JP2003108954A - 情報記録媒体 - Google Patents

情報記録媒体

Info

Publication number
JP2003108954A
JP2003108954A JP2001296701A JP2001296701A JP2003108954A JP 2003108954 A JP2003108954 A JP 2003108954A JP 2001296701 A JP2001296701 A JP 2001296701A JP 2001296701 A JP2001296701 A JP 2001296701A JP 2003108954 A JP2003108954 A JP 2003108954A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
talc
card
information recording
recording medium
base material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001296701A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasushi Oba
泰 大場
Toshifumi Imai
敏文 今井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP2001296701A priority Critical patent/JP2003108954A/ja
Publication of JP2003108954A publication Critical patent/JP2003108954A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、キャッシュカードやクレジットカー
ド、IDカード(身分証明書)、会員証、プリペイドカ
ードなどに用いられる情報記録媒体に関するもので、さ
らに詳しくは、高温状態になっている自動車内での使用
やコンピュータ等の家電製品内での高温に曝されながら
の使用などに際しても変形せず、更には、これらが使用
済みになった時に廃棄しやすいようにした磁気記録カー
ドやICカードなどの情報記録媒体の提供を目的とす
る。 【解決手段】コア基材を、非晶性ポリエステル系樹脂を
主体としタルクを10%以上添加してあるタルク添加コ
ア構成層と、非晶性ポリエステル系樹脂を主体としタル
クを添加していないタルク非添加コア構成層との少なく
とも2層を含む多層構成とする

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばキャッシュカー
ドやクレジットカード、IDカード(身分証明書)、会
員証、プリペイドカード等に用いられる情報記録媒体に
関するもので、さらに詳しくは、高温状態になっている
自動車内での使用やコンピュータ等の家電製品内での高
温に曝されながらの使用などに際しても変形せず、更に
は、これらが使用済みになった時に廃棄しやすいように
した磁気記録カードやICカードなどの情報記録媒体に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、キャッシュカードやクレジッ
トカード、IDカード等の分野においては種々の形式の
情報記録媒体があるが、その中では磁気記録部をその一
部に設けてなる磁気記録カードが広く利用されており、
それを構成するカード素材としては主にポリ塩化ビニル
(PVC)樹脂や塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体から
なるシート状基材が用いられている。その中では特にポ
リ塩化ビニル樹脂の使用が一般的である。ポリ塩化ビニ
ル樹脂は物理的な機械特性やエンボス適性などが優れて
おり、カード素材としては申し分なく、最適なカード素
材として現在も広く用いられている。
【0003】ポリ塩化ビニル樹脂を素材とする一般的な
磁気記録カードの製造方法としては、例えば白色のポリ
塩化ビニル樹脂からなるコア基材にオフセット印刷、グ
ラビア印刷、スクリーン印刷等公知の印刷方法で文字や
絵柄を施した後、その両面に透明性の高いPVCシート
(オーバーシート)を積層させ、さらに磁気テープを転
写し、加熱プレス機で熱融着を行い、PVC積層基材と
磁気テープを一体化させ、所定サイズの金型で打ち抜い
てカード形状にする方法が採られている。この際、熱転
写タイプの磁気テープは転写後にはカード表面より浮き
出て段差を生じているが、加熱プレス機での熱融着によ
って積層基材中に埋め込まれ、カード表面で面一となる
ようにして作製されている。
【0004】この様にして作製される磁気記録カードに
おける磁気テープの役割は、個人の持っている固有デー
タを記録しておき、使用時には読みとることができるよ
うにすることであるが、もし、この磁気テープがカード
表面と面一になっていないと、カードホルダーによる携
帯や、リーダ/ライターによる繰り返し使用によりテー
プのエッジ部が破損、または欠損して使用不可能のカー
ドとなってしまう恐れがある。
【0005】ちなみにJIS X6301 4.2.6
で規定しているカード表面の状態は、「磁気ストライプ
の周囲それぞれから、6.35mmの領域には磁気スト
ライプに対する情報の正常な書き込み又は磁気ストライ
プに記録された情報の正常な読み取りを損なう恐れのあ
る表面不連続部を設けないこと。更に、II型において
はカードの下端から24mm以上の範囲で0.05mm
以上のとつ部を設けないこと。・・・」とある。
【0006】ところで、ポリ塩化ビニル樹脂の持つ物性
の欠点としては耐熱性の低いことがあげられる。一般的
にはポリ塩化ビニル樹脂は約60℃で軟化して変形する
ため、高温域でのアプリケーション、例えば家電用、車
載用などには適していなかった。また、ポリ塩化ビニル
樹脂は物性や加工性、経済性が優れる反面、使用後に廃
棄する際、特に焼却時に塩化水素ガスを発生させて炉を
傷めて寿命を縮めたり、ダイオキシンとの関連性が懸念
されたりしており、これらの問題でドイツ、北欧などを
はじめとする諸外国で脱PVCの動きが活発になってき
ており、国内でも建材分野や産業資材分野ではその流れ
にある。
【0007】また最近、磁気記録カードなどの情報記録
媒体としては、キャッシュカードやクレジットカード、
IDカード等の分野に留まらず、接触式のICチップを
埋め込んだ磁気ストライプ付きICカードやアンテナと
ICモジュールを組み込んだ磁気ストライプ付き非接触
ICカード、又はそれら全てを持ち合わせたカードなど
種々の形式のものがある。また、これらのアプリケーシ
ョンとしては、電子財布や定期券、テレホンカード、免
許証、車載カードなどがあげられ、こういった情報記録
媒体に用いる素材には従来のカード以上に屈曲性、スク
ラッチ強度、引っ張り強度などの強度や、保存特性、耐
熱性、耐薬品性などの耐性において高い信頼性が求めら
れている。
【0008】そのような中、ポリエチレン樹脂、ポリプ
ロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリアクリル樹脂などのハロゲンを含まない熱可塑
性樹脂をカード素材として利用しようとする考えがあ
る。これらの樹脂を用い単体でカード状にすることはで
きるが、その物性はポリ塩化ビニル樹脂からなるカード
基材と較べてかなり異なるため、種々の工夫が必要とな
ってくる。
【0009】一方、ポリエステル樹脂の一種であるポリ
エチレンテレフタレートは、テレフタル酸とエチレング
リコールを重縮合して得られ、シート製造工程中での延
伸配向・熱固定によって結晶性を増したり、延伸の代わ
りに結晶核剤を添加することで結晶性の高い、高強度の
シートとすることができる。しかしながら、未延伸の状
態やテレフタル酸とイソフタル酸を使った系では結晶性
の低い低結晶性シートができ、また、テレフタル酸とシ
クロヘキサンジメタノール及びエチレングリコールとの
共重合体から作られるシートも低結晶性のものとなる。
【0010】これらの低結晶性のポリエチレンテレフタ
レート系樹脂からなるシートの物性や磁気テープの埋め
込み適性は塩化ビニル樹脂からなるシートに近い物性を
持っているものの、エンボス加工後にカールが生じ、そ
のカール量が非常に大きいことから、塩化ビニル樹脂製
カードの代替品としては難しいとされていた。
【0011】そのような中、カード基材としてポリ塩化
ビニル樹脂製シートの代わりにポリエチレンテレフタレ
ート系シートを用いる場合には、エンボス後のカールが
大きくならないように、基材にタルクを入れてきたが、
タルクを入れると曲げに対する耐久性が低くなるので、
特に接触型ICカードや非接触式ICカードのようにカ
ード基材中にCIモジュール等を埋設するタイプのカー
ドにおいてはそれを構成するカード基材中にはある程度
までしかタルクを添加させることはできず、エンボス後
のカール発生の低減化には限界があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
問題点に着目してなされたもので、情報記録媒体を構成
するコア基材を、ポリエステル系樹脂にタルクを10%
以上混合させた層と、タルクを入れない層との2層を少
なくとも含む多層構造のものとすることにより、エンボ
ス後のカールが小さく、さらに曲げに対する耐久性が高
く、割れが起きにくい情報記録媒体の提案を目的とする
ものであ。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような目的
を達成するためになされ、請求項1に記載の発明は、コ
ア基材が、非晶性ポリエステル系樹脂を主体としタルク
を10%以上添加してあるタルク添加コア構成層と、非
晶性ポリエステル系樹脂を主体としタルクを添加してい
ないタルク非添加コア構成層との少なくとも2層を含む
多層構成であることを特徴とする情報記録媒体である。
【0014】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の情報記録媒体において、コア基材が、非晶性ポ
リエステル系樹脂を主体としタルクを10%以上添加し
てあるタルク添加コア構成層の両面を非晶性ポリエステ
ル系樹脂を主体としタルクを添加していなタルク非添加
コア構成層で挟み込んで積層してなる3層構成であるこ
とを特徴とする。
【0015】さらにまた、請求項3に記載の発明は、請
求項1または請求項2に記載の情報記録媒体において、
コア基材が不透明であることを特徴とする。
【0016】さらにまた、請求項4に記載の発明は、請
求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の情報記録
媒体において、コア基材の少なくとも片面には透明もし
くは半透明の非晶性ポリエステル系樹脂を主体とする表
面被覆層が設けてあることを特徴とする。
【0017】さらにまた、請求項5に記載の発明は、請
求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の情報記録
媒体において、非晶性ポリエステル系樹脂は、テレフタ
ル酸とシクロヘキサンジメタノール及びエチレングリコ
ールとの共重合体、テレフタル酸とイソフタル酸及びエ
チレングリコールとの共重合体、又はその共重合体とポ
リカーボネート、ポリアリレートとのポリマーアロイで
あることを特徴とする。
【0018】さらにまた、請求項6に記載の発明は、請
求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の情報記録
媒体において、非晶性ポリエステル系樹脂は、ガラス転
移温度が80℃以上であることを特徴とする。
【0019】さらにまた、請求項7に記載の発明は、請
求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の情報記録
媒体において、一部には情報記録手段として少なくとも
ICモジュールが埋設してあることを特徴とする。
【0020】 [発明の詳細な説明]以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1は本発明の情報記録媒体の一実施形態である
ICカード1の概略断面構成説明図である。図中、2は
コア基材であり、タルク添加コア構成層3とタルク非添
加コア構成層4との積層構成になるものである。また、
7はこのコア基材2の一部に埋設されているICモジュ
ール、5、6はコア基材2の表面に設けられている絵柄
・文字部である。
【0021】タルク添加コア構成層3とタルク非添加コ
ア構成層4は非晶性ポリエステル系樹脂を構成主体とし
てなるものである。そして、タルク添加コア構成層3に
はその名称が示すようにタルクが添加されており、タル
ク非添加コア構成層4にはタルクが添加されていない。
ここで、非晶性ポリエステル系樹脂としては、例えばポ
リエチレンテレフタレート、又はポリエチレンテレフタ
レートとポリカードネートとのポリマーアロイをあげる
ことができる。ポリエチレンテレフタレートはエチレン
グリコールとシクロヘキサンジメタノールをテレフタル
酸と共重合させて製造することができるが、この際、エ
チレングリコールとシクロヘキサンジメタノールの配合
比を変えることで、結晶性及びガラス転移温度を制御す
ることが可能になる。
【0022】タルク添加コア構成層3にタルクを添加す
るのは、カード形状にする際に施すエンボス加工の後に
カールが生じるのを防止または低減させるためである
が、この目的達成のためのタルクの添加はコア基材の曲
げに対する耐久性の低下を招くことにもなる。そこで、
本発明においては、コア基材を多層構成にし、その中の
少なくとも1層はタルクを添加させたコア構成層とし、
少なくとももう1層はタルクを添加しないコア構成層と
し、エンボス形成後のカールを小さくすることはもちろ
んのこと、曲げに対する耐久性を上げることをも可能と
する。タルクの添加割合は、コア構成層を構成する樹脂
組成物に対して10%以上とする。好ましくは樹脂組成
物に対して10%から20%の範囲での添加である。ち
なみに添加割合が10%未満であると、エンボスカール
の低減に対する効果がそれほど大きくは見られない。
【0023】一方、タルク添加コア構成層3並びにタル
ク非添加コア構成層4には、種々の特性の付与を目的と
して、さらに種々のフィラー、及び添加剤を添加、混合
することができる。これらのフィラーとして、例えば、
無定型フィラーとしては重質炭酸カルシウム、軽質炭酸
カルシウム、天然シリカ、カオリン、クレー、酸化チタ
ン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、ア
ルミナ、水酸化マグネシウムなどが、また、板状フィラ
ーとしては例えばタルク、マイカガラスフレーク等が添
加、混練でき、さらには針状フィラーとしては例えば、
ウォラストナイト、チタン酸カリウム、塩基性硫酸マグ
ネシウム、セピオライト、ゾノトライト、ホウ酸アルミ
ニウム等が添加、混練できる。また、白色顔料としての
酸化チタンなどを添加、混練してもよい。これらのフィ
ラーを混練させることにより、剛度をはじめとして、耐
久性、耐熱変形性、成形加工性、耐衝撃強度、寸法安定
性などの特性が改良できる。前述のフィラーは単体で添
加することができるが、数種を同時に添加することもで
き、目標とする物性値によって、フィラーを選択して使
用すればよい。
【0024】一方、図2は本発明の情報記録媒体の他の
実施形態に係る磁気記録部を有するICカードの概略断
面構成図を示している。このICカード21は、タルク
添加コア構成層23とタルク非添加コア構成層24との
積層構成になるコア基材22の両面に表面被覆層29、
30がさらに積層されてなるカード基材を骨格とするも
ので、その一部にICモジュール27と磁気テープから
なる磁気記録部28が埋設してあると共に、文字・絵柄
部25、26がそれぞれ設けてある。
【0025】このICカード21は、前述したICカー
ド1と較べ、コア基材22の両面に表面被覆層29、3
0が設けてある点と、情報記録手段としての磁気記録部
28がICモジュール27と共に設けてある点で異な
る。
【0026】表面被覆層29、30は透明もしくは半透
明の非晶性ポリエステル系樹脂を主体としてなる層であ
り、具体的には構成分子の主鎖にエステル結合を含む高
耐熱性を有するポリエステルシートや、熱可塑性エラス
トマーであるポリエステルエラストマーとポリアリレー
トなどからなるシートなどで構成される層である。前者
のポリエステルエラストマーは、弾性回復限界があり、
材料自体の変形率は7〜25%が限界で、それ以上の変
形では永久歪みが生じるが、材料強度が大きいため、カ
ード形状としたときには大きな弾性変形を発現させるこ
とができる。すなわち、カード形状とした場合に、エン
ボス加工を施すと、エンボス部分は永久歪みとして残る
ものの、その周囲は弾性変形として元のカード形状に戻
るため、エンボス後にカールが発生しにくくなる。
【0027】他方、図3は本発明の情報記録媒体のさら
に他の実施形態に係る磁気記録部を有するICカードの
概略断面構成図を示している。このICカード31はタ
ルク添加コア構成層33とその両面のタルク非添加コア
構成層34−1、34−2の積層構成になるコア基材3
2の両面に表面被覆層39、40がさらに積層されてな
るカード基材を骨格とするもので、その一部にICモジ
ュール37と磁気テープからなる磁気記録部38が埋設
してあると共に、文字・絵柄部35、36がそれぞれ設
けてある。
【0028】このICカード31は、前述した磁気記録
部を有するICカード21と較べ、コア基材32がタル
ク添加コア構成層33とその両面のタルク非添加コア構
成層34−1、34−2との3層構成となっている点で
異なる。
【0029】このような構成の情報記録媒体、例えばI
Cカードは、非晶性ポリエステル系樹脂を主体としタル
クが10%以上添加してあるタルク添加コア構成層と非
晶性ポリエステル系樹脂を主体としタルクが添加してな
いタルク非添加コア構成層との少なくとも2層を含む多
層構成のコア基材を押し出しラミネート法などにより作
製し、必要であればこのコア基材の表面に非晶性ポリエ
ステル系樹脂を主体とする表面被覆層を所望の文字・絵
柄部がそれらの境界部分に位置するように積層させ、し
かる後に溶融ラミネート方式などにより、前記工程で得
られた積層物をそれより一回り大きい鏡面板で挟み、そ
の後加熱溶融プレスなどにより一体化し、カード基材を
得る。一体化した後は、カード基材を鏡面板から剥が
し、片刃またはオスーメスの金型による打ち抜きでカー
ド形状に打ち抜き、カード状基材とする。このカード状
基材には、情報記録部をICモジュールのザグリ部への
埋設あるいは磁気テープの熱転写や磁気層の印刷などの
方法により情報記録媒部として設け、さらにはエンボッ
サーにより浮き文字をエンボスし、その文字の上に熱転
写箔によりティッピングして色付けしたり、磁気記録層
に磁気情報をエンコードしたり、場合によっては顔写真
やバーコード等を転写しカードに仕上げる。さらに、文
字・絵柄部の摩耗などに対する耐性を向上させる目的で
保護層を設けることもできる。
【0030】また、溶融ラミネート時に用いる鏡面板
は、ニッケル−クロムメッキした銅板、表面を研磨した
ステンレス板、表面を研磨したアルミ板などを用いるこ
とができる。また、カード基材への文字・絵柄部の形成
は、紙やプラスチックフィルムの場合と同じ方法、すな
わち、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、グラビア
印刷法等の公知の印刷法を採用することができる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。
【0032】(実施例1)タルクをポリエチレンテレフ
タレートとポリカーボネートのブレンドポリマーの樹脂
分に対して10%添加してなる白色のタルク添加コア構
成層3(厚み0.4mm)と、タルクの入っていないポ
リエチレンテレフタレートとポリカーボネートのブレン
ドポリマーからなる白色のタルク非添加コア構成層4
(厚み0.4mm)との2層構成になる総厚が0.8m
mの白色のコア基材2(三菱樹脂社製:ディアフィクス
WHT)の両面に文字・絵柄部5、6をスクリーン印刷
により施し、積層基材を得た。次に、この積層基材をカ
ード形状に打ち抜いた後、その一部にザグリを入れた。
そして、ザグリ部にICモジュール7を埋設した(図1
参照)。続いて、上述のようにして得たICカードにエ
ンボス加工を施した。このカードはコア基材が複層で、
しかもそれを構成する一方のコア構成層のみにタルクが
添加してあるので、エンボス後のカールは小さく、JI
S規格内に入り、さらにICモジュールを埋設した状態
でのISO曲げ試験においても割れは起きなかった。
【0033】(実施例2)タルクをポリエチレンテレフ
タレートとポリカーボネートのブレンドポリマーの樹脂
分に対して10%添加してなる白色のタルク添加コア構
成層23(厚み0.3mm)と、タルクの入っていない
ポリエチレンテレフタレートとポリカーボネートのブレ
ンドポリマーからなる白色のタルク非添加コア構成層2
4(厚み0.3mm)との2層構成になる総厚が0.6
mmの白色のコア基材22(三菱樹脂社製:ディアフィ
クスWHT)の両面に文字・絵柄部25、26をオフセ
ット印刷より施し、積層基材を得た。次に、この積層基
材の表面に磁気テープを転写して設けた磁気記録部28
を有する厚み0.1mmの透明な表面被覆層29(三菱
樹脂社製:ディアフィクスCHT)を、裏面には同じ素
材で磁気記録部は設けていない表面被覆層30を重ねた
後、ステンレス板で挟み込み、140℃で20分間圧着
熱融着させて冷却固化させてカード基材を得た。そし
て、このカード基材をカード形状に打ち抜いてカード化
した(図2参照)。続いて、上述のようにして得たIC
カードにエンボス加工を施し、エンボス文字と磁気記録
部を有するICカードとした。このカードはコア基材が
複層で、しかもそれを構成する一方のコア構成層のみに
タルクを添加してあるのでエンボス後のカールは小さ
く、JIS規格内に入り、さらにICモジュールを埋設
した状態でのISO曲げ試験においても割れは起きなか
った。
【0034】(実施例3)タルクをポリエチレンテレフ
タレートとポリカーボネートのブレンドポリマーの樹脂
分に対して10%添加してなる白色のタルク添加コア構
成層33(厚み0.3mm)と、タルクの入っていない
ポリエチレンテレフタレートとポリカーボネートのブレ
ンドポリマーからなり、前記タルク添加コア構成層33
の上下面に積層させた白色のタルク非添加コア構成層3
4−1、34−2(厚み0.15mm)との2種3層か
らなる総厚み0.6mmの白色のコア基材32(三菱樹
脂:ディアフィクスWHT)の両面に文字・絵柄部3
5、36をオフセット印刷とスクリーン印刷により施
し、積層基材を得た。次に、この積層基材の表面に磁気
テープを転写して形成した磁気記録部38を有する厚み
0.1mmの透明なポリエチレンテレフタレートとポリ
カーボネートのブレンドポリマーからなる表面被覆層3
9(三菱樹脂社製:ディアフィクスCHT)を、裏面に
は同じ素材で磁気記録部は設けていない表面被覆層15
をそれぞれ重ね、表面を平滑にしたステンレス板で挟み
込み、140℃で20分間圧着熱融着させて冷却固化さ
せ、コア基材と表面被覆層とを積層・一体化してカード
基材を得た。その後このカード基材をカード形状に打ち
抜いてカード化した(図3参照)。続いて、上述のよう
にして得たICカードにエンボス加工を施した。このカ
ードはコア基材が複層で、しかもそれを構成する1層の
コア構成層にのみタルクを添加させてあるのでエンボス
後のカールは小さく、JIS規格内に入り、さらにIC
モジュールを埋設した状態でのISO曲げ試験において
も割れは起きなかった。
【0035】(比較例1)ポリエチレンテレフタレート
とポリカーボネートのブレンドポリマーの樹脂分に対し
てタルクを10%混入させた厚み0.8mmの白色の単
層コア基材42(三菱樹脂社製:ディアフィクスWH
T)を用いた以外は、実施例1と同様の条件にてICカ
ード作った(図4参照)。
【0036】(比較例2)厚み0.8mmの白色ポリ塩
化ビニル(三菱樹脂:ビニホイル)を単層コア基材52
として用いた以外は、実施例1と同様の条件にてICカ
ードを作製した(図5参照)。
【0037】以上のようにして得られた実施例1、2、
3のカードはエンボス後のカールが小さかった。さらに
ICモジュールを入れた後の曲げ試験においては優れた
耐久性を示した。また、カードとして要求される高耐熱
性、耐光性、耐薬品性などは実使用上問題ないものであ
り、例えば高耐熱性が要求される車載用カードとしての
使用に際しても十分耐え得るものであった。
【0038】また、比較例1のカードはタルクが入り、
また耐熱性のあるポリエステルシートを用いていたた
め、エンボス後のカールが小さく、さらに高耐熱性を有
していた。しかしコア基材全体にタルクが入っていたた
めにICモジュールが入った後の曲げ試験においては所
期の耐久性が確認できず、また割れが起きやすくなりI
Cカードとしては使用に耐えうるものではなかった。
【0039】さらに、比較例2のカードは、塩化ビニル
樹脂をコア基材として用いていたため、耐熱性が低く、
例えば高耐熱性が要求される車載用カードとして不適で
あった。また用済み後焼却したとき、塩化水素ガスが発
生する可能性があり、廃棄性に優れたカードとは言うこ
とができなかった。
【0040】これに対して実施例1、2、3のカードで
は、エンボス後のカールが小さく、また、コア基材がタ
ルクの入っているコア構成層とタルクが入っていないコ
ア構成層の多層構成であるため、ICモジュールが入っ
た後の曲げ試験において所期の耐久性が認められた。ま
たこれらの基材に耐熱性のある樹脂を用いているので、
耐熱性が高く、例え真夏の炎天下に置かれた車の中にど
んな形で置かれても変形はせず、また、ポリ塩化ビニル
樹脂を用いていないため、用済み後に焼却したとしても
焼却炉を傷めたりダイオキシン問題を起こすこともな
い。
【0041】
【発明の効果】本発明は、コア基材を少なくとも2層以
上とし、この2層をタルクを入れた層とタルクを入れな
い層とすることで、エンボス後のカールが小さく、また
ICモジュールなどのコア基材とは材質や物性が異なる
埋設物が入った後の曲げ試験においても優れた耐久性が
認められる。さらには使用後焼却された際に塩化水素の
問題やダイオキシンの問題がなく、優れた廃棄処理性を
有する。また、コア基材には非晶性のポリエチレンテレ
フタレート系樹脂や耐熱性のあるポリカーボネートやポ
リアリレートなどを混合したポリエステル系樹脂シート
を用いることにより、より高い耐熱性を示すようにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報記録媒体の概略
断面構成説明図である。
【図2】本発明の他の実施形態に係る情報記録媒体の概
略断面構成説明図図である。
【図3】本発明のさらに他の実施形態に係る情報記録媒
体の概略断面構成説明図である。
【図4】比較例1の係る情報記録媒体の概略断面構成説
明図である。
【図5】比較例2に係る情報記録媒体の概略断面構成説
明図である。
【符号の説明】
1、21、31、41、51・・・ICカード 2、22、32・・・コア基材 3、23、33・・・タルク添加コア構成層 4、24、34−1、34−2・・・タルク非添加コア
構成層 5、6、25、26、35、36、45、46、55、
56・・・文字・絵柄部 7、27、37、47、57・・・ICモジュール 28、38・・・磁気記録部 29,30、39、40・・・表面被覆層 42、52・・・単層コア基材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コア基材が、非晶性ポリエステル系樹脂を
    主体としタルクを10%以上添加してあるタルク添加コ
    ア構成層と、非晶性ポリエステル系樹脂を主体としタル
    クを添加していないタルク非添加コア構成層との少なく
    とも2層を含む多層構成であることを特徴とする情報記
    録媒体。
  2. 【請求項2】コア基材が、非晶性ポリエステル系樹脂を
    主体としタルクを10%以上添加してあるタルク添加コ
    ア構成層の両面を非晶性ポリエステル系樹脂を主体とし
    タルクを添加していなタルク非添加コア構成層で挟み込
    んで積層してなる3層構成であることを特徴とする請求
    項1に記載の情報記録媒体。
  3. 【請求項3】コア基材が不透明であることを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載の情報記録媒体。
  4. 【請求項4】コア基材の少なくとも片面には透明もしく
    は半透明の非晶性ポリエステル系樹脂を主体とする表面
    被覆層が設けてあることを特徴とする請求項1ないし請
    求項3のいずれか1項に記載の情報記録媒体。
  5. 【請求項5】非晶性ポリエステル系樹脂は、テレフタル
    酸とシクロヘキサンジメタノール及びエチレングリコー
    ルとの共重合体、テレフタル酸とイソフタル酸及びエチ
    レングリコールとの共重合体、又はその共重合体とポリ
    カーボネート、ポリアリレートとのポリマーアロイであ
    ることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか
    1項に記載の情報記録媒体。
  6. 【請求項6】非晶性ポリエステル系樹脂は、ガラス転移
    温度が80℃以上であることを特徴とする請求項1ない
    し請求項5のいずれか1項に記載の情報記録媒体。
  7. 【請求項7】一部には情報記録手段として少なくともI
    Cモジュールが埋設してあることを特徴とする請求項1
    ないし請求項6のいずれか1項に記載の情報記録媒体。
JP2001296701A 2001-09-27 2001-09-27 情報記録媒体 Pending JP2003108954A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001296701A JP2003108954A (ja) 2001-09-27 2001-09-27 情報記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001296701A JP2003108954A (ja) 2001-09-27 2001-09-27 情報記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003108954A true JP2003108954A (ja) 2003-04-11

Family

ID=19117893

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001296701A Pending JP2003108954A (ja) 2001-09-27 2001-09-27 情報記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003108954A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20140376175A1 (en) * 2013-04-22 2014-12-25 Huawei Device Co., Ltd. Apparatus for Preventing Deformation of Communication Card

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000080263A (ja) * 1998-07-08 2000-03-21 Teijin Chem Ltd プラスチックカード基材
JP2000169723A (ja) * 1998-12-02 2000-06-20 Toray Ind Inc シートまたはカード用熱可塑性樹脂組成物
JP2000169680A (ja) * 1998-12-02 2000-06-20 Toray Ind Inc ポリエステル樹脂カード材料
JP2000309181A (ja) * 1999-04-26 2000-11-07 Toppan Printing Co Ltd カード
JP2001129952A (ja) * 1999-11-09 2001-05-15 Tsutsunaka Plast Ind Co Ltd カード
JP2002249652A (ja) * 2001-02-27 2002-09-06 Mitsubishi Plastics Ind Ltd カード用シート
JP2003034009A (ja) * 2001-07-24 2003-02-04 Mitsubishi Plastics Ind Ltd カード用樹脂シート及びicカード

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000080263A (ja) * 1998-07-08 2000-03-21 Teijin Chem Ltd プラスチックカード基材
JP2000169723A (ja) * 1998-12-02 2000-06-20 Toray Ind Inc シートまたはカード用熱可塑性樹脂組成物
JP2000169680A (ja) * 1998-12-02 2000-06-20 Toray Ind Inc ポリエステル樹脂カード材料
JP2000309181A (ja) * 1999-04-26 2000-11-07 Toppan Printing Co Ltd カード
JP2001129952A (ja) * 1999-11-09 2001-05-15 Tsutsunaka Plast Ind Co Ltd カード
JP2002249652A (ja) * 2001-02-27 2002-09-06 Mitsubishi Plastics Ind Ltd カード用シート
JP2003034009A (ja) * 2001-07-24 2003-02-04 Mitsubishi Plastics Ind Ltd カード用樹脂シート及びicカード

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20140376175A1 (en) * 2013-04-22 2014-12-25 Huawei Device Co., Ltd. Apparatus for Preventing Deformation of Communication Card
US9798365B2 (en) * 2013-04-22 2017-10-24 Huawei Device Co., Ltd. Apparatus for preventing deformation of communication card

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4453162B2 (ja) 透明磁気カード及びその製造方法
JP4244460B2 (ja) カード
JP2003108954A (ja) 情報記録媒体
JP4378795B2 (ja) カード
JP4284750B2 (ja) カード及びカードの製造方法
JP4631155B2 (ja) カード
JP2000200329A (ja) カ―ド
JP4269354B2 (ja) カード
JP4032714B2 (ja) カード
JP2001080251A (ja) カード用シートおよびこれを用いて製造されたカード
JP4085803B2 (ja) 情報記録媒体およびその製造方法
JP2003276120A (ja) 情報記録媒体及びその製造方法
JP4599825B2 (ja) インキ、それを用いたカード及びその製造方法
JP2010208281A (ja) カード
JP2000260019A (ja) カード
JP4106978B2 (ja) カード
JP2004167897A (ja) カード及びその製造方法
JP2002024792A (ja) カード
JP4442094B2 (ja) 情報記録媒体の製造方法
JP2002248724A (ja) カード基材用積層体及びこれを用いたカード
JP2003159887A (ja) カード
JP4026134B2 (ja) プラスチックカード
JP2000306057A (ja) カード
JP2002283524A (ja) カード
JP2003044822A (ja) カード

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080911

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110628

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110705

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110902

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20111004