JP3628256B2 - カード用樹脂組成物、シートおよびカード - Google Patents
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Description
本発明は、磁気ストライプカード、ICカードなどのプラスチックカードの素材に用いられる樹脂組成物、カードに作製されるシートおよびカードに関するものである。
背景技術
磁気ストライプカードやICカードなどのプラスチックカードの素材としては、従来よりポリ塩化ビニル系樹脂(以下「PVC」という)が使われている。
磁気ストライプカードは、一般に、白色系のコアシートの上下に磁気ストライプを設けた透明系のオーバーシートを重ねて熱プレスで層間を接着(以下「ラミネート」という)した後、これを打ち抜き刃でカード形状に切断し、最後に刻印機でエンボス刻印を行うことにより製造される。
ICカードは種々の方法により製造されるが、磁気ストライプカードの製造と同様に、2種類のシートを接着してカード素材を作製し、後加工でICチップを装着する凹み部を切削加工する方式が主流になりつつある。
通常、シートには前カードに必要とされる印刷が前もって施されている。
PVCはカレンダー加工で大量に生産できる上に、ラミネート適性、ラミネート後のプレス板との剥離性、エンボス刻印性などの二次加工性に優れているので、プラスチックカードの素材として好適な材料である。
最近、世の中のエコロジーブームに乗って、非PVC系のカード用素材のニーズが高まってきており、ポリスチレン系およびポリエステル系の材料が提案されている。
しかし、これらの非PVC系のカード用素材である各種の耐衝撃性スチレンやアクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体は、カード形状に打ち抜いた時の切断面のバリ(以下「抜きバリ」という)が大きく、さらに、カードにエンボス刻印を行った後、カードの反り(以下「エンボスカール」という)も大きくなるという問題があった。
また、非PVC系カード用素材であるポリエステル系材料としては、例えば、重合前のモノマーの酸成分がテレフタール酸でありジオール成分がエチレングリコールとシクロヘキサンジメタノールであるような、実質的に非結晶性であるポリエステル系樹脂がある。非結晶性ポリエステル系樹脂はPVCと比較して、低温でのラミネート性に優れる上に、刻印性もよく、カード状にした場合の繰り返し曲げ、捩りへの耐久性に優れるという長所がある。
そこで非結晶性ポリエステル系樹脂は好適なカード用素材として注目されているが、二次加工性の点でまだ不十分なところがある。すなわち、非結晶性ポリエステル系樹脂のみからなるカードは高温にさらされると、カードにそりが生じたり、エンボスカールが生じたりする。また、カード形状に打ち抜くときに、打ち抜く刃の雄型と雌型のクリアランスでのオーバーシートの伸びが大きく、フラットな打ち抜き断面が得にくい。カードがカールしていたり、カードの打ち抜き断面がフラットでないと、手触りが悪いだけでなく、カードリーダーへの出し入れ時に断面が機械に引っかかる心配があった。
あるいはまた、プレス板に挟んでラミネートした後、冷却してから取り出すとき、プレス板への貼り付きが非常に強力で、実用可能なレベルの剥離性を得ることができないという問題があった。
以上述べたように、非PVC系であり環境適性に優れた非結晶性ポリエステル系樹脂はカード用基材に適している面もあるが、未だ二次加工性の点において十分でなく、カードに使用する場合には要求に応じた二次加工性を満足するように改良が望まれていた。
発明の開示
本発明は上記問題点を解決すべくなされたものであり、本発明の目的は、カードのそりやエンボスカールが生じない非PVC系樹脂のプラスチックカード用樹脂組成物、シートおよびカードを提供することにある。また、本発明の別の目的は、カードの打ち抜き断面がフラットである非PVC系樹脂のプラスチックカード用樹脂組成物、シートおよびカードを提供することにある。さらに本発明の他の目的は、プレス板からの剥離性が改良された、非PVC系樹脂のプラスチックカード用樹脂組成物、シートおよびカードを提供することにある。
本発明のカード用樹脂組成物の第1の態様は、実質的に非結晶性のポリエステル系樹脂を主成分とすることを特徴とする。
本発明のカード用樹脂組成物の第2の態様は、プラスチックカードの素材に用いられる材料であって、実質的に非結晶性のポリエステル系樹脂に、ポリエチレングリコールとアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムとを重量比で1/9〜9/1の割合で混合したものを、0.1重量%〜1.5重量%の範囲で添加したことを特徴とする。
本発明のカード用樹脂組成物の第3の態様は、実質的に非結晶性のポリエステル系樹脂に、平均粒径が5μm以下の粉末状ケイ酸および粉末状マグネシウムシリケートの少なくとも1つを、前記実質的に非結晶性のポリエステル系樹脂に対して0.5〜5.0重量%の範囲で含有することを特徴とする。
本発明のカード用樹脂組成物の第4の態様は、実質的に非結晶性のポリエステル系樹脂に、平均粒径が3〜10μmの粒状および/または板状の無機フィラーを、前記実質的に非結晶性のポリエステル系樹脂に対して2〜10重量%の範囲で含有することを特徴とする。
上記カード用樹脂組成物は、非結晶性のポリエステル系樹脂がテレフタル酸とエチレングリコールと1,4−シクロヘキサンジメタノールとの混合物を脱水縮合させたポリエステル系樹脂であることができる。
本発明のシートは、上記カード用樹脂組成物のいずれかを用いて作製されることを特徴とする。
本発明のカードは、上記カード用樹脂組成物のいずれかを用いて作製された層を有することを特徴とする。
ここで、カード用樹脂組成物は、実質的に非結晶性のポリエステル系樹脂に、ポリエチレングリコールとアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムとを重量比で1/9〜9/1の割合で混合したものを、0.1重量%〜1.5重量%の範囲で添加した樹脂組成物であり、該樹脂組成物を用いて作成したシート2枚からなるカードであることが好ましい。
本発明のカードの他の態様は、最外層であるオーバーシートと内層であるコアシートを有するカードにおいて、前記コアシートは実質的に非結晶性のポリエステル系樹脂からなり、前記オーバーシートはガラス転移温度が90〜140℃である樹脂組成物からなることを特徴とする。
ここで、オーバーシートはポリカーボネート系樹脂からなることができる。
また、非結晶性のポリエステル系樹脂は、テレフタル酸とエチレングリコールと1,4−シクロヘキサンジメタノールとの混合物を脱水縮合したポリエステル系樹脂であることができる。
発明を実施するための最良の形態
本発明の樹脂組成物は実質的に非結晶性のポリエステル系樹脂を主成分とする。
ここでいうポリエステルとは、ジカルボン酸とジオールとの脱水縮合体をいい、本発明に用いられる「実質的に非結晶性のポリエステル」とは、重合前のモノマーの酸成分、またはジオール成分、あるいは酸成分とジオール成分との両方が2成分以上からなる透明な共重合ポリエステル系樹脂であって、例えばプレス融着などの実用上頻繁に行われる熱加工を行っても、結晶化による白濁を起こさないものをいう。
具体的には、ジカルボン酸としてテレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、ジオールとしてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。酸成分およびジオール成分の組み合わせは適宜行われるものとし、また、酸成分およびジオール成分がそれぞれ複数選択される場合には、その選択も適宜行われるものとする。
実質的に非結晶性のポリエステル系樹脂としては、重合前のモノマーの酸成分がテレフタル酸であり、ジオール成分がエチレングリコールとシクロヘキサンジメタノールであるポリエステル系樹脂(商品名:PETG、イーストマンケミカル社製)が、商業的に入手可能なものとして挙げられる。但し、本発明においては、着色剤などの添加剤が添加されていてもよい。
本発明においては、実質的に非結晶性のポリエステル系樹脂に、ポリエチレングリコールおよびアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムを添加することにより、カード作製の際のプレス板への貼り付き性を改良することができる。
実質的に非結晶性のポリエステル系樹脂に添加されるポリエチレングリコールは特に限定されないが、分子量1000〜5000の固体ワックス状のものが、ペレットと混合しやすく、また、シートに加工する際に必要とされる熱により揮発しにくいので好んで使用される。
ここで用いられるアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムは、アルキル基の長さについては特に限定されないが、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウムが商業的に入手しやすく、好適に使用できる。
実質的に非結晶性のポリエステル系樹脂に添加されるポリエチレングリコールとアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの比率は、重量比で1/9〜9/1の範囲が好ましい。添加されるポリエチレングリコールとアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの比率がかかる範囲外のときは、ラミネート後のプレス板からの剥離性が不十分となる。
一般に、磁気ストライプカード、ICカード等のプラスチックカードは複数枚のシートの積層からなり、最外層をオーバーシート、内層をコアシートという。
ラミネートされるコア層とオーバー層のシートサイズは、カードメーカーにより異なりコア層よりオーバー層の方が若干小さいこともある。そのため、オーバー層の剥離性のみならず、コア層についてもプレス板からの剥離性を改良しておく必要がある。
実質的に非結晶性のポリエステル系樹脂を、コア層とオーバー層とからなるカードのコア層として使用する場合あるいはオーバー層として使用する場合、または、コア層のみからなるカードのコア層として使用する場合のいずれでも、ポリエチレングリコールおよびアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの添加量は、非結晶性のポリエステル系樹脂100重量%に対して、0.1重量%〜1.5重量%の範囲が好ましく、0.2重量%〜1.5重量%がさらに好ましく、0.5重量%〜1.0重量%が特に好ましい。
ポリエチレングリコールおよびアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの添加量が0.1重量%以上ならば、実用可能なレベルの剥離性が得られ、0.2重量%以上ならば十分な剥離性が得られる。また、これらの添加量が1.5重量%以下ならば、シートの物性や印刷適性にも優れたものとなる。ここで印刷適性とは、シート上に印刷する際に用いるインクとシートとの馴染みの良さを意味するものとする。印刷適性が悪い場合には、インクのはじき等が生じてシートにきれいに印刷ができない。
なお、上記樹脂組成物は帯電防止性にも優れており、静電気による印刷時のシートの送り不良やインキの飛びが発生しにくく、さらにプレス作業においてスパークが起こりにくいという利点もある。
本発明においては、実質的に非結晶性であるポリエステル系樹脂に、平均粒径が5μm以下の粉末状ケイ酸および/または粉末状マグネシウムシリケートを、該ポリエステル系樹脂100重量%に対して0.5〜5.0重量%含有することにより、カードの透明性が確保され、作製されるカードは刻印部分の割れが生じず、かつ、フラットな打ち抜き断面が得られる。
粉末状ケイ酸は透明性を有するが硬く、一方、粉末状マグネシウムシリケートは軟らかいが透明性が低下する、という性質を有する。したがって、シートまたはカード等に要求される特性に応じて適宜選択されるとよい。また、粉末状ケイ酸と粉末状マグネシウムシリケートは単独で用いられてもよいが、併用してもよいので、カード等に要求される性質等に応じて併合割合など適宜選択されるとよい。ただし、ポリエステル系樹脂に対する含有量は0.5〜5.0重量%である。
粉末状ケイ酸の添加量が0.5重量%以上ならば、打ち抜き断面の改良効果が得られる。なお、粉末状ケイ酸の添加量が5.0重量%を越えても透明性の低下はないが、硬くなるので打ち抜き刃の磨耗や刻印部分の割れが起こり易くなる。粉末状マグネシウムシリケートの添加量が0.5重量%以上ならば、打ち抜き断面の改良効果が得られる。一方、粉末状マグネシウムシリケートの添加量が5.0重量%を越えても打ち抜き刃の磨耗や刻印部分の割れは生じないが、シートの透明性は低下する。
ここで用いられる粉末状ケイ酸および粉末状マグネシウムシリケートは、平均粒径が5μm以下であることが好ましい。平均粒径が5μmより大きい粉末状ケイ酸を用いると、カード形状に打ち抜く際に打ち抜き刃が磨耗し易く、またシートの耐衝撃性が低下し、カードに刻印を打ったときに刻印部分が割れることがあるからである。また、平均粒径が5μmより大きい粉末状マグネシウムシリケートを用いると、透明性が低下し、図柄や文字等の視認性が低下することがあるからである。
通常、磁気ストライプカード、ICカード等のプラスチックカードは、複数枚のシートの積層からなり、最外層をオーバーシート、内層をコアシートという。作製されたカードがフラットな打ち抜き断面を有することを目的とする場合には、コアシートおよびオーバーシートの少なくとも一方が、このような粉末状ケイ酸および/または粉末状マグネシウムシリケートを含有する樹脂からなればよいが、以下の理由からオーバーシートであることが好ましい。すなわち、通常、コアシートは隠蔽性を必要とし、また印刷層あるいは印刷層の下地になることが要求されるために、酸化チタンが添加されている。そのためコアシートは、打ち抜き工程で打ち抜き刃の雄型と雌型のクリアランスで大きく伸びるということは起こりにくい。したがって打ち抜き加工性能等に劣るオーバーシートに好んで使用される。
本発明においては、実質的に非結晶性であるポリエステル系樹脂に、平均粒径が3〜10μmの粒状および/または板状の無機フィラーを、該非結晶性ポリエステル系樹脂100重量%に対して2〜10重量%含有することにより、作製されるカードのエンボスカール性を改良することができる。
ここで用いられる無機フィラーの種類は、その形状が粒状または板状であり、平均粒子が3〜10μmであれば特に制限されるものではない。具体的には、タルク、マグネシウムシリケート、炭酸カルシウム、シリカ、マイカあるいはこれらの混合物等が挙げられる。すなわちガラス繊維等の針状のものは含まない。
無機フィラーの平均粒径が3μm以上ならばエンボスカールの発生を防止する効果が大きく、10μm以下ならば得られたシートの耐衝撃性も十分で、カードに刻印を打ったときに刻印部分が割れることがない。
非結晶性ポリエステル系樹脂に対する無機フィラーの添加量が2〜10重量%の範囲であるならば、エンボスカールの改良効果が大きく、かつ刻印部分の割れの問題も生じない。
オーバーシートおよびコアシートを有するカードにおいてエンボスカールの改良を目的とする場合には、少なくとも一方が無機フィラーを含有するかかる樹脂からなればよいが、以下の理由からコアシートであることが好ましい。
すなわち、通常、コアシートには個人情報等の印刷が施されておりオーバーシートで保護されている。オーバーシートは、コアシートの印刷の保護さらには印刷を装飾するために用いられ、層厚は薄く透明であることが多い。一般的にカードにはリーダライタの特性から相応の厚さと、光に対する高い隠蔽性と反射性とが要求されるので、コアシートは層厚が厚く、酸化チタン等の着色剤が添加されていることが多い。エンボス加工はオーバーシートとコアシートとを積層した後に施されるので、エンボスカールの改良を目的とする場合には、コアシートおよびオーバーシートの少なくとも一方が無機フィラーを含有するかかる樹脂からなるシートであればよい。ただし、上述した通り、通常、コアシートはオーバーシートより厚いこと、また、オーバーシートは透明性を有することから、コアシートに好んで使用される。
本発明においては、以上説明した樹脂組成物を用いて、例えば溶融押し出し法等の公知の方法によりシートに成形することができ、また、磁気ストライプカードやICカードなどのプラスチックカードを製造することもできる。なお、コアシートには帯電防止剤等を添加してもよい。
本発明においては、コアシートが実質的に非結晶性のポリエステル系樹脂からなり、オーバーシートがガラス転移温度90〜140℃の樹脂からなる構成をとることにより、カードの耐熱温度を上げることができる。
かかるコアシートは実質的に非結晶性のポリエステル系樹脂に添加剤、例えば酸化チタン等の着色剤や滑り剤、帯電防止剤等を添加して、溶融押し出し法等によって得ることができる。
オーバーシートのガラス転移温度が90℃以上ならばカードとしての耐熱性が十分改良され、140℃以下ならばラミネートの際、コアシートとの融着性が十分得られる。したがって融着性を改良するために高温にする必要がないので、コアシートが流動化することもなく、所望のカード厚みより薄くなることもない。
ガラス転移温度は周波数1Hzでの動的粘弾性の測定における損失弾性率のピークから求める。具体的には、粘弾性スペクトロメーターを用いて、資料に周波数1Hzの正弦波状に変化する歪みを加えながら、引張弾性率の温度依存性を測定する。測定条件は試料厚み1mm、最大歪み1%、昇温速度4℃/分で、室温からスタートし、引張損失弾性率E”が極大のピークを示し、引張貯蔵弾性率E’が大きく低下し始める付近の温度をガラス転移温度とした。
ここで好ましく用いられるオーバーシートとしては、非結晶性ポリエステル系樹脂と熱融着可能であるとの理由から、ポリカーボネート(以下「PC」と略すこともある)系樹脂が挙げられる。また他にも、脂肪族ジカルボン酸を共重合した共重合PCや、PCに可塑剤を添加してガラス転移温度を上記範囲となるように調節したもの等も使用できる。なお、これらの樹脂に滑り剤や帯電防止剤等を添加してもよい。シートは溶融押し出し法等公知の方法によって得ることができる。
なお、本発明においては、カードに要求される特性に応じて、二次加工性を改良するための上記手段を2つ以上組み合わせて使用することもできる。組み合わせて使用する場合には、それぞれの二次加工性を共に改良することができる。
以下に、本発明を実施例を用いて具体的に説明する。
実施例
実例I−1
実質的に非結晶性であるポリエステル系樹脂として、PETG6763(イーストマンケミカル社製)を100重量部、白色顔料として酸化チタンを10重量部、およびポリエチレングリコール(分子量3000)とラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウムの混合物あるいは他の滑り剤を表1に示すように用いて、Tダイ押出法により厚さ400μmのシートを得た。
次いで、得られたシート200mm×200mmの大きさにカットし、このカットしたシートを2枚重ねて2枚のクロムメッキ鋼板で挟み、プレス温度120℃、試料圧力50kgf/cm2で10分間保持した。次いで、これを室温まで冷却した後クロムメッキ鋼板を取り出し、2枚のクロムメッキ鋼板を引き剥がした。クロムメッキ鋼板を引き剥がすのに必要な力を触感で評価して、メッキ板との剥離性の評価を行った。
また、印刷適性を評価するため、得られた押し出しシートの表面張力を濡れ指数標準液(ナカライテスク社製)を用いて測定した。
ただし評価基準は、表中の「メッキ板との剥離性」については、容易に剥がすことができるものを「A」、抵抗はあるが実用可能な剥離性を示すものを「B」、全く剥離できないものを「C」とした。また、「印刷適性」については、表面張力が38dyne/cm以上あるものを「A」、36dyne/cm以上、38dyne/cm未満のものを「B」、36dyne/cm未満のものを「C」とした。
なお、表中の滑り剤の添加量は、PETG6763を100としたときの重量%であり、PEGはポリエチレングリコールの略号であり、LBSはラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウムの略号である。
実例I−2〜I−5、対照I−1〜I−8
実例I−1において、滑り剤の種類および添加量を表1〜表3に示すように変更した以外は実例I−1と同様にして、評価用サンプルを作製した。
得られた評価用サンプルについて、実例I−1と同様の評価を行った。これらの評価結果を表1〜表3にまとめて示した。
実例I−1〜I−5、対照I−1〜I−8より明らかなように、本発明の構成からなるカードは剥離性および印刷適性に優れていることがわかる。また、上述した実例は白色顔料を含有した実質的に非結晶性ポリエステル系樹脂からなるシートを2枚ラミネートしたものであるが、コア層とオーバー層とからなるカードでも同様の結果を得ることができる。もちろん、その他の構成であっても同様である。
実例II−1
[コアシートの作製]
非結晶性ポリエステルとしてPETG6763(イーストマンケミカル社製)に酸化チタンをその濃度が10重量%となるように添加したものをTダイ押し出し法によって厚さ560μmのコアシートを得た。
[オーバーシートの作製]
結晶性ポリエステルとしてPETG6763の100重量%にラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.5重量%、分子量3000のポリエチレングリコールを0.5重量%添加したものに、添加剤として平均粒径3μmのケイ酸を0.6重量%混合し、Tダイ押し出し法によって厚さ100μmのオーバーシートを得た。なお、表中の添加剤の添加量はPETG6763を100としたときの重量%である。
[カードの作製]
得られたコアシートの両面にシルクスクリーン印刷法で絵柄を印刷し、両面にオーバーシートを重ね、2枚のクロムメッキ鋼板で挟み、プレス温度120℃、試料圧力20kgf/cm2にて5分間保持した後、室温まで冷却し、クロムメッキ板から取り出し、雄型と雌型からなる打ち抜き刃でカード形状に打ち抜いた。なお、雄型と雌型のクリアランスは30μmであった。
得られた評価用カードサンプルに、電動エンボッサーを用いて以下に示す方法でエンボス刻印を行い、チッパーにて刻印部分の箔を転写し、下記基準に従い評価を行った。なお、平均粒径は以下のようにして求めた。
エンボス刻印:
JIS X−6301にある「6.エンボス文字の位置・形状・寸法」に準じて、「1234 5678 9012」と刻印した。
[平均粒径の測定]
沈降式粒度分布測定装置SA−CP2−20((株)島津製作所製)により測定された粒度分布データからモード径を求めて、平均粒径とした。
[評価]
得られた評価用カードサンプルの打ち抜き断面のフラット性を指触で評価した。コアシートに印刷された絵柄の視認性、および刻印部分の文字割れを目視評価した。その結果を表4に示す。なお、評価基準は下記の通りである。
打ち抜き断面の評価基準:
A ザラツキが全く感じられない
B ザラツキがわずかに感じられる
C ザラツキが大きい
絵柄の視認性の評価基準:
A 絵柄がはっきりと視認できる
B わずかにくもった感じ
C くもった感じ
刻印部分の割れの評価基準:
A 割れが見られない
B 割れている部分がある
実例II−2〜II−5、対照II−1〜II−9
実例II−1において、オーバーシートに添加される添加剤の種類と量を表4に示すように変更した以外は実例II−1と同様にして、評価用カードサンプルを作製し、実例II−1と同様の評価を行った。
得られた結果をまとめて表4に示す。
表4から明らかなように、平均粒径が5μm以下のケイ酸および/またはマグネシウムシリケートを含有する樹脂をオーバーシートとして用いたカードは、刻印部分の文字割れが生じることなく、透明性に優れ、打ち抜き断面がフラットなカードであった。
実例III−1
[コアシートの作製]
非結晶ポリエステルとしてPETG6763(イーストマンケミカル社製)に、酸化チタンをその濃度が5重量%となるように添加したものに、無機フィラーとして表5に示す平均粒径4μmのタルク5重量%を混合して、Tダイ押し出し法によって厚さ560μmのコアシートを得た。なお、表中のフィラーの添加量はPETG6763を100としたときの重量%である。
[オーバーシートの作製]
非結晶ポリエステルとしてPETG6763(イーストマンケミカル社製)100重量部に対して、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.5重量%、分子量3000のポリエチレングリコールを0.5重量%添加し、Tダイ押し出し法によって、厚さ100μmのオーバーシートを得た。
[カードの作製]
得られたコアシートの両面に絵柄を印刷し、両面にオーバーシートを重ね、2枚のクロムメッキ鋼板で挟み、プレス温度120℃、試料圧力20kgf/cm2にて5分間保持した後、室温まで冷却し、クロムメッキ板から取り出し、雄型と雌型とからなる打ち抜き刃でカード形状に打ち抜いて評価用カードサンプルを作製した。得られた評価用カードサンプルに、電動エンボッサーを用いて実施例II−1で説明したようなエンボス刻印を行い、チッパーを用いて刻印部分の箔を転写し、下記評価基準に従い評価を行った。なお、無機フィラーの平均粒径は以下のようにして求めた。
[平均粒径の測定]
沈降式粒度分布測定装置SA−CP2−20((株)島津製作所製)から測定された粒度分布データからモード径を求めて、平均粒径とした。
[評価]
得られた評価用カードサンプルのエンボスカールを、JIS X−6301(4.2.5「カードの反り」)に従って測定した。また刻印部分の文字割れを目視評価を行った。これらの結果をまとめて表5に示す。
実例III−2〜III−6、対照III−1〜III−6
実例III−1において、コア−シートに添加される無機フィラーの種類と量を表5に示すように変更した以外は実例III−1と同様にして、評価用カードサンプルを作製し、実例III−1と同様の評価を行った。
得られた結果をまとめて表5に示す。
表5から明らかなように、平均粒径が3〜10μmの無機フィラーを2〜10重量%含有する樹脂をコアシートとして用いたカードは、エンボスカールがなく、かつ、刻印部分(エンボス加工部分)の文字割れが生じることのないフラットなカードであった。
実例IV−1
[コアシートの作製]
酸成分がテレフタル酸、ジオール成分がエチレングリコール(約70モル%)とシクロヘキサンジメタノール(約30モル%)の非結晶性ポリエステルであるPETG(イーストマンケミカル社製)100重量部に対して酸化チタンを10重量部添加し、Tダイ押し出し法により厚さ300μmの白色コアシートを得た。
[オーバーシートの作製]
共重合ポリカーボネートであるレキサンSP1010(ニホン ジーイープラスチック社製)を用いて、Tダイ押し出し法により厚さ100μmの透明オーバーシートを得た。なお、オーバーシートのガラス転移温度は130℃である。ただし、ガラス転移温度は以下のように測定した。
ガラス転移温度の測定:
(株)東洋精機製作所の粘弾性スペクトロメーターを用いて、試料に周波数1Hzの正弦波状に変化する歪みを加えながら、引張弾性率の温度依存性を測定した。測定条件は、試料厚み1mm、最大歪み1%、昇温速度は4℃/分で、室温からスタートした。引張損失弾性率E”が極大のピークを示し、引張貯蔵弾性率E’が大きく低下し始める付近の温度をガラス転移温度とした。
[評価用カードサンプルの作製]
得られたコアシートに線径0.15mmの銅線を4周回した4回巻アンテナ用ループコイルおよび縦横5mm×5mmの大きさで、厚さ0.35mmのICチップ等を等間隔で配置し、シアノアクリレート系瞬間接着剤で仮止めして、ICチップ等を間に挟むようにコアシートを重ねた。
オーバーシート、ICチップ等を仮止めしたコアシート、コアシート、およびオーバーシートをこの順で重ねて、外側のオーバーシートをそれぞれ表面が鏡面であるクロムメッキ鋼板で挟んだ。次いで、プレス温度130℃、試料圧力15kgf/cm2で10分間ラミネートした後、室温まで冷却し、カード形状に打ち抜き評価用カードサンプルを得た。
実例IV−2
実例IV−1において、オーバーシートをポリカーボネートであるノバレックス7022(三菱エンジニアリングプラスチック社製)100重量部に対して、可塑剤TCP(トリクレジルフォスフェート、大八化学社製)を5重量部添加した混合物からなるオーバーシートに代えた以外は実例IV−1と同様にして、評価用カードサンプルを作製した。なお、オーバーシートのガラス転移温度は135℃であった。
実例IV−3
実例IV−2において、オーバーシートに用いる可塑剤TCPの添加量を18重量部に変更した以外は実例IV−2と同様にして評価用カードサンプルを作製した。なお、オーバーシートのガラス転移温度は90℃であった。
対照IV−1
実例IV−1において、オーバーシートをノバレックス7022からなるオーバーシートに代えた以外は実例IV−1と同様にして評価用カードサンプルを作製した。なお、オーバーシートのガラス転移温度は155℃であった。
対照IV−2
実例IV−2において、オーバーシートに用いる可塑剤TCPの添加量を25重量部に変更した以外は、実例IV−2と同様にして評価用カードサンプルを作製した。なお、オーバーシートのガラス転移温度は80℃であった。
実例IV−1〜IV−3、対照IV−1〜IV−2において得られた評価用カードサンプルについて、以下の評価を行った。
[評価]
以下に示す耐熱性試験およびカード剥離試験を行った。
耐熱性試験:
以下のようにして評価用カードサンプルに生じる「そり」を測定した。所定温度のオーブン中に評価用カードサンプルを入れ、24時間放置した後取り出し、室温まで冷やした評価用カードサンプルを水平板上に置き、水平板から評価用カードサンプル表面までの最大距離(カードサンプルの厚みを含む)を測定する。オーブンの設定温度は50℃から5℃ごとに高くしていき、測定値が2mmを越えない最高温度を「耐熱温度」とした。
カード剥離試験:
評価用カードサンプルを150℃の流動パラフィン中に5分間浸漬した後、取り出して評価用カードサンプルの周辺部の断面を目視観察した。
カード剥離試験の結果、ガラス転移温度が140℃以下である実例IV−1〜IV−3および対照IV−2で得られた評価用カードサンプルは剥離が見られなかったが、ガラス転移温度が140℃以下である対照IV−1で得られた評価用カードサンプルは剥離が見られた。
また、耐熱性試験により、ガラス転移温度が90℃以上である実例IV−1、IV−2の耐熱温度は80℃であり、実例IV−3は70℃となり、ともに70℃以上であるが、ガラス転移温度が90℃未満である対照IV−2の耐熱温度は60℃であった。すなわち、実例IV−1〜IV−3の耐熱温度は実用レベル以上であるが、対照IV−2は実用レベル以下である。
以上述べたように、実施例IV−1〜IV−3はカード剥離試験および耐熱性試験ともに優れた結果を得た。
実例IV−4
実例IV−1において、コアシートとして非結晶性ポリエステル(PETG6763)100重量部に対して酸化チタンを10重量部、ラルリルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.5重量部、分子量約3000のポリエチレングリコールを0.5重量部添加したものを用い、コアシートより若干サイズの小さいオーバーシートを用いてラミネートした以外は実例IV−1と同様にして、評価用カードサンプルを得た。
ラミネート後、冷却してから評価用カードサンプルを取り出すとき、メッキ板との剥離性が非常に軽く、得られたカードの外観、耐熱性も実例IV−1と同様、優れたものであった。
以上詳しく説明したように、実質的に非結晶性のポリエステル系樹脂に、ポリエチレングリコールとアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムとを重量比で1/9〜9/1の割合で混合したものを添加量が0.1重量%〜1.5重量%の範囲で添加したカード用樹脂組成物は、ラミネート後のプレス板からの剥離性に優れ、かつ、透明性、印刷適性にも優れ、磁気ストライプカードやICカードの素材として好適に使用できるものであることが分かった。
また、実質的に非結晶性ポリエステル系樹脂に、平均粒径が5μm以下である粉末ケイ酸および/または粉末状マグネシウムシリケートを非結晶性ポリエステル系樹脂100重量%に対して0.5〜5.0重量%含有する樹脂組成物は、透明性に優れ、カードの刻印部分に文字割れが生じず、打ち抜き断面がフラットであり、手触りが良好で、カードリーダーへの出し入れの際に断面が機械にひっかることもない。
さらにまた、実質的に非結晶性であるポリエステル系樹脂に、平均粒径が3〜10μmの、粒状および/または板状の無機フィラーを該非結晶性ポリエステル系樹脂100重量%に対して0.5〜5.0重量%含有する樹脂組成物は、刻印部分の文字割れが生じることなく、エンボスカールも小さいので、リーダライタへの出し入れの際に、カードが機械に引っかかることもない。
また、コアシートが非結晶性ポリエステル樹脂からなるシートであり、オーバーシートはガラス転移温度が90〜140℃であるシートからなるプラスチックカードは、オーバーシートとの剥離を起こすことなく、カードのそりを解決できる。
Claims (10)
- プラスチックカードの素材に用いられる材料であって、実質的に非結晶性のポリエステル系樹脂を主成分とし、前記実質的に非結晶性のポリエステル系樹脂にポリエチレングリコールとアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムとを重量比で1/9〜9/1の割合で混合したものを、0.1重量%〜1.5重量%の範囲で添加して、プレス板への貼り付き性を減少したことを特徴とするカード用樹脂組成物。
- 前記実質的に非結晶性のポリエステル系樹脂に、平均粒径が5μm以下の粉末状ケイ酸および粉末状マグネシウムシリケートの少なくとも1つを、前記実質的に非結晶性のポリエステル系樹脂に対して0.5〜5.0重量%の範囲で含有することを特徴とする請求項1に記載のカード用樹脂組成物。
- 前記実質的に非結晶性のポリエステル系樹脂に、平均粒径が3〜10μmの粒状または板状の無機フィラーを、前記実質的に非結晶性のポリエステル系樹脂に対して2〜10重量%の範囲で含有することを特徴とする請求項1に記載のカード用樹脂組成物。
- 前記実質的に非結晶性のポリエステル系樹脂に、平均粒径が3〜10μmの粒状および板状の無機フィラーを、前記実質的に非結晶性のポリエステル系樹脂に対して2〜10重量%の範囲で含有することを特徴とする請求項1に記載のカード用樹脂組成物。
- 前記非結晶性のポリエステル系樹脂が、テレフタル酸とエチレングリコールと1,4−シクロヘキサンジメタノールとの混合物を脱水縮合させたポリエステル系樹脂であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のカード用樹脂組成物。
- 請求項1から5のいずれかに記載のカード用樹脂組成物からなることを特徴とするシート。
- 請求項1から5のいずれかに記載のカード用樹脂組成物からなることを特徴とするカード。
- 請求項1に記載のカード用樹脂組成物からなる層を2層含むことを特徴とする請求項7に記載のカード。
- 最外層であるオーバーシートと内層であるコアシートを有するカードにおいて、前記コアシートは請求項1から5のいずれかに記載のカード用樹脂組成物からなり、前記オーバーシートはガラス転移温度が90〜140℃である樹脂組成物からなることを特徴とするカード。
- 前記オーバーシートがポリカーボネート樹脂からなることを特徴とする請求項9に記載のカード。
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