JP5500236B2 - カード - Google Patents
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Description
図1には本発明のカードの構成の一例を示している。図2には、図1のA−B間の断面図を示している。図3には、本発明のカードの構成の一例の断面図を示している。
図1、図2に示すカードは、少なくとも埋設するICモジュール2、8を有するカードであって、カード番号や氏名に関する部分がエンボス処理のようにカード表面から盛り上がった構造の例である。図3に示すカードはさらに磁気記録部を有する構造の例である。
金属材料としては、鉄、アルミニウム、マグネシウム、銅、クロム、亜鉛、ニッケル、コバルト、モリブデン、チタン及びこれらの合金などがあげられるが、チタンを用いることが好ましい。チタンは軽量で耐熱性、耐薬品性、耐衝撃性に優れ、かつ高級感も有するため好ましい。
また、多層構成にする場合、表面薄膜層として、金、銀、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、オスミウム、イリジウムなどの表面薄膜層を設けてもよい。特に金、銀、白金などの貴金属材料からなる表面薄膜層を用いることが好ましい。中でも白金を用いることが好ましい。白金は高い高級感、質感を有するため、表面を覆うことでより高級感の高まったカードとすることができる。さらに白金は除菌効果も有するため好ましい。
金属材料からなる表面薄膜は、電鋳、スパッタ、蒸着、イオンプレーティング法などにより設けることができる。また、密着を強化するために、パラジウムやニッケル、またはその合金をアンカー層設けても良い。
基材の凹部の加工方法としては、機械切削によるミリング加工の他に、放電加工、レーザ加工であっても良い。
形成する方法としては、一般的に点字用印刷として使用される樹脂を主成分とするインキを用いたスクリーン印刷による方法が考えられるが、盛り上げ高さが足りないので、盛り上げ文字用インキを充填したディスペンサにより文字の形状に塗布していく方法が好ましい。立体装飾部用インキは、盛り上げ高さや文字のシャープさを実現する必要があるため、高いチクソ性及び即硬化性を必要とし、そのインキとしてはナノフィラー含有のUV硬化性樹脂が適当である。盛り上げ文字の高さとしては、インプリンターでの使用可能な条件から300〜600μm程度必要である。なお、スクリーン印刷で形成可能な盛上げ高さは10μm程度である。
盛り上げ文字用インキとしては、前述のナノフィラー含有の紫外線硬化性樹脂が良いがチタンコアとの密着性に乏しく、アンカー層6として、熱硬化性のウレタン樹脂若しくはエポキシ樹脂を必要とする。そのアンカー層の厚みは1〜10μm程度である。
蓄光材としては、硫化亜鉛に銅や銀、マンガンをドーピングした材料、アルミン酸ストロンチウムにユウロピウムやジスプロシウムをドーピングした材料等を用いることができる。
このようなものとして、PET表面に金やアルミニウムを蒸着やスパッタ法にて薄膜形成後、感熱接着剤をさらに塗布してできる転写箔やPET表面に金属粉末を含有する樹脂剥離層を形成後、感熱接着剤をさらに塗布してできる転写箔等があげられる。
立体装飾部への形成方法は、加熱したゴム版で前記転写箔と立体装飾部とを圧着しする方法などがあげられる。
形成方法によっては、表面装飾層は立体装飾部上部のみに形成され、側面には形成されない。このような形状の場合、上から見た場合は表面装飾層の色合いが見えるが、水平に近い斜め方向から見た場合、蓄光材による光を認識することができ、より高い装飾効果が得られる。
この範囲内であれば、立体装飾部の固定が強固なものとなり、また立体装飾部形成後も抜け落ちのしにくいものとなる。
ICモジュール2の実装は、基材上に設けても良いが、基材表面を平滑にするため、基材に埋め込むことが好ましい。また、基材が電気の導通性があるため、ICモジュールと基材が接触するとショートする危険性があるため、ICモジュールとカード基材が接触させないような配置が必要である。非接触式の場合、アンテナ回路も基材と接触しない配置にすることが必要である。
ICモジュールと基材が接触しないようにするためには、基材とICモジュールの間にスペーサを形成するか、ICモジュールを絶縁性の物質で封止することがあげられる。
絶縁性の物質としては、公知の絶縁性樹脂を用いることができる。また、絶縁性樹脂は接着性を有するものを用いてもよくその場合その接着剤を用いてICモジュールと基材を接着することができる。エポキシ樹脂やシリコーン樹脂または、シリコーン変性エポキシ樹脂が耐熱性及び金属との接着性の面から最適である。
ホログラム転写箔は、塩ビ樹脂に対するホットスタンプ接着性に優れるが白金又はチタン等の金属との接着性は乏しい。そこで、機材上に熱硬化性樹脂、例えば、エポキシ樹脂やウレタン樹脂をアンカー剤として塗布、硬化若しくは半硬化後、ホログラム転写箔を転写するのが好ましい。また、塩ビ樹脂や塩酢ビ樹脂、酢酸ビニル樹脂、EVA樹脂等の可とう性を有する樹脂を熱硬化性樹脂に添加若しくは、上塗りすることでホログラム転写箔の転移性を高めることが可能である。
しかし、ホログラム転写箔自体が150℃以上の熱が加わると白化することが多く、ホログラムまで含めた耐熱性を保証することは困難である。
磁気記録層は熱硬化性接着剤で貼りつけることも可能である。しかし、通常のカードで使用される磁気テープ基材はポリエチレンテレフタレートフィルムであるので、ポリエチレンナフタレートフィルムやポリカーボネイトフィルム、ポリイミドフィルムのような耐熱性を有するフィルムに変更する必要がある。
基材として0.8mm厚のチタン板からカード形状に炭酸ガスレーザで切り出したものに、ニッケル・パラジウム合金をイオンプレーティング法でメッキを施した後、さらにイオンプレーティング法で白金めっきを施したものを用いた。このメッキ膜は、セロテープ(登録商標)剥離試験でも全く剥がれることはなかった。
続いて、東洋インキ製SS25墨(2液エポキシ樹脂)を使用してスクリーン印刷法で絵柄14及びホログラム転写箔用アンカー層15を印刷した。続いて、ホログラム転写箔をホットスタンプ方式で転写後、80℃1時間程度エージングした。
次にミリング装置16でICモジュール及び立体装飾部(カード番号、氏名)を形成する場所にミリング加工を施し凹部18、17を形成した。
この凹部に東洋インキ製TT204SSMTメディウム(1液エポキシ樹脂)をディスペンサに充填し、凹部18、17内に膜厚2〜3μとなるよう塗布した。
続いて、ICモジュール20を凹部に嵌めんだ。そして、ダイセルサイテック製EBECRYL4866(ウレタンアクリレート)に直径50nmシリカフィラーを重量比50%添加し、イルガキュア184を重量比5%添加し混ぜ合わせたインキをディスペンサ19に充填し、立体装飾部22を形成し、続いて高圧水銀灯21で30秒照射し硬化させた。続いて、150℃オーブンで30分焼き付けを行った。
ICモジュールや立体装飾部の手剥がし試験を行ったところ、密着性は十分であった。
2・・・・ICモジュール
3・・・・表面薄膜層
4・・・・立体装飾部
5・・・・表面装飾層
6・・・・アンカー層
7・・・・アンカー層
8・・・・コア層
9・・・・絵柄
10・・・磁気記録層
11・・・接着層
12・・・凹部
13・・・白金めっきチタンカード
14・・・絵柄
15・・・ホログラム転写箔
16・・・ミリング装置
17・・・立体装飾部用凹部
18・・・ICモジュール用凹部
19・・・ディスペンサ
20・・・ICモジュール
21・・・高圧水銀灯
22・・・立体装飾部
Claims (4)
- 基材と、基材上に立体装飾部を有するカードにおいて、
基材が金属層からなるコア層とその両面に表面薄膜層を有する3層構成の硬質基材であり、
基材上に設けた凹部に立体装飾部を形成してなり、かつ該立体装飾部が基材平面より突出してなり、前記立体装飾部は立体装飾部用インキからなり、該インキはナノフィラー含有のUV硬化性樹脂からなり、かつ300〜600μmの高さであり、該立体装飾部が蓄光材を含み、表面には金属光沢のある金属薄膜層を有する表面装飾層が立体装飾部の上部のみに形成されたことを特徴とするカード。 - 前記基材の凹部に形成した立体装飾部が、アンカー層を介して形成されてなることを特徴とする請求項1に記載のカード。
- 前記基材の凹部の深さと立体装飾部の高さの比、
立体装飾部の高さ/凹部の深さが5〜20の範囲内
であることを特徴とする請求項1または2に記載のカード。 - 前記硬質基材にICモジュールが埋設されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のカード。
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