する。たとえば、無溶剤の紫外線硬化インク、無溶剤の電子線硬化型のインキを使用する。または水性のエマルションインクを使用する。さらに、転写法によって隠蔽層、絵柄層、文字層を形成してもよい。さらに水性エマルションによる溶剤遮断層を外装シート上に形成してから、有機溶剤を使用したインキで印刷してもよい。
なお、共重合ポリエステル系樹脂とPCのポリマーアロイが、有機溶剤を含むインキによって膨潤したり、耐熱性が低下したりすることに対して、インキとして紫外線硬化型のインキや電子線硬化型のインキを使用する方法を本発明の発明者らはすでに提案している(特許文献9参照)。本発明の場合は高PC配合組成であるが、PC成分が増加するに従ってポリマーアロイの耐溶剤性が減少するので、本発明の場合において特に有効であった。
印刷はコアシートの両面、および表裏の外装シートの外側面に行うことができる。外装シートに印刷した場合には、その上に表面保護層を、転写法によって形成する。バーコードは通常外装シート上に印刷形成する。
一体化した後に、片刃またはオス−メスの金型による抜き加工によって、所定のカード形状にする。その後、ホログラム層を転写法によって形成したり、感熱記録層や磁気層を印刷法や転写法によって形成したりしてもよい。
その後さらに、エンボス加工をエンボッサーによって行い、表側面に盛り上がった文字パターンを形成する。本発明の外装シート材を使用したカードは、ポリ塩化ビニルの外装シートとほぼ同じ条件でエンボス加工することができ、エンボス割れがない。
また一般に外装シート中のPC成分の量が増えると、エンボス加工後のカードのカールが大きくなる傾向があり、本発明の外装シートにおいても同様である。カードのカールが規格値を超えてしまう場合には、センターコアにPC成分を含まないものを使用したり、エンボスの文字数を制限すると、カールの量を規格内に入れたり、エンボスの打刻の位置をずらしたりすることによって、エンボス後のカールを規格値内に収めることができる。
本発明のカードは、実施例に挙げた磁気記録層を有する接触型ICカード、磁気記録層を有する非接触型ICカードだけでなく、通常の磁気カード、ICカード、運転免許証、身分証明カード、等の耐折り曲げ性が要求されるカードに良好に使用することができる。
以下に、本発明の実施例について説明する。
<実施例1>
磁気記録層を有する接触型ICカードを製造した例を以下に述べる。図1(a)〜(d)、図2(a)〜(c)は、磁気記録層を有する接触型ICカードの製造方法の一例を工程順に示す一連の模式断面構成図である。なお、以下の説明において、表側面とはICモジュールが埋め込まれる側のカード面であり、裏側面とは、ICモジュールが埋め込まれない側のカード面である。
図1(a):まず、表側面用外装シート1として、組成がPETG:PC:ブタジエン系ゴム=29:68:3(質量比率)であり、厚さが0.10mmの透明なシートを、原材料を混合した後に、押し出し法を用いて作成した。この外装シートに磁気記録層6を転写した。
図1(b):別途、コアシート2として、PETG:酸化チタン=95:5(質量比率)よりなる厚さ0.60mmの白色シート(住友ベークライト(株)製 EPCS−460)を使用し、その表面にスクリーン印刷、オフセット印刷で絵柄と文字を印刷して印刷層3’を形成した。
図1(c):工程(a)で作成した磁気記録層6を転写した表側面用外装シート1と、工程(b)で作成した片面に印刷したコアシート2と、裏側面用外装シート1’を順次積
み重ねした後、加熱プレス板100,100’の間に置き、それらを熱プレス装置の上下のプレス定盤(図示せず)の間に設置し、3者を熱ラミネート法により融着させた。なお、積み重ねる際、磁気記録層面6が外側になるように、またコアシート2上の印刷層3’が裏側面用外装シート1’の側になるようにした。また、裏側面用外装シート1’として使用したものは、表側面用外装シート1と同一の組成、厚さのものであり、加熱プレス板100、100’は表面研磨したステンレス板である。
図1(d):熱ラミネートには熱プレス装置を使用し、温度130℃、圧力1.96MPa、時間20分間の条件でラミネートした。この工程で全体が融着し、一体化され、また磁気記録層はカード表面に面一に埋め込まれた状態になった。
図2(a):さらに、磁気記録層である磁気記録層6が埋め込まれた側に、スクリーン印刷で隠蔽層4を形成し、その上にスクリーン印刷、オフセット印刷で絵柄と文字の印刷層3を形成した。さらに、その上に表面保護層5を転写して形成した。次ぎに、鏡面研磨したクロムメッキ鋼板製の加熱プレス板を使用して圧力0.98MPa、温度140℃で5分間加熱加圧して、表面を平滑にし、さらにツヤ出しした。なお、ここまでの工程は、カードを多面付けした大サイズの状態で行った。
図2(b):カード一枚のサイズに抜き加工した後、ICモジュール設置用穴7をザグリ加工(ミリング加工)によって、所定位置に所定形状に形成した。
図2(c):接触型ICカード用ICモジュール8の所定位置に加熱接着テープを留め、(b)で形成した穴7にはめ込み、加熱して接着して、磁気記録層を有する接触型ICカード9を完成した。
<実施例2>
磁気記録層を有する非接触型ICカードを製造した一例を以下に説明する。図3(a)〜(d)、図4(a)〜(d)、図5(a)、(b)は、非接触型ICカードの製造工程の一例を説明するための、一連の模式断面構成図である。また、図6は、実生産においては、大判のカード材を使用して、多面付けで処理することを示すための平面図である。
図3(a):アンテナシート基材11の上にアンテナコイル12、非接触型ICカード用ICモジュール13が配置、固定されていて、図示しないがアンテナコイル12の両端部は非接触型ICカード用ICモジュール13の端子部と電気的に接続されていて、インレット10を形成している。なお、アンテナシート基材11には厚さ50μmのPENを使用し、アンテナコイル12は、アンテナシート基材11上に接着した厚さ40μmの銅箔をフォトエッチング法によって所定のアンテナコイルの形状に加工したものを使用した。
インレット10において、外部の装置から発信された電波信号はアンテナコイル12で受信され、ICモジュール内のICチップに入り、チップ内で所定の演算等の処理が行われ、その結果が再びアンテナコイル12へ送られ、電波となって発信され外部装置で受信される。
インレット10のカードの表側となる面(図では上側面)に、コアシート24として厚さ0.275mmの白色PETGを置き、またカードの裏側となる側にコアシート24’として厚さ0.060mmの白色PETGを置き、加熱プレス板100,100’で挟み込んで、熱プレス装置で圧力0.98MPa、温度150℃、時間20分間、熱プレスして、熱融着一体化させ、センターコア20を得た。ここで使用した白色PETGはPETG:酸化チタン=95:5(質量比率)の組成で混練した後に、押し出し成形したものである。また、白色PET24には、非接触型ICカード用ICモジュール13が丁度入り込むような穴を抜き加工によって形成したものを使用した。
図3(b):図3(a)の工程で作成したセンターコア20においては、インレット10はコアシート材24、24’に埋設された状態になった。
図3(c):センターコア20のカードの表側に厚さ0.060mmの白色PETGコアシート2を厚さを重ね、カードの裏側に厚さ0.275mmの白色PETGコアシート2’を重ねて、工程図3(a)と同様にして、熱プレスして熱融着一体化し、図3(d)に示した中間製品30を形成した。ここで、裏側面用の白色PETGコアシート2’は、紫外線硬化型インキを使用したスクリーン印刷やオフセット印刷によって、所定の絵柄、文字層3’を形成したものを用いた。また、プレス条件は圧力0.98MPa、温度120℃、時間20分間とした。
図4(a):別途、磁気記録層6を厚さ0.040mmのPETG:PC:ブタジエン系合成ゴム=29:68:3(質量比率)の透明な外装シート1に転写した。
図4(b)(c):加熱プレス板100,100’の間に磁気記録層6を転写した外装シートを置き、圧力1.47MPa、温度140℃、時間15分間で熱プレスして、磁気記録層6を外装シート内に埋め込み、表面を平滑にした。
図4(d):磁気記録層6の色を隠蔽するために、スクリーン印刷で隠蔽層4を形成し、さらに、オフセット印刷とスクリーン印刷で絵柄や文字よりなる印刷層3を形成した。次ぎに、実施例1と同様にして、印刷層3の上に表面保護層5を転写して、中間製品40を形成した。
図6は実生産における中間製品40の状態例を示すための、平面図(a)と断面説明図(b)であり、磁気記録層が線状に埋め込まれた外装シート1に、例えば図に示すように6×4枚のカードの隠蔽層4,印刷層3、表面保護層5が形成されている。裏側面用外装シート1’、中間製品30も、この中間製品40と同じサイズである。
図5(a):裏側面用外装シート1’の上に中間製品30をカードの表側面が上面になるように置き、その上に中間製品40をカードの表側面が上面になるように置き、全体を加熱プレス板100,100’で挟み込んで、熱プレスした。熱プレス条件は圧力0.98Mpa、温度130℃、時間5分間とした。
図5(b):熱プレスによって、各部材間が熱溶着して一体化した。熱プレスによって、表面保護層5が平滑になり、光沢がでた。このようにして得た多面付け品を、抜き型を使用して所定の位置で抜き、個々のカードとし、所望の非接触型ICカード50を得た。
<実施例3>
実施例1において、外装シートの組成をPETG:PC:スチレン系ゴム=15:82:3(質量比率)とした他は、実施例1と同様の方法で、接触型ICカードを作成した。
<評価>
実施例1、2、3で得たカードに対して、エンボス適性テスト(割れとカール)、ATM繰り返し搬送テスト、折り曲げ耐性テスト、耐擦過性テスト、を行った。外装シート材の配合比を表1に示す。作成したサンプルと、そのテスト結果を表2に示す。
<エンボス加工適性の試験方法(評価方法)>
データカード社製の発行機(エンボス加工機)DC9000を用い、1と7の2種の数字を3列形成した。エンボス部分高さは0.40〜0.43mmであった。割れの有無は目視で判定した。カールは実測し、2.5mm未満を○、2.5mm以上を×とした。
<折り曲げ耐性の試験方法>
JIS X6305−1 動的曲げ力(曲げ特性)に準拠した方法で判定した。規格内の場合○、規格外となった場合を×とした。
<ATM繰り返し搬送テストの方法> 代用試験 JIS X6305−3(3個の送りローラによる試験)に準拠した方法で判定した。
<耐擦過性の評価方法>
カード裏側面の外装シートの耐擦過性を、ネールスクラッチ法のうち、カードの表面保護層に爪を立てて引っ掻き、キズの程度(有無)を目視で観察、評価した。引っ掻く強さは、毎回同じになるように注意した。
Figure 0005428398
Figure 0005428398
<評価結果>
表2において、エンボス割れ、エンボスカールは実施例1、2、3のいずれのカードにおいても発生しなかった。また、折り曲げ耐性は実施例1、2、3いずれのカードにおいても、規格内であった。ATM繰り返し搬送テストでは、実施例1、2、3いずれのカードにおいて、割れが発生しなかった。さらに、耐擦過性について、実施例1、2、3のいずれのカードにおいても、傷の発生が認められなかった。
1・・・・・・・表側面用外装シート
1’・・・・・・裏側面用外装シート
2、2’・・・・コアシート
3、3’・・・・印刷層
4・・・・・・・隠蔽層
5・・・・・・・表面保護層
6・・・・・・・磁気記録層
7・・・・・・・ICモジュール設置用穴
8・・・・・・・接触型ICカード用ICモジュール
9・・・・・・・接触型ICカード
10・・・・・・・インレット
11・・・・・・・アンテナシート基材
12・・・・・・・アンテナコイル
13・・・・・・・非接触型ICカード用ICモジュール
20・・・・・・・センターコア
24、24’・・・コアシート
30、40・・・・中間製品
50・・・・・・・非接触型ICカード
100、100’・加熱プレス板

Claims (6)

  1. 少なくともコアシートと外装シートを有するカードであって、外装シートが実質的に非晶性共重合ポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂およびゴム系添加物を含む組成物からなり、該組成物全体に対して質量比率で、非晶性共重合ポリエステル樹脂:ポリカーボネート樹脂:ゴム系添加剤=15〜29:68〜82:3の割合で含まれることを特徴とするカード。
  2. 外装シートの厚さが40〜150μmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のカード。
  3. 前記非晶性共重合ポリエステル樹脂がポリエチレンテレフタレート樹脂のエチレングリコール成分の10〜70モル%をシクロヘキサンジメタノールに置換してなる共重合ポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載のカード。
  4. ゴム系添加剤がブタジエン系、スチレン系、またはイソプレン系の合成ゴムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のカード。
  5. 外装シート面に形成された印刷層が紫外線硬化型インキ、電子線硬化型インキ、水性エマルション型インキのいずれか1種、または2種以上を使用して形成されたもの、または転写法によって形成されたもの、よりなることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のカード。
  6. 少なくとも、コアシートとして非晶性共重合ポリエステル樹脂、非晶性共重合ポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂のポリマーアロイ、ポリ塩化ビニル樹脂のいずれかを主成分とする材料を使用し、外装シートとして実質的に非晶性共重合ポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂およびゴム系添加物を含む組成物からなり、該組成物全体に対して質量比率で、非晶性共重合ポリエステル樹脂:ポリカーボネート樹脂:ゴム系添加剤=15〜29:68〜82:3の割合で材料を使用したカードの製造方法であって、外装シートへの印刷に紫外線硬化型インキ、電子線硬化型インキ、水性エマルション型インキのいずれか1種、または2種以上を使用し、さらにプレス温度を130℃〜150℃、プレス時間を5分〜20分間とする熱プレスによって前記コアシートと前記外装シートを積層一体化することを特徴とするカードの製造方法。
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