JP2003034009A - カード用樹脂シート及びicカード - Google Patents

カード用樹脂シート及びicカード

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JP2003034009A JP2001222824A JP2001222824A JP2003034009A JP 2003034009 A JP2003034009 A JP 2003034009A JP 2001222824 A JP2001222824 A JP 2001222824A JP 2001222824 A JP2001222824 A JP 2001222824A JP 2003034009 A JP2003034009 A JP 2003034009A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オーバーシートとの融着強度を低下させず、
エンボスカールの増大を抑制し、ICカードに適用した
際、ICチップ等の隠蔽性を高めることができるカード
用樹脂シートを提供する。 【解決手段】 接触式ICカード11はコアシート12と、
オーバーシート13a,13bとからカード本体14が形成さ
れている。カード本体14に形成された収容凹部15に、カ
ードリーダライタとの接点がカード本体14の表面に露出
する状態でICモジュール16が収容されている。コアシ
ート12は、表層12a、中間層12b及び裏層12cの3層で
構成されている。各層12a〜12cは、樹脂成分がポリエ
ステル系樹脂又はポリカーボネートとポリエステル系樹
脂の混合物である樹脂シートで形成されている。フィラ
ー含有量は中間層12bより表裏層12a,12cで少なく、
顔料の割合は中間層12bより表裏層12a,12cで多くな
るように設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カード用樹脂シー
ト及びICカードに係り、詳しくはICカードのコアシ
ートとして好適なカード用樹脂シート及びICカードに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気ストライプカードやICカード等の
プラスチックカードの素材としては、従来よりポリ塩化
ビニル系樹脂(以下、「PVC」という)からなるシー
トがよく使用されている。
【0003】例えば、磁気ストライプカードは、一般
に、片面に印刷を施した2枚の白色のコアシートを、印
刷していない面が向き合うように合わせ、さらに磁気テ
ープを仮貼りした透明のオーバーシートを印刷面の上に
重ねて、熱プレスでシート間を熱融着した後、打ち抜き
刃でカード形状に切断し、最後に磁気テープへのエンコ
ードと、エンボスと呼ばれる文字の刻印とを施して製造
される。
【0004】ICカードには「接触式ICカード」と
「非接触式ICカード」とがあり、「接触式ICカー
ド」はICチップの情報を読み書きするリーダライタと
の接点がカード表面に露出している。「非接触式ICカ
ード」は、カードにアンテナコイルとICチップとが内
蔵され、磁界中をカードが通過する時にコイルに発生す
る誘導電流で、ICチップの情報の読みとり、書き換え
が可能となっている。
【0005】ICカードはコアシートと、その表裏両側
に貼り合わされたオーバーシートとを有する。そして、
接触式ICカードでは、表面側のオーバーシート及びコ
アシートにかけて形成された凹部に、ICチップモジュ
ールが、リーダライタとの接点がカード表面に露出する
状態で埋め込まれる。また、非接触式ICカードでは、
アンテナコイル及びICチップがコアシート内に埋設さ
れている。
【0006】PVCシートはカレンダー法で大量に生産
でき、印刷、融着、エンボスなどの加工性に優れた、カ
ード用に好適な素材である。しかし、PVC製樹脂カー
ドは、炎天下、直射日光が当たる自動車の車内等に保管
又は放置すると、カードにエンボス加工により刻印され
た文字、記号等の凸部の高さが低下するという問題があ
る。この問題を解決するため、特開平11−60921
号公報には、ポリカーボネート70〜25重量%とポリ
ブチレンテレフタレート30〜75重量%とからなるプ
ラスチックカード用樹脂組成物が提案されている。
【0007】また、近年、世の中のエコロジーブームに
乗って、PVC以外の素材からなるカード用シートのニ
ーズが高まっており、例えば、テレフタル酸とエチレン
グリコールと1,4−シクロヘキサンジメタノールの脱
水縮合体である非結晶性のポリエステル樹脂からなるシ
ートが提案されている。この材料は、PVCシートに近
いカードへの加工性を持ち、PVCシートと同じ設備を
用いてカード化できるため、PVCに替わるシート素材
の本命と言われている。しかし、前記非結晶性のポリエ
ステル樹脂からなるシートは、PVCと同じ条件設定の
エンボッサーで文字の刻印を行うと、カードのカール
(以下、「エンボスカール」という)が大きくなること
があり、ISO、JIS規格を満たさなかったり、カー
ドの美観上好ましくないという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】特開平11−6092
1号公報に記載の樹脂組成物で形成された樹脂カード
は、エンボス文字の高さの減少量はPVC製樹脂カード
に比較して向上したが、反りに関してはPVC製樹脂カ
ードより悪い。
【0009】非結晶性のポリエステル樹脂からなるシー
トから形成したカードのエンボスカールを抑制するた
め、フィラーを混合することが考えられる。しかし、フ
ィラーを多く入れると、シート間の融着強度が低下する
とともに、割れ易くなる。また、接触式ICカードで
は、コアシートに埋め込まれた部分のICチップがIC
カードの裏面側から見えないように隠蔽すること、非接
触式ICカードでは、コアシートに埋め込まれた部分の
ICチップ及びアンテナコイルがICカードの表面及び
裏面側から見えないように隠蔽することが、見栄えの上
で重要となる。
【0010】コアシートの透けを防止するため顔料を添
加して前記隠蔽を行った場合、顔料を増やすとカードが
割れやすくなるとともに、コストアップにもなる。フィ
ラー及び顔料の添加量の増加によりシートの衝撃強度が
低下して割れ易くなるのを抑制するため、衝撃改良剤を
コアシート全体に添加すると、腰が弱くなってエンボス
カールが大きくなるとともに、耐熱性も低下するという
問題がある。
【0011】本発明は前記問題点を解決するためになさ
れたものであり、その第1の目的は、オーバーシートと
の融着強度を低下させず、エンボスカールの増大を抑制
し、ICカードに適用した際、ICチップ等の隠蔽性を
高めることができるカード用樹脂シートを提供すること
にある。また、第2の目的は、エンボスカールが小さ
く、ICチップ等の隠蔽性を高めたICカードを提供す
ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的を達成す
るため、請求項1に記載の発明では、樹脂成分がポリエ
ステル系樹脂又はポリカーボネートとポリエステル系樹
脂の混合物である樹脂シートを使用して、表層、中間層
及び裏層の3層構成とし、前記表層及び裏層のフィラー
含有量を前記中間層のフィラー含有量より少なくし、前
記各層の樹脂に着色剤を添加するとともに、前記着色剤
の割合を中間層より表裏層で多くした。
【0013】この発明では、樹脂シートはPVCの樹脂
シートと同等の加工性が得られる。樹脂シートが表層、
中間層及び裏層の3層構成で、表裏両層に含有されるフ
ィラー及び着色剤の割合が、中間層に含有されるフィラ
ー及び着色剤の割合と異なるように設定されている。そ
して、フィラーの含有量は表裏両層で低く、着色剤の含
有量は表裏両層で高くなる。従って、樹脂シート全体と
してエンボスカールを抑えるのに必要なフィラー量を使
用しても、ICカードのコアシートとして使用した際、
ICチップ等を良好に隠蔽するのに必要な着色剤を表裏
両層に含有させることができる。また、表裏両層のフィ
ラー量を低くでき、オーバーシートとの融着強度が低下
せず強固に融着される。
【0014】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記樹脂成分はポリカーボネートと
ポリエステル系樹脂との樹脂アロイであり、ポリエステ
ル系樹脂としてポリブチレンテレフタレート又はその共
重合体が使用されている。この発明では、樹脂アロイの
構成樹脂の配合を変えることにより、カードの加工性等
の自由度が高くなる。
【0015】請求項3に記載の発明では、請求項1又は
請求項2に記載の発明において、前記着色剤は顔料であ
る。この発明では、着色剤として顔料が使用されている
ため、染料に比較して必要な隠蔽性と色調を確保し易
い。
【0016】請求項4に記載の発明では、請求項3に記
載の発明において、前記顔料の濃度は表層及び裏層で下
限が15重量%、上限が30重量%である。この発明で
は、隠蔽性と割れ難さを共に満足させることができる。
【0017】請求項5に記載の発明では、請求項1〜請
求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記フィ
ラーは平均粒径が2μm以下のタルクで、前記中間層の
フィラー含有量の下限が8重量%である。この発明で
は、エンボスカールの要求性能を満たした状態で、表裏
両層の顔料濃度の自由度が増す。
【0018】請求項6に記載の発明では、請求項1〜請
求項5のいずれか一項に記載の発明において、前記表層
及び裏層には衝撃改良剤が5〜20重量%含有されてい
る。この発明では、表裏両層に衝撃改良剤が含有されて
いるため、耐衝撃性を低下させずに顔料濃度を高めて隠
蔽性を確保することができる。
【0019】前記第2の目的を達成するため、請求項7
に記載の発明のICカードでは、請求項1〜請求項6の
いずれか一項に記載の発明のカード用樹脂シートをコア
シートに使用した。この発明では、請求項1〜請求項6
のいずれか一項に記載の発明の効果を有する。
【0020】請求項8に記載の発明では、前記コアシー
トは前記カード用樹脂シートを複数枚積層して構成され
ている。この発明では、厚さの異なるコアシートを備え
たICカードを容易に製造することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を接触式ICカード
のコアシートに具体化した一実施の形態を図1(a),
(b)に従って説明する。図1(a)はICモジュール
を組み込む前の接触式ICカードのカード本体の部分模
式断面図、図1(b)はICモジュールを組み込んだ状
態の接触式ICカードの部分模式断面図である。
【0022】接触式ICカード11はコアシート12
と、その表裏両面に積層されたオーバーシート13a,
13bとからカード本体14が形成され、カード本体1
4に形成された収容凹部15にICモジュール16が収
容されている。オーバーシート13a,13bは透明な
樹脂フィルムで形成されている。オーバーシート13a
と対向する面がコアシート12の表の印刷面17aとな
り、オーバーシート13bと対向する面がコアシート1
2の裏の印刷面17bとなる。
【0023】ICモジュール16は、ICチップ16a
を基板16bに実装するとともに、封止剤16cで封止
することにより構成されている。基板16bにはその裏
面(ICチップ16aが実装された面と反対側の面)に
カードリーダライタとの接点(図示せず)が設けられて
いる。
【0024】収容凹部15は表面側のオーバーシート1
3aとコアシート12とに跨って形成されている。IC
モジュール16は、基板16bの裏面がカード本体14
の表面に露出する状態で、収容凹部15に収容されると
ともに接着剤18でカード本体14に接着固定されてい
る。収容凹部15は印刷面17a,17bに所望の印刷
が施された後、ルータなどによる切削加工で形成され
る。なお、図1(a),(b)では印刷部は図示してい
ない。
【0025】コアシート12は、表層12a、中間層1
2b及び裏層12cの3層で構成されている。各層12
a〜12cは、樹脂成分がポリエステル系樹脂又はポリ
カーボネート(PC)とポリエステル系樹脂の混合物
(PC/ポリエステル系樹脂アロイ)である樹脂シート
で形成されている。コアシート12の総厚さは0.1〜
0.7mmで、表層12a、中間層12b及び裏層12
cの厚さの比は、1/8/1〜2/1/2に、即ち中間
層12bの厚さがコアシート12の20〜80%となっ
ている。
【0026】各層12a〜12cをポリエステル系樹脂
で構成する場合は、ポリエチレンテレフタレートの構成
成分であるエチレングリコールの一部を1,4シクロヘ
キサンジメタノールで置換してなる実質的に非結晶性の
ポリエステル系樹脂(PETG)を主成分とするものが
好ましい。具体的には、エチレングリコールの約30〜
60モル%を1,4シクロヘキサンジメタノールで置換
したイーストマンケミカル社製の商品名PETG676
3や同社のPCTG5445等が商業的に入手可能なも
のとして挙げられる。
【0027】また、樹脂成分としてPC/ポリエステル
系樹脂アロイを使用する場合は、ポリエステル成分とし
てPETG又はポリブチレンテレフタレート(PBT)
を使用するのが好ましい。ポリブチレンテレフタレート
はテレフタル酸と1,4−ブタンジオールの脱水縮合体
であり、ホモポリマーでも共重合ポリマーでもどちらで
もよい。共重合ポリマーとしては、テレフタル酸の一部
をイソフタル酸で置換したものが商業的に入手でき、好
適に使用できる。
【0028】ポリブチレンテレフタレートのホモポリマ
ーを用いる場合、濃度が高いとカードの加工での熱プレ
ス融着工程でシートの結晶化が進み、シート間の融着強
度が低下したり、カードが割れ易くなるという問題が起
こることがある。ポリブチレンテレフタレートの共重合
体を用いると熱プレス融着工程での結晶化が起こり難く
なるため、例えば、テレフタル酸の約30モル%をイソ
フタル酸で置換した共重合体を用いると結晶化をほぼ防
止することができる。しかし、その添加濃度が高すぎる
とシートの腰が弱くなりすぎたり、インキの密着力が弱
くなったりすることがあるため、その添加濃度の上限は
概ね40wt%である。
【0029】各層12a〜12cの樹脂にそれぞれ別の
樹脂を使用してもよいが、この実施の形態では製造のし
易さから、各層12a〜12cは同じ樹脂を使用して添
加物の割合を変えた構成としている。
【0030】各層12a〜12cにはフィラー及び着色
剤が含有されている。フィラーには例えば、平均粒径が
2μm以下のタルクが使用され、表層12a及び裏層1
2cのフィラー含有量は、中間層12bのフィラー含有
量より少なく設定されている。中間層12bのフィラー
濃度は8重量%以上に設定されている。表層12a及び
裏層12cのフィラー濃度はそれ未満に設定されてい
る。中間層12bの物性によりコアシート12全体とし
てエンボスカールの必要な軽減が図れる場合は、表層1
2a及び裏層12cのフィラー含有量をゼロとしてもよ
いが、フィラーは含まれている方が好ましい。
【0031】着色剤には顔料が使用されている。顔料と
しては酸化チタンや硫酸バリウムのような白色顔料が望
ましい。表層12a及び裏層12cの着色剤の含有量
は、中間層12bの着色剤の含有量より大きく設定され
ている。一定の隠蔽性を確保するにはある量以上の着色
剤が必要となる。そして、その濃度は表層12a及び裏
層12cの厚さによっても変化し、表層12a及び裏層
12cが薄くなれば濃度は高くなる。しかし、あまり高
くすると割れ易くなるため、顔料の濃度は表層及び裏層
で下限が15重量%、上限が30重量%が好ましい。
【0032】表層12a及び裏層12cには衝撃改良剤
が添加されている。衝撃改良剤としては、例えばアクリ
ルゴムが使用される。衝撃改良剤は樹脂に対して5〜2
0重量%の範囲で添加するのが好ましい。
【0033】(実施例)以下、実施例及び比較例により
さらに詳しく説明する。 <カードの作製>コアシートを形成する樹脂として、イ
ーストマンケミカル社のPETG6763(以下、「P
ETG」と略す)と、ポリカーボネート(PC)とポリ
エステル系樹脂の樹脂アロイを使用した。樹脂アロイの
ポリエステル系樹脂としてポリブチレンテレフタレート
(PBT)ホモポリマーと、イソフタル酸(IPA)変
性PBTを使用した。それらの樹脂を使用して、表1〜
表3に示す配合処方となるように、表層、中間層及び裏
層からなる3層構成の多層シートを、同方向2軸押出機
を使用した共押出法により製作した。
【0034】フィラーには平均粒径が2μmのタルクを
使用した。タルクは特別な表面処理を行っていないもの
を用いた。また、PETGに少量の脂肪酸エステル系潤
滑剤を添加した配合物を用いて、Tダイ押出法によって
厚さ100μmの透明なオーバーシートを製作した。
【0035】<シートの評価> 1.エンボスカール 1枚のコアシートの上下を各1枚のオーバーシートで挟
み、これをクロムメッキ板で挟み、110℃で10分
間、シートの面圧9.8×105 Paでプレスした後、
室温まで冷却して取り出し、カード形状に打ち抜いてか
ら日本データカード社のエンボスエンコーダーDC90
00を用いて7Bフォントの文字を3行、各行19文字
エンボスした。エンボス文字のパターンは「123・・
・90123・・・789」とした。
【0036】エンボス後のカードを定盤上に置き、定盤
面からカードの非エンボス面の最も高い位置までの高さ
を測定し、これをエンボスカールの値とした。エンボス
カールはISO、JISともに2.5mm以下と規定さ
れているが、実用上のカードの見栄えを考慮して、エン
ボスカールが2.0mm未満のものを◎、2.0〜2.
2mmのものを○、2.2mmを超えるものを×とし
た。
【0037】2.カードの割れ エンボスしたカードの両短辺を手の親指と中指で挟み、
カードの長辺方向に垂直に折り曲げた時、カードが割れ
ずに折れ曲がるものを○、カードが割れるものを×とし
た。
【0038】3.隠蔽性 カードの裏面から目視観察して、隠蔽が十分なものを
◎、完全ではないが支障のないものを○、隠蔽が不十分
なものを×とした。
【0039】4.コアシートとオーバーシートとの融着
性 実施例1〜実施例14についてコアシートとオーバーシ
ートとの融着状態を調べたが、オーバーシートは確実に
表裏層と融着していた。
【0040】各実施例及び比較例のシートの評価結果を
表4に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】 実施例1〜3により、表層12a及び裏層12cの顔料
が15%以上のときは、両層12a,12bの厚さが大
幅に変化しても、エンボスカール性、隠蔽性が十分であ
り、カード割れも満足できる性能が得られることを確認
できる。比較例1,2、比較例5,6及び比較例9,1
0から、表裏層の顔料が10%(15%未満)のときは
隠蔽性が不十分であることを確認できる。また、比較例
3,7,11から、顔料が30%より多くなると、隠蔽
性は十分であるが、カードが割れ易くなることを確認で
きる。
【0045】実施例5,6、実施例9,10及び実施例
13,14から、表裏層の顔料の濃度を高くするととも
に厚さを薄くし、その分、中間層を厚くすることによ
り、隠蔽性が良好なまま、エンボスカール性がより向上
することを確認できる。
【0046】この実施の形態では次の効果を有する。 (1) 樹脂成分がポリエステル系樹脂又はPCとポリ
エステル系樹脂のアロイ樹脂の樹脂シートを使用して、
表層、中間層及び裏層の3層構成とし、表層及び裏層の
フィラー含有量を中間層のフィラー含有量より少なく
し、各層の樹脂に着色剤を添加するとともに、着色剤の
割合を中間層より表裏層で多くした。即ち、表裏層は隠
蔽性に重点をおいた組成とし、中間層はエンボスカール
を抑えるのに重点をおいた組成となっている。従って、
樹脂シート全体としてエンボスカールを抑えるのに必要
なフィラー量を使用しても、ICカードのコアシートと
して使用した際、ICチップ等を良好に隠蔽するのに必
要な着色剤を表裏両層に含有させることができる。ま
た、表裏両層のフィラー量を低くでき、オーバーシート
との融着強度が低下せず強固に融着される。
【0047】(2) 着色剤として顔料が使用されてい
るため、染料に比較して必要な隠蔽性と色調を確保し易
い。 (3) 顔料の濃度は表層及び裏層で下限が15重量
%、上限が30重量%に設定されている。従って、表裏
層と中間層の厚さの比を大きく変えても隠蔽性と割れ難
さを共に満足させることができる。
【0048】(4) フィラーに平均粒径が2μm以下
のタルクを使用し、中間層のフィラー含有量の下限を8
重量%としたので、エンボスカールの要求性能を満たし
た状態で、表裏両層の顔料濃度を比較的広い範囲で変更
できる。
【0049】(5) 表層12a及び裏層12cには衝
撃改良剤が5〜20重量%含有されているため、耐衝撃
性を低下させずに顔料濃度を高めて隠蔽性を確保するこ
とができる。また、ICカードとして使用され、繰り返
し曲げ作用を受けた際、収容凹部15の底部の隅から裏
層12cを経て割れが表面へ伝播するのが抑制される。
また、中間層には衝撃改良剤を添加しないため、コアシ
ート12全体としてエンボスカールが大きくなるほど腰
が弱くならず、耐熱性の低下も抑制される。
【0050】(6) 実質的に非結晶性のポリエステル
系樹脂として、商業的に入手可能なものを使用できるの
で、製造コストを低下できる。実施の形態は前記に限定
されるものではなく、例えば、次のように具体化しても
よい。
【0051】○ コアシート12を非接触式ICカード
の製造に使用してもよい。非接触式ICカードの場合
は、図2に示すように、ICチップ19aを備えたIC
モジュール19及びアンテナコイル20は、中間層12
bに形成された孔21に収容された状態で接着剤で固定
される。そして、孔21はオーバーシート13a,13
bで覆われる。
【0052】○ ICカードを製造する際、1枚のコア
シート12を両オーバーシート13a,13bで挟持す
る構成に限らず、図3に示すように、複数枚(図3では
2枚)のコアシート12をオーバーシート13a,13
b間に挟持する構成としてもよい。この場合、薄いコア
シート12を予め多数準備しておき、両オーバーシート
13a,13bに挟持されるコアシート12の枚数を調
整することにより、厚さの異なるコアシート12を備え
たICカードを容易に製造できる。
【0053】○ カードとしての要求性能を満たせば、
中間層12bと、表層12a及び裏層12cとで違った
樹脂を使用した構成としてもよい。例えば、PCとポリ
エステルのアロイの場合、表層12a及び裏層12cと
中間層12bとで、PCの比率を変えたり、各樹脂の分
子量を変えた構成としてもよい。具体的には、PC/P
BT系の3層品の場合、表層12a及び裏層12cに
は、中間層12bより分子量が低めのPC及び/又はP
BTを使用する。この場合、シート間のプレス時の融着
性が向上する。
【0054】○ 表層12a及び裏層12cにPETG
を使用し、中間層12bにPC/ポリエステル系アロイ
を使用した構成としてもよい。この場合、PETGの低
温融着の長所と、PC/ポリエステル系アロイの耐熱性
の長所が生かせる。
【0055】○ 表層12a及び裏層12cに使用する
顔料の種類によっては、衝撃改良剤を添加しなくても良
い。しかし、一般には衝撃改良剤を添加する方が良い。 ○ 顔料は白色のものに限らず、白以外の色に着色され
るものでもよい。しかし、白に着色される顔料の方が、
印刷面17a,17bの印刷に使用するインクの色の自
由度が大きくなる。
【0056】○ 所望の隠蔽性と色調とを確保できれ
ば、着色剤として顔料に代えて染料を使用してもよい。
しかし、顔料の方が要求性能を満たすのが容易となる。 ○ ICカードのコアシートに限らず、磁気ストライプ
カードのコアシートに適用してもよい。磁気ストライプ
カードにおいても、コアシートとオーバーシートとの融
着性は重要であり、エンボスカールを抑えて融着性を高
めることができる。
【0057】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1〜請求項6
に記載の発明によれば、オーバーシートとの融着強度を
低下させず、エンボスカールの増大を抑制し、ICカー
ドに適用した際、ICチップ等の隠蔽性を高めることが
できる。また、請求項7及び請求項8に記載の発明によ
れば、エンボスカールが小さく、ICチップ等の隠蔽性
を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は一実施の形態のカード本体の部分模
式断面図、(b)は接触式ICカードの部分模式断面
図。
【図2】 非接触式ICカードの部分模式分解断面図。
【図3】 別の実施の形態のカード本体の部分模式分解
断面図。
【符号の説明】
12a…表層、12b…中間層、12c…裏層、12…
カード用樹脂シートとしてのコアシート。
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Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂成分がポリエステル系樹脂又はポリ
    カーボネートとポリエステル系樹脂の混合物である樹脂
    シートを使用して、表層、中間層及び裏層の3層構成と
    し、前記表層及び裏層のフィラー含有量を前記中間層の
    フィラー含有量より少なくし、前記各層の樹脂に着色剤
    を添加するとともに、前記着色剤の割合を中間層より表
    裏層で多くしたことを特徴とするカード用樹脂シート。
  2. 【請求項2】 前記樹脂成分はポリカーボネートとポリ
    エステル系樹脂との樹脂アロイであり、ポリエステル系
    樹脂としてポリブチレンテレフタレート又はその共重合
    体が使用されている請求項1に記載のカード用樹脂シー
    ト。
  3. 【請求項3】 前記着色剤は顔料である請求項1又は請
    求項2に記載のカード用樹脂シート。
  4. 【請求項4】 前記顔料の濃度は表層及び裏層で下限が
    15重量%、上限が30重量%である請求項3に記載の
    カード用樹脂シート。
  5. 【請求項5】 前記フィラーは平均粒径が2μm以下の
    タルクで、前記中間層のフィラー含有量の下限が8重量
    %である請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のカ
    ード用樹脂シート。
  6. 【請求項6】 前記表層及び裏層には衝撃改良剤が5〜
    20重量%含有されている請求項1〜請求項6のいずれ
    か一項に記載のカード用樹脂シート。
  7. 【請求項7】 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記
    載の発明のカード用樹脂シートをコアシートに使用した
    ICカード。
  8. 【請求項8】 前記コアシートは前記カード用樹脂シー
    トを複数枚積層して構成されている請求項7に記載のI
    Cカード。
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