JPH0747304B2 - 熱可塑性樹脂フイルム積層物及びその製造法 - Google Patents

熱可塑性樹脂フイルム積層物及びその製造法

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JPH0747304B2
JPH0747304B2 JP27050986A JP27050986A JPH0747304B2 JP H0747304 B2 JPH0747304 B2 JP H0747304B2 JP 27050986 A JP27050986 A JP 27050986A JP 27050986 A JP27050986 A JP 27050986A JP H0747304 B2 JPH0747304 B2 JP H0747304B2
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浩三 前田
克彦 野瀬
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は透明で帯電防止性の優れた熱可塑性樹脂フイル
ム積層物およびその製法を提供するものである。
(従来の技術) 周知の如く熱可塑性樹脂フイルム、例えばポリエステ
ル、ポリアミド、ポリプロピレン等、特にポリエステル
フイルムとりわけポリエチレンテレフタレートフイルム
は高度の結晶性、すぐれた透明光沢性、力学的性質、耐
薬品性、耐熱性等を有することから、広範囲な用途に年
々急速に使用されている。
しかし、一般のポリエスエルフイルムは高度の電気絶縁
性を有しているため、静電気の発生、蓄積を生じやす
く、静電気障害による種々のトラブルを惹起するという
欠点を有している。例えば、製膜工程や印刷、接着、製
袋、包装、その他2次加工工程等において、ロールへの
巻きつき、人体への電気ショック、取扱い困難のような
作業能率の低下や、印刷ヒゲの発生、フイルム表面の汚
れなど商品価値の低下をもたらす原因となる。特に低湿
度下に於てはこの傾向が著しい。
このような静電気障害防止法として一般に帯電防止剤を
樹脂中に練込み製膜する方法とフイルム表面に帯電防止
剤を塗布する方法とがある。ポリエステルフイルムに関
しては、このいわゆる練込型帯電防止処理法がフイルム
内部より帯電防止剤が表面ににじみ出ることによって帯
電防止効果を発揮するのに対して、ポリエステル樹脂の
高い2次転移温度の為にフイルム製膜後、常温付近の温
度では帯電防止剤のフイルムへのしみ出しが行われず、
一方、製膜温度条件が高いことやポリエステル自体のも
つ極性基の高い反応性のために帯電防止剤の配合によっ
て製膜時に重合体の劣化を生じたり、着色及び物理的性
質の低下をもたらすなどの問題があり、困難であった。
特に2軸延伸したポリエステルフイルムの場合、延伸工
程でフイルム表面上にある帯電防止剤が逃散消失するた
め全く帯電防止効果を示さなくなる場合が多く、特に低
湿度下に於て良好な帯電防止性を維持することが困難で
あった。さらに帯電防止剤のうちの多くはポリエステル
フイルムへの配合によってフイルムの透明性を極度に低
下させるものであり、実用に供し難い。又フイルム表面
に帯電防止剤を塗布する通常の方法はそれだけ余分な加
工工程が必要であり、経済的に不利である。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明者らは前記従来の技術における問題点すなわち透
明性を損なわず帯電防止性を付与すること、更に低湿度
下に於て帯電防止性を維持することの困難性を解決する
ため鋭意研究、努力した結果、本発明を完成させるに到
った。
(問題点を解決するための手段) すなわち本発明は(A)全ジカルボン酸成分に対し0.5
〜15モル%のスルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸を含
有する混合ジカルボン酸成分とグリコール成分とから形
成された水不溶性ポリエステル共重合体、(B)下記式
で示される共縮合物、及び(C)アニオン系帯電防止剤
を重量比(A)/(B+C)=99.5〜20/0.5〜80かつ
(B)/(C)=97〜20/3〜80となるように混合された
混合物を含有する層が少なくとも片面に積層されてなる
ことを特徴とする熱可塑性樹脂フイルム積層物 HOR1OR2OmH (但しn,mは6〜1200の整数、R1,R2は炭素数が1〜4の
アルキレン基又はアリーレン基。R1≠R2でありかつR1
R2のうちいずれか一方が炭素数3以上のアルキレン基又
はアリーレン基) および溶融押出された未延伸熱可塑性樹脂フイルム又
は、一軸延伸熱可塑性樹脂フイルムの少なくとも片面に
(A)全ジカルボン酸成分に対し0.5〜15モル%のスル
ホン酸金属塩基含有ジカルボン酸を含有する混合ジカル
ボン酸成分とグリコール成分とから形成された水不溶性
ポリエステル共重合体、(B)下式で示される共縮合
物、及び(C)アニオン系帯電防止剤を重量比(A)/
(B+C)=99.5〜20/0.5〜80かつ(B)/(C)=97
〜20/3〜80となるように混合された混合物を含有する塗
布液を塗布後更に二軸延伸又は一軸延伸することを特徴
とする熱可塑性樹脂フイルム積層物の製造法である。
HOR1OR2OmH (但しn,mは6〜1200の整数、R1,R2は炭素数が1〜4の
アルキレン基又はアリーレン基。R1≠R2でありかつR1,R
2のうちいずれか一方が炭素数3以上のアルキレン基又
はアリーレン基) 本発明のポリエステル共重合体(A)は、スルホン酸金
属塩基含有ジカルボン酸0.5〜15モル%と、スルホン酸
金属塩基を含有しないジカルボン酸85〜99.5モル%との
混合ジカルボン酸をグリコール成分と反応させて得られ
た実質的に水不溶性のポリエステル共重合体である。実
質的に水不溶性とは、ポリエステル共重合体を80℃の熱
水中で撹拌しても熱水中にポリエステル共重合体が消散
しないことを意味し、具体的にはポリエステル共重合体
を過剰の80℃熱水中で24時間撹拌処理した後のポリエス
テル共重合体の重量減少が5重量%以下のものである。
上記のスルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸としては、
スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−ス
ルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボ
ン酸、5〔4−スルホフエノキシ〕イソフタル酸等の金
属塩があげられ、特に好ましいのは5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸、ナトリウムスルホテレフタル酸であ
る。これらのスルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸成分
は、全ジカルボン酸成分に対して0.5〜15モル%であ
り、15モル%を越えるとポリエステル共重合体の耐水性
が著しく低下し、また0.5モル%未満では不活性粒子に
対する分散性が著しく低下する。
スルホン酸金属塩基を含まないジカルボン酸としては、
芳香族、脂肪族、脂環族のジカルボン酸が使用できる。
芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、オルソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸
等をあげることができる。これらの芳香族ジカルボン酸
は全ジカルボン酸成分の40モル%以上であることが好ま
しい。40モル%未満ではポリエステル共重合体の機械的
強度や耐水性が低下する。脂肪族および脂環族のジカル
ボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、
1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−ジクロヘキサ
ンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などがあげられる。
これらの非芳香族ジカルボン酸成分を加えると、場合に
よっては接着性能が高められるが、一般的にはポリエス
テル共重合体の機械的強度や耐水性を低下させる。
上記混合ジカルボン酸と反応させるグリコール成分とし
ては、炭素数2〜8個の脂肪族グリコールまたは炭素数
6〜12個の脂環族グリコールであり、具体的には、エチ
レングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プ
ロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチル
グリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキ
サンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、p−キシリレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコールなどである。またポリエーテルとして、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテ
トラメチレングリコールなどがあげられる。
ポリエステル共重合体は、通常の溶融重縮合によって得
られる。すなわち上記のジカルボン酸成分およびグリコ
ール成分を直接反応させて水を留去しエステル化したの
ち、重縮合を行なう直接エステル化法、あるいは上記ジ
カルボン酸成分のジメチルエステルとグリコール成分を
反応させてメチルアルコールを留出しエステル交換を行
なわせたのち重縮合を行なうエステル交換法などによっ
て得られる。その他、溶液重縮合、界面重縮合なども使
用され、この発明のポリエステル共重合体は重縮合の方
法によって限定されるものではない。
上記のポリエステル共重合体の水系分散液を得るには、
水溶性有機化合物とともに水に分散することが必要であ
る。例えば、上記ポリエステル共重合体と水溶性有機化
合物とを50〜200℃であらかじめ混合し、この混合物に
水を加え撹拌して分散する方法、あるいは逆に、混合物
を水に加え撹拌して分散する方法、あるいはポリエステ
ル共重合体と水溶性有機化合物と水とを共存させて40〜
120℃で撹拌する方法がある。
上記水溶性有機化合物は、20℃で1の水に対する溶解
度が20g以上の有機化合物であり、具体的に脂肪族およ
び脂環族のアルコール、エーテル、エステル、ケトン化
合物であり、例えばメタノール、エタノール、イソプロ
パノール、n−ブタノール等の1価アルコール類、エチ
レングリコール、プロピレングリコール等のグリコール
類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、n−ブチル
セロソルブ等のグリコール誘導体、ジオキサン、テトラ
ヒドロフラン等のエーテル類、酢酸エチル等のエステル
類、メチルエチルケトン等のケトン類である。これら水
溶性有機化合物は、単独または2種以上を併用すること
ができる。上記化合物のうち、水への分散性、フイルム
への塗布性からみて、ブチルセロソルブ、エチルセロソ
ルブが好適である。
上記の(A)ポリエステル共重合体、(D)水溶性有機
化合物および(E)水の配合重量割合は (A)/(D)=100/20〜100/5000 (D)/(E)=100/50〜100/10000 を満足することが重要である。ポリエステル共重合体に
対して水溶性有機化合物が少なく(A)/(D)が100/
20を越える場合は、水系分散液の分散性が低下する。
逆に(A)/(D)が100/5000未満の場合、または
(D)/(E)が100/50を越える場合は、水系分散液中
の水溶性有機化合物量が多くなりインラインコート時の
溶剤による爆発の危険性が生じ、このために防爆対策を
講ずる必要がありさらに環境汚染、コスト高となるので
化合物回収を考慮する必要がある。(D)/(E)が10
0/10000未満の場合は、水系分散液の表面張力が大きく
なり、フイルムへの濡れ性が低下し、塗布斑を生じ易く
なる。
この分散液と混合する(B)共縮合ポリエーテルは分子
量1000〜100000が最適であり、次式で示される構造を有
するものである。
HOR1OR2OmH (但しn,mは6〜1200の整数、R1,R2は炭素数が1〜4の
アルキレン基又はアリーレン基。R1≠R2でありかつR1,R
2のうちいずれか一方が炭素数3以上のアルキレン基又
はアリーレン基) なお上記式のうちR1O,R2Oのセグメントがランダムに縮
合されているものの方がより好ましい。
また上記式の構造を有するものの中ではポリオキシエチ
レン−ポリオキシプロピレン縮合物が特に好ましく、分
子量5000〜10000、共重合の組成が80〜5/20〜95がよ
く、縮合物の構造がランダム共重合体である方がよりよ
い帯電防止性を示す。これらのポリオキシエチレン−ポ
リオーキシプロピレン縮合物はポリエステル共重合体
(A)中に5〜30重量の量を混合して用いる。
又、併用するアニオン系帯電防止剤としては高級アルコ
ール、アルキルフェノール酸化エチレン付加物のリン酸
エステル塩、その他各種のホスホン酸、ホスフィン酸、
ホスファイトエステルなどのリン酸誘導体、高級アルコ
ール硫酸エステルのNa塩、有機アミン塩、アルキルフェ
ノール酸化エチレン付加体の硫酸エステル塩、アルキル
スルホン酸塩、アルキルアリーレンスルホン酸塩などの
硫酸誘導体、ステアリン酸サルコシネートのナトリウム
塩、セバシン酸のトリエタノールアミン塩などのカルボ
ン酸誘導体などがあげられるがこの中で特に、アルキル
スルホン酸塩、アルキルアリーレンスルホン酸塩が好ま
しい。このように特定のアニオン系帯電防止剤とポリエ
ーテルを併用する事によって良好な帯電防止性が供与で
き、更には低湿度下に於ても良好な帯電防止性を維持す
る事ができる。
このようにして得られるポリエステル共重合体の水系分
散液混合物をポリエステルフイルムにコート法で塗布す
るのは、ポリエステルフイルムが溶融押出された未延伸
フイルム、あるいは一軸延伸フイルム又は二軸延伸フイ
ルムのいずれでもよいが、二軸延伸フイルムに塗布する
のはフイルムが広巾になっており、かつフイルムの走行
速度が速くなっているため均一に塗布しにくく、更に前
二者がコート剤の密着性、耐久性などの点でより好まし
い。塗布後、一軸あるいは二軸に延伸すれば積層物とフ
イルムベースの密着性の優れたフイルムを得ることがで
きる。
ポリエステルフイルムにコート法で塗布される水系分散
液の塗布量は、二軸延伸後のフイルム上に存在する量と
してポリエステル共重合体として0.01〜5g/m2である。
塗布量が0.01g/m2未満であると初期の帯電防止効果が弱
くなり耐久性能が悪くなる。5.0g/m2をこえて塗布する
とすべり性が悪くなる。
以上述べた方法で得られるポリエステルフイルムは透明
性、帯電防止性にすぐれている。更にこれらの方法を用
いることにより従来の方法に較べ効率的に帯電防止性に
優れたフイルムを製造できる。
また塗布後のポリエステル共重合体含有層に、コロナ放
電処理、窒素雰囲気下でのコロナ放電処理、紫外線照射
処理などを施すことによってフイルム表面の濡れ性や接
着性を向上させることができる。かかる処理は二軸延伸
終了の前後いずれであってもよい。
上記の方法によって製造されたコーティングポリエステ
ルフイルムは、磁気テープ用ベースフイルム、ラベルス
テッカー用ベースフイルム、ケミカルマット用ベースフ
イルム、オーバヘッドプロジェクタ用フイルム、食品包
装用フイルム、その他の用途に好適である。
(実施例) 以下にこの発明の実施例を説明するが、本発明が例にの
み限定されるものでないことはもちろんである。実施例
中、部、%は重量基準を示す。
実施例1 (1) ポリエチレンテレフタレートの製造 エチレングリコール200ml中に水酸化鉛pbO・pb(OH)
22.2g(pbO0.95×10-2モル)を溶解し、この溶液にGeO2
2.0g(1.9×10-2モル)を添加して197℃のエチレングリ
コールの沸点で還流加熱すると約30分で透明な溶液が得
られた。次にこの溶液を重縮合触媒とするポリエチレン
テレフタレートの製造を行なった。ジメチルテレフタレ
ート620部、エチレングリコール480部、エステル交換触
媒として酢酸亜鉛Zn(oAc)・2H2O0.036部をエステル
交換反応器にとり、エステル交換反応は150℃より230℃
に徐々に昇温しつつ行ない、120分を要してメタノール
の溜出を終った。次いで内容物を重縮合装置に移し、重
縮合触媒として上記溶媒溶液2.7部を加え徐々に昇温す
ると共に減圧し、1時間を要して280℃とし0.5mmHgの高
減圧下の重縮合反応を25間行なって得られたポリマーは
極限粘度0.63、融点262℃であった。
(2) ポリエステル共重合体の水系分散液の製造 ジメチルテレフタレート117部(49モル%)、ジメチル
イソフタレート117部(49モル%)、ジエチレングリコ
ール103部(50モル%)、ジエチレングリコール58部(5
0モル%)、酢酸亜鉛0.08部、三酸化アンチモン0.08部
を反応容器中で40〜220℃に昇温させて3時間エステル
交換反応させ、次いで5−ナトリウムスルホイソフタル
酸9部(2モル%)を添加して220〜260℃、1時間エス
テル化反応させ、更に減圧下(10〜0.2mmHg)で2時間
重縮合反応を行ない、平均分子量18000、軟化点140℃の
ポリエステル共重合体を得た。このポリエステル共重合
体300部とn−ブチルセロソルブ140部とを溶器中で150
〜170℃、約3時間撹拌して、均一にして粘稠な溶融液
を得、この溶融液に水560部を徐々に添加し約1時間後
に均一な淡白色の固形分濃度30%の水分散液を得、これ
に更にシリカ粒子をポリエステル共重合体に対して1重
量%、分子量5000のポリ(エチレンオキサイド−プロピ
レンオキサイド)共縮合物を15%、ドデシルベンゼンス
ルホン酸ソーダ10%相当量及び、水4500部、エチルアル
コール4500部を加えて希釈し、固形分濃度3%の塗布液
を得た。
(3) コートフイルムの製造 (1で製造したポリエチレンテレフタレートを280〜300
℃で溶融押出し、15℃の冷却ロールで冷却して厚さ1000
ミクロンの未延伸フイルムを得、この未延伸フイルムを
周速の異なる85℃の一対のロール間で縦方向に3.5倍延
伸し、前記の塗布液をエアナイフ方式で塗布し、70℃の
熱風で乾燥し、次いでテンターで98℃で横方向に3.5倍
延伸し、さらに200〜210℃で熱固定し厚さ100ミクロン
の二軸延伸コーティングポリエステルフイルムを得た。
実施例2〜3 アニオン系帯電防止剤の種類を変えた以外は、実施例1
とまったく同様にして二軸延伸フイルムを得た。
実施例4〜7 共縮合ポリエーテルの種類を変えた以外は、実施例1と
同様にして二軸延伸フイルムを得た。
実施例8〜9 共縮合ポリエーテルの添加量を変えた以外は、実施例7
と同様にして二軸延伸フイルムを得た。
実施例10〜11 アニオン系帯電防止剤の添加量を変えた以外は実施例3
と同様にして二軸延伸フイルムを得た。
実施例12 ポリエステル共重合体のSSIの量を変えた以外は実施例
5と同様にして二軸延伸フイルムを得た。
実施例13 ポリエステル共重合体においてDEGの代りにNPGを用いた
以外は、実施例7と同様にして二軸延伸フイルムを得
た。
比較例1 ポリエステル共重合体においてSSI量を20モル%とした
以外は、実施例1と同様にして二軸延伸フイルムを得
た。
比較例2 共縮合ポリエーテルの分子量を変えた以外は、実施例1
と同様にして二軸延伸フイルムを得た。
比較例3〜4 アニオン系帯電防止剤の添加量を変えた以外は、実施例
5と同様にして二軸延伸フイルムを得た。
比較例5〜6 共重合ポリエーテルの添加量を変えた以外は、実施例7
と同様にして二軸延伸フイルムを得た。
比較例7〜8 ポリエーテルをポリエチレングリコール又はポリプロピ
レングリコール単独に変えた以外は、実施例9と同様に
して二軸延伸フイルムを得た。
比較例9 塗工方法を変えた以外は、実施例5と同様にして二軸延
伸フイルムを得た。
各実施例及び比較例の詳細を第1表に示した。
実施例中のアニオン系帯電防止剤の化合物は下記の如く
である。
化合物 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩 〔I〕 ドデシルスルホン酸ナトリウム塩 〔II〕 セチルスルホン酸ナトリウム塩 〔III〕 また塗工方法は下記の通りである。
塗工方法 フイルム長さ方向に延伸後塗工、次いで 幅方向に延伸し熱処理 …(1) 二軸延伸後フイルムに塗工 …(2) 第1表中、TPAはテレフタル酸換算、IPAはイソフタル酸
換算、SSIは5−ナトリウムスルホイソフタル酸、EGは
エチレングリコール、DEGはジエチレングリコール、NPG
はネオペンチルグリコール、EOはポリエチレンオキサイ
ド、POはポリプロピレンオキサイドである。
得られた結果を第2表に示した。
第2表中ヘーズはJIS K 6714に準じ、日本精密光学社製
ヘーズメーターを用いて測定した。
摩擦係数は、ASTM−1894に準じ、東洋精機社製テンシロ
ンを使用し、塗布面と未塗布面とを合わせて測定した値
である。
ブロッキング性は、塗布面と未塗布面とを密着させて8
×12cmに切断し、これを2枚のシリコーンゴムシートで
挾着し、更にガラス板で挾み、ガラス板上から2Kgの荷
重を掛け、これを40℃、80%RHの雰囲気中で24時間放置
し、しかる後にフイルムを取外してフイルム間のブロッ
キング状態を目視で判定し、ブロッキング面積の5%以
下を○、5〜20%を△、20%以上を×で示した。
塗工性は塗布液を塗工した後に塗工面の状態を目視で判
定し、はじき、むらなどを生じたものを×、生じないも
のを○で示した。
塗膜の剥離性は、塗工面にニチバン製セロテープを貼付
し、剥離角度が180゜になるようにして剥離し、この
後、塗工面を積層ポリエステルのみ染色し、塗膜の剥離
の有無を目視によって判定した。全く塗膜に剥離を生じ
ないものを○、少しでも剥離の生じたものを×として示
した。
表面抵抗は、タケダ理研社製固有抵抗測定器で印加電圧
500Vとし、20℃65%RH、40%RHの各々の条件下で測定し
た。第2表中で、本発明法はヘーズ、ブロッキング性、
塗工性、塗膜の剥離性、表面抵抗(帯電防止性)におい
て、いずれも良好な特性を示す。しかしながら、SSIの
量が多すぎる場合(比較例1)は、ブロッキング性が悪
くなる。また、共縮合ポリエーテルの分子量が小さい場
合(比較例2)は、帯電防止性、塗工性が悪い。ポリエ
ーテルの組成が請求の範囲からはずれると(比較例7,
8)特に低湿度下での制電性が悪くなる。共縮合ポリエ
ーテルを添加しない場合(比較例5)も同様に低湿度下
で制電性が極端に悪くなる。逆に添加量が多すぎると
(比較例6)ブロッキング性、塗工性が悪くヘーズが大
きくなる。アニオン系の帯電防止剤についても同様に少
ないと(比較例3)良好な帯電防止性が得られず、多く
なると(比較例4)ブロッキング性が悪くなったり、ヘ
ーズが大きくなる。また製造法が本法と異なり塗工後フ
イルムの延伸、熱固定を行わない場合は(比較例9)、
塗膜が剥離しやすいことがわかる。
(発明の効果) このように本発明に方法によって得られたポリエステル
フイルムは塗膜の剥離、ブロッキングなどを起すことな
く透明性を供与すると共に、低湿度下に於ても良好な帯
電防止性を供与することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 71/02 LQE B29K 67:00 B29L 9:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)全ジカルボン酸成分に対し0.5〜15
    モル%のスルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸を含有す
    る混合ジカルボン酸成分とグリコール成分とから形成さ
    れた水不溶性ポリエステル共重合体、(B)下記式で示
    される共縮合物、及び(C)アニオン系帯電防止剤を重
    量比(A)/(B+C)=99.5〜20/0.5〜80かつ(B)
    /(C)=97〜20/3〜80となるように混合された混合物
    を含有する層が少なくとも片面に積層されてなることを
    特徴とする熱可塑性樹脂フイルム積層物。 HOR1OR2OmH (但しn,mは6〜1200の整数、R1,R2は炭素数が1〜4の
    アルキレン基又はアリーレン基。R1≠R2でありかつR1
    R2のうちいずれか一方が炭素数3以上のアルキレン基又
    はアリーレン基)
  2. 【請求項2】溶融押出された未延伸熱可塑性樹脂フイル
    ム又は、一軸延伸熱可塑性樹脂フイルムの少なくとも片
    面に(A)全ジカルボン酸成分に対し0.5〜15モル%の
    スルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸を含有する混合ジ
    カルボン酸成分とグリコール成分とから形成された水不
    溶性ポリエステル共重合体、(B)下式で示される共縮
    合物、及び(C)アニオン系帯電防止剤を重量比(A)
    /(B+C)=99.5〜20/0.5〜80かつ(B)/(C)=
    97〜20/3〜80となるように混合された混合物を含有する
    塗布液を塗布後更に二軸延伸又は一軸延伸する事を特徴
    とする熱可塑性樹脂フイルム積層物の製造法。 HOR1OR2OmH (但しn,mは6〜1200の整数、R1,R2は炭素数が1〜4の
    アルキレン基又はアリーレン基。R1≠R2でありかつR1,R
    2のうちいずれか一方が炭素数3以上のアルキレン基又
    はアリーレン基)
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