JP3044271B2 - 樹脂組成物および積層フィルム - Google Patents

樹脂組成物および積層フィルム

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JP3044271B2
JP3044271B2 JP2312388A JP31238890A JP3044271B2 JP 3044271 B2 JP3044271 B2 JP 3044271B2 JP 2312388 A JP2312388 A JP 2312388A JP 31238890 A JP31238890 A JP 31238890A JP 3044271 B2 JP3044271 B2 JP 3044271B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、樹脂組成物および積層フイルムに関して、
更に詳しくは、帯電防止性および易接着性を付与できる
特性を有した樹脂組成物および帯電防止性および易接着
性に優れた積層熱可塑性フイルムに関する。
(従来の技術) ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレンなどの熱
可塑性樹脂フイルム(特に、ポリエチレンテレフタレー
トのようなポリエステルフイルム)は、機械的強度、耐
熱性、耐薬品性、透明性、寸法安定性に優れ、磁気テー
プ用ベースフイルム、絶縁テープ、写真フイルム、トレ
ーシングフイルム、食品包装用フイルムなどの用途に広
く用いられている。
しかしながら、これらの熱可塑性樹脂フイルムは、熱
可塑性樹脂自体が絶縁体であるので静電気による帯電を
受け易いうえに、表面が高度に結晶配向されているた
め、各種のインキや接着剤との接着性が劣るという欠点
を有している。そのため従来から、熱可塑性樹脂フイル
ムに対して種々の方法で帯電防止性を付与したり易接着
性を与えたりされてきた。帯電防止性を付与する方法と
しては、帯電防止性を有する界面活性剤、イオン性の化
合物、金属粉や金属酸化物等よりなる導電性の物質等を
熱可塑性樹脂中に練込んだり、塗剤中に配合して塗布し
たりする方法が取られていた。
また、易接着性を付与する方法としてはフイルム表面
をコロナ放電、紫外線プラズマ等の活性線で処理する方
法やポリエステル、ポリウレタン等の各種易接着性の樹
脂をプライマー層として設ける方法等が行なわれてい
た。
これらの方法の中でプライマー層の中に前記した帯電
防止性付与剤を添加する方法が、帯電防止性と易接着性
を同時に付与することができるので有用な方法である。
しかしながら、帯電防止剤として界面活性剤やイオン
性の化合物を用いる方法は低湿度の環境下での帯電防止
性が低下するという問題があった。一方、導電性の物質
を用いる方法は、低湿度の環境下でも帯電防止性が低下
するという問題はないが、帯電防止性を付与するために
はプライマー層中に大量の導電性物質を添加する必要が
あるため、接着性の付与効果が低減するという問題があ
った。該導電性物質を用いる方法は透明性に劣るとか高
価であるというような問題をももっていた。
このような状況下で新しいタイプの帯電防止剤の開発
が進められている。かかる帯電防止剤の一つとして、半
極性有機ホウ素高分子化合物と限定されたヒドロキシル
基を有する三級アミンとの反応生成物である高分子電荷
移動型結合体が提案されている。(特開平1−18539号
公報)該帯電防止剤は確かに低湿度の環境下でも高い帯
電防止性を発現する点では従来の帯電防止剤よりも優れ
た特性を有しており有用である。しかしながら、該帯電
防止剤は粘着性があり、かつ易接着性も低いという欠点
を有している。
かかる状況で帯電防止性と易接着性の両特性を付与で
きる特性を有した樹脂組成物および帯電防止性および易
接着性の両特性を兼備した熱可塑性樹脂フイルムの開発
が望まれていた。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は前記した実情に鑑みて、帯電防止性と易接着
性の両特性を付与できる特性を有した樹脂組成物および
帯電防止性と易接着性の両特性を兼備した熱可塑性樹脂
フイルムを提供せんとするものである。
(課題を解決するための手段) 即ち、本発明は、下記繰返し単位(I)および/また
は(II)よりなる半極性有機ホウ素結合含有ポリエステ
ルで、該半極性有機ホウ素結合の一部又は全部がアミノ
化合物と反応した電荷移動型結合体からなることを特徴
とするポリエステル系樹脂組成物および熱可塑性樹脂フ
イルムの少くとも片面に該ポリエステル系樹脂組成物を
積層してなる積層フイルムである。
(式中、R1およびR2は分子量が300〜10000のポリエステ
ル残基) 本発明における半極性有機ホウ素結合含有ポリエステ
ルの製造法は、たとえば以下のような方法が例示され
る。
構造式(I)の半極性有機ホウ素結合含有ポリエステ
ルは、両末端に1,2グルコール結合を有するポリエステ
ルとホウ酸、ホウ酸トリエステルおよび無水ホウ酸から
選ばれた少くとも1種のホウ素化合物との反応により合
成される。
ホウ酸を用いた場合の合成ルートの一例を以下に示
す。
(合成ルートA) (式中R1は分子量が300〜10000のポリエステル残基) 該反応の第1工程である両末端とヒドロキシル基と3
−オキシプロピレンオキシドとの反応は、脂肪族系若し
くは芳香族系の化学的に不活性な石油系溶媒で2〜20倍
稀釈された両末端ヒドロキシル基を有するポリエステル
の溶液の中に、原料ポリエステルに対して0.01〜5(重
量)%、好ましくは0.05〜1(重量)%に相当する量
の、プロトン酸以外のルイス酸(例えば、三フッ化ホウ
素、エーテラート、塩化アルミニウム、塩化スズ等)を
触媒として添加した後、常圧下、50〜200℃、好ましく
は、100〜150℃にて、3−オキシプロピレンオキシドを
注入し、さらに、同温度範囲で反応を進行させる。
第2工程であるホウ酸との反応は、10(重量)%以
下、好ましくは1〜5(重量)%に稀釈されたホウ酸水
溶液と、第1工程の反応生成物の石油系溶媒溶液とを1
(モル):1〜1.1(モル)の原料仕込み割合のもとに接
触させ、常圧下、100〜150℃、好ましくは110〜120℃で
共沸脱水させることにより、界面縮重合が円滑に行わ
れ、第2工程の反応生成物が首尾良く製造される。
構造式(II)の半極性有機ホウ素結合含有ポリエステ
ルは、上記と同様の方法(方法a)あるいは、カルボキ
シル基末端を有するポリエステルと半極性有機ホウ素結
合含有のジオールとの反応(方法b)等により合成され
る。
方法aの合成ルートの一例を以下に示す。
(合成ルートB) 方法bの合成ルートの一例を以下に示す。
(合成ルートC) 方法aにおける第1工程である両末端カルボキシル基
と3−オキシプロピレンオキサシドとの反応は、前記し
た両末端シドロキシル基との反応と異なり、かならずし
も触媒を使用してくてもよく無触媒条件下でも反応が進
行する。
方法aにおける第2工程であるホウ酸との反応は前述
と同じ方法で実施すればよい。
方法bは石油系溶媒溶液系で前記したホウ酸との反応
と同様に共沸脱水法で合成ができる。
この場合、炭素数1〜4の低級アルコールを原料ポリ
エステルに対して5〜50(重量)%、好ましくは10〜15
(重量)%添加し、反応途中にエステル交換方式も交え
ながら、共沸脱水させると、反応の進行がより容易にな
る場合がある。
以上の方法は、例を示したものであり、これらの方法
に限定されるものではない。
本発明における半極性有機ホウ素結合含有ポリエステ
ルを構成するポリエステル成分であるR1およびR2は、1
種または2種以上のジカルボン酸とジオールを常法によ
って縮重合することにより製造される。酸成分として
は、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナ
フタレンジカルボン酸、2,5−タナフタレンジカルボン
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフ
ェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン
−p,p′−ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸及び、
それらの無水物あるいは、エステル形成性誘導体、p−
ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)
安息香酸等の芳香族ヒドロキシカルボン酸及びそれらの
エステル形成性誘導体が挙げられる。又、脂肪(環)族
ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸、無水マレイン酸、フマル酸等の脂
肪族ジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン
酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカ
ルボン酸およびそれらの無水物あるいは、エステル形成
性誘導体が挙げられる。
グリコール成分としては、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタ
ンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコ
ール等の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジオー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオ
ール、ビスフェノールA、ハイドロキノン及びそれらの
アルキレンオキシド付加体等のジオールが挙げられる。
本発明で用いられるポリエステルポリオールまたはポ
リエステルポリカルボン酸は通常線状ポリマーであるこ
とが好ましいが、多官能成分の使用は妨げない。かかる
多官能成分としては、トリメリット酸、ピロメリット
酸、シクロヘキサントリカルボン酸等のポリカルボン酸
及びそれらの無水物あるいはエステル形成誘導体、グリ
セリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトール等のポリオールが挙げられ
る。
また、該ポリエステル成分に親水性の基を導入するこ
とも、組成物に水溶性あるいは水分散性を付与するため
の手段として有効であり推奨される。
このような目的に好適な親水性基および該基を含む化
合物を次に例示す。
(1) −COOM (Mは水素原子、アルカリ金属、テトラアルキルアンモ
ニウムまたはテトラアルキルスルホニウムを示す) ポリカルボン酸、グリセリン酸、ジメチロールプロピ
オン酸など。
(2) −SO3M (Mは上記と同意義を有する) 5−ナトリウムスルホイソフタル酸、スルホイソフタ
ル酸、ナトリウムスルホコハク酸などのポリカルボン
酸、およびそれらの誘導体;ナトリウムスルホハイドロ
キノンおよびそのアルキレンオキサイド付加物;ナトリ
ウムスルホビスフェノールAおよびそのアルキレンオキ
サイド付加物など。
(3) 含リン親水性基 〔R4は炭素数3〜10の3価の炭素水素基;R5は炭素数1
〜12のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、炭
素性1〜12のアルコキシ基、シクロアルコキシ基または
アリールオキシ基であり[該アリール基およびアリール
オキシ基は、それぞれハロゲン原子、ヒドロキシ基、−
OM2(M2はアルカリ金属を示す)];R6およびR7は、それ
ぞれ炭素数1〜12のアルキレン基、シクロアルキレン
基、アリーレン基または式(CH2OR6)rで示される基
(R8は炭素数1〜12のアルキレン基を示し、シクロアル
キレン基またはアリーレン基を示し、rは1〜4であ
る);そして、M1はアルカリ金属原子、水素、1価の炭
素水素基、またはアミノ基を示す〕 式(III)−1で示される化合物の例 式(III)−2で示される化合部の例 式(III)−3で示される化合物の例 式(III)−4で示される化合物の例 式(III)−5で示される化合物の例 該ポリエステルは、末端基測定法で算出した分子量が
300〜10,000のものである必要がある。500〜5,000のも
のが特に好適である。
分子量が300末端では接着性付与効果が小さくなるの
で好ましくない。
逆に10,000を越えると接着性付与効果が飽和し、か
つ、帯電防止性の付与効果が低下するので好ましくな
い。
該半極性有機ホウ素含有ポリエステルとの複合体生成
に用いられるアミン化合物は、1級、2級、3級のいず
れでもかまわない。また、脂肪族、脂環族、芳香族およ
び複素環族のいずれでもかまわない。
また、ヒドロキシル基、アルコキシル基、エーテル基
およびハロゲン基等の他の結合基を有していてもかまわ
ない。
たとえば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチ
ルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチル
アミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルア
ミン、ヘキシルアミン、ジヘキシルアミン、トリヘキシ
ルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ト
リエタノールアミン、脂肪族の1級および2級アミンの
エチレンオキサイド付加体やプロピレンオキサイド付加
体、シクロヘキシルアミン、ピペリジン、モルホリン、
ピリジン、ルチジン等が挙げられる。これらのアミン化
合物は1種類であっても、2種以上を併用してもかまわ
ない。
特にpKaが7以上のものが好適である。従って脂肪族
や脂環族のものが推奨される。
該複合体を形成するさせる場合半極性ホウ素結合とア
ミン化合物とのモル比は特に限定はないが、半極性ホウ
素結合1個に対して塩基性窒素原子が0.1〜1個になる
ようにするのが好適である。
該複合体の形成は、密閉若しくは閉口型の反応器に仕
込み、常圧下、20〜200℃、好ましくは、50〜150℃、に
おいて反応させることにより製造される。その際、アル
コール、エーテル、ケトン等の極性溶媒を共存させる
と、より容易に反応を行なうことができる。
本発明の積層フイルムに用いられる基材フイルムとし
ては、フイルム形成能を有する熱可塑性樹脂であれば、
特に制限はないが、ポリエチレン、ポリプロピレンなど
のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレン2,6−
ナフタレート、ポリブチレンテレフタレートやそれ等の
共重合体などに代表されるごときポリエステル系樹脂、
ポリオキシメチレンに代表されるごときポリエーテル系
樹脂、ナイロン−6、ナイロン−66、ポリメタキシリレ
ンアジパミドなどに代表されるごときポリアミド系樹
脂、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、
ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニルやそれ等の共重
合体に代表されるごときビニル系樹脂、ポリカーボネー
ト系樹脂などやセロファン、アセテートなどに代表され
るごときセルロース系樹脂、更にはポリイミド、ポリエ
ーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテ
ルスルフォン、ポリスルフォン、ポリエーテルケトン、
ポリエーテルケトンケトン、フッソ含有重合体、その他
の多くの樹脂の単体共重合体、混合体、積層体よりな
る、未延伸あるいは一軸または直行する二軸方向に延伸
された配向フイルムなどを挙げることが出来る。
なかでも本発明の主旨からは、基材フイルムには耐熱
寸法変化や機械的強度、更には成型性や経済性などの面
から二軸延伸されたポリプロピレン、ポリエステル、ポ
リアミドなどのフイルムである場合が好適である。特に
ポリエステルフイルムが好適である。
フイルムの厚みは特に限定はされないが、通常は1〜
250μmであり、包装材料としては3〜50μmである場
合が特に好ましい。
この基材フイルムは、単体であっても複合された多層
フイルムであってもよく、多層フイルムにおける複合方
法や層数などは任意である。
本発明は、かかる熱可塑性樹脂フイルムの少なくとも
一表面に、前記した電荷移動型結合体を含むポリエステ
ル系樹脂組成物を含む層を積層して成ることを本質とす
る。
該積層成分は、前記した電荷移動型結合体を含むポリ
エステル系樹脂組成物のみでもよいし、たとえば他のポ
リエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステルウ
レタン樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化
ビニリデン系樹脂等の他の公知の樹脂との配合物であっ
てもよい。
さらに必要に応じて、着色剤、他の静電防止剤、架橋
剤、耐ブロッキング剤、無機または有機素材の粒子など
を用いた滑材、有機潤滑材、紫外線吸収剤、劣化防止剤
などの添加剤が、得られるフイルムの特性を損なわない
程度の割合で含有されていてもよい。上記添加剤のう
ち、架橋剤は、樹脂組成物層(塗工層)の固着性、耐水
性、耐溶剤性、耐スクラッチ性を改良するために加えら
れる。このような架橋剤としては、エポキシ樹脂、ブロ
ック化イソシアネート樹脂、ビニル系樹脂、アクリルア
ミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、メラミン系樹脂、メチ
ロール化尿素樹脂、アルキロール化尿素樹脂などの各種
樹脂;シラン系およびチタン系のカップリング剤などが
ある。
該積層物を形成する方法としては、上記組成物あるい
は組成物と他成分との配合物を適当な溶媒に溶解あるい
は分散しフイルム表面に塗工することにより形成するの
が好適である。
塗工液が分散液である場合は、分散処理をほどこす等
の手段をほどこすことも何んら制約を受けない。該塗工
液に塗工性を改良するために界面活性剤を添加する等の
手段も何ら制約を受けない。
この組成物を含む塗工液がベースフイルム表面に塗工
される。
ここで、ベースフイルムは、未延伸のフイルムであっ
ても一軸もしくは二軸延伸したフイルムであってもよい
が、塗工後、さらに所定の方向に、一軸もしくは二軸延
伸されることが好ましい。
たとえば、ポリエステルを溶融押出し冷却固化させた
キャスティング原反に塗布した後、横方向に次いで縦方
向に2軸延伸する方法および、上記キャスティング原反
を縦方向に延伸した1軸延伸フイルムに塗布に次いで横
方向に延伸し2軸延伸フイルムを得る方法が推奨され
る。
上記塗工液の具体的な塗工方法としては、ロールコー
ト法、グラビアコート法、ロールブラッシュ法、スプレ
ーコート法、エアーナイフコート法、含浸法、カーテン
コート法などが挙げられる。これらの方法は、単独で、
もしくは組み合わせて用いられ得る。
組成物の塗布量は、最終的に得られる2軸延伸フイル
ムの一表面に通常0.003〜5g/m2、好ましく0.01〜3g/m2
の固形分量になるのが好ましい。
ポリエステルフイルムの配向結晶化条件、例えば延伸
熱固定等の条件は、従来から当業者により蓄積された条
件で行なうことができる。
本発明において、組成物の塗布は片面または両面に適
用できるが、本発明方法の特徴として、塗布面の反対面
も帯電しなくなるという特性が付与できるので片面に塗
布する方法が推奨される。
(作用) ここで、本発明に関して、半極性有機ホウ素結合含有
ポリエステルとアミノ化合物との反応により得られる電
荷移動型結合体からなるポリエステル系樹脂組成物が帯
電防止効果を発現する作用機構について述べると、下記
反応式のように、所定の半極性有機ホウ素結合の半極性
結合の部分と塩基性窒素とが結合することによって、各
セグメント中にイオン対を形成させた時に、生じた酸性
プロントがホウ素の側を窒素の側の両方に結合性を残す
かたちで移動するために、共鳴構造を呈し、高分子積全
体の中で、複数の電子の動きをもたらすということが、
所定の高分子電荷移動型結合体と接触させている絶縁性
素体材料に対してフェルミ準位を与え、半導体側の電気
特性をもつものへと転換させ得る原動力になっているの
であろうと推測している。
(実施例) 次に本発明の実施例および比較例を示す。
本発明に用いる測定、評価法を以下に示す。
1) ポリエステル成分の分子量の測定 2) 接着性 赤色染料で着色した塩化ビニル−酢ビ共重合体溶液を
乾燥後の塗布厚みが3μになるように塗布し、塗布面に
カッターナイフで1mm間隔に基盤目状に切り込みを入
れ、100個の桝目を形成した。該塗布面に、セロハンセ
ープ(Lパック、ニチバン社製)を均一に貼着した後、
このテープを180度方向に速やかに引き剥がした。3回
剥離テストを繰り返した後の、桝目の残存固数を数え
た。
3) 表面固有抵抗 タケダ理研社製固有抵抗測定器で印加電圧500V、23
℃、50%RHの条件下で測定した。
4) 摩擦帯電性 (株)興亜商会製の京大化研式ロータリースタチック
テスター(RST−201)を用い、JIS−L−1094に準拠し
て行なった。
摩擦体はステンレス板を用い、荷重500gf、23℃−50
%RHで測定した。
1分間摩擦した直後の飽和帯電圧(V1)と30秒経過後
の帯電圧(V2)を測定した。
減衰率(D)は下記で算出した。
実施例1 実施例1〜4 A) ポリエステルの合成 エステル交換法でジカルボン酸単位が、テレフタル酸
50モル%、イソフタル酸45モル%および5−ナトリウム
スルホイソフタル酸5モル%から構成され、そしてグリ
コール単位がエチレングリコール80モル%およびネオペ
ンチルグリコール20モル%から構成される分子量約1000
のヒドロキシル末端ポリエステルを合成した。該ポリエ
ステルに無水フタル酸を反応させ、両末端カルボキシル
基のポリエステルを合成した。
B) 半極性有機ホウ素結合含有ポリエステルおよび電
荷移動型結合体の合成 前記した合成ルートBに従い、半極性有機ホウ素結合
含有ポリエステルを合成(GPC分子量約2万)し、水−
メチルエチルメトンの混合溶媒中で各種アミン化合物と
の反応を沸点下で行ない表1に示す1〜4の電荷移動結
合体を得た。
C) 積層ポリエステルフイルムの製造 ポリエチレンテレフタレートを280〜300℃で溶融押出
し、15℃の冷却ロールで冷却して厚さ150μmの未延伸
フイルムを得、この未延伸フイルムを週速のことなる85
℃の一対のロール間を通して縦方向に3.5倍延伸した。
このフイルムの表面に、B)の方法で合成した電荷移動
結合体を水−イソプロパノール溶媒に分散した塗工液を
エアーナイフ方式で塗工し、70℃の熱風で乾燥した。こ
のフイルムをテンターで、98℃にて横方向に3.5倍延伸
し、さらに200〜210℃で熱固定し、厚さ12μ(積層物層
0.15μm)の二軸延伸積層フイルムを得た。
得られた積層フイルムの特性を表2に示す。
これらの実施例で得られた積層フイルムは接着性、帯
電防止性共に良好である。また、本実施例で得られた積
層フイルムは、反積層面も帯電防止性を有しており片面
の積層のみで、積層フイルムの全体に帯電防止性が付与
できるという極めて興味のある特性を有している。
すなわち、反積層面は、表面固有抵抗は通常のポリエ
ステルフイルムと同様に高いが、摩擦帯電性は、積層面
と同レベルに向上している。
実施例5,6 A) 電荷移動型結合体 実施例1〜4の同様の方法で合成した両末端カルボキ
シル基のポリエステルを用い、前記した合成ルートCに
従い半極性有機ホウ素結合含有ポリエステルを合成(GP
C分子量約1.4万)し、実施例1〜4と同様の方法で表1
に示す5および6の電荷移動型結合体を得た。
B) 積層ポリエステルフイルムの製造 上記電荷移動型結合体を水−イソプロパノール溶媒に
分散した分散液を塗工液とする以外、実施例1〜4と同
様の方法で得た積層フイルムの特性を表2に示す。
これらの実施例で得られた積層フイルムも、優れた接
着性および帯電防止性を有している。
実施例7 実施例6の方法において、半極性有機ホウ素含有ポリ
エス1モルに対してアミノ化合物の反応量が0.3モルに
なるようにアミノ化合物の添加量少なくして合成した電
荷移動型結合体7を塗工液とする以外、実施例6と同じ
方法で得た積層ポリエステルフイルムの特性を表2に示
す。
本実施例で得られた積層フイルムも優れた接着性およ
び帯電防止性を有している。
実施例8,9 実施例1〜4の方法において、ポリエステル重合時の
重合時間を長くすることにより末端基測定法により算出
されるポリエステルの分子量を約2,000とする以外、実
施例1〜4と同じ方法で合成した電荷移動型結合体8お
よび9を用いて得た積層フイルムの特性を表2に示す。
これらの実施例で得られた積層フイルムも、優れた接
着性および帯電防止性を有している。
比較列1 実施例1〜4と同じ組成の分子量が約2万のポリエス
テル(半極性有機ホウ素結合の導入およびアミノ化合物
との反応を実施せず)を塗工液とする以外、実施例1〜
4の同じ方法で得た積層ポリエステルフイルムの特性を
表1に示す。
本比較例で得られた積層フイルムは接着性は優れてい
るが帯電防止性が著しく劣る。
比較例2 実施例1〜7の方法において、塗工液を塗布しない以
外、実施例1〜7と同じ方法で得たポリエステルフイル
ムの特性を表2に示す。
本比較例で得られたポリエステルフイルムは、接着性
および帯電防止性が共に劣る。
(発明の効果) 本発明の半極性有機ホウ素結合含有ポリエステルとア
ミノ化合物との反応により得られる電荷移動型結合体か
らなるポリエステル系樹脂組成物は、印刷インキや各種
コーティング剤と優れた接着性を付与できる特性を有し
ており、かつ従来の帯電防止剤にない優れた特性を有し
ている。
従って、フイルム、シート、繊維、成型体、紙及びそ
れらの複合品等の絶縁性材料の示す帯電性を取除き、静
電気障害を起させない材料へと変化させることができる
ので広い分野において有用に利用できる。
また、該ポリエステル系樹脂組成物を積層した熱可塑
性樹脂フイルムは印刷インキや各種コーティング剤との
易接着性と帯電防止性の両特性を兼備しており、かつ、
帯電防止性については、片面のみに積層した場合でも積
層面のみでなく、反積層面にも帯電防止性が付与される
という極めて興味ある特性を有している。
従って、該積層熱可塑性フイルムは各種包装用途、製
版用途、磁気記録用途、光学用用途等の広い用途におい
て好適に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C08G 63/698 C08G 63/698 63/91 63/91 C08L 67/00 C08L 67/00 (56)参考文献 特開 平3−147846(JP,A) 特開 平3−115371(JP,A) 特開 平4−153037(JP,A) 特開 平4−163714(JP,A) 特開 平1−190450(JP,A) 特開 平2−113938(JP,A) 特開 昭58−8731(JP,A) 特開 昭63−37130(JP,A) 特開 平1−185329(JP,A) 特開 平2−272036(JP,A) 特開 平2−252740(JP,A) 特開 平2−39935(JP,A) 特開 平4−163150(JP,A) 特開 平2−253947(JP,A) 特開 平3−59909(JP,A) 特開 平2−270549(JP,A) 特開 平3−58046(JP,A) 特開 平3−57642(JP,A) 特開 平3−38337(JP,A) 特開 平3−58064(JP,A) 特開 昭63−118334(JP,A) 特開 昭63−160012(JP,A) 特開 昭54−127980(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/00 - 63/91 C08G 79/00 - 79/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記繰返し単位(I)および/または(I
    I)よりなる半極性有機ホウ素結合含有ポリエステル
    で、該半極性有機ホウ素結合の一部又は全部がアミノ化
    合物と反応した電荷移動型結合体からなることを特徴と
    するポリエステル系樹脂組成物。 (式中R1およびR2は分子量が300〜10000のポリエステル
    残基)
  2. 【請求項2】熱可塑性樹脂よりなる基材フイルムの少く
    とも片面に請求項1記載のポリエステル系樹脂組成物を
    積層してなる積層フイルム。
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